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特開2022-166233グリセリン系の水中油型エマルションのべたつき作用を低減するための、水中油型エマルションの官能特性を改善するための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022166233
(43)【公開日】2022-11-01
(54)【発明の名称】グリセリン系の水中油型エマルションのべたつき作用を低減するための、水中油型エマルションの官能特性を改善するための方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/34 20060101AFI20221025BHJP
   A61K 8/31 20060101ALI20221025BHJP
   A61K 8/06 20060101ALI20221025BHJP
   A61Q 19/10 20060101ALI20221025BHJP
【FI】
A61K8/34
A61K8/31
A61K8/06
A61Q19/10
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022130686
(22)【出願日】2022-08-18
(62)【分割の表示】P 2019531218の分割
【原出願日】2017-12-12
(31)【優先権主張番号】1662647
(32)【優先日】2016-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(71)【出願人】
【識別番号】398057293
【氏名又は名称】ソシエテ・デクスプロワタシオン・デ・プロデュイ・プール・レ・アンデュストリー・シミック・セピック
【氏名又は名称原語表記】SOCIETE D’EXPLOITATION DE PRODUITS POUR LES INDUSTRIES CHIMIQUES SEPPIC
(71)【出願人】
【識別番号】505036674
【氏名又は名称】トータルエナジーズ マーケティング サービシーズ
(74)【代理人】
【識別番号】100090398
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 美千栄
(74)【代理人】
【識別番号】100090387
【弁理士】
【氏名又は名称】布施 行夫
(72)【発明者】
【氏名】ソフィー・カンボス
(72)【発明者】
【氏名】エマニュエル・ムラ
(72)【発明者】
【氏名】セシル・タイユボワ
(72)【発明者】
【氏名】ベンジャミン・スワボダ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】シリコーン又はフルオロ単位を含有する合成ポリマーを用いて水相を増粘する必要なしに、あるいはシリコーンの性質の第3の化合物を添加する必要なしに、グリセロールの存在によって生じるべたつき作用を低減するかなくす方法を提供する。
【解決手段】その質量の100%に対して5重量%~30重量%のグリセロールを含有する局所使用のための水中油型エマルション(E)の官能特性を改善する方法であって、その少なくとも95重量%が15~19個の炭素原子を含む環状又は非環状の直鎖又は分岐の飽和炭化水素の混合物(M)の有効量を、前記局所使用のための水中油型エマルション(E)が含有することを特徴とする方法である。本発明は、前記混合物(M)を含有する新規な局所使用のための水中油型エマルション(E)、及び化粧品中でのその使用も提供する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
その重量の100%に対して、1重量%~30重量%のグリセロールを含有する局所使用のための水中油型エマルション(E)の官能特性を改善する方法であって、
その少なくとも95重量%が15~19個の炭素原子を含む環状又は非環状の直鎖又は分岐の飽和炭化水素の混合物(M)の有効量を、前記局所使用のための水中油型エマルション(E)に配合し、
前記混合物(M)がその重量の100%に対して:
- 40重量%以上96重量%以下の重量割合の分岐アルカン、
- 15重量%以下の重量割合の直鎖アルカン、
- 40重量%以下の重量割合のシクロアルカン、
のそれぞれを含み、
前記混合物(M)に対する前記グリセロールの重量比が10以下2以上であることを特徴とする方法。
【請求項2】
その重量の100%に対して:
- 40重量%~90重量%の化粧品に許容される水相(A)であって、その重量の100%に対して5重量%~30重量%のグリセロールを含有する水相(A);及び
- 10重量%~60重量%の脂肪相(G)であって、その重量の100%に対して1重量%~25重量%の、その少なくとも95重量%が15~19個の炭素原子を含む環状又は非環状の直鎖又は分岐の飽和炭化水素の混合物(M)と、0.5重量%~15重量%の少なくとも1種の水中油型界面活性剤と、を含有する脂肪相(G);
を含有し、
前記水中油型界面活性剤は、前記水相(A)中に分散している前記脂肪相(G)の液滴を安定化することができる化学物質又は化学物質の混合物であり、
前記混合物(M)がその重量の100%に対して、
- 40重量%以上96重量%以下の重量割合の分岐アルカン、
- 15重量%以下の重量割合の直鎖アルカン、
- 40重量%以下の重量割合のシクロアルカン、
のそれぞれを含み、
前記混合物(M)に対する前記グリセロールの重量比が10以下2以上である、局所使用のための水中油型エマルション(E)。
【請求項3】
ヒトの皮膚を洗浄及び/又は手入れするための製品としての、請求項2に記載の局所使用のための水中油型エマルション(E)の使用。
【請求項4】
請求項2に記載の有効量の局所使用のための水中油型エマルション(E)をヒトの皮膚に塗布することを特徴とする、ヒトの皮膚を洗浄及び/又は手入れするための化粧方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の主題は、グリセロールを含有する水中油型エマルションの官能特性を改善し、それらのべたつき作用を低減するための新規な方法である。
