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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022166569
(43)【公開日】2022-11-02
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/08 20060101AFI20221026BHJP
   G03G 21/10 20060101ALI20221026BHJP
   G03G 21/12 20060101ALI20221026BHJP
【FI】
G03G15/08 310
G03G21/10
G03G21/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021071849
(22)【出願日】2021-04-21
(71)【出願人】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100174104
【弁理士】
【氏名又は名称】奥田 康一
(72)【発明者】
【氏名】中島 弘文
【テーマコード(参考)】
2H077
2H134
【Fターム(参考)】
2H077AA02
2H077CA02
2H077CA19
2H077DA13
2H077DA18
2H077DA20
2H077DA78
2H077GA03
2H077GA04
2H134GA01
2H134GB02
2H134HD00
2H134JA05
2H134JB01
2H134JB07
2H134KA28
2H134KA29
2H134KB11
2H134KB12
2H134KC03
(57)【要約】
【課題】印字品位を向上する。
【解決手段】画像形成装置1は、印刷ジョブから算出した廃トナードットカウント51に基づいてトナー廃棄パターンPtdを媒体P上に形成するトナー廃棄工程を実行し、第1データを受信して画像形成部36を動作したときの過去の環境温度及び環境湿度と、第2データを受信して画像形成部36を動作するときの現在の環境温度及び環境湿度とを用いて、第2データを印刷する前におけるトナー廃棄パターンPtdの形成量を変更する。
【選択図】図6

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置において、
媒体上にトナー画像を形成する画像形成部と、
印刷ジョブを上位装置から受信し、前記印刷ジョブから算出した廃トナー量に基づいて、所定タイミングで前記画像形成部の動作を制御して廃トナー画像を前記媒体上に形成するトナー廃棄工程を実行する制御部と、
前記画像形成装置の周囲環境を検出する第1センサ部と、
前記第1センサ部が検出した環境情報を記憶する記憶部と
を備え、
前記印刷ジョブは少なくとも第1データ及び第2データを含み、
前記制御部は、
前記記憶部が記憶した、前記第1データを受信して前記画像形成部を動作させたときの過去の前記周囲環境である第1環境情報と、前記記憶部が記憶した、前記第2データを受信して前記画像形成部を動作させるときの現在の前記周囲環境である第2環境情報とを用いて、前記第2データを印刷する前における前記廃トナー画像の形成量を変更する
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記画像形成部の温度である画像形成部温度を検出する第2センサ部
をさらに備え、
前記第1環境情報は、
過去の前記周囲環境に加えて前記画像形成部温度を含み、
前記制御部は、
前記記憶部が記憶した、前記第1データを受信して前記画像形成部を動作させたときの過去の前記周囲環境及び前記画像形成部温度である前記第1環境情報と、前記記憶部が記憶した前記第2環境情報とを用いて、前記第2データを印刷する前における前記廃トナー画像の形成量を変更する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御部は、
過去の前記周囲環境において前記第1データを受信して前記画像形成部を動作させ始めてから、少なくとも過去の前記周囲環境において前記画像形成部を動作させ終わるまでの経過時間に応じて、前記第2データを印刷する前における前記廃トナー画像の形成量を変更する
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記印刷ジョブから算出した前記廃トナー量に対応する廃トナードットカウントを算出し、前記印刷ジョブの画像形成を行う度に、該廃トナードットカウントを廃トナー量累計値に加算し、該廃トナー量累計値が閾値に達した場合、該廃トナー量累計値から前記閾値を減算すると共に前記トナー廃棄工程を実行し、
前記第1環境情報における前記周囲環境が所定の周囲温度閾値以上であり、且つ、前記第2環境情報における前記周囲環境が前記周囲温度閾値未満である場合、前記第2のデータの画像形成を行う前に、前記第1データの画像形成時の前記廃トナードットカウントが大きくなるように重み付けして前記廃トナー量累計値に加算し、該廃トナー量累計値が前記閾値に達した場合、前記トナー廃棄工程を実行する
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記画像形成部の温度である画像形成部温度を検出する第2センサ部
をさらに備え、
前記第1環境情報は、
過去の前記周囲環境に加えて前記画像形成部温度を含み、
前記制御部は、
前記第1環境情報における前記周囲環境が前記周囲温度閾値以上且つ所定の周囲湿度閾値未満であると共に、前記第1環境情報における前記画像形成部温度が所定の画像形成部温度閾値以上であり、且つ、前記第2環境情報における前記周囲環境が前記周囲温度閾値未満且つ前記周囲湿度閾値未満である場合、前記第2のデータの画像形成を行う前に、前記第1データの画像形成時の前記廃トナードットカウントが大きくなるように重み付けして前記廃トナー量累計値に加算し、該廃トナー量累計値が前記閾値に達した場合、前記トナー廃棄工程を実行する
ことを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記第1環境情報における前記周囲環境が前記周囲温度閾値以上且つ前記周囲湿度閾値未満であると共に、前記第1環境情報における前記画像形成部温度が前記画像形成部温度閾値以上であり、且つ、前記第2環境情報における前記周囲環境が前記周囲温度閾値未満且つ前記周囲湿度閾値未満である場合、前記第1データの画像形成を開始させてから終了させるまでの経過時間が長いほど、前記第2のデータの画像形成を行う前に、前記第1データの画像形成時の前記廃トナードットカウントが大きくなるように重み付けして前記廃トナー量累計値に加算し、該廃トナー量累計値が前記閾値に達した場合、前記トナー廃棄工程を実行する
ことを特徴とする請求項4又は至請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記画像形成部の温度である画像形成部温度を検出する第2センサ部
をさらに備え、
前記第1環境情報は、
過去の前記周囲環境に加えて前記画像形成部温度を含み、
前記制御部は、
前記第1環境情報における前記周囲環境が前記周囲温度閾値以上且つ所定の周囲湿度閾値未満であると共に、前記第1環境情報における前記画像形成部温度が所定の画像形成部温度閾値以上であり、且つ、前記第2環境情報における前記周囲環境が前記周囲温度閾値未満且つ前記周囲湿度閾値未満である場合、前記第1データの画像形成を開始させてから前記第2データの画像形成を開始させるまでの経過時間が長いほど、前記第2のデータの画像形成を行う前に、前記第1データの画像形成時の前記廃トナードットカウントが大きくなるように重み付けして前記廃トナー量累計値に加算し、該廃トナー量累計値が前記閾値に達した場合、前記トナー廃棄工程を実行する
ことを特徴とする請求項4乃至請求項6の何れかに記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記画像形成部の温度である画像形成部温度を検出する第2センサ部
をさらに備え、
前記第1環境情報は、
過去の前記周囲環境に加えて前記画像形成部温度を含み、
前記制御部は、
前記印刷ジョブから算出した前記廃トナー量に対応する廃トナードットカウントを算出し、前記印刷ジョブの画像形成を行う度に、該廃トナードットカウントを廃トナー量累計値に加算し、該廃トナー量累計値が閾値に達した場合、該廃トナー量累計値から前記閾値を減算すると共に前記トナー廃棄工程を実行し、
前記第1環境情報における前記周囲環境が所定の周囲温度閾値以上且つ所定の周囲湿度閾値未満であると共に、前記第1環境情報における前記画像形成部温度が所定の画像形成部温度閾値以上であり、且つ、前記第2環境情報における前記周囲環境が前記周囲温度閾値未満且つ前記周囲湿度閾値未満である場合、前記第1データの画像形成を開始させてから終了させるまでの経過時間が長いほど、前記第2のデータの画像形成を行う前に、多くの前記トナー廃棄工程を前記廃トナー量累計値に関わらず行う
ことを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れかに記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記画像形成部の温度である画像形成部温度を検出する第2センサ部
をさらに備え、
前記第1環境情報は、
過去の前記周囲環境に加えて前記画像形成部温度を含み、
前記制御部は、
前記印刷ジョブから算出した前記廃トナー量に対応する廃トナードットカウントを算出し、前記印刷ジョブの画像形成を行う度に、該廃トナードットカウントを廃トナー量累計値に加算し、該廃トナー量累計値が閾値に達した場合、該廃トナー量累計値から前記閾値を減算すると共に前記トナー廃棄工程を実行し、
