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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022166462
(43)【公開日】2022-11-02
(54)【発明の名称】読み取り装置及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/04 20060101AFI20221026BHJP
   H04N 1/028 20060101ALI20221026BHJP
   G03B 27/54 20060101ALI20221026BHJP
【FI】
H04N1/04 101
H04N1/12 Z
H04N1/028 J
G03B27/54 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021071677
(22)【出願日】2021-04-21
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】白石 貴志
【テーマコード(参考)】
2H109
5C051
5C072
【Fターム(参考)】
2H109AA94
5C051AA01
5C051BA04
5C051DA03
5C051DB01
5C051DB04
5C051DB22
5C051DB29
5C051DC05
5C051DC07
5C051FA01
5C072AA01
5C072BA15
5C072CA05
5C072CA09
5C072DA03
5C072DA04
5C072DA15
5C072DA16
5C072DA17
5C072DA25
5C072EA05
5C072EA06
5C072EA07
5C072NA01
5C072NA04
5C072XA01
(57)【要約】
【課題】被読み取り物と読み取り面とが離れている場合に、被読み取り物で反射された光がレンズアレイによってセンサ面上に結像される像における照度の低下を抑制できる読み取り装置及び画像形成装置を提供すること。
【解決手段】実施形態によれば、画像形成装置において被読み取り物を読み取る読み取り装置は、レンズアレイ及び導光体を具備する。レンズアレイは、読み取り面に対して交差する高さ方向に光軸が沿う姿勢で設けられる。導光体は、高さ方向及び主走査方向の両方に交差する副走査方向についてレンズアレイに隣接し、高さ方向についてレンズアレイの被写界深度の最深位置に対してレンズアレイとは反対側に、被読み取り物を照明する照明光の最大照度を位置させる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置において被読み取り物を読み取る読み取り装置であって、
読み取り面に対して交差する高さ方向に光軸が沿う姿勢で設けられるレンズアレイと、
前記高さ方向及び主走査方向の両方に交差する副走査方向について前記レンズアレイに隣接し、前記高さ方向について前記レンズアレイの被写界深度の最深位置に対して前記レンズアレイとは反対側に、前記被読み取り物を照明する照明光の最大照度を位置させる導光体と、
を具備する、読み取り装置。
【請求項2】
前記導光体は、前記副走査方向で前記レンズアレイの外側の両方から前記レンズアレイに隣接する一対の前記導光体であり、
一対の前記導光体のそれぞれは、入射した前記照明光を拡散する拡散部と、前記高さ方向について前記拡散部とは反対側に設けられるとともに所定の曲率を有する出射面と、を備え、
前記主走査方向からの投影では、一対の前記導光体の一方において前記拡散部の中央及び前記出射面の曲率中心を通る直線が、前記高さ方向について前記最深位置に対して前記レンズアレイとは反対側で、一対の前記導光体の他方において前記拡散部の中央及び前記出射面の曲率中心を通る直線と交差する、
請求項1に記載の読み取り装置。
【請求項3】
前記導光体は、入射した前記照明光を拡散する拡散部と、前記高さ方向について前記拡散部とは反対側に設けられるとともに所定の曲率を有する出射面と、を備え、
前記主走査方向からの投影では、前記拡散部の中央及び前記出射面の曲率中心を通る直線が、前記高さ方向について前記最深位置に対して前記レンズアレイとは反対側で前記レンズアレイの前記光軸の軸線と交差する、
請求項1に記載の読み取り装置。
【請求項4】
前記導光体に入射する前記照明光を発する光源と、
前記高さ方向について前記レンズアレイに対して前記読み取り面とは反対側に設けられ、前記照明光が前記被読み取り物で反射された反射光を受光するセンサと、
をさらに具備する、請求項1~3のいずれか1項に記載の読み取り装置。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の読み取り装置と、
前記読み取り装置により取得した画像に基づく静電潜像を形成する感光体ドラムと、
前記感光体ドラムの前記静電潜像を現像剤により現像する現像装置と、
