(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022166231
(43)【公開日】2022-11-01
(54)【発明の名称】モジュール式農場の制御及び監視システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/02 20120101AFI20221025BHJP
【FI】
G06Q50/02
【審査請求】有
【請求項の数】22
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022130590
(22)【出願日】2022-08-18
(62)【分割の表示】P 2019502546の分割
【原出願日】2017-04-04
(31)【優先権主張番号】62/317,895
(32)【優先日】2016-04-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】518352639
【氏名又は名称】フレイト ファームズ, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】FREIGHT FARMS, INC.
【住所又は居所原語表記】840 Summer Street, Suite 108 Boston, MA 02127, US
(74)【代理人】
【識別番号】100186060
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 大輔
(72)【発明者】
【氏名】シーマン,カイル
(72)【発明者】
【氏名】マクナマラ,ブラッド
(72)【発明者】
【氏名】フリードマン,ジョン
(57)【要約】 (修正有)
【課題】モジュール式農場のネットワークのための制御方法及び監視システムを提供する。
【解決手段】システムは、ネットワークの一部の農場のための農場運用の監視及び制御を提供する農場ネットワーキングサービスを含む。農場ネットワーキングサービスは、ネットワークの農場に制御命令及び通知を送信する。利用者は、農場及び農場運用に関連するデータを農場ネットワーキングサービスにアップロードできる。農場ネットワーキングサービスは、最上のアクション、収穫方策を可能とするよう統合データ、及びネットワークの全ての農場のための他の情報から学習できる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一以上のプロセッサ及びメモリ、
並びに、一以上のプロセッサによる実行で、遠隔に位置された複数のモジュール式農場からの情報を受信し、前記収容環境内の生育条件に関する命令又は通知を備える少なくとも一つのモジュール式農場へ情報を送信する動作を前記システムに実行させる、メモリに格納されたコンピュータ可読命令を備え、
各々のモジュール式の農場は、生育作物のための収容環境を備え、前記受信情報は、前記収容環境内のセンサ及び設備の一以上からのデータを少なくとも備える、
農場のネットワークを制御するためのシステム。
【請求項2】
前記受信情報は、作物収穫量、前記収容環境内の気候、農場設備、及び農場運用に関する一以上のデータを更に含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
作物収穫量は、一期間に渡り収穫された作物の量を含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
気候データは、前記収容環境内で徐々に検知される、湿度、CO2レベル、温度、光レベル、作物を渡る気流、作物へ供給される水位、作物へ供給される栄養レベル、及び栄養溶液パラメータの一以上を含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
農場設備データは、徐々に検知される、デューティサイクル、栄養溶液蓄積レベル、栄養供給蓄積レベル、燃料タンクレベル、設備故障通知、及び保守アクション通知の一以上を含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項6】
農場運用データは、一期間に渡り消費されたリソースの量を含み、前記リソースは、燃料、電気、水、及び栄養素の一以上を含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項7】
各々のモジュール式農場の構成要素を監視及び制御する働きをする一以上のモジュールを更に備え、前記構成要素は、センサ、設備、収穫方策、農場機構、利用者認証、規則、警報、データ検証及び設定の一以上を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
多数のモジュール式農場からの統合データを更に備え、前記統合データは、作物収穫量、作物販売価格、気候データ、設備データ、及び農場運用データの一以上に関連するデータを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記統合データ、並びに特定の作物に関する収穫方策最適化、設備保守予測、特定の作物に関して予測される収穫量、地方又は地域の作物収穫量、作物の価格、及び作物の需要の一以上から判定することを更に備える、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記送信情報は、収容環境内での照明装置、灌漑装置、気候制御装置、及び空調装置の一以上を制御及び監視する動作を実行するための命令を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記送信情報は、各々のモジュール式農場に関連する利用者への通知を含み、前記通知は、前記通知を受信することを承認された利用者機器に向けて配信される、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記送信情報は、農場運用作業を実行する命令を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
遠隔に位置された複数のモジュール式農場からの情報を一以上のプロセッサで受信し、各々のモジュール式の農場は、生育作物のための収容環境を備え、前記情報は、前記収容環境内のセンサ及び設備の一以上からのデータを少なくとも備え、
前記一以上のプロセッサによって、前記収容環境内の生育条件に関する命令又は通知を備える少なくとも一つのモジュール式農場へ情報を送信する、
農場のネットワークを制御するための方法。
【請求項14】
一以上のプロセッサ及びメモリ、
並びに一以上のプロセッサによる実行で、少なくとも一つのモジュール式農場から遠隔コンピュータシステムへ情報を送信し、前記収容環境内の生育条件に関する命令又は通知を備える遠隔コンピュータシステムから情報を受信する動作を前記システムに実行させる、メモリに格納されたコンピュータ可読命令を備え、
モジュール式農場は、生育作物のための収容環境を備え、前記送信情報は、前記収容環境内のセンサ及び設備の一以上からのデータを少なくとも含み、
ネットワークを通じて農場を監視及び制御するためのシステム。
【請求項15】
前記送信情報は、作物収穫量、前記収容環境内の気候、農場設備、及び農場運用に関する一以上のデータを含む、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記送信情報は、価格データ、運用データ、位置データ、購入及び支援データの一以上を含む利用者生成データを含む、請求項14に記載のシステム。
【請求項17】
モジュール式農場において、モジュール式農場及び遠隔コンピュータシステムの間の通信を可能とすると共に、前記モジュール式農場に関連する一以上の利用者機器との通信を可能とする通信ゲートウェイ機器を更に備える、請求項14に記載のシステム。
【請求項18】
前記利用者機器は、パーソナルコンピュータ、ラップトップ型コンピュータ、タブレット型コンピュータ、携帯機器、スマートフォン、スマートウォッチ又はウェアラブル機器であるか、又は
前記通信ゲートウェイ機器は、有線ネットワーク又は無線ネットワークを通じて情報を送受信するよう作動する、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記モジュール式農場の収容環境は、生育苗木のためのラック収納コンテナ、苗木に光を供給する構成の照明装置、苗木に栄養素を供給する構成の灌漑装置、コンテナ内の環境条件を制御する構成の気候制御装置、苗木に気流を供給する構成の空調装置を備える、請求項14に記載のシステム。
【請求項20】
一以上のプロセッサによる実行で、前記システムに前記照明装置、前記灌漑装置、前記気候制御装置、及び前記空調装置の一以上を制御及び監視する動作を実行させる、メモリに格納されたコンピュータ可読命令を更に備える、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
一以上のプロセッサによって、少なくとも一つのモジュール式農場から遠隔コンピュータシステムへ情報を送信し、モジュール式農場は、生育作物のための収容環境を備え、前記情報は、前記収容環境内のセンサ及び設備の一以上からのデータを少なくとも含み、
一以上のプロセッサによって、前記収容環境内の生育条件に関する命令又は通知を備える遠隔コンピュータシステムから情報を受信する、
ネットワークを通じて農場を監視及び制御するための方法。
【請求項22】
生育作物のための収容環境に関連する一以上のプロセッサ及びメモリと、
一以上のプロセッサによる実行で、前記システムに、農場運用を制御及び監視するための動作を実行させる、メモリに格納されたコンピュータ可読命令と、
一以上のプロセッサと通信する利用者機器と、
を備え、
