IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日本電産コパル株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-撮像装置 図1
  • 特開-撮像装置 図2
  • 特開-撮像装置 図3
  • 特開-撮像装置 図4
  • 特開-撮像装置 図5A
  • 特開-撮像装置 図5B
  • 特開-撮像装置 図6
  • 特開-撮像装置 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022166368
(43)【公開日】2022-11-02
(54)【発明の名称】撮像装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 7/02 20210101AFI20221026BHJP
   G03B 17/02 20210101ALI20221026BHJP
   G03B 15/00 20210101ALI20221026BHJP
   G03B 30/00 20210101ALI20221026BHJP
   H04N 5/225 20060101ALI20221026BHJP
   H05K 5/02 20060101ALI20221026BHJP
【FI】
G02B7/02 Z
G03B17/02
G03B15/00 V
G03B15/00 S
G03B30/00
H04N5/225 100
H04N5/225 700
H05K5/02 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021071528
(22)【出願日】2021-04-21
(71)【出願人】
【識別番号】000001225
【氏名又は名称】日本電産コパル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109896
【弁理士】
【氏名又は名称】森 友宏
(72)【発明者】
【氏名】中村 優太
【テーマコード(参考)】
2H044
2H100
4E360
5C122
【Fターム(参考)】
2H044AJ06
2H100BB05
2H100CC04
2H100EE06
4E360AB33
4E360AB34
4E360AB42
4E360BA01
4E360BD03
4E360BD05
4E360CA02
4E360EA12
4E360EA18
4E360ED02
4E360ED27
4E360GA22
4E360GA29
4E360GB99
5C122DA14
5C122EA54
5C122GE05
5C122GE11
5C122GE20
(57)【要約】
【課題】コンパクトな構成によりレンズ鏡筒を光軸方向に移動させることができる撮像装置を提供する。
【解決手段】撮像装置1は、雌ネジ部24Aを有する鏡筒収容部24が前面2Aに形成されたフロントケース2と、フロントケース2の鏡筒収容部24の内部に取付可能なレンズ鏡筒20とを備える。レンズ鏡筒20は、レンズ22と、レンズ22を保持するレンズバレル23とを有する。撮像装置1は、レンズ鏡筒20のレンズ23を通過した光を受光する撮像素子32をさらに備える。レンズ鏡筒20のレンズバレル23は、フロントケース2の鏡筒収容部24の雌ネジ部24Aに螺合する雄ネジ部81と、雄ネジ部81の前方に位置し、雄ネジ部81よりも径の大きいフランジ部82と、フランジ部82の前端部の外周縁から前方に延出する複数の延出片83とを含む。複数の延出片83は、互いに周方向に離間している。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
雌ネジ部を有する鏡筒収容部が前面に形成された筐体と、
前記筐体の前記鏡筒収容部の内部に取付可能なレンズ鏡筒であって、
少なくとも1つのレンズと、
前記少なくとも1つのレンズを保持するレンズバレルと
を有するレンズ鏡筒と、
前記レンズ鏡筒の前記少なくとも1つのレンズを通過した光を受光する撮像素子と
を備え、
前記レンズ鏡筒の前記レンズバレルは、
前記筐体の前記鏡筒収容部の前記雌ネジ部に螺合する雄ネジ部と、
前記雄ネジ部の前方に位置し、前記雄ネジ部よりも径の大きいフランジ部と、
前記フランジ部の前端部の外周縁から前方に延出する複数の延出片であって、互いに周方向に離間する複数の延出片と
を含む、
撮像装置。
【請求項2】
