(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022166583
(43)【公開日】2022-11-02
(54)【発明の名称】プログラム、および、サーバー
(51)【国際特許分類】
G06F 3/12 20060101AFI20221026BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20221026BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20221026BHJP
B41J 29/00 20060101ALI20221026BHJP
【FI】
G06F3/12 326
G06F3/12 303
G06F3/12 392
G06F3/12 385
G06F3/12 331
G06F3/12 336
G06F3/12 329
G06F3/12 355
H04N1/00 127B
B41J29/38
B41J29/00 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021071877
(22)【出願日】2021-04-21
(71)【出願人】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】神沢 元紀
【テーマコード(参考)】
2C061
5C062
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AP07
2C061AQ04
2C061AQ05
2C061AQ06
2C061AR01
2C061AR03
2C061CG02
2C061CG15
2C061HJ08
2C061HN05
2C061HN15
2C061HP06
2C061HP08
2C061HQ03
5C062AA02
5C062AA05
5C062AA12
5C062AA14
5C062AA29
5C062AA35
5C062AA37
5C062AB22
5C062AB38
5C062AB40
5C062AB42
5C062AC04
5C062AC22
5C062AC34
(57)【要約】
【課題】ユーザーの位置に応じて印刷する画像形成装置を変更可能とするための携帯端末用プログラム、および、サーバーを提供する。
【解決手段】携帯端末100のプロセッサーに、印刷データと印刷条件とを含む印刷ジョブを携帯端末100の記憶装置に記憶することと、携帯端末100とネットワークを介して接続される複数の画像形成装置の中から、当該携帯端末100から印刷ジョブを受信可能な少なくとも1つの画像形成装置を抽出することと、少なくとも1つの画像形成装置のうち携帯端末100からの距離に関する条件を満たす一の画像形成装置200を印刷ジョブの送信先の候補として特定することと、記憶装置に印刷ジョブが記憶されている場合に、一の画像形成装置200に対し印刷ジョブを送信することと、を実行させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯端末のプロセッサーに、
印刷データと印刷条件とを含む印刷ジョブを前記携帯端末の記憶装置に記憶することと、
前記携帯端末とネットワークを介して接続される複数の画像形成装置の中から、当該携帯端末から前記印刷ジョブを受信可能な少なくとも1つの画像形成装置を抽出することと、
前記少なくとも1つの画像形成装置のうち前記携帯端末からの距離に関する条件を満たす一の画像形成装置を前記印刷ジョブの送信先の候補として特定することと、
前記記憶装置に前記印刷ジョブが記憶されている場合に、前記一の画像形成装置に対し前記印刷ジョブを送信することと、を実行させる、プログラム。
【請求項2】
前記抽出することは、前記記憶装置に前記印刷ジョブが記憶されている場合に実行される、請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記プログラムは、前記プロセッサーに、前記印刷ジョブを受信可能な画像形成装置の識別情報を前記記憶装置に記憶することをさらに実行させ、
前記抽出することは、
前記ネットワークに接続されている画像形成装置から当該画像形成装置の識別情報を含む第1のMIBデータを取得することと、
前記第1のMIBデータと、前記記憶装置に記憶されている前記識別情報とに基づいて、前記少なくとも1つの画像形成装置を抽出することと、を含む、請求項1または請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記少なくとも1つの画像形成装置は、前記印刷ジョブを受信可能であり、かつ、前記印刷ジョブに含まれる前記印刷条件に従った処理を実行可能である、請求項2に記載のプログラム。
【請求項5】
前記プログラムは、前記プロセッサーに、前記印刷ジョブを受信可能な画像形成装置の識別情報と、当該画像形成装置で処理可能な印刷条件とを対応付けた装置情報を前記記憶装置に記憶することをさらに実行させ、
前記抽出することは、
前記ネットワークに接続されている画像形成装置から当該画像形成装置の識別情報を含む第1のMIBデータを取得することと、
前記第1のMIBデータと、前記装置情報と、前記印刷ジョブに含まれる前記印刷条件とに基づいて、前記少なくとも1つの画像形成装置を抽出することと、を含む、請求項4に記載のプログラム。
【請求項6】
前記プログラムは、前記プロセッサーに、前記印刷ジョブを受信可能な画像形成装置の識別情報を前記記憶装置に記憶することをさらに実行させ、
前記抽出することは、
前記ネットワークに接続されている画像形成装置から、当該画像形成装置の識別情報を含む第1のMIBデータと、当該画像形成装置で処理可能な印刷条件を含む第2のMIBデータとを取得することと、
前記第1のMIBデータと、前記第2のMIBデータと、前記記憶装置に記憶されている前記識別情報と、前記印刷ジョブに含まれる前記印刷条件とに基づいて、前記少なくとも1つの画像形成装置を抽出することと、を含む、請求項4に記載のプログラム。
【請求項7】
前記距離に関する条件は、前記携帯端末から所定距離未満に位置するという条件を含み、
前記特定することは、
前記携帯端末と前記少なくとも1つの画像形成装置との間の離間距離を算出することと、
前記離間距離が所定距離未満に位置する画像形成装置を前記一の画像形成装置に決定することと、を含む、請求項1~請求項6のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項8】
前記離間距離を算出することは、前記少なくとも1つの画像形成装置に対し電波を送信してから当該電波に対する応答波を受信するまでにかかった時間に基づいて、前記離間距離を算出することを含む、請求項7に記載のプログラム。
【請求項9】
前記離間距離を算出することは、前記少なくとも1つの画像形成装置から当該画像形成装置の位置情報を取得し、前記携帯端末の位置情報と取得した位置情報とに基づいて、前記離間距離を算出することを含む、請求項7に記載のプログラム。
【請求項10】
前記一の画像形成装置に対し前記印刷ジョブを送信することは、前記一の画像形成装置に対し前記印刷ジョブを送信するか否かをユーザーに確認することなく、前記一の画像形成装置に対し前記印刷ジョブを送信することを含む、請求項1~請求項9のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項11】
前記一の画像形成装置に対し前記印刷ジョブを送信することは、
前記印刷ジョブを送信する前に、前記一の画像形成装置に対し前記印刷ジョブを送信するか否かをユーザーに確認するための確認画面を表示することと、
前記ユーザーが前記印刷ジョブの送信を許可した場合に、前記一の画像形成装置に対し前記印刷ジョブを送信することと、を含む、請求項1~請求項9のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項12】
前記携帯端末は、前記一の画像形成装置に対し前記印刷ジョブを送信する第1のモードと、予め登録されている画像形成装置に対し前記印刷ジョブを送信する第2のモードとを有し、
前記プログラムは、前記プロセッサーに、前記第2のモードが選択されており、かつ、前記記憶装置に前記印刷ジョブが記憶されている場合に、前記予め登録されている画像形成装置に対し前記印刷ジョブを送信することをさらに実行させる、請求項1~請求項11のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項13】
前記予め登録されている画像形成装置に対し前記印刷ジョブを送信することは、
前記印刷ジョブを送信する前に、前記予め登録されている画像形成装置から当該画像形成装置の状態情報を含む第3のMIBデータを取得することと、
前記第3のMIBデータに基づいて、前記予め登録されている画像形成装置が印刷を開始できる状態にあるか否かを判定することと、
前記予め登録されている画像形成装置が印刷を開始できる状態にあると判定した場合に、前記予め登録されている画像形成装置に対し前記印刷ジョブを送信し、前記予め登録されている画像形成装置が印刷を開始できる状態にないと判定した場合に、前記印刷ジョブを受信可能な画像形成装置の一覧を表示することと、を含む、請求項12に記載のプログラム。
【請求項14】
前記プログラムは、前記プロセッサーに、前記一覧の中からユーザーにより選択された画像形成装置に対し前記印刷ジョブを送信することをさらに実行させる、請求項13に記載のプログラム。
【請求項15】
前記一の画像形成装置に対し前記印刷ジョブを送信することは、
前記印刷ジョブを送信する前に、前記一の画像形成装置から当該画像形成装置で処理可能な印刷条件を含む第2のMIBデータを取得することと、
前記第2のMIBデータと、前記印刷ジョブに含まれる前記印刷条件とに基づいて、前記一の画像形成装置で前記印刷ジョブに含まれる前記印刷条件を処理できるか否かを判定することと、
前記一の画像形成装置で前記印刷ジョブに含まれる前記印刷条件を処理できると判定した場合に、前記一の画像形成装置に対し前記印刷ジョブを送信し、前記一の画像形成装置で前記印刷ジョブに含まれる前記印刷条件を処理できないと判定した場合に、前記一の画像形成装置で処理できない印刷条件を通知することと、を含む、請求項3に記載のプログラム。
【請求項16】
前記一の画像形成装置で処理できない印刷条件が通知された場合に、前記プログラムは、前記プロセッサーに、
通知した印刷条件を前記印刷ジョブから削除する指示を受け付けることと、
前記通知した印刷条件を前記指示に基づいて前記印刷ジョブから削除することと、
前記通知した印刷条件が削除された印刷ジョブを前記一の画像形成装置に対し送信することと、をさらに実行させる、請求項15に記載のプログラム。
【請求項17】
前記一の画像形成装置で処理できない印刷条件が通知された場合に、前記プログラムは、前記プロセッサーに、
前記印刷ジョブを受信可能であり、かつ、前記印刷ジョブに含まれる前記印刷条件に従った処理を実行可能な画像形成装置の一覧を表示することと、