前記動作は、照明制御、空調制御、生育チャンバーパラメータ、及び苗木チャンバーパラメータの一以上を備える、複数の農場制御動作を利用者機器に表示することを備える、
農場を制御するシステム。
【請求項23】
モジュール式コンテナ内部からのカメラ放送を利用者機器に表示することを更に備える、請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
履歴ログ、運転ログ、及び警報通知の一以上を供給することを更に備える、請求項22に記載のシステム。
【請求項25】
生育チャンバーパラメータ又は苗木チャンバーパラメータは、室温、湿度、CO2レベル、栄養タンク温度、栄養タンクpHレベル、及び栄養タンク電解液伝導率の一以上を含む、請求項22に記載のシステム。
【請求項26】
照明制御、空調制御、生育チャンバーパラメータ、及び苗木チャンバーパラメータの一以上を備える、複数の農場制御動作を備える表示を農場と関連する利用者機器に送信する、
農場を制御する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モジュール式農場の制御及び監視システムに関する。
【背景技術】
【0002】
(関連出願への相互参照)
本出願は、2016年4月4日に提出された‘モジュール式農場の制御及び監視システム’と題する米国仮出願番号62/317895号のアメリカ合衆国法典第35巻アメリカ合衆国特許法119条(e)に基づく優先権を主張し、その開示は、参照によりここに組み込まれる。
【0003】
人口増加と、気候変化による生育期間への影響から、生鮮食品への需要が増えている。伝統的農法や長期間配送に基づき、現在の食品供給モデルは、経済的及び環境的に維持できない。伝統的農法の運用は、通常、大規模な先行投資の費用と大きな土地を必要とする農業地域に本拠地を置き、播種から販売まで高い運用費用を有する。
【0004】
都市及び地域農業もまた、障害に直面する。都市域で広がる空間が、制限され、高い需要に見合うのに十分でない。温室の高い立ち上げ及び運用費用は、多くの事業にとって、地域作物生産を難しくする。温室の屋根支持構造は、建築工学技師によって評価されなければならならず、重量を支持する追加の筋交をしばしば求める。都市の菜園は、汚染土壌によく対処しなければならない。多くの水耕システムが、農業環境に導入されなければならないため、水耕システムは、都市部で容易に使用されず、容易に輸送可能でなく、運用のための高い人的訓練を求める。
【0005】
収容された農業システムが、これらの問題に対処するため、近年、開発されている。例えば、米国特許第9288948号に記述されるモジュール式コンテナでの生育システムが、高収量作物を生むために開発された。モジュール式コンテナ内で、前記生育システムは、種子が苗木(plants)に成長するまで、種子を育てるための発芽ステーションと、生育苗木を保持する複数の垂直ラックと、苗木にとって適切な光を与える照明装置と、苗木に栄養素を供給する灌漑装置と、コンテナ内の環境条件を制御する気候制御装置と、苗木に気流を供給するための空調装置とを含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
モジュール式農場のネットワークのための制御及び監視システムが提供される。個々の農場によって生成されたデータは、他の農場からのデータに統合され得る。農場は、ネットワークの多数の農場から獲得される情報に基づき制御され得る。本システム及び方法の他の態様及び実施形態は、以下を含む。
【課題を解決するための手段】
【0008】
1.農場のネットワークを制御するためのシステムは、
一以上のプロセッサ及びメモリ、
並びに、一以上のプロセッサによる実行で、遠隔に位置された複数のモジュール式農場からの情報を受信し、前記収容環境内の生育条件に関する命令又は通知を備える少なくとも一つのモジュール式農場へ情報を送信する動作を前記システムに実行させる、メモリに格納された機械可読(コンピュータが読み取り可能な)命令を備え、
各々のモジュール式の農場は、生育作物のための収容環境(contained environment)を備え、前記受信情報は、前記収容環境内のセンサ及び設備の一以上からのデータを少なくとも備える。
【0009】
2.前記受信情報は、作物収穫量、前記収容環境内の気候、農場設備、及び農場運用に関する一以上のデータを更に含む、実施形態1のシステム。
【0010】
3.作物収穫量は、一期間に渡り収穫された作物の量を含む、実施形態2のシステム。
【0011】
4.気候データは、前記収容環境内で徐々に検知される、湿度、CO2レベル、温度、光レベル、作物を渡る気流、作物へ供給される水位、作物へ供給される栄養レベル、及び栄養溶液パラメータの一以上を含む、実施形態2又は3のシステム。
【0012】
5.農場設備データは、徐々に検知される、デューティサイクル、栄養溶液蓄積レベル、栄養供給蓄積レベル、燃料タンクレベル、設備故障通知、及び保守アクション通知の一以上を含む、実施形態2から4のいずれかのシステム。
【0013】
6.農場運用データは、一期間に渡り消費されたリソースの量を含み、前記リソースは、燃料、電気、水、及び栄養素の一以上を含む、実施形態2から5のいずれかのシステム。
【0014】
7.前記情報は、約1分間隔で受信される、実施形態1から6のいずれかのシステム。
【0015】
8.前記受信情報は、価格データ、運用データ、位置データ、購入及び支援データの一以上を含む利用者生成データを含む、実施形態1から7のいずれかのシステム。
【0016】
9.各々のモジュール式農場の構成要素(components)を監視及び制御する働きをする一以上のモジュールを更に備え、前記構成要素は、センサ、設備、収穫方策、農場機構、利用者認証、規則、警報、データ検証及び設定の一以上を含む、実施形態1から8のいずれかのシステム。
【0017】
10.多数のモジュール式農場からの統合データを更に備え、前記統合データは、作物収穫量、作物販売価格、気候データ、設備データ、及び農場運用データの一以上に関連するデータを含む、実施形態1から9のいずれかのシステム。
【0018】
11.前記統合データ、並びに特定(particular)の作物に関する収穫方策最適化、設備保守予測、及び特定の作物に関して予測される収穫量の一以上から判定することを更に備える、実施形態10のシステム。
【0019】
12.前記統合データ、並びに地方又は地域(local or regional)の作物収穫量、作物の価格、及び作物の需要(量)の一以上から判定することを更に備える、実施形態10又は11のシステム。
【0020】
13.前記送信情報は、収容環境内での照明装置、灌漑装置、気候制御装置、及び空調装置の一以上を制御及び監視する動作を実行するための命令を含む、実施形態1から12のいずれかのシステム。
【0021】
14.前記送信情報は、各々のモジュール式農場に関連する利用者への通知を含む、実施形態1から13のいずれかのシステム。
【0022】
15.前記通知は、前記通知を受信することを承認された利用者機器に向けて配信される、実施形態14のシステム。
【0023】
16.農場のネットワークを制御するための方法は、
遠隔に位置された複数のモジュール式農場からの情報を一以上のプロセッサで受信し、各々のモジュール式の農場は、生育作物のための収容環境を備え、前記情報は、前記収容環境内のセンサ及び設備の一以上からのデータを少なくとも備え、
前記一以上のプロセッサによって、前記収容環境内の生育条件に関する命令又は通知を備える少なくとも一つのモジュール式農場へ情報を送信する。
【0024】
17.前記受信情報は、作物収穫量、前記収容環境内の気候、農場設備、及び農場運用に関する一以上のデータを更に含む、実施形態16の方法。
【0025】
18.作物収穫量は、一期間に渡り収穫された作物の量を含む、実施形態17の方法。
【0026】
19.前記収容環境内で徐々に検知された気候データは、湿度、CO2レベル、温度、光レベル、作物を渡る気流、作物へ供給される水位、作物へ供給される栄養レベル、及び栄養溶液パラメータの一以上を含む、実施形態17又は18の方法。
【0027】
20.徐々に検知された農場設備データは、デューティサイクル、栄養溶液蓄積レベル、栄養供給蓄積レベル、燃料タンクレベル、設備故障通知、及び保守アクション通知の一以上を含む、実施形態17から19のいずれかの方法。
【0028】
21.農場運用データは、一期間に渡り消費されたリソースの量を含み、前記リソースは、燃料、電気、水、及び栄養素の一以上を含む、実施形態17から20のいずれかの方法。
【0029】
22.前記情報は、約1分間隔で受信される、実施形態16から21のいずれかの方法。
【0030】
23.前記受信情報は、価格データ、運用データ、位置データ、購入及び支援データの一以上を含む利用者生成データを含む、実施形態16から22のいずれかの方法。
【0031】
24.多数のモジュール式農場からの統合データを更に備え、前記統合データは、作物収穫量、作物販売価格、気候データ、設備データ、及び農場運用データの一以上に関連するデータを含む、実施形態16から23のいずれかの方法。
【0032】
25.前記統合データ、並びに特定の作物に関する収穫方策最適化、設備保守予測、及び特定の作物に関して予測される収穫量の一以上から判定することを更に備える、実施形態24の方法。
【0033】
26.前記統合データ、並びに地方又は地域の作物収穫量、作物の価格、及び作物の需要(量)の一以上から判定することを更に備える、実施形態24又は25の方法。
【0034】
27.前記送信情報は、収容環境内での照明装置、灌漑装置、気候制御装置、及び空調装置の一以上を制御若しくは監視又は制御及び監視の双方を行う動作を実行するための命令を含む、実施形態16から26のいずれかの方法。
【0035】
28.前記送信情報は、各々のモジュール式農場に関連する利用者への通知を含む、実施形態16から27のいずれかの方法。
【0036】