を具備する、画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、読み取り装置及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置では、被読み取り物にLED(Light Emitting Device)等の光源からの光が導光体を介して照射されることで、被読み取り物の読み取り部位における照度を所定の照度にする。これにより、画像形成装置に設けられる読み取り装置は、被読み取り物を適切に読み取ることができる。例えば、読み取り装置に設けられる読み取り光学系にレンズアレイが用いられる場合、被読み取り物と読み取り面とが離れることがある。このとき、被読み取り物及び読み取り面が離れていない(接触している)時の照度と被読み取り物を照らす照度とが同じ場合、被読み取り物及び読み取り面が離れていない時に比べて、レンズアレイの光学効率が落ちる。その結果、レンズアレイによってセンサ面上に結像される像の照度が低下することがある。そのため、被読み取り物と読み取り面とが離れている場合に、被読み取り物で反射された光がレンズアレイによってセンサ面上に結像される像における照度の低下が抑制されることが求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-70411号公報
【特許文献2】特開2014-123941号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、被読み取り物と読み取り面とが離れている場合に、被読み取り物で反射された光がレンズアレイによってセンサ面上に結像される像における照度の低下を抑制できる読み取り装置及び画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態によれば、画像形成装置において被読み取り物を読み取る読み取り装置は、レンズアレイ及び導光体を具備する。レンズアレイは、読み取り面に対して交差する高さ方向に光軸が沿う姿勢で設けられる。導光体は、高さ方向及び主走査方向の両方に交差する副走査方向についてレンズアレイに隣接し、高さ方向についてレンズアレイの被写界深度の最深位置に対してレンズアレイとは反対側に、被読み取り物を照明する照明光の最大照度を位置させる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、実施形態に係る読み取り装置が設けられる画像形成装置の概略図である。
図2図2は、実施形態に係る読み取り装置が設けられる画像形成装置において、ブラックの画像を形成する画像形成部とその周辺の構成を示す概略図である。
図3図3は、実施形態に係る読み取り装置が画像形成装置の読み取り台に設けられる場合の構成を示す概略図である。
図4図4は、実施形態に係る読み取り装置に設けられるレンズアレイの概略的な斜視図である。
図5図5は、実施形態に係る読み取り装置が画像形成装置のスキャナユニットに設けられる場合の構成を示す概略図である。
図6図6は、変形例に係る読み取り装置が画像形成装置の読み取り台に設けられる場合の構成を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態について、図面を参照して説明する。なお、本実施形態において、画像形成装置1では、重力方向に沿う方向を鉛直方向(矢印ZA及び矢印ZBで示す方向)、読み取り装置の長手方向に沿う方向を奥行き方向(矢印YA及び矢印YBで示す方向)、鉛直方向及び奥行き方向の両方に交差する(直交又は略直交する)方向を幅方向(矢印XA及び矢印XBで示す方向)として説明する。また、読み取り装置10の長手方向が主走査方向であり、主走査方向に交差する(直交又は略直交する)方向が副走査方向である。
【0008】
図1は、実施形態に係る画像形成装置1の概略図である。画像形成装置1は、コピー、スキャン、プリンタ等の機能を集約した多機能周辺機器(MFP:Multi Function Peripherals)である。ある一例の画像形成装置1は、LEDなどの半導体発光素子を光源に使用した露光光学系を有する固体走査方式のLED複写機である。画像形成装置1は、筐体2、読み取り台3、及びスキャナユニット4を備える。
【0009】
読み取り台3は、筐体2に支持され、筐体2より鉛直方向の上側に配置される。読み取り台3は、読み取り台3の上面を形成する読み取り面31を備える。被読み取り物は、読み取り面31の上に載置される。被読み取り物は、例えば、原稿である。読み取り面31は、例えば、読み取り台3に設けられた原稿台ガラスの上面である。スキャナユニット4は、読み取り台3より鉛直方向の上側に配置される。スキャナユニット4は、読み取り面31上に置かれた被読み取り物を鉛直方向の上方から押さえることにより、被読み取り物押さえとして機能する。
【0010】
画像形成装置1は、読み取り台3の内部に、被読み取り物の被読み取り面に記載された情報を読み取る読み取り装置10を備える。読み取り装置10は、図示しない駆動機構により、読み取り面31に沿って副走査方向に移動できる。また、読み取り台3では、読み取り装置10の副走査方向について読み取り面31と並んで、読み取りガラス5が配置される。読み取り装置10は、読み取りガラス5に対して鉛直方向の下側に配置できる。また、読み取り装置10は、スキャナユニット4の内部に設けられる。スキャナユニット4に設けられる読み取り装置10は、スキャナユニット4の所定の位置から移動しない。スキャナユニット4では、原稿等の被読み取り物が、搬送経路Rに沿って、矢印で示される搬送方向に搬送される。なお、読み取り装置10の詳細な構成については後述する。
