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特開2022-166507ロッカー装置、ロッカーシステムおよびロッカー装置の制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022166507
(43)【公開日】2022-11-02
(54)【発明の名称】ロッカー装置、ロッカーシステムおよびロッカー装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
   G07F 17/12 20060101AFI20221026BHJP
   E05B 65/00 20060101ALI20221026BHJP
【FI】
G07F17/12
E05B65/00 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021071764
(22)【出願日】2021-04-21
(71)【出願人】
【識別番号】000001432
【氏名又は名称】グローリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100131842
【弁理士】
【氏名又は名称】加島 広基
(72)【発明者】
【氏名】丸田 勇
(72)【発明者】
【氏名】吉倉 貴慶
【テーマコード(参考)】
3E048
【Fターム(参考)】
3E048CA11
3E048CA17
3E048DA03
(57)【要約】
【課題】ユーザが操作部で対象ロッカーを開くための操作を行ってからこのユーザが対象ロッカーに到達するまでにユーザが預け入れた荷物が対象ロッカーから他人により取り出されることを抑止することができるロッカー装置、ロッカーシステム、ロッカー装置の制御方法を提供する。
【解決手段】ロッカー装置1は、各ロッカー10の扉12の開閉を制御する制御部60と、対象となるロッカー10の扉12を開くための操作を受け付ける操作部32と、この操作を行ったユーザの移動状況を検出する検出手段70とを備えている。制御部60は、操作部32が操作を受け付けた後、検出手段70により検出される移動状況に基づいて、このロッカー10の扉12を開くことが可能となるよう制御を行う。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のロッカーと、
各前記ロッカーの扉の開閉を制御する制御部と、
複数の前記ロッカーのうち対象ロッカーの前記扉を開くための操作を受け付ける操作部と、
前記操作を行ったユーザの移動状況を検出する検出手段と、
を備え、
前記制御部は、前記操作部が前記操作を受け付けた後、前記検出手段により検出される前記移動状況に基づいて、前記対象ロッカーの前記扉を開くことが可能となるよう制御を行う、ロッカー装置。
【請求項2】
前記検出手段は、前記ロッカー装置の幅方向に沿って並ぶよう設けられたユーザを検知するための複数の人感センサを含み、
前記制御部は、前記人感センサの検知結果に基づいて、前記操作を行ったユーザが前記対象ロッカーに近傍に到達したと判断すると、前記対象ロッカーの前記扉を開くことが可能となるよう制御を行う、請求項1記載のロッカー装置。
【請求項3】
前記制御部は、少なくとも前記対象ロッカーの近傍に位置する前記人感センサによりユーザが検知されるとユーザが前記対象ロッカーに近傍に到達したと判断する、請求項2記載のロッカー装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記操作部に近い位置にある前記人感センサから遠い位置にある前記人感センサまで順にユーザを検知しながら、前記対象ロッカーの近傍に位置する前記人感センサによりユーザが検知されるとユーザが前記対象ロッカーに近傍に到達したと判断する、請求項2記載のロッカー装置。
【請求項5】
各前記人感センサは前記ロッカー装置の前面から所定の距離の範囲内に存在するユーザを検知する、請求項2乃至4のいずれか一項に記載のロッカー装置。
【請求項6】
前記検出手段は、前記ロッカー装置の前方域を撮像する撮像手段により撮像された画像に基づいてユーザの移動状況を検出する、請求項1記載のロッカー装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記撮像手段により撮像された画像に基づいてユーザの身体的特徴および動作特徴のうち少なくとも一方を推定し、推定された前記身体的特徴および前記動作特徴のうち少なくとも一方も考慮して前記対象ロッカーの前記扉を開くことが可能となるタイミングを変えるよう制御を行う、請求項6記載のロッカー装置。
【請求項8】
前記操作部が前記操作を受け付けてから前記扉を開くことが可能となるまでの時間が前記ロッカー毎に予め記憶されており、
前記制御部は、前記操作部が前記操作を受け付けた後、前記対象ロッカーに対応して予め記憶されている時間が経過すると、前記対象ロッカーの前記扉を開くことが可能となるよう制御を行う、請求項1乃至7のいずれか一項に記載のロッカー装置。
【請求項9】
複数のロッカーと、
各前記ロッカーの扉の開閉を制御する制御部と、
複数の前記ロッカーのうち対象ロッカーの前記扉を開くための操作を受け付ける操作部と、
を備え、
前記操作部が前記操作を受け付けてから前記扉を開くことが可能となるまでの時間が前記ロッカー毎に予め記憶されており、
前記制御部は、前記操作部が前記操作を受け付けた後、前記対象ロッカーに対応して予め記憶されている時間が経過すると、前記対象ロッカーの前記扉を開くことが可能となるよう制御を行う、ロッカー装置。
【請求項10】
前記対象ロッカーの前記扉を開くための操作を行うユーザの顔を撮像する撮像部を更に備え、
前記制御部は、前記撮像部により撮像されたユーザの顔の画像に基づいてユーザの身体的特徴を推定し、推定された前記身体的特徴も考慮して、前記操作部が前記操作を受け付けてから前記対象ロッカーの前記扉を開くことが可能となるまでの時間を調整する、請求項9記載のロッカー装置。
【請求項11】
複数のロッカーと、複数の前記ロッカーのうち対象ロッカーの扉を開くための操作を受け付ける操作部と、前記操作部に対して前記操作を行ったユーザの移動状況を検出する検出手段とを有するロッカー装置と、
前記ロッカー装置の各前記ロッカーの扉の開閉を制御する制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、前記操作部が前記操作を受け付けた後、前記検出手段により検出される前記移動状況に基づいて、前記対象ロッカーの前記扉を開くことが可能となるよう制御を行う、ロッカーシステム。
【請求項12】
複数のロッカーと、複数の前記ロッカーのうち対象ロッカーの前記扉を開くための操作を受け付ける操作部と、前記操作部に対して前記操作を行ったユーザの移動状況を検出する検出手段とを有するロッカー装置と、
前記ロッカー装置の各前記ロッカーの扉の開閉を制御する制御装置と、
を備え、
前記操作部が前記操作を受け付けてから前記扉を開くことが可能となるまでの時間が前記ロッカー毎に予め記憶されており、
前記制御装置は、前記操作部が前記操作を受け付けた後、前記対象ロッカーに対応して予め記憶されている時間が経過すると、前記対象ロッカーの前記扉を開くことが可能となるよう制御を行う、ロッカーシステム。
【請求項13】
複数のロッカーと、複数の前記ロッカーのうち対象ロッカーの前記扉を開くための操作を受け付ける操作部と、前記操作部に対して前記操作を行ったユーザの移動状況を検出する検出手段とを有するロッカー装置の制御方法であって、
前記操作部が前記操作を受け付ける工程と、
前記操作部が前記操作を受け付けた後、ユーザの移動状況を前記検出手段により検出する工程と、
前記検出手段により検出される前記移動状況に基づいて、前記対象ロッカーの前記扉を開くことが可能となるようにする工程と、
を備えた、ロッカー装置の制御方法。
【請求項14】
複数のロッカーと、複数の前記ロッカーのうち対象ロッカーの前記扉を開くための操作を受け付ける操作部とを有するロッカー装置の制御方法であって、
