(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022166380
(43)【公開日】2022-11-02
(54)【発明の名称】ラベル
(51)【国際特許分類】
G09F 3/02 20060101AFI20221026BHJP
G09F 3/10 20060101ALI20221026BHJP
【FI】
G09F3/02 M
G09F3/10 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021071553
(22)【出願日】2021-04-21
(71)【出願人】
【識別番号】313004403
【氏名又は名称】株式会社フジシール
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】太田 朋宏
(72)【発明者】
【氏名】永野 正人
(57)【要約】
【課題】表示面積を確保しつつ、被着体に貼着された貼着状態において、上方から見た場合にラベルの有無を容易に確認することができるラベルを提供する。
【解決手段】ラベル20は、被着体の第1部分から第2部分に跨がるように被着体に貼着され、第1部分に貼着される第1ラベル部21と、第1ラベル部21に連設するように設けられ、第2部分に貼着される第2ラベル部22とを備え、第2ラベル部22は、貼着状態において第2部分に対向する対向面を有し、対向面は、接着領域R1と、当該接着領域R1よりも接着力の弱い弱接着領域または非接着領域R2とを含み、弱接着領域または非接着領域R2は、対向面の周縁部の少なくとも一部に沿う部分を含むように設けられている。
【選択図】
図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1部分と当該第1部分の上部に連設する第2部分とを含む被着体に貼着されるラベルであって、
前記ラベルは、第1部分から第2部分に跨がるように被着体に貼着され、
第1部分に貼着される第1ラベル部と、
前記第1ラベル部に連設するように設けられ、第2部分に貼着される第2ラベル部と、を備え、
前記第2ラベル部は、貼着状態において第2部分に対向する対向面を有し、
前記対向面は、接着領域と、前記接着領域よりも接着力が弱い弱接着領域または非接着領域とを含み、
前記弱接着領域または前記非接着領域は、前記対向面の周縁部の少なくとも一部に沿う部分を含むように設けられている、ラベル。
【請求項2】
前記弱接着領域または前記非接着領域は、前記接着領域の周囲に設けられている、請求項1に記載のラベル。
【請求項3】
前記第2ラベル部は、前記第1ラベル部に接続される接続部を含み、
前記接続部の両外側に、一対のくびれ部、または一対の切欠き線が設けられている、請求項1または2に記載のラベル。
【請求項4】
前記第2ラベル部は、前記第1ラベル部に接続される接続部と、前記接続部に対して前記第1ラベル部が位置する側とは反対側に位置する第1端部を有し、かつ、前記接続部から前記第1端部に向かう方向に交差する幅方向において、両端側に位置する第2端部および第3端部とを有し、
前記接続部の両外側に、一対のくびれ部が設けられており、
前記一対のくびれ部は、前記幅方向における前記接続部の両端に接続された前記第1ラベル部が有する一対の第1辺部と、前記第2端部および前記第3端部と前記幅方向における前記接続部の前記両端とを接続する一対の傾斜部とによって構成されており、
前記一対の傾斜部は、前記幅方向における前記接続部の前記両端から前記第1端部側に向かうに連れて前記幅方向の外側に向かうように傾斜しており、
前記幅方向において、前記第2端部から前記第3端部までの幅は、前記第1ラベル部の幅よりも大きい、請求項1または2に記載のラベル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被着体に貼着されるラベルに関する。
【背景技術】
【0002】
菓子、化粧品、薬、飲料など様々な物品を容器(被着体)内に収容した商品には、特開2006-213376号公報(特許文献1)に示されるように、一部分を商品から突出させるラベル(POPラベル)が、貼着される場合がある。
【0003】
上記ラベルが貼着された商品は、ケース状の梱包箱に箱詰めされて流通される。箱詰めされた商品は、販売店などにおいて、梱包箱からから取り出されて、個々に陳列される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ラベルには、商品ロゴ等のデザインのみならず、JANコード、リサイクルマーク、成分表示等の法定表示を記載することが求められることがあり、このような場合には、ラベルの表示面積を確保(大きく)することが要求される。
【0006】
加えて、上記法定表示等は商品の販売時において、ラベルが容器から剥がれておらず、容器に貼着されていることが要求される。このため、製造工程において商品を梱包箱に箱詰めする際に、ラベルの剥がれがないか、ラベルの有無を確認することが行われている。