29.前記通知は、前記通知を受信することを承認された利用者機器に向けて配信される、実施形態28の方法。
【0037】
30.ネットワークを通じて農場を監視及び制御するためのシステムは、
一以上のプロセッサ及びメモリ、
並びに一以上のプロセッサによる実行で、少なくとも一つのモジュール式農場から遠隔コンピュータシステムへ情報を送信し、前記収容環境内の生育条件に関する命令又は通知を備える遠隔コンピュータシステムから情報を受信する動作を前記システムに実行させる、メモリに格納された機械可読(コンピュータが読み取り可能な)命令を備え、
モジュール式農場は、生育作物のための収容環境を備え、前記送信情報は、前記収容環境内のセンサ及び設備の一以上からのデータを少なくとも含む。
【0038】
31.前記送信情報は、作物収穫量、前記収容環境内の気候、農場設備、及び農場運用に関する一以上のデータを更に含む、実施形態30のシステム。
【0039】
32.前記送信情報は、価格データ、運用データ、位置データ、購入及び支援データの一以上を含む利用者生成データを含む、実施形態30又は31のシステム。
【0040】
33.モジュール式農場において、モジュール式農場及び遠隔コンピュータシステムの間の通信を可能とすると共に、前記モジュール式農場に関連する一以上の利用者機器との通信を可能とする通信ゲートウェイ機器を更に備える、実施形態30から32のいずれかのシステム。
【0041】
34.前記利用者機器は、パーソナルコンピュータ、ラップトップ型コンピュータ、タブレット型コンピュータ、携帯機器、スマートフォン、スマートウォッチ又はウェアラブル機器である、実施形態33のシステム。
【0042】
35.前記通信ゲートウェイ機器は、有線ネットワーク又は無線ネットワークを通じて情報を送受信するよう作動する、実施形態33又は34のシステム。
【0043】
36.前記モジュール式農場の収容環境は、生育苗木のためのラック収納コンテナ(container housing racks)、苗木に光を供給する構成の照明装置、苗木に栄養素を供給する構成の灌漑装置、コンテナ内の環境条件を制御する構成の気候制御装置、苗木に気流を供給する構成の空調装置を備える、実施形態30から35のいずれかのシステム。
【0044】
37.一以上のプロセッサによる実行で、前記システムに前記照明装置、前記灌漑装置、前記気候制御装置、及び前記空調装置の一以上を制御及び監視する動作を実行させる、メモリに格納された機械可読(コンピュータが読み取り可能な)命令を更に備える、実施形態36のシステム。
【0045】
38.ネットワークを通じて農場を監視及び制御するための方法は、
一以上のプロセッサによって、少なくとも一つのモジュール式農場から遠隔コンピュータシステムへ情報を送信し、モジュール式農場は、生育作物のための収容環境を備え、前記情報は、前記収容環境内のセンサ及び設備の一以上からのデータを少なくとも含み、
一以上のプロセッサによって、前記収容環境内の生育条件に関する命令又は通知を備える遠隔コンピュータシステムから情報を受信する。
【0046】
39.前記送信情報は、作物収穫量、前記収容環境内の気候、農場設備、及び農場運用に関する一以上のデータを更に含む、実施形態38の方法。
【0047】
40.前記送信情報は、価格データ、運用データ、位置データ、購入及び支援データの一以上を含む利用者生成データを含む、実施形態38又は39のシステム。
【0048】
41.モジュール式農場において、モジュール式農場及び遠隔コンピュータシステムの間の通信を可能とすると共に、前記モジュール式農場に関連する一以上の利用者機器との通信を可能とする通信ゲートウェイ機器を更に備える、実施形態38から40のいずれかの方法。
【0049】
42.前記利用者機器は、パーソナルコンピュータ、ラップトップ型コンピュータ、タブレット型コンピュータ、携帯機器、スマートフォン、スマートウォッチ又はウェアラブル機器である、実施形態41の方法。
【0050】
43.前記通信ゲートウェイ機器は、有線ネットワーク又は無線ネットワークを通じて情報を送受信するよう作動する、実施形態41又は42の方法。
【0051】
44.前記モジュール式農場の収容環境は、生育苗木のためのラック収納コンテナ、苗木に光を供給する構成の照明装置、苗木に栄養素を供給する構成の灌漑装置、コンテナ内の環境条件を制御する構成の気候制御装置、苗木に気流を供給する構成の空調装置を備える、実施形態38から43のいずれかのシステム。
【0052】
45.前記照明装置、前記灌漑装置、前記気候制御装置、及び前記空調装置の一以上を監視することを更に備える、実施形態44の方法。
【0053】
46.前記照明装置、前記灌漑装置、前記気候制御装置、及び前記空調装置の一以上を制御することを更に備える、実施形態44又は45の方法。
【0054】
47.農場を制御するシステムは、
生育作物のための収容環境に関連する一以上プロセッサ及びメモリと、
一以上のプロセッサによる実行で、前記システムに、農場運用を制御及び監視するための動作を実行させる、メモリに格納された機械可読(コンピュータが読み取り可能な)命令と、
一以上のプロセッサと通信する利用者機器と、
を備え、
前記動作は、照明制御、空調制御、生育チャンバーパラメータ、及び苗木チャンバーパラメータ(seedling chamber parameters)の一以上を備える、複数の農場制御動作を利用者機器に表示することを備える。
【0055】
48.モジュール式コンテナ内部からのカメラ放送(camera feed)を利用者機器に表示することを更に備える、実施形態47のシステム。
【0056】
49.履歴ログ、運転ログ、及び警報通知の一以上を供給することを更に備える、実施形態47又は48のシステム。
【0057】
50.生育チャンバーパラメータ又は苗木チャンバーパラメータは、室温、湿度、CO2レベル、栄養タンク温度、栄養タンクpHレベル、及び栄養タンク電解液伝導率の一以上を含む、実施形態47から49のいずれかのシステム。
【0058】
51.農場を制御する方法は、
照明制御、空調制御、生育チャンバーパラメータ、及び苗木チャンバーパラメータの一以上を備える、複数の農場制御動作を備える表示を農場と関連する利用者機器に送信する。
【0059】
52.前記送信情報は、農場運用作業(farm operation tasks)を実行するための命令を含む、実施形態1から15のいずれかのシステム。
【図面の簡単な説明】
【0060】
本発明は、添付図面と併用されて、続く詳細な説明に基づき、より詳しく理解される。
【0061】
【
図1】
図1は、モジュール式農場のネットワークの制御及び監視のためのシステム構成に係る実施形態の模式図である。
【
図2】
図2は、農場ネットワーキングサービスと通信する一の農場に係る実施形態の模式図である。
【
図3】
図3は、農場制御システムに係る実施形態の模式図である。
【
図4】
図4は、農場の収容環境に係る実施形態の模式図である。
【
図5】
図5は、農場ネットワーキングサービスに係る実施形態の模式図である。
【
図6】
図6は、農場動作監視処理に係る実施形態の模式的フローチャートである。
【
図7】
図7は、農場ネットワーキングシステムで用いられるモジュールに係る実施形態の模式的ブロック図である。
【
図8】
図8は、設定(値)のためのデータ構造に係る実施形態である。
【
図9】
図9は、設備のためのデータ構造に係る実施形態である。
【
図10】
図10は、農場ネットワーキングサービスで使用される出版購買型アーキテクチャ(publish-subscribe architecture)に係る実施形態の模式図である。
【
図11】
図11は、農場ネットワーキングサービスで使用される出版購買型アーキテクチャに係る実施形態の更なる模式図である。
【
図12】
図12は、農場ネットワーキングサービスで使用される更なる通信アーキテクチャに係る実施形態の模式図である。
【
図14】
図14は、携帯機器で農場運用を追跡するためのユーザインターフェイスの図である。
【
図15】
図15は、利用者機器で農場運用を監視するためのユーザインターフェイスに係る実施形態の図である。
【
図16】
図16は、利用者携帯機器で農場運用を監視するためのユーザインターフェイスに係る実施形態の図である。
【
図17】
図17は、利用者機器で農場運用を制御するためのユーザインターフェイスに係る実施形態の図である。
【
図18】
図18は、利用者携帯機器で農場運用を制御するためのユーザインターフェイスに係る実施形態の図である。
【
図19】
図19は、利用者機器で農場運用に関する警報を監視するためのユーザインターフェイスに係る実施形態の図である。
【
図20】
図20は、利用者携帯機器で農場運用に関する警報を監視するためのユーザインターフェイスに係る実施形態の図である。
【
図21】
図21は、利用者機器で農場運用に関する履歴データを視察するためのユーザインターフェイスに係る実施形態の図である。
【
図22】
図22は、利用者携帯機器で農場運用に関する履歴データを視察するためのユーザインターフェイスに係る実施形態の図である。
【
図23】
図23は、利用者機器で利用者操作を追跡及び実行するためのユーザインターフェイスに係る実施形態の図である。
【
図24】
図24は、利用者携帯機器で利用者操作を追跡及び実行するためのユーザインターフェイスに係る実施形態の図である。
【
図25】
図25は、パラメータ(設定値)に関するデータ構造の実施形態である。
【発明を実施するための形態】
【0062】