前記第1環境情報における前記周囲環境が所定の周囲温度閾値以上且つ所定の周囲湿度閾値未満であると共に、前記第1環境情報における前記画像形成部温度が所定の画像形成部温度閾値以上であり、且つ、前記第2環境情報における前記周囲環境が前記周囲温度閾値未満且つ前記周囲湿度閾値未満である場合、前記第1データの画像形成を開始させてから前記第2データの画像形成を開始させるまでの経過時間が長いほど、前記第2のデータの画像形成を行う前に、多くの前記トナー廃棄工程を前記廃トナー量累計値に関わらず行う
ことを特徴とする請求項1乃至請求項8の何れかに記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記媒体上の前記トナー画像を前記媒体に定着させる定着器をさらに備え、
前記画像形成部は、
トナーの色に対応した複数の現像装置を含み、
前記制御部は、
少なくとも、前記定着器に対して第1の距離を置いて配置された前記現像装置よりも、前記定着器に対して前記第1の距離よりも短い第2の距離を置いて配置された前記現像装置の方が、前記廃トナー画像の形成量を増加させる
ことを特徴とする請求項1乃至請求項9の何れかに記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記制御部は、
前記定着器からの距離が近い前記現像装置ほど、前記廃トナー画像の形成量を多くする
ことを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記画像形成部は、
トナーの色に対応した複数の現像装置を含み、
それぞれの前記現像装置は、前記現像装置内の前記トナーの残量を検出するセンサを有し、
前記制御部は、
それぞれの前記現像装置における前記センサの検出結果に基づき、それぞれの前記現像装置について、少なくとも前記トナーの残量に反比例させて前記廃トナー画像の形成量を増加させる
ことを特徴とする請求項1乃至請求項11の何れかに記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記制御部は、
前記トナーの残量が少ない前記現像装置ほど、前記廃トナー画像の形成量を増加させる
ことを特徴とする請求項12に記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記画像形成部は、
トナーの色に対応した複数の現像装置を含み、
前記制御部は、
隠蔽率が高い前記トナー画像を前記媒体に形成する前記現像装置よりも、前記隠蔽率が低い前記トナー画像を前記媒体に形成する前記現像装置の方が、前記廃トナー画像の形成量を増加させる
ことを特徴とする請求項1乃至請求項13の何れかに記載の画像形成装置。
【請求項15】
前記隠蔽率が低い前記トナー画像を前記媒体に形成する前記現像装置は、マゼンタの前記トナー画像を前記媒体に形成する前記現像装置である
ことを特徴とする請求項14に記載の画像形成装置。
【請求項16】
前記画像形成部は、
トナーの色に対応した複数の現像装置を含み、
前記制御部は、
帯電量が低い前記トナーを用いる前記現像装置よりも、前記帯電量が高い前記トナーを用いる前記現像装置の方が、前記廃トナー画像の形成量を増加させる
ことを特徴とする請求項1乃至請求項15の何れかに記載の画像形成装置。
【請求項17】
前記帯電量が高い前記トナーを用いる前記現像装置は、ブラックの前記トナーを用いる前記現像装置である
ことを特徴とする請求項16に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像形成装置に関し、例えば電子写真式の画像形成装置に搭載される露光装置に適用して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置としては、発光素子であるLED(Light Emitting Diode)チップ等から出射される露光用の光を発光する露光装置から、感光ドラムの表面に光を照射して感光ドラムの表面に静電潜像を形成し、さらにその静電潜像にトナーを付着させてトナー画像を現像することにより、画像の印刷を行うものが広く普及している。そのような画像形成装置においては、感光ドラムの回転数や印刷ドット数からなるカウンタが、予め設定されたトナー廃棄カウンタに達した場合にトナー廃棄を行うことにより、定期的にトナー廃棄を実行するものがあった(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-45481号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながらそのような画像形成装置においては、長時間印刷すると画像形成装置の内部温度の上昇によりトナー特性が変化することで、定期的なトナー廃棄では印字不良が発生する場合があった。
【0005】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、印字品位を向上し得る画像形成装置を提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる課題を解決するため本発明の画像形成装置においては、媒体上にトナー画像を形成する画像形成部と、印刷ジョブを上位装置から受信し、印刷ジョブから算出した廃トナー量に基づいて、所定タイミングで画像形成部の動作を制御して廃トナー画像を媒体上に形成するトナー廃棄工程を実行する制御部と、画像形成装置の周囲環境を検出する第1センサ部と、第1センサ部が検出した環境情報を記憶する記憶部とを設け、印刷ジョブは少なくとも第1データ及び第2データを含み、制御部は、記憶部が記憶した、第1データを受信して画像形成部を動作させたときの過去の周囲環境である第1環境情報と、記憶部が記憶した、第2データを受信して画像形成部を動作させるときの現在の周囲環境である第2環境情報とを用いて、第2データを印刷する前における廃トナー画像の形成量を変更するようにした。
【0007】
本発明は、第1環境情報の状態で第1データのトナー画像を媒体に形成したときにおいて廃トナーを、次の第2環境情報の状態で第2データのトナー画像を媒体に形成する前に廃棄でき、次に第2データのトナー画像を媒体に形成する際の媒体Pにおける汚れを抑えることができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば印字品位を向上し得る画像形成装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】画像形成装置の構成を示す左側面図である。
図2】画像形成ユニット及び転写ユニットの構成を示す左側面図である。
図3】画像形成装置の制御構成を示すブロック図である。
図4】廃トナー廃棄パターンを示す図である。
図5】HL環境判定処理手順を示すフローチャートである。
図6】LL環境判定処理手順を示すフローチャートである。
図7】廃トナー算出用重み付けテーブルを示す表である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、発明を実施するための形態(以下実施の形態とする)について、図面を用いて説明する。
[1.画像形成装置の構成]
図1に左側面図を示すように、画像形成装置1は、カラー用電子写真式プリンタであり、例えばA3サイズやA4サイズ等の大きさでなる媒体Pに対し、所望のカラー画像を印刷する。画像形成装置1は、略箱型に形成された筐体2の内部に種々の部品が配置されている。因みに以下では、図1における右端部分を画像形成装置1の正面とし、この正面と対峙して見た場合の上下方向、左右方向及び前後方向をそれぞれ定義した上で説明する。画像形成装置1は、図3に示す制御部40により全体を統括制御する。この制御部40は、通信部46を介して、パーソナルコンピュータのような上位装置(図示せず)と無線又は有線により接続されている。制御部40は、上位装置から印刷対象のカラー画像を表す画像データが与えられると共に該カラー画像の印刷が指示されると、媒体Pの表面に印刷画像を形成する印刷工程を実行する。
【0011】
筐体2内の最下部には、用紙等の媒体Pを収容する媒体格納トレイ4が設けられている。媒体格納トレイ4の前端上側には、媒体格納トレイ4に集積された状態で収容されている媒体Pを1枚ずつ分離して搬送路6へ給紙するピックアップローラ5が設けられている。搬送ローラ7、8及び9は、ピックアップローラ5から繰り出された媒体Pを前上方へ進行させた後、筐体2内の前端近傍における上下ほぼ中央となる位置において、後方へ折り返すように進行させる。
【0012】
筐体2内における媒体格納トレイ4の上方には、該筐体2内を前後に大きく横切るようにして転写ユニット12が設けられている。図2に示すように、転写ユニット12は、転写ベルト13、転写ローラ14、ベルトクリーニングブレード15及びベルト廃トナー回収容器16により構成されている。転写ベルト13は、前後に配された一対のローラ(図示せず)を周回するように張架されており、画像形成ユニット18の下側に対向して配置され、媒体Pを上面に載せて後方向へ搬送する。転写ローラ14は、各画像形成ユニット18C、18M、18Y及び18K(図1)の真下となる4箇所にそれぞれ設けられている。すなわち各画像形成ユニット18は、各転写ローラ14との間に転写ベルト13の上側部分を挟んでいる。転写ローラ14は、帯電し得るように構成されている。
【0013】
ベルトクリーニングブレード15は、ウレタンゴム製のブレードであり、画像形成ユニット18Cよりもベルト搬送方向の下流側において転写ベルト13に当接することにより、トナー廃棄工程(後述する)において転写ベルト13から搬送された廃トナーを掻き取り除去する。トナー廃棄工程とは、現像装置20内部のトナーの一部を転写ベルト13に強制的に廃棄することによって現像装置20内部の廃トナーを廃棄する工程である。ベルト廃トナー回収容器16は、ベルトクリーニングブレード15により転写ベルト13から掻き取られたトナーを収容し回収する容器である。ベルト廃トナー回収容器16は、転写ユニット12と一体型になっている。このため、ベルト廃トナー回収容器16が満杯になれば、転写ユニット12の交換が必要となる。また、転写ベルト13の寿命が到来した場合も、転写ユニット12の交換が必要となる。