前記操作部が前記操作を受け付けてから前記扉を開くことが可能となるまでの時間が前記ロッカー毎に予め記憶されており、
前記操作部が前記操作を受け付ける工程と、
前記操作部が前記操作を受け付けた後、前記対象ロッカーに対応して予め記憶されている時間が経過すると、前記対象ロッカーの前記扉を開くことが可能となるようにする工程と、
を備えた、ロッカー装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロッカー装置、ロッカーシステムおよびロッカー装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、預け入れる荷物を収納するロッカーを複数備えたロッカー装置として、様々なタイプのものが知られている。例えば、特許文献1に開示されるようなロッカー装置には、預け入れる荷物を収納するロッカーが複数設けられており、それぞれのロッカーの前面に、ロッカー毎に独立して開閉可能な扉が設けられている。各ロッカーには、扉の施錠および解錠を行う施錠部が設けられている。また、特許文献1に開示されるようなロッカー装置には、例えばその中央に、各ロッカーの扉の開閉処理や精算処理等を集中して管理する中央制御ユニットが設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-238646号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されるロッカー装置では、ユーザがロッカーに預け入れた荷物を取り出す際に、中央に設置されている中央制御ユニットで、荷物が預け入れられている対象ロッカーの扉を開くための操作を行う。このような操作により対象ロッカーの扉が中央制御ユニットによって開けられる。また、ユーザは、中央制御ユニットで操作を行った後に対象ロッカーまで移動し、扉を開けることにより預け入れた荷物を対象ロッカーから取り出す。
【0005】
しかしながら、このような方法では、ユーザが中央制御ユニットで対象ロッカーを開くための操作を行った直後に悪意ある第三者によって対象ロッカーから荷物が持ち去られたり、これから荷物を対象ロッカーに預け入れようとする第三者が扉を開くことによって元々預け入れられていた荷物が取り出されてしまったりするおそれがある。
【0006】
本発明はこのような点を考慮してなされたものであり、ユーザが操作部で対象ロッカーを開くための操作を行ってからこのユーザが対象ロッカーに到達するまでにユーザが預け入れた荷物が対象ロッカーから他人により取り出されることを抑止することができるロッカー装置、ロッカーシステムおよびロッカー装置の制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のロッカー装置は、複数のロッカーと、各前記ロッカーの扉の開閉を制御する制御部と、複数の前記ロッカーのうち対象ロッカーの前記扉を開くための操作を受け付ける操作部と、前記操作を行ったユーザの移動状況を検出する検出手段と、を備え、前記制御部は、前記操作部が前記操作を受け付けた後、前記検出手段により検出される前記移動状況に基づいて、前記対象ロッカーの前記扉を開くことが可能となるよう制御を行うことを特徴とする。
【0008】
本発明のロッカー装置においては、前記検出手段は、前記ロッカー装置の幅方向に沿って並ぶよう設けられたユーザを検知するための複数の人感センサを含み、前記制御部は、前記人感センサの検知結果に基づいて、前記操作を行ったユーザが前記対象ロッカーに近傍に到達したと判断すると、前記対象ロッカーの前記扉を開くことが可能となるよう制御を行ってもよい。
【0009】
この場合、前記制御部は、少なくとも前記対象ロッカーの近傍に位置する前記人感センサによりユーザが検知されるとユーザが前記対象ロッカーに近傍に到達したと判断してもよい。
【0010】
また、前記制御部は、前記操作部に近い位置にある前記人感センサから遠い位置にある前記人感センサまで順にユーザを検知しながら、前記対象ロッカーの近傍に位置する前記人感センサによりユーザが検知されるとユーザが前記対象ロッカーに近傍に到達したと判断してもよい。
【0011】
また、各前記人感センサは前記ロッカー装置の前面から所定の距離の範囲内に存在するユーザを検知してもよい。
【0012】
また、前記検出手段は、前記ロッカー装置の前方域を撮像する撮像手段により撮像された画像に基づいてユーザの移動状況を検出してもよい。
【0013】
また、前記制御部は、前記撮像手段により撮像された画像に基づいてユーザの身体的特徴および動作特徴のうち少なくとも一方を推定し、推定された前記身体的特徴および前記動作特徴のうち少なくとも一方も考慮して前記対象ロッカーの前記扉を開くことが可能となるタイミングを変えるよう制御を行ってもよい。
【0014】
また、前記操作部が前記操作を受け付けてから前記扉を開くことが可能となるまでの時間が前記ロッカー毎に予め記憶されており、前記制御部は、前記操作部が前記操作を受け付けた後、前記対象ロッカーに対応して予め記憶されている時間が経過すると、前記対象ロッカーの前記扉を開くことが可能となるよう制御を行ってもよい。
【0015】
本発明のロッカー装置は、複数のロッカーと、各前記ロッカーの扉の開閉を制御する制御部と、複数の前記ロッカーのうち対象ロッカーの前記扉を開くための操作を受け付ける操作部と、を備え、前記操作部が前記操作を受け付けてから前記扉を開くことが可能となるまでの時間が前記ロッカー毎に予め記憶されており、前記制御部は、前記操作部が前記操作を受け付けた後、前記対象ロッカーに対応して予め記憶されている時間が経過すると、前記対象ロッカーの前記扉を開くことが可能となるよう制御を行うことを特徴とする。
【0016】
本発明のロッカー装置は、前記対象ロッカーの前記扉を開くための操作を行うユーザの顔を撮像する撮像部を更に備え、前記制御部は、前記撮像部により撮像されたユーザの顔の画像に基づいてユーザの身体的特徴を推定し、推定された前記身体的特徴も考慮して、前記操作部が前記操作を受け付けてから前記対象ロッカーの前記扉を開くことが可能となるまでの時間を調整してもよい。
【0017】
本発明のロッカーシステムは、複数のロッカーと、複数の前記ロッカーのうち対象ロッカーの扉を開くための操作を受け付ける操作部と、前記操作部に対して前記操作を行ったユーザの移動状況を検出する検出手段とを有するロッカー装置と、前記ロッカー装置の各前記ロッカーの扉の開閉を制御する制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記操作部が前記操作を受け付けた後、前記検出手段により検出される前記移動状況に基づいて、前記対象ロッカーの前記扉を開くことが可能となるよう制御を行うことを特徴とする。
【0018】
本発明のロッカーシステムは、複数のロッカーと、複数の前記ロッカーのうち対象ロッカーの前記扉を開くための操作を受け付ける操作部と、前記操作部に対して前記操作を行ったユーザの移動状況を検出する検出手段とを有するロッカー装置と、前記ロッカー装置の各前記ロッカーの扉の開閉を制御する制御装置と、を備え、前記操作部が前記操作を受け付けてから前記扉を開くことが可能となるまでの時間が前記ロッカー毎に予め記憶されており、前記制御装置は、前記操作部が前記操作を受け付けた後、前記対象ロッカーに対応して予め記憶されている時間が経過すると、前記対象ロッカーの前記扉を開くことが可能となるよう制御を行うことを特徴とする。
【0019】
本発明のロッカー装置の制御方法は、複数のロッカーと、複数の前記ロッカーのうち対象ロッカーの前記扉を開くための操作を受け付ける操作部と、前記操作部に対して前記操作を行ったユーザの移動状況を検出する検出手段とを有するロッカー装置の制御方法であって、前記操作部が前記操作を受け付ける工程と、前記操作部が前記操作を受け付けた後、ユーザの移動状況を前記検出手段により検出する工程と、前記検出手段により検出される前記移動状況に基づいて、前記対象ロッカーの前記扉を開くことが可能となるようにする工程と、を備えたことを特徴とする。
【0020】
