(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022165995
(43)【公開日】2022-11-01
(54)【発明の名称】多入力多出力無線システムのためのサウンディング基準信号の電力制御
(51)【国際特許分類】
H04W 52/34 20090101AFI20221025BHJP
H04W 16/28 20090101ALI20221025BHJP
H04W 72/04 20090101ALI20221025BHJP
H04W 52/16 20090101ALI20221025BHJP
H04W 52/24 20090101ALI20221025BHJP
H04B 7/0413 20170101ALI20221025BHJP
H04B 7/0426 20170101ALI20221025BHJP
H04B 7/08 20060101ALI20221025BHJP
H04B 7/06 20060101ALI20221025BHJP
【FI】
H04W52/34
H04W16/28
H04W72/04 136
H04W52/16
H04W52/24
H04B7/0413 100
H04B7/0426 200
H04B7/08 740
H04B7/08 800
H04B7/06 910
H04B7/06 950
H04B7/06 984
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022116629
(22)【出願日】2022-07-21
(62)【分割の表示】P 2021074888の分割
【原出願日】2017-01-04
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.3GPP
(71)【出願人】
【識別番号】515076873
【氏名又は名称】ノキア テクノロジーズ オサケユイチア
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】ジャン イー
(72)【発明者】
【氏名】ジャン ユエンタオ
(72)【発明者】
【氏名】ミャオ デシャン
(72)【発明者】
【氏名】エネスク ミハイ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】サウンディング基準信号(SRS)の電力制御を行なう基地局の方法を提供する。
【解決手段】方法は、基地局がアップリンクデータチャネルビームペアのためのアップリンクデータチャネル電力制御パラメータセットを決定するステップと、SRSリソースのための基地局受信ビーム及びユーザ装置送信ビームを含むSRSビームペアを決定するステップと、SRSビームペアに一致するアップリンクデータチャネルビームペアに基づいて、SRS送信電力を調整するためにユーザ装置が使用すべきアップリンクデータチャネル電力制御パラメータセットを選択するステップと、SRSリソース及びSRSビームペアを介してユーザ装置から、アップリンクデータチャネル電力制御パラメータセットに基づいて設定されたSRS送信電力を有するSRSを受け取るステップと、を含む。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基地局が、アップリンクデータチャネルビームペアのためのアップリンクデータチャネル電力制御パラメータセットを決定するステップと、
前記基地局が、サウンディング基準信号リソースのための、基地局受信ビーム及びユーザ装置送信ビームを含むサウンディング基準信号ビームペアを決定するステップと、
前記基地局が、前記サウンディング基準信号ビームペアに一致する前記アップリンクデータチャネルビームペアに基づいて、サウンディング基準信号送信電力を調整するためにユーザ装置が使用すべき前記アップリンクデータチャネル電力制御パラメータセットを選択するステップと、
前記基地局が、前記サウンディング基準信号リソース及び前記サウンディング基準信号ビームペアを介して前記ユーザ装置から、前記アップリンクデータチャネル電力制御パラメータセットに基づいて設定されたサウンディング基準信号送信電力を有するサウンディング基準信号を受け取るステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
アップリンクデータチャネル電力制御パラメータセットを決定する前記ステップは、第1のアップリンクデータチャネルビームペアのための第1のアップリンクデータチャネル電力制御パラメータセットと、第2のアップリンクデータチャネルビームペアのための第2のアップリンクデータチャネル電力制御パラメータセットとを決定することを含んだ、複数のアップリンクデータチャネルビームペアの各々のためのアップリンクデータチャネル電力制御パラメータセットを決定するステップを含み、
サウンディング基準信号リソースのサウンディング基準信号ビームペアを決定する前記ステップは、
第1のサウンディング基準信号リソースのための第1のサウンディング基準信号ビームペアを決定するステップと、
第2のサウンディング基準信号リソースのための第2のサウンディング基準信号ビームペアを決定するステップと、
を含んだ、複数のサウンディング基準信号リソースの各々のためのサウンディング基準信号ビームペアを決定するステップを含み、
前記選択するステップは、
前記第1のアップリンクデータチャネルビームペアと前記第1のサウンディング基準信号ビームペアとの間の一致に基づいて、前記第1のサウンディング基準信号リソースのためのサウンディング基準信号送信電力を調整するために前記ユーザ装置が使用すべき前記第1のアップリンクデータチャネルビームペアのための前記第1のアップリンクデータチャネル電力制御パラメータセットを選択するステップと、
前記第2のアップリンクデータチャネルビームペアと前記第2のサウンディング基準信号ビームペアとの間の一致に基づいて、前記第2のサウンディング基準信号リソースのためのサウンディング基準信号送信電力を調整するために前記ユーザ装置が使用すべき前記第2のアップリンクデータチャネルビームペアのための前記第2のアップリンクデータチャネル電力制御パラメータセットを選択するステップと、
を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
アップリンクデータチャネルビームペアのための前記アップリンクデータチャネル電力制御パラメータセットは、PUSCHビームペアのための物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)電力制御パラメータセットを含む、
請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記基地局が、前記サウンディング基準信号送信電力を調整するために使用すべき前記アップリンクデータチャネル電力制御パラメータセットを識別する制御情報を前記ユーザ装置に送信するステップを更に含む、
請求項1又は2に記載の方法。
【請求項5】
前記制御情報は、周期的サウンディング基準信号については上位層シグナリングを介して送信され、
前記制御情報は、非周期的サウンディング基準信号については下位層シグナリングを介して送信される、
請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記制御情報は、周期的サウンディング基準信号については無線リソース制御(RRC)シグナリングを介して送信され、
前記制御情報は、非周期的サウンディング基準信号については物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)ダウンリンク制御情報(DCI)を介して送信される、
請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記制御情報は、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)ダウンリンク制御情報(DCI)を介して提供される、1)上位層シグナリングによって構成された、前記サウンディング基準信号を送信するために使用すべきサウンディング基準信号パラメータセットと、2)前記サウンディング基準信号送信電力を調整するために使用すべき前記アップリンクデータチャネル電力制御パラメータセットと、を識別する制御情報を含む、
請求項4に記載の方法。
【請求項8】
前記基地局が、サウンディング基準信号送信のために前記ユーザ装置により使用される諸元を識別する情報を前記ユーザ装置に送信するステップを更に含む、
請求項1から7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
前記基地局が、前記アップリンクデータチャネルに関する前記サウンディング基準信号送信電力の電力オフセットを識別する情報を前記ユーザ装置に送信するステップを更に含む、
請求項1から8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記基地局が、前記ユーザ装置が1又は2以上のビームペアの経路損失を特定できるようにするためのチャネル状態情報-基準信号を前記ユーザ装置に送信するステップを更に含む、
請求項1から9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータ命令を含む少なくとも1つのメモリとを備えた装置であって、前記コンピュータ命令は、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、前記装置に請求項1から10のいずれかに記載の方法を実行させる、
ことを特徴とする装置。
【請求項12】
請求項1から10のいずれかに記載の方法を実行する手段を備える、
ことを特徴とする装置。
【請求項13】
非一時的コンピュータ可読記憶媒体を含むとともに実行可能コードを記憶するコンピュータプログラム製品を含む装置であって、前記実行可能コードは、少なくとも1つのデータ処理装置によって実行されると、前記少なくとも1つのデータ処理装置に請求項1から10のいずれかに記載の方法を実行させるように構成されていることを特徴とする装置。
【請求項14】
ユーザ装置が、アップリンクデータチャネルビームペアのためのアップリンクデータチャネル電力制御パラメータセットを基地局から受け取るステップと、
前記ユーザ装置が、サウンディング基準信号リソースのための、基地局受信ビームとユーザ装置送信ビームとを含むサウンディング基準信号ビームペアを決定するステップと、
前記ユーザ装置が、サウンディング基準信号送信電力を調整するために前記アップリンクデータチャネル電力制御パラメータセットを選択するステップと、
前記ユーザ装置が、前記アップリンクデータチャネル電力制御パラメータセットに基づいて、前記サウンディング基準信号リソースを介して送信するサウンディング基準信号のためのサウンディング基準信号送信電力を調整するステップと、
前記ユーザ装置が、前記サウンディング基準信号リソース及び前記サウンディング基準信号ビームペアを介して、前記電力調整されたサウンディング基準信号を送信するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項15】
アップリンクデータチャネル電力制御パラメータセットを受け取る前記ステップは、
第1のアップリンクデータチャネルビームペアのための第1のアップリンクデータチャネル電力制御パラメータセットを受け取るステップと、
第2のアップリンクデータチャネルビームペアのための第2のアップリンクデータチャネル電力制御パラメータセットを受け取るステップと、
を含んだ、複数のアップリンクデータチャネルビームペアの各々のためのアップリンクデータチャネル電力制御パラメータセットを受け取るステップを含み、
サウンディング基準信号ビームペアを決定する前記ステップは、
第1のサウンディング基準信号リソースのための第1のサウンディング基準信号ビームペアを決定するステップと、
第2のサウンディング基準信号リソースのための第2のサウンディング基準信号ビームペアを決定するステップと、
を含んだ、複数のサウンディング基準信号リソースの各々のためのサウンディング基準信号ビームペアを決定するステップを含み、
前記選択するステップは、前記第1のサウンディング基準信号リソースのサウンディング基準信号送信電力を調整するための前記第1のアップリンクデータチャネル電力制御パラメータセットと、前記第2のサウンディング基準信号リソースのサウンディング基準信号送信電力を調整するための前記第2のアップリンクデータチャネル電力制御パラメータセットとを選択するステップを含む、
請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記選択するステップは、
前記ユーザ装置が、前記アップリンクデータチャネルビームペアが前記サウンディング基準信号ビームペアに一致すると判定するステップと、
前記ユーザ装置が、前記アップリンクデータチャネルビームペアが前記サウンディング基準信号ビームペアに一致することに基づいて、サウンディング基準信号送信電力を調整するための前記アップリンクデータチャネル電力制御パラメータセットを選択するステップと、
を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記選択するステップは、
前記ユーザ装置が、サウンディング基準信号送信電力を調整するために前記アップリンクデータチャネル電力制御パラメータセットを使用すべきであることを示す制御情報を前記基地局から受け取るステップと、
前記ユーザ装置が、前記受け取った制御情報に基づいて、サウンディング基準信号送信電力を調整するための前記アップリンクデータチャネル電力制御パラメータセットを選択するステップと、
を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
アップリンクデータチャネルビームペアのための前記アップリンクデータチャネル電力制御パラメータセットは、PUSCHビームペアのための物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)電力制御パラメータセットを含む、
請求項14から17のいずれかに記載の方法。
【請求項19】
前記制御情報は、周期的サウンディング基準信号については上位層シグナリングを介して受け取られ、
前記制御情報は、非周期的サウンディング基準信号については下位層シグナリングを介して受け取られる、
請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記制御情報は、周期的サウンディング基準信号については無線リソース制御(RRC)シグナリングを介して受け取られ、
前記制御情報は、非周期的サウンディング基準信号については物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)ダウンリンク制御情報(DCI)を介して受け取られる、
請求項17に記載の方法。
【請求項21】
前記制御情報は、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)ダウンリンク制御情報(DCI)を介して提供される、1)上位層シグナリングによって構成された、前記サウンディング基準信号を送信するために使用すべきサウンディング基準信号パラメータセットと、2)前記サウンディング基準信号送信電力を調整するために使用すべき前記アップリンクデータチャネル電力制御パラメータセットと、を識別する制御情報を含む、
