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特開2022-166217レボドパ及びカルビドパ腸管ゲル、並びに使用方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022166217
(43)【公開日】2022-11-01
(54)【発明の名称】レボドパ及びカルビドパ腸管ゲル、並びに使用方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/198 20060101AFI20221025BHJP
   A61P 25/16 20060101ALI20221025BHJP
   A61K 9/10 20060101ALI20221025BHJP
   A61K 47/32 20060101ALI20221025BHJP
   A61K 47/34 20170101ALI20221025BHJP
   A61K 47/38 20060101ALI20221025BHJP
   A61K 47/36 20060101ALI20221025BHJP
   A61K 47/02 20060101ALI20221025BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20221025BHJP
【FI】
A61K31/198
A61P25/16
A61K9/10
A61K47/32
A61K47/34
A61K47/38
A61K47/36
A61K47/02
A61P43/00 121
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022130386
(22)【出願日】2022-08-18
(62)【分割の表示】P 2019502047の分割
【原出願日】2017-07-20
(31)【優先権主張番号】62/364,770
(32)【優先日】2016-07-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】512212195
【氏名又は名称】アッヴィ・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンドル・ディーク
(72)【発明者】
【氏名】イエ・ホワン
(72)【発明者】
【氏名】ジョン・エム・リパリ
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー・ラグルズ
(72)【発明者】
【氏名】スィン・ユイ・トゥン
(57)【要約】      (修正有)
【課題】パーキンソン病のような運動障害を有効に処置するために、脳内の連続的及び一貫したドーパミンレベルを提供することができる改善された製剤及び方法を提供する。
【解決手段】本開示は、(a)レボドパ活性薬剤及びカルビドパ活性薬剤を含む医薬組成物、並びに(b)その医薬組成物を、パーキンソン病を有する対象に投与することを含む、パーキンソン病及びそれに伴う状態を処置する方法を提供する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)全組成物の約4.0w/w%の量のレボドパ活性薬剤、
(b)全組成物の約1.0w/w%の量のカルビドパ活性薬剤、
(c)全組成物の約0.1w/w%~約5w/w%の量のポリマーベースの懸濁化剤、及び
(d)液体ビヒクル
を含む、十二指腸内投与のための医薬組成物であって、
(i)液体ビヒクルが、水、ポリエチレングリコール、又は水及びポリエチレングリコールの混合物であり、
(ii)医薬組成物の判定値が、レボドパ活性薬剤に関して15又はそれ未満であり、カルビドパ活性薬剤に関して15又はそれ未満であり、
(iii)医薬組成物の降伏値が、少なくとも約0.3Paであり、
判定値及び降伏値が、医薬組成物を、約25℃の温度及び約60%の相対湿度に少なくとも約8週間の期間にわたって曝露した後に測定される、医薬組成物。
【請求項2】
判定値及び降伏値が、医薬組成物を、約25℃の温度及び約60%の相対湿度に少なくとも約15週間の期間にわたって曝露した後に測定される、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
ポリマーベースの懸濁化剤が、アクリル酸ベースのポリマーである、請求項1又は2に記載の医薬組成物。
【請求項4】
ポリマーベースの懸濁化剤が、カルボマーである、請求項1~3のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項5】
ポリマーベースの懸濁化剤が、Carbopol(登録商標)971P又はCarbopol(登録商標)974Pである、請求項1~4のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項6】
全組成物の約0.1w/w%~約0.3w/w%の量のポリマーベースの懸濁化剤を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項7】
ポリマーベースの懸濁化剤が、親水コロイドポリマーである、請求項1又は2に記載の医薬組成物。
【請求項8】
ポリマーベースの懸濁化剤が、ローカストビーンガム、グアーガム、メチルセルロース、微結晶性セルロースを伴うカルボキシメチルセルロースナトリウム、キサンタンガム及びトラガカントガムからなる群から選択される、請求項1又は7に記載の医薬組成物。
【請求項9】
ポリマーベースの懸濁化剤が、ローカストビーンガム、グアーガム、キサンタンガム及びトラガカントガムからなる群から選択される、請求項1、7又は8のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項10】
ポリマーベースの懸濁化剤が、メチルセルロース及び微結晶性セルロースを伴うカルボキシメチルセルロースナトリウムからなる群から選択される、請求項1、7又は8のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項11】
全組成物の約1w/w%~約5w/w%の量のポリマーベースの懸濁化剤を含む、請求項1又は7~10のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項12】
液体ビヒクルが、水及びポリエチレングリコールの混合物である、請求項1~11のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項13】
液体ビヒクルが、水である、請求項1~11のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項14】
(a)全組成物の約4.0w/w%の量のレボドパ、
(b)全組成物の約1.0w/w%の量のカルビドパ一水和物、
(c)全組成物の約0.1w/w%~約0.2w/w%の量のCarbopol(登録商標)971P又はCarbopol(登録商標)974P、及び
(d)水
を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項15】
(a)全組成物の約4.0w/w%の量のレボドパ、
(b)全組成物の約1.0w/w%の量のカルビドパ一水和物、
(c)全組成物の約0.1w/w%~約0.2w/w%の量のCarbopol(登録商標)971P又はCarbopol(登録商標)974P、
(d)中和剤、及び
(e)水
から本質的になる、請求項14に記載の医薬組成物。
【請求項16】
(a)全組成物の約4.0w/w%の量のレボドパ、
(b)全組成物の約1.0w/w%の量のカルビドパ一水和物、
(c)全組成物の約0.1w/w%~約0.2w/w%の量のCarbopol(登録商標)971P又はCarbopol(登録商標)974P、
(d)約0.01w/w%~約0.3w/w%の量の水酸化ナトリウム、及び
(e)水
からなる、請求項15に記載の医薬組成物。
【請求項17】
少なくとも約0.34Paの降伏値を有する、請求項1~16のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項18】
少なくとも約0.6Paの降伏値を有する、請求項17に記載の医薬組成物。
【請求項19】
少なくとも約0.9Paの降伏値を有する、請求項18に記載の医薬組成物。
【請求項20】
少なくとも約1.1Paの降伏値を有する、請求項19に記載の医薬組成物。
【請求項21】
全組成物の約0.01w/w%~約0.5w/w%の量の中和剤をさらに含む、請求項1~15又は17~20のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項22】
中和剤が、水酸化ナトリウムである、請求項21に記載の医薬組成物。
【請求項23】
レボドパ活性薬剤が、≦100μmのメジアン粒径分布(D50)を有する、請求項1~22のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項24】
レボドパ活性薬剤が、≦37μmのメジアン粒径分布(D50)を有する、請求項23に記載の医薬組成物。
【請求項25】
レボドパ活性薬剤が、≦5μmのメジアン粒径分布(D50)を有する、請求項24に記載の医薬組成物。
【請求項26】
カルビドパ活性薬剤が、≦20μmのメジアン粒径分布(D50)を有する、請求項1~25のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項27】
カルビドパ活性薬剤が、約≦10μmのメジアン粒径分布(D50)を有する、請求項26に記載の医薬組成物。
【請求項28】
カルビドパ活性薬剤が、≦3μmのメジアン粒径分布(D50)を有する、請求項27に記載の医薬組成物。
【請求項29】
医薬組成物中の不純物の量が、約20~25℃の温度及び約60%の相対湿度で少なくとも15週間の期間にわたって維持された場合、組成物の総重量の約5.8w/w%未満の量にある、請求項1~28のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項30】
酸素バリアとして作用する第1又は第2の容器内に存在する、請求項1~29のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項31】
酸素不透過性のエンクロージャが配置された使い捨て薬物リザーバー内に、請求項1~29のいずれか一項に記載の医薬組成物を含む医薬剤形であって、酸素不透過性のエンクロージャが不活性ガスでパージされ、脱酸素剤が添加された、医薬剤形。
【請求項32】
組成物を、治療上有効な方式で送達することができる連続的な注入ポンプにおいて使用するのに適している、請求項31に記載の医薬剤形。
【請求項33】
十二指腸内投与のためのレボドパ活性薬剤及びカルビドパ活性薬剤を含む医薬組成物を調製する方法であって、
(i)医薬組成物が、レボドパ活性薬剤に関して15又はそれ未満であり、カルビドパ活性薬剤に関して15又はそれ未満である医薬組成物の判定値を有し、
(ii)医薬組成物が、少なくとも約0.3Paの降伏値を有し、
判定値及び降伏値が、医薬組成物を、約25℃の温度及び約60%の相対湿度に少なくとも約8週間の期間にわたって曝露した後に測定され、
アクリル酸ベースのポリマー懸濁化剤を水に添加して、分散液を形成すること、
分散液に中和剤を添加して、pHを約6.5にして媒体を形成すること、
レボドパ活性薬剤及びカルビドパ活性薬剤を水に添加して、スラリーを形成すること、並びに
スラリーを媒体に添加して、医薬組成物を形成すること
を含む、方法。
【請求項34】
アクリル酸ベースのポリマー懸濁化剤が、カルボマーである、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
アクリル酸ベースのポリマー懸濁化剤が、Carbopol(登録商標)971P又はCarbopol(登録商標)974Pである、請求項33に記載の医薬組成物。
【請求項36】
中和剤が、水酸化ナトリウムである、請求項33~35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
十二指腸内投与のためのレボドパ活性薬剤及びカルビドパ活性薬剤を含む医薬組成物を調製する方法であって、
(i)医薬組成物が、レボドパ活性薬剤に関して15又はそれ未満であり、カルビドパ活性薬剤に関して15又はそれ未満である医薬組成物の判定値を有し、
(ii)医薬組成物が、少なくとも約0.3Paの降伏値を有し、
判定値及び降伏値が、医薬組成物を、約25℃の温度及び約60%の相対湿度に少なくとも約8週間の期間にわたって曝露した後に測定され、
親水コロイドポリマー懸濁化剤を水に添加して、分散液を形成すること、
レボドパ活性薬剤及びカルビドパ活性薬剤を水に添加して、スラリーを形成すること、並びに
スラリーを媒体に添加して、医薬組成物を形成すること
を含む、方法。
【請求項38】
ポリマーベースの懸濁化剤が、ローカストビーンガム、グアーガム、微結晶性セルロースを伴うカルボキシメチルセルロースナトリウム、キサンタンガム及びトラガカントガムからなる群から選択される、請求項37に記載の医薬組成物。
【請求項39】
医薬組成物をNスパージに付すことをさらに含む、請求項33~38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
医薬組成物を、酸素透過性がより低い容器に搭載することをさらに含む、請求項33~39のいずれか一項に記載の方法。
【請求項41】
必要とする患者のパーキンソン病を処置する方法であって、患者に、治療有効量の請求項1~30のいずれか一項に記載の医薬組成物を投与することを含む、方法。
【請求項42】
約40mg/mLのレボドパ活性薬剤及び約10mg/mLのカルビドパ活性薬剤を含む、請求項31又は32に記載の医薬剤形。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、(a)レボドパ活性薬剤及びカルビドパ活性薬剤を含む医薬組成物、並びに(b)パーキンソン病を有する対象に医薬組成物を投与することを含む、パーキンソン病及びそれに伴う状態を処置する方法を提供する。
【背景技術】
【0002】
パーキンソン病は、神経伝達物質ドーパミン(すなわち、3,4-ジヒドロキシフェネチルアミン)の脳内レベルが低いことによって特徴付けられる、慢性及び進行性の神経変性状態である。レボドパ(又はL-ドーパ)の投与は、現在、パーキンソン病を有する患者を処置するのに最も有効な治療である。L-ドーパは、ドーパミンとは異なり、血液脳関門を通過することができ、脳内でドーパミンに酵素的に変換されて、ドーパミンレベルを上昇させる。
【0003】
【化1】
【0004】
L-ドーパからドーパミンへの変換は、L-ドーパからドーパミンへの中枢並びに末梢の代謝を促進する遍在性酵素である芳香族L-アミノ酸デカルボキシラーゼによって触媒される。相対的に多用量のL-ドーパが、脳内で治療上有効なドーパミンレベルを達成するのに必要とされる。このような多用量のL-ドーパの投与は、末梢ドーパミンレベルを上昇させ、一部の患者に嘔吐を引き起こすおそれがある。これらの問題を克服するために、L-ドーパは、一般に、カルビドパ(すなわち、(2S)-3-(3,4-ジヒドロキシ-フェニル)-2-ヒドラジノ-2-メチルプロパン酸)のような末梢性芳香族L-アミノ酸デカルボキシラーゼ阻害剤と併用投与される。
【0005】
【化2】
カルビドパをL-ドーパと併用投与すると、L-ドーパからドーパミンへの末梢代謝が阻害され、それによって、治療上有効な応答に必要とされるL-ドーパ用量が著しく抑えられ、関連する副作用が低減する。
