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  • 特開-活性イオウ分子種生体内濃度上昇剤 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022166333
(43)【公開日】2022-11-02
(54)【発明の名称】活性イオウ分子種生体内濃度上昇剤
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/10 20060101AFI20221026BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20221026BHJP
   A61P 39/06 20060101ALI20221026BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20221026BHJP
   A61K 8/46 20060101ALI20221026BHJP
【FI】
A61K31/10
A61P43/00 111
A61P39/06
A61Q19/00
A61K8/46
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2019169288
(22)【出願日】2019-09-18
(71)【出願人】
【識別番号】504159235
【氏名又は名称】国立大学法人 熊本大学
(71)【出願人】
【識別番号】308032666
【氏名又は名称】協和発酵バイオ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128381
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 義憲
(74)【代理人】
【識別番号】100200540
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 祐子
(72)【発明者】
【氏名】澤 智裕
(72)【発明者】
【氏名】松野 伸哉
【テーマコード(参考)】
4C083
4C206
【Fターム(参考)】
4C083AA082
4C083AA122
4C083AC012
4C083AC022
4C083AC072
4C083AC102
4C083AC122
4C083AC182
4C083AC242
4C083AC422
4C083AC482
4C083AC582
4C083AC761
4C083AC771
4C083AC852
4C083AD332
4C083AD412
4C083AD512
4C083EE12
4C206AA01
4C206AA02
4C206JA21
4C206JA51
4C206MA01
4C206MA04
4C206MA55
4C206MA57
4C206MA72
4C206NA14
4C206ZC41
(57)【要約】
【課題】本発明は、活性イオウ分子種の生体内濃度を効率よく上昇させることを目的とする。
【解決手段】
以下の化学式(I):
S(S)SR (I)
(式(I)中、R及びRはそれぞれ独立して、チオール基含有化合物から1個のチオール基を除いた残基を表し、nは1以上の整数である)で表される化合物又はその医薬的に許容される塩を含有する、活性イオウ分子種生体内濃度上昇剤。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の化学式(I):
S(S)SR (I)
(式(I)中、R及びRはそれぞれ独立して、チオール基含有化合物から1個のチオール基を除いた残基を表し、nは1以上の整数である)で表される化合物又はその医薬的に許容される塩を含有する、活性イオウ分子種生体内濃度上昇剤。
【請求項2】
活性イオウ分子種の血中濃度を上昇させる、請求項1に記載の活性イオウ分子種生体内濃度上昇剤。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の活性イオウ分子種生体内濃度上昇剤を含む、化粧料。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の活性イオウ分子種生体内濃度上昇剤を含む、飲食品。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の活性イオウ分子種生体内濃度上昇剤を含む、医薬品。
【請求項6】
請求項1又は2に記載の活性イオウ分子種生体内濃度上昇剤を含む、医薬部外品。
【請求項7】
以下の化学式(I):
S(S)SR (I)
(式(I)中、R及びRはそれぞれ独立して、チオール基含有化合物から1個のチオール基を除いた残基を表し、nは1以上の整数である)で表される化合物又はその医薬的に許容される塩を含有する、生体内抗酸化剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、活性イオウ分子種の生体内濃度を効率よく上昇させることができる組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
システインハイドロパースルフィド(CysSSH)等の活性イオウ分子種は、チオール基に複数のイオウ原子が付加したポリスルフィド構造を有する化合物であり、通常のチオール化合物に比べ、高い求核性と抗酸化活性を有し、細胞内レドックス環境の制御に重要な役割を担っていることが知られている(非特許文献1)。
【0003】
近年、CysSSHが生体内で生成され、CysSSHからイオウ原子が転移することによって、グルタチオンハイドロパースルフィド(GSSH)も生成することが報告されている。これらの分子種は、還元型グルタチオン(GSH)や硫化水素ナトリウムが還元することができない過酸化水素と速やかに反応し、速やかに分解することが分かっており、還元型グルタチオンや硫化水素ナトリウムよりも優れた抗酸化作用を示すこともわかっている(非特許文献2)。
【0004】
しかしながら、それら活性イオウ分子種は不安定であり、単離することすら容易ではなく、ましてや、そのまま医薬品及び飲食品として使用することは困難であることから(非特許文献3)、活性イオウ分子種を生体内に供給し、活性イオウ分子種の生体内濃度を効率よく上昇させる方法が望まれている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】井田 智章ら,活性イオウ含有分子の再発見とその生物活性,日薬理誌, Vol.147、2016年、p.278-284
【非特許文献2】T Ida et al.,Reactive cysteine persulfides and S-polythiolation regulate oxidative stress and redox signaling,PNAS,2014年5月27日,Vol.111(21),p.7606-7611
【非特許文献3】C M Park et al.,Persulfides: current knowledge and challenges in chemistry and chemical biology,BioSyst.2015年,Vol.11,p.1775-1785
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、活性イオウ分子種の生体内濃度を効率よく上昇させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、以下(1)~(10)に関する。
(1)以下の化学式(I):
S(S)SR (I)
(式(I)中、R及びRはそれぞれ独立して、チオール基含有化合物から1個のチオール基を除いた残基を表し、nは1以上の整数である)で表される化合物又はその医薬的に許容される塩を含有する、活性イオウ分子種生体内濃度上昇剤。
(2)活性イオウ分子種の血中濃度を上昇させる、(1)に記載の活性イオウ分子種生体内濃度上昇剤。
(3)(1)又は(2)に記載の活性イオウ分子種生体内濃度上昇剤を含む、化粧料。
(4)(1)又は(2)に記載の活性イオウ分子種生体内濃度上昇剤を含む、飲食品。
(5)(1)又は(2)に記載の活性イオウ分子種生体内濃度上昇剤を含む、医薬品。
(6)(1)又は(2)に記載の活性イオウ分子種生体内濃度上昇剤を含む、医薬部外品。
(7)以下の化学式(I):
S(S)SR (I)
(式(I)中、R及びRはそれぞれ独立して、チオール基含有化合物から1個のチオール基を除いた残基を表し、nは1以上の整数である)で表される化合物又はその医薬的に許容される塩を含有する、生体内抗酸化剤。
(8)以下の化学式(I):
S(S)SR (I)
(式(I)中、R及びRはそれぞれ独立して、チオール基含有化合物から1個のチオール基を除いた残基を表し、nは1以上の整数である)で表される化合物又はその医薬的に許容される塩を対象に投与する、活性イオウ分子種生体内濃度の上昇方法。
(9)活性イオウ分子種生体内濃度の上昇に使用される、以下の化学式(I):
S(S)SR (I)
(式(I)中、R及びRはそれぞれ独立して、チオール基含有化合物から1個のチオール基を除いた残基を表し、nは1以上の整数である)で表される化合物又はその医薬的に許容される塩。
(10)活性イオウ分子種生体内濃度上昇剤を製造するための、以下の化学式(I):
S(S)SR (I)
(式(I)中、R及びRはそれぞれ独立して、チオール基含有化合物から1個のチオール基を除いた残基を表し、nは1以上の整数である)で表される化合物又はその医薬的に許容される塩の使用。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、優れた求核性及び抗酸化作用を有する活性イオウ分子種の生体内濃度を、効率良く上昇させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1(A)は、グルタチオンハイドロパースルフィド(GSSH)の血漿中濃度変化を示すグラフである。図1(B)は、グルタチオンハイドロトリスルフィド(GSSSH)の血漿中濃度変化を示すグラフである。図1(C)は、グルタチオントリスルフィド(GSSSG)の血漿中濃度変化を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明について詳細に説明する。
