(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022166319
(43)【公開日】2022-11-01
(54)【発明の名称】広告の出稿を支援する装置、方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/02 20120101AFI20221025BHJP
【FI】
G06Q30/02 380
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022135267
(22)【出願日】2022-08-26
(62)【分割の表示】P 2018140076の分割
【原出願日】2018-07-26
(71)【出願人】
【識別番号】516324179
【氏名又は名称】チョークデジタル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000752
【氏名又は名称】弁理士法人朝日特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チャンドラ シェカー コリア
(72)【発明者】
【氏名】クレイグ マイケル ハゴピアン
(72)【発明者】
【氏名】雪江 悟
(57)【要約】 (修正有)
【課題】移動を伴うビジネスを行う出稿者による出稿作業を支援する装置、方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】出稿端末と、配信管理サーバと、複数の配信先端末と、コンテンツサーバとが、通信網で相互に接続する出稿支援システムにおいて、出稿端末100は、出稿者の端末の位置を取得する位置取得部120と、前記位置に対応して決定される、広告コンテンツおよび配信条件の少なくともいずれか一つを前記端末に表示する表示部150と、を有する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
出稿者の端末の位置を取得する取得部と、
前記位置に対応する、広告コンテンツおよび配信条件の少なくともいずれか一つを含む配信設定情報を、所定のアルゴリズムを用いて決定する決定部と、
該決定された配信設定情報を前記端末に表示する表示部と
を有する出稿支援装置。
【請求項2】
前記配信条件は、配信対象エリア、配信タイミング、配信対象ユーザの属性のうちいずれか1以上によって表わされる、
請求項1記載の出稿支援装置。
【請求項3】
該決定された配信条件に対応する、前記広告コンテンツの色彩についての情報を表示する
請求項1または2に記載の出稿支援装置。
【請求項4】
前記配信条件は、配信対象ユーザの属性と配信対象エリアとからなる組み合わせによって表わされる、
請求項1~3のいずれか一項に記載の出稿支援装置。
【請求項5】
前記配信条件は、前記属性ごとに異なる表示態様で、地図上に重ねて表示される
請求項4記載の出稿支援装置。
【請求項6】
前記配信対象エリアの境界の指定を受付ける第1受付手段を更に有する
請求項2、4、5のいずれか一項に記載の出稿支援装置。
【請求項7】
前記配信条件に基づいて広告の配信の実行指示を受付ける第2受付手段を有し、
前記表示部は、前記広告が配信された端末または該配信された広告へアクセスした端末
の位置情報を地図上に重ねて表示する
ことを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載の出稿支援装置。
【請求項8】
前記表示部は、前記広告が配信されたタイミングまたは該配信された広告へのアクセスがなされたタイミングに応じて、前記広告の配信状況およびアクセス状況の少なくともいずれかについての表示態様を変える
ことを特徴とする請求項7に記載の出稿支援装置。
【請求項9】
前記表示部は、前記広告コンテンツが配信されまたは該配信された広告へアクセスした
端末のユーザの属性に基づいて、前記広告の配信状況およびアクセス状況の少なくともい
ずれかについての表示態様を変える
ことを特徴とする請求項7または8に記載の出稿支援装置。
【請求項10】
コンピュータが、出稿者の端末の位置を取得するステップと、
前記コンピュータが、前記位置に対応する、広告コンテンツおよび配信条件の少なくともいずれか一つを含む配信設定情報を、所定のアルゴリズムを用いて決定するステップと、