請求項17に記載の方法。
【請求項22】
前記ユーザ装置が、サウンディング基準信号送信のために該ユーザ装置が使用すべき諸元を識別する情報を受け取るステップと、
前記ユーザ装置が、前記アップリンクデータチャネルに関する前記サウンディング基準信号送信電力の電力オフセットを識別する情報を受け取るステップと、
前記ユーザ装置が、前記サウンディング基準信号ビームペアに対応する経路損失を該ユーザ装置が決定できるようにするためのチャネル状態情報-基準信号を受け取るステップと、
前記チャネル状態情報-基準信号に基づいて、前記サウンディング基準信号ビームペアに対応する経路損失を特定するステップと、
を更に含み、
前記調整するステップは、前記ユーザ装置が、前記アップリンクデータチャネル電力制御パラメータセット、前記諸元、前記電力オフセット及び前記経路損失に基づいてサウンディング基準信号送信電力を調整するステップを含む、
請求項14から21のいずれかに記載の方法。
【請求項23】
前記ユーザ装置が、サウンディング基準信号送信のために該ユーザ装置が使用すべき諸元を識別する情報を受け取るステップを更に含み、同じビームペアを使用する前記サウンディング基準信号及び前記アップリンクデータチャネルは、同じ諸元を有する、
請求項14から22のいずれかに記載の方法。
【請求項24】
ビーム管理のためのビーム掃引を実行する際に、1つのアップリンクデータチャネル電力制御パラメータセットを使用して複数のサウンディング基準信号ビームの各々のサウンディング基準信号送信電力を調整するステップを更に含む、
請求項14から23のいずれかに記載の方法。
【請求項25】
前記1つのアップリンクデータチャネル電力制御パラメータセットは、前記アップリンクデータチャネルを介して前記基地局にアップリンクデータを送信するために使用されたアップリンクデータチャネル電力制御パラメータセットを含む、
請求項24に記載の方法。
【請求項26】
少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータ命令を含む少なくとも1つのメモリとを含む装置であって、命令は、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、請求項14-25のいずれかの方法を前記装置に実行させる。
【請求項27】
請求項14から25のいずれかに記載の方法を実行する手段を備える、
ことを特徴とする装置。
【請求項28】
ユーザ装置が、サウンディング基準信号ビームペアのサウンディング基準信号送信電力を調整するために使用するアップリンクデータチャネルビームペアのためのアップリンクデータチャネル電力制御パラメータセットを複数のサウンディング基準信号リソースの各々について独立して選択するステップと、
前記ユーザ装置が、選択されたアップリンクデータチャネル電力制御パラメータセットに基づいてサウンディング基準信号のサウンディング基準信号送信電力を複数のサウンディング基準信号リソースの各々について調整するステップと、
前記ユーザ装置が、複数の電力調整されたサウンディング基準信号の各々を、対応するサウンディング基準信号リソース及び対応するサウンディング基準信号ビームペアを介して送信するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項29】
前記選択するステップは、
複数のサウンディング基準信号リソースの各々について、アップリンクデータチャネルビームペアがサウンディング基準信号ビームペアに一致すると独立して判定するステップと、
前記ユーザ装置が、前記アップリンクデータチャネルビームペアが前記サウンディング基準信号ビームペアに一致することに基づいて、前記アップリンクデータチャネルビームペアに一致する前記サウンディング基準信号ビームペアを有するサウンディング基準信号のサウンディング基準信号送信電力を調整するために、アップリンクデータチャネルビームペアのための前記アップリンクデータチャネル電力制御パラメータセットを選択するステップと、
を含む、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記選択するステップは、
前記ユーザ装置が、サウンディング基準信号送信電力を調整するために使用すべきアップリンクデータチャネル電力制御パラメータセットを複数のサウンディング基準信号リソースの各々について示す制御情報を前記基地局から受け取るステップと、
前記ユーザ装置が、前記受け取った前記複数のサウンディング基準信号リソースの各々についての制御情報に基づいて、サウンディング基準信号送信電力を調整するための前記アップリンクデータチャネル電力制御パラメータセットを選択するステップと、
を含む、請求項28又は29に記載の方法。
【請求項31】
各アップリンクデータチャネルビームペアのためのアップリンクデータチャネル電力制御パラメータセットは、PUSCHビームペアのための物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)電力制御パラメータセットを含む、
請求項28から30のいずれかに記載の方法。
【請求項32】
少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータ命令を含む少なくとも1つのメモリとを備えた装置であって、前記コンピュータ命令は、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、前記装置に請求項28から31のいずれかに記載の方法を実行させる、
ことを特徴とする装置。
【請求項33】
請求項28から31のいずれかに記載の方法を実行する手段を備える、
ことを特徴とする装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は通信に関する。
【背景技術】
【0002】
通信システムは、たとえば、固定通信装置又はモバイル通信装置などの2又は3以上のノード又は装置間の通信を可能にする設備である。信号は有線又は無線のキャリア上で搬送することができる。
【0003】
セルラー通信システムの一例として、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)によって標準化されているアーキテクチャがある。最近のこの分野での進展は、ユニバーサル移動体電気通信システム(UMTS)無線アクセス技術のロングタームエボリューション(LTE)と称されることが多い。E-UTRA(進化型UMTS地上波無線アクセス)は、モバイルネットワークのための3GPPロングタームエボリューション(LTE)アップグレードパスのエアインターフェイスである。LTEでは、拡張NodeAP(eNB)と呼ばれる基地局又はアクセスポイント(AP)が、カバレッジエリア又はセル内で無線アクセスを提供する。LTEでは、モバイル装置又は移動局がユーザ装置(UE)と呼ばれる。LTEは多くの改善又は開発を受けてきた。
【0004】
無線キャリアが世界的な帯域幅不足に直面することで、例えば活用されていなかったミリメートル波(ミリ波)を将来的な広帯域セルラー通信ネットワークのために検討することが促されてきた。ミリ波(又は極高周波)は、例えば30~300ギガヘルツ(GHz)の周波数レンジを含むことができる。この帯域内の電波は、例えば10~1ミリメートルの波長を有し、ミリメートル帯又はミリメートル波と呼ばれている。無線データの量は、今後数年間で大幅に増加すると見込まれる。この課題に対処するために、更なるスペクトルの取得、セルサイズの小型化、及び更なるbits/s/Hzを可能にする改善技術の使用を含む様々な技術が使用されてきた。更なるスペクトルを取得するために使用できる1つの要素は、6GHzを上回る高周波数に移行することである。第5世代無線システム(5G)では、ミリ波無線スペクトルを採用するセルラー無線装置を展開するためのアクセスアーキテクチャが提案されてきた。センチ波無線スペクトル(3~30GHz)などの他のスペクトル例を使用することもできる。
【0005】
MIMO(多入力多出力)は、エラーの低減及び/又はデータ速度の改善のために送信元(送信機)と送信先(受信機)の両方で複数のアンテナを使用する無線通信アンテナ技術である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
ある実施形態例によれば、ある方法は、基地局がアップリンクデータチャネルビームペアのためのアップリンクデータチャネル電力制御パラメータセットを決定するステップと、基地局が、サウンディング基準信号リソースのための、基地局受信ビーム及びユーザ装置送信ビームを含むサウンディング基準信号ビームペアを決定するステップと、基地局が、サウンディング基準信号ビームペアに一致するアップリンクデータチャネルビームペアに基づいて、サウンディング基準信号送信電力を調整するためにユーザ装置が使用すべきアップリンクデータチャネル電力制御パラメータセットを選択するステップと、基地局が、サウンディング基準信号リソース及びサウンディング基準信号ビームペアを介して、ユーザ装置から、アップリンクデータチャネル電力制御パラメータセットに基づいて設定されたサウンディング基準信号送信電力でサウンディング基準信号を受け取るステップと、を含んでもよい。
【0007】
ある実施形態例によれば、ある装置は、少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータ命令を含む少なくとも1つのメモリとを備え、コンピュータ命令が、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、装置に、基地局がアップリンクデータチャネルビームペアのためのアップリンクデータチャネル電力制御パラメータセットを決定することと、基地局が、サウンディング基準信号リソースのための、基地局受信ビーム及びユーザ装置送信ビームを含むサウンディング基準信号ビームペアを決定することと、基地局が、サウンディング基準信号ビームペアに一致するアップリンクデータチャネルビームペアに基づいて、サウンディング基準信号送信電力を調整するためにユーザ装置が使用すべきアップリンクデータチャネル電力制御パラメータセットを選択することと、基地局が、サウンディング基準信号リソース及びサウンディング基準信号ビームペアを介して、ユーザ装置から、アップリンクデータチャネル電力制御パラメータセットに基づいて設定されたサウンディング基準信号送信電力でサウンディング基準信号を受け取ることと、を行わせる。
【0008】
ある実施形態例によれば、ある装置は、基地局がアップリンクデータチャネルビームペアのためのアップリンクデータチャネル電力制御パラメータセットを決定する手段と、基地局が、サウンディング基準信号リソースのための、基地局受信ビーム及びユーザ装置送信ビームを含むサウンディング基準信号ビームペアを決定する手段と、基地局が、サウンディング基準信号ビームペアに一致するアップリンクデータチャネルビームペアに基づいて、サウンディング基準信号送信電力を調整するためにユーザ装置が使用すべきアップリンクデータチャネル電力制御パラメータセットを選択する手段と、基地局が、サウンディング基準信号リソース及びサウンディング基準信号ビームペアを介して、ユーザ装置から、アップリンクデータチャネル電力制御パラメータセットに基づいて設定されたサウンディング基準信号送信電力でサウンディング基準信号を受け取る手段と、を含む。
【0009】
ある実施形態例によれば、あるコンピュータプログラム製品は、コンピュータ可読記憶媒体を含むとともに実行可能コードを記憶しており、この実行可能コードは、少なくとも1つのデータ処理装置によって実行されると、少なくとも1つのデータ処理装置に、基地局がアップリンクデータチャネルビームペアのためのアップリンクデータチャネル電力制御パラメータセットを決定するステップと、基地局が、サウンディング基準信号リソースのための、基地局受信ビーム及びユーザ装置送信ビームを含むサウンディング基準信号ビームペアを決定するステップと、基地局が、サウンディング基準信号ビームペアに一致するアップリンクデータチャネルビームペアに基づいて、サウンディング基準信号送信電力を調整するためにユーザ装置が使用すべきアップリンクデータチャネル電力制御パラメータセットを選択するステップと、基地局が、サウンディング基準信号リソース及びサウンディング基準信号ビームペアを介して、ユーザ装置から、アップリンクデータチャネル電力制御パラメータセットに基づいて設定されたサウンディング基準信号送信電力でサウンディング基準信号を受け取るステップと、を含む方法を実行させるように構成される。
【0010】
ある実施形態例によれば、ある方法は、ユーザ装置がアップリンクデータチャネルビームペアのためのアップリンクデータチャネル電力制御パラメータセットを基地局から受け取るステップと、ユーザ装置が、サウンディング基準信号リソースのための、基地局受信ビームとユーザ装置送信ビームとを含むサウンディング基準信号ビームペアを決定するステップと、ユーザ装置が、サウンディング基準信号送信電力を調整するためのアップリンクデータチャネル電力制御パラメータセットを選択するステップと、ユーザ装置が、アップリンクデータチャネル電力制御パラメータセットに基づいて、サウンディング基準信号リソースを介して送信すべきサウンディング基準信号のサウンディング基準信号送信電力を調整するステップと、ユーザ装置が、サウンディング基準信号リソース及びサウンディング基準信号ビームペアを介して、電力調整されたサウンディング基準信号を送信するステップと、を含むことができる。
【0011】
ある実施形態例によれば、ある装置は、少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータ命令を含む少なくとも1つのメモリとを備え、コンピュータ命令が、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、装置に、ユーザ装置がアップリンクデータチャネルビームペアのためのアップリンクデータチャネル電力制御パラメータセットを基地局から受け取ることと、ユーザ装置が、サウンディング基準信号リソースのための、基地局受信ビームとユーザ装置送信ビームとを含むサウンディング基準信号ビームペアを決定することと、ユーザ装置が、サウンディング基準信号送信電力を調整するためのアップリンクデータチャネル電力制御パラメータセットを選択することと、ユーザ装置が、アップリンクデータチャネル電力制御パラメータセットに基づいて、サウンディング基準信号リソースを介して送信すべきサウンディング基準信号のサウンディング基準信号送信電力を調整することと、ユーザ装置が、サウンディング基準信号リソース及びサウンディング基準信号ビームペアを介して、電力調整されたサウンディング基準信号を送信することと、を行わせる。
【0012】