【0007】
具体的には、上方側に向けて開放された梱包箱内に複数の商品を並べて配置し、開放部を介して上方側から複数の商品を撮像して、画像検査にてラベルの有無を確認する。あるいは、開放部を介して上方側から作業者が複数の商品を目視して、ラベルの有無を確認する。
【0008】
上記特許文献1に記載のラベルは、容器から上方に突出するように容器の胴部のみに貼着されているが、この場合には、容器の輪郭に沿ってのみラベルが存在する。また、ラベルの厚みは非常に薄く、さらには、ラベルがランダムな方向を向いた状態で商品が箱詰めされる。このため、上記画像検査や目視確認では、上方側からのラベルの有無の確認が困難となる。
【0009】
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、表示面積を確保しつつ、被着体に貼着された貼着状態において、上方から見た場合にラベルの有無を容易に確認することができるラベルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示に基づくラベルは、第1部分と当該第1部分の上部に連設する第2部分とを含む被着体に貼着されるものである。上記ラベルは、第1部分から第2部分に跨がるように被着体に貼着され、第1部分に貼着される第1ラベル部と、上記第1ラベル部に連設するように設けられ、第2部分に貼着される第2ラベル部と、を備える。上記第2ラベル部は、貼着状態において第2部分に対向する対向面を有する。上記対向面は、接着領域と、上記接着領域よりも接着力が弱い弱接着領域または非接着領域とを含む。上記弱接着領域または上記非接着領域は、上記対向面の周縁部の少なくとも一部に沿う部分を含むように設けられている。
【0011】
上記本開示に基づくラベルにあっては、上記弱接着領域または上記非接着領域は、上記接着領域の周囲に設けられていてもよい。なお、接着領域の周囲に設けられているとは、接着領域の4方を取り囲むような接着領域を環状に囲む態様のみならず、接着領域の3方を囲むような態様(より特定的には、接着領域が第2ラベル部の周縁の一部に到達するように設けられている場合には、到達した第2ラベル部の周縁の一部を除く接着領域の外縁部を囲むように設けられている態様)も含むことを意味する。
【0012】
上記本開示に基づくラベルにあっては、上記第2ラベル部は、上記第1ラベル部に接続される接続部を含む。この場合において、上記接続部の両外側に、一対のくびれ部、または一対の切欠き線が設けられていてもよい。
【0013】
上記本開示に基づくラベルにあっては、上記第2ラベル部は、上記第1ラベル部に接続される接続部と、上記接続部に対して上記第1ラベル部が位置する側とは反対側に位置する第1端部を有し、かつ、上記接続部から上記第1端部に向かう方向に交差する幅方向において、両端側に位置する第2端部および第3端部とを有していてもよい。また、上記接続部の両外側に、一対のくびれ部が設けられていてもよい。この場合には、上記一対のくびれ部は、上記幅方向における上記接続部の両端に接続された上記第1ラベル部が有する一対の第1辺部と、上記第2端部および上記第3端部と上記幅方向における上記接続部の上記両端とを接続する一対の傾斜部とによって構成されていることが好ましく、上記一対の傾斜部は、上記幅方向における上記接続部の上記両端から上記第1端部側に向かうに連れて上記幅方向の外側に向かうように傾斜していることが好ましい。また、上記幅方向において、上記第2端部から上記第3端部までの幅は、上記第1ラベル部の幅よりも大きいことが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、表示面積を確保しつつ、被着体に貼着された貼着状態において、上方から見た場合にラベルの有無を容易に確認することができるラベルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】実施の形態1に係るラベル付き容器の正面図である。
【
図2】
図1に示す矢印IIに沿って見たラベル付き容器の斜視図である。
【
図3】
図1に示すIII-III線に沿ったラベルの断面図である。
【
図4】
図1に示すIV-IV線に沿ったラベルの断面図である。
【
図5】実施の形態1に係るラベルをおもて面側から見た平面図である。
【
図6】実施の形態1に係るラベルを裏面側から見た平面図である。
【
図7】実施の形態1に係るラベル付き容器の上面図である。
【
図8】実施の形態1に係るラベル付き容器を複数個、梱包箱に梱包した状態を示す上面図である。
【
図9】実施の形態2に係るラベルを裏面側から見た平面図である。
【
図10】実施の形態3に係るラベルをおもて面側から見た平面図である。
【
図11】実施の形態4に係るラベルを裏面側からみた平面図である。