【0006】
しかし、L-ドーパ及びカルビドパが併用投与される場合でも、血漿内のL-ドーパの半減期が相対的に短いことに起因して、脳内の望ましいドーパミンレベルを常に維持することは困難である。さらに、疾患が進行すると、脳内のドーパミンレベルの変動性に対する多くの患者の耐性が低下する。ドーパミンレベルの変動性を低減するのに有効とされている一手法は、調整可能な用量の、商品名DuoDopa(登録商標)で知られるL-ドーパ/カルビドパゲルを連続的に腸管送達するものである。DuoDopa(登録商標)は、L-ドーパ/カルビドパ一水和物(L-ドーパ対カルビドパ一水和物は4:1の比)の水性ゲル中懸濁液である。ゲルは、経皮的な内視鏡による胃瘻造設ポートを介して挿入された空腸チューブを通して、近位小腸に送達される。DuoDopa(登録商標)は、使い捨て薬物リザーバー(「DDR」)にパッケージされ、ソフトウェア制御型の携帯式注入ポンプを介して連続投与される。L-ドーパ及びカルビドパは、パーキンソン病を処置するために数十年にわたって併用投与されているが、室温における保存に適した医薬ゲル組成物は、現在、商業的に利用可能ではない。
【0007】
DuoDopa(登録商標)L-ドーパ/カルビドパ腸管ゲルの現在の組成物は、連続的な腸管投与のためのゲルである。長期間投与のために、ゲルは、経皮的な内視鏡による胃瘻造設チューブを介して、腸内/空腸チューブを用いて、十二指腸又は上部空腸に、携帯式ポンプを用いて直接的に投与される。Duodopa(登録商標)各1mlは、20mgのレボドパ及び5mgのカルビドパ一水和物を含有する。DuoDopa(登録商標)は、現在商業的に成功しているにもかかわらず、この製品は、(1)保存及び投与中に薬物粒子が沈降する危険性があり、(2)カルビドパが化学的に不安定になり、それによってヒドラジンを形成することを含め、製品の調製に制限がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、パーキンソン病のような運動障害を有効に処置するために、脳内の連続的及び一貫したドーパミンレベルを提供することができる改善された製剤及び方法が、引き続き必要とされている。本開示は、このような改善された製剤及び方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(発明の要旨)
一態様では、本開示は、十二指腸内投与のためのレボドパ活性薬剤及びカルビドパ活性薬剤を含む医薬組成物であって、レボドパ活性薬剤及びカルビドパ活性薬剤が、1つ以上のポリマーベースの懸濁化剤、例えばカルボマーに懸濁され、医薬組成物が、少なくとも約0.3パスカル(Pa)の降伏値(yield value)及び≦15の判定値(acceptance value)を有する、医薬組成物を提供する。レボドパ活性薬剤は、組成物の約4重量/重量パーセント(w/w%)の量で提供することができ、カルビドパ活性薬剤(例えば、カルビドパ一水和物)は、組成物の約1重量/重量パーセントの量で提供することができる。本開示の医薬組成物は、1つ以上の保存条件下で、例えば5℃、室温(例えば、約20℃~約25℃)及び約60%の相対湿度(RH)において、又は約40℃及び約75%のRHにおいて、少なくとも約8週間、少なくとも約15週間、少なくとも約26週間又は少なくとも約60週間にわたって物理的安定性を提供する降伏値を有する。
【0010】
別の態様では、本開示は、十二指腸内投与のためのレボドパ活性薬剤及びカルビドパ活性薬剤を含む医薬組成物であって、レボドパ活性薬剤及びカルビドパ活性薬剤が、1つ以上のポリマーベースの懸濁化剤に懸濁され、医薬組成物が、少なくとも約1.1パスカル(Pa)の降伏値を有する、医薬組成物を提供する。レボドパ活性薬剤は、組成物の約4重量/重量パーセント(w/w%)の量で提供することができ、カルビドパ活性薬剤(例えば、カルビドパ一水和物)は、組成物の約1重量/重量パーセントの量で提供することができる。医薬組成物は、室温(例えば、約20℃~約25℃)において、少なくとも約15週間にわたって物理的安定性を有するのに適した望ましい降伏値を有する。
【0011】
別の態様では、本開示は、十二指腸内投与のためのレボドパ活性薬剤及びカルビドパ活性薬剤を含む医薬組成物であって、レボドパ活性薬剤が、組成物の約4重量/重量パーセント(w/w%)の量で提供され、カルビドパ(例えば、カルビドパ一水和物)が、組成物の約1重量/重量パーセントの量で提供され、レボドパ及びカルビドパが、水性担体に懸濁され、個々の使い捨て薬物リザーバー(「DDR」)内で保存される、医薬組成物を提供する。医薬組成物を収容するDDRは、ホイルパウチのような完全な酸素バリアとして作用する材料によって被覆される。このパッケージングによって、医薬組成物は、室温(例えば、約20℃~約25℃)において、少なくとも約15週間にわたって化学的安定性を有するのに適したものとすることを確実にする。
【0012】
別の態様では、本開示は、必要とする患者のパーキンソン病を処置する方法であって、患者に、十二指腸内投与のためのレボドパ活性薬剤及びカルビドパ活性薬剤を含む医薬組成物を投与することを含み、レボドパ活性薬剤及びカルビドパ活性薬剤が、1つ以上のポリマーベースの懸濁化剤に懸濁され、医薬組成物が、少なくとも約4Paの降伏値を有する、方法を提供する。レボドパ薬剤は、組成物の約4重量/重量パーセント(w/w%)の量で提供することができ、カルビドパ活性薬剤(例えば、カルビドパ一水和物)は、組成物の約1重量/重量パーセントの量で提供することができる。医薬組成物は、室温(例えば、約20℃~約25℃)において、少なくとも約15週間にわたって物理的安定性を有するのに適した望ましい降伏値を有する。
【0013】
別の態様では、本開示は、例えば以下の実施例1及び図1に開示される通り、本開示の医薬組成物、特に高濃度の医薬組成物を製造する方法に関する。
【0014】
本開示のこれらの実施形態及び追加の実施形態は、本明細書でさらに記載される。
【0015】
本開示のさらなる利益は、本願を読み取ることによって当業者に明らかとなる。以下の段落に記載される本開示の実施形態は、本発明を例示することを企図され、本発明の範囲を狭めるものとみなされるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本開示の例示的な医薬製剤を生成するための製造プロセスの流れ図である。
図2】すべてボーラスと6時間の連続的な注入として与えた、2つの比較物に対する本開示の例示的な医薬組成物の、ミニブタにおけるL-ドーパ血中レベルの時間-濃度プロファイルを示す線グラフである。
図3】すべてボーラスと6時間の連続的な注入として与えた、2つの比較物に対する本開示の例示的な医薬組成物の、ミニブタにおけるカルビドパ血中レベルの時間-濃度プロファイルを示す線グラフである。
図4A】Carbopol(登録商標)974Pで生成され、ホイルパウチでパッケージされたレボドパカルビドパ腸管ゲルに関する、初期時点及び15週目におけるpH4.5の媒体へのレボドパの溶解速度を示す線グラフである。
図4B】Carbopol(登録商標)974Pで生成され、ホイルパウチでパッケージされたレボドパカルビドパ腸管ゲルに関する、初期時点及び15週目におけるpH4.5の媒体へのカルビドパの溶解速度を示す線グラフである。
図5】Carbopol(登録商標)971Pで生成されたレボドパ-カルビドパ腸管ゲルを充填した3つの異なるバイアルを示す図である。試料は、左から右に向かって以下の971P濃度を有する。0.5%w/w、0.2%w/w、0.1%w/w(又はw/w%)。
図6】様々な条件で保存した後の、レボドパ及びカルビドパを含む医薬組成物の低せん断(LS)粘度を示す線グラフである。
図7】様々な条件で保存した後の、レボドパ及びカルビドパを含む医薬組成物の高せん断(HS)粘度を示す線グラフである。
図8】医薬組成物の判定値をどのようにして決定するかについてのプロセスを示す図である。
図9】ミニブタにおける製剤B(大きいレボドパ粒径)及び製剤C(小さいレボドパ粒径)の薬物動態を示す線グラフである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
記載されるこの説明では、最良の方法を含む本開示を開示するため、また当業者が、開示される医薬組成物、キット、医薬剤形のいずれかを生成し、使用すること、及び開示される方法又はプロセスのいずれかを実施することを含めて本発明を実施できるようにするために、いくつかの例を使用する。本発明の特許を受けることができる範囲は、特許請求の範囲によって定義され、当業者が思い付く他の例を含むことができる。このような他の例は、特許請求の範囲の文字通りの言語と違わない要素を有するならば、又は等価な要素を含むならば、特許請求の範囲内にあることが企図される。
【0018】
I.定義
このセクション及び開示全体で使用されるセクションの見出しは、制限することを企図されない。
【0019】
数値範囲が引用される場合、その範囲内に介在するそれぞれの数は、同じ度合いの精度を有することが明確に考慮される。例えば、6~9の範囲については、6及び9に加えて7及び8という数が考慮され、6.0~7.0の範囲については、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9及び7.0という数が、明確に考慮される。同様の方式で、引用されるすべての比は、より広範な比に含まれるすべての部分比も含む。
【0020】
単数形「a」、「an」及び「the」は、状況によって別段明示されない限り、複数の指示対象を含む。
【0021】
「及び/又は」という用語は、本明細書で「A及び/又はB」のような句で使用される通り、「A及びB」、「A又はB」、「A」及び「B」を含むことを企図される。
【0022】
「約」という用語は、一般に、引用された値と等価である(すなわち、同じ機能又は結果を有する)と当業者が考えるであろう、ある範囲の数を指す。多くの場合、「約」という用語は、最も近い有効数字に四捨五入される数を含み得る。
【0023】
一部の実施形態では、「約」という用語は、引用された数±10%を含む。したがって、「約10」は、9~11を意味する。
【0024】
文脈によって別段必要とされない限り、「含む(comprise)」、「含む(comprises)」及び「含んでいる」という用語は、排他的ではなく包括的に解釈されるべきであり、出願人が、それらの用語のそれぞれが、以下の特許請求の範囲を含むこの特許の解釈においてそのように解釈されるべきであることを意図するという明確な理解に基づいて使用される。
【0025】
「改善する」及び「改善している」という用語は、薬学又は医学の当業者にとって平易で通常の意味を有し、具体的には、パーキンソン病の作用を緩和すること、又はパーキンソン病の症候若しくは副作用を低減若しくは軽減することを含む。
【0026】
「患者」という用語は、哺乳動物及びヒトを含み、特にヒトである。
【0027】
「薬学的に許容される賦形剤」という用語は、薬学的投与と適合性がある、任意のあらゆる溶媒、分散媒、防腐剤、抗酸化剤、等張剤及び吸収遅延剤等を指す。分散媒には、微結晶性セルロースのような水不溶性賦形剤が含まれ得る。
【0028】
「薬学的に許容される塩」という用語は、薬学的に許容され、親化合物の望ましい薬理学的活性を有する、化合物の塩を指す。このような塩には、(1)塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等のような無機酸を用いて形成され、又は酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、シクロペンタンプロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、乳酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、3-(4-ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1,2-エタン-ジスルホン酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、4-クロロベンゼンスルホン酸、2-ナフタレンスルホン酸、4-トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、4-メチル-ビシクロ[2.2.2]-オクタ-2-エン-1-カルボン酸、グルコヘプトン酸、3-フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、第三級ブチル酢酸、ラウリル硫酸、グルコン酸、グルタミン酸、ヒドロキシナフトエ酸、サリチル酸、ステアリン酸、ムコン酸等のような有機酸を用いて形成された、酸付加塩、及び(2)親化合物のいずれかに存在する酸性プロトンが、金属イオン、例えばアルカリ金属イオン、アルカリ土類イオン若しくはアルミニウムイオンによって置き換えられ、又はエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N-メチルグルカミン、ジシクロヘキシルアミン等のような有機塩基と配位する場合に形成される塩が含まれる。
【0029】
「低減する」及び「低減している」という用語は、薬学又は医学の当業者にとって平易で通常の意味を有し、具体的には、ジスキネジア又は幻覚のようなパーキンソン病の症候又は副作用の出現回数、期間、又は強度を低減又は軽減することを含む。
【0030】
「治療有効量」という用語は、パーキンソン病又はそれに伴う状態に罹患している、又は罹患しやすい患者に、単独で又は追加の治療と組み合わせて投与された場合、パーキンソン病又はそれに伴う状態のための処置を行うのに十分な化合物の量を意味する。「治療有効量」は、例えば、化合物、医薬組成物又は医薬剤形、処置を受ける状態及びその重症度、並びに処置を受ける患者の年齢及び体重に応じて変わる。
【0031】
「処置する」及び「処置している」という用語は、薬学又は医学の当業者にとって平易で通常の意味を有し、具体的には、生活の質を改善すること、又はパーキンソン病の症候若しくは副作用を低減することを含む。
【0032】
「a」及び「an」という用語は、1つ又は2つ以上の複数を指すことができる。
【0033】
「レボドパ活性薬剤」という用語は、本明細書で使用される場合、レボドパ、及び薬学的に許容されるその塩又は水和物を指す。一実施形態では、レボドパ活性薬剤は、レボドパの水和物形態である。別の実施形態では、レボドパ活性薬剤は、レボドパ一水和物である。別の実施形態では、レボドパ活性薬剤は、レボドパである。レボドパは、L-ドーパとも呼ばれる。
【0034】
「カルビドパ活性薬剤」という用語は、本明細書で使用される場合、カルビドパ、及び薬学的に許容されるその塩又は水和物を指す。一実施形態では、カルビドパ活性薬剤は、カルビドパの水和物形態である。別の実施形態では、カルビドパ活性薬剤は、カルビドパ一水和物である。別の実施形態では、カルビドパ活性薬剤は、カルビドパである。
【0035】
「室温」という用語は、一般に、摂氏約20~約25度の温度における周囲条件を指す。
【0036】
II.医薬組成物