ある実施形態例によれば、ある装置は、ユーザ装置がアップリンクデータチャネルビームペアのためのアップリンクデータチャネル電力制御パラメータセットを基地局から受け取る手段と、ユーザ装置が、サウンディング基準信号リソースのための、基地局受信ビームとユーザ装置送信ビームとを含むサウンディング基準信号ビームペアを決定する手段と、ユーザ装置が、サウンディング基準信号送信電力を調整するためのアップリンクデータチャネル電力制御パラメータセットを選択する手段と、ユーザ装置が、アップリンクデータチャネル電力制御パラメータセットに基づいて、サウンディング基準信号リソースを介して送信すべきサウンディング基準信号のサウンディング基準信号送信電力を調整する手段と、ユーザ装置が、サウンディング基準信号リソース及びサウンディング基準信号ビームペアを介して、電力調整されたサウンディング基準信号を送信する手段と、を含む。
【0013】
ある実施形態例によれば、あるコンピュータプログラム製品は、コンピュータ可読記憶媒体を含むとともに実行可能コードを記憶しており、この実行可能コードが、少なくとも1つのデータ処理装置によって実行されると、少なくとも1つのデータ処理装置に、ユーザ装置がアップリンクデータチャネルビームペアのためのアップリンクデータチャネル電力制御パラメータセットを基地局から受け取るステップと、ユーザ装置が、サウンディング基準信号リソースのための、基地局受信ビームとユーザ装置送信ビームとを含むサウンディング基準信号ビームペアを決定するステップと、ユーザ装置が、サウンディング基準信号送信電力を調整するためのアップリンクデータチャネル電力制御パラメータセットを選択するステップと、ユーザ装置が、アップリンクデータチャネル電力制御パラメータセットに基づいて、サウンディング基準信号リソースを介して送信すべきサウンディング基準信号のサウンディング基準信号送信電力を調整するステップと、ユーザ装置が、サウンディング基準信号リソース及びサウンディング基準信号ビームペアを介して、電力調整されたサウンディング基準信号を送信するステップと、を含む方法を実行させるように構成される。
【0014】
ある実施形態例によれば、ある方法は、サウンディング基準信号ビームペアのサウンディング基準信号送信電力を調整するために使用すべきアップリンクデータチャネルビームペアのためのアップリンクデータチャネル電力制御パラメータセットをユーザ装置が複数のサウンディング基準信号リソースの各々について個別に選択するステップと、ユーザ装置が、選択されたアップリンクデータチャネル電力制御パラメータセットに基づいて、サウンディング基準信号のサウンディング基準信号送信電力を複数のサウンディング基準信号リソースの各々について調整するステップと、ユーザ装置が、複数の電力調整されたサウンディング基準信号の各々を、対応するサウンディング基準信号リソース及び対応するサウンディング基準信号ビームペアを介して送信するステップと、を含むことができる。
【0015】
ある実施形態例によれば、ある装置は、少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータ命令を含む少なくとも1つのメモリとを備え、コンピュータ命令が、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、装置に、サウンディング基準信号ビームペアのサウンディング基準信号送信電力を調整するために使用すべきアップリンクデータチャネルビームペアのためのアップリンクデータチャネル電力制御パラメータセットをユーザ装置が複数のサウンディング基準信号リソースの各々について個別に選択することと、ユーザ装置が、選択されたアップリンクデータチャネル電力制御パラメータセットに基づいてサウンディング基準信号のサウンディング基準信号送信電力を複数のサウンディング基準信号リソースの各々について調整することと、ユーザ装置が、複数の電力調整されたサウンディング基準信号の各々を、対応するサウンディング基準信号リソース及び対応するサウンディング基準信号ビームペアを介して送信することと、を行わせる。
【0016】
ある実施形態例によれば、ある装置は、少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータ命令を含む少なくとも1つのメモリとを備え、コンピュータ命令が、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、装置に、サウンディング基準信号ビームペアのサウンディング基準信号送信電力を調整するために使用すべきアップリンクデータチャネルビームペアのためのアップリンクデータチャネル電力制御パラメータセットをユーザ装置が複数のサウンディング基準信号リソースの各々について個別に選択する手段と、ユーザ装置が、選択されたアップリンクデータチャネル電力制御パラメータセットに基づいてサウンディング基準信号のサウンディング基準信号送信電力を複数のサウンディング基準信号リソースの各々について調整する手段と、ユーザ装置が、複数の電力調整されたサウンディング基準信号の各々を、対応するサウンディング基準信号リソース及び対応するサウンディング基準信号ビームペアを介して送信する手段と、を含む。
【0017】
ある実施形態例によれば、あるコンピュータプログラム製品は、コンピュータ可読記憶媒体を含むとともに実行可能コードを記憶しており、この実行可能コードが、少なくとも1つのデータ処理装置によって実行されると、少なくとも1つのデータ処理装置に、サウンディング基準信号ビームペアのサウンディング基準信号送信電力を調整するために使用すべきアップリンクデータチャネルビームペアのためのアップリンクデータチャネル電力制御パラメータセットをユーザ装置が複数のサウンディング基準信号リソースの各々について個別に選択するステップと、ユーザ装置が、選択されたアップリンクデータチャネル電力制御パラメータセットに基づいてサウンディング基準信号のサウンディング基準信号送信電力を複数のサウンディング基準信号リソースの各々について調整するステップと、ユーザ装置が、複数の電力調整されたサウンディング基準信号の各々を、対応するサウンディング基準信号リソース及び対応するサウンディング基準信号ビームペアを介して送信するステップと、を含む方法を実行させるように構成される。
【0018】
添付図面及び以下の説明に、1又は2以上の実施形態例の詳細を示す。説明及び図面、並びに特許請求の範囲からは、他の特徴も明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】ある実施形態例による無線ネットワークのブロック図である。
【
図2】ある実施形態例による、基地局の動作を示すフローチャートである。
【
図3】ある実施形態例による、ユーザ装置の動作を示すフローチャートである。
【
図4】別の実施形態例による、ユーザ装置の動作を示すフローチャートである。
【
図5】ある実施形態例による、PUSCH及びSRSのための異なるビームペアを示す図である。
【
図6】異種ネットワークにおけるPUSCH及びSRS信号のための異なるビームペアを示す図である。
【
図7】ある実施形態例による明示的な動的シグナリングを示す図である。
【
図8】ある実施形態例による、複数のSRSリソースのためのPUSCH電力制御パラメータセットのリンク(又は選択)を示す図である。
【
図9】別の実施形態例による、基地局及びユーザ装置(UE)の動作を示す図である。
【
図10】ある実施形態例による、ノード又は無線局(例えば、基地局/アクセスポイント、又は移動局/ユーザ装置)のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は、ある実施形態例による無線ネットワーク130のブロック図である。
図1の無線ネットワーク130において、移動局(MS)又はユーザ機器(UE)と呼ぶこともできるユーザ装置131、132、133及び135は、アクセスポイント(AP)、拡張NodeB(eNB)又はネットワークノードと呼ぶこともできる基地局(BS)134に接続(及び通信)可能である。アクセスポイント(AP)、基地局(BS)又は(e)NodeB(eNB)の機能の少なくとも一部は、リモートラジオヘッドなどのトランシーバに動作可能に結合できる任意のノード、サーバ又はホストによって実行することもできる。BS(又はAP)134は、セル136内で、ユーザ装置131、132、133及び135を含む無線カバレッジを提供する。BS134には4つのユーザ装置のみが接続又は結合されているように示しているが、任意の数のユーザ装置が提供されていてもよい。BS134は、S1インターフェイス151を介してコアネットワーク150にも接続される。これは無線ネットワークの1つの簡単な例にすぎず、他のものを使用することもできる。
【0021】
ユーザ装置(ユーザ端末、ユーザ機器(UE))は、加入者識別モジュール(SIM)の有無にかかわらず動作する無線モバイル通信装置を含むポータブルコンピュータ装置を意味することができ、限定ではなく一例として、移動局(MS)、携帯電話機、セル式携帯電話機、スマートホン、携帯情報端末(PDA)、ハンドセット、無線モデムを使用する装置(アラーム装置又は測定装置など)、ラップトップ及び/又はタッチ画面式コンピュータ、タブレット、ファブレット、ゲーム機、ノートブック及びマルチメディア装置といったタイプの装置を含む。ユーザ装置は、例えば画像又はビデオクリップをネットワークにロードするカメラ又はビデオカメラなどの、ほぼアップリンク専用の装置とすることもできると理解されたい。
【0022】
(一例として)LTEにおいて、進化型パケットコア(EPC)と呼ばれることもあるコアネットワーク150は、複数のBS間でのユーザ装置のモビリティ/ハンドオーバを処理又は支援できるモビリティ管理エンティティ(MME)、BSとパケットデータネットワーク又はインターネットとの間でデータを転送し信号を制御できる1又は2以上のゲートウェイ、及びその他の制御機能又は制御ブロックを含むことができる。
【0023】
様々な実施形態例は、LTE、LTE-A、5G、センチ波及び/又はミリ波帯ネットワーク、又は他のいずれかの無線ネットワークなどの様々な無線技術又は無線ネットワークに適用することができる。LTE、5G、センチ波及びミリ波帯ネットワークは一例として示すものであり、様々な実施形態例は、あらゆる無線技術/無線ネットワークに適用することができる。
【0024】
様々な実施形態例は、例えば、説明のための実施形態例による、マッシブMIMO(多入力多出力)をサポートし、例えばセンチ波周波数(例えば、3GHz以上)又はミリ波周波数などの高キャリア周波数で動作するように最適化された、5G無線アクセスシステム(又は他のシステム)に関するものでもよい。通常、これらの例示的なシステムは、経路損失の増加を補償する高アンテナ利得の必要性と、増加し続ける無線トラフィックに対応するための高容量且つ高スペクトル効率の必要性とにより特徴づけられる。ある実施形態例によれば、高キャリア周波数での減衰の増加を、例えばマッシブ(多素子)アンテナアレイと、これに対応した、アクセスポイント(AP)/基地局(BS)及び/又はユーザ装置でのビームフォーミングを介したアンテナ利得とを導入することによって補償することができる。通常、スペクトル効率は、システムがサポートできる空間ストリームの数、従ってBSのアンテナポートの数によって改善することができる。ある実施形態例によれば、空間多重化は、独立の個別に符号化されたデータ信号、いわゆるストリームを、複数の送信アンテナの各々から送信するMIMO無線通信における送信技術を含んでもよい。
【0025】
例えば、通常、マッシブ多入力多出力(M-MIMO)システムでは、送信機及び/又は受信機(例えば、基地局/アクセスポイント又は他のネットワークノード)において数多くのアンテナ素子を使用することができる。通常、M-MIMOは、より多くの空間リンク/レイヤを有して、より多くの空間的自由度を提供することができる。1つの例では、MIMO又はM-MIMO送信機が、良好に設計されたアンテナの重みづけを用いて、空間分離に優れた比較的細いビームを生成することができる。従って、このような送信機は、高いビームフォーミング利得を達成し、空間的干渉域を低減し、高い複数ユーザ空間多重化利得を得ることができる。通常、MIMO又はM-MIMOシステムは、他のシステムと比べてデータレート及びリンク信頼度の面で優れた性能を有することができる。
【0026】
例えば、
図1に示すように、通常はセルをカバーするために、例えばビーム1、ビーム2、ビーム3及び最大N個のビームなどの複数のビームが使用される。しかしながら、多くの場合、例えばコスト及び複雑度を抑えるためにビームの一部しか同時に作動することができない。従って、ビーム掃引(beam sweeping)を利用して、複数のビーム又は複数組のビームの各々を介して複数の期間にわたって信号を送信してもよい。ビーム掃引は、各ビーム又は1組の複数ビームを、複数の期間にわたって作動させることを含んでもよい。また、ユーザ装置は、各ビームの基準信号を測定し、その後1又は2以上の好ましいビームを特定する(例えば、受信電力又は受信信号強度又はその他のチャネル品質測定値が最も高いビームを、1又は2以上の好ましい又は最良のダウンリンク送信ビームとして特定する)ビームレポートをBSに送信するようにビーム管理(又はビーム追跡)を実行してもよい。従って、例えば、ビーム掃引を実行して時間領域内で複数組のビームの各々を生成し又は作動させ、あるセルに亘って信号を送信し又は異なるビームを介して信号を受信してもよい。例えば、実装に応じて、ある時間において、1つのビームのみをアクティブにすることも、あるいは1組のビーム(例えば、3つのビーム、4つのビーム、6つのビーム、又は他の数のビーム)をアクティブにすることもできる。例えば、ユーザ装置又はBSは、通常はある時間において1つのビームのみのために又はある時間において1組のビームのみのために、基準信号(RS)などの様々な制御信号を送信又は受信してもよい。
【0027】
ユーザ装置とBSの間の送信はビームペアを介して行うことができ、ビームペアはBSが適用するビームとユーザ装置が適用するビームとを含んでよい。例えば、ユーザ装置からBSへのアップリンク送信では、ビームペアは、ユーザ装置が適用する送信ビームと、BSが適用する受信ビームとを含むことができる。同様に、ダウンリンク送信では、BSが適用する送信ビームと、ユーザ装置が適用する受信ビームとを含むビームペアを使用することができる。
【0028】
ある実施形態例によれば、1又は2以上のユーザ装置は、例えば物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)チャネルなどのアップリンクデータチャネルを介して、アップリンクデータをBSに送信することができる。ある実施形態例によれば、ユーザ装置は、アップリンクデータチャネル(例えば、PUSCH)電力制御パラメータセットを使用して電力制御を実行し、例えばアップリンクデータチャネルを介して(例えば、PUSCHチャネルを介して)送信するデータ(又は他の信号)の送信電力を調整することができる。複数のビームペアの各々について、異なる(又はビーム固有の)アップリンクデータチャネル(例えば、PUSCH)電力制御パラメータセットを(例えば、複数のアップリンクデータチャネルビームペア又はPUSCHビームペアの各々について異なる電力制御パラメータセットを)選択又は決定することができる。例えば、各異なるアップリンクデータチャネル(又はPUSCH)電力制御パラメータセットは、他の(1又は2以上の、或いは全ての)アップリンクデータチャネル電力制御パラメータセットとは値が異なる少なくとも1つのパラメータを含むことができる。
