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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022165977
(43)【公開日】2022-11-01
(54)【発明の名称】モノレールトレイコンベア
(51)【国際特許分類】
   B65G 54/02 20060101AFI20221025BHJP
   H02K 41/03 20060101ALI20221025BHJP
   H02K 41/02 20060101ALI20221025BHJP
   B60L 13/03 20060101ALI20221025BHJP
【FI】
B65G54/02
H02K41/03 A
H02K41/02 B
B60L13/03 Q
【審査請求】有
【請求項の数】23
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022114253
(22)【出願日】2022-07-15
(62)【分割の表示】P 2019564057の分割
【原出願日】2018-04-27
(31)【優先権主張番号】62/521,936
(32)【優先日】2017-06-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】508181663
【氏名又は名称】レイトラム,エル.エル.シー.
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】特許業務法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】ラガン,ブライアント ジー.
(57)【要約】      (修正有)
【課題】リニアモータの清掃を容易にする。
【解決手段】磁石53を有するトレイ28’が、レール24’に収容されたステータコイルによってトレイコンベア部分の単一のレールに沿って押し進められるモノレールトレイコンベアであり、モノレールに沿って駆動される往復台を含む往復台モノレール部分は、トレイコンベア部分の間で往復台移動レールの上でトレイを移動させるためにトレイコンベア部分のレールと整列する移動レールを有し、更に、水平方向の並進機部分、昇降機部分、ダイバータ部分およびチルタ部分を含む。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トレイコンベア部分であって、第1の端部から第2の端部まで搬送方向に延び、
前記搬送方向にトレイコンベア部分の長さに沿って延びるリニアモータステータを収容することで前記レールの長さに沿って移動する電磁波を生成する単一のレールを含む
トレイコンベア部分と、
トレイであって、頂部プラットフォームと、
前記頂部プラットフォームから下方に延び、前記レールを中に受け入れるスロットを画定する一対の側部ガイドと、
前記リニアモータステータによって生成された前記移動する電磁波と相互作用することで前記トレイを前記レールの長さに沿って進ませる推進力を生み出す、前記側部ガイドの中の磁石とを含む
トレイとを備えるモノレールコンベア。
【請求項2】
前記トレイコンベア部分は、
前記レールを支持するために前記レールと一体式に形成される脚と、
前記移動する電磁波を生成するために前記リニアモータステータを駆動するために前記脚に収容される制御装置とを含む、請求項1に記載のモノレールコンベア。
【請求項3】
前記トレイコンベア部分は、前記レール内のセンサ位置に、前記センサ位置におけるトレイの存在を感知し前記制御装置にセンサ信号を送るセンサを含む、請求項2に記載のモノレールコンベア。
【請求項4】
前記リニアモータステータは、前記トレイ内の前記磁石と共にリニア同期モータを形成する三相コイルを備える、請求項1に記載のモノレールコンベア。
【請求項5】
前記三相コイルは鉄を含まない芯を有する、請求項4に記載のモノレールコンベア。
【請求項6】
前記スロットは逆向きのU字形である、請求項1に記載のモノレールコンベア。
【請求項7】
前記レールの頂部は凸状に湾曲している、請求項1に記載のモノレールコンベア。
【請求項8】
前記往復台コンベア部分の長さに沿って前記搬送方向に延びる往復台リニアモータステータを収容することで、前記トレイコンベア部分の前記レールに直交する前記往復台レールの長さに沿って移動する電磁波を生成する単一の往復台レールを含む往復台コンベア部分と、
往復台であって、前記往復台レールの頂部に支持される往復台プラットフォームと、
前記往復台プラットフォームから下方に延び、前記往復台レールを受け入れるために往復台スロットを形成する往復台側部ガイドと、
前記往復台に収容され、前記往復台リニアモータステータが前記往復台コイルと共に、前記往復台レールに沿って前記往復台を移動させるリニアモータを形成する往復台コイルと、
前記トレイコンベア部分からトレイを受け取る、またはそこにトレイを排出するために、前記トレイコンベア部分内の前記レールの頂部と位置決め可能な頂部を備える、前記往復台プラットフォームに装着された単一の移動レールと、
前記移動レールに収容される往復台駆動コイルと、
前記往復台コイルを通して前記リニアモータステータによって誘導式に動力が供給されて、前記往復台駆動コイルを駆動させて、前記トレイ内の前記磁石と相互作用して、前記トレイを前記トレイコンベア部分の前記レールから前記移動レール上に進ませる、または前記移動レールから離して前記トレイコンベア部分の前記レールに進ませる移動する電磁波を前記移動レール内に生成する往復台制御装置とを含む、
往復台とをさらに備える、請求項1に記載のモノレールコンベア。
【請求項9】
前記往復台コンベア部分の同じ側に、または対向する側に平行に配列された複数の前記トレイコンベア部分を備えることで、前記往復台が、前記トレイコンベア部分の1つから前記トレイを受け取り、前記トレイコンベア部分の別の部分に前記トレイを排出することができる、請求項8に記載のモノレールコンベア。
【請求項10】
平行に配列された前記トレイコンベア部分のうちの2つと、前記2つのトレイコンベア部分に直交するように配列された2つの往復台コンベア部分とを備え、前記往復台コンベア部分の一方は、前記2つのトレイコンベア部分の前記第1の端部の間で前記トレイを移動させ、前記往復台コンベア部分の他方は、前記2つのトレイコンベア部分の前記第2の端部の間で前記トレイを移動させる、請求項8に記載のモノレールコンベア。
【請求項11】
前記往復台コンベア部分は並進機往復台部分であり、前記2つのトレイコンベア部分の前記レールは同じ水平面にある、請求項10に記載のモノレールコンベア。
【請求項12】
前記往復台コンベア部分は昇降機往復台部分であり、前記2つのトレイコンベア部分の前記レールは同じ垂直面にある、請求項10に記載のモノレールコンベア
【請求項13】