本発明のロッカー装置の制御方法は、複数のロッカーと、複数の前記ロッカーのうち対象ロッカーの前記扉を開くための操作を受け付ける操作部とを有するロッカー装置の制御方法であって、前記操作部が前記操作を受け付けてから前記扉を開くことが可能となるまでの時間が前記ロッカー毎に予め記憶されており、前記操作部が前記操作を受け付ける工程と、前記操作部が前記操作を受け付けた後、前記対象ロッカーに対応して予め記憶されている時間が経過すると、前記対象ロッカーの前記扉を開くことが可能となるようにする工程と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明のロッカー装置、ロッカーシステムおよびロッカー装置の制御方法によれば、ユーザが操作部で対象ロッカーを開くための操作を行ってからこのユーザが対象ロッカーに到達するまでにユーザが預け入れた荷物が対象ロッカーから他人により取り出されることを抑止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の実施の形態によるロッカー装置の正面図である。
図2図1に示すロッカー装置における一列分のロッカーの構成を示す斜視図である。
図3図2に示すロッカーのロッカー操作部の構成を示す斜視図である。
図4図3に示すロッカー操作部を裏側下方から斜め上に見たときの構成を示す斜視図である。
図5図3等に示すロッカー操作部の一部の構成を示す側面図であって、(a)は、施錠レバーが解錠位置にあるときの構成を示す図であり、(b)は、施錠レバーが施錠位置にあるときの構成を示す図である。
図6図1に示すロッカー装置における中央制御ユニットの正面図である。
図7図6に示す中央制御ユニットの機能ブロック図である。
図8図1等に示すロッカー装置におけるロッカーへの荷物の預け入れ動作を示すフローチャートである。
図9図1等に示すロッカー装置におけるロッカーからの荷物の取り出し動作を示すフローチャートである。
図10】本発明の実施の形態による他の構成のロッカー装置の正面図である。
図11図1等に示すロッカー装置の中央制御ユニットの操作表示部の表示画面を示す図である。
図12図1等に示すロッカー装置の中央制御ユニットの操作表示部の表示画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1乃至図6は、本実施の形態に係るロッカー装置等の構成を示す正面図や斜視図である。また、図7は、図1等に示すロッカー装置の中央制御ユニットの機能ブロック図である。また、図8および図9は、図1等に示すロッカー装置におけるロッカーへの荷物の預け入れ動作およびロッカーからの荷物の取り出し動作をそれぞれ示すフローチャートである。
【0024】
図1に示すように、本実施の形態によるロッカー装置1は、預け入れる荷物を収納するロッカー10を複数有するものである。具体的には、ロッカー装置1において例えば5段×10列の計50個のロッカー10からなるロッカー組合せ体が2組、中央制御ユニット30の両側に左右一対となるよう配置されている。なお、図1ではロッカー組合せ体の一部の図示が省略されている。本実施の形態では、図1に示すように、中央制御ユニット30の右側にあるロッカー10の列を中央制御ユニット30から近い順にR1、R2、R3・・・とし、中央制御ユニット30の左側にあるロッカー10の列を中央制御ユニット30から近い順にL1、L2、L3・・・としている。
【0025】
図1および図2に示すように、各ロッカー10の前面には、ロッカー10毎に独立して開閉可能な扉12が設けられている。また、各ロッカー10における扉12の右側にはロッカー操作部20が設けられている。ロッカー操作部20の構成の詳細については後述する。また、ロッカー装置1において、左右一対の2組のロッカー組合せ体の間には中央制御ユニット30が設けられており、この中央制御ユニット30により、各ロッカー10における荷物預入動作や、荷物取出動作、精算処理等が集中して管理されるようになっている。図6に示すように、中央制御ユニット30には、例えばタッチパネル等からなる操作表示部32や、ロッカー利用証明書等の各種レシートの印字を行うプリンタ38等が設けられている。このような中央制御ユニット30の構成の詳細については後述する。また、中央制御ユニット30の上方および下方にもそれぞれロッカー10が設けられているが、中央制御ユニット30の上方に配置されるロッカー10は、管理者用のメンテナンス工具や備品等を収納するための多目的ボックスとして使用されるようになっていてもよい。
【0026】
図2乃至図5を参照して、各ロッカー10における扉12の右側に設けられるロッカー操作部20について以下に説明する。
【0027】
ロッカー操作部20は、その前面が長方形形状となっているケーシング202を有しており、このケーシング202の上下方向における中央部分には略長方形形状の開口204が形成されている。開口204近傍におけるケーシング202の内部には、ユーザがロッカー10の扉12の仮施錠を行うための施錠レバー206が設けられている。施錠レバー206は開口204を貫通してケーシング202の内部から外側に突出するとともに、開口204に沿って上下方向に移動可能となっている。ロッカー操作部20では、施錠レバー206が上部位置にあるときを解錠位置とし、施錠レバー206が下部位置にあるときを施錠位置としている。
【0028】
図3に示すように、ケーシング202の前面上部には、ロッカー装置1の管理者が持つ鍵を用いて手動で扉12を解錠するためのシリンダ錠208が設けられている。
【0029】
図3乃至図5に示すように、ケーシング202の裏側には前板209および側板210がそれぞれ取り付けられている。側板210には、ロック部材212が軸214を中心として回転可能となるよう取り付けられている。また、ロック部材212の基端にはバネ216の一端が取り付けられており、このバネ216の他端は、側板210に取り付けられた固定部材218に固定されている。このようなバネ216が収縮する力により、ロック部材212には軸214を中心として図4および図5における時計回りの方向に回転する力が常に加えられるようになっている。ここで、ロック部材212が図5(a)に示す位置にあるときを解錠位置とし、図5(b)に示す位置にあるときを施錠位置とする。
【0030】
ロック部材212の前端側には、実際に閉じられた扉12のフック13が引っ掛けられる溝213が形成されている。また、ケーシング202および前板209にはフック13が通る切り欠きが形成されている。図5(a)に示すように、ロック部材212が解錠位置にあるときは、溝213は高い位置にあり、扉12が閉まった場合でもロック部材212の溝213にフック13が引っ掛けられないようになっている。一方、扉12が閉められた後、ロック部材212が軸214を中心として反時計回りの方向に回転することにより図5(b)に示す施錠位置に到達すると、ロック部材212の溝213にフック13が引っ掛けられ、扉12を開くことができなくなる。
【0031】
図4等に示すように、ロック部材212には、上下方向にスライドするスライド板220が取り付けられている。具体的には、スライド板220には上下方向に延びる長穴222が形成されており、側板210に取り付けられた固定部材224が長穴222を通るようになっている。このことにより、固定部材224が長穴222に沿って相対的に上下方向に移動する範囲内でスライド板220が上下方向にスライドする。また、スライド板220の下端には軸226が設けられており、この軸226を中心としてロック部材212が回転可能となるようスライド板220にロック部材212が取り付けられている。このことにより、スライド板220が上下方向にスライドすると、ロック部材212が軸214を中心として回転するようになる。ここで、図5(a)に示すようにスライド板220が上方にスライドした位置を解錠位置とし、図5(b)に示すようにスライド板220が下方にスライドした位置を施錠位置とする。スライド板220に何ら力が加えられていない場合は、図5(a)に示すように、バネ216がロック部材212を引っ張る力によりスライド板220は上方にスライドした位置(解錠位置)に維持される。
【0032】