【0014】
一方、転写ユニット12の上側、すなわち筐体2における中央よりも上寄りには、図1に示す4個の画像形成ユニット18C、18M、18Y及び18K(以下では、これらをまとめて画像形成ユニット18とも呼ぶ)が後側から前側へ向かって順に配置されている。すなわち各色の画像形成ユニット18は、いわゆるタンデム方式で配置されている。この画像形成ユニット18C、18M、18Y及び18Kは、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)及びブラック(K)の各色にそれぞれ対応している。また画像形成ユニット18C、18M、18Y及び18Kは、互いに同様に構成されており、対応するトナーの色のみがそれぞれ相違する。画像形成ユニット18は、媒体Pの左右幅に対応するべく、左右方向に比較的長い略箱状に形成されている。
【0015】
また筐体2内には、各画像形成ユニット18C、18M、18Y及び18Kとそれぞれ対応するように、LEDヘッド24C、24M、24Y及び24K(以下では、これらをまとめてLEDヘッド24とも呼ぶ)が設けられている。このLEDヘッド24は、左右方向に細長い直方体状に構成されると共に、その内部に複数のLED(Light Emitting Diode)が左右方向に沿って並ぶように配置されており、制御部40から供給される画像データに応じた発光パターンで各LEDを発光させる。
【0016】
また各画像形成ユニット18C、18M、18Y及び18Kは、それぞれ上方にトナーカートリッジ28C、28M、28Y及び28K(以下では、これらをまとめてトナーカートリッジ28とも呼ぶ)が設けられている。トナーカートリッジ28は、左右方向に長い中空の容器であり、粉末状でなる各色のトナーがそれぞれ収容されると共に、所定の撹拌部材が組み込まれている。
【0017】
制御部40は、トナーカートリッジ28からトナーを現像装置20へ供給させる。これと共に制御部40は、上位装置(図示せず)から供給された画像データに応じた発光パターンを形成するようにLEDヘッド24を発光させる。これに応じて各画像形成ユニット18は、トナーカートリッジ28から供給されるトナーを用い、LEDヘッド24の発光パターンに応じたトナー画像を形成し、このトナー画像を媒体Pにそれぞれ転写する(詳しくは後述する)。これにより、転写ユニット12によって搬送されている媒体P上には、画像データに応じた4色のトナー画像が順次転写されていく。
【0018】
転写ユニット12の後方、すなわち筐体2の後端近傍における上下の中央近傍には、定着器30が設けられている。定着器30は、制御部40の制御に基づき、図示しない熱源により加熱ローラを加熱すると共に該加熱ローラ及び加圧ローラをそれぞれ所定方向へ回転させる。これにより定着器30は、転写ユニット12から受け渡された媒体P、すなわち4色のトナー画像が重ねられた媒体Pに対して熱及び圧力を加えてトナーを定着させ、さらに後上方へ受け渡す。
【0019】
定着器30の後上方には、搬送ローラ10が設けられている。搬送ローラ10は、定着器30から受け渡される媒体Pを、筐体2の上面に形成された媒体集積トレイ31へ排出する。
【0020】
一方、筐体2には、画像形成装置1の周囲の環境温度及び環境湿度を測定するセンサである環境温湿度センサ32が設けられている。また、筐体2内部には、転写ベルト13の温度を測定する第2センサ部としてのベルトサーミスタ33が設けられている。制御部40は、ベルトサーミスタ33が検出したベルト温度55(図3)を、画像形成装置1の内部における画像形成部36(図3)周辺の温度として使用する。
【0021】
これに加えて搬送路6における各所には、搬送路6上の媒体Pの位置を検出し検出結果を制御部40へ送出する媒体検知センサ34a、34b、34c、34d及び34e(以下ではまとめて媒体検知センサ34とも呼ぶ)が設けられている。制御部40は、媒体検知センサ34から取得した検出結果に基づき、媒体Pの検出タイミングを計測することにより、媒体Pの搬送の遅れや紙詰まり等を検知できる。
【0022】
[2.画像形成ユニットの構成]
次に、画像形成ユニット18の構成について説明する。図2に示すように画像形成ユニット18は、現像装置20及びトナーカートリッジ28により構成されている。現像装置20は、トナー収容部21、感光ドラム22、帯電ローラ23、現像ローラ26、供給ローラ25及びクリーニングブレード27を有している。
【0023】
トナー収容部21は、トナーカートリッジ28から供給されたトナーを収容する。またトナー収容部21には、該トナー収容部21のトナー量を検出する現像装置トナー量検出センサ(図示せず)が設けられている。
【0024】
現像装置20内の中央下寄りには、感光ドラム22が設けられている。感光ドラム22は、中心軸を左右方向に向けた円筒状に形成されており、回転可能に支持されている。因みに感光ドラム22は、図示しないモータから駆動力が伝達されることにより、矢印R1方向へ回転する。画像形成ユニット18は、筐体2(図1)に装着された際に、転写ベルト13又は該転写ベルト13上に載せられた媒体Pに感光ドラム22の下面を接触させる。
【0025】
感光ドラム22の後上方には、該感光ドラム22よりも径が小さい円筒状でなる帯電ローラ23が設けられている。帯電ローラ23は、例えば半導電性の弾性材により構成されると共に、その周側面を感光ドラム22の周側面に当接させており、感光ドラム22の該周側面の当接箇所を一様に帯電させる。
【0026】
感光ドラム22の前上方には、該感光ドラム22よりも径が小さい円筒状でなる現像ローラ26が設けられている。現像ローラ26は、例えばウレタンゴム材にカーボンのような導電性物質が添加されて電気抵抗が適宜調節された半導電性ウレタンゴムにより構成されており、帯電し得る。この現像ローラ26は、後側においてその周側面を感光ドラム22の周側面に当接させると共に、前側において該現像ローラ26よりも僅かに径が小さい円筒状でなる供給ローラ25にその周側面を当接させている。供給ローラ25は、例えば半導電性発泡シリコンスポンジにより構成されている。
【0027】
クリーニングブレード27は、ウレタンゴム製のブレードであり、感光ドラム22の回転方向において転写ローラ14との当接位置よりも下流側において感光ドラム22に当接することにより、転写後に感光ドラム22の表面に残ったトナーを除去する。
【0028】
トナーカートリッジ28には、トナー収容室(図示せず)及びドラム廃トナー回収容器(図示せず)が設けられている。トナー収容室は、未使用のトナーを収容する容器である。トナー収容室の内部には、回転することにより該トナー収容室内のトナーを撹拌する撹拌部材が供給ローラ25に隣接して配されている。またトナー収容室には、該トナー収容室内のトナー量を検出するカートリッジトナー量検出センサ(図示せず)が設けられている。ドラム廃トナー回収容器は、印刷工程、トナー廃棄工程又は色ずれ補正工程において感光ドラム22に残留した残トナーや廃トナーを回収し貯蔵しておく容器である。このため、トナー収容室内の未使用トナーが空になるか、又は、ドラム廃トナー回収容器内の廃トナーが満杯になった場合、トナーカートリッジ28の交換が必要となる。因みに、感光ドラム22の寿命が到来した場合、現像装置20の交換が必要である。
【0029】
かかる構成において画像形成ユニット18は、媒体Pに画像を印刷する際、制御部40の制御に基づき、感光ドラム22を矢印R1方向へ回転させると共に、帯電ローラ23、現像ローラ26及び供給ローラ25を矢印R2方向へ回転させ、さらに帯電ローラ23及び現像ローラ26を帯電させる。
【0030】
感光ドラム22は、まず周側面の後上側部分が帯電ローラ23により一様に帯電され、矢印R1方向への回転によりこの帯電した箇所を上端近傍に到達させてLEDヘッド24と対向させる。このとき感光ドラム22の周側面は、LEDヘッド24から画像データに応じた発光パターンの光が照射されることにより露光され、該画像データに応じた静電潜像が形成される。
【0031】
一方、矢印R2方向へ回転する現像ローラ26は、トナーカートリッジ28から供給されるトナーが供給ローラ25によって周側面に付着し、次に現像ブレード(図示せず)により余分なトナーが削ぎ落とされるため、周側面に均一な薄膜状にトナーが付着される。
【0032】
感光ドラム22は、さらに矢印R1方向へ回転することにより、現像ローラ26と当接する前端近傍において、該現像ローラ26の周側面に薄膜状に形成されているトナーを、静電潜像に応じた箇所のみ周側面に付着させる。これにより感光ドラム22の周側面には、画像データに応じたトナー画像が形成される。因みにこのとき周側面に形成されるトナー画像は、最終的に印刷すべき画像のうち、この画像形成ユニット18が担当する1色(すなわちシアン、マゼンタ、イエロー又はブラックの何れか)の成分のみを表した画像となっている。
【0033】
その後感光ドラム22は、さらに矢印R1方向へ回転することにより、トナー画像を下端近傍へ到達させる。このとき制御部40は、転写ユニット12(図1)により媒体Pを画像形成ユニット18の下側に到達させると共に、転写ローラ14をトナーと逆の特性に帯電させている。このため画像形成ユニット18は、感光ドラム22のうちトナー画像が形成された部分と帯電された転写ローラ14との間に媒体Pを挟持することになり、このトナー画像を媒体Pに転写する。トナー画像を媒体Pに転写した後に感光ドラム22の周側面にトナーが残っていた場合、クリーニングブレード27によりこのトナーが除去される。
【0034】
このように画像形成ユニット18は、LEDヘッド24を感光ドラム22の近傍に対向させ、該LEDヘッド24の露光作用によりトナー画像を感光ドラム22の周側面上に形成する。
