(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022166300
(43)【公開日】2022-11-01
(54)【発明の名称】流量制御弁
(51)【国際特許分類】
F16K 1/38 20060101AFI20221025BHJP
F16K 31/128 20060101ALI20221025BHJP
【FI】
F16K1/38 Z
F16K31/128
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022133820
(22)【出願日】2022-08-25
(62)【分割の表示】P 2019174368の分割
【原出願日】2019-09-25
(71)【出願人】
【識別番号】000005522
【氏名又は名称】日立建機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002457
【氏名又は名称】弁理士法人広和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川澄 翔平
(57)【要約】
【課題】流体力の影響を低減して主弁の変位特性を向上させ、主弁絞りの開口量と流体力との調整を容易に行うことができ、かつ、小型化できる流量制御弁を提供する。
【解決手段】主弁43の主弁絞り53は、主弁43(筒状突出部44E)の内部を介して入口側流路25と出口側流路27とを連通する横穴53Aと、主弁43の外周部を介して入口側流路25と出口側流路27とを連通する溝部53Cとにより構成されている。溝部53Cは、溝部53Cから噴出する作動流体が横穴53Aから噴出する作動流体の流れの向きを変えるよう配置されている。この場合、横穴53Aから噴出する作動流体F2の流れの向きは、溝部53Cから噴出する作動流体F1によって主弁43の中心軸線と平行な方向に近付くように変えられる。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、
パイロットハウジングと、
前記ハウジングに設けられた主弁室と、
前記主弁室に摺動可能に設けられ、弁部を有する主弁と、
前記主弁室の一端側に設けられ、前記主弁の弁部が離着座することで作動流体を連通、遮断する主弁座と、
前記主弁に対して前記主弁座から離れる方向の圧力を与えると共に、前記主弁室の外部から前記主弁室の内部に作動流体を導入する入口側流路と、
前記主弁が前記主弁座から離れたときに前記主弁室の内部から前記主弁室の外部に作動流体を導出すると共に、前記主弁に対して前記主弁座から離れる方向の圧力を与える出口側流路と、
前記主弁室の他端側に設けられ、前記主弁に対して前記主弁座に近付く方向の圧力を与える背圧室と、
前記主弁に設けられ、前記入口側流路と前記背圧室とを連通するフィードバック流路と、
前記ハウジングおよび前記パイロットハウジングに設けられ、前記背圧室と前記出口側流路とを連通するパイロット流路と、
前記主弁に設けられ、前記主弁の前記主弁座から離れる方向の変位に伴って前記入口側流路と前記出口側流路との間の開口量を増大させる主弁絞りと、
前記フィードバック流路と前記背圧室との間に設けられ、前記主弁の前記主弁座から離れる方向の変位に伴って前記フィードバック流路と前記背圧室との間の開口量を増大させるフィードバック絞りと、
前記パイロットハウジングに摺動可能に設けられたパイロット弁と、
前記パイロット弁に設けられ、前記パイロット弁の変位に伴って前記パイロット流路の開口量を減少または増大させるパイロット絞りを備えており、
前記パイロット絞りの開口量に応じて前記主弁の変位量を制御することにより、前記入口側流路から前記出口側流路への流量を可変に制御する流量制御機能を有する流量制御弁において、
前記主弁絞りは、前記主弁の内部を介して前記入口側流路と前記出口側流路とを連通する横穴と、前記主弁の外周部を介して前記入口側流路と前記出口側流路とを連通する溝部とから構成されており、
前記溝部は、前記入口側流路から流入し前記ハウジングと前記主弁の外周との間の前記溝部を通過して前記出口側流路へ流れる作動流体の前記溝部を通過する噴流が、前記入口側流路から前記主弁の内部を経て前記横穴を通過して前記出口側流路へ流れる作動流体の前記横穴を通過した噴流に衝突するように、前記主弁の軸方向に前記横穴に対して連通する連通路として形成されていることを特徴とする流量制御弁。
【請求項2】
請求項1に記載の流量制御弁において、
前記溝部は、前記主弁が変位し、前記横穴が開口している状態において、前記主弁の変位に関わらず、前記溝部の開口部が変化しないように構成されていることを特徴とする流量制御弁。
【請求項3】
請求項1に記載の流量制御弁において、
前記横穴は、前記主弁の中心軸線に対して直交する方向に延びて設けられ、
前記溝部は、前記主弁の中心軸線に対して平行に設けられていることを特徴とする流量制御弁。
【請求項4】
請求項1に記載の流量制御弁において、
前記溝部は、前記主弁の外周部において、前記主弁の先端から前記横穴に達するように形成されていることを特徴とする流量制御弁。
【請求項5】
請求項1に記載の流量制御弁において、
前記溝部は、複数設けられた前記横穴のそれぞれに対し前記主弁の周囲に等間隔に複数設けられていることを特徴とする流量制御弁。
【請求項6】
請求項1に記載の流量制御弁において、
前記溝部は、前記主弁の先端に設けられた小径部から構成されることを特徴とする流量制御弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、例えば、建設機械の油圧回路に設けられ、油圧ポンプからアクチュエータに供給される作動油の流量を制御する流量制御弁に関する。
【背景技術】
【0002】
油圧ショベル、油圧クレーン、ホイールローダ等の建設機械の油圧回路には、流量制御機能を有するシート弁型の流量制御弁が設けられている。この種の流量制御弁は、パイロット弁に設けられたパイロット絞りの開口量を可変に制御することで、主弁に設けられたフィードバック絞りの開口量がパイロット絞りの開口量と対応するように主弁の変位量が制御される。これにより、主弁に設けられた主弁絞りの開口量が可変に制御され、入口側流路から出口側流路への流量を所望の値に制御することができる。
【0003】
例えば、パイロット絞りの開口量が小さくなる側にパイロット弁が変化した場合、主弁の背圧室の圧力は、入口側流路の圧力に近づく。このため、背圧の上昇によって主弁には閉弁方向の力が与えられ、主弁は閉弁方向に変位する。一方、主弁の閉弁方向の変位に伴って、フィードバック絞りの開口量は減少するため、背圧室の圧力は出口側流路の圧力に近づき、背圧の減少によって主弁には開弁方向の力が与えられる。この位置フィードバック作用の結果、主弁は、「入口側流路と出口側流路の圧力による開弁方向の力」と「背圧とばねによる閉弁方向の力」とが釣合う位置にて停止する。
【0004】
ここで、特許文献1には、チェック弁(主弁)を備えたスプール弁が記載されている。特許文献1のチェック弁(主弁)は、先端部に小径部と先細り部とが設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006-017273号公報(特許第4463028号公報)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、