【背景技術】
【0002】
合成又は天然の親水性ポリマーを中に配合することによって水中水型エマルションを調製するために、化粧品、皮膚医薬品、又は医薬用途を目的とした水相を増粘することはよく知られている。キサンタンガムやグアーガムなどの天然ポリマーは比較的広く使用されているが、天然製品の通常の欠点(変動する価格及び品質)を有している。
【0003】
このため、化粧品又は製薬業界では合成増粘ポリマーが広く使用されている。広いpH範囲にわたって機能し、特に耐用性が優れているという利点を有する増粘剤は、出願人を含む複数の会社によって既に提案されている。特に、米国特許第6,197,287号明細書、米国特許第6,136,305号明細書、米国特許第6,346,239号明細書、又は欧州特許第0503,853号明細書、又は米国特許第5,004,598号明細書に記載されている合成増粘剤を挙げることができる。これらのポリマーは反転ラテックス又は粉末の形態である。これらは本質的に化粧品又は製薬産業からの局所製剤中に見られ得る様々な従来の成分を含有する水相を増粘することを目的している。特に、油、乳化剤とも呼ばれる界面活性剤(非イオン性又はアニオン性)、無機塩、及び弱酸を挙げることができる。
【0004】
いくつかの製剤、より具体的には皮膚の手入れを目的とするものは、それらの保湿能力を高めるために、比較的多量の、典型的には5重量%~10重量%のグリセロールも含有する。しかしながら、これらの配合物中のグリセロールの存在もそのべたつき作用をかなり増大させるため、製造者はこのべたつき作用を制限するか又はなくすためにそれにシリコーン油を添加する。
【0005】
しかしながら、シリコーン油の添加はこれらの配合物の調製をより複雑にする。更に、皮膚と直接接触することが意図されている配合物中にシリコーン油が存在すると、最終消費者によく思われない。そのため、化粧品業界はその使用を制限しようとしており、出願人は特に、それぞれ国際公開第2013132169A1号パンフレット及び国際公開第2013128095A1号パンフレットに開示されている新規な合成増粘ポリマーを開発した。
【0006】
しかしながら、これらのポリマー構造は依然として、環境上及び規制上の理由から化粧品業界ではもはや使用しないことが望まれているシリコーン官能基又はフルオロ官能基のいずれかを有するモノマーの使用を含んでいる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明者らは、シリコーン又はフルオロ単位を含有する合成ポリマーを用いて水相を増粘する必要なしに、あるいはシリコーンの性質の第3の化合物を添加する必要なしに、グリセロールの存在によって生じるべたつき作用を低減するかなくすことを目的として、配合物の官能特性を改善する新規な解決策を開発しようとした。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このため、第1の態様によれば、本発明の主題は、その重量の100%に対して、1重量%~40重量%のグリセロール、より具体的には5重量%~30重量%のグリセロール、更に具体的には5重量%~25重量%のグリセロールを含有する局所使用のための水中油型エマルション(E)の官能特性を改善する方法であって、その少なくとも95重量%が15~19個の炭素原子を含む環状又は非環状の直鎖又は分岐の飽和炭化水素の混合物(M)の有効量を前記局所使用のための水中油型エマルション(E)に配合することを特徴とする、方法である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
「有効量」という用語は、上で定義した方法の定義において、上の前記方法から得られる局所使用のための水中油型エマルション(E)が:
- 上に試験されるエマルションが付着されるプレキシガラス表面が上に置かれる40℃の温度に設定されたペルチェプレート型の支持体を備えたDHR2レオメーター(TA Instruments)を使用して各測定中に記録される、接着強度の3回の測定の平均値が9N以下、より具体的には3N以下を示す;及び
- 45℃の温度で1か月の期間保存した後に均質な外観を示す;
ような量を意味する。
【0010】
本発明の目的のためには、用語「局所使用のための水中油型エマルション(E)」は、100重量%に対して:
- 95%~50%、より具体的には90%~70%の化粧品に許容される水相(A);
- 5%~50%、より具体的には10%~30%の脂肪相(G);
を含有するエマルションを意味し、前記脂肪相(G)は、その重量100%に対して、1%~12%、より具体的には2%~8%の少なくとも1種の水中油型界面活性剤、及び88%~99%、より具体的には92%~98%の少なくとも1種の油及び/又は1種のワックスを含有する。
【0011】
本発明の目的のためには、上で定義した局所使用のための水中油型エマルション(E)の脂肪相(G)中に存在する用語「油」は、非水溶性であり25℃の温度で液体形態である化学物質又は化学物質の混合物を意味する。
【0012】
本発明の目的のためには、上で定義した局所使用のための水中油型エマルション(E)の脂肪相(G)中に存在する用語「ワックス」は、非水溶性であり45℃の温度で固体形態である化学物質又は化学物質の混合物を意味する。
【0013】
本発明の目的のためには、上で定義した局所使用のための水中油型エマルション(E)の脂肪相(G)に存在する用語「水中油型界面活性剤」は、連続相(A)中に分散している前記脂肪相(G)の液滴を安定化することができる化学物質又は化学物質の混合物を意味する。
【0014】
以下は、上で定義した局所使用のための水中油型エマルション(E)の脂肪相(G)に存在する水中油型界面活性剤の例である:
