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特開2022-166543光半導体素子および半導体レーザ装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022166543
(43)【公開日】2022-11-02
(54)【発明の名称】光半導体素子および半導体レーザ装置
(51)【国際特許分類】
   H01S 5/50 20060101AFI20221026BHJP
   H01S 5/323 20060101ALI20221026BHJP
   B82Y 20/00 20110101ALI20221026BHJP
【FI】
H01S5/50 610
H01S5/323 ZNM
B82Y20/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021071809
(22)【出願日】2021-04-21
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】506423051
【氏名又は名称】株式会社QDレーザ
(71)【出願人】
【識別番号】520124752
【氏名又は名称】株式会社ミライズテクノロジーズ
(74)【代理人】
【識別番号】110001128
【氏名又は名称】弁理士法人ゆうあい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】樽見 浩幸
(72)【発明者】
【氏名】鎌田 裕樹
(72)【発明者】
【氏名】武政 敬三
(72)【発明者】
【氏名】西 研一
(72)【発明者】
【氏名】大西 裕
【テーマコード(参考)】
5F173
【Fターム(参考)】
5F173AA08
5F173AB33
5F173AB44
5F173AF08
5F173AF18
5F173AF38
5F173AH02
5F173AJ04
5F173AJ05
5F173AR04
5F173AR06
5F173AR75
5F173MA10
(57)【要約】
【課題】温度変化による出力変動を低減することができる光半導体素子および半導体レーザ装置を提供する。
【解決手段】複数の量子ドット層242、243を有する活性層24を備え、複数の量子ドット層242、243のうち少なくとも一部の量子ドット層には、p型不純物が添加されており、複数の量子ドット層のうち少なくとも2つの量子ドット層は、互いに発光波長およびp型不純物の濃度が異なる。p型不純物濃度が互いに異なる2つの量子ドット層を用いることで、活性層の利得に、p型不純物濃度の高い量子ドット層の特性と、p型不純物濃度の低い量子ドット層の特性が含まれるようになる。したがって、温度変化による出力の変動を低減することができる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光半導体素子であって、
複数の量子ドット層を有する活性層を備え、
前記複数の量子ドット層のうち少なくとも一部の量子ドット層には、p型不純物が添加されており、
前記複数の量子ドット層のうち少なくとも2つの量子ドット層は、互いに発光波長および前記p型不純物の濃度が異なる光半導体素子。
【請求項2】
前記2つの量子ドット層のうちの一方は、他方よりも、前記p型不純物の濃度が高く、かつ、発光波長が短い請求項1に記載の光半導体素子。
【請求項3】
前記複数の量子ドット層のうち前記p型不純物の濃度が最も高い量子ドット層は、前記複数の量子ドット層に含まれる他の量子ドット層よりも発光波長が短い請求項1または2に記載の光半導体素子。
【請求項4】
前記複数の量子ドット層のうち前記p型不純物の濃度が最も低い量子ドット層は、前記複数の量子ドット層に含まれる他の量子ドット層よりも発光波長が長い請求項1ないし3のいずれか1つに記載の光半導体素子。
【請求項5】
前記複数の量子ドット層は、前記p型不純物の濃度が高い量子ドット層ほど発光波長が短い請求項1ないし4のいずれか1つに記載の光半導体素子。
【請求項6】
前記複数の量子ドット層の発光波長のうち隣り合う2つの発光波長の間隔は、環境温度の変化幅に、該2つの発光波長に対応する量子ドット層の温度係数を乗じて得られる距離以下である請求項1ないし5のいずれか1つに記載の光半導体素子。
【請求項7】
前記複数の量子ドット層の発光波長のうち隣り合う2つの発光波長の間隔は、該2つの発光波長に対応する量子ドット層の利得スペクトルの半値幅以下である請求項1ないし6のいずれか1つに記載の光半導体素子。
【請求項8】
前記複数の量子ドット層には、互いに同じ濃度で前記p型不純物が添加された2つ以上の量子ドット層が含まれており、
前記複数の量子ドット層の並びにおいて、該2つ以上の量子ドット層は、ひとかたまりとなって配置されている請求項1ないし7のいずれか1つに記載の光半導体素子。
【請求項9】
前記複数の量子ドット層には、互いに同じ濃度で前記p型不純物が添加された2つ以上の量子ドット層が含まれており、
前記複数の量子ドット層の並びにおいて、該2つ以上の量子ドット層は、2つ以上のかたまりに分割されて配置されている請求項1ないし7のいずれか1つに記載の光半導体素子。