前記レンズ鏡筒の中心軸は、前記筐体の下面よりも上面に近い位置にある、請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記鏡筒収容部の周囲を取り囲むように前記筐体の前記前面に配置される封止シート部材と、
前記封止シート部材の前面に配置されるカバー部材と
をさらに備える、請求項1又は2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記筐体は、前記前面から前方に突出する凸部であって、前記鏡筒収容部の下方及び側方を取り囲むように延びる凸部を有する、請求項3に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記筐体の前記前面には、少なくとも1つの窓部が前記鏡筒収容部と幅方向に並んで形成され、
前記撮像装置は、前記筐体の前記少なくとも1つの窓部を通して光を出射する少なくとも1つの光源をさらに備え、
前記封止シート部材は、前記鏡筒収容部及び前記少なくとも1つの窓部の周囲を取り囲むように前記筐体の前記前面に配置される、
請求項3又は4に記載の撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置に係り、特にレンズを保持するレンズ鏡筒の位置を光軸方向に移動可能な撮像装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車などの事故を防止するため、運転者の状態(注意力の低下や居眠りの兆候など)をモニタリングするドライバモニタリングシステム(DMS)の開発が進んでいる。このようなDMSとして、近赤外光などの光で運転者を照明しつつ運転者を撮像する撮像装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。このような撮像装置は自動車のダッシュボードやインストルメントパネルなどの化粧部に埋設されることが多いが、車室のデザインに影響を与えないようになるべくコンパクトにすることが求められている。
【0003】
このような撮像装置においては、レンズを保持するレンズ鏡筒に形成した雄ネジを筐体に形成した雌ネジに螺合させることで、レンズ鏡筒の位置を光軸方向に移動できるようにしてピント位置を調整することがなされている。従来の撮像装置においては、レンズ鏡筒を外周側から治具で把持してレンズ鏡筒を回転させることでレンズ鏡筒を光軸方向に移動させている。
【0004】
しかしながら、このような従来の撮像装置では、レンズ鏡筒を外周側から治具で把持する必要があるため、レンズ鏡筒の周囲に治具を挿入するためのスペースが必要となる。このため、筐体の寸法、特に高さ方向の寸法を十分に小さくすることができず、撮像装置をコンパクトにすることが難しかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2019-95541号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みてなされたもので、コンパクトな構成によりレンズ鏡筒を光軸方向に移動させることができる撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様によれば、コンパクトな構成によりレンズ鏡筒を光軸方向に移動させることができる撮像装置が提供される。この撮像装置は、雌ネジ部を有する鏡筒収容部が前面に形成された筐体と、上記筐体の上記鏡筒収容部の内部に取付可能なレンズ鏡筒とを備える。上記レンズ鏡筒は、少なくとも1つのレンズと、上記少なくとも1つのレンズを保持するレンズバレルとを有する。上記撮像装置は、上記レンズ鏡筒の上記少なくとも1つのレンズを通過した光を受光する撮像素子をさらに備える。上記レンズ鏡筒の上記レンズバレルは、上記筐体の上記鏡筒収容部の上記雌ネジ部に螺合する雄ネジ部と、上記雄ネジ部の前方に位置し、上記雄ネジ部よりも径の大きいフランジ部と、上記フランジ部の前端部の外周縁から前方に延出する複数の延出片とを含む。上記複数の延出片は、互いに周方向に離間している。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本発明の一実施形態における撮像装置を示す斜視図である。
図2図2は、図1に示す撮像装置の分解斜視図である。
図3図3は、図1に示す撮像装置の縦断面図である。
図4図4は、図1に示す撮像装置の横断面図である。
図5A図5Aは、図2に示す撮像装置におけるレンズ鏡筒の正面図である。
図5B図5Bは、図5Aに示すレンズ鏡筒の平面図である。
図6図6は、図2に示す撮像装置における第2の回路基板を示す正面図である。