先に論じられている通り、十二指腸内投与のためのレボドパ及びカルビドパ懸濁液を含む医薬組成物は、保存及び投与中の薬物粒子の沈降、並びに保存中の化学的安定性の欠如を含めた様々な困難に直面する。これらの困難に対処するために、医薬組成物が適切な降伏値を有し、ホイルパウチ又は酸素バリアとして作用する任意の他のパッケージングにパッケージされる場合、このような困難が克服され得ることが、予想外に発見された。降伏値は、流体応力下での流れに対する初期抵抗性に関し、したがって降伏値は、降伏応力と呼ぶこともできる。降伏値は、媒体(例えば、ビヒクル及び/又は懸濁化剤)の懸濁化能に影響を及ぼす。具体的には、媒体中に分散した粒子は、その媒体の降伏値が、それらの粒子にかかる重力又は浮力の作用を克服するのに十分である場合、懸濁したままとなり得る。降伏値は、粘度とは無関係である。
【0037】
したがって、本開示は、十二指腸内投与のためのレボドパ活性薬剤及びカルビドパ活性薬剤を含む医薬組成物であって、レボドパ活性薬剤及びカルビドパ活性薬剤が、1つ以上のポリマーベースの懸濁化剤に懸濁した治療有効量で存在し、医薬組成物が適切な降伏値を有する、医薬組成物を提供する。適切な降伏値の例として、少なくとも約1.1Paが挙げられるが、それに限定されない。別の実施形態では、適切な降伏値の例として、少なくとも約0.3Paが挙げられるが、それに限定されない。
【0038】
本明細書で理解される通り、降伏値は、TA instruments製のDiscovery HR-2レオメータを使用して測定される。レオメータには、同心円シリンダー、又は他の適切な幾何構造(例えばコーン及びプレート)を装着することができる。試料を、最初に25℃で600秒間、又は試料が平衡に達するまで浸す。試料を、必要に応じて200l/秒で120秒間、予めせん断することができる。上昇流れ傾斜(flow-ramp)を、最初に、予めせん断した試料を360秒間浸し、次に300秒間にわたって、せん断速度を0.001l/秒から250l/秒まで、又は降伏値を良好に解決することができる他の適切な範囲まで上昇させることによって実施する。次に試料を、必要に応じてさらに300秒間にわたって250l/秒で保持することができる。最後に、下降流れ傾斜を、300秒間にわたって、250l/秒から0.001l/秒まで、又は降伏値を良好に解決することができる他の適切な範囲まで実施する。得られた下降又は上昇流れ傾斜を、Herschel-Bulkleyモデルと適合させて、降伏値を得る。
【0039】
前述の降伏値を有する、本明細書に記載される医薬組成物は、室温(例えば、約22℃のような約20℃~約25℃)において、少なくとも約1週間、少なくとも約2週間、少なくとも約3週間、少なくとも約4週間、少なくとも約5週間、少なくとも約6週間、少なくとも約7週間、少なくとも約8週間、少なくとも約9週間、少なくとも約10週間、少なくとも約11週間、少なくとも約12週間、少なくとも約13週間、少なくとも約14週間又は少なくとも約15週間にわたって沈降に抵抗する。
【0040】
別の実施形態では、少なくとも約0.3Paの降伏値を有する、本明細書に記載される医薬組成物は、室温において、少なくとも約8週間、少なくとも約10週間、少なくとも約15週間、少なくとも約20週間、少なくとも約26週間、少なくとも約30週間、少なくとも約40週間、少なくとも約50週間又は少なくとも約60週間保存しても、物理的に安定であり、沈降に抵抗する。
【0041】
別の実施形態では、医薬組成物は、ホイルパウチ、又は酸素バリアとして作用する他の適切なパッケージングにパッケージされた場合、室温(例えば、約22℃のような約20℃~約25℃)において、少なくとも約15週間にわたって化学的に安定である。さらに、本明細書に記載される医薬組成物は、ホイルパウチ、又は酸素バリアとして作用する他の適切なパッケージングにパッケージされた場合、室温(例えば、約22℃のような約20℃~約25℃)において、少なくとも約15週間、或いは少なくとも約1週間、少なくとも約2週間、少なくとも約3週間、少なくとも約4週間、少なくとも約5週間、少なくとも約6週間、少なくとも約7週間、少なくとも約8週間、少なくとも約9週間、少なくとも約10週間、少なくとも約11週間、少なくとも約12週間、少なくとも約13週間、少なくとも約14週間又は少なくとも約15週間にわたって安定である。
【0042】
別の実施形態では、医薬組成物は、ホイルパウチ、又は酸素バリアとして作用する他の適切なパッケージングにパッケージされた場合、任意選択的に医薬組成物又はホイルパウチのいずれかが脱酸素剤を含む場合、室温(例えば、約22℃のような約20℃~約25℃)において、少なくとも約8週間にわたって化学的に安定である。別の実施形態では、医薬組成物は、室温において、少なくとも約9週間、少なくとも約10週間、少なくとも約11週間、少なくとも約12週間、少なくとも約13週間、少なくとも約14週間、少なくとも約15週間、少なくとも約26週間又は少なくとも約60週間にわたって化学的に安定である。脱酸素剤には、鉄粉末及び塩化ナトリウムの混合物、活性炭、並びにアスコルビン酸が含まれるが、これらに限定されない。
【0043】
様々な態様では、医薬組成物中に存在するレボドパ活性薬剤及びカルビドパ活性薬剤(例えば、カルビドパ一水和物)の治療有効量は、それぞれ組成物の約4.0重量/重量パーセント及び約1.0重量/重量パーセントであり得る。
【0044】
一実施形態では、医薬組成物は、全組成物の約4.0重量/重量パーセントの量のレボドパ活性薬剤、全組成物の約1.0重量/重量パーセントの量のカルビドパ活性薬剤(例えば、カルビドパ一水和物)、少なくとも1つの懸濁化剤(例えば、ポリマーベース)、及び液体ビヒクル(例えば、水、ポリエチレングリコール)を含む。様々な実施形態では、液体ビヒクルは、全組成物の約0重量/重量パーセント~約95重量/重量パーセント、例えば全組成物の約10重量/重量パーセント~約70重量/重量パーセント又は約40重量/重量パーセント~約60重量/重量パーセントを構成することができる。
【0045】
一実施形態では、レボドパ活性薬剤は、レボドパ及び薬学的に許容されるその塩又はレボドパ一水和物のような水和物である。一実施形態では、レボドパは、全組成物中約1.0~5.0重量/重量パーセントの量で組成物中に存在する。一実施形態では、医薬組成物は、約4.0重量/重量パーセントのレボドパ活性薬剤を含む。一実施形態では、レボドパ活性薬剤は、本発明の医薬組成物に含むために、例えば以下の実施例1に記載される通り、微粒子又はミクロスフェア等に加工することができる。
【0046】
一実施形態では、カルビドパ活性薬剤は、カルビドパ及び薬学的に許容されるその塩又はカルビドパ一水和物のような水和物である。一実施形態では、カルビドパ活性薬剤は、全組成物中約0.25~1.25重量/重量パーセントの量で組成物中に存在する。一実施形態では、医薬組成物は、約1.0重量/重量パーセントのカルビドパ活性薬剤を含む。一実施形態では、投与されるカルビドパ活性薬剤の形態は、カルビドパの水和物形態である。一実施形態では、投与されるカルビドパ活性薬剤の形態は、カルビドパ一水和物である。一実施形態では、カルビドパ活性薬剤は、本発明の医薬組成物に含むために、例えば以下の実施例1に記載される通り、微粒子又はミクロスフェア等に処理することができる。
【0047】
レボドパ活性薬剤及びカルビドパ活性薬剤は、医薬組成物中に、任意の適切な比で存在することができ、例えば、本発明の医薬組成物中のレボドパ活性薬剤とカルビドパ活性薬剤(例えば、カルビドパ一水和物)の比は、約4:1であってよい。例えば、医薬組成物は、約4重量/重量パーセントのレボドパ活性薬剤及び1重量/重量パーセントのカルビドパ活性薬剤(例えば、カルビドパ一水和物)を含むことができる。一実施形態では、医薬組成物は、体積各5.0mL当たり約200mgのレボドパ及び約50mgのカルビドパ(例えば、カルビドパ一水和物)を含む、液体又は粘性液体を構成する。一実施形態では、レボドパ活性薬剤及びカルビドパ活性薬剤は、本発明の医薬組成物に含むために、例えば以下の実施例1に記載される通り、微粒子又はミクロスフェア等に処理される。
【0048】
別の実施形態では、適切な懸濁化剤は、少なくとも約0.3Paの降伏値を有する医薬組成物を提供する、任意のポリマーベースの懸濁化剤であってよい。本開示の医薬組成物は、1つ以上の懸濁化剤を含むことができる。適切なポリマーベースの懸濁化剤の例として、アクリル酸ベースのポリマー、例えば商標Carbopol(登録商標)で販売されているカルボマー又はアクリル酸ベースのポリマーとして知られている、アクリル酸から主に生成されたポリマー、及び親水コロイドポリマー、例えばローカストビーン(beam)ガム、グアーガム、メチルセルロース、微結晶性セルロースを伴うカルボキシメチルセルロースナトリウム、例えば、Avicel(登録商標)CL-611又はAvicel(登録商標)RC591、キサンタンガム、例えばVanzan、並びにトラガカントガムが挙げられるが、これらに限定されない。カルボマーは、多価アルコールのアリル(ally)エーテルで架橋された、アクリル酸の高分子量ポリマーであってよい。アクリル酸ベースのポリマーは、架橋されていてよく、例えばポリアルケニルエーテル又はジビニルグリコールで架橋されていてよい。特に、1つ以上の懸濁化剤は、Carbopol(登録商標)934P、Carbopol(登録商標)971P又はCarbopol(登録商標)974Pであってよい。Carbopol(登録商標)934Pは、USP/NF薬局方モノグラフ公定名(Pharmacopeia Monograph Compendial Name)のカルボマー934Pによって記載することができる。Carbopol(登録商標)971Pは、USP/NF薬局方モノグラフ公定名のカルボマーホモポリマータイプAによって記載することができる。Carbopol(登録商標)974Pは、USP/NF薬局方モノグラフ公定名のカルボマーホモポリマータイプBによって記載することができる。Carbopol(登録商標)971P及びCarbopol(登録商標)974Pのようなポリマーベースの懸濁化剤は、セルロースベースの薬剤とは異なり、合成され、それによってロット間変動性が低減される。さらに、Carbopol(登録商標)971P及びCarbopol(登録商標)974Pのようなポリマーベースの懸濁化剤は、実質的に溶解せず、それによって、レボドパ活性薬剤及びカルビドパ活性薬剤とのあらゆるネガティブな相互作用が低減される。また、Carbopol(登録商標)971P及びCarbopol(登録商標)974Pのようなポリマーベースの懸濁化剤は、セルロースベースではなく、それによって、このようなセルロースベースの薬剤の生成による環境への影響が低減される。1つ以上の懸濁化剤は、組成物に、医薬組成物の総重量の約0.1~約6w/w%の量で組み込まれる。1つ以上の懸濁化剤は、例えば約0.1~約1w/w%、約0.1~約0.5w/w%又は約0.1~約0.2w/w%を含む範囲内の、任意の量で使用することができる。
【0049】
別の実施形態では、適切な懸濁化剤は、少なくとも約4Paの降伏値を有する医薬組成物を提供する、任意のポリマーベースの懸濁化剤であってよい。適切なポリマーベースの懸濁化剤の例として、アクリル酸ベースのポリマー、例えば商標Carbopol(登録商標)で販売されているカルボマー又はアクリル酸ベースのポリマーとして知られている、アクリル酸から主に生成されたポリマー、及び親水コロイドポリマー、例えばローカストビーンガム、グアーガム、メチルセルロース、微結晶性セルロースを伴うカルボキシメチルセルロースナトリウム、並びにトラガカントガムが挙げられるが、これらに限定されない。アクリル酸ベースのポリマーは、架橋されていてよく、例えばポリアルケニルエーテル又はジビニルグリコールで架橋されていてよい。特に、1つ以上の懸濁化剤は、Carbopol(登録商標)971P及びCarbopol(登録商標)974Pであってよい。Carbopol(登録商標)971P及びCarbopol(登録商標)974Pのようなポリマーベースの懸濁化剤は、セルロースベースの薬剤とは異なり、合成され、それによってロット間変動性が低減される。さらに、Carbopol(登録商標)971P及びCarbopol(登録商標)974Pのようなポリマーベースの懸濁化剤は、実質的に溶解せず、それによって、レボドパ活性薬剤及びカルビドパ活性薬剤とのあらゆるネガティブな相互作用が低減される。また、Carbopol(登録商標)971P及びCarbopol(登録商標)974Pのようなポリマーベースの懸濁化剤は、セルロースベースではなく、それによって、このようなセルロースベースの薬剤の生成による環境への影響が低減される。懸濁化剤は、組成物に、医薬組成物の総重量の約0.1~約5w/w%の量で組み込まれる。懸濁化剤は、例えば、約0.1~約1w/w%又は約0.1~0.5w/w%を含む範囲内の、任意の量で使用することができる。
【0050】
別の実施形態では、懸濁化剤は、アクリル酸ベースのポリマー、例えばカルボマー、例えばCarbopol(登録商標)971P又はCarbopol(登録商標)974Pであり、組成物は、全組成物の約0.1w/w%~約0.5w/w%の量、例えば全組成物の約0.1w/w%~約0.3w/w%の量、例えば全組成物の約0.1w/w%~約0.2w/w%の量の、アクリル酸ベースのポリマーを含む。別の実施形態では、組成物は、全組成物の約0.10w/w%の量のアクリル酸ベースのポリマーを含む。別の実施形態では、組成物は、全組成物の約0.11w/w%、約0.12w/w%、約0.13w/w%、約0.14w/w%、約0.15w/w%、約0.16w/w%、約0.17w/w%、約0.18w/w%、約0.19w/w%、約0.20w/w%又は約0.20w/w%の量の、アクリル酸ベースのポリマーを含む。
【0051】
別の実施形態では、懸濁化剤は、親水コロイドポリマー、例えば、ローカストビーンガム、グアーガム、メチルセルロース、微結晶性セルロースを伴うカルボキシメチルセルロースナトリウム、又はトラガカントガムであり、組成物は、全組成物の約1w/w%~約6w/w%の量の親水コロイドポリマーを含む。別の実施形態では、組成物は、全組成物の約1w/w%の量の親水コロイドポリマーを含む。別の実施形態では、組成物は、全組成物の約2w/w%、約3w/w%、約4w/w%又は約5w/w%の量の親水コロイドポリマーを含む。
【0052】
本組成物では、1つ以上の懸濁化剤は、前述の通り望ましい降伏値を有する十二指腸内投与のための懸濁液を得るために使用することができる。
【0053】
しかし、界面活性剤が使用される場合、本明細書で教示される通り、レボドパ活性薬剤及びカルビドパ活性薬剤及び懸濁化剤を添加した後、1つ以上の界面活性剤を添加することが最良となり得る。
【0054】
本開示の組成物を構成する各成分は、ヒト対象に投与されることが企図された製剤において、投与するのに薬学的に許容され、安全でなければならないことを理解されたい。
【0055】
抗菌剤は、微生物の成長を阻害することによって組成物を保存するために添加することができる。例えば、安息香酸ナトリウム、プロピオン酸ナトリウム、及びソルビン酸塩のような、任意の薬学的に許容される抗菌剤を使用することができる。1つ以上の界面活性剤は、本明細書で教示される通り、レボドパ活性薬剤及びカルビドパ活性薬剤及び懸濁化剤を添加した後に組み込むことができる。
【0056】
カルボマー、すなわちCarbopol(登録商標)971P又はCarbopol(登録商標)974Pが、懸濁化剤として使用される場合、中和剤が添加されなければならない。中和剤の例は、無機塩基、例えば水酸化ナトリウム及び水酸化カリウム、又はアミン、例えばトリエタノールアミン及びトロメタミンであるが、これらに限定されない。
【0057】
一実施形態では、医薬組成物は、粘性液体組成物である。一態様では、医薬組成物は、水を含み、注入に適している。
【0058】