図1は、通信ネットワーク102を介して、多数のモジュール式農場10と通信する農場ネットワーキングサービス100の実施形態を含む農場ネットワークの模式図である。農場ネットワーキングサービスは、ネットワークの不可欠な要素である各農場のための農場運用の監視及び制御を提供する。農場ネットワーキングサービスは、様々なパラメータを監視できると共に、入手データに基づき、農場運用の自動制御を提供でき及び/又は各農場に関連する一以上の利用者に通知を提供できる。農場運用の利用者制御は、利用者機器から遠隔的に可能とされる。利用者は、農場及び農場ネットワーキングサービスへの農場運用に関連するデータをアップロードできる。農場ネットワーキングサービスは、農場運用のパラメータを調整するために監視され且つアップロードされたデータから学習できる。農場ネットワーキングサービスは、最良のアクション、収穫方策、及びネットワークの全ての農場に関する他の情報を学習可能とするため、ネットワークにおける多数の農場からのデータを統合できる。農場ネットワーキングサービスによって、自動化された農場市場(farm marketplace)が、統合データに基づき、作物の売買を可能とする。
【0063】
図2は、インターネットのような通信ネットワーク102を介して農場ネットワーキングサービス100と通信する一のモジュール式農場10の概略図である。幾つかの実施形態において、モジュール式農場は、高収穫量を達成するために、一以上の作物が制御条件下で生育可能とされる生育システムのための収容環境12を形成する一以上のモジュール式コンテナを含む。農場制御システム30は、更に後述される収容環境内の生育システムの種々の要素を監視し制御することを備える。農場制御システムは、例えば一以上のモジュール式コンテナ内のような収容環境12内に設置されてもよいし、例えば収容環境に接続されるかその近くの制御室内のような、収容環境の屋外に設置されてもよい。農場制御システムは、農場の収容環境を共に形成する多数のコンテナに渡って分布させてもよい。農場制御システムと通信する一以上の利用者機器60は、例えば農業従事者のような利用者が、農場運用を監視し制御可能とすることを備えてもよい。
【0064】
図3を参照すると、幾つかの実施形態において、農場制御システムは、例えばアプリケーションプラグラムの命令のような演算を実行するための一以上のプロセッサ32、並びにアプリケーションプログラム及びプログラムモジュール、データ、及び例えばBIOSのような他の典型的な項目の記憶装置に関するメモリ34を含んでもよい。農場制御システムは、例えば、キーボード、モニタ、プリンタ等のような入出力機器38、又は例えば、農場設備及びセンサ40のような外部機器へのインターフェイス36を含んでもよく、以下に更に後述される。システム又は他のバス42は、農場制御システム内の要素間の通信を可能とするために備わる。
【0065】
農場制御システムは、農場10に関連する一以上の利用者機器60と通信可能な通信ゲートウェイ機器50を含む。利用者機器60は、農場制御システム30及び/又は収容環境12から遠隔的に設置されてもよい。そのような利用者機器は、限定を伴うものではなく、パーソナルコンピュータ、ラップトップ型コンピュータ、タブレット型コンピュータ、携帯機器、スマートフォン、スマートウォッチ、ウェラブル機器等を含んでもよい。通信ゲートウェイ機器50はまた、農場ネットワーキンサービス100と通信可能であってもよい。その通信ゲートウェイ機器は、限定を伴わず、イントラネット、ローカルエリアネットワーク、広域ネットワーク、又はインターネットのような適切ないずれのネットワーク又はネットワークの組み合せを通じて情報を供給してもよい。通信は、有線若しくは無線、又はこれらの組み合せであってもよい。利用者機器はまた、農場に関連する他の利用者機器や農場ネットワーキングサービスと通信可能とされてもよく、更に後述される。
【0066】
モジュール式農場10の一例は、
図4に模式的に描かれる。コンテナ12内に、生育システムが、種子が苗木に成長するまで種子を育てるための発芽ステーション14、収容環境で生育苗木を保持する複数の垂直ラック16、苗木にとって適切な光を供給する照明装置18、苗木に栄養素を供給する灌漑装置20、収容環境内の環境条件を制御する気候制御装置20、及び苗木に気流を供給する空調装置24といった要素を含み得る。農場制御システム30は、生育システムの構成要素を監視及び制御するためにコンテナ内に備わる。一例となるモジュール式コンテナ内の生育システムは、米国特許第9288948号に記述され、ここに参照によって組み込まれる。
【0067】
各モジュール式農場において、農場制御システムは、生育システムの様々な構成要素を制御及び監視する。その構成要素は、灌漑を供給する、栄養溶液タンク、ポンプ、管類、通気装置、及び浄水器設備;栄養素供給タンクからのリン酸塩、硝酸塩、及び微量元素といった種々の栄養素を栄養溶液タンクの水に導入する栄養素添加器(nutrient doser);空調のためのファン、通気口、及びエアフィルタ;LED光源といった照明;照明や苗木ラックを動作させるためのモータ;冷暖房のためのHVAC(冷暖房空調)設備;収容環境内の苗木の視覚監視を提供するための写真及び動画;並びに電源のための発電機、蓄電池、ソーラパネル、燃料タンク等を含んでもよい。構成要素はまた、温度センサ、湿度センサ、及びCO2センサ、並びに栄養溶液のpH、酸性度、伝導率、酸素含有量、及び温度を検出するセンサといった、収容環境内側の状況を監視する種々のセンサを含んでもよい。
【0068】
農場制御システム30は、利用者によって設定される仕様又は特定の作物に関して予め設定される仕様に基づき、前記構成要素を監視及び制御してもよい。例えば、その制御システムは、気候制御装置を監視してもよく、規定値内にとどまるために湿度、CO2レベル、温度、及び他のパラメータを変化させてもよい。前記制御システムは、時刻やオン・オフのデューティサイクルといった因子に基づき、照明を制御する照明装置のスイッチに連結されてもよい。前記制御システムは、特定の作物にとっての適切な栄養素濃度が栄養タンクで維持されることを保証するため、センサや灌漑システムの弁に連結されてもよい。例えば、特定の栄養レベルを維持するために栄養タンクに加えられる栄養素の種類や量が、生育される苗木の種類によって、制御されてもよい。栄養溶液のpHや酸性度レベルが、制御されてもよい。前記制御システムは、特定の生育経路又は生育経路の特定区域に落とされる栄養溶液の量を監視し制御してもよい。前記制御システムは、適切な気流が種々の苗木の区域のために維持されることを保証するために、空調装置のモータやスイッチに連結されてもよい。前記制御システムは、苗木の生長の視覚的記録を保存する一以上のカメラと通信されてもよい。上記は、最適な生育条件の維持管理を保証するために監視され且つ制御され得る構成要素の理解を助ける例である。本技術分野の当業者によって理解されるように、他の構成要素が監視及び制御されてもよい。
【0069】
可変パラメータの値は、求められる(予測される)収穫量並びにその作物にとっての最適な環境及び供給条件に基づき、選択されてもよい。利用者は、水準を設定及び修正してもよいし、予め調整されたいずれの水準を修正及び/若しくは無効にする(override)又は単に収容環境のアクションを監視してもよい。農場制御システムは、設備故障警報、保守スケジュール、条件の変更、又は他の規定水準からの変更を発するよう構成され得る。利用者は、農場制御システムと通信する利用者機器から及び/又は農場制御システムと直接通信する入出力機器を介して、いずれの又は全てのこれらのアクションを実行してもよい。
【0070】
図5を参照し、幾つかの実施形態において、農場ネットワーキングサービス100は、アプリケーションサーバ110及びデータストレージ120を含んでもよい。アプリケーションサーバで、一以上のアプリケーションモジュール及び一以上のインターフェイスモジュールをプログラムするアプリケーション(application programming interface modules)が、備わってもよい。農場ネットワーキングサービスは、例えば、アクセス制御を管理する又は前記サービスに接続することを求める会員農場のメンバーを認証する、及び加入者にデータを発行するような出版購買型モジュール130を含んでもよい。農場ネットワーキングサービスは、ネットワークに属する全ての農場からのデータを管理するために、多数の農場データの処理モジュール140を含んでもよい。農場ネットワーキングシステムは、他のサーバ、プログラムモジュール等を含んでもよい。
【0071】
農場ネットワーキングサービスは、ネットワークの不可欠な要素である農場に設置される各農場制御システムと通信可能であってよい。農場ネットワーキングサービスは、限定を伴わず、例えば、気候データ、設備及び運用データ、並びに作物収穫量データなどのデータを直接農場制御システムから入手してもよい。限定を伴わず、気候データは、例えば、湿度、CO2レベル、温度、光レベル、作物を渡る気流、作物へ供給される水位及び栄養レベルといった収容環境内のパラメータや、例えば、pH、伝導率、酸素含有量、及び温度といった栄養溶液のパラメータを含んでもよい。限定を伴わず、設備データは、デューティサイクル、栄養溶液蓄積レベル、燃料タンクレベル、及び設備故障及び保守アクションを含んでもよい。限定を伴わず、運用データは、例えば、水や燃料の量、栄養素の重量といった、一期間に渡り消費されたリソースの量を含んでもよい。限定を伴わず、収穫量データは、一期間に渡り収穫された特定の作物の量を含んでもよい。その量は、例えば、重量や頭(heads)の数等といったいずれの適切な単位で測定され得る。例えば、農場収穫量データは、毎年生産されたレタスの頭の数又は毎年生産されるバジルの重量の数などを含み得る。その期間は、日、週、月、又は年といったいずれの適切な期間であってよい。
【0072】
幾つかの実施形態において、農場ネットワーキングサービスは、限定を伴わず、例えば、一分間隔、五分間隔、十分間隔、三十分間隔、一時間間隔、六時間間隔、十二時間間隔、二十四時間間隔といった周期的スケジュールに関するデータを農場制御システムから入手してもよい。必要に応じて、データは、他の時間間隔で入手されてもよい。データの異なる種類は、異なる時間間隔で入手されてもよい。パラメータの中の多くが時間と共に変化するため、そのデータは、好ましくは時系列データとして最適化されるデータストレージ内に記憶される。