また、ロッカー操作部20には、ロック部材212およびスライド板220が解錠位置にあるときを検知する検知センサ(図示せず)、および施錠位置にあるときを検知する検知センサ228がそれぞれ設けられている。
【0033】
図5に示すように、前板209には、施錠レバー206に取り付けられて上下方向にスライドするレバーブラケット234(図4では図示せず)が配置されている。レバーブラケット234は施錠レバー206と一体的に移動するようになっている。すなわち、施錠レバー206およびレバーブラケット234は上方の解錠位置と下方の施錠位置との間で一体的に上下移動する。また、ユーザが施錠レバー206を下方の施錠位置に押し下げたときにこの施錠レバー206を下方の施錠位置に維持するようレバーブラケット234を保持する保持部材(図示せず)が設けられている。なお、保持部材によるレバーブラケット234の保持力は弱く、ユーザが施錠レバー206を押し上げると保持部材によるレバーブラケット234の保持が解除されるようになっている。また、ソレノイド230のプランジャが移動し、ストッパ232が図5における右側に移動した場合も、保持部材によるレバーブラケット234の保持が解除されるようになっている。また、上方の解錠位置および下方の施錠位置にある施錠レバー206をそれぞれ検知するレバー検知センサが設けられている。
【0034】
施錠レバー206をユーザが上方の解錠位置から下方の施錠位置に下降させると、一体的に下降するレバーブラケット234がスライド板220を押し下げることにより、ロック部材212が軸214を中心として図4図5における反時計回りの方向に回転するようになっている。扉12が閉められた状態にあるときには、ロック部材212が軸214を中心として回転することにより施錠位置に到達すると、図5(b)に示すように、ロック部材212の溝213にフック13が引っ掛けられ、扉12を開くことができなくなる。
【0035】
また、スライド板220の上方位置において、側板210には、駆動手段としてのソレノイド230が設けられている。ソレノイド230には、ロッカー操作部20の前後方向(すなわち、図5における左右方向)に進退するプランジャが設けられており、ソレノイド230に駆動パルスが与えられるとプランジャが移動するようになっている。また、ソレノイド230に対して、プランジャの進退に連動して前後方向に移動するストッパ232が設けられている。図5ではソレノイド230はストッパ232の裏側に位置している。施錠レバー206が下方にスライドした位置(施錠位置)にあるときに、ソレノイド230のプランジャが移動すると、ストッパ232が図5における右側に移動することにより、レバーブラケット234の上方へのスライドがストッパ232により規制されるようになっている。このことにより、ユーザは施錠レバー206を上方の解錠位置に移動させることができなくなる。一方、ソレノイド230に駆動パルスが与えられていない状態では、ユーザは下方の施錠位置から上方の解錠位置に施錠レバー206を押し上げることができ、施錠レバー206が押し上げられるとスライド板220も上方の解錠位置にスライドするためフック13がロック部材212の溝213から外れることによりユーザは扉12を開くことができるようになる。
【0036】
また、ロッカー操作部20には、扉12の開閉を検知する扉開閉検出手段(図示せず)が設けられている。具体的には、扉12には被検知板(図示せず)が取り付けられており、また、側板210には完全に閉じられた状態にある扉12の被検知板を検知する扉検知センサ(図示せず)が設けられている。このことにより、扉検知センサにより被検知板が検知された場合は、扉開閉検出手段は扉12が完全に閉じられた状態であることを検知し、扉検知センサにより被検知板が検知されない場合は、扉開閉検出手段は扉12が開かれた状態であることを検知する。
【0037】
また、図3等に示すように、ロッカー操作部20のケーシング202における施錠レバー206よりも下方の位置にはLEDランプ250が設けられている。LEDランプ250は、ソレノイド230に駆動パルスが与えられておらず、ロック部材212およびスライド板220を解錠位置に移動させることにより扉12の開閉を行うことが可能な状態では点灯する。一方、扉12が完全に閉められた状態であることが扉開閉検出手段により検知されるとともにソレノイド230に駆動パルスが与えられ、施錠レバー206を押し上げることができない場合は、LEDランプ250は消灯する。
【0038】
また、本実施の形態のロッカー装置1はユーザの移動状況を検出する検出手段70を備えている。具体的には、検出手段70は、複数のロッカー10のうちユーザの荷物が保管されており扉12の解錠を行う対象となるロッカー10(対象ロッカーともいう)の扉12を開くための操作をロッカー操作部20に対して行ったユーザの移動状況を検出する。図1に示す例では、検出手段70として、ロッカー装置1の幅方向(図1における左右方向)に沿って並ぶよう設けられた複数の人感センサ72が用いられ、各人感センサ72によりユーザが検知されるようになっている。具体的には、各人感センサ72は、各ロッカー10の列毎に設けられている(すなわち、ロッカー10の列R1、R2、R3、・・・および列L1、L2、L3、・・・の各々に対応して設けられている)。ここで、各列の5段のロッカー10のうち最上段のロッカー10の上面に各人感センサ72が設置されている。各人感センサ72は、ロッカー装置1の前面から所定の距離の範囲内(例えば、ロッカー装置1の前面から5m以内)にある人を検知するようになっている。
【0039】
次に、中央制御ユニット30の構成について図6および図7を用いて説明する。図6は、図1に示すロッカー装置1における中央制御ユニット30の正面図であり、図7は、図6に示す中央制御ユニット30の機能ブロック図である。
【0040】
図6に示すように、中央制御ユニット30の前面上部には操作表示部32、スピーカ34、コードリーダ36が設けられている。また、中央制御ユニット30の前面において操作表示部32の下方には左右一対のプリンタ38が設けられており、これらのプリンタ38の右側にはICカードリーダ40が設けられている。また、中央制御ユニット30の前面における中央部分には硬貨投入口42および紙幣出入口44が設けられており、ユーザはこれらの硬貨投入口42や紙幣出入口44に硬貨や紙幣を投入することができるようになっている。また、中央制御ユニット30の前面下部には硬貨返却口46が設けられており、釣銭としての硬貨がこの硬貨返却口46によりユーザに払い戻されるようになっている。また、中央制御ユニット30の前面下部にはメンテナンス錠48が設けられており、ロッカー装置1の管理者がメンテナンス鍵をこのメンテナンス錠48に差し込んで回すと、この管理者は中央制御ユニット30で後述する管理モードを実行することができるようになる。
【0041】
図7に示すように、中央制御ユニット30の筐体内にはCPU等の制御部60が設けられており、操作表示部32、スピーカ34、コードリーダ36、プリンタ38、ICカードリーダ40等はそれぞれ制御部60に接続されている。また、中央制御ユニット30の筐体内には、硬貨の処理を行う硬貨処理部50および紙幣の処理を行う紙幣処理部52がそれぞれ設けられている。硬貨投入口42に投入された硬貨は、硬貨処理部50において金種や真偽、正損等の識別が行われた後、この硬貨処理部50の硬貨収納領域に収納されるようになっている。また、この硬貨処理部50の硬貨収納領域から釣銭としての硬貨が硬貨返却口46に払い出されるようになっている。また、紙幣出入口44に投入された紙幣は、紙幣処理部52において金種や真偽、正損等の識別が行われた後、この紙幣処理部52の紙幣収納領域に収納されるようになっている。また、ユーザが紙幣出入口44に紙幣を投入した後、この紙幣の払い戻しを行う際には、この紙幣出入口44によりユーザに紙幣が払い戻されるようになる。また、紙幣処理部52の紙幣収納領域から釣銭としての紙幣が紙幣出入口44に払い出されるようになっている。図7に示すように、これらの硬貨処理部50や紙幣処理部52は制御部60に接続されており、硬貨処理部50や紙幣処理部52の動作は制御部60により制御されるようになっている。ICカードリーダ40は、電子マネーによる支払いが行われる場合に、ICカード等の電子マネー媒体のデータを読み取ったり、書き込んだりする。