【0035】
[3.画像形成装置の制御構成]
図3に示すように、画像形成装置1は、画像形成部36、記憶部38、制御部40、入力部42、表示部44及び通信部46により構成されている。
【0036】
画像形成部36は、主要部としてトナーカートリッジ28、感光ドラム22、帯電ローラ23、LEDヘッド24、供給ローラ25、現像ローラ26、クリーニングブレード27、転写ローラ14、転写ベルト13及び定着器30により構成されている。
【0037】
記憶部38は、RAM(Random Access Memory)48及びROM(Read Only Memory)49により構成されている。RAM48は、印刷時印字率50、廃トナードットカウント51、廃トナー量累計値52、環境温度53、環境湿度54、ベルト温度55、HL環境計測タイマ56、HL環境廃トナー量累計値57及び強制トナー廃棄情報58を記憶する。
【0038】
印刷時印字率50は、印刷時の印字率であり、印刷時における用紙の全領域に対する印字領域の割合、すなわち印刷Dutyである。廃トナードットカウント51は、1つの印刷ジョブの印刷工程によって生成された劣化トナーの量を示すカウンタである。廃トナー量累計値52は、複数の印刷ジョブの印刷が継続して行われた際の、廃トナードットカウント51の累計値である。
【0039】
環境温度53は、環境温湿度センサ32から読み取られた画像形成装置1の周囲の環境温度である。環境湿度54は、環境温湿度センサ32から読み取られた画像形成装置1の周囲の環境湿度である。以下では、環境温度53及び環境湿度54をまとめて周囲環境とも呼ぶ。画像形成部温度としてのベルト温度55は、ベルトサーミスタ33から読み取られた、画像形成部36の一部分である転写ベルト13の温度である。以下では、周囲環境(環境温度53及び環境湿度54)及び画像形成部温度(ベルト温度55)をまとめて、環境情報とも呼ぶ。
【0040】
HL環境計測タイマ56は、高温高湿環境(以下では、HL(High temperature Low humidity)環境とも呼ぶ)において印刷が実行されてから、低温低湿環境(以下では、LL(Low temperature Low humidity)環境とも呼ぶ)において印刷が実行されるまでの時間を計測するタイマである。HL環境廃トナー量累計値57は、HL環境において印刷ジョブの印刷が行われた際の、廃トナードットカウント51の累計値である。
【0041】
強制トナー廃棄情報58は、廃トナー量累計値52に関わらず強制的に実行されるトナー廃棄工程である、強制トナー廃棄工程が実行されるか否かが判定される際に用いられる情報である。強制トナー廃棄情報58は、図7に示す廃トナー算出用重み付けテーブル66(後述する)における「強制トナー廃棄」の項目から、HL環境計測タイマ56の値に応じて何れかの値が選択されて該強制トナー廃棄情報58に設定される。
【0042】
ROM49は、プログラム格納部60を有すると共に、廃トナー廃棄スライス値61、廃トナー廃棄実行ドットカウント62、温度判定閾値63、湿度判定閾値64、ベルト温度判定閾値65及び廃トナー算出用重み付けテーブル66を記憶している。
【0043】
プログラム格納部60は、後述するHL環境判定処理プログラムやLL環境判定処理プログラム等を格納する。廃トナー廃棄スライス値61は、印刷結果の印字率が高いか又は低いかが判定される際に使用される、印刷時印字率50の閾値である。画像形成装置1は、廃トナー廃棄スライス値61を、例えば1.5[%]に予め設定する。廃トナー廃棄実行ドットカウント62は、トナー廃棄工程を実行するか否かが判定される際に使用される、廃トナー量累計値52の閾値である。
【0044】
周囲温度閾値としての温度判定閾値63と、周囲湿度閾値としての湿度判定閾値64とは、現在がHL環境であるか又はLL環境であるか、又はそれ以外の環境であるかが判定される際に用いられる閾値である。画像形成部温度閾値としてのベルト温度判定閾値65は、現在の画像形成装置1内部が、現像装置20内のトナーがダメージを受けやすくなる温度であるか否かが判定される際に用いられる閾値である。本実施の形態においては、ベルトサーミスタ33が読み取ったベルト温度55、すなわち、現在の画像形成装置1内部の温度が40[℃]を超えた場合、現像装置20内のトナーがダメージを受けやすくなるとし、ベルト温度判定閾値65を40[℃]に設定している。
【0045】
廃トナー算出用重み付けテーブル66は、図7に示すように、「HL環境での印刷経過時間」、「重み付け」及び「強制トナー廃棄」の項目を有している。「HL環境での印刷経過時間」は、HL環境計測タイマ56の経過時間を示している。「重み付け」は、HL環境計測タイマ56の経過時間に応じてHL環境廃トナー量累計値57の値をどの程度大きくなるように重み付けをするかを示している。「強制トナー廃棄」は、強制トナー廃棄工程が実行されるか否かを示しており、強制トナー廃棄工程が実行される場合、何単位だけトナー廃棄工程が繰り返し実行されるかを示している。1単位のトナー廃棄工程については後述する。
【0046】
制御部40(図3)は、印刷データ印字率算出部70と、廃トナー廃棄カウント算出部71と、廃トナー廃棄実行部72と、HL環境ベルト温度判定部73と、HL環境時カウンタ計算部74と、LL環境判定部75と、重み付けテーブル計算部76として機能する。
【0047】
印刷データ印字率算出部70は、印刷が実行された際に、印刷時印字率50を算出する。廃トナー廃棄カウント算出部71は、印刷時印字率50と廃トナー廃棄スライス値61とを比較して、廃トナー廃棄スライス値61から印刷時印字率50を減算することにより、廃トナードットカウント51を算出する。このとき、印刷時印字率50が廃トナー廃棄スライス値61よりも小さい場合は、廃トナードットカウント51は正の値となり、印刷ジョブにおいて消費されるトナー量が少ないため劣化トナーが発生しやすい傾向となる。一方、印刷時印字率50が廃トナー廃棄スライス値61よりも大きい場合は、廃トナードットカウント51は負の値となり、印刷ジョブにおいて消費されるトナー量が多いため劣化トナーが発生しにくい傾向となる。また廃トナー廃棄カウント算出部71は、複数の印刷ジョブの印刷工程が繰り返される度に、算出した廃トナードットカウント51を廃トナー量累計値52に加算する。このため、廃トナードットカウント51が正の値の場合、該廃トナードットカウント51が廃トナー量累計値52に加算されると、廃トナー量累計値52は増加する。一方、廃トナードットカウント51が負の値の場合、該廃トナードットカウント51が廃トナー量累計値52に加算されると、廃トナー量累計値52は減少する。
【0048】
廃トナー廃棄実行部72は、廃トナー量累計値52が廃トナー廃棄実行ドットカウント62に達したか否かを判定し、達した場合、トナー廃棄工程を実行する。また廃トナー廃棄実行部72は、強制トナー廃棄情報58をチェックし、強制トナー廃棄情報58に値が設定されているか否かを判定し、設定されている場合、強制トナー廃棄情報58に設定された値の単位数分だけ強制トナー廃棄工程を実行してから、強制トナー廃棄情報58をクリアする。
【0049】
HL環境ベルト温度判定部73は、環境温湿度センサ32が読み取った環境温度53及び環境湿度54に基づき、現在はHL環境であるか否かを判定する。本実施の形態においてHL環境ベルト温度判定部73は、例えば、環境温度53が30[℃]以上であり且つ環境湿度54が25[%]以下である場合、HL環境であると判定する。またHL環境ベルト温度判定部73は、現在はHL環境であると判定した場合、ベルトサーミスタ33で読み取ったベルト温度55がベルト温度判定閾値65以上であるか否かを判定する。
【0050】
HL環境時カウンタ計算部74は、HL環境計測タイマ56を制御すると共に、廃トナー廃棄スライス値61からHL環境下での印刷における印刷時印字率50を減算することにより、廃トナー廃棄スライス値61とHL環境下での印刷における印刷時印字率50との差分である廃トナードットカウント51を算出する。またHL環境時カウンタ計算部74は、HL環境において複数の印刷ジョブの印刷工程が繰り返される度に、算出したHL環境下での廃トナードットカウント51をHL環境廃トナー量累計値57に加算する。このため、HL環境下での印刷における廃トナードットカウント51が正の値の場合、該廃トナードットカウント51がHL環境廃トナー量累計値57に加算されると、HL環境廃トナー量累計値57は増加する。一方、廃トナードットカウント51が負の値の場合、該廃トナードットカウント51がHL環境廃トナー量累計値57に加算されると、HL環境廃トナー量累計値57は減少する。
【0051】
LL環境判定部75は、環境温湿度センサ32が読み取った環境温度53及び環境湿度54に基づき、現在はLL環境であるか否かを判定する。本実施の形態においてLL環境判定部75は、例えば、環境温度53が15[℃]以下であり且つ環境湿度54が25[%]以下である場合、LL環境であると判定する。
【0052】
重み付けテーブル計算部76は、現在はLL環境であるとLL環境判定部75が判定した場合、廃トナー算出用重み付けテーブル66に基づき、HL環境廃トナー量累計値57をHL環境計測タイマ56に応じて重み付けをしてから、廃トナー量累計値52に加算すると共に、強制トナー廃棄情報58を設定する。
【0053】
例えば、HL環境計測タイマ56の経過時間が、0[H]だった(すなわちHL環境計測タイマ56が起動していなかった)場合、又は、HL環境計測タイマ56の経過時間が0[H]~2[H]であった場合、重み付けテーブル計算部76は、廃トナー算出用重み付けテーブル66(図7)の「HL環境での印刷経過時間」の項目において、「タイマ起動無又は0[H]~2[H]」を選択する。このとき「重み付け」の項目は「加算なし」となるため、現在のHL環境廃トナー量累計値57が10000[ドットカウント]だった場合、重み付けテーブル計算部76は、10000[ドットカウント]に加算をせず、10000[ドットカウント]をそのまま廃トナー量累計値52に加算する。また「強制トナー廃棄」の項目は「無」となるため、重み付けテーブル計算部76は、強制トナー廃棄情報58に「無」を設定する(すなわち強制トナー廃棄情報58に値を設定しない)。