【0073】
幾つかの実施形態において、利用者は、利用者によって入手されるか利用者の農場で生成されたデータを農場ネットワーキングサービスにアップロードすることができる。そのようなデータは、限定を伴わず、価格データ、運用データ、位置データ、購入及び支援データを含んでもよい。価格データは、特定の地域又は地方の市場での特定の日付に関して特定の作物の販売のために入手された価格を含んでもよい。運用データは、農場での気候、設備、及び作物収穫量に関するデータを含んでもよい。位置データは、例えば、農場が多数の位置に設置されるコンテナを含む場合のような、特定の農場位置を含んでもよい。購入は、オンライン店舗又は他の店舗から利用者によって購入されたいずれの品目(item)、その量、及び支払代金を含んでもよい。購入された品目は、限定を伴わず、種子、栽培媒体(growth media)、栄養素、光源、設備、及び修理のための設備部分を含んでよい。支援は、例えば、農場専門家との相談又は設備の一部の修理サービスといった利用者によって入手されるいずれの支援サービスを含んでもよい。
【0074】
幾つかの実施形態において、農場ネットワーキングサービスは、個々の農場から受信されたデータを分析し、分析データに基づき、農場に情報を送信する一以上のアプリケーションを含んでもよい。情報は、利用者に送信される利用者機器の通知を含んでもよい。情報は、パラメータの調整を実行するために農場制御システムに送信される制御命令を含んでもよい。
【0075】
幾つかの実施形態において、農場ネットワーキングサービスは、選択されたフィルタを用いる種々の農場運営を監視するよう機能してもよい。より詳しくは、特定の運用に関して、モジュールは、一以上の変数を監視し、予め調整された値と前記変数とを比較するよう提供されてもよい。仮に、変数が予め定めた最大値を超える場合、そのモジュールは、予め定めた最小値未満への減少、そうでなければ、予め定めた範囲外への減少を決定し、それにより、アクションを始動させてもよい。アクションは、利用者へ送信される通知、又は農場における設備の一部への制御信号の送信を含んでもよい。例えば、送水ポンプは、監視され、決められた制限時間より長く動作する場合、遠隔的に止められてもよい。利用者通知は、原因の予測又は与えられた入力からの適した結果であってもよく、利用者が未解決の農場運用を直接確認できることに従う。例えば、発電機の連続動作中、上昇しないCO
2レベルは、プロパンタンクが空であることの印となり得る。通知は、タンクの確認のために利用者に送られてもよく、タンクの確認次第、タンクが実際に空であるかどうかを判定でき、タンクを置き換える又は補充することができる。前記モジュールは、新たなデータが農場サービスに又は決められたスケジュール上に保存されるときはいつでも動作するようプログラムされてもよい。
図6は、監視運用の例となるフローチャートを描く。
【0076】
他の例として、状態を維持する又は警報を提供するため、前記アプリケーションモジュールは、利用者によって規定される環境条件に関するアルゴリズムを含んでもよい。一の実施形態において、そのアプリケーションモジュールは、最適状態を維持する一連のif-then関係を利用してもよい。例えば、収容環境内の湿度が、設定された限度(例えば60%)未満に減少した場合、その時、農場ネットワーキングサービスは、利用者に警告する、及び/又は湿度レベルが所望のレベルで安定するまで、加湿器を稼働するよう農場制御システムに情報を送信してもよい。他の例において、収容環境内の温度が設定された限度(例えば85°F)を超えて増加する場合、又は設定された限度(例えば66°F)未満に減少する場合、その時、農場ネットワーキングサービスは、利用者に警告する、及び/又は温度が所望の温度範囲内の所望の温度で安定するまで、気候制御システムを稼働するよう農場制御システムに情報を送信してもよい。そのif-then関係は、前記メモリにプログラムモジュールとして保存されてもよい。
【0077】
データ及び処理モジュールは、一以上の消費可能なアプリケーション・プログラミング・インターフェイス(APIs)内にまとめられてもよく、内部及び外部アプリケーションが農場データ内に作られることを可能にする。そのAPIは、利用者機器のオペレーティングシステムと農場に関連するアプリケーションのいずれかの種類との間の多目的なインターフェイスを提供する。APIの例は、方策(recipe)、地方の収穫量、価格、農業生産物、農場データ、農場運用、及び保守を含んでもよい。
【0078】
幾つかの実施形態において、APIは、representational state transfer (RESTful)アーキテクチャの制約に従ってもよい。他のAPI呼び出しフォーマット(API call formats)又はプロトコルが、限定を伴わず、例えばHTML又はXMLタグ、JavaScript(登録商標)、PHP、Python、Perl、又はAJAXのように使用してもよい。
【0079】
図7は、農場ネットワーキングシステムの様々な構成要素を監視し制御する種々のモジュールの例を図式化して説明する。例えば、センサモジュール210は、各農場のセンサに関して、各センサの識別参照記号(“id”)、データ値、データ型、タイムスタンプ、及び農場識別を含んでもよい。方策モジュール(recipe module)は、各収穫方策に関して、作物の識別、スケジュール(例えば、移植や収穫予定表)、栄養計画、環境パラメータ、及び規則(例えば、設備パラメータや最適気候を維持するための規則)を含んでもよい。農場モジュール230は、ネットワークの各農場に関して、その農場の使用設備、農場の機構(例えば、作物が農場内のどこに置かれるか、いずれの利用者が農場を利用したか、及び、どの期間、いずれのワークフローが農場で実行されたか)、農場で使用されるセンサ、農場で生育される作物に関して使用される規則、並びに利用者(農場ネットワーキングシステムの利用を認証された農業従事者)を含んでもよい。設備モジュール240は、各農場の設備に関して、設備の各要素に関する識別参照記号、特定の期間(例えば、オン又はオフ)における設備要素の状態、名称、型、タイムスタンプ、及び農場識別を含んでもよい。遠隔制御運用モジュール250は、各農場に関して、各農場の識別、遠隔的に監視及び制御される各農場の設備、及びいずれの特定の期間における設備の状態を含んでもよい。規則/警報モジュール260は、規則の運用を引き起こすパラメータ、規則の記述、取られる動作、通知を受信する会員、及び農場識別を含んでもよい。動作は、例えば、サポートチケットの発行、通知、又は自動化された動作を実行するための命令を含んでもよい。データ検証モジュール270は、センサ又は設備の識別、各センサ又は設備要素の現在の値及び/又は状態、データ入力が正当か正当でないかの表示、及び問題対応を含んでもよい。設定モジュール280は、設定の型(type)、各設定に関するパラメータ及び値、各農場の識別、及びタイムスタンプを含んでもよい。
【0080】
図8は、設定に関する保存データとして使用可能なデータ構造に係る実施形態の説明図である。そのデータは、出力及びオフやオンの時間に関するタイムスタンプを含んでもよい。
図9は、センサ値に関する保存データとして使用可能なデータ構造に係る実施形態の説明図である。そのデータは、例えば毎分のような種々の時間間隔の値を含んでもよい。
図25は、アプリケーション・プログラミング・インターフェイスで使用可能な種々のパラメータに関するデータ構造の実施形態である。
【0081】
追加の例のアプリケーションは、農場と遠隔機器及びサーバとの間を接続、品目を購入するための農場店舗、作物追跡者(crop tracker)、投資利益率(ROI)の表示、市場及び地域密着型農業(CSA)ツール、フリート管理、先を見越したサポート、並びに運用プランナ及びスケジューラを提供するアプリケーションを含んでもよい。
【0082】
幾つかの実施形態において、情報が、プッシュメッセージングシステム(push messaging system)を用いる農場へ自動的に送信さてもよい。幾つかの実施形態において、情報は、一定の話題又は情報の種類を受信するよう承認されたそれらの農場に情報が送信されるような、出版購読アーキテクチャを用いて送信されてもよい。
図10を参照すると、情報は、各承認利用者の種々の機器310や、情報を受信次第更新可能なデータストレージ320に送信されてもよい。利用者は、受信を希望するいずれかの通知を選択してもよい。例えば、バジルを生育する利用者は、バジルに関連する通知を受信することを選択でき、その結果、彼らは、例えばバジル生育サイクルや環境に関する情報を含み得るバジル方策に関する更新や通知を受信できる。自動制御によって、現在の生育期間や方策に追加されるいずれの新たな情報に基づき、バジルのための環境を最適化するこれらの通知に関する行動を、農場が取ることができる。
【0083】
図11を参照すると、幾つかの実施形態において、農場ネットワーキングサービスは、農場ネットワークメンバに情報を提供することの他、生データ(live data)流を調整し、サービスコネクタとして機能する通信モジュール又はハブ330を含む出版購読アーキテクチャを含んでもよい。農場ネットワーキングサービスは、ハブと通信し、限定を伴わず、例えば気候及びハイドロ(hydro)センサ、並びに種々の仕事の自動化を調整する自動制御装置336といった設備やセンサ334に関する情報を送信するためのゲートウェイ332を提供してもよい。農場ネットワーキングサービスは、データの供給経路又は流れるデータのためのストリームインジェスチョン(stream ingestion)を調整するためのアプリケーション・プログラム・インターフェイス340、データ処理で使用される規則エンジン、及びデータストレージを含んでもよい。農場ネットワーキングサービスは、アプリケーションロジック、トラックセッション(track session)及び利用者を管理し、アクセス制御リスト(ACL)を維持し、例えば、HTTPSプロトコルを使用して、セキュアチャネル又はネットワークを通じ農場348にプッシュ通知を調整するセキュリティーモジュール344、を含んでもよい。農場ネットワーキングサービスは、カスタマーサポート、顧客関係管理アプリケーション、及び電子商取引機能を提供するためのサポートモジュール352を含んでもよい。