- 1モル当量のソルビタンエステルと5~20モル当量のエチレンオキシドとのエトキシル化反応、より具体的には1モル当量のソルビタンラウレート、ソルビタンパルミテート、又はソルビタンステアレート、又はソルビタンイソステアレート、又はソルビタンオレエートと、5~20モル当量のエチレンオキシドとのエトキシル化反応から得られるポリソルベート;
- 1モル当量の脂肪酸、例えばパルミチン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸と、5~40モル当量のエチレンオキシドとの間の
エトキシル化反応により得られる生成物;
- 脂肪酸、例えばパルミチン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、アラキジン酸、ベヘン酸と、4~20モル当量、より具体的には3~10モル等量のグリセロールとの間のエステル化反応により得られる生成物。
【0015】
局所使用のための水中油型エマルションの水相(A)の定義において使用される表現「化粧品に許容される」は、1993年6月14日の指令第93/35/EECによって修正された1976年7月27日の欧州経済共同体(European Economic Community)指令第76/768/EECに従い、専ら及び主として、それらを洗浄する、それらに香りを付与する、それらの外観を修正する、及び/又はそれらの体臭を修正する、及び/又はそれらを保護する、又はそれらを良好な状態に保つ目的のために、人体の様々な部分(表皮、体毛及び頭髪系、爪、唇、並びに生殖器)又は歯及び口腔粘膜と接触させることが意図された任意の物質又は製剤を意味する。本発明の主題であるこれらの組成物の、化粧品に許容される溶媒は、通常は、水、1種以上の化粧品に許容される有機溶媒、又は水と1種以上の有機溶媒との混合物を含み得る。化粧品に許容される溶媒は、より具体的には、多価アルコール、例えば、グリセロール、ジグリセロール、グリセロールオリゴマー、エチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール、キシリトール、エリスリトール、ソルビトール、又は水溶性アルコールから選択することができる。
【0016】
上で定義した方法の1つの特定の態様によれば、用語「有効量の前記混合物(M)」は、水中油型エマルションの1%~25%、最も具体的には5%~20%の重量割合を意味する。
【0017】
上で定義した方法の定義において使用される「局所使用のための」という表現は、直接的な適用(化粧品、皮膚化粧品、皮膚医薬品、若しくは医薬組成物の場合)であるか、間接的な適用(例えば繊維製品若しくは紙の拭き取り用品の形態の身体の衛生製品、又は皮膚若しくは粘膜と接触することが意図されたサニタリー製品の場合)であるかに関わらず、前記組成物が皮膚、毛髪、頭皮、又は粘膜への適用によって使用されることを意味する。
【0018】
本発明の目的のためには、本発明の主題である方法において使用される混合物(M)中に存在し、15~19個の炭素原子を含む用語「直鎖アルカン」は、より具体的には、ペンタデカン、ヘキサデカン、ヘプタデカン、オクタデカン、及びノナデカンからなる群から選択される要素を意味する。
【0019】
本発明の目的のためには、本発明の主題である方法において使用される混合物(M)中に存在し、15~19個の炭素原子を含む用語「分岐アルカン」は、より具体的には、2-メチルテトラデカン(又はイソペンタデカン)、2-メチルペンタデカン(又はイソヘキサデカン)、2-メチルヘキサデカン(又はイソヘプタデカン)、2-メチルヘプタデカン(又はイソオクタデカン)、及び2-メチルオクタデカン(又はイソノナデカン)からなる群から選択される要素を意味する。
【0020】
本発明の目的のためには、本発明の主題である方法において使用される混合物(M)中に存在し、15~19個の炭素原子を含む用語「シクロアルカン」は、より具体的には1個以上の直鎖又は分岐のアルキルラジカルで任意選択的に置換されていてもよい少なくとも1つの飽和環状炭化水素系基を含む飽和炭化水素を意味する。
【0021】
1つの具体的な態様によれば、本発明の主題は、前記混合物(M)がその重量の100%に対して:
- 80重量%以上100重量%以下、より具体的には90重量%以上の重量割合の分岐アルカン;
- 0重量%以上15重量%以下、より具体的には10重量%以下の重量割合の直鎖アルカン;
- 0重量%以上5重量%以下、より具体的には1重量%以下の重量割合のシクロアルカン;
を含むことを特徴とし、
前記環状又は非環状の直鎖又は分岐の炭化水素の95重量%~100重量%は15~19個の炭素原子を含むことを特徴とし、前記環状、非環状の直鎖又は分岐の炭化水素の最大5重量%は15個未満の炭素原子又は19個を超える炭素原子を含むことを特徴とする、上で定義した通りの方法である。
【0022】
より具体的な態様によれば、本発明の主題は、混合物(M)が、その重量の100%に対して、
i)15~19個の炭素原子を含む直鎖アルカン3.7%、
ii)15~19個の炭素原子を含むイソアルカン96%、及び
iii)15~19個の炭素原子を含むシクロアルカン0.3%、
を含有する、EmogreenTML15の商品名で販売されている飽和炭化水素の混合物である、上で定義した方法である。
【0023】
別のより具体的な態様によれば、本発明の主題は、前記混合物(M)が、その重量の100%に対して、
- 40重量%以上100重量%以下、より具体的には50重量%以上の重量割合の分岐アルカン、
- 0重量%以上20重量%以下、より具体的には15重量%以下の重量割合の直鎖アルカン、
- 0重量%以上40重量%以下、より具体的には35重量%以下の重量割合のシクロアルカン、
を含有することを特徴とし、前記環状又は非環状の直鎖又は分岐の炭化水素の100重量%が15~19個の炭素原子を含むことを特徴とする、上で定義した方法である。
【0024】
最も具体的な態様によれば、本発明の主題は、混合物(M)が、その重量の100%に対して、
i)15~19個の炭素原子を含む直鎖アルカン13.20重量%、
ii)15~19個の炭素原子を含むイソアルカン55.00重量%、及び