本明細書において、「活性イオウ分子種」とは、チオール基のイオウ原子にさらに1個以上のイオウ原子が付加した基を有する化合物のことを指す。本発明の活性イオウ分子種生体内濃度上昇剤によって生体内濃度が上昇される活性イオウ分子種としては、例えば、システインハイドロパースルフィド(CysSSH、システインのチオール基のイオウ原子にさらに1個のイオウ原子が付加した化合物)、グルタチオンハイドロパースルフィド(GSSH、還元型グルタチオン(GSH)のチオール基のイオウ原子にさらに1個のイオウ原子が付加した化合物)、グルタチオンハイドロトリスルフィド(GSSSH、還元型グルタチオンのチオール基のイオウ原子にさらに2個のイオウ原子が付加した化合物)等が挙げられる。
【0011】
本発明の活性イオウ分子種生体内濃度上昇剤及び生体内抗酸化剤に主成分として含まれる化合物は、以下の化学式(I):
S(S)SR (I)
(式(I)中、R及びRはそれぞれ独立して、チオール基含有化合物から1個のチオール基を除いた残基を表し、nは1以上の整数である)で表される化合物(以下、「化合物(I)」と称する。)である。
【0012】
式(I)中、R及びRとしては、例えば、システイン、ホモシステイン、N-アセチルシステイン等のチオール基含有アミノ酸及びその誘導体から1個のチオール基を除いた残基;還元型グルタチオン、γ-グルタミルシステイン、システイニルグリシン等のチオール基含有ペプチド及びその誘導体から1個のチオール基を除いた残基;アルブミン、チオレドキシン等のチオール基含有タンパク質及びその誘導体から1個のチオール基を除いた残基;ペニシラミン、システアミン、パンテテイン、補酵素A、リポ酸、バシリチオール等の生体内チオール化合物及びその誘導体から1個のチオール基を除いた残基等が挙げられるが、これらの構造や塩形態に限定されるものではない。
【0013】
式(I)中、nは、1以上の整数であれば、特に制限されるものではないが、好ましくは1以上6以下、より好ましくは、1以上5以下、さらに好ましくは1以上4以下、特に好ましくは1以上3以下の整数、最も好ましくは、1又は2を挙げることができる。nが1以上である場合、すなわち化合物(I)中で3つ以上のイオウ原子が連なっている場合に、活性イオウ分子種の生体内濃度を効率良く上昇させることができる。一方、nが6以下であると、化合物(I)が本発明の活性イオウ分子種生体内濃度上昇剤中でより安定に存在することができる。
【0014】
化合物(I)として、好ましくは、R及びRの少なくとも一方が還元型グルタチオンからチオール基を除いた残基である化合物である。化合物(I)として、より好ましくは、R及びRの一方が還元型グルタチオンからチオール基を除いた残基であり、他方がシステイン、N-アセチルシステイン、又は還元型グルタチオンからチオール基を除いた残基であり、かつnは1又は2である化合物、具体的には、システイン-グルタチオントリスルフィド、N-アセチルシステイン-グルタチオントリスルフィド、システイン-グルタチオンテトラスルフィド、N-アセチルシステイン-グルタチオンテトラスルフィド等を挙げることができる。化合物(I)として、さらに好ましくは、R及びRの一方が還元型グルタチオンからチオール基を除いた残基であり、他方がN-アセチルシステイン又は還元型グルタチオンからチオールを除いた残基であり、かつnは1又は2である化合物、具体的には、N-アセチルシステイン-グルタチオントリスルフィド、N-アセチルシステイン-グルタチオンテトラスルフィドなどを挙げることができる。化合物(I)として、特に好ましくは、R及びRが両方とも還元型グルタチオンからチオール基を除いた残基であり、かつnは1である化合物、すなわちグルタチオントリスルフィドを挙げることができる。
【0015】
以下、化学式(I)中のR、R及びnの定義は、上記と同じである。
【0016】
化合物(I)は、医薬的に許容される塩の形態であってもよい。化合物(I)の医薬的に許容される塩としては、塩酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩等の無機酸の塩;酢酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、炭酸塩、ピクリン酸塩、グルタミン酸塩等の有機酸の塩、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩等の金属塩、及びアンモニウム塩等が挙げられ、好ましくは無機塩、より好ましくは塩酸塩をあげることができる。
【0017】
化合物(I)の製造法は、特に限定されないが、その製造法としては、国際公開第2018/117186号に記載の方法等を挙げることができる。
【0018】
化合物(I)は、単離又は精製されたものが好ましい。本明細書において「単離又は精製」とは、例えば化合物が天然から得られたままではなく、天然に存在している環境から切り離されて、天然の状態で一緒に含有されている他の成分の一部又は全部を含まないことを意味する。単離又は精製された化合物とは、天然の状態で一緒に含有されている他の成分が、天然状態と比較して60重量%以上、好ましくは75重量%以上、より好ましくは90重量%以上、さらに好ましくは95重量%以上、特に好ましくは98重量%以上、最も好ましくは99重量%以上、削減されている化合物のことをいう。即ち、好ましい態様において、本発明の活性イオウ分子種生体内濃度上昇剤及び生体内抗酸化剤は、単離又は精製された化合物(I)を、その活性本体としている。
【0019】
本発明の活性イオウ分子種生体内濃度上昇剤によれば、生体内の活性イオウ分子種の濃度を上昇させることができる。ここで、生体内濃度とは、生体内のあらゆる部位における濃度を指すことができ、例えば、血液、リンパ液、組織液(組織間液、細胞間液、間質液)、体腔液、胸水、腹水、脳脊髄液(髄液)、関節液(滑液)、眼房水(房水)、消化液、唾液、胃液、胆汁、膵液、腸液、汗、涙、鼻水、尿、精液、膣液、羊水、乳汁等の体液中;皮膚等の体表面;消化器系、循環器系、呼吸器系、泌尿器系、生殖器系、内分泌器系、感覚器系、神経系、運動器系等の器官内;上皮組織、結合組織、筋組織、神経組織等の組織内;各種細胞内;における濃度を生体内濃度ということができる。好ましくは、本発明の活性イオウ分子種生体内濃度上昇剤によって上昇される生体内濃度は、血中濃度である。
【0020】
本発明の活性イオウ分子種生体内濃度上昇剤の投与対象は特に限定されないが、ヒト及びヒト以外の動物(例えば、哺乳類、鳥類、は虫類、両生類、魚類等)を挙げることができ、ヒト及びヒト以外の哺乳類が好ましい。ヒト以外の哺乳類としては、例えば、マウス、ラット、モルモット、ハムスター、ウサギ、ネコ、イヌ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ウマ、ヤギ、サルが挙げられる。
【0021】
本発明の活性イオウ分子種生体内濃度上昇剤の投与方法は特に限定されないが、口腔内投与、舌下投与等の経口投与;静脈内投与、筋肉内投与、皮下投与、経皮投与、経鼻投与、経肺投与等の非経口投与等によって、活性イオウ分子種生体内濃度上昇剤を投与することができる。
【0022】
本発明の活性イオウ分子種生体内濃度上昇剤及び生体内抗酸化剤には、化合物(I)の他に、その用途あるいは剤形に応じて、医薬品、医薬部外品、飲食品、化粧料等に通常使用される成分(基剤、担体又は添加物等)が適宜配合されてもよい。適宜配合できる成分は特に制限されず、例えば、ビタミン類、アミノ酸類、アルコール類、多価アルコール類、糖類、ガム質・多糖類等の高分子化合物、界面活性剤、防腐・抗菌・殺菌剤、pH調整剤、キレート剤、酸化防止剤、酵素成分、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、流動化剤、清涼化剤、矯味・矯臭剤、コーティング剤、ミネラル類、細胞賦活剤、滋養強壮剤、賦形剤、増粘剤、安定化剤、保存剤、等張化剤、分散剤、吸着剤、崩壊補助剤、湿潤剤又は湿潤調節剤、防湿剤、着色料、着香剤又は香料、芳香剤、還元剤、可溶化剤、溶解補助剤、発泡剤、粘稠剤又は粘稠化剤、溶剤、基剤、乳化剤、可塑剤、緩衝剤、光沢化剤、油脂類、保湿剤、紫外線吸収剤、刺激軽減剤等が挙げられる。また、本発明の活性イオウ分子種生体内濃度上昇剤及び生体内抗酸化剤に含まれる化合物(I)又はその医薬的に許容される塩の濃度及び含有量は、活性イオウ分子種生体内濃度上昇剤の投与対象、剤型、用途等に応じて、当業者が適宜設定できる。
【0023】
以下に適宜配合できる成分を具体的に例示するが、これらの成分に限定されるものではない。
【0024】
ビタミン類としては、例えば、ビタミンA、B、C、D、E、K類、葉酸、パントテン酸、ニコチン酸アミド、カルニチン、コリン、イノシトール、ビオチン等が挙げられる。
【0025】
アミノ酸類としては、例えば、ロイシン、イソロイシン、バリン、メチオニン、トレオニン、アラニン、フェニルアラニン、トリプトファン、リジン、グリシン、アスパラギン、アスパラギン酸、セリン、グルタミン、プロリン、チロシン、システイン、ヒスチジン、オルニチン、ヒドロキシプロリン、ヒドロキシリジン、グリシルグリシン、アミノエチルスルホン酸、及び食品衛生上、薬学的又は香粧的に許容されるこれらの塩等が挙げられる。
【0026】
アルコール類としては、例えば、エタノール、イソプロパノール、ラウリルアルコール、セタノール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、ラノリンアルコール、ベヘニルアルコール、2-ヘキシルデカノール、イソステアリルアルコール、2-オクチルドデカノール等が挙げられる。
【0027】
多価アルコール類としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ポリエチレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、イノシトール等が挙げられる。
【0028】