【0011】
画像形成装置1は、筐体2の内部に画像形成ユニット30を備える。画像形成装置1は、画像形成ユニット30において鉛直方向の上方に、筒状の中間転写ベルト40を有する。画像形成ユニット30は、画像形成装置1の幅方向に沿って、画像形成部301~304を有する。本実施形態では、イエロー、シアン、マゼンダ及びブラックの4色が画像形成部で使用される。画像形成部301~304が、イエロー、シアン、マゼンダ及びブラックのそれぞれの画像を形成する。画像形成部301~304は、感光体ドラム311~314、現像器(現像装置)331~334、露光装置501~504を備える。なお、画像形成部301~304は同様の構成であるため、画像形成部304について説明し、他の色の画像形成部301~303の説明を省略する。
【0012】
図2は、ブラックの画像を形成する画像形成部304とその周辺の構成を示す概略図である。画像形成部304は、感光体ドラム314、帯電チャージャ324、露光装置504、現像器(現像装置)334、一次転写ローラ344、クリーナ354、およびブレード364を有する。感光体ドラム314は、奥行き方向に延びる回転軸を中心として回転可能である。感光体ドラム314は、中間転写ベルト40に接触する外周面を有する。画像形成ユニット30の図示しない駆動機構は、感光体ドラム314を、図示矢印方向(時計回り方向)に回転させる。感光体ドラム314は、中間転写ベルト40に接触して回転することで、中間転写ベルト40を周回移動させる。
【0013】
一次転写ローラ344は、中間転写ベルト40を間に挟んで、一次転写ローラ344の鉛直方向の下側の部位で感光体ドラム314に対向する。一次転写ローラ344は、奥行き方向に延びる回転軸を中心として回転可能である。一次転写ローラ344は、中間転写ベルト40の内周面に接触する外周面を有する。すなわち、中間転写ベルト40は、鉛直方向で感光体ドラム314と一次転写ローラ344との間を通過して、周回移動する。
【0014】
帯電チャージャ324は、感光体ドラム314の表面を一様に帯電させる。露光装置504は、色分解されたブラックの画像信号に基づく露光光を感光体ドラム314の表面に照射する。これにより、露光装置504は、感光体ドラム314の表面にブラック用の画像信号に基づく静電潜像を形成する。現像器334は、感光体ドラム314の表面に形成された静電潜像にブラックトナー(現像剤)を供給し、感光体ドラム314の表面にブラックトナー像を形成する。一次転写ローラ344は、感光体ドラム314の表面に形成されたブラックトナー像を他の色のトナー像に重ねて中間転写ベルト40上に転写する。クリーナ354およびブレード364は、感光体ドラム314の表面に残留したトナーを除去する。中間転写ベルト40の表面に重ねて転写された各色トナー像は、中間転写ベルト40の周回移動により、一対の二次転写ローラ37(371,372)の間に向けて移動する。このとき、感光体ドラム314が回転し、露光装置504が感光体ドラム314の表面に静電潜像を書き込む。そして、感光体ドラム314が一定量回転することにより、露光装置504は、原稿の全体画像に対応した色分解したブラック用の静電潜像を感光体ドラム314の表面に形成する。
【0015】
図1に示すように、画像形成装置1は、中間転写ベルト40の表面に重ねて転写した各色のトナー像を用紙Pに転写する一対の二次転写ローラ37を有する。一方の二次転写ローラ371は、中間転写ベルト40が掛けられたローラの1つである。他方の二次転写ローラ372は、中間転写ベルト40を間に挟んで、一方の二次転写ローラ371に対向する。中間転写ベルト40の表面に重ねて転写した各色のトナー像は、中間転写ベルト40の周回移動により、一対の二次転写ローラ37の間に形成されるニップを通過する。
【0016】
画像形成装置1は、鉛直方向について筐体2の内部の下方に、複数枚の所定サイズの用紙Pを重ねて収容可能な給紙カセット61を備える。給紙カセット61は、例えば、奥行き方向について筐体2の前面から引き出され、奥行き方向について後面に向けて筐体2内に収納される。画像形成装置1は、給紙カセット61内に収容した用紙Pを取り出すピックアップローラ62を備える。ピックアップローラ62は、その周面を用紙Pに接触させて回転することで用紙Pを給紙カセット61から1枚ずつ取り出す。
【0017】
画像形成装置1は、鉛直方向について筐体2の上方部に、排紙トレイ63を備える。排紙トレイ63は、鉛直方向について読み取り台3より下方に設けられる。画像形成装置1では、ピックアップローラ62と排紙トレイ63との間に、搬送路64が設けられる。搬送路64は、給紙カセット61から取り出した用紙Pを排紙トレイ63に向けて搬送する。搬送路64は、一対の二次転写ローラ37のニップを経由する。搬送路64には、一対の搬送ローラ641が複数配置され、用紙Pの搬送を案内する搬送ガイドが配置されてもよい。画像形成装置1は、搬送路64の終端部に、排紙トレイ63へ用紙Pを排紙するための一対の排紙ローラ631を備える。一対の排紙ローラ631は、用紙Pを排紙トレイ63に排紙する方向である正方向、及び、用紙Pを搬送路64に戻す逆方向のいずれにも回転可能である。