【0054】
一方、例えば、HL環境計測タイマ56の経過時間が5[H]だった場合、重み付けテーブル計算部76は、廃トナー算出用重み付けテーブル66の「HL環境での印刷経過時間」の項目において、「4[H]~8[H]」を選択する。このとき「重み付け」の項目は「20[%]の値を加算」となるため、現在のHL環境廃トナー量累計値57が10000[ドットカウント]だった場合、重み付けテーブル計算部76は、10000[ドットカウント]の20[%]の値である2000[ドットカウント]を10000[ドットカウント]に加算した合計12000[ドットカウント]を廃トナー量累計値52に加算する。また「強制トナー廃棄」の項目は「3単位」となるため、重み付けテーブル計算部76は、強制トナー廃棄情報58に「3単位」を設定する。
【0055】
入力部42(図3)は、タッチパネルや操作キーボードにより構成されており、ユーザから操作を受け付ける。表示部44は、表示パネルにより構成されており、画像形成装置1の状態を表示する。通信部46は、上位装置(図示せず)と無線又は有線により接続されており、上位装置から画像データ及び印刷指示を受信する
【0056】
[4.トナー廃棄工程について]
画像形成部36は、供給ローラ25及び現像ローラ26に負の電圧を印加することにより、トナーカートリッジ28から供給されたトナーを感光ドラム22に移動させる。感光ドラム22に一度移動したトナーは、現像ローラ26で再度掻き取られることで外添剤が剥離しやすい。このため、トナーの流動性が低下したり、帯電特性が変化したりする場合がある。
このように、一度電荷を受けたトナーは、時間が経つにつれて劣化してしまう。本実施の形態においては、新品トナーと比較して、外添剤が剥離して流動性や帯電特性等の特性が変化したトナーを、劣化トナー(画像形成ユニット18外に廃棄されるため廃トナーとも呼ぶ)とする。劣化トナーは流動性が低下することでトナー同士が凝集し易い、また、流動性が低下したことで現像ローラ26と供給ローラ25との摩擦時に必要以上に擦られるため、新品トナーよりもトナー帯電量が高くなりやすい。そのため、印刷時に現像ローラ26から感光ドラム22へ劣化トナーが現像されてしまい、汚れが発生する。なお、本実施の形態における『汚れ』とは、現像ローラ26上のトナー層電位の上昇、及び、流動性低下によるトナー形成量の増加によって、感光ドラム22上の非露光部にトナーが供給されて現像する現象である。
【0057】
ここで、用紙の全領域に対する印字領域の割合(すなわち印字率、又は印刷画像密度ともいう)を印刷Dutyとしたとき、例えば、用紙全体の印字率が高い印刷である高Duty印刷が行われた場合は、一度電荷を受けたトナーはすぐに印刷に使用されるため、換言すれば、現像ローラ26上に担持されたトナーのうち感光ドラム22上に移動して消費されるトナーの割合が高いため、トナーは劣化する前に使用され、劣化トナーは増加しにくい。しかしながら、用紙全体の印字率が低い印刷である低Dutyの印刷が多く行われた場合は、一度電荷を受けたトナーが印刷に使用されるまでに時間がかかり、換言すれば、現像ローラ26上に担持されたトナーのうち感光ドラム22上に移動して消費されるトナーの割合が低いため、トナーが劣化してしまう可能性があり、劣化トナーが増加しやすい。
【0058】
そのため、印刷結果の印字率がある一定の印字率(一定の印刷Duty)よりも低い場合、トナーが劣化する可能性がある。画像形成装置1は、印刷結果の印字率が低いと判定する閾値を、廃トナー廃棄スライス値61として予め設定する。画像形成装置1は、印刷を実行した際に、印刷時の印字率である印刷時印字率50を印刷データ印字率算出部70により算出し、廃トナー廃棄カウント算出部71により、印刷時印字率50と廃トナー廃棄スライス値61とを比較して、印刷工程によって生成された劣化トナーの量に対応する廃トナードットカウント51[ドットカウント]を算出する。
【0059】
ここで、1[ドットカウント]=213[ドット]=8192[ドット]である。つまり、1[ドットカウント]のトナー量は、LEDヘッド24によって感光ドラム22上に形成される8192[ドット]の静電潜像の印刷によって消費されるトナーの量を示す。
【0060】
例えば、5[%]Dutyのドットカウント値C[ドットカウント]を、792[ドットカウント]と仮定すると、以下の式(1)から、ドットカウント値C[ドットカウント]は、6488064[ドット]の印刷によって消費されるトナーの量と等価である。
【0061】
[ドットカウント]
=792[ドットカウント]
=6488064[ドット]/213
=6488064[ドット]/8192 ……(1)
【0062】
この場合、1.5[%]Dutyのドットカウント値C1.5[ドットカウント]は、以下の式(2)から、237.6[ドットカウント]である。
【0063】
1.5[ドットカウント]
=C[ドットカウント]×(1.5[%]/5[%])
=792[ドットカウント]×(1.5[%]/5[%])
=237.6[ドットカウント] ……(2)
【0064】
また、この場合、1.0[%]Dutyのドットカウント値C1.0[ドットカウント]は、以下の式(3)から、158.4[ドットカウント]である。
1.0[ドットカウント]
=C[ドットカウント]×(1.0[%]/5[%])
=792[ドットカウント]×(1.0[%]/5[%])
=158.4[ドットカウント] ……(3)
【0065】
式(2)及び式(3)から、印刷時印字率50が1.0[%]であり、廃トナー廃棄スライス値61が1.5[%]の場合は、印刷における廃トナードットカウント51[ドットカウント]は、以下の式(4)で算出される。
廃トナードットカウント51[ドットカウント]
=C1.5[ドットカウント]-C1.0[ドットカウント]
=237.6[ドットカウント]-158.4[ドットカウント]
=79.2[ドットカウント] ……(4)
【0066】
式(4)は、印刷時印字率50=1.0[%]でC1.0[ドットカウント]=158.4[ドットカウント]の印刷を行った場合にトナー収容部21内で増加する劣化トナーの量、すなわち、廃トナードットカウント51[ドットカウント]は、79.2[ドットカウント]であることを意味する。
【0067】
印刷を継続して行い、廃トナードットカウント51[ドットカウント]の累計値である廃トナー量累計値52[ドットカウント]が、予め決められた廃トナー廃棄実行ドットカウント62[ドットカウント]に達した場合、制御部40は、トナー収容部21内に収容されているトナーの一部を強制的に廃棄することによって劣化トナーを廃棄するトナー廃棄工程を実行する。
【0068】
廃トナー廃棄実行ドットカウント62[ドットカウント]は、例えば、以下のように算出される。まず、トナー廃棄実行ドット値TFb[ドット]が、例えば、以下の式(5)のように設定される場合、廃トナー廃棄実行ドットカウント62[ドットカウント]は、以下の式(6)のように算出される。
【0069】
TFb[ドット]
=(主走査方向の印刷ドット数)×(副走査方向の印刷ライン数)
=4992[ドット]×1364[ライン]
=6809088[ドット] ……(5)
【0070】
廃トナー廃棄実行ドットカウント62
=TFb[ドット]/213
=6809088[ドット]/8192
≒831[ドットカウント] ……(6)
【0071】
画像形成装置1は、印刷前のタイミングや印刷中のある規定枚数の印刷が終了したタイミングで、廃トナー廃棄実行ドットカウント62[ドットカウント]、すなわち、831[ドットカウント]分のトナーを廃トナー廃棄実行部72がトナー収容部21から強制的に廃棄するためのトナー廃棄工程を行う。以下では、廃トナー廃棄実行ドットカウント62[ドットカウント](831[ドットカウント])分のトナーをトナー収容部21から強制的に廃棄することを、1単位のトナー廃棄工程を実行するとする。
【0072】
図4に、トナー廃棄工程において転写ベルト13上に形成されるトナー廃棄用のトナー画像であるトナー廃棄パターンPtdを示す。トナー廃棄パターンPtdのトナー画像は、感光ドラム22の副走査方向に1、0、1、0、…を繰り返す(すなわち、LEDヘッド24の全LED発光(オン)、全LED消灯(オフ)、…を繰り返す)50[%]Dutyの静電潜像パターンに基づく画像である。
【0073】
これに加えて、本実施の形態において画像形成装置1は、印刷時印字率50だけではなく、印刷時の画像形成装置1周辺の温度湿度と、印刷時の画像形成装置1内の温度と、HL環境で印刷を開始してからLL環境で印刷を開始するまでの時間と、HL環境での印刷後のLL環境での印刷時の画像形成装置1周辺の温度湿度も考慮して、トナー廃棄工程を実行する。
【0074】
[5.HL環境判定処理]
次に、印刷終了時にHL環境及びベルト温度55をチェックする処理である、HL環境判定処理の具体的な処理手順であるHL環境判定処理手順RT1について、図5のフローチャートを用いて説明する。制御部40は、ROM49のプログラム格納部60からHL環境判定処理プログラムを読み出して実行することによりHL環境判定処理手順RT1を開始し、ステップSP1へ移る。
【0075】
ステップSP1において制御部40は、印刷指示を上位装置から受信し、ステップSP2へ移る。ステップSP2において制御部40は、廃トナー量累計値52が廃トナー廃棄実行ドットカウント62に達したか否かを廃トナー廃棄実行部72により判定する。ここで肯定結果が得られると、このことは、トナー廃棄工程を実行することを表し、このとき制御部40は、ステップSP3へ移る。ステップSP3において制御部40は、トナー廃棄工程を廃トナー廃棄実行部72により実行し、廃トナー量累計値52から廃トナー廃棄実行ドットカウント62を廃トナー廃棄カウント算出部71により減算してステップSP4へ移る。一方、ステップSP2において否定結果が得られると、このことは、トナー廃棄工程を実行する必要がないことを表し、このとき制御部40は、ステップSP3をスキップしてステップSP4へ移る。
