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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022165947
(43)【公開日】2022-11-01
(54)【発明の名称】医療品の管理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/08 20120101AFI20221025BHJP
   B65G 1/137 20060101ALI20221025BHJP
【FI】
G06Q10/08
B65G1/137 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022069775
(22)【出願日】2022-04-20
(31)【優先権主張番号】P 2021070746
(32)【優先日】2021-04-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】390000583
【氏名又は名称】小西医療器株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100191189
【弁理士】
【氏名又は名称】浅野 哲平
(74)【代理人】
【識別番号】100199761
【弁理士】
【氏名又は名称】福屋 好泰
(72)【発明者】
【氏名】吉田 記大
【テーマコード(参考)】
3F522
5L049
【Fターム(参考)】
3F522AA02
3F522BB15
3F522BB25
3F522BB35
3F522CC01
3F522DD03
3F522DD22
3F522DD32
3F522EE02
3F522EE11
3F522GG13
3F522GG16
3F522GG18
3F522GG22
3F522GG24
3F522GG25
3F522HH02
3F522HH13
3F522HH22
3F522HH30
3F522HH34
3F522JJ02
3F522JJ04
3F522KK02
3F522KK03
3F522LL58
5L049AA16
(57)【要約】
【課題】医療品の物流拠点において、ピッキングミスの発生を防止して、SPDシステムからの発注に基づいて、適切に医療品を出荷し得る医療品の管理システムを提供する。
【解決手段】医療品の物流拠点における管理システムであって、医療品Wの小分けSごとに小分識別情報を付与する付与部と、前記小分識別情報に対応づけて前記医療品Wの情報を記憶する記憶部と、発注された医療品の情報を病院の端末から受信する受信部と、受信した医療品の情報を検索キーとして小分識別情報を検索し、発送すべき医療品の小分けを特定する特定部と、を備える。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療品の物流拠点における管理システムであって、
医療品の小分けごとに小分識別情報を付与する付与部と、
前記小分識別情報に対応づけて前記医療品の情報を記憶する記憶部と、
発注された医療品の情報を取得する取得部と、
取得した医療品の情報を検索キーとして小分識別情報を検索し、発送すべき医療品の小分けを特定する特定部と、
を備える管理システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療品を管理する管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
医療現場における医療品の在庫や発注を管理するためのSPDシステムが知られている。SPDは、供給(Supply)、加工(Processing)、分配(Distribution)の略であり、医療現場での要望に応じて医療品の物流管理を的確に行うことで、医療品の死蔵、過剰在庫の解消、請求・発注業務の軽減、保険請求漏れを防止すること等を目的としたシステムである。例えば、特許文献1には、病院において医療品の消費管理を的確に行うための管理システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-15577号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、SPD業者の物流拠点では、製造業者から医療品を入荷して在庫として保管し、病院からの発注に基づいて、当該在庫から必要数量の医療品をピッキングして出荷している。しかし、従来から当該物流拠点では、医療品を単品単位で在庫管理しており、このような在庫からのピッキングを作業者の目視によって行っているため、ピッキングすべき医療品の取り間違えや、ピッキング数量の間違えや期限切迫品の誤出荷が生じるおそれがあった。