iii)15~19個の炭素原子を含むシクロアルカン31.80%、
を含有する、EmosmartTML19の商品名で販売されている飽和炭化水素の混合物である、上で定義した方法である。
【0025】
上で定義した方法の別の具体的な態様によれば、前記混合物(M)の有効量は、グリセロールと前記混合物(M)との間の重量比が10以下1以上、より具体的には5以下2以上であるようなものである。
【0026】
本発明の主題は、その重量の100%に対して:
- 40重量%~90重量%、より具体的には60重量%~90重量%、更に具体的には70重量%~90重量%の化粧品に許容される水相であって、その重量の100%に対して5重量%~30重量%、更に具体的には5重量%~25重量%のグリセロールを含有する水相(A);及び
- 10重量%~60重量%、より具体的には10重量%~40重量%、更に具体的には10重量%~30重量%の脂肪相であって、その重量の100%に対して1重量%~2
5重量%、より具体的には5重量%~20重量%の、その少なくとも95重量%が15~19個の炭素原子を含む環状又は非環状の直鎖又は分岐の飽和炭化水素の前記混合物(M)と、0.5重量%~15重量%の少なくとも1種の水中油型界面活性剤と、を含有する脂肪相(G);
を含有する、局所使用のための水中油型エマルション(E)でもある。
【0027】
本発明の目的のためには、用語「脂肪相(G)」は、水及び/又は水と極性溶媒との混合物に不溶性の脂肪物質又は脂肪物質の混合物を意味する。そのような「脂肪相」は油及び/又はワックスを含み得る。脂肪相の構成要素の中でも、以下のものを挙げることができる:
- スクアレン又はスクアランなどの動物由来の油;
- フィトスクワラン、スイートアーモンド油、ココナッツ油、ヒマシ油、ホホバ油、オリーブ油、ナタネ油、落花生油、ヒマワリ油、小麦胚芽油、トウモロコシ胚芽油、大豆油、綿実油、アルファルファ油、ケシ油、カボチャ油、月見草油、キビ油、大麦油、ライ麦油、ベニバナ油、キャンドルナッツ油、パッションフラワー油、ヘーゼルナッツ油、パーム油、シアバター、杏仁油、ビューティリーフ油、カキネガラシ油、アボカド油、キンセンカ油、ゴマ油、シモツケソウ油、マカダミア/キウイ油、ボラージ油、ブラックカラント種子油、コーヒー油、ピスタチオ油、桃仁油、ラズベリー種子油、イチゴ種子油、メロン油、ブルーベリー種子油、アルガン油、油性プラムエキス、ザクロ油、パパイヤ油、ココナッツミルク油、及び花又は野菜由来の油などの植物油;
- エトキシル化植物油;
- 合成油、例えば脂肪酸エステル、例えば、ミリスチン酸ブチル、ミリスチン酸プロピル、ミリスチン酸セチル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸ヘキサデシル、ステアリン酸イソプロピル、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸イソセチル、オレイン酸ドデシル、ラウリン酸ヘキシル、プロピレングリコールジカプリレート、ラノリン酸由来のエステル(ラノリン酸イソプロピル、ラノリン酸イソセチル等)、脂肪酸のモノグリセリド、ジグリセリド、及びトリグリセリド(トリヘプタン酸グリセリル等)、安息香酸アルキル、水添油、ポリ(α-オレフィン)、ポリオレフィン(ポリイソブテン、水添ポリデセン、又はEts B.Rossow et CieからParleam-PolysynlaneTMの名称でフランスで販売されており、Michel and Irene Ash;Thesaurus of Chemical Products,Chemical Publishing Co,Inc.1986 Volume I,page 211(ISBN 0 7131 3603 0)に記載されている水添ポリイソブテン等)などの脂肪酸エステル;
- ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、アミン変性シリコーン、脂肪酸変性シリコーン、アルコール変性シリコーン、アルコール及び脂肪酸で変性したシリコーン、ポリエーテル基で変性したシリコーン、エポキシ変性シリコーン、フルオロ基で変性したシリコーン、環状シリコーン、及びアルキル基で変性されたシリコーンなどのシリコーン油;
- ミツロウ、カルナバワックス、キャンデリラワックス、オウリキュリー(ouricoury)ワックス、ジャパンワックス、コルク繊維ワックス、サトウキビワックス、ホホバワックス、ブラックカラントフラワーワックス、スイセンフラワーワックス、オレンジフラワーワックス、オレンジワックス、ライスワックス、パラフィンワックス、亜炭ワックス、マイクロクリスタリンワックス、ラノリンワックス、オゾケライト、ポリエチレンワックス、シリコーンワックス、植物ワックス、周囲温度で固体の脂肪族アルコール及び脂肪酸、周囲温度で固体のグリセリドなどのワックス。
【0028】
上で定義した局所使用のための水中油型エマルション(E)の脂肪相(G)中に存在する用語「油中水型界面活性剤」は、連続相(A)中に分散している脂肪相(G)液滴の安定化を可能にする化学物質又は化学物質の混合物を意味する。例えば以下のものが挙げる
ことができる:
- 1モル当量のソルビタンエステルと5~20モル当量のエチレンオキシドとのエトキシル化反応、より具体的には1モル当量のソルビタンラウレート、又はソルビタンパルミテート、又はソルビタンステアレート、又はソルビタンイソステアレート、又はソルビタンオレエートと、5~20モル当量のエチレンオキシドとのエトキシル化反応、から得られるポリソルベート;
- 1モル当量の脂肪酸、例えばパルミチン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸と、5~40モル当量のエチレンオキシドと、の間のエトキシル化反応により得られる生成物;
- 脂肪酸、例えばパルミチン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、アラキジン酸、ベヘン酸と、4~20モル当量、より具体的には3~10モル等量のグリセロールと、の間のエステル化反応により得られる生成物。
