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<図1>
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022166085
(43)【公開日】2022-11-01
(54)【発明の名称】衣服及び報知システム
(51)【国際特許分類】
   G08B 21/02 20060101AFI20221025BHJP
   A41D 13/00 20060101ALI20221025BHJP
【FI】
G08B21/02
A41D13/00 102
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022124515
(22)【出願日】2022-08-04
(62)【分割の表示】P 2021060663の分割
【原出願日】2017-07-13
(71)【出願人】
【識別番号】000137292
【氏名又は名称】株式会社マキタ
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田中 剛
(72)【発明者】
【氏名】水越 祐樹
(72)【発明者】
【氏名】梅本 亮
(57)【要約】      (修正有)
【課題】作業者と第三者とが存在する作業現場において良好な作業環境を維持できる衣服を提供する。
【解決手段】報知システムS1において、衣服100は、衣服本体10と、外部通信機器200と通信する衣服通信装置40と、報知装置50と、衣服通信装置40と報知装置50のそれぞれと接続する制御装置60と、衣服本体10が作業者P1に着用されているか否かを検出する着用検出装置20と、を備える。制御装置60は、着用検出装置20の検出データに基づいて報知装置50を制御する報知信号を出力する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
衣服本体と、
前記衣服本体が作業者に着用されているか否かを検出する着用検出装置と、
前記着用検出装置の検出データに基づいて報知装置を制御する報知信号を出力する制御装置と、
を備える衣服。
【請求項2】
前記制御装置は、前記着用検出装置の検出データに基づいて、前記衣服本体が前記作業者に着用されていないと判定したときに前記報知装置を作動させる、
請求項1に記載の衣服。
【請求項3】
外部通信機器と通信する衣服通信装置を備え、
前記制御装置は、前記衣服通信装置の通信状態に基づいて前記報知装置を制御する報知信号を出力する、
請求項1又は請求項2に記載の衣服。
【請求項4】
前記制御装置は、前記衣服通信装置の通信状態に基づいて、前記衣服通信装置が前記外部通信機器と通信できないと判定したときに前記報知装置を作動させる、
請求項3に記載の衣服。
【請求項5】
前記制御装置は、前記外部通信機器との通信により取得された前記外部通信機器との距離を示す距離データに基づいて前記報知装置を制御する報知信号を出力する、
請求項3又は請求項4に記載の衣服。
【請求項6】
前記衣服本体の位置を示す第1位置データを検出する位置検出装置を備え、
前記制御装置は、前記第1位置データと前記外部通信機器から送信された前記外部通信機器の位置を示す第2位置データとに基づいて前記外部通信機器との距離を算出する、
請求項5に記載の衣服。
【請求項7】
前記制御装置は、前記距離が第1閾値以下のときに前記報知装置を作動させる、
請求項5又は請求項6に記載の衣服。
【請求項8】
前記衣服通信装置は、電動工具と通信し、
前記制御装置は、前記衣服通信装置の通信状態に基づいて前記電動工具を制御する工具信号を出力する、
請求項3から請求項7のいずれか一項に記載の衣服。
【請求項9】
前記制御装置は、前記衣服通信装置の通信状態に基づいて、前記衣服通信装置が前記外部通信機器と通信できないと判定したときに前記電動工具の作動を禁止する、
請求項8に記載の衣服。
【請求項10】
前記制御装置は、前記着用検出装置の検出データに基づいて前記電動工具を制御する工具信号を出力する、
請求項3から請求項8のいずれか一項に記載の衣服。
【請求項11】
衣服本体と、
前記衣服本体が作業者に着用されているか否かを検出する着用検出装置と、
電動工具と通信する衣服通信装置と、
前記着用検出装置の検出データに基づいて前記電動工具を制御する工具信号を出力する制御装置と、
を備える衣服。
【請求項12】
前記制御装置は、前記着用検出装置の検出データに基づいて、前記衣服本体が前記作業者に着用されていないと判定したときに前記電動工具の作動を禁止する、
請求項10又は請求項11に記載の衣服。
【請求項13】
前記衣服通信装置は、外部通信機器と通信し、
前記制御装置は、前記衣服通信装置の通信状態に基づいて前記電動工具を制御する工具信号を出力する、
請求項11又は請求項12に記載の衣服。
【請求項14】
前記制御装置は、前記衣服通信装置の通信状態に基づいて、前記衣服通信装置が前記外部通信機器と通信できないと判定したときに前記電動工具の作動を禁止する、
請求項13に記載の衣服。
【請求項15】
前記制御装置は、前記外部通信機器との通信により取得された前記外部通信機器との距離を示す距離データに基づいて前記電動工具を制御する工具信号を出力する、
請求項13又は請求項14に記載の衣服。
【請求項16】
前記衣服本体の位置を示す第1位置データを検出する位置検出装置を備え、
前記制御装置は、前記第1位置データと前記外部通信機器から送信された前記外部通信機器の位置を示す第2位置データとに基づいて前記外部通信機器との距離を算出する、
請求項15に記載の衣服。
【請求項17】
前記距離について第1閾値と前記第1閾値よりも小さい第2閾値とが規定され、
前記制御装置は、前記距離が前記第2閾値以下のときに前記電動工具の作動を禁止し、前記距離が前記第2閾値よりも大きいときに前記電動工具の作動を許可する、
請求項15又は請求項16に記載の衣服。
【請求項18】
前記制御装置は、前記距離に基づいて報知装置を制御する報知信号を出力し、前記距離が前記第1閾値以下であり前記第2閾値よりも大きいときに前記報知装置を作動させる、
請求項17に記載の衣服。
【請求項19】
前記距離について前記第1閾値よりも大きい第3閾値が規定され、
前記制御装置は、前記距離が前記第3閾値以下であり前記第1閾値よりも大きいときに前記報知装置を作動させずに前記電動工具の作動を許可し、前記距離が前記第3閾値よりも大きいときに前記報知装置を作動させ前記電動工具の作動を禁止する、
請求項18に記載の衣服。
【請求項20】
衣服本体と、
前記衣服本体が作業者に着用されたときに外部通信機器と通信する衣服通信装置と、
前記外部通信機器との通信により取得された前記外部通信機器との距離を示す距離データに基づいて報知装置を制御する報知信号を出力する制御装置と、
を備える衣服。
【請求項21】
前記衣服本体が前記作業者に着用されているか否かを検出する着用検出装置を備え、
前記衣服通信装置は、前記着用検出装置の検出データに基づいて前記外部通信機器と通信する、
請求項20に記載の衣服。
【請求項22】
前記衣服本体の位置を示す第1位置データを検出する位置検出装置を備え、
前記制御装置は、前記第1位置データと前記外部通信機器から送信された前記外部通信機器の位置を示す第2位置データとに基づいて前記外部通信機器との距離を算出する、
請求項20又は請求項21に記載の衣服。
【請求項23】
前記制御装置は、前記距離が第1閾値以下のときに前記報知装置を作動させる、
請求項20から請求項22のいずれか一項に記載の衣服。
【請求項24】
前記衣服通信装置は、電動工具と通信し、
前記制御装置は、前記距離データに基づいて前記電動工具を制御する工具信号を出力する、
請求項20から請求項22のいずれか一項に記載の衣服。
【請求項25】
前記距離について第1閾値と前記第1閾値よりも大きい第2閾値とが規定され、
前記制御装置は、前記距離が前記第1閾値以下であり前記第2閾値よりも大きいときに前記報知装置を作動させ、前記距離が前記第2閾値以下のときに前記電動工具の作動を禁止する、
請求項24に記載の衣服。
【請求項26】
前記制御装置は、前記電動工具との通信により取得された前記電動工具の状態を示す工具データに基づいて前記報知信号を出力する、
請求項24又は請求項25に記載の衣服。
【請求項27】
前記制御装置は、前記電動工具が作動しているときに前記距離データに基づいて前記報知装置を作動させる、
請求項26に記載の衣服。
【請求項28】
前記衣服通信装置は、前記衣服本体が作業者に着用され、前記電動工具の作動が開始されたときに、前記外部通信機器との通信を開始する、
請求項24から請求項27のいずれか一項に記載の衣服。
【請求項29】
作業者に着用される衣服本体と、
前記作業者に保持されている電動工具が作動したときに外部通信機器と通信する衣服通信装置と、
前記外部通信機器との通信により取得された前記外部通信機器との距離を示す距離データに基づいて報知装置を制御する報知信号を出力する制御装置と、
を備える衣服。
【請求項30】
衣服本体と、
電動工具と通信する衣服通信装置と、
前記電動工具との通信により取得された前記電動工具の状態を示す工具データに基づいて報知装置を制御する報知信号を出力する制御装置と、
を備える衣服。
【請求項31】
前記制御装置は、前記電動工具が作動しているときに前記報知装置を作動させ、前記電動工具が作動していないときに前記報知装置を作動させない、
請求項29又は請求項30に記載の衣服。
【請求項32】
衣服本体と、
前記衣服本体が作業者に着用されたときに電動工具と通信する衣服通信装置と、
前記電動工具との通信の開始後に前記電動工具を制御する工具信号を出力し、前記電動工具との通信により取得された前記電動工具の状態を示す工具データに基づいて報知装置を制御する報知信号を出力する制御装置と、
を備える衣服。
【請求項33】
電動工具用バッテリが装着されるアダプタを備える、
請求項1から請求項32のいずれか一項に記載の衣服。
【請求項34】
衣服本体と、
電動工具用バッテリが装着されるアダプタと、
前記電動工具用バッテリが前記アダプタに装着されたときに電動工具と通信する衣服通信装置と、
前記電動工具との通信により取得された前記電動工具の状態を示す工具データに基づいて報知装置を制御する報知信号を出力する制御装置と、
を備える衣服。
【請求項35】
請求項1から請求項34のいずれか一項に記載の衣服と通信する外部通信機器と、
前記衣服からの報知信号に基づいて作動する報知装置と、
を備える報知システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衣服及び報知システムに関する。
【背景技術】
【0002】
作業現場においては安全を確保しながら作業が実施される。特許文献1には、伐採作業において立木が倒れる方向に作業者がいるときに警告具により警告する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-065720号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
作業現場において、作業者が指定された衣服を着用していないと、作業性が低下したり予期せぬ事態が発生したりする可能性がある。また、作業を実施する作業者の周囲に他の作業者又は監督者のような第三者が存在する場合がある。作業中の作業者に第三者が接近した場合においても、作業性が低下したり予期せぬ事態が発生したりする可能性がある。
【0005】
本発明の態様は、作業現場において良好な作業環境を維持できる衣服及び報知システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様に従えば、衣服本体と、前記衣服本体が作業者に着用されているか否かを検出する着用検出装置と、前記着用検出装置の検出データに基づいて報知装置を制御する報知信号を出力する制御装置と、を備える衣服が提供される。
【0007】
本発明の第2の態様に従えば、衣服本体と、前記衣服本体が作業者に着用されているか否かを検出する着用検出装置と、電動工具と通信する衣服通信装置と、前記着用検出装置の検出データに基づいて前記電動工具を制御する工具信号を出力する制御装置と、を備える衣服が提供される。
【0008】
本発明の第3の態様に従えば、衣服本体と、前記衣服本体が作業者に着用されたときに外部通信機器と通信する衣服通信装置と、前記外部通信機器との通信により取得された前記外部通信機器との距離を示す距離データに基づいて報知装置を制御する報知信号を出力する制御装置と、を備える衣服が提供される。
【0009】
本発明の第4の態様に従えば、作業者に着用される衣服本体と、前記作業者に保持されている電動工具が作動したときに外部通信機器と通信する衣服通信装置と、前記外部通信機器との通信により取得された前記外部通信機器との距離を示す距離データに基づいて報知装置を制御する報知信号を出力する制御装置と、を備える衣服が提供される。
【0010】
本発明の第5の態様に従えば、衣服本体と、電動工具と通信する衣服通信装置と、前記電動工具との通信により取得された前記電動工具の状態を示す工具データに基づいて報知装置を制御する報知信号を出力する制御装置と、を備える衣服が提供される。
【0011】
本発明の第6の態様に従えば、衣服本体と、前記衣服本体が作業者に着用されたときに電動工具と通信する衣服通信装置と、前記電動工具との通信の開始後に前記電動工具を制御する工具信号を出力し、前記電動工具との通信により取得された前記電動工具の状態を示す工具データに基づいて報知装置を制御する報知信号を出力する制御装置と、を備える衣服が提供される。
【0012】
本発明の第7の態様に従えば、衣服本体と、電動工具用バッテリが装着されるアダプタと、前記電動工具用バッテリが前記アダプタに装着されたときに電動工具と通信する衣服通信装置と、前記電動工具との通信により取得された前記電動工具の状態を示す工具データに基づいて報知装置を制御する報知信号を出力する制御装置と、を備える衣服が提供される。
【0013】
本発明の第8の態様に従えば、第1の態様、第2の態様、第3の態様、第4の態様、第5の態様、第6の態様、又は第7の態様の衣服と通信する外部通信機器と、前記衣服からの報知信号に基づいて作動する報知装置と、を備える報知システムが提供される。
【発明の効果】
【0014】
本発明の態様によれば、作業現場において良好な作業環境を維持できる衣服及び報知システムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、第1実施形態に係る報知システムの一例を模式的に示す図である。
図2図2は、第1実施形態に係る報知システムの一例を示す機能ブロック図である。
図3図3は、第1実施形態に係るアダプタ及び電動工具用バッテリの一例を示す斜視図である。
図4図4は、第1実施形態に係るアダプタ及び電動工具用バッテリの一例を示す斜視図である。
図5図5は、第1実施形態に係るアダプタ及び電動工具用バッテリの一例を示す斜視図である。
図6図6は、第1実施形態に係る衣服の動作の一例を示すフローチャートである。
図7図7は、第1実施形態に係る報知システムにおいて報知信号が出力されたときの衣服及び外部通信機器のそれぞれの状態を模式的に示す図である。
図8図8は、第2実施形態に係る報知システムの一例を示す機能ブロック図である。
図9図9は、第2実施形態に係る衣服の動作の一例を示すフローチャートである。
図10図10は、第2実施形態に係る電動工具の動作の一例を示すフローチャートである。
図11図11は、第2実施形態に係る報知システムにおいて報知信号及び工具信号が出力されたときの衣服及び外部通信機器のそれぞれの状態を模式的に示す図である。
図12図12は、第3実施形態に係る衣服の動作の一例を示すフローチャートである。
図13図13は、第4実施形態に係る衣服の動作の一例を示すフローチャートである。
図14図14は、第5実施形態に係る衣服の動作の一例を示すフローチャートである。
図15図15は、第6実施形態に係る衣服の動作の一例を示すフローチャートである。
図16図16は、第7実施形態に係る衣服の動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。以下で説明する実施形態の構成要素は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。
【0017】
第1実施形態.