【0018】
画像形成装置1は、一対の定着ローラ65を備える。一対の定着ローラ65は、鉛直方向について一対の二次転写ローラ37より上側に位置する。搬送路64は、一対の定着ローラ65を経由して一対の排紙ローラ631に向かう。一対の定着ローラ65は、搬送路64により搬送される用紙Pを加熱するとともに加圧し、用紙Pの表面に転写されたトナー像を用紙Pの表面に定着させる。また、画像形成装置1は、一方の面に画像を形成した用紙Pの表裏を反転させて、一対の二次転写ローラ37のニップへ用紙Pを搬送する反転搬送路66を備える。反転搬送路66は、用紙Pを間に挟んで回転し、用紙Pを搬送する一対の搬送ローラ661を備える。また、反転搬送路66には、図示しない搬送ガイドが設けられてもよい。画像形成装置1は、幅方向について一対の排紙ローラ631に対して排紙トレイ63側とは反対側に、ゲート67を備える。ゲート67は、搬送路64に配置され、用紙Pの搬送先を排紙トレイ63又は反転搬送路66に切り換えるゲート67を備える。
【0019】
画像形成装置1は、ピックアップローラ62を回転させることで、給紙カセット61から用紙Pを取り出す。画像形成装置1は、複数の搬送ローラ641を回転させて給紙カセット61から取り出した用紙Pを、搬送路64を経由して排紙トレイ63に向けて搬送する。このとき、画像形成装置1は、用紙Pの搬送タイミングに合わせて中間転写ベルト40の表面に各色のトナー像を転写する。トナー像は、中間転写ベルト40の周回移動により一対の二次転写ローラ37のニップに搬送される。画像形成装置1は、一対の二次転写ローラ37から用紙Pに転写電圧を付与し、用紙Pの表面に各色のトナー像を転写する。画像形成装置1は、トナー像が転写された用紙Pを定着ローラ65の間のニップに搬送する。画像形成装置1は、用紙Pを加熱及び加圧する。これにより、画像形成装置1は、トナー像を溶融して用紙Pの表面に押し付けるとともに、トナー像を用紙Pに定着させる。画像が定着された用紙Pは、排紙ローラ631を通過して排紙トレイ63に排出される。
【0020】
用紙Pの裏面にも画像を形成する両面モードが選択されている場合、画像形成装置1は、排紙トレイ63に向けて排出される用紙Pが排紙ローラ631のニップを抜ける直前、ゲート67の搬送方向を反転搬送路66に切り換える。画像形成装置1は、排紙ローラ631を逆転し、用紙Pを反転搬送路66に搬送する。画像形成装置1は、用紙Pの表裏を反転させた後、用紙Pを一対の二次転写ローラ37のニップへ再度搬送する。画像形成装置1は、用紙Pの裏面に形成する画像データに基づくトナー像を中間転写ベルト40の表面に形成する。画像形成装置1は、各色のトナー像を形成した中間転写ベルト40を走行させて、各色のトナー像を一対の二次転写ローラ37のニップへ送り込む。画像形成装置1は、前述したように、用紙Pの裏面にトナー像を転写して定着させ、排紙ローラ631を経由して排紙トレイ63に用紙Pを排出する。
【0021】
画像形成装置1は、前述した各機構の動作を制御する制御部70を備える。制御部70は、CPU等のプロセッサ、及びメモリを備える。制御部70は、プロセッサがメモリに記憶されたプログラムを実行することにより、各種の処理を実行する。制御部70は、読み取り装置10を制御することにより、被読み取り物の被読み取り面から画像を取得する。制御部70は、画像形成ユニット30を制御することにより、用紙Pの表面に画像を形成する。ある一例では、制御部70は、読み取り装置10で読み取った画像データを画像形成ユニット30に入力する。制御部70は、搬送ローラ641,661の動作を制御して、搬送路64及び/又は反転搬送路66を通して用紙Pを搬送する。制御部70は、二次転写ローラ37及び定着ローラを通って搬送される用紙Pへ画像データに基づくトナー像を転写及び定着させ、排紙ローラ631を経由して排紙トレイ63に用紙Pを排出させる。
【0022】
このような画像形成装置1では、読み取り装置10が被読み取り物の被読み取り面を読み取るとき、読み取り装置10は照明光を被読み取り面に向けて照射することにより、被読み取り面の照度が読み取り装置10で画像を取得するのに十分な照度とする。しかしながら、被読み取り面が読み取り面31から離れる場合、被読み取り面で反射された光がレンズアレイによってセンサ面上に結像される像において、照度が低下することがある。この場合、読み取り装置10で取得した画像は、例えば、照度の不足部分が暗くなる。そのため、例えば、本のように原稿面(被読み取り面)と読み取り面との距離が場所により異なる場合、又は、ドキュメントフィーダーを用いて原稿を高速で搬送することで読み取り位置における原稿面と被読み取り面との距離が変動する場合等には、本来は明るさが均一となる領域において明暗に差が発生する。本実施形態の読み取り装置10では、後述するように、被読み取り面を照明する照明光が最大照度となる位置を所定の位置に設定することで、被読み取り面が読み取り面31から離れる度合いにかかわらず、被読み取り面で反射された光がレンズアレイによってセンサ面上に結像される像の明るさを一定にできる。
【0023】