別の実施形態では、医薬組成物は、少なくとも約5mg/mLのレボドパ活性薬剤の濃度を有する。一態様では、レボドパ活性薬剤の濃度は、少なくとも約10mg/mLである。別の態様では、レボドパ活性薬剤の濃度は、少なくとも約20mg/mLである。別の態様では、レボドパ活性薬剤の濃度は、少なくとも約30mg/mLである。別の態様では、レボドパ活性薬剤の濃度は、少なくとも約35mg/mLである。別の態様では、レボドパ活性薬剤の濃度は、少なくとも約40mg/mLである。別の態様では、レボドパ活性薬剤の濃度は、少なくとも約45mg/mLである。別の態様では、レボドパ活性薬剤の濃度は、少なくとも約50mg/mLである。別の態様では、レボドパ活性薬剤の濃度は、少なくとも約100mg/mLである。別の態様では、レボドパ活性薬剤の濃度は、少なくとも約150mg/mLである。別の態様では、レボドパ活性薬剤の濃度は、少なくとも約200mg/mLである。
【0059】
別の実施形態では、医薬組成物は、少なくとも約5mg/mLのカルビドパ活性薬剤(例えば、カルビドパ一水和物)の濃度を有する。一態様では、カルビドパ活性薬剤の濃度は、少なくとも約10mg/mLである。別の態様では、カルビドパ活性薬剤の濃度は、少なくとも約20mg/mLである。別の態様では、カルビドパ活性薬剤の濃度は、少なくとも約30mg/mLである。別の態様では、カルビドパ活性薬剤の濃度は、少なくとも約50mg/mLである。別の態様では、カルビドパ活性薬剤の濃度は、少なくとも約100mg/mLである。別の態様では、カルビドパ活性薬剤の濃度は、少なくとも約150mg/mLである。別の態様では、カルビドパ活性薬剤の濃度は、少なくとも約200mg/mLである。
【0060】
本開示の医薬組成物は、任意選択的に、1つ以上の追加の薬学的に許容される賦形剤を含む。「賦形剤」という用語は、対象への治療剤の送達のための担体又はビヒクルとして使用される、又は医薬組成物の取扱い若しくは保存特性を改善するため、又は組成物の単位用量の形成を可能にする若しくは容易にするために医薬組成物に添加される、それ自体は治療剤ではない任意の物質を指す。
【0061】
賦形剤には、例えば、抗酸化剤、pH及びモル浸透圧濃度を調整するための薬剤、防腐剤、増粘剤、着色剤、緩衝剤、静菌剤、並びに安定剤が含まれる。所与の賦形剤は、存在する場合、一般に、約0.001%~約95%、約0.01%~約80%、約0.02%~約25%又は約0.3%~約10%、w/w%の量で存在する。
【0062】
一実施形態では、医薬組成物は、任意選択的に抗酸化剤を含む。医薬組成物において使用するのに適した抗酸化剤には、例えば、ブチル化ヒドロキシトルエン、ブチル化ヒドロキシアニソール、メタ重亜硫酸カリウム、システイン等が含まれる。
【0063】
一実施形態では、医薬組成物は、任意選択的に緩衝剤を含む。緩衝剤には、pH変化を低減する薬剤が含まれる。本開示の様々な実施形態において使用するのに適したクラスの緩衝剤は、例えば、IA族金属の重炭酸塩、IA族金属の炭酸塩を含めたIA族金属の塩、アルカリ若しくはアルカリ土類金属緩衝剤、アルミニウム緩衝剤、カルシウム緩衝剤、ナトリウム緩衝剤、又はマグネシウム緩衝剤を含む。適切な緩衝剤には、さらに、前述のいずれかの炭酸塩、リン酸塩、重炭酸塩、クエン酸塩、ホウ酸塩、酢酸塩、フタル酸塩、酒石酸塩、コハク酸塩、例えばリン酸ナトリウム又はカリウム、クエン酸ナトリウム又はカリウム、ホウ酸ナトリウム又はカリウム、酢酸ナトリウム又はカリウム、重炭酸ナトリウム又はカリウム、及び炭酸ナトリウム又はカリウムが含まれる。
【0064】
一実施形態では、組成物は、約3.5~約8のpHを有する。一態様では、pHは、約3.5~約7.5である。別の態様では、pHは、約4.0~約7.5である。別の態様では、pHは、約5.0~約7.5である。別の態様では、pHは、約5.5~約7.5である。別の態様では、pHは、約6.0~約7.5である。
【0065】
様々な実施形態では、医薬組成物は、容器内に存在することができる。適切な容器には、酸素不透過性の容器(例えば、バッグ)が含まれる。これらの酸素透過性バリアは、第1の容器又は第2の外側容器に組み込むことができる。適切な容器の非限定的な例として、ホイルパウチが挙げられる。
【0066】
別の実施形態では、医薬剤形が提供される。医薬剤形は、酸素不透過性のエンクロージャが配置されたDDR内に、本明細書に記載される医薬組成物を含むことができ、酸素不透過性のエンクロージャは、不活性ガス(例えば、N)でパージされる。脱酸素剤(例えば、鉄又は非鉄ベースのキャニスター又はサシェ)を添加することもできる。医薬剤形は、組成物を、治療上有効な方式で送達することができる連続的な注入ポンプにおいて使用するのに適している場合がある。適切な酸素不透過性のエンクロージャには、例えばホイルバッグが含まれ得る。
【0067】
III.医薬組成物を調製する方法
本開示はさらに、本明細書に記載される医薬組成物を調製する方法を提供する。様々な態様では、本明細書に記載される医薬組成物を調製する方法は、レボドパ活性薬剤及びカルビドパ活性薬剤が医薬組成物中に治療有効量で存在するような適量で、レボドパ活性薬剤及びカルビドパ活性薬剤を提供することを含み得る。レボドパ活性薬剤及びカルビドパ活性薬剤を、水に添加すると、スラリーが生成され得る。スラリーは、懸濁液を形成するために、本明細書に記載される通り1つ以上の懸濁化剤(例えばCarbopol(登録商標)971P又はCarbopol(登録商標)974P)、中和剤、及び水の混合物に添加することができる。中和剤(例えば、水酸化ナトリウム)は、pHを前述の範囲内にするために添加することができる。懸濁液は、酸素レベルを低減するためにNスパージを受けてもよく、又は受けなくてもよい。特に懸濁液は、Nスパージに付されることができる。任意選択的に、懸濁液は、捕捉された任意の窒素又は空気を懸濁液から除去するために脱気することができる。次に懸濁液は、本明細書に記載される通り、酸素不透過性の容器に搭載することができる。任意選択的に、脱酸素剤を、懸濁液に同様に添加することができる。懸濁液のNスパージと、酸素透過性がより低い容器の使用の組合せは、有利なことに、組成物中に存在する初期の可溶化O及び保存中の組成物へのOの移入量の両方を低減することによって、化学的安定性が増大した医薬組成物をもたらすことができる。
【0068】
様々な態様では、レボドパ活性薬剤は、適切な薬物動態プロファイルを有する医薬組成物を調製し、組成物の望ましい物理的及び化学的安定性を維持するのに適した任意の粒径を有することができる。広範な粒径を使用することができるが、レボドパ活性薬剤(例えば、懸濁液を形成する前)は、以下の粒径分布を有することができる。
(i)D50は、約5μm若しくはそれ未満、約3μm若しくはそれ未満、又は約1μm若しくはそれ未満であってよく、
(ii)D90は、約11μm若しくはそれ未満、約9μm若しくはそれ未満、約7μm若しくはそれ未満、約5μm若しくはそれ未満、又は約3μm若しくはそれ未満であってよく、
(iii)D100は、約22μm若しくはそれ未満、約21μm若しくはそれ未満、約19μm若しくはそれ未満、約17μm若しくはそれ未満、約15μm若しくはそれ未満、約13μm若しくはそれ未満、又は約11μm若しくはそれ未満であってよい。
【0069】
一実施形態では、レボドパ活性薬剤は、(i)約5μm又はそれ未満のD50、(ii)11μm又はそれ未満のD90、及び(iii)22μm又はそれ未満のD100の粒径分布を有する。
【0070】
別の実施形態では、レボドパ活性薬剤(例えば、懸濁液を形成する前)は、以下の粒径分布を有する。
(i)D10は、約50μm若しくはそれ未満、約20μm若しくはそれ未満、又は約10μm若しくはそれ未満であり、
(ii)D50は、約100μm若しくはそれ未満、約50μm若しくはそれ未満、又は約37μm若しくはそれ未満であり、
(iii)D90は、約200μm若しくはそれ未満、約150μm若しくはそれ未満、又は約120μm若しくはそれ未満であってよい。
【0071】
別の実施形態では、レボドパ活性薬剤は、(i)約37.2μm又はそれ未満のD50、(ii)121.4μm又はそれ未満のD90、及び(iii)9.8μm又はそれ未満のD10の粒径分布を有する。
【0072】
カルビドパ活性薬剤はまた、適切な薬物動態プロファイルを有する本開示の医薬組成物を調製し、組成物の望ましい物理的及び化学的安定性を維持するのに適した任意の粒径を有することができる。カルビドパ活性薬剤(例えば、懸濁液を形成する前)は、以下の粒径分布を有することができる。
(i)D50は、3μm又はそれ未満であってよく、
(ii)D90は、7μm若しくはそれ未満、又は5μm若しくはそれ未満であってよく、
(iii)D100は、21μm又はそれ未満、19μm又はそれ未満、17μm又はそれ未満、15μm又はそれ未満、13μm又はそれ未満、11μm又はそれ未満、9μm又はそれ未満であってよい。
【0073】
一実施形態では、カルビドパ活性薬剤、例えばカルビドパ一水和物は、(i)約3μm又はそれ未満のD50、(ii)7μm又はそれ未満のD90、及び(iii)21μm又はそれ未満のD100の粒径分布を有することができる。
【0074】
別の実施形態では、カルビドパ活性薬剤は、(i)約9.4μm又はそれ未満のD50、(ii)34.5μm又はそれ未満のD90、及び(iii)3.1μm又はそれ未満のD10の粒径分布を有する。
【0075】
レボドパ活性薬剤及び/又はカルビドパ活性薬剤は、このような粒径分布を達成するために粉砕又は微粒子化することができる。
【0076】
別の実施形態では、カルビドパ活性薬剤(例えば、懸濁液を形成する前)は、以下の粒径分布を有することができる。
(i)D10は、約10μm若しくはそれ未満、約5μm若しくはそれ未満、又は約3μm若しくはそれ未満であり、
(ii)D50は、約20μm若しくはそれ未満、約15μm若しくはそれ未満、又は約10μm若しくはそれ未満であり、
(iii)D90は、約50μm若しくはそれ未満、約40μm若しくはそれ未満、又は約35μm若しくはそれ未満であってよい。
【0077】
一実施形態では、前述の粒径分布を有する、約4重量/重量パーセントのレボドパ活性薬剤及び約1重量/重量パーセントのカルビドパ活性薬剤、例えばカルビドパ一水和物を含む本開示の医薬組成物は、組成物の降伏値が、医薬組成物を約5℃の温度に曝露した後に測定した場合に少なくとも約0.3Paである限り、少なくとも約8週間、少なくとも約10週間、少なくとも約15週間、少なくとも約26週間又は少なくとも約60週間にわたって物理的安定性を維持する。
【0078】
別の実施形態では、前述の粒径分布を有する、約4重量/重量パーセントのレボドパ活性薬剤及び約1重量/重量パーセントのカルビドパ活性薬剤、例えばカルビドパ一水和物を含む本開示の医薬組成物は、組成物の降伏値が、医薬組成物を約5℃の温度に曝露した後に測定した場合に少なくとも0.34Pa、少なくとも約0.4Pa、少なくとも約0.5Pa、少なくとも約0.6Pa、少なくとも約0.7Pa、少なくとも約0.8Pa、少なくとも約0.9Pa、少なくとも約1.0Pa、少なくとも約1.1Pa、少なくとも約1.2Pa、少なくとも約1.3Pa、少なくとも約1.4Pa、少なくとも約1.5Pa、少なくとも約1.6Pa、少なくとも約1.7Pa、少なくとも約1.8Pa、少なくとも約1.9Pa、少なくとも約2.0Pa、少なくとも約2.1Pa、少なくとも約2.2Pa、少なくとも約2.3Pa、少なくとも約2.4Pa、少なくとも約2.5Pa、少なくとも約2.6Pa、少なくとも約2.7Pa、少なくとも約2.8Pa、少なくとも約2.9Pa、又は少なくとも約3.0Paである限り、少なくとも約8週間、少なくとも約10週間、少なくとも約15週間、少なくとも約26週間又は少なくとも約60週間にわたって物理的安定性を維持する。
【0079】
別の実施形態では、前述の粒径分布を有する、約4重量/重量パーセントのレボドパ活性薬剤及び約1重量/重量パーセントのカルビドパ活性薬剤、例えばカルビドパ一水和物を含む医薬組成物は、組成物の降伏値が、医薬組成物を約25℃の温度及び約60%の相対湿度(RH)に曝露した後に測定した場合に少なくとも約0.3Paである限り、少なくとも約8週間、少なくとも約10週間、少なくとも約15週間、少なくとも約26週間又は少なくとも約60週間にわたって物理的安定性を維持する。
【0080】
別の実施形態では、前述の粒径分布を有する、約4重量/重量パーセントのレボドパ活性薬剤及び約1重量/重量パーセントのカルビドパ活性薬剤、例えばカルビドパ一水和物を含む医薬組成物は、組成物の降伏値が、医薬組成物を約25℃の温度及び約60%のRHに曝露した後に測定した場合に少なくとも0.34Pa、少なくとも約0.4Pa、少なくとも約0.5Pa、少なくとも約0.6Pa、少なくとも約0.7Pa、少なくとも約0.8Pa、少なくとも約0.9Pa、少なくとも約1.0Pa、少なくとも約1.1Pa、少なくとも約1.2Pa、少なくとも約1.3Pa、少なくとも約1.4Pa、少なくとも約1.5Pa、少なくとも約1.6Pa、少なくとも約1.7Pa、少なくとも約1.8Pa、少なくとも約1.9Pa、少なくとも約2.0Pa、少なくとも約2.1Pa、少なくとも約2.2Pa、少なくとも約2.3Pa、少なくとも約2.4Pa、少なくとも約2.5Pa、少なくとも約2.6Pa、少なくとも約2.7Pa、少なくとも約2.8Pa、少なくとも約2.9Pa、又は少なくとも約3.0Paである限り、少なくとも約8週間、少なくとも約10週間、少なくとも約15週間、少なくとも約26週間又は少なくとも約60週間にわたって物理的安定性を維持する。
【0081】
別の実施形態では、前述の粒径分布を有する、約4重量/重量パーセントのレボドパ活性薬剤及び約1重量/重量パーセントのカルビドパ活性薬剤、例えばカルビドパ一水和物を含む医薬組成物は、組成物の降伏値が、医薬組成物を約40℃の温度及び約75%のRHに曝露した後に測定した場合に少なくとも約0.3Paである限り、少なくとも約8週間、少なくとも約10週間、少なくとも約15週間、少なくとも約26週間又は少なくとも約60週間にわたって物理的安定性を維持する。
【0082】
別の実施形態では、前述の粒径分布を有する、約4重量/重量パーセントのレボドパ活性薬剤及び約1重量/重量パーセントのカルビドパ活性薬剤、例えばカルビドパ一水和物を含む医薬組成物は、組成物の降伏値が、医薬組成物を約40℃の温度及び約75%のRHに曝露した後に測定した場合に少なくとも0.34Pa、少なくとも約0.4Pa、少なくとも約0.5Pa、少なくとも約0.6Pa、少なくとも約0.7Pa、少なくとも約0.8Pa、少なくとも約0.9Pa、少なくとも約1.0Pa、少なくとも約1.1Pa、少なくとも約1.2Pa、少なくとも約1.3Pa、少なくとも約1.4Pa、少なくとも約1.5Pa、少なくとも約1.6Pa、少なくとも約1.7Pa、少なくとも約1.8Pa、少なくとも約1.9Pa、少なくとも約2.0Pa、少なくとも約2.1Pa、少なくとも約2.2Pa、少なくとも約2.3Pa、少なくとも約2.4Pa、少なくとも約2.5Pa、少なくとも約2.6Pa、少なくとも約2.7Pa、少なくとも約2.8Pa、少なくとも約2.9Pa、又は少なくとも約3.0Paである限り、少なくとも約8週間、少なくとも約10週間、少なくとも約15週間、少なくとも約26週間又は少なくとも約60週間にわたって物理的安定性を維持する。
【0083】
本開示の医薬組成物の物理的安定性は、その判定値(AV)によって決定することができる。医薬組成物は、等式2によって定義される判定値(AV)が、レボドパで15以下であり、カルビドパで15以下である場合、物理的に安定である。
等式2.