【請求項10】
前記複数の量子ドット層のうち前記p型不純物の濃度が最も高い量子ドット層は、前記p型不純物の濃度が量子ドットの面密度の2倍以上とされている請求項1ないし9のいずれか1つに記載の光半導体素子。
【請求項11】
前記複数の量子ドット層のうち前記p型不純物の濃度が最も低い量子ドット層は、前記p型不純物の濃度が量子ドットの面密度の2倍未満とされている請求項1ないし10のいずれか1つに記載の光半導体素子。
【請求項12】
前記p型不純物は、ベリリウム、炭素、マグネシウムのいずれかで構成されている請求項1ないし11のいずれか1つに記載の光半導体素子。
【請求項13】
請求項1ないし12のいずれか1つに記載の光半導体素子と、
前記活性層の動作波長λopを選択する波長選択部(3)と、を備える半導体レーザ装置。
【請求項14】
前記複数の量子ドット層の発光波長のうち、最も短い発光波長をλpとし、最も長い発光波長をλuとして、
前記動作波長λopは、室温における前記発光波長λpと前記発光波長λuとの間の波長とされる請求項13に記載の半導体レーザ装置。
【請求項15】
前記複数の量子ドット層の発光波長のうち、最も短い発光波長をλpとし、最も長い発光波長をλuとして、
前記動作波長λopは、環境温度の中央の温度における前記発光波長λpと前記発光波長λuとの間の波長とされる請求項13に記載の半導体レーザ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、量子ドット層を備える光半導体素子および半導体レーザ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
SOA(半導体光増幅器)等の光半導体素子を用いた半導体レーザ装置において、量子ドット層による電子の3次元的な閉じ込めと、活性層近傍へのp型不純物のドープによって、高温時の出力低下を抑制し、広い温度範囲で高出力を得る方法が提案されている。
【0003】
量子ドット層を用いた光半導体素子は、量子井戸を用いたものに比べて高温時の出力が低下しにくいが、波長帯域が狭い。これについては、発光波長の異なる複数の量子ドット層を組み合わせることで、広帯域で大きな出力を得る技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008-244235号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、p型不純物が添加された量子ドット層は、低温時に利得が低下する。そのため、特許文献1のようにp型不純物が添加された量子ドット層のみを用いると、低温時に出力が不足するおそれがある。
【0006】
一方、p型不純物が添加されていない量子ドット層を用いることもできる。このような量子ドット層は、低温時の利得低下はp型不純物が添加された量子ドット層よりも小さいが、高温時の利得低下はp型不純物が添加された量子ドット層よりも大きい。そのため、p型不純物が添加されていない量子ドット層のみを用いると、高温時に出力が不足するおそれがある。
【0007】
本発明は上記点に鑑みて、温度変化による出力変動を低減することができる光半導体素子および半導体レーザ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、光半導体素子であって、複数の量子ドット層を有する活性層を備え、複数の量子ドット層のうち少なくとも一部の量子ドット層には、p型不純物が添加されており、複数の量子ドット層のうち少なくとも2つの量子ドット層は、互いに発光波長およびp型不純物の濃度が異なる。
【0009】
p型不純物濃度が互いに異なる2つの量子ドット層を用いることで、活性層の利得に、p型不純物濃度の高い量子ドット層の特性と、p型不純物濃度の低い量子ドット層の特性が含まれるようになる。したがって、温度変化による出力の変動を低減することができる。
【0010】
なお、各構成要素等に付された括弧付きの参照符号は、その構成要素等と後述する実施形態に記載の具体的な構成要素等との対応関係の一例を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】第1実施形態にかかる半導体レーザ装置の構成を示す図である。
図2図1に示すSOAの断面図である。
図3図2に示す活性層の断面図である。
図4】p型不純物の拡散について説明するための図である。
図5】活性層の利得スペクトルである。
図6】p型不純物濃度と出力との関係を示す図である。
図7】p型不純物濃度が低い量子ドット層の利得スペクトルである。
図8】p型不純物濃度が高い量子ドット層の利得スペクトルである。
図9】2つの量子ドット層の利得スペクトルと動作波長との関係を示す図である。
図10】比較例における高温時の利得スペクトルである。
図11】比較例における低温時の利得スペクトルである。
図12】第1実施形態における高温時の利得スペクトルである。
図13】第1実施形態における低温時の利得スペクトルである。
図14】第1実施形態における低電流域の利得スペクトルである。
図15】第2実施形態における活性層の断面図である。
図16】第3実施形態における活性層の断面図である。