前記一覧の中からユーザーにより選択された画像形成装置に対し前記印刷ジョブを送信することと、をさらに実行させる、請求項15に記載のプログラム。
【請求項18】
携帯端末、および、複数の画像形成装置とネットワークを介して接続されるサーバーであって、
前記サーバーは、前記携帯端末、および、前記複数の画像形成装置と通信する通信部を備え、
前記通信部は、前記携帯端末から印刷データと印刷条件とを含む印刷ジョブを受信し、
前記サーバーは、
受信した前記印刷ジョブを記憶する記憶装置と、
前記複数の画像形成装置の中から、前記印刷ジョブを受信可能な少なくとも1つの画像形成装置を抽出する抽出部と、
前記少なくとも1つの画像形成装置のうち前記携帯端末からの距離に関する条件を満たす一の画像形成装置を前記印刷ジョブの送信先の候補として特定する特定部と、をさらに備え、
前記通信部は、前記記憶装置に前記印刷ジョブが記憶されている場合に、前記一の画像形成装置に対し前記印刷ジョブを送信する、サーバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、携帯端末用プログラム、および、サーバーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特開2007-203497号公報(特許文献1)には、画像形成装置が携帯端末から受信した印刷ジョブを一時的に記憶しておくことで、当該印刷ジョブをユーザーの所望のタイミングで実行する仕組みが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の仕組みでは、印刷ジョブが画像形成装置に記憶されることから、印刷ジョブを実行する画像形成装置が固定される。そのため、ユーザーが移動先にある近くの画像形成装置で印刷したいと思った場合でも、当該画像形成装置で印刷することはできない。
【0005】
本開示は、係る実情に鑑みてなされたものであり、ユーザーの位置に応じて印刷する画像形成装置を変更可能とするための携帯端末用プログラム、および、サーバーを提供することを一つの目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
ある実施の形態に従うと、プログラムが提供される。当該プログラムは、携帯端末のプロセッサーに、印刷データと印刷条件とを含む印刷ジョブを携帯端末の記憶装置に記憶することと、携帯端末とネットワークを介して接続される複数の画像形成装置の中から、当該携帯端末から印刷ジョブを受信可能な少なくとも1つの画像形成装置を抽出することと、少なくとも1つの画像形成装置のうち携帯端末からの距離に関する条件を満たす一の画像形成装置を印刷ジョブの送信先の候補として特定することと、記憶装置に印刷ジョブが記憶されている場合に、一の画像形成装置に対し印刷ジョブを送信することと、を実行させる。
【0007】
ある局面において、抽出することは、記憶装置に印刷ジョブが記憶されている場合に実行される。
【0008】
ある局面において、当該プログラムは、プロセッサーに、印刷ジョブを受信可能な画像形成装置の識別情報を記憶装置に記憶することをさらに実行させる。抽出することは、ネットワークに接続されている画像形成装置から当該画像形成装置の識別情報を含む第1のMIBデータを取得することと、第1のMIBデータと、記憶装置に記憶されている識別情報とに基づいて、少なくとも1つの画像形成装置を抽出することと、を含む。
【0009】
ある局面において、少なくとも1つの画像形成装置は、印刷ジョブを受信可能であり、かつ、印刷ジョブに含まれる印刷条件に従った処理を実行可能である。
【0010】
ある局面において、当該プログラムは、プロセッサーに、印刷ジョブを受信可能な画像形成装置の識別情報と、当該画像形成装置で処理可能な印刷条件とを対応付けた装置情報を記憶装置に記憶することをさらに実行させる。抽出することは、ネットワークに接続されている画像形成装置から当該画像形成装置の識別情報を含む第1のMIBデータを取得することと、第1のMIBデータと、装置情報と、印刷ジョブに含まれる印刷条件とに基づいて、少なくとも1つの画像形成装置を抽出することと、を含む。
【0011】
ある局面において、当該プログラムは、プロセッサーに、印刷ジョブを受信可能な画像形成装置の識別情報を記憶装置に記憶することをさらに実行させる。抽出することは、ネットワークに接続されている画像形成装置から、当該画像形成装置の識別情報を含む第1のMIBデータと、当該画像形成装置で処理可能な印刷条件を含む第2のMIBデータとを取得することと、第1のMIBデータと、第2のMIBデータと、記憶装置に記憶されている識別情報と、印刷ジョブに含まれる印刷条件とに基づいて、少なくとも1つの画像形成装置を抽出することと、を含む。
【0012】
ある局面において、距離に関する条件は、携帯端末から所定距離未満に位置するという条件を含む。特定することは、携帯端末と少なくとも1つの画像形成装置との間の離間距離を算出することと、離間距離が所定距離未満に位置する画像形成装置を一の画像形成装置に決定することと、を含む。
【0013】
ある局面において、離間距離を算出することは、少なくとも1つの画像形成装置に対し電波を送信してから当該電波に対する応答波を受信するまでにかかった時間に基づいて、離間距離を算出することを含む。
【0014】
ある局面において、離間距離を算出することは、少なくとも1つの画像形成装置から当該画像形成装置の位置情報を取得し、携帯端末の位置情報と取得した位置情報とに基づいて、離間距離を算出することを含む。
【0015】
ある局面において、一の画像形成装置に対し印刷ジョブを送信することは、一の画像形成装置に対し印刷ジョブを送信するか否かをユーザーに確認することなく、一の画像形成装置に対し印刷ジョブを送信することを含む。
【0016】
ある局面において、一の画像形成装置に対し印刷ジョブを送信することは、印刷ジョブを送信する前に、一の画像形成装置に対し印刷ジョブを送信するか否かをユーザーに確認するための確認画面を表示することと、ユーザーが印刷ジョブの送信を許可した場合に、一の画像形成装置に対し印刷ジョブを送信することと、を含む。
【0017】
ある局面において、携帯端末は、一の画像形成装置に対し印刷ジョブを送信する第1のモードと、予め登録されている画像形成装置に対し印刷ジョブを送信する第2のモードとを有する。当該プログラムは、プロセッサーに、第2のモードが選択されており、かつ、記憶装置に印刷ジョブが記憶されている場合に、予め登録されている画像形成装置に対し印刷ジョブを送信することをさらに実行させる。
【0018】
ある局面において、予め登録されている画像形成装置に対し印刷ジョブを送信することは、印刷ジョブを送信する前に、予め登録されている画像形成装置から当該画像形成装置の状態情報を含む第3のMIBデータを取得することと、第3のMIBデータに基づいて、予め登録されている画像形成装置が印刷を開始できる状態にあるか否かを判定することと、予め登録されている画像形成装置が印刷を開始できる状態にあると判定した場合に、予め登録されている画像形成装置に対し印刷ジョブを送信し、予め登録されている画像形成装置が印刷を開始できる状態にないと判定した場合に、印刷ジョブを受信可能な画像形成装置の一覧を表示することと、を含む。
【0019】
ある局面において、当該プログラムは、プロセッサーに、一覧の中からユーザーにより選択された画像形成装置に対し印刷ジョブを送信することをさらに実行させる。
【0020】
ある局面において、一の画像形成装置に対し印刷ジョブを送信することは、印刷ジョブを送信する前に、一の画像形成装置から当該画像形成装置で処理可能な印刷条件を含む第2のMIBデータを取得することと、第2のMIBデータと、印刷ジョブに含まれる印刷条件とに基づいて、一の画像形成装置で印刷ジョブに含まれる印刷条件を処理できるか否かを判定することと、一の画像形成装置で印刷ジョブに含まれる印刷条件を処理できると判定した場合に、一の画像形成装置に対し印刷ジョブを送信し、一の画像形成装置で印刷ジョブに含まれる印刷条件を処理できないと判定した場合に、一の画像形成装置で処理できない印刷条件を通知することと、を含む。
【0021】
ある局面において、一の画像形成装置で処理できない印刷条件が通知された場合に、当該プログラムは、プロセッサーに、通知した印刷条件を印刷ジョブから削除する指示を受け付けることと、通知した印刷条件を指示に基づいて印刷ジョブから削除することと、通知した印刷条件が削除された印刷ジョブを一の画像形成装置に対し送信することと、をさらに実行させる。
【0022】
ある局面において、一の画像形成装置で処理できない印刷条件が通知された場合に、当該プログラムは、プロセッサーに、印刷ジョブを受信可能であり、かつ、印刷ジョブに含まれる印刷条件に従った処理を実行可能な画像形成装置の一覧を表示することと、一覧の中からユーザーにより選択された画像形成装置に対し印刷ジョブを送信することと、をさらに実行させる。
【0023】
他の実施の形態に従うと、サーバーが提供される。当該サーバーは、携帯端末、および、複数の画像形成装置とネットワークを介して接続される。当該サーバーは、携帯端末、および、複数の画像形成装置と通信する通信部を備える。通信部は、携帯端末から印刷データと印刷条件とを含む印刷ジョブを受信する。当該サーバーは、受信した印刷ジョブを記憶する記憶装置と、複数の画像形成装置の中から、印刷ジョブを受信可能な少なくとも1つの画像形成装置を抽出する抽出部と、少なくとも1つの画像形成装置のうち携帯端末からの距離に関する条件を満たす一の画像形成装置を印刷ジョブの送信先の候補として特定する特定部と、をさらに備える。通信部は、記憶装置に印刷ジョブが記憶されている場合に、一の画像形成装置に対し印刷ジョブを送信する。
【発明の効果】
【0024】
本開示によれば、ユーザーの位置に応じて印刷する画像形成装置が変更される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】実施の形態1における画像形成システムの概略を示す図である。
【
図2】携帯端末の主要なハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図3】画像形成装置の主要なハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図4】携帯端末のプロセッサーによって実現される機能ブロックの一例を示す図である。
【
図6】印刷ジョブのアップロード方法を説明するための図である。
【
図7】携帯端末で実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図8】抽出処理の第1例を示すフローチャートである。
【
図10】特定処理の一例を示すフローチャートである。
【
図11】送信処理の一例を示すフローチャートである。
【