糖類としては、例えば、グルコース、フルクトース、ガラクトース、マンノース、リボース、アラビノース、キシロース、デオキシリボース、マルトース、トレハロース、スクロース、ラクトース、ラクツロース、ラフィノース、マルチトール、エリスリトール、マンニトール、キシリトール、ソルビトール、白糖等が挙げられる。当該糖類には、その誘導体も含まれる。かかる誘導体としては、例えば、リン酸エステル体(例えば、グルコース-6-リン酸等)や酸化体(例えば、ガラクツロン酸、グルクロン酸、マンヌロン酸等)、及びそれらの食品衛生上、薬学的又は香粧的に許容される塩が挙げられる。
【0029】
ガム質・多糖類等の高分子化合物としては、例えば、アラビアゴム、カラヤガム、キサンタンガム、キャロブガム、グアーガム、グアヤク脂、クインスシード、ダルマンガム、トラガント、ベンゾインゴム、ローカストビーンガム、カゼイン、寒天、アルギン酸、デキストリン、デキストラン、ガラギーナン、ゼラチン、コラーゲン、ペクチン、デンプン、コーンスターチ、ポリガラクツロン酸、キチン及びその誘導体、キトサン及びその誘導体、エラスチン、ヘパリン、ヘパリノイド、ヘパリン硫酸、ヘパラン硫酸、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、セラミド、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、セルロース、ニトロセルロース、ポリビニルアルコール(完全、又は部分ケン化物)、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメタアクリレート、ポリアクリル酸、カルボキシビニルポリマー、ポリエチレンイミン、リボ核酸、デオキシリボ核酸、及び食品衛生上、薬学的又は香粧的に許容されるこれらの塩等が挙げられる。
【0030】
界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレン、ポリアルキルシロキサン、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンセスキオレエート、テトラ-2-エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン、ペンタ-2-エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン、モノ綿実油脂肪酸グリセリン、モノエルカ酸グリセリン、セスキオレイン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリンリンゴ酸、α,α’-オレイン酸ピログルタミン酸グリセリン、モノステアリン酸プロピレングリコール、硬化ヒマシ油誘導体、グリセリンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンモノオレエート、ポリオキシエチレンジステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンテトラオレエート、ポリオキシエチレンソルビットモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビットラウレート、ポリオキシエチレンソルビットペンタオレエート、ポリオキシエチレンソルビットモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビットミツロウ、ポリオキシエチレングリセリンモノステアレート、ポリオキシエチレングリセリンモノイソステアレート、ポリオキシエチレングリセリントリイソステアレート、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンベヘニルエーテル、ポリオキシエチレンコレスタノールエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンジノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン(105)ポリオキシプロピレン(5)グリコール、ポリオキシエチレン(120)ポリオキシプロピレン(40)グリコール、ポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコール、ポリオキシエチレン(42)ポリオキシプロピレン(67)グリコール、ポリオキシエチレン(196)ポリオキシプロピレン(67)グリコール、ポリオキシエチレン(20)ポリオキシプロピレン(20)グリコール、ポリオキシエチレン(1)ポリオキシプロピレン(1)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(10)ポリオキシプロピレン(4)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(17)ポリオキシプロピレン(23)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(20)ポリオキシプロピレン(1)セチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンモノブチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン水素添加ラノリン、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリンエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油モノイソステアレート、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油トリイソステアレート、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油モノピログルタミン酸モノイソステアリン酸ジエステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油マレイン酸、ラウリン酸モノエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、脂肪酸イソプロパノールアミド、アルキルカルボン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルリン酸塩等のアニオン型界面活性剤、アルキルアミン塩、アルキル4級アンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、ポリオキシエチレンプロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルホルムアルデヒド縮合物、アルキルエトキシジメチルアミンオキシド、トリアルキルリン酸、ラウリル硫酸ナトリウム、大豆レシチン、ポリソルベート80、及び食品衛生上、薬学的又は香粧的に許容されるこれらの塩等が挙げられる。
【0031】
防腐・抗菌・殺菌剤としては、例えば、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル、アクリノール、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化セチルピリジニウム、臭化セチルピリジニウム、クロルヘキシジン、ポリヘキサメチレンビグアニド、アルキルポリアミノエチルグリシン、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、クロロブタノール、イソプロパノール、エタノール、フェノキシエタノール、イオウ、マーキュロクロム、チメロサール、ポビドンヨード、デヒドロ酢酸、クロルキシレノール、クレゾール、クロロフェン、フェノール、レゾルシン、オルトフェニルフェノール、イソプロピルメチルフェノール、ヒノキチオール、スルファミン、リゾチーム、ラクトフェリン、トリクロサン、8-ヒドロキシキノリン、ウンデシレン酸、安息香酸、プロピオン酸、ソルビン酸、トリクロカルバン、過酸化水素、オルトフタルアルデヒド、及び食品衛生上、薬学的又は香粧的に許容されるこれらの塩等が挙げられる。
【0032】
pH調整剤としては、例えば、塩酸、硫酸、乳酸、酢酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、シュウ酸、グルコン酸、フマル酸、プロピオン酸、酢酸、アスパラギン酸、イプシロンアミノカプロン酸、グルタミン酸、アミノエチルスルホン酸、リン酸、ポリリン酸、ホウ酸、グルコノラクトン、酢酸アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、リジン、ホウ砂、及び食品衛生上、薬学的又は香粧的に許容されるこれらの塩等が挙げられる。
【0033】
キレート剤としては、例えば、エデト酸、クエン酸、ポリリン酸、メタリン酸、アスコルビン酸、コハク酸、フィチン酸、1-ヒドロキシエタン-1,1-ジホスホン酸、及び食品衛生上、薬学的又は香粧的に許容されるこれらの塩等が挙げられる。
【0034】
酸化防止剤としては、例えば、アスコルビン酸及びその誘導体、エリソルビン酸及びその誘導体、トコフェロール及びその誘導体、カロチン、リコピン、没食子酸プロピル、タンニン酸、エピガロカテキン等のカテキン類、アントシアニン等のポリフェノール類、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、p-ヒドロキシアニソール、及び食品衛生上、薬学的又は香粧的に許容されるこれらの塩等が挙げられる。
【0035】
酵素成分としては、例えば、リパーゼ、アミラーゼ、エンドペプチダーゼ、カタラーゼ、リゾチーム、スーパーオキシドディスムターゼ、グルタチオンパーオキシダーゼ、エラスターゼ、コラゲナーゼ、ゼラチナーゼ、キモトリプシン等が挙げられる。
【0036】
結合剤としては、例えば、デンプン、デキストリン、アラビアゴム末、ゼラチン、ヒドロキシプロピルスターチ、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、結晶セルロース、エチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、ポリビニルピロリドン、マクロゴール、トラガント、ゼラチン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、クエン酸カルシウム、デキストリン、ペクチン等が挙げられる。