【0084】
【数1】
等式2における各変数の定義は、表10に示される。
【0085】
【表1】
【0086】
一部の実施形態では、医薬組成物におけるレボドパ活性薬剤のAVは、約15である。別の実施形態では、医薬組成物におけるレボドパ活性薬剤のAVは、約15未満、例えば、約14、約13、約12、約11、約10、約9、約8、約7、約6、約5、約4、約3、約2又は約1である。一部の実施形態では、レボドパ活性薬剤のAVは、医薬組成物を、ホイルパウチ内で少なくとも約8週間、少なくとも約10週間、少なくとも約15週間、少なくとも約26週間又は少なくとも約60週間にわたって保存した後に測定される。
【0087】
一部の実施形態では、医薬組成物におけるカルビドパ活性薬剤のAVは、約15である。別の実施形態では、医薬組成物におけるレボドパ活性薬剤のAVは、約15未満、例えば、約14、約13、約12、約11、約10、約9、約8、約7、約6、約5、約4、約3、約2又は約1である。一部の実施形態では、カルビドパ活性薬剤のAVは、医薬組成物を、ホイルパウチ内で少なくとも少なくとも約8週間、少なくとも約10週間、少なくとも約15週間、少なくとも約26週間又は少なくとも約60週間にわたって保存した後に測定される。
【0088】
別の実施形態では、前述の粒径分布を有するレボドパ活性薬剤及びカルビドパ活性薬剤は、組成物の降伏値が少なくとも1.1Paである限り、レボドパ活性薬剤及びカルビドパ活性薬剤が組成物中により高濃度で存在する場合でも、懸濁液の形成に成功し、医薬組成物の保存期間を通して懸濁液の物理的安定性を維持することができる。例えば物理的安定性は、医薬組成物が、約4重量/重量パーセントのレボドパ活性薬剤及び1重量/重量パーセントのカルビドパ活性薬剤(例えば、カルビドパ一水和物)を含む場合でも維持され得る。別の実施形態では、組成物の降伏値は、少なくとも約0.3Paである。
【0089】
別の実施形態では、約4重量/重量パーセントのレボドパ活性薬剤及び1重量/重量パーセントのカルビドパ活性薬剤を含む医薬組成物の降伏値は、少なくとも約2.0Paである。別の実施形態では、降伏値は、少なくとも約3.0Paである。別の実施形態では、降伏値は、少なくとも約4.0Paである。別の実施形態では、降伏値は、少なくとも約5.0Paである。別の実施形態では、降伏値は、少なくとも約6.0Paである。別の実施形態では、降伏値は、少なくとも約7.0Paである。別の実施形態では、降伏値は、少なくとも約8.0Paである。別の実施形態では、降伏値は、少なくとも約9.0Paである。別の実施形態では、降伏値は、少なくとも約10.0Paである。
【0090】
別の実施形態では、本明細書に記載される方法によって調製された、本明細書に記載される医薬組成物が提供される。特に、レボドパ活性薬剤及びカルビドパ活性薬剤は、レボドパ活性薬剤及びカルビドパ活性薬剤が医薬組成物中に治療有効量で存在するような適量で提供することができる。提供されるレボドパ活性薬剤及びカルビドパ活性薬剤は、前述の通りの粒径分布を有する。レボドパ活性薬剤及びカルビドパ活性薬剤を水に添加すると、スラリーが生成される。スラリーは、本明細書に記載される通り、1つ以上の懸濁化剤(例えばCarbopol(登録商標)971P又はCarbopol(登録商標)974P)、中和剤、及び水を含有することができる混合物に添加される。懸濁液は、酸素レベルを低減するためにNスパージを受けることができる。懸濁液は、本明細書に記載される通り、酸素透過性がより低い容器又は酸素不透過性の容器に搭載することができる。任意選択的に、脱酸素剤を、懸濁液に同様に添加することができる。
【0091】
IV.処置方法
本開示は、さらに、高濃度のレボドパ活性薬剤及びカルビドパ活性薬剤を含む治療有効量の医薬組成物を患者に投与することを含む、パーキンソン病及びそれに伴う状態を処置する方法を提供する。高濃度のレボドパ活性薬剤及びカルビドパ活性薬剤を含む医薬組成物は、例えば、体積各5.0mL当たり約200mgのレボドパ及び約50mgのカルビドパ一水和物を含む、液体又は粘性液体を構成することができる。
【0092】
一実施形態では、本開示は、処置を必要とする状態を処置する方法であって、患者に治療有効量の本開示の医薬組成物を投与することを含む方法を提供する。
【0093】
一実施形態では、医薬組成物を投与することによって処置される状態は、パーキンソン病である。
【0094】
別の実施形態では、医薬組成物を投与することによって処置される状態は、パーキンソン病を有する患者の運動能力障害である(すなわち、パーキンソン病を有する患者の運動能力を改善する方法)。
【0095】
別の実施形態では、医薬組成物は、パーキンソン病を有する患者の運動変動を処置するために投与される。
【0096】
別の実施形態では、医薬組成物は、パーキンソン病を有する患者のジスキネジアを処置するために投与される。
【0097】
別の実施形態では、本発明の医薬組成物は、腸管投与を介して投与される。本発明の医薬組成物は、経皮的な内視鏡による胃瘻造設術を介して挿入された永久的なチューブによって、例えば外側経腹腔チューブ及び腸内チューブを用いて、小腸のような腸(例えば、十二指腸又は空腸)に直接的に投与(又は「注入」)することができる。一態様では、第1の化合物及び第2の化合物は、放射線胃空腸吻合術によって挿入されたチューブを介して投与される。別の態様では、本発明の医薬組成物は、例えば、患者が、永久的なチューブが挿入される前に処置方法に順調に応答するかどうかを最初に決定するために、患者に挿入される一時的な経鼻十二指腸チューブを介して投与される。
【0098】
本発明の医薬組成物の1つ以上が腸管投与を介して投与される実施形態では、投与は、商標CADD-Legacy Duodopa(登録商標)ポンプで販売されているポンプのような携帯式ポンプを使用して行うことができる。具体的には、第1の化合物及び第2の化合物を含むカセット、パウチ、バイアル又はカートリッジを、ポンプに結合させて、送達系を作製することができる。次に、その送達系は、腸管投与のための経鼻十二指腸チューブ、経腹腔ポート、十二指腸チューブ、又は空腸チューブに接続される。
【0099】
一実施形態では、該方法は、本発明の医薬組成物の1つ以上を、少なくとも約12時間の期間にわたって実質的に連続的に患者に投与することを含む。さらなる態様では、本発明の医薬組成物は、約16時間、約24時間、約36時間、約48時間、約3日間、約4日間、約5日間、約6日間、約1週間の期間、又はそれよりも長期間にわたって実質的に連続的に投与することができる。
【0100】
一実施形態では、患者に投与される本発明の医薬組成物の用量は、患者によって達成される臨床応答を最適化するために調整され、このことは、例えば、オフタイムエピソード(すなわち、動作緩慢)の回数及び期間を最小限にすることによって、日中の機能的オンタイムを最大限にし、身体障害性ジスキネジアを伴うオンタイムを最小限にすることを意味する。
【0101】
一実施形態では、本開示の方法に従って患者に投与されるレボドパ活性薬剤の1日用量は、例えば、1日に、約20~約5000mg、約20mg~約4000mg、約20mg~約3000mg、約20mg~約2000mg又は約20mg~約1000mgであってよい。様々な態様では、患者は、1日に、例えば、約20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490、500、510、520、530、540、550、560、570、580、590、600、610、620、630、640、650、660、670、680、690、700、710、720、730、740、750、760、770、780、790、800、810、820、830、840、850、860、870、880、890、900、910、920、930、940、950、960、970、980、990、1000、1010、1020、1030、1040、1050、1060、1070、1080、1090、1100、1110、1120、1130、1140、1150、1160、1170、1180、1190、1200、1210、1220、1230、1240、1250、1260、1270、1280、1290、1300、1310、1320、1330、1340、1350、1360、1370、1380、1390、1400、1410、1420、1430、1440、1450、1460、1470、1480、1490、1500、1510、1520、1530、1540、1550、1560、1570、1580、1590、1600、1610、1620、1630、1640、1650、1660、1670、1680、1690、1700、1710、1720、1730、1740、1750、1760、1770、1780、1790、1800、1810、1820、1830、1840、1850、1860、1870、1880、1890、1900、1910、1920、1930、1940、1950、1960、1970、1980、1990、2000、2010、2020、2030、2040、2050、2060、2070、2080、2090、2100、2110、2120、2130、2140、2150、2160、2170、2180、2190、2200、2210、2220、2230、2240、2250、2260、2270、2280、2290、2300、2310、2320、2330、2340、2350、2360、2370、2380、2390、2400、2410、2420、2430、2440、2450、2460、2470、2480、2490、2500、2600、2700、2800、2900、3000、3100、3200、3300、3400、3500、3600、3700、3800、3900、4000、4100、4200、4300、4400、4500、4600、4700、4800、4900又は約5000mgのレボドパ活性薬剤を受けることができる。
【0102】
一実施形態では、本開示の方法に従って患者に投与されるカルビドパ活性薬剤の1日用量は、例えば、1日に、0~約625mg、0mg~約500mg、0mg~約375mg、0mg~約250mg、又は0mg~約125mgであってよい。様々な態様では、患者は、1日に、例えば、約20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490、500、510、520、530、540、550、560、570、580、590、600、610、620、630、640、650、660、670、680、690、700、710、720、730、740、750、760、770、780、790、800、810、820、830、840、850、860、870、880、890、900、910、920、930、940、950、960、970、980、990、1000、1010、1020、1030、1040、1050、1060、1070、1080、1090、1100、1110、1120、1130、1140、1150、1160、1170、1180、1190、1200、1210、1220、1230、1240又は約1250mgのカルビドパ活性薬剤を受けることができる。
【0103】
一部の実施形態では、レボドパ活性薬剤及びカルビドパ活性薬剤が、組合せで、患者において少なくとも約100ng/mLのL-ドーパの血漿レベルを達成するのに十分となるような量の、レボドパ活性薬剤及びカルビドパ活性薬剤が投与される。一態様では、L-ドーパの血漿レベルは、少なくとも約200ng/mLである。別の態様では、L-ドーパの血漿レベルは、少なくとも約200ng/mLである。別の態様では、L-ドーパの血漿レベルは、少なくとも約300ng/mLである。別の態様では、L-ドーパの血漿レベルは、少なくとも約400ng/mLである。別の態様では、L-ドーパの血漿レベルは、少なくとも約500ng/mLである。別の態様では、L-ドーパの血漿レベルは、少なくとも約600ng/mLである。別の態様では、L-ドーパの血漿レベルは、少なくとも約700ng/mLである。別の態様では、L-ドーパの血漿レベルは、少なくとも約800ng/mLである。別の態様では、L-ドーパの血漿レベルは、少なくとも約900ng/mLである。別の態様では、L-ドーパの血漿レベルは、少なくとも約1,000ng/mLである。別の態様では、L-ドーパの血漿レベルは、少なくとも約1,500ng/mLである。別の態様では、L-ドーパの血漿レベルは、少なくとも約2,000ng/mLである。別の態様では、L-ドーパの血漿レベルは、少なくとも約3,000ng/mLである。別の態様では、L-ドーパの血漿レベルは、少なくとも約4,000ng/mLである。別の態様では、L-ドーパの血漿レベルは、少なくとも約5,000ng/mLである。
【0104】