【0084】
図12を参照すると、幾つかの実施形態において、農場ネットワーキングサービスは、伝統的なリクエスト/レスポンス・プロトコルが十分な機能を提供しないような状況での通信及び処理の実行を調整するための三者(three-party)アーキテクチャを利用してもよい。例えば、幾つかの状況において、処理は、HTTPプロトコルに関して時間が掛かり過ぎれば、タイムアウトしてもよい。更なる例として、クライアント機器の切断は、重要な又はスピード重視のプロセスの間に問題とされる様々な理由で起こり得る。幾つかの実施形態において、農場ネットワーキングサービスは、サーバ356又はワークフローを調整するための他の処理機器を含んでもよい。ワークフローは、光源を点灯するような単純な作業からセンサを較正するようなより複雑な処理に至る、農場で実行されるいずれの任務又はアクションを含んでもよい。サーバは、エラー対処やワークフローロジックのための機能を提供してもよく、クライアント機器362はこれらの機能を回避する。サーバは、処理を実行する更なる処理機器358と通信してもよい。これは、ワークフローへの連続的更新や、クライアントがこれらの機能性を提供すること又はクライアントの介在を必要とせず新たなワークフローの追加を可能にする。
【0085】
ネットワークレベルで、農場ネットワークサービスは、ネットワークを渡る多数の農場から集められたデータを使ったパターン処理を利用してもよい。パターン処理は、限定を伴わず、例えば、収穫量最適化、設備最適化、保守予測、ワークフロー最適化、収穫量予測等といった作物や運用に関するパターンを含んでもよい。パターン処理は、作物収穫量、価格、及び需要といった地域及び/又は地方の市場データに関するパターンを含んでもよい。例えば、
図13を参照すると、機械学習アルゴリズムは、特定の作物に関して農場から入手されるデータセットを含んでもよい。主要な出来事や結果が、自動的又は利用者によって、利用可能として追加されてもよく、説明を伴い、農業従事者によって追加されてもよい。そのアルゴリズムは、作物に関する農場データの包括的集合に渡るパターンを発見及び有効にしてもよく、徐々にパターンを強化及び洗練できる。機械学習技術は、監視及び非監視の学習を含んでもよい。
【0086】
より詳しくは、農場ネットワークサービスは、一以上の学習アルゴリズムを利用してもよい。ネットワークの各農場に関して、その農場は、継続的に監視される(上記されるように、周期的なスケジュールで)。ネットワークレベルで、パラメータが、分析され比較されてもよい。全体のネットワークに渡り、気候、設備、及び作物収穫量に関するデータが、現在の最も良い生育パラメータと設定のために集められ分析される。新たな情報が保存される。その新たに学習される情報に基づいた特定の作物に関する既存の方策の更新は保存され、更新がネットワークの農場に送信される。
【0087】
様々な農場プロセスの監視が、論点や問題が起こるか、より重大な混乱を引き起こす前に、それらを積極的に予測し対処するよう用いられてもよい。論点の可能性や種類が、農場ネットワークに渡り生成される連続的データに基づき展開するよう、判定されてもよい。同様に、保守スケジュールが、農場ネットワークに渡り生成されるデータからのネットワーク学習に基づいてもよい。例えば、データが、設備の特定要素のための保守のタイミングに関するパターンを示す場合、通知が、予測される保守時期の通知と共に設備を含む農場の利用者に送信されてもよい。ネットワークを渡る学習に基づく他の例として、内容と市場データを生成する利用者が、農業従事者や農場運営者に、市場需要に基づいて生育する最適な作物を提供してもよい。
【0088】
地方の作物供給予測は、ネットワークに渡り生成されるデータに基づき作られてもよい。例えば、特定の作物のために農場気候や設備データを使用して、その最終作物収穫量が、最も可能性の高い収穫高に基づき予測されてもよい。例えば、作物が一定量の温度変動を感じたことを、データが示してもよい。従来データからの学習に基づき、予測される作物収穫量は、この温度変動のために減らされてもよい。このデータは、次の週に使用に入るつもりの特定の作物の量を判定するよう使用されてもよい。農場の生産が追跡されるため、供給カレンダーが、現在の収穫高を超えて計画される作物の成果を更に予測するよう生成されてもよい。
【0089】
収穫のための方策は、最適な移植や収穫予定表だけでなく、最適な気候、設備パラメータ、及び苗木の生育周期を通じた収穫量を含んでもよい。農業従事者は、作物を生育するために農場を使い始めてもよい。設定は、農場ネットワーキングサービスに送信され、保存される。農場ネットワーク学習を使用して、最適条件が判定される。例えば、統合データから、特定の温度範囲で仮に一定の栄養素の特定量が使用される場合、特定の作物がより多くの収穫量を有するようなパターンが明らかになってもよい。方策は、そのように認識されたパターンに基づき更新されてもよい。いずれの変化が、農場に返信されてもよい。
【0090】
自動売買市場は、供給予測並びに利用者生成及び市場価格データに基づき提供されてもよい。例えば、購入者は特定の作物に関して応札し、農場従事者が、システムに推奨される売値を入れてもよい。購入者は、価格を受け入れ、現在及び更新する作物を販売してもよい。この商取引は、地域市場価格情報のデータベースの一部になってもよい。
【0091】
農場の投資利益率(ROI)は、農場に関する全てのインプット(原価)及びアウトプット(収入)に基づき、即時に予測されてもよい。
【0092】
図14から
図23は、限定を伴わず、ラップトップ型又はデスクトップ型コンピュータ又はスマートフォンのような携帯機器を含み得る利用者機器で閲覧可能なユーザインターフェイス画面情報の実施形態を説明する。ユーザインターフェイスは、ラップトップ又はスマートフォンといった特定の利用者機器のために最適化されてもよい。
【0093】
図14は、携帯機器に関して最適化された、追跡作物410のためのユーザインターフェイスの実施形態を説明する。例えば、そのインターフェイスは、バジル412及びレタス414が、種子溝(seedling troughs)に移動され、ケール416が収穫されることを説明する。利用者は、(ネットワークに接続するための)接続418、(一以上の作物を追跡するための)追跡422、又は(設定を見る又は変えるための)設定424のような適切なアイコンを選択することにより様々な選択肢を選択できる。
【0094】
図15及び
図16は、センサの即時監視、出力、及び入力のためのインターフェイスの実施形態を説明する。例えば、
図15は、利用者が、例えば光源434、空調436、(Mで示される)メイン生育チャンバ438、又は(Sで示される)種子チャンバ442といった監視及び制御の態様を含む制御432を選択できるスクリーン430を説明する。その示される実施形態において、光源は選択され、様々な光源オプション444が、選択範囲(青色光、赤色光、前方光、後方光、左前方、左後方、ゴーストバルブ(Ghost Valve))のために示される。利用者は、一以上の場所での温度448、湿度452、及びCO
2レベル454のような屋内空気パラメータを監視又は制御するために屋内空気446を選択できる。説明される実施形態において、湿度レベルに関するエラー状態456が、例えば利用者の調査を促すために注記“err”によって示される。過去(履歴)のレベルが、閲覧及び監視されてもよく、警報が評価されてもよい。利用者は、例えば温度458、pHレベル462、及びメイン栄養タンク466又は種子栄養タンク468内の電解液伝導率464のようなパラメータを監視及び制御できる。農場のカメラ472からの供給の表示が、提供されてもよい。
図16は、携帯機器のために最適化された同様のスクリーン474、476を説明する。利用者は、所望の選択肢を選択するための表示やタップに様々な選択肢を持っていくよう、スクリーンをスクロールすることができる。
【0095】
図17及び18は、農場設備を制御するためのユーザインターフェイス480の実施形態を説明する。例えば、
図15の“青色光”が選択される場合、
図17に示されるスクリーン482は、利用者が青色光を“オン”“オフ”又は“自動”に設定することの許容を表示する。
図18は、赤色種光源の制御を示す、携帯機器のために最適化された類似のスクリーン484、486を説明する。
【0096】
図19及び20は、例えば、スイッチをオン又はオフにした出力、設定範囲の外側であるセンサ等、制御装置のイベントに関する警報を受信するためのユーザインターフェイスの実施形態を説明する。例えば、
図19は、温度492、湿度494、CO
2レベル496に関する警報を示すスクリーン490を説明する。エラー状態が、湿度レベルのために通知“err”により示されて表現される。必要であればインジケータバーを変えることにより、利用者は、設定を変えてもよい。
図20は、携帯機器のために最適化された類似のスクリーン498、502を説明し、気温の低警報レベル及び高警報レベル、並びに青色種光の状況を示す。
【0097】
図21及び22は、あらゆる期間の、過去のセンサ信号及び様々なセンサ及び設備のための稼働ログを見るためのユーザインターフェイスの実施形態を説明する。例えば、
図21は、気温512、湿度レベル514、CO
