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特開2022-166584診療費支払管理システム、診療費支払管理方法、プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022166584
(43)【公開日】2022-11-02
(54)【発明の名称】診療費支払管理システム、診療費支払管理方法、プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/14 20120101AFI20221026BHJP
   G06Q 50/22 20180101ALI20221026BHJP
   G06Q 40/08 20120101ALI20221026BHJP
【FI】
G06Q20/14
G06Q50/22
G06Q40/08
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021071879
(22)【出願日】2021-04-21
(71)【出願人】
【識別番号】506225868
【氏名又は名称】日本メディカルビジネス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】100181135
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 隆史
(72)【発明者】
【氏名】滝口 進
【テーマコード(参考)】
5L055
5L099
【Fターム(参考)】
5L055AA32
5L055BB61
5L099AA01
(57)【要約】
【課題】診療費の支払いに備える際に契約者に応じた柔軟な保険サービスを提供する。
【解決手段】医療機関システムからの診療費請求情報の受信に基づいて契約者の診療費の医療機関口座への立替振込処理を行い、診療費の医療機関口座への振込処理後に契約者の資金を管理する金融機関の専用口座から診療費の回収を行う。契約者の立替振込処理に関する契約状況情報に基づいて、立替振込処理によって立て替えた診療費に対応する保険金の保険会社への支払い請求を行うか否かを判定する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療機関システムからの診療費請求情報の受信に基づいて契約者の診療費の医療機関口座への立替振込処理を行う立替振込処理手段と、
前記診療費の前記医療機関口座への振込処理後に前記契約者の資金を管理する金融機関の専用口座から前記診療費の回収を行う診療費回収処理手段と、
前記契約者の前記立替振込処理に関する契約状況情報に基づいて、前記立替振込処理によって立て替えた診療費に対応する保険金の保険会社への支払い請求を行うか否かを判定する請求有無判定手段と、
を備える診療費支払管理システム。
【請求項2】
前記支払い請求を行うと判定した場合、前記立替振込処理によって立て替えた診療費に対応する保険金の前記保険会社への支払い請求を生成する保険金請求処理手段と、
を備える請求項1に記載の診療費支払管理システム。
【請求項3】
前記請求を行うと判定した場合、診療明細書情報を用いて前記請求を行うか、あるいは、医療機関による診断書を用いて前記請求を行うかの請求方法を判定する請求方法判定手段と、
を備える請求項2に記載の診療費支払管理システム。
【請求項4】
前記保険金請求処理手段は、前記支払い請求を行うと判定した場合、前記請求方法の判定結果に応じた方法で、前記立替振込処理によって立て替えた診療費に対応する保険金の前記保険会社への支払い請求を生成する保険金請求処理手段と、
を備える請求項3に記載の診療費支払管理システム。
【請求項5】
前記請求有無判定手段は、前記診療費請求情報に前記診療明細書情報が含まれるか否かに基づいて前記立替振込処理によって立て替えた診療費に対応する保険金の前記保険会社への支払い請求を行うか否かを判定し、
前記保険金請求処理手段は、前記診療明細書情報が含まれる場合に、前記立替振込処理によって立て替えた診療費に対応する保険金の前記保険会社への支払い請求を生成する
請求項4に記載の診療費支払管理システム。
【請求項6】
前記請求有無判定手段は、前記診療費請求情報に含まれる前記診療明細書情報の内容に基づいて前記立替振込処理によって立て替えた診療費に対応する保険金の前記保険会社への支払い請求を行うか否かを判定し、
前記保険金請求処理手段は、前記診療明細書情報の内容に基づいて前記立替振込処理によって立て替えた診療費に対応する保険金の前記保険会社への支払い請求を行うと判定した場合に、前記立替振込処理によって立て替えた診療費に対応する保険金の支払い請求を生成する
請求項4に記載の診療費支払管理システム。
【請求項7】
前記契約者の前記契約状況情報に基づいて、保険適用契約者か保険非適用契約者かを判定する契約者判定手段と、を備え、
前記保険金請求処理手段は、前記契約者が保険適用契約者である場合に、前記立替振込処理によって立て替えた診療費に対応する保険金の前記保険会社への支払い請求を生成する
請求項4から請求項6の何れか一項に記載の診療費支払管理システム。
【請求項8】
前記立替振込処理手段は、前記診療費請求情報の受信に基づいて契約者の診療費の医療機関口座への立替振込処理を行うか否かを判定する
請求項1から請求項7の何れか一項に記載の診療費支払管理システム。
【請求項9】
前記契約者の診療費の医療機関口座への立替振込処理の結果に基づいて、前記診療費の債権譲渡に関する情報を生成する債権処理手段と、
を備える請求項1から請求項8の何れか一項に記載の診療費支払管理システム。
【請求項10】
医療機関システムからの診療費請求情報の受信に基づいて契約者の診療費の医療機関口座への立替振込処理を行う立替振込処理部と、
前記診療費の前記医療機関口座への振込処理後に前記契約者の資金を管理する金融機関の専用口座から前記診療費の回収を行う診療費回収処理部と、
前記診療費請求情報に診療明細書情報が含まれるか否かに基づいて前記立替振込処理によって立て替えた診療費に対応する保険金の保険会社への支払い請求を行うか否かを判定する請求有無判定部と、