前記トレイコンベア部分の第1のトレイコンベア部分が、隙間を横切るように前記トレイコンベア部分の第2のトレイコンベア部分の前記第1の端部から斜めに延びる複数の前記トレイコンベア部分と、
ダイバータステータを収容する円筒形のダイバータベースを有するダイバータ往復台部分と、
ダイバータ往復台であって、前記ダイバータベース上に支持され、前記ダイバータベースの周辺部を囲むように下方に延びる側部スカートを有するダイバータプラットフォームと、
前記側部スカートに収容されるダイバータコイルと、
前記ダイバータプラットフォームより上で、前記トレイコンベア部分からトレイを受け取る、または前記トレイコンベア部分にトレイを排出するために前記第1および前記第2のトレイコンベア部分内の前記レールの頂部と水平になる頂部に支持される単一のダイバータレールと、
前記ダイバータレールに収容されるダイバータ駆動コイルとを含む
ダイバータ往復台と、
前記ダイバータステータを駆動して、前記ダイバータベースの周辺部に沿って進み、前記ダイバータコイルと相互作用して、前記ダイバータレールが前記トレイコンベア部分の前記第1のトレイコンベア部分の前記レールと整列される第1の位置から、前記ダイバータレールが前記トレイコンベア部分の前記第2のトレイコンベア部分の前記レールと整列される第2の位置まで前記ダイバータ往復台を回転させる電磁波を生成するダイバータ制御装置とをさらに備える、請求項1に記載のモノレールコンベア。
【請求項14】
前記ダイバータ往復台は、前記ダイバータステータおよび前記ダイバータコイルによって誘導的に動力が供給される、請求項13に記載のモノレールコンベア。
【請求項15】
前記レールに乗って進むスクラバー本体と、
前記スクラバー本体に収容され、前記移動する電磁波と相互作用することで前記スクラバー本体を前記レールに沿って進める一連のスクラバー磁石と、
前記レール上に清浄溶液を導くディスペンサとを含むスクラバーをさらに備える、請求項1に記載のモノレールコンベア。
【請求項16】
前記スクラバーは、前記レールをこすり洗いするために前記レールの前記頂部および前記外側面と接触する回転式のスクラブブラシをさらに含む、請求項15に記載のモノレールコンベア。
【請求項17】
レールが隙間を横切るように整列された第1および第2のトレイコンベア部分と、
前記湾曲したレールに沿って移動する電磁波を生み出すチルタステータを収容する上向きに湾曲したレールを含むチルタベースを有するチルタ往復台部分と、
チルタ往復台であって、前記チルタベース上に支持される前記湾曲したレールを受け入れる湾曲したスロットと、前記湾曲したスロットに沿って前記チルタ往復台プラットフォームに収容されるチルタコイルとを有するチルタ往復台プラットフォームと、
前記隙間の中で前記チルタ往復台プラットフォームより上に支持される単一のチルタレールと、
前記チルタレールに収容されるチルタ駆動コイルとを含む、
チルタ往復台と、
前記チルタステータを駆動することで、前記チルタコイルと相互作用して、前記チルタレールが前記第1および前記第2のトレイコンベア部分の前記レールと整列される第1の位置から、前記チルタレールが前記第1および前記第2のトレイコンベア部分の前記レールとの整列から外れる第2の位置まで前記チルタ往復台を傾斜させる移動する電磁波を生成するチルタ制御装置とをさらに備える、請求項1に記載のモノレールコンベア。
【請求項18】
前記チルタ往復台は、前記チルタステータおよび前記チルタコイルによって誘導的に動力が供給される、請求項17に記載のモノレールコンベア。
【請求項19】
前記チルタレールは、前記搬送方向に平行な軸を中心に傾斜する、請求項17に記載のモノレールコンベア。
【請求項20】
前記トレイコンベア部分は、前記レールの頂部において前記レール内に導電性材料を含み、前記トレイは、前記スロットの頂部に磁石材料を含むことで、前記レールの長さに沿った前記トレイの移動によって、前記磁石材料が、前記磁石材料と相互作用して前記トレイに対する浮上力を生成する磁場を生み出す渦電流を前記導電性材料内に生じさせる、請求項1に記載のモノレールコンベア。
【請求項21】
前記スロットおよび前記レールの頂部は、逆向きのU字形状であり、前記導電性材料は、前記レールに収容され、前記頂部において前記レールの長さに沿って延びる湾曲した導電性ストリップであり、前記磁石材料は、前記トレイに収容される湾曲した永久磁石である、請求項20に記載のモノレールコンベア。
【請求項22】
第1の端部から第2の端部まで搬送方向に延び、上向きに凸状の頂部と、前記上向きに凸状の頂部から下向きに延びる2つの対向する外側面とを有する単一のレールを含む搬送台コンベア部分と、
頂部壁と、前記頂部壁によって結合された向かい合う側壁とによって区切られたスロットを飛び越えて隔てられた一対の下向きに延びる側部ガイドを含むことで、前記レールが、前記側壁が前記レールの前記外側面に面する状態で受け入れられる上向きに凸状のスロットとして前記スロットを形成する搬送台と、
前記レールの長さに沿って前記搬送台を進ませるために、前記レールに収容されたリニアモータステータと、前記搬送台に収容されたリニアモータフォーサとを含むリニア同期モータとを備えるモノレールコンベア。
【請求項23】
前記搬送台の前記側壁は、前記搬送台が前記搬送方向に対して5°を超えて傾斜するのを阻止するのに十分なスロットの深さを形成するのに十分に離れるように前記頂部壁から下方に延びている、請求項22に記載のモノレールコンベア。
【請求項24】
前記搬送台が前記搬送方向に進められる際、それを浮上させるために、前記搬送台内の磁石材料と、前記レール内の導電性材料とを含む浮上システムをさらに備える、請求項22に記載のモノレールコンベア。
【請求項25】
前記導電性材料は、前記レールに収容され、前記レールの前記上向きに凸状の頂部の長さに沿って延びる湾曲した導電性ストリップであり、前記磁石材料は、前記頂部壁において前記搬送台に収容された湾曲した永久磁石である、請求項24に記載のモノレールコンベア。
【請求項26】
前記リニアモータフォーサは、前記リニアモータステータと共にリニア同期モータを形成する一列の磁石である、請求項22に記載のモノレールコンベア。
【請求項27】
平行に配置され、第1の端部から第2の端部までの長さに延び、各々が、モノレールと、前記モノレールに収容されるリニアモータステータとを有する2つのトレイコンベア区間と、
前記モノレールを収容するスロットと、前記モノレールに沿って前記トレイを進めるために、前記トレイコンベア区間内の前記リニアモータステータと共にリニアモータを形成するリニアモータフォーサとを有するトレイと、
前記2つのトレイコンベア区間に直交して前記第1の端部の間に延びる第1の往復台コンベア区間と、前記2つのトレイコンベア区間に直交して前記第2の端部の間に延びる第2の往復台コンベア区間であって、各々が、モノレールと、前記モノレールに収容されるリニアモータステータとを有する、第1の往復台コンベア区間および第2の往復台コンベア区間と、
第1の往復台であって、前記第1の往復台コンベア区間の前記モノレールを受け入れるスロットと、