図7図7は、図1に示す撮像装置を自動車の車室に組み込んだ例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る撮像装置の実施形態について図1から図7を参照して詳細に説明する。図1から図7において、同一又は相当する構成要素には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。また、図1から図7においては、各構成要素の縮尺や寸法が誇張されて示されている場合や一部の構成要素が省略されている場合がある。以下の説明では、特に言及がない場合には、「第1」や「第2」などの用語は、構成要素を互いに区別するために使用されているだけであり、特定の順位や順番を表すものではない。
【0010】
図1は、本発明の一実施形態における撮像装置1を示す斜視図である。本実施形態における撮像装置1は、上述したようなドライバモニタリングシステム(DMS)において用いられる撮像装置であるものとして説明するが、本発明に係る撮像装置は他の用途にも用いることが可能であることは言うまでもない。
【0011】
図1に示すように、この撮像装置1は、フロントケース2とリアケース3とから構成される筐体4を備えており、この筐体4の内部には、例えば近赤外光を出射する光源として2つのLED(発光ダイオード)12と、内部に少なくとも1つのレンズ22を保持するレンズ鏡筒20とが収容されている。なお、図1においては、理解を容易にするために、後述する封止シート部材及びカバー部材の図示を省略している。また、本実施形態では、便宜的に、図1における+Y方向を「前」又は「前方」といい、-Y方向を「後」又は「後方」ということとする。
【0012】
図2は撮像装置1の分解斜視図、図3は縦断面図、図4は横断面図である。図2から図4に示すように、撮像装置1のフロントケース2とリアケース3との間には、撮像素子32が実装された第1の回路基板30と、LED12が実装された第2の回路基板10と、第1の回路基板30に取り付けられるLEDコネクタ41及びカメラコネクタ42とが収容されている。LEDコネクタ41の周囲には防水及び防塵用のシール部材43が配置されている。リアケース3は、ネジ52によってフロントケース2に固定されており、フロントケース2とリアケース3との間には、フロントケース2及びリアケース3の外周に沿ってシール部材44が配置されている。また、リアケース3の内部には信号ノイズを低減するためのシールド部材45が配置されている。
【0013】
リアケース3には、LEDコネクタ41が挿入されるコネクタ開口部50が形成されており、このコネクタ開口部50の内部にLEDコネクタ41が挿入及び収容される。図4に示すように、LEDコネクタ41の後端部はリアケース3から突出して外部に露出している。このLEDコネクタ41にはリアケース3の後方から相手方コネクタ(図示せず)を接続できるようになっており、LEDコネクタ41を介してLED12に制御信号が入力されるようになっている。
【0014】
リアケース3は、後方(-Y方向)に延びる円筒部51を有しており、この円筒部51の内部にカメラコネクタ42が挿入及び収容される。このカメラコネクタ42にはリアケース3の後方から相手方コネクタ(図示せず)を接続できるようになっており、撮像素子32で得られた信号がカメラコネクタ42を介して外部に出力されるようになっている。
【0015】
図2から図4に示すように、第1の回路基板30及び第2の回路基板10は、それぞれ全体としてX方向(幅方向)に延びている。第2の回路基板10は、第1の回路基板30の前方(+Y方向側)に配置されており、第2の回路基板10に実装された2つのLED12は、第1の回路基板30に取り付けられたLEDコネクタ41と電線46によって接続されている。この第2の回路基板10は、ネジ47によってフロントケース2に固定される。
【0016】
図2に示すように、フロントケース2の前面2Aの幅方向の略中央には、レンズ鏡筒20を収容する鏡筒収容部24が形成され、この鏡筒収容部24を挟んで幅方向の両側に窓部(開口)26が形成されている。鏡筒収容部24は、内部に雌ネジ部24Aを有している。このように、本実施形態では、フロントケース2の前面2Aに鏡筒収容部24と窓部26とが幅方向に並んで形成されている。
【0017】
図5Aはレンズ鏡筒20の正面図、図5Bは平面図である。図5A及び図5Bに示すように、レンズ鏡筒20は、1つ以上のレンズ22と、レンズ22を保持するレンズバレル23とを含んでいる。なお、図3及び図4の断面図においては、簡略化のために、複数のレンズをまとめて1つのレンズ22として模式的に示している。
