IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ナノトロニクス イメージング リミテッド ライアビリティ カンパニーの特許一覧

特開2022-166211ウェハおよびフォトマスクの組み合わせ検査のシステム、装置、および方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022166211
(43)【公開日】2022-11-01
(54)【発明の名称】ウェハおよびフォトマスクの組み合わせ検査のシステム、装置、および方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/683 20060101AFI20221025BHJP
   H01L 21/673 20060101ALI20221025BHJP
   H01L 21/66 20060101ALI20221025BHJP
【FI】
H01L21/68 P
H01L21/68 U
H01L21/66 J
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022130221
(22)【出願日】2022-08-17
(62)【分割の表示】P 2020543780の分割
【原出願日】2019-02-11
(31)【優先権主張番号】15/899,456
(32)【優先日】2018-02-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】511289471
【氏名又は名称】ナノトロニクス イメージング インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】NANOTRONICS IMAGING,INC.
【住所又は居所原語表記】2251 FRONT STREET,SUITE 110,P.O.BOX 306,CUYAHOGA FALLS,OHIO 44223,U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002321
【氏名又は名称】弁理士法人永井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】グリフィス,ランドルフ イー
(72)【発明者】
【氏名】アンダーセン,ジェフ
(72)【発明者】
【氏名】ポジ-ロヨーラ,スコット
(72)【発明者】
【氏名】モスキー,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】スクラントン,スティーヴ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ウェハとフォトマスクの組み合わせ検査のシステム、装置及び方法又はチャックを提供する。
【解決手段】インサートチャック200は、第1の構成にある場合にウェハの試験面が焦点距離内にあるようにウェハを支持するチャックであって、第1の構成にあるチャックに挿入される取り外し可能なインサート及びチャックが第2の構成にある場合に、フォトマスクの試験面が焦点距離内にあるようにフォトマスクを支持するのに十分な深度を有する窪みを形成し、取り外し可能なインサートが第2の構成にあるチャックに挿入されない第1の構造体を含む。
【選択図】図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自体を貫通するように形成された開口を有する本体であって、第1の支持外面及び第2の支持外面を有し、前記第2の支持外面は前記第1の支持外面より下に位置し、前記第2の支持外面はチャックが第1の構成にある場合にフォトマスクを支持するように構成されている、本体と;
前記チャックが第2の構成にある場合に前記第2の支持外面と整合するよう構成された取り外し可能なインサートであって、前記取り外し可能なインサートと前記第1の支持外面とが、前記基板を支持するように構成された第1の一体型支持外面を形成するような、厚みを有する取り外し可能なインサートと;
を含む、チャック。
【請求項2】
前記チャックが前記第1の構成にある場合に前記基板が係合し、かつ前記チャックが前記第2の構成にある場合に前記フォトマスクが係合するように構成されている少なくとも1つの真空経路を形成する構造体をさらに含む、請求項1に記載のチャック。
【請求項3】
前記取り外し可能なインサートは、前記基板の試験面が焦点距離内に位置するように前記基板を支持する構成とされている、請求項1に記載のチャック。
【請求項4】
ロボット式システムに連結されているエンドエフェクタ、
顕微鏡検査装置、
自動検査システムの1つ以上の構成要素を制御する制御部、および
試料台に連結されているチャックを含み、
前記チャックは、自体を貫通するように形成された開口を有する本体であって、第1の支持外面及び第2の支持外面を有し、前記第2の支持外面は前記第1の支持外面より下に位置し、前記第2の支持外面はチャックが第1の構成にある場合にフォトマスクを支持するように構成されている、本体と;
前記チャックが第2の構成にある場合に前記第2の支持外面と整合するよう構成された取り外し可能なインサートであって、前記取り外し可能なインサートと前記第1の支持外面とが、前記基板を支持するように構成された第1の一体型支持外面を形成するような、厚みを有する取り外し可能なインサートと;
を含む、自動検査システム。
【請求項5】
前記自動検査システムは格納されている、請求項4に記載の自動検査システム。
【請求項6】
前記エンドエフェクタは前記基板を前記自動検査システム内に自動的に装着するように構成されている、請求項4に記載の自動検査システム。
【請求項7】
前記エンドエフェクタは前記フォトマスクを前記自動検査システム内に自動的に装着するように構成されている、請求項4に記載の自動検査システム。
【請求項8】
前記取り外し可能なインサートが前記チャックに挿入されない場合に前記ロボット式システムに関連付けられた動作が停止される、請求項4に記載の自動検査システム。
【請求項9】
前記自動検査システムの点検扉が開いている場合に前記ロボット式システムに関連付けられた動作が停止される、請求項4に記載の自動検査システム。
【請求項10】
前記ロボット式システムの緊急電源遮断ボタンが起動された場合に前記ロボット式システムに関連付けられた動作が停止される、請求項4に記載の自動検査システム。
【請求項11】
前記取り外し可能なインサートは、前記チャックに前記取り外し可能なインサートを接続する1つ以上の位置決めピンを有する、請求項4に記載の自動検査システム。
