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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022166506
(43)【公開日】2022-11-02
(54)【発明の名称】回路構成体
(51)【国際特許分類】
   H05K 7/12 20060101AFI20221026BHJP
【FI】
H05K7/12 Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021071763
(22)【出願日】2021-04-21
(71)【出願人】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(71)【出願人】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】弁理士法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤村 勇貴
(72)【発明者】
【氏名】薄井 良之
【テーマコード(参考)】
4E353
【Fターム(参考)】
4E353AA05
4E353AA11
4E353AA16
4E353AA25
4E353AA30
4E353BB02
4E353BB13
4E353CC12
4E353DD01
4E353GG20
(57)【要約】
【課題】回路構成体の製造工数を削減する。
【解決手段】コイル17が取り付けられたコイルモジュール15と、端子18が取り付けられた端子モジュール19と、前記端子モジュール19が取り付けられるとともに、前記端子モジュール19と電気的に接続される回路基板13と、前記コイルモジュール15の前記コイル17と前記端子モジュール19の前記端子18とを電気的に接続する電線20と、を備えた回路構成体12。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コイルが取り付けられたコイルモジュールと、
端子が取り付けられた端子モジュールと、
前記端子モジュールが取り付けられるとともに、前記端子モジュールと電気的に接続される回路基板と、
前記コイルモジュールの前記コイルと前記端子モジュールの前記端子とを電気的に接続する電線と、を備えた回路構成体。
【請求項2】
前記端子モジュールは複数の端子ユニットを有し、
前記複数の端子ユニットのそれぞれは、前記端子が固定される端子固定部と、ロック部と、前記複数の端子ユニットのうち隣り合う端子ユニットの前記ロック部に係合するロック受け部と、を有し、
前記複数の端子ユニットは、前記ロック部と前記ロック受け部とが係合することによって連結されている請求項1に記載の回路構成体。
【請求項3】
前記端子モジュールは中継端子を有し、
前記中継端子の一方の端部は前記端子と電気的に接続される第1接続部とされ、前記中継端子の他方の端部は前記回路基板と電気的に接続される第2接続部とされる請求項1または請求項2に記載の回路構成体。
【請求項4】
前記第2接続部は、前記回路基板に接続された基板用コネクタと電気的に接続される請求項3に記載の回路構成体。
【請求項5】
前記第2接続部は、前記回路基板と電気的に且つ物理的に接続された台座金具にボルト締結される請求項3に記載の回路構成体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、回路構成体に関する。
【背景技術】
【0002】
回路構成体として特開2007-221919号公報に記載のものが知られている。この回路構成体は、コイルと、コイルが取り付けられた金属基板と、金属基板が取り付けられた金属製のベースプレートと、コイルと電気的に接続されたプリント基板と、を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-221919号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電気自動車、ハイブリッド自動車等に配されて、これらの動力源に接続される回路構成体には、比較的に大きな電流が流れる。この電源装置に配設されるコイルに電流が流されると、コイルは発熱する。従来技術においては、コイルから発生した熱を逃がすため、コイルが金属製の放熱部材に取り付けられている。詳細には、コイルは、放熱性の高い金属基板と、やはり放熱性の高い金属製のベースプレートの双方にネジ止めされている。
【0005】
近時、電気自動車、ハイブリッド自動車等の高性能化に伴い、回路構成体に含まれるコイルの個数は増加する傾向にある。すると、コイルと放熱部材との取り付け工数が増加する。また、コイルと、プリント基板との電気的な接続工程も増加する。このため、回路構成体の製造工数を削減することが求められていた。
【0006】