図13】実施の形態2における携帯端末で実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図14】実施の形態2における送信処理の一例を示すフローチャートである。
【
図16】設定変更後に表示される確認画面の一例を示す図である。
【
図18】実施の形態3における携帯端末が有するモードの種類を示す図である。
【
図19】モードの切り替え画面の一例と、第2のモードにおける登録画面の一例とを示す図である。
【
図20】第2のモードにおいて携帯端末で実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図21】実施の形態4における画像形成システムの概略を示す図である。
【
図22】サーバーの主要なハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図23】サーバーのプロセッサーによって実現される機能ブロックの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を参照しつつ、本発明に従う各実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、これらについての詳細な説明は繰り返さない。なお、以下で説明される実施の形態および変形例は、適宜選択的に組み合わされてもよい。
【0027】
[実施の形態1]
(1.画像形成システムの構成)
図1は、実施の形態1における画像形成システムの概略を示す図である。画像形成システム1は、携帯端末100と、複数の画像形成装置とを含む。
図1では、画像形成装置200A~200Cが複数の画像形成装置の一例として描かれているが、画像形成システム1に含まれる画像形成装置の台数は2以上であればよい。複数の画像形成装置は、携帯端末100から印刷ジョブを受信可能な画像形成装置のみを含むのでもよいし、携帯端末100から印刷ジョブを受信可能な画像形成装置と、携帯端末100から印刷ジョブを受信不可能な画像形成装置との両方を含むのでもよい。以下では、複数の画像形成装置の1つを代表して画像形成装置200ともいう。
【0028】
携帯端末100と画像形成装置200とは、ネットワークを介して、それぞれが互いに通信を行なう。ネットワークは、例えば、インターネット、公衆回線、公衆無線LAN(Local Area Network)等のパブリックネットワークであってもよいし、LAN、VPN(Virtual Private Network)等のプライベートネットワークであってもよい。
【0029】
携帯端末100は、画像形成装置200を利用するユーザーによって携帯され、例えばスマートフォン、タブレットなどによって構成される。
【0030】
画像形成装置200は、たとえば、複合機(MFP:Multi Function Peripheral)である。画像形成装置200は、コピー機能、スキャン機能、プリンター機能、ファックス機能、および、通信機能を有する。なお、画像形成装置200は、複合機に限定されない。たとえば、画像形成装置200は、モノクロプリンター、カラープリンターなどであってもよい。
【0031】
画像形成システム1において、ユーザーが携帯する携帯端末100で生成された少なくとも1つの印刷ジョブは、携帯端末100の記憶装置に記憶される。印刷ジョブは、画像形成装置200で印刷する印刷データと、当該印刷データの印刷条件とを含む。携帯端末100は、携帯端末100から印刷ジョブを受信可能な少なくとも1つの画像形成装置を抽出し、抽出した画像形成装置の各々について、携帯端末100と当該画像形成装置との間の離間距離を算出する。そして、携帯端末100は、算出した離間距離が30センチメートル未満の一の画像形成装置200を特定し、特定した一の画像形成装置200に対し印刷ジョブを送信する。
【0032】
これにより、印刷ジョブがユーザーの目の前にある画像形成装置で実行される。一例として、画像形成装置200A~200Cが携帯端末100から印刷ジョブを受信可能である場合に、携帯端末100を携帯したユーザーが画像形成装置200Aの前まで行くと、画像形成装置200Aで印刷ジョブが実行される。ゆえに、ユーザーは自身の目の前にある画像形成装置から印刷物を受け取ることが可能となる。
【0033】
(2.ハードウェア構成)
図2および
図3を参照して、携帯端末100および画像形成装置200のハードウェア構成について説明する。
図2は、携帯端末の主要なハードウェア構成を示すブロック図である。
図3は、画像形成装置の主要なハードウェア構成を示すブロック図である。
【0034】
図2を参照して、携帯端末100は、プロセッサー101と、主メモリー102と、通信インターフェイス103と、操作インターフェイス105と、表示インターフェイス106と、記憶装置120とを含む。これらのコンポーネントは、内部バス119を介して互いに通信可能に接続されている。
【0035】
プロセッサー101は、たとえば、少なくとも1つの集積回路によって構成される。集積回路は、たとえば、少なくとも1つのCPU(Central Processing Unit)、少なくとも1つのASIC(Application Specific Integrated Circuit)、少なくとも1つのFPGA(Field Programmable Gate Array)、またはそれらの組み合わせなどによって構成される。
【0036】
プロセッサー101は、記憶装置120に格納されている(記憶されている)プログラム122を主メモリー102に展開して実行することで、本実施の形態に従う各種処理を実現する。主メモリー102は、揮発性メモリーにより構成され、プロセッサー101によるプログラムの実行に必要なワークメモリとして機能する。
【0037】
通信インターフェイス103は、外部機器との間でネットワークを介してデータを遣り取りする。当該外部機器は、たとえば、画像形成装置200、その他の通信機器などを含む。携帯端末100は、通信インターフェイス103を介して、印刷ジョブを画像形成装置200へ送信する。また、携帯端末100は、通信インターフェイス103を介して、後述するMIB(Management Information Base)データを画像形成装置200から取得する。
【0038】
操作インターフェイス105は、入力装置110に接続され、入力装置110からのユーザー操作を示す信号を取り込む。入力装置110は、典型的には、キーボード、マウス、タッチパネル、タッチパッドなどからなり、ユーザーからの操作を受け付ける。
【0039】
表示インターフェイス106は、ディスプレイ111と接続され、プロセッサー101などからの指令に従って、ディスプレイ111に対して、画像を表示するための画像信号を送出する。ディスプレイ111は、たとえば、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ、またはその他の表示機器である。
【0040】
記憶装置120は、たとえば、ハードディスクである。一例として、記憶装置120は、本実施の形態に従う各種の処理を実現するためのプログラム122と、後述する識別情報テーブル124と、少なくとも1つの印刷ジョブ126とを格納する。
【0041】
プログラム122は、光学ディスク、USB(Universal Serial Bus)メモリー、SD(Secure Digital)カード、CF(Compact Flash)などの記憶媒体に格納されて提供される。詳細には、プログラム122は、まず、当該記憶媒体と接続可能なネットワーク上のサーバーなどにダウンロードされ、その後、当該サーバーなどから通信インターフェイス103を介して携帯端末100にダウンロードされる。なお、携帯端末100が当該記憶媒体と接続可能なインターフェイスをさらに含む場合には、プログラム122は当該記憶媒体からダイレクトに携帯端末100へダウンロードされてもよい。
【0042】
プログラム122は、単体のプログラムとしてではなく、任意のプログラムの一部に組み込まれて提供されてもよい。この場合、任意のプログラムと協働して本実施の形態に従う処理が実現される。このような一部のモジュールを含まないプログラムであっても、本実施の形態に従う携帯端末100の趣旨を逸脱するものではない。また、プログラム122によって提供される機能の一部または全部は、専用のハードウェアによって実現されてもよい。
【0043】
図3を参照して、画像形成装置200は、プロセッサー201と、主メモリー202と、通信インターフェイス203と、操作パネル204と、プリンター205と、記憶装置220とを含む。これらのコンポーネントは、内部バス219を介して互いに通信可能に接続されている。
【0044】
プロセッサー201は、たとえば、少なくとも1つの集積回路によって構成される。集積回路は、たとえば、少なくとも1つのCPU、少なくとも1つのASIC、少なくとも1つのFPGA、またはそれらの組み合わせなどによって構成される。
【0045】
プロセッサー201は、記憶装置220に格納されているプログラム222を主メモリー202に展開して実行することで、本実施の形態に従う各種処理を実現する。主メモリー202は、揮発性メモリーにより構成され、プロセッサー201によるプログラムの実行に必要なワークメモリとして機能する。
【0046】
通信インターフェイス203は、外部機器との間でネットワークを介してデータを遣り取りする。当該外部機器は、たとえば、携帯端末100、その他の通信機器などを含む。画像形成装置200は、通信インターフェイス203を介して、印刷ジョブ126を携帯端末100から受信する。また、画像形成装置200は、通信インターフェイス203を介して、MIBデータ226を携帯端末100へ送信する。
【0047】
操作パネル204は、画像形成装置200に関する各種の設定操作のためのオブジェクトや各種情報を表示する。
【0048】
プリンター205は、電子写真方式を採用したレーザービームプリンターでもよいし、インクジェット方式を採用したインクジェットプリンターでもよいし、熱転写方式を採用したプリンターでもよい。
【0049】
記憶装置220は、たとえば、ハードディスクである。一例として、記憶装置220は、本実施の形態に従う各種の処理を実現するためのプログラム222と、携帯端末100から受信した少なくとも1つの印刷ジョブ126と、少なくとも1つのMIBデータ226とを格納する。
【0050】
プログラム222は、単体のプログラムとしてではなく、任意のプログラムの一部に組み込まれて提供されてもよい。この場合、任意のプログラムと協働して本実施の形態に従う処理が実現される。このような一部のモジュールを含まないプログラムであっても、本実施の形態に従う画像形成装置200の趣旨を逸脱するものではない。また、プログラム222によって提供される機能の一部または全部は、専用のハードウェアによって実現されてもよい。
【0051】
MIBデータ226は、画像形成装置200の識別情報を含む第1のMIBデータを少なくとも含む。画像形成装置200の識別情報とは、たとえば、IP(Internet Protocol address)アドレスである。