【
図12】実施の形態5に係るラベルを裏面側からみた平面図である。
【
図13】実施の形態6に係るラベルを裏面側からみた平面図である。
【
図14】実施の形態7に係るラベルを裏面側からみた平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して詳細に説明する。なお、以下に示す実施の形態においては、同一のまたは共通する部分について図中同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。
【0017】
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係るラベル付き容器の正面図である。
図2は、
図1に示す矢印IIに沿って見たラベル付き容器の斜視図である。
図3は、
図1に示すIII-III線に沿ったラベルの断面図である。
図4は、
図1に示すIV-IV線に沿ったラベルの断面図である。
図1から
図4を参照して、実施の形態1に係るラベル付き容器100について説明する。
【0018】
図1に示すように、実施の形態1に係るラベル付き容器100は、被着体としての容器10と、ラベル20とを備える。
【0019】
容器10は、容器本体11と蓋部17とを含む。容器本体11は、高さ方向に平行な軸線方向を有する。容器本体11は、軸線方向において、一端11aおよび他端11bを有する。容器本体11は、口部12、ネック部13、第2部分としての肩部14、第1部分としての胴部15を有する。これら、口部12、ネック部13、肩部14、胴部15は、上記軸線方向に沿って一端11a側から順に連続している。
【0020】
口部12は、容器本体11の一端11a側に位置する。口部12は、胴部15が位置する側とは反対側に向けて開口する。口部12の内側の周長は、略一定となっている。口部12は、蓋部17によって覆われる部分である。
【0021】
胴部15は、容器本体11の他端11b側に位置する。胴部15の外形は、口部12の外形よりも全体的に大きくなっている。胴部15は、容器本体11において周長が最大となる部分を含む。実施の形態1においては、胴部15は、軸線方向に沿って容器本体11の周長が略一定となる場合を例示しているが、これに限定されない。胴部15には、一部が内側に向けて窪む窪み部が設けられていてもよい。また、胴部15には、他端11b側に向かうにつれて一旦周長が大きくなり、最大周長となった部分から容器本体11の他端11bにさらに向かうにつれて周長が小さくなる部分が設けられていてもよい。
【0022】
肩部14は、胴部15に接続されている。より特定的には、肩部14は、胴部15の上部に接続されている。肩部14は、軸線方向の一方側(口部12側)に向かうにつれて周長が小さくなるように設けられている。肩部14は、軸線方向に平行な断面で見た場合に、軸線方向の一方側に向かうにつれて、内側に向かうように湾曲する形状を有する。肩部14と胴部15との境界には、稜線16が設けられている。
【0023】
ネック部13は、口部12と肩部14とを接続する。ネック部13は、軸線方向に平行な断面で見た場合に、略直線状に延在する。ネック部13は、軸線方向の一方側に向かうにつれて、周長が小さくなるように設けられていてもよいし、周長が略一定となるように設けられていてもよい。
【0024】
容器本体11の内部には、たとえば、飲料、調味料、薬液等の液体が収容されている。なお、容器本体11内に収容される内容物は、これらに限定されず、上記口部12から取り出し可能であれば、ゲル状のもの、または粒状のもの等適宜採用することができる。
【0025】
容器本体11は、たとえば、リサイクル可能な、ペットボトル等の樹脂容器、瓶等のガラス製の容器、あるいは、紙製や金属製の容器を採用することができる。
【0026】
ラベル20は、容器10の胴部(第1部分)15と肩部14(第2部分)に跨がるように容器10に貼着される。ラベル20は、胴部15に貼着される第1ラベル部21と、肩部14に貼着される第2ラベル部22とを備える。
【0027】
第1ラベル部21は、全体的に胴部15に貼着されている。第2ラベル部22は、部分的に肩部14に貼着されている。より特定的には、
図1および
図3に示すように、幅方向DR1における第2ラベル部22の中央部が肩部14に接着され、
図1、
図2および
図4に示すように、少なくとも幅方向DR1における第2ラベル部22の両端部(後述する第2端部22c、第3端部22d(
図5参照)が肩部14から離れるように、第2ラベル部22は、肩部14に貼着される。このように、第2ラベル部22の周縁の少なくとも一部が、肩部14から離れる(浮き上がる)ことにより、容器10の湾曲形状あるいは凹凸による影響を受けることなく、美麗な貼着状態とすることができる。また、肩部14から浮き上がった部分は掴みやすくなっており、使用後にはラベル20を剥がしやすい。なお、第2ラベル部22は、後述する非接着領域R2(