2レベル516、及び室外温度518のセンサデータを含むスクリーン510を説明する。
図22は、携帯機器のための類似のスクリーンを説明し、メインタンクの電解液伝導率、現在の状況、警報設定、及びメインポンプの稼働ログを示す。
【0098】
図23及び24は、較正又は他の処理を実行するステップを介して利用者を案内するためのユーザインターフェイスの実施形態を説明する。例えば、
図23は、電解液伝導率センサのための較正処理の最初のステップを示すスクリーン530を説明する。
図24は、携帯機器のための類似のスクリーンを説明し、処理における電解液伝導率較正を示し、利用者が、その処理における最初の二つのステップを終え、チェックを入れたことを示す。追加のスクリーンは、決められた保守や清掃のための処理を介して利用者を導くために提供されてもよい。
【0099】
ここに記述されるように、そのシステムは、モジュール式農場を制御し監視するためのソフトウェア及びハードウェアを基礎とする手段として実装されてもよい。例えば、農場制御システム及び農場ネットワーキングサービスは、コンピュータ機器がアプリケーションレイアを動作し、そうでなければ様々な処理作業を実行することを許容するハードウェア、ソフトウェア、及びファームウェアの組み合せを含む一以上のコンピュータ機器として実装され、又はこれを含んでもよい。コンピュータ機器は、限定を伴わず、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、サーバ、ラップトップ型コンピュータ、タブレット型コンピュータ、携帯機器、手持ち式機器、ワイヤレス機器、スマートフォン、ウェアラブル機器、組み込み機器、マイクロプロセッサベースの機器、マイクロ制御器ベースの機器、プログラム可能な家電機器(programmable consumer electronics)、ミニコンピュータ、メインフレームコンピュータ等を含んでもよい。
【0100】
コンピュータ機器は、基本入出力システム(BIOS)、及びハードウェア要素を管理し、ハードウェアとソフトウェア間を連係させ、起動のような基本動作を管理するソフトウェアとしてのオペレーティングシステムを含んでもよい。コンピュータ機器は、コンピュータ機器に関する基本機能を提供するためにオペレーティングシステムと協調する一以上のプロセッサ及びメモリを含んでもよい。オペレーティングシステムは、アプリケーションレイアや他の処理作業のためのサポート機能を提供する。コンピュータ機器は、様々なハードウェア、ソフトウェア、ファームウェアコンポーネント間及びあらゆる外部機器との通信を提供するために、システムバス又は他のバス(例えば、メモリバス、ローカルバス、周辺機器用バス等)を含んでもよい。コンポーネントが通信し互いに作用し合うことを許可するあらゆる種類のアーキテクチャ又は基盤が、使用され得る。
【0101】
処理作業は、一以上のプロセッサによって実行されてもよい。様々な種類の処理技術が利用されよく、シングルプロサッサ、マルチプロセッサ、中央処理装置(CPU)、マルチコアプロセッサ、パラレルプロセッサ、又は分散プロセッサを含む。画像(グラフィクスプロセッシングユニット又はGPU)、動画、マルチメディア、又は数学的処理機能といった追加の専門的処理資源が、一定の処理作業を実行するために提供されてもよい。様々な学習アルゴリズムが、実装されてもよい。処理作業は、コンピュータ機器で実行されるアプリケーションプログラム又は他のプログラムモジュールのようなコンピュータ実行可能命令を伴い実装されてもよい。アプリケーションプログラム及びプログラムモジュールは、特定の作業を実行するかデータを管理するルーティン、サブルーティン、プログラム、ドライバ、オブジェクト、コンポーネント、データ構造等を含んでもよい。
【0102】
プロセッサは、小規模集積回路、プログラム可能な論理アレイ、プログラム可能な論理素子、マスクパターンによってプログラム可能なゲートアレイ、開発現場でプログラム可能なゲートアレイ(FPGAs)、及び特定用途向け集積回路(ASICs)のような論理素子を含んでもよい。論理素子は、限定を伴わず、計算用論理ブロック及び演算子、レジスタ、有限状態機械、マルチプレクサ、アキュムレータ、コンパレータ、計数器、参照テーブル、ゲート、ラッチ、フリップフロップ、入出力ポート、キャリーイン及びキャリーアウトポート、並びにパリティ生成器、並びに論理ブロック、論理装置、及び論理セルのための相互接続資源を含んでもよい。
【0103】
コンピュータ機器は、システムバス又は他のいずれの方法によってアクセスされ得るメモリ又はストレージを含んでもよい。メモリは、制御論理、命令、及び/又はデータを格納する。メモリは、キャッシュメモリ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、メインメモリ、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、及びメモリスタメモリといった一時的なメモリを含んでもよい。メモリは、プログラム可能なリードオンリーメモリ(PROM)、消去可能プログラマブルリードオンリーメモリ(EPROM)といった、ファームウェア又はマイクロコードのためのストレージを含んでもよい。メモリは、例えば、リードオンリーメモリ(ROM)、ハードディスクドライブ、光学ストレージ機器、コンパクトディスクドライブ、フラッシュディスク、フロッピーディスクドライブ、磁気テープドライブ、メモリチップ、及びメモリスタメモリセルといった非一時的若しくは不揮発性、又は永続的なメモリを含んでもよい。非一時的メモリは、リムーバルストレージ機器上で提供されてもよい。コンピュータ可読媒体は、ここで記述される方法及びシステムの実施形態を実装するようプロセッサによってその後使用され得る命令及び/又は格納データを符号化する能力を有するあらゆる物理媒体を含んでもよい。物理媒体は、フロッピーディスク、光学ディスク、CD、ミニCD、DVD、HD-DVD、ブルーレイディスク、ハードドライブ、テープドライブ、フラッシュメモリ、又はメモリチップを含んでもよい。他のあらゆる種類の有形、プロセッサへの命令及び/又はデータを提供し得る非一時的ストレージが、これらの実施形態で使用されてもよい。
【0104】
そのコンピュータ機器は、入力及び出力機器を種々の他のコンピュータ機器のコンポーネントに接続するための一以上の入力/出力インターフェイスを含んでもよい。入力及び出力機器は、限定を伴わず、キーボード、マウス、ジョイスティック、マイクロフォン、ディスプレー、タッチスクリーン、モニタ、スキャナ、スピーカ、及びプリンタを含んでもよい。インターフェイスは、ユニバーサルシリアルバス(USB)ポート、シリアルポート、パラレルポート、ゲームポート等を含んでもよい。
【0105】
そのコンピュータ機器は、電気通信能力を含むコンピュータ機器を提供するネットワーク接続を通じてネットワークにアクセスできる。ネットワーク接続は、コンピュータ機器に、遠隔機器、遠隔ネットワーク、通信回線を介した遠隔存在物のあらゆる組み合せと通信及び相互接続させることを可能とする。その通信回線は、限定を伴わず、有線又は無線回線を含む通信回線のいずれの種類であってもよい。例えば、ネットワーク接続は、有線及び/又は無線ネットワークであってよく、イントラネット、ローカルエリアネットワーク(LANs)、企業規模のネットワーク、中間エリアネットワーク、広域ネットワーク(WANs)、インターネット、セルラーネットワーク等のいずれの組み合せを含み得るネットワークを通じて、コンピュータ機器が遠隔機器と通信することを許容する。制御論理及び/又はデータは、ネットワーク接続を介してコンピュータ機器へ及び/又はコンピュータ機器から送信されてもよい。ネットワーク接続は、モデム、ネットワークインターフェイス(イーサネット(登録商標)カードのような)、COMポート、PCMCIAスロット及びカード、又は通信回線を介してデータの送信及び受信を可能とするようなものを含んでもよい。
【0106】
そのコンピュータ機器は、利用者が通信回線を通じてウェブサーバによって供給されるページ又は他の内容を閲覧及び見ることを可能とするブラウザ及びディスプレーを含んでもよい。ウェブサーバ、サーバ、及びデータベースが、同じ又は異なる場所に設置されてもよく、同じコンピュータ機器の一部、異なるコンピュータ機器であってよく、又はネットワークに渡って分散されてもよい。データセンタは、遠隔地に設置されてもよく、ネットワークを通じたコンピュータ機器によりアクセスされてもよい。
【0107】
コンピュータ機器は、例えば、クラウドコンピューティングアーキテクチャのような一以上のネットワークに分散されるアーキテクチャを含んでもよい。クラウドコンピューティングは、限定を伴わず、例えば、サービス型ソフトウェア(SaaS)、サービス型インフラ(IaaS)、サービス型プラットフォーム(PaaS)、サービス型ネットワーク(NaaS)、サービス型データ(DaaS)、サービス型データベース(DBaaS)、サービス型デスクトップ(DaaS)、サービス型バックエンド(BaaS)、サービス型テスト環境(TEaaS)、サービス型API(APIaaS)、及びサービス型統合プラットフォーム(IPaaS)を提供するための分散ネットワークアーキテクチャを含む。
【0108】
ここに使用されるように、“本質的に含む(consisting essentially of)”は、クレームの基礎や新規特性に実質的に影響しない材料やステップを除外しない。この中の特に、組成の成分(構成要素)に関する記述、又は装置の要素に関する記述中のいずれの“含む(comprising)”に係る記述は、“本質的に含む(consisting essentially of)”又は“含む(consisting of)”に変更できる。
【0109】