図17】第3実施形態における活性層の利得スペクトルである。
図18】第3実施形態における高温時の利得スペクトルである。
図19】第3実施形態における低温時の利得スペクトルである。
図20】第4実施形態における活性層の断面図である。
図21】第4実施形態における活性層の利得スペクトルである。
図22】第4実施形態における高温時の利得スペクトルである。
図23】第4実施形態における低温時の利得スペクトルである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付して説明を行う。
【0013】
(第1実施形態)
第1実施形態について説明する。図1に示すように、本実施形態の半導体レーザ装置1は、光半導体素子であるSOA2と、波長選択部3とを備えている。半導体レーザ装置1は、例えばレーザレーダやLiDARなどに適用される。LiDARはLight Detection And Rangingの略である。SOA2と波長選択部3は、例えば図示しない半導体基板に半導体プロセスを施すことで形成される。
【0014】
SOA2は、レーザ光を発生させる光源である。図2に示すように、SOA2は、下部電極21と、基板22と、アンダークラッド層23と、活性層24と、オーバークラッド層25と、コンタクト層26と、上部電極27の積層構造によって構成されている。なお、図1では、SOA2のうちアンダークラッド層23、活性層24、オーバークラッド層25のみを図示している。
【0015】
図2に示すように、下部電極21は、基板22の裏面側、つまりアンダークラッド層23と反対側に接触させられている。基板22は、例えばGaAs基板などで構成されている。アンダークラッド層23は、n型のAlGaAsなどで構成されている。活性層24は、アンダークラッド層23の上面に形成されている。活性層24の詳細については、後述する。
【0016】
オーバークラッド層25は、活性層24の上面に形成されており、p型のAlGaAsなどで構成されている。コンタクト層26は、上部電極27とのコンタクトを取るためのものであり、オーバークラッド層25の上面に形成されている。コンタクト層26は、例えばGaAsで構成されている。
【0017】
上部電極27は、コンタクト層26の上面に形成されている。上部電極27とコンタクト層26およびオーバークラッド層25の表層部に至るまで凹部28が形成されており、SOA2は、凹部28以外の位置に上部電極27とコンタクト層26が突き出たメサ構造とされている。
【0018】
このように構成されたSOA2により、上部電極27と下部電極21との間に所定の電位差を発生させる電圧を印加することで、レーザ発振を生じさせ、活性層24の端面からレーザ光を出射させることができる。
【0019】
活性層24の詳細な構成について説明する。図3に示すように、活性層24は、中間層241を備えている。中間層241は、GaAsで構成されている。また、活性層24は、複数の量子ドット層を備えている。量子ドット層は、例えばInAs、InGaAsで構成されている。量子ドット層は、結晶成長や微細加工などによって形成された粒状の量子ドットを備えた構造であり、表面側および裏面側が中間層241によって覆われている。
【0020】
活性層24の利得スペクトルは、複数の量子ドット層の基底準位による発光によって構成される極大値を有し、活性層24の発光波長および利得強度は、複数の量子ドット層の構成によって決まる。利得スペクトルは、例えばHakki-Paoli法によって測定することができる。
【0021】
複数の量子ドット層のうち少なくとも一部の量子ドット層には、p型不純物が添加されている。そして、複数の量子ドット層のうち少なくとも2つの量子ドット層は、互いに発光波長およびp型不純物の濃度が異なる。複数の量子ドット層の発光波長のうち、最も短い発光波長をλpとし、最も長い発光波長をλuとする。
【0022】
本実施形態の活性層24は、2種類の量子ドット層を備えている。2種類の量子ドット層をそれぞれ量子ドット層242、243とする。これらのうち量子ドット層242にはp型不純物が添加されており、量子ドット層243はp型不純物をほとんど含まないアンドープ層とされている。
【0023】
p型不純物濃度は、例えば1つの量子ドットに閉じ込められる正孔の数を基準にして設定される。具体的には、1つの量子ドットには、正孔が2つまで閉じ込められる。そして、複数の量子ドット層のうちp型不純物の濃度が最も高い量子ドット層は、p型不純物の濃度が量子ドットの面密度の2倍以上とされる。また、複数の量子ドット層のうちp型不純物の濃度が最も低い量子ドット層は、p型不純物の濃度が量子ドットの面密度の2倍未満とされる。本実施形態では、量子ドット層242のp型不純物濃度は量子ドット242aの面密度の2倍以上とされており、量子ドット層243のp型不純物濃度は量子ドット243aの面密度の2倍未満とされている。
【0024】
活性層24は、量子ドット層242と、量子ドット層243とをそれぞれ4層備えている。4層の量子ドット層242は、p型不純物濃度が互いに等しい。また、4層の量子ドット層243は、p型不純物濃度が互いに等しい。4層の量子ドット層242は、4層の量子ドット層243の上部に積層されている。また、前述したように、各量子ドット層242、243の両側には中間層241が積層されている。2つの量子ドット層242の間に形成された中間層241と、最上部の量子ドット層242の上に形成された中間層241には、p型不純物層241aが含まれている。