図6参照)あるいは弱接着領域によって、その一部が容器10(特定的には肩部14)に非接着状態あるいは弱接着状態となり、上述のように容器10の湾曲形状あるいは凹凸による影響を受けることを抑制できる。
【0028】
図3および
図4に示すように、ラベル20は、基材31と、接着層32と、非接着処理層33とを含む。基材31としては、普通紙、合成紙、蒸着紙、グロス紙、合成樹脂フィルム等を適宜採用することができる。合成樹脂フィルムとしては、たとえば、ポリエチレン、ポリプロピレン、環状オレフィン、ポリエチレンを含む共重合ポリマーなどのポリオレフィン系、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系、ポリアミド系、ポリスチレン系などのフィルムを用いることができる。
【0029】
基材31は、おもて面31aおよび裏面31bを有する。基材31のおもて面31aには、リサイクルマーク、および/または成分表示等の意匠層が設けられている。意匠層には、商標ロゴ等が含まれていてもよい。なお、意匠層は、おもて面31a側から視認可能である限り、裏面31bに設けられていてもよい。
【0030】
接着層32は、基材31の裏面31bに全体的に設けられている。接着層32には、後述するように、非接着処理層33が部分的に設けられている。なお、上述のように裏面31bに意匠層を設ける場合には、接着層32は、意匠層を覆うように設けられる。また、後述するように、非接着処理層33に代えて、接着層32の接着力を弱める弱接着処理層を設けてもよい。なお、接着層32を部分的に設けずあるいは部分的に減らして、非接着領域R2あるいは弱接着領域を設けてもよい。
【0031】
図5は、実施の形態1に係るラベルをおもて面側から見た平面図である。
図6は、実施の形態1に係るラベルを裏面側から見た平面図である。
図5および
図6を参照して、実施の形態1に係るラベル20の詳細について説明する。
【0032】
図5に示すように、第1ラベル部21は、略矩形形状を有する。第1ラベル部21は、その外形において、上端部21f、下端部21e、一対の側端部21c、21dを含む。
【0033】
第2ラベル部22は、第1ラベル部21に連接するように設けられている。第2ラベル部22は、第1ラベル部21に接続される接続部22e、当該接続部22eに対して第1ラベル部21が位置する側とは反対側に位置する第1端部22f、幅方向DR1において両端側に位置する第2端部22c、および第3端部22dを有する。第2端部22cは、幅方向DR1の一方側に位置し、第3端部22dは、幅方向DR1の他方側に位置する。
【0034】
なお、上述の幅方向DR1は、上記接続部22eから第1端部22fに向かう第1方向に交差する方向であり、より特定的には、上記第1方向に直交する方向である。
【0035】
ラベル20には、幅方向DR1における接続部22eの両外側に、一対のくびれ部23が設けられている。これにより、第2ラベル部22を折り曲げて肩部14に接着する際に、折曲部にしわが入ることを抑制することができる。
【0036】
一対のくびれ部23は、上記一対の第1辺部25と、一対の傾斜部24とによって構成されている。一対の第1辺部25は、上述の第1ラベル部21の上端部21fによって構成されており、幅方向DR1における接続部22eの両端から幅方向DR1の外側に向けて突出する。一対の傾斜部24は、幅方向DR1における接続部22eの両端から第1端部22f側に向かうに連れて幅方向DR1の外側に向かうように傾斜する。
【0037】
一対の傾斜部24は、第2端部22cの下端および第3端部22dの下端と、接続部分の両端とを接続する。具体的には、一対の傾斜部24のうち幅方向DR1の一方側に位置する傾斜部24は、第2端部22cの下端(第1ラベル部21側に位置する端部)と、幅方向DR1の一方側に位置する上記接続部22eの端部とを接続する。一対の傾斜部24のうち幅方向DR1の他方側に位置する傾斜部24は、第3端部22dの下端(第1ラベル部21側に位置する端部)と、幅方向DR1の他方側に位置する上記接続部22eの端部とを接続する。
【0038】
一対の傾斜部24と一対の第1辺部25との接続部には、R部26が設けられている。R部26は、幅方向DR1の内側に向けて膨出するように設けられている。R部26が設けられていることにより、一対の傾斜部24と一対の第1辺部25との接続部に応力が作用した際に、当該接続部を起点に亀裂が入ることを抑制することができる。具体的には、たとえば、第2ラベル部22をつまんで、ラベル20を容器10から剥離する際に、ラベル20に亀裂が入ることを抑制することができる。
【0039】
幅方向DR1において、第1端部22f側に位置する第2ラベル部22の幅は、第1ラベル部21の幅よりも大きくなっている。より特定的には、第2端部22cから第3端部22dまでの幅は、側端部21cから側端部21dまでの幅よりも大きくなっている。