図8は、比較例による流量制御弁の主弁100を示している。この主弁100の主弁絞り101は、主弁100の先端部に設けられた横穴101Aと固定絞り101Bとにより構成されている。この場合、横穴101Aによって生じる流体力は、主弁100の変位特性を悪化させる可能性がある。即ち、
図8に示すように、主弁100の変位が最大で、かつ、横穴101Aの開口量が最大のときに、主弁絞り101を通過する噴流は、矢印Aで示すように、主弁100の中心軸線に対して直交する方向の流れになる。このため、主弁100には、開弁方向に流体力が作用する。そして、この状態から、主弁100が閉弁方向に変位するようパイロット絞りの開口量を小さくしたときに、上述のような開弁方向の流体力が生じない場合と比較して、主弁100の閉じ始めの変位特性が遅くなる可能性がある。
【0007】
また、主弁100が閉弁方向に変位し始めると、横穴101Aの開口量が小さくなり、主弁絞り101を通過する噴流は、主弁100の中心軸線に平行な方向の流れに変化する。即ち、主弁100が閉弁方向に変位するに従って、
図8に矢印Bで示すように、噴流の角度が浅くなり、噴流の流れは、主弁100の中心軸線に平行な方向の流れに変化する。これにより、主弁100に作用していた開弁方向の流体力が減少し、主弁100は、さらに閉弁方向に変位する傾向となる。この相互作用の繰り返しによって、主弁100が急激に変位し、変位特性が悪化する可能性がある。即ち、比較例の主弁100は、後述の
図6に破線(特性線102)で示すように、閉じ始めの変位が遅く、かつ、変位の途中で急激に変位する特性となる可能性がある。
【0008】
これに対して、特許文献1のチェック弁(主弁)の絞りは、先端部に設けられた小径部と先細り部とにより構成されている。この技術によれば、小径部と先細り部との相対関係を調整することにより、主弁絞りの開口量と流体力との調整を行うことができると考えられる。しかし、主弁絞りを通過する噴流の方向が主弁の変位に伴って変化する現象は、上述した比較例の場合と同様に生じる。このため、流体力の影響を十分に低減することは難しいと考えられる。また、開口量と流体力とが密接な関係性を持つため、開口量と流体力との両方を満足する形状を決定することも難しいと考えられる。
【0009】
一方、流体力を低減させるための一般的な対策として、主弁の受圧径を大きくして主弁に作用する受圧力を大きくすることにより、流体力の比率を相対的に小さくすることが考えられる。しかし、この場合には、部品の大型化を招き、製造コストが増加する可能性がある。これに加えて、このような技術は、すでに製作済みの従来品に適用することが難しい。
【0010】
本発明の一実施形態の目的は、流体力の影響を低減して主弁の変位特性を向上させ、主弁絞りの開口量と流体力との調整を容易に行うことができ、かつ、小型化できる流量制御弁を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一実施形態は、ハウジングと、パイロットハウジングと、前記ハウジングに設けられた主弁室と、前記主弁室に摺動可能に設けられ、弁部を有する主弁と、前記主弁室の一端側に設けられ、前記主弁の弁部が離着座することで作動流体を連通、遮断する主弁座と、前記主弁に対して前記主弁座から離れる方向の圧力を与えると共に、前記主弁室の外部から前記主弁室の内部に作動流体を導入する入口側流路と、前記主弁が前記主弁座から離れたときに前記主弁室の内部から前記主弁室の外部に作動流体を導出すると共に、前記主弁に対して前記主弁座から離れる方向の圧力を与える出口側流路と、前記主弁室の他端側に設けられ、前記主弁に対して前記主弁座に近付く方向の圧力を与える背圧室と、前記主弁に設けられ、前記入口側流路と前記背圧室とを連通するフィードバック流路と、前記ハウジングおよび前記パイロットハウジングに設けられ、前記背圧室と前記出口側流路とを連通するパイロット流路と、前記主弁に設けられ、前記主弁の前記主弁座から離れる方向の変位に伴って前記入口側流路と前記出口側流路との間の開口量を増大させる主弁絞りと、前記フィードバック流路と前記背圧室との間に設けられ、前記主弁の前記主弁座から離れる方向の変位に伴って前記フィードバック流路と前記背圧室との間の開口量を増大させるフィードバック絞りと、前記パイロットハウジングに摺動可能に設けられたパイロット弁と、前記パイロット弁に設けられ、前記パイロット弁の変位に伴って前記パイロット流路の開口量を減少または増大させるパイロット絞りを備えており、前記パイロット絞りの開口量に応じて前記主弁の変位量を制御することにより、前記入口側流路から前記出口側流路への流量を可変に制御する流量制御機能を有する流量制御弁において、前記主弁絞りは、前記主弁の内部を介して前記入口側流路と前記出口側流路とを連通する横穴と、前記主弁の外周部を介して前記入口側流路と前記出口側流路とを連通する溝部とから構成されており、前記溝部は、前記入口側流路から流入し前記ハウジングと前記主弁の外周との間の前記溝部を通過して前記出口側流路へ流れる作動流体の前記溝部を通過する噴流が、前記入口側流路から前記主弁の内部を経て前記横穴を通過して前記出口側流路へ流れる作動流体の前記横穴を通過した噴流に衝突するように、前記主弁の軸方向に前記横穴に対して連通する連通路として形成されている。
【発明の効果】
【0012】
本発明の一実施形態によれば、流体力の影響を低減して主弁の変位特性を向上させ、主弁絞りの開口量と流体力との調整を容易に行うことができ、かつ、小型化できる。
【0013】
即ち、主弁絞りは、横穴と溝部とにより構成されている。そして、溝部を通過する噴流は、横穴を通過する噴流に衝突する。このとき、横穴から噴出する作動流体の流れの向きは、溝部から噴出する作動流体によって主弁の中心軸線と平行な方向に近付くように変えられる。このため、主弁の変位および主弁絞りの開口量に依らず、主弁絞りを通過する噴流の方向を、横穴が開口している状態において主弁の中心軸線に対して平行な方向に近付けることができる。これにより、主弁の変位が最大で、横穴の開口量が最大のときに、主弁に作用する開弁方向の流体力を低減することができ、閉じ始めの変位特性が遅くなることを抑制できる。また、主弁が閉弁方向に変位したときに、開弁方向の流体力の減少度合いを低減することができ、主弁が急激に変位することを抑制できる。
【0014】
さらに、主弁絞りの開口量は、「横穴」と「ハウジングから形成される円筒面状の開口部」に規制される。一方、流体力は、「溝部」と「ハウジングから形成される主弁の中心軸線に対して直交する方向の断面の開口部」によって調整できる。このため、主弁絞りの開口量と流体力とを独立して調整することができ、主弁絞りの開口量と流体力の調整を容易に行うことができる。これに加えて、主弁の受圧径を大きくする必要もないため、小型化することができる。しかも、従来品に対しても追加の加工を施すだけで実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】実施の形態による流量制御弁を油圧ショベルの油圧回路に適用した場合を示す全体構成図である。
【
図2】
図1中の流量制御弁および方向制御弁を示す縦断面図である。
【
図3】
図2中の(III)部を拡大して示す縦断面図である。
【
図4】開弁した状態の主弁を示す
図3と同様位置の縦断面図である。
【