【0029】
従って、例えば、複数のPUSCHビームペアの各々について異なる(又はビーム固有の)PUSCH電力制御パラメータセットを決定又は取得して、例えば対応するビームペアを介してPUSCHチャネル上でデータを送信するための送信電力をユーザ装置が調整できるようにすることができる。上述したように、(ユーザ装置からBSへの)アップリンク送信では、ビームペアが、ユーザ装置の(又はユーザ装置が適用する)送信ビームと、BSの(又はBSが適用する)受信ビームとを含むことができる。例えば、ユーザ装置は、ビームペアの(又は複数のビームペアの各々の)PUSCH電力制御パラメータセットを使用して電力制御を実行し、例えばPUSCH(又はアップリンクデータチャネル)を介してアップリンクで送信されるアップリンクデータの送信(又は伝送)電力を調整することができる。一般に、信号送信のための電力制御は、例えば不必要な干渉を回避するとともに、消費電力を削減するのに役立つことがある。
【0030】
ある実施形態例によれば、ユーザ装置は、BSに(アップリンク)サウンディング基準信号(SRS)を送信することができる。例えば、ユーザ装置は、BSにサウンディング基準信号(SRS)を送信して、BSがアップリンクチャネル状態を異なる周波数で推定できるようにすることができる。ある実施形態例によれば、例えばBSスケジューラがチャネル状態推定値を使用して、アップリンクPUSCH送信のための良好なチャネル品質を有するリソースブロックを割り当てる(例えば、アップリンクチャネル依存のスケジューリング)とともに、(例えば、データレートなどの)異なる送信パラメータや、アップリンクマルチアンテナ送信に関連する異なるパラメータを選択することができる。例えば、SRS信号は、等間隔又は一定の周期で送信される周期的SRS信号と、周期的でない(例えば、等間隔で送信されない)非周期的SRS信号とを含むことができる。
【0031】
ある実施形態例によれば、複数の異なる時間-周波数リソースを介してSRS信号を送信することができる。チャネル状態は時間変化及び/又は周波数変化するので、SRSリソース毎に異なるビームペアを決定することができる。従って、例えば、異なるSRSリソースを介して送信される各SRS信号は、(例えば、ユーザ装置のアップリンクビーム又はBSの受信ビームを含む)異なるビームペアを有し、又は異なるビームペアを介して送信することができる。従って、この点において、SRSリソース毎に異なるビームペアが存在することができる。
【0032】
また、電力制御はSRS信号毎に適用されてもよく、例えば各SRS信号の送信電力が調整されてもよい。ある実施形態例によれば、ユーザ装置は、SRS信号の送信電力を調整するために使用すべきアップリンクデータチャネル(例えばPUSCH)チャネル電力制御パラメータセットを複数のSRSリソースの各々について個別に決定してもよい。従って、例えば、ユーザ装置がサウンディング基準信号送信電力の調整で用いるために選択されるPUSCH電力制御パラメータセットは、SRSリソース毎に(又はSRS信号毎に)選択されてもよい。SRS信号の電力制御で用いるために選択されるPUSCH電力制御パラメータセットは、PUSCH送信電力とSRS信号送信電力の間のリンク(関連性)又は関係性を提供するので、例えば、リンク付きPUSCH電力制御パラメータセットと呼ぶことができる。異なるSRSリソース毎に(異なるSRSリソースを介して送信されるSRS信号毎に)別個の又は独立したビームペアを提供することができるので、異なる及び/又は独立したPUSCH電力制御パラメータセットが各SRSリソース/SRS信号の電力制御に使用されるものとして選択又は決定されてもよい。
【0033】
ある実施形態例によれば、PUSCHビームペアとSRSビームペアが一致する場合、PUSCHビームペアのためのリンク付きPUSCH電力制御パラメータセットが、SRS信号/SRS信号リソースの電力制御の実行用として選択されてもよい。そのため、例えばSRS信号又はSRSリソースのビームペアとPUSCHビームペアとが一致する(例えば、同じ送信ビーム及び受信ビームを有する)ようにしてもよい。そして、この一致するPUSCHビームペアについてのPUSCH電力制御パラメータセットが、ユーザ装置によりSRSリソースのSRS信号送信電力を調整する際に使用されるリンク付きPUSCH電力制御パラメータセットとして選択されてもよい。
【0034】
ある実施形態例によれば、ユーザ装置は、異なる技術を使用して、あるSRSリソースについてのリンク付きPUSCH電力制御パラメータセットを選択又は決定してもよい。例えば、ユーザ装置は、1)PUSCH(即ちアップリンクデータチャネル)ビームペアがSRSビームペアに一致すると判断し、その後に2)PUSCHビームペアに一致するSRSビームペアを有するSRS信号の(SRSリソースのための)SRS送信電力を調整するためのPUSCH(即ちアップリンクデータチャネル)ビームペアについてのPUSCH電力制御パラメータセットを選択することによって、ある1つのSRSリソース(又は各SRSリソース)についてのリンク付きPUSCH電力制御パラメータセットを非明示的に(例えば、PUSCHビームペアとSRSビームペアとの間の一致するビームペアに基づいて)決定することができる。あるいは、ユーザ装置は、1)SRS送信電力を調整するために使用すべきPUSCH電力制御パラメータセットを複数のSRSリソースの各々について示す制御情報をBSから受け取り、2)受け取った複数のSRSリソースの各々の制御情報に基づいて、複数のSRS信号又はSRSリソースの各々の電力制御に使用すべきリンク付きPUSCH電力制御パラメータセットを選択することによって、リンク付きPUSCH(即ちアップリンクデータチャネル)電力制御パラメータセットを(例えば、BSから受け取った制御情報に基づいて)明示的に決定することもできる。
【0035】
ある実施形態例によれば、複数のSRS信号/SRSリソースの各々についてのリンク付きPUSCH電力制御パラメータセットを示すBSからの制御情報を、周期的SRS信号については上位層信号を介して(例えば、無線リソース制御(RRC)シグナリングを介して)、非周期的SRS信号については下位層シグナリングを介して(例えば、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)のダウンリンク制御情報(DCI)を介して)ユーザ装置に伝えることができる。
【0036】
また、ユーザ装置は、(例えば、SRS信号の電力制御に使用する)SRS送信についての諸元(numerology)を識別する情報をBSから受け取ることもできる。例えば、異なる諸元については、異なるリンク付きPUSCH電力制御パラメータセットが存在してもよい。また、PUSCHビームペアのためのPUSCH電力制御パラメータセットと、SRSリソース/SRSビームペアのためのリンク付きPUSCH電力制御パラメータセットとが同じ諸元を有していてもよい。例えば、諸元には、1又は2以上の送信特性又は通信特性に関する異なる量、長さ又は間隔の情報が含まれる。従って、例えば一例として、諸元には、サブキャリア間隔、サブフレーム(又はスロット)長、OFDMシンボル期間、又はその他の時間/周波数特性が含まれる。従って、例えば、少なくともいくつかの例では、5GのBS又はユーザ装置がLTE/4G又はその他の規格との後方互換性を有することもあるので、5G無線/ネットワーク装置は、異なる諸元(例えば、5Gの諸元及び4Gの諸元)をサポートしてもよい。
【0037】
また、ユーザ装置は、チャネル状態情報-基準信号(CSI-RS)を受け取って経路損失を測定し又は求めてもよく、例えば複数のビームペアの各々についての経路損失を求めてもよい。ユーザ装置は、BSから、SRS送信電力を設定又は調整する際に使用できる(例えば、PUSCH電力信号の送信電力に関する)SRS電力オフセットの指示を受け取ってもよい。従って、ある実施形態例では、ユーザ装置は、例えばSRS信号/SRSリソースについてのリンク付きPUSCH電力制御パラメータセット、SRS信号/SRSリソースの諸元、電力オフセット(例えば、SRS電力オフセット)、及び経路損失(例えば、SRSビームペアについての又はこれに対応する経路損失)に基づいて、ある1つのSRS信号(又は各SRS信号)の送信電力を調整又は設定してもよい。
【0038】
また、上述したように、ユーザ装置は、例えばBSに最新の好ましい(又は最良の)ビーム情報をレポートするために、ビーム管理のためのビーム掃引を実行することもできる(例えば、この場合、ユーザ装置は、異なるビーム/ビームペアの信号を受け取って測定し、1又は2以上の好ましい又は最良のビームペア又は最良の/好ましいダウンリンク送信ビームを選択して又はBSにレポートすることができる)。ユーザ装置は、ビーム管理のためのビーム掃引のSRS送信電力を設定する際には、(異なる又はビーム固有のPUSCH電力制御パラメータセットを使用するのではなく)全ての(又は複数の)SRSビームペアに対して1つのリンク付きPUSCH電力制御パラメータセットを選択/使用することができる。例えば、ユーザ装置は、ビーム管理のためのビーム掃引中に、PUSCHチャネルを介してデータを送信するために最近使用されたPUSCH電力制御パラメータセットを、全ての(又は少なくとも複数の)SRS信号/SRSリソースのためのリンク付きPUSCH電力制御パラメータセットとして選択/使用してもよい。この理由は、例えばビーム管理中にはユーザ装置が異なるリソースにとって最良の又は好ましい(単複の)ビームペアを認識していない可能性があるからである。別の例によれば、ユーザ装置は、BSがユーザ装置にシグナリング又は指示したリンク付きPUSCH電力制御パラメータセットを選択してもよい。
【0039】
例1:
図2は、ある実施形態例による基地局の動作を示すフローチャートである。動作210は、基地局が、アップリンクデータチャネルビームペアのアップリンクデータチャネル電力制御パラメータセットを決定するステップを含む。動作220は、基地局が、サウンディング基準信号リソースのための基地局受信ビームとユーザ装置送信ビームとを含むサウンディング基準信号ビームペアを決定するステップを含む。動作230は、基地局が、サウンディング基準信号ビームペアに一致するアップリンクデータチャネルビームペアに基づいて、ユーザ装置がサウンディング基準信号送信電力を調整するために使用すべきアップリンクデータチャネル電力制御パラメータセットを選択するステップを含む。また、動作240は、基地局が、サウンディング基準信号リソース及びサウンディング基準信号ビームペアを介してユーザ装置から、アップリンクデータチャネル電力制御パラメータセットに基づいて設定されたサウンディング基準信号送信電力を有するサウンディング基準信号を受け取るステップを含む。
【0040】
例2:例1の実施形態例において、アップリンクデータチャネル電力制御パラメータセットを決定する前記ステップは、第1のアップリンクデータチャネルビームペアのための第1のアップリンクデータチャネル電力制御パラメータセットと、第2のアップリンクデータチャネルビームペアのための第2のアップリンクデータチャネル電力制御パラメータセットとを決定することを含んだ、複数のアップリンクデータチャネルビームペアの各々のためのアップリンクデータチャネル電力制御パラメータセットを決定するステップを含み;サウンディング基準信号リソースのサウンディング基準信号ビームペアを決定する前記ステップは、第1のサウンディング基準信号リソースのための第1のサウンディング基準信号ビームペアを決定するステップと、第2のサウンディング基準信号リソースのための第2のサウンディング基準信号ビームペアを決定するステップとを含んだ、複数のサウンディング基準信号リソースの各々のためのサウンディング基準信号ビームペアを決定するステップを含み;前記選択するステップは、第1のアップリンクデータチャネルビームペアと第1のサウンディング基準信号ビームペアとの間の一致に基づいて、第1のサウンディング基準信号リソースのためのサウンディング基準信号送信電力を調整するためにユーザ装置が使用すべき第1のアップリンクデータチャネルビームペアのための第1のアップリンクデータチャネル電力制御パラメータセットを選択するステップと、第2のアップリンクデータチャネルビームペアと第2のサウンディング基準信号ビームペアとの間の一致に基づいて、第2のサウンディング基準信号リソースのためのサウンディング基準信号送信電力を調整するためにユーザ装置が使用すべき第2のアップリンクデータチャネルビームペアのための第2のアップリンクデータチャネル電力制御パラメータセットを選択するステップと、を含む。
【0041】
例3:例1又は2の実施形態例において、アップリンクデータチャネルビームペアのためのアップリンクデータチャネル電力制御パラメータセットは、PUSCHビームペアのための物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)電力制御パラメータセットを含む。
【0042】
例4:例1~3のいずれかの実施形態例において、前記方法は、基地局が、サウンディング基準信号送信電力を調整するために使用すべきアップリンクデータチャネル電力制御パラメータセットを識別する制御情報をユーザ装置に送信するステップを更に含む。
【0043】
例5:例1~4のいずれかの実施形態例において、制御情報は、周期的サウンディング基準信号については上位層シグナリングを介して送信され、制御情報は、非周期的サウンディング基準信号については下位層シグナリングを介して送信される。
【0044】
例6:例1~5のいずれかの実施形態例において、制御情報は、周期的サウンディング基準信号については無線リソース制御(RRC)シグナリングを介して送信され、制御情報は、非周期的サウンディング基準信号については物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)ダウンリンク制御情報(DCI)を介して送信される。
【0045】
例7:例1~6のいずれかの実施形態例において、制御情報は、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)ダウンリンク制御情報(DCI)を介して提供される、1)上位層シグナリングによって構成された、サウンディング基準信号を送信するために使用すべきサウンディング基準信号パラメータセットと、2)サウンディング基準信号送信電力を調整するために使用すべきアップリンクデータチャネル電力制御パラメータセットと、を識別する制御情報を含む。
【0046】
例8:例1~3のいずれかの実施形態例において、前記方法は、基地局が、サウンディング基準信号送信のためにユーザ装置が使用すべき諸元を識別する情報をユーザ装置に送信するステップを更に含む。
【0047】
例9:例1~8のいずれかの実施形態例において、基地局が、アップリンクデータチャネルに関するサウンディング基準信号送信電力の電力オフセットを識別する情報をユーザ装置に送信するステップを更に含む。
【0048】
例10:例1~9のいずれかの実施形態例において、基地局が、ユーザ装置が1又は2以上のビームペアの経路損失を特定できるようにするためのチャネル状態情報-基準信号をユーザ装置に送信するステップを更に含む。