【0040】
上述のように、第2ラベル部22の幅寸法を第1ラベル部21の幅寸法よりも大きくすることで、ラベル20の表示面積を大きく確保することができる。これにより、上述のように、リサイクルマーク、および/または成分表示等の意匠層を適切に設けることができる。また、ラベル20の表示面積を大きくすることで、アイキャッチ性を向上させることもできる。上部が大きく露出しているので、掴みやすく、剥がしやすさも向上させることができる。
【0041】
貼着前の状態における具体的なラベル20の寸法としては、第1ラベル部21の下端部21eから第2ラベル部22の第1端部22fまでの長さL1が、たとえば、略70mmである。第2端部22cから第3端部22dまでの幅L2は、たとえば、略40mmである。接続部22eから第1端部22fまでの長さL3は、たとえば、略25mmである。
【0042】
幅方向DR1に沿った第2端部22cから側端部21cまでの長さL4、および幅方向DR1に沿った第3端部22dから側端部21dまでの長さL5は、略同等であり、たとえば、2mmから5mm程度である。
【0043】
このような寸法にすることにより、ラベル20のこわさを適切に確保することができる。ラベル20を容器10に貼り付ける際には、第1ラベル部21を胴部15に貼り付けた後に、第2ラベル部22を折り曲げて肩部14に貼り付ける。ラベル20のこわさを一定程度確保することにより、第1ラベル部21を胴部15に貼り付けた後から第2ラベル部22を折り曲げる工程に到達するまでに、ラベル20の姿勢を安定して保つことができる。これにより、第2ラベル部22を安定して肩部14に貼り付けることができる。また、ラベル20のこわさが適切となることにより、第2ラベル部22を折り曲げる際にも、安定して第2ラベル部22を折り曲げることができる。
【0044】
図6に示すように、ラベル20の裏面側においては、接着層32と、非接着処理層33とが設けられている。接着層32は、上述した基材31の裏面31bに全体的に設けられている。すなわち、接着層32は、上記裏面31bのうち第1ラベル部21に対応する部分および上記裏面31bのうち第2ラベル部22に対応する部分の双方に全体的に設けられている。
【0045】
非接着処理層33は、接着層32に部分的に設けられている。非接着処理層33は、シリコーン樹脂などの剥離剤を含む液体(例えば紫外線硬化型インキなど)や微粒子を含む塗工液(例えば艶消しインキなど)などの表面処理液を接着層32の所定の範囲に塗布することで形成される。
【0046】
非接着処理層33は、第2ラベル部22の裏面(貼着状態において肩部14に対向する対向面)において、当該裏面の周縁部に沿う部分を含むように設けられている。非接着処理層33は、幅方向DR1において上記裏面の両側に少なくとも設けられている。より特定的には、非接着処理層33は、第2端部22c側、第1端部22f側、および第3端部22d側に設けられている。非接着処理層33は、第2ラベル部22の裏面において、一対の傾斜部24のうち幅方向DR1の一方側に位置する傾斜部24から、時計回りに第2ラベル部22の周縁を沿って一対の傾斜部24のうち幅方向DR1の他方側に位置する傾斜部24に至るまで設けられている。
【0047】
このように接着層32および非接着処理層33が設けられることにより、非接着処理層33から露出する部分の接着層32が、ラベル20の容器10への接着に寄与する接着領域として機能する。第2ラベル部22においては、接着領域R1は、幅方向DR1において第2ラベル部22の裏面の中央部に形成される。
【0048】
また、非接着処理層33は、ラベル20を容器10に接着させない非接着領域として機能する。非接着領域R2は、非接着処理層33と同様の位置に設けられており、接着領域R1の周囲に設けられている。より特定的には、非接着領域R2は、第2ラベル部22の裏面の第1端部22f側、第2端部22c側、および第3端部22d側に形成される。なお、第2ラベル部22において、非接着領域R2の面積は、接着領域R1よりも大きくなっている。
【0049】
図7は、実施の形態1に係るラベル付き容器の上面図である。
図7に示すように、ラベル付き容器100を上方から見た場合には、第1ラベル部21は、胴部の周面に沿って貼り付けられているため見えず、第2ラベル部22が主として見える状態となる。ラベル付き容器100を上方から見た場合に第2ラベル部22が貼着されている側において、肩部14の縁(肩部14と胴部15との稜線16)から第1端部22fまでの最大の長さL6は、3mm以上であることが好ましく、5mm以上であることがより好ましく、10mm以上であることがさらに好ましい。これにより、ラベル付き容器100を上方からラベル20の有無を確認する際に、検査領域を大きく確保することができる。この結果、第1ラベル部21が見えにくい場合であっても、第1ラベル部21と第2ラベル部22とから成るラベル20の有無をより確実に確認することができる。