【0052】
MIBデータ226は、画像形成装置200で処理可能な印刷条件を含む第2のMIBデータと、画像形成装置200の状態情報を含む第3のMIBデータとの少なくとも一方をさらに含んでもよい。画像形成装置200で処理可能な印刷条件とは、たとえば、モノクロ印刷、カラー印刷、片面印刷、両面印刷などである。画像形成装置200の状態情報とは、画像形成装置200が印刷を開始できる状態にあるか否かを示す情報である。
【0053】
画像形成装置200で印刷ジョブが実行されている場合や、画像形成装置200でエラーが発生している場合には、画像形成装置200は新たな印刷ジョブを受信したとしてもすぐには印刷を開始することができない。このような場合には、第3のMIBデータは、画像形成装置200が印刷を開始できる状態にないことを示す。一方、画像形成装置200が受信した印刷ジョブに対応する印刷をすぐに開始できる場合には、第3のMIBデータは、画像形成装置200が印刷を開始できる状態にあることを示す。
【0054】
(3.機能ブロック)
図4は、携帯端末のプロセッサーによって実現される機能ブロックの一例を示す図である。プロセッサー101がプログラム122(
図2参照)を実行することにより、
図4に例示される受付部131、抽出部132、特定部133、および送信部134が実現される。
【0055】
受付部131は、入力装置110から受け付けたユーザー操作に従って、識別情報テーブル124を記憶装置120に記憶する。ここで、
図5を参照して、識別情報テーブル124について説明する。
図5は、識別情報テーブルの一例を示す図である。識別情報テーブル124は、携帯端末100から印刷ジョブを受信可能な画像形成装置200の識別情報と、当該画像形成装置の機種名とを対応付けたテーブルである。識別情報テーブル124は、後述する抽出部132によって参照される。
【0056】
再び、
図4を参照して、受付部131は、入力装置110から受け付けたユーザー操作に従って、印刷ジョブ126を記憶装置120に記憶する。ここで、
図6を参照して、印刷ジョブ126のアップロード方法について説明する。
【0057】
図6は、印刷ジョブのアップロード方法を説明するための図である。画面G1,G2は、プロセッサー101(
図4参照)により、携帯端末100のディスプレイ111(
図2参照)に表示される。画面G1は、印刷ジョブをアップロードするための画面である。画面G2は、印刷条件を設定するための画面である。ドキュメントDは、画像形成装置200で印刷したい印刷データである。
【0058】
ドキュメントDが画面G1に表示されている状態で、ユーザーがタブ601をタップした場合には、画面G2が開く。ユーザーは、画面G2上で印刷条件を入力する。
図6に示す例では、部数は「1」、認証は「オフ」、給紙トレイは「自動」、印刷の種類は「片面」、および色は「カラー」という印刷条件が入力されている。ユーザーがタブ602をタップした場合には、画面G2が閉じて、画面G1が再び表示される。ユーザーがタブ603をタップした場合には、画面G1に表示されているドキュメントDと、画面G2上で入力された印刷条件とが対応付けられた印刷ジョブが記憶装置120に記憶される(アップロードされる)。なお、ユーザーは、画像形成装置200で印刷したい印刷データ毎に同様の操作を行うことで、印刷ジョブを複数アップロードすることができる。
【0059】
再び、
図4を参照して、抽出部132は、携帯端末100とネットワークを介して接続される複数の画像形成装置の中から、当該携帯端末100から印刷ジョブ126を受信可能な少なくとも1つの画像形成装置を抽出する。
【0060】
一例として、抽出部132は、携帯端末100とネットワークを介して接続される複数の画像形成装置の各々から、当該画像形成装置の識別情報を含む第1のMIBデータを通信インターフェイス103を介して取得する。そして、抽出部132は、取得した第1のMIBデータと、記憶装置120に記憶されている識別情報とに基づいて、少なくとも1つの画像形成装置を抽出する。
【0061】
詳細には、抽出部132は、携帯端末100とネットワークを介して接続される複数の画像形成装置の各々に対し、第1のMIBデータを携帯端末100へ送り返すように指示する。抽出部132は、第1のMIBデータを受信すると、識別情報テーブル124を参照して、第1のMIBデータに含まれる識別情報が識別情報テーブル124に対応付けられているか否かを判定する。抽出部132は、受信した第1のMIBデータ毎に当該判定を実施する。抽出部132は、第1のMIBデータに含まれる識別情報が識別情報テーブル124に対応付けられている場合に、当該第1のMIBデータを送信してきた画像形成装置を携帯端末100から印刷ジョブ126を受信可能な少なくとも1つの画像形成装置として抽出する。
【0062】
特定部133は、抽出部132により抽出された少なくとも1つの画像形成装置のうち携帯端末100からの距離に関する条件を満たす一の画像形成装置を印刷ジョブ126の送信先の候補として特定する。
【0063】
一例として、距離に関する条件は、携帯端末100から所定距離(たとえば、30センチメートル)未満に位置するという条件を含む。携帯端末100はユーザーにより携帯されることから、距離に関する条件は、ユーザーから所定距離未満に位置するという条件を含むと言い換えることもできる。特定部133は、通信インターフェイス103を介して取得した情報に基づいて、携帯端末100と、抽出部132により抽出された少なくとも1つの画像形成装置との間の離間距離を算出し、離間距離が所定距離未満に位置する画像形成装置を一の画像形成装置に決定する。なお、所定距離は、ユーザーの近くにある画像形成装置を1つに特定可能な距離であればよく、30センチメートルに限定されない。
【0064】
他の例として、距離に関する条件は、携帯端末100からの距離が最短であるという条件を含むのでもよい。携帯端末100はユーザーにより携帯されることから、距離に関する条件は、ユーザーからの距離が最短であるという条件を含むと言い換えることもできる。特定部133は、通信インターフェイス103を介して取得した情報に基づいて、携帯端末100と、抽出部132により抽出された少なくとも1つの画像形成装置との間の離間距離を算出し、携帯端末100との離間距離が最短である画像形成装置を一の画像形成装置に決定する。
【0065】
送信部134は、携帯端末100とネットワークを介して接続される1つの画像形成装置に対し、記憶装置120に記憶されている少なくとも1つの印刷ジョブ126を通信インターフェイス103を介して送信する。一例として、送信部134は、特定部133により決定された一の画像形成装置に対し、記憶装置120に記憶されている少なくとも1つの印刷ジョブ126を送信する。
【0066】
(4.処理)
次に、携帯端末100で実行される処理の一例について説明する。
【0067】
(4-1.処理の流れ)
図4および
図7を参照して、携帯端末100で実行される処理の流れについて説明する。
図7は、携帯端末で実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0068】
ステップS701において、プロセッサー101は、抽出部132として動作し、記憶装置120に印刷ジョブが記憶されているか否かを判定する。記憶装置120に印刷ジョブが記憶されている場合には(ステップS701においてYES)、プロセッサー101は処理をステップS702に移行する。
【0069】
ステップS702において、プロセッサー101は、抽出部132として動作し、後述する抽出処理を実行する。
【0070】
ステップS703において、プロセッサー101は、特定部133として動作し、後述する特定処理を実行する。
【0071】
ステップS704において、プロセッサー101は、送信部134として動作し、後述する送信処理を実行する。
【0072】
ステップS704の後、プロセッサー101は、
図7に示す一連の処理を終了する。
【0073】
(4-2.抽出処理)
図4、
図8、および
図9を参照して、抽出処理の3つの例について説明する。プロセッサー101は、以下に示す第1例~第3例のうちのいずれか1つを抽出処理として実行する。
【0074】
(4-2-1.抽出処理の第1例)
図4および
図8を参照して、抽出処理の第1例について説明する。
図8は、抽出処理の第1例を示すフローチャートである。
【0075】
ステップS801において、プロセッサー101は、携帯端末100とネットワークを介して接続される複数の画像形成装置の各々から、当該画像形成装置の識別情報を含む第1のMIBデータを取得する。
【0076】
ステップS802において、プロセッサー101は、取得した第1のMIBデータと、記憶装置120に記憶されている識別情報とに基づいて、少なくとも1つの画像形成装置を抽出する。
【0077】
詳細には、まず、プロセッサー101は、識別情報テーブル124を参照して、取得した第1のMIBデータに含まれる識別情報が識別情報テーブル124に対応付けられているか否かを、取得した第1のMIBデータ毎に判定する。そして、プロセッサー101は、取得した第1のMIBデータに含まれる識別情報が識別情報テーブル124に対応付けられている場合に、当該第1のMIBデータを送信してきた画像形成装置を携帯端末100から印刷ジョブ126を受信可能な少なくとも1つの画像形成装置として抽出する。
【0078】
ステップS802の後、プロセッサー101は、
図8に示す一連の処理を終了する。
【0079】
(4-2-2.抽出処理の第2例)
図4および
図8を参照して、抽出処理の第2例について説明する。第1例では、プロセッサー101は、携帯端末100から印刷ジョブ126を受信可能な画像形成装置であれば、印刷ジョブ126に含まれる印刷条件を処理可能か否かに関わらず、少なくとも1つの画像形成装置として抽出した。これに対し、第2例では、プロセッサー101は、携帯端末100から印刷ジョブ126を受信可能であり、かつ、印刷ジョブ126に含まれる印刷条件に従った処理を実行可能な画像形成装置を少なくとも1つの画像形成装置として抽出する。
【0080】
図8を参照して、ステップS801において、プロセッサー101は、携帯端末100とネットワークを介して接続される複数の画像形成装置の各々から、当該画像形成装置の識別情報を含む第1のMIBデータと、画像形成装置200で処理可能な印刷条件を含む第2のMIBデータとを取得する。
【0081】
ステップS802において、プロセッサー101は、取得した第1のMIBデータと、取得した第2のMIBデータと、記憶装置120に記憶されている識別情報と、記憶装置120に記憶されている少なくとも1つの印刷ジョブ126に含まれる印刷条件とに基づいて、少なくとも1つの画像形成装置を抽出する。
【0082】