【0076】
ステップSP4において制御部40は、画像形成部36により印刷を実行し、印刷が完了すると、ステップSP5へ移る。ステップSP5において制御部40は、印刷時印字率50を印刷データ印字率算出部70により算出し、廃トナー廃棄カウント算出部71により、廃トナー廃棄スライス値61と該印刷時印字率50との差分である廃トナードットカウント51を算出して該廃トナードットカウント51を廃トナー量累計値52に加算し、ステップSP6へ移る。
【0077】
ステップSP6において制御部40は、環境温湿度センサ32で読み取った環境温度53及び環境湿度54を温度判定閾値63及び湿度判定閾値64と比較し、環境温度53が温度判定閾値63以上であり、且つ環境湿度54が湿度判定閾値64未満であるか否かをHL環境ベルト温度判定部73により判定する。ここで肯定結果が得られると、このことは、現在はHL環境であることを表し、このとき制御部40は、ステップSP7へ移る。ステップSP7において制御部40は、ベルトサーミスタ33で読み取ったベルト温度55がベルト温度判定閾値65以上であるか否かをHL環境ベルト温度判定部73により判定する。ここで肯定結果が得られると、このことは、現在はHL環境であり、且つ、ベルト温度55がベルト温度判定閾値65以上であることを表し、このとき制御部40は、ステップSP8へ移る。
【0078】
ステップSP8において制御部40は、HL環境計測タイマ56をHL環境時カウンタ計算部74によりスタートさせ、ステップSP9へ移る。ここで、既にHL環境計測タイマ56がスタートしている場合、HL環境時カウンタ計算部74は、そのHL環境計測タイマ56をそのまま継続する。
【0079】
ステップSP9において制御部40は、HL環境時カウンタ計算部74により、廃トナー廃棄スライス値61と今回のHL環境下での印刷における印刷時印字率50との差分である廃トナードットカウント51をHL環境廃トナー量累計値57に加算し、ステップSP10へ移りHL環境判定処理手順RT1を終了する。このHL環境計測タイマ56及びHL環境廃トナー量累計値57は、後述するLL環境判定処理手順RT2における印刷において使用される。制御部40は、HL環境下での印刷が繰り返される度に、HL環境時カウンタ計算部74により、廃トナー廃棄スライス値61と印刷時印字率50との差分である廃トナードットカウント51をHL環境廃トナー量累計値57に加算していく。
【0080】
一方、ステップSP6において否定結果が得られると、このことは、現在はHL環境ではなく現像ローラ26上のトナー形成量が増加しにくいため次にLL環境下での印刷が行われる前にトナー廃棄工程を実行する必要はないことを表し、このとき制御部40は、ステップSP7~SP9をスキップしてステップSP10へ移り、HL環境判定処理手順RT1を終了する。また一方、ステップSP7において否定結果が得られると、このことは、現在はHL環境ではあるもののベルト温度55がベルト閾値温度未満でありトナーは劣化しにくいためLL環境下での印刷が行われる前にトナー廃棄工程を実行する必要はないことを表し、このとき制御部40は、ステップSP8及びSP9をスキップしてステップSP10へ移り、HL環境判定処理手順RT1を終了する。
【0081】
[6.LL環境判定処理]
次に、印刷開始時にLL環境をチェックする処理である、LL環境判定処理の具体的な処理手順であるLL環境判定処理手順RT2について、図6のフローチャートを用いて説明する。制御部40は、ROM49のプログラム格納部60からLL環境判定処理プログラムを読み出して実行することによりLL環境判定処理手順RT2を開始し、ステップSP11へ移る。
【0082】
ステップSP11において制御部40は、印刷指示を上位装置から受信し、ステップSP12へ移る。ステップSP12において制御部40は、環境温湿度センサ32で読み取った環境温度53及び環境湿度54を温度判定閾値63及び湿度判定閾値64と比較し、環境温度53が温度判定閾値63未満であり、且つ環境湿度54が湿度判定閾値64未満であるか否かをLL環境判定部75により判定する。ここで肯定結果が得られると、このことは、現在はLL環境であることを表し、このとき制御部40は、ステップSP13へ移る。
【0083】
ステップSP13において制御部40は、重み付けテーブル計算部76により、HL環境廃トナー量累計値57をHL環境計測タイマ56に応じて重み付けをし、廃トナー量累計値52に加算すると共に、HL環境計測タイマ56に応じて強制トナー廃棄情報58を設定し、ステップSP14へ移る。このとき、HL環境判定処理手順RT1のステップSP8においてスタートしたHL環境計測タイマ56が、例えば、7[H]経過した場合、廃トナー算出用重み付けテーブル66(図7)において、「重み付け」は「20[%]の値を加算」となり、「強制トナー廃棄」は「3単位」となる。このため、HL環境廃トナー量累計値57が10000[ドットカウント]だった場合、重み付けテーブル計算部76は、10000[ドットカウント]の20[%]の値である2000[ドットカウント]を10000[ドットカウント]に加算した合計12000[ドットカウント]を廃トナー量累計値52に加算する。また重み付けテーブル計算部76は、強制トナー廃棄情報58に3単位をセットする。
【0084】
ステップSP14において制御部40は、HL環境計測タイマ56をHL環境時カウンタ計算部74によりストップしクリアすると共に、HL環境廃トナー量累計値57をHL環境時カウンタ計算部74によりクリアし、ステップSP15へ移る。
【0085】
一方、ステップSP12において否定結果が得られると、このことは、現在はLL環境以外でありトナー帯電量が高くなりにくいため、トナー廃棄工程を実行する必要はないことを表し、このとき制御部40は、ステップSP13及びSP14をスキップしてステップSP15へ移る。
【0086】
ステップSP15において制御部40は、強制トナー廃棄情報58をチェックし、強制トナー廃棄情報58に値が設定されているか否かを廃トナー廃棄実行部72により判定する。ここで肯定結果が得られると、このことは、強制的にトナー廃棄工程を実行することを表し、このとき制御部40は、ステップSP16へ移る。ステップSP16において制御部40は、廃トナー廃棄実行部72により、強制トナー廃棄情報58に設定された単位数分だけ強制でトナー廃棄工程を実行し、強制トナー廃棄情報58をクリアしてステップSP19へ移る。
【0087】
一方、ステップSP15において否定結果が得られると、このことは、強制トナー廃棄情報58に値が入っていないことを表し、このとき制御部40は、ステップSP17へ移る。ステップSP17において制御部40は、廃トナー量累計値52が廃トナー廃棄実行ドットカウント62に達したか否かを廃トナー廃棄実行部72により判定する。ここで肯定結果が得られると、このことは、通常通りトナー廃棄工程を実行することを表し、このとき制御部40は、ステップSP18へ移る。ステップSP18において制御部40は、トナー廃棄工程を廃トナー廃棄実行部72により実行し、廃トナードットカウント51から廃トナー廃棄実行ドットカウント62を廃トナー廃棄カウント算出部71により減算してステップSP19へ移る。一方、ステップSP17において否定結果が得られると、このことは、トナー廃棄工程を実行する必要はないことを表し、このとき制御部40は、ステップSP18をスキップしてステップSP19へ移る。
【0088】
ステップSP19において制御部40は、画像形成部36により印刷を実行し、印刷が完了すると、ステップSP20へ移る。ステップSP20において制御部40は、印刷時印字率50を印刷データ印字率算出部70により算出し、廃トナー廃棄カウント算出部71により、廃トナー廃棄スライス値61と該印刷時印字率50との差分である廃トナードットカウント51を算出して該廃トナードットカウント51を廃トナー量累計値52に加算し、ステップSP21へ移りLL環境判定処理手順RT2を終了する。
【0089】
[7.効果等]
ここで、高温環境下にトナーが晒されると、樹脂からなるトナー母剤が軟化する。このため、高温環境下で画像形成装置1が長時間印刷すると、トナー母剤の表面に付着している外添剤が剥離しやすくなる。外添剤が剥離するとトナー母剤同士が直接接触しやすくなるためトナーが凝集しやすくなり、トナー全体の流動性が低下する。このため、現像時に現像ローラ26上にトナー形成量が増大しやすくなり、印字結果に汚れが生じる等、印字不良が発生しやすくなる。
【0090】
また、低湿度環境にトナーが晒されると、湿度が低いため印刷時に現像ローラ26等にトナーが摩擦されたときのトナー帯電量が高くなる。このため、高帯電トナーが多くなって媒体Pにおける非印字領域にトナーが移動しやすくなり、印字結果に汚れが発生しやすくなる。
【0091】
これに対し画像形成装置1は、過去のHL環境での印刷時に使用していた周囲環境である環境温度53及び環境湿度54と、過去のHL環境での印刷時の画像形成装置1内の温度であるベルト温度55と、過去のHL環境での印刷を開始してから次にLL環境で印刷を開始するまでのHL環境計測タイマ56の計測時間と、HL環境での印刷後のLL環境での印刷時に使用する周囲環境である環境温度53及び環境湿度54とに応じて、トナー廃棄工程における劣化トナーを外部に排出する量である廃トナー画像形成量を変更するようにした。
【0092】