【0037】
崩壊剤としては、例えば、デンプン、ヒドロキシプロピルスターチ、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロース、低置換ヒドロキシプロピルセルロース、結晶セルロース等が挙げられる。
【0038】
滑沢剤としては、例えば、タルク、ロウ類、水素添加植物油、ショ糖脂肪酸エステル、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ポリエチレングリコール、シリカ、硬化植物油等が挙げられる。
【0039】
流動化剤としては、例えば、軽質無水ケイ酸、乾燥水酸化アルミニウムゲル、合成ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム等が挙げられる。
【0040】
清涼化剤としては、例えば、l-メントール、d-メントール、dl-メントール、d-カンフル、dl-カンフル、d-ボルネオール、dl-ボルネオール、ゲラニオール、ユーカリ油、ベルガモット油、ウイキョウ油、ハッカ油、ケイヒ油、ローズ油、ペパーミント油等の精油や精油成分等が挙げられる。
【0041】
矯味・矯臭剤又はコーティング剤としては、例えば、カカオ末、ケイヒ末、緑茶抹、乳糖、白糖、ブドウ糖、マンニトール、メントール、カンフル、ボルネオール、ゲラニオール、ユーカリ油、ベルガモット油、ウイキョウ油、ハッカ油、ケイヒ油、ローズ油、ペパーミント油、マンニトール、キシリトール、芳香性精油類等が挙げられる。
【0042】
本発明の活性イオウ分子種生体内濃度上昇剤、及び生体内抗酸化剤における化合物(I)又はその医薬的に許容される塩の含有量は、使用目的や使用形態等を考慮して適宜決定すればよいが、通常、活性イオウ分子種生体内濃度上昇剤、及び生体内抗酸化剤の全重量に対して0.0001~100重量%であり、好ましくは0.001~99重量%である。
【0043】
本発明の活性イオウ分子種生体内濃度上昇剤、及び生体内抗酸化剤は、安定性が高く、不快な臭いも発生しないので、例えば医薬品、医薬部外品、飲食品、化粧料等に配合することができる(以下、それぞれ本発明の医薬品、医薬部外品、飲食品、化粧料ともいう)。
【0044】
本発明の医薬品は、本発明の活性イオウ分子種生体内濃度上昇剤を含む。該医薬品の剤型は特に制限されず、経口又は非経口のいずれの剤型であってもよい。経口剤としては、錠剤(舌下錠、口腔内崩壊錠を含む)、カプセル剤(ソフトカプセル、マイクロカプセル、腸溶カプセルを含む)、顆粒剤、散剤、トローチ剤、シロップ剤、乳剤、懸濁剤等が挙げられ、非経口剤としては、外用剤(例えば、経皮製剤、軟膏剤等)、注射剤(例えば、皮下注射剤、静脈内注射剤、筋肉内注射剤、腹腔内注射剤、点滴剤等)、坐剤(例えば、直腸坐剤、膣坐剤等)等が挙げられる。
【0045】
本発明の医薬品は、本発明の活性イオウ分子種生体内濃度上昇剤以外に、医薬上許容し得る担体を適宜混合し、製剤学の技術分野においてよく知られている任意の方法により製造することができる。
【0046】
医薬上許容し得る担体としては、例えば賦形剤(例えば、乳糖、白糖、ブドウ糖、蔗糖、マンニトール、ソルビトール等の糖類、バレイショ、コムギ、トウモロコシ等の澱粉、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、リン酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、塩化ナトリウム等の無機物、カンゾウ末、ゲンチアナ末等の植物末等)、結合剤(例えば、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、カルメロース、澱粉のり液等)、崩壊剤(例えば、澱粉、寒天、ゼラチン末、微結晶セルロース、カルメロースナトリウム、カルメロースカルシウム、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、アルギン酸ナトリウム等)、滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルク、水素添加植物油、マクロゴール、シリコン油等)、界面活性剤(例えば、脂肪酸エステル等)、可塑剤(例えば、グリセリン等)、安定剤(例えば、β-シクロデキストリン等)、充填剤(例えば、二酸化ケイ素等)、分散剤、懸濁剤、乳化剤、希釈剤、緩衝剤、抗酸化剤、細菌抑制剤、防腐剤、フレーバー類等の添加剤が挙げられる。
【0047】
本発明の医薬品における活性イオウ分子種生体内濃度上昇剤の含有量は特に限定されないが、本発明の医薬品における化合物(I)又はその医薬的に許容される塩の含有量が、例えば、0.001~60重量%(好ましくは0.25~50重量%)となるように活性イオウ分子種生体内濃度上昇剤を配合してもよい。
【0048】
本発明の医薬品の投与量は、投与形態、投与される者の年齢、体重等に応じて異なるが、経口投与の場合、化合物(I)又はその医薬的に許容される塩の重量として、成人に対し一日あたり、通常0.001g~5g(好ましくは0.01g~2g)を1日に1回又は数回に分けて投与する。投与期間は、特に限定はないが、通常は1日間~1年間(好ましくは1週間~3か月間)である。
【0049】
本発明の医薬品は、ヒトだけでなく、ヒト以外の動物(例えば、哺乳類、鳥類、は虫類、両生類、魚類等)に対しても使用することができる。
【0050】
本発明の医薬部外品は、本発明の活性イオウ分子種生体内濃度上昇剤を含む。本発明の医薬部外品の形態は特に制限されず、上記医薬品と同様な剤型の他、口中清涼剤、腋臭防止剤、てんか粉類、養毛剤、除毛剤、染毛剤、パーマネントウェーブ用剤、浴用剤、薬用化粧品、薬用歯磨き類等、いずれの形態のものであってもよい。
【0051】
本発明の医薬部外品は、本発明の医薬品と同様の方法により製造することができる。
【0052】
本発明の医薬部外品における活性イオウ分子種生体内濃度上昇剤の含有量は特に限定されないが、本発明の医薬部外品における化合物(I)又はその医薬的に許容される塩の含有量が、例えば、0.0001~60重量%(好ましくは0.001~50重量%)となるように活性イオウ分子種生体内濃度上昇剤を配合してもよい。
【0053】
本発明の医薬品及び医薬部外品の用途は、抗酸化活性に基づく用途であれば特に制限されず、例えば、感染症、寄生虫症、新生物、血液疾患、造血器疾患、免疫障害、内分泌疾患、栄養性疾患、代謝疾患、精神疾患、行動障害、神経疾患、眼疾患、眼付属器疾患、耳疾患、循環器系疾患、呼吸器系疾患、消化器系疾患、皮膚疾患、皮下組織疾患、筋骨格疾患、結合組織疾患、腎疾患、尿路疾患、生殖器疾患、産科疾患、先天奇形、染色体異常、認知障害、知覚障害、歯周疾患,紫外線障害及び放射線障害(ただし、インフラマソームが関与する自己炎症性疾患を除くことができる)等の生体内物質の酸化を主因とする各種疾患を予防、改善及び/又は治療するために使用できる。また、虚血再灌流、透析療法、X線を利用した治療又は診断法(レントゲン)、磁気を利用した治療又は診断法(磁気共鳴画像法)、超音波を利用した治療又は診断法(超音波画像診断装置)等の酸化ストレスを誘発する処置における抗酸化作用を有する組成物又は剤として使用することもできる。
【0054】
本発明の医薬品及び医薬部外品のより具体的な用途としては、以下から選ばれるいずれか1つ以上の疾患の予防、改善及び/又は治療用の医薬品及び医薬部外品を挙げることができる。
【0055】
感染症及び寄生虫症:腸管感染症、結核、人畜共通細菌性疾患、その他の細菌性疾患、主として性的伝播様式をとる感染症、その他のスピロヘータ疾患、クラミジアによるその他の疾患、リケッチア症、中枢神経系のウイルス感染症、節足動物媒介ウイルス熱及びウイルス性出血熱、皮膚及び粘膜病変を特徴とするウイルス感染症、ウイルス肝炎、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)病、その他のウイルス疾患、真菌症、原虫疾患、蠕虫症、シラミ症,ダニ症及びその他の動物寄生症、感染症及び寄生虫症の続発・後遺症、細菌,ウイルス及びその他の病原体、その他の感染症。
【0056】
新生物:口唇、口腔及び咽頭の悪性新生物、消化器の悪性新生物、呼吸器及び胸腔内臓器の悪性新生物、骨及び関節軟骨の悪性新生物、皮膚の黒色腫及びその他の皮膚の悪性新生物、中皮及び軟部組織の悪性新生物、乳房の悪性新生物、女性生殖器の悪性新生物、男性生殖器の悪性新生物、腎尿路の悪性新生物、眼、脳及びその他の中枢神経系の部位の悪性新生物、甲状腺及びその他の内分泌腺の悪性新生物、部位不明確、続発部位及び部位不明の悪性新生物、リンパ組織、造血組織及び関連組織の悪性新生物、原発性多部位の悪性新生物、上皮内新生物、良性新生物、性状不詳又は不明の新生物。
【0057】
血液及び造血器の疾患並びに免疫障害:栄養性貧血、溶血性貧血、無形成性貧血及びその他の貧血、凝固障害、紫斑病及びその他の出血性病態、血液及び造血器のその他の疾患、免疫機構の障害。
【0058】
内分泌、栄養性及び代謝疾患:甲状腺障害、糖尿病、その他のグルコース調節及び膵内分泌障害、その他の内分泌腺障害、栄養失調症、その他の栄養欠乏症、肥満症及びその他の過栄養(過剰摂食)、代謝障害。
【0059】
精神疾患及び行動の障害:症状性を含む器質性精神障害、精神作用物質使用による精神及び行動の障害、統合失調症、統合失調症型障害及び妄想性障害、気分感情障害、神経症性障害,ストレス関連障害及び身体表現性障害、生理的障害及び身体的要因に関連した行動症候群、成人の人格及び行動の障害、知的障害、心理的発達の障害、児童期及び青年期に通常発症する行動及び情緒の障害、詳細不明の精神障害。
【0060】
神経疾患:中枢神経系の炎症性疾患、主に中枢神経系を障害する系統萎縮症、錐体外路障害及び異常運動、神経系のその他の変性疾患、中枢神経系の脱髄疾患、てんかん重積状態及び脳血管疾患における脳の血管性症候群を含む挿間性及び発作性障害、神経,神経根及び神経叢の障害、多発性ニューロパチー及びその他の末梢神経系の障害、神経筋接合部及び筋の疾患、脳性麻痺及びその他の麻痺性症候群、神経系のその他の障害。
【0061】