本開示は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、回路構成体の製造工数を削減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、コイルが取り付けられたコイルモジュールと、端子が取り付けられた端子モジュールと、前記端子モジュールが取り付けられるとともに、前記端子モジュールと電気的に接続される回路基板と、前記コイルモジュールの前記コイルと前記端子モジュールの前記端子とを電気的に接続する電線と、を備えた回路構成体である。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、回路構成体の製造工数を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態1に係る回路構成体を備えた電気機器を示す斜視図である。
図2図2は、電気機器を示す平面図である。
図3図3は、図2におけるIII-III線断面図である。
図4図4は、図4におけるIV-IV線断面図である。
図5図5は、実施形態2に係る回路構成体を備えた電気機器を示す断面図であって、図6におけるV-V線断面図である。
図6図6は、電気機器を示す平面図である。
図7図7は、電気機器を示す斜視図である。
図8図8は、実施形態3に係る回路構成体を備えた電気機器を示す断面図であって、図9におけるVIII-VIII線断面図である。
図9図9は、電気機器を示す平面図である。
図10図10は、電気機器を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列挙して説明する。
【0011】
(1)本開示は、コイルが取り付けられたコイルモジュールと、端子が取り付けられた端子モジュールと、前記端子モジュールが取り付けられるとともに、前記端子モジュールと電気的に接続される回路基板と、前記コイルモジュールの前記コイルと前記端子モジュールの前記端子とを電気的に接続する電線と、を備えた回路構成体である。
【0012】
コイルはコイルモジュールに取り付けられているので、コイルを個別にネジ止めする場合に比べてコイルの取り付け工数を削減できる。
【0013】
端子が取り付けられた端子モジュールが回路基板に取り付けられることにより、端子と端子と回路基板とを電気的に接続できる。これにより、端子と、回路基板との組み付け工数を削減することができる。
【0014】
また、コイルがコイルモジュールに取り付けられることにより、端子モジュール、及び回路基板から、コイルを熱的に切り離すことができる。このように熱的に切り離されたコイルと、端子とが、電線を介して電気的に接続されることにより、コイルに電流が流れることにより発生した熱が回路基板に伝達されることを抑制することができる。
【0015】
(2)前記端子モジュールは複数の端子ユニットを有し、前記複数の端子ユニットのそれぞれは、前記端子が固定される端子固定部と、ロック部と、前記複数の端子ユニットのうち隣り合う端子ユニットの前記ロック部に係合するロック受け部と、を有し、前記複数の端子ユニットは、前記ロック部と前記ロック受け部とが係合することによって連結されていることが好ましい。
【0016】
任意の個数の端子ユニットを連結して端子モジュールを形成することにより、任意の個数のリレーに容易に対応することができる。
【0017】
(3)前記端子モジュールは中継端子を有し、前記中継端子の一方の端部は前記端子と電気的に接続される第1接続部とされ、前記中継端子の他方の端部は前記回路基板と電気的に接続される第2接続部とされることが好ましい。
【0018】
端子と回路基板とが中継端子を介して電気的に接続される。
【0019】
(4)前記第2接続部は、前記回路基板に接続された基板用コネクタと電気的に接続されることが好ましい。
【0020】
第2接続部を基板用コネクタと接続することにより、端子モジュールと回路基板とを容易に電気的に接続することができる。
【0021】
(5)前記第2接続部は、前記回路基板と電気的に且つ物理的に接続された台座金具にボルト締結されることが好ましい。
【0022】
第2接続部をボルト締結することにより、中継端子の第2接続部と回路基板とを確実に電気的に接続できる。回路基板と端子モジュールとを物理的に固定する構成と、回路基板と端子モジュールとを電気的に接続する構成とを兼ねることができる。
【0023】
[本開示の実施形態の詳細]
以下に、本開示の実施形態について説明する。本開示はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【0024】
<実施形態1>
本開示の実施形態1について、図1から図4を参照しつつ説明する。本実施形態に係る電気機器は、電気自動車や、ハイブリッド自動車等の車両(図示せず)に搭載されて、車両の駆動源である電池(図示せず)に接続される。図1に示されるように、電気機器10は、台座部11と、台座部11に取り付けられる回路構成体12と、を備える。以下の記載においては、説明の便宜のため、矢線Zで示される方向を上方とし、矢線Yで示される方向を前方とし、矢線Xで示される方向を左方として説明する。また、複数の同一部材については、一部の部材にのみ符号を付し、他の部材については符号を省略する場合がある。