【0018】
レンズバレル23は、フロントケース2の鏡筒収容部24の雌ネジ部24Aに螺合する雄ネジ部81と、雄ネジ部81の前方に位置するフランジ部82とを含んでいる。このフランジ部82は雄ネジ部81よりも径が大きくなっている。このレンズ鏡筒20の雄ネジ部81をフロントケース2の鏡筒収容部24の雌ネジ部24Aに螺合させることで、レンズ鏡筒20がフロントケース2の鏡筒収容部24の内部に取り付けられる。
【0019】
また、レンズバレル23は、フランジ部82の前縁部の外周縁から前方に延出する2つの延出片83を有している。これらの延出片83は互いに周方向に離間して配置されており、2つの延出片83の間には溝84が形成されている。本実施形態では、2つの延出片83がYZ平面に対して面対称となるように配置されており、2つの溝84はレンズ22の光軸を中心として180度回転した位置にある。
【0020】
この延出片83の間に形成される溝84には、例えばマイナスドライバのような治具(図示せず)を挿入することが可能である。したがって、この溝84に治具を挿入してレンズバレル23を回転させることにより、レンズバレル23の雄ネジ部81と鏡筒収容部24の雌ネジ部24Aとの螺合を介してレンズ鏡筒20をY方向(光軸方向)に移動させることができる。このようにレンズ鏡筒20をY方向に移動させることによって撮像素子32によって得られる画像のピント位置を調整することができる。
【0021】
このように、本実施形態では、レンズバレル23の延出片83の間に形成される溝に治具を挿入してレンズ鏡筒20を回転させることができるので、従来の撮像装置のようにレンズ鏡筒20の周囲に治具を装着するためのスペースを確保する必要がない。したがって、フロントケース2の寸法、特に高さ方向の寸法を従来の撮像装置に比べて小さくすることができ、撮像装置1をコンパクト化できる。
【0022】
フロントケース2の窓部26の後方には、第2の回路基板10に実装されたLED12が位置している。このような構成により、フロントケース2の窓部26を通じてLED12からの光(照明光)を出射して撮影対象物(例えば運転者)を照明することができる。このように、本実施形態では、LED12からの光によって照明を行いつつ、撮像素子32による撮像を行うことができるので、より高品質の画像を取得することができる。
【0023】
図1に戻って、フロントケース2は、前面2Aから前方(+Y方向)に突出する凸部27を有している。この凸部27は、鏡筒収容部24及び窓部26の下方及び側方を取り囲むように略コ字状に延びている。この凸部27で三方を囲まれた領域には、図2に示すような封止シート部材62及びカバー部材60が配置される。
【0024】
カバー部材60は、フロントケース2の鏡筒収容部24及び窓部26の前方を覆うものであり、LED12から発される光を透過する材料から形成される。本実施形態では、LED12から近赤外光を出射し、撮像素子32では近赤外光の画像を取得するため、撮像素子32で得られる画像に対する可視光の影響を低減するためにカバー部材60として可視光カットフィルタを用いることができる。
【0025】
封止シート部材62は、防水性及び防塵性を有する材料から形成されており、フロントケース2の鏡筒収容部24及び窓部26に対応する部分には開口62Aが形成されている。すなわち、封止シート部材62は、フロントケース2の鏡筒収容部24及び窓部26を取り囲む形状を有している。このような封止シート部材62をフロントケース2の鏡筒収容部24及び窓部26を取り囲むように配置するとともに、この前面にカバー部材60を配置することで、鏡筒収容部24内のレンズ鏡筒20や窓部26の後方に位置するLED12に外部から水や塵が進入することを抑制することができる。
【0026】
この封止シート部材62は両面テープであることが好ましい。封止シート部材62を両面テープにより構成することで、封止シート部材62を介してカバー部材60をフロントケース2の前面2Aに取り付けることができる。
【0027】
本実施形態では、フロントケース2の前面2Aから前方に突出する凸部27が鏡筒収容部24及び窓部26の下方及び側方を取り囲むように配置されているため、封止シート部材62及びカバー部材60をフロントケース2の前面2Aに配置する際に、この凸部27に封止シート部材62及びカバー部材60を突き当てることで、封止シート部材62及びカバー部材60の位置決めをすることができる。
【0028】