前記第1の往復台を前記第1の往復台コンベア区間の前記モノレールに沿って進めるために、前記第1の往復台コンベア区間内の前記リニアモータステータと共にリニアモータを形成するリニアモータフォーサと、
前記第1の往復台コンベア区間に直交して延びるモノレールとを含む、
第1の往復台と、
第2の往復台であって、前記第2の往復台コンベア区間の前記モノレールを受け入れるスロットと、
前記第2の往復台コンベア区間内の前記リニアモータステータと共にリニアモータを形成して前記第2の往復台を前記第2の往復台コンベア区間の前記モノレールに沿って進めるリニアモータフォーサと、
前記第2の往復台コンベア区間に直交して延びるモノレールとを含む、
第2の往復台とを備え、
前記第1の往復台コンベア区間は、前記トレイを前記第1の往復台の前記モノレール上で前記2つのトレイコンベア区間の前記第1の端部の間で移動させ、前記第2の往復台コンベア区間は、前記トレイを前記第2の往復台の前記モノレール上で前記2つのトレイコンベア区間の前記第2の端部の間で移動させるエンドレス式のモノレールコンベア。
【請求項28】
前記2つのトレイコンベア区間の前記モノレールは、同じ水平面にある、請求項27に記載のエンドレス式のモノレールコンベア。
【請求項29】
前記2つのトレイコンベア区間の前記モノレールは、同じ垂直面にある、請求項27に記載のエンドレス式のモノレールコンベア。
【請求項30】
前記第1および前記第2の往復台は各々、前記リニアモータフォーサに結合されたそのモノレールの中にレールステータを含んでおり、前記往復台コンベア区間内の前記リニアモータステータは、前記リニアモータフォーサに誘導的に結合されて前記リニアモータフォーサを通して前記レールステータに動力を供給する、請求項27に記載のエンドレス式のモノレールコンベア。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、動力駆動式のコンベアに関し、詳細にはリニアモータによって駆動されるモノレールトレイコンベアに関する。
【背景技術】
【0002】
製品を選択した目的地に運ぶために、リニア同期モータによって駆動される搬送台が、個々の搬送台を複雑なネットワークの走路内で様々な経路に沿って送る輸送システムが、使用される。そのような輸送システムの一例は、2015年3月3日、米国、マサチューセッツ州、デベンズ、Magnemotion社のNathaniel N.King等に対する米国特許第8,967,051号「Transport System Powered by Short Block Linear Synchronous Motors and Switching Mechanism」に記載されている。このようなシステムは、清掃するのが容易ではない。リニアモータのステータの筐体は、食品加工の用途において油脂やその他の食べかすを収集する、大きく平らであり閉鎖された上部面を提示する。適切に清掃しなければ、表面が細菌によって汚染される可能性がある。また輸送システムにおける届きにくい下部を切り取った面には、このような細菌が住み着く恐れもある。
【発明の概要】
【0003】
本発明の機能を具現化するモノレールコンベアの一形態は、トレイと、第1の端部から第2の端部まで搬送方向に延びるトレイコンベア部分とを備える。トレイコンベア部分は、搬送方向にトレイコンベア部分の長さに沿って延び、レールの長さに沿って移動する電磁波を生成するリニアモータステータを収容する単一のレールを含む。トレイは、頂部プラットフォームと、頂部プラットフォームから下方に延び、レールを中に受け入れるスロットを画定する一対の側部ガイドとを含む。側部ガイドにある磁石が、リニアモータステータによって生成された移動する電磁波と相互作用することでトレイをレールの長さに沿って進ませる推進力を生み出す。
【0004】
別の態様では、本発明の機能を具現化するモノレールコンベアは、搬送台と、第1の端部から第2の端部まで搬送方向に延び、上向きに凸状の頂部と、上向きに凸状の頂部から下方に延びる2つの対向する外側面とを有する単一のレールを含む搬送台コンベア部分とを備える。搬送台は、頂部壁と、頂部壁によって結合された向かい合う側壁とによって区切られた上向きに凸状のスロットを飛び越えて隔てられた一対の下向きに延びる側部ガイドを含む。レールは、側壁がレールの外側面に面する状態でスロットに受け入れられる。レールに収容されたリニアモータステータと、搬送台に収容されたリニアモータフォーサとを含むリニア同期モータがレールの長さに沿って搬送台を進ませる。
【0005】
別の態様では、本発明の機能を具現化するエンドレス式のモノレールコンベアは、2つのトレイコンベア区間と、2つの往復台コンベア区間とを備える。トレイコンベア区間は、平行に配置され、第1の端部から第2の端部までの長さに延びている。各トレイコンベア区間は、モノレールと、モノレールに収容されたリニアモータステータとを有する。トレイは、モノレールを受け入れるスロットと、モノレールに沿ってトレイを進ませるためにトレイコンベア区間内のリニアモータステータと共にリニアモータを形成するリニアモータフォーサとを有する。第1の往復台コンベア区間は、2つのトレイコンベア区間に直交して第1の端部の間に延びており、第2の往復台コンベア区間は、2つのトレイコンベア区間に直交して第2の端部の間に延びている。第1および第2の往復台コンベア区間は各々、モノレールと、モノレールに収容されたリニアモータステータとを有する。第1の往復台は、第1の往復台コンベア区間のモノレールを受け入れるスロットと、第1の往復台コンベア区間内のリニアモータステータと共にリニアモータを形成して、第1の往復台を第1の往復台コンベア区間のモノーレールに沿って進ませるリニアモータフォーサと、第1の往復台コンベア区間に直交して延びるモノレールとを含む。第2の往復台は、第2の往復台コンベア区間のモノレールを受け入れるスロットと、第2の往復台コンベア区間内のリニアモータステータと共にリニアモータを形成して、第2の往復台を第2の往復台コンベア区間のモノーレールに沿って進ませるリニアモータフォーサと、第2の往復台コンベア区間に直交して延びるモノレールとを含む。第1の往復台コンベア区間は、2つのトレイコンベア区間の第1の端部の間で第1の往復台のモノレール上でトレイを移動させ、第2の往復台コンベア区間は、2つのトレイコンベア区間の第2の端部の間で第2の往復台のモノレール上でトレイを移動させる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、本発明の機能を具現化するモノレールトレイコンベアを形成する一連のトレイコンベア部分の等角投影図である。
図2図2は、図1のようなコンベアで利用可能なトレイの底部の等角投影図である。
図3図3は、線III-IIIに沿って見た図1のコンベアの断面図である。
図4図4は、図1のコンベアの一形態の、一部が切り取られた、拡大された等角投影図である。