以下では、本実施形態に係る読み取り装置10について説明する。なお、本実施形態に係る読み取り装置10は、読み取り台3及び/又はスキャナユニット4に設けることができる。読み取り装置10が読み取り台3及びスキャナユニット4の両方に設けられる場合、画像形成装置1では、両方の読み取り装置10を制御することで、被読み取り物から被読み取り面の画像を取得できる。なお、本実施形態に係る読み取り装置10は、密着光学系(CIS:Contact Image Sensor)による読み取り装置である。そのため、本実施形態に係る読み取り装置10は、いわゆる縮小光学系を用いていない。
【0024】
図3は、実施形態に係る画像形成装置1の読み取り台3に設けられる読み取り装置10及びその周辺の構成を示す概略図である。図3においても、図1と同様に、鉛直方向、奥行き方向及び幅方向が規定される。また、読み取り装置10において、主走査方向及び副走査方向(矢印XC及び矢印XDで示す方向)の両方に交差する(直交又は略直交する)方向を高さ方向(矢印ZC及び矢印ZDで示す方向)と規定する。読み取り装置10の高さ方向は、鉛直方向と一致又は略一致する。なお、図3は、読み取り装置10を主走査方向の一方向から示す。また、図3に示す読み取り装置10は、画像形成装置1の読み取り台3の内部に設けられ、読み取り面31より高さ方向の下側に配置される。
【0025】
読み取り装置10は、ハウジング11、基板12、センサ13、導光体14,15、遮光部材16、光源18及びレンズアレイ20を備える。ハウジング11は、主走査方向に延びるとともに副走査方向について互いに対して対向する一対の側壁と、副走査方向について一対の側壁の間で延びる隔壁とを備える。隔壁は、高さ方向について、一対の側壁の下端より上側に配置される。そのため、一対の側壁の下端は、高さ方向について、隔壁の下面より下側へ突出する。よって、ハウジング11は、主走査方向からの投影において、H字状又は略H字状に形成される。基板12は、高さ方向について隔壁の下面に設けられるとともに、副走査方向について一対の側壁の間に設けられる。基板12には、センサ13が実装される。センサ13は、光を電気信号に変換する撮像素子が主走査方向に沿って並ぶラインセンサである。センサ13は、1本又は複数本のラインセンサである。センサ13は、例えば、Charge Coupled Device(CCD)、Complimentary Metal Oxide Semiconductor(CMOS)等である。なお、後述するレンズアレイ20により像が結像される位置は、センサ13のセンサ面である。
【0026】
導光体14,15は、光源18が発する照明光(拡散光)を、読み取り面31に向けて照射するための一対の光学素子である。導光体14,15は、主走査方向に沿って延びる。導光体14,15は、高さ方向について、ハウジング11の隔壁の上面より読み取り面31側に離れて設けられる。導光体14,15は、幅方向に互いに離間して配置される。本実施形態では、導光体14,15の形状は同一又は略同一の形状である。導光体14は拡散部141及び出射面142を備え、導光体15は拡散部151及び出射面152を備える。なお、導光体14,15は同様の構成であるため、導光体14について説明し、導光体15の説明を省略する。
【0027】
拡散部141は、光源18から導光体14に入射した照明光を、導光体14の内部で拡散させる。本実施形態では、照明光が主走査方向の端部から導光体14に入射する。拡散部141は、導光体14において高さ方向の下面に形成される。拡散部141は、例えば、導光体14に形成される溝であってもよく、導光体14に塗布された白インクにより形成されてもよい。出射面142は、拡散部141で拡散された照明光が導光体14から出射される面である。出射面142は、導光体14の主走査方向(長手方向)に沿って形成されるとともに、拡散部141と対向する。すなわち、出射面142は、導光体14において高さ方向の上面に形成される。ある一例では、出射面142は、シリンダーレンズ面である。なお、拡散部141の表面に反射板が取り付けられていてもよい。また、拡散部141の表面にLED等の光源が設けられてもよい。
【0028】
副走査方向について一対の導光体14,15の間には、レンズアレイ20及び遮光部材16が設けられる。遮光部材16は、副走査方向の外側及び高さ方向の上側から、レンズアレイ20を覆う。レンズアレイ20及び遮光部材16は、主走査方向に沿って延びる。一対の導光体14,15は、副走査方向の外側から遮光部材16に隣接する。レンズアレイ20は、被読み取り物の被読み取り面で反射された照明光を、センサ13上で結像させる。そのため、レンズアレイ20は、レンズアレイ20からの出射光がセンサ13上で結像する位置に、配置される。
【0029】
遮光部材16は、レンズアレイ20に、被読み取り物の被読み取り面からの反射光以外の光が入射するのを抑制する。遮光部材16は、高さ方向についてレンズアレイ20と読み取り面31との間に配置される遮光壁と、副走査方向についてレンズアレイ20と導光体14,15との間にそれぞれ配置される一対の遮光側壁と、を備える。遮光壁は、副走査方向について一対の遮光側壁の間で延びる。遮光部材16の遮光壁には、遮光壁を高さ方向に貫通するスリット17が形成される。スリット17は、遮光部材16において主走査方向に沿って形成される。被読み取り面からの反射光は、スリット17を通過して、レンズアレイ20に高さ方向の上側から入射する。よって、スリット17は、副走査方向についての絞りとして機能する。