一部の実施形態では、レボドパ活性薬剤及びカルビドパ活性薬剤が、組合せで、約10ng/mL~約8,000ng/mLのL-ドーパの血漿レベルを達成するのに十分となるような量の、レボドパ活性薬剤及びカルビドパ活性薬剤が投与される。一態様では、L-ドーパの血漿レベルは、約25ng/mL~約6,000ng/mLである。別の態様では、L-ドーパの血漿レベルは、約50ng/mL~約4,000ng/mLである。別の態様では、L-ドーパの血漿レベルは、約100ng/mL~約2,000ng/mLである。別の態様では、L-ドーパの血漿レベルは、約25ng/mL~約1,200ng/mLである。別の態様では、L-ドーパの血漿レベルは、約10ng/mL~約500ng/mLである。別の態様では、L-ドーパの血漿レベルは、約25ng/mL~約500ng/mLである。
【0105】
一部の実施形態では、前述のL-ドーパの濃度範囲は、少なくとも約1時間間隔、少なくとも約2時間間隔、少なくとも約3時間間隔、少なくとも約4時間間隔、少なくとも約5時間間隔、少なくとも約6時間間隔、少なくとも約7時間間隔、少なくとも約8時間間隔、少なくとも約9時間間隔、少なくとも約10時間間隔、少なくとも約11時間間隔、少なくとも約12時間間隔、少なくとも約18時間間隔、又は少なくとも約24時間間隔にわたって維持される。
【0106】
一部の実施形態では、レボドパ活性薬剤及びカルビドパ活性薬剤が、組合せで、約500ng/mL未満のカルビドパの血漿レベルを維持するのに十分となるような量の、レボドパ活性薬剤及びカルビドパ活性薬剤が投与される。一態様では、カルビドパの血漿レベルは、約250ng/mL未満である。別の態様では、カルビドパの血漿レベルは、約100ng/mL未満である。別の態様では、カルビドパの血漿レベルは、約50ng/mL未満である。別の態様では、カルビドパの血漿レベルは、約25ng/mL未満である。
【0107】
一部の実施形態では、レボドパ活性薬剤及びカルビドパ活性薬剤が、組合せで、約1~約10ng/mLのカルビドパの血漿レベルを維持するのに十分となるような量の、レボドパ活性薬剤及びカルビドパ活性薬剤が投与される。一態様では、カルビドパの血漿レベルは、約1~約25ng/mLである。別の態様では、カルビドパの血漿レベルは、約1~約50ng/mLである。別の態様では、カルビドパの血漿レベルは、約1~約100ng/mLである。別の態様では、カルビドパの血漿レベルは、約1~約250ng/mLである。別の態様では、カルビドパの血漿レベルは、約5~約250ng/mLである。別の態様では、カルビドパの血漿レベルは、約5~約100ng/mLである。別の態様では、カルビドパの血漿レベルは、約10~約250ng/mLである。別の態様では、カルビドパの血漿レベルは、約10~約100ng/mLである。別の態様では、カルビドパの血漿レベルは、約25~約250ng/mLである。別の態様では、カルビドパの血漿レベルは、約25~約100ng/mLである。
【0108】
一部の実施形態では、前述のカルビドパの濃度範囲は、少なくとも約1時間間隔、少なくとも約2時間間隔、少なくとも約3時間間隔、少なくとも約4時間間隔、少なくとも約5時間間隔、少なくとも約6時間間隔、少なくとも約7時間間隔、少なくとも約8時間間隔、少なくとも約9時間間隔、少なくとも約10時間間隔、少なくとも約11時間間隔、少なくとも約12時間間隔、少なくとも約18時間間隔、又は少なくとも約24時間間隔にわたって維持される。
【0109】
さらなる実施形態では、投与されるレボドパ活性薬剤及びカルビドパ活性薬剤は、前述の通りの粒径分布を有することができる。
【0110】
様々な実施形態では、医薬組成物は、前述の通り、患者に投与される前に容器内に存在することができ、ゲル懸濁液は、Nスパージに付されても付されなくてもよい。ゲル懸濁液がNスパージに付され、容器が、低酸素透過性を有する場合、医薬組成物は、冷蔵保存で1週間当たり0.04w/w%よりも急速な速度でDHPAを生成する分解を受け得ない。(パーセントは、カルビドパの表示量に対するものである。)。さらに又は代替として、容器がNスパージに付される場合、医薬組成物は、冷蔵保存で1週間当たり0.04w/w%よりも急速な速度でDHPPAを生成する分解を受け得ない。(パーセントは、カルビドパの表示量に対するものである。)。さらに又は代替として、容器がNスパージに付される場合、医薬組成物は、冷蔵保存で1週間当たり0.6μg/gよりも急速な速度でヒドラジンを生成する分解を受け得ない(μg/gは、ゲル懸濁液1グラム当たりのヒドラジンのμgを示す。)。
【0111】
V.追加の治療剤の併用投与
本開示の処置方法は、任意選択的に、レボドパ活性薬剤及びカルビドパ活性薬剤の投与に加えて、パーキンソン病の処置のための1つ以上の治療剤の投与をさらに含むことができる。一実施形態では、追加の治療剤(複数可)は、カルビドパ活性薬剤以外のデカルボキシラーゼ阻害剤(例えば、ベンセラジド)、カテコール-O-メチルトランスフェラーゼ(「COMT」)阻害剤(例えば、エンタカポン及びトルカポン)、及びモノアミンオキシダーゼA(「MAO-A」)又はモノアミンオキシダーゼB(「MAO-B」)阻害剤(例えば、モクロベミド、ラサギリン、セレギリン、及びサフィナミド)からなる群から選択される。一態様では、追加の治療剤(複数可)は、カルビドパ活性薬剤以外のデカルボキシラーゼ阻害剤からなる群から選択される。別の態様では、追加の治療剤(複数可)は、COMT阻害剤からなる群から選択される。別の態様では、追加の治療剤(複数可)は、MAO-A阻害剤からなる群から選択される。別の態様では、追加の治療剤(複数可)は、MAO-B阻害剤からなる群から選択される。
【0112】
同様にして、本開示の医薬組成物は、任意選択的に、前述の通り、パーキンソン病の処置のための1つ以上の追加の治療剤をさらに含むことができる。
【0113】
VI.キット
本開示はまた、カルビドパ活性薬剤を含む1つ以上の医薬剤形を含むキット、レボドパ活性薬剤を含む1つ以上の医薬剤形を含むキット、並びにレボドパ活性薬剤及びカルビドパ活性薬剤の両方を含む1つ以上の医薬剤形を含むキットを提供する。キットにおいて、医薬剤形は、O透過性がより低いバッグ内に別個に又は一緒に存在することができる。医薬剤形は、高濃度のレボドパ活性薬剤及びカルビドパ活性薬剤を含むことができ、例えば、全組成物の約4.0重量/重量パーセントの量のレボドパ活性薬剤、及び全組成物の約1.0重量/重量パーセントの量のカルビドパ一水和物活性薬剤を含むことができる。キットは、任意選択的に、1つ以上の追加の治療剤及び/又は指示、例えば、パーキンソン病又はそれに伴う状態を有する患者を処置するためにキットを使用するための指示を含むことができる。
【0114】
VII.実施例
以下の非限定的な実施例は、本開示をさらに例示するために提供される。以下の実施例で使用される略語には、以下が含まれる。
「Cmax」は、最大観測血漿濃度を意味する。
「Tmax」は、最大観測血漿濃度に達するまでの時間を意味する。
「AUC」は、血漿濃度-時間曲線下面積を意味する。
「t1/2」は、生物学的半減期、すなわち、生物に投与された薬物又は他の物質の半量が、正常な生物学的プロセスによって代謝又は排除されるのに必要な時間を意味する。
【0115】
VIII.特定の実施形態
本開示は、実施形態I~XX1を特定の実施形態として提供する。
【0116】
実施形態I.十二指腸内投与のためのレボドパ活性薬剤及びカルビドパ活性薬剤を含む医薬組成物であって、レボドパ活性薬剤及びカルビドパ活性薬剤が、1つ以上のポリマーベースの懸濁化剤に懸濁され、医薬組成物が、少なくとも約1.1Paの降伏値を有する、医薬組成物。
【0117】
実施形態II.全組成物の約4.0w/wパーセントの量のレボドパ活性薬剤、
全組成物の約1.0w/wパーセントの量のカルビドパ一水和物活性薬剤、及び
液体ビヒクル
を含む、実施形態Iによる医薬組成物。
【0118】
実施形態III.ポリマーベースの懸濁化剤が、アクリル酸ベースのポリマーである、実施形態I又はIIによる医薬組成物。
【0119】
実施形態IV.ポリマーベースの懸濁化剤が、親水コロイドポリマーである、実施形態I又はIIによる医薬組成物。
【0120】
実施形態V.ポリマーベースの懸濁化剤が、カルボマーである、実施形態IIIによる医薬組成物。
【0121】
実施形態VI.ポリマーベースの懸濁化剤が、商標Carbopol(登録商標)971P又はCarbopol(登録商標)974Pで販売されているカルボキシポリメチレン及びカルボマーのポリマーである、実施形態IIIによる医薬組成物。
【0122】
実施形態VII.ポリマーベースの懸濁化剤が、ローカストビーンガム、グアーガム、メチルセルロース、微結晶性セルロースを伴うカルボキシメチルセルロースナトリウム及びトラガカントガムからなる群から選択される、実施形態IVによる医薬組成物。
【0123】
実施形態VIII.液体ビヒクルの濃度が、全組成物の約0パーセント~約95重量/重量パーセントの量にある、実施形態I~VIIによる医薬組成物。
【0124】
実施形態IX.液体ビヒクルが、水又はポリエチレングリコールからなる群から選択される、実施形態VIIIによる医薬組成物。
【0125】
実施形態X.液体ビヒクルが、水だけである、実施形態VIIIによる医薬組成物。
【0126】
実施形態XI.医薬組成物中の不純物の量が、約20~25℃の温度で少なくとも15週間の期間にわたって維持された場合、組成物の総重量の約5.8w/w%未満の量である、実施形態I~Xのいずれか1つによる医薬組成物。
【0127】
実施形態XII.酸素バリアとして作用する第1又は第2の容器内に存在する、実施形態I~XIのいずれか1つによる医薬組成物。
【0128】
実施形態XIII.酸素不透過性のエンクロージャが配置された使い捨て薬物リザーバー内に、実施形態I~XIIのいずれか1つの医薬組成物を含む医薬剤形であって、酸素不透過性のエンクロージャが不活性ガスでパージされ、脱酸素剤が添加される、医薬剤形。
【0129】
実施形態XIV.組成物を、治療上有効な方式で送達することができる連続的な注入ポンプにおいて使用するのに適している、実施形態XIIIによる医薬剤形。
【0130】
実施形態XI.十二指腸内投与のためのレボドパ活性薬剤及びカルビドパ活性薬剤を含む医薬組成物を調製する方法であって、
1つ以上の懸濁化剤を水に添加して、ポリマーを分散させること、
中和剤を添加して、pHを約6.5にして媒体を生成すること、
レボドパ活性薬剤及びカルビドパ活性薬剤を水に添加して、スラリーを形成すること、
スラリーを媒体に添加して、懸濁液を形成すること、並びに
任意選択的に、懸濁液をNスパージに付すこと
を含む、方法。
【0131】
実施形態XVI.懸濁液を、酸素透過性がより低い容器に搭載することをさらに含む、実施形態XVによる方法。
【0132】
実施形態XVII.懸濁化剤が、アクリル酸ベースのポリマーである、実施形態XVによる方法。
【0133】
実施形態XVIII.ポリマーベースの懸濁化剤が、Carbopol(登録商標)971P又はCarbopol(登録商標)974Pである、実施形態XVによる方法。
【0134】
実施形態XX.中和剤が、水酸化ナトリウムである、実施形態XVによる方法。
【0135】
実施形態XXI.必要とする患者のパーキンソン病を処置する方法であって、患者に、十二指腸内投与のためのレボドパ活性薬剤及びカルビドパ活性薬剤を含む医薬組成物を投与することを含み、レボドパ活性薬剤及びカルビドパ活性薬剤が、患者にとって治療上有効な方式で提供され、1つ以上のポリマーベースの懸濁化剤に懸濁され、医薬組成物が、少なくとも約1.1Paの降伏値を有する、方法。
【0136】
本開示はまた、実施形態1~50を特定の実施形態として提供する。
【0137】
実施形態1.十二指腸内投与のための医薬組成物であって、
(a)全組成物の約4.0w/w%の量のレボドパ活性薬剤、
(b)全組成物の約1.0w/w%の量のカルビドパ活性薬剤、
(c)全組成物の約0.1w/w%~約5w/w%の量のポリマーベースの懸濁化剤、及び
(d)液体ビヒクル
を含み、
ここで、
(i)液体ビヒクルが、水、ポリエチレングリコール、又は水及びポリエチレングリコールの混合物であり、
(ii)医薬組成物の判定値が、レボドパ活性薬剤に関して15又はそれ未満であり、カルビドパ活性薬剤に関して15又はそれ未満であり、
(iii)医薬組成物の降伏値が、少なくとも約0.3Paであり、
ここで、
判定値及び降伏値が、医薬組成物を、約25℃の温度及び約60%の相対湿度に少なくとも約8週間の期間にわたって曝露した後に測定される、医薬組成物。
【0138】
実施形態1によれば、「ポリマーベースの懸濁化剤」は、1つ以上のポリマーベースの懸濁化剤を表すことができる。2つのポリマーベースの懸濁化剤が医薬組成物に含まれる場合、それらは共に、アクリル酸ベースのポリマー、例えばCarbopol(登録商標)971P及びCarbopol(登録商標)974Pであってよく、それらは共に、親水コロイドポリマー、例えばAvicel(登録商標)CL-611及びAvicel(登録商標)RC591であってよく、又は一方がアクリル酸ベースのポリマーであってよく、他方が親水コロイドポリマー、例えばCarbopol(登録商標)971P及びAvicel(登録商標)CL-61であってよい。