図1は、本実施形態に係る報知システムS1の一例を模式的に示す図である。図1に示すように、作業現場に作業を実施する作業者P1と第三者P2とが存在する。作業現場は、屋外でもよいし屋内でもよい。第三者P2は、他の作業者又は監督者を含む。報知システムS1は、作業者P1に着用される衣服100と、第三者P2に所持される外部通信機器200とを備える。外部通信機器200は、衣服100と通信する。
【0018】
報知システムS1は、衣服100を着用した状態で作業を実施する作業者P1と外部通信機器200を所持する第三者P2とが接近していることを必要に応じて作業者P1及び第三者P2の少なくとも一方に報知する。
【0019】
衣服100は、衣服本体10と、外部通信機器200と通信する衣服通信装置40と、報知装置50と、衣服通信装置40及び報知装置50のそれぞれと接続される制御装置60とを備える。衣服通信装置40、報知装置50、及び制御装置60のそれぞれは、衣服本体10に着脱可能に設けられる。
【0020】
また、衣服100は、衣服本体10が作業者P1に着用されているか否かを検出する着用検出装置20と、衣服本体10の位置を検出する位置検出装置30とを備える。着用検出装置20及び位置検出装置30のそれぞれは、制御装置60と接続される。着用検出装置20及び位置検出装置30のそれぞれは、衣服本体10に着脱可能に設けられる。
【0021】
外部通信機器200は、衣服100と通信する外部通信装置140と、報知装置150と、外部通信装置140及び報知装置150のそれぞれと接続される制御装置160とを備える。
【0022】
本実施形態において、作業者P1は、電動工具300を用いて作業を実施する。電動工具300は、刃及び刃を駆動するアクチュエータを有する。電動工具300として、例えばチェーンソー、刈払機、電動ドリル、釘打ち機、ハンマ、ヘッジトリマ(生垣バリカン)、グラインダー、丸鋸、その他の電動工具、及び園芸工具等が例示される。
【0023】
電動工具300には、電動工具用バッテリ80Bが装着される。電動工具300は、電動工具用バッテリ80Bから供給される電力により作動する。
【0024】
衣服100は、電動工具用バッテリ80Aが装着されるアダプタ70を備える。電動工具用バッテリ80Aは、アダプタ70に着脱可能に装着される。アダプタ70は、衣服本体10に着脱可能に設けられる。衣服本体10に設けられている電子機器は、電動工具用バッテリ80Aから供給される電力により作動する。本実施形態において、衣服本体10に設けられている電子機器は、着用検出装置20、位置検出装置30、衣服通信装置40、報知装置50、及び制御装置60の少なくとも一つを含む。
【0025】
電動工具用バッテリ80Aと電動工具用バッテリ80Bとは同一形式である。以下の説明においては、電動工具用バッテリ80A及び電動工具用バッテリ80Bを適宜、電動工具用バッテリ80、と総称する。衣服100は、電動工具300と電動工具用バッテリ80を兼用可能である。換言すれば、電動工具用バッテリ80は、衣服100に設けられているアダプタ70及び電動工具300のそれぞれに装着可能である。
【0026】
[衣服]
図2は、本実施形態に係る報知システムS1の一例を示す機能ブロック図である。図1及び図2に示すように、衣服100は、着用検出装置20と、位置検出装置30と、衣服通信装置40と、報知装置50と、制御装置60とを備える。
【0027】
衣服本体10は、作業者P1に着用される。衣服本体10は、生地で生成される。着用検出装置20、位置検出装置30、衣服通信装置40、報知装置50、及び制御装置60のそれぞれは、衣服本体10に着脱可能に設けられる。着用検出装置20、位置検出装置30、衣服通信装置40、報知装置50、及び制御装置60のそれぞれが衣服本体10から外されることにより、衣服本体10を洗濯することができる。
【0028】
着用検出装置20は、衣服本体10が作業者P1に着用されているか否かを検出する。着用検出装置20は、生体センサを含む。衣服本体10が作業者P1に着用されたとき、着用検出装置20は、作業者P1の心拍、呼吸、体動、筋電、発汗、体温、静電容量、及びその他の作業者P1の状態を示す生体信号を検出する。生体センサは、衣服本体10が作業者P1に着用されている着用状態であること及び衣服本体10が作業者P1に着用されていない非着用状態であることを検出可能である。着用検出装置20の検出データは、衣服本体10が着用状態であることを示す検出データ及び非着用状態であることを示す検出データを含む。着用検出装置20の検出データは、制御装置60に出力される。
【0029】
位置検出装置30は、衣服本体10の位置を示す第1位置データを検出する。位置検出装置30は、全地球航法衛星システム(Global Navigation Satellite System:GNSS)を利用して衣服本体10の位置を検出する。全地球航法衛星システムは、全地球測位システム(Global Positioning System:GPS)を含む。位置検出装置30は、GPSセンサを含む。位置検出装置30は、複数のGPS衛星からの信号を受信して、グローバル座標系における衣服本体10の位置を検出する。位置検出装置30によって検出される第1位置データは、衣服本体10の緯度、経度、及び高度の座標データを含む。位置検出装置30の検出データは、第1位置データを含む。位置検出装置30の検出データは、制御装置60に出力される。
【0030】
衣服通信装置40は、外部通信機器200の外部通信装置140と通信する第1通信装置41を有する。衣服通信装置40は、外部通信機器200からの通信データを受信して制御装置60に出力する。また、衣服通信装置40は、制御装置60からの通信データを外部通信機器200に送信する。本実施形態において、衣服通信装置40は、外部通信機器200と無線通信する。なお、衣服通信装置40は、外部通信機器200と有線通信してもよい。
【0031】
報知装置50は、報知データを出力する。報知装置50は、制御装置60に制御される。制御装置60は、報知装置50を制御する指令信号である報知信号を出力する。報知装置50は、制御装置60から出力された報知信号に基づいて作動する。
【0032】
報知信号は、報知装置50を作動させて報知装置50から報知データを出力させるための報知信号と、報知装置50の作動を停止させて報知装置50からの報知データの出力を停止させるための報知信号とを含む。
【0033】
報知装置50から出力される報知データとして、音、振動、におい、及び光の少なくとも一つが例示される。報知装置50として、音を出力するブザー、振動を出力するバイブレーション機構、においを出力する嗅覚ディスプレイ、及び光を出力する警告灯の少なくとも一つが例示される。
【0034】
制御装置60は、着用検出装置20の検出データに基づいて報知装置50を制御する報知信号を出力する。また、制御装置60は、第1通信装置41の通信状態に基づいて報知装置50を制御する報知信号を出力する。また、制御装置60は、位置検出装置30の検出データに基づいて報知装置50を制御する制御信号を出力する。本実施形態において、制御装置60は、外部通信機器200との通信により取得された外部通信機器200との距離Dを示す距離データに基づいて報知装置50を制御する報知信号を出力する。
【0035】
制御装置60は、コンピュータシステムを含む。制御装置60は、CPU(Central Processing Unit)のようなプロセッサを含む演算処理装置60Aと、RAM(Random Access Memory)のような不揮発性メモリ及びROM(Read Only Memory)のような揮発性メモリを含む記憶装置60Bと、入出力インターフェース60Cとを含む。
【0036】
演算処理装置60Aは、判定部61と、通信制御部62と、距離データ取得部63と、出力部65とを有する。
【0037】
判定部61は、着用検出装置20の検出データに基づいて、衣服本体10が作業者P1に着用されているか否かを判定する。判定部61は、着用検出装置20から生体信号を取得したとき、衣服本体10が作業者P1に着用されている着用状態であると判定する。判定部61は、着用検出装置20から生体信号を取得しないとき、衣服本体10が作業者P1に着用されていない非着用状態であると判定する。
【0038】
また、判定部61は、第1通信装置41の通信状態に基づいて、第1通信装置41が外部通信機器200と通信できているか否かを判定する。判定部61は、第1通信装置41が外部通信装置140に接続要求したときに外部通信装置140から許可応答があったとき、第1通信装置41が外部通信機器200と通信できていると判定する。判定部61は、第1通信装置41が外部通信装置140に接続要求したときに外部通信装置140から拒否応答があったとき、又は規定時間以上応答がなかったとき、第1通信装置41が外部通信機器200と通信できていないと判定する。
【0039】
通信制御部62は、衣服通信装置40を制御して、外部通信機器200との通信を開始させる。
【0040】
距離データ取得部63は、衣服通信装置40と外部通信機器200との通信の開始後、外部通信機器200との通信により取得された距離算出用データに基づいて、衣服100と外部通信機器200との距離Dを示す距離データを算出する。
【0041】
本実施形態において、距離データ取得部63は、距離算出用データとして、外部通信機器200の位置を示す第2位置データを取得する。外部通信機器200の位置は、グローバル座標系において規定される。外部通信機器200は、グローバル座標系における外部通信機器200の位置を示す第2位置データを制御装置60に送信する。距離データ取得部63は、外部通信機器200から第2位置データを取得する。
【0042】
また、距離データ取得部63は、衣服100の位置を示す第1位置データを取得する。衣服100の位置は、グローバル座標系において規定される。第1位置データは、位置検出装置30により検出される。位置検出装置30は、グローバル座標系における衣服100の位置を示す第1位置データを制御装置60に出力する。距離データ取得部63は、位置検出装置30から第1位置データを取得する。
【0043】
距離データ取得部63は、位置検出装置30から出力された第1位置データと外部通信機器200から送信された第2位置データとに基づいて、衣服100と外部通信機器200との距離Dを示す距離データを算出する。距離データ取得部63は、グローバル座標系における衣服本体10の第1位置データとグローバル座標系における外部通信機器200の第2位置データとに基づいて、グローバル座標系における衣服100と外部通信機器200との距離データを取得することができる。
【0044】
出力部65は、着用検出装置20の検出データに基づいて、報知装置50を制御する報知信号を出力する。本実施形態において、出力部65は、着用検出装置20の検出データに基づいて、衣服本体10が作業者P1に着用されていないと判定部61が判定したときに報知装置50を作動させるための報知信号を出力する。
【0045】
また、出力部65は、第1通信装置41の通信状態に基づいて、報知装置50を制御する報知信号を出力する。本実施形態において、出力部65は、第1通信装置41の通信状態に基づいて、第1通信装置41が外部通信機器200と通信できないと判定部61が判定したときに報知装置50を作動させるための報知信号を出力する。
【0046】
また、出力部65は、衣服100と外部通信機器200との距離Dを示す距離データに基づいて、報知装置50を制御する報知信号を出力する。本実施形態において、出力部65は、衣服100と外部通信機器200との距離Dが第1閾値R1以下のときに報知装置50を作動させるための報知信号を出力する。出力部65は、衣服100と外部通信機器200との距離Dが第1閾値R1よりも大きいときに報知装置50の作動を停止させる報知信号を出力する。
【0047】
記憶装置60Bは、第1閾値R1を示す第1閾値データを記憶する閾値記憶部66を有する。第1閾値R1は、衣服本体10と外部通信機器200との距離Dについて予め定められた値であり、閾値記憶部66に記憶されている。
【0048】
第1閾値R1は、作業者P1が作業する作業現場に基づいて定められてもよい。作業現場が屋外である場合、第1閾値R1は、例えば3[m]以上10[m]以下の範囲で定められる。作業現場が屋内である場合、第1閾値R1は、例えば1[m]以上5[m]以下の範囲で定められる。
【0049】
[外部通信機器]
外部通信機器200は、衣服100と通信可能である。外部通信機器200は、第三者P2が所持可能な携帯機器である。外部通信機器200は、スマートフォン又はタブレット型パーソナルコンピュータのような携帯型コンピュータシステムを含む。
【0050】
外部通信機器200は、位置検出装置130と、外部通信装置140と、報知装置150と、制御装置160とを備える。位置検出装置130は、外部通信機器200の位置を示す第2位置データを検出する。位置検出装置130は、GPSセンサを含み、グローバル座標系における外部通信機器200の位置を示す第2位置データを検出する。
【0051】
外部通信装置140は、位置検出装置130で検出された第2位置データを衣服通信装置40に送信する。また、外部通信装置140は、位置検出装置30で検出された第1位置データを衣服通信装置40から受信する。
【0052】
報知装置150は、報知データを出力する。報知装置150は、制御装置160に制御される。制御装置160は、報知装置150を制御する指令信号である報知信号を出力する。報知装置150は、制御装置160から出力された報知信号に基づいて作動する。報知装置150から出力される報知データとして、音、振動、におい、及び光のうち少なくとも一つが例示される。報知装置150として、音を出力するブザー、振動を出力するバイブレーション機構、においを出力する嗅覚ディスプレイ、及び光を出力する警告灯の少なくとも一つが例示される。
【0053】
制御装置160は、衣服100から送信された通信データに基づいて、報知装置150を制御する。衣服100から送信される通信データは、着用検出装置20の検出データを含む。制御装置160は、着用検出装置20の検出データに基づいて報知装置150を制御する報知信号を出力する。また、制御装置160は、第1通信装置41と外部通信装置140との通信状態に基づいて報知装置150を制御する報知信号を出力する。また、制御装置160は、位置検出装置130の検出データに基づいて報知装置50を制御する制御信号を出力する。本実施形態において、制御装置160は、距離Dを示す距離データに基づいて報知装置150を制御する報知信号を出力する。
【0054】
制御装置160は、CPUのようなプロセッサを含む演算処理装置160Aと、RAMのような不揮発性メモリ及びROMのような揮発性メモリを含む記憶装置160Bと、入出力インターフェース160Cとを含む。演算処理装置160Aは、距離データ取得部163と、出力部165とを有する。
【0055】
距離データ取得部163は、衣服100との通信により取得された距離算出用データに基づいて、衣服100と外部通信機器200との距離Dを示す距離データを算出する。距離データ取得部163は、距離算出用データとして、衣服100から送信された第1位置データを取得する。また、距離データ取得部163は、位置検出装置130の検出データを取得する。位置検出装置130の検出データは、外部通信機器200の位置を示す第2位置データを含む。
【0056】
距離データ取得部163は、衣服100から送信された第1位置データと位置検出装置130から出力された第2位置データとに基づいて、グローバル座標系における衣服100と外部通信機器200との距離Dを算出する。