前記コンピュータが、該決定された配信設定情報を前記端末に表示するステップと
を有する出稿支援方法。
【請求項11】
1以上のコンピュータに、
出稿者の端末の位置を取得するステップと、
前記位置に対応する、広告コンテンツおよび配信条件の少なくともいずれか一つを含む配信設定情報を、所定のアルゴリズムを用いて決定するステップと、
該決定された配信設定情報を前記端末に表示するステップと
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は広告の配信に関する。
【背景技術】
【0002】
所在位置など所定の条件を満たす配信先の端末に対して広告情報を配信することが行われている(特許文献等1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、広告を出す(出稿する)のは、主に大企業であった。しかし、近年の携帯端末の普及やビジネス環境の変化により、個人事業主やスモールビジネスを営む事業体にとっても広告宣伝活動に注力することが求められている。
しかし、個人事業主等の中には、広告宣伝専属の担当を置く余裕がないなど、広告宣伝活動に十分なリソースを当てることができない場合が多い。加えて、個人事業主においては、移動販売や複数の店舗を運営する場合など、移動を伴うビジネスを行う場合も多い。
特に、このようなビジネス形態の場合、広告コンテンツ(バナーやランディングページなど)の作成、広告の効果的な配信対象の選定や配信タイミングの決定、その他の諸々の配信条件の決定を行うことは広告主(出稿者)にとって、負担が大きい。
本発明は、移動を伴う出稿者による出稿作業を支援することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、一の態様において、出稿者の端末の位置を取得する取得部と、前記位置に対応して決定される、広告コンテンツおよび配信条件の少なくともいずれか一つを前記端末に表示する表示部とを有する出稿支援装置を提供する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、移動を伴う出稿者の出稿作業が支援される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図10】配信エリアを編集する画面の例(その2)。
【
図11】出稿者の位置によって配信条件が変化する例。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<実施例>
図1は出稿支援システム10の概要を示す。出稿支援システム10は、出稿端末100と、配信管理サーバ200と、配信先端末300(300-1、300-2、300-3)と、コンテンツサーバ400とを含む。出稿端末100は、出稿者990によって使用され、スマートフォン、タブレット端末、ラップトップPC、携帯電話機等の情報処理端末である。
通信網500は、ルーター、基地局、インターネット等の通信設備であって、出稿端末100、配信管理サーバ200、配信先端末300、コンテンツサーバ400を相互に接続する。
【0009】
配信先端末300は、スマートフォン、タブレット端末、ラップトップPC、デスクトップPCである。配信先端末300は、予め配信管理サーバ200が指定したアプリ(以下、「広告連携アプリ」という)がインストールされている。広告連携アプリは、その実行中にクリッカブルのバナー広告が画面の所定位置に表示される機能を有し、ユーザによるクリック操作やタップ操作等によってバナー広告が指定されると、通信網500を介して広告本体(いわゆるランディングページ)へアクセスする機能を有する。具体的には、広告連携アプリは、所定のタイミングで配信管理サーバ200または配信管理サーバ200からの指示に基づいてバナー広告の配信を管理するサーバにアクセスするAPIを組み込むことによって上記機能を実現する。
加えて、広告連携アプリは、配信先端末300の記憶部に記憶されたユーザ属性を配信管理サーバ200へ送信する。また、各配信先端末300は、自端末の位置情報を通信網500を介して配信管理サーバ200へ提供する機能を有する。位置情報は、例えば緯度および経度で表現される。
ここで、広告連携アプリは、例えば検索機能を提供するものであってもよいし、商品購入(Eコマース)を行うためのものであってもよいし、広告表示機能以外の機能は問わない。