【0005】
そこで、本発明は、医療品の物流拠点において、ピッキングミスの発生を防止して、病院からの発注に基づいて、適切に医療品を出荷し得る医療品の管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明は、医療品の物流拠点における管理システムであって、医療品の小分けごとに小分識別情報を付与する付与部と、前記小分識別情報に対応づけて前記医療品の情報を記憶する記憶部と、発注された医療品の情報を取得する取得部と、取得した医療品の情報を検索キーとして小分識別情報を検索し、発送すべき医療品の小分けを特定する特定部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、SPD業者においてピッキングミスを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態に係る物流センターの工程図
図2】荷受工程に設けられたハードウェア構成図
図3】実施形態に係る管理システムが有するサーバのデータベース
図4】仕分工程に設けられたハードウェア構成図
図5】(a)収納ボックスの斜視図、(b)電子ペーパーのハードウェア構成図
図6】(a)保管工程に設けられた保管棚の正面図、(b)保管棚に設けられたハードウェア構成図
図7】(a)チェックカウンターの斜視図、(b)チェックカウンターに設けられたハードウェア構成図
図8】(a)仕分工程の作業台の斜視図、(b)作業台に設けられたハードウェア構成図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図に基づいて本発明の管理システムを説明する。
【0010】
[第1実施形態]
【0011】
第1実施形態の管理システムは、図1に示すように、医療品SPD業者の物流センターや倉庫などの物流拠点に導入されており、当該物流拠点における医療品Wの入荷から出荷までの過程を管理するシステムである。具体的には、本実施形態の物流拠点には、製造業者から入荷した医療品Wを荷受する荷受工程、荷受けした医療品Wを小分けする小分工程、小分けした医療品W(以下、小分品Sという)を保管する保管工程、保管されている小分品Sをピッキングするピッキング工程、及びピッキングした小分品Sを仕分けして出荷する仕分出荷工程、が設けられている。
【0012】
<荷受工程>
荷受工程では、病院が使用・消費する様々な医療品Wが入荷される。入荷時においては、梱包材Pに同種の複数の医療品Wが収容されており、当該梱包材Pに対して除菌剤を噴霧する噴霧器が荷受口に設けられている。梱包材Pの外面にはGS1コードが表示されている。GS1コードは、医療品Wを一意に識別するための医療品ID、当該医療品Wの有効期限、及び当該医療品Wのロット番号を含み、荷受口近辺に設けられた公知のコードリーダ11(図2)によってこれらの情報が読み取られる。図2に示すように、コードリーダ11は、コンピュータ12に接続されており、GS1コードから読み取った情報(入荷された医療品Wに関する情報)をコンピュータ12に入力する。コンピュータ12は、コードリーダ11から情報を取得するとともに、入荷された医療品Wの数量などの情報を、作業者によるキーボード13やマウス14の操作を通じて取得する。このようなコンピュータ12は、ネットワークを介してサーバ1と通信可能に設けられており、コードリーダ11から入力された情報や作業者によって入力された情報をサーバ1に送信する。
【0013】
サーバ1は、上記コンピュータ12から受信した情報を管理データベースに登録する。管理データベースは、図3に示すように、管理番号フィールド、医療品IDフィールド、有効期限フィールド、数量フィールド、ロットシリアルフィールド、及び関係性フィールドを含んでおり、サーバ1は、上記コンピュータ12から情報を受信する度に、新たにレコードを生成し、当該レコードの管理番号フィールドに管理番号を登録するとともに、受信した情報を該当するフィールドに登録する。ここで、管理番号はレコード毎に一意に付与される番号であり、入荷された医療品Wに対して付与する入荷管理番号と、小分品Sに対して付与される小分管理番号を含む。
【0014】