【0057】
出力部165は、衣服100から送信された着用検出装置20の検出データに基づいて、報知装置150を制御する報知信号を出力する。本実施形態において、出力部165は、着用検出装置20の検出データに基づいて、衣服本体10が作業者P1に着用されていないと判定したときに報知装置150を作動させるための報知信号を出力する。
【0058】
また、出力部165は、衣服通信装置40の第1通信装置41と外部通信装置140との通信状態に基づいて、報知装置150を制御する報知信号を出力する。本実施形態において、出力部165は、第1通信装置41と外部通信装置140との通信状態に基づいて、第1通信装置41と外部通信機器200とが通信できないと判定したときに報知装置150を作動させるための報知信号を出力する。
【0059】
また、出力部165は、衣服100と外部通信機器200との距離Dを示す距離データに基づいて、報知装置150を制御する報知信号を出力する。本実施形態において、出力部165は、衣服100と外部通信機器200との距離Dが第1閾値R1以下のときに報知装置150を作動させるための報知信号を出力する。出力部165は、衣服100と外部通信機器200との距離Dが第1閾値R1よりも大きいときに報知装置150の作動を停止させる報知信号を出力する。
【0060】
[アダプタ]
図3及び図4は、本実施形態に係るアダプタ70及び電動工具用バッテリ80の一例を示す斜視図である。図3は、アダプタ70に電動工具用バッテリ80が装着された状態を示す。図4は、アダプタ70から電動工具用バッテリ80が外された状態を示す。
【0061】
アダプタ70は、衣服本体10に着脱可能に装着される。アダプタ70は、衣服本体10に固定される固定部71と、電動工具用バッテリ80が装着されるバッテリ装着部72と、ケーブル74が接続される接続部73とを有する。
【0062】
固定部71は、衣服本体10の少なくとも一部に掛けられることによって衣服本体10に固定される。固定部71が衣服本体10に固定されることにより、アダプタ70が衣服本体10に装着される。また、固定部71と衣服本体10との固定が解除されることにより、アダプタ70が衣服本体10から外される。
【0063】
バッテリ装着部72は、電動工具用バッテリ80と連結される。電動工具用バッテリ80は、充電式バッテリである。電動工具用バッテリ80は、バッテリ装着部72に装着される。バッテリ装着部72は、電動工具用バッテリ80をガイドするガイド部72Gを有する。電動工具用バッテリ80は、ガイド部72Gにガイドされながらバッテリ装着部72をスライドすることによりバッテリ装着部72に装着される。アダプタ70に電動工具用バッテリ80が装着されることにより、アダプタ70と電動工具用バッテリ80とは通電可能状態となる。
【0064】
接続部73は、ケーブル74と接続される。アダプタ70に電動工具用バッテリ80が装着された状態で、ケーブル74と接続部73とが接続される。ケーブル74の端子74Aは、電力供給対象と接続される。本実施形態において、電力供給対象は、衣服100に設けられている電子機器及び電動工具300を含む。
【0065】
アダプタ70に電動工具用バッテリ80Aが装着された状態で、ケーブル74と接続部73とが接続され、ケーブル74の端子74Aと衣服100に設けられている電子機器とが接続されることにより、電動工具用バッテリ80Aから電子機器に電力が供給される。上述のように、衣服100の電子機器は、着用検出装置20、位置検出装置30、衣服通信装置40、報知装置50、及び制御装置60の少なくとも一つを含む。
【0066】
電動工具300に電動工具用バッテリ80Bが装着されることにより、電動工具300は作動可能状態となる。電動工具300に電動工具用バッテリ80Bが装着され、電動工具300の主電源が起動したとき又は電動工具300に設けられているトリガスイッチ(操作スイッチ)が操作されたとき、電動工具300は作動する。本実施形態において、電動工具300が作動したときとは、電動工具300の主電源が起動したとき又は電動工具300に設けられているトリガスイッチが操作されたときをいう。
【0067】
図5は、本実施形態に係るアダプタ70及び電動工具用バッテリ80の別の一例を示す斜視図である。図5は、アダプタ70から電動工具用バッテリ80が外された状態を示す。
【0068】
アダプタ70は、衣服本体10に固定される固定部71と、電動工具用バッテリ80が装着されるバッテリ装着部72と、接続部73とを有する。接続部73は、アダプタ70の一部に設けられた凹部を含む。接続部73は、ケーブル74の一方の端子74Bと接続される。端子74Bは、接続部73と着脱可能に接続される。アダプタ70に電動工具用バッテリ80が装着された状態で、ケーブル74の一方の端子74Bと接続部73とが接続される。ケーブル74の他方の端子74Aは、電力供給対象と接続される。
【0069】
[報知システムの動作]
次に、本実施形態に係る報知システムS1の動作の一例について説明する。図6は、本実施形態に係る衣服100の動作の一例を示すフローチャートである。図6を参照して説明する処理は、規定の周期で実施される。
【0070】
本実施形態においては、作業現場において使用される衣服100が第三者P2(例えば監督者)によって指定される。第三者P2は、外部通信機器200の操作装置を操作して、例えば作業現場の収容スペースに保管されている複数の衣服100のうち、作業現場において使用する衣服100を指定することができる。衣服100には識別データが付与されている。衣服100の識別データは、外部通信機器200の記憶装置160Bに記憶(登録)されている。第三者P2は、外部通信機器200の操作装置を操作して、識別データを指定することによって、作業現場において使用する衣服100を指定することができる。なお、外部通信機器200が携帯型コンピュータシステムである場合、外部通信機器200の操作装置として、コンピュータ用キーボード、マウス、及びタッチパネルの少なくとも一つが例示される。
【0071】
作業者P1は、衣服100のアダプタ70に電動工具用バッテリ80Aを装着する。作業現場において使用するために指定された衣服100が複数存在し、作業現場で作業する作業者P1が複数存在する場合、複数の作業者P1のそれぞれは、自身が着用すべき衣服100のアダプタ70に電動工具用バッテリ80Aを装着する。
【0072】
衣服100において、アダプタ70に電動工具用バッテリ80Aが装着されることにより、着用検出装置20、位置検出装置30、衣服通信装置40、報知装置50、及び制御装置60のそれぞれが、電動工具用バッテリ80Aから供給された電力により起動する。着用検出装置20は、生体信号を検出する。位置検出装置30は、第1位置データを検出する。衣服通信装置40の第1通信装置41は、外部通信機器200に接続要求する。
【0073】
判定部61は、第1通信装置41と外部通信機器200とが通信できたか否かを判定する(ステップS10)。
【0074】
ステップS10において、第1通信装置41が外部通信機器200と通信できないと判定されたとき(ステップS10:No)、出力部65は、報知装置50を作動させるための報知信号を報知装置50に出力する。報知装置50は、取得した報知信号に基づいて、音、振動、におい、及び光のうち少なくとも一つを含む報知データを出力する(ステップS60)。
【0075】
本実施形態において、作業現場において使用するために指定された複数の衣服100のうち、一部の衣服100と外部通信機器200との通信が確立できなかった場合、通信が確立できた衣服100の報知装置50及び通信が確立できなかった衣服100の報知装置50の全部が作動する。すなわち、第三者P2によって指定された複数の衣服100の報知装置50の全部が作動する。なお、作業現場において使用するために指定された複数の衣服100のうち、一部の衣服100と外部通信機器200との通信が確立できなかった場合、外部通信機器200の報知装置150が作動してもよい。
【0076】
なお、作業現場において使用するために指定された複数の衣服100のうち、一部の衣服100と外部通信機器200との通信が確立できなかった場合、通信が確立できなかった衣服100の報知装置50が作動し、通信が確立できた衣服100の報知装置50は作動しなくてもよい。また、作業現場において使用するために指定された複数の衣服100のうち、一部の衣服100と外部通信機器200との通信が確立できなかった場合、外部通信機器200の報知装置150が作動してもよい。
【0077】
ステップS10において、第1通信装置41が外部通信機器200と通信できたと判定されたとき(ステップS10:Yes)、判定部61は、着用検出装置20の検出データに基づいて、衣服本体10が作業者P1に着用されている着用状態か否かを判定する(ステップS20)。
【0078】
本実施形態において、アダプタ70に電動工具用バッテリ80Aが装着され、着用検出装置20及び制御装置60のそれぞれが起動してからの経過時間が規定値以下のときに、衣服本体10が着用状態であることを示す検出データを制御装置60が着用検出装置20から取得したとき、判定部61は、衣服本体10が着用状態であると判定する。一方、着用検出装置20及び制御装置60のそれぞれが起動してからの経過時間が規定値に到達しても、衣服本体10が着用状態であることを示す検出データを制御装置60が着用検出装置20から取得できなかったとき、判定部61は、衣服本体10が着用状態でないと判定する。
【0079】
ステップS20において、衣服本体10が着用状態でないと判定されたとき(ステップS20:No)、出力部65は、報知装置50を作動させるための報知信号を報知装置50に出力する(ステップS60)。
【0080】
ステップS20において、衣服本体10が着用状態であると判定されたとき(ステップS20:Yes)、外部通信機器200は、位置検出装置130で検出された外部通信機器200の位置を示す第2位置データを衣服100の衣服通信装置40に送信する。距離データ取得部63は、位置検出装置30で検出された第1位置データと位置検出装置130で検出された第2位置データとを取得する(ステップS30)。
【0081】
距離データ取得部63は、第1位置データ及び第2位置データに基づいて、衣服100と外部通信機器200との距離Dを算出する(ステップS40)。
【0082】
出力部65は、距離データ取得部63で算出された距離Dが第1閾値R1以下か否かを判定する(ステップS50)。
【0083】
ステップS50において、距離Dが第1閾値R1以下であると判定されたとき(ステップS50:Yes)、出力部65は、報知装置50を作動させるための報知信号を報知装置50に出力する。報知装置50は、報知データを出力する(ステップS60)。
【0084】
ステップS50において、距離Dが第1閾値R1以下でないと判定されたとき(ステップS50:No)、出力部65は、報知装置50の作動を停止させるための報知信号を出力する。これにより、報知装置50の作動が停止され、報知装置50からの報知データの出力が停止される(ステップS70)。
【0085】
外部通信機器200においても、同様の処理が実施される。すなわち、外部通信機器200において、位置検出装置130、外部通信装置140、報知装置150、及び制御装置160が起動される。位置検出装置130は、第2位置データを検出する。衣服通信装置40の第1通信装置41と外部通信装置140とが通信できたとき、衣服通信装置40の第1通信装置41は、着用検出装置20の検出データ及び位置検出装置30で検出された第1位置データを外部通信機器200に送信する。外部通信機器200において、距離データ取得部163は、衣服100から送信された第1位置データと位置検出装置130で検出された第2位置データとに基づいて、衣服100と外部通信機器200との距離Dを算出する。
【0086】
外部通信機器200の出力部165は、衣服100が着用状態でないと判定したとき、報知装置150を作動させる報知信号を出力する。また、出力部165は、距離Dが第1閾値R1以下であるとき、報知装置150を作動させる報知信号を出力する。また、出力部165は、第1通信装置41と外部通信装置140とが通信できないと判定したとき、報知装置150を作動させる報知信号を出力する。報知装置150は、報知信号に基づいて、音、振動、におい、及び光の少なくとも一つを含む報知データを出力する。
【0087】
衣服100が着用状態でない場合、その衣服100の着用検出装置20から外部通信機器200に非着用状態であることを示す検出データがその衣服100の識別データとともに送信される。外部通信機器200は、衣服100から送信された衣服100の識別データに基づいて、作業現場において使用するために指定された複数の衣服100のうち、どの衣服100が非着用状態であるかを判定することができる。非着用状態である衣服100の識別データが外部通信機器200の表示装置に表示されることにより、第三者P2は、外部通信機器200を介して、どの衣服100が非着用状態であるかを認識することができる。
【0088】
また、作業現場において、外部通信機器200が複数存在する場合、それら複数の外部通信機器200の報知装置150のそれぞれが作動する。
【0089】
図7は、本実施形態に係る報知システムS1において報知信号が出力されたときの衣服100及び外部通信機器200のそれぞれの状態を模式的に示す図である。図7は、距離Dが第1閾値R1以下であることに起因して報知装置50及び報知装置150が作動している例を示す。
【0090】
図7に示すように、作業者P1は、衣服100を着用した状態で電動工具300を用いて作業を実施する。外部通信機器200を所持した第三者P2が作業者P1に接近し、衣服100と外部通信機器200との距離Dが第1閾値R1以下のとき、報知システムS1は、衣服100に設けられている報知装置50及び外部通信機器200に設けられている報知装置150のそれぞれを作動させる。
【0091】
衣服100の報知装置50が作動することにより、第三者P2が接近していることを作業者P1に報知することができる。また、外部通信機器200の報知装置150が作動することにより、作業者P1に接近していることを第三者P2に報知することができる。このように、作業者P1と第三者P2とが接近する場合、作業者P1及び第三者P2の両方に報知データが出力される。作業者P1及び第三者P2は、報知データにより注意喚起される。
【0092】
また、距離Dが第1閾値R1より大きくても、上述したように、衣服100が作業者P1に非着用状態であるとき、又は第1通信装置41と外部通信機器200とが通信できていないとき、報知装置50が作動する。すなわち、本実施形態においては、報知システムS1に何らかの不具合が発生しているとき、報知装置50が作動する。
【0093】
[効果]
以上説明したように、本実施形態によれば、作業者P1が衣服100を着用していない場合、報知装置50及び報知装置150が作動する。作業者P1が指定された衣服100を着用していない状態で作業を実施すると、作業性が低下したり予期せぬ事態が発生したりする可能性がある。本実施形態においては、作業者P1が指定された衣服100を着用していない場合、報知装置50が作動するので、衣服100を着用していないことを作業者P1に認識させることができる。また、衣服100の着用検出装置20から外部通信機器200に非着用状態であることを示す検出データがその衣服100の識別データとともに送信される。第三者P2は、外部通信機器200を介して、作業現場において使用するために指定された複数の衣服100のうち、どの衣服100が非着用状態であるかを認識することができる。そのため、第三者P2は、衣服100を着用していない作業者P1に、衣服100を着用するように注意喚起することができる。これにより、作業性の低下及び予期せぬ事態の発生が抑制され、作業現場において良好な作業環境を維持できる。