【0010】
コンテンツサーバ400は、配信先端末300からの要求に応じてウェブページデータを提供するコンテンツサーバであって、配信先端末300が指定したバナー広告のリンク先アドレスに格納されているコンテンツデータを読み出し、配信先端末300へ送信する。なお、配信先端末300の数は例示であって、実際は多数存在する。同様に、配信管理サーバ200は複数の出稿端末100(出稿者990)について出稿支援を行ってもよい。
【0011】
図2は、出稿端末100の機能ブロック図である。出稿端末100は、通信部110と、位置取得部120と、制御部130と、記憶部140と、表示部150と、入力部160とを含む。
通信部110は、3G、4G、Wi-Fiなどの無線通信規格に対応した通信モジュールである。
位置取得部120は、GPSモジュール、あるいは基地局やアクセスポイントからの情報を受信して出稿端末100の位置(すなわち出稿者990の位置)を取得する機能モジュールである。
記憶部140は、半導体メモリであって、後述の機能を出稿端末100に実現させるためのアプリケーションプログラム、制御部130にて使用される、各種アルゴリズム、地図情報、コンテンツ作成用の画像が記憶される。さらに、記憶部140においてクレジットカード番号等の決済情報を記憶しておき、制御部130にて本件サービスを利用した出稿に係る決済を行ってもよい。
【0012】
表示部150は、例えば液晶表示装置および描画処理プロセッサによって実現され、出稿端末100の位置(好ましくは現在の位置であるが、過去の位置や将来の予測位置であってもよい)に対応して決定される。表示部150は、広告コンテンツおよび配信条件の少なくともいずれか一つを出稿端末100に表示する。
【0013】
広告コンテンツは、配信先端末300のユーザが広告連携アプリの実行中に画面の一部表示領域に表示されるバナー広告であって広告本体へ誘導するための広告(以下、「一次広告」という)のデータと、配信先端末300のユーザが当該広告を指定(クリック操作等)した場合に表示され、コンテンツサーバ400が管理する広告本体(いわゆるランディングページ;以下、「二次広告」という)のデータとを含む。ここで、一次広告はいわゆるバナーの形態である必要はなく、文字、画像(静止画または動画)、音声のいずれかによってユーザを二次広告へ誘導するためのものであればよい。一の態様において、配信条件は、配信対象エリア、配信タイミング、配信対象ユーザの属性のうちいずれか1つ以上によって表わされる。他の態様において、配信条件は、配信対象ユーザの属性と配信対象エリアとからなる組み合わせによって表わされる。
【0014】
また、表示部150は、決定された配信条件に対応する、広告コンテンツの色彩(配色、色味)に関する情報および/または宣伝文書の体裁に関する情報を表示する。好ましい態様において、配信条件は、属性ごとに異なる表示態様で、地図上に重ねて表示される。属性とは、例えば、年齢、性別、趣味、嗜好を含み、広告主がターゲティングに役に立つものであることが好ましい。
【0015】
入力部160は、タッチセンサ、キーボード、マウス等であって、ユーザが指示や情報の入力を行うためのデバイスである。あるいは、タッチセンサ付き表示パネルや音声入力装置であってもよい。入力部160は、出稿の予算、一次広告に用いる画像、二次広告を作成するための文書データなど、出稿内容を作成するために必要な基本的な情報を入力するために用いられる。加えて、入力部160は、配信対象エリアの境界の指定を受付ける。また、入力部160は、決定された配信条件に基づく広告配信の実行指示を受付ける。
【0016】
撮影部170は、カメラ、レンズ、受光素子、画像処理プロセッサを含む。撮影した画像は広告コンテンツの作成に利用できる。なお、撮影部170は省略してもよい。
【0017】
制御部130は、プロセッサであって、配信設定生成部131と、配信設定編集部132と、レポート取得部133とを含む。制御部130は、広告出稿支援のためのアプリケーションを実行することにより、後述する出稿支援を実現する機能モジュールである。加えて、制御部130は、必要に応じて地図を表示するためのアプリケーションを実行し、地図上の施設に関する情報や地域特性(人口密度、商業地なのか住宅地なのか、公共交通機関その他のアクセス手段の利便性など、以下「地域情報」という)を取得し、配信設定生成部131に引き渡す。