図6】パイロット弁変位量とパイロット弁開口量と主弁変位量との関係を示す特性線図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、実施の形態による流量制御弁を、油圧ショベルの油圧回路に適用した場合を例に挙げ、
図1ないし
図7を参照しつつ詳細に説明する。
【0017】
図1ないし
図6は、実施の形態を示している。
図1において、建設機械の代表例である油圧ショベル1は、自走可能なクローラ式の下部走行体2と、下部走行体2上に旋回可能に搭載された上部旋回体3と、上部旋回体3の前部側に俯仰の動作が可能に設けられ掘削作業等を行う多関節構造の作業装置4とを含んで構成されている。この場合、下部走行体2と上部旋回体3は、油圧ショベル1の車体を構成している。
【0018】
作業機またはフロントとも呼ばれる作業装置4は、例えば、ブーム5、アーム6、作業具としてのバケット7と、これらを駆動する油圧アクチュエータ(液圧アクチュエータ)としてのブームシリンダ8、アームシリンダ9、バケットシリンダ10(作業具シリンダ)とを含んで構成されている。作業装置4は、油圧ポンプ11からの圧油の供給に基づいて、油圧シリンダであるシリンダ8,9,10が伸長または縮小することにより、俯仰の動作をする。なお、
図1では、図面が複雑になることを避けるために、主としてブームシリンダ8とアームシリンダ9に関する油圧回路を示している。
【0019】
油圧ショベル1の上部旋回体3に搭載されたメインの油圧ポンプ11は、タンク12と共に油圧源を構成している。油圧ポンプ11は、例えば、ディーゼルエンジン等の原動機(図示せず)により回転駆動される。油圧ポンプ11は、タンク12内の作動油を吸込んでポンプ管路13およびセンタバイパス管路14に向けて圧油を吐出(供給)する。ポンプ管路13およびセンタバイパス管路14に吐出した圧油は、ブーム用方向制御弁16を介してブームシリンダ8に供給され、アーム用方向制御弁18を介してアームシリンダ9に供給される。また、ブーム用方向制御弁16およびアーム用方向制御弁18とタンク12との間には、例えばブームシリンダ8およびアームシリンダ9からの戻り油をタンク12側に還流させるためのタンク管路15が設けられている。
【0020】
ここで、ポンプ管路13の途中には、分岐管路13A,13Bが設けられている。一方の分岐管路13Aは、後述の流量制御弁33を介してアーム用方向制御弁18の高圧側ポート(即ち、
図2中に示す後述の出口側流路27)に接続されている。他方の分岐管路13Bは、後述するブーム用方向制御弁16の高圧側ポートに接続されている。なお、ポンプ管路13とタンク管路15は、別の分岐管路、別の方向制御弁(いずれも図示せず)等を介してバケットシリンダ10等にも接続されている。
【0021】
ブームシリンダ8用の方向制御弁であるブーム用方向制御弁16(以下、ブーム用制御弁16という)は、左,右の油圧パイロット部16A,16Bを有しており、常時は中立位置(イ)に保持される。ブーム用制御弁16は、左,右の油圧パイロット部16A,16Bに対して、例えば油圧パイロット式の操作弁であるブーム用レバー操作装置(図示せず)からパイロット圧が供給されることにより、中立位置(イ)から切換位置(ロ),(ハ)に切換えられる。
【0022】
一対のアクチュエータ管路17A,17Bは、ブームシリンダ8とブーム用制御弁16との間に設けられている。一方のアクチュエータ17Aは、ブームシリンダ8のボトム側油室(図示せず)をブーム用制御弁16の一方の圧油流出入ポートに接続するものである。他方のアクチュエータ管路17Bは、ブームシリンダ8のロッド側油室(図示せず)をブーム用制御弁16の他方の圧油流出入ポートに接続するものである。
【0023】
アームシリンダ9用の方向制御弁であるアーム用方向制御弁18(以下、アーム用制御弁18という)は、左,右の油圧パイロット部18A,18Bを有しており、常時は中立位置(イ)に保持される。アーム用制御弁18は、左,右の油圧パイロット部18A,18Bに対して、例えば油圧パイロット式の操作弁であるアーム用レバー操作装置(図示せず)からパイロット圧が供給されることにより、中立位置(イ)から切換位置(ロ),(ハ)に切換えられる。
【0024】
一対のアクチュエータ管路19A,19Bは、アームシリンダ9とアーム用制御弁18との間に設けられている。一方のアクチュエータ管路19Aは、アームシリンダ9のボトム側油室(図示せず)をアーム用制御弁18の一方の圧油流出入ポート(即ち、
図2中に示す流出入通路28B)に接続するものである。他方のアクチュエータ管路19Bは、アームシリンダ9のロッド側油室(図示せず)をアーム用制御弁18の他方の圧油流出入ポート(即ち、
図2中に示す流出入通路28A)に接続するものである。
【0025】
アーム用制御弁18が中立位置(イ)から切換位置(ロ)に切換えられたときには、油圧ポンプ11からの圧油が分岐管路13A、後述の流量制御弁33、アーム用制御弁18、アクチュエータ管路19Aを介してアームシリンダ9のボトム側油室に供給され、ロッド側油室内の圧油はアクチュエータ管路19B、アーム用制御弁18、タンク管路15を介してタンク12に排出される。これにより、アームシリンダ9は、ボトム側油室に供給された圧油により伸長し、アーム6を下向きに回動する。
【0026】
アーム用制御弁18が中立位置(イ)から切換位置(ハ)に切換えられたときには、油圧ポンプ11からの圧油が分岐管路13A、流量制御弁33、アーム用制御弁18、アクチュエータ管路19Bを介してアームシリンダ9のロッド側油室に供給され、ボトム側油室内の圧油はアクチュエータ管路19A、アーム用制御弁18、タンク管路15を介してタンク12に排出される。これにより、アームシリンダ9は、ロッド側油室に供給された圧油により縮小し、アーム6を上向きに回動する。
【0027】
リリーフ弁20は、設定圧可変式のリリーフ弁である。リリーフ弁20は、ポンプ管路13およびセンタバイパス管路14とタンク管路15との間に設けられている。リリーフ弁20は、例えば、ポンプ管路13内の圧力が設定圧以上に上昇すると開弁し、このときの過剰圧をタンク管路15側にリリーフするものである。リリーフ弁20は、圧力設定用ばね20Aおよびパイロット油室20B等を有しており、外部からパイロット油室20Bに供給されるパイロット圧に従って圧力設定用ばね20Aの設定圧力が変化する。これにより、リリーフ弁20は、そのリリーフ設定圧が低圧設定と高圧設定との間で2段階または3段以上の多段階に調整可能な構成となっている。
【0028】
制御弁装置21は、アーム用制御弁18と後述の流量制御弁33とを含んで構成されている。
図2に示すように、制御弁装置21は、アーム用制御弁18と流量制御弁33とに共通した弁ケーシング22を有している。この場合、弁ケーシング22は、アーム用制御弁18のスプール29および流量制御弁33の主弁43を収容するハウジング23と、流量制御弁33の主弁43およびパイロット弁55を収容するパイロットハウジング36とを含んで構成されている。これらハウジング23とパイロットハウジング36は、それぞれ別部品として別々に形成されている。そして、ハウジング23にパイロットハウジング36を取付けることにより、一つの(一体または共通)ケーシングとなる弁ケーシング22を構成している。
【0029】