【0094】
また、本実施形態によれば、衣服100の第1通信装置41と外部通信機器200との通信が確立されないときにも、報知装置50及び報知装置150が作動する。衣服100の第1通信装置41と外部通信機器200との通信が確立されないとき、衣服100と外部通信機器200とのデータ通信ができないため、第三者P2が作業者P1の状況を管理できなかったり、作業性が低下したり、予期せぬ事態が発生したりする可能性がある。本実施形態においては、衣服100の第1通信装置41と外部通信機器200との通信が確立されないとき、報知装置50及び報知装置150が作動する。したがって、作業者P1又は第三者P2は、通信が確立していないことを認識することができる。そのため、作業者P1又は第三者P2は、良好な作業環境を維持するための措置を講ずることができる。
【0095】
また、本実施形態によれば、衣服100を着用している作業者P1と外部通信機器200を所持した第三者P2とが接近したとき、衣服100と外部通信機器200との距離Dに基づいて報知装置50及び報知装置150が作動する。これにより、作業者P1と第三者P2とが接近していることを、作業者P1及び第三者P2に認識させることができる。作業者P1に接近していることを第三者P2が認識することにより、第三者P2は作業者P1から離れることができる。これにより、作業者P1の作業性の低下が抑制される。また、作業者P1と第三者P2とが接近していることを作業者P1及び第三者P2の少なくとも一方が認識することにより、予期せぬ事態が発生することが抑制される。例えば、作動中の電動工具300が反動する現象であるキックバックが発生したり、作業者P1及び第三者P2の少なくとも一方が転倒したり、熱中症になったり、脱水症になったり、疲労したりしても、予期せぬ事態が発生することが抑制される。作業性の低下及び予期せぬ事態の発生が抑制されるため、作業現場において良好な作業環境を維持できる。
【0096】
また、本実施形態においては、作業者P1と第三者P2とが十分に離れている場合、報知装置50及び報知装置150は作動しない。これにより、報知装置50及び報知装置150から不必要に報知データが出力されてしまうことが抑制される。報知装置50及び報知装置150から不必要に報知データが出力されてしまうと、作業者P1及び第三者P2に不快感がもたらされる可能性がある。本実施形態によれば、作業者P1と第三者P2との距離Dが短いときに報知装置50及び報知装置150から報知データが出力され、作業者P1と第三者P2との距離Dが長いときに報知装置50及び報知装置150から報知データは出力されない。作業者P1と第三者P2とが接近するとき、必要に応じて作業者P1及び第三者P2に注意喚起できるので、作業者P1及び第三者P2に不快感がもたらされることを抑制しつつ、作業者P1及び第三者P2に作業者P1と第三者P2とが接近していることを認識させることができる。
【0097】
また、本実施形態によれば、外部通信機器200と通信する衣服通信装置40が衣服本体10に設けられる。これにより、作業者P1が衣服100を着用することで、衣服100を着用した作業者P1と外部通信機器200を所持する第三者P2との距離データを取得することができる。外部通信機器200との距離データを取得するための通信装置を例えば電動工具300に設けることによっても、その電動工具300を保持した作業者P1と外部通信機器200を所持する第三者P2との距離データを取得することができる。しかし、電動工具300に外部通信機器200と通信する通信装置を設ける場合、複数の電動工具300のそれぞれに通信装置を設ける必要がある。その結果、電動工具300のコストが上昇する可能性がある。本実施形態によれば、作業者P1と第三者P2との距離データを取得するための衣服通信装置40が衣服本体10に設けられる。これにより、作業者P1がいずれの電動工具300を使用する場合においても、衣服100を着用することで、作業者P1と第三者P2との距離データを取得することができる。そのため、低コストで、作業者P1と第三者P2とが接近することを作業者P1及び第三者P2の少なくとも一方に認識させることができる。
【0098】
また、本実施形態によれば、距離Dを示す距離データは、衣服本体10に設けられている位置検出装置30で検出された第1位置データと外部通信機器200に設けられている位置検出装置130で検出された第2位置データとに基づいて算出される。これにより、距離Dが高精度に算出される。
【0099】
また、本実施形態によれば、距離Dについての第1閾値R1が予め定められ、閾値記憶部66に記憶されている。これにより、第1閾値R1に基づいて、報知装置50及び報知装置150の作動と作動停止とを制御することができる。
【0100】
また、本実施形態によれば、着用検出装置20、位置検出装置30、衣服通信装置40、報知装置50、及び制御装置60のそれぞれは、衣服本体10に着脱可能に設けられる。これにより、着用検出装置20、位置検出装置30、衣服通信装置40、報知装置50、及び制御装置60のそれぞれを衣服本体10から外して、衣服本体10を洗濯することができる。
【0101】
また、本実施形態によれば、電動工具用バッテリ80が装着されるアダプタ70が衣服本体10に設けられる。そのため、着用検出装置20、位置検出装置30、衣服通信装置40、報知装置50、及び制御装置60の電源として、電動工具用バッテリ80を利用することができる。電動工具300と兼用可能な電動工具用バッテリ80を衣服100の電源として利用できるので、高い汎用性が得られる。
【0102】
第2実施形態.
第2実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一の構成要素については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
【0103】
[報知システム]
図8は、本実施形態に係る報知システムS2の一例を示す機能ブロック図である。本実施形態において、衣服100は、電動工具300と通信する第2通信装置42を備える。図8に示すように、電動工具300は、工具通信装置240と、工具通信装置240と接続される制御装置260とを有する。衣服通信装置40の第2通信装置42は、電動工具300に設けられている工具通信装置240と通信する。
【0104】
衣服100の制御装置60は、着用検出装置20の検出データに基づいて電動工具300を制御する指令信号である工具信号を出力する。本実施形態において、制御装置60は、着用検出装置20の検出データに基づいて、衣服本体10が作業者P1に着用されていないと判定したときに電動工具300の作動を禁止する工具信号を出力する。
【0105】
また、制御装置60は、第1通信装置41の通信状態に基づいて電動工具300を制御する工具信号を出力する。本実施形態において、制御装置60は、第1通信装置41の通信状態に基づいて、第1通信装置41が外部通信機器200と通信できないと判定したときに電動工具300の作動を禁止する工具信号を出力する。
【0106】
また、制御装置60は、衣服100と外部通信機器200との距離Dを示す距離データに基づいて電動工具300を制御する工具信号を出力する。本実施形態においては、距離Dについて、第1閾値R1と、第1閾値R1よりも小さい第2閾値R2とが規定され、閾値記憶部66に記憶されている。制御装置60は、距離Dが第2閾値R2以下のときに電動工具300の作動を禁止する工具信号を出力し、距離Dが第2閾値R2よりも大きいときに電動工具300の作動を許可する工具信号を出力する。
【0107】
また、制御装置60は、距離Dに基づいて報知装置50を制御する報知信号を出力する。本実施形態において、制御装置60は、距離Dが第1閾値R1以下であり第2閾値R2よりも大きいときに報知装置50を作動させる報知信号を出力する。
【0108】
電動工具300の制御装置260は、電動工具300の作動状態を制御する。制御装置60から出力された工具信号は、衣服通信装置40の第2通信装置42を介して工具通信装置240に送信される。電動工具300の制御装置260は、制御装置60から出力された工具信号に基づいて、電動工具300を制御する。
【0109】
上述の実施形態と同様、電動工具300が作動したときとは、電動工具300の主電源が起動したとき又は電動工具300に設けられているトリガスイッチが操作されたときをいう。電動工具300が作動可能状態において、電動工具300の主電源が起動したとき又は電動工具300に設けられているトリガスイッチが作業者P1により操作されたとき、電動工具300が作動する。
【0110】
また、本実施形態において、制御装置60の演算処理装置60Aは、電動工具300の状態を示す工具データを取得する工具データ取得部64を有する。工具データは、電動工具300に設けられているトリガスイッチが操作されたことを示す工具データを含む。電動工具300の制御装置260は、電動工具300に設けられているトリガスイッチが操作されたとき、トリガスイッチが操作されたことを示す工具データを、工具通信装置240を介して衣服100に送信する。電動工具300の制御装置260は、電動工具300に設けられているトリガスイッチが操作されていないとき、トリガスイッチが操作されていないことを示す工具データを、工具通信装置240を介して衣服100に送信する。工具データ取得部64は、衣服通信装置40と工具通信装置240との通信により、電動工具300から工具データを取得することができる。なお、工具データは、電動工具300の主電源が起動したことを示す工具データでもよい。
【0111】
[報知システムの動作]
次に、本実施形態に係る報知システムS2の動作の一例について説明する。図9は、本実施形態に係る衣服100の動作の一例を示すフローチャートである。図10は、本実施形態に係る電動工具300の動作の一例を示すフローチャートである。
【0112】
図9を参照しながら、衣服100の動作の一例について説明する。衣服100において、アダプタ70に電動工具用バッテリ80Aが装着されることにより、着用検出装置20、位置検出装置30、衣服通信装置40、報知装置50、及び制御装置60のそれぞれが、電動工具用バッテリ80Aから供給された電力により起動する。着用検出装置20は、生体信号を検出する。位置検出装置30は、第1位置データを検出する。衣服通信装置40の第1通信装置41は、外部通信機器200に接続要求する。
【0113】
判定部61は、第1通信装置41と外部通信機器200とが通信できたか否かを判定する(ステップS10)。
【0114】
ステップS10において、第1通信装置41が外部通信機器200と通信できないと判定されたとき(ステップS10:No)、出力部65は、電動工具300の作動を禁止するための工具信号を衣服通信装置40及び工具通信装置240を介して電動工具300に出力する。制御装置260は、電動工具300の作動を禁止する(ステップS44)。
【0115】
また、ステップS10において、第1通信装置41が外部通信機器200と通信できないと判定されたとき(ステップS10:No)、出力部65は、報知装置50を作動させるための報知信号を報知装置50に出力する。報知装置50は、取得した報知信号に基づいて、音、振動、におい、及び光のうち少なくとも一つを含む報知データを出力する(ステップS60)。
【0116】
ステップS10において、第1通信装置41が外部通信機器200と通信できたと判定されたとき(ステップS10:Yes)、判定部61は、着用検出装置20の検出データに基づいて、衣服本体10が作業者P1に着用されている着用状態か否かを判定する(ステップS20)。
【0117】
ステップS20において、衣服本体10が着用状態でないと判定されたとき(ステップS20:No)、出力部65は、電動工具300の作動を禁止するための工具信号を出力する(ステップS44)。また、出力部65は、報知装置50を作動させるための報知信号を報知装置50に出力する。報知装置50は、報知データを出力する(ステップS60)。
【0118】
ステップS20において、衣服本体10が着用状態であると判定されたとき(ステップS20:Yes)、外部通信機器200は、位置検出装置130で検出された外部通信機器200の位置を示す第2位置データを衣服100の衣服通信装置40に送信する。距離データ取得部63は、位置検出装置30で検出された第1位置データと位置検出装置130で検出された第2位置データとを取得する(ステップS30)。
【0119】
距離データ取得部63は、第1位置データ及び第2位置データに基づいて、衣服100と外部通信機器200との距離Dを算出する(ステップS40)。
【0120】
判定部61は、電動工具300に設けられているトリガスイッチが操作されたことを示す工具データを工具データ取得部64が取得したか否かを判定する。本実施形態において、判定部61は、工具データ取得部64で取得された工具データに基づいて、電動工具300に設けられているトリガスイッチが操作されていないオフ状態であるか否かを判定する(ステップS42)。
【0121】
ステップS42において、トリガスイッチがオフ状態であると判定されたとき(ステップS42:Yes)、出力部65は、電動工具300の作動を禁止するための工具信号を衣服通信装置40及び工具通信装置240を介して電動工具300に出力する。制御装置260は、電動工具300の作動を禁止する(ステップS46)。
【0122】
また、ステップS42において、トリガスイッチがオフ状態であると判定されたとき(ステップS42:Yes)、出力部65は、報知装置50の作動を停止させるための報知信号を出力する。これにより、報知装置50の作動が停止され、報知装置50からの報知データの出力が停止される(ステップS70)。
【0123】
ステップS42において、トリガスイッチがオフ状態ではなく、操作されているオン状態であると判定されたとき(ステップS42:No)、出力部65は、距離データ取得部63で算出された距離Dが第1閾値R1以下か否かを判定する(ステップS50)。
【0124】
ステップS50において、距離Dが第1閾値R1以下でないと判定されたとき(ステップS50:No)、出力部65は、電動工具300の作動を許可するための工具信号を衣服通信装置40及び工具通信装置240を介して電動工具300に出力する。制御装置260は、電動工具300の作動を許可する(ステップS52)。これにより、電動工具300は作動する。
【0125】
また、出力部65は、報知装置50の作動を停止させるための報知信号を出力する。これにより、報知装置50の作動が停止され、報知装置50からの報知データの出力が停止される(ステップS70)。
【0126】
ステップS50において、距離Dが第1閾値R1以下であると判定されたとき(ステップS50:Yes)、出力部65は、報知装置50を作動させるための報知信号を報知装置50に出力する。報知装置50は、報知データを出力する(ステップS62)。
【0127】
出力部65は、距離データ取得部63で算出された距離Dが第2閾値R2以下か否かを判定する(ステップS64)。
【0128】