【0025】
p型不純物層241aは、中間層241の形成途中にp型不純物を添加することで形成された層であり、GaAs中に微量のp型不純物が含まれた構成とされている。このp型不純物は、ベリリウム、炭素、マグネシウムのいずれかで構成されている。このようにp型不純物層241aを量子ドット層242の近傍に配置することで、図4の矢印で示すように、p型不純物層241aから拡散したp型不純物が、量子ドット層242に添加される。
【0026】
前述したように、量子ドット層242と量子ドット層243は、互いに発光波長が異なる。具体的には、量子ドット層242の発光波長は、量子ドット層243の発光波長よりも短くされている。本実施形態では、波長λpは量子ドット層242の発光波長、すなわち、量子ドット層242の利得がピークをとる波長であり、波長λuは量子ドット層243の発光波長である。
【0027】
このような構成により、活性層24の利得スペクトルは、図5に示すようになる。図5において、実線は活性層24の利得スペクトルを示し、左側の一点鎖線は量子ドット層242の利得スペクトルを示し、右側の一点鎖線は量子ドット層243の利得スペクトルを示す。このように、2つの利得スペクトルを組み合わせることにより、波長λp、λuの間の波長で利得が大きい広帯域のスペクトルが構成される。
【0028】
なお、波長λpと波長λuが離れていると活性層24の利得スペクトルが広帯域化するが、波長λpと波長λuがあまりに大きく離れていると波長λp、λuの間の波長で利得が落ち込むため、波長λp、λuの間隔はある程度小さくされる。
【0029】
具体的には、波長λp、λuの間隔は、環境温度の変化幅に、量子ドット層242、243の温度係数を乗じて得られる距離以下とされる。環境温度の変化幅は、半導体レーザ装置1が使用される環境において想定される温度変化の幅である。
【0030】
温度係数は、以下のように求められる。量子ドット層の利得スペクトルは、温度変化によって波長がシフトする。環境温度がT1のときに量子ドット層242の利得がピークをとる波長をλ1とし、環境温度がT2のときに量子ドット層242の利得がピークをとる波長をλ2として、温度係数は、(λ2-λ1)/(T2-T1)とされる。波長λ1、λ2は、測定によって得られる。
【0031】
なお、量子ドット層242、243において、温度変化による発光波長のシフト量はほぼ等しいため、量子ドット層242、243の温度係数はほぼ等しい。したがって、波長間隔の設定に用いる温度係数は、量子ドット層242の温度係数と量子ドット層243の温度係数のいずれでもよい。
【0032】
また、図5に示すように、波長λpと波長λuの間隔は、量子ドット層242、243の利得スペクトルの半値幅以下とされる。
【0033】
波長選択部3は、半導体レーザ装置1の動作波長、具体的には、活性層24の動作波長を選択するものであり、図1に示すように、エタロンフィルタ31と、ミラー32とを備えている。活性層24の動作波長をλopとする。
【0034】
エタロンフィルタ31は、所定の波長のみを透過させるものである。エタロンフィルタ31は、活性層24から射出された光が入射するように配置されており、図1の矢印A1で示すように、エタロンフィルタ31を透過した光は、ミラー32に入射する。
【0035】
ミラー32は、エタロンフィルタ31から入射した光を、エタロンフィルタ31に向かって反射するように配置されている。矢印A2で示すように、ミラー32で反射した光は、エタロンフィルタ31を透過して活性層24に入射し、活性層24のうちエタロンフィルタ31、ミラー32とは反対側の端面から射出される。エタロンフィルタ31の設計によって、透過させる光の波長を調整することにより、半導体レーザ装置1の動作波長を選択することができる。
【0036】
本実施形態では、波長選択部3は、活性層24をシングルモード発振、すなわち、単一の波長で発振させるように動作波長λopを選択する。具体的には、波長選択部3は、2つのエタロンフィルタ31を備えている。2つのエタロンフィルタ31をそれぞれエタロンフィルタ31a、31bとする。
【0037】
エタロンフィルタ31a、31bは、自由スペクトル間隔が異なっており、エタロンフィルタ31aが透過させる複数の波長と、エタロンフィルタ31bが透過させる複数の波長とが、1つの波長のみで重複している。したがって、図1に示すように、活性層24から射出された光の経路上にエタロンフィルタ31a、31bを置くことで、この1つの波長の光がミラー32に入射し、活性層24に戻る。これにより、活性層24がシングルモード発振するようになる。
【0038】
活性層24がマルチモード発振するように動作波長λopを選択してもよいが、活性層24がシングルモード発振することで、利得変動を低減することができる。
【0039】