眼及び眼付属器の疾患:眼瞼、涙器及び眼窩の障害、結膜の障害、強膜、角膜、虹彩及び毛様体の障害、水晶体の障害、脈絡膜及び網膜の障害、緑内障、硝子体及び眼球の障害、視神経及び視覚路の障害、眼筋、眼球運動、調節及び屈折の障害、視機能障害及び失明、眼及び付属器のその他の障害。
【0062】
耳疾患:外耳疾患、中耳及び乳様突起の疾患、内耳疾患、耳のその他の障害。
【0063】
循環器系疾患:急性リウマチ熱、慢性リウマチ性心疾患、虚血性心疾患、肺性心疾患及び肺循環疾患、その他の型の心疾患、脳血管疾患、動脈、細動脈及び毛細血管の疾患、静脈、リンパ管及びリンパ節の疾患、他に分類されないもの、循環器系のその他及び詳細不明の障害。
【0064】
呼吸器系疾患:急性上気道感染症、インフルエンザ及び肺炎、その他の急性下気道感染症、上気道のその他の疾患、慢性下気道疾患、外的因子による肺疾患、主として間質を障害するその他の呼吸器疾患、下気道の化膿性及び壊死性病態、胸膜のその他の疾患、呼吸器系のその他の疾患。
【0065】
消化器系疾患:口腔、唾液腺及び顎の疾患、食道、胃及び十二指腸の疾患、ディスペプシア症、虫垂の疾患、ヘルニア、腸のその他の疾患、肛門部及び直腸部の裂溝及び瘻孔、腹膜の疾患、肝疾患、胆嚢、胆管及び膵の障害、腸性吸収不良(症)を含む消化器系のその他の疾患。
【0066】
皮膚及び皮下組織疾患:皮膚及び皮下組織の感染症、水疱症、皮膚炎及び湿疹、丘疹落屑鱗屑性障害、蕁麻疹及び紅斑、皮膚及び皮下組織の放射線(非電離及び電離)に関連する障害、皮膚付属器の障害、皮膚及び皮下組織のその他の障害。
【0067】
筋骨格及び結合組織疾患:感染性関節障害を含む関節障害、炎症性多発性関節障害、関節症、その他の関節障害、全身性結合組織障害、脊柱障害、脊柱側弯症を含む変形性脊柱障害、脊椎障害、その他の脊柱障害、筋障害を含む軟部組織障害、滑膜及び腱の障害、その他の軟部組織障害、骨の密度及び構造の障害を含む骨障害及び軟骨障害、その他の骨障害、軟骨障害、筋骨格系及び結合組織のその他の障害。
【0068】
腎、尿路及び生殖器疾患:糸球体疾患、腎尿細管間質性疾患、腎不全、尿路結石症、腎及び尿管のその他の障害、尿路系のその他の疾患、前立腺肥大症を含む男性生殖器の疾患、良性乳房異形成症を含む乳房の障害、女性骨盤臓器の炎症性疾患、子宮頚部のびらん及び外反症を含む女性生殖器の非炎症性障害、腎尿路生殖器系のその他の障害。
【0069】
産科疾患:流産に終わった妊娠、妊娠、分娩及び産褥における浮腫、蛋白尿及び高血圧性障害、主として妊娠に関連するその他の母体障害、胎児及び羊膜腔に関連する母体ケア並びに予想される分娩の諸問題、分娩の合併症、分娩、主として産褥に関連する合併症、その他の産科的病態、他に分類されないもの。母体側要因並びに妊娠及び分娩の合併症により影響を受けた胎児及び新生児、妊娠期間及び胎児発育に関連する障害、出産外傷、周産期に特異的な呼吸障害及び心血管障害、周産期に特異的な感染症、胎児及び新生児の出血性障害及び血液障害、胎児及び新生児に特異的な一過性の内分泌障害及び代謝障害、胎児及び新生児の消化器系障害、胎児及び新生児の外皮及び体温調節に関連する病態、周産期に発生したその他の障害。
【0070】
先天奇形及び染色体異常:神経系の先天奇形、眼、耳、顔面及び頚部の先天奇形、循環器系の先天奇形、呼吸器系の先天奇形、唇裂及び口蓋裂、消化器系のその他の先天奇形、生殖器の先天奇形、腎尿路系の先天奇形、筋骨格系の先天奇形及び変形、その他の先天奇形、染色体異常、他に分類されないもの。
【0071】
認知障害及び知覚障害:アルツハイマー病の認知症、血管性認知症、他に分類されるその他の疾患の認知症、詳細不明の認知症、器質性健忘症候群、アルコールその他の精神作用物質によらないもの、せん妄、脳の損傷及び機能不全並びに身体疾患によるその他の精神障害、脳の疾患、損傷及び機能不全による人格及び行動の障害、及び詳細不明の器質性又は症状性精神障害。
【0072】
歯周疾患:急性歯肉炎、慢性歯肉炎、急性歯周炎、慢性歯周炎、歯周症、その他の歯周症。
【0073】
紫外線障害及び放射線障害:日焼け、薬物光毒性反応、薬物性光アレルギー性反応、光接触皮膚炎、日光蕁麻疹、多形日光疹、紫外線によるその他の明示された急性皮膚変化、紫外線による急性皮膚変化(詳細不明なもの)、日光角化症、光線類細網症、項部菱形皮膚、シバッテの多形皮膚萎縮症、老人性弛緩性皮膚、光線肉芽腫、非電離性放射線の慢性曝露によるその他の皮膚変化、非電離性放射線の慢性曝露による皮膚変化(詳細不明なもの)、急性放射線皮膚炎、慢性放射線皮膚炎、放射線皮膚炎(詳細不明なもの)、温熱性紅斑、皮膚及び皮下組織の放射線に関連するその他の明示された障害、皮膚及び皮下組織の放射線に関連する障害(詳細不明なもの)。
【0074】
ただし、上記具体的疾患からは、インフラマソームが関与する自己炎症性疾患を除くことができる。
【0075】
本発明の飲食品は、本発明の活性イオウ分子種生体内濃度上昇剤を含む。本発明の飲食品の形態は特に制限されず、例えば、ジュース類、清涼飲料水、アルコール飲料、茶類、乳酸菌飲料;発酵乳、バター、チーズ、ヨーグルト、加工乳、脱脂乳等の乳製品;ハム、ソーセージ、ハンバーグ等の畜肉製品;蒲鉾、竹輪、さつま揚げ等の魚肉練り製品;だし巻き、卵豆腐等の卵製品;クッキー、ゼリー、チューインガム、キャンディー、ドロップ、スナック菓子等の菓子類;アイスクリーム、シャーベット、アイスキャンディー等の冷菓類;パン類、麺類、漬物類、燻製品、干物、佃煮、塩蔵品、スープ類、調味料、食品素材、食品添加剤等、いずれの形態のものであってもよい。また、摂取しやすい形態であれば、固形、粉末、液体、ゲル状、スラリー状等のいずれであってもよい。ここで、飲食品にはヒト以外の動物用の飼料も包含される。
【0076】
本発明の飲食品は、例えば、粉末食品、シート状食品、容器詰食品、容器詰飲料、レトルト食品、カプセル食品、タブレット状食品、流動食品、ドリンク剤等の形態であってもよい。
【0077】
本発明の飲食品は、活性イオウ分子種生体内濃度上昇剤のほかに、必要に応じて一般に飲食品又は飼料に用いられる添加剤、例えば食品添加物表示ハンドブック(日本食品添加物協会、平成9年1月6日発行)に記載されている甘味料、着色料、保存料、増粘安定剤、酸化防止剤、発色剤、漂白剤、防かび剤、ガムベース、苦味料、酵素、光沢剤、酸味料、調味料、乳化剤、強化剤、製造用剤、香料、香辛料抽出物等の添加剤を添加してもよい。
【0078】
甘味料としては、例えば、アスパルテーム、カンゾウ、ステビア、キシロース、ラカンカ、砂糖、水飴、コーンシロップ等が挙げられる。
【0079】
着色料としては、例えば、カロチノイド、ウコン色素、フラボノイド、カラメル色素、シコン色素、スピルリナ色素、葉緑素、ムラサキイモ色素、ムラサキヤマイモ色素、シソ色素、ブルーベリー色素等が挙げられる。
【0080】
保存料としては、例えば、亜硫酸ナトリウム、安息香酸類、ウド抽出物、エゴノキ抽出物、カワラヨモギ抽出物、ソルビン酸類、プロピオン酸類等が挙げられる。
【0081】
増粘安定剤としては、例えば、アラビアガムやキサンタンガム等のガム類、アルギン酸類、キチン、キトサン、キダチアロエ抽出物、グアーガム、ヒドロキシプロピルセルロース、カゼインナトリウム、コーンスターチ、カルボキシメチルセルロース類、ゼラチン、寒天、デキストリン、メチルセルロース、ポリビニルアルコール、微小繊維状セルロース、微結晶セルロース、海藻セルロース、ポリアクリル酸ソーダ、ポリリン酸ナトリウム、カラギーナン、酵母細胞壁、コンニャクイモ抽出物、ナタデココ、マンナン等が挙げられる。
【0082】
酸化防止剤としては、例えば、ビタミンC、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸カルシウム、エリソルビン酸、オリザノール、カテキン、ケルセチン、クローブ抽出物、酵素処理ルチン、リンゴ抽出物、ゴマ油抽出物、ジブチルヒドロキシトルエン、ウイキョウ抽出物、セイヨウワサビ抽出物、セリ抽出物、チャ抽出物、テンペ抽出物、ドクダミ抽出物、トコトリエノール、トコフェロール類、ナタネ油抽出物、生コーヒー豆抽出物、ヒマワリ種子、フェルラ酸、ブチルヒドロキシアニソール、ブルーベリー葉抽出物、プロポリス抽出物、ヘゴ・イチョウ抽出物、ヘスペレチン、コショウ抽出物、ホウセンカ抽出物、没食子酸、ヤマモモ抽出物、ユーカリ抽出物、ローズマリー抽出物等が挙げられる。
【0083】
発色剤としては、例えば、亜硝酸ナトリウム等が挙げられる。
【0084】
漂白剤としては、例えば、亜硫酸ナトリウム等が挙げられる。
【0085】
防かび剤としては、例えば、オルトフェニルフェノール等が挙げられる。
【0086】
ガムベースとしては、例えば、アセチルリシノール酸メチル、ウルシロウ、エステルガム、エレミ樹脂、オウリキュウリロウ、オゾケライト、オポパナックス樹脂、カウリガム、カルナウバロウ、グアヤク樹脂、グッタカチュウ、グッタハンカン、グッタペルカ、グリセリン脂肪酸エスエル、ゲイロウ、コパオババルサム、コーパル樹脂、ゴム、コメヌカロウ、サトウキビロウ、シェラック、ジェルトン、蔗糖脂肪酸エステル、ソルバ、ソルビタン脂肪酸エステル、タルク、炭酸カルシウム、ダンマル樹脂、チクル、チルテ、ツヌー、低分子ゴム、パラフィンワックス、ファーバルサム、プロピレングリコール脂肪酸エステル、粉末パルプ、粉末モミガラ、ホホバロウ、ポリイソブチレン、ポリブテン、マイクロクリスタルワックス、マスチック、マッサランドバチョコレート、ミツロウ、リン酸カルシウム等が挙げられる。
【0087】
苦味料としては、イソアルファー苦味酸、カフェイン、カワラタケ抽出物、キナ抽出物、キハダ抽出物、ゲンチアナ抽出物、香辛料抽出物、酵素処理ナリンジン、ジャマイカカッシア抽出物、テオブロミン、ナリンジン、ニガキ抽出物、ニガヨモギ抽出物、ヒキオコシ抽出物、ヒメマツタケ抽出物、ボラペット、メチルチオアデノシン、レイシ抽出物、オリーブ茶、ダイダイ抽出物、ホップ抽出物、ヨモギ抽出物等が挙げられる。
【0088】
酵素又は酵素源としては、例えば、アミラーゼ、トリプシン、レンネット、乳酸菌等が挙げられる。
【0089】
光沢剤としては、例えば、ウルシロウ、モクロウ等が挙げられる。
【0090】
酸味料としては、例えば、アジピン酸、イタコン酸、クエン酸類、コハク酸類、酢酸ナトリウム、酒石酸類、二酸化炭素、乳酸、フィチン酸、フマル酸、リンゴ酸、リン酸等が挙げられる。
【0091】