次に、制御弁装置21のアーム用制御弁18について説明する。なお、
図2では、中立位置(イ)の状態のアーム用制御弁18を示している。
【0030】
アーム用制御弁18は、油圧ポンプ11からアームシリンダ9に供給される圧油の方向を制御するスプール弁装置である。アーム用制御弁18は、ハウジング23と、スプール摺動穴24と、入口側流路25と、出口側流路27と、一対の流出入通路28A,28Bと、スプール29と、左,右の蓋体30A,30Bと、ストッパ31と、ばね32とを含んで構成されている。ハウジング23は、パイロットハウジング36と共に制御弁装置21の弁ケーシング22を構成している。ハウジング23には、スプール摺動穴24、入口側流路25、出口側流路27、一対の流出入通路28A,28Bが形成されている。
【0031】
スプール摺動穴24は、ハウジング23の左,右方向(
図2の左,右方向、後述のスプール29が摺動する軸方向)に貫通して直線上に延びている。スプール摺動穴24の周壁側には、第1の環状油溝24A,24B、第2の環状油溝24C,24D、および、第3の環状油溝24E,24Fが形成されている。第1の環状油溝24A,24Bは、スプール摺動穴24の軸方向の中央側に、互いに左,右方向に離間して設けられている。第2の環状油溝24C,24Dは、第1の環状油溝24A,24Bよりもスプール摺動穴24の軸方向外側の位置に、互いに左,右方向に離間して設けられている。第3の環状油溝24E,24Fは、第2の環状油溝24C,24Dよりもスプール摺動穴24の軸方向外側の位置に、互いに左,右方向に離間して設けられている。
【0032】
第1の環状油溝24A,24Bは、全体として逆U字状に形成された出口側流路27により互いに連通している。第1の環状油溝24A,24Bは、スプール29が
図2に示す中立位置から左,右方向に変位したときに、第2の環状油溝24C,24Dに対して連通,遮断される。第2の環状油溝24C,24Dは、左,右の流出入通路28A,28Bを介して一対のアクチュエータ管路19A,19Bに常時連通している。第3の環状油溝24E,24Fは、各タンク管路15を介してタンク12に常時連通している。第3の環状油溝24E,24Fは、スプール29が
図2に示す中立位置から左,右方向に変位したときに、第2の環状油溝24C,24Dに対して連通,遮断される。
【0033】
入口側流路25は、スプール摺動穴24から径方向に離間した位置に設けられている。この場合、入口側流路25は、スプール摺動穴24と直交する方向(
図2の表,裏方向)に沿って延びている。入口側流路25は、ポンプ管路13(より具体的には、分岐管路13A)を介して油圧ポンプ11と接続されている。出口側流路27は、入口側流路25と連通穴26の位置で交差しており、全体として逆U字状に延びている。出口側流路27は、互いに離間して設けられた第1の環状油溝24A,24Bを連通している。
【0034】
連通穴26は、出口側流路27を挟んで後述の弁体摺動穴34と対向する位置に配置されている。連通穴26は、入口側流路25を出口側流路27に対して交差するように連通させるものである。連通穴26は、後述の弁体摺動穴34およびパイロットハウジング36の凹部37と共に主弁室42を構成している。そして、出口側流路27と連通穴26との交差部位には、後述の主弁43が離着座する環状弁座としてのテーパ状の主弁座46が設けられている。
【0035】
一対の流出入通路28A,28Bは、出口側流路27および弁体摺動穴34を挟むように、ハウジング23の左,右方向に離間して設けられている。一対の流出入通路28A,28Bは、アーム用制御弁18の圧油流出入ポートを構成するものである。即ち、一対の流出入通路28A,28Bは、アクチュエータ管路19A,19Bを介してアームシリンダ9(のロッド側油室、ボトム側油室)に接続されている。
【0036】
スプール29は、ハウジング23のスプール摺動穴24内に挿嵌されている。スプール29は、外部から油圧パイロット部18A,18Bに供給されたパイロット圧に従ってスプール摺動穴24内を左,右方向に摺動変位する。これにより、
図1に示すアーム用制御弁18は、中立位置(イ)から左,右の切換位置(ロ),(ハ)に切換わるものである。
【0037】
図2に示すように、スプール29は、第2の環状油溝24C,24Dを第1の環状油溝24A,24Bと第3の環状油溝24E,24Fとのいずれか一方に選択的に連通,遮断させる切換ランド29A,29Bを有している。切換ランド29A,29Bには、圧油の流量を微調整するためのノッチ29A1,29B1がそれぞれ複数個、周方向に離間して形成されている。
【0038】
ここで、スプール29が
図2の左方向に摺動変位したときは、スプール29の切換ランド29Aが第1の環状油溝24Aを第2の環状油溝24Cに連通させる。これと共に、スプール29の切換ランド29Bは、第1の環状油溝24Bを第2の環状油溝24Dに対して遮断すると共に、第2の環状油溝24Dを第3の環状油溝24Fに連通させる。これにより、アーム用制御弁18は、
図1に示す中立位置(イ)から右側の切換位置(ハ)に切換わる。
【0039】
一方、スプール29が
図2中の右方向に摺動変位したときは、スプール29の切換ランド29Bが第1の環状油溝24Bを第2の環状油溝24Dに連通させる。これと共に、スプール29の切換ランド29Aは、第1の環状油溝24Aを第2の環状油溝24Cに対して遮断すると共に、第2の環状油溝24Cを第3の環状油溝24Eに連通させる。これにより、アーム用制御弁18は、
図1に示す中立位置(イ)から左側の切換位置(ロ)に切換わる。
【0040】
左,右の蓋体30A,30Bは、スプール29と共にアーム用制御弁18を構成している。蓋体30A,30Bは、スプール摺動穴24の軸方向(左,右方向)両側に位置してハウジング23に取付けられている。蓋体30A,30Bは、スプール摺動穴24の両端側を閉塞するものである。右側の蓋体30Bは、左側の蓋体30Aよりも長尺に形成され、この右側の蓋体30B内には、センタリング用のばね32が設けられている。蓋体30A,30Bの内側には油圧パイロット部18A,18Bが設けられ、これらの油圧パイロット部18A,18Bには、操作弁(レバー操作装置)からパイロット圧が供給される。アーム用制御弁18のスプール29は、このときのパイロット圧に従ってスプール摺動穴24内を
図2の左,右方向に摺動変位されるものである。
【0041】
ストッパ31は、スプール29の右側にこのスプール29と一体的に設けられている。ストッパ31は、蓋体30B内に変位可能に配置され、蓋体30B内を軸方向に延びる軸部31Aを有している。ストッパ31は、スプール29が
図2の右方向に変位したときに、スプール29のストロークエンドを規制するものである。
【0042】
ばね32は、スプール29を中立位置に保持するためのセンタリング用のばねである。ばね32は、ストッパ31の軸部31Aの外周側に位置してスプール29の端面とストッパ31との間に予め初期荷重を与えた状態で配設されている。そして、ばね32は、油圧パイロット部18A,18Bからのパイロット圧がタンク圧レベルまで低下したときに、スプール29を中立位置に保持する。
【0043】
次に、制御弁装置21の流量制御弁33について説明する。なお、
図2および
図3では、主弁43が閉弁した状態を示しており、
図4では、主弁43が最も開口した最大流量の状態を示している。