【0139】
実施形態2.判定値及び降伏値が、医薬組成物を、約25℃の温度及び約60%の相対湿度に少なくとも約15週間の期間にわたって曝露した後に測定される、実施形態1による医薬組成物。
【0140】
実施形態3.判定値及び降伏値が、医薬組成物を、約25℃の温度及び約60%の相対湿度に少なくとも約26週間の期間にわたって曝露した後に測定される、実施形態1による医薬組成物。
【0141】
実施形態4.判定値及び降伏値が、医薬組成物を、約25℃の温度及び約60%の相対湿度に少なくとも約60週間の期間にわたって曝露した後に測定される、実施形態1による医薬組成物。
【0142】
実施形態5.ポリマーベースの懸濁化剤が、アクリル酸ベースのポリマーである、実施形態1~4のいずれか1つによる医薬組成物。
【0143】
実施形態6.ポリマーベースの懸濁化剤が、カルボマー、例えばCarbopol(登録商標)934P、Carbopol(登録商標)971P、又はCarbopol(登録商標)974Pである、実施形態1~5のいずれか1つによる医薬組成物。
【0144】
実施形態7.ポリマーベースの懸濁化剤が、Carbopol(登録商標)971P又はCarbopol(登録商標)974P又はそれらの組合せである、実施形態1~6のいずれか1つによる医薬組成物。
【0145】
実施形態8.全組成物の約0.1w/w%~約0.3w/w%、例えば全組成物の約0.11w/w%、約0.12w/w%、約0.13w/w%、約0.13w/w%、約0.14w/w%、約0.15w/w%、約0.16w/w%、約0.17w/w%、約0.18w/w%、約0.19w/w%、約0.20w/w%、約0.21w/w%、約0.22w/w%、約0.23w/w%、約0.24w/w%、約0.25w/w%、約0.26w/w%、約0.27w/w%、約0.28w/w%又は約0.29w/w%の量のポリマーベースの懸濁化剤を含む、実施形態1~7のいずれか1つによる医薬組成物。
【0146】
実施形態9.ポリマーベースの懸濁化剤が、親水コロイドポリマーである、実施形態1~4のいずれか1つによる医薬組成物。
【0147】
実施形態10.ポリマーベースの懸濁化剤が、ローカストビーンガム、グアーガム、メチルセルロース、微結晶性セルロースを伴うカルボキシメチルセルロースナトリウム、キサンタンガム及びトラガカントガム又はこれらの組合せからなる群から選択される、実施形態1又は9による医薬組成物。
【0148】
実施形態11.ポリマーベースの懸濁化剤が、ローカストビーンガム、グアーガム、キサンタンガム及びトラガカントガム又はこれらの組合せからなる群から選択される、実施形態1、9又は10のいずれか1つによる医薬組成物。
【0149】
実施形態12.ポリマーベースの懸濁化剤が、メチルセルロース及び微結晶性セルロースを伴うカルボキシメチルセルロースナトリウム又はこれらの組合せからなる群から選択される、実施形態1、9又は10のいずれか1つによる医薬組成物。
【0150】
実施形態13.ポリマーベースの懸濁化剤が、微結晶性セルロースを伴うカルボキシメチルセルロースナトリウム、例えば、Avicel(登録商標)CL-611又はAvicel(登録商標)RC591である、実施形態1、9又は10のいずれか1つによる医薬組成物。
【0151】
実施形態14.全組成物の約1w/w%~約5w/w%の量のポリマーベースの懸濁化剤を含む、実施形態1又は9~13のいずれか1つによる医薬組成物。
【0152】
実施形態15.液体ビヒクルが、水及びポリエチレングリコールの混合物である、実施形態1~14のいずれか1つによる医薬組成物。
【0153】
実施形態16.液体ビヒクルが、水である、実施形態1~14のいずれか1つによる医薬組成物。
【0154】
実施形態17.
(a)全組成物の約4.0w/w%の量のレボドパ、
(b)全組成物の約1.0w/w%の量のカルビドパ一水和物、
(c)全組成物の約0.1w/w%~約0.2w/w%の量のCarbopol(登録商標)971P又はCarbopol(登録商標)974P、及び
(d)水
を含む、実施形態1~5のいずれか1つによる医薬組成物。
【0155】
実施形態18.
(a)全組成物の約4.0w/w%の量のレボドパ、
(b)全組成物の約1.0w/w%の量のカルビドパ一水和物、
(c)全組成物の約0.1w/w%~約0.2w/w%の量のCarbopol(登録商標)971P又はCarbopol(登録商標)974P、
(d)中和剤、及び
(e)水
から本質的になる、実施形態17による医薬組成物。
【0156】
実施形態19.
(a)全組成物の約4.0w/w%の量のレボドパ、
(b)全組成物の約1.0w/w%の量のカルビドパ一水和物、
(c)全組成物の約0.1w/w%~約0.2w/w%の量のCarbopol(登録商標)971P又はCarbopol(登録商標)974P、
(d)約0.01w/w%~約0.3w/w%の量の水酸化ナトリウム、及び
(e)水
からなる、実施形態18による医薬組成物。
【0157】
実施形態20.少なくとも約0.34Paの降伏値を有する、実施形態1~19のいずれか1つによる医薬組成物。
【0158】
実施形態21.少なくとも約0.6Paの降伏値を有する、実施形態20による医薬組成物。
【0159】
実施形態22.少なくとも約0.9Paの降伏値を有する、実施形態21による医薬組成物。
【0160】
実施形態23.少なくとも約1.1Paの降伏値を有する、実施形態22による医薬組成物。
【0161】
実施形態24.全組成物の約0.01w/w%~約0.5w/w%の量の中和剤をさらに含む、実施形態1~18又は20~23のいずれか1つによる医薬組成物。
【0162】
実施形態25.中和剤が、水酸化ナトリウムである、実施形態24による医薬組成物。
【0163】
実施形態26.レボドパ活性薬剤が、≦100μmのメジアン粒径分布(D50)を有する、実施形態1~25のいずれか1つによる医薬組成物。
【0164】
実施形態27.レボドパ活性薬剤が、≦37μmのメジアン粒径分布(D50)を有する、実施形態26による医薬組成物。
【0165】
実施形態28.レボドパ活性薬剤が、≦5μmのメジアン粒径分布(D50)を有する、実施形態27による医薬組成物。
【0166】
実施形態29.カルビドパ活性薬剤が、≦20μmのメジアン粒径分布(D50)を有する、実施形態1~28のいずれか1つによる医薬組成物。
【0167】
実施形態30.カルビドパ活性薬剤が、約≦10μmのメジアン粒径分布(D50)を有する、実施形態29による医薬組成物。
【0168】
実施形態31.カルビドパ活性薬剤が、≦3μmのメジアン粒径分布(D50)を有する、実施形態30による医薬組成物。
【0169】
実施形態32.医薬組成物中の不純物の量が、約20~25℃の温度及び約60%の相対湿度で少なくとも8週間の期間にわたって維持された場合、組成物の総重量の約5.8w/w%未満、例えば約5w/w%未満、約4w/w%未満、約3w/w%未満、約2w/w%未満又は約1w/w%未満の量である、実施形態1~31のいずれか1つによる医薬組成物。
【0170】
実施形態33.医薬組成物中の不純物の量が、約20~25℃の温度及び約60%の相対湿度で少なくとも15週間の期間にわたって維持された場合、組成物の総重量の約5.8w/w%未満、例えば約5w/w%未満、約4w/w%未満、約3w/w%未満、約2w/w%未満又は約1w/w%未満の量である、実施形態1~31のいずれか1つによる医薬組成物。
【0171】
実施形態34.医薬組成物中の不純物の量が、約20~25℃の温度及び約60%の相対湿度で少なくとも26週間の期間にわたって維持された場合、組成物の総重量の約5.8w/w%未満、例えば約5w/w%未満、約4w/w%未満、約3w/w%未満、約2w/w%未満又は約1w/w%未満の量である、実施形態1~31のいずれか1つによる医薬組成物。
【0172】
実施形態35.医薬組成物中の不純物の量が、約20~25℃の温度及び約60%の相対湿度で少なくとも60週間の期間にわたって維持された場合、組成物の総重量の約5.8w/w%未満、例えば約5w/w%未満、約4w/w%未満、約3w/w%未満、約2w/w%未満又は約1w/w%未満の量である、実施形態1~31のいずれか1つによる医薬組成物。
【0173】
実施形態36.酸素バリアとして作用する第1又は第2の容器、例えばホイルパウチ内に存在する、実施形態1~35のいずれか1つによる医薬組成物。
【0174】
実施形態37.酸素不透過性のエンクロージャが配置された使い捨て薬物リザーバー内に、実施形態1~35のいずれか1つによる医薬組成物を含む医薬剤形であって、酸素不透過性のエンクロージャが不活性ガスでパージされ、脱酸素剤が添加される、医薬剤形。
【0175】
実施形態38.組成物を、治療上有効な方式で送達することができる連続的な注入ポンプにおいて使用するのに適している、実施形態37による医薬剤形。
【0176】
実施形態39.十二指腸内投与のためのレボドパ活性薬剤及びカルビドパ活性薬剤を含む医薬組成物を調製する方法であって、
(i)医薬組成物が、レボドパ活性薬剤に関して15又はそれ未満であり、カルビドパ活性薬剤に関して15又はそれ未満である医薬組成物の判定値を有し、
(ii)医薬組成物が、少なくとも約0.3Paの降伏値を有し、
ここで、
判定値及び降伏値が、医薬組成物を、約25℃の温度及び約60%の相対湿度に少なくとも約8週間の期間にわたって曝露した後に測定され、
該方法が、
アクリル酸ベースのポリマー懸濁化剤を水に添加して、分散液を形成すること、
分散液に中和剤を添加して、pHを約6.5にして媒体を形成すること、
レボドパ活性薬剤及びカルビドパ活性薬剤を水に添加して、スラリーを形成すること、並びに
スラリーを媒体に添加して、医薬組成物を形成すること
を含む、方法。
【0177】
実施形態40.アクリル酸ベースのポリマー懸濁化剤が、カルボマーである、実施形態39による方法。
【0178】
実施形態41.アクリル酸ベースのポリマー懸濁化剤が、Carbopol(登録商標)971P又はCarbopol(登録商標)974Pである、実施形態39による医薬組成物。
【0179】
実施形態42.中和剤が、水酸化ナトリウムである、実施形態38~40のいずれか1つによる方法。
【0180】
実施形態43.十二指腸内投与のためのレボドパ活性薬剤及びカルビドパ活性薬剤を含む医薬組成物を調製する方法であって、
(i)医薬組成物が、レボドパ活性薬剤に関して15又はそれ未満であり、カルビドパ活性薬剤に関して15又はそれ未満である医薬組成物の判定値を有し、
(iii)医薬組成物が、少なくとも約0.3Paの降伏値を有し、
ここで、
判定値及び降伏値が、医薬組成物を、約25℃の温度及び約60%の相対湿度に少なくとも約8週間の期間にわたって曝露した後に測定され、
該方法が、
親水コロイドポリマー懸濁化剤を水に添加して、分散液を形成すること、
レボドパ活性薬剤及びカルビドパ活性薬剤を水に添加して、スラリーを形成すること、並びに
スラリーを媒体に添加して、医薬組成物を形成すること
を含む、方法。
【0181】
実施形態44.ポリマーベースの懸濁化剤が、ローカストビーンガム、グアーガム、微結晶性セルロースを伴うカルボキシメチルセルロースナトリウム、キサンタンガム及びトラガカントガムからなる群から選択される、実施形態43による医薬組成物。
【0182】
実施形態45.医薬組成物をNスパージに付すことをさらに含む、実施形態39~44のいずれか1つによる方法。
【0183】
実施形態46.医薬組成物を、酸素透過性がより低い容器に搭載することをさらに含む、実施形態39~45のいずれか1つによる方法。
【0184】
実施形態47.必要とする患者のパーキンソン病を処置する方法であって、患者に、治療有効量の実施形態1~36のいずれか1つによる医薬組成物を投与することを含む、方法。
【0185】
実施形態48.レボドパ活性薬剤の判定値が、15又はそれ未満、例えば、約14、約13、約12、約11、約10、約9、約8、約7、約6、約5、約4、約3、約2又は約1である、実施形態1~36のいずれか1つによる医薬組成物。
【0186】
実施形態49.カルビドパ活性薬剤の判定値が、15又はそれ未満、例えば、約14、約13、約12、約11、約10、約9、約8、約7、約6、約5、約4、約3、約2又は約1である、実施形態1~36又は48のいずれか1つによる医薬組成物。
【0187】
実施形態50.約40mg/mLのレボドパ活性薬剤及び約10mg/mLのカルビドパ活性薬剤を含む、実施形態37又は38による医薬剤形。
【実施例0188】
[実施例1] 医薬組成物の調製
レボドパ活性薬剤/カルビドパ活性薬剤の医薬組成物を、図1に示され、以下に記載される通り、Carbopol(登録商標)974Pを用いて調製した。
【0189】
1.1 スラリーの調製
レボドパ及びカルビドパを、容器内の水に添加し、高せん断ミキサーを使用して混合した。或いは、オーバーヘッドインペラは、低せん断ミキサーで置き換えることができる。スラリーを使用して、API(薬物活性剤)を湿潤させ、その塊を分離した。