【0042】
また、図7に示すように、制御部60には通信部62が接続されており、この通信部62により制御部60は外部装置としての制御装置64や検出手段70との間で様々な情報の送受信が可能となっている。ここで、制御装置64として、例えば管理事務所に設けられた管理コンピュータ等が用いられる。また、制御部60には記憶部66が接続されている。記憶部66には、各ロッカー10における荷物の収納状況(荷物を収納している状態にあるか否か)、荷物預入処理や精算処理の履歴等が記憶されるようになっている。
【0043】
次に、本実施の形態によるロッカー装置1において、ユーザがロッカー10への荷物の預け入れを行う際の動作について図8に示すフローチャートを用いて説明する。
【0044】
ユーザがロッカー装置1のロッカー10への荷物の預け入れを行う際に、このユーザはまず複数のロッカー10のうち施錠されていないある一つのロッカー10に預け入れたい荷物を収納し、ロッカー操作部20の施錠レバー206によりこのロッカー10の扉12の仮施錠を行う(STEP101)。具体的には、ユーザは、ロッカー装置1における複数のロッカー10のうちロッカー操作部20のLEDランプ250が点灯しているロッカー10の扉12を開け、預け入れたい荷物を収納する。預け入れたい荷物をロッカー10に収納した後、ユーザは図3および図5(a)に示すような解錠位置にある施錠レバー206を下方に押し下げて施錠位置に移動させる。このことにより、図5(b)に示すように、ロック部材212の溝213にフック13が引っ掛けられ、扉12を開くことができなくなり、このロッカー10の扉12は仮施錠状態となる。また、この際に、レバーブラケット234が保持部材により保持される。また、ロッカー10の扉12の仮施錠が行われると、すなわち、扉12が完全に閉じられた状態であることが扉開閉検出手段により検知されるとともにスライド板220が下方にスライドした位置にあることが検知センサ228により検知されると、ロッカー操作部20のLEDランプ250が点滅するようになる。
【0045】
ロッカー10の扉12の仮施錠が行われた後、ユーザは中央制御ユニット30に移動する。また、ロッカー10の扉12の仮施錠が行われると、中央制御ユニット30の操作表示部32には複数のロッカー10を示す画面が表示されるとともに、「仮施錠した扉を選択してください」というメッセージが表示される。また、操作表示部32の表示画面において、仮施錠が行われたロッカー10は他のロッカー10と区別して表示される(STEP102)。中央制御ユニット30の操作表示部32に仮施錠が行われたロッカー10の選択画面が表示されているときに、ユーザにより、この選択画面における仮施錠が行われたロッカー10の箇所が押下されると、(STEP103の「YES」)、操作表示部32には、預入利用料金の支払い方法の選択を求める旨の選択画面が表示される。具体的には、「ICカード」および「現金」の2つのボタンが操作表示部32に表示される(STEP104)。
【0046】
中央制御ユニット30の操作表示部32に支払い方法の選択画面が表示されているときに、ユーザが操作表示部32において「ICカード」のボタンを押下することにより預入利用料金をICカードで支払うことを選択した場合には、操作表示部32には、中央制御ユニット30のICカードリーダ40によるICカードの読み取りを求める旨のメッセージが表示される(STEP105)。そして、ユーザがICカードをICカードリーダ40に近づけることにより、ICカードリーダ40によりICカードの読み取りが行われると(STEP106の「YES」)、仮施錠状態にあるロッカー10の扉12が施錠状態(本施錠状態)となる(STEP107)。具体的には、仮施錠状態にあるロッカー10のロッカー操作部20のソレノイド230に駆動パルスが与えられ、施錠レバー206を押し上げることができなくなる。また、中央制御ユニット30の制御部60において今回の取引(具体的には、ロッカー10の利用)に関する鍵番号が発行され、ICカードリーダ40により読み取られたICカードの識別番号と鍵番号との紐付けが行われる。また、制御部60において、利用されるロッカー10の番号と鍵番号との紐付けが行われる。互いに紐づけられたロッカー10の番号、鍵番号およびICカードの識別番号は記憶部66に記憶される。その後、ロッカーご利用証明書が中央制御ユニット30のプリンタ38により印字される(STEP108)。ここで、中央制御ユニット30で発行されるロッカーご利用証明書には、利用開始日時、鍵となるICカードの種類、施錠されたロッカー10の番号、預入利用料金の金額、ICカードで支払った金額、ICカードの残額、ICカードの番号等が印字される。
【0047】
また、中央制御ユニット30の操作表示部32に支払い方法の選択画面が表示されているときに、ユーザが操作表示部32において「現金」のボタンを押下することにより預入利用料金を現金で支払うことを選択した場合には、操作表示部32には、仮施錠が行われたロッカー10の番号および預入利用料金の金額が表示されるとともに、預入利用料金の支払いを求める旨のメッセージが表示される(STEP109)。そして、ユーザが中央制御ユニット30の硬貨投入口42や紙幣出入口44に硬貨や紙幣を投入することによって現金による預入利用料金の支払いを行うと(STEP110の「YES」)、仮施錠状態にあるロッカー10の扉12が施錠状態(本施錠状態)となる(STEP111)。具体的には、仮施錠状態にあるロッカー10のロッカー操作部20のソレノイド230に駆動パルスが与えられ、施錠レバー206を押し上げることができなくなる。また、中央制御ユニット30の制御部60において今回の取引(具体的には、ロッカー10の利用)に関する鍵番号が発行され、利用されるロッカー10の番号と鍵番号との紐付けが行われる。互いに紐づけられたロッカー10の番号および鍵番号は記憶部66に記憶される。
【0048】
その後、ロッカーご利用証明書が中央制御ユニット30のプリンタ38により印字される(STEP112)。ここで、中央制御ユニット30で発行されるロッカーご利用証明書には、施錠されたロッカー10の番号および預入利用料金の金額が印字されるとともに、鍵番号に関する情報を機械読み取り可能に保持する例えば二次元コード等のコードが印字される。このようなコードに保持された鍵番号に関する情報は、中央制御ユニット30のコードリーダ36により読み取り可能となっており、このことにより制御部60は当該ロッカーご利用証明書に係る鍵番号を取得することができるようになっている。また、ロッカーご利用証明書に印字される二次元コード等のコードには、ロッカー10の扉12の扉番号に関する情報およびロッカー装置1の設置場所に関する情報も保持されるようになる。
【0049】
次に、本実施の形態によるロッカー装置1において、ユーザがロッカー10から荷物の取り出しを行う際の動作について図9に示すフローチャートを用いて説明する。
【0050】
ユーザがロッカー装置1のロッカー10から荷物の取り出しを行う際に、中央制御ユニット30の操作表示部32の待機画面において、ユーザが「荷物を取り出す」というボタンを押下すると、荷物の預け入れ時の預入利用料金の支払い方法の選択画面が中央制御ユニット30の操作表示部32に表示されるようになる。具体的には、「ICカード」および「現金」の2つのボタンが操作表示部32に表示される(STEP201)。
【0051】
ユーザが操作表示部32において「ICカード」のボタンを押下することにより支払い方法をICカードに特定した場合には、操作表示部32には、中央制御ユニット30のICカードリーダ40によるICカードの読み取りを求める旨のメッセージが表示される(STEP202)。そして、ユーザがICカードをICカードリーダ40に近づけることにより、ICカードリーダ40によるICカードの読み取りが行われると(STEP203の「YES」)、制御部60においてICカードリーダ40により読み取られたICカードの識別番号に紐付けられた鍵番号が取得される。