詳細には、まず、プロセッサー101は、識別情報テーブル124を参照して、取得した第1のMIBデータに含まれる識別情報が識別情報テーブル124に対応付けられているか否かを、取得した第1のMIBデータ毎に判定する。そして、プロセッサー101は、取得した第1のMIBデータに含まれる識別情報が識別情報テーブル124に対応付けられている場合に、当該第1のMIBデータを送信してきた画像形成装置の能力について判定する。
【0083】
具体的には、プロセッサー101は、当該第1のMIBデータを送信してきた画像形成装置から取得した第2のMIBデータに含まれる処理可能な印刷条件に基づいて、当該画像形成装置で印刷ジョブ126に含まれる印刷条件を処理可能か否かを判定する。
【0084】
一例として、識別情報が識別情報テーブル124に対応付けられている画像形成装置から取得した第2のMIBデータに、処理可能な印刷条件としてカラー印刷が含まれ、かつ、印刷ジョブ126に含まれる印刷条件としてカラー印刷が含まれる場合には、プロセッサー101は、当該画像形成装置で印刷ジョブ126に含まれる印刷条件を処理可能と判定する。これに対し、識別情報が識別情報テーブル124に対応付けられている画像形成装置から取得した第2のMIBデータに、処理可能な印刷条件としてモノクロ印刷が含まれ、かつ、印刷ジョブ126に含まれる印刷条件としてカラー印刷が含まれる場合には、プロセッサー101は、当該画像形成装置では印刷ジョブ126に含まれる印刷条件を処理不能と判定する。
【0085】
プロセッサー101は、上記判定において、印刷ジョブ126に含まれる印刷条件を処理可能と判定した画像形成装置を、少なくとも1つの画像形成装置として抽出する。
【0086】
(4-2-3.抽出処理の第3例)
図4、
図8、および
図9を参照して、抽出処理の第3例について説明する。第3例では、第2例と同様に、プロセッサー101は、携帯端末100から印刷ジョブ126を受信可能であり、かつ、印刷ジョブ126に含まれる印刷条件に従った処理を実行可能な画像形成装置を少なくとも1つの画像形成装置として抽出する。第2例では、画像形成装置で処理可能な印刷条件を画像形成装置から取得した。これに対し、第3例では、画像形成装置で処理可能な印刷条件が予め記憶装置120に記憶されていることから、画像形成装置から取得する必要がない。
【0087】
図9は、装置情報テーブルの一例を示す図である。装置情報テーブル901は、識別情報テーブル124に替えて記憶装置120に記憶される。装置情報テーブル901は、携帯端末100から印刷ジョブを受信可能な画像形成装置200の識別情報と、当該画像形成装置で処理可能な印刷条件とを対応付けた装置情報の一例である。装置情報テーブル901は、携帯端末100から印刷ジョブを受信可能な画像形成装置200の識別情報、当該画像形成装置の機種名、および、当該画像形成装置で処理可能な印刷条件とを対応付けたテーブルである。受付部131は、入力装置110から受け付けたユーザー操作に従って、装置情報テーブル901を記憶装置120に記憶する。装置情報テーブル901は、抽出部132による抽出処理において参照される。
【0088】
図8を参照して、ステップS801において、プロセッサー101は、携帯端末100とネットワークを介して接続される複数の画像形成装置の各々から、当該画像形成装置の識別情報を含む第1のMIBデータを取得する。
【0089】
ステップS802において、プロセッサー101は、第1のMIBデータと、記憶装置120に記憶されている装置情報と、記憶装置120に記憶されている少なくとも1つの印刷ジョブ126に含まれる印刷条件とに基づいて、少なくとも1つの画像形成装置を抽出する。
【0090】
詳細には、まず、プロセッサー101は、装置情報テーブル901を参照して、取得した第1のMIBデータに含まれる識別情報が装置情報テーブル901に対応付けられているか否かを、取得した第1のMIBデータ毎に判定する。そして、プロセッサー101は、取得した第1のMIBデータに含まれる識別情報が装置情報テーブル901に対応付けられている場合に、当該第1のMIBデータを送信してきた画像形成装置の能力について判定する。
【0091】
具体的には、プロセッサー101は、装置情報テーブル901を参照して、当該第1のMIBデータに含まれる識別情報に対応付けられている処理可能な印刷条件に基づいて、当該識別情報に対応する画像形成装置で印刷ジョブ126に含まれる印刷条件を処理可能か否かを判定する。
【0092】
一例として、識別情報に対応する画像形成装置の処理可能な印刷条件として装置情報テーブル901にカラー印刷が対応付けられており、かつ、印刷ジョブ126に含まれる印刷条件としてカラー印刷が含まれる場合には、プロセッサー101は、当該識別情報に対応する画像形成装置で印刷ジョブ126に含まれる印刷条件を処理可能と判定する。これに対し、識別情報に対応する画像形成装置の処理可能な印刷条件として装置情報テーブル901にモノクロ印刷が対応付けられており、かつ、印刷ジョブ126に含まれる印刷条件としてカラー印刷が含まれる場合には、プロセッサー101は、当該識別情報に対応する画像形成装置では印刷ジョブ126に含まれる印刷条件を処理不能と判定する。
【0093】
プロセッサー101は、上記判定において、印刷ジョブ126に含まれる印刷条件を処理可能と判定した画像形成装置を、少なくとも1つの画像形成装置として抽出する。
【0094】
(4-3.特定処理)
図4および
図10を参照して、特定処理の一例について説明する。
図10は、特定処理の一例を示すフローチャートである。
【0095】
ステップS1001において、プロセッサー101は、携帯端末100と、上述の抽出処理により抽出された少なくとも1つの画像形成装置との間の離間距離を算出する。
【0096】
一例として、プロセッサー101は、離間距離を算出するために、少なくとも1つの画像形成装置の各々に対し電波を送信する。プロセッサー101は、各画像形成装置について、電波を送信してから当該電波に対する応答波を受信するまでにかかった時間を計測し、計測された時間に基づいて、携帯端末100と各画像形成装置との離間距離を算出する。
【0097】
他の例として、プロセッサー101は、離間距離を算出するために、少なくとも1つの画像形成装置の各々から、当該画像形成装置の位置情報を取得する。詳細には、まず、プロセッサー101は、少なくとも1つの画像形成装置の各々に対し、当該画像形成装置の位置情報を送信するように指示する。そして、プロセッサー101は、携帯端末100の位置情報と、少なくとも1つの画像形成装置の各々から受信した位置情報とに基づいて、携帯端末100と各画像形成装置との離間距離を算出する。なお、位置情報とは、たとえば、GPS(Global Positioning System)の情報である。
【0098】
ステップS1002において、プロセッサー101は、ステップS1001で算出した離間距離が所定距離未満に位置する画像形成装置を一の画像形成装置に決定する。
【0099】
ステップS1003において、プロセッサー101は、一の画像形成装置を記憶装置120に記憶されている少なくとも1つの印刷ジョブ126の送信先の候補として特定する。
【0100】
ステップS1003の後、プロセッサー101は、
図10に示す一連の処理を終了する。
【0101】
(4-4.送信処理)
図4、
図11、および
図12を参照して、送信処理の一例について説明する。
図11は、送信処理の一例を示すフローチャートである。
【0102】
ステップS1101において、プロセッサー101は、ディスプレイ111(
図2参照)に確認画面を表示する。ここで、
図4および
図12を参照して、確認画面について説明する。
【0103】
図12は、確認画面の一例を示す図である。確認画面G3は、プロセッサー101により、携帯端末100のディスプレイ111(
図2参照)に表示される。確認画面G3は、上述の特定処理により特定された一の画像形成装置に対し、記憶装置120に記憶されている少なくとも1つの印刷ジョブ126を送信するか否かをユーザーに確認するための画面である。ユーザーが確認画面G3上の「Yes」をタップした場合には、上述の特定処理により特定された一の画像形成装置に対し印刷ジョブ126が送信される。一方、ユーザーが確認画面G3上の「No」をタップした場合には、印刷ジョブ126の送信は行われない。
【0104】
再び、
図11を参照して、ステップS1102において、プロセッサー101は、印刷ジョブ126の送信が許可されたか否かを判定する。プロセッサー101は、
図12に示す確認画面G3上で「Yes」がタップされた場合に、印刷ジョブ126の送信が許可されたと判定し、確認画面G3上で「No」がタップされた場合に、印刷ジョブ126の送信が許可されなかったと判定する。
【0105】
印刷ジョブ126の送信が許可された場合には(ステップS1102においてYES)、プロセッサー101は、処理をステップS1103に移行する。一方、印刷ジョブ126の送信が許可されなかった場合には(ステップS1102においてNO)、プロセッサー101は、
図11に示す一連の処理を終了する。
【0106】
ステップS1103において、プロセッサー101は、上述の特定処理により特定された一の画像形成装置に対し印刷ジョブ126を送信する。記憶装置120に複数の印刷ジョブ126が記憶されている場合には、プロセッサー101は、上述の特定処理により特定された一の画像形成装置に対し、記憶装置120に記憶されている全ての印刷ジョブ126を送信する。
【0107】
ステップS1103の後、プロセッサー101は、
図11に示す一連の処理を終了する。
【0108】
このように、実施の形態1に従えば、印刷ジョブはユーザーが携帯している携帯端末100に記憶され、印刷ジョブに含まれる印刷データは携帯端末100(すなわち、ユーザー)からの距離に関する条件を満たす画像形成装置で印刷される。これにより、ユーザーの位置に応じて印刷する画像形成装置が変更される。したがって、ユーザーは携帯端末100を携帯して移動するだけで、移動先で携帯端末100上で作成した印刷データや、予め携帯端末100に記憶されていた印刷データ等を移動先の近くにある画像形成装置で印刷することができる。
【0109】
また、実施の形態1に従えば、複数の印刷ジョブを記憶装置120に記憶しておくことが可能である。これにより、ユーザーは、印刷したい複数の印刷データを近くにある画像形成装置で纏めて印刷することができる。
【0110】
また、実施の形態1に従えば、印刷ジョブが画像形成装置に送信される前に確認画面が表示される。これにより、画像形成装置の前を通り過ぎただけであり、印刷データの印刷を意図していないような場合に意図していない印刷が行われることを抑えることができる。
【0111】
なお、実施の形態1に従う携帯端末100は、確認画面を表示する構成を備えていなくてもよい。その場合には、プロセッサー101は、上述の送信処理において、上述の特定処理により特定された一の画像形成装置に対し印刷ジョブ126を送信するか否かをユーザーに確認することなく、一の画像形成装置に対し印刷ジョブ126を送信する。