【請求項12】
前記チャックは、前記チャックが前記第1の構成にある場合に前記基板が係合し、かつ前記チャックが前記第2の構成にある場合に前記フォトマスクが係合するように構成されている少なくとも1つの真空経路を形成する構造体をさらに含む、請求項4に記載の自動検査システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ウェハおよびウェハフォトマスクの組み合わせ検査の機構に関する。
【背景技術】
【0002】
ウェハおよびフォトマスク(集合的に「試料」)の不良や他の特性を検査することは半導体の製造工程を管理するために重要である。半導体の製造工程全体は数百の手順を伴うので、ウェハまたはフォトマスク表面の不良を製造工程の初期に検出することが肝要である。製造工程中に発生する不良(および他の試料特性)を検出する一助とするために、製造業者は多くの場合に自動顕微鏡検査システムを採用する。
【0003】
製造者が用いる現在の顕微鏡検査システムはウェハまたはフォトマスクの不良の分析に特化している。ウェハやフォトマスクは異なる寸法と特性を有するので、これらの異なる寸法と特性に順応するために別々の顕微鏡検査システムが用いられる。例えば、検査システムに含まれる試料台は、この試料台に取り付けられ、特定の寸法を有することでウェハまたはフォトマスクを保持するチャックを有する。フォトマスクはウェハよりも厚いので、フォトマスクとウェハの両方に既存のチャックを用いることはできない。残念ながら、別々の顕微鏡検査システムを購入および維持することは、非常にコストがかかる。
【0004】
現在のウェハ検査システムでは、同じシステムを用いてウェハとフォトマスクの両方を検査するために、異なる種類の試料をチャックに置く(例えば、ウェハからフォトマスクに、またはフォトマスクからウェハに切り替える)度に、少なくとも、検査するべき試料(例えば、ウェハまたはフォトマスク)を保持するチャックを変更しなければならない。ウェハ検査とフォトマスク検査でチャックを手動で変更するのは不都合である。なぜなら、通常はチャックを変更する際に追加の調整(例えば、目標に焦点を再度合わせる、真空接続部を再度取付ける、自動検査システムを位置合わせする、適切な安全機能を提供する)が必要とされるからである。具体的には、複数のチャックを常時切り替えると、検査システムの構成要素(チャック自体を含む)にダメージを与え、試料分析の精度を低下させ、環境汚染物質を検査システム内に入れてしまう場合がある。また、典型的には、チャックの変更には詳細な知識が必要とされ、操作者はそのような知識を持ち合わせていない場合がある。ウェハとフォトマスクを切り替える際に必要な調整や較正を減らすことで、顕微鏡検査システムに対する損傷を低減し、誤差を最小にし、かつ再現可能で品質管理された顕微鏡検査システムが可能になる。
【0005】
したがって、ウェハおよびフォトマスクの組み合わせ検査の新たな機構を提供するのが望ましい。
【発明の概要】
【0006】
ウェハおよびフォトマスクの組み合わせ検査のシステム、装置、および方法が提供される。実施形態によっては、チャックが提供される。このチャックは、チャックが第1の構成にある場合にウェハの試験面が焦点距離内にあるようにウェハを支持するように構成されている取り外し可能なインサート、およびこのチャックが第2の構成にある場合にフォトマスクの試験面が焦点距離内にあるようにフォトマスクを支持するのに十分な深度を有する窪みを形成する第1の構造体を含み、前記取り外し可能なインサートは、第1の構成にある場合にチャックに挿入され、取り外し可能なインサートは、第2の構成にある場合にチャックに挿入されない。
【0007】
実施形態によっては、自動検査システムが提供される。この自動検査システムは、ロボット式システムに連結されているエンドエフェクタ、顕微鏡検査装置、自動検査システムの1つ以上の構成要素を制御する制御部、および試料台に連結されているチャックを含み、チャックは、チャックが第1の構成にある場合にウェハの試験面が焦点距離内にあるようにウェハを支持するように構成されている取り外し可能なインサート、およびチャックが第2の構成にある場合にフォトマスクの試験面が焦点距離内にあるようにフォトマスクを支持するのに十分な深度を有する窪みを形成する第1の構造体を含み、取り外し可能なインサートは、第1の構成にある場合にチャックに挿入され、取り外し可能なインサートは、第2の構成にある場合にチャックに挿入されない。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1A】開示される発明の対象のいくつかの実施形態に従う例示的な検査システムの正面斜視図を示す。
【0009】
図1B】開示される発明の対象のいくつかの実施形態に従う例示的な検査システムの側面図を示す。
【0010】
図2A】開示される発明の対象のいくつかの実施形態に従う例示的なチャックの上面斜視図を示す。
【0011】
図2B】開示される発明の対象のいくつかの実施形態に従う例示的なチャックの底面斜視図を示す。
【0012】
図3A】開示される発明の対象のいくつかの実施形態に従う例示的なチャックの上面図を示す。
【0013】
図3B】開示される発明の対象のいくつかの実施形態に従う例示的なチャックの上面斜視図を示す。
【0014】
図4A】開示される発明の対象のいくつかの実施形態に従う、フォトマスクを保持する例示的なチャックの上面斜視図を示す。
【0015】
図4B】開示される発明の対象のいくつかの実施形態に従う、その内側にフォトマスクが置かれつつある例示的なチャックの上面斜視図を示す。
【0016】
図5】開示される発明の対象のいくつかの実施形態に従う、例えば図1Aおよび図1Bに示す検査システム内にウェハを装着する例示的な工程の流れ図を示す。
【0017】
図6】開示される発明の対象のいくつかの実施形態に従う、例えば図1Aおよび図1Bに示す検査システム内にフォトマスクを装着する例示的な工程の流れ図を示す。
【0018】
図7】開示される発明の対象のいくつかの実施形態に従う、例えば図1Aおよび図1Bに示す検査システムの連動論理則を応用する例示的な工程の流れ図を示す。
【0019】
図8A】開示される発明の対象のいくつかの実施形態に従う、インサートが挿入されたチャック、チャックとインサートに置かれているウェハ、およびそれぞれの高さ方向断面形状の例示図を示す。
【0020】
図8B】開示される発明の対象のいくつかの実施形態に従う、インサートが挿入されないチャック、チャックの窪みに置かれたフォトマスク、およびそれぞれの高さ方向断面形状の例示図を示す。
【0021】