【0018】
配信設定生成部131は、位置取得部120から供給された位置情報に基づいて、広告コンテンツおよび配信条件のうち少なくともいずれか(以下、「配信設定」という)を生成する。
具体的には、配信設定生成部131は、エリアと当該エリア内にいると推定される配信先端末300の数との関係、入札価格と、配信率(広告枠の入札に勝って配信される確率インプレッション)、配信期間、または配信対象の配信先端末300の数との関係に関するアルゴリズムと、上記位置情報とに基づいて、配信エリアおよび配信タイミングの少なくともいずれかを決定する。この際、更に配信先端末300のユーザの属性がかみされてもよい。
【0019】
加えて、配信設定生成部131は、配信先のユーザの属性と、一次広告コンテンツの画像の特徴(形状や色味など)および/または二次広告コンテンツの特徴(画像的特徴、宣伝文書の内容、体裁)との親和性(印象の良し悪し)との関係を規定したアルゴリズムと、上記位置情報とに基づいて、広告コンテンツを決定する。
【0020】
あるいは、配信設定生成部131は、ユーザの属性に関係する情報は用いず、位置ないしエリアに関する特徴に基づいて広告コンテンツを決定してもよい。例えば、地図上の設定された複数のエリアの各々と、広告コンテンツの特徴を示す情報とを対応付けて記憶部140に記憶しておき、出稿端末100が属するエリアに対応付けられたエリアに関する特徴を用いて、広告コンテンツを生成する。
【0021】
なお、位置情報に基づいて配信設定を決定する際には、位置情報と配信情報が対応付けられたテーブルを参照し、あるいは予め定められた因果関係を示すアルゴリズムを用いるにとどまらず、例えば複数の広告主によって用いられた過去の広告設定の内容と位置情報とを学習器に入力させて得られる機械学習モデルを利用してもよい。
【0022】
配信設定編集部132は、入力部160から入力された指示に基づいて、広告コンテンツおよび配信条件のうち少なくともいずれかを編集し、確定させる。確定した広告コンテンツおよび配信条件は配信管理サーバ200に送信される。
【0023】
レポート取得部133は、通信部110を介して配信管理サーバ200から配信状況に関するレポートを取得する。このレポートには、配信状況および/またはアクセス状況を示す情報が含まれる。具体的には、広告が配信された配信先端末300の位置やタイミング、および該配信された広告へアクセスした配信先端末300の位置情報およびタイミングが含まれる。
【0024】
表示部150は、配信設定生成部131および配信設定編集部132にて供給された情報に基づいて、広告コンテンツおよび配信条件の少なくともいずれか一つを表示する。また、表示部150は、レポート取得部133から供給された情報に基づいて、広告コンテンツが配信された配信先端末300または該配信された広告コンテンツへアクセスした配信先端末300の位置情報を、地図上に重ねて表示する。
好ましい態様において、表示部150は、レポート取得部133から供給された情報に基づいて、前記広告が配信されたタイミングまたは該配信された広告へのアクセスがなされたタイミングに応じて、前記広告の配信状況およびアクセス状況の少なくともいずれかについての表示態様を変える。
【0025】
表示態様とは、例えば、地図上における配信先端末300の位置を示すオブジェクトについて、形状、色、大きさ、やこれらの変化(アニメーション)によって規定される。
【0026】
配信状況には、少なくとも各配信先端末300について、現在位置、配信された時点(タイミング)が含まれる、好ましくは更に配信先の配信先端末300のユーザの属性情報が含まれる。アクセス状況には、バナー広告が配信された先の配信先端末300のうち、当該バナー広告をクリックしてランディングページにアクセスした各配信先端末300の位置および当該アクセスがあったタイミングが含まれ、好ましくはさらに当該アクセスを行った各ユーザの属性が含まれる。
【0027】
図3は配信管理サーバ200の機能ブロック図である。配信管理サーバ200は、通信部210と、配信部220と、レポート生成部230と、記憶部240と含む。
通信部210は、LANなどの無線通信モジュールとして実現され、通信網500を介して出稿端末100および配信先端末300と情報の授受を行う。
【0028】