図5図5は、図1のコンベアの別の形態の、一部が切り取られた、拡大された等角投影図である。
図6図6は、図1のコンベアシステムの電気および電子システムの概略ブロック図である。
図7図7は、図1のようなコンベアと共に利用可能な並進機往復台の等角投影図である。
図8図8は、図1のようなコンベアと共に利用可能な昇降機往復台の等角投影図である。
図9A図9Aは、図1のようなトレイコンベア部分と、往復台コンベア部分とでできたソータコンベアの等角投影図である。
図9B図9Bは、図1のようなトレイコンベア部分と、往復台コンベア部分とでできたソータコンベアの等角投影図である。
図9C図9Cは、トレイを直接運ぶ、図9Aおよび図9Bでのような拡張されたトレイ搬送路と復路の等角投影図である。
図10図10は、図1でのようなトレイコンベア部分、並進機往復台部分および昇降機往復台コンベア部分で構築された昇降機の等角投影図である。
図11図11は、図9A図9Cまたは図10でのようなコンベアにおける往復台コンベア部分の電気および電子システムの概略ブロック図である。
図12図12は、図1でのようなトレイコンベア部分と共に利用可能なチルタコンベア部分の等角投影図である。
図13A図13Aは、傾斜していない配向での、図1のようなトレイコンベア部分と一直線になったチルタコンベア部分の等角投影図である。
図13B図13Bは、傾斜した配向での、図1のようなトレイコンベア部分と一直線になったチルタコンベア部分の等角投影図である。
図14図14は、図1でのようなトレイコンベア部分共に利用可能なダイバータコンベア部分の等角投影図である。
図15A図15Aは、まっすぐ通過する配向で示される、図1でのようなトレイコンベア部分と共にダイバータコンベアを形成する図14でのようなダイバータコンベア部分の等角投影図である。
図15B図15Bは、方向変換する配向で示される、図1でのようなトレイコンベアと共にダイバータコンベアを形成する図14でのようなダイバータコンベア部分の等角投影図である。
図16図16は、図1でのようなコンベア上のモノレールスクラバーの等角投影図である。
図17図17は、図16に示されるレールスクラバーの不等角投影図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の機能を具現化するモノレールトレイコンベアの一部分が図1に示される。トレイコンベア20は、整列されたモノレール24を備えた一連のトレイコンベア部分22を有する。脚26が、部分22と一体式の構造で形成される。各部分22は、レール24の突き合わせ端部を過ぎて延び、隣接する部分の脚のない端部27が上に置かれる平らな水平出っ張りを形成する脚26を一端に有する。脚のない端部の底面には、平らな水平出っ張りと合致するように刻み目が形成される。独立して制御可能なトレイ28が、モノレールの上に乗って搬送方向30に進む。レール24および脚26は、例えばポリマー材料などの鉄を含まない材料で作成される。レール24および脚26は、1つの部品として成型される、または別の部品として作成され、継ぎ目がないように密閉されて一体構造部分にすることもできる。
【0008】
図2に示されるように、トレイ28は、搬送される製品を運ぶために頂部プラットフォーム32を有する。側部ガイド34、35が、プラットフォーム32から下方に延び、それらの間にスロット36を画定する。スロット36は、一対の向かい合う平坦な側壁38、39と、逆向きのUの字を画定する頂部壁40とによって範囲が区切られて示される。頂部壁は、上向きに凸状であり湾曲するように示されているが、これは平らな場合もある。スロット36は、搬送方向にトレイ28の長さに沿って延びている。側壁38、39のちょうど内側の側部ガイド34、35の中の磁石42がトレイ28の長さに延びている(左の側壁39の面は、磁石42を示すために図2では除去されている)。この形態では、磁石42は、スロット36にわたって一続きの磁束を集中させるためにハルバッハ配列で配列されている。しかしながらN極とS極を交互にする配列がトレイ磁石として代わりに使用される場合もある。
【0009】
トレイ28は、図3に示されるようにトレイコンベアレール24の上に乗って進む。レール24は、上向きに凸状の湾曲した頂部46によって結合された2つの対向する平坦な外側面44、45を有する。トレイ28内のスロット36の形状は、湾曲した頂部46と、平坦な側部44、45とを含むレール24の上部の形状と相補的である。トレイの側部ガイド34、35の平坦な壁38、39は、レール24の平坦な側部44、45に対して十分な深さであり、かつ十分に近接したスロットを作成するのに十分に下方に離れるように延びることで、トレイ28を所定の場所に保持し、不均一な積み荷を運ぶ際、または曲がり角を曲がる際、いずれかの側が搬送方向に対して5°を超えて傾斜するのを阻止する。トレイ28は、矢印47の方向で垂直方向にレール24から容易に取り外したり、レール24に容易に設置したりすることができる。レール24には、レールの長さに沿って延びる一対のステータ48が収容されている。ステータ48は、トレイ28内でリニアモータフォーサとして働く磁石42と共にリニア同期モータを形成する。ステータ48に動力を提供し、他の電気接続を提供する巻き線50も同様にレール24および脚26に収容されている。レール24の丸められた頂部46は、流体が溜まるのを阻止し、トレイコンベア部分の密閉構造は、衛生的なコンベアを実現する。
【0010】
モノレールのさらなる詳細が図4に示される。レール24の側壁38、39には、2つのステータ48が収容されている。各ステータ48は、芯に据え付けられた一連の3セットのコイルを有することで、搬送方向30にトレイコンベア部分22の長さに沿って伝播する磁束波を生成する三相ステータを形成する。移動する磁束波は、トレイ28内の磁石と相互作用して、レール24の長さに沿ってトレイを進ませる推進力を搬送方向に生成する。ステータの芯は、トレイ磁石に対するその引力を阻止するために鉄を含まない場合があり、このことは、トレイ28とレール24との間の摩擦力を高めることになる。さらに摩擦を低下させるために、図5におけるレール24’は、レールの頂部46に導電性材料を有する。導電性材料は、レール24’の中に成形されたアルミニウム、銅またはカーボンファイバ、あるいはレールの湾曲した頂部46のちょうど下に収容される湾曲した、鉄を含まない導電性プレートまたはストリップ52であってよい。トレイ28’は、逆向きのU字型トレイスロット36の頂部よりわずかに上でトレイ内に据え付けられた湾曲したトレイ永久磁石53などの磁石材料を含む。湾曲したストリップ52の半径は、湾曲した磁石53の半径と等しい、またはそれよりわずかに小さい。トレイ28’内の磁石材料がレール内の導電性材料を通り過ぎて移動することで、二次的な磁場を生成する渦電流を誘電材料内に生じさせ、この二次的な磁場が、トレイ内の磁石材料の磁場と共にトレイ28’に対する浮上力を生み出してレール24’との摩擦を低下させる。このように、磁石材料と誘電材料が協同してトレイ浮上システムを構成する。