図9】開示される発明の対象のいくつかの実施形態に従う例示的なチャックおよびインサートの上面斜視図を示す。チャックおよびインサートは、それらの内部の真空経路を示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
開示される発明の対象のいくつかの実施形態によれば、ウェハおよびフォトマスクの自動顕微鏡検査の機構(システム、方法、および装置等を含むことができる)が提供される。顕微鏡検査(「試験」と呼ばれる場合がある)は、顕微鏡を用いる試料の走査、撮像、分析、測定、および任意の他の適切な点検を指す。
【0023】
実施形態によっては、顕微鏡検査は不透明、透明、または半透明を含む単一またはいくつかの種類のウェハ材料とともに用いられてもよい。さらに、実施形態によっては、顕微鏡検査は基板、エピフィルム、パターン化・ダイシング加工されたウェハ、および(ウェハ上の)個別の装置のうちの1つまたはすべてを分析するように構成されてもよい。
【0024】
以下の記載では300mmのウェハと150mmのフォトマスクを参照するが、実施形態によっては、本明細書に記載する機構を任意の寸法のウェハおよび/またはフォトマスクを検査するのに用いてもよい。
【0025】
開示される発明の対象のいくつかの実施形態によれば、顕微鏡検査システムは2つのモード、すなわち、ウェハを検査する第1のモードとフォトマスクを検査する第2のモードで動作することができる。本明細書に記載するように、実施形態によっては、顕微鏡検査は、取り外し可能なウェハインサートがチャックに挿入される場合にウェハを検査する第1のモードで動作し、かつこの取り外し可能なウェハインサートがチャックから取り除かれる場合にフォトマスクを検査する第2のモードで動作するように構成されていてもよい。
【0026】
図1A(正面斜視図)および図1B(側面図)に、開示される発明の対象のいくつかの実施形態に従う例示的な検査システム100を示す。いくつかの実施形態に従う検査システム100の基本的構成要素は、自動顕微鏡試験装置110、プリアライナ(予備位置決め装置)130、ロボット式ウェハ処理システム140、ロードポート装置160、ならびにハードウェア、ソフトウェアおよび/またはファームウェアを含む電子機器を含む。
【0027】
実施形態によっては図1Aおよび図1Bに示すように、検査システム100の構成要素の多くはアルミニウム、鋼、プラスチック、ガラスで製造された棚式筐体、および/またはミクロクリーン(micro clean)環境を提供する任意の他の適切な材料で製造された棚式筐体内に格納されてもよい。棚式筐体は、検査システム100の内部構成要素へのアクセスを提供する1つ以上の点検扉を含んでもよい。さらに実施形態によっては、筐体内にマイクロクリーン環境を提供する空気濾過システム125を、例えば棚式筐体の上面に配置してもよい。棚式筐体は、ロボット式ウェハ処理システムおよび/または真空源を収納するために、例えば棚式筐体の底部に配置される1つ以上の保管領域を含んでもよい。棚式筐体は、検査システム100の様々な構成要素を取り付ける1つ以上の基台を含んでもよい。実施形態によっては、検査システム100は部分的または完全に開けられてもよい。実施形態によっては、開示される発明の対象のいくつかの実施形態に従って様々な棚式筐体の構成が用いられてもよい。
【0028】
図1Aおよび図1Bに示すように、検査システム100は自動顕微鏡試験装置110を含む。実施形態によっては、自動顕微鏡試験器110は接眼鏡、例えば接眼レンズおよび/またはカメラ、光源、照明器、1つ以上の対物レンズ、試料台115、および試料台115に連結されたチャック200を含む。
【0029】
自動顕微鏡試験器110は任意の適切な種類の顕微鏡を用いることができる。例えば実施形態によっては、顕微鏡は光学顕微鏡、電子顕微鏡、走査型プローブ顕微鏡、または任意の他の適切な顕微鏡であってもよい。より具体的には、自動顕微鏡試験器110は、オハイオ州カヤホガ・フォールズ市のNanotronics Imaging, Incから市販されているnSpec(登録商標)光学顕微鏡を実装していてもよい。顕微鏡試験器110は、試料(例えば、ウェハまたはフォトマスク)を検査し、その試料の選択された特性を自動的に報告するように構成されていてもよい。
【0030】
いくつかの実施形態によれば、自動顕微鏡試験器110は1つ以上の対物レンズを含んでもよい。これらの対物レンズは、異なる拡大倍率を有し、および/または明視野/暗視野顕微鏡法、原子間力顕微鏡法、微分干渉顕微鏡法、および/または任意の他の適切な形態の顕微鏡法で動作するように構成されていてもよい。実施形態によっては、試料を検査するのに用いられる対物レンズおよび/または顕微鏡法の技術は、ソフトウェア、ハードウェア、および/またはファームウェアで制御されてもよい。実施形態によっては、自動顕微鏡試験器110の構成要素の任意の適切な設定および/または調整はソフトウェア、ハードウェア、および/またはファームウェアで制御されてもよい。
【0031】
実施形態によっては、X・Y軸移動台が試料台115に用いられてもよい。X・Y軸移動台は、ステッピングモータ、サーボモータ、リニアモータ、および/または任意の他の適切な機構で駆動されてもよい。
【0032】
図1Aに示すように、実施形態によっては自動顕微鏡試験器110の試料台115とチャック200は棚式筐体の基台157の上方に配置された分離台135に取り付けられてもよい。例えば、分離台135は棚式筐体の底枠に固定されてもよい。より具体的には、実施形態によっては、分離台135は棚式筐体の底枠に分離台135を固定するエアパッド145または任意の他の適切な分離機構にボルトで固定されてもよい。エアパッド145は試験中に(例えば、検査システム100の他の構成要素のファンからの)チャック200に固定された試料への振動を低減することができる。
【0033】
実施形態によっては、延長アーム148は分離台135に取り付けられてもよい。顕微鏡試験器110の光学部に連結された電動Z軸柱147は延長アーム148に取り付けられてもよい。実施形態によっては、光学部は電動Z軸柱147表面を上下に移動するように構成されていてもよい。顕微鏡試験器110全体を棚式筐体の基台上方の分離台に取り付けることで、顕微鏡試験器110の重量を均一に分散させ、試験中に顕微鏡試験器110の振動を最小にすることができる。
【0034】