【0025】
[電気機器10]
台座部11は金属製である。台座部11の形状は特に限定されないが、実施形態1に係る台座部11は上方から見て長方形状をなす板状に形成されている(図2参照)。台座部11を構成する金属は、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼等、任意の金属を選択できる。台座部11のうち略左半分は、後述する回路基板13が載置される基板載置部14とされる。台座部11のうち略右半分は、基板載置部14よりも上方にやや高く形成されるとともに、後述するコイルモジュール15が載置されるコイル載置部16とされる(図1参照)。
【0026】
[回路構成体12]
図1に示されるように、回路構成体12は、コイル17を有するコイルモジュール15と、端子18を有する端子モジュール19と、端子モジュール19が取り付けられる回路基板13と、コイルモジュール15のコイル17と端子モジュール19の端子18とを電気的に接続する電線20と、を備える。
【0027】
[コイルモジュール15]
図2に示されるように、コイルモジュール15は絶縁性の合成樹脂製であって、上方から見て、前後方向に細長く延びる長方形状をなしている。コイルモジュール15の前後方向の長さ寸法は、台座部11のコイル載置部16の前後方向についての長さ寸法よりもやや小さく設定されている。コイルモジュール15の四隅は、上下方向の厚さ寸法が他の部分よりも小さく設定されたボルト止め部21とされる。ボルト止め部21にはボルト22が挿通されて、ボルト22によって台座部11のコイル載置部16にコイルモジュール15が固定されるようになっている。
【0028】
コイルモジュール15の上面には、コイル17が収容される複数(本実施形態では4つ)のコイル収容部23が前後方向に間隔を空けて形成されている。コイル収容部23は、コイルモジュール15の上面から下方に窪んで形成されている。各コイル収容部23の口縁部は上方から見て円形状をなしている。
【0029】
各コイル収容部23には、コイル17が収容されている。コイル17は電線20がコア24に巻回された周知の構成のものである(図1参照)。本実施形態に係るコア24は、上下方向に延びる円筒形状をなしている。コア24は金属製であってもよく、また、フェライト製であってもよい。
【0030】
図3に示されるように、コイル17からは、2本の電線20が上方に導出されている。2本の電線20の端部には端子18が接続されている。端子18は、電線20と接続される電線接続部25と、電線接続部25に連なるとともに板状をなす板状部26と、を有する。電線接続部25は電線20に圧着、はんだ付け等の公知の手法により電気的に接続されている。板状部26にはボルト27が挿通される挿通孔28が貫通されている。
【0031】
[回路基板13]
回路基板13は公知のプリント配線技術により形成された導電路(図示せず)を有する。導電路は銅又は銅合金等を含む金属箔により形成されている。図2に示されるように、回路基板13は上方から見て前後方向に細長く延びた長方形状をなしている。回路基板13の四隅部は、ボルト29によって、台座部11の基板載置部14に固定されるようになっている。
【0032】
[端子モジュール19]
図2に示されるように、回路基板13の上面には、端子モジュール19が取り付けられている。端子モジュール19は、前後方向に並ぶ複数(本実施形態では4つ)の端子ユニット30が、連結して形成されている。端子ユニット30は絶縁性の合成樹脂が射出成型されてなる。端子ユニット30は上方から見て四角形状をなしている。
【0033】
図4に示されるように、端子ユニット30の前端部には、複数(本実施形態では4つ)のロック部31が前方に延びている。ロック部31は左右方向について偏平な板状をなしている。ロック部31の前端部には、左方、又は右方に突出するロック突起32が形成されている。
【0034】
図4に示されるように、端子ユニット30の後端部には、ロック部31のロック突起32と係止するロック受け部33が前方に凹んで形成されている。ロック受け部33に対してロック部31のロック突起32が前方から係止することにより、前後方向に隣り合う端子ユニット30同士が、前後方向について互いに抜け止め状態で保持されるようになっている。
【0035】
図3に示されるように、端子ユニット30の左側壁の下端部、及び右側壁の下端部には、下方に突出する係合爪34が形成されている。係合爪34が、回路基板13に形成された係合孔35の孔縁部に下方から係合することにより、端子ユニット30が回路基板13に対して上方に抜け止めされた状態で取り付けられるようになっている。