【0030】
図4は、実施形態の読み取り装置10に設けられるレンズアレイ20の斜視図である。図4においても、図3と同様に、主走査方向、副走査方向及び高さ方向が規定される。レンズアレイ20は、入射面21及び出射面22を備える。入射面21は、被読み取り面で反射された照明光がレンズアレイ20に入射する面である。入射面21は、例えば、入射面21のそれぞれの部位において異なる(異方性のある)曲率を有する曲面に形成され、入射側レンズ面として機能する。入射面21の光軸は、入射面21の副走査方向の中央において、高さ方向に沿って延びる。出射面22は、レンズアレイ20に入射し、かつ、光がレンズアレイ20の内部で導光された光を、読み取り装置10のセンサ13に向けて出射する面である。出射面22は、例えば、出射面22のそれぞれの部位において異なる(異方性のある)曲率を有する曲面に形成され、出射側レンズ面として機能する。出射面22の光軸は、出射面22の副走査方向の中央において、高さ方向に沿って延びる。レンズアレイ20では、入射面21の光軸と出射面22の光軸とが、互いに対して平行又は略平行である。
【0031】
なお、図4に示すレンズアレイ20は一例であり、読み取り装置10に設けられるレンズアレイ20の形状は図4と異なっていてもよい。例えば、読み取り装置10に設けられるレンズアレイは、ロッドレンズアレイであってもよい。
【0032】
図3に示すように、本実施形態のレンズアレイ20は、高さ方向について読み取り面31側に入射面21が位置し、かつ、高さ方向についてセンサ13側に出射面22が位置する姿勢で、読み取り装置10に設けられる。また、レンズアレイ20は、入射面21の光軸が高さ方向に沿う姿勢で、読み取り装置10に設けられる。そのため、レンズアレイ20の入射面21の光軸が、読み取り面31と直交又は略直交する。
【0033】
本実施形態の読み取り装置10では、一対の導光体14,15が、高さ方向についてレンズアレイ20の被写界深度の最深位置に対してレンズアレイ20とは反対側に、被読み取り物を照明する照明光の最大照度を位置させる。被写界深度は、被写体が位置する側のレンズの焦点の前後において、レンズが十分にはっきりと被写体の像を結ぶ被写体の位置の範囲のことである。すなわち、被読み取り物の被読み取り面が位置する側のレンズの焦点の前後において、レンズが十分にはっきりと被読み取り面の像を結ぶ被読み取り面の位置の範囲のことである。読み取り装置10では、レンズアレイ20の被写界深度は、高さ方向についてレンズアレイ20の入射面21より被読み取り物側で規定される範囲Dである。本実施形態では、被写界深度の入射面21に最も近い位置を最近接位置QAとし、被写界深度の入射面21から最も遠い位置を最深位置QBとする。図3では、レンズアレイ20の入射面21の光軸が高さ方向に沿う姿勢でレンズアレイ20が配置されているため、高さ方向について入射面21から最も近い被写界深度の位置が最近接位置QAであり、高さ方向について入射面21から最も遠い被写界深度の位置が最深位置QBである。
【0034】
なお、レンズアレイ20の被写界深度の最深位置QBは、読み取り装置10に用いられるレンズアレイ20により適宜設定される。ある一例では、被写界深度の最深位置QBは、6Lp/mmの解像度チャート(白黒のラダーチャート)の変調伝達関数(MTF;Modulation Transfer Function)が10%以上となる範囲に基づいて設定される。別のある一例では、6Lp/mmのMTF測定用チャート(正弦波状に濃淡が変化するチャート)のMTFが55%以上となる範囲に基づいて設定される。
【0035】
読み取り装置10では、導光体14,15によって、照明光が最大照度となる位置が、高さ方向について読み取り面31より上側となる。また、導光体14,15から被読み取り面31に照射される照明光の照度は、高さ方向について、導光体14,15から最大照度となる位置に向かうにつれて大きくなり、最大照度となる位置を超えると小さくなる。すなわち、照明光の照度は、導光体14,15から最大照度となる位置まで増加し、最大照度となる位置Qを超えると減少する。また、読み取り装置10において、導光体14,15によって、主走査方向からの投影では、導光体14,15のそれぞれの出射面142,152の曲率中心CA,CBと拡散部141,151の中央とを結ぶ直線LA,LBが、レンズアレイ20の入射面の中央を通過するレンズアレイ20の光軸Oと、高さ方向についてレンズアレイ20の最深位置QBより遠位である位置Qで交差する。読み取り装置10において、主走査方向からの投影では、導光体14における直線LAが、高さ方向について最深位置QBに対してレンズアレイ20とは反対側で、導光体15における直線LBと位置Qで交差する。
【0036】