プリアライナ130は、独立型装置であってもよく、あるいはロボット式ウェハ処理システムに一体化してもよい。図1Aに示すように、実施形態によっては、プリアライナ130はボルトまたは他の適切な締結具を用いて棚式筐体の基台に取り付けられる独立型装置である。プリアライナ130を用いてウェハまたは他の適切な試料の方向を決め、かつ/あるいは芯出しすることができ、それにより試料が試験のためにチャック200に置かれる際に、試料は適切に方向付けられかつ芯出しされる。実施形態によっては、プリアライナ130は、ウェハを特定の向きで試料台に置くために標識、例えば(200mm以上のウェハ表面の)切り込みまたは(200mm未満のウェハの)平坦部を用いてウェハの方向を決めてもよい。プリアライナ130はウェハを最大で360°回転させ、標識を見つけてもよい。実施形態によっては、プリアライナ130は1回の回転でウェハの中心位置と向きを測定してもよい。
【0035】
いくつかの実施形態によれば、プリアライナ130が試料を受け取ると、プリアライナ130は真空を作動させ、芯出しおよび/または位置合わせ工程中に試料を定位置に保持するように構成されていてもよい。プリアライナは、真空が作動された後にのみ位置合わせおよび/または芯出し工程を開始するように構成されていてもよい。プリアライナがウェハの処理を完了すると、プリアライナの真空が停止するように構成されていてもよい。
【0036】
なお、実施形態によっては任意の適切なプリアライナが検査システム100とともに用いられてもよい。
【0037】
プリアライナ130は、任意の適切な寸法(例えば、50mm~300mmおよび/または任意の他の適切な寸法)のウェハを支持するように構成されていてもよい。実施形態によっては、プリアライナ130は検査システム100の他の構成要素と通信するように構成されていてもよい。実施形態によっては、プリアライナ130の通信および動作はソフトウェア、ハードウェア、および/またはファームウェアで制御されてもよい。
【0038】
実施形態によっては、検査システム100内でウェハまたは他の適切な試料を移送するロボット式ウェハ処理システムは基部筐体、モータ(図示せず)、多軸伸縮式アーム140、およびエンドエフェクタ150を含んでもよい。図1Aに示すように、ロボット式ウェハ処理システムの基部は、棚式筐体の基台157の下方の領域155内に格納されてもよい。多軸伸縮式アーム140は基台157の上方に延びてもよく、2つの端部を有してもよい。一方の端部はロボット式ウェハ処理システムの基部に連結され、他方の端部はエンドエフェクタ150に連結されてもよい。実施形態によっては、図1Aに示すようにエンドエフェクタ150は多指ハンドの形状であってもよい。実施形態によっては、異なる種類のエンドエフェクタがロボット式ウェハ処理システムとともに用いられてもよい。例えば、実施形態によっては真空圧を加えて試料をエンドエフェクタ表面の定位置に保持することができる真空エンドエフェクタが用いられてもよい。別の例として、実施形態によっては任意の適切な握り機構を用いて試料をエンドエフェクタ表面の定位置に保持する端部握り型エンドエフェクタが用いられてもよい。
【0039】
なお、実施形態によっては複数のエンドエフェクタまたはデュアルエンドエフェクタが検査システム100とともに用いられ、検査システム100内の異なる位置で2つ以上の試料を処理してもよい。
【0040】
なお、実施形態によっては任意の適切な多軸伸縮式アームおよび/またはエンドエフェクタを含む任意の適切なロボット式ウェハ処理システムが検査システム100とともに用いられてもよい。実施形態によっては、ロボット式ウェハ処理システムのエンドエフェクタ150は任意の適切な寸法のウェハ、例えば50mm~300mmの寸法のウェハを支持するように構成されていてもよい。実施形態によっては、エンドエフェクタ150はフォトマスクを支持するように構成されていてもよい。実施形態によっては、ロボット式ウェハ処理システムのすべての設定、通信、および動作がソフトウェア、ハードウェア、および/またはファームウェアで制御されてもよい。
【0041】
実施形態によっては、ロボット式ウェハ処理システムの基部内に収納されたモータが多軸伸縮式アーム140とエンドエフェクタ150の動きを制御してもよい。例えば、モータは、多軸伸縮式アーム140とエンドエフェクタ150がカセット式保管部からウェハを選択してこのウェハを検査システム100内の別の位置に移動するように駆動および制御してもよい。実施形態によっては、エンドエフェクタ150は、位置決めのためにウェハをカセット式保管部からプリアライナ130に移送し、試験のためにウェハをプリアライナ130からチャック200に移送し、ウェハの試験が完了した場合にウェハをチャック200からカセット式保管部に再び移送してもよい。
【0042】
実施形態によっては、検査システム100は保管容器と検査システム100の間でウェハおよび/または他の適切な試料を移送するロードポート装置160(図1Aおよび図1Bに示す)を含んでもよい。実施形態によっては、ロードポート装置160は検査システム100の棚式筐体の外側に取り付けられてもよい。ロードポート装置160は検査システム100の内部へのアクセスを提供するドア180を含んでもよい。実施形態によっては、このドアは検査システム100の内部へのアクセスを提供するために上下に摺動するように構成されていてもよい。ロードポート装置160はウェハ搬送容器または他の適切な試料搬送容器を保持する基台175も含んでもよい。
【0043】
実施形態によっては、正面開口一体型ポッド(FOUP)170がロードポート装置160の基台175に置かれてもよい。FOUP170は、自身をロードポート装置に固定する様々な連結板、ピン、および穴を含んでもよい。実施形態によっては、FOUP170は、清潔かつ確実にウェハを保持し、加工のためにウェハをFOUP170から顕微鏡検査システム100に移送することができるように設計されたプラスチック筐体であってもよい。FOUP170は、内部のウェハへのアクセスを提供するために開くことができる側面ドアを含んでもよい。実施形態によっては、例えばFOUP170は25枚のウェハを保持してもよい。実施形態によっては、FOUP170の側面ドアはロードポートドア180と位置合わせされ、密閉部を形成してもよい。ロードポート装置160はロードポート装置160およびFOUP170の接続されたドアを上下に引くように構成されていてもよい。ある位置(例えば、下方位置)で、FOUP170内のウェハは、検査システム100の内部で露出され、ウェハを選択するエンドエフェクタ150へのアクセスを提供してもよい。第2の位置(例えば、上方位置)で、FOUP170と検査システム100の両方が互いに密閉され、その間のアクセスを制限する。FOUP170は、ウェハがFOUP170内にある場合に検査システム100を検出して通信する複数のセンサを含んでもよい。