【0049】
例11:ある実施形態例によれば、ある装置が少なくとも1つのプロセッサとコンピュータ命令を含む少なくとも1つのメモリとを含み、コンピュータ命令が少なくとも1つのプロセッサによって実行されると例1~10のいずれかの方法をその装置に実行させる。
【0050】
例12:ある装置は、例1~10のいずれかの方法を実行する手段を含む。
【0051】
例13:ある装置が非一時的コンピュータ可読記憶媒体を含み実行可能コードを記憶するコンピュータプログラム製品を含み、実行可能コードが少なくとも1つのデータ処理装置によって実行されると少なくとも1つのデータ処理装置に例1~10のいずれかの方法を実行させるように構成されている。
【0052】
例14:
図3は、ある実施形態例によるユーザ装置の動作を示すフローチャートである。動作310は、ユーザ装置が、アップリンクデータチャネルビームペアのためのアップリンクデータチャネル電力制御パラメータセットを基地局から受け取るステップを含む。動作320は、ユーザ装置が、サウンディング基準信号リソースのための、基地局受信ビームとユーザ装置送信ビームとを含むサウンディング基準信号ビームペアを決定するステップを含む。動作330は、ユーザ装置が、サウンディング基準信号送信電力を調整するためにアップリンクデータチャネル電力制御パラメータセットを選択するステップを含む。動作340は、ユーザ装置が、アップリンクデータチャネル電力制御パラメータセットに基づいて、サウンディング基準信号リソースを介して送信するサウンディング基準信号のためのサウンディング基準信号送信電力を調整するステップを含む。動作350は、ユーザ装置が、サウンディング基準信号リソース及びサウンディング基準信号ビームペアを介して、電力調整されたサウンディング基準信号を送信するステップを含む。
【0053】
例15:例14の実施形態例において、アップリンクデータチャネル電力制御パラメータセットを受け取る前記ステップは、第1のアップリンクデータチャネルビームペアのための第1のアップリンクデータチャネル電力制御パラメータセットを受け取るステップと、第2のアップリンクデータチャネルビームペアのための第2のアップリンクデータチャネル電力制御パラメータセットを受け取るステップとを含んだ、複数のアップリンクデータチャネルビームペアの各々のためのアップリンクデータチャネル電力制御パラメータセットを受け取るステップを含み;サウンディング基準信号ビームペアを決定する前記ステップは、第1のサウンディング基準信号リソースのための第1のサウンディング基準信号ビームペアを決定するステップと、第2のサウンディング基準信号リソースのための第2のサウンディング基準信号ビームペアを決定するステップとを含んだ、複数のサウンディング基準信号リソースの各々のためのサウンディング基準信号ビームペアを決定するステップを含み;前記選択するステップは、第1のサウンディング基準信号リソースのサウンディング基準信号送信電力を調整するための第1のアップリンクデータチャネル電力制御パラメータセットと、第2のサウンディング基準信号リソースのサウンディング基準信号送信電力を調整するための第2のアップリンクデータチャネル電力制御パラメータセットとを選択するステップを含む。
【0054】
例16:例14又は15の実施形態例において、選択するステップは、ユーザ装置が、アップリンクデータチャネルビームペアがサウンディング基準信号ビームペアに一致すると判定するステップと、ユーザ装置が、アップリンクデータチャネルビームペアがサウンディング基準信号ビームペアに一致することに基づいて、サウンディング基準信号送信電力を調整するためのアップリンクデータチャネル電力制御パラメータセットを選択するステップと、を含む。
【0055】
例17:例14~16のいずれかの実施形態例において、選択するステップは、ユーザ装置が、サウンディング基準信号送信電力を調整するためにアップリンクデータチャネル電力制御パラメータセットを使用すべきであることを示す制御情報を基地局から受け取るステップと、ユーザ装置が、受け取った制御情報に基づいて、サウンディング基準信号送信電力を調整するためのアップリンクデータチャネル電力制御パラメータセットを選択するステップと、を含む。
【0056】
例18:例14~17のいずれかの実施形態例において、アップリンクデータチャネルビームペアのためのアップリンクデータチャネル電力制御パラメータセットは、PUSCHビームペアのための物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)電力制御パラメータセットを含む。
【0057】
例19:例14~18のいずれかの実施形態例において、制御情報は、周期的サウンディング基準信号については上位層シグナリングを介して受け取られ、制御情報は、非周期的サウンディング基準信号については下位層シグナリングを介して受け取られる。
【0058】
例20:例14~19のいずれかの実施形態例において、制御情報は、周期的サウンディング基準信号については無線リソース制御(RRC)シグナリングを介して受け取られ、制御情報は、非周期的サウンディング基準信号については物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)ダウンリンク制御情報(DCI)を介して受け取られる。
【0059】
例21:例14~20のいずれかの実施形態例において、制御情報は、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)ダウンリンク制御情報(DCI)を介して提供される、1)上位層シグナリングによって構成された、サウンディング基準信号を送信するために使用すべきサウンディング基準信号パラメータセットと、2)サウンディング基準信号送信電力を調整するために使用すべきアップリンクデータチャネル電力制御パラメータセットと、を識別する制御情報を含む。
【0060】
例22:例14~21のいずれかの実施形態例において、ユーザ装置が、サウンディング基準信号送信のためにユーザ装置が使用すべき諸元を識別する情報を受け取るステップと、ユーザ装置が、アップリンクデータチャネルに関するサウンディング基準信号送信電力の電力オフセットを識別する情報を受け取るステップと、ユーザ装置が、サウンディング基準信号ビームペアに対応する経路損失をユーザ装置が決定できるようにするためのチャネル状態情報-基準信号を受け取るステップと、チャネル状態情報-基準信号に基づいて、サウンディング基準信号ビームペアに対応する経路損失を特定するステップと、を更に含み、調整するステップは、ユーザ装置が、アップリンクデータチャネル電力制御パラメータセット、諸元、電力オフセット及び経路損失に基づいてサウンディング基準信号送信電力を調整するステップを含む。
【0061】
例23:例14~22のいずれかの実施形態例において、ユーザ装置が、サウンディング基準信号送信のためにユーザ装置が使用すべき諸元を識別する情報を受け取るステップをさらに含み、同じビームペアを使用するサウンディング基準信号及びアップリンクデータチャネルは、同じ諸元を有する。
【0062】
例24:例14~23のいずれかの実施形態例において、ビーム管理のためのビーム掃引を実行する際に、1つのアップリンクデータチャネル電力制御パラメータセットを使用して複数のサウンディング基準信号ビームの各々のサウンディング基準信号送信電力を調整するステップをさらに含む。
【0063】
例25:例14~24のいずれかの実施形態例において、1つのアップリンクデータチャネル電力制御パラメータセットは、アップリンクデータチャネルを介して基地局にアップリンクデータを送信するために使用されたアップリンクデータチャネル電力制御パラメータセットを含む。
【0064】
例26:装置が、少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータ命令を含む少なくとも1つのメモリとを含み、コンピュータ命令が、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、例14~25のいずれかの方法を装置に実行させる。
【0065】
例27:装置が、例14~25のいずれかの方法を実行する手段を含む。
【0066】
例28:
図4は、別の実施形態例によるユーザ装置の動作を示すフローチャートである。動作410は、ユーザ装置が、サウンディング基準信号ビームペアのサウンディング基準信号送信電力を調整するために使用するアップリンクデータチャネルビームペアのためのアップリンクデータチャネル電力制御パラメータセットを複数のサウンディング基準信号リソースの各々について独立して選択するステップを含む。動作420は、ユーザ装置が、選択されたアップリンクデータチャネル電力制御パラメータセットに基づいてサウンディング基準信号のサウンディング基準信号送信電力を複数のサウンディング基準信号リソースの各々について調整するステップを含む。動作430は、ユーザ装置が、複数の電力調整されたサウンディング基準信号の各々を、対応するサウンディング基準信号リソース及び対応するサウンディング基準信号ビームペアを介して送信するステップを含む。
【0067】
例29:例28の実施形態例において、前記選択するステップは、複数のサウンディング基準信号リソースの各々について、アップリンクデータチャネルビームペアがサウンディング基準信号ビームペアに一致すると独立して判定するステップと、ユーザ装置が、アップリンクデータチャネルビームペアがサウンディング基準信号ビームペアに一致することに基づいて、アップリンクデータチャネルビームペアに一致するサウンディング基準信号ビームペアを有するサウンディング基準信号のサウンディング基準信号送信電力を調整するために、アップリンクデータチャネルビームペアのためのアップリンクデータチャネル電力制御パラメータセットを選択するステップと、を含む。
【0068】
例30:例28又は29の実施形態例において、選択するステップは、ユーザ装置が、サウンディング基準信号送信電力を調整するために使用すべきアップリンクデータチャネル電力制御パラメータセットを複数のサウンディング基準信号リソースの各々について示す制御情報を基地局から受け取るステップと、ユーザ装置が、受け取った複数のサウンディング基準信号リソースの各々についての制御情報に基づいて、サウンディング基準信号送信電力を調整するためのアップリンクデータチャネル電力制御パラメータセットを選択するステップと、を含む。
【0069】
例31:例28~30のいずれかの実施形態例において、各アップリンクデータチャネルビームペアのためのアップリンクデータチャネル電力制御パラメータセットは、PUSCHビームペアのための物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)電力制御パラメータセットを含む。
【0070】
例32:装置が、少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータ命令を含む少なくとも1つのメモリとを含み、コンピュータ命令が、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、例28~31のいずれかの方法を装置に実行させる。
【0071】
例33:装置が、例28~31のいずれかの方法を実行する手段を含む。
【0072】
様々な実施形態例は、マッシブMIMO(m-MIMO)をサポートする(例えば、5G)無線システムに関する。これらのシステムは、より多くのアンテナ数、より良好なビームフォーミング、及びより高いアンテナ利得を特徴とする。詳細には、送信機側及び/又は受信機側の両方における柔軟なビームスイッチングに基づく拡張SRS(サウンディング基準信号)電力制御スキームに関する。改善された又はより正確なSRS電力制御機構では、隣接セルからの干渉が低下するためSRS容量を増加させることができる。また、UEの消費電力を削減することもできる。
【0073】
ある実施形態例では、SRS信号の電力制御が、一般に1つのオフセット値によってPUSCH信号の電力制御にリンクされる(関連付けられる)。詳細には、SRS電力制御は、以下の方程式のように、又は少なくとも以下の方程式に基づいて記述することができる。
【0074】
【0075】
単位は[dBm]である。ここで、PCMAX,c(i)は特定のセルcについて設定された最大許容送信電力であり、MSRS,c(i)はSRS送信のためのアップリンクPRB(物理リソースブロック)の数であり、(各UEの)PO_PUSCH,c(j)はPUSCHの準静的公称電力であり、PLcはUEにおいて推定されるサービングセルcのdB単位のダウンリンク経路損失であり(各ビームは固有の経路損失を有しうる)、αc(j)はセル平均スループットとセルエッジスループットとの間のバランスを取るためのセル固有の経路損失補正係数であり、fc(i)はサービングセルcのPUSCH閉ループ電力調整部であり、PSRS_OFFSET,c(m)は上位層によって(例えばRRCシグナリングによって)準静的に設定されるPUSCH電力制御に関する電力調整用のオフセット値である。周期的及び非周期的SRSについて、2つの独立したオフセット値を使用してもよい。
【0076】
一例として、PUSCH信号の送信電力を決定するために使用できる1又は2以上のパラメータを含んでもよいPUSCH電力制御パラメータセットには、MSRS,c(i)、PLc、αc(j)及び/又はfc(i)を含む1若しくは2以上の、又は全てが含まれてもよい(追加的なパラメータが含まれてもよい。)。本明細書で更に詳細に説明するように、リンク付きPUSCH電力制御パラメータセットは、例えばPUSCH信号及びSRS信号/SRSリソースによって使用されるビームペアに基づいて、1又は2以上のSRS信号/SRSリソースの各々のサウンディング基準信号送信電力の調整で用いるために選択されてもよい。
【0077】
各PUSCHビームペアのためのPUSCH電力制御パラメータセット及びSRSビームペアのためのリンク付きPUSCH電力制御パラメータセットを含む複数の(又は多数の)PUSCH電力制御パラメータセットが存在しうる。これにより、異なるビームペアについて、SRS電力とPUSCH電力の間の独立関係を可能にし又は提供することができる。複数の電力制御パラメータセットについて異なる状況が存在する場合があり、全ての又は複数の電力制御パラメータセットにおいて、パラメータのうちの1つ又は2つ以上が異なることも、及び/又は1又は2以上のパラメータが共通することもありえる。以下は、いくつかの例示的なケース例である。
【0078】
ケース1:PUSCH電力制御パラメータセットが独立した経路損失を含み、他のパラメータ(P0_PUSCH、アルファ)が全てのパラメータセット又はビームペアに共通してもよく、全てのパラメータセット/ビームペアのfcを決定するプロセスが1つ存在しえて、電力オフセット値が異なるパラメータセットについて同一の場合も異なる場合もある。
【0079】
ケース2:パラメータセットがp0、アルファ、経路損失、及びfc、オフセットを含み、異なるビームペア/パラメータセットについて全てのパラメータが独立しており、各パラメータセットが1つのビームペアのためのものであるか又は1つのビームペアに関連付けられていてもよい。従って状況2は、各パラメータセットが全てのパラメータについて独立した複数のパラメータを含むという最も一般的な状況に関する。