【0052】
また、ユーザが操作表示部32において「現金」のボタンを押下することにより支払い方法を現金に特定した場合には、操作表示部32には、コードリーダ36によりロッカーご利用証明書に印字されたコードの読み取りを求める旨のメッセージが表示される(STEP204)。そして、ユーザがロッカーご利用証明書に印字されたコードをコードリーダ36に近づけることにより、コードリーダ36によるコードの読み取りが行われると(STEP205の「YES」)、このコードに保持された鍵番号が制御部60により取得される。
【0053】
そして、記憶部66に記憶されている情報に基づいて、取得された鍵番号に対応する、ユーザが荷物を預け入れたロッカー10の番号が特定される。ここで、所定の利用日数を超えてロッカー10に荷物が収納されることにより超過料金が発生している場合には(STEP206の「YES」)、中央制御ユニット30の操作表示部32に、超過料金が発生している旨のメッセージおよび超過料金の支払いを求める旨のメッセージがそれぞれ表示される(STEP207)。そして、ICカードをICカードリーダ40に近づけてこのICカードの読み取りを行ったり、硬貨投入口42に硬貨を投入したりすることにより、超過料金が支払われた後(STEP208の「YES」)、後述する解錠条件の監視に移行し、解錠条件がクリアされれば(STEP209の「YES」)、荷物が収納されたロッカー10の扉12の解錠が行われ、荷物が取り出し可能となる(STEP210)。また、超過料金が発生していない場合は(STEP206の「NO」)、そのまま後述する解錠条件の監視に移行し、解錠条件がクリアされれば(STEP209の「YES」)、荷物が収納されたロッカー10の扉12の解錠が行われ、荷物が取り出し可能となる(STEP210)。具体的には、ロッカー10のロッカー操作部20のソレノイド230に駆動パルスが与えられなくなり、ストッパ232の移動によって保持部材によるレバーブラケット234の保持が解除されることにより、レバーブラケット234が上方に押し上げられて施錠レバー206も上方の解錠位置に押し上げられる。また、中央制御ユニット30の操作表示部32には、図11に示すような、ロッカー10から荷物が取り出し可能となった旨のメッセージが表示される。その後、ユーザは中央制御ユニット30からロッカー10に移動し、このロッカー10の扉12を開くことにより、ロッカー10から荷物を取り出す。このようにして、本実施の形態によるロッカー装置1において、ユーザがロッカー10から荷物の取り出しを行う際の一連の動作が完了する。
【0054】
次に、STEP209において監視される解錠条件について説明する。なお、上述した荷物の取り出し動作では、ユーザが中央制御ユニット30で荷物を収納しているロッカー10の扉12を開くための操作を行った直後に、ユーザが中央制御ユニット30からこのロッカー10に移動する前に、悪意ある第三者によって当該ロッカー10から荷物が持ち去られたり、これから荷物をロッカー10に預け入れようとする第三者が扉12を開くことによって元々預け入れられていた荷物が取り出されてしまったりするおそれがある。これに対し、本実施の形態のロッカー装置1では、中央制御ユニット30の制御部60は、操作表示部32に対してロッカー10を開くための操作がユーザにより行われた後、検出手段70により検出されるユーザの移動状況に基づいて、このロッカー10の扉12を開くことが可能となるよう制御を行う。具体的には、中央制御ユニット30の制御部60で解錠操作を行ったユーザを各人感センサ72により追跡し、対象となるロッカー10に近づくとこのロッカー10のロッカー操作部20におけるソレノイド230への駆動パルスの付与が停止される。このことにより、中央制御ユニット30の制御部60で解錠操作を行ったユーザが対象となるロッカー10に向かって歩き始めた後、このユーザがロッカー10に近づくまでは、施錠レバー206およびレバーブラケット234が下方の施錠位置に維持されロック部材212およびスライド板220も施錠位置に維持されるため、第三者がロッカー10の扉12を開けることができなくなる。
【0055】
具体的には、制御部60は、少なくともユーザが扉12を開こうとするロッカー10の近傍に位置する人感センサ72によりユーザが検知されると、ユーザが対象となるロッカー10の近傍に到達したと判断し、このロッカー10のロッカー操作部20におけるソレノイド230への駆動パルスの付与を停止する。ここで、「ロッカー10の近傍に位置する人感センサ72」とは、荷物取り出しの対象となるロッカー10の列に設けられた人感センサ72のことをいう。例えば、ユーザが荷物を取り出そうとするロッカー10の列がR8である場合には、「ロッカー10の近傍に位置する人感センサ72」は、R8の列に設けられた人感センサ72である。あるいは、「ロッカー10の近傍に位置する人感センサ72」は、ロッカー10の近傍に位置する人感センサ72よりも予め設定された所定の列分(例えば、2列)だけ中央制御ユニット30に近いロッカー10の列に設けられた人感センサ72を指してもよい。例えば、ユーザが荷物を取り出そうとするロッカー10の列がR8である場合に、「ロッカー10の近傍に位置する人感センサ72」として、R8の列の2つ手前側の列であるR6の列に設けられた人感センサ72が設定されてもよい。ロッカー10の近傍に位置する人感センサ72によりユーザが検知されると、制御部60は、ユーザが対象となるロッカー10の近傍に到達したと判断する。
【0056】
別の方法として、制御部60は、中央制御ユニット30に近い位置にある人感センサ72から遠い位置にある人感センサ72まで順にユーザを検知しながら、対象となるロッカー10の近傍に位置する人感センサ72がユーザを検知すると、ユーザが対象となるロッカー10の近傍に到達したと判断してもよい。具体的には、中央制御ユニット30の操作表示部32で操作を行ったユーザが扉12を開こうするロッカー10が中央制御ユニット30の右側にある場合は、列R1に対応する人感センサ72、列R2に対応する人感センサ72、・・・の順に人感センサ72がユーザを検知し、そしてユーザが荷物を取り出そうとするロッカー10の近傍の列に設けられた人感センサ72がユーザを検知した場合にのみ、制御部60は、ユーザが対象となるロッカー10の近傍に到達したと判断し、このロッカー10のロッカー操作部20におけるソレノイド230への駆動パルスの付与を停止する。このことにより、中央制御ユニット30の操作表示部32でユーザが操作を行った後、たまたま第三者が対象となるロッカー10の近傍に位置する人感センサ72により検知されてしまって対象となるロッカー10の扉12を開けることが可能になってしまうことを防止することができる。
【0057】
また、中央制御ユニット30に近いロッカー10(例えば、中央制御ユニット30から左右1、2列以内にあるロッカー10や中央制御ユニット30の上下に配置されるロッカー10)については、ユーザが中央制御ユニット30の操作表示部32で対象となるロッカー10の扉12の解錠動作を行った後、すぐにこのロッカー10のロッカー操作部20におけるソレノイド230への駆動パルスの付与が停止され、扉12を開くことが可能となってもよい。このことにより、ユーザは中央制御ユニット30の操作表示部32で対象となるロッカー10の扉12の解錠動作を行ってからタイムラグなくこの扉12を開けることができるようになる。
【0058】
また、ユーザが中央制御ユニット30の操作表示部32で操作を行い、精算処理が完了した後、対象となるロッカー10の近傍に位置する人感センサ72がユーザを検知するまではこのロッカー10のロッカー操作部20のLEDランプ250がゆっくりと点滅する。一方、対象となるロッカー10の近傍に位置する人感センサ72がユーザを検知し、扉12を開くことが可能となった後はLEDランプ250が早く点滅する。このことにより、新たに荷物をロッカー10に預け入れようとする人は、LEDランプ250の点滅状態の変化によって、このLEDランプ250に対応するロッカー10から荷物がこれから取り出されようとしていることを認識することができる。