なお、ここでは波長選択部3がエタロンフィルタ31とミラー32とで構成される場合について説明したが、波長選択部3が所定の波長の光のみを反射する回折格子等で構成されていてもよい。波長選択部3を回折格子で構成する場合には、活性層24はシングルモード発振する。また、エタロンフィルタや回折格子等で構成される波長選択部3に対して、外部から電圧等を印加することによって、半導体レーザ装置1の動作波長を選択してもよい。また、ミラー32の反射率を調整して、光をミラー32側に出射させてもよい。
【0040】
動作波長λopは、所定の温度における波長λpと、所定の温度における波長λuとの間の波長とされる。この所定の温度は、室温、あるいは、想定される環境温度の中央の温度である。室温とは、20℃以上28℃以下の温度、例えば25℃である。想定される環境温度は、例えば-40℃以上85℃以下の温度である。
【0041】
量子ドット層の利得の温度特性について説明する。前述したように、量子ドット層の利得スペクトルは、温度変化によって波長がシフトする。具体的には、温度が上昇すると利得スペクトルは長波長側にシフトし、温度が低下すると利得スペクトルは短波長側にシフトする。そのため、動作波長を固定すると、温度変化によって量子ドット層の出力が低下する。
【0042】
これに対して、発光波長の異なる複数の量子ドット層を組み合わせて用いることにより、利得スペクトルを広帯域化し、波長シフトによる利得の低下を低減することができる。
【0043】
しかしながら、量子ドット層は、温度変化によって利得も増減する。そして、利得の増減量は、p型不純物濃度によって変化する。具体的には、図6に示すように、85℃等の高温時にはp型不純物濃度が上がるにつれて出力が増加するのに対し、-40℃等の低温時にはp型不純物濃度が上がるにつれて出力が低下する。
【0044】
そのため、p型不純物濃度が低い量子ドット層では、図7に示すように、高温時には、室温時および低温時に比べて利得が低下する。また、p型不純物濃度が高い量子ドット層では、図8に示すように、低温時には、室温時および高温時に比べて利得が低下する。なお、図7図8において、実線は室温時の利得スペクトルを示し、一点鎖線は低温時の利得スペクトルを示し、二点鎖線は高温時の利得スペクトルを示す。
【0045】
発光波長の異なる複数の量子ドット層を組み合わせて用いる場合にも、各量子ドット層のp型不純物濃度を同じにすると、上記の温度特性により出力が低下するおそれがある。
【0046】
例えば、共にp型不純物濃度が高く、互いに発光波長が異なる2つの量子ドット層を用い、図9に示すように室温時における2つのピーク波長の中央に動作波長λopを固定する場合を想定する。図9図13において、実線は活性層の利得スペクトルを示し、左側の一点鎖線は発光波長が短い一方の量子ドット層の利得スペクトルを示し、右側の一点鎖線は発光波長が長い他方の量子ドット層の利得スペクトルを示す。
【0047】
この場合、85℃等の高温時には、図10に示すように、2つの利得スペクトルが長波長側にシフトする。2つの量子ドット層の組み合わせにより利得スペクトルが広帯域化しているため、ある程度の範囲の温度変化であれば、活性層全体の利得スペクトルのピーク波長と短波長側の利得スペクトルのピーク波長との間に動作波長λopが位置するようになる。また、p型不純物濃度が高いことにより、高温時には利得が大きいまま保持される。そのため、短波長側の利得によって出力が保たれる。
【0048】
一方、-40℃等の低温時には、図11に示すように、2つの利得スペクトルが短波長側にシフトするとともに利得が低下する。そのため、出力が低下する。
【0049】
また、共にp型不純物濃度が低い2つの量子ドット層を用いる場合を想定する。この場合、低温時には、ある程度の範囲の温度変化であれば、活性層全体の利得スペクトルのピーク波長と長波長側の利得スペクトルのピーク波長の間に動作波長λopが位置するようになる。また、p型不純物濃度が低いことにより、低温時には利得が大きいまま保持される。そのため、長波長側の利得によって出力が保たれる。一方、高温時には、2つの利得スペクトルが長波長側にシフトするとともに利得が低下するため、出力が低下する。
【0050】
このように、発光波長が異なる2つの量子ドット層を用いても、各量子ドット層のp型不純物濃度を同じにすると、動作波長λopを固定する場合に出力の変動が大きくなる。
【0051】
これに対して、本実施形態では、量子ドット層242は量子ドット層243よりも発光波長が短く、p型不純物濃度が高くされている。
【0052】
そのため、85℃等の高温時には、図12に示すように、2つの利得スペクトルが長波長側にシフトし、p型不純物濃度の低い量子ドット層243の利得が低下する。しかしながら、短波長側の量子ドット層242の利得は大きいまま維持されるため、動作波長λopにおける利得が維持され、出力が保たれる。
【0053】
また、-40℃等の低温時には、図13に示すように、2つの利得スペクトルが短波長側にシフトし、p型不純物濃度の高い量子ドット層242の利得が低下する。しかしながら、長波長側の量子ドット層243の利得は大きいまま維持されるため、動作波長λopにおける利得が維持され、出力が保たれる。
【0054】
このように、発光波長およびp型不純物濃度が異なる2つの量子ドット層を用いることで、動作波長λopを固定する場合にも出力の変動が低減される。