【0029】
上で定義した水中油型エマルション(E)に含まれる化粧品に許容される水相(A)は、通常、1種以上の化粧品に許容される有機溶媒、又は水と1種以上の化粧品に許容される有機溶媒との混合物を含み得る。化粧品に許容される溶媒は、より具体的には、多価アルコール(例えばグリセロール、ジグリセロール、トリグリセロール、グリセロールオリゴマー、キシリトール、エリスリトール、ソルビトール、2-メチル-1,3-プロパンジオール);アルコキシル化多価アルコール;グリコール(例えばブチレングリコール、ヘキシレングリコール、カプリリルグリコール又は1,2-オクタンジオール、ペンチレングリコール又は1,2-ペンタンジオール、モノプロピレングリコール、ジプロピレングリコール、イソプレングリコール、ブチルジグリコール、分子量が200g.mol-1~8000g.mol-1であるポリエチレングリコール);又は水溶性アルコール(例えばエタノール、イソプロパノール、又はブタノール)から選択することができる。
【0030】
本発明の主題である水中油型エマルションの水相の定義において使用される表現「化粧品に許容される」は、1993年6月14日の指令第93/35/EECによって修正された1976年7月27日の欧州経済共同体指令第76/768/ECCに従い、前記水相が、水と、専ら及び主としてそれらを洗浄する、それらに香りを付与する、それらの外観を修正する、及び/又はそれらの体臭を修正する、及び/又はそれらを保護する、又はそれらを良好な状態に保つ目的のために、人体の様々な部分(表皮、体毛及び頭髪系、爪、唇、並びに生殖器)又は歯及び口腔粘膜と接触させることが意図された任意の物質又は製剤と、を含有することを意味する。
【0031】
1つの特定の態様によれば、本発明の主題は、前記混合物(M)が、その重量の100%に対して、
- 80重量%以上100重量%以下、より具体的には90重量%以上の重量割合の分岐アルカン、
- 0重量%以上15重量%以下、より具体的には10重量%以下の重量割合の直鎖アルカン、
- 0重量%以上5重量%以下、より具体的には1重量%以下の重量割合のシクロアルカン、
を含有することを特徴とし、
前記環状又は非環状の直鎖又は分岐の炭化水素の95重量%~100重量%が15~19個の炭素原子を含むことを特徴とし、前記環状、非環状の直鎖又は分岐の炭化水素の最大5重量%は15個未満の炭素原子又は19個を超える炭素原子を含むことを特徴とする、上で定義した水中油型エマルション(E)である。
【0032】
この具体的な態様によれば、前記混合物(M)は、より具体的には、その重量の100%に対して、
i)15~19個の炭素原子を含む直鎖アルカン3.7%、
ii)15~19個の炭素原子を含むイソアルカン96%、及び
iii)15~19個の炭素原子を含むシクロアルカン0.3%、
を含有する、EmogreenTML15の商品名で販売されている飽和炭化水素の混合物である。
【0033】
別のより具体的な態様によれば、上で定義した局所使用のための水中油型エマルション(E)は、前記混合物(M)が、その重量の100%に対して、
- 40重量%以上100重量%以下、より具体的には50重量%以上の重量割合の分岐アルカン、
- 0重量%以上20重量%以下、より具体的には15重量%以下の重量割合の直鎖アルカン、
- 0重量%以上40重量%以下、より具体的には35重量%以下の重量割合のシクロアルカン、
を含有することを特徴とし、前記環状又は非環状の直鎖又は分岐の炭化水素の100重量%が15~19個の炭素原子を含むことを特徴とする。
【0034】
この具体的な態様によれば、混合物(M)は、より具体的には、その重量の100%に対して、
i)15~19個の炭素原子を含む直鎖アルカン13.20重量%、
ii)15~19個の炭素原子を含むイソアルカン55.00重量%、及び
iii)15~19個の炭素原子を含むシクロアルカン31.80%、
を含有する、EmosmartTML19の商品名で販売されている飽和炭化水素の混合物である。
【0035】
別の具体的な態様によれば、上で定義した局所使用のためのエマルション(E)は、前記混合物(M)の有効量が、グリセロールと前記混合物(M)との間の重量比が10以下1以上、より具体的には5以下2以上であるような量であることを特徴とする。
【0036】
上で定義した局所使用のためのエマルション(E)は、以下のような1種以上の補助剤を含み得る:
- 増粘剤又はゲル化剤、例えば部分的又は完全に塩の形態のアクリル酸ホモポリマー、部分的又は完全に塩の形態のメタクリル酸ホモポリマー、部分的又は完全に塩の形態の2-メチル-[(1-オキソ-2-プロペニル)アミノ]-1-プロパンスルホン酸(AMPS)ホモポリマー、アクリル酸とAMPSとのコポリマー、アクリルアミドとAMPSとのコポリマー、ビニルピロリドンとAMPSとのコポリマー、AMPSと(2-ヒドロキシエチル)アクリレートとのコポリマー、AMPSと(2-ヒドロキシエチル)メタクリレートとのコポリマー、AMPSとヒドロキシエチルアクリルアミドとのコポリマー、AMPSとN,N-ジメチルアクリルアミドとのコポリマー、AMPSとトリス(ヒドロキシメチル)アクリルアミドメタン(THAM)とのコポリマー、アクリル酸若しくはメタクリル酸と(2-ヒドロキシエチル)アクリレートとのコポリマー、アクリル酸若しくはメタクリル酸と(2-ヒドロキシエチル)メタクリレートとのコポリマー、アクリル酸若しくはメタクリル酸とヒドロキシエチルアクリルアミドとのコポリマー、アクリル酸若しくはメタクリル酸とTHAMとのコポリマー、アクリル酸若しくはメタクリル酸とN,N-ジメチルアクリルアミドのコポリマー、アクリル酸若しくはメタクリル酸とAMPSと(2-ヒドロキシエチル)アクリレートとのターポリマー、アクリル酸若しくはメタクリル酸とAMPSと(2-ヒドロキシエチル)メタクリレートとのターポリマー、アクリル酸若しくはメタクリル酸とAMPSとTHAMとのターポリマー、アクリル酸若しくはメタクリル酸とAMPSとN,N-ジメチルアクリルアミドとのターポリマー、アクリル酸若しくはメタクリル酸とAMPSとアクリルアミドとのターポリマー、アクリル酸若