【0011】
トレイコンベア電子回路のブロック図が図6に示される。ステータ48は、レールの長さに沿って交互に配列されたコイル54A、54B、54Cの3つのセット、すなわち三相の各々に対して1セットの線系列を備える。コイル54A、54B、54Cの各セットは、増幅器56A、56B、56Cによって駆動される。順方向または逆方向の搬送方向を決める整相シーケンスおよびステータ48の周波数は、ステータ駆動制御装置58を通して制御され、制御装置は、増幅器56A、56B、56Cにコイル制御信号60A、60B、60Cを送信する。ステータ駆動制御装置58は、リモートシステムコンピュータ62と通信するローカルステータ駆動コンピュータ59に接続され、リモートシステムコンピュータ62はさらに、通信リンク63を介して他のコンベア部分にある駆動コンピュータと通信する。ステータ駆動コンピュータ59は、無線で、または配線で接続された接続64を介してシステムコンピュータ62からコマンドを受け取り、システムコンピュータ62にデータを送信する。センサ位置でレールに沿って設置され、トレイ磁石42に反応しやすいホール効果センサなどのセンサ66が、コンベアトレイの位置を指示するセンサ信号68をセンサバスを介して駆動コンピュータ59に送信する。ステータ駆動制御装置58は、そのような信号を利用して、ステータ48にいつ通電し、いつ電気を遮断するかを決定する。リモートシステムコンピュータ62を除く全てのそのような構成要素は、図3でのようにレール24内またはトレイコンベア部分の脚26の中で保護される。
【0012】
図7は、トレイを一方のトレイコンベア区間から別の平行な区間に水平方向に並進させるための並進機往復台70を示す(このような用途で使用される際、トレイまたは往復台コンベア区間は、1つまたは複数のトレイまたは往復台コンベア区間で構成される)。往復台70は、頂部の往復台プラットフォーム72と、プラットフォームから下方に延びる一対の往復台側部ガイド74とを有する。側部ガイドは、例えばトレイスロット(図2の36)と同様に成形された往復台スロット76を横方向に飛び越えて隔てられている。そのような方法では、往復台70は、トレイコンベア部分のためのものと同様のモノレールの上に乗って進むことができる。トレイ内でのような永久磁石の代わりに、往復台コイル78が側部ガイド74に収容されている。三相の往復台コイル78は、コンベアレールステータと共にリニア誘導モータまたはスイッチトリラクタンスモータを形成して往復台70を往復台の並進方向80に進ませる。往復台プラットフォーム72の頂部に移動レール82が設置されており、これはその側面86に沿って往復台駆動コイル84を収容している。往復台駆動コイル84は、トレイを移動レール82に沿って進める移動レールステータを形成する。移動レール82は、往復台の並進方向80に直交する水平軸88を有する(このような用途で使用される際、2つの線に対して適用される際の直交するという用語は、その方向ベクトルが直角である2つの交差する線、またはその方向ベクトルが直角である2つのねじれの位置の線を意味する)。
【0013】
昇降機往復台90が図8に示される。昇降機往復台90は、並進機往復台(図7の70)と電気的に同じである。それらは、昇降機往復台90が、頂部プラットフォームの面96の平面と垂直方向の昇降方向98に直交する水平方向の移動軸94を有する昇降機移動レール92を有する点において構造が異なる。
【0014】
さらに、昇降機往復台90は、昇降機部分106の垂直レール120(図9A)に引き寄せられる鉄芯または永久磁石99を含むことで、その水平方向の移動を制限する。あるいは、昇降機往復台90の水平方向の移動は、垂直レール120を取り囲む低摩擦の機械的止め具によって制限される場合もある。また昇降機往復台90のための垂直レール120は、往復台が引き寄せられる鉄芯または永久磁石を含むステータを有する。
【0015】
トレイコンベア部分22、昇降機往復台90を備える昇降機部分106および並進機往復台70を備える並進機区間108、109で構築されたモノレールソーター104が図9Aおよび図9Bに示される。送り込みモノレール区間110が、トレイ28を4つの平行な送り出しモノレール区間114A~Dに向けて搬送方向112に前進させる。復路を備えた移動モノレール区間116が、送り込みモノレール区間110と送り出し区間114A~Dとの間に位置決めされる。移動モノレール区間116は、(a)レール118が、送り込みおよび送り出しモノレール110、114A~Dのレベルより下のレベルにあり、搬送方向112に直交している上部の並進機レール区間108と、(b) レール119が上部レールと平行であり、それより下にある下部の並進機レール区間109とで構築される。垂直レール120を備える昇降機部分106が、移動モノレール区間116の対向する端部に位置決めされる。並進機往復台70は、上部および下部の並進機区間108、109の水平レール118、119に乗って進み、昇降機往復台90は、2つの昇降機部分106の各々に乗って進む。
【0016】
図9Bに示されるように、並進機往復台70’は、レールは上部の並進機レール118と一致する上昇した位置にある昇降機往復台90’の上に位置している。昇降機往復台90’がその位置にある状態で、並進機往復台70’の移動レール82は、送り込みモノレール110と送り出しモノレール104Aの両方と整列されて送り込みモノレール110からトレイ28’を受け取る。トレイ28’を第1の送り出しモノレール114Aに仕分けられる場合、並進機往復台70’は、トレイが第1の送り出しモノレール114A上を端から端まで移動するまでその位置のままである。トレイ28’が、別の送り出しモノレール114B、CまたはDの方に定められた場合、上部の並進機区間108は、トレイ28’が選択された送り出しモノレール区間と整列された状態で並進機往復台70’を進ませる。並進機往復台70’はその後、トレイ28’を切り離して選択したモノレール区間114B、CまたはD上に進ませるように作動される。送り込みモノレール110と整列していない、上部の並進機レール118上の並進機往復台70は、レールの遠位端122を過ぎて、その上昇した位置にある待機中の昇降機往復台90のレール上に進められる。昇降機部分106はその後、昇降機往復台の上の並進機往復台70を下部の並進機区間109に降ろし、これは、並進機往復台を他端における昇降機部分90’まで戻るように進める。この方法では、下部の並進機区間109は、並進機往復台70のための復路としての働きをする。また昇降機部分90、90’は、並進機往復台70を上部の並進機区間108と下部の並進機区間109との間で移動させる。搬送方向112を逆向きにすることによって、同一のコンベア配置を、4つのモノレール区間114A~Dからのトレイの流れを単一のモノレール区間110に合体させる合体コンベアとして使用することができる。それともまた、複数の投入トレイコンベア区間から複数の排出トレイコンベア区間にトレイを供給するために平行に配列された複数の送り込みモノレールが存在する場合もある。