【0080】
ケース3:パラメータセットが独立した経路損失及びfcを含んでもよく、P0_PUSCH及びアルファが全てのパラメータセットに共通しており、異なるパラメータセットでは電力オフセット値が同じでも異なっていてもよい。SRS送信のための柔軟なアップリンク/ダウンリンクビームによって拡張されたSRS電力制御スキームの様々な実施形態例について説明する。
【0081】
ある実施形態例によれば、送信ビーム及び/又は受信ビームの両方を、例えばネットワーク要件及びチャネル伝送条件に従って柔軟に変更してもよい。例えば、UEでは、PUSCHのためのビームペア(送信ビーム及び/又は受信ビーム)とSRSのためのビームペアとが異なっていてもよい(例えば、同種ネットワーク内で異なっていてもよい。)。従って、例えばSRSのためのビームペアは、PUSCH(アップリンクデータチャネル)の最新のアップリンク送信に使用されるビーム(ビームペア)と同じものでなくてもよい。むしろ、ある実施形態例によれば、PUSCHのためのビームペアとSRSのためのビームペアは、独立して変化してもよい。
【0082】
図5は、ある実施形態例による、PUSCH及びSRSのための異なるビームペアを示す図である。シナリオ1:複数のUEが送信について多重化されたときは、ビーム受信についての要件が揃わないことがある。いくつかのUEでは、他のUEとの多重化を保証(又は提供)するために準最適なgNB(5G BS)受信ビームが選択されてもよい。
図5に示す1つの例として、UE1は、ビーム1でのリンクの方がチャネル品質が良好であるにもかかわらず、1つのサブフレーム内でUE2との多重化を行うために(又はこれに対応するために)PUSCH送信ビームをビーム1からビーム2に変更する必要があるかもしれない。ビーム2でのリンクについてのCSI(チャネル状態情報)を取得するためにSRSがトリガされた場合、(BSは、一度に1つのRX/受信ビームしか使用できないので)SRS送信のためのビームは、ビーム1などの以前のPUSCH送信のためのビームと異なることとなる。
【0083】
図6は、異種のネットワークにおけるPUSCH及びSRS信号のための異なるビームペアを示す図である。シナリオ2:
図6に示すように、gNB(5G BS)は、ビーム1のリンク品質がそれほど良くないと判断すると、他のビームのCSIを探索したり又はその取得を望んだりしてもよい。この場合、gNB/BSは、最近のPUSCH送信によって使用されたビームとは異なっていてもよい所望のビームを用いてSRS送信をトリガしてもよい。この例では、(例えば、異なる送信/受信ポイント、異なるBSを含む)異種ネットワークにおいて異なる送信電力が使用されてもよく、これによってPUSCHとSRSで異なる送信電力、従って異なるビームとなってもよい。異種(各UEなどの複数の送信ポイント)ネットワークでは、PUSCH及びSRSのための送信ビーム及び/又は受信ビームは異なってもよい。例えば、チャネル可逆性を利用することにより、ダウンリンクCSIを取得するためにSRSを使用することができる。異なる送信ポイントでは送信電力が異なり得るので、ダウンリンクのビームとアップリンクのビームは異なり得る。
図6に示すように、ダウンリンクCSIを取得するためにSRSが使用され、PUSCHのアップリンクビームと同じものではないダウンリンクビームにリンクされる。従って、例えば、より高い送信電力DL(ダウンリンク)、DLデータと同じビームでSRSがTX(送信)されなければならず、例えばBSは、チャネル可逆性に基づいてSRS信号を使用してDL CSIを取得してもよい。従って、例えばPUSCH及びSRSに異なるビームペア(又は少なくとも独立したビームペア)を使用してもよく又は異なるビームペアが必要となり得る。
【0084】
複数のSRSリソースの影響
ある実施形態例によれば、UEの能力に応じて、1つのUEのために複数のSRSリソース(K>1)(SRS信号を送信するための複数の時間-周波数SRSリソース)を構成してもよい。異なるSRSリソースを使用して、アップリンク及びダウンリンクCSIの取得、アップリンクビームの管理(アップリンク及びダウンリンクビームペアの選択及びレポート方法)などの異なる機能を実現することができる。例えば、機能及び要件が複数存在するので、異なるSRSリソース上のビームフォーミング(ビームペア)又はプリコーディングも異なっていてもよい。同一の又は異なる送信ポイントに送信できる、従ってgNBにおいて同一の又は異なるRxビームによって受け取られるアップリンクCSIのために、プリコーディングされたSRSには異なるプリコーディングを使用してもよい。また、例えばビーム管理のために複数のビーム掃引を用いてもよい―複数ビームのセットに信号を適用して各ビーム又はビームセットを介して掃引してもよい。従って、(異なるビームを意味する)ビームフォーミング利得は、異なるSRSリソースについて異なってもよい。従って、ある実施形態例によれば、PUSCH電力制御に使用されるPUSCH電力制御パラメータセットとSRS電力制御との間に柔軟な関係性を提供することができる、例えばPUSCHビームペアとSRSビームペアとの間の一致に基づいて、PUSCH電力制御パラメータセットをSRS電力制御のためのSRS信号にリンクすることができる。
【0085】
ある実施形態例によれば、例えばm-MIMOシステムのための柔軟なビームフォーミングを用いた動作にとって特に有利となり得る更に正確なSRS電力制御スキームが提供又は説明される。ある実施形態例によれば、明示的シグナリング(SRS信号/SRSリソースのためのリンク付きPUSCH電力制御パラメータセットを示すBSからの制御情報)、又はUE/ユーザ装置によるSRS信号のためのリンク付きPUSCH電力制御パラメータセットの非明示的決定を用いて、PUSCHとSRSとの間の電力制御パラメータセットの関係性を決定することができる。このように、(SRS送信電力の調整において使用される)適切に選択されたリンク付きPUSCH電力制御パラメータセットによって、SRSのビームフォーミング利得(異なるビームペア)の変化を補正することができる。複数のSRSリソースを構成する際には、異なるSRSリソース上の柔軟なビームフォーミングに起因して、PUSCHとSRSとの間の電力制御パラメータセットのリンクをSRSリソース毎に決定することができる。ビーム管理SRSでは、全ての又は複数のSRS信号/SRSリソースのリンクに1つのPUSCH電力制御パラメータセットを使用することができ、例えば全ての掃引ビームの情報は限られているので、例えばSRS電力制御に最新のPUSCH電力制御パラメータセット又はデフォルトのPUSCH電力制御パラメータセットを使用することができる。
【0086】
SRSとPUSCHの間の電力制御パラメータセットの関係性
ある実施形態例によれば、UEは、SRS電力制御に異なるパラメータセットを使用することができ、BSは、SRS電力制御にどの電力制御パラメータセットが使用されるかを示してもよい(UEにシグナリングしてもよい)。各パラメータは、P0、(アルファ)、経路損失及び/又は閉ループ関連パラメータ、fcなどの、電力制御パラメータセットの1又は2以上のパラメータについて異なる値を有することができる。
【0087】
従って、例えば、データ送信のための柔軟なビームフォーミングをサポートするために、異なるビームペアを有するPUSCHに異なるPUSCH電力制御パラメータセットを使用し、これを使用してPUSCH信号の電力を調整することができ、例えば各PUSCHビームペアに異なるパラメータセット(UEではUL TX/送信ビーム、及びBSではUL RX/受信ビーム)を使用することができる。1つのケース:各ビームぺアが異なるパラメータセットを必要としてもよい。PUSCH 1つのリンク付きPUSCH電力制御パラメータセットは、SRS電力とPUSCH電力との間の関係性(即ち関連性)を定義する。複数のPUSCH電力制御パラメータセットについては、開ループ関連パラメータ、P0、(アルファ)、経路損失及び/又は閉ループ関連パラメータ、fcなどを含んでもよい複数のPUSCH電力制御パラメータセットのうちの少なくとも1つが異なりうる。
【0088】
ある実施形態例によれば、リンク付きPUSCH電力制御パラメータセット(複数のPUSCH電力制御パラメータセットのうちの1つ)が選択されて、例えば各SRSリソースのための又は1つ以上のSRSリソースのためのSRS電力制御に使用されてもよい。SRSのためのPUSCH電力制御パラメータセット(リンク付きPUSCH電力制御パラメータセット)の選択は、以下のうちの1つ又は2つ以上を含み、又は伴ってよい。
【0089】
1)PUSCH電力制御のための複数のPUSCH電力制御パラメータセット(PUSCHビームペア毎に1つのパラメータセット)を決定する。
【0090】
2)各SRSリソース(又は1つ以上のSRSリソース)のためのビームペアを決定する。
【0091】
3)PUSCHのためのビームペアとSRSのためのビームペアとのマッチングに基づいて、SRS信号の電力を決定するために(SRS電力制御のために)使用するリンク付きPUSCH電力制御パラメータセットを、SRSリソース毎に決定する。例えば、所与のSRSビームペアについて、SRSビームペアに一致するビームペアを有するPUSCHパラメータセットを選択する。
【0092】
4)明示的オプション:その後、BSは、(SRSビームペアのために)使用するPUSCH電力制御パラメータセットを識別するインデックスをUEに送信する。
【0093】
A)例えば、PUSCH電力制御パラメータセットに対するインデックスを2ビットで示してもよい-明示的な動的シグナリング(例えば、PDCC内のDCIを用いてこのインデックスをシグナリングする)。
【0094】
B)表1を参照-上位層(例えば、RRC)シグナリングと動的シグナリングとの組み合わせ:SRSパラメータセットは、上位層シグナリング(例えば、RRCシグナリング)と下位層シグナリングとを介してレポートされ、例えばPDCCH DCIを用いてリンク付きPUSCH電力制御パラメータセットをレポートすることができる。
【0095】
C)RRCなどの高レベルシグナリングはこのインデックスを示すには遅い(PDCCH DCIほど速くない)場合があり、また、周期的SRSビームはBSによって事前構成されるので、高レベルシグナリングは周期的SRSのためのリンク付きPUSCH電力制御パラメータセットをレポートするために使用することができる。したがって、BSは、SRS送信の前に、リンク付きPUSCH電力制御パラメータセットをUEに送信してそのビームに使用されるようにしてもよい。非周期的SRSのためのリンク付きPUSCH電力制御パラメータセットのレポートには、PDCCHを使用してもよい。
【0096】
5)非明示的オプション:PUSCHパラメータセット及びSRSパラメータセットにビームペアが含まれていてもよい。従って、BS(及びUE)は、そのビームとPUSCH送信のためのPUSCHパラメータセットとを認識しているときは、同一のビームペアを有するSRSのためのリンク付きPUSCHパラメータセットも認識している。従って、UE及びBSは、(例えば、SRSのためのビームペアとPUSCHのためのビームペアとの一致に基づいて)いずれもPUSCH及びSRSのためのビームペアを認識しており、いずれもSRS電力制御のためのリンク付きPUSCH電力制御パラメータセットを認識している。従って、UEは、同一のビームペアを有するSRSのためのリンク付きPUSCH電力制御パラメータセットを非明示的に決定することができる。従って、この場合、各SRS/SRSリソースのためのリンク付きPUSCH電力制御パラメータセットのインデックスをシグナリングする必要はない。
【0097】
図7は、ある実施形態例による明示的な動的シグナリングを示す図である。関連付けのための明示的な動的シグナリング指示。例えば、SRS及びPUSCHの両方について十分に柔軟なビームフォーミングを保証するために、SRS送信電力を決定するための(P0、アルファ、経路損失などを含みうる)リンク付きPUSCH電力制御パラメータセットを示すために動的シグナリングが用いられてもよい。
図7に、動的シグナリングの例を示す。動的シグナリングは、SRS送信リンクのために使用されたビームペア1に従って、SRS電力制御のために使用すべきリンク付きPUSCH電力制御パラメータセット1をUEに示す。SRSとリンク先PUSCHの間には、電力制御パラメータセット毎に1つの特定のオフセット値が存在してもよい。このスキームは、十分な柔軟性を有しているため、非周期的SRSの電力制御に使用することができる。
図7に示す例において、例えばPUSCHビームペア(TXビーム1/Rxビーム1)とSRSビームペア(TX/送信ビーム1、Rx/受信ビーム1)との間の一致に基づいて、PUSCH送信ビーム1及び受信ビーム1に対応するPUSCH電力制御パラメータセット1の使用をUEにシグナリングするのに動的な明示的シグナリングを用いてもよい。
【0098】
非周期的SRS送信をトリガするため、この動的シグナリングを、例えばPDCCH DCIを介して使用してもよい。動的シグナリングのオーバーヘッドとSRS送信の柔軟性との間の良好なトレードオフを提供するため、上位層シグナリング(例えば、RRC/無線リソース制御シグナリング)は下位層(例えば、PDCCH DCI)の動的シグナリングと組み合わせて使用されてもよい。例えば、動的シグナリングは、1つの状態に対応するSRS送信パラメータセットを示してもよい。例えば、2ビットの動的シグナリングを使用して(例えば、表1を参照)3つの状態を示すことができる(第4の状態はトリガせず)。上位層(例えばRRC)シグナリングによって状態毎にSRS送信パラメータが構成(UEに通信)され、例えば、上位層シグナリングを介してUEに通信されるSRS送信パラメータには、例えば送信コム(transmission comb)、開始物理リソースブロック割り当て、srs-ConfigIndex、SRS帯域幅、周波数ホッピング帯域幅、循環シフト、アンテナポート数が含まれる。表1に示すように、ある実施形態例によれば、1)SRS送信パラメータセットと、2)リンク付きPUSCH電力制御パラメータセットと、3)SRSリソースのための諸元(numerology;数値情報)と、をUEに示すためにSRS要求フィールドのインデックス又は値が用いられてもよい。例えば、同じ電力制御パラメータセットを有するSRSとリンク先PUSCHとは、典型的には、同じ諸元を有していてもよい。
【0099】
【0100】
表1-SRS信号のための(例えば、非周期的SRSなどの動的な明示的シグナリングのための)リンク付きPUSCH電力制御パラメータセットを識別するSRS要求フィールド/インデックス。インデックス又はSRS要求フィールドは、SRS送信パラメータセット、諸元などを示すこともできる。
【0101】
送信及び受信ビームのペアがSRS送信のために予め定義されている場合、上位層シグナリングを用いて、リンク付きPUSCH電力制御パラメータセットのインデックスを示すことができる。例えば、ビーム管理によって決定される異なるビームペアのCSIを取得するために周期的SRSを使用することができる。gNBは、使用されるPUSCH及びSRSのビームペアに基づいて、PUSCH電力制御パラメータセットのインデックスを同じビームペアによって決定することができる。