【0044】
流量制御弁33は、アームシリンダ9に供給される圧油の流量の調整を行うポペット弁装置である。流量制御弁33は、ハウジング23と、パイロットハウジング36と、主弁室42と、主弁43と、主弁座46と、入口側流路25と、出口側流路27と、背圧室47と、フィードバック流路49と、パイロット流路50と、主弁絞り53と、フィードバック絞り54と、パイロット弁55と、パイロット絞り56とを備えている。
【0045】
ハウジング23は、パイロットハウジング36と共に流量制御弁33のケーシングを構成している。ハウジング23には、入口側流路25、連通穴26、出口側流路27に加えて、弁体摺動穴34、分岐通路35が形成されている。
【0046】
弁体摺動穴34は、連通穴26および出口側流路27を挟んで入口側流路25とは反対側に配置されており、段付穴として形成されている。弁体摺動穴34は、パイロットハウジング36と出口側流路27との間を、スプール摺動穴24と直交する方向(
図2の上,下方向)に延びている。弁体摺動穴34は、連通穴26およびパイロットハウジング36の凹部37と共に、主弁室42を構成している。そして、主弁室42内には、主弁43が変位可能に挿嵌(嵌合)されている。
【0047】
分岐通路35は、出口側流路27の途中から分岐した油路である。分岐通路35は、パイロットハウジング36側の第2の通路40と常時連通している。分岐通路35は、第2の通路40、および、パイロットハウジング36に設けられた別の通路である第1の通路39と共に、パイロット流路50を構成している。
【0048】
パイロットハウジング36は、ハウジング23と共に流量制御弁33のケーシング(弁ケーシング22)を構成している。パイロットハウジング36は、ハウジング23の弁体摺動穴34を外側から閉塞するようにハウジング23の外側面に設けられている。パイロットハウジング36には、後述の主弁43および弁ばね48が収容される凹部37と、後述のパイロット弁55等が収容される弁収容穴38と、この弁収容穴38と凹部37との間を連通する第1の通路39と、ハウジング23の分岐通路35と弁収容穴38との間を斜めに傾斜して延びパイロット弁55により第1の通路39に対して連通,遮断される第2の通路40と、パイロット圧の給排ポート41とが設けられている。給排ポート41は、弁収容穴38の内面とパイロット弁55とにより画成されたパイロット室57に接続されている。
【0049】
主弁室42は、ハウジング23およびパイロットハウジング36に設けられている。主弁室42は、ハウジング23の弁体摺動穴34および連通穴26とパイロットハウジング36の凹部37とにより構成され、内部に主弁43を収容している。これにより、主弁室42は、ハウジング23とパイロットハウジング36との両方にわたって設けられている。
【0050】
主弁43は、主弁室42に摺動可能に設けられている。主弁43は、流量制御弁33の弁体となるもので、弁部44Dを有している。この場合、主弁43は、弁体摺動穴34内に挿嵌された段付の弁部材44と、弁部材44の軸方向一側に螺合して設けられ後述のチェック弁62を弁部材44との間で変位可能に保持する弁保持部材45とを含んで構成されている。弁保持部材45は、弁ばね48をパイロットハウジング36の凹部37(の底部)との間で縮装状態に支持するばね受部45Aと、有底筒状に形成され弁部材44(後述の段付穴部44Gの上部側)内に螺入した状態で内側にチェック弁62を変位可能に保持する保持筒部45Bとを含んで構成されている。保持筒部45Bの内側には、チェック弁62とばね63とが収納されている。
【0051】
弁部材44は、弁体摺動穴34内に摺動可能に挿嵌された大径部44Aと、該大径部44Aの軸方向一側に設けられた小径筒部44Bと、大径部44Aの軸方向他側に小径な縮径部44Cを介して一体に形成され外周側がハウジング23の主弁座46に離着座する弁部44Dと、該弁部44Dの他側(先端側)から入口側流路25に向けて軸方向に突出した筒状突出部44Eとを含んで構成されている。この場合、弁部44Dは、シート部とも呼ばれ、主弁43(弁部材44)に設けられている。弁部44Dは、主弁座46に接触(着座)することで、入口側流路25と出口側流路27との間の作動流体の流れを遮断する。
【0052】
また、弁部材44には、筒状突出部44Eの内周側から縮径部44C、大径部44A、小径筒部44B内へと軸方向一側(上側)に向けて延び途中部位にチェック弁62用の弁座44Fが形成された段付穴部44Gと、該段付穴部44Gの径方向に延びた径方向穴44Hと、後述のフィードバック絞り54とが設けられている。段付穴部44Gは、筒状突出部44Eの内周側を介して入口側流路25と連通している。径方向穴44Hは、後述の背圧室47とフィードバック絞り54を介して連通する。これにより、段付穴部44Gおよび径方向穴44Hは、フィードバック流路49を構成している。また、弁部材44の筒状突出部44Eには、後述する主弁絞り53が設けられている。
【0053】
主弁座46は、主弁室42の一端側(入口側流路25側)に設けられている。即ち、主弁座46は、ハウジング23のうち出口側流路27と連通穴26との交差部位に設けられており、テーパ状の環状弁座として構成されている。主弁座46は、主弁43の弁部44Dが離着座することで作動流体を連通、遮断する。
【0054】
入口側流路25は、ハウジング23に設けられており、油圧ポンプ11の吐出側と接続されている。入口側流路25は、油圧ポンプ11から供給される圧油(作動流体)に基づいて、主弁43に対して主弁座46から離れる方向(開弁方向)の圧力を与える。これと共に、入口側流路25は、主弁室42の外部(油圧ポンプ11側)から主弁室42の内部に作動流体を導入する。入口側流路25は、主弁座46に面している。
【0055】
出口側流路27は、ハウジング23に設けられており、アーム用制御弁18のスプール摺動穴24に接続されている。出口側流路27は、主弁43が主弁座46から離れたときに主弁室42の内部(連通穴26側)から主弁室42の外部(アーム用制御弁18のスプール摺動穴24側、より詳しくは、アームシリンダ9側)に作動流体を導出する。これと共に、出口側流路27は、主弁43に対して主弁座46から離れる方向(開弁方向)の圧力を与える。出口側流路27も、主弁座46に面している。
【0056】
背圧室47は、主弁室42の他端側(入口側流路25とは反対側)に設けられている。背圧室47は、主弁43に対して主弁座46に近付く方向(閉弁方向)の圧力を与える。即ち、背圧室47は、主弁43の変位量(リフト量)を可変に制御する制御圧室であり、パイロットハウジング36の凹部37と主弁43との間に形成されている。そして、背圧室47は、パイロットハウジング36の第1の通路39に常時連通している。
【0057】
弁ばね48は、背圧室47内に位置して主弁43(の弁保持部材45)とパイロットハウジング36の凹部37(の底部)との間に配設されている。弁ばね48は、コイルスプリング等を用いて構成され、主弁43(弁保持部材45)を常時閉弁方向に付勢している。主弁43は、背圧室47内に発生する背圧(制御圧)によっても閉弁方向に押圧される。
【0058】
フィードバック流路49は、主弁43の内部に設けられている。即ち、フィードバック流路49は、主弁43(弁部材44)の段付穴部44Gと径方向穴44Hとにより構成されている。この場合、径方向穴44Hは、フィードバック絞り54を介して背圧室47と連通している。これにより、フィードバック流路49は、入口側流路25と背圧室47とを連通している。