【0190】
1.2 ゲル懸濁液の調製
Carbopol(登録商標)974Pを、第2の容器内の水に添加し、低せん断ミキサーを使用して真空下で混合した。水酸化ナトリウムを混合物に添加して、ポリマーを中和した。スラリーを混合物に添加し、低せん断ミキサーを使用してさらに混合して、ゲル懸濁液の調製を完了した。
【0191】
1.3 充填及びパウチ処理
ゲル懸濁液を、使い捨て薬物リザーバー(DDR)に充填した。充填重量を、秤によって慣用される間隔でチェックした。充填したDDRを、ホイルパウチで被覆した。パウチを窒素でスパージし、熱シールした。
【0192】
1.4 パッケージング
ホイルパウチを、7つのDDRを保持するキットにパッケージした。次に、キットを、5℃、25℃及び約60%の相対湿度(RH)、並びに40℃及び75%のRHの様々な条件で保存した。
【0193】
【表2】
【0194】
【表3】
【0195】
[実施例2] 高濃度の医薬組成物の安定性
【0196】
2.1 製剤の調製
Carbopol(登録商標)974Pベースの製剤を、パイロット規模の装置で生成した。全体的な製造プロセスは、実施例1と同じであった。バッチをDDR(使い捨て薬物リザーバー)に充填した。次に、DDR試料を、窒素でスパージしたホイルパウチにパッケージして、環境からのあらゆる酸素移入を防止した。25℃における15週間の安定性研究を通して、試料は、それらの化学的及び物理的安定性を維持していた。この結果は、他のレボドパカルビドパ腸管ゲル(例えば、市販のDuodopa)では達成することができない。
【0197】
【表4】
【0198】
2.2 化学的安定性データ
2.1に記載したCarbopol(登録商標)製剤を、製造直後に5℃に置き、数週間後に25℃に置いて安定性研究を開始した。次に、製剤を5℃で解凍し、その後25℃に置いて、安定性研究を開始した。化学的安定性を評価した後、製剤を25℃に置き、それを初期時点と定義し、15週間置いた。標的からのレボドパ及びカルビドパの濃度パーセント(アッセイ)、並びに非常に重要な不純物(DHPA及びDHPPA)の試験を実施して、化学的安定性を評価した。
【0199】
【表5】
【0200】
2.3 安定性に関する試料の物理的安定性
含量分配(UDC)法の均一性を使用して、製剤の物理的安定性を評価した。UDC法によって、投与されるときのゲルにおけるAPI濃度を得る。これによって、患者が、ポンプによって送達されるゲル5gごとに受けるはずのAPI濃度をシミュレートし、患者が、1つのDDRの消費を通して一貫した量の薬物を確実に受けるようにする。試験を、15週間の安定性研究を通して各時点で実施した。この研究で使用したAPIの粒径分布は、本明細書で言及される粒径の限界内にあった。結果を、以下の表5(レボドパ)及び6(カルビドパ)にまとめる。
【0201】
【表6】
【0202】
【表7】
【0203】
[実施例3] ミニブタにおける医薬組成物の治療効果
カルボキシメチルセルロースナトリウムを使用する高濃度(HC)のL-ドーパ/カルビドパ腸管ゲルを、カルボキシメチルセルロースナトリウムを使用する低濃度(LC)のL-ドーパ/カルビドパ腸管ゲル、及びCarbopol(登録商標)974Pを使用する高濃度のL-ドーパ/カルビドパ腸管ゲルと比較し、以下の方式で試験した。それぞれ4匹のミニブタの群に、LCのL-ドーパ/カルビドパ腸管ゲル、HCのL-ドーパ/カルビドパ腸管ゲル、又はCarbopol(登録商標)974P担体中L-ドーパ/カルビドパを、クロスオーバー研究設計で投与した。4匹のミニブタのそれぞれに、1週間の初日に1つの製剤を投与した後、1週間のウォッシュアウト期間を設け、その後、第2の製剤を投与した。さらに1週間のウォッシュアウト期間を設けた後、第3の製剤を、同じミニブタに投与した。
総用量:6.5時間にわたって11.07mg/kgのレボドパ用量;20mg/mL
群:LC;HC;Carbopol(登録商標)974P
ボーラス用量:30分にわたって2.53mg/kgのボーラス用量
注入用量:6時間にわたって8.54mg/kg。
【0204】
ボーラス注入速度:
LC=0.253mL/kg/時間(例えば、10kgのブタ=2.53mL/時間のポンプ速度)
HC=0.127mL/kg/時間(例えば、10kgのブタ=1.27mL/時間のポンプ速度)
Carbopol(登録商標)974P=0.127mL/kg/時間(例えば、10kgのブタ=1.27mL/時間のポンプ速度)
6時間にわたる注入速度:
LC=0.071mL/kg/時間(例えば、10kgのブタ=0.71mL/時間のポンプ速度)
HC=0.0355mL/kg/時間(例えば、10kgのブタ=0.355mL/時間のポンプ速度)
Carbopol(登録商標)974P=0.0355mL/kg/時間(例えば、10kgのブタ=0.355mL/時間のポンプ速度)。
血漿サンプリング時点:0.5時間、1時間、1.5時間、2時間、4時間、6時間、8時間、9時間、10時間、12時間
研究結果によって、図2及び3に示される通り、高濃度のレボドパ/カルビドパ腸管ゲルは、半時間のボーラス及び6時間にわたる注入条件下で投与した場合、LC製剤と同等のCmax、Tmax及びAUC値を示すことが確認される。11.07mg/kgのレボドパ及び2.77mg/kgのカルビドパ一水和物のカセットを、80μL/kg(LCのゲル)又は40μL/kg(HCのゲル及びCarbopol(登録商標)974P対照)で投与した。レボドパのバイオアベイラビリティを、以下の表7及び8にまとめる。表7及び8に示した半減期値を、調和平均として計算する。
【0205】
【表8】
【0206】
カルビドパのバイオアベイラビリティを、以下にさらにまとめる。
【0207】
【表9】
【0208】
カルボキシメチルセルロースナトリウム(NaCMC)を使用するLC及びHCのL-ドーパ/カルビドパ腸管ゲルを、商業規模で製造した。NaCMCを、最初に水に添加し、ホモジナイザーを使用して高せん断で混合して、水性ゲルを調製した。次に、このゲルを窒素でスパージして、溶解した酸素の大部分を除去した。レボドパ及びカルビドパ一水和物を、別個の容器内の水に添加し、ホモジナイザーを使用して高せん断で混合して(このステップは、低せん断を使用して実施することもできる。)、スラリーを生成した。次に、スラリーをゲルに添加し、ホモジナイザーを使用して高せん断で混合した(スラリーステップは、HC製剤については2回反復した。)。次に、組成物全体を脱気し、カセットに充填した。次に、HC製剤を、7のキットにパッケージし、すぐに-20℃に置いた。LC製剤を、脱酸素剤を充填したホイルパウチにパッケージし、窒素でスパージした後、シールした。Carbopol(登録商標)974Pを使用するHCのL-ドーパ/カルビドパ腸管ゲルを、実施例1において説明したプロセスと類似のプロセスを使用して、実験室規模で調製した。
【0209】
[実施例4] Carbopol(登録商標)971Pを使用した室温における12週間目の物理的安定性の最小降伏値
レボドパ-カルビドパ腸管ゲル40mg/ml-10mg/ml(LCIG40/10)の3つの製剤を、0.1w/w%、0.2w/w%及び0.5w/w%の3つの異なる濃度のCarbopol(登録商標)971Pを使用して、実施例1と同様に調製した。これらの製剤を、最終pHが約6.5になるようにNaOHで中和した。pH約6.5を達成するのに必要なNaOHに対するCarbopol(登録商標)の比を、最初に0.2w/w%のCarbopol製剤を使用して決定した。
【0210】
0.1w/w%、0.2w/w%及び0.5w/w%製剤は、それぞれ0.2Pa、1.1Pa及び4.5Paの降伏値を有していた。製剤を、室温(約20℃)において長いバイアルに入れ、ボール紙で被覆して、光分解しないようにした。すべての3つの製剤は、初期時点で均一に白色であった。8週間後、0.1w/w%製剤は沈殿し始め、透明な層が形成された。12週間後、0.5w/w%及び0.2w/w%の製剤は、図5に示される通り、依然として視覚的に許容されるものであった。
【0211】
これらの結果に基づくと、少なくとも1.1Paの降伏値が、沈降に抵抗するために必要である。データを、以下の表9にまとめる。
【0212】
【表10】
【0213】
[実施例5] レボドパ/カルビドパ組成物の物理的安定性
(a)全組成物の3.88w/w%の量のレボドパ、(b)全組成物の0.97w/w%の量のカルビドパ一水和物、(c)示された量のポリマーベースの懸濁化剤、(d)示された量の水酸化ナトリウム、及び(e)水を含む医薬組成物を、表11に概説される通り調製した。これらの製剤の、1週目、8週目及び15週目の様々な時点におけるレボドパの判定値、粘度及び降伏値に関するUDC条件を提供する。レボドパの粒径(APIの粒径)も提供する。組成物を、ホイルパウチ内で、約25℃の温度及び約60%の相対湿度において保存した。これらの結果に基づくと、少なくとも0.3Paの降伏値が、沈降に抵抗するようにするために必要である。データを、表11にまとめる。
【0214】
類似の研究において、(a)全組成物の3.77w/w%の量のレボドパ(粒径:D50=3μm、D90=7μm及びD100=18μm)、(b)全組成物の0.94w/w%の量のカルビドパ一水和物(粒径:D50=2μm、D90=6μm及びD100=16μm)、(c)全組成物の0.18w/w%の量のCarbopol(登録商標)974P、(d)全組成物の0.306w/w%の量の水酸化ナトリウム、及び(e)水を含む医薬組成物を調製し、ホイルバッグ内で、表12に示される条件下で保存した。医薬組成物の物理的安定性及び化学的安定性を提供する。表12に示される条件下で保存された製剤の、約0.13l/秒で測定される低せん断(LS)粘度及び約27l/秒で測定される高せん断(HS)粘度は、それぞれ図6及び図7に示される。
【0215】
表11の降伏値及び粘度、並びに表12の降伏値を、TA instruments製のDiscovery HR-2レオメータを使用して測定した。レオメータには、同心円シリンダーを装着した。試料を、最初に25℃で600秒間、又は試料が平衡に達するまで浸した。試料を、必要に応じて200l/秒で120秒間、予めせん断した。上昇流れ傾斜を、最初に、予めせん断した試料を360秒間浸し、次に300秒間にわたって、せん断速度を0.001l/秒から250l/秒まで上昇させることによって実施した。試料を、必要に応じてさらに300秒間にわたって250l/秒で保持した。最後に、下降流れ傾斜を、300秒間にわたって、250l/秒から0.001l/秒まで実施した。得られた下降流れ傾斜を、Herschel-Bulkleyモデルと適合させて、降伏値及び粘度を得た。
【0216】
判定値を決定するために、医薬組成物を、使い捨て薬物リザーバー(DDR)から、一体化チュービングを介して10のおよそ同じ画分で引き出した。各部分を、高圧液体クロマトグラフィーを使用して薬物濃度について分析した。USP、第905章及び図8を参照されたい。
【0217】
[実施例6] 大きい粒径のレボドパ及び小さい粒径のレボドパを含む製剤を用いたミニブタの薬物動態(PK)研究
ミニブタに、空腸にJチューブを入れるために外科手術を施した。製剤B(大きい粒径のレボドパ)及び製剤C(小さい粒径のレボドパ)を、Jチューブを介して医療用ポンプによって送達した。表13を参照されたい。クロスオーバー設計を、各アーム4匹のミニブタで使用した。それぞれのミニブタに、一定注入速度で0.6mlを30分にわたって投与した。血液試料を、0時間目、0.1時間目、0.25時間目、0.5時間目、1時間目、2時間目、4時間目、6時間目、7時間目に取り出し、血漿レボドパ濃度をLC-MSによって測定した。PKデータは、表14及び図9に示されている。2つのゲル製剤の間で、AUC、Tmax、Cmaxの有意差はない。
【0218】
【表11】
【0219】
【表12】
【0220】
【表13】
【0221】
【表14】
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2022-09-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)全組成物の約4.0w/w%の量のレボドパ活性薬剤、
(b)全組成物の約1.0w/w%の量のカルビドパ活性薬剤、
(c)全組成物の約0.1w/w%~約5w/w%の量のポリマーベースの懸濁化剤、及び
(d)液体ビヒクル
を含む、十二指腸内投与のための医薬組成物であって、
(i)液体ビヒクルが、水、ポリエチレングリコール、又は水及びポリエチレングリコールの混合物であり、
(ii)医薬組成物の判定値が、レボドパ活性薬剤に関して15又はそれ未満であり、カルビドパ活性薬剤に関して15又はそれ未満であり、
(iii)医薬組成物の降伏値が、少なくとも約0.3Paであり、
判定値及び降伏値が、医薬組成物を、約25℃の温度及び約60%の相対湿度に少なくとも約8週間の期間にわたって曝露した後に測定される、医薬組成物。