しくはメタクリル酸とアルキルアクリレートとのコポリマー(その炭素鎖は4~30個の炭素原子、より具体的には10~30個の炭素原子を含む)、AMPSとアルキルアクリレートとのコポリマー(その炭素鎖は4~30個の炭素原子、より具体的には10~30個の炭素原子を含む)、少なくとも1種の中性モノマー及び式(VIII):
CH=C(R’)-C(=O)-[CH-CH-O]-R’ (VIII)
(式中のR’は水素原子又はメチルラジカルを表し、R’は8~30個の炭素原子を含む直鎖又は分岐アルキルラジカルを表し、nは1以上50以下の数を表す)の少なくとも1種のモノマーとの、遊離しているか部分的に塩の形態であるか又は完全に塩の形態である強酸官能基を有する少なくとも1種のモノマーの直鎖、分岐又は架橋ターポリマーなどの高分子電解質型の直鎖又は分岐又は架橋ポリマー;溶液、水性懸濁液、油中水型エマルション、水中油型エマルション、又は粉末の形態であってもよい本発明の主題の水中油型エマルションと組み合わせることができる高分子電解質型の直鎖又は分岐又は架橋ポリマー、例えばSimulgelTMEG、SimulgelTMEPG、SepigelTM305、SimulgelTM600、SimulgelTMNS、SimulgelTMINS100、SimulgelTMFL、SimulgelTMA、SimulgelTMSMS88、SepinovTMEMT10、SepiplusTM400、SepiplusTM265、SepiplusTMS、SepimaxTMZen、AristoflexTMAVC、AristoflexTMAVS、NovemerTMEC-1、NovemerTMEC2、AristoflexTMHMB、CosmediaTMSP、FlocareTMET25、FlocareTMET75、FlocareTMET26、FlocareTMET30、FlocareTMET58、FlocareTMPSD30、ViscolamTMAT64、ViscolamTMAT100の名称で販売されている製品;グルカン、又はグルコースホモポリマー、グルコマンノグルカン、キシログリカン、D-マンノースの主鎖上のD-ガラクトース単位の置換度(DS)が0~1、より具体的には1~0.25であるガラクトマンナン(カシアガム(DS=1/5)、ローカストビーンガム(DS=1/4)、タラガム(DS=1/3)、グアーガム(DS=1/2)、フェヌグリークガム(DS=1)由来のガラクトマンナン等)などの単糖のみからなる多糖;硫酸化ガラクタン、より具体的にはカラギーナン及び寒天、ウロナン、より具体的にはアルギン、アルギン酸塩及びペクチン、単糖及びウロン酸のヘテロポリマー、より具体的にはキサンタンガム、ゲランガム、アラビアガム及びカラヤガムの浸出液、グルコサミノグリカンなどの単糖誘導体からなる多糖;セルロース、セルロース誘導体(メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等)、ケイ酸塩、デンプン、親水性デンプン誘導体、ポリウレタン;
- 膜形成化合物;
- ハイドロトロピー剤;
- 可塑剤;
- パルミチン酸、ステアリン酸又はヒドロキシステアリン酸のナトリウム又はマグネシウム塩、エチレン又はポリエチレングリコールのモノステアレート又はジステアレート、脂肪族アルコール、スチレンホモポリマー及びコポリマー(SEPPICによりMontopolTMOP1の名称で販売されているスチレンアクリレートコポリマー等)などの乳白剤及び/又は真珠光沢剤;
- AjinomotoからAminohopeTMLLの名称で販売されているラウロイルリシン、National StarchからDryfloTMの名称で販売されているオクテニルデンプンサクシネート、MontanovTM14の名称でSEPPIC社から販売されているミリスチルポリグルコシド、セルロース繊維、綿繊維、キトサン繊維、タルク、セリサイト、マイカなどのテクスチャー付与剤;
- 過脂剤;
- 金属イオン封鎖剤;
- キレート剤;
- 8~12個の炭素原子を含む脂肪族アルコールのエトキシル化誘導体、8~12個の炭素原子を含む脂肪酸のエトキシル化誘導体、8~12個の炭素原子を含む脂肪族エステルのエトキシル化誘導体、8~12個の炭素原子を含むモノグリセリドのエトキシル化誘導体、式(II):
-O-(S)-H (II)
(式中、yは1~5の10進数を表し、Sは還元糖の残基を表し、Rは5~16個の炭素原子、好ましくは8~14個の炭素原子を有する直鎖又は分岐の飽和又は不飽和のアルキルラジカルを表す)
のアルキルポリグリコシド、又は式(II)の化合物の混合物、例えば、特にはOramixTMCG110の商品名で販売されているカプリリルカプリルグルコシド、特にはOramixTMNS10の商品名で販売されているデシルグルコシドなどの非イオン性界面活性剤;
- EDTA及びその塩、クエン酸、酒石酸、シュウ酸、BHA(ブチルヒドロキシアニソール)、BHT(ブチルヒドロキシトルエン)、トコフェロール誘導体(酢酸トコフェリル等)、酸化防止化合物の混合物(Dissolvine GL 47S(INCI名:グルタミン酸二酢酸四ナトリウム)等)などの酸化防止剤;
- 香料;
- 防腐剤;
- コンディショニング剤;