【0055】
また、本発明者らが行った実験では、本実施形態により、低電流域における利得が図14に示すように改善された。図14において、実線は、本実施形態の利得スペクトルを示し、一点鎖線は、共にp型不純物濃度が高く、互いに発光波長が異なる2つの量子ドット層を用いた場合の利得スペクトルを示す。図14に示すように、本実施形態では、発光波長の長い量子ドット層243のp型不純物濃度を低くすることで、発光バランスが改善され、短波長側の利得が向上した。
【0056】
以上説明したように、本実施形態では、活性層24が複数の量子ドット層を有し、複数の量子ドット層のうち少なくとも一部の量子ドット層には、p型不純物が添加されている。そして、複数の量子ドット層のうち少なくとも2つの量子ドット層は、互いに発光波長およびp型不純物の濃度が異なる。これにより、温度変化による出力の変動を低減することができる。
【0057】
また、上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
【0058】
(1)2つの量子ドット層のうちの一方は、他方よりも、p型不純物の濃度が高く、かつ、発光波長が短い。したがって、低電流域における利得が改善され、温度変化による出力変動をさらに低減することができる。
【0059】
(2)複数の量子ドット層のうちp型不純物の濃度が最も高い量子ドット層は、複数の量子ドット層に含まれる他の量子ドット層よりも発光波長が短い。したがって、低電流域における利得が改善され、温度変化による出力変動をさらに低減することができる。
【0060】
(3)複数の量子ドット層のうちp型不純物の濃度が最も低い量子ドット層は、複数の量子ドット層に含まれる他の量子ドット層よりも発光波長が長い。したがって、低電流域における利得が改善され、温度変化による出力変動をさらに低減することができる。
【0061】
(4)複数の量子ドット層の発光波長のうち隣り合う2つの発光波長の間隔は、環境温度の変化幅に、該2つの発光波長に対応する量子ドット層の温度係数を乗じて得られる距離以下である。したがって、該2つの発光波長の間の波長における利得の落ち込みを抑制することができる。
【0062】
(5)複数の量子ドット層の発光波長のうち隣り合う2つの発光波長の間隔は、該2つの発光波長に対応する量子ドット層の利得スペクトルの半値幅以下である。したがって、該2つの発光波長の間の波長における利得の落ち込みを抑制することができる。
【0063】
(6)複数の量子ドット層には、互いに同じ濃度でp型不純物が添加された2つ以上の量子ドット層が含まれており、複数の量子ドット層の並びにおいて、該2つ以上の量子ドット層は、ひとかたまりとなって配置されている。したがって、活性層24の製造が容易になる。
【0064】
(7)p型不純物は、ベリリウム、炭素、マグネシウムのいずれかで構成されている。このように拡散係数が小さいp型不純物を用いることで、所望の量子ドット層にp型不純物を拡散させつつ、他の量子ドット層へのp型不純物の拡散を抑制することができる。
【0065】
(8)動作波長λopは、所定の温度における波長λpと波長λuとの間の波長とされている。したがって、動作波長λopが波長λp、λuの間に位置する場合が多くなり、温度変化による利得変動をさらに低減することができる。
【0066】
(第2実施形態)
第2実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態に対して量子ドット層242、243の配置を変更したものであり、その他については第1実施形態と同様であるため、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
【0067】
図15に示すように、本実施形態では、4層の量子ドット層242と、4層の量子ドット層243とが、それぞれ2つ以上のかたまりに分割されて配置されている。具体的には、量子ドット層242、243は、それぞれ2層ずつのかたまりに分割されており、2層の量子ドット層242と2層の量子ドット層243とが交互に配置されている。p型不純物層241aは、2層の量子ドット層242の間に配置されている。これにより、p型不純物層241aの両側に位置する量子ドット層242にp型不純物が拡散する。活性層24がこのような構成とされた本実施形態においても、第1実施形態と同様の利得スペクトルが得られる。
【0068】
本実施形態は、第1実施形態と同様の構成および作動からは第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0069】
また、上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
【0070】
(1)複数の量子ドット層には、互いに同じ濃度でp型不純物が添加された2つ以上の量子ドット層が含まれており、複数の量子ドット層の並びにおいて、該2つ以上の量子ドット層は、2つ以上のかたまりに分割されて配置されている。そして、p型不純物層241aは、2つの量子ドット層242の間に配置されている。したがって、量子ドット層243へのp型不純物の拡散を抑制することができる。