ステップS64において、距離Dが第2閾値R2以下でないと判定されたとき(ステップS64:No)、出力部65は、電動工具300の作動を許可するための工具信号を衣服通信装置40及び工具通信装置240を介して電動工具300に出力する。制御装置260は、電動工具300の作動を許可する(ステップS66)。これにより、電動工具300は作動する。
【0129】
また、電動工具300の作動が許可されたとき、制御装置260は、電動工具300の作動の許可を示す許可データを、電動工具300に設けられている出力装置に出力させる。電動工具300に設けられている出力装置が表示装置である場合、制御装置260は、許可データとして、電動工具300の作動の許可を示す表示データを表示装置に表示させる。電動工具300に設けられている出力装置が報知装置である場合、制御装置260は、許可データとして、電動工具300の作動の許可を示す報知データを報知装置に報知させる。報知データとして、音、振動、におい、及び光のうち少なくとも一つが例示される。
【0130】
ステップS64において、距離Dが第2閾値R2以下であると判定されたとき(ステップS64:Yes)、出力部65は、電動工具300の作動を禁止するための工具信号を衣服通信装置40及び工具通信装置240を介して電動工具300に出力する。制御装置260は、電動工具300の作動を禁止する(ステップS68)。
【0131】
また、電動工具300の作動が禁止されたとき、制御装置260は、電動工具300の作動の禁止を示す禁止データを、電動工具300に設けられている出力装置に出力させる。電動工具300に設けられている出力装置が表示装置である場合、制御装置260は、禁止データとして、電動工具300の作動の禁止を示す表示データを表示装置に表示させる。電動工具300に設けられている出力装置が報知装置である場合、制御装置260は、禁止データとして、電動工具300の作動の禁止を示す報知データを報知装置に報知させる。
【0132】
外部通信機器200においても、同様の処理が実施される。すなわち、外部通信機器200において、位置検出装置130、外部通信装置140、報知装置150、及び制御装置160が起動される。位置検出装置130は、第2位置データを検出する。衣服通信装置40の第1通信装置41と外部通信装置140とが通信できたとき、衣服通信装置40の第1通信装置41は、着用検出装置20の検出データ及び位置検出装置30で検出された第1位置データを外部通信機器200に送信する。外部通信機器200において、距離データ取得部163は、衣服100から送信された第1位置データと位置検出装置130で検出された第2位置データとに基づいて、衣服100と外部通信機器200との距離Dを算出する。
【0133】
外部通信機器200の出力部165は、衣服100が着用状態でないと判定したとき、報知装置150を作動させる報知信号を出力する。また、出力部165は、距離Dが第1閾値R1以下であるとき、報知装置150を作動させる報知信号を出力する。また、出力部165は、第1通信装置41と外部通信装置140とが通信できないと判定したとき、報知装置150を作動させる報知信号を出力する。報知装置150は、報知信号に基づいて、音、振動、におい、及び光の少なくとも一つを含む報知データを出力する。
【0134】
次に、図10を参照しながら、電動工具300の動作の一例について説明する。図10は、本実施形態に係る電動工具300の動作の一例を示すフローチャートである。電動工具300の制御装置260は、衣服100の第2通信装置42と電動工具300の工具通信装置240とが通信できたか否かを判定する(ステップS110)。
【0135】
ステップS110において、第2通信装置42と工具通信装置240とが通信できないと判定されたとき(ステップS110:No)、制御装置260は、電動工具300の作動を停止させる(ステップS112)。
【0136】
ステップS110において、第2通信装置42と工具通信装置240とが通信できたと判定されたとき(ステップS110:Yes)、制御装置260は、電動工具300に設けられているトリガスイッチがオン状態か否かを判定する(ステップS114)。
【0137】
ステップS114において、トリガスイッチがオン状態であると判定されたとき(ステップS114:Yes)、制御装置260は、電動工具300の作動を停止させるオフ信号の出力を停止する(ステップS116)。
【0138】
制御装置260は、電動工具300の作動を許可する工具信号が衣服100から出力されたか否かを判定する(ステップS118)。
【0139】
ステップS118において、電動工具300の作動を許可する工具信号を制御装置260が衣服100から取得し、電動工具300の作動が許可されたと判定したとき(ステップS118:Yes)、電動工具300を作動させる(ステップS120)。
【0140】
ステップS114において、トリガスイッチがオン状態でないと判定されたとき(ステップS114:No)、制御装置260は、電動工具300の作動を停止させるオフ信号を出力する(ステップS122)。これにより、電動工具300の作動が停止する(ステップS112)。
【0141】
ステップS118において、電動工具300の作動が許可されていないと判定したとき(ステップS118:No)、制御装置260は、電動工具300の作動を停止させる(ステップS112)。
【0142】
図11は、本実施形態に係る報知システムS2において報知信号及び工具信号が出力されたときの衣服100及び外部通信機器200のそれぞれの状態を模式的に示す図である。図11は、距離Dが第2閾値R2以下であることに起因して報知装置50及び報知装置150が作動し、電動工具300の作動が禁止されている例を示す。
【0143】
図11に示すように、作業者P1は、衣服100を着用した状態で電動工具300を用いて作業を実施する。外部通信機器200を所持した第三者P2が作業者P1に接近し、衣服100と外部通信機器200との距離Dが第1閾値R1以下のとき、報知システムS2は、衣服100に設けられている報知装置50及び外部通信機器200に設けられている報知装置150のそれぞれを作動させる。
【0144】
また、距離Dが第1閾値R1よりも小さい第2閾値R2以下のとき、電動工具300の作動が禁止される。
【0145】
また、距離Dが第1閾値R1より大きくても、上述したように、衣服100が作業者P1に非着用状態であるとき、又は第1通信装置41と外部通信機器200とが通信できていないとき、電動工具300の作動が禁止され、報知装置50が作動する。本実施形態においても、報知システムS2に何らかの不具合が発生しているとき、報知装置50が作動する。
【0146】
[効果]
以上説明したように、本実施形態によれば、作業者P1が衣服100を着用していない場合、電動工具300の作動が禁止される。作業者P1が指定された衣服100を着用していない状態で電動工具300を用いて作業を実施すると、作業性が低下したり予期せぬ事態が発生したりする可能性がある。本実施形態においては、作業者P1が指定された衣服100を着用していない場合、電動工具300の作動が禁止されるので、作業性の低下及び予期せぬ事態の発生が抑制され、作業現場において良好な作業環境を維持できる。
【0147】
また、本実施形態によれば、衣服100の第1通信装置41と外部通信機器200との通信が確立されないときにも、電動工具300の作動が禁止される。衣服100の第1通信装置41と外部通信機器200との通信が確立されないとき、衣服100と外部通信機器200とのデータ通信ができないため、第三者P2が作業者P1の状況を管理できなかったり、作業性が低下したり、予期せぬ事態が発生したりする可能性がある。本実施形態においては、衣服100の第1通信装置41と外部通信機器200との通信が確立されないとき、電動工具300の作動が禁止される。したがって、通信が確立していない状態で、作業者P1が電動工具300を用いて作業を実施してしまうことが抑制される。
【0148】
また、本実施形態によれば、制御装置60は、距離データに基づいて電動工具300を制御する工具信号を出力する。これにより、作業者P1と第三者P2とが接近すると、電動工具300が作動禁止状態となるため、作動している電動工具300と第三者P2とが接近することが抑制される。そのため、予期せぬ事態が発生することが抑制される。また、作業者P1と第三者P2とが十分に離れている場合、電動工具300は作動可能状態である。これにより、電動工具300が不必要に作動禁止状態になることが抑制される。電動工具300が不必要に作動禁止状態にされると、作業性の低下がもたらされる。本実施形態によれば、電動工具300を保持する作業者P1と第三者P2との距離Dが短いときに電動工具300の作動を禁止し、作業者P1と第三者P2との距離Dが長いときに電動工具300の作動の禁止を解除する。作業者P1と第三者P2とが接近するとき、必要に応じて電動工具300が作動禁止状態となるので、作業性の低下を抑制しつつ、作動している電動工具300と第三者P2とが接近することが抑制される。
【0149】
また、本実施形態においても、必要なときに報知装置50及び報知装置150を作動させることができる。そのため、作業者P1と第三者P2とが存在する作業現場において、作業性の低下及び予期せぬ事態の発生が抑制されるため、良好な作業環境を維持することができる。
【0150】
また、本実施形態においては、距離Dが第1閾値R1以下であり第2閾値R2よりも大きいときに報知装置50が作動し、電動工具300は作動可能状態である。距離Dが第2閾値R2以下のときに電動工具300の作動が禁止される。これにより、第1閾値R1に基づいて、報知装置50及び報知装置150の作動と作動停止とを制御することができる。また、第2閾値R2に基づいて、電動工具300の作動可能状態と作動禁止状態とを制御することができる。
【0151】
第3実施形態.
第3実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一の構成要素については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
【0152】
図12は、本実施形態に係る衣服100の動作の一例を示すフローチャートである。本実施形態においては、距離Dについて、第1閾値R1と、第1閾値R1よりも小さい第2閾値R2と、第1閾値R1よりも大きい第3閾値R3とが規定され、閾値記憶部66に記憶されている。
【0153】
図12に示すフローチャートにおいて、ステップS10,S20,S30,S40,S42,S44,S46,S50,S60,S62,S64,S66,S68,S70の処理は、図9を参照して説明した処理と同様であるため、その説明を省略する。
【0154】
ステップS50において、距離Dが第1閾値R1以下でないと判定されたとき(ステップS50:No)、出力部65は、距離データ取得部63で算出された距離Dが第3閾値R3以下か否かを判定する(ステップS80)。
【0155】
ステップS80において、距離Dが第3閾値R3以下でないと判定されたとき(ステップS80:No)、出力部65は、電動工具300の作動を禁止するための工具信号を衣服通信装置40及び工具通信装置240を介して電動工具300に出力する。制御装置260は、電動工具300の作動を禁止する(ステップS82)。また、出力部65は、報知装置50を作動させるための報知信号を出力する。報知装置50は、報知データを出力する(ステップS84)。
【0156】
ステップS80において、距離Dが第3閾値R3以下であると判定されたとき(ステップS80:Yes)、出力部65は、電動工具300の作動を許可するための工具信号を衣服通信装置40及び工具通信装置240を介して電動工具300に出力する。制御装置260は、電動工具300の作動を許可する(ステップS86)。これにより、電動工具300は作動する。また、出力部65は、報知装置50の作動を停止させるための報知信号を出力する。報知装置50は、報知データを出力する(ステップS70)。
【0157】
外部通信機器200においても、同様の処理が実施される。すなわち、外部通信機器200において、位置検出装置130、外部通信装置140、報知装置150、及び制御装置160が起動される。位置検出装置130は、第2位置データを検出する。衣服通信装置40の第1通信装置41と外部通信装置140とが通信できたとき、衣服通信装置40の第1通信装置41は、着用検出装置20の検出データ及び位置検出装置30で検出された第1位置データを外部通信機器200に送信する。外部通信機器200において、距離データ取得部163は、衣服100から送信された第1位置データと位置検出装置130で検出された第2位置データとに基づいて、衣服100と外部通信機器200との距離Dを算出する。
【0158】
外部通信機器200の出力部165は、衣服100が着用状態でないと判定したとき、報知装置150を作動させる報知信号を出力する。また、出力部165は、距離Dが第1閾値R1以下であるとき、報知装置150を作動させる報知信号を出力する。また、出力部165は、距離Dが第3閾値R3よりも大きいとき、報知装置150を作動させる報知信号を出力する。また、出力部165は、第1通信装置41と外部通信装置140とが通信できないと判定したとき、報知装置150を作動させる報知信号を出力する。
【0159】
以上説明したように、本実施形態によれば、ステップS50,S80,S86,S70を参照して説明したように、距離Dが第3閾値R3以下であり第1閾値R1よりも大きいときに、制御装置60は、報知装置50を作動させずに電動工具300の作動を許可する。一方、ステップS80,S82,S84を参照して説明したように、距離Dが第3閾値R3よりも大きいときに、制御装置60は、報知装置50を作動させ電動工具300の作動を禁止する。すなわち、本実施形態においては、作業者P1が第三者P2(例えば監督者)から離れ過ぎてしまった場合、報知装置50が作動し、電動工具300の作動が禁止される。作業者P1と第三者P2とが離れ過ぎてしまい、第三者P2の眼の届かないところで作業者P1が電動工具300を用いて作業を実施すると、第三者P2が作業者P1の状況を管理できなかったり、作業性が低下したり、予期せぬ事態が発生したりする可能性がある。そのため、本実施形態においては、作業者P1が管理エリアの外に出てしまった場合、報知装置50及び報知装置150が作動する。報知装置50が作動することにより、作業者P1は、自身が管理エリアの外に出てしまったことを認識することができる。報知装置150が作動することにより、第三者P2は、作業者P1が管理エリアの外に出てしまったことを認識することができる。また、作業者P1が管理エリアの外に出てしまった場合、その作業者P1が所持する電動工具300の作動が禁止される。これにより、作業性の低下及び予期せぬ事態の発生が抑制され、作業現場において良好な作業環境を維持できる。
【0160】
なお、本実施形態においては、ステップS80において、距離Dが第3閾値R3よりも大きいと判定されたとき、電動工具300の作動の禁止及び報知装置50の作動の両方が実施されることとした。電動工具300の作動の禁止を実施するか否かを判定するときに使用される第3閾値R3と、報知装置50の作動を実施するか否かを判定するときに使用される第3閾値R3とが、異なる値でもよい。例えば、第3閾値3Raと第3閾値3Raよりも大きい第3閾値3Rbとが規定された場合において、距離Dが第3閾値3Raよりも大きいと判定されたときに電動工具300の作動は禁止されずに報知装置50の作動が実施され、距離Dが第3閾値3Rbよりも大きいと判定されたときに報知装置50の作動が実施された状態で電動工具300の作動の禁止が実施されてもよい。
【0161】
第4実施形態.