調味料としては、例えば、アスパラギン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グルタミン、アラニン、イソロイシン、グリシン、セリン、シスチン、チロシン、ロイシン、プロリン等のアミノ酸、イノシン酸ナトリウム、ウリジル酸ナトリウム、グアニル酸ナトリウム、シチジル酸ナトリウム、リボヌクレオチドカルシウム、リボヌクレオチドナトリウム等の核酸、クエン酸、コハク酸等の有機酸、塩化カリウム、塩水湖水低塩ナトリウム液、粗製海水塩化カリウム、ホエイソルト、リン酸三カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸三ナトリウム、クロレラ抽出物等が挙げられる。
【0092】
強化剤としては、例えば、亜鉛塩類、ビタミンC、各種アミノ酸、5-アデニル酸、塩化鉄、ヘスペリジン、各種焼成カルシウム、各種未焼成カルシウム、ジベンゾイルチアミン、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、チアミン塩酸塩、デュナリエラカロチン、トコフェロール、ニコチン酸、ニンジンカロチン、パーム油カロチン、パントテン酸カルシウム、ビタミンA、ヒドロキシプロリン、ピロリン酸二水素カルシウム、ピロリン酸第一鉄、ピロリン酸第二鉄、フェリチン、ヘム鉄、メナキノン、葉酸、リボフラビン等が挙げられる。
【0093】
製造用剤としては、例えば、アセトンやイオン交換樹脂等の加工助剤、イチジク葉抽出物、イナワラ灰抽出物、カオリン、グリセリン脂肪酸エステル、クワ抽出物、骨灰、シソ抽出物、ショウガ抽出物、各種タンニン、ファフィア色素、ブドウ種子抽出物、エタノール等が挙げられる。
【0094】
本発明の飲食品における活性イオウ分子種生体内濃度上昇剤の含有量は特に限定されないが、本発明の飲食品における化合物(I)又はその塩の含有量が、例えば、0.0001~100重量%(好ましくは0.001~99重量%)となるように活性イオウ分子種生体内濃度上昇剤を配合してもよい。
【0095】
感染症、寄生虫症、新生物、血液疾患、造血器疾患、免疫障害、内分泌疾患、栄養性疾患、代謝疾患、精神疾患、行動障害、神経疾患、眼疾患、眼付属器疾患、耳疾患、循環器系疾患、呼吸器系疾患、消化器系疾患、皮膚疾患、皮下組織疾患、筋骨格疾患、結合組織疾患、腎疾患、尿路疾患、生殖器疾患、産科疾患、先天奇形、染色体異常、認知障害、知覚障害、紫外線障害及び放射線障害(ただし、インフラマソームが関与する自己炎症性疾患を除く)等が生体内物質の酸化を主因とすることから、日常的に本発明の飲食品を摂取することで活性イオウ分子種生体内濃度を上昇させ、生体内の抗酸化レベルを一定以上に保つことにより、健康維持をはかることができる。
【0096】
本発明の化粧料は、本発明の活性イオウ分子種生体内濃度上昇剤を含む。本発明の化粧料の形態は特に制限されず、例えば一般クリーム、乳液(例、クレンジングクリーム、コールドクリーム、バニシングクリーム、ハンドクリーム等)、ひげ剃り用クリーム(例、アフターシェービングクリーム、シェービングクリーム等)、化粧水(例、ハンドローション、一般化粧水等)、オーデコロン、ひげ剃り用ローション(例、アフターシェービングローション、シェービングローション等)、化粧油、パック、ベビーパウダー等の基礎化粧品;おしろい(例、クリームおしろい、固形おしろい、粉おしろい、タルカムパウダー、練りおしろい、ボディパウダー、水おしろい等)、パウダー、ファンデーション(例、クリーム状、液状、固形等)、ほお紅、まゆずみ、アイクリーム、アイシャドウマスカラ等のメイクアップ化粧品;化粧石鹸、洗顔料(例、クリーム・ペースト状、液・ジェル状、顆粒・粉末状等)、シャンプー、リンス等の清浄用化粧品;美白化粧品;アンチエイジング化粧品;染毛料、ヘアトリートメント剤(例、クリーム状、ミスト状、オイル状、ジェル状等)、枝毛コート剤、ヘアセット剤(例、髪油、セットローション、カーラーローション、ポマード、チック、びんつけ油、ヘアスプレー、ヘアミスト、ヘアリキッド、ヘアフォーム、ヘアジェル、ウォーターグリース等)等の頭髪用化粧品;一般香水、練り香水、粉末香水等の香水類;日焼け・日焼け止めクリーム、日焼け・日焼け止めローション、日焼け・日焼け止めオイル等の日焼け・日焼け止め化粧品;アイライナー化粧品;口紅、リップクリーム等の口唇化粧品;歯磨き等の口腔化粧品;バスソルト、バスオイル、バブルバス等の浴用化粧品等、いずれの形態のものであってもよい。
【0097】
本発明の化粧料は、活性イオウ分子種生体内濃度上昇剤のほかに、所望する形態に応じて従来公知の他の配合成分を適宜配合して、常法に従って製造することができる。他の配合成分としては、例えば、水(精製水、深層水等)、エステル系油脂、炭化水素系油脂、シリコーン系油脂、フッ素系油脂、動植物油脂、水溶性高分子、脂溶性高分子、エモリエント剤、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、ゲル化剤、有機及び無機顔料、有機粉体、防腐剤、植物抽出物、pH調整剤、アルコール、色素、香料等が挙げられる。また、目的により、冷感剤、制汗剤等を配合しても良い。
【0098】
エステル系油脂としては、例えば、トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル、2-エチルヘキサン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ブチル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸エチル、パルミチン酸オクチル、イソステアリン酸イソセチル、ステアリン酸ブチル、ミリスチン酸ブチル、リノール酸エチル、リノール酸イソプロピル、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソセチル、ミリスチン酸イソステアリル、パルミチン酸イソステアリル、ミリスチン酸オクチルドデシル、イソステアリン酸イソセチル、セバシン酸ジエチル、アジピン酸ジイソプロピル、ネオペンタン酸イソアラキル、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル、トリ2-エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ2-エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、カプリル酸セチル、ラウリン酸デシル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸デシル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸セチル、ステアリン酸ステアリル、オレイン酸デシル、リシノレイン酸セチル、ラウリン酸イソステアリル、ミリスチン酸イソトリデシル、パルミチン酸イソセチル、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸イソセチル、オレイン酸イソデシル、オレイン酸オクチルドデシル、リノール酸オクチルドデシル、イソステアリン酸イソプロピル、2-エチルヘキサン酸セトステアリル、2-エチルヘキサン酸ステアリル、イソステアリン酸ヘキシル、ジオクタン酸エチレングリコール、ジオレイン酸エチレングリコール、ジカプリン酸プロピレングリコール、ジ(カプリル・カプリン酸)プロピレングリコール、ジカプリル酸プロピレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、トリカプリル酸グリセリル、トリウンデシル酸グリセリルトリイソパルミチン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、ネオペンタン酸オクチルドデシル、オクタン酸イソステアリル、イソノナン酸オクチル、ネオデカン酸ヘキシルデシル、ネオデカン酸オクチルドデシル、イソステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソステアリル、イソステアリン酸オクチルデシル、ポリグリセリンオレイン酸エステル、ポリグリセリンイソステアリン酸エステル、クエン酸トリイソセチル、クエン酸トリイソアラキル、クエン酸トリイソオクチル、乳酸ラウリル、乳酸ミリスチル、乳酸セチル、乳酸オクチルデシル、クエン酸トリエチル、クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸アセチルトリブチル、クエン酸トリオクチル、リンゴ酸ジイソステアリル、ヒドロキシステアリン酸2-エチルヘキシル、コハク酸ジ2-エチルヘキシル、アジピン酸ジイソブチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバチン酸ジオクチル、ステアリン酸コレステリル、イソステアリン酸コレステリル、ヒドロキシステアリン酸コレステリル、オレイン酸コレステリル、オレイン酸ジヒドロコレステリル、イシステアリン酸フィトステリル、オレイン酸フィトステリル、12-ステアロイルヒドロキシステアリン酸イソセチル、12-ステアロイルヒドロキシステアリン酸ステアリル、12-ステアロイルヒドロキシステアリン酸イソステアリル等のエステル類等が挙げられる。
【0099】
炭化水素系油脂としては、例えば、スクワラン、流動パラフィン、α-オレフィンオリゴマー、イソパラフィン、セレシン、パラフィン、流動イソパラフィン、ポリブテン、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン等の炭化水素系油脂等が挙げられる。
【0100】
シリコーン系油脂としては、例えば、ポリメチルシリコーン、メチルフェニルシリコーン、メチルシクロポリシロキサン、オクタメチルポリシロキサン、デカメチルポリシロキサン、ドデカメチルシクロシロキサン、ジメチルシロキサン・メチルセチルオキシシロキサン共重合体、ジメチルシロキサン・メチルステアロキシシロキサン共重合体、アルキル変性シリコーン油、アミノ変性シリコーン油等が挙げられる。
【0101】
フッ素系油脂としては、例えば、パーフルオロポリエーテル等があげられる。
【0102】