【0044】
実施形態によっては、エンドエフェクタ150は、FOUP170の内部をマッピングしてウェハを保管するFOUP170内の各位置を検出する1つ以上のセンサを含んでもよい。
【0045】
図1Bに、開示される発明の対象のいくつかの実施形態に従う検査システム100およびその構成要素のうちのいくつかの側面図を示す。具体的には、図1Bに検査システム100の外側に連結された緊急電源遮断スイッチ165を示す。緊急電源遮断スイッチ165を作動すると、操作者はロボット式ウェハ処理システムのすべてのロボット動作および検査システム100の任意の他の電気的動作を電気的に中断することができる。実施形態によっては、真空が残って試料に対する損傷を防止する。
【0046】
検査システム100の棚式筐体は検査システム内の各構成要素へのアクセスを提供する点検扉178も含んでもよい。点検扉178が開くと、点検扉178は、検査システム100内の任意の稼働構成要素を停止させるように設計された連動蝶番185または任意の他の適切なスイッチに連結される。実施形態によっては、検査システム100内にアクセスする任意の点検扉は、点検扉が開くと、検査システム100内の任意の稼働構成要素を停止させるように設計された切り替え機構を含んでもよい。
【0047】
実施形態によっては、検査システム100を制御する電子機器が棚式筐体の別の区画内、例えば自動顕微鏡試験器110の下方に配置されてもよい。いくつかのそのような実施形態では、検査システム100を制御する電子機器に点検扉168を用いてアクセスしてもよい。実施形態によっては、電子機器は、本明細書に記載するように検査システム100の各構成要素の動作、通信、および設定を制御する任意の適切なハードウェア、ソフトウェア、および/またはファームウェアを含んでもよい。実施形態によっては、検査システム100は動作制御、試料の処理、安全な連動、およびウェハとフォトマスクの分析を提供するソフトウェアおよび/またはハードウェアを含む。ハードウェアとしては、例えばコンピュータ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、1つ以上のEPROM、EEPROM、および他のハードウェア素子に加えて特定用途向け集積回路が挙げられる。実施形態によっては、検査システム100内の個別の構成要素は、当該個別の構成要素を制御し、検査システム100内の他の構成要素と通信する独自のソフトウェア、ファームウェア、および/またはハードウェアを含んでもよい。
【0048】
検査システム100は検査システム100の外部に連結された1つ以上の表示モニタ195も含んでもよい。これらの表示モニタ195は顕微鏡試験器110で撮像された画像を表示してもよい。電子機器を制御する入力装置(例えば、キーボード、マウス、またはジョイスティック)を配置する調整可能なスイングアーム188も検査システム100に連結され、例えば表示モニタ195の下方に配置されてもよい。
【0049】
図2A(上面図)および図2B(底面図)に、開示される発明の対象のいくつかの実施形態に従うチャック200および取り外し可能なウェハインサート205の実施形態の一般的な構成を示す。チャック200はアルミニウム、鋼、および/または任意の他の適切な材料から形成されてもよい。チャック200はフォトマスクおよびウェハの両方を別の時に支持するように設計される。実施形態によっては、チャック200は、チャックへの試料の載置、またはチャックからの試料の取り除きのために二指エンドエフェクタ150がアクセスできるようにするレリーフ域(relief area)330(図3Aおよび図3Bに示す)を有するC字形状である。チャック200は、ばねねじまたは水平調節ねじ等の標準締結具を用いて顕微鏡試験器110の試料台115の上面に取り付けられてもよい。
【0050】
実施形態によっては、ウェハを支持し、インサートをチャック200の基部から取り外すことができるように設計された取り外し可能なウェハインサート205をチャック200は含んでもよい。実施形態によっては、チャック200は、取り外し可能なウェハインサート205がチャック200に挿入される場合に第1の構成にあり、この第1の構成でチャック200を用いて検査システム100による検査のためにウェハを支持してもよい。実施形態によっては、チャック200は取り外し可能なウェハインサート205がチャック200に挿入されない場合に第2の構成にあり、この第2の構成でチャック200を用いて検査システム100による検査のためにフォトマスクを支持してもよい。
【0051】
取り外し可能なウェハインサート205は、取り外し可能なウェハインサート205を、チャック200の窪み内に配置された対応する相手部材230と位置合わせする穴227(図2Aに示す)に係合する位置決めピン210(図2Bに示す)を含んでもよい。実施形態によっては、対応する相手部材230は1つ以上の真空カップ240を含んでもよい。真空カップ240は、真空源(図示せず)に接続され、真空接点を提供し、検査システム100を用いてウェハを検査する場合に取り外し可能なウェハインサート205をチャック200に固定し、および/または検査システム100を用いてフォトマスクを検査する場合にフォトマスク(例えば、図4Aおよび4Bに示し、図4Aおよび4Bに関連して以下に記載するフォトマスク405)をチャック200に固定するように設計されてもよい。実施形態によっては、真空源は、検査システム100の筐体のすべての点検扉が閉じられるまで作動されない。なお、実施形態によっては、任意の他の適切な締結機構を用いて取り外し可能なウェハインサート205をチャック200に固定してもよい。
【0052】
取り外し可能なウェハインサート205は、連動ピン215(図2Bに示す)のような連動安全機構も含んでもよい。連動ピン215はセンサ220を起動して、チャック200上に配置され、取り外し可能なウェハインサート205がチャック200に挿入されるか、チャック200から取り外されたことを感知することができる。センサ220は、ピン215の存在を検出するいかなる適切なセンサ、例えば光学センサまたは電気機械スイッチであってもよい。センサ220の出力部は、連動センサコネクタ325(図3Aおよび図3Bに示す)を介して検査システム100の電子機器に接続され、取り外し可能なウェハインサート205がチャック200に挿入されると、特定の電気的動作(例えば、ロボット式ウェハ処理システムの電気的動作)を有効にし、取り外し可能なウェハインサート205がチャック200から取り外されると、特定の電気的動作(例えば、ロボット式ウェハ処理システムの電気的動作)を無効にするように構成されていてもよい。