すなわち画像形成装置1は、トナーがダメージを受けやすく現像ローラ26上のトナー形成量が増大しやすい状態である、HL環境且つベルト温度55が高い(画像形成装置1の内部温度が高い)状態で第1の印刷を長時間行った後に、汚れ等印字不良が発生しやすい環境である、LL環境で次の印刷である第2の印刷を行う場合、第2の印刷を行う前に、HL環境計測タイマ56の経過時間が長い程、HL環境廃トナー量累計値57の値が大きくなるように重み付けして廃トナー量累計値52に加算するようにした。このため画像形成装置1は、廃トナー量累計値52が廃トナー廃棄実行ドットカウント62に到達しやすくでき、積極的にトナー廃棄工程を実行できる。
【0093】
このため画像形成装置1は、HL環境における長時間の印刷において劣化したトナーを、次のLL環境における印刷の前に強制的に廃棄でき、次のLL環境における印刷結果の汚れを最低限に抑え、印字品位を保つことができる。
【0094】
ここで、HL環境において高印字率で印刷が繰り返された場合、印刷時印字率50が高くなるため、HL環境判定処理手順RT1(図5)におけるステップSP9において、廃トナー廃棄スライス値61からHL環境下での印刷における印刷時印字率50を減算した廃トナードットカウント51は、負の値を取りやすい傾向になる。そのような場合、HL環境下において印刷工程が繰り返し実行され、廃トナードットカウント51がHL環境廃トナー量累計値57に加算されても、該HL環境廃トナー量累計値57は、大きな値とはならない。このため、LL環境判定処理手順RT2(図6)におけるステップSP13において、HL環境廃トナー量累計値57がHL環境計測タイマ56に応じて重み付けをされても、元々のHL環境廃トナー量累計値57が小さな値であるため、たとえHL環境計測タイマ56が長時間を計測していたとしても、HL環境廃トナー量累計値57が廃トナー廃棄実行ドットカウント62に到達しない可能性がある。そのような場合、仮に強制トナー廃棄情報58がないと、HL環境において長時間印刷されてからLL環境において印刷が開始されているにも関わらずに、トナー廃棄工程が実行されずにLL環境において印刷が開始される可能性がある。しかしながら、HL環境において高印字率で印刷が繰り返された場合、HL環境において低印字率で印刷が繰り返された場合よりはトナーは劣化しにくいものの、高温環境ではあるため、トナーはある程度は劣化する。このため、LL環境における印刷時に印字結果が良好でなくなってしまう可能性がある。
【0095】
これに対し画像形成装置1は、強制トナー廃棄情報58を設け、HL環境計測タイマ56の経過時間が長い程、多くの単位数分のトナー廃棄工程を実行する、強制トナー廃棄工程を実行するようにした。このため画像形成装置1は、廃トナー量累計値52に関わらず、HL環境計測タイマ56に応じて強制的にトナー廃棄工程を実行できる。これにより画像形成装置1は、HL環境において高印字率で印刷が繰り返され、HL環境廃トナー量累計値57が大きな値とはならない場合であっても、HL環境において長時間印刷を繰り返した後にLL環境で印刷を実行する場合、HL環境において印字した時間に応じた単位数のトナー廃棄工程を実行でき、LL環境における印刷時の印字結果を良好にできる。
【0096】
また画像形成装置1は、印字時の環境及び印字に要した時間からトナーの劣化具合を推測し、劣化トナー廃棄を実行する量を決定するようにした。このため画像形成装置1は、トナーの劣化具合が大きい場合は、劣化トナー廃棄量を多くする一方で、トナーの劣化具合が少ない場合は、劣化トナー廃棄量を少なめ(又は実行しない)にすることとなる。これにより画像形成装置1は、必要以上の量を劣化トナー廃棄量として廃棄してしまい、トナーを無駄にしてしまうことを抑止できる。
【0097】
以上の構成によれば画像形成装置1は、媒体P上にトナー画像を形成する画像形成部36と、印刷ジョブを上位装置から受信し、印刷ジョブから算出した廃トナー量としての廃トナードットカウント51に基づいて、所定タイミングで画像形成部36の動作を制御して廃トナー画像としてのトナー廃棄パターンPtdを媒体P上に形成するトナー廃棄工程を実行する、制御部40における印刷データ印字率算出部70、廃トナー廃棄カウント算出部71及び廃トナー廃棄実行部72と、画像形成装置1の周囲環境としての環境温度53及び環境湿度54を検出する環境温湿度センサ32と、環境温湿度センサ32が検出した環境情報としての周囲環境を記憶する記憶部38とを設け、印刷ジョブは少なくとも第1データ及び第2データを含み、制御部40は、記憶部38が記憶した、第1データを受信して画像形成部36を動作させたときの過去の周囲環境である第1環境情報と、記憶部38が記憶した、第2データを受信して画像形成部36を動作させるときの現在の周囲環境である第2環境情報とを用いて、第2データを印刷する前におけるトナー廃棄パターンPtdの形成量を変更するようにした。
【0098】
これにより画像形成装置1は、HL環境における長時間の印刷において劣化したトナーを、次のLL環境における印刷の前に強制的に廃棄でき、次のLL環境における媒体P上の印刷結果の汚れを抑えることができる。
【0099】
[8.他の実施の形態]
ここで、複数の画像形成ユニット18C、18M、18Y及び18Kのうち、熱源である定着器30の近くに配置されている画像形成ユニット18ほど、定着器30の熱の影響を受けやすく、トナー収容部21内のトナーの劣化が進みやすい傾向にある。具体的には、例えば、画像形成ユニット18Cの方が、画像形成ユニット18Kよりも定着器30の近くに配置されているため、定着器30の熱の影響を受けやすい。これに対し画像形成装置1は、それぞれの画像形成ユニット18における定着器30からの距離に応じてトナー廃棄工程における廃棄トナー量を変更し、定着器30の近くに配置されている画像形成ユニット18ほど、廃棄トナー量を増加させるようにしても良い。この場合、画像形成装置1は、全ての画像形成ユニット18C、18M、18Y及び18Kにおいて、トナーの劣化具合のバランスを取ることができる。要は、少なくとも、定着器30に対して第1の距離を置いて配置された画像形成ユニット18Kのトナー収容部21よりも、定着器30に対して第1の距離よりも短い第2の距離を置いて配置された画像形成ユニット18Cのトナー収容部21の方の廃棄トナー量を増加させれば良い。
【0100】
一方、複数の画像形成ユニット18C、18M、18Y及び18Kのうち、筐体2内部の温かい空気を筐体2外部へ排出する排気ファンの近くに配置されている画像形成ユニット18ほど冷やされやすく、トナー収容部21内のトナーの劣化が進みにくい傾向にある。これに対し画像形成装置1は、それぞれの画像形成ユニット18における排気ファンからの距離に応じてトナー廃棄工程における廃棄トナー量を変更し、排気ファンの近くに配置されている画像形成ユニット18ほど、廃棄トナー量を低下させるようにしても良い。
【0101】
また、トナーは、トナー収容部21内で現像ローラ26や供給ローラ25により摩擦される。このため、印刷Dutyが低い印刷が続けられ、トナー収容部21内のトナー残量が減少し空に近付いてくると、劣化したトナーが印刷されずにトナー収容部21内に滞留し、トナー収容部21内の劣化トナーが多くなってくる傾向にある。これに対し画像形成装置1は、それぞれの画像形成ユニット18において、現像装置トナー量検出センサにより検出したトナー収容部21内部のトナー残量に応じてトナー廃棄工程における廃棄トナー量を変更し、トナー残量が減少し空に近付いたことを示すトナーローを検出した場合、廃棄トナー量を増加させるようにしても良い。この場合、画像形成装置1は、劣化トナーを使用してしまう可能性を低下させ、印字品位を保つことができる。又は、現像装置トナー量検出センサにより検出したトナー収容部21内部のトナー残量が少ないほど、トナー廃棄工程における廃棄トナー量を増加させても良い。要は、トナーの残量に反比例させて廃トナー画像の形成量を増加させれば良く、それぞれの画像形成ユニット18における、現像装置トナー量検出センサの検出結果に基づき、少なくともトナー収容部21内のトナー残量が満杯の場合よりも、トナー収容部21内のトナー残量が空の場合の方が、廃棄トナー量を増加させれば良い。
【0102】
一方、トナーは、トナーカートリッジ28のトナー収容室内で撹拌部材により撹拌される。このため、印刷Dutyが低い印刷が続けられ、トナー収容室内のトナー残量が減少し空に近付いてくると、撹拌され劣化したトナーが印刷されずにトナー収容室内に滞留し、トナー収容室内の劣化トナーが多くなってくる傾向にある。これに対し画像形成装置1は、それぞれの画像形成ユニット18において、カートリッジトナー量検出センサにより検出したトナー収容室内部のトナー残量に応じてトナー廃棄工程における廃棄トナー量を変更し、トナー残量が減少し空に近付いたことを示すトナーローを検出した場合、廃棄トナー量を増加させるようにしても良い。この場合、画像形成装置1は、劣化トナーを使用してしまう可能性を低下させ、印字品位を保つことができる。又は、カートリッジトナー量検出センサにより検出したトナー収容室内部のトナー残量が少ないほど、トナー廃棄工程における廃棄トナー量を増加させても良い。要は、それぞれの画像形成ユニット18における、カートリッジトナー量検出センサの検出結果に基づき、少なくともトナー収容室内のトナー残量が満杯の場合よりも、トナー収容室内のトナー残量が空の場合の方が、廃棄トナー量を増加させれば良い。
【0103】