動植物油脂としては、例えばアボカド油、アルモンド油、オリーブ油、ゴマ油、コメヌカ油、サフラワー油、大豆油、トウモロコシ油、ナタネ油、杏仁油、パーム核油、パーム油、ヒマシ油、ヒマワリ油、ブドウ種子油、綿実油、ヤシ油、ククイナッツ油、コメヌカ油、小麦胚芽油、コメ胚芽油、シアバター、月見草油、マカデミアナッツ油、メドホーム油、卵黄油、牛脂、馬油、ミンク油、オレンジラフィー油、ホホバ油、ラノリン、プリスタン等が挙げられる。
【0103】
水溶性高分子としては、例えば、カルボキシビニルポリマー、ポリアスパラギン酸塩、トランガント、キサンタンガム、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、水溶性キチン、キトサン、デキストリン等が挙げられる。
【0104】
脂溶性高分子としては、例えば、ポリビニルピロリドン・エイコセン共重合体、ポリビニルピロリドン・ヘキサデセン共重合体、ニトロセルロース、デキストリン脂肪酸エステル、高分子シリコーン等が挙げられる。
【0105】
エモリエント剤としては、例えば、長鎖アシルグルタミン酸コレステリルエステル、ヒドロキシステアリン酸コレステリル、12-ヒドロキシステアリン酸、ステアリン酸、ロジン酸、ラノリン脂肪酸コレステリルエステル等が挙げられる。
【0106】
ノニオン性界面活性剤としては、例えば、プロピレングリコール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリエーテル変性シリコーンラウリン酸アルカノールアミド、アルキルアミンオキシド、水素添加大豆リン脂質等が挙げられる。
【0107】
アニオン性界面活性剤としては、例えば、脂肪酸セッケン、α-アシルスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルアミド硫酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルリン酸塩、アルキルアミドリン酸塩、アルキロイルアルキルタウリン塩、N-アシルアミノ酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキルスルホ酢酸ナトリウム、アシル化加水分解コラーゲンペプチド塩、パーフルオロアルキルリン酸エステル等が挙げられる。
【0108】
カチオン性界面活性剤としては、例えば、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化セトステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、臭化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベヘニン酸アミドプロピルジメチルヒドロキシプロピルアンモニウム、ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ラノリン誘導体第四級アンモニウム塩等が挙げられる。
【0109】
両性界面活性剤としては、例えば、カルボキシベタイン型、アミドベタイン型、スルホベタイン型、ヒドロキシスルホベタイン型、アミドスルホベタイン型、ホスホベタイン型、アミノカルボン酸塩型、イミダゾリン誘導体型、アミドアミン型等が挙げられる。
【0110】
ゲル化剤としては、例えば、N-ラウロイル-L-グルタミン酸、1,3-ジアミノブタン等のアミノ酸誘導体、デキストリンパルミチン酸エステル、デキストリンステアリン酸エステル、デキストリン2-エチルヘキサン酸パルミチン酸エステル等のデキストリン脂肪酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステル等のショ糖脂肪酸エステル、モノベンジリデンソルビトール、ジベンジリデンソルビトール等のソルビトールのベンジリデン誘導体、ジメチルベンジルドデシルアンモニウムモンモリロナイトクレー、ジメチルジオクタデシルアンモニウムモンモリロナイトクレー等の有機変性粘土鉱物等が挙げられる。
【0111】
有機及び無機顔料としては、例えば、ケイ酸、無水ケイ酸、ケイ酸マグネシウム、タルク、セリサイト、マイカ、カオリン、ベンカラ、クレー、ベントナイト、チタン被膜雲母、オキシ塩化ビスマス、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化鉄、群青、酸化クロム、水酸化クロム、カラミン及びカーボンブラック及びこれらの複合体等の無機顔料;ポリアミド、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリウレタン、ビニル樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ケイ素樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ジビニルベンゼン・スチレン共重合体、シルクパウダー、セルロース、CIピグメントイエロー、CIビグメントオレンジ等の有機顔料;及びこれらの無機顔料と有機顔料の複合粉体等が挙げられる。
【0112】
有機粉体としては、例えば、ステアリン酸カルシウム等の金属石鹸;セチルリン酸亜鉛ナトリウム、ラウリルリン酸亜鉛、ラウリルリン酸カルシウム等のアルキルリン酸多価金属塩;N-ラウロイル-β-アラニンカルシウム、N-ラウロイル-β-アラニン亜鉛、N-ラウロイルグリシンカルシウム等のアシルアミノ酸多価金属塩;N-ラウロイル-タウリンカルシウム、N-パルミトイル-タウリンカルシウム等のアミドスルホン酸多価金属塩;Nε-ラウロイル-L-リジン、Nε-パルミトイルリジン、Nα-パルミトイルオルニチン、Nα-ラウロイルアルギニン、Nα-硬化牛脂脂肪酸アシルアルギニン等のN-アシル塩基性アミノ酸;N-ラウロイルグリシルグリシン等のNーアシルポリベプチド;α-アミノカプリル酸、α-アミノラウリン酸等のα-アミノ脂肪酸;ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ジビニルベンゼン・スチレン共重合体、四フッ化エチレン等が挙げられる。
【0113】
防腐剤としては、例えば、メチルパラベン、プロピルパラベン等が挙げられる。
【0114】
植物抽出物としては、例えば、アシタバエキス、アボカドエキス、アマチャエキス、アルテアエキス、アルニカエキス、アロエエキス、アンズエキス、アンズ核エキス、イチョウエキス、ウイキョウエキス、ウコンエキス、ウーロン茶エキス、エイジツエキス、エチナシ葉エキス、オウゴンエキス、オウバクエキス、オウレンエキス、オオムギエキス、オトギリソウエキス、オドリコソウエキス、オランダカラシエキス、オレンジエキス、カモミラエキス、カロットエキス、カワラヨモギエキス、甘草エキス、カルカデエキス、カキョクエキス、キウイエキス、キナエキス、キューカンバーエキス、クチナシエキス、クマザサエキス、クララエキス、クルミエキス、グレープフルーツエキス、クレマティスエキス、クロレラエキス、クワエキス、ゲンチアナエキス、紅茶エキス、コンフリーエキス、コラーゲン、コケモモエキス、サイシンエキス、サイコエキス、サイタイエキス、サルビアエキス、サボンソウエキス、ササエキス、サンザシエキス、サンショウエキス、シイタケエキス、ジオウエキス、シコンエキス、シソエキス、シナノキエキス、シモツケソウエキス、シャクヤクエキス、ショウブ根エキス、シラカバエキス、スギナエキス、セイヨウキズタエキス、セイヨウサンザシエキス、セイヨウニワトコエキス、セイヨウノコギリソウエキス、セイヨウハッカエキス、セージエキス、ゼニアオイエキス、センキュウエキス、センブリエキス、ダイズエキス、タイソウエキス、タイムエキス、茶エキス、チョウジエキス、チガヤエキス、チンピエキス、トウキエキス、トウキンセンカエキス、トウニンエキス、トウヒエキス、ドクダミエキス、トマトエキス、ニンジンエキス、ニンニクエキス、ノバラエキス、ハイビスカスエキス、バクモンドウエキス、パセリエキス、蜂蜜、ハマメリスエキス、パリエタリアエキス、ヒキオコシエキス、ビサボロール、ビワエキス、フキタンポポエキス、フキノトウエキス、ブクリョウエキス、ブッチャーブルームエキス、ブドウエキス、プロポリス、ヘチマエキス、ベニバナエキス、ペパーミントエキス、ボダイジュエキス、ボタンエキス、ホップエキス、マツエキス、マロニエエキス、ミズバショウエキス、ムクロジエキス、メリッサエキス、モモエキス、ヤグルマギクエキス、ユーカリエキス、ユキノシタエキス、ユズエキス、ヨクイニンエキス、ヨモギエキス、ラベンダーエキス、リンゴエキス、レタスエキス、レモンエキス、レンゲソウエキス、ローズエキス、ローズマリーエキス、ローマカミツレエキス等が挙げられる。
【0115】
pH調整剤としては、例えば、クエン酸、クエン酸ナトリウム、リンゴ酸、リンゴ酸ナトリウム、フマル酸、フマル酸ナトリウム、コハク酸、コハク酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、リン酸一水素ナトリウム、ピロリドンカルボン酸ナトリウム等が挙げられる。
【0116】
アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n-プロピルアルコール、t-ブチルアルコール、s-ブチルアルコール等の低級アルコール、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、セトステアリルアルコール等の高級直鎖アルコール、モノステアリルグリセリンエーテル(ブチルアルコール)、2-デシルテトラデシノール、ラノリンアルコール、コレステロール、フィトステロール、ヘキシルドデカノール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール等の高級分枝鎖アルコール等が挙げられる。
【0117】
香料、色素としては、通常化粧料又は皮膚外用剤に用いるものであれば、どのようなものを用いてもよい。
【0118】
冷感剤としては、例えば、l-メントール及びその誘導体、N-置換-p-メンタン-3-カルボクサイド、3-置換-p-メンタン、2-又は3-置換-p-メンタンジオール、トリアルキル置換シクロシクロヘキサンカルボキシアミド、イソプレゴール等が挙げられる。
【0119】