【0017】
図9Aおよび図9Bの移動モノレール区間116は、図9Cではスタンドアローンモノレールトレイコンベアとして示されている。この例では、トレイ28は、並進機往復台を使用せずに、直接上部および下部の並進機区間108、109のレール上で運ばれる。上部および下部の並進機区間108、109のレール24は、同一の垂直方向の面内にある。各端部における昇降機部分106は、昇降機往復台90のレールの上でトレイ28を上部のモノレール区間108と下部のモノレール区間109との間で移動させることで上部の搬送路と下部の復路によるエンドレス式のトレイコンベアを形成する。上部および下部のモノレール区間108、109は代替として、レーストラック構成で同一の水平方向の面内に配置することもできる。レースラック構成では、図7でのような並進機往復台を利用する水平方向の並進機部分が、各端部においてモノレール区間108、109に直交するように位置決めされることで昇降機往復台部分に取って替わり、並進機往復台の上の2つのモノレール区間の間を水平方向にトレイ28を移動させることになる。
【0018】
図10は、トレイ28があるレベルから別のレベルに持ち上げられ、下ろされるモノレールトレイコンベアを示す。昇降機において、下部の送り込みモノレール区間124にあるトレイ28は、頭上の管128を通って延びる送り出しモノレール区間126まで持ち上げられる。昇降機130は、上に進む昇降機部分132と、平行して下に進む昇降機部分133とを含む。上部および下部の並進機部分134、135は、対向する端部において昇降機部分132、133の間をつないでいる。トレイ28を下部の送り込み区間124から上部の送り出し区間126まで持ち上げるために、昇降機往復台90を担持する並進機往復台70が昇降機往復台のレールを送り込みトレイコンベア区間のレールと整列させる。トレイ28はその後、昇降機往復台90のレールの上に移される。そして並進機往復台70が、その移動レール82が上に進む昇降機部分132のレールと整列するまでそのレールに沿って動かされる。トレイ28を担持する昇降機往復台90が、昇降機の上端まで持ち上げられる。上部の並進機部分134にある並進機往復台70は、往復台の移動レール82が昇降機往復台90およびトレイ28を受け取るために上に進む昇降機部分のレールと一直線になった状態で位置決めされる。上部の並進機部分134はその後、昇降機往復台のレールが送り出しモノレール区間126のレールと整列するまで、その往復台70を昇降機往復台90およびトレイと共に移動させる。トレイ28はその後、昇降機レールから切り離されコンベアレール上へと進められ、管128を通るように進められる。上部の並進機部分134はその後、昇降機往復台90を下に進む昇降機部分133まで移動させて、別のトレイ28を受け取るために昇降機往復台を元の下部の並進機部分135に戻す。昇降機130は、トレイ28を管128から下部のレール区間124へと下げるロワレータとして逆向きに作動される場合もある。
【0019】
図11は、昇降機および並進機往復台部分に収容される制御電子回路および電気デバイスのブロック図である。往復台レールステータ駆動システムは、往復台移動レール内の三相ステータ往復台駆動コイル136A~136Cと、コイル駆動増幅器56A~56Cと、往復台ステータ駆動制御装置58と、位置センサ66とを含んでおり、図6に関して記載したトレイコンベア部分の場合と図式的に同じである。ステータ駆動システムの構成要素は、往復台レールと往復台本体との間に分散されている。往復台コイル78の出力は、往復台を駆動するために駆動制御装置58、増幅器56A~Cおよびレールステータ136A~Cに電力を提供し、または位置センサ66にも電力を提供する。往復台コイル78は、往復台を支持する往復台コンベア部分の中の往復台ステータ54A~Cから誘導的に動力を受け取る。高周波数の往復台に対するデータがac電力に重畳された電力線通信を利用して、ステータ駆動制御装置58とシステムコンピュータ間でデータおよび制御信号を伝達する。位置センサ66が、往復台ステータ駆動制御装置58にセンサ信号68を送る。往復台の中の電力および通信システム138は、(a)ac電力からの通信信号を分離するためのフィルタ区間、(b)ac電力をdcに変換するための整流器、(c)dc電圧を調整して往復台ステータ駆動制御装置58に動力を供給する電圧調整器、(d)受け取った通信信号を復号するためのデコーダ、および(e)往復台コイル78を介してトレイの位置データを含む発信データメッセージを伝達するための変調器およびラインドライバを含む。ステータ駆動制御装置58は、電力および通信システム138から受け取った復号後の着信メッセージを処理し、電力システム全体に伝達するために電力および通信システムにデータメッセージを送る。往復台コイル78は、往復台を移動させるために、往復台レールステータ54A~Cと共にスイッチトリラクタンスモータまたはリニア誘導モータを形成する。往復台が停止される際、往復台レールステータ54A~Cからの動力は、磁石42を有するコンベアトレイを駆動するのに使用される。
【0020】
トレイ、並進機往復台および昇降機往復台は全て、同一種類のコンベア部分に乗って進むように設計された搬送台である。例えば、往復台はトレイコンベア部分の上を走らせることができ、トレイは、往復台コンベア部分の上を走らせることができる。したがってトレイコンベア部分と往復台部分は共に搬送台コンベア部分である。
【0021】
モノレールコンベアのためのチルタ往復台部分140が図12に示されている。チルタ部分140は、湾曲したレールに沿って移動する電磁波を生み出すチルタステータを収容する湾曲した上向きに凹状のレール144を含む。チルタ往復台146は、レール144の上に乗るプラットフォーム147を有する。チルタ往復台146は、チルタベース142の上に支持される湾曲したレールを受け入れる湾曲したスロット148を有する。チルタレールステータ駆動システムは、図11に示される並進機往復台および昇降機往復台に関するものと電気的に同じである。よって、並進機往復台部分および昇降機往復台部分と同様のチルタ往復台部分は、往復台部分の別の形態である。チルタコイル78’がチルタ往復台プラットフォーム147の中に収容されて、誘導結合によって動力を受け取り、チルタベースレール144内の固定されたチルタステータ54’に伝達を送り、またそこからの伝達を受け取る。チルタステータ54’およびチルタコイル78’は、チルタプラットフォーム147を湾曲したレールに沿って駆動するスイッチトリラクタンスモータまたはリニア誘導モータを形成し、これが、ベースレール144の面に直交する傾斜軸152を中心として特定の範囲の傾斜角にわたってチルタレール150を傾斜させる。チルタレール150は、傾斜軸152に平行する長さに延びている。チルタレール内のチルタ駆動コイルは、レール150内、またはレールをチルタプラットフォーム147に結合する脚154に収容されるチルタコイル駆動増幅器によって制御されるチルタステータ136’を形成する。チルタ往復台レール150上のトレイは、チルタレールステータ136’によって前方に進められる。