- レチノール(ビタミンA)及びそのエステル(例えばレチニルパルミテート)、アスコルビン酸(ビタミンC)及びそのエステル、アスコルビン酸の糖誘導体(アスコルビルグルコシド等)、トコフェロール(ビタミンE)及びそのエステル(酢酸トコフェリル等)、ビタミンB3若しくはB10(ナイアシンアミド及びその誘導体)などのビタミン又はその誘導体、特にはそのエステルのような、皮膚又は毛髪に対してトリートメント作用を付与することが意図されている活性成分;癒し作用を示す化合物、特にはSepicalmTMS、アラントイン、及びビサボロール;抗炎症剤;尿素、ヒドロキシ尿素、グリセロールグルコシド、ジグリセロールグルコシド、ポリグリセリルグルコシドなどの保湿作用を示す化合物;ブドウ抽出物、マツ抽出物、ワイン抽出物、オリーブ抽出物などのポリフェノールが豊富な植物の抽出物;カフェイン又はその誘導体、AdiposlimTM、AdipolessTM、フコキサンチンなどの痩身作用又は脂肪分解作用を示す化合物;N-アシル化タンパク質;MatrixilTMなどのN-アシル化ペプチド;N-アシル化アミノ酸;N-アシル化タンパク質の部分加水分解物;アミノ酸;ペプチド;全タンパク質加水分解物;例えばRaffermineTMなどの大豆抽出物;例えばTensineTM又はGliadineTMなどの小麦抽出物;タンニンを豊富に含む植物抽出物、イソフラボンを豊富に含む植物抽出物、又はテルペンを豊富に含む植物抽出物などの植物抽出物;淡水藻類又は海水藻類の抽出物;海洋植物抽出物;通常はサンゴなどの海洋性抽出物;エッセンシャルワックス;細菌抽出物;セラミド;リン脂質;LipacideTMC8G、LipacideTMUG、SepicontrolTMA5、OctopiroxTM、又はSensivaTMSC50などの抗菌作用又は浄化作用を示す化合物;PhysiogenylTM、パンテノール及びその誘導体(SepicapTMMP等)などの、活性化又は刺激特性を示す化合物;SepiliftTMDPHP、LipacideTMPVB、SepivinolTM、SepivitalTM、ManolivaTM、Phyto-AgeTM、TimecodeTM、SurvicodeTMなどの抗老化活性剤;抗光老化活性剤;真皮表皮接合部の完全性を保護するための薬剤;コラーゲン、エラスチン、グリコサミノグリカンなどの細胞外マトリックス成分の合成を増やすための活性剤;化学的な細胞伝達(サイトカイン等)又は物理的な細胞伝達(インテグリン等)に有利に作用する活性剤;皮膚微小循環活性化剤(ニコチン酸誘導体等)などの皮膚に「加温」感覚を与える活性剤又は皮膚に「清涼」感を与える製品(メントール及び誘導体等);例えばベイノトニクス(veinotonics)などの皮膚微小循環を改善するための活性剤;排出活性剤;イチョウ(ginkgo biloba)、ツタ、セイヨウトチノキ、タケ、ナギイカダ(ruscus)、ナギイカダ(butcher’s broom)、ツボクサ(Centella asiatica)、ヒバマタ、ローズマリー、ヤナギの抽出物などの鬱血除去を目的とする活性剤;皮膚を日焼け又は褐色化させるための薬剤、例えば、ジヒドロキシアセトン(DHA)、エリスルロース、メソ酒石酸アルデヒド、グルタルアルデヒド、グリセルアルデヒド、アロキサン、ニンヒドリン、植物抽出物(例えば欧州特許出願公開第0971683号明細書に記載されるものなどの、プテロプカルプス・サンタリヌス(Pterocarpus santalinus)、プテロカルプス・オスン(Pterocarpus osun)、プテロカルプス・ソイオウキシイ(Pterocarpus soyauxii)、プテロカルプス・エリナケウス(Pterocarpus erinaceus)、プテロカルプス・インディクス(Pterocarpus indicus)、又はバフィア・ニティダ(Baphia nitida)などのプテロカルプス(Pterocarpus)属及びバフィア(Baphia)属のレッドウッドの抽出物);ヒトの皮膚の日焼け及び/若しくは褐色化を促進及び/若しくは加速するその作用、並びに/又はヒト皮膚を着色するその作用について知られている薬剤、例えば、カロテノイド(より具体的には、β-カロテン及びγ-カロテン)、Provitalから商品名「Carrot oil」(INCI名:ダウクス・カロタ(Daucus Carota)、ヘリアンサス・アンヌウス(helianthus annuus)ヒマワリ油)として販売されている、カロテノイドとビタミンEとビタミンKとを含有する製品;紫外線への暴露と組み合わせた、ヒトの皮膚の日焼けの加速に対するその効果について知られているチロシン及び/又はその誘導体、例えば、Provitalから商品名「SunTan AcceleratorTM」として販売されている、チロシンとリボフラビン(ビタミンB)とを含有する製品、Zymo Lineから商品名「Zymo Tan Complex」として販売されているチロシン及びチロシナーゼ複合体、Mibelleから商品名MelanoBronzeTM(INCI名:アセチルチロシン、セイヨウニンジンボク抽出物(ヴィテックス アグナス-カスタス(Vitex Agnus-castus)))として販売されている、アセチルチロシンを含有する製品、Unipexから商品名Unipertan VEG-24/242/2002(INCI名:ブチレングリコール及びアセチルチロシン及び加水分解植物性タンパク質及びアデノシン三リン酸)として販売されている製品、Sedermaから商品名「Try-ExcellTM」(INCI名:オレオイルチロシン及びヘチマ(Luffa Cylindrica)(種子油及びオレイン酸))として販売されている、マロー種子の抽出物(すなわちヘチマ油)を含有する製品、Alban Mullerから商品名「ActibronzeTM」(INCI名:加水分解小麦タンパク質及びアセチルチロシン及びグルコン酸銅)として販売されている製品、Synergaから商品名TyrostanTM(INCI名:カリウムカプロイルチロシン)として販売されている製品、Synergaから商品名Tyrosinol(INCI名:イソステアリン酸ソルビタン、オレイン酸グリセリル、カプロイルチロシン)として販売されている製品、Alban Mullerから商品名InstaBronzeTM(INCI名:ジヒドロキシアセトン及びアセチルチロシン及びグルコン酸銅)として販売されている製品、Exymolから商品名Tyrosilane(INCI名:メチルシラノール及びアセチルチロシン)として販売されている製品;そのメラニン形成活性化効果について知られているペプチド、例えば、Infinitec Activosから商品名Bronzing