第4実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一の構成要素については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。本実施形態においては、上述の第1実施形態で説明した報知システムS1の処理の変形例について説明する。
【0162】
本実施形態において、衣服通信装置40は、衣服本体10が作業者P1に着用されたときに外部通信機器200と通信する。衣服通信装置40は、着用検出装置20の検出データに基づいて外部通信機器200と通信する。衣服本体10が着用状態であることを着用検出装置20が検出したとき、衣服通信装置40は、外部通信機器200との通信を開始する。衣服本体10が非着用状態であることを着用検出装置20が検出したとき、衣服通信装置40は、外部通信機器200との通信を終了する。
【0163】
制御装置60は、着用検出装置20の検出データ及び位置検出装置30の検出データに基づいて、衣服通信装置40及び報知装置50を制御する。本実施形態において、制御装置60は、外部通信機器200との通信により取得された外部通信機器200との距離Dを示す距離データに基づいて報知装置50を制御する報知信号を出力する。
【0164】
通信制御部62は、判定部61において衣服本体10が作業者P1に着用されている着用状態であると判定されたとき、衣服通信装置40を制御して、外部通信機器200との通信を開始させる。通信制御部62は、判定部61において衣服本体10が作業者P1に着用されていない非着用状態であると判定されたとき、衣服通信装置40を制御して、外部通信機器200との通信を終了させる。
【0165】
図13は、本実施形態に係る衣服100の動作の一例を示すフローチャートである。衣服100において、アダプタ70に電動工具用バッテリ80Aが装着されることにより、着用検出装置20、位置検出装置30、衣服通信装置40、報知装置50、及び制御装置60のそれぞれが、電動工具用バッテリ80Aから供給された電力により起動する。着用検出装置20は、生体信号を検出する。位置検出装置30は、第1位置データを検出する。
【0166】
判定部61は、着用検出装置20の検出データに基づいて、衣服本体10が作業者P1に着用されている着用状態か否かを判定する(ステップS210)。
【0167】
ステップS210において、衣服本体10が着用状態でないと判定されたとき(ステップS210:No)、ステップS210の処理が再度実施される。ステップS210において、衣服本体10が着用状態であると判定されたとき(ステップS210:Yes)、通信制御部62は、衣服通信装置40に外部通信機器200との通信を開始させる(ステップS220)。
【0168】
衣服通信装置40と外部通信機器200との通信が開始されると、外部通信機器200は、位置検出装置130で検出された外部通信機器200の位置を示す第2位置データを衣服100の衣服通信装置40に送信する。距離データ取得部63は、位置検出装置30で検出された第1位置データと位置検出装置130で検出された第2位置データとを取得する(ステップS230)。
【0169】
距離データ取得部63は、第1位置データ及び第2位置データに基づいて、衣服100と外部通信機器200との距離Dを算出する(ステップS240)。
【0170】
出力部65は、距離データ取得部63で算出された距離Dが第1閾値R1以下か否かを判定する(ステップS250)。
【0171】
ステップS250において、距離Dが第1閾値R1以下でないと判定されたとき(ステップS250:No)、判定部61は、着用検出装置20の検出データに基づいて、衣服本体10が着用状態か否かを判定する(ステップS255)。処理の途中において作業者P1が衣服100を脱ぐ可能性がある。そのため、ステップS255において、衣服100が着用状態か否かが判定される。
【0172】
ステップS255において、衣服本体10が着用状態であると判定されたとき(ステップS255:Yes)、ステップS250の処理が再度実施される。ステップS255において、衣服本体10が非着用状態であると判定されたとき(ステップS255:No)、処理が終了する。
【0173】
ステップS250において、距離Dが第1閾値R1以下であると判定されたとき(ステップS250:Yes)、出力部65は、報知装置50を作動させるための報知信号を報知装置50に出力する。報知装置50は、取得した報知信号に基づいて、音、振動、におい、及び光のうち少なくとも一つを含む報知データを出力する(ステップS260)。
【0174】
報知データが出力された後、出力部65は、距離Dが第1閾値R1よりも大きいか否かを判定する(ステップS270)。報知データが出力されることにより、第三者P2が作業者P1から離れる可能性が高い。そのため、ステップS270において、距離Dが第1閾値R1よりも大きいか否かが判定される。
【0175】
ステップS270において、距離Dが第1閾値R1以下であると判定されたとき(ステップS270:No)、判定部61は、衣服本体10が着用状態か否かを判定する(ステップS275)。
【0176】
ステップS275において、衣服本体10が着用状態でないと判定されたとき(ステップS275:No)、処理が終了する。ステップS275において、衣服本体10が着用状態であると判定されたとき(ステップS275:Yes)、ステップS270の処理が再度実施される。ステップS270の処理が繰り返し実施されている期間において、報知装置50は、報知データを出力し続ける。
【0177】
ステップS270において、距離Dが第1閾値R1よりも大きいと判定されたとき(ステップS270:Yes)、出力部65は、報知装置50の作動を停止させるための報知信号を出力する。これにより、報知装置50の作動が停止され、報知装置50からの報知データの出力が停止される(ステップS280)。その後、ステップS250以降の処理が繰り返し実施される。
【0178】
外部通信機器200においても、同様の処理が実施される。すなわち、外部通信機器200において、位置検出装置130、外部通信装置140、報知装置150、及び制御装置160が起動される。位置検出装置130は、第2位置データを検出する。衣服通信装置40と外部通信装置140との通信が開始されると、衣服100の衣服通信装置40は、位置検出装置30で検出された第1位置データを外部通信機器200に送信する。外部通信機器200において、距離データ取得部163は、衣服100から送信された第1位置データと位置検出装置130で検出された第2位置データとに基づいて、衣服100と外部通信機器200との距離Dを算出する。
【0179】
外部通信機器200の出力部165は、距離Dが第1閾値R1以下であるとき、報知装置150を作動させる報知信号を出力する。報知装置150は、報知信号に基づいて、音、振動、におい、及び光の少なくとも一つを含む報知データを出力する。距離Dが第1閾値R1よりも大きいと判定されるまで、報知装置150は、報知データを出力し続ける。
【0180】
以上説明したように、本実施形態によれば、衣服本体10が作業者P1に着用されたときに、衣服通信装置40は外部通信機器200との通信を開始する。これにより、作業者P1に着用されていない衣服100に第三者P2が接近しても、報知装置50及び報知装置150から報知データは出力されない。衣服本体10が作業者P1に着用されていないときにも衣服通信装置40と外部通信機器200とが通信を開始してしまうと、例えば衣服100が収容されている収容空間に第三者P2が接近しただけで、報知装置50及び報知装置150が作動してしまう。その結果、外部通信機器200を所持する第三者P2に不快感がもたらされる。本実施形態によれば、衣服本体10が作業者P1に着用されているときに、衣服通信装置40と外部通信機器200とが通信し、距離Dが短くなったときに報知装置50及び報知装置150から報知データが出力される。
【0181】
このように、本実施形態においても、必要なときに報知装置50及び報知装置150が作動し、不必要なときに報知装置50及び報知装置150は作動しない。そのため、作業者P1と第三者P2とが存在する作業現場において良好な作業環境が維持される。
【0182】
なお、上述の実施形態においては、衣服本体10が着用状態であると判定されたときに、通信制御部62は、衣服通信装置40に外部通信機器200との通信を開始させることとした。アダプタ70に電動工具用バッテリ80Aが装着されたと判定されたときに、通信制御部62は、衣服通信装置40に外部通信機器200との通信を開始させてもよい。アダプタ70に電動工具用バッテリ80Aが装着されたとき、アダプタ70は、電動工具用バッテリ80Aが装着されたことを示す検出信号を制御装置60に出力することができる。そのため、判定部61は、アダプタ70からの検出信号に基づいて、電動工具用バッテリ80Aがアダプタ70に装着されたか否かを判定することができる。
【0183】
なお、上述の実施形態においては、ステップS255又はステップS275において、衣服本体10が着用状態でないと判定されたときに、処理が終了することとした。アダプタ70から電動工具用バッテリ80Aが外されたと判定されたときに、処理が終了してもよい。
【0184】
第5実施形態.
第5実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一の構成要素については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。本実施形態においては、上述の第2実施形態で説明した報知システムS2の処理の変形例について説明する。
【0185】
図8を参照して説明したように、制御装置60の演算処理装置60Aは、電動工具300の状態を示す工具データを取得する工具データ取得部64を有する。本実施形態において、工具データは、電動工具300が作動している作動状態を示す工具データと、電動工具300が作動していない非作動状態を示す工具データとを含む。電動工具300の制御装置260は、電動工具300が作動しているとき、電動工具300が作動している作動状態を示す工具データを、工具通信装置240を介して衣服100に送信する。電動工具300の制御装置260は、電動工具300が作動していないとき、電動工具300が作動していない非作動状態を示す工具データを、工具通信装置240を介して衣服100に送信する。工具データ取得部64は、衣服通信装置40と工具通信装置240との通信により、電動工具300から工具データを取得することができる。
【0186】
制御装置260は、電動工具300の作動状態を制御する。本実施形態において、衣服100の制御装置60は、衣服100と外部通信機器200との距離Dを示す距離データに基づいて、電動工具300を制御する指令信号である工具信号を出力する。制御装置60から出力された工具信号は、衣服通信装置40を介して工具通信装置240に送信される。電動工具300の制御装置260は、制御装置60から出力された工具信号に基づいて、電動工具300を制御する。
【0187】
上述の実施形態と同様、距離Dが第1閾値R1よりも大きいとき、制御装置60は、報知装置50を作動させない。距離Dが第1閾値R1よりも大きいとき、電動工具300は作動可能状態である。
【0188】
上述の実施形態と同様、電動工具300が作動したときとは、電動工具300の主電源が起動したとき又は電動工具300に設けられているトリガスイッチが操作されたときをいう。電動工具300が作動可能状態において、電動工具300の主電源が起動したとき又は電動工具300に設けられているトリガスイッチが作業者P1により操作されたとき、電動工具300が作動する。
【0189】
距離Dが第1閾値R1以下であり第2閾値R2よりも大きいとき、制御装置60は、報知装置50を作動させる報知信号を出力する。また、距離Dが第1閾値R1以下であり第2閾値R2よりも大きいとき、電動工具300は作動可能状態である。第2閾値R2は、距離Dについて予め定められた値であり、記憶装置60Bの閾値記憶部66に記憶されている。第2閾値R2は、第1閾値R1よりも小さい。
【0190】
距離Dが第2閾値R2以下のとき、制御装置60は、電動工具300の作動を禁止する工具信号を出力する。電動工具300の制御装置260は、電動工具300の作動を禁止する工具信号に基づいて、電動工具300を作動禁止状態にする。電動工具300が作動禁止状態においては、電動工具300に設けられているトリガスイッチを作業者P1が操作しても、電動工具300は作動しない。
【0191】
本実施形態において、制御装置60の出力部65は、工具通信装置240との通信により取得された電動工具300の状態を示す工具データに基づいて、報知装置50を制御する報知信号を出力する。
【0192】
本実施形態において、制御装置60は、電動工具300が作動しているとき、報知装置50を作動させる。一方、制御装置60は、電動工具300が作動していないとき、報知装置50を作動させない。制御装置60は、電動工具300が作動しているとき、衣服100と外部通信機器200との距離Dを示す距離データに基づいて報知装置50を作動させる。すなわち、電動工具300が作動している状態において、距離Dが第1閾値R1以下のとき、報知装置50を作動させ、距離Dが第1閾値R1よりも大きいとき、報知装置50を作動させない。
【0193】
衣服通信装置40は、作業者P1に保持されている電動工具300が作動したときに外部通信機器200と通信する。通信制御部62は、電動工具300が作動している作動状態を示す工具データを工具通信装置240から取得したとき、衣服通信装置40を制御して、外部通信機器200との通信を開始させる。通信制御部62は、電動工具300が作動していない非作動状態を示す工具データを工具通信装置240から取得したとき、衣服通信装置40を制御して、外部通信機器200との通信を終了させる。
【0194】
図14は、本実施形態に係る衣服100の動作の一例を示すフローチャートである。衣服100において、アダプタ70に電動工具用バッテリ80Aが装着されることにより、着用検出装置20、位置検出装置30、衣服通信装置40、報知装置50、及び制御装置60のそれぞれが、電動工具用バッテリ80Aから供給された電力により起動する。着用検出装置20は、生体信号を検出する。位置検出装置30は、第1位置データを検出する。また、電動工具300の工具通信装置240は、電動工具300の状態を示す工具データを衣服100に送信する。
【0195】
判定部61は、着用検出装置20の検出データに基づいて、衣服本体10が作業者P1に着用されている着用状態か否かを判定する(ステップS310)。
【0196】
ステップS310において、衣服本体10が着用状態でないと判定されたとき(ステップS310:No)、ステップS310の処理が再度実施される。ステップS310において、衣服本体10が着用状態であると判定されたとき(ステップS310:Yes)、工具データ取得部64は、電動工具300から送信された工具データを取得する(ステップS312)。
【0197】
出力部65は、工具データ取得部64で取得された工具データに基づいて、電動工具300が作動状態か否かを判定する(ステップS314)。
【0198】