制汗剤としては、例えば、塩化アルミニウム、オキシ塩化アルミニウム、塩基性臭化アルミニウム、硫酸アルミニウム、クロルヒドロキシアルミニウム、硫酸亜鉛、フェノールスルホン酸亜鉛、塩基性乳酸アルミニウム亜鉛等の収斂作用を有する単体塩類、又はこれらの単体塩類を含有するグリコール複合体もしくはアミノ酸複合体が挙げられる。
【0120】
本発明の化粧料における活性イオウ分子種生体内濃度上昇剤の含有量は特に限定されないが、本発明の化粧料における化合物(I)又はその医薬的に許容される塩の含有量が、例えば、0.0001~10重量%(好ましくは0.001~5重量%)となるように活性イオウ分子種生体内濃度上昇剤を配合してもよい。
【0121】
本発明の化粧料は、活性酸素濃度の上昇とそれにともなう過酸化脂質の生成等を主因とする、シミ、ソバカス、しわ、弾性の低下、色素沈着、メラニン色素の生成等の皮膚の変化及び/又は老化等を予防及び/又は改善するために使用することができる。
【0122】
[試験例]
(試験例1)
グルタチオントリスルフィドの静脈内投与試験
国際公開第2018/117186号に記載の方法に従って製造して得られたグルタチオントリスルフィド(GSSSG)1.498gを生理食塩水56mL(大塚製薬工場社製)に懸濁した後、酢酸ナトリウム0.0089g(富士フィルム和光純薬工業株式会社製、試薬特級)及び炭酸水素ナトリウム0.3387g(富士フィルム和光純薬工業株式会社製、試薬特級)を添加して、グルタチオントリスルフィドを溶解するとともに、溶液のpHを5.0に調整した。この溶液に生理食塩水を加えて70mL(20mg/mL溶液)とした後、その一部を生理食塩水で希釈してグルタチオントリスルフィドの6mg/mL溶液及び2mg/mL溶液を調製した。
【0123】
これらの溶液を、生後6週齢のCrl:CD(SD)ラット(日本チャールス・リバー株式会社)に10mL/kg体重で投与した(投与用量;20mg/kg体重、60mg/kg体重、200mg/kg体重)。投与前、及び投与後5、10、15、30分の各時点において0.1mLずつ採血し、採取した血液を速やかに氷冷した後、遠心分離(1870×g、10分、4℃)して血漿を得た。
【0124】
得られた血漿25μLに、5mM β-(4-ヒドロキシフェニル)エチルヨードアセトアミド(HPE-IAM、Molecular biosciences, Inc.製)溶液75μLを加え、37℃で20分間反応させ、血漿中のチオール及びパースルフィドをHPE-AM化した。反応後、遠心分離(1870×g、10分、4℃)してタンパク質を沈殿させ、上清液を回収した。
【0125】
この上清液5μLに、安定同位体標識した各種標準物質の溶液を5μL添加した後、さらに40μLの0.1%ギ酸を添加して、安定同位体標識した標準物質の最終濃度が200nMとなるように、上清液を10倍希釈した。この溶液を下記の分析条件にてLC/MS解析に供して、グルタチオンの類縁物質を定量した。なお、定量に用いた定量対象物質及び安定同位体標識体のプリカーサーイオン、プロダクトイオンの質量電荷比は表1の通りである。また、下記に示す計算式を用いて、定量対照物質の濃度を算出した。
【0126】
LC/MS分析条件
カラム:YMC Triat Plus C18(2.1×50mm)
カラム温度:45℃
注入量:10μl
移動相:移動相A;0.1%ギ酸、移動相B;アセトニトリル
グラジエント:B相;1%(0分)-80%(10分)-1%(10.1分)-1%(15分)
流量:0.2mL/分
検出モード:ポジティブイオンモード、多重反応モニタリング
【0127】
【数1】
【0128】
【表1】
【0129】
結果を図1(A)、(B)及び(C)に示す。当該結果から、グルタチオントリスルフィドを生体に投与用することにより、その投与量の増加に伴い、グルタチオントリスルフィド(GSSSG)だけでなく、グルタチオンハイドロパースルフィド(GSSH)及びグルタチオンハイドロトリスルフィド(GSSSH)の血漿中濃度も上昇することが確認された。したがって、上述した化学式(I)で表される化合物の1つであるグルタチオントリスルフィドの投与により、活性イオウ分子種を生体内へ供給し、生体内濃度を上昇させることができることがわかった。
【実施例0130】
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。なお、実施例中で、「部」及び「%」とあるのは、特記しない限り、それぞれ「重量部」及び「重量%」を意味し、グルタチオントリスルフィドは、国際公開第2018/117186号に記載の方法に従って製造されたものを用いることができる。
【0131】
(実施例1、化粧水の調製)
(1)グルタチオントリスルフィド 0.1g
(2)プロピレングリコール 3.0g
(3)ピロリドンカルボン酸ナトリウム 0.3g
(4)メチルパラベン 0.1g
(5)ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル 1.0g
(6)エタノール 10.0g
(7)香料 適量
(8)精製水 適量
全量 100.0g
水層成分(1)~(4)、(8)を混合し、60℃で加熱溶解する。次いでこれに、混合及び溶解した油層成分(5)~(7)を加え、均一になるまで攪拌混合して冷却した後、濾過して化粧水を調製する。
【0132】
(実施例2、乳液の調製)
(油層成分)
スクワラン 4.0g
小麦胚芽油 2.0g
モノグリセリルステアレート 1.0g
ポリオキシエチレンステアリルエーテル 4.0g
パラオキシ安息香酸プロピル 0.1g
(水層成分)
グリシン 0.5g
グルタチオントリスルフィド 0.1g
パラオキシ安息香酸メチル 0.2g
プロピレングリコール 0.1g
ポリエチレングリコール6000 0.2g
ヒアルロン酸ナトリウム 0.05g
精製水 86.75g
上記した油層成分及び水層成分を、それぞれ80℃に熱して均一にし、水層成分を油層成分に撹拌しながら加え、乳液100gを調製する。
【0133】
(実施例3、クリームの調製)
(1)蜜ロウ 4.0g
(2)セタノール 5.0g
(3)ステアリン酸 5.0g
(4)ラノリン 3.0g
(5)プリスタン 25.0g
(6)ポリオキシエチレンステアリルエーテル 3.5g
(7)グリセルモノステアレート 1.5g
(8)グルタチオントリスルフィド 2.0g
(9)プロピレングリコール 10.0g
(10)精製水 適量
(11)香料、防腐剤 適量
全量 100.0g
油層成分(1)~(7)と水層成分(8)~(11)とを各々80℃で加熱溶解する。次いで水層成分に油層成分を、ホモミキサーで乳化しながら徐々に加え、均一になるまで攪拌混合し、冷却してクリームを得る。
【0134】
(実施例4、錠剤の調製)
グルタチオントリスルフィド60.0kg、微結晶セルロース36.0kg、ショ糖脂肪酸エステル6.6kg、リン酸カルシウム1.2kg及びβ-シクロデキストリン20.0kgを混合する。得られた混合物を、ロータリー圧縮成形機を用いて圧縮成形して、直径8mm、250mgの錠剤を調製する。
【0135】
(実施例5、腸溶カプセルの調製)
実施例4で調製した混合物20kgと0.2kgの二酸化ケイ素とを混合攪拌して得られた混合物をカプセル充填機に投入し、ゼラチン製2号ハードカプセル20000錠に充填し、ハードカプセルを得る。得られたハードカプセルの表面を、ツェイン溶液を用いてコーティングし、腸溶カプセル20000錠を調製する。
【0136】
(実施例6、チューインガムの調製)
グルタチオントリスルフィド1.5g、ガムベース25g、砂糖63g、水飴10g、香料1gの処方で、常法によりチューインガムを調製する。
【0137】
(実施例7、ドロップの調製(1))
あめ基剤(マルチトール35kg、コーンシロップ43°ボーメ21kg)と抗酸化剤混合物(ポリエチレングリコール2.75kg、グルタチオントリスルフィド35kg、クエン酸60kg、ワイルドチェリー模倣フレーバー60g)を用いてドロップを調製する。
【0138】
あめ基剤の調製は、以下のように行う。
マルチトールを水5.5Lに溶解し、グルコース含有コーンシロップを添加し、十分に混合する。この時点で、必要があれば色素を添加して、所望の色を付与する。色素は、十分に溶解するものを用いる。上記混合物を、125℃に加熱した蒸気ジャケットケトルに入れる。そこから、混合物を、ポンプで貯蔵容器に入れて、連続クッカーに供給する。シロップがクッカーにおけるコイルを通過するうちに、125~150℃の温度に到達し、その後、スチーム真空エジェクタにより、真空28~29インチに維持した受け入れケトルに約6~7分間供給する。この間に、水含量が約1%以下に減少するまで水が除去され、適当な溶融あめ基剤が形成する。溶融あめ基剤をゆっくりと冷却することで、あめ基剤を調製する。
【0139】
次に、グルタチオントリスルフィド、クエン酸及び模倣フレーバー(粉末状)を、ポリエチレングリコールに添加して抗酸化剤混合物を調製する。次に、該混合物を、約90℃で加熱することにより流動化する。得られた熱流体混合物を、溶融あめ基剤(温度を約100℃又はそれよりもわずかに低い温度に低下させたもの)に、適当に混合しながら迅速に添加し、抗酸化剤混合物添加溶融あめ塊を調製する。次に、全塊を、十分に混練した後、スピニングマシーンに移し、それをロゼンジ形成ダイに押し出すことでグルタチオントリスルフィド含有ドロップを調製する。
【0140】
(実施例8、ドロップの調製(2))
実施例7で得られる抗酸化剤混合物添加溶融あめ塊を、冷却テーブルに流し、冷却テーブル上で半固体塊に固化した後、グルタチオントリスルフィドの単位摂取量を摂取するための所望の形状に成形することにより、グルタチオントリスルフィド含有ドロップを調製する。
【0141】
(実施例9、飲料の調製)
グルタチオントリスルフィド0.1kg、エリスリトール3kg、クエン酸0.05kg、人工甘味料3g、香料0.06kgを液温70℃で水50Lに攪拌溶解し、クエン酸でpHを3.3に調整後、プレート殺菌を用いて滅菌して瓶に充填後、パストライザー殺菌することにより、飲料を調製する。
【0142】
(実施例10、注射剤の調製)
グルタチオントリスルフィド2.3gを生理食塩水160mLに懸濁し、その後、酢酸ナトリウム0.274g、炭酸水素ナトリウム1.166gを添加して、23g/L(pH5.1、生理食塩水に対する浸透圧比1.4)の注射剤を調製する。

図1