配信部220は、プロセッサによって実現され、出稿端末100から受信した、予算、広告コンテンツ、および配信条件に従って、一次広告を配信先端末300に配信する。具体的には、配信管理サーバ200自ら、もしくは広告枠の入札を管理するためのサーバ(図示せず)に依頼して、出稿者990から依頼を受けた出稿に係る入札処理を実行する。
入札の結果、配信条件に規定された配信エリア内に位置するすべての配信先端末300のうちから実際の配信先端末300が選定され、該選定された配信先端末300に対して所定の配信タイミングで配信処理が実行される。
【0029】
レポート生成部230は、プロセッサによって実現され、出稿端末100からの要求に応じてまたは予め定められたスケジュールに従って、各配信先端末300から取得した配信状況および/またはアクセス状況に基づいて、レポート作成する。作成したレポートは、通信部210を介して出稿端末100に送信される。
【0030】
記憶部240は、半導体メモリやハードディスク等の記憶デバイスであって、各配信先端末300から取得した位置情報、各配信先端末300から集計した配信状況およびアクセス状況を記憶する。さらに、記憶部240は、配信状況を解析に用いるアルゴリズムおよび解析の結果を記憶する。
【0031】
図4は、配信先端末300の機能ブロック図である。通信部310は、無線通信モジュールとして実現され、配信管理サーバ200およびコンテンツサーバ400と情報の授受を行う。
アプリケーション実行部320は、プロセッサとして実現され、上述した広告連携アプリを実行する。表示部330は、液晶画面や描画プロセッサによって実現され、一次広告を含む広告連携アプリケーションの実行画面を表示する。入力部350は、タッチパネル、キーボード、マウス等の入力デバイスであって、表示された一次広告の指定を受け付ける。位置取得部360は、位置取得部120と同様の、配信先端末300の位置を取得するモジュールである。なお、入力部350からユーザによって入力された位置情報を取得してもよい。記憶部370は、半導体メモリやハードディスクであって、ユーザの属性情報および広告連携アプリを記憶する。
【0032】
図5は、出稿支援システム10の動作例を示す。配信管理サーバ200は、広告連携アプリがインストールされた配信先端末300から予め位置情報を取得する(S500)。
出稿端末100は、広告コンテンツおよび配信条件を設定する(S501)。配信条件は出稿端末100から配信管理サーバ200へ送信する(S502)。
配信管理サーバ200は、所定の入札処理を行い、配信条件を満たす配信先端末300にバナー広告を配信する(S503、504)。配信先端末300はバナー広告を受信すると(S505)、配信先端末300の識別子と位置情報とユーザ属性情報とを含むACKを配信管理サーバ200送信する(S506)。配信管理サーバ200は、受信したACKを蓄積および解析する(S507)。
【0033】
バナー広告がユーザによってクリック等された場合は(S510)、配信先端末300は端末識別情報とユーザ属性情報とを含むACK信号を配信管理サーバ200に送信する(S511)。配信管理サーバ200は、受信したACK信号を蓄積し解析する(S512)。
加えて、バナー広告がクリックされることを契機として、配信先端末300はリンク先のページを有するコンテンツサーバ400にHTTPリクエストを送信し(S513)、コンテンツサーバ400からその配信先端末300に二次広告が送信される(S514)。
【0034】
出稿者990が所定の操作を行うと、レポートの要求が出稿端末100から配信管理サーバ200に送信される(S520)。配信管理サーバ200は当該要求を受信すると、レポートを作成し(S521)、出稿端末100に送信する(S522)。出稿端末100は、受信したレポートに基づいて画面表示を行う(S523)。
【0035】
図6は、
図5のS501にて配信設定を決定する動作例の概要を示す。出稿端末100は現在位置を取得する(S600)。出稿端末100は、配信設定を行うための画面を表示する(S601)。ユーザの指示に基づいて、必要に応じて条件を編集する。(S602)。ユーザの指示に基づいて、配信設定を確定させる(S603)。
【0036】
図7は、