上記荷受工程には、入荷管理番号を記憶したRFタグを発行するRFタグ発行装置15が設けられている。RFタグ発行装置15は上記のコンピュータ12に接続されており、コンピュータ12から取得した入荷管理番号を記憶させたRFタグを発行する。当該コンピュータ12は、サーバ1から入荷管理番号を取得し、取得した入荷管理番号をRFタグ発行装置15へと出力する。このようにRFタグ発行装置15によって発行されたRFタグは医療品Wの梱包材Pに貼付けられる。このようにRFタグが貼付された医療品Wは小分工程へと搬送される。
【0015】
<小分工程>
小分工程は、図1に示すように、上記荷受工程において荷受けした医療品Wを所定の数量に小分けして小分品Sをつくる工程である。当該小分数量は、病院における医療品Wの消費量や使用頻度に応じて、医療品Wの種類ごとに予め定められており、図3に示すように、サーバ1が有する医療品データベースに登録されている。当該医療品データベースには、医療品Wに対応する小分数量に加えて、医療品Wに関する名称や、医療品Wのメーカーなどに関する情報が登録されている。
【0016】
小分工程が実施される小分エリアには、小分装置、パッキング装置、及びRFタグ発行装置が順に設けられている。小分装置は、入荷した医療品Wを所定の小分数量に小分けするための装置であって、図4に示すように、梱包材Pに貼付されたRFタグから入荷管理番号を読み取るRFID読取装置21を備えている。当該RFID読取装置は21、ネットワークを介してサーバ1と通信可能であり、読み取った入荷管理番号をサーバ1に送信する。サーバ1は、RFID読取装置21から入荷管理番号を取得すると、当該入荷管理番号に対応する商品IDを管理データベース(図3)から抽出し、抽出した商品IDに対応する小分数量や医療品Wの名称などの情報を医療品データベース(図3)から抽出し、小分装置が有する表示装置22に対して送信する。表示装置22は、小分けを行う作業者に対して小分作業に必要な情報を表示する装置であって、サーバ1から受信した医療品Wの名称や小分数量などの情報を表示する。当該表示装置22は、さらに、小分装置が有する計量器23に接続されており、計量器23によって計量された医療品Wの重量を表示する。医療品データベースには、所定数量に相当する適正重量が医療品Wごとに記憶されている。小分けを行う作業者は、入荷された医療品Wに付されたRFタグをRFID読取装置21に読み取らせる。これにより、表示装置22には、小分対象となっている医療品Wの名称や小分数量が表示されることとなり、作業者は当該表示を確認してから小分作業に着手することができる。また、作業者が梱包材Pから所定数量の医療品Wを取り出して計量器23に載せると、表示装置22には、取り出された医療品Wの重量が表示されることとなる。そして、表示された重量と上記適正重量とを比較することで、小分けした医療品Wの数量が正しいかどうかを確認できる。
【0017】
所定の小分数量に小分された医療品Wはパッキング装置によって小分袋B(図1)にパッキングされ、RFタグ発行装置24へと運ばれる。RFタグ発行装置24は、小分管理番号が記録されたRFタグを発行する装置であり、ネットワークを介してサーバ1に接続されている。サーバ1は、上記小分装置のRFID読取装置24から入荷管理番号を取得した時点で、当該入荷管理番号に対応する小分品Sのレコードを管理データベースに登録し、当該レコードに含まれる小分管理番号をRFタグ発行装置24へと送信する。このようにサーバ1は、医療品の小分けごとに小分識別情報である小分管理番号を付与する付与部として機能している。また、サーバ1が有する管理データベースは、小分管理番号に対応付けて医療品の情報を記憶する記憶部として機能している。RFタグ発行装置24は、サーバ1から受信した小分管理番号に基づいてRFタグを発行する。このRFタグ発行装置によって発行されたRFタグは小分袋Bに貼付される。
【0018】
上記小分装置、パッキング装置、及びタグ発行装置を経て、複数の小分品Sがつくられ、これら複数の小分品Sは収納用作業台へと送られる。当該収納用作業台は、小分品Sを収納ボックス30(図5)へと収納するための作業台であって、RFID読取装置25を備えている。当該RFID読取装置25は、作業台の天板に敷設されたシートアンテナ26と、当該シートアンテナ26を駆動制御するリーダライタ本体27と、により構成されている。図5に示すように、収納用作業台に置かれる収納ボックス30は、その下部に、収納ボックス30を一意に識別するためのボックスIDが記録されたRFタグ35が貼付されている。そのため、収納ボックス30が収納用作業台の天板上に置かれると、当該収納ボックス30のボックスIDがRFID読取装置25によって読み取られる。また、当該収納ボックス30に小分品Sが入れられると、当該小分品SのRFタグに記録された小分管理番号がRFID読取装置25によって読み取られる。図4に示すように、当該RFID読取装置25は読み取ったボックスIDと小分管理番号をサーバ1へと送信する。サーバ1は、RFID読取装置25から取得した小分管理番号にボックスIDを対応付けて記録する。