【0059】
以上のような構成からなる本実施の形態のロッカー装置1やこのロッカー装置1の制御方法によれば、制御部60は、操作表示部32に対して対象となるロッカー10の扉12を開くための操作がユーザにより行われた後、検出手段70により検出される当該ユーザの移動状況に基づいて、対象となるロッカー10の扉12を開くことが可能となるよう制御を行う。このことにより、ユーザが操作表示部32で対象となるロッカー10を開くための操作を行ってからこのユーザが対象となるロッカー10に到達するまでにユーザが預け入れた荷物が対象となるロッカー10から他人により取り出されることを抑止することができる。
【0060】
また、本実施の形態のロッカー装置において、検出手段70として複数の人感センサ72が用いられる代わりに監視カメラ等の撮像手段が用いられてもよい。このような態様について図10を用いて説明する。
【0061】
図10に示すように、本実施の形態による別の構成のロッカー装置2では、各列のロッカー10に対応して人感センサ72が設けられる代わりに、ロッカー装置2全体で1または複数の監視カメラ等のカメラ74が設けられている。カメラ74はロッカー装置1の前方域を常時撮像するようになっており、検出手段70は、カメラ74により撮像された画像に基づいてユーザの移動状況を検出する。カメラ74は、ロッカー装置2の周辺において盗難等の行為を監視するための監視カメラであってもいが、監視カメラとは別にロッカー装置2を利用するユーザを監視するための専用カメラが用いられてもよい。また、複数のカメラ74が設置される場合は、これらの複数のカメラ74が連携することにより、中央制御ユニット30の操作表示部32でロッカー10の扉12の解錠動作を行ったユーザを追跡してもよい。
【0062】
また、制御部60は、カメラ74により撮像された画像に基づいてユーザの身体的特徴および動作特徴のうち少なくとも一方を推定し、推定された身体的特徴および動作特徴のうち少なくとも一方も考慮して対象となるロッカー10の扉12を開くことが可能となるタイミングを変えるよう制御を行ってもよい。ここで、ユーザの身体的特徴とは、ユーザの例えば年齢、性別、身長、杖の有無等のことをいい、ユーザの動作特徴とは例えばユーザの歩き方のことをいう。例えば制御部60においてカメラ74により撮像された画像に基づいてユーザが高齢者であったり歩き方がゆっくりであると判断された場合は、ユーザが若年者である場合や歩き方が早い場合と比較して、ユーザが対象となるロッカー10により一層近い位置に到達したときに、ユーザが対象となるロッカー10の近傍に到達したと判断され、このロッカー10のロッカー操作部20におけるソレノイド230への駆動パルスの付与が停止される。このことにより、ユーザの歩き方がゆっくりである場合には、より一層対象となるロッカー10に近づかないとこの扉12を開くことが可能な状態とならないため、ユーザがロッカー10に到達する前に第三者がこのロッカー10から扉12を開いてしまうことをより一層確実に防止することができる。なお、カメラ74により撮像された画像に基づいて、ユーザが中央制御ユニット30から荷物を預け入れたロッカー10とは反対側の方向に歩き始めたときには、中央制御ユニット30のスピーカ34から警告メッセージが発せられるようになっていてもよい。
【0063】
また、本実施の形態では、ロッカー装置1の所有者とカメラ74の所有者が別であってもよい。この場合でも、カメラ74により撮像された画像のデータがロッカー装置1の制御部60に送信されることにより、ロッカー装置1の検出手段70は、カメラ74から送信された画像に基づいてユーザの移動状況を検出する。
【0064】
また、図1乃至図9に示すようなロッカー装置1や図10に示すようなロッカー装置2において、ロッカー10の扉12を開くための操作がユーザにより操作表示部32に対して行われてから扉12を開くことが可能となるまでの時間がロッカー10毎に予め設定されていてもよい。そして、制御部60は、操作表示部32に対して対象となるロッカー10の扉12を開くための操作がユーザにより行われた後、このロッカー10に対応する、予め設定されている時間が経過すると、対象となるロッカー10の扉12を開くことが可能となるよう制御を行ってもよい。具体的には、例えば、中央制御ユニット30の右側にある複数のロッカー10について、中央制御ユニット30から遠いロッカー10(例えば、R7、R8列のロッカー10)については解錠時間として例えば10秒、中央制御ユニット30にやや近いロッカー10(例えば、R3~R6列のロッカー10)については解錠時間として例えば5秒、中央制御ユニット30に近いロッカー10(例えば、R1~R2列のロッカー10)については解錠時間として例えば0秒が設定されている。このような各ロッカー10毎に設定された解錠時間に係る情報は記憶部66に記憶されている。また、各ロッカー10毎に設定された解錠時間に係る情報が記憶部66に記憶される代わりにロッカー装置1に通信可能に接続された外部装置(例えば、外部のクラウド等)に記憶され、制御部60が外部装置から各ロッカー10毎に設定された解錠時間に係る情報を受信してもよい。
【0065】
そして、操作表示部32に対して対象となるロッカー10の扉12を開くための操作がユーザにより行われた後、この解錠時間が経過すると、検出手段70によりユーザが対象となるロッカー10に近づいたことが検知されなくても、このロッカー10のロッカー操作部20におけるソレノイド230への駆動パルスの付与が停止される。このことにより、検出手段70として用いられる人感センサ72やカメラ74が故障した場合や、ユーザの特定や追跡に失敗した場合でも、解錠時間が経過すると対象となるロッカー10の扉12を開くことができるようになるため、荷物を預け入れたユーザがロッカー10の扉12を開くことができず荷物を取り出せなくなるというトラブルの発生を防止することができる。
【0066】
本実施の形態の更に別の態様として、人感センサ72やカメラ74等の検出手段70が設けられていないが、制御部60において、ロッカー10の扉12を開くための操作がユーザにより操作表示部32に対して行われてから扉12を開くことが可能となるまでの時間がロッカー10毎に予め設定されていてもよい。具体的には、例えば、中央制御ユニット30の右側にある複数のロッカー10について、中央制御ユニット30から遠いロッカー10(例えば、R7、R8列のロッカー10)については解錠時間として例えば10秒、中央制御ユニット30にやや近いロッカー10(例えば、R3~R6列のロッカー10)については解錠時間として例えば5秒、中央制御ユニット30に近いロッカー10(例えば、R1~R2列のロッカー10)については解錠時間として例えば0秒が設定されている。また、この場合に、制御部60は、操作表示部32に対して対象となるロッカー10の扉12を開くための操作がユーザにより行われた後、このロッカー10に対応する、予め設定されている時間が経過すると、対象となるロッカー10の扉12を開くことが可能となるよう制御を行ってもよい。このような更に別の態様のロッカー装置でも、中央制御ユニット30の操作表示部32においてユーザが対象となるロッカー10の扉12の解錠動作を行った後、対象となるロッカー10が中央制御ユニット30から離れている場合はすぐにこのロッカー10の扉12を開くことが可能となるのではなく、所定の解錠時間が経過した後に対象となるロッカー10の扉12を開くことが可能となる。このため、ユーザが操作表示部32で対象となるロッカー10を開くための操作を行ってからこのユーザが対象となるロッカー10に到達するまでに、ユーザが預け入れた荷物がロッカー10から他人により取り出されることを抑止することができる。
【0067】