【0071】
(第3実施形態)
第3実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態に対して量子ドット層の数を変更したものであり、その他については第1実施形態と同様であるため、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
【0072】
図16に示すように、本実施形態の活性層24は、3種類の量子ドット層を備えている。具体的には、活性層24は、量子ドット層242、243に加えて、量子ドット層244を備えている。なお、図16では、p型不純物層241aの図示を省略している。
【0073】
量子ドット層242~244は、発光波長およびp型不純物濃度が互いに異なる。発光波長は量子ドット層242が最も短く、量子ドット層244が最も長くなっている。すなわち、本実施形態では、量子ドット層242、244の発光波長がそれぞれ波長λp、λuとなり、動作波長λopは、所定の温度における量子ドット層242の発光波長と量子ドット層244の発光波長との間の波長とされる。
【0074】
量子ドット層242~244の波長間隔は、第1実施形態と同様に設定される。すなわち、量子ドット層242、243のピーク波長の間隔は、環境温度の変化幅に量子ドット層242または量子ドット層243の温度係数を乗じて得られる距離以下とされる。また、この間隔は、量子ドット層242、243の利得スペクトルの半値幅以下とされる。また、量子ドット層243、244のピーク波長の間隔は、環境温度の変化幅に量子ドット層243または量子ドット層244の温度係数を乗じて得られる距離以下とされる。また、この間隔は、量子ドット層243、244の利得スペクトルの半値幅以下とされる。
【0075】
p型不純物濃度は、量子ドット層242が最も高く、量子ドット層244が最も低くなっている。具体的には、量子ドット層242、243にはp型不純物が添加されており、量子ドット層242のp型不純物濃度は量子ドット層243のp型不純物濃度よりも高くされている。また、量子ドット層244はp型不純物をほとんど含まないアンドープ層とされている。そして、量子ドット層242のp型不純物濃度は量子ドット242aの面密度の2倍以上とされており、量子ドット層244のp型不純物濃度は量子ドット244aの面密度の2倍未満とされている。
【0076】
本実施形態の効果について図17図19を用いて説明する。図17図19において、実線は活性層24の利得スペクトルを示し、3本の一点鎖線は左から順に量子ドット層242~244の利得スペクトルを示す。
【0077】
図17に示すように、室温時における量子ドット層243のピーク波長に動作波長λopを固定する場合を想定する。この場合、85℃等の高温時には、図18に示すように、3つの利得スペクトルが長波長側にシフトし、量子ドット層243、244の利得が低下する。しかしながら、短波長側の量子ドット層242の利得は大きいまま維持されるため、動作波長λopにおける利得が維持され、出力が保たれる。なお、量子ドット層243は量子ドット層244よりもp型不純物濃度が高いため、量子ドット層243の利得低下は、量子ドット層244の利得低下よりも小さい。これにより、高温時には、量子ドット層242のピーク波長と量子ドット層243のピーク波長との間の波長で、利得が維持される。
【0078】
また、-40℃等の低温時には、図19に示すように、3つの利得スペクトルが短波長側にシフトし、量子ドット層242、243の利得が低下する。しかしながら、長波長側の量子ドット層244の利得は大きいまま維持されるため、動作波長λopにおける利得が維持され、出力が保たれる。なお、量子ドット層243は量子ドット層242よりもp型不純物濃度が低いため、量子ドット層243の利得低下は、量子ドット層242の利得低下よりも小さい。これにより、低温時には、量子ドット層243のピーク波長と量子ドット層244のピーク波長との間の波長で、利得が維持される。
【0079】
本実施形態は、第1実施形態と同様の構成および作動からは第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0080】
また、上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
【0081】
(1)複数の量子ドット層は、p型不純物の濃度が高い量子ドット層ほど発光波長が短い。したがって、低温時および高温時における活性層24の利得スペクトルの帯域が広くなり、温度変化による出力変動をさらに低減することができる。
【0082】
(2)活性層24は、発光波長が互いに異なる3種類の量子ドット層を備えている。これにより、第1実施形態よりも活性層24の利得スペクトルが広帯域化し、利得変動をさらに低減することができる。
【0083】
(第4実施形態)
第4実施形態について説明する。本実施形態は、第3実施形態に対して量子ドット層の数を変更したものであり、その他については第3実施形態と同様であるため、第3実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
【0084】