【0112】
[実施の形態2]
実施の形態2における画像形成システムの構成は、実施の形態1における画像形成システム1の構成と同様である。実施の形態2では、携帯端末100の記憶装置120に印刷ジョブが記憶されているか否かに関わらず、抽出処理および特定処理が実行される。
【0113】
(処理の流れ)
図4および
図13を参照して、実施の形態2における携帯端末100で実行される処理の流れについて説明する。
図13は、実施の形態2における携帯端末で実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図13に示す処理は、携帯端末100の電源がONになったことを契機に開始されてもよいし、特定のアプリケーションが起動されたことを契機に開始されてもよい。
【0114】
ステップS1301において、プロセッサー101は、抽出部132として動作し、抽出処理を実行する。実施の形態2における抽出処理は、実施の形態1における抽出処理の第1例と同様の処理である。
【0115】
ステップS1302において、プロセッサー101は、特定部133として動作し、特定処理を実行する。実施の形態2における特定処理は、実施の形態1における特定処理と同様の処理である。
【0116】
ステップS1303において、プロセッサー101は、送信部134として動作し、記憶装置120に印刷ジョブが記憶されているか否かを判定する。記憶装置120に印刷ジョブが記憶されている場合には(ステップS1303においてYES)、プロセッサー101は処理をステップS1304に移行する。一方、記憶装置120に印刷ジョブが記憶されていない場合には(ステップS1303においてNO)、プロセッサー101は処理をステップS1301に戻す。
【0117】
ステップS1304において、プロセッサー101は、送信部134として動作し、後述する送信処理を実行する。
【0118】
ステップS1304の後、プロセッサー101は、
図13に示す一連の処理を終了する。
【0119】
(送信処理)
図4および
図14~
図17を参照して、送信処理の一例について説明する。
図14は、実施の形態2における送信処理の一例を示すフローチャートである。
【0120】
ステップS1401において、プロセッサー101は、記憶装置120に記憶されている少なくとも1つの印刷ジョブ126を送信する前に、上述の特定処理により特定された一の画像形成装置から当該画像形成装置で処理可能な印刷条件を含む第2のMIBデータを取得する。第2のMIBデータの取得方法は、上述の通りである。
【0121】
ステップS1402において、プロセッサー101は、上述の特定処理により特定された一の画像形成装置で印刷ジョブ126に含まれる印刷条件を処理できるか否かを判定する。判定方法は、上述の通りである。一の画像形成装置で印刷ジョブ126に含まれる印刷条件を処理できると判定した場合には(ステップS1402においてYES)、プロセッサー101は、処理をステップS1403に移行する。一方、一の画像形成装置で印刷ジョブ126に含まれる印刷条件を処理できないと判定した場合には(ステップS1402においてNO)、プロセッサー101は、処理をステップS1404に移行する。
【0122】
ステップS1403において、プロセッサー101は、上述の特定処理により特定された一の画像形成装置に対し印刷ジョブ126を送信する。記憶装置120に複数の印刷ジョブ126が記憶されている場合には、プロセッサー101は、上述の特定処理により特定された一の画像形成装置に対し、記憶装置120に記憶されている全ての印刷ジョブ126を送信する。
【0123】
ステップS1404において、プロセッサー101は、エラー、上述の特定処理により特定された一の画像形成装置で処理できない印刷条件、および、ユーザーが取り得る選択肢をユーザーに対し通知する。ここで、
図4および
図15を参照して、ステップS1404における通知画面について説明する。
【0124】
図15は、通知画面の一例を示す図である。通知画面G4は、プロセッサー101により、携帯端末100のディスプレイ111(
図2参照)に表示される。通知画面G4は、上述の特定処理により特定された一の画像形成装置では印刷ジョブ126に含まれる印刷条件を処理できないことを通知するエラーメッセージ(以下、「第1のメッセージ」とも称する)を含む。また、通知画面G4は、印刷ジョブ126に含まれる印刷条件のうち、上述の特定処理により特定された一の画像形成装置では処理できない印刷条件を通知するメッセージ(以下、「第2のメッセージ」とも称する)を含む。さらに、通知画面G4は、ユーザーが取り得る選択肢を通知するメッセージ(以下、「第3のメッセージ」とも称する)を含む。
【0125】
第3のメッセージは、たとえば、上述の特定処理により特定された一の画像形成装置に対し印刷ジョブ126を強制的に送信するという選択肢1と、印刷ジョブ126に含まれる印刷条件を変更する(設定を変更する)という選択肢2と、印刷ジョブ126の送信先を変更するという選択肢3とを含む。
【0126】
ユーザーが通知画面G4上の選択肢1のタブをタップした場合には、上述の特定処理により特定された一の画像形成装置に対し印刷ジョブ126が送信される。
【0127】
ユーザーが通知画面G4上の選択肢2のタブをタップした場合には、プロセッサー101は、受付部131として動作し、第2のメッセージで通知した印刷条件を印刷ジョブ126から削除する指示を受け付ける。これにより、印刷ジョブ126に含まれる印刷条件のうち、上述の特定処理により特定された一の画像形成装置では処理できない印刷条件が印刷ジョブ126から削除される。すなわち、印刷ジョブ126に含まれる印刷条件のうち、上述の特定処理により特定された一の画像形成装置では処理できない印刷条件の設定が解除される。
【0128】
設定が解除された後、印刷するか否かを確認する確認画面がディスプレイ111に表示される。ここで、
図4および
図16を参照して、当該確認画面について説明する。
【0129】
図16は、設定変更後に表示される確認画面の一例を示す図である。確認画面G5は、プロセッサー101により、携帯端末100のディスプレイ111(
図2参照)に表示される。確認画面G5は、設定変更(印刷条件の変更)が完了したことを通知するメッセージを含む。また、確認画面G5は、変更後の印刷条件で印刷するか否かを確認するメッセージを含む。ユーザーが確認画面G5上の「OK」をタップした場合には、上述の特定処理により特定された一の画像形成装置に対し印刷ジョブが送信され、変更後の印刷条件で印刷が行われる。
【0130】
なお、確認画面G5は、変更後の印刷条件で印刷するか否かを確認するメッセージを含まなくてもよい。その場合には、プロセッサー101は、ユーザーが通知画面G4(
図15参照)上の選択肢2のタブをタップしたことを契機に、印刷ジョブ126に含まれる印刷条件のうち、上述の特定処理により特定された一の画像形成装置では処理できない印刷条件を印刷ジョブ126から削除する。そして、プロセッサー101は、確認画面G5を表示した後、上述の特定処理により特定された一の画像形成装置に対し当該印刷条件が削除された印刷ジョブを送信する。
【0131】
再び、
図15を参照して、ユーザーが通知画面G4上の選択肢3のタブをタップした場合には、プロセッサー101は、印刷ジョブ126の送信先を選択するための選択画面を表示する。ここで、
図4および
図17を参照して、選択画面について説明する。
【0132】
図17は、選択画面の一例を示す図である。選択画面G6は、プロセッサー101により、携帯端末100のディスプレイ111(
図2参照)に表示される。選択画面G6は、印刷ジョブ126を受信可能であり、かつ、印刷ジョブ126に含まれる印刷条件に従った処理を実行可能な画像形成装置の一覧を含む。ユーザーが選択画面G6上のいずれかの画像形成装置のタブをタップした場合には、プロセッサー101は、受付部131として動作し、当該画像形成装置を印刷ジョブ126の送信先として受け付ける。そして、プロセッサー101は、印刷ジョブ126の送信先として受け付けた画像形成装置に対し印刷ジョブ126を送信する。
【0133】
再び
図14を参照して、ステップS1405において、プロセッサー101は、選択肢1が選択されたか否かを判定する。ユーザーが通知画面G4(
図15参照)上の選択肢1のタブをタップした場合には、プロセッサー101は、選択肢1が選択されたと判定する。選択肢1が選択された場合には(ステップS1405においてYES)、プロセッサー101は、処理をステップS1403に移行する。一方、選択肢1が選択されなかった場合には(ステップS1405においてNO)、プロセッサー101は、処理をステップS1406に移行する。
【0134】
ステップS1406において、プロセッサー101は、選択肢2が選択されたか否かを判定する。ユーザーが通知画面G4(
図15参照)上の選択肢2のタブをタップした場合には、プロセッサー101は、選択肢2が選択されたと判定する。選択肢2が選択された場合には(ステップS1406においてYES)、プロセッサー101は、処理をステップS1407に移行する。一方、選択肢2が選択されなかった場合には(ステップS1406においてNO)、プロセッサー101は、処理をステップS1409に移行する。
【0135】
ステップS1407において、プロセッサー101は、ステップS1404で通知した印刷条件を印刷ジョブ126から削除する。
【0136】
ステップS1408において、プロセッサー101は、ステップS1404で通知した印刷条件が削除された印刷ジョブを、上述の特定処理により特定された一の画像形成装置に対し送信する。
【0137】
なお、ステップS1407とステップS1408との処理の間で、プロセッサー101は、ステップS1404で通知した印刷条件が削除された印刷ジョブを、上述の特定処理により特定された一の画像形成装置に対し送信するか否かをユーザーに確認する処理を行ってもよい。一例として、プロセッサー101は、確認画面G5(
図16参照)をディスプレイ111(
図2参照)に表示する。その場合には、プロセッサー101は、ユーザーが印刷ジョブの送信を許可した場合に限り、処理をステップS1408に進める。
【0138】
ステップS1409において、プロセッサー101は、選択肢3が選択されたか否かを判定する。ユーザーが通知画面G4(
図15参照)上の選択肢3のタブをタップした場合には、プロセッサー101は、選択肢3が選択されたと判定する。選択肢3が選択された場合には(ステップS1409においてYES)、プロセッサー101は、処理をステップS1410に移行する。一方、選択肢3が選択されなかった場合には(ステップS1409においてNO)、プロセッサー101は、
図14に示す一連の処理を終了する。
【0139】
ステップS1410において、プロセッサー101は、印刷ジョブ126を受信可能であり、かつ、印刷ジョブ126に含まれる印刷条件に従った処理を実行可能な画像形成装置の一覧を表示する。一例として、プロセッサー101は、ステップS1410において、選択画面G6(