【0019】
図5に示すように、上記の収納ボックス30は、例えば、方形の容器であり、正面に表示部である電子ペーパー31を備えている。電子ペーパー31は、収容されている小分品Sに関する情報(例えば、小分品Sの名称、ロットシリアル、使用期限、小分品Sの数量など)を表示するものであり、当該情報を表示する液晶パネル32と、液晶パネル32を制御するMCU33と、を備えている。当該電子ペーパー31は、更に、ネットワークモジュール34を備えており、サーバ1から上記小分品Sに関する情報を受信して、上記液晶パネル32に情報を表示させる。なお、サーバ1には、当該電子ペーパー31が有するネットワークモジュール34のアドレスと、上記ボックスIDが対応付けられたボックスアドレステーブルが格納されている。このように小分品Sを収納した収納ボックス30はコンベアなどの搬送装置によって保管工程へと搬送される。
【0020】
<保管工程>
保管工程は、収納ボックス30に収納された状態で小分品Sを保管する工程であり、本実施形態では、出荷頻度に応じた保管態様を採用している。具体的には、出荷頻度の高い小分品S(高頻度品)を保管する自動倉庫と、出荷頻度が低い小分品S(低頻度品)を保管する低頻度品保管エリアと、出荷頻度が中程度の小分品S(中頻度品)を保管する中頻度品保管エリアと、が設けられている。
【0021】
ここで、中頻度品保管エリアについて詳細に説明すると、図6に示すように、中頻度品保管エリアには複数の保管棚40が設置されている。保管棚40は、無作為に配置された複数の収納ボックス30を保管する棚であり、上下方向に複数の棚板41を備えている。当該保管棚40は、棚板41の各々に敷設されたシートアンテナ42と、当該シートアンテナ42の各々を駆動制御するリーダライタ本体43と、を備えるRFID読取装置44を備えている。RFID読取装置44は、リーダライタ本体43が複数のシートアンテナ42を駆動させることで、保管棚40に配置されている収納ボックス30のRFタグからボックスIDを読み取り、読み取ったボックスIDをサーバ1に送信する。サーバ1は、RFID読取装置44からボックスIDを受信すると、受信したボックスIDに対応付けられた配置ステータスにフラグをセットし、受信していないボックスIDに対応付けられた配置ステータスのフラグをクリアする。
【0022】
なお、自動倉庫、低頻度品保管エリアにおいても、上記した中頻度品保管エリアと同様に、RFID読取装置44を備えた保管棚40が配置されており、それぞれの保管棚40には出荷頻度に応じた小分品Sが保管されている。
【0023】
<ピッキング工程>
ピッキング工程は、病院からの発注に基づいて医療品の情報を取得し、保管されている小分品Sをピッキングする工程である。ここで、病院からの発注は小分単位で行われるものであり、サーバ1が当該小分単位での発注を取得した場合に、出荷頻度に応じた(保管態様に応じた)ピッキングが開始される。このようにサーバ1は発注された医療品の情報を取得する取得部として機能する。高頻度品を保管する自動倉庫においては、無人搬送ロボット(AGV)によって、発注された高頻度品が収容された保管棚が作業者のもとへと自動的に搬送され、作業者は搬送された保管棚から必要な小分品Sをピックアップして、ピックアップした小分品SのRFタグをRFID読取装置で読み取る。低頻度品を保管する低頻度品保管エリアでは、ピックアップ作業者が有する端末に対してピックアップすべき低頻度品の位置情報がサーバ1から送信され、ピックアップ作業者は当該位置情報に基づいて低頻度品をピックアップする。なお、当該端末を自走式ロボットに設けて、ピックアップ作業者を低頻度品の保管位置まで誘導させるようにしてもよい。
【0024】
ここで、中頻度品保管エリアにおけるピッキングについて詳細に説明すると、サーバ1は、受信した発注に含まれている医療品Wの医療品IDを特定し、当該医療品IDを含むレコードを管理データベースから抽出する。そして、サーバ1は抽出したレコードにおける配置ステータスを確認してフラグがセットされているレコードを抽出する。このように抽出されたレコードにおいて最も期限が迫っているレコードを抽出し、当該レコードに含まれるボックスIDを特定する。そして、ボックスアドレステーブルにおいて、当該ボックスIDに対応するネットワークアドレスを特定し、ネットワークアドレスに対してピッキング対象である旨を送信する。そして、当該ネットワークアドレスを有する電子ペーパー31は、ピッキング対象である旨の表示を液晶パネル32に表示させる。