図3及び図4に示すように、撮像素子32は、レンズ鏡筒20のレンズ22を通過した光が結像する面に配置されており、レンズ22を通過した光を受光するように構成されている。また、図3に示すように、レンズ鏡筒20の中心軸(光軸)Pは、フロントケース2の上面2Bと下面2Cとの間の中央よりも上方に位置している。すなわち、レンズ鏡筒20の中心軸Pは、フロントケース2の下面2Cよりも上面2Bに近い位置にある。撮像装置1を車内のダッシュボードやインストルメントパネルなどの化粧部に埋設する場合には、レンズ鏡筒20以外の部分は化粧部に埋め込むことができる。したがって、このようにレンズ鏡筒20をフロントケース2内で上方寄りに配置することで、撮像装置1が化粧部から突出する高さを低くすることができる。これにより、撮像装置1が車室のデザインに与える影響を少なくすることができる。
【0029】
図6は、第2の回路基板10を示す正面図である。図6に示すように、本実施形態では、1つの回路基板10に2つのLED12(12A,12B)が実装されている。このように、複数のLED12を1つの回路基板に実装することで、それぞれのLED12のための配線を共通化することができるため、回路基板の内部の配線パターンを少なくすることができ、回路基板の小型化が可能となる。また、LEDコネクタ41が取り付けられた第1の回路基板30とそれぞれのLED12とを接続するための電線46も+極と-極の2本だけで済む。また、本実施形態のように、複数のLED12A,12Bを用いることにより、撮像装置1から出射する光(照明光)の量を増やすことができるので、撮像素子32においてより高品質な画像を得ることができる。
【0030】
図6に示すように、第2の回路基板10は、略U字状の形状を有しており、LED12Aが実装される光源実装部71Aと、LED12Bが実装される光源実装部71Bと、2つの光源実装部71A,71Bを互いに連結する連結部72とを有している。連結部72の高さ方向(Z方向)の寸法は、光源実装部71A,71Bの高さ方向の寸法よりも小さくなっており、連結部72は、レンズ鏡筒20の下方で幅方向に延びている。これにより、連結部72の上方にはレンズ鏡筒20を挿通させる鏡筒挿通空間Sが形成され、連結部72がレンズ鏡筒20を避けつつ光源実装部71A,71Bを互いに連結するようになっている。
【0031】
このように、第2の回路基板10の連結部72がレンズ鏡筒20を避けるように光源実装部71A,71Bを連結しているため、第2の回路基板10の高さ方向(Z方向)の寸法を大きくすることなく、複数のLED12A,12Bを実装することが可能となる。したがって、第2の回路基板10、ひいては撮像装置1を小型化しつつ、撮像装置1から出射する光(照明光)の量を増やすことができる。
【0032】
上述した実施形態では、第2の回路基板10に2つのLED12が実装されている例を説明したが、第2の回路基板10にLED12を1つだけ実装してもよく、あるいは3つ以上実装してもよい。2つ以上のLED12を第2の回路基板10に実装する場合には、幅方向におけるレンズ鏡筒20の両側にLED12を配置することが好ましい。
【0033】
上述の実施形態では、レンズバレル23に2つの延出片83が設けられ、2つの溝84が形成されている例を説明したが、延出片83及び溝84の数はこれに限られるものではなく、レンズバレル23に3つ以上の延出片83を設けて3つ以上の溝84を形成してもよい。
【0034】
本明細書において使用した用語「上」、「下」、「上方」、「下方」、「上側」、「下側」、「前」、「前方」、「後」、「後方」、「幅方向」、「高さ方向」、その他の位置関係を示す用語は、図示した実施形態との関連において要素間の相対的な関係を特定するために使用されているだけであり、絶対的な位置関係を特定するものではない。したがって、撮像装置1の位置や姿勢が変われば、それに応じてこれらの用語が意味する方向も変化することに留意されたい。例えば、図7の撮像装置1Aのように、上述した撮像装置1を自動車の運転席Dと助手席Qとの間のダッシュボード100に埋め込んでもよく、この場合には上述した「上」や「上方」は鉛直上方を意味し、「下」や「下方」は鉛直下方を意味する。あるいは、図7の撮像装置1Bのように、上述した撮像装置1を自動車のルーフ部102に埋め込んでもよく、この場合には上述した「上」や「上方」は鉛直下方を意味し、「下」や「下方」は鉛直上方を意味することとなる。このような撮像装置1のLED12から例えば赤外線などを運転席Dに向かって照射し、レンズ22を通して撮像素子32によって撮像された運転者の画像から運手者の状態を分析する。