【0053】
実施形態によっては、取り外し可能なウェハインサート205は、インサート205の上面がウェハ支持外面206と同じ高さでかつ平坦になるように十分厚くてもよい。図8Aにチャック200、取り外し可能なインサート205、およびウェハ805の単純な断面図を示す。図示のように、ウェハ805がインサート205および支持外面206に跨って平坦であるように、インサート205の上面は平坦で、かつウェハ支持外面206と同じ高さであってもよい。
【0054】
図8Bにチャック200およびフォトマスク405の単純な断面図を示す。図示のように、実施形態によっては、フォトマスク405の上面はウェハ支持外面206と同じ高さでかつ平坦であってもよい。したがって、そのような実施形態ではチャックの底面に対するフォトマスクの上面の高さ(h2)は、ウェハ支持外面206およびインサート205に置かれているウェハの上面(図8Aに示す)の高さ(h1)とはウェハの厚みに等しい量だけ異なっていてもよい。例えば、実施形態によってはh1およびh2は異なっているが、両方とも自動顕微鏡試験器110(図1A)の焦点距離(いかなる適切な厚み、例えば実施形態によっては1mmの厚みであってもよい)内であってもよい。
【0055】
実施形態によっては、ウェハがウェハ支持外面206およびインサート205に置かれている場合に(図8Aに示す)、チャックの底面に対するフォトマスクの上面の高さ(h2)がウェハの上面の高さ(h1)と実質的に同じになるように、フォトマスク405の上面は、ウェハ支持外面206と同じ高さで平坦でなく、ウェハ支持外面206よりも(例えば、ウェハの厚みとほぼ同じか等しい量だけ)わずかに高くなってもよい。
【0056】
実施形態によっては、取り外し可能なウェハインサート205とチャック200は、試験中にチャック200表面の様々な位置で真空圧を提供し、試料を定位置にしっかりと保持する複数の真空経路(例えば、図3Aおよび図3Bに示す真空環305および外部真空経路310)を含んでもよい。チャック200の真空構成により、試験される試料の種類に応じて任意の適切な真空圧を提供することができる。
【0057】
図3Aおよび図3Bに示すように、実施形態によっては、真空環305は取り外し可能なウェハインサート205上に配置されてもよく、外部真空経路310はウェハ支持外面206に配置されてもよい。真空は真空弁315および316を介して供給されてもよい。実施形態によっては、真空弁315および316は、取り外し可能なウェハインサート205がチャック200から取り外された場合に真空の供給と干渉しないようにチャック200の外縁に沿って配置されてもよい。真空弁315および316は(例えば、ホースを介して)真空源と連結されてもよい。真空源は、実施形態によっては検査システム100内に配置されてもよい。実施形態によっては、ウェハがチャック200に置かれた場合に真空弁315および316の両方が開けられ、真空環305および外部真空経路310の両方に真空流を提供してもよい。実施形態によっては、ウェハよりも小さい表面積を有する場合があるフォトマスクがチャック200に置かれると、真空弁316のみが開き、十分な真空支持を真空カップ240に提供することで真空支持をフォトマスクに提供してもよい。例えば、フォトマスク405(図4Aおよび4Bに示す)がチャック200に置かれても、外部真空経路310への真空供給は停止したままとしてもよい。なぜなら、フォトマスク405は真空経路310まで伸びていないからである。実施形態によっては、任意の適切な真空構成がチャック200とともに用いられてもよい。実施形態によっては、真空源はウェハおよびフォトマスクの両方に加えることができる60KPaに調節されてもよい。
【0058】
図9に真空弁315および316(図3Aおよび図3B)を真空環305、真空経路310、および真空カップ240に接続する例示的な真空経路902、904、906、908、および910の図を示す。
【0059】
チャック200は、チャックのウェハ支持外面206が同じ高さかつ平坦であることを操作者が確認するために、任意の適切な数の水平調節ねじ320Aおよび320B(例えば、3点水平調節ねじ、および/または任意の他の適切な数および/もしくは種類の水平調節ねじ)も含んでもよい。より具体的には、チャックが取り付けられる下方の構造体に対してチャックを位置決めし直すことで、ウェハ支持外面206を自動顕微鏡試験器110(図1A)の焦点距離(いかなる適切な厚み、例えば実施形態によっては1mmであってもよい)と同じ高さにするために、一式の水平調節ねじ320Aが用いられてもよい。取り外し可能なウェハインサート205がチャック200に挿入された場合に、チャックの残りの部分に対して対応する相手部材230を位置決めし直すことで、取り外し可能なウェハインサート205を同じ高さにし、あるいは高さを調節するために、別の一式の水平調節ねじ320Bが用いられてもよい。
【0060】
実施形態によっては、チャック200は異なる厚みのウェハインサートを用いて異なる寸法と厚みのウェハを支持するように設計されてもよい。インサートおよびウェハの厚みを組み合わせたときに(例えば、152000μm)、ウェハの試験面が自動顕微鏡試験器110(図1A)の焦点距離内にあるように、例えば、第1の取り外し可能なウェハインサート205は、第1のウェハの厚み(例えば、300μm)の場合に第1の厚み(例えば、151700μm:自動顕微鏡試験器110の焦点距離内のある地点に対して152000μmの深度の窪みを有するチャックとともに用いる場合)を有してもよく、第2の取り外し可能なウェハインサート205は、第2のウェハの厚み(例えば、160μm)の場合に第2の厚み(例えば、151840μm:自動顕微鏡試験器110の焦点距離内の地点に対して152000μmの深度の窪みを有するチャックとともに用いる場合)を有してもよい。
【0061】
真空経路の構成および水平調節ねじの配置などの他の特徴はウェハの寸法に基づいて適切に設計されてもよい。
【0062】