【0025】
中頻度品保管エリアにおいてピッキングを行う作業者は、保管棚40に置かれている収納ボックス30の電子ペーパー31に着目しながら、複数の保管棚40を巡回する。作業者は、電子ペーパー31にピッキング対象であることが表示されている収納ボックス30を発見すると、当該収納ボックス30ごとピックアップする。このようにピックアップされた収納ボックス30のRFタグは、保管棚40のシートアンテナ42の交信範囲から外れるため、保管棚40のRFID読取装置44によってボックスIDが読み取られない。よって、当該収納ボックス30のボックスIDに対する配置ステータスのフラグがクリアされることとなる。
【0026】
ピックアップされた収納ボックス30は、作業者によって、図7に示すチェックカウンター50へと運ばれる。チェックカウンター50は、収納ボックス30から小分品Sをピックアップするカウンターであり、当該収納ボックス30および小分品Sの適否が確認される。具体的には、チェックカウンター50は、水平に延在する天板51を有するテーブル52と、RFID読取装置53と、を備えている。RFID読取装置53は、テーブル52の天板51上に配置された第1シートアンテナ54と、当該天板51上に配置された第2シートアンテナ55と、第1シートアンテナ54および第2シートアンテナ55を駆動制御するリーダライタ本体56と、を備えている。第1シートアンテナ54は収納ボックス30のRFタグ35(図5)からボックスIDを読み取るためのアンテナであり、第2シートアンテナ55は当該収納ボックス30から取り出された小分品SのRFタグから小分管理番号を読み取るためのアンテナである。第1シートアンテナ54および第2シートアンテナ55によって読み取られたボックスIDおよび小分管理番号はサーバ1に送信される。サーバ1は、当該RFID読取装置53からボックスIDおよび小分管理番号を受信すると、病院からの発注に対応する医療品Wであるか否か、期限切迫品ではないかを確認する。病院からの発注に対応していない医療品Wである場合には、テーブル52に設けられたモニター57にエラーを表示させる。発注に対応する医療品Wである場合には、当該小分管理番号に対応付けられたボックスIDをクリアする。
【0027】
チェックカウンターの近傍には、病院ごとに割り当てられた複数の病院別ボックスが配置されており、上記発注元の病院に対応する病院別ボックスに小分品Sが入れられる。病院別ボックスはコンベアなどの搬送装置によって仕分出荷工程へと搬送される。
【0028】
<仕分出荷工程>
仕分出荷工程は、病院別ボックスに入れられた小分品Sを部署(診療科)別に仕分けする仕分工程と、仕分けられた医療品Wを出荷する出荷工程と、を含む。仕分行程を行う仕分エリアには、図8に示すように、RFID読取装置63とSPDタグ発行装置68が配置された作業台62と、部署別に割り当てられた部署別ボックスと、が設けられている。RFID読取装置63は、作業台62の天板61に敷設されたシートアンテナ64と、当該シートアンテナ64を駆動制御するリーダライタ本体65と、を備えている。当該シートアンテナ64上に、病院別ボックスから取り出された小分品Sが載せられると、リーダライタ本体65は当該小分品SのRFタグ(以下、小分管理タグという。)から小分管理番号を読み取り、読み取った小分管理番号をネットワークを介してサーバ1へと送信する。サーバ1は、当該RFID読取装置63から小分管理番号を受信すると、管理データベースから受信した小分管理番号を含むレコードを抽出し、抽出したレコードに基づいてSPD情報を生成し、生成したSPD情報をSPDタグ発行装置68へと送信する。SPDタグ発行装置68は、ネットワークを介してSPD情報をサーバ1から受信し、受信したSPD情報を記録したRFタグ(以下、SPDタグという。)を発行する。SPDタグ発行装置68によって発行されたSPDタグは小分品Sに貼付される。これにより、小分品Sには小分管理タグとSPDタグが貼付されることとなる。ここで、上記RFID読取装置63は、小分品Sに貼付されている小分管理タグとSPDタグの各々から情報を読み取り、読み取った情報(小分管理番号およびSPD情報)をサーバ1に送信する。サーバ1は、RFID読取装置63から、小分管理番号とSPD情報を受信すると、小分管理番号を含むレコードを抽出し、SPD情報と抽出したレコードを照合する。照合した結果、SPD情報と抽出したレコードの内容が正しい場合には、SPDタグが適切な小分品Sに貼付されたものと判定される。一方、照合した結果、SPD情報と抽出したレコードの内容が相違する場合には、SPDタグが誤って他の小分品Sに貼付されたものと判定し、作業台に62設けられたディスプレイ67などにエラーを出力する。