【0059】
パイロット流路50は、ハウジング23およびパイロットハウジング36に設けられている。即ち、パイロット流路50は、ハウジング23の分岐通路35と、パイロットハウジング36の第1の通路39および第2の通路40とにより構成されている。これにより、パイロット流路50は、背圧室47と出口側流路27とを連通している。この場合、第1の通路39は、パイロット絞り56の上流側の管路となるパイロット絞り上流管路51を構成しており、第2の通路40および分岐通路35は、パイロット絞り56の下流側の管路となるパイロット絞り下流管路52を構成している。
【0060】
主弁絞り53は、主弁43(より具体的には、弁部材44)の先端側(入口側流路25側)に設けられている。後述するように、主弁絞り53は、横穴53Aと、固定絞り53Bと、溝部53Cとにより構成されている。主弁絞り53は、主弁43の主弁座46から離れる方向の変位(
図2ないし
図4の上,下方向の上側への変位)に伴って、入口側流路25と出口側流路27との間の開口量を増大させる。
【0061】
フィードバック絞り54は、フィードバック流路49と背圧室47との間に設けられている。フィードバック絞り54は、主弁43(弁部材44の大径部44A)の外周面側に可変絞りとして設けられている。フィードバック絞り54は、主弁43の主弁座46から離れる方向(開弁方向)の変位に伴って、フィードバック流路49と背圧室47との間の開口量を増大させる。
【0062】
図2に示すように、パイロット弁55は、パイロットハウジング36に摺動可能に設けられている。即ち、パイロット弁55は、パイロットハウジング36の弁収容穴38内に摺動可能に挿嵌(嵌合)して設けられている。そして、パイロット弁55は、パイロット絞り56を有するスプール弁体として構成されている。パイロット弁55は、パイロット室57に作動流体を導入して加圧することで変位する。また、パイロット弁55の変位に伴って、後述のドレン室59の内部の作動流体は、ドレンポート59Aより排出される。
【0063】
パイロット絞り56は、パイロット弁55に設けられている。即ち、パイロット絞り56は、パイロット弁55の外周面側に可変絞りとして設けられている。パイロット絞り56は、パイロット弁55の変位に伴って、パイロット流路50の開口量を減少させる。即ち、パイロット絞り56は、パイロット室57への圧油(パイロット圧)の供給に伴って、パイロット弁55が軸方向の一側(
図2の左,右方向の右側に)に進む程、パイロット流路50の開口量を減少させる。この場合、パイロット絞り56は、深さが一定の切り欠きとして構成されている。なお、パイロット絞りは、例えば、軸方向の一側に進む程(パイロット室57から離れる程)、深さが深くなる切り欠きとして構成してもよい。
【0064】
蓋体58は、弁収容穴38の軸方向の一側に位置してパイロットハウジング36に螺合により取付けられている。蓋体58は、弁収容穴38の一側を閉塞することにより、パイロット弁55の一側にドレン室(ばね室)59を画成している。そして、蓋体58とパイロット弁55との間には、縮装状態でスプリング60が設けられている。スプリング60は、ワッシャ61を介してパイロット弁55を開弁方向に付勢する。
【0065】
パイロット弁55は、スプリング60により
図1中に示す連通位置(a)に配置されるときに、パイロット流路50である第1,第2の通路39,40間をパイロット絞り56を介して連通させる。このとき、主弁43の背圧室47は、第1,第2の通路39,40およびハウジング23側の分岐通路35を介して出口側流路27と連通し、出口側流路27と等しい圧力に保たれる。これにより、主弁43は、全開位置まで開弁される。
【0066】
一方、パイロット弁55は、外部指令用の遠隔操作弁(図示せず)から給排ポート41を介してパイロット室57に供給される外部指令圧としてのパイロット圧が予め決められた所定の圧力値以上まで上昇したときに、スプリング60に抗して摺動変位し、第1,第2の通路39,40間を遮断する。これにより、パイロット弁55は、
図1中に示す連通位置(a)から遮断位置(b)にスプリング60に抗して切換わる。このとき、主弁43の背圧室47は、第2の通路40(出口側流路27)に対して最小の開口量で連通される。これにより、主弁43は、最小開口位置となる。
【0067】
チェック弁62は、フィードバック流路49に設けられている。即ち、チェック弁62は、弁部材44と弁保持部材45との間に収容されている。チェック弁62は、弁保持部材45の保持筒部45B内に摺動可能に挿嵌され、常時は弁部材44の弁座44Fに着座するようにばね63により付勢されている。即ち、チェック弁用のばね63は、チェック弁62を閉弁方向に付勢する。チェック弁62は、入口側流路25から背圧室47への作動流体の流れを許容し、これとは逆の流れを阻止(遮断)する。即ち、チェック弁62は、弁部材44の筒状突出部44E側から入口側流路25内の圧力が作用すると、ばね63に抗して弁座44Fから離座するように開弁する。これにより、入口側流路25内の圧油は、弁部材44の段付穴部44Gおよび径方向穴44H、フィードバック絞り54を介して背圧室47に供給される。このように、チェック弁62は、主弁43内を入口側流路25から背圧室47に向けて圧油が流通するのを許し、逆向きの流れを阻止する。即ち、チェック弁62は、背圧室47内の油液が弁部材44の径方向穴44H等を介して段付穴部44G、入口側流路25に向け流通するのを阻止するものである。
【0068】
このように構成される流量制御弁33は、流量制御機能とロードチェック機能とを有している。即ち、流量制御弁33は、パイロット絞り56の開口量に応じて主弁43の変位量(リフト量、即ち、開口面積)を制御することにより、入口側流路25から出口側流路27への流量(アーム用制御弁18を流通する圧油の流量)を可変に制御する流量制御機能を有している。これと共に、流量制御弁33は、出口側流路27の圧力に対して入口側流路25の圧力が低いときに、出口側流路27から入口側流路25への作動流体(油液)の流れを主弁43とチェック弁62とにより阻止するロードチェック機能を有している。
【0069】
次に、主弁43の主弁絞り53について説明する。主弁絞り53は、主弁43の軸方向の変位(
図2ないし
図4の上,下方向の変位)に伴って、入口側流路25から連通穴26を介して出口側流路27へと流れる圧油の流量(出口側流路27に対する連通穴26の開口面積)を調整する。主弁絞り53は、複数(例えば8個)の横穴53Aと、複数(例えば4個)の固定絞り53Bと、複数(例えば8個)の溝部53Cとにより構成されている。
【0070】
横穴53Aは、主弁43の筒状突出部44Eに設けられている。横穴53Aは、主弁43の径方向(主弁43の中心軸線に対して直交する方向)に延びている。即ち、横穴53Aは、筒状突出部44Eの外周側と内周側との間を貫通する貫通孔として筒状突出部44Eに形成されている。固定絞り53Bは、横穴53Aよりも弁部44D側に位置して主弁43の筒状突出部44Eに設けられている。固定絞り53Bは、主弁43の径方向(主弁43の中心軸線に対して直交する方向)に延びており、横穴53Aよりも小径の絞り孔として筒状突出部44Eに形成されている。即ち、固定絞り53Bも、横穴53Aと同様に、筒状突出部44Eの外周側と内周側との間を貫通している。横穴53Aおよび固定絞り53Bは、主弁43の内部(より具体的には、筒状突出部44Eの内部)を介して入口側流路25と出口側流路27とを連通する。