図4A(フォトマスク405が例示的なチャック200上にある場合のチャックの上面斜視図)および図4B(フォトマスク405が例示的なチャック200に置かれる前のチャックの上面斜視図)にチャック200の図を示す。取り外し可能なウェハインサート205が取り外されることで、フォトマスク405をチャック200に置くことができる。図示のように、チャック200は4つの隅棚415を含んでもよい。隅棚415は、図8Aおよび図8Bに関連して上記したように、フォトマスクがチャック上に位置決めされる場合に、ウェハと同じ顕微鏡検査焦点距離(いかなる適切な厚み、例えば実施形態によっては1mmであってもよい)内にフォトマスク405の表面を配置するためにチャック(実施形態によっては、フォトマスク405の厚みと少なくとも同じ厚みであってもよい)に窪みを形成する。チャック200は、フォトマスク405をチャック200に置く、またはフォトマスク405をチャック200から取り除く第1および第2の交換用領域410も含んでもよい。実施形態によっては、ウェハの表面とフォトマスクの表面を同じ焦点距離(いかなる適切な厚み、実施形態によっては1mmであってもよい)に保持することで、ウェハの検査とフォトマスクの検査を切り替える場合に顕微鏡試験器110の焦点を変える必要がなくなる。
【0063】
図4Bに示すように、実施形態によっては、真空カップ240(図2Aに関連して上記した)は、フォトマスク405に真空界面を提供し、検査中にフォトマスクをしっかりと定位置に保持することができる。図4Bには隅棚415も示す。隅棚415はフォトマスク405に支持を提供するように設計されている。
【0064】
さらに図1~4を参照しつつ図5に、開示される発明の対象のいくつかの実施形態に従う、検査システム100のウェハ装着処理500を示す。ウェハ装着処理500では検査システム100を用いてもよい。
【0065】
工程510で、FOUP170がロードポート装置160に置かれ、その結果、FOUP170およびロードポートドア180のドアが密閉可能に一緒に固定されてもよい。FOUP170およびロードポートドア180は一緒に押し下げられ、FOUP170内のウェハを検査システム100の内部で露出し、ウェハを選択するエンドエフェクタ150へのアクセスを提供してもよい。
【0066】
工程520で、ロボット式エンドエフェクタ150はFOUPをマッピングして何枚のウェハがFOUP内にあり、これらのウェハがどこに配置されているかを判定してもよい。実施形態によっては、ロボット式エンドエフェクタ150は、ロボット式エンドエフェクタ150に関連付けられた任意の適切なセンサを用いてFOUPをマッピングしてもよい。次に、エンドエフェクタ150はFOUP170からウェハを取り出し、このウェハをプリアライナ130に移送してもよい。実施形態によっては、ウェハを取り出し、当該ウェハをエンドエフェクタ150上に保持する際、またはその後に真空が作動されてもよく、ウェハがプリアライナ130に移送された後に真空が停止されてもよい。
【0067】
工程530で、プリアライナ130は(例えば、切り込みまたは平坦部を用いて)ウェハを芯出しし、および/または方向付けてもよい。実施形態によっては、任意のウェハの芯出しおよび/または位置決め手順の開始前のウェハの受け取り時またはその後に、プリアライナ130は真空を作動させ、ウェハの芯出しおよび/または位置決め手順の完了時またはその後に真空を停止させてもよい。
【0068】
工程540で、エンドエフェクタ150は、自動顕微鏡試験器110による検査のためにプリアライナ130からウェハを取り出し、このウェハをチャック200に置いてもよい。ウェハがチャック200に置かれる際またはその後に、チャック200への真空圧が作動されてもよい。
【0069】
工程550で、処理500は任意の適切な技術または複数の技術の組み合わせを用いてウェハに顕微鏡検査を実行してもよい。例えば図1Aおよび図1Bに関連して上記したように、処理500で任意の適切な種類の顕微鏡(例えば、光学顕微鏡、走査型電子顕微鏡、走査型プローブ顕微鏡、および/または任意の他の適切な種類の顕微鏡)を含む自動顕微鏡試験器を用いてウェハの検査中に任意の適切な情報を取得してもよい。
【0070】
工程560で、ウェハの検査が完了する際またはその後に、真空圧が停止し、エンドエフェクタ150はウェハをチャック200から取り出し、このウェハをFOUP170に戻してもよい。
【0071】
実施形態によっては、すべてのウェハが検査されると、ロードポートドア180およびFOUP170が一緒に押し上げられ、FOUP170と検査システム100の間のアクセスを封じてもよい。実施形態によっては、ウェハがエンドエフェクタ150上にある場合に真空圧が加えられてもよく、ウェハが検査システム100の別の構成要素に移送される場合にエンドエフェクタに対する真空は停止してもよい。
【0072】
なお、実施形態によっては、FOUP170を用いずにウェハを手動で検査システム100に装着し、チャック200上に直接置いてもよい。
【0073】
なお、実施形態によっては、取り外し可能なウェハインサート205(図2Aおよび図2Bに示し、これらに関連して上記した)がチャック200に挿入されたとの判定に応じて処理500が実行されてもよい。例えば、実施形態によっては、図2Aおよび図2Bに関連した上記したように、取り外し可能なウェハインサート205の連動ピン215によりチャック200のセンサ220が起動されたとの判定に応じて処理500が実行されてもよい。
【0074】
さらに図1~4を参照しつつ図6に、開示される発明の対象のいくつかの実施形態に従う、検査システム100のフォトマスク装着処理600を示す。フォトマスク装着処理600では検査システム100を用いてもよい
【0075】
工程610で、(図2に示したように)点検扉178を開けてもよい。実施形態によっては、この点検扉を任意の適切な方法で開けてもよい。実施形態によっては、この点検扉を例えば操作者が手動でまたはアクチュエータにより自動で開けてもよい。
【0076】
工程620で、実施形態によっては、点検扉178の開放の検出に応じて連動蝶番185を起動してもよい。いくつかのそのような実施形態では、処理600でエンドエフェクタ150を含む検査システム100内の任意の稼働構成要素を停止させてもよい。
【0077】
工程630で、取り外し可能なウェハインサート205(図2に示す)を取り外し、フォトマスクをチャック200の窪みに置いてもよい。インサート205を任意の適切な方法、例えば操作者が手動でまたは自動機構を用いて取り外してもよい。フォトマスクを任意の適切な方法、例えば操作者が手動でまたは自動機構を用いてチャック200の窪みに置いてもよい。
【0078】
工程640で、顕微鏡試験器110はフォトマスクを検査することができる。実施形態によっては、顕微鏡試験器110はフォトマスクを検査するのに任意の適切なパラメータと技術を用いてもよい。例えば、実施形態によっては、顕微鏡試験器110は図5に関連して上記したようにウェハを検査するのに用いられたものと同じか異なる焦点および対物レンズを用いてもよい。別の例として、実施形態によっては、顕微鏡試験器110はウェハを検査するのに用いられる技術とは異なる顕微鏡技術(例えば、原子間力顕微鏡法を用いる)を用いてもよい。