図6のS601にて配信設定を決定する動作例の詳細を示す。出稿にかける予算(配信コスト)や広告コンテンツデータ、広告戦略(ターゲットユーザ層など)に関する情報など、出稿に関する基本的な情報を入力しておく(S701)。この基本的な情報は、一度入力すれば、その後出稿者990の位置が変化しても入力する必要はないが、必要に応じてユーザが変更することができるものである。配信設定生成部131は、配信エリアを決定し(S702)、バナー広告のデザインを決定し(S703)、ランディングページを設定(S704)し、配信期間を決定する(S705)。
なお、S702~S705のステップの実行順序は任意である。
【0037】
図8は、
図6のS602において、決定された配信設定を編集する際に表示される画面の例を示す。
同図には、案内メッセージ(OB6)とともに、配信設定のうち、予算、配信エリア、配信期間、ランディングページのそれぞれの項目について配信設定生成部131にて決定された情報がそれぞれOB1~OB5にて表示されている。各オブジェクトがタップ操作等によって指定されると、その項目の編集を行うための画面が表示され、出稿者990が修正内容を入力することができるようになっている。ユーザは、各項目のうち配信設定生成部131が決定した内容に修正を加えたい項目がある場合は、当該項目を指定する。修正の必要なしと出稿者990が判断した場合は、OB7を選択すると、この内容がそのまま確定する。
以下、配信設定の各項目の詳細設定の例を示す。
【0038】
図9は、配信エリアを編集する画面の例であって、
図8のOB2を指定すると表示される。
図9においては、出稿者990の現在位置が画面中央となるように地図が表示されるとともに、配信設定生成部131によって提案された配信エリアが重ねて表示される。この例では4つの配信エリア(OB11、OB12、OB13、OB14)が提案されている。また、この例では、OB11とOB12~14とは、異なる基準または観点から決定されたもの、ないしは地域特性が異なるものであることを反映して、OB11とそれ以外とを区別すべく、異なる表示態様(例えば、色、模様、線の太さ等)表示される。なお、
これらのエリアが提案された理由を地図上に重ねて表示してもよい。
【0039】
例えば、OB11のエリアは配信ターゲットのユーザの属性として「学生」の属性を有する配信先端末300が高い確率で存在することを示す一方、OB12~14のエリアには、ユーザの属性として「ビジネスマン」の配信先端末300の割合が多いことを示すメッセージが表示される。
あるいは、OB11は人口密集エリアであり、OB12~14は拠点施設を中心とした所定の行政区画であるという理由で決定されたものである。
【0040】
出稿者990は、このように複数の観点から複数のエリアが提案された場合に、提案された理由を参照して、提案されたエリアの絞り込みまたは広告コンテンツの内容の再検討を行うことが可能である。
【0041】
出稿者990は、提案されたこれらのエリアについて修正(エリアの追加、削除、境界やサイズの変更など)を加えたいと考えた場合、例えばタッチパネル画面上を指でなぞることにより、追加エリアの境界を指定する。この例では、出稿者990はエリア(OB15)を追加しようと考え、OB15の境界を指定する例を示す。なお、配信設定生成部131は、出稿者が指定した位置をそのまま境界と決定してもよいし、出稿者990が指定したエリアの境界を自動的に補正してもよい。例えば、指定した位置がある施設を分断するように境界線が指定された場合、当該施設の全部領域を含むように(換言すると、配信エリアの境界は必ず隣り合う施設の境界を通るように)に補正する。
【0042】
必要な修正が完了して出稿者990が決定ボタンOB16をタップすると、配信エリアが確定する。なお、出稿者990がエリアの提案に対して同意する場合、位置情報に基づいてOB16をタップすると、提案の通りで配信エリアが確定する。
【0043】
図10は、配信エリアを編集する画面の他の例である。この例では、配信設定生成部131が配信エリアとして決定した、出稿者990の現在位置であるP1を中心として、予算等の基本的情報に基づいて決定される半径rのエリアOB21が表示されている。加えて、配信設定生成部131によって計算された、当該エリア内にある配信先端末300の数が表示される(OB22)。出稿者990はこの提案されたエリアを修正したいと考えた場合、境界をドラッグして半径rの大きさを変えて,エリアのサイズを大きくまたは小さくする。