【0036】
図2に示されるように、端子ユニット30の上面には、複数(本実施形態では2つ)の端子固定部36が、前後方向に並んで設けられている。端子固定部36には、上記した端子18がそれぞれ載置されるようになっている。図3に示されるように、端子固定部36にはナット37が取り付けられている。端子固定部36に載置された端子18は、板状部26に挿通されたボルト27と、板状部26の下方に配されたナット37とが螺合することにより、端子固定部36に固定されるようになっている。
【0037】
図3に示されるように、端子固定部36には、中継端子38が載置されるようになっている。中継端子38は、金属製の板材がプレス加工されることにより所定の形状に形成されてなる。中継端子38は、前後方向から見てL字状に屈曲した形状をなしている。中継端子38の左端部は、端子18の板状部26とナット37との間に介在される第1接続部39とされる。ボルト27とナット37との間に、端子18の板状部26と中継端子38の第1接続部39とが挟まれた状態で、ボルト27とナット37とが螺合することにより、端子18の板状部26と、中継端子38の第1接続部39とが、電気的に接続されるようになっている。
【0038】
図3に示されるように、中継端子38のうち、第1接続部39の右方において下方に屈曲した部分は第2接続部40とされる。第2接続部40は、端子ユニット30の左端部寄りの位置に設けられたキャビティ41内に上方から挿入されている。キャビティ41は上下方向に延びて形成されている。キャビティ41の上側に設けられた開口から上記した第2接続部40がキャビティ41内に挿入されるようになっている。
【0039】
図3に示されるように、キャビティ41内には、金属製の弾性接触片42が配されている。弾性接触片42は、金属板材が屈曲した形状にプレス加工されてなる。弾性接触片42は弾性変形可能であって、中継端子38の第2接続部40と弾性的に接触するようになっている。
【0040】
図3に示されるように、キャビティ41は下方に開口している。キャビティ41内には、下方から基板側端子43が挿入されるようになっている。上記した弾性接触片42は、キャビティ41内に挿入された基板側端子43と弾性的に接触するようになっている。
【0041】
図3に示されるように、キャビティ41内において、中継端子38の第1接続部39と、基板側端子43とが、弾性接触片42と弾性的に接触することにより、第1接続部39と基板側端子43とが電気的に接続されるようになっている。
【0042】
図3に示されるように、基板側端子43は、絶縁性の合成樹脂が射出成型されてなる基板用コネクタ44に配されている。基板用コネクタ44は上方に開口して形成されている。基板側端子43は、基板用コネクタ44の下壁を上下方向に貫通している。基板用コネクタ44は、回路基板13の上面に取り付けられている。
【0043】
図3に示されるように、基板側端子43の下端部は、回路基板13に設けられたスルーホール(図示せず)に上方から挿通されることにより、回路基板13に形成された導電路と電気的に接続されるようになっている。基板側端子43の下端部は、スルーホールの内面に形成された導電路と、半田付け等の公知の手法により電気的に接続されている。基板側端子43と回路基板13の導電路との接続構造は限定されず、例えば、基板撓端子の下端部に形成されたいわゆるプレスフィット端子によりスルーホール内に形成された導電路と電気的に接続されてもよい。
【0044】
[実施形態1の組み立て工程]
続いて、実施形態1に係る電気機器10の組み立て工程の一例について説明する。電気機器10の組み立て工程は以下の記載に限定されない。
【0045】
コイル17から導出された電線20の端部に端子18が接続される。コイルモジュール15のコイル収容部23内に、上方からコイル17が収容される。端子18が接続された電線20が、コイル収容部23から上方に引き出される。コイルモジュール15が台座部11のコイル載置部16にボルト22により固定される。
【0046】
基板側端子43が基板用コネクタ44に組み付けられる。回路基板13の上面に基板用コネクタ44が固定される。
【0047】
端子ユニット30のキャビティ41内に弾性接触片42が下方から挿入されることにより、キャビティ41内に弾性接触片42が取り付けられる。複数の端子ユニット30同士が、前後方向に並べられる。隣り合う端子ユニット30のロック部31と、ロック受け部33とが係合することにより、複数の端子ユニット30同士が連結されて、端子モジュール19が形成される。
【0048】
端子モジュール19が上方から回路基板13に組み付けられる。このとき、中継端子38の第2接続部40が上方からキャビティ41内に挿入される。さらに端子モジュール19が上方から押圧されると、端子モジュール19の係合爪34が回路基板13の係合孔35内に挿入されて、係合爪34が係合孔35の孔縁部に下方から当接する。これにより、端子モジュール19が回路基板13に組み付けられる。回路基板13が、台座部11の基板載置部14にボルト29により固定される。