【0050】
加えて、上述のように形成された非接着処理層33によって、幅方向DR1における第2ラベル部22の両端側が容器10の肩部14に接着せずに、肩部14から離れることにより、上方から見た場合に第2ラベル部22の輪郭が明確になる。このような効果は、容器10が丸形のボトルである場合に、より顕著となる。この結果、たとえば、ラベル付き容器100を上方から撮像して、撮像された画像からラベル20の有無を確認する際に、ラベル20の有無の判定が容易になる。
【0051】
図8は、実施の形態1に係るラベル付き容器を複数個、梱包箱に梱包した状態を示す上面図である。
図8を参照して、ラベル20の有無を検査する検査工程について説明する。
【0052】
図8に示すように、ラベル20の有無を検査する場合には、上方側に向けて開放された梱包箱200内に複数のラベル付き容器100を並べて配置し、開放部を介して上方側から複数のラベル付き容器100を撮像して、画像検査にてラベルの有無を確認する。
【0053】
梱包箱200内に複数のラベル付き容器100を並べて配置する際には、ラベル20が同一方向を向かず、ランダムな方向を向く場合がある。このような場合であっても、上述のように、第2ラベル部22の輪郭が明確となっていることにより、ラベル付き容器100を上方から撮像して、撮像された画像からラベル20の有無を確認する際に、ラベル20の有無の判定が容易になる。
【0054】
以上のように、実施の形態1に係るラベル20は、第1ラベル部21と第2ラベル部22とを有することにより表示面積を確保することができる。加えて、第2ラベル部22の裏面において、非接着領域が、第1端部22f側、第2端部22c側、および第3端部22d側に設けられていることにより、被着体に貼着された貼着状態において、上方から見た場合に、上述のように第2ラベル部22の輪郭を明確にすることができる。これにより、上方から見た場合にラベル20の有無を容易に確認することができる。
【0055】
なお、上述においては、上方からラベル付き容器100を撮像してラベル20の有無を確認する場合を例示して説明したが、目視にて上方からラベル20の有無を確認してもよい。この場合においても、第2ラベル部22を確認することにより、ラベル20の有無を容易に判定することができる。
【0056】
(実施の形態2)
図9は、実施の形態2に係るラベルを裏面側から見た平面図である。
図9を参照して、実施の形態2に係るラベル20Aについて説明する。
【0057】
図9に示すように、実施の形態2に係るラベル20Aは、実施の形態1に係るラベル20と比較した場合に、第2ラベル部22における非接着処理層33が設けられている領域が相違する。その他の構成については、ほぼ同様である。
【0058】
ラベル20Aにおいては、非接着処理層33は、第2ラベル部22の裏面の中央部を取り囲むように環状に設けられている。第2ラベル部22の裏面の中央部において、非接着処理層33から接着層32が露出することにより、接着領域R1が、第2ラベル部22の裏面の中央部に形成される。また、非接着領域R2が、上記中央部を取り囲むように形成される。
【0059】
上述のように構成される場合であっても、実施の形態2に係るラベル20Aは、実施の形態1に係るラベル20とほぼ同様の効果が得られる。加えて、実施の形態1と比較して、非接着領域が拡大し、接着領域が小さくなることにより、第2ラベル部22を肩部14に接着させた際に、第2ラベル部22にしわが形成されることをさらに抑制することができる。
【0060】
(実施の形態3)
図10は、実施の形態3に係るラベルをおもて面側から見た平面図である。
図10を参照して、実施の形態3に係るラベル20Bについて説明する。
【0061】
図10に示すように、実施の形態3に係るラベル20Bは、実施の形態1に係るラベル20と比較した場合に、一対のくびれ部23に代えて、一対の切欠き線27が設けられている点において相違する。その他の構成については、ほぼ同様である。
【0062】
一対の切欠き線27は、第1ラベル部21の側端部21c、21dから斜め方向に互いに近づくように設けられている。一対の切欠き線27は、一対の傾斜ライン271と一対のカール部272とを有する。
【0063】
一対の傾斜ライン271は、側端部21c、21dから第2ラベル部22の第1端部22f側に向かうに連れて幅方向DR1に互いに近づくように傾斜している。一対の傾斜ライン271は、第2ラベル部22の第2端部22cの下端と第3端部22dの下端とを結ぶ仮想線VLに到達するように延在している。一対の傾斜ライン271の上端位置は、仮想線VLと重なる位置にあってもよいし、仮想線VLよりも第2ラベル部22の第1端部22f側に位置していてもよい。
【0064】