図20に示すように、本実施形態の活性層24は、5種類の量子ドット層を備えている。具体的には、活性層24は、量子ドット層242~244に加えて、量子ドット層245、246を備えている。なお、図20では、p型不純物層241aの図示を省略している。
【0085】
量子ドット層242~246は、発光波長およびp型不純物濃度が互いに異なる。発光波長は、量子ドット層242~246の順に短くなっている。すなわち、本実施形態では、量子ドット層242、246の発光波長がそれぞれλp、λuとなり、動作波長λopは、所定の温度における量子ドット層242の発光波長と量子ドット層246の発光波長との間の波長とされる。量子ドット層242~246の波長間隔は、第1、第3実施形態と同様に設定される。
【0086】
p型不純物濃度は、量子ドット層242~246の順に高くなっている。具体的には、量子ドット層242~245にはp型不純物が添加されており、量子ドット層246はp型不純物をほとんど含まないアンドープ層とされている。そして、量子ドット層242のp型不純物濃度は量子ドット242aの面密度の2倍以上とされており、量子ドット層246のp型不純物濃度は量子ドット246aの面密度の2倍未満とされている。
【0087】
本実施形態の効果について図21図23を用いて説明する。図21図23において、実線は活性層24の利得スペクトルを示し、5本の一点鎖線は左から順に量子ドット層242~246の利得スペクトルを示す。
【0088】
図21に示すように、室温時における量子ドット層244のピーク波長に動作波長λopを固定する場合を想定する。この場合、85℃等の高温時には、図22に示すように、5つの利得スペクトルが長波長側にシフトし、量子ドット層246~243の順に利得が大きく低下する。しかしながら、短波長側の量子ドット層242の利得は大きいまま維持されるため、動作波長λopにおける利得が維持され、出力が保たれる。なお、量子ドット層243、244は量子ドット層245、246よりもp型不純物濃度が高いため、量子ドット層243、244の利得低下は、量子ドット層245、246の利得低下よりも小さい。これにより、高温時には、量子ドット層242のピーク波長と量子ドット層244のピーク波長との間の波長で、利得が維持される。
【0089】
また、-40℃等の低温時には、図23に示すように、5つの利得スペクトルが短波長側にシフトし、量子ドット層242~245の順に利得が大きく低下する。しかしながら、長波長側の量子ドット層246の利得は大きいまま維持されるため、動作波長λopにおける利得が維持され、出力が保たれる。なお、量子ドット層244、245は量子ドット層242、層243よりもp型不純物濃度が低いため、量子ドット層244、245の利得低下は、量子ドット層242、243の利得低下よりも小さい。これにより、低温時には、量子ドット層244のピーク波長と量子ドット層246のピーク波長との間の波長で、利得が維持される。
【0090】
本実施形態は、第1、第3実施形態と同様の構成および作動からは第1、第3実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0091】
また、上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
【0092】
(1)活性層24は、発光波長が互いに異なる5種類の量子ドット層を備えている。これにより、第3実施形態よりも活性層24の利得スペクトルが広帯域化し、利得変動をさらに低減することができる。
【0093】
(他の実施形態)
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。また、上記各実施形態は、互いに無関係なものではなく、組み合わせが明らかに不可な場合を除き、適宜組み合わせが可能である。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。
【0094】
例えば、第3実施形態において、量子ドット層242~244を、第2実施形態の量子ドット層242、243のように、それぞれ2つ以上のかたまりに分割して配置してもよい。また、第4実施形態において、量子ドット層242~246を、第2実施形態の量子ドット層242、243のように、それぞれ2つ以上のかたまりに分割して配置してもよい。
【0095】
また、第1、第2実施形態において、p型不純物層241aを量子ドット層242と量子ドット層243との間に配置してもよい。この場合、p型不純物層241aを量子ドット層243よりも量子ドット層242に近い位置に配置することが望ましい。
【0096】
また、量子ドット層242~246の数がそれぞれ3層以下とされていてもよいし、5層以上とされていてもよい。
【符号の説明】
【0097】
24 活性層
242 量子ドット層
243 量子ドット層
244 量子ドット層
245 量子ドット層
246 量子ドット層
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10
図11
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