ここに記述される実施形態の様々な特徴が、様々な方法で組み合せられる。例えば、一の実施形態と共に記述される特徴は、たとえ他の実施形態と共に明確に記述されないとしても、他の実施形態に含まれてもよい。
【0110】
添付の特許請求の範囲が、多項従属なく書かれる範囲へ、これが、そのような多項従属を許容しない法律の形式的要求に適合するためにのみなされる。多項従属クレームを表すことにより暗示される全ての可能な特徴の組み合せが、明確に予測され、本発明の考えられる部分であるべきことに留意されるべきである。
【0111】
本発明は、幾つかの好ましい実施形態と関連して記述されるが、当業者は、前述の明細書を見た後、様々な変化、均等物への置換、及びここに示される構成や方法への他の変更をもたらすことができる。
【手続補正書】
【提出日】2022-09-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
農場のネットワークを制御するためのシステムであって、
機械可読命令を格納するメモリと、
前記メモリと通信可能に接続され、前記機械可読命令を実行する一以上のプロセッサと、
を備え、
前記プロセッサは、
遠隔に位置する複数のモジュール式農場から通信を受信し、
前記遠隔に位置するモジュール式農場は、作物を生育するための収容環境を形成する複数のモジュール式コンテナのうち一のモジュール式コンテナを含み、
前記通信は、少なくとも、前記収容環境内の一以上のセンサまたは設備からのセンサデータ、および、前記収容環境の位置を示す位置データ、を含み、
各モジュール式コンテナは、作物の生育のための複数の垂直ラックを含み、
前記センサデータ、および、前記位置データに基づき、前記収容環境内の一以上の作物を生育するための生育条件に関する命令を判定し、
前記命令の判定にあたっては、機械学習に基づいて命令を判定することを更に含み、
前記収容環境内の生育条件に対応する命令を含む通信を複数のモジュール式農場のうち一のモジュール式農場に送信する、
システム。
【請求項2】
前記通信が、一以上の、前記収容環境に対応する気候データ、作物収穫量データ、農場設備データ、または、農場運用データを更に含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記作物収穫量データは、一期間に渡り収穫された作物の量を含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記気候データは、前記収容環境内で経時的に検知される、湿度、CO2レベル、温度、光レベル、作物を渡る気流、作物へ供給される水位、作物へ供給される栄養レベル、および、栄養溶液パラメータの一以上を含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
前記農場設備データは、経時的に検知される、デューティサイクル、栄養溶液蓄積レベル、栄養供給蓄積レベル、燃料タンクレベル、設備故障通知、および、保守アクション通知の一以上を含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項6】
前記農場運用データは、一期間に渡り消費されたリソースの量を含み、前記リソースは、燃料、電気、水、および、栄養素の一以上を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記一以上のプロセッサと通信可能に接続すると共に、遠隔に位置された複数のモジュール式農場の各々のモジュール式農場の構成要素を監視及び制御する働きをする一以上のモジュールを更に備え、前記構成要素は、センサ、設備、収穫方策、農場機構、利用者認証、規則、警報、データ検証及び設定の一以上を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記一以上のプロセッサが、複数のモジュラー農場からのデータを統合し、その統合データには、一以上の、作物収量、作物販売価格、気候データ、機器データ、および、農場運営データが含まれる、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記一以上のプロセッサが、前記統合データから、特定の作物に関する収穫方策最適化、設備保守予測、特定の作物に関して予測される収穫量、地方又は地域の作物収穫量、作物の価格、および、作物の需要、の一以上を判定する、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記送信される通信は、収容環境内における一以上の照明装置、灌漑装置、気候制御装置、および、空調装置、を制御及び監視する動作を実行するための命令を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記送信される通信は、遠隔に位置する各々のモジュール式農場に関連する利用者への通知を含み、前記通知は、前記通知を受信することを承認された利用者機器に向けて配信される、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記送信される通信は、農場運用作業を実行する命令を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
農場のネットワークを制御するための方法であって、
一以上のプロセッサが、
遠隔に位置する複数のモジュール式農場から通信を受信し、
前記遠隔に位置するモジュール式農場は、作物を生育するための収容環境を形成する複数のモジュール式コンテナのうち一のモジュール式コンテナを含み、
前記通信は、少なくとも、前記収容環境内の一以上のセンサまたは設備からのセンサデータ、および、前記収容環境の位置を示す位置データ、を含み、
各モジュール式コンテナは、作物の生育のための複数の垂直ラックを含み、
前記センサデータ、および、前記位置データに基づき、前記収容環境内の一以上の作物を生育するための生育条件に関する命令を判定し、
前記命令の判定にあたっては、機械学習に基づいて命令を判定することを更に含み、
前記収容環境内の生育条件に対応する命令を含む通信を複数のモジュール式農場のうち一のモジュール式農場に送信する、
方法。
【請求項14】
ネットワークを通じてモジュール式農場を監視及び制御するためのシステムであって、
機械可読命令を格納するメモリと、
前記メモリと通信可能に接続され、前記機械可読命令を実行するよう構成された一以上のプロセッサと、を備え、
前記プロセッサは、
モジュール式農場から遠隔コンピュータシステムに通信を送信し、
前記モジュール式農場は、作物を育成するための収容環境を形成するモジュール式コンテナを含み、
前記通信は、少なくとも、前記収容環境内の一以上のセンサまたは設備からのセンサデータ、および、前記収容環境の位置を示す位置データを少なくとも含み、
各モジュール式コンテナは、作物の生育のための複数の垂直ラックを含み、
前記センサデータ、および、前記位置データに基づき、前記収容環境内の作物を生育するための生育条件に関する命令を前記遠隔コンピュータシステムから受信し、
前記命令に応じて前記設備を動作させる、
システム。
【請求項15】
送信される通信は、一以上の、前記収容環境内の気候、作物収穫量、農場設備、及び農場運用に関するデータを含む、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
送信される通信は、一以上の価格データ、運用データ、位置データ、購入、および、支援データ、を含む利用者生成データを含む、請求項14に記載のシステム。
【請求項17】
前記モジュール式農場において、前記一以上のプロセッサと通信可能に接続され、モジュール式農場及び遠隔コンピュータシステムの間の通信を可能とすると共に、前記モジュール式農場に関連する一以上の利用者機器との通信を可能とする通信ゲートウェイ機器を更に備える、請求項14に記載のシステム。
【請求項18】
前記一以上の利用者機器は、パーソナルコンピュータ、ラップトップ型コンピュータ、タブレット型コンピュータ、携帯機器、スマートフォン、スマートウォッチ又はウェアラブル機器であり、又は、
前記通信ゲートウェイ機器は、有線ネットワーク又は無線ネットワークを通じて通信を送受信するよう作動する、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記モジュール式農場の収容環境は、作物を生育するためのラック収納コンテナ、作物に光を供給する構成の照明装置、作物に栄養素を供給する構成の灌漑装置、モジュール式コンテナ内の環境条件を制御する構成の気候制御装置、作物に気流を供給する構成の空調装置を備える、請求項14に記載のシステム。
【請求項20】
一以上のプロセッサによる実行において、前記システムに前記照明装置、前記灌漑装置、前記気候制御装置、および、前記空調装置の一以上を制御及び監視する動作を実行させる、メモリに格納された機械可読命令を更に備える、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
ネットワークを通じてモジュール式農場を監視及び制御するための方法であって、
一以上のプロセッサが、
モジュール式農場から遠隔コンピュータシステムに通信を送信し、
前記モジュール式農場は、作物を育成するための収容環境を形成するモジュール式コンテナを含み、
前記通信は、少なくとも、前記収容環境内の一以上のセンサまたは設備からのセンサデータ、および、前記収容環境の位置を示す位置データを少なくとも含み、
各モジュール式コンテナは、作物の生育のための複数の垂直ラックを含み、
前記センサデータ、および、前記位置データに基づき、前記収容環境内の作物を生育するための生育条件に関する命令を前記遠隔コンピュータシステムから受信し、
前記命令に応じて前記設備を動作させる、
方法。
【請求項22】
前記受信情報に基づいて、現在の収穫を超えて計画された作物のために作物プランナを生成することをさらに含む、請求項21に記載の方法。