一対のカール部272は、一対の傾斜ライン271の上端に接続されており、幅方向DR1の外側に向かうようにカールする。一対のカール部272が設けられていることにより、第2ラベル部22をつまんで、ラベル20を容器10から剥離する際に、傾斜ライン271からラベルが裂けることを抑制することができる。
【0065】
上述のように構成される場合であっても、実施の形態3に係るラベル20Bは、実施の形態1に係るラベル20とほぼ同様の効果が得られる。加えて、貼着状態において、第1ラベル部21のうち一対の傾斜ライン271の外側に位置する部分(一対の傾斜ライン271の外側において、当該傾斜ライン271と上記仮想線VLとの間に位置する略三角形状の部分)が、容器10から浮き上がることにより、アイキャッチ性を高めることもできる。
【0066】
(実施の形態4)
図11は、実施の形態4に係るラベルを裏面側からみた平面図である。
図11を参照して、実施の形態4に係るラベル20Cについて説明する。
【0067】
図11に示すように、実施の形態4に係るラベル20Cは、実施の形態1に係るラベル20と比較した場合に、主として非接着処理層33が設けられている領域が相違する。その他の構成については、ほぼ同様である。
【0068】
非接着処理層33は、幅方向DR1における第2ラベル部22の一方の端部側から接続部22eに向かい、さらに幅方向DR1における第2ラベル部22の他方の端部側に向かうように略円弧状(より特定的にはU字状)に設けられている。具体的には、非接着処理層33は、第2端部22c側から、幅方向DR1の一方側に位置する傾斜部24、接続部22e、および幅方向DR1の他方側に位置する傾斜部24を順に通って、第3端部22d側に至るように設けられている。
【0069】
これにより、接着領域R1は、略半円形状、略半楕円形状、あるいは略半トラック形状等の略半オーバル形状に形成され、その周囲に非接着領域R2が形成される。接着領域R1は、その外縁の一部が第1端部22fの中央部に沿うように設けられており、他の外縁の周りに非接着領域R2が形成されている。
【0070】
また、実施の形態4においては、傾斜部24と第1辺部25とが成す角のうち小さい方の角度は、実施の形態1よりも大きくなっている。貼着前の状態において、接着領域R1の先端(下端)は、第2端部22cの下端と第3端部22dの下端とを結ぶ仮想線VL1に達している。なお、当該接着領域R1の先端は、当該位置に限定されず、当該仮想線VL1よりも接続部22e側に位置していてもよいし、当該仮想線VL1よりも第1端部22f側に位置していてもよい。
【0071】
第1端部22fから接着領域R1の先端までの距離は、当該接着領域R1の先端から接続部22eまでの距離よりも長くてもよい。この場合には、接着領域R1の面積を確保することができ、第2ラベル部22をより確実に肩部14に貼り付けることができる。
【0072】
上記のように構成される場合であっても、実施の形態4に係るラベル20Cは、実施の形態1に係るラベル20とほぼ同様の効果が得られる。
【0073】
(実施の形態5)
図12は、実施の形態5に係るラベルを裏面側からみた平面図である。
図12を参照して、実施の形態5に係るラベル20Dについて説明する。
【0074】
実施の形態5に係るラベル20Dは、実施の形態4に係るラベル20Cと比較した場合に、非接着処理層33が設けられている領域が相違する。その他の構成については、ほぼ同様である。
【0075】
非接着処理層33は、第2ラベル部22側から第1ラベル部21側にはみ出すはみ出し部を含む。当該はみ出し部は、接続部22eの中央部から第1ラベル部21の下端部21eに向けて突出するように設けられている。はみ出し部の下端側は、先細り形状を有する。第1端部22fから接着領域R1の先端までの距離は、接着領域R1の先端からはみ出し部の先端までの距離は、略同程度であってもよい。
【0076】
上記構成を有する場合であっても実施の形態4に係るラベル20Cとほぼ同様の効果が得られる。また、はみ出し部が設けられることにより、第2ラベル部22を肩部14に貼り付ける際に第2ラベル部22の接続部22e側を第1ラベル部21に対してきれいに湾曲させることができ、しわの形成を抑制できる。
【0077】
また、第1端部22fから接着領域R1の先端までの距離と接着領域R1の先端からはみ出し部の先端までの距離とを略同程度とすることにより、下端部21eに向かうはみ出し部の長さが長くなりすぎることを抑制できる。このことによっても、上述同様に第2ラベル部22の接続部22e側を第1ラベル部21に対してきれいに湾曲させることができ、しわの形成を抑制できる。
【0078】
(実施の形態6)
図13は、実施の形態6に係るラベルを裏面側からみた平面図である。
図13を参照して、実施の形態6に係るラベル20Eについて説明する。
【0079】