【0022】
チルタ往復台部分140が、図13Aおよび図13Bに作動中の状態で示されている。製品156を運ぶトレイ28は、図13Aでは、チルタ往復台レール150上で受けられる。チルタ往復台146は、0°の傾斜角(傾斜しない)に設定される。製品156を傾けてトレイ28から取り去る場合、湾曲したチルタステータ54’は、チルタ往復台146を、製品がコンべアの側面から落下するのに十分な図13Bでのような角度を成す位置にする。チルタはその後、送り込みモノレール区間158から次のトレイ28を受け取るために、所定の位置になるように0°の位置に戻される。元の位置に戻ると、チルタ往復台の上のトレイ28は送り出しモノレール区間159へと供給される。
【0023】
図14は、一対のスカート164、165が垂れ下がる下部のダイバータプラットフォーム162を含むダイバータ往復台160を示す。各スカート164、165は、曲線に配列されたダイバータコイル78”を収容している。スカート164、165の間の隙間166は、その周辺部のちょうど内側にリニアモータステータ54”を収容する円形のダイバータベース168(図15A)を受け入れる。ベース168内のリニアモータステータ54”がダイバータコイル78”と共にスイッチトリラクタンスモータまたはリニア誘導モータを形成してダイバータ往復台160を垂直軸170を中心に回転させる。ダイバータレール172が、ポスト174によってダイバータ往復台プラットフォーム162の上に設置される。ダイバータレール172内のダイバータ駆動コイル136”が、レールに沿ってトレイ28を押し進める。ダイバータ部分175に収容される電子および電気構成要素は、並進機往復台および昇降機往復台に関して、ならびにチルタ往復台に関して図11に示されるものに等しい。よって、並進機往復台部分および昇降機往復台部分と同様のダイバータ往復台部分は、往復台部分の別の形態である。ベース168内のダイバータステータ54”は、ダイバータレール172が、図15Aでのように送り込みトレイコンベア区間176のレールおよび第1の一列に並んだ送り出しトレイコンベア区間178のレールと整列される一列に並んだ位置から、ダイバータレールが、図15Bでのように送り込みトレイコンベア部分および第1の送り出しトレイコンベア部分に対して傾いた第2の送り出しトレイコンベア部分179と整列される方向転換位置まで特定の範囲の角度にわたってダイバータ往復台160を回転させる。この作用を逆向きにすることで、一列に並んだコンベア区間178および傾いたコンベア区間179からのトレイ28を、送り出しコンベア区間として作動されるコンベア区間176上の単一のファイルに合流させる合流コンベアとしてコンベアを作動させることができる。
【0024】
モノレールスクラバー180が図16および図17に示される。スクラバー180は、トレイコンベアレール24に乗って進むスクラバー本体182を含む。一列のスクラバー磁石184が、スクラバー本体182の長さに沿って延びて、レールステータによって生成される移動する磁気波と相互に作用する。この相互作用が、スクラバー180をレール24に沿って進める推進力を生み出す。スクラバー本体内の1つまたは複数のタンク186は、ノズル188によってレール24上に分配される清浄流体または洗浄流体を中に含んでいる。タンクとノズルが協同して清掃用のディスペンサを形成する。側部ブラシ190が、レール24の側面をこすり洗う。頂部ブラシ192は、レール24の頂部をこすり洗う。ディスペンサは、スクラバー本体180内のバッテリ(図示せず)によって動力を供給することができる、またはスクラバーコイル(図示せず)を介してレールステータから誘導的に動力が供給される場合もある。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図9C
図10
図11
図12
図13A
図13B
図14
図15A
図15B
図16
図17
【手続補正書】
【提出日】2022-08-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トレイコンベア部分であって、第1の端部から第2の端部まで搬送方向に延び、
前記搬送方向にトレイコンベア部分の長さに沿って延びるリニアモータステータを収容することでレールの長さに沿って移動する電磁波を生成する単一のレールを含む
トレイコンベア部分と、
トレイであって、頂部プラットフォームと、
切り取り部なしに前記頂部プラットフォームから下方に延び、前記レールを中に受け入れるスロットを画定する一対の側部ガイドと、
前記リニアモータステータによって生成された前記移動する電磁波と相互作用することで前記トレイを前記レールの長さに沿って進ませる推進力を生み出す、前記側部ガイドの中の磁石とを含む
トレイとを備え
前記レールの頂部は凸状に湾曲している、
モノレールコンベア。
【請求項2】
前記トレイコンベア部分は、
前記レールを支持するために前記レールと一体式に形成される脚と、
前記移動する電磁波を生成するために前記リニアモータステータを駆動するために前記脚に収容される制御装置とを含む、請求項1に記載のモノレールコンベア。
【請求項3】
前記トレイコンベア部分は、前記レール内のセンサ位置に、前記センサ位置におけるトレイの存在を感知し前記制御装置にセンサ信号を送るセンサを含む、請求項2に記載のモノレールコンベア。
【請求項4】
前記リニアモータステータは、前記トレイ内の前記磁石と共にリニア同期モータを形成する三相コイルを備える、請求項1に記載のモノレールコンベア。
【請求項5】
前記三相コイルは鉄を含まない芯を有する、請求項4に記載のモノレールコンベア。
【請求項6】
前記スロットは逆向きのU字形である、請求項1に記載のモノレールコンベア。
【請求項7】
前記往復台コンベア部分の長さに沿って前記搬送方向に延びる往復台リニアモータステータを収容することで、前記トレイコンベア部分の前記レールに直交する前記往復台レールの長さに沿って移動する電磁波を生成する単一の往復台レールを含む往復台コンベア部分と、
往復台であって、前記往復台レールの頂部に支持される往復台プラットフォームと、
前記往復台プラットフォームから下方に延び、前記往復台レールを受け入れるために往復台スロットを形成する往復台側部ガイドと、
前記往復台に収容され、前記往復台リニアモータステータが前記往復台コイルと共に、前記往復台レールに沿って前記往復台を移動させるリニアモータを形成する往復台コイルと、
前記トレイコンベア部分からトレイを受け取る、またはそこにトレイを排出するために、前記トレイコンベア部分内の前記レールの頂部と位置決め可能な頂部を備える、前記往復台プラットフォームに装着された単一の移動レールと、
前記移動レールに収容される往復台駆動コイルと、