【0102】
例えば、UE側で受信ビームフォーミング情報を入手できないときは、SRS信号のためのリンク付きPUSCH電力制御パラメータセットを示すための(リンクを示す)シグナリングが必要となる場合がある。また、例えばPUSCH及びSRSの送信パラメータに全てのビームペア情報が含まれているときは、UEが、PUSCH及びSRS間の同一ビームペアの原理によって、SRS送信電力の決定に使用されるPUSCH電力制御パラメータセットが非明示的に決定されてもよい。
【0103】
複数のSRSリソースの電力制御。異なるSRSには異なるビームフォーミング(異なるビームペア)を使用してもよいので、異なるSRSリソースについてのPUSCH電力制御パラメータセットとの関連性が規定されてもよい(又はすべきである)。この関連性は、SRSの正確な電力制御を実行するために、使用される各SRSリソースのビームペアに従って決定することができる。従って、(SRS信号の)SRS電力制御のためのPUSCH電力制御パラメータセットの関連性を、SRSリソース毎に決定することができる。この関連性は、例えば明示的シグナリング(BSが送信する、リンク付きPUSCH電力制御パラメータセットをSRSリソース/SRS信号毎に示す制御情報)によって、又は(例えば、PUSCHビームペアに一致するSRSビームペアに基づく)非明示的決定によってリソース毎に取得することができる。異なるSRSリソース上で異なる諸元が使用される場合には、SRSリソース構成毎に、同じ電力制御パラメータセットを有するSRSとリンク先PUSCHとに同じ諸元が使用されるものと定めることができる。例えば、異なる周波数帯を有する複数のリソース上で1つのOFDM(直交周波数分割多重)シンボル内でSRSを送信する場合、電力制限されたユーザ装置にSC-FDMA(シングルキャリア周波数分割多元接続)を使用する場合に良好なPAPR(ピーク対平均電力比)特性を保証することによって、同じリンク(SRS毎に同じリンク付きPUSCH電力制御パラメータセット)を想定することができる。すなわち、例えばSC-FDMAを有するUEは、異なるSRSリソース内で(又は異なるSRSリソースについて)、PUSCH電力制御パラメータセットのリンクのための同じシグナリングを受け取ることができる。
【0104】
図8は、ある実施形態例による、複数のSRSリソースに対するPUSCH電力制御パラメータセットの関連性(又は選択)を示す図である。ビーム管理SRSでは、ビーム選択にビーム掃引を使用することができる(例えば、サブフレーム1がビーム1を使用し、サブフレーム2がビーム2を使用し、又はサブフレーム毎に複数のビームを作動させることができる)。この場合、gNB/BS及びUEの両方について、ビーム品質を利用することができない。さらに、全てのビームの対応するPUSCH電力制御パラメータセットを取得することは容易でない。従って、ある実施形態例によれば、たとえ異なるSRSリソースに異なるビーム/ビームペアを使用する場合でも、この種のSRSに(全ての又は複数のSRS信号に)同じPUSCH電力制御パラメータセットを使用してもよい。例えば、ビーム管理のポイントは、ULのための最新の好ましい(単複の)ビーム(UE TXビーム及びBS RXビーム)を決定することであるため、UE及びBSは、必ずしもどのビームが最良又は好ましいものであるかを認識しているわけではない。簡潔にするために、(SRS信号に使用される)PUSCH電力制御パラメータセットは、ごく最近に正しく送信されたPUSCHに関連付けることができ(UEは、以前に正常に使用されたULデータ送信のためのPUSCH電力制御パラメータセットを既に認識しており、例えば以前の時間インスタンス中にUE及びBSの両方によって非明示的に認識されている)、あるいは1つのデフォルトPUSCH電力制御パラメータセット、又はBSが、RRCシグナリングなどを介して、1つの指示されたPUSCH電力制御パラメータセットをUEにシグナリングすることができる。デフォルトのPUSCH電力制御パラメータセット例では、ロバストな送信のために幅広いビームと関連付けることができる。ここでは、ビーム管理のためのSRSリソースを1つだけ想定する。
【0105】
様々な例示的な特徴又は実施形態例は、一例として以下のうちの1つ又は2つ以上を含んでもよい。
【0106】
1)BS及びUEは、PUSCH及びSRSについて使用された送信及び受信ビーム;(例えば、PUSCHビームペアに一致するSRSビームペアに基づいて);異なる構成、に従って、SRS送信電力を決定するためのリンク付きPUSCH電力制御パラメータセットを決定してもよい。
【0107】
A)リンク付きPUSCH電力制御パラメータセットのインデックスを示すための、PDCCH DCIによる動的な明示的シグナリング。
【0108】
B)UEがPUSCHビームペアとRSビームペアとの一致に基づいてSRSのリンク関係又はリンク付きPUSCH電力制御パラメータセットを決定するための非明示的な原理/決定。
【0109】
2)SRS及びPUSCHについての複数のPUSCH電力制御パラメータセット間の関連性が(例えば、PUSCHビームペアに一致するSRSビームペアに基づいて)SRSリソース毎に決定される。
【0110】
3)ビーム掃引を用いたビーム管理SRSに同じPUSCH電力制御パラメータセットを使用してもよい。UEは、複数のSRSビームペアに1つのリンク付きPUSCH電力制御パラメータセットを使用してもよい(例えば、SRSビームペア1~4について、PUSCHビーム1のためのPUSCHパラメータセットを使用する)。
【0111】
(A)(BS及びUEの両方が認識している)以前の又は最新のPUSCHデータ送信に使用されたPUSCH電力制御パラメータセットを複数のSRSリソース/SRSビームペアに使用する。
【0112】
B)(BSがUEに示す)シグナリングされたPUSCH電力制御パラメータセットを複数のSRSリソース/SRSビームペアに使用する。
【0113】
C)(BS及びUEの両方が認識している)デフォルトのPUSCH電力制御パラメータセットを複数のSRSリソース/SRSビームペアに使用する。
【0114】
4)SRS送信のための諸元を(BSからUEに)示すための追加的なシグナリングが使用されてもよい。同じ電力制御パラメータセットを有するSRS及びリンク先PUSCHは、同じ諸元を有する(有するべきである)。異なる諸元は、異なるリンク/リンク付きPUSCHパラメータセットを有してもよい(諸元には、例えばサブキャリア間隔、サブフレーム長(時間)、時間領域(OFDMシンボル期間)及び周波数領域(サブキャリア間隔)、送信電力、異なるビーム幅が含まれる。)。諸元には、基本的な時間/周波数特性が含まれていてもよい。諸元1についての複数のSRSリソース、及び諸元2についての複数のSRSリソース。SRS送信のためには、例えば異なるビーム/ビーム幅、異なる可能性のある送信電力などの、2つの異なる諸元についての複数のSRSリソースが含まれる必要があるかもしれない。BSは、例えばSRS送信パラメータセット内で、高レベル/RRCシグナリングを介してUEに諸元を示してもよい。BSは、関連性(SRS信号のためのリンク付きPUSCH電力制御パラメータセット)と、関連性が適用される諸元とを示してもよい。
【0115】
図9は、別の実施形態例による基地局及びユーザ装置(UE)の動作を示す図である。BS側からすると、BSは、UEが適切なSRS送信電力でSRSを送信するのを可能にするため、電力制御関連情報を送信する。UE側からすると、UEは測定を行い、例えば動的及び準静的シグナリングを含むgNBの/BSの指示に従ってSRS送信電力を設定/調整する。
【0116】
910において、gNB(BS)は、1又は2以上のビーム/ビームペアを介して、UE経路損失測定のためのビーム基準信号(BRS)又はチャネル状態情報-基準信号(CSI-RS)などの基準信号を送信/伝送する。次に、UEは、例えば複数のビームペアの各々について経路損失(PL)測定を実行する。例えば、UEは、受け取ったCSI-RSに基づいてRSRP(基準信号受信電力)測定を実行し、各PUSCHビームペア及び各PUSCH電力制御パラメータセットに関する経路損失を取得する。
【0117】
920において、gNB/BSは、異なる送信及び受信ビームペアを有するPUSCHのための、開ループ部分、P0、α及び閉ループ部分fcを含む複数のPUSCH電力制御パラメータセット(各パラメータ、各パラメータセットの値)を決定してRRCを介して送信し、これらのパラメータを上位層(開ループ部分はRRCを介して送信される)及び物理又は下位層シグナリング(例えば、fcは、PDCCH/DCIを介して送信されてもよい)によってUEに送信する。UEは、複数のPUSCH電力制御パラメータセットのシグナリング及び関連するオフセット値を受け取る。
【0118】
930において、gNB/BSは、各PUSCH電力制御パラメータセットについて、上位層シグナリングによって(例えば、RRCシグナリングを介して)SRSとリンク先PUSCHとの間の1つの電力オフセット(例えば、SRS電力オフセット)値を構成し、例えば全てのPUSCH電力制御パラメータセットのための1つのオフセット値を共有し、或いは異なるPUSCH電力制御パラメータセットのための異なるオフセット値を有することができる。930において、UEは、例えばgNbのシグナリングと、以下の公式に従う経路損失測定結果とに基づいて、各SRSリソースの送信電力を決定する(パラメータセットkについては、リンク付きPUSCH電力制御パラメータセットを明示的にシグナリング又は非明示的に決定することができる)。
【0119】
【0120】
単位は[dBm]である。ここで、PO_PUSCH,c,k(j)、αc、k(j)はRRCシグナリングによって示され、PLc、kはUE測定によって取得され、fc、k(i)はTPC(送信ポイント)シグナリングによって導出される。これらのパラメータは、PUSCHパラメータセットkから取得される。電力制御パラメータセットインデックスについては、gNb/BSが、動的な(下位層、例えば、PDCCH DCI)又は上位層シグナリング(例えば、RRCシグナリング)を用いてこの情報を示すことができる。注:ビーム管理SRSでは、SRS送信には掃引された複数のビームを用いることができるが、1つのリンク付きPUSCHパラメータセットのみを使用してSRS送信電力を決定してもよい。それは、例えば、1つのデフォルトPUSCH電力制御パラメータセット、又は正しく送信されたPUSCHについてのごく最近に使用されたパラメータセットとすることができる。
【0121】
940において、gNB/BSは、UEがPUSCHビームペアに一致するSRS送信に使用されたビームペア(送信及び受信ビーム)に従ってSRS送信電力を決定するためのリンク付きPUSCH電力制御パラメータセットを示すシグナリングを、SRSリソース毎に送信する。非周期的SRSでは、動的シグナリング(PDCCH/DCI)を用いてリンク付きPUSCH電力制御パラメータセットのインデックスを示してもよい。リンク付きPUSCH電力制御パラメータセットのインデックスは、動的シグナリングによって示される各状態のSRS送信パラメータセットの指示と共に含めることができる。周期的SRSでは、準静的シグナリング(RRC)を用いてPUSCH電力制御パラメータセットのインデックスを示すことができる。非明示的オプション-このためのシグナリングは必要でなく、UEは、一致するPUSCHビームペアとSRSビームペアとに基づいて関連性(SRSのためのリンク付きPUSCH電力制御パラメータセット)を決定する。
【0122】
950において、例えば選択された/リンク付きPUSCH電力制御パラメータセットに基づいて、UEは各SRS信号を対応するSRSリソースを介して且つ求めたSRS送信電力で送信する。
【0123】
種々の実施形態例は、例えばSRSについての正確な電力制御を実行して消費電力及びセル間干渉を低減する、柔軟なSRS構成との互換性を提供することができる、限られたSRSリソースを用いて更に多くのユーザをサポートする、などの1又は2以上の利点を有することができる。
【0124】
図10は、ある実施形態例による無線局(例えば、AP又はユーザ装置)1000のブロック図である。例えば、無線局1000は1つ又は2つのRF(無線周波数)又は無線トランシーバ1002A、1002Bを含んでもよく、各トランシーバは信号を送信する送信機と信号を受信する受信機とを含む。無線局は、命令又はソフトウェアを実行して信号の送信及び受信を制御するプロセッサ又は制御装置/エンティティ(コントローラ)1004と、データ及び/又は命令を記憶するメモリ1006とを更に含む。
【0125】
プロセッサ1004は、決定又は判定を行い、送信するフレーム、パケット又はメッセージを生成し、受け取ったフレーム又はメッセージを更なる処理のために復号し、本明細書で説明するその他のタスク又は機能を実行することもできる。例えばベースバンドプロセッサなどのプロセッサ1004は、無線トランシーバ1002(1002A又は1002B)を介して送信するメッセージ、パケット、フレーム又はその他の信号を生成することができる。プロセッサ1004は、無線ネットワークを介した信号又はメッセージの送信を制御できるとともに、無線ネットワークを介した(例えば、無線トランシーバ1002によってダウンコンバートされた後の)信号又はメッセージなどの受信を制御することもできる。プロセッサ1004はプログラム可能であり、メモリ又は他のコンピュータ媒体に記憶されているソフトウェア又は他の命令を実行して、上述したタスク又は方法のうちの1つ又は2つ以上などの上述した様々なタスク及び機能を実行することができる。例えば、プロセッサ504は、ハードウェア、プログラマブルロジック、ソフトウェア又はファームウェアを実行するプログラマブルプロセッサ、及び/又はこれらのいずれかの組み合わせとする(又はこれらを含む)ことができる。例えば、換言すれば、プロセッサ1004及びトランシーバ1002は、一体的に無線送信機/受信機システムとみなすことができる。
【0126】
また、
図10を参照し、コントローラ(又はプロセッサ)1008は、ソフトウェア及び命令を実行することができ、局1000の全体的な制御を行うことができ、入力/出力装置(例えば、ディスプレイ、キーパッド)などの
図10に示していない他のシステムの制御を行うことができ、及び/又は、例えば電子メールプログラム、オーディオ/ビデオアプリケーション、ワードプロセッサ、Voice over IPアプリケーション、あるいはその他のアプリケーション又はソフトウェアなどの、無線局1000に提供できる1又は2以上のアプリケーションのソフトウェアを実行することができる。
【0127】
また、コントローラ又はプロセッサによって実行されると、プロセッサ1004、あるいはその他のコントローラ又はプロセッサに上述の機能又はタスクのうちの1つ又は2つ以上を実行させることができる命令を記憶した記憶媒体を提供することもできる。
【0128】
別の実施形態例によれば、RF又は無線トランシーバ1002A/1002Bは、信号又はデータを受信し、及び/又は信号又はデータを伝送又は送信することができる。プロセッサ1004(及び場合によってはトランシーバ1002A/1002B)は、信号又はデータの受信、送信、ブロードキャスト又は伝送を行うようにRF又は無線トランシーバ1002A又は1002Bを制御することができる。