図13に示すように、実施の形態6に係るラベル20Eは、実施の形態5に係るラベル20Dと比較した場合に、幅方向DR1における接続部22eの幅が大きくなっており、これにより、はみ出し部の幅が拡大されている点において相違する。その他の構成については、ほぼ同様である。なお、接着領域R1の外縁において第1端部22fに沿う部分の長さは、第1端部22fから接着領域R1の先端までの長さよりも長くなっている。
【0080】
上記構成を有する場合であっても実施の形態5に係るラベル20Cとほぼ同様の効果が得られる。
【0081】
なお、非接着処理層33において、第2ラベル部22側から第1ラベル部21側にはみ出すはみ出し部を省略してもよい。
【0082】
(実施の形態7)
図14は、実施の形態7に係るラベルを裏面側からみた平面図である。
図14を参照して、実施の形態7に係るラベル20Fについて説明する。
【0083】
図14に示すように、実施の形態7に係るラベル20Fは、実施の形態1と比較した場合に、一対の第1辺部25が下端部21e側に向かうにつれて幅方向DR1の幅が広がるように傾斜している点、および非接着処理層33が設けられている領域が相違する。その他の構成については、ほぼ同様である。
【0084】
非接着処理層33は、第2ラベル部22において、実施の形態4とほぼ同様に、第2端部22c側から、幅方向DR1の一方側に位置する傾斜部24、接続部22e、および幅方向DR1の他方側に位置する傾斜部24を順に通って、第3端部22d側に至るように設けられている。加えて、非接着処理層33は、接続部22eから第1ラベル部21側にはみ出すはみ出し部を有する。はみ出し部は、接続部22eと一対の第1辺部25の下端を結ぶ線との間に設けられている。なお、はみ出し部は、省略されていてもよい。
【0085】
この場合において接着領域R1の外縁において第1端部22fに沿う部分の長さは、第1端部22fから接着領域R1の先端までの長さよりも短くなっている。
【0086】
このような構成を有する場合においても、実施の形態7に係るラベル20Fは、実施の形態1とほぼ同様の効果が得られる。加えて、上述のように、一対の第1辺部25が傾斜していることにより、接続部22eが、稜線16から高さ方向にずれて第1ラベル部21が胴部15に貼り付けられた場合であっても、第2ラベル部22を肩部14に貼り付ける際に第2ラベル部22を第1ラベル部21に対してきれいに湾曲させることができ、しわの形成を抑制できる。
【0087】
(その他の変形例)
なお、上述した実施の形態1から7においては、容器10が丸形のボトル形状を有し、第1ラベル部21が胴部15に貼着され、第2ラベル部22が肩部14に貼着される場合を例示して説明したが、これに限定されない。容器10は、上面および側面を有する包装箱であってもよく、この場合には、第1ラベル部21が側面に貼着され、第2ラベル部22が上面に貼着されてもよい。容器10が丸形のボトル形状を有する場合には、特に、第2ラベル部22の周縁の少なくとも一部が肩部14から離れることにより、上方から見た場合に第2ラベル部22の輪郭が明確になるという効果をより顕著に発揮させることができる。
【0088】
また、上述した実施の形態1から7においては、非接着処理層33を設けることにより、非接着領域R2を形成する場合を例示して説明したが、これに限定されない。非接着処理層33に代えて、接着層32の接着力を弱くする弱接着処理層を設けてもよい。弱接着処理層は、非接着処理層33を形成する際に用いた上述の表面処理液の量を少なくし、当該表面処理液の厚さを薄くすることにより形成することができる。この場合には、弱接着処理層は、接着領域R1よりも接着力が弱い弱接着領域として機能する。さらに、弱接着処理層を設けずに、非接着領域R2となる部分において接着層32が薄くなっている等によって、接着力が弱くなっていることにより、弱接着領域が設けられてもよい。
【0089】
また、上述した実施の形態1から7においては、非接着処理層33を設けることにより、非接着領域R2を形成する場合を例示して説明したが、非接着領域R2となる部分に接着層32自体が設けられないことにより、非接着領域R2が設けられてもよい。
【0090】
以上、今回発明された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0091】
10 容器、11 容器本体、11a 一端、11b 他端、12 口部、13 ネック部、14 肩部、15 胴部、16 稜線、17 蓋部、20,20A,20B,20C,20D,20E,20F ラベル、21 第1ラベル部、21c,21d 側端部、21e 下端部、21f 上端部、22 第2ラベル部、22c 第2端部、22d 第3端部、22e 接続部、22f 第1端部、23 くびれ部、24 傾斜部、25 第1辺部、26 R部、27 切欠き線、31 基材、31a おもて面、31b 裏面、32 接着層、33 非接着処理層、100 ラベル付き容器、271 傾斜ライン、272 カール部。