さらに、マゼンタトナーは、媒体P上に転写された所定量のトナーが媒体Pを隠蔽可能な隠蔽率が低いため、他の色のトナーと比較して、トナー形成量が多く汚れやすい傾向にある。また、ブラックトナーは、顔料としてカーボンブラックが用いられているため、他の色のトナーと比較して、トナー帯電量が高く汚れやすい傾向にある。これに対し画像形成装置1は、汚れにくい色のトナーであるイエロートナー及びシアントナーを収容する画像形成ユニット18Y及び18Cのトナー廃棄工程における廃棄トナー量よりも、汚れやすい色のトナーであるブラックトナー及びマゼンタトナーを収容する画像形成ユニット18K及び18Mのトナー廃棄工程における廃棄トナー量を増加させても良い。なお、トナーの帯電量(ブローオフ帯電量)は、トナーとキャリアとを振とうにより撹拌して測定可能である。例えば、トナー0.5[g]に対し、パウダーテック株式会社製のフェライトキャリア「F-60」9.5[g]を混合する。振とうには、株式会社ヤヨイ製の振とう器「model YS-LD」を用いて、振とう回数を200回/分、振とう角度を45[°]、振とう幅を800[mm]とする。振とう時間は、5分間とする。撹拌後、京セラ株式会社製の紛体帯電量測定装置「TYPE TB-203」を使用し、ブロー圧力を7[kPa]、吸引圧力を4.5[kPa]として10秒間の吸引を行い、10秒後の電荷量と吸引量とから、トナー粒子の単位重量当たりの電荷量Q/M(単位:[μC/g])を算出する。各画像形成ユニット18に対応するトナーを上記方法でトナー帯電量を算出し、トナーの帯電量が高い/低いを決定する。
【0104】
さらに上述した実施の形態においては、HL環境且つベルト温度55が高い状態で第1の印刷を長時間行った後に、汚れ等印字不良が最も発生しやすい環境である、LL環境で次の印刷である第2の印刷を行う場合に廃棄トナー量を増やす場合について述べた。本発明はこれに限らず、LL環境の重み付けよりも加算量を減らせば、LL環境以外の例えばHL環境においても、トナー廃棄量を増やしてもよい。一方で、汚れが発生しにくい環境で印刷した場合はトナー廃棄量を減らしても良い。具体的には、現像ローラ26上の形成量が増大しにくい環境である、特にHH(High temperature High humidity)環境で長時間印刷された後に、次の印刷でも汚れが発生しやすい環境(特にHH環境)で印刷する場合、例えば、重み付けを「10[%]の値を減算」する等して、廃棄トナー量を減らしても良い。
【0105】
さらに上述した実施の形態においては、現像ローラ26上の劣化トナー形成量が増大しやすい環境を高温高湿環境(HL環境)とする場合について述べた。本発明はこれに限らず、現像ローラ26上の劣化トナー形成量が増大しやすい環境を、湿度に関わらず高温環境としても良い。
【0106】
さらに上述した実施の形態においては、トナーの帯電量が高くなり印字結果に汚れが発生しやすい環境を低温低湿環境(LL環境)とする場合について述べた。本発明はこれに限らず、トナーの帯電量が高くなり印字結果に汚れが発生しやすい環境を、温度に関わらず低湿環境としても良い。
【0107】
さらに上述した実施の形態においては、HL環境判定処理手順RT1におけるステップSP6及びSP7において、高温高湿環境(HL環境)であり、且つベルト温度55がベルト温度判定閾値65以上である場合に、ステップSP8及びSP9において、HL環境計測タイマ56をスタートさせ、廃トナードットカウント51をHL環境廃トナー量累計値57に加算する場合について述べた。本発明はこれに限らず、ベルト温度55がベルト温度判定閾値65以上であるか否かに関わらず、少なくとも高温高湿環境(HL環境)である場合に、HL環境計測タイマ56をスタートさせ、廃トナードットカウント51をHL環境廃トナー量累計値57に加算しても良い。
【0108】
さらに上述した実施の形態においては、ベルトサーミスタ33が検出したベルト温度55を画像形成装置1の内部の温度として使用する場合について述べた。本発明はこれに限らず、画像形成装置1の内部の温度として、例えば、複数又は所定の1つの感光ドラム22の表面温度や、複数又は所定の1つの現像装置20周辺の温度等、他の種々の箇所の温度を使用しても良い。
【0109】
さらに上述した実施の形態においては、ベルト温度判定閾値65を40[℃]とする場合について述べた。本発明はこれに限らず、ベルト温度判定閾値65を他の種々の温度としても良い。この場合、例えば、ベルト温度判定閾値65を40[℃]よりも高くすると、媒体Pに汚れは発生しやすくなるものの、トナーの消費を抑えることができる。一方、ベルト温度判定閾値65を40[℃]よりも低くすると、トナーの消費量は増えるものの、媒体Pに汚れは発生しにくくなる。また、印刷時印字率50が高い印刷ジョブの場合はベルト温度判定閾値65を高くする等、印刷時印字率50に応じてベルト温度判定閾値65を変動させても良い。
【0110】
さらに上述した実施の形態においては、HL環境での印刷を開始してからLL環境での印刷を開始するまでの時間をHL環境計測タイマ56が計測する場合について述べた。本発明はこれに限らず、HL環境での印刷が完了してからLL環境での印刷が開始されるまでの放置時間よりも、HL環境での印刷に要した時間の方が、トナーの劣化に及ぼす影響は大きいため、HL環境での印刷を開始してからHL環境での印刷を終了するまでの時間をHL環境計測タイマ56が計測しても良い。
【0111】
さらに上述した実施の形態においては、トナー廃棄パターンPtdの印刷Dutyを50[%]とする場合について述べた。本発明はこれに限らず、トナー廃棄パターンPtdの印刷Dutyを他の種々の割合としても良い。
【0112】
さらに上述した実施の形態においては、感光ドラム22から媒体Pにトナー画像を直接転写する、いわゆる直接転写方式の画像形成装置1に本発明を適用する場合について述べた。本発明はこれに限らず、感光ドラム22から各色のトナー画像を媒体としての中間転写ベルトに順次重ねるように転写し、この中間転写ベルトから媒体Pにトナー画像を転写する、いわゆる中間転写方式(又は2次転写方式)の画像形成装置に本発明を適用しても良い。
【0113】
さらに上述した実施の形態においては、一成分現像方式に用いる現像剤を用いる画像形成装置1に本発明を適用する場合について述べた。本発明はこれに限らず、キャリアとトナーとを混合することにより、そのキャリアとトナーとの摩擦を利用してトナーに適切な帯電量を付与する方式である二成分現像方式の現像剤を用いる画像形成装置に本発明を適用しても良い。
【0114】
さらに上述した実施の形態においては、前後方向に沿って直列に配置された各色の画像形成ユニット18を有するタンデム方式の画像形成装置1に本発明を適用する場合について述べた。本発明はこれに限らず、例えば4サイクル方式等、他の種々の方式の画像形成装置に本発明を適用しても良い。
【0115】
さらに上述した実施の形態においては、シアン、マゼンタ、イエロー及びブラックの各色に対応した4個の画像形成ユニット18を有し4色のトナーを用いたカラー画像を形成する画像形成装置1に本発明を適用する場合について述べた。本発明はこれに限らず、画像形成装置において使用されるトナーの色数に応じて3個以下や5個以上の画像形成ユニット18を有する画像形成装置や、1個の画像形成ユニットを有しモノクロ印刷を行う画像形成装置に本発明を適用しても良い。
【0116】
さらに上述した実施の形態においては、単機能のプリンタである画像形成装置1に本発明を適用する場合について述べた。本発明はこれに限らず、例えば複写機やファクシミリ装置の機能を有するMFP(Multi Function Peripheral:複合機)等、他の種々の機能を有する画像形成装置に本発明を適用しても良い。また、電子写真方式により現像剤を用いて用紙等の媒体Pに画像を形成する種々の電子機器に本発明を適用しても良い。
【0117】
さらに本発明は、上述した各実施の形態及び他の実施の形態に限定されるものではない。すなわち本発明は、上述した各実施の形態と上述した他の実施の形態の一部又は全部を任意に組み合わせた実施の形態や、一部を抽出した実施の形態にもその適用範囲が及ぶものである。
【0118】
さらに上述した実施の形態においては、画像形成部としての画像形成部36と、制御部としての制御部40と、第1センサ部としての環境温湿度センサ32と、記憶部としての記憶部38とによって、画像形成装置としての画像形成装置1を構成する場合について述べた。本発明はこれに限らず、その他種々の構成でなる画像形成部と、制御部と、第1センサ部と、記憶部とによって、画像形成装置を構成しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0119】
本発明は、例えば電子写真式のプリンタで利用できる。
【符号の説明】
【0120】
1……画像形成装置、2……筐体、4……媒体格納トレイ、5……ピックアップローラ、6……搬送路、7、8、9、10……搬送ローラ、12…転写ユニット、13……転写ベルト、14……転写ローラ、15……ベルトクリーニングブレード、16……ベルト廃トナー回収容器、18……画像形成ユニット、20……現像装置、21……トナー収容部、22……感光ドラム、23……帯電ローラ、24……LEDヘッド、25……供給ローラ、26……現像ローラ、27……クリーニングブレード、28……トナーカートリッジ、30……定着器、31……媒体集積トレイ、32……環境温湿度センサ、33……ベルトサーミスタ、34……媒体検知センサ、36……画像形成部、38……記憶部、40……制御部、42……入力部、44……表示部、46……通信部、48……RAM、49……ROM、50……印刷時印字率、51……廃トナードットカウント、52……廃トナー量累計値、53……環境温度、54……環境湿度、55……ベルト温度、56……HL環境計測タイマ、57……HL環境廃トナー量累計値、58……強制トナー廃棄情報、60……プログラム格納部、61……廃トナー廃棄スライス値、62……廃トナー廃棄実行ドットカウント、63……温度判定閾値、64……湿度判定閾値、65……ベルト温度判定閾値、66……廃トナー算出用重み付けテーブル、70……印刷データ印字率算出部、71……廃トナー廃棄カウント算出部、72……廃トナー廃棄実行部、73……HL環境ベルト温度判定部、74……HL環境時カウンタ計算部、75……LL環境判定部、76……重み付けテーブル計算部、Ptd……トナー廃棄パターン、P……媒体。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7