導光体14,15の出射面142,152は、出射面142,152から出射する光が所定の範囲内で拡散する曲率を有することが好ましい。出射面142,152から出射する光は、出射面142,152から読み取り面31に向かうにつれて、直線LA,LBに交差する方向に広がる。出射面142,152の曲率は、出射面142,152から出射する光が集光する曲率より小さく、出射面142,152から出射する光による最大照度がレンズアレイ20の被写界深度の最深位置QBとなる曲率より小さい。ある一例では、出射面142(152)と、出射面142(152)に対向する拡散部141(151)との離間距離は、出射面142(152)の曲率半径より大きく、出射面142(152)の曲率半径の2倍より小さい。図3において、離間距離は、直線LA(LB)に沿う方向の導光体14(15)の最大長さである。このように出射面142,152の曲率が設定されることで、導光体14,15により、照明光の照度を適切に調整できる。
【0037】
なお、読み取り装置10に、導光体14のみ又は導光体15のみが設けられてもよい。すなわち、読み取り装置10には、導光体は、一対設けられる必要はなく、1つのみ設けられてもよい。この場合でも、読み取り装置10に設けられる導光体14又は導光体15は、高さ方向についてレンズアレイ20の被写界深度の最深位置QBに対してレンズアレイ20とは反対側に、被読み取り物を照明する照明光の最大照度を位置させる。
【0038】
図5は、読み取り装置10がスキャナユニット4に設けられる場合の概略図である。図5においても、図3と同様に、主走査方向、副走査方向及び高さ方向が規定される。読み取り装置10の副走査方向は、被読み取り物の搬送方向と一致又は略一致する。スキャナユニット4に読み取り装置10が設けられる場合、読み取り装置10が、読み取り面31を備える。読み取り面31は、高さ方向についてレンズアレイ20に対して基板12とは反対側に設けられ、基板12と対向する。この場合、読み取り面31がハウジング11に取り付けられる。また、前述のように読み取り面31が読み取り装置10に設けられること以外は、読み取り装置10の構成は、読み取り台3に読み取り装置10が設けられる場合と同様である。被読み取り物が高さ方向についてスキャナユニット4の下方部に配置されるため、読み取り装置10は、高さ方向について読み取り面31が下方側に位置する姿勢で、スキャナユニット4に設けられる。すなわち、読み取り装置10は、読み取り台3に読み取り装置10が設けられる姿勢から主走査方向に沿う軸を中心として所定の角度回転した姿勢で、スキャナユニット4に設けられる。
【0039】
また、スキャナユニット4で読み取り装置10が被読み取り物の被読み取り面の画像情報を取得する場合、読み取り装置10はスキャナユニット4の所定の位置から動くことなく、被読み取り面の画像情報を取得する。本実施形態では、被読み取り物がスキャナユニット4の内部に設けられる搬送路に沿って搬送されることで、被読み取り面がスキャナユニット4に対して相対的に移動する。これにより、読み取り装置10は、スキャナユニット4の所定の位置で、被読み取り面の画像情報を取得できる。
【0040】
本実施形態の読み取り装置10では、光源18から照射された照明光が導光体14,15に入射する。導光体14,15に入射した照明光は、導光体14,15の内部及び拡散部141,151で拡散されて、導光体14,15の出射面142,152から出射する。導光体14,15が前述のように読み取り装置10に配置されているため、出射面142,152から出射した照明光は、読み取り面31を照明する。これにより、高さ方向について読み取り面31に対して読み取り装置10とは反対側の被読み取り面が、照明光により照明される。照明光は、被読み取り面により反射された後、反射光として読み取り面31に向かって進む。反射光は、読み取り面31及びスリット17を通過してレンズアレイ20に入射する。このとき、スリット17はレンズアレイ20に入射する光の絞りとして機能することから、レンズアレイ20には所定の光量の光が入射する。レンズアレイ20の入射面21からレンズアレイ20に入射した光は、レンズアレイ20の内部で反射等されて、レンズアレイ20の出射面22から出射される。出射面22から出射された光は、センサ13に到達する。センサ13が被読み取り面の反射光を受光し、被読み取り面の画像情報を取得する。
【0041】
本実施形態の読み取り装置10では、レンズアレイ20の被写界深度の最深位置QBより高さ方向についてレンズアレイ20とは反対側において、光源18による照明光の照度が最大となる。また、高さ方向についてレンズアレイ20から照明光の照度が最大の位置に向かうにつれて、照明光の照度が増加する。そのため、レンズアレイ20の被写界深度の範囲Dにおいて、被読み取り面が読み取り面から高さ方向に離れた場合でも、被読み取り物で反射された光がレンズアレイによってセンサ面上に結像される像における照度を、被読み取り面が読み取り面から離れていない時の照度と同じにできる。すなわち、実施形態の読み取り装置10では、被読み取り物と読み取り面とが離れている場合に、被読み取り物で反射された光がレンズアレイによってセンサ面上に結像される像における照度の低下を抑制できる。したがって、画像形成装置1では、読み取り装置10により、被読み取り面の画像情報を適切に取得できる。
【0042】