また、このような更に別の態様のロッカー装置において、ユーザが操作する操作表示部32に、ロッカー10をすぐに解錠するためのボタンが設けられていてもよい。ロッカー10からの荷物の取り出しを急いでいるユーザは、ロッカー10の扉12を開くための操作をユーザが操作表示部32に対して行う際にこのボタンを押す。このことにより、操作表示部32に対するユーザによる解錠動作が行われた後、すぐに対象となるロッカー10のロッカー操作部20におけるソレノイド230への駆動パルスの付与が停止される。このことにより、急いでいるユーザは予め設定されている解錠時間を待つことなくロッカー10の扉12をすぐに開くことができるようになる。
【0068】
また、このような更に別の態様のロッカー装置において、中央制御ユニット30にカメラ(撮像部)が設けられており、操作表示部32で操作を行うユーザがカメラにより撮像されるようになっていてもよい。そして、制御部60は、このカメラにより撮像された画像に基づいてユーザの年齢、性別、身長、杖の有無等の身体的特徴を推定し、推定された身体的特徴も考慮して、対象となるロッカー10の扉12を開くことが可能となるタイミング(具体的には、解錠時間)を変えるよう制御を行ってもよい。例えば制御部60においてカメラにより撮像された画像に基づいてユーザが高齢者であると判断された場合は、ユーザが若年者である場合と比較して解錠時間を長くすることにより、ユーザが高齢者であり歩き方が遅い場合でも、ユーザがロッカー10に到達する前に第三者がこのロッカー10から扉12を開いてしまうことを防止することができる。
【0069】
また、荷物の預け入れ時の預入利用料金の支払い方法として「ICカード」が選択されており、ユーザがロッカー10から荷物の取り出しを行う際に、ユーザがICカードをICカードリーダ40に近づけることにより、ICカードリーダ40によるICカードの読み取りが行われるときに、このICカードからユーザの個人情報も読み取ることができる場合は、読み取られた個人情報(例えば、ユーザの年齢や障害の有無等)も考慮して、対象となるロッカー10の扉12を開くことが可能となるタイミング(具体的には、解錠時間)を変えるよう制御を行ってもよい。
【0070】
また、図2乃至図5に示すような構成のロッカー10では、ユーザが荷物をロッカー10に預け入れるときに、ロッカー10に荷物を詰め込みすぎていた場合でも、扉12を閉めて施錠レバー206を押し下げることができるときは、扉12を仮施錠した後に中央制御ユニット30による操作によって施錠(本施錠)することができる。しかし、荷物をロッカー10から取り出す際に、ロッカー10のロッカー操作部20におけるソレノイド230への駆動パルスの付与が停止されても、扉12に外向きの力がかかってしまい施錠レバー206が押し上げられなくなる場合がある。このような場合は、利用者はロッカー10の扉12を開くことができず、管理会社等に連絡することにより対応に手間がかかるという問題がある。なお、このような状態になった場合でも、ユーザは扉12をロッカー10の内側に押し込むと、扉12にかかる外向きの力が弱くなるため、ユーザが手動で施錠レバー206を上方の解錠位置に押し上げることができるようになる。
【0071】
このような問題が生じることを防止するために、本実施の形態では、ユーザによって中央制御ユニット30の操作表示部32でロッカー10の扉12の解錠動作が行われて解錠条件がクリアされた後、施錠レバー206が上方の解錠位置に押し上げられたことがレバー検知センサにより検知された場合は、操作表示部32には、図11に示すような、ロッカー10から荷物が取り出し可能となった旨のメッセージが表示される。一方、ユーザによって中央制御ユニット30の操作表示部32でロッカー10の扉12の解錠動作が行われて解錠条件がクリアされた後、施錠レバー206が上方の解錠位置に押し上げられたことがレバー検知センサにより検知されない場合は、操作表示部32には、図12に示すような、扉12をロッカー10の内側に押し込むことをユーザに促す旨のメッセージが追加的に表示される。このことにより、ユーザが中央制御ユニット30の操作表示部32でロッカー10の扉12の解錠動作を行った後、ロッカー10に移動して扉12を開けようとして開けられなかった場合でも、この扉12をロッカー10の内部に押し込むことによって施錠レバー206を手動で押し上げることができるようになるため、扉12を開けることができるようになる。その結果、ユーザが扉12を開けられなく荷物を取り出せなくなる事態の発生を抑えることができる。
【0072】
なお、本実施の形態によるロッカー装置1やその制御方法は、上述したような態様に限定されることはなく、様々な変更を加えることができる。
【0073】
例えば、上述したロッカー装置1の制御は、制御部60により行われるのではなく、ロッカー装置1とは別に設けられた制御装置64により遠隔で行われるようになっていてもよい。この場合、制御装置64は、中央制御ユニット30と信号の送受信を行いながら、操作表示部32に対して対象となるロッカー10の扉12を開くための操作がユーザにより行われた後、検出手段70により検出される当該ユーザの移動状況に基づいて、対象となるロッカー10の扉12を開くことが可能となるよう制御を行う。このことにより、制御装置64による遠隔制御によって、ユーザが操作表示部32で対象となるロッカー10を開くための操作を行ってからこのユーザが当該ロッカー10に到達するまでにユーザが預け入れた荷物がこのロッカー10から他人により取り出されることを抑止することができる。この場合、ロッカー装置1および制御装置64により、本発明に係るロッカーシステムが構成される。
【0074】
また、ロッカー装置1および制御装置64により構成されるロッカーシステムにおいて、ロッカー装置1に検出手段70が設けられておらず、制御装置64において、ロッカー10の扉12を開くための操作がユーザにより操作表示部32に対して行われてから扉12を開くことが可能となるまでの時間が前記ロッカー毎に予め設定されており、制御装置64は、操作表示部32に対して対象となるロッカー10の扉12を開くための操作がユーザにより行われた後、当該ロッカー10に対応する予め設定されている時間が経過すると、このロッカー10の扉12を開くことが可能となるよう制御を行ってもよい。
【0075】
また、上述したロッカー装置1では操作表示部32および制御部60が同じ中央制御ユニット30に設けられているが、操作表示部32および制御部60がそれぞれ別のユニットに設けられていてもよい。
【0076】
また、検出手段70によるユーザの移動状況を検出する方法は上述したものに限定されることはない。操作表示部32に対して対象となるロッカー10の扉12を開くための操作を行ったユーザの移動状況を検出することができるものであれば、検出手段70として、人感センサ72による検知結果を用いる方法や、カメラ74により撮像された画像を用いる方法以外の方法が用いられてもよい。
【0077】
また、各ロッカー10における荷物の収納状況(荷物を収納している状態にあるか否か)、荷物預入処理や精算処理の履歴等がロッカー装置1に記憶部66に記憶される代わりに、これらの情報がロッカー装置1とは別に設けられた外部装置(例えば、外部のクラウド等)に記憶され、制御部60が外部装置からこれらの情報を受信することにより制御部60が様々な制御を行うようになっていてもよい。
【符号の説明】
【0078】
1、2 ロッカー装置
10 ロッカー
12 扉
13 フック
20 ロッカー操作部
30 中央制御ユニット
32 操作表示部
34 スピーカ
36 コードリーダ
38 プリンタ
40 ICカードリーダ
42 硬貨投入口
44 紙幣出入口
46 硬貨返却口
48 メンテナンス錠
50 硬貨処理部
52 紙幣処理部
60 制御部
62 通信部
64 制御装置
66 記憶部
70 検出手段
72 人感センサ
74 カメラ
202 ケーシング
204 開口
206 施錠レバー
208 シリンダ錠
209 前板
210 側板
212 ロック部材
213 溝
214 軸
216 バネ
218 固定部材
220 スライド板
222 長穴
224 固定部材
226 軸
228 検知センサ
230 ソレノイド
232 ストッパ
234 レバーブラケット
250 LEDランプ
図1
図2
図3
図4
図5
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図12