前記往復台コイルを通して前記リニアモータステータによって誘導式に動力が供給されて、前記往復台駆動コイルを駆動させて、前記トレイ内の前記磁石と相互作用して、前記トレイを前記トレイコンベア部分の前記レールから前記移動レール上に進ませる、または前記移動レールから離して前記トレイコンベア部分の前記レールに進ませる移動する電磁波を前記移動レール内に生成する往復台制御装置とを含む、
往復台とをさらに備える、請求項1に記載のモノレールコンベア。
【請求項8】
前記往復台コンベア部分の同じ側に、または対向する側に平行に配列された複数の前記トレイコンベア部分を備えることで、前記往復台が、前記トレイコンベア部分の1つから前記トレイを受け取り、前記トレイコンベア部分の別の部分に前記トレイを排出することができる、請求項7に記載のモノレールコンベア。
【請求項9】
平行に配列された前記トレイコンベア部分のうちの2つと、前記2つのトレイコンベア部分に直交するように配列された2つの往復台コンベア部分とを備え、前記往復台コンベア部分の一方は、前記2つのトレイコンベア部分の前記第1の端部の間で前記トレイを移動させ、前記往復台コンベア部分の他方は、前記2つのトレイコンベア部分の前記第2の端部の間で前記トレイを移動させる、請求項7に記載のモノレールコンベア。
【請求項10】
前記往復台コンベア部分は並進機往復台部分であり、前記2つのトレイコンベア部分の前記レールは同じ水平面にある、請求項9に記載のモノレールコンベア。
【請求項11】
前記往復台コンベア部分は昇降機往復台部分であり、前記2つのトレイコンベア部分の前記レールは同じ垂直面にある、請求項9に記載のモノレールコンベア
【請求項12】
前記トレイコンベア部分の第1のトレイコンベア部分が、隙間を横切るように前記トレイコンベア部分の第2のトレイコンベア部分の前記第1の端部から斜めに延びる複数の前記トレイコンベア部分と、
ダイバータステータを収容する円筒形のダイバータベースを有するダイバータ往復台部分と、
ダイバータ往復台であって、前記ダイバータベース上に支持され、前記ダイバータベースの周辺部を囲むように下方に延びる側部スカートを有するダイバータプラットフォームと、
前記側部スカートに収容されるダイバータコイルと、
前記ダイバータプラットフォームより上で、前記トレイコンベア部分からトレイを受け取る、または前記トレイコンベア部分にトレイを排出するために前記第1および前記第2のトレイコンベア部分内の前記レールの頂部と水平になる頂部に支持される単一のダイバータレールと、
前記ダイバータレールに収容されるダイバータ駆動コイルとを含む
ダイバータ往復台と、
前記ダイバータステータを駆動して、前記ダイバータベースの周辺部に沿って進み、前記ダイバータコイルと相互作用して、前記ダイバータレールが前記トレイコンベア部分の前記第1のトレイコンベア部分の前記レールと整列される第1の位置から、前記ダイバータレールが前記トレイコンベア部分の前記第2のトレイコンベア部分の前記レールと整列される第2の位置まで前記ダイバータ往復台を回転させる電磁波を生成するダイバータ制御装置とをさらに備える、請求項1に記載のモノレールコンベア。
【請求項13】
前記ダイバータ往復台は、前記ダイバータステータおよび前記ダイバータコイルによって誘導的に動力が供給される、請求項12に記載のモノレールコンベア。
【請求項14】
前記レールに乗って進むスクラバー本体と、
前記スクラバー本体に収容され、前記移動する電磁波と相互作用することで前記スクラバー本体を前記レールに沿って進める一連のスクラバー磁石と、
前記レール上に清浄溶液を導くディスペンサとを含むスクラバーをさらに備える、請求項1に記載のモノレールコンベア。
【請求項15】
前記スクラバーは、前記レールをこすり洗いするために前記レールの前記頂部および前記外側面と接触する回転式のスクラブブラシをさらに含む、請求項14に記載のモノレールコンベア。
【請求項16】
レールが隙間を横切るように整列された第1および第2のトレイコンベア部分と、
前記湾曲したレールに沿って移動する電磁波を生み出すチルタステータを収容する上向きに湾曲したレールを含むチルタベースを有するチルタ往復台部分と、
チルタ往復台であって、前記チルタベース上に支持される前記湾曲したレールを受け入れる湾曲したスロットと、前記湾曲したスロットに沿って前記チルタ往復台プラットフォームに収容されるチルタコイルとを有するチルタ往復台プラットフォームと、
前記隙間の中で前記チルタ往復台プラットフォームより上に支持される単一のチルタレールと、
前記チルタレールに収容されるチルタ駆動コイルとを含む、
チルタ往復台と、
前記チルタステータを駆動することで、前記チルタコイルと相互作用して、前記チルタレールが前記第1および前記第2のトレイコンベア部分の前記レールと整列される第1の位置から、前記チルタレールが前記第1および前記第2のトレイコンベア部分の前記レールとの整列から外れる第2の位置まで前記チルタ往復台を傾斜させる移動する電磁波を生成するチルタ制御装置とをさらに備える、請求項1に記載のモノレールコンベア。
【請求項17】
前記チルタ往復台は、前記チルタステータおよび前記チルタコイルによって誘導的に動力が供給される、請求項16に記載のモノレールコンベア。
【請求項18】
前記チルタレールは、前記搬送方向に平行な軸を中心に傾斜する、請求項16に記載のモノレールコンベア。
【請求項19】
前記トレイコンベア部分は、前記レールの頂部において前記レール内に導電性材料を含み、前記トレイは、前記スロットの頂部に磁石材料を含むことで、前記レールの長さに沿った前記トレイの移動によって、前記磁石材料が、前記磁石材料と相互作用して前記トレイに対する浮上力を生成する磁場を生み出す渦電流を前記導電性材料内に生じさせる、請求項1に記載のモノレールコンベア。
【請求項20】
前記スロットおよび前記レールの頂部は、逆向きのU字形状であり、前記導電性材料は、前記レールに収容され、前記頂部において前記レールの長さに沿って延びる湾曲した導電性ストリップであり、前記磁石材料は、前記トレイに収容される湾曲した永久磁石である、請求項19に記載のモノレールコンベア。
【請求項21】
前記側部ガイドは、前記トレイが前記搬送方向に対して5°を超えて傾斜するのを阻止するのに十分なスロットの深さを形成するのに十分に離れるように下方に延びている、請求項1に記載のモノレールコンベア。
【請求項22】
前記トレイが前記搬送方向に進められる際、それを浮上させるために、前記トレイ内の磁石材料と、前記レール内の導電性材料とを含む浮上システムをさらに備える、請求項1に記載のモノレールコンベア。
【請求項23】
前記レールの頂部は上向きに凸状であり、前記導電性材料は、前記レールに収容され、前記レールの前記上向きに凸状の頂部の長さに沿って延びる湾曲した導電性ストリップであり、前記磁石材料は、前記頂部壁において前記トレイに収容された湾曲した永久磁石である、請求項22に記載のモノレールコンベア。
【外国語明細書】