本実施形態の読み取り装置10では、導光体14,15が、副走査方向についてレンズアレイ20の外側の両方からレンズアレイ20に隣接する一対の導光体14,15であることが好ましい。一対の導光体14,15のそれぞれは、入射した照明光を拡散する拡散部141,151と、高さ方向について拡散部141,151とは反対側に設けられるとともに所定の曲率を有する出射面142,152と、を備える。また、主走査方向からの投影では、一対の導光体14,15の一方において拡散部141,151の中央及び出射面142,152の曲率中心を通る直線LA,LBが、高さ方向について最深位置QBに対してレンズアレイ20とは反対側で、一対の導光体14,15の他方において拡散部141,151の中央及び出射面の曲率中心を通る直線LA,LBと交差する。このように導光体14,15が配置されることで、レンズアレイ20の被写界深度の範囲Dにおける照度をさらに上昇させることができる。そのため、例えば、レンズアレイ20の被写界深度の最深位置QBからより離れた位置に、照明光の最大照度を設定できる。したがって、読み取り装置10では、被読み取り物と読み取り面31とがさらに離れている場合でも、被読み取り物で反射された光がレンズアレイによってセンサ面上に結像される像における照度の低下を抑制できる。
【0043】
本実施形態の読み取り装置10では、導光体14(15)は、入射した照明光を拡散する拡散部141(151)と、高さ方向について拡散部141(151)とは反対側に設けられるとともに所定の曲率を有する出射面142(152)と、を備える。また、主走査方向からの投影において、拡散部141(151)の中央及び出射面142(152)の曲率中心を通る直線LA(LB)が、高さ方向で最深位置QBに対してレンズアレイ20とは反対側でレンズアレイ20の光軸Oの軸線と交差する。このように導光体14(15)が読み取り装置10に配置されることで、被読み取り物と読み取り面31とが離れている場合でも、被読み取り物で反射された光がレンズアレイによってセンサ面上に結像される像における照度の低下を抑制できる。
【0044】
本実施形態の画像形成装置1では、読み取り台3に本実施形態の読み取り装置10が設けられるとともに、スキャナユニット4に本実施形態の読み取り装置10が設けられることが好ましい。このような画像形成装置1では、例えば、被読み取り物の表面及び裏面の読み取りを同様の光学系により実行する。そのため、被読み取り物の表面の画像及び被読み取り物の裏面の画像の色合いが同一又は略同一となる。したがって、被読み取り物を読み取る際に、読み取り台3及びスキャナユニット4のいずれを用いても、取得した画像同士の色合いの差が小さい。よって、このような画像形成装置1では、被読み取り物を読み取り台3及びスキャナユニット4のいずれを用いて読み取っても、同様の色合いで画像を取得できる。
【0045】
(変形例)
図6は、読み取り装置10に設けられる導光体41,42の変形例を示す概略図である。本変形例に係る読み取り装置10の構成は、導光体41,42の形状が前述の実施形態と異なること以外は、前述の実施形態と同様である。本変形例に係る導光体41,42は、主走査方向に延びる柱状に形成される。導光体41,42は、前述の実施形態と同様に、拡散部411,421及び出射面412,422を備える。
【0046】
本変形例の導光体41(42)は、実施形態の導光体14(15)と異なり、拡散部411(421)と出射面412(422)とにより主走査方向に延びる稜部が形成される。すなわち、拡散部411(421)と出射面412(422)とが隣り合う。また、導光体41,42の曲率半径の中心は、点CC,CDである。この場合であっても、直線LC(LD)に沿う方向の導光体41(42)の最大長さは、出射面412(422)の曲率半径より大きく、かつ、出射面412(422)の曲率半径の2倍より小さい。したがって、本変形例の読み取り装置10においても、高さ方向について、レンズアレイ20の被写界深度の最深位置QBに対してレンズアレイ20の反対側において、光源18による照明光の照度が最大となる。そのため、本変形例も前述の実施形態と同様の作用及び効果を奏する。
【0047】
これら少なくとも一つの実施形態によれば、読み取り装置の導光体は、高さ方向及び主走査方向の両方に交差する副走査方向についてレンズアレイに隣接し、高さ方向についてレンズアレイの被写界深度の最深位置に対してレンズアレイとは反対側に、被読み取り物を照明する照明光の最大照度を位置させる。これにより、被読み取り物と読み取り面とが離れている場合に、被読み取り物で反射された光がレンズアレイによってセンサ面上に結像される像における照度の低下を抑制できる読み取り装置及び画像形成装置を提供できる。
【0048】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0049】
1…画像形成装置、2…筐体、3…読み取り台、4…スキャナユニット、10…読み取り装置、11…ハウジング、12…基板、13…センサ、14,15…導光体、16…遮光部材、17…スリット、18…光源、20…レンズアレイ、21…入射面、22…出射面、141,151,411,421…拡散部、142,152,412,422…出射面、311~314…感光体ドラム、331~334…現像器(現像装置)、CA~CD…曲率中心、LA~LD…直線、O…光軸、QB…最深位置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6