【0049】
端子18の板状部26が、端子固定部36に載置された第1接続部39の上に重ねられる。ボルト27により、端子18の板状部26と、中継端子38の第1接続部39とが固定される。以上により、回路構成体12、及び電気機器10が完成する。
【0050】
[実施形態1の作用効果]
続いて、実施形態1の作用効果について説明する。本実施形態1に係る回路構成体12は、コイル17が取り付けられたコイルモジュール15と、端子18が取り付けられた端子モジュール19と、端子モジュール19が取り付けられるとともに、端子モジュール19と電気的に接続される回路基板13と、コイルモジュール15のコイル17と、端子モジュール19の端子18とを、電気的に接続する電線20と、を備える。
【0051】
コイル17はコイルモジュール15に取り付けられているので、コイル17を個別にネジ止めする場合に比べてコイル17の取り付け工数を削減できる。
【0052】
端子18が取り付けられた端子モジュール19が回路基板13に取り付けられることにより、端子18と回路基板13とを電気的に接続できる。これにより、端子18と、回路基板13との組み付け工数を削減することができる。
【0053】
また、コイル17がコイルモジュール15に取り付けられることにより、端子モジュール19、及び回路基板13から、コイル17を熱的に切り離すことができる。このように熱的に切り離されたコイル17と、端子18とが、電線20を介して電気的に接続されることにより、コイル17に電流が流れることにより発生した熱が回路基板13に伝達されることを抑制することができる。
【0054】
また、本実施形態によれば、端子モジュール19は複数の端子ユニット30を有し、複数の端子ユニット30のそれぞれは、端子18が固定される端子固定部36と、ロック部31と、複数の端子ユニット30のうち隣り合う端子ユニット30のロック部31に係合するロック受け部33と、を有し、複数の端子ユニット30は、ロック部31とロック受け部33とが係合することによって連結されている。
【0055】
任意の個数の端子ユニット30を連結して端子モジュール19を形成することにより、任意の個数のコイル17に容易に対応することができる。
【0056】
本実施形態によれば、端子モジュール19は中継端子38を有し、中継端子38の一方の端部は端子18と電気的に接続される第1接続部39とされ、中継端子38の他方の端部は回路基板13に形成された導電路と電気的に接続される第2接続部40とされる。
【0057】
端子18と回路基板13とが中継端子38を介して電気的に接続される。
【0058】
本実施形態によれば、第2接続部40は、回路基板13の導電路に接続された基板用コネクタ44と電気的に接続される。
【0059】
第2接続部40を基板用コネクタ44と接続することにより、端子モジュール19と回路基板13とを容易に電気的に接続することができる。
【0060】
<実施形態2>
次に、本開示の実施形態2に係る電気機器50について、図5から図7を参照しつつ説明する。図5に示されるように、電気機器50の回路構成体51においては、回路基板13の上面に、金属板材が所定の形状にプレス加工されてなる台座金具52が固定されている。台座金具52を構成する金属としては、銅、銅合金等、任意の金属を選択できる。台座金具52は、上板53と、上板53の前端部、及び後端部からそれぞれ下方に延びる2つの側板54と、を有する。上板53には、後述するボルト55が貫通されている。側板54の下端部は、回路基板13の上面に形成された固定ランド(図示せず)に半田付けされている。これにより、台座金具52は回路基板13に物理的に固定されている。
【0061】
図6、及び図7に示されるように、端子モジュール19の左側壁の下端部には、左方に突出する左フランジ部57が形成されている。また、端子モジュール19の右側壁の下端部には、右方に突出する右フランジ部58が形成されている。
【0062】
端子モジュール19の左フランジ部57、及び右フランジ部58が、台座金具52の上板53に載置された状態で、左フランジ部57、及び右フランジ部58が、台座金具52に対してボルト55により固定される。詳細には、左フランジ部57、及び右フランジ部58の上方に配されたボルト55と、台座金具52の上板53の下方に配されたナット59とが螺合することにより、端子モジュール19が回路基板13に固定されるようになっている。
【0063】
上記以外の構成については、実施形態1と略同様なので、同一部材については同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0064】
本実施形態によれば、端子モジュール19は回路基板13に対してボルト55により強固に固定される。
【0065】
<実施形態3>