ステップS314において、電動工具300が作動状態でないと判定されたとき(ステップS314:No)、ステップS314の処理が再度実施される。ステップS314において、電動工具300が作動状態であると判定されたとき(ステップS314:Yes)、通信制御部62は、衣服通信装置40に外部通信機器200との通信を開始させる(ステップS320)。
【0199】
衣服通信装置40と外部通信装置140との通信が開始されると、距離データ取得部63は、位置検出装置30で検出された第1位置データと位置検出装置130で検出された第2位置データとを取得する(ステップS330)。
【0200】
距離データ取得部63は、取得した第1位置データ及び第2位置データに基づいて、衣服100と外部通信機器200との距離Dを算出する(ステップS340)。
【0201】
出力部65は、距離データ取得部63で算出された距離Dが第1閾値R1以下か否かを判定する(ステップS350)。
【0202】
ステップS350において、距離Dが第1閾値R1以下でないと判定されたとき(ステップS350:No)、判定部61は、着用検出装置20の検出データに基づいて、衣服本体10が着用状態か否かを判定する(ステップS355)。
【0203】
ステップS355において、衣服本体10が着用状態であると判定されたとき(ステップS355:Yes)、ステップS350の処理が再度実施される。ステップS355において、衣服本体10が非着用状態であると判定されたとき(ステップS355:No)、処理が終了する。
【0204】
ステップS350において、距離Dが第1閾値R1以下であると判定されたとき(ステップS350:Yes)、出力部65は、報知装置50を作動させるための報知信号を報知装置50に出力する。報知装置50は、取得した報知信号に基づいて、音、振動、におい、及び光のうち少なくとも一つを含む報知データを出力する(ステップS360)。
【0205】
出力部65は、距離データ取得部63で算出された距離Dが第2閾値R2以下か否かを判定する(ステップS362)。
【0206】
ステップS362において、距離Dが第2閾値R2以下でないと判定されたとき(ステップS362:No)、判定部61は、着用検出装置20の検出データに基づいて、衣服本体10が着用状態か否かを判定する(ステップS363)。
【0207】
ステップS363において、衣服本体10が着用状態であると判定されたとき(ステップS363:Yes)、ステップS62の処理が再度実施される。ステップS363において、衣服本体10が非着用状態であると判定されたとき(ステップS363:No)、処理が終了する。
【0208】
ステップS362において、距離Dが第2閾値R2以下であると判定されたとき(ステップS362:Yes)、出力部65は、電動工具300の作動を禁止するための工具信号を衣服通信装置40及び工具通信装置240を介して電動工具300に出力する。制御装置260は、電動工具300の作動を禁止する(ステップS364)。
【0209】
電動工具300の作動が禁止された後、出力部65は、距離Dが第2閾値R2よりも大きいか否かを判定する(ステップS366)。報知データが出力されることにより第三者P2が作業者P1から離れる可能性が高い。そのため、ステップS366において、距離Dが第2閾値R2よりも大きいか否かが判定される。
【0210】
ステップS366において、距離Dが第2閾値R2以下であると判定されたとき(ステップS366:No)、判定部61は、衣服本体10が着用状態か否かを判定する(ステップS367)。
【0211】
ステップS367において、衣服本体10が着用状態でないと判定されたとき(ステップS367:No)、処理が終了する。ステップS367において、衣服本体10が着用状態であると判定されたとき(ステップS367:Yes)、ステップS366の処理が再度実施される。ステップS366の処理が繰り返し実施されている期間において、電動工具300の作動は禁止され続ける。
【0212】
ステップS366において、距離Dが第2閾値R2よりも大きいと判定されたとき(ステップS366:Yes)、出力部65は、電動工具300の作動の禁止を解除するための工具信号を出力する。これにより、電動工具300は作動可能状態となる(ステップS368)。
【0213】
電動工具300の作動の禁止が解除された後、出力部65は、距離Dが第1閾値R1よりも大きいか否かを判定する(ステップS370)。
【0214】
ステップS370において、距離Dが第1閾値R1以下であると判定されたとき(ステップS370:No)、判定部61は、衣服本体10が着用状態か否かを判定する(ステップS375)。
【0215】
ステップS375において、衣服本体10が着用状態でないと判定されたとき(ステップS375:No)、処理が終了する。ステップS375において、衣服本体10が着用状態であると判定されたとき(ステップS375:Yes)、ステップS370の処理が再度実施される。ステップS370の処理が繰り返し実施されている間、報知装置50は、報知データを出力し続ける。
【0216】
ステップS370において、距離Dが第1閾値R1よりも大きいと判定されたとき(ステップS370:Yes)、出力部65は、報知装置50の作動を停止させるための報知信号を出力する。これにより、報知装置50の作動が停止され、報知装置50からの報知データの出力が停止される(ステップS380)。その後、ステップS350以降の処理が繰り返し実施される。
【0217】
なお、本実施形態においては、衣服通信装置40は、衣服本体10が作業者P1に着用され、電動工具300の作動が開始されたときに、外部通信機器200との通信を開始することとした。本実施形態において、ステップS310の処理は省略されてもよい。すなわち、衣服通信装置40は、衣服本体10が作業者P1に着用されているか否かを判定することなく、電動工具300の作動が開始されたときに、外部通信機器200との通信を開始してもよい。
【0218】
以上説明したように、本実施形態によれば、制御装置60は、距離データに基づいて電動工具300を制御する工具信号を出力する。これにより、作業者P1と第三者P2とが接近すると、電動工具300が作動禁止状態となるため、作動している電動工具300と第三者P2とが接近することが抑制される。そのため、予期せぬ事態が発生することが抑制される。また、作業者P1と第三者P2とが十分に離れている場合、電動工具300は作動可能状態である。これにより、電動工具300が不必要に作動禁止状態になることが抑制される。電動工具300が不必要に作動禁止状態にされると、作業性の低下がもたらされる。本実施形態によれば、電動工具300を保持する作業者P1と第三者P2との距離Dが短いときに電動工具300の作動を禁止し、作業者P1と第三者P2との距離Dが長いときに電動工具300の作動の禁止を解除する。作業者P1と第三者P2とが接近するとき、必要に応じて電動工具300が作動禁止状態となるので、作業性の低下を抑制しつつ、作動している電動工具300と第三者P2とが接近することが抑制される。
【0219】
また、本実施形態によれば、作業者P1に保持されている電動工具300が作動したときに、衣服通信装置40は外部通信機器200との通信を開始する。これにより、作動していない電動工具300に第三者P2が接近しても、報知装置50及び報知装置150から報知データは出力されない。電動工具300が作動していないときにも衣服通信装置40と外部通信機器200とが通信を開始してしまうと、作動していない電動工具300に第三者P2が接近しただけで、報知装置50及び報知装置150が作動してしまう。その結果、外部通信機器200を所持する第三者P2に不快感がもたらされる。本実施形態によれば、電動工具300が作動しているときに衣服通信装置40と外部通信機器200とが通信し、距離Dが短くなったときに報知装置50及び報知装置150から報知データが出力される。
【0220】
また、本実施形態によれば、電動工具300の状態を示す工具データに基づいて、報知装置50が制御される。制御装置60は、電動工具300が作動しているときに、距離データに基づいて報知装置50を作動させ、電動工具300が作動していないときに報知装置50を作動させない。例えば、電動工具300の状態が考慮されずに距離Dのみが考慮されて報知装置50が制御される場合、作動していない電動工具300を保持している作業者P1と第三者P2とが接近したときにおいても、報知装置50が不必要に作動してしまう。本実施形態においては、作動していない電動工具300を保持している作業者P1と第三者P2とが接近したときにおいては、報知装置50を作動させない。一方、作動している電動工具300を保持している作業者P1と第三者P2とが接近したときにおいては、報知装置50を作動させる。これにより、作動している電動工具300と第三者P2とが接近することを認識させることができる。
【0221】
以上のように、本実施形態においても、必要なときに報知装置50及び報知装置150を作動させることができる。そのため、作業者P1と第三者P2とが存在する作業現場において、作業性の低下及び予期せぬ事態の発生が抑制されるため、良好な作業環境を維持することができる。
【0222】
また、本実施形態においては、距離Dが第1閾値R1以下であり第2閾値R2よりも大きいときに報知装置50が作動し、電動工具300は作動可能状態である。距離Dが第2閾値R2以下のときに電動工具300の作動が禁止される。これにより、第1閾値R1に基づいて、報知装置50及び報知装置150の作動と作動停止とを制御することができる。また、第2閾値R2に基づいて、電動工具300の作動可能状態と作動禁止状態とを制御することができる。
【0223】
なお、本実施形態において、電動工具300の制御装置260は、電動工具300が作業者P1に保持されていることを示す工具データを工具通信装置240から衣服100に送信することができる。制御装置260は、例えば電動工具300のハンドルに設けられている感圧センサの検出データに基づいて、電動工具300が作業者P1に保持されているか否かを判定することができる。衣服100の通信制御部62は、電動工具300が作業者P1に保持されていることを示す工具データと、電動工具300が作動している作動状態を示す工具データとに基づいて、作業者P1に保持されている電動工具300が作動したか否かを判定することができる。通信制御部62は、作業者P1に保持されている電動工具300が作動していると判定したときに、衣服通信装置40と外部通信機器200との通信を開始させることができる。
【0224】
第6実施形態.
第6実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一の構成要素については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
【0225】
図15は、本実施形態に係る衣服100の動作の一例を示すフローチャートである。衣服100において、アダプタ70に電動工具用バッテリ80Aが装着されることにより、着用検出装置20、位置検出装置30、衣服通信装置40、報知装置50、及び制御装置60のそれぞれが、電動工具用バッテリ80Aから供給された電力により起動する。着用検出装置20は、生体信号を検出する。
【0226】
本実施形態においては、衣服本体10が作業者P1に着用されているときに電動工具300が作動可能状態となる。また、本実施形態において、衣服100には、衣服本体10が作業者P1に着用されていないときに電動工具300を作動禁止状態にする管理モードと、衣服本体10が作業者P1に着用されていなくても電動工具300を作動禁止状態にしない通常モードとを選択する操作装置が設けられている。操作装置が操作されることにより生成された操作信号は、制御装置60に出力される。
【0227】
判定部61は、操作装置からの操作信号に基づいて、管理モードが選択されたか否かを判定する(ステップS400)。
【0228】
ステップS400において、管理モードが選択されたと判定されたとき(ステップS400:Yes)、判定部61は、着用検出装置20の検出データに基づいて、衣服本体10が作業者P1に着用されている着用状態か否かを判定する(ステップS410)。
【0229】
ステップS410において、衣服本体10が着用状態でないと判定されたとき(ステップS410:No)、ステップS410の処理が再度実施される。
【0230】
ステップS410において、衣服本体10が着用状態であると判定されたとき(ステップS410:Yes)、通信制御部62は、衣服通信装置40に電動工具300に設けられている工具通信装置240との通信を開始させる(ステップS420)。
【0231】
ステップS400において、通常モードが選択されたと判定されたとき(ステップS400:No)、ステップS420の処理が開始される。
【0232】
衣服通信装置40と工具通信装置240との通信の開始後、出力部65は、電動工具300の作動を許可するための工具信号を衣服通信装置40及び工具通信装置240を介して電動工具300に出力する(ステップS430)。これにより、電動工具300は、作動可能状態となる。電動工具300が作動可能状態においてトリガスイッチが作業者P1により操作されることにより、電動工具300は作動する。
【0233】
工具データ取得部64は、電動工具300から送信された工具データを取得する(ステップS440)。
【0234】
出力部65は、工具データ取得部64で取得された工具データに基づいて、電動工具300が正常に作動しているか否かを判定する(ステップS450)。
【0235】
ステップS450において、電動工具300が正常に作動していると判定されたとき(ステップS450:Yes)、ステップS450の処理が再度実施される。ステップS450において、電動工具300が正常に作動していないと判定されたとき(ステップS450:No)、出力部65は、報知装置50を作動させるための報知信号を報知装置50に出力する。報知装置50は、取得した報知信号に基づいて、音、振動、におい、及び光のうち少なくとも一つを含む報知データを出力する(ステップS460)。
【0236】
また、電動工具300が正常に作動していないと判定されたとき、出力部65は、電動工具300の作動を禁止するための工具信号を衣服通信装置40及び工具通信装置240を介して電動工具300に出力する(ステップS470)。これにより、電動工具300は、作動禁止状態となる。電動工具300が作動禁止状態においては、トリガスイッチが作業者P1により操作されても、電動工具300は作動しない。
【0237】
電動工具300が作動禁止状態になった後、出力部65は、報知装置50の作動を停止させるための報知信号を出力する。これにより、報知装置50の作動が停止され、報知装置50からの報知データの出力が停止される(ステップS480)。
【0238】
以上説明したように、本実施形態によれば、電動工具300の作動を許可する工具信号が出力されたときだけ、電動工具300が作動可能状態となる。また、本実施形態においては、管理モードが選択された場合において、作業者P1が衣服100を着用していないとき、電動工具300は作動禁止状態となる。そのため、作業者P1と第三者P2とが存在する作業現場において、作業性の低下及び予期せぬ事態の発生が抑制されるため、良好な作業環境を維持することができる。
【0239】
第7実施形態.