【0079】
工程650で、フォトマスクの検査後にフォトマスクをチャック200から取り除き、取り外し可能なウェハインサート205をチャック200に挿入することができる。フォトマスクを任意の適切な方法、例えば操作者が手動でまたは自動機構を用いてチャック200から取り除いてもよい。インサート205を任意の適切な方法、例えば操作者が手動でまたは自動機構を用いて挿入してもよい。
【0080】
工程660で、取り外し可能なウェハインサート205をチャック200に挿入する際またはその後に点検扉178を閉じてもよい。点検扉178を任意の適切な方法、例えば操作者が手動でまたは自動機構を用いて閉じてもよい。
【0081】
工程670で、図5に関連して上記したように検査システム100のロボット式ウェハ処理システムを有効にしてもよい。
【0082】
なお、実施形態によっては、処理600を、取り外し可能なウェハインサート205(図2Aおよび図2Bに示し、これらに関連して上記した)がチャック200に挿入されていないとの判定に応じて実行してもよい。例えば、実施形態によっては、処理600を、図2Aおよび2Bに関連して上記したように、取り外し可能なウェハインサート205の連動ピン215がセンサ220を起動しなかったとの判定に応じて実行してもよい。
【0083】
なお、実施形態によっては、ウェハを検査システム100内に自動的に装着するのに用いられる技術と同様に、フォトマスクも検査システム内に自動的に装着してもよい。例えば、実施形態によっては、特別に設計されたフォトマスク保管容器をロードポート装置160上に装着してもよい。フォトマスク保管容器の前面カバーとロードポートドア180を押し下げることでフォトマスク保管容器内のフォトマスクを検査システム100の内部で露出させてもよい。フォトマスク保管容器および/またはエンドエフェクタ150は、フォトマスクの存在を感知し、かつ検査システム100の制御システムと通信してフォトマスク検査に適した動作を実行するように設計されてもよい。フォトマスク保管容器は、取り外し可能なウェハインサート205を保管する指定区域を含むように設計されてもよい。任意のフォトマスクが検査システム100内に装着される前に、エンドエフェクタ150は取り外し可能なウェハインサート205をチャック200から取り外し、ウェハインサート205をフォトマスク保管容器内の指定区域に置くように構成されていてもよい。取り外し可能なウェハインサート205を取り外したら、エンドエフェクタ150はフォトマスクをフォトマスク保管容器から選択し、顕微鏡試験器110による検査および/または撮像のためにそのフォトマスクをチャック200に移送してもよい。フォトマスクの検査後、エンドエフェクタ150はフォトマスクをチャック200から取り出し、このフォトマスクをフォトマスク保管容器に戻してもよい。すべてのフォトマスクが検査されると、エンドエフェクタ150は取り外し可能なウェハインサート205を選択し、再びチャック200に置いてもよい。
【0084】
図1~4を参照しつつ図7に、開示される発明の対象のいくつかの実施形態に従う、検査システム、例えば検査システム100の安全機能を連動させる例示的な論理則700を示す。
【0085】
図7に示すように、いくつかの実施形態によれば検査システムは、ロボット式ウェハ処理システム、例えば図5に示し、これに関連して上記したロボット式ウェハ処理システムを停止または起動するべきかを判定する3つの連動機構を含んでもよい。
【0086】
実施形態によっては、緊急電源遮断ボタンが起動された(工程710)、格納型検査システム100への点検扉が閉じられていない(工程720)、またはウェハインサートがチャック200内に存在しない(工程730)との判定に応じて工程740でロボット式ウェハ処理システムを無効にしてもよい。なお、実施形態によっては、緊急電源遮断ボタンが起動されたこと、点検扉が閉じられていないこと、および/または取り外し可能なウェハインサートがチャック200内にないことのうちのいずれか1つにより工程740で検査システム100内のロボット式ウェハ処理システムおよび/または可動構成要素のすべてのロボット動作を無効にしてもよい。
【0087】
逆に、実施形態によっては、緊急電源遮断ボタンが起動されなかった(工程750)、検査システム100への点検扉178が閉じられている(工程760)、および取り外し可能なウェハインサート205がチャック200内に挿入されている(工程770)という条件が満たされているとの判定に応じて工程780でロボット式ウェハ処理システムのロボット動作を有効にしてもよい。
【0088】
処理500、600、および/または700の特定部分の実行時間は、様々に分割されてもよく、分割がなくても、または異なる分割であっても本発明に開示される発明の範囲内である。なお、実施形態によっては、処理500、600、および/または700のブロックは任意の適切な時に実行されてもよい。当然のことであるが、実施形態によっては本明細書に記載する処理500、600、および/または700のうちの少なくともいくつかの部分は、図5図6、および図7に示され、これらに関連して記載された順序に限定されないいずれの順序で実行されてもよい。また、実施形態によっては、本明細書に記載する処理500、600、および/または700のうちのいくつかの部分は、必要に応じて実質的に同時に、または平行して実行されてもよい。これに加えてあるいはこれに代えて、実施形態によっては処理500、600、および/または700のいくつかの部分は省略されてもよい。
【0089】
処理500、600、および/または700のうちのいずれか1つ以上は、任意の適切なハードウェアおよび/またはソフトウェア、例えば1つ以上の消去可能プログラム可能読み出し専用メモリ、電気的消去可能読み出し専用メモリ、プログラム可能論理回路、特定用途向け集積回路、または任意の他のハードウェアもしくはファームウェア素子に実装されてもよい。
【0090】
自動顕微鏡検査システム、および単一のシステムにウェハとフォトマスクの試験を統合する方法を、これらの図示した実施形態を具体的に参照して詳細に記載した。しかし、様々な変形および変更を上述の明細書に記載した本開示の趣旨および範囲内で行うことができることが明らかであり、そのような変形および変更は本開示の均等物および一部とみなされるべきである。本発明の範囲は、以下の請求の範囲のみにより限定される。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9