【0035】
以上述べたように、本発明の一態様によれば、コンパクトな構成によりレンズ鏡筒を光軸方向に移動させることができる撮像装置が提供される。この撮像装置は、雌ネジ部を有する鏡筒収容部が前面に形成された筐体と、上記筐体の上記鏡筒収容部の内部に取付可能なレンズ鏡筒とを備える。上記レンズ鏡筒は、少なくとも1つのレンズと、上記少なくとも1つのレンズを保持するレンズバレルとを有する。上記撮像装置は、上記レンズ鏡筒の上記少なくとも1つのレンズを通過した光を受光する撮像素子をさらに備える。上記レンズ鏡筒の上記レンズバレルは、上記筐体の上記鏡筒収容部の上記雌ネジ部に螺合する雄ネジ部と、上記雄ネジ部の前方に位置し、上記雄ネジ部よりも径の大きいフランジ部と、上記フランジ部の前端部の外周縁から前方に延出する複数の延出片とを含む。上記複数の延出片は、互いに周方向に離間している。
【0036】
このような構成によれば、レンズバレルの前縁に設けられた延出片の間に治具を挿入できる溝が形成されるため、この溝に治具を挿入してレンズ鏡筒を回転させることができる。これにより、レンズバレルの雄ネジ部と鏡筒収容部の雌ネジ部との螺合を介してレンズ鏡筒を光軸方向に移動させることができる。このため、レンズ鏡筒の周囲にレンズ鏡筒を回転させるための治具を装着するためのスペースを確保する必要がない。したがって、筐体の寸法、特に高さ方向の寸法を従来の撮像装置に比べて小さくすることができ、撮像装置をコンパクト化できる。
【0037】
上記レンズ鏡筒の中心軸は、上記筐体の下面よりも上面に近い位置にあることが好ましい。例えば、撮像装置を車内のダッシュボードやインストルメントパネルなどの化粧部に埋設する場合には、レンズ鏡筒以外の部分は化粧部に埋め込むことができるため、このようにレンズ鏡筒を筐体内で上方寄りに配置することで、撮像装置が化粧部から突出する高さを低くすることができる。したがって、撮像装置が車室のデザインに与える影響を少なくすることができる。
【0038】
上記撮像装置は、上記鏡筒収容部の周囲を取り囲むように上記筐体の上記前面に配置される封止シート部材と、上記封止シート部材の前面に配置されるカバー部材とをさらに備えていてもよい。このような封止シート部を鏡筒収容部の周囲を取り囲むように配置し、その前面にカバー部材を配置することにより、鏡筒収容部内のレンズ鏡筒に外部から水や塵が進入することを抑制することができる。
【0039】
上記筐体は、上記前面から前方に突出する凸部を有していてもよい。この凸部は、上記鏡筒収容部の下方及び側方を取り囲むように延びていてもよい。このような凸部を設けた場合には、上述した封止シート部材及びカバー部材を筐体の前面に配置する際に、この凸部に封止シート部材及びカバー部材を突き当てることで、封止シート部材及びカバー部材の位置決めをすることができる。
【0040】
上記筐体の上記前面には、少なくとも1つの窓部が上記鏡筒収容部と幅方向に並んで形成されていてもよく、上記撮像装置は、上記筐体の上記少なくとも1つの窓部を通して光を出射する少なくとも1つの光源をさらに備えていてもよい。上記封止シート部材は、上記鏡筒収容部及び上記少なくとも1つの窓部の周囲を取り囲むように上記筐体の上記前面に配置されていてもよい。このような構成により、光源からの光によって照明を行いつつ撮像を行うことができるので、撮像素子においてより高品質な画像を取得することができる。また、封止シート部を鏡筒収容部及び窓部の周囲を取り囲むように配置することにより、鏡筒収容部内のレンズ鏡筒及び窓部の後方に位置する光源に外部から水や塵が進入することを抑制することができる。
【0041】
これまで本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、その技術的思想の範囲内において種々異なる形態にて実施されてよいことは言うまでもない。
【符号の説明】
【0042】
1 撮像装置
2 フロントケース
2A 前面
2B 上面
2C 下面
3 リアケース
4 筐体
10 第2の回路基板
12 LED
20 レンズ鏡筒
22 レンズ
23 レンズバレル
24 鏡筒収容部
24A 雌ネジ部
26 窓部
27 凸部
30 第1の回路基板
32 撮像素子
60 カバー部材
62 封止シート部材
71A,71B 光源実装部
72 連結部
81 雄ネジ部
82 フランジ部
83 延出片
84 溝
P 中心軸(光軸)
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7