なお、好ましい態様において、当該エリアの中心P1は出稿者990の現在位置に応じて決定されるので、出稿者990が移動しない限り変更できないように設定しておくと簡便である。他の態様において、配信エリアの中心点を、出稿者990の現在位置と異なる点にする変更を受付けてもよい。
【0044】
配信期間、バナー広告、およびランディングページについても同様に、配信設定生成部131が出稿端末100の位置情報に基づいて自動的に提案し、その結果を画面に表示し、出稿者990が画面をみて提案に修正が必要と考えた場合は、出稿者990による修正操作を受け付ける。これらの項目についての編集画面の例については説明を省略する。
【0045】
図11は、出稿者990が移動販売を行う場合において、出稿端末100の位置によって、出稿者990に最初に提案される配信設定項目が変化する具体例を示す。例えば、登録された基本的な情報に関し、配信設定生成部131は、出稿者990がビジネス街にいる時は、20~50代の男性を主なターゲットとすべく、バナー広告や広告本体を調整する。そして、ビジネスパーソンがオフィスから外出する可能性が高い時間帯である12:00~13:00を狙って、比較的近隣に居る配信先端末300のユーザをターゲットとして配信先に決定する。
【0046】
一方、出稿者990が住宅街に居る場合は、30~50代の女性向けに最も訴求するように、バナー広告のロゴの色使いを、標準的な色使いよりも淡いものに変更するとともに、配信のタイミングも昼~夕方とし、想定しているターゲットユーザが来訪する可能性の高い施設を基準としたエリアを配信エリアに設定する。
【0047】
図12は、
図5のS521にて生成されたレポートに基づいて出稿端末100に表示される画面の例である。レポートには、一次広告が配信された配信先端末300の位置、当該配信のタイミング、当該配信先のユーザの属性、二次広告にアクセスした配信先端末300の位置、アクセスのタイミング、当該アクセスしたユーザの属性に関する情報が含まれていると仮定する。
【0048】
同図(a)は、出稿者990が所定の操作を行うと、ユーザが配信対象として指定したエリアの地図に重ねて、リアルタイムの配信状況が表示する画面の例である。リアルタイムの配信状況とは、レポートの要求を行った時点から所定時間(例えば1分あるいは10分)前までの期間に配信が実行されたケースについての状況である。同図において、一つの点OB30が一つの配信先端末300を表す。あるいは、点の大きさによって、配信先端末300の数あるいはそのエリアにおける配信先端末300の密度を表現してもよい。
同図(b)は、一次広告を配信した端末のうち、上記期間内に二次広告にアクセスした配信先端末300の位置を示す。
【0049】
なお、(a)および(b)の画面は、ユーザの操作によって切り替えて表示されてもよいし、一つの画面上に配信状況とアクセス状況とを区別して表示してもよい。例えば、OB31とOB30とは、ドットの形状、色、大きさ、形状、あるいはこれらの変化(点滅その他のアニメーション表示)の違いによって表現されてもよい。
また、配信および/またはアクセスのタイミングに応じて、表示態様を異ならせてもよい。例えば、現時点から1分前までにアクセスした端末については、それ以外の端末と区別されるように、点滅やアニメーション表示などの強調表示を行う。
【0050】
このように、配信管理サーバ200において配信状況が随時蓄積および解析され、その結果を出稿者990が任意のタイミングで取得して可視化するので、狙った通りの広告効果が発揮されているかを出稿者990は容易に検証することができる。これにより、出稿支援システム10に対する信頼感が生まれ、さらなる加入者を誘引することが期待される。
【0051】
図13は、他の形式でレポートを表示した例である。このレポートは、予め定められたタイミング(例えば、設定した広告配信期間の終了時、あるいは出稿者990が要求した時点)において提供され、例えば配信期間の全体など、長期的な配信状況ついての情報を示すものである。
このレポート形式では、配信先端末300の位置についての情報は省略され、所定の期間に渡って配信された配信先端末300の合計数(総インプレッション数)およびそのうちアクセスがあった割合(クリック率)を、一日ごとに集計したものである。これにより、
図12のような短期間な観点ではなく、長期的な観点で配信ないしクリックの状況を検証することができる。