SFペプチド粉末(INCI名:デキストラン及びオクタペプチド-5)として販売されている製品、商品名Melitane(INCI名:グリセリン及び水及びデキストラン及びアセチルヘキサペプチド-1)として販売されている、そのα-MSHアゴニスト作用が知られているアセチルヘキサペプチド-1を含有する製品、Lipotecから商品名Melatimes SolutionsTM(INCI名:ブチレングリコール、パルミトイルトリペプチド-40)として販売されている製品;糖及び糖誘導体、例えばProvitalから商品名TanositolTM(INCI名:イノシトール)として販売されている製品、CODIF internationalから商品名ThalitanTM(又はPhycosaccharideTMAG)として販売されており、海洋由来のオリゴ糖(マグネシウム及びマンガンイオンでキレート化されたグルロン酸及びマンヌロン酸)を含有する製品(INCI名:水及び加水分解アルギン(ラミナリア・ディギタータ(Laminaria Digitata))並びに硫酸マグネシウム及び硫酸マンガン)、Alban Mullerから商品名MelactivaTM(INCI名:マルトデキストリン、ムクナ・プルリエンス(Mucuna Pruriens)種子抽出物)として販売されている製品、フラボノイドを多く含む化合物、例えば、Silabから商品名「Biotanning」(INCI名:加水分解シトラス・アウランティウム・ダルシス(citrus Aurantium dulcis)果実抽出物)として販売されており、レモンフラボノイド(ヘスペリジン型)を多く含むことが知られている製品;
- 二酸化チタン、褐色酸化鉄、黄色酸化鉄、黒色酸化鉄、又は赤色酸化鉄などの無機充填剤又は顔料、あるいはチタンマイカなどの白色又は着色真珠光沢顔料;
- 視覚効果を付与するか、活性剤を封入することが意図されている粒子;
- 剥離粒子;
- 蛍光増白剤;
- 虫よけ。
【0037】
上で定義した水中油型エマルション(E)は、ボトルの中に、ポンプ「ボトル」型の装置の中に、エアロゾル装置中に加圧形態で、網などの穴の開いた壁を備えた装置の中に、又はロールオン式アプリケーターを備えた装置の中に、包装されていてもよい。
【0038】
本発明の別の主題は、ヒトの皮膚を洗浄及び/又は手入れするための製品としての上で定義した局所使用のための水中油型エマルション(E)の使用、並びに有効量の上で定義した局所使用のための水中油型エマルション(E)をヒトの皮膚に塗布することを特徴とする、ヒトの皮膚の洗浄及び/又は手入れのための化粧方法である。
【0039】
以降の実施例は本発明を例示するが、これを限定するものではない。
【実施例0040】
実施例1:混合物(M)を含む本発明による水中油型エマルション、及び比較の水中油型エマルションの調製
成分の重量割合が表1に示されている(E)及び(E)で示される本発明の2種の水中油型エマルション、及び成分の重量割合が下の表2に示されている(F)~(F)で示される8種の比較の水中油型エマルションを調製する。本発明による水中油型エマルション及び比較の水中油型エマルションの基本的な調製方法は次の通りである:
- 試験混合物(M)を75℃の温度でビーカーに注ぎ入れ、次いで80回転/分で機械的攪拌しながら、以下のものを徐々に、場合によっては連続して分散させる:カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、SimulsolTM165、ヘキサデカノール-1、ステアリン酸、SepiplusTM S(増粘性高分子電解質)、PrimolTM 352、SepicideTM HB;
- 水、グリセロール、及びEDTA四ナトリウムを含有する水相を75℃の温度でビーカーに注ぎ入れる;
- 脂肪相が入っているビーカーの中身を75℃の温度で水相に徐々に添加し、次いで4000回転毎分の速度で4分間ローターステーター系の作用下に置く;
- このようにして得られた混合物をアンカー型の撹拌をしながら20分間冷却し、次いで本発明による水中油型エマルション(E)~(E)及び比較の水中油型エマルション(F)~(F)を得るために中身を空にする。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】
【表3】
【0044】
【表4】
【0045】
混合物(M)を含有する本発明による水中油型エマルション及び比較の水中油型エマルションのべたつき特性の評価
測定の原理
圧縮及び上昇中にペルチェプレートが受けた粘着強さの3回の測定値の平均値によって各エマルションの特性評価を試験した。
【0046】
材料及び装置
測定は、試験するエマルションが上に付着させられるプレキシガラスの表面が上に配置
されているペルチェプレート型の支持体を備えたDHR2型レオメーター(TA Instrumentsブランドのもの)によって行う。
【0047】
手順
特性評価する63マイクロリットルの量のエマルションを、ペルチェプレート上に配置されているプレキシガラスシート上に付着させ、その温度を40℃に設定する。試料を付着させた後、各エマルション上の上部可動プレートの回転応力によってこれを10秒間塗り広げる。ペルチェプレート上に上部可動プレートを保持する垂直強度(又は粘着強さ)は、圧縮とそれに続く上昇の連続した48回の動きの間に測定する。
【0048】
結果の表現
試験する各エマルションについて、4000~6000秒の圧縮/引張サイクルの間に得られた値を検討する。平均値及び標準偏差を計算する。試験を少なくとも3回繰り返し、その後粘着強さ又は張力の平均の全体値を決定する。
【0049】
結果
得られた結果を下の表3に記録する。
【0050】
【表5】
【0051】
【表6】
【0052】
結果の分析
表3に示されている結果は、エマルション(E)、(E)、及び(E)について測定された平均強さが比較のエマルション(F)~(F)について記録された平均よりも低いこと、そしてより具体的にはそれぞれ参照の薬剤DC345を含有する参照のエマルション(F)、(F)、及び(F)に関連する7.67の値よりも低いことを明確に示している。