【0071】
溝部53Cは、横穴53Aよりも筒状突出部44Eの開口側に位置して筒状突出部44Eの外周側に設けられている。溝部53Cは、主弁43の外周部(筒状突出部44Eの外周側)を介して入口側流路25と出口側流路27とを連通する。溝部53Cは、ハウジング23と主弁43の外周との間で主弁43の軸方向に横穴53Aに対して連通する連通路として形成されている。即ち、溝部53Cは、筒状突出部44Eの開口側から主弁43の軸方向(主弁43の中心軸線に対して平行)に延びている。溝部53Cは、筒状突出部44Eの開口側から横穴53Aにまで達している。この場合、溝部53Cは、横穴53Aの中心軸線に対して直交する方向に延びている。即ち、溝部53Cは、溝部53Cから噴出する作動流体が横穴53Aから噴出する作動流体の流れの向きを変えるよう配置されている。この場合、横穴53Aから噴出する作動流体の流れの向きは、溝部53Cから噴出する作動流体によって主弁43の中心軸線と平行な方向に近付くように変えられる。
【0072】
即ち、
図4に示すように、溝部53Cから噴出する作動流体F1は、横穴53Aから噴出する作動流体F2と衝突する。これにより、横穴53Aから噴出する作動流体F2を、
図8の噴流Aと比較して、主弁43の中心軸線と平行な方向に近付けさせることができる。これにより、主弁43に作用する開弁方向の流体力を低減できる。なお、実施の形態では、溝部53Cと横穴53Aは、同数設けられている。この場合、溝部53Cは、主弁43の周方向に関する位置が横穴53Aと一致している。即ち、溝部53Cと横穴53Aは、主弁43の周方向に関する位相が一致している。換言すれば、溝部53Cは、複数設けられた横穴53Aのそれぞれに対し主弁43の周囲に等間隔に複数設けられている。
【0073】
実施の形態による流量制御弁33を備えた制御弁装置21は、上述の如き構成を有するもので、次に、その作動について説明する。
【0074】
まず、油圧ポンプ11から吐出された圧油は、ポンプ管路13の分岐管路13Aからハウジング23の入口側流路25、流量制御弁33の主弁43と連通穴26との間(主弁絞り53)を流通して出口側流路27に流れる。そして、出口側流路27に流れた圧油は、アーム用制御弁18を中立位置(イ)から切換位置(ロ)または(ハ)に切換えることにより、一対のアクチュエータ管路19A,19Bを介してアームシリンダ9に給排される。
【0075】
アームシリンダ9に供給される圧油の流量は、流量制御弁33の主弁43における開口面積と、アーム用制御弁18のスプール29(切換ランド29A,29B)による開口面積とによって決められる。また、ハウジング23の入口側流路25から出口側流路27に向けた圧油の流れを遮断する場合に、流量制御弁33の主弁43は、弁部44Dをハウジング23の主弁座46に着座させることにより、両流路25,27間を遮断する。
【0076】
ここで、入口側流路25から出口側流路27への流量を可変に制御する場合、パイロット弁55のパイロット室57にパイロット圧が供給されることによりパイロット室57が加圧され、パイロット弁55が
図2の右方に向けて変位する。これにより、パイロット弁55のパイロット絞り56の開口量が可変に制御される。そして、例えば、出口側流路27に対して入口側流路25の圧力が高い場合、入口側流路25から出口側流路27に流れが生じる。このとき、入口側流路25→チェック弁62→フィードバック絞り54→背圧室47に流れが生じると共に、背圧室47→パイロット絞り上流管路51→パイロット絞り56→パイロット絞り下流管路52→出口側流路27にも流れが生じる。
【0077】
ここで、背圧室47と出口側流路27との間の開口量であるパイロット絞り56の開口量に対して、主弁43の開弁方向の変位量が大きい場合は、フィードバック絞り54の開口量が大きいため、背圧室47の圧力は入口側流路25の圧力に近付く。これにより、主弁43は、背圧室47の圧力による閉弁方向の力を受けて閉弁方向に変位する。この結果、主弁43の変位に伴って、フィードバック絞り54の開口量が減少するため、背圧室47の圧力は減圧され、主弁43に作用する背圧室47の圧力による閉弁方向の力が減少する。
【0078】
この位置フィードバック作用の結果、主弁43は、「入口側流路25と出口側流路27の圧力による開弁方向の力」と「背圧室47の圧力と弁ばね48による閉弁方向の力」とが釣り合う位置にて停止する。これにより、可変に制御されるパイロット絞り56の開口量に、フィードバック絞り54の開口量が対応するよう主弁43の変位量が制御される。そして、これに伴って、主弁絞り53の開口量が制御されることで、入口側流路25から出口側流路27への流量を可変に制御することができる。このとき、主弁絞り53の開口量が横穴53Aと固定絞り53Bから構成されるよう、主弁43は、
図4に示すような位置に変位した状態となっている。
【0079】
一方、入口側流路25から出口側流路27への流量を最小に制御する場合、パイロット室57は最大圧力に加圧され、パイロット弁55が最大変位量まで変位し、パイロット絞り56の開口量が最小に制御される。ここで、例えば、出口側流路27に対して入口側流路25の圧力が高い場合、入口側流路25から出口側流路27に流れが生じる。このとき、入口側流路25→チェック弁62→フィードバック絞り54→背圧室47に流れが生じると共に、背圧室47→パイロット絞り上流管路51→パイロット絞り56→パイロット絞り下流管路52→出口側流路27にも流れが生じる。
【0080】
上述した位置フィードバック作用により、パイロット絞り56の開口量にフィードバック絞り54の開口量が対応するよう主弁43の変位量が最小に制御される。そして、これに伴って、主弁絞り53の開口量が最小に制御されることで、入口側流路25から出口側流路27への流量を最小に制御することができる。このとき、主弁絞り53の開口量が固定絞り53Bのみから構成されるよう、主弁43は、
図3に示す位置から開弁方向に若干変位した状態となっている。
【0081】
また、ロードチェック機能に関して、出口側流路27に対して入口側流路25の圧力が低い場合、出口側流路27から入口側流路25に逆流が生じる傾向となる。このとき、出口側流路27→パイロット絞り下流管路52→パイロット絞り56→パイロット絞り上流管路51→背圧室47→フィードバック絞り54→チェック弁62→入口側流路25に流れが生じるが、この流れは、チェック弁62によって遮断される。これにより、背圧室47と出口側流路27の圧力が等しくなるため、主弁43には背圧室47の圧力による閉弁方向の力が生じて主弁43が閉弁方向に変位する。これにより、主弁43の弁部44Dが主弁座46に着座し、出口側流路27→主弁絞り53→入口側流路25の流れが遮断される。この結果、出口側流路27から入口側流路25への逆流が防止され、ロードチェック機能を果たすことができる。
【0082】
次に、
図4に示す開弁状態、即ち、主弁43の変位が最大で、主弁絞り53の開口量が最大となっている状態について説明する。この