図17参照)を表示する。なお、プロセッサー101は、実施の形態1における抽出処理の第2例または第3例を用いて、一覧表示する画像形成装置を抽出する。
【0140】
ステップS1411において、プロセッサー101は、ステップS1410で表示した一覧の中からユーザーにより選択された画像形成装置に対し印刷ジョブ126を送信する。
【0141】
ステップS1403、ステップS1408、またはステップS1411の後、プロセッサー101は、
図14に示す一連の処理を終了する。
【0142】
このように、実施の形態2に従えば、印刷ジョブはユーザーが携帯している携帯端末100に記憶され、印刷ジョブに含まれる印刷データは携帯端末100(すなわち、ユーザー)からの距離に関する条件を満たす画像形成装置、または、ユーザーが選択した画像形成装置で印刷される。これにより、ユーザーの位置に応じて印刷する画像形成装置が変更される。したがって、ユーザーは携帯端末100を携帯して移動するだけで、移動先で携帯端末100上で作成した印刷データや、予め携帯端末100に記憶されていた印刷データ等を近くにある画像形成装置等の所望の画像形成装置で印刷することができる。
【0143】
また、実施の形態2に従えば、複数の印刷ジョブを記憶装置120に記憶しておくことが可能である。これにより、ユーザーは、印刷したい複数の印刷データを近くにある画像形成装置等の所望の画像形成装置で纏めて印刷することができる。
【0144】
なお、実施の形態2における送信処理として、
図14に示す処理に替えて、実施の形態1における送信処理と同様の処理が行われてもよい。
【0145】
[実施の形態3]
実施の形態3における画像形成システムの構成は、実施の形態1における画像形成システム1の構成と同様である。実施の形態3では、携帯端末100は、複数のモードを有し、ユーザーの操作に従って携帯端末100のモードを切り替え可能に構成される。
【0146】
(モード)
図4および
図18を参照して、実施の形態3における携帯端末100が有するモードについて説明する。
図18は、実施の形態3における携帯端末が有するモードの種類を示す図である。実施の形態3における携帯端末100は、第1のモードと第2のモードとを有する。
【0147】
第1のモードは、上述の特定処理により特定された一の画像形成装置に対し、記憶装置120に記憶されている印刷ジョブ126を送信するモードである。一方、第2のモードは、予め登録されている画像形成装置に対し、記憶装置120に記憶されている印刷ジョブ126を送信するモードである。いずれのモードにおいても、
図6で述べた方法により印刷ジョブ126が記憶装置120に記憶される。
【0148】
図4および
図19を参照して、携帯端末100のモードの切り替え方法と、第2のモードにおいて印刷ジョブの送信先を登録する方法について説明する。
図19は、モードの切り替え画面の一例と、第2のモードにおける登録画面の一例とを示す図である。
【0149】
切り替え画面G7および登録画面G8は、プロセッサー101により、携帯端末100のディスプレイ111(
図2参照)に表示される。切り替え画面G7は、携帯端末100のモードを切り替えるためのタブ191を含む。携帯端末100は、ユーザーがタブ191をタップする毎に、携帯端末100のモードが切り替わるように構成されている。一例として、プロセッサー101は、携帯端末100のモードが第1のモードである場合にタブ191をタップする操作を受け付けると、携帯端末100のモードを第2のモードに切り替えるとともに、登録画面G8をディスプレイ111に表示する。一方、プロセッサー101は、携帯端末100のモードが第2のモードである場合にタブ191をタップする操作を受け付けると、携帯端末100のモードを第1のモードに切り替える。
【0150】
登録画面G8は、携帯端末100から印刷ジョブ126を受信可能な画像形成装置の一覧を含む。なお、プロセッサー101は、実施の形態1における抽出処理の第1例を用いて、一覧表示する画像形成装置を抽出する。
【0151】
ユーザーが登録画面G8上のいずれかの画像形成装置のタブをタップした場合には、プロセッサー101は、当該画像形成装置を印刷ジョブ126の送信先として記憶装置120に記憶する。これにより、印刷ジョブ126の送信先の登録が完了する。
【0152】
(処理)
各モードにおいて、プロセッサー101が行う処理について説明する。
【0153】
第1のモードにおいて、プロセッサー101は、
図7または
図13に示す処理を実行する。
【0154】
一方、第2のモードにおいて、プロセッサー101は、上述の抽出処理および特定処理を行うことなく、予め登録されている画像形成装置に対し印刷ジョブ126を送信する。なお、記憶装置120に複数の印刷ジョブが記憶されている場合には、プロセッサー101は、予め登録されている画像形成装置に対し記憶装置120に記憶されている全ての印刷ジョブを送信する。
【0155】
他の例として、第2のモードにおいて、プロセッサー101は、予め登録されている画像形成装置に対し印刷ジョブ126を送信する前に、確認画面G3(
図12参照)を携帯端末100のディスプレイ111に表示させてもよい。その場合には、プロセッサー101は、印刷ジョブ126の送信が許可された場合に限り、予め登録されている画像形成装置に対し印刷ジョブ126を送信する。
【0156】
他の例として、第2のモードにおいて、プロセッサー101は、
図20に示すような処理を実行してもよい。
【0157】
図20は、第2のモードにおいて携帯端末で実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図4および
図20を参照して、ステップS2001において、プロセッサー101は、印刷ジョブ126を送信する前に、予め登録されている画像形成装置から当該画像形成装置の状態情報を含む第3のMIBデータを取得する。詳細には、プロセッサー101は、予め登録されている画像形成装置に対し、第3のMIBデータを携帯端末100へ送り返すように指示する。
【0158】
ステップS2002において、プロセッサー101は、ステップS2001で取得した第3のMIBデータに基づいて、予め登録されている画像形成装置が印刷を開始できる状態にあるか否かを判定する。予め登録されている画像形成装置が印刷を開始できる状態にある場合に(ステップS2002においてYES)、プロセッサー101は、処理をステップS2003に移行する。一方、予め登録されている画像形成装置が印刷を開始できる状態にない場合に(ステップS2002においてNO)、プロセッサー101は、処理をステップS2004に移行する。
【0159】
ステップS2003において、プロセッサー101は、予め登録されている画像形成装置に対し印刷ジョブ126を送信する。
【0160】
ステップS2004において、プロセッサー101は、印刷ジョブ126を受信可能な画像形成装置の一覧を、携帯端末100のディスプレイ111(
図2参照)に表示する。一例として、プロセッサー101は、選択画面G6(
図17参照)のような画面を表示する。プロセッサー101は、実施の形態1における抽出処理の第1例を用いて、一覧表示する画像形成装置を抽出する。なお、プロセッサー101は、ステップS2004において、印刷ジョブ126を受信可能であり、かつ、印刷ジョブ126に含まれる印刷条件に従った処理を実行可能な画像形成装置の一覧を、携帯端末100のディスプレイ111に表示してもよい。その場合には、プロセッサー101は、実施の形態1における抽出処理の第2例または第3例を用いて、一覧表示する画像形成装置を抽出する。
【0161】
ステップS2005において、プロセッサー101は、ステップS2004で表示した一覧の中からユーザーにより選択された画像形成装置に対し印刷ジョブ126を送信する。
【0162】
ステップS2003またはステップS2005の後、プロセッサー101は、
図20に示す一連の処理を終了する。
【0163】
このように、実施の形態3に従えば、ユーザーは自身のニーズに合ったモードを選択することができる。これにより、実施の形態1または実施の形態2で述べたような効果が得られるだけでなく、ユーザーの利便性が向上する。
【0164】
[実施の形態4]
実施の形態4における画像形成システムは、携帯端末と、複数の画像形成装置と、サーバーとを含む。また、実施の形態4における画像形成システムでは、印刷ジョブはサーバーに記憶される。
【0165】
(画像形成システムの構成)
図21は、実施の形態4における画像形成システムの概略を示す図である。画像形成システム1Aは、携帯端末100と、複数の画像形成装置と、サーバー300とを含む。
図21では、画像形成装置200A~200Cが複数の画像形成装置の一例として描かれているが、画像形成システム1Aに含まれる画像形成装置の台数は2以上であればよい。複数の画像形成装置は、サーバー300から印刷ジョブを受信可能な画像形成装置のみを含むのでもよいし、サーバー300から印刷ジョブを受信可能な画像形成装置と、サーバー300から印刷ジョブを受信不可能な画像形成装置との両方を含むのでもよい。以下では、複数の画像形成装置の1つを代表して画像形成装置200ともいう。
【0166】
携帯端末100と画像形成装置200とサーバー300とは、ネットワークを介して、それぞれが互いに通信を行なう。ネットワークは、例えば、インターネット、公衆回線、公衆無線LAN等のパブリックネットワークであってもよいし、LAN、VPN等のプライベートネットワークであってもよい。
【0167】
画像形成システム1Aにおいて、ユーザーが携帯する携帯端末100で生成された少なくとも1つの印刷ジョブはサーバー300に送信され、サーバー300の記憶装置に記憶される。サーバー300は、サーバー300から印刷ジョブを受信可能な少なくとも1つの画像形成装置を抽出し、抽出した画像形成装置の各々に対し、当該画像形成装置と携帯端末100との離間距離を送り返すように指示する。
【0168】
指示を受けた画像形成装置は、携帯端末100から携帯端末100の位置情報を取得する。指示を受けた画像形成装置は、取得した位置情報と自身の位置情報とに基づいて、離間距離を算出し、算出した離間距離をサーバー300へ送り返す。
【0169】
サーバー300は、受信した離間距離に基づいて、携帯端末100からの距離が30センチメートル未満の一の画像形成装置200を特定し、特定した一の画像形成装置200に対し印刷ジョブを送信する。これにより、印刷ジョブがユーザーの目の前にある画像形成装置で実行される。一例として、画像形成装置200A~200Cがサーバー300から印刷ジョブを受信可能である場合に、携帯端末100を携帯したユーザーが画像形成装置200Aの前まで行くと、画像形成装置200Aで印刷ジョブが実行される。ゆえに、ユーザーは自身の目の前にある画像形成装置から印刷物を受け取ることが可能となる。
【0170】