第7実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一の構成要素については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
【0240】
図16は、本実施形態に係る衣服100の動作の一例を示すフローチャートである。本実施形態においては、電動工具用バッテリ80Aがアダプタ70に装着されたときに衣服通信装置40と工具通信装置240との通信が開始される。
【0241】
衣服100において、アダプタ70に電動工具用バッテリ80Aが装着されたとき、アダプタ70は、電動工具用バッテリ80Aが装着されたことを示す検出信号を制御装置60に出力する。
【0242】
判定部61は、アダプタ70からの検出信号に基づいて、電動工具用バッテリ80Aがアダプタ70に装着されたか否かを判定する。電動工具用バッテリ80Aがアダプタ70に装着されていると判定されたとき(ステップS500)、通信制御部62は、電動工具300に設けられている工具通信装置240との通信を開始させる(ステップS510)。
【0243】
電動工具用バッテリ80Aがアダプタ70に装着されることにより、着用検出装置20、位置検出装置30、衣服通信装置40、報知装置50、及び制御装置60のそれぞれが、電動工具用バッテリ80Aから供給された電力により起動する。これにより、衣服通信装置40は、外部通信機器200との通信を開始することができる。また、着用検出装置20は、生体信号を検出する。位置検出装置30は、第1位置データを検出する。
【0244】
判定部61は、着用検出装置20の検出データに基づいて、衣服本体10が作業者P1に着用されている着用状態か否かを判定する(ステップS530)。
【0245】
ステップS530において、衣服本体10が着用状態でないと判定されたとき(ステップS530:No)、出力部65は、報知装置50を作動させるための報知信号を報知装置50に出力する。報知装置50は、取得した報知信号に基づいて、音、振動、におい、及び光のうち少なくとも一つを含む報知データを出力する(ステップS540)。
【0246】
報知データが出力された後、判定部61は、着用検出装置20の検出データに基づいて、衣服本体10が作業者P1に着用されている着用状態か否かを判定する(ステップS550)。
【0247】
ステップS550において、衣服本体10が着用状態でないと判定されたとき(ステップS550:No)、ステップS540の処理が再度実施される。
【0248】
ステップS550において、衣服本体10が着用状態であると判定されたとき(ステップS550:Yes)、出力部65は、報知装置50の作動を停止させるための報知信号を出力する。これにより、報知装置50の作動が停止され、報知装置50からの報知データの出力が停止される(ステップS560)。
【0249】
工具データ取得部64は、電動工具300から送信された工具データを取得する(ステップS570)。
【0250】
出力部65は、工具データ取得部64で取得された工具データに基づいて、電動工具300が正常に作動しているか否かを判定する(ステップS580)。
【0251】
ステップS580において、電動工具300が正常に作動していると判定されたとき(ステップS580:Yes)、ステップS580の処理が再度実施される。ステップS580において、電動工具300が正常に作動していないと判定されたとき(ステップS580:No)、出力部65は、報知装置50を作動させるための報知信号を報知装置50に出力する。報知装置50は、取得した報知信号に基づいて、音、振動、におい、及び光のうち少なくとも一つを含む報知データを出力する(ステップS590)。
【0252】
電動工具300が正常に作動していないと判定され、報知データが出力されたとき、電動工具用バッテリ80Aがアダプタ70から外される(ステップS600)。これにより、衣服通信装置40と工具通信装置240との通信が終了する。また、電動工具300の作動が停止される。
【0253】
以上説明したように、本実施形態によれば、電動工具用バッテリ80Aがアダプタ70に装着されたときに衣服通信装置40と工具通信装置240との通信が開始され、電動工具用バッテリ80Aがアダプタ70から外されたときに衣服通信装置40と工具通信装置240との通信が終了する。また、電動工具用バッテリ80Aがアダプタ70に装着されているときだけ、電動工具300が作動可能状態となる。また、電動工具用バッテリ80Aがアダプタ70から外された場合、電動工具300は作動禁止状態となる。そのため、作業者P1と第三者P2とが存在する作業現場において、作業性の低下及び予期せぬ事態の発生が抑制されるため、良好な作業環境を維持することができる。
【0254】
また、本実施形態においては、作業者P1が衣服100を着用していないときに、報知装置50から報知データが出力される。これにより、作業者P1は、報知データに基づいて、衣服100を着用することを促される。
【0255】
また、本実施形態においては、電動工具300が正常に作動していないときに、報知装置50から報知データが出力される。これにより、作業者P1は、報知データに基づいて、電動工具300の使用を中止したり、電動工具300をメンテナンスしたりすることができる。
【0256】
なお、上述の実施形態において、例えば着用検出装置20に異常が生じた場合、又は位置検出装置30に異常が生じた場合、出力部65は、報知装置50を作動させるための報知信号を報知装置50に出力してもよい。
【0257】
なお、上述の実施形態においては、電動工具用バッテリ80Aがアダプタ70に装着されたときに、衣服通信装置40と工具通信装置240との通信が開始され、電動工具300が作動可能状態になることとした。また、電動工具用バッテリ80Aがアダプタ70から外されたときに、衣服通信装置40と工具通信装置240との通信が終了し、電動工具300が作動禁止状態になることとした。電動工具用バッテリ80Aからの電力が衣服本体10に設けられている電子機器に供給される供給状態と供給されない非供給状態とに切り換える切換スイッチが衣服100に設けられている場合、供給状態になるように切換スイッチが操作されたときに、衣服通信装置40と工具通信装置240との通信が開始され、電動工具300が作動可能状態になってもよい。非供給状態になるように切換スイッチが操作されたときに、衣服通信装置40と工具通信装置240との通信が終了し、電動工具300が作動禁止状態になってもよい。
【0258】
その他の実施形態.
上述の実施形態において、アダプタ70が衣服通信装置40を含んでもよい。すなわち、衣服通信装置40がアダプタ70に設けられ、アダプタ70が通信機能を有してもよい。また、着用検出装置20、位置検出装置30、報知装置50、及び制御装置60の少なくとも一つがアダプタ70に設けられてもよい。
【0259】
なお、上述の実施形態においては、距離算出用データとして、位置検出装置130によって検出された第2位置データが外部通信装置140及び衣服通信装置40を介して衣服100の制御装置60に送信され、距離データ取得部63は、第2位置データに基づいて距離Dを算出することとした。外部通信機器200が距離算出用データとして電波を発射する場合、距離データ取得部63は、受信した電波の強度に基づいて、衣服100と外部通信機器200との距離Dを示す距離データを算出してもよい。また、例えば衣服通信装置40と外部通信装置140との通信の伝送時間に基づいて、衣服100と外部通信機器200との距離Dを示す距離データが算出されてもよい。
【0260】
なお、上述の実施形態において、衣服通信装置40と外部通信装置140とは、ワイファイ(Wi-Fi)のようなローカルエリアネットワークを使って無線通信してもよいし、ブルートゥース(Bluetooth:登録商標)規格に基づいて無線通信してもよいし、ジグビー(ZigBee:登録商標)規格に基づいて無線通信してもよいし、赤外線通信してもよい。外部通信機器200は、これらの無線通信方法に基づいて通信することができる。また、画像認証により衣服通信装置40と外部通信装置140との通信が開始されてもよい。
【0261】
なお、上述の実施形態においては、生体センサを含む着用検出装置20によって、衣服本体10が作業者P1に着用されているか否かが検出されることとした。例えば衣服100にスイッチが設けられ、作業者P1が衣服100を着用したときにスイッチを操作し、そのスイッチが操作されたときに衣服通信装置40と外部通信機器200との通信が開始されてもよい。また、スイッチは作業者P1に操作されなくてもよい。例えば、衣服本体10が着用状態のときにオンになり、衣服本体10が非着用状態のときにオフになるスイッチが設けられ、そのスイッチがオンのときに衣服通信装置40が通信を開始し、スイッチがオフのときに衣服通信装置40が通信を終了してもよい。スイッチは、衣服本体10のボタン又はファスナーに設けられてもよい。ボタン又はファスナーが留められたときにスイッチがオンになり、ボタン又はファスナーが外されたときにスイッチがオフになってもよい。
【0262】
なお、上述の実施形態においては、衣服100の距離データ取得部63及び外部通信機器200の距離データ取得部163のそれぞれが、第1位置データ及び第2位置データに基づいて距離Dを示す距離データを算出することとした。外部通信機器200の距離データ取得部163は、距離データを算出せず、衣服100の距離データ取得部63で算出された距離データを衣服通信装置40及び外部通信装置140を介して取得してもよい。
【0263】
なお、上述の実施形態においては、衣服100の出力部65及び外部通信機器200の出力部165のそれぞれが、距離データに基づいて報知信号を生成して、報知装置50及び報知装置150のそれぞれに出力することとした。外部通信機器200の出力部165は、報知信号を生成せず、衣服100の出力部65から出力された報知信号を衣服通信装置40及び外部通信装置140を介して取得して、その取得した報知信号に基づいて、外部通信機器200の報知装置150を作動してもよい。
【0264】
なお、上述の実施形態において、外部通信機器200に報知装置150が設けられなくてもよい。また、外部通信機器200の外部通信装置140は、衣服100の衣服通信装置40に第2位置データを送信し、衣服100から第1位置データを受信しなくてもよい。また、衣服通信装置40は、外部通信機器200から第2位置データを受信し、第1位置データを外部通信機器200に送信しなくてもよい。
【0265】
なお、上述の実施形態において、衣服100に報知装置50が設けられなくてもよい。また、衣服100の衣服通信装置40は、外部通信機器200の外部通信装置140に第1位置データを送信し、外部通信機器200から第2位置データを受信しなくてもよい。また、衣服通信装置40は、外部通信機器200に第1位置データを送信し、第2位置データを外部通信機器200から受信しなくてもよい。
【0266】
なお、上述の実施形態においては、作業者P1と第三者P2との距離Dが短いときに報知データが出力されることとした。作業者P1と第三者P2との距離Dが長過ぎるときに報知データが出力されてもよい。作業者P1と第三者P2とが離れ過ぎても作業性が低下する可能性がある。そのため、距離Dが予め定められている閾値以上になったときに、報知装置から報知データが出力されてもよい。
【0267】
なお、上述の実施形態において、電動工具300に報知装置が設けられてもよい。上述の報知装置50及び報知装置150と同様、電動工具300に設けられる報知装置が、報知データとして、音、振動、におい、及び光の少なくとも一つを出力してもよい。電動工具300に設けられる報知装置は、音を出力するブザー、振動を出力するバイブレーション機構、においを出力する嗅覚ディスプレイ、及び光を出力する警告灯の少なくとも一つを含む。なお、電動工具300が作業領域を照明する作業領域照明装置を有する場合、作業領域照明装置が報知データとして光を出力してもよい。また、電動工具300が通電状態表示用照明装置(主電源用照明装置)を有する場合、通電状態表示用照明装置が報知データとして光を出力してもよい。通電状態表示用照明装置とは、電動工具300が作動可能状態であることを示す表示データを表示する表示装置をいう。通電状態表示用照明装置は、電動工具300のトリガスイッチが操作されることにより電動工具300が作動することを示す表示データを表示する。すなわち、電動工具300に設けられている作業領域照明装置及び通電状態表示用照明装置の少なくとも一方が、報知装置の機能を有してもよい。
【0268】
なお、上述の実施形態において、着用検出装置20で検出される生体信号が衣服通信装置40から生体信号管理装置に送信されてもよい。生体信号管理装置は、衣服100を着用して作業を実施する作業者P1の作業中の生体信号を管理する。生体信号管理装置は、例えば生体信号の急激な変化を検出することにより、作業者P1の状態に急激な変動が生じる場合を検出することができる。このような場合、生体信号管理装置は、報知信号を生成し、生成した報知信号を報知装置に出力してもよい。このように、生体信号に基づいて、作業者P1の状態が管理されてもよい。
【0269】
なお、上述の各実施形態において、作業者P1の健康状態を検出可能なセンサが衣服100に設けられてもよい。センサは、作業者P1の心拍、体温、及び発汗などを検出することによって、作業者P1の健康状態を検出する。制御装置60は、センサの検出結果に基づいて、作業者P1が健康か否かを判定し、作業者P1が健康ではないと判定したときに、報知装置50を作動させたり、電動工具300の作動を禁止したりしてもよい。
【符号の説明】
【0270】
10…衣服本体、20…着用検出装置、30…位置検出装置、40…衣服通信装置、50…報知装置、60…制御装置、60A…演算処理装置、60B…記憶装置、60C…入出力インターフェース、61…判定部、62…通信制御部、63…距離データ取得部、64…工具データ取得部、65…出力部、66…閾値記憶部、70…アダプタ、71…固定部、72…バッテリ装着部、72G…ガイド部、73…接続部、74…ケーブル、74A…端子、74B…端子、80…電動工具用バッテリ、80A…電動工具用バッテリ、80B…電動工具用バッテリ、100…衣服、130…位置検出装置、140…外部通信装置、150…報知装置、160…制御装置、160A…演算処理装置、160B…記憶装置、160C…入出力インターフェース、163…距離データ取得部、165…出力部、200…外部通信機器、240…工具通信装置、260…制御装置、300…電動工具、D…距離、P1…作業者、P2…第三者、R1…第1閾値、R2…第2閾値、R3…第3閾値、S1…報知システム、S2…報知システム。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
【手続補正書】
【提出日】2022-08-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
衣服本体と、
前記衣服本体が作業者に着用されているか否かを検出する着用検出装置と、
電動工具と通信する衣服通信装置と、
前記着用検出装置の検出データに基づいて前記電動工具を制御する工具信号を出力する制御装置と、を備える、
衣服。
【請求項2】
前記制御装置は、前記着用検出装置の検出データに基づいて、前記衣服本体が前記作業者に着用されていないと判定したときに前記電動工具の作動を禁止する、
請求項に記載の衣服。
【請求項3】
前記衣服通信装置は、外部通信機器と通信し、
前記制御装置は、前記衣服通信装置の通信状態に基づいて前記電動工具を制御する工具信号を出力する、
請求項又は請求項に記載の衣服。
【請求項4】
前記制御装置は、前記衣服通信装置の通信状態に基づいて、前記衣服通信装置が前記外部通信機器と通信できないと判定したときに前記電動工具の作動を禁止する、
請求項に記載の衣服。
【請求項5】
前記制御装置は、前記外部通信機器との通信により取得された前記外部通信機器との距離を示す距離データに基づいて前記電動工具を制御する工具信号を出力する、
請求項又は請求項に記載の衣服。
【請求項6】
前記衣服本体の位置を示す第1位置データを検出する位置検出装置を備え、
前記制御装置は、前記第1位置データと前記外部通信機器から送信された前記外部通信機器の位置を示す第2位置データとに基づいて前記外部通信機器との距離を算出する、
請求項に記載の衣服。
【請求項7】
前記距離について第1閾値と前記第1閾値よりも小さい第2閾値とが規定され、
前記制御装置は、前記距離が前記第2閾値以下のときに前記電動工具の作動を禁止し、前記距離が前記第2閾値よりも大きいときに前記電動工具の作動を許可する、
請求項又は請求項に記載の衣服。
【請求項8】
前記制御装置は、前記距離に基づいて報知装置を制御する報知信号を出力し、前記距離が前記第1閾値以下であり前記第2閾値よりも大きいときに前記報知装置を作動させる、
請求項に記載の衣服。
【請求項9】
前記距離について前記第1閾値よりも大きい第3閾値が規定され、
前記制御装置は、前記距離が前記第3閾値以下であり前記第1閾値よりも大きいときに前記報知装置を作動させずに前記電動工具の作動を許可し、前記距離が前記第3閾値よりも大きいときに前記報知装置を作動させ前記電動工具の作動を禁止する、
請求項に記載の衣服。
【請求項10】
前記衣服通信装置は、前記衣服本体が作業者に着用されたときに前記電動工具と通信し、
前記制御装置は、前記電動工具との通信の開始後に前記電動工具を制御する工具信号を出力し、前記電動工具との通信により取得された前記電動工具の状態を示す工具データに基づいて報知装置を制御する報知信号を出力する、
請求項1から請求項のいずれか一項に記載の衣服。
【請求項11】
電動工具用バッテリが装着されるアダプタを備える、
請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の衣服。
【請求項12】
請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の衣服と通信する外部通信機器と、
前記衣服からの報知信号に基づいて作動する報知装置と、を備える、
報知システム。