【0052】
なお、
図13に示す統計処理や表示方法は一例であって、例えばインプレッション数の平均、クリック率の平均値、属性ごとのインプレッション数および/またはクリック率、配信先のエリアごとのインプレッション数および/またはクリック率などを算出して表示してもよい。
【0053】
上記実施例によれば、出稿者の位置が変化しても現在位置に応じた内容設定の内容(広告内容および配信条件の少なくともいずれか一つ)が自動的に決定されるので、出稿者がいる位置に応じて効果的な広告コンテンツや配信条件を簡単に設定することができる。例えば、出稿に関する専門的知識がないあるいは詳細な出稿設定を検討する時間的余裕がない場合であっても、地域特性を加味した出稿を行うことができる。
【0054】
一例において、基準となるロゴデザイン、広告文書、および配信条件を一度設定しておけば、当該ロゴデザイン、広告文書、および配信条件の内少なくともいずれか一つが位置情報に応じて自動的にカスタマイズされる。出稿者990が地域特性を加味して広告内容や配信条件を設定し直す手間がない。
【0055】
また、出稿者990は広告効果についてのレポートを、出稿者990が指定するタイミングで確認することができる。出稿者990は、レポートを見て配信設定に改善の余地があると判断した場合、あるいは他の理由で、提示された広告内容や配信条件が少なくとも部分的に受け入れなれない場合は、提示された広告内容および/または配信条件を編集することができる。この際、例えば配信条件が複数の項目からなる場合、出稿者990が必要と考える項目のみを編集(例えば微調整)すれば済むので、広告な内容や配信条件のきめ細やかな調整を簡単に行うことができる。また、配信エリアの指定や広告効果の確認の際に、地図とともに表示することで、直感的な指定や確認が実現する。
【0056】
<変形例>
上記実施例においては、配信エリア、バナーデザイン、ランディングページ、配信期間のそれぞれにおいて、位置情報を加味して出稿端末100がユーザに提案を提示し、必要があれば、当該提案に対するユーザの修正を受け付けた。しかし、広告設定に係る所定の項目については、出稿端末100が提案を行わなくてもよい。具体的には、出稿者990は、予め配信設定の項目ごとに、位置に基づく提案を出稿端末100に行われるか否かについての情報を記憶部140に登録しておく。配信設定生成部131は、この情報を参照して、提案が許可された項目についてのみ位置に基づく提案を実行する。位置に基づく提案を行わない項目については、出稿者はその都度内容を入力する。あるいは、当該項目については予め定められた内容を位置に関わらず適用してもよい。
【0057】
配信条件を決定する際に用いられる地域情報には、施設情報に加え、気象情報、交通情報(道路の渋滞状況、電車遅延など)、施設にて催されるイベントの情報が含まれていてもよい。
また、地域情報は、地図アプリケーションの機能として制御部130によって提供されてもよいし、配信管理サーバ200が出稿端末100からの要求に応じて、出稿端末100に送信してもよい。換言すると、広告コンテンツや配信条件を生成するのは、出稿端末100でもよいし配信管理サーバ200でもよいし、両者の協働処理であってもよい。
また、広告とは、不特定多数の者に情報を伝達するための行為をいい、営利、非営利その他の目的を問わず、内容も問わない。
【0058】
要するに、本発明に係る情報処理システムにおいて、出稿者の端末の位置を取得するステップと、前記位置に対応して決定される、広告コンテンツおよび配信条件の少なくともいずれか一つを前記端末に表示するステップとが実行されていればよい。
【符号の説明】
【0059】
10・・・出稿支援システム、100・・・出稿端末、200・・・配信管理サーバ、300・・・配信先端末、400・・・コンテンツサーバ、110・・・通信部、120・・・位置取得部、130・・・制御部、131・・・配信設定生成部、132・・・配信設定編集部、133・・・レポート取得部、140・・・記憶部、150・・・表示部、
160・・・入力部、170・・・撮影部、210・・・通信部、220・・・配信部、230・・・レポート生成部、240・・・記憶部、360・・・位置取得部、310・・・通信部、330・・・表示部、320・・・アプリケーション実行部、370・・・記憶部、350・・・入力部、500・・・通信網、990・・・出稿者