(サーバー300のハードウェア構成)
図22を参照して、サーバー300のハードウェア構成について説明する。
図22は、サーバーの主要なハードウェア構成を示すブロック図である。
【0171】
サーバー300は、プロセッサー301と、主メモリー302と、通信インターフェイス303と、操作インターフェイス305と、表示インターフェイス306と、光学ドライブ307と、記憶装置320とを含む。これらのコンポーネントは、内部バス319を介して互いに通信可能に接続されている。
【0172】
プロセッサー301は、たとえば、少なくとも1つの集積回路によって構成される。集積回路は、たとえば、少なくとも1つのCPU、少なくとも1つのASIC、少なくとも1つのFPGA、またはそれらの組み合わせなどによって構成される。
【0173】
プロセッサー301は、記憶装置320に格納されているプログラム322を主メモリー302に展開して実行することで、本実施の形態に従う各種処理を実現する。主メモリー302は、揮発性メモリーにより構成され、プロセッサー301によるプログラムの実行に必要なワークメモリとして機能する。
【0174】
通信インターフェイス303は、外部機器との間でネットワークを介してデータを遣り取りする。当該外部機器は、たとえば、携帯端末100、画像形成装置200、その他の通信機器などを含む。サーバー300は、通信インターフェイス303を介して、印刷ジョブを携帯端末100から受信する。また、サーバー300は、通信インターフェイス303を介して、印刷ジョブを画像形成装置200へ送信する。また、サーバー300は、通信インターフェイス303を介して、上述のMIBデータ226を画像形成装置200から取得する。
【0175】
操作インターフェイス305は、入力装置310に接続され、入力装置310からのユーザー操作を示す信号を取り込む。入力装置310は、典型的には、キーボード、マウス、タッチパネル、タッチパッドなどからなり、ユーザーからの操作を受け付ける。
【0176】
表示インターフェイス306は、ディスプレイ311と接続され、プロセッサー301などからの指令に従って、ディスプレイ311に対して、画像を表示するための画像信号を送出する。ディスプレイ311は、たとえば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、またはその他の表示機器である。
【0177】
光学ドライブ307は、光学ディスク307Aなどから、その中に格納されている各種プログラム(たとえば、プログラム322)を読み出して、記憶装置320にインストールする。
図22には、光学ドライブ307を介して必要なプログラムをサーバー300にインストールする構成例を示すが、これに限られることなく、ネットワーク上の他の装置などからダウンロードするようにしてもよい。あるいは、サーバー300上のプログラムは、USBメモリー、SDカード、CFなどの記憶媒体に書き込まれているプログラムによって書き換えられるように構成されてもよい。
【0178】
記憶装置320は、たとえば、ハードディスクである。一例として、記憶装置320は、本実施の形態に従う各種の処理を実現するためのプログラム322と、識別情報テーブル124と、少なくとも1つの印刷ジョブ126とを格納する。なお、記憶装置320は、識別情報テーブル124に替えて、装置情報テーブル901(
図9参照)を格納してもよい。
【0179】
プログラム322は、単体のプログラムとしてではなく、任意のプログラムの一部に組み込まれて提供されてもよい。この場合、任意のプログラムと協働して本実施の形態に従う処理が実現される。このような一部のモジュールを含まないプログラムであっても、本実施の形態に従うサーバー300の趣旨を逸脱するものではない。また、プログラム322によって提供される機能の一部または全部は、専用のハードウェアによって実現されてもよい。
【0180】
なお、携帯端末100および画像形成装置200のハードウェア構成は、実施の形態1と同様である。但し、実施の形態1では、識別情報テーブル124や装置情報テーブル901は携帯端末100の記憶装置120に記憶されたが、実施の形態4では、これらのテーブルはサーバー300の記憶装置320に記憶される。
【0181】
(サーバー300の機能ブロック)
図23は、サーバーのプロセッサーによって実現される機能ブロックの一例を示す図である。プロセッサー301がプログラム322(
図22参照)を実行することにより、
図23に例示される受付部331、抽出部332、特定部333、送信部334、および受信部335が実現される。送信部334および受信部335は、「通信部」に相当する。
【0182】
受付部331は、入力装置310から受け付けたユーザー操作に従って、識別情報テーブル124を記憶装置320に記憶する。
【0183】
受信部335は、通信インターフェイス303を介して、携帯端末100から受信した印刷ジョブ126を記憶装置320に記憶する。なお、実施の形態4では、携帯端末100のプロセッサー101(
図2参照)は、印刷ジョブ126が
図6に示す方法でアップロードされた場合に、印刷ジョブ126をサーバー300へ送信する。
【0184】
抽出部332は、通信インターフェイス303を介して取得した情報に基づいて、サーバー300とネットワークを介して接続される複数の画像形成装置の中から、当該サーバー300から印刷ジョブ126を受信可能な少なくとも1つの画像形成装置を抽出する。
【0185】
特定部333は、抽出部332により抽出された少なくとも1つの画像形成装置のうち携帯端末100からの距離に関する条件を満たす一の画像形成装置を印刷ジョブ126の送信先の候補として特定する。
【0186】
一例として、距離に関する条件は、携帯端末100から所定距離(たとえば、30センチメートル)未満に位置するという条件を含む。携帯端末100はユーザーにより携帯されることから、距離に関する条件は、ユーザーから所定距離未満に位置するという条件を含むと言い換えることもできる。特定部333は、抽出部332により抽出された少なくとも1つの画像形成装置の各々から、携帯端末100と当該画像形成装置との間の離間距離を通信インターフェイス303を介して取得し、離間距離が所定距離未満に位置する画像形成装置を一の画像形成装置に決定する。なお、所定距離は、ユーザーの近くにある画像形成装置を1つに特定可能な距離であればよく、30センチメートルに限定されない。
【0187】
他の例として、距離に関する条件は、携帯端末100からの距離が最短であるという条件を含むのでもよい。携帯端末100はユーザーにより携帯されることから、距離に関する条件は、ユーザーからの距離が最短であるという条件を含むと言い換えることもできる。特定部333は、抽出部332により抽出された少なくとも1つの画像形成装置の各々から、携帯端末100と当該画像形成装置との間の離間距離を通信インターフェイス303を介して取得し、携帯端末100との離間距離が最短である画像形成装置を一の画像形成装置に決定する。
【0188】
送信部334は、サーバー300とネットワークを介して接続される1つの画像形成装置に対し、記憶装置320に記憶されている少なくとも1つの印刷ジョブ126を通信インターフェイス303を介して送信する。一例として、送信部334は、特定部333により決定された一の画像形成装置に対し、記憶装置320に記憶されている少なくとも1つの印刷ジョブ126を送信する。
【0189】
(サーバー300の処理)
サーバー300のプロセッサー301が行う処理について説明する。一例として、サーバー300のプロセッサー301は、実施の形態1で携帯端末100のプロセッサー101により行われていた処理(
図7、
図8、
図10、および
図11に示す処理)を実行する。
【0190】
但し、ステップS1001の処理は「離間距離を取得する」に読み替える。また、ステップS1101の処理は、「確認画面の表示を携帯端末100に指示する」と読み替える。また、ステップS1102において、プロセッサー301は、印刷ジョブの送信が許可されたか否かを判定するために、印刷ジョブの送信が許可されたか否かを示す情報を携帯端末100から取得する。
【0191】
これにより、印刷ジョブは画像形成装置とネットワークを介して接続されるサーバー300に記憶され、印刷ジョブに含まれる印刷データは携帯端末100(すなわち、ユーザー)からの距離に関する条件を満たす画像形成装置で印刷されることから、実施の形態1と同様の効果が得られる。
【0192】
なお、プロセッサー301は、
図11に示すステップS1101およびステップS1102を行うことなく、特定処理により特定された一の画像形成装置に対し印刷ジョブ126を送信してもよい。
【0193】
また、プロセッサー301は、実施の形態2において携帯端末100のプロセッサー101により行われていた処理(
図13および
図14に示す処理)を実行してもよい。その場合には、何かを通知する処理は、「プロセッサー301はXXXの通知を携帯端末100に指示する」と読み替える。また、何かを表示する処理は、「プロセッサー301はXXXの表示を携帯端末100に指示する」と読み替える。また、ユーザーにより選択された内容に基づいて行われる処理においては、プロセッサー301は、ユーザーにより選択された内容を示す情報を携帯端末100から取得し、取得した情報に基づいて処理を行うものとする。これにより、実施の形態2と同様の効果が得られる。
【0194】
また、サーバー300は、実施の形態3における携帯端末100のように、複数のモードを有する携帯端末と接続されてもよい。その場合には、プロセッサー301は、携帯端末100から、携帯端末100に設定されているモードを示す情報を取得し、取得した情報に基づいて処理を行う。これにより、実施の形態3と同様の効果が得られる。
【0195】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0196】
1,1A 画像形成システム、100 携帯端末、101,201,301 プロセッサー、102,202,302 主メモリー、103,203,303 通信インターフェイス、105,305 操作インターフェイス、106,306 表示インターフェイス、110,310 入力装置、111,311 ディスプレイ、119,219,319 内部バス、120,220,320 記憶装置、122,222,322 プログラム、124 識別情報テーブル、126 印刷ジョブ、131,331 受付部、132,332 抽出部、133,333 特定部、134,334 送信部、191,601,602,603 タブ、200,200A,200B,200C 画像形成装置、204 操作パネル、205 プリンター、226 MIBデータ、300 サーバー、307 光学ドライブ、307A 光学ディスク、335 受信部、901 装置情報テーブル、D ドキュメント、G1,G2 画面、G3,G5 確認画面、G4 通知画面、G6 選択画面、G7 切り替え画面、G8 登録画面。