【0029】
SPDタグが貼付された小分品Sは部署別ボックスへと仕分けされる。部署別ボックスは棚に配置されている。当該棚にはモニター装置が併設されており、仕分け作業を行う作業者は、ハンディ型の読取装置を用いてSPD情報を読み取り、読み取ったSPD情報をサーバ1へと送信する。サーバ1は、当該読取装置からSPD情報を受信すると、当該小分品Sを入れるべき部署別ボックスを指定するボックス指定情報をモニター装置へと送信する。モニター装置は、サーバ1からボックス指定情報を受信すると、受信したボックス指定情報をモニターに表示させる。作業者は当該モニターの表示に従って部署別ボックスを特定し、当該部署別ボックスに小分品Sを入れる。
【0030】
発注された全ての医療品Wが部署別ボックスに入れられると、作業者は当該部署別ボックスを棚から取り出して台車に載せて出荷工程へと搬送する。ここで、仕分工程から出荷工程の間にはゲート装置が設けられている。ゲート装置は、部署別ボックスを搬送するコンベアと、コンベアの搬送経路上に設けられたゲート本体と、ゲート本体に設けられたRFID読取装置と、当該コンベアおよびRFID読取装置を制御するコントロールパネルと、を備えている。作業者は、部署別ボックスをコンベアに載せたあとに、コントロールパネルを操作して当該部署別ボックスの出荷先である病院と部署を入力する(部署別ボックス内のSPDタグからSPD情報を読み取って病院と部署を取得しても構わない)。コントロールパネルは入力された病院と部署をサーバ1に送信する。サーバ1は、コントロールパネルから病院と部署を受信すると、当該部署からの発注情報を検品情報としてゲート装置へと送信する。ゲート装置のコントロールパネルは、検品情報をサーバ1から受信すると、コンベアを駆動して部署別ボックスをゲート本体内へと搬送する。コントロールパネルは、部署別ボックスがゲート本体内まで搬送されると、コンベアを一旦停止させて、RFID読取装置を用いて部署別ボックス内の小分品Sに貼付されたSPDタグからSPD情報を読み取る。コントロールパネルはRFID読取装置から取得したSPD情報とサーバ1から受信した検品情報を照合して、出荷物の過不足や、期限切迫品の有無、部署・病院の混在を確認する。過不足なく出荷物が取り揃えられている場合には、出荷工程へと部署別ボックスが搬送される。
【0031】
出荷工程では、搬送されてきた部署別ボックスを、同じ病院の別の部署への部署別ボックスと併せて病院単位で出荷される。
【0032】
上記実施形態によると、入荷された医療品Wは、病院からの発注単位に小分けされており、小分品Sの各々に対して小分管理番号が記録されたRFタグが貼付される。そして、当該RFタグに記録された小分管理番号に基づいて、小分品Sが保管、ピッキング、仕分出荷の各工程において管理されるので、病院からの発注に基づいて出すべき小分品Sを適切に出荷することができる。
【0033】
本発明の実施形態を説明したが、実施形態は上記の態様に限定されず、下記のように変形を加えた態様であっても構わない。
【0034】
<変形例1>
上記荷受工程に設けられたRFタグ発行装置は、入荷管理番号をコード化した一次元コードを印刷するラベルプリンタであっても構わない。また、小分工程に設けられたRFID読取装置は梱包材に付された一次元コードから入荷管理番号を読み取るコードリーダであっても構わない。
【0035】
<変形例2>
上記保管工程において、高頻度品を保管する場合には、高頻度品を収納ボックスから出して自動倉庫が備える収容部に収容しても構わない。
【0036】
<変形例3>
上記保管工程において、低頻度品を保管する場合には、低頻度品を収納ボックスから出して平置棚における所定の保管位置で保管しても構わない。また、当該平置棚にはRFID読取装置が設けられていなくても構わない。このような態様においては、ピッキングすべき小分品の位置を誘導する補助ロボットを用いて小分品をピッキングすることができる。
【0037】
<変形例4>
上記保管工程において、中頻度品を保管する保管棚にモニターを設け、当該モニターにピックアップすべきボックスの位置情報を表示させても構わない。
【0038】
<変形例5>
上記部署別ボックスは、移動式のカゴ車に配置されても構わない。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8