診療明細書情報が含まれる場合に、前記立替振込処理によって立て替えた診療費に対応する保険金の前記保険会社への支払い請求を生成する保険金請求処理部と、
を備える診療費支払管理システム。
【請求項11】
医療機関システムからの診療費請求情報の受信に基づいて契約者の診療費の医療機関口座への立替振込処理を行う立替振込処理部と、
前記診療費の前記医療機関口座への振込処理後に前記契約者の資金を管理する金融機関の専用口座から前記診療費の回収を行う診療費回収処理部と、
前記診療費請求情報に含まれる診療明細書情報の内容に基づいて前記立替振込処理によって立て替えた診療費に対応する保険金の支払い請求を行うか否かを判定する請求有無判定部と、
診療明細書情報の内容に基づいて前記立替振込処理によって立て替えた診療費に対応する保険金の保険会社への支払い請求を行うと判定した場合に、前記立替振込処理によって立て替えた診療費に対応する保険金の前記保険会社への支払い請求を生成する保険金請求処理部と、
を備える診療費支払管理システム。
【請求項12】
医療機関システムからの診療費請求情報の受信に基づいて契約者の診療費の医療機関口座への立替振込処理を行う立替振込処理部と、
前記契約者の契約状況情報に基づいて、保険適用契約者か保険非適用契約者かを判定する契約者判定部と、
前記診療費の前記医療機関口座への振込処理後に前記契約者の資金を管理する金融機関の専用口座から前記診療費の回収を行う診療費回収処理部と、
前記契約者が前記保険適用契約者である場合に、前記立替振込処理によって立て替えた診療費に対応する保険金の保険会社への支払い請求を生成する保険金請求処理部と、
を備える診療費支払管理システム。
【請求項13】
医療機関システムからの診療費請求情報の受信に基づいて契約者の診療費の医療機関口座への立替振込処理を行い、
前記診療費の前記医療機関口座への振込処理後に前記契約者の資金を管理する金融機関の専用口座から前記診療費の回収を行い、
前記契約者の前記立替振込処理に関する契約状況情報に基づいて、前記立替振込処理によって立て替えた診療費に対応する保険金の保険会社への支払い請求を行うか否かを判定する
診療費支払管理方法。
【請求項14】
診療費支払管理システムのコンピュータを、
医療機関システムからの診療費請求情報の受信に基づいて契約者の診療費の医療機関口座への立替振込処理を行う立替振込処理手段、
前記診療費の前記医療機関口座への振込処理後に前記契約者の資金を管理する金融機関の専用口座から前記診療費の回収を行う診療費回収処理手段、
前記契約者の前記立替振込処理に関する契約状況情報に基づいて、前記立替振込処理によって立て替えた診療費に対応する保険金の保険会社への支払い請求を行うか否かを判定する請求有無判定手段、
として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、診療費支払管理システム、診療費支払管理方法、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
医療機関で受診した患者は診療後に医療機関の会計窓口で診療費を支払う。会計窓口における診療費の会計処理に時間がかかり患者が長い時間待たされることが多くある。このような不便を解消するために診療費の立替を行うサービスが開始されている。なお特許文献1には診療費の自己負担分を後払いにすることができる支払システムの技術が開示されている。診療費の自己負担分を後払いにすることで、会計窓口における現金のやり取りをする必要が無くなる。
【0003】
上述のような診療費の支払いは医療保険に加入して高額な診療費の請求があった場合に備えることが多い。このような医療保険の加入による掛け金の支払いは掛け捨てである場合が多い。そして診療費の支払いに備えるための技術が特許文献2に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4443946号公報
【特許文献2】特許第6734329号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで診療費の支払いに備える際に契約者に応じた柔軟な保険サービスを行うことが望まれている。
【0006】
そこでこの発明は、上述の課題を解決する診療費支払管理システム、診療費支払管理方法、プログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様によれば、診療費支払管理システムは、医療機関システムからの診療費請求情報の受信に基づいて契約者の診療費の医療機関口座への立替振込処理を行う立替振込処理手段と、前記診療費の前記医療機関口座への振込処理後に前記契約者の資金を管理する金融機関の専用口座から前記診療費の回収を行う診療費回収処理手段と、前記契約者の前記立替振込処理に関する契約状況情報に基づいて、前記立替振込処理によって立て替えた診療費に対応する保険金の保険会社への支払い請求を行うか否かを判定する請求有無判定手段と、を備える。
【0008】
上述の診療費支払管理システムは、前記支払い請求を行うと判定した場合、前記立替振込処理によって立て替えた診療費に対応する保険金の前記保険会社への支払い請求を生成する保険金請求処理手段と、を備えてよい。
【0009】
上述の診療費支払管理システムは、前記請求を行うと判定した場合、診療明細書情報を用いて前記請求を行うか、あるいは、医療機関による診断書を用いて前記請求を行うかの請求方法を判定する請求方法判定手段と、を備えてよい。
【0010】
上述の診療費支払管理システムにおいて、前記保険金請求処理手段は、前記支払い請求を行うと判定した場合、前記請求方法の判定結果に応じた方法で、前記立替振込処理によって立て替えた診療費に対応する保険金の前記保険会社への支払い請求を生成する保険金請求処理手段と、を備えてよい。
【0011】
上述の診療費支払管理システムにおいて、前記請求有無判定手段は、前記診療費請求情報に前記診療明細書情報が含まれるか否かに基づいて前記立替振込処理によって立て替えた診療費に対応する保険金の前記保険会社への支払い請求を行うか否かを判定し、前記保険金請求処理手段は、前記