次に、本開示の実施形態3に係る電気機器70について、図8から図10を参照しつつ説明する。図8、及び図9に示されるように、電気機器70の回路構成体71に配された中継端子72は、前後方向から見て、クランク状に屈曲した形状に形成されている。中継端子72の右端部は端子18の板状部26と接続される第1接続部73とされる。また、中継端子72の左端部は、回路基板13に固定された台座金具75と接続される第2接続部74とされる。
【0066】
台座金具75は、金属板材が所定の形状にプレス加工されてなる。台座金具75を構成する金属としては、銅、銅合金等、導電性を有する任意の金属を選択できる。台座金具75は、上板76と、上板76の前端部、及び後端部からそれぞれ下方に延びる2つの側板77と、を有する。上板76には、後述するボルト78が挿通される挿通孔79が貫通されている。挿通孔79の孔縁部にはバーリング加工されることにより下方に突出するフランジ80が形成されている。
【0067】
台座金具75の側板77の下端部は、回路基板13の上面に形成された導電路(図示せず)に半田付けされている。これにより、台座金具75は、回路基板13の導電路と電気的に且つ物理的に接続される。
【0068】
中継端子72の第2接続部74が台座金具75の上板76に載置された状態で、第2接続部74が、台座金具75に対してボルト78により固定される。詳細には、第2接続部74の上方に配されたボルト78が、台座金具75の上板76に形成されたフランジ80に螺合することにより、端子モジュール19が回路基板13に固定されるとともに、中継端子72と回路基板13の導電路とが電気的に接続されるようになっている(図10参照)。
【0069】
上記以外の構成については、実施形態1と略同様なので、同一部材については同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0070】
本実施形態によれば、第2接続部74は、回路基板13の導電路に電気的に且つ物理的に接続された台座金具75にボルト締結される。
【0071】
第2接続部74をボルト締結することにより、中継端子72の第2接続部74と回路基板13の導電路とを確実に電気的に接続できる。また、回路基板13と端子モジュール19とを物理的に固定する構成と、回路基板13と端子モジュール19とを電気的に接続する構成とを兼ねることができる。
【0072】
<他の実施形態>
(1)コイルモジュール15は、1つ、2つ、3つ、又は5つ以上のコイル収容部23を有する構成としてもよい。
【0073】
(2)端子モジュール19は、1つ、2つ、3つ、又は5つ以上の端子ユニット30を有する構成としてもよい。
【0074】
(3)1つの端子ユニット30に2つの端子18が取り付けられる構成としたが、これに限られず、1つの端子ユニット30に1つの端子18が取り付けられる構成としてもよく、また、1つの端子ユニット30に3つ以上の端子18が取り付けられる構成としてもよい。
【0075】
(4)コイルモジュール15は、金属製であってもよいし、セラミック製であってもよく、必要に応じて任意の材料を選択できる。
【0076】
(5)回路基板13は金属基板でもよい。
【0077】
(6)コイル17と端子18とを電気的に接続する電線20は、コイル17を構成する電線20から導出された電線20に限られず、コイル17を構成する電線20とは異なる電線であってもよい。この場合には、コイル17を構成する電線20と、コイル17と端子18とを電気的に接続する電線とは、はんだ付け、コネクタ接続等の公知の手法により接続される。
【0078】
(7)実施形態3に係る台座金具75において、バーリング加工を省略してもよい。この場合には、上板76の下方に配されたナットとボルト78とを螺合させることにより、第2接続部74と台座金具75とを固定することができる。
【符号の説明】
【0079】
10、50、70: 電気機器
11: 台座部
12、51、71: 回路構成体
13: 回路基板
14: 基板載置部
15: コイルモジュール
16: コイル載置部
17: コイル
18: 端子
19: 端子モジュール
20: 電線
21: ボルト止め部
22: ボルト
23: コイル収容部
24: コア
25: 電線接続部
26: 板状部
27、29、55、78: ボルト
28: 挿通孔
30: 端子ユニット
31: ロック部
32: ロック突起
33: ロック受け部
34: 係合爪
35: 係合孔
36: 端子固定部
37、59: ナット
38、72: 中継端子
39、73: 第1接続部
40、74: 第2接続部
41: キャビティ
42: 弾性接触片
43: 基板側端子
44: 基板用コネクタ
52、75: 台座金具
53、76: 上板
54、77: 側板
57: 左フランジ部
58: 右フランジ部
79: 挿通孔
80: フランジ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10