図4に示す開弁状態では、主弁絞り53を通過する流路は2通り存在する。一方は、入口側流路25→主弁43(筒状突出部44E)の内部→横穴53Aまたは固定絞り53B→出口側流路27であり、他方は、入口側流路25→主弁43(筒状突出部44E)の外周側の溝部53C→出口側流路27である。そして、溝部53Cを通過する噴流(作動流体F1)は、横穴53Aを通過する噴流(作動流体F2)に衝突する。このとき、横穴53A(および固定絞り53B)を通過する噴流(作動流体F2)の方向は、溝部53Cを通過する噴流(作動流体F1)によって主弁43の中心軸線と平行な方向に近付くように変えられる。
【0083】
このため、主弁絞り53を通過する噴流の方向を、横穴53Aが開口している状態において、主弁43の中心軸線に対して平行な方向に近付けることができる。これにより、主弁43の変位が最大で、横穴53Aの開口量が最大のときに、主弁43に作用する開弁方向の流体力を低減することができる。ここで、
図6中の特性線71は、実施の形態による「パイロット弁55の変位量」と「主弁43の変位量」との関係を示している。
図6中の特性線102は、
図8に示す比較例による「パイロット弁の変位量」と「主弁100の変位量」との関係を示している。
図6に示すように、主弁43,100が閉弁方向に変位するようパイロット絞り56の開口量を小さくしたときに、比較例(特性線102)では閉じ始めの特性が遅くなる傾向となるのに対して、実施の形態(特性線71)ではこの現象を改善できる。
【0084】
また、主弁43が閉弁方向に変位し始めて横穴53Aの開口量が小さくなった場合でも、溝部53Cの開口部は変化しないため、溝部53Cを通過する噴流の方向は変化しない。このため、横穴53A(および固定絞り53B)を通過する噴流の方向を、主弁43の中心軸線に対して平行の方向に近付けたままにできる。これにより、開弁方向の流体力の減少度合いを低減することができる。即ち、
図6に示すように、主弁43,100が閉弁方向に変位するようパイロット絞り56の開口量を小さくしたときに、比較例(特性線102)では変位の途中で急激に変位してしまう傾向となるのに対して、実施の形態(特性線71)ではこの現象を改善できる。
【0085】
さらに、主弁絞り53の開口量は、「横穴53A」と「ハウジング23から形成される円筒面状の開口部」に規制される。一方、流体力は、「溝部53C」と「ハウジング23から形成される主弁43の中心軸線に対して直交する方向の断面の開口部」によって調整できる。このため、主弁絞り53の開口量と流体力とを独立して調整することができ、主弁絞り53の開口量と流体力の調整を容易に行うことができる。これに加えて、主弁43の受圧径を大きくする必要もないため、小型化することができる。しかも、従来品に対しても追加の加工を施すだけで実施することができる。
【0086】
また、実施の形態によれば、溝部53Cは、主弁43の周方向に関する位置が横穴53Aと一致している。即ち、溝部53Cは、複数の横穴53Aのそれぞれに対し主弁43の周囲に等間隔に複数設けられている。このため、溝部53Cを通過する噴流を、横穴53Aを通過する噴流に直接的に衝突させることができる。
【0087】
なお、上述の実施の形態では、8個の横穴53Aを設けると共に、この横穴53Aと同数の溝部53Cを設ける構成とした場合を例に挙げて説明した。しかし、これに限らず、横穴53Aと溝部53Cの数を8個よりも多くしてもよいし、8個よりも少なくしてもよい。また、必要な開口量と流体力の特性を得られる範囲で、横穴53Aと溝部53Cの数を異ならせてもよい。固定絞り53Bについても同様である。
【0088】
上述の実施の形態では、複数の横穴53Aに対応して複数の溝部53Cを設ける構成とした場合を例に挙げて説明した。しかし、これに限らず、例えば、
図7に示す変形例のように、複数の横穴53Aに対して1つの溝部となる小径部81を設ける構成としてもよい。即ち、
図7に示す変形例では、主弁43の先端側、より具体的には、筒状突出部44Eの先端側の外周面に、横穴53Aが設けられた部位と比較して外径寸法が小さい小径部81が設けられている。
【0089】
このように変形例では、溝部は、主弁43の先端に設けられた小径部81により構成されている。このような変形例も、溝部としての小径部81を通過する噴流が横穴53Aを通過する噴流に衝突するため、実施の形態と同様に、主弁43に作用する開弁方向の流体力を低減できる。しかも、変形例によれば、主弁43の先端に溝部(小径部81)を容易に形成することができる。即ち、複数の溝部を設ける構成と比較して、溝部を形成する作業の手間を低減できる。
【0090】
上述した実施の形態では、ハウジング23とパイロットハウジング36とにより一つの(一体または共通)ケーシングを構成した場合を例に挙げて説明した。しかし、これに限らず、例えば、ハウジングとパイロットハウジングとを分離して配置すると共に、これらハウジングとパイロットハウジングとの間に接続管路を設ける構成としてもよい。この場合、主弁室は、ハウジングに設けられる。即ち、主弁室は、上述した実施の形態のようにハウジングとパイロットハウジングとにわたって設ける構成を採用することができる他、ハウジングに設ける構成を採用することができる。要するに、主弁室は、ハウジングとパイロットハウジングとのうちの少なくともハウジングに設けられるものである。
【0091】
上述した実施の形態では、パイロット弁55のパイロット絞り56を、パイロット弁55の変位に伴ってパイロット流路50の開口量を減少させる構成とした場合を例に挙げて説明した。しかし、これに限らず、例えば、パイロット弁のパイロット絞りを、パイロット弁の変位に伴ってパイロット流路の開口量を増大させる構成としてもよい。
【0092】
上述した実施の形態では、アーム用制御弁18からアームシリンダ9に向けて給排される圧油の流量を調整する流量制御弁33を例に挙げて説明した。しかし、これに限らず、例えば、ブーム用制御弁16からブームシリンダ8に給排する圧油の流量調整を行う場合の流量制御弁に適用してもよく、バケットシリンダまたはこれ以外の油圧アクチュエータに方向制御弁を通じて圧油を給排する場合の流量制御弁にも適用することができる。
【0093】
上述した実施の形態では、建設機械として、油圧ショベル1を例に挙げて説明した。しかし、これに限らず、例えば、ホイールローダ、油圧クレーン、ブルドーザ等、各種の建設機械に広く適用することができる。また、流量制御弁33は、主弁43の変位量(リフト量)に応じて作動流体の流量を小流量から大流量へと可変に制御する構成のものであればよく、各種の産業機器、機械機器に用いる流量制御弁として広く適用することができる。さらに、実施の形態および変形例は例示であり、実施の形態および変形例で示した構成の部分的な置換または組み合わせが可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0094】
1 油圧ショベル(建設機械)
21 制御弁装置
23 ハウジング
25 入口側流路
27 出口側流路
33 流量制御弁
36 パイロットハウジング
42 主弁室
43 主弁
44D 弁部
46 主弁座
47 背圧室
49 フィードバック流路
50 パイロット流路
53 主弁絞り
53A 横穴
53C 溝部
54 フィードバック絞り
55 パイロット弁
56 パイロット絞り
81 小径部(溝部)