【0129】
しかしながら、実施形態は、一例として示すシステムに限定されず、当業者であれば、この解決策を他の通信システムに適用することもできる。好適な通信システムの別の例は5G構想である。5Gのネットワークアーキテクチャは、LTE-Advancedのアーキテクチャに極めて類似するようになると想定されている。5Gは、多入力多出力(MIMO)アンテナ、LTEよりも遥かに多くの基地局又はノードを使用し、小型の局と協働するマクロサイトを含み、恐らくは改善されたカバレッジ及び強化されたデータレートのための様々な無線技術も利用するする可能性が高い(いわゆる小セル構想)。
【0130】
なお、将来的なネットワークは、互いに動作可能に接続又はリンクしてサービスを提供できる「ビルディングブロック(基本的構成要素)」又はエンティティにネットワークノード機能を仮想化することを提案するネットワークアーキテクチャ概念であるネットワーク機能の仮想化(NFV)を利用する可能性が非常に高くなると理解されたい。仮想化ネットワーク機能(VNF)は、カスタマイズされたハードウェアではなく標準又は汎用タイプのサーバを用いてコンピュータプログラムコードを実行する1又は2以上の仮想マシンを含んでもよい。クラウドコンピューティング又はデータストレージを利用することもできる。無線通信では、このことが、リモートラジオヘッドに動作可能に結合されたサーバ、ホスト又はノードにおいてノード動作を少なくとも部分的に実行できることを意味するかもしれない。ノード動作は、複数のサーバ、ノード又はホスト間に分散することもできる。また、コアネットワーク動作と基地局動作との間の作業の分散は、LTEのものとは異なる可能性があり、又は存在しないこともあると理解されたい。
【0131】
本明細書で説明した様々な技術の実装は、デジタル電子回路において、あるいはコンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、又はこれらの組み合わせで行うことができる。実装は、コンピュータプログラム製品として、すなわちプログラマブルプロセッサ、コンピュータ又は複数コンピュータなどのデータ処理装置が実行するための、又はこれらの装置の動作を制御するための、機械可読記憶装置又は伝搬信号などの情報キャリアにおいて有形的に具現化されたコンピュータプログラムとして行うこともできる。実装は、非一時的媒体であってもよいコンピュータ可読媒体又はコンピュータ可読記憶媒体上に行うこともできる。様々な技術の実装は、一時的信号又は媒体を介して行われる実装、及び/又は、有線ネットワーク及び/又は無線ネットワークのいずれであるかにかかわらず、インターネット又はその他の(単複の)ネットワークを介してダウンロードできるプログラム及び/又はソフトウェアでの実装を含むこともできる。また、マシン型通信(MTC)又はモノのインターネット(IOT)を介して実装を行うこともできる。
【0132】
コンピュータプログラムは、ソースコード形態、オブジェクトコード形態、又は何らかの中間形態であってもよく、プログラムを保持できる任意のエンティティ又は装置であってもよい何らかの種類のキャリア、配布媒体又はコンピュータ可読媒体に記憶されてもよい。例えば、このようなキャリアとしては、記録媒体、コンピュータメモリ、読み取り専用メモリ、光電子及び/又は電気キャリア信号、電気通信信号及びソフトウェア配布パッケージが挙げられる。コンピュータプログラムは、必要な処理電力に応じて、単一の電子デジタルコンピュータにおいて実行されても、あるいは複数のコンピュータ間で分散されてもよい。
【0133】
さらに、本明細書で説明した様々な技術の実装には、サイバーフィジカルシステム(CPS)(物理エンティティを制御する協働計算要素のシステム)が用いられてもよい。CPSは、異なる位置の物理的対象に埋め込まれた膨大な量の相互接続ICT装置(センサ、アクチュエータ、プロセッサ、マイクロコントローラなど)の実装及び活用を可能にすることができる。対象となるフィジカルシステムが本質的移動性を有するモバイルサイバーフィジカルシステムは、サイバーフィジカルシステムのサブカテゴリである。モバイルフィジカルシステムの例としては、移動ロボット工学、及び人間又は動物が輸送する電子機器が挙げられる。モバイルサイバーフィジカルシステムの分野への関心は、スマートホンの人気上昇によって高まった。従って、本明細書で説明した技術の様々な実装は、これらの技術のうちの1つ又は2つ以上を通じて行うことができる。
【0134】
上述した(単複の)コンピュータプログラムなどのコンピュータプログラムは、コンパイラ型言語又はインタープリタ型言語を含むあらゆる形態のプログラミング言語で書くことができ、スタンドアロンププログラムとしての形態、あるいはモジュール、コンポーネント、サブルーチン又はコンピュータ環境での使用に適した他のユニット又はその一部としての形態を含むあらゆる形態で展開することができる。コンピュータプログラムは、1つのコンピュータ上で実行されるように展開することも、或いは1つのサイトにおける、又は複数のサイトに分散して通信ネットワークによって相互接続された複数のコンピュータ上で実行されるように展開することもできる。
【0135】
方法ステップは、入力データに作用して出力を生成することによって機能を実行するコンピュータプログラム又はコンピュータプログラム部分を実行する1又は2以上のプログラマブルプロセッサによって実行することができる。方法ステップは、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)又はASIC(特定用途向け集積回路)などの専用論理回路によって実行することができ、装置をこのような専用論理回路として実装することもできる。
【0136】
一例として、コンピュータプログラムの実行に適したプロセッサとしては、汎用及び専用の両マイクロプロセッサ、及びあらゆる種類のデジタルコンピュータ、チップ又はチップセットのいずれか1つ又は2つ以上のプロセッサが挙げられる。一般に、プロセッサは、読み取り専用メモリ又はランダムアクセスメモリ、又はこれらの両方から命令及びデータを受け取る。コンピュータの要素は、命令を実行する少なくとも1つのプロセッサと、命令及びデータを記憶する1又は2以上の記憶装置とを含むことができる。一般に、コンピュータは、磁気ディスク、光磁気ディスク又は光学ディスクなどの、データを記憶するための1又は2以上の大容量記憶装置を含み、あるいはこれらとの間でデータの受信又は転送、あるいはこれらの両方を行うように動作可能に結合することができる。コンピュータプログラム命令及びデータを具現化するのに適した情報キャリアとしては、一例としてEPROM、EEPROM及びフラッシュメモリ装置などの半導体記憶装置、内部ハードディスク又は取り外し可能ディスクなどの磁気ディスク、光磁気ディスク、並びにCD ROM及びDVD-ROMディスクを含む全ての形態の不揮発性メモリが挙げられる。プロセッサ及びメモリは、専用論理回路によって補完され、又は専用論理回路に組み込むことができる。
【0137】
ユーザとの相互作用を提供するために、実装は、ブラウン管(CRT)又は液晶ディスプレイ(LCD)モニタなどの、ユーザに情報を表示するディスプレイ装置と、ユーザがコンピュータに入力を提供できるようにするキーボード、及びマウス又はトラックボールなどのポインティングデバイスなどのユーザインターフェイスとを有するコンピュータ上で行うことができる。他の種類の装置を使用してユーザとの相互作用をもたらすこともでき、例えばユーザに提供されるフィードバックは、視覚フィードバック、聴覚フィードバック又は触覚フィードバックなどのあらゆる形の感覚フィードバックとすることができ、ユーザからの入力は、音響入力、音声入力又は触覚入力を含むあらゆる形で受け取ることができる。
【0138】
実装は、例えばデータサーバとしてのバックエンドコンポーネント、又はアプリケーションサーバなどのミドルウェアコンポーネント、又はユーザが実装と相互作用できるようにするグラフィカルユーザインターフェイス又はウェブブラウザを有するクライアントコンピュータなどのフロントエンドコンポーネント、あるいはこのようなバックエンド、ミドルウェア又はフロントエンドコンポーネントのいずれかの組み合わせを含むコンピュータシステムにおいて行うことができる。コンポーネントは、通信ネットワークなどのあらゆるデジタルデータ通信の形態又は媒体によって相互接続することができる。通信ネットワークの例としては、ローカルエリアネットワーク(LAN)、及びインターネットなどの広域ネットワーク(WAN)が挙げられる。
【0139】
本明細書では、説明した実施形態のいくつかの特徴を図示し説明したが、当業者には多くの修正、置換、変更及び同等物が想起されるであろう。従って、添付の特許請求の範囲は、様々な実施態様の真の趣旨に含まれるような全ての修正及び変更を含むことが意図されていると理解されなければならない。
【手続補正書】
【提出日】2022-08-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ装置の動作方法であって、
前記ユーザ装置(131、...135)が、基地局(134)からアップリンクデータチャネルビームのためのアップリンクデータチャネル電力制御パラメータセットを受け取るステップ(310)と、
前記ユーザ装置(131、...135)が、前記アップリンクデータチャネル電力制御パラメータセットに基づいて、サウンディング基準信号リソースを介して送信すべきサウンディング基準信号ビームのためのサウンディング基準信号送信電力を調整するステップ(340)であって、前記サウンディング基準信号ビーム及び前記アップリンクデータチャネルビームが同じユーザ装置送信ビームを有する、ステップ(340)と、
前記ユーザ装置(131、...135)が、前記サウンディング基準信号リソースを介して、前記サウンディング基準信号送信電力によって調整された前記サウンディング基準信号を送信するステップ(350)と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
アップリンクデータチャネルビームのための前記アップリンクデータチャネル電力制御パラメータセットは、物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)ビームのための物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)電力制御パラメータセットを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ユーザ装置が、前記サウンディング基準信号送信電力を調整するために前記アップリンクデータチャネル電力制御パラメータセットを使用すべきであることを示す制御情報を受け取るステップを更に含む、
請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
アップリンクデータチャネルビームのための前記アップリンクデータチャネル電力制御パラメータセットは、サウンディング基準信号送信のための複数のアップリンク物理リソースブロックを含み、前記ユーザ装置(131、...135)による前記サウンディング基準信号送信電力の前記調整は、サウンディング基準信号送信のためのアップリンク物理リソースブロックの数に基づく、
請求項1から3の1項に記載の方法。
【請求項5】
前記ユーザ装置(131、...135)が、チャネル状態情報-基準信号を受け取るステップと、
前記ユーザ装置(131、...135)が、チャネル状態情報-基準信号に基づいてダウンリンク経路損失を推定するステップと、
を更に含み、
前記ユーザ装置(131、...135)による前記サウンディング基準信号送信電力の前記調整は、前記推定されるダウンリンク経路損失に基づく、
請求項1から4の1項に記載の方法。
【請求項6】
アップリンクデータチャネルビームのための前記アップリンクデータチャネル電力制御パラメータセットは、閉ループ電力調整パラメータを含み、前記ユーザ装置(131、...135)による前記サウンディング基準信号送信電力の前記調整は、前記閉ループ電力調整パラメータに基づく、
請求項1から5の1項に記載の方法。
【請求項7】
アップリンクデータチャネルビームのためのアップリンクデータチャネル電力制御パラメータセットを受け取り(310)、
前記アップリンクデータチャネル電力制御パラメータセットに基づいて、サウンディング基準信号リソースを介して送信すべきサウンディング基準信号ビームのためのサウンディング基準信号送信電力を調整し(340)、前記サウンディング基準信号ビーム及び前記アップリンクデータチャネルビームが同じユーザ装置送信ビームを有し、
前記サウンディング基準信号リソースを介して、前記サウンディング基準信号送信電力によって調整された前記サウンディング基準信号を送信する(350)、
ように適合された手段を備える、
ことを特徴とするユーザ装置。
【請求項8】
アップリンクデータチャネルビームのための前記アップリンクデータチャネル電力制御パラメータセットは、PUSCHビームのための物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)電力制御パラメータセットを含む、
請求項7に記載のユーザ装置。
【請求項9】
前記サウンディング基準信号送信電力を調整するために前記アップリンクデータチャネル電力制御パラメータセットを使用すべきであることを示す制御情報を受け取るように適合された手段を更に備える、
請求項7又は8に記載のユーザ装置。
【請求項10】
アップリンクデータチャネルビームのための前記アップリンクデータチャネル電力制御パラメータセットは、サウンディング基準信号送信のための複数のアップリンク物理リソースブロックを含み、調整するように適合された前記手段は、サウンディング基準信号送信のためのアップリンク物理リソースブロックの数に基づいて前記サウンディング基準信号送信電力を調整するように適合されている、
請求項7から9の1項に記載のユーザ装置。
【請求項11】
チャネル状態情報-基準信号を受け取り、
チャネル状態情報-基準信号に基づいてダウンリンク経路損失を推定する、
ように適合された手段を更に備え、
調整するように適合された前記手段は、前記推定されるダウンリンク経路損失に基づいて前記サウンディング基準信号送信電力を調整するように適合されている、
請求項7から10の1項に記載のユーザ装置。
【請求項12】
アップリンクデータチャネルビームのための前記アップリンクデータチャネル電力制御パラメータセットは、閉ループ電力調整パラメータを含み、調整するように適合された前記手段は、前記閉ループ電力調整パラメータに基づいて前記サウンディング基準信号送信電力を調整するように適合されている、
請求項7から11の1項に記載のユーザ装置。
【請求項13】
非一時的コンピュータ可読記憶媒体を含むとともに実行可能コードを記憶するコンピュータプログラム製品であって、前記実行可能コードは、少なくとも1つのデータ処理装置によって実行されると、前記少なくとも1つのデータ処理装置に請求項1から6の1項に記載の方法を実行させるように構成されている、
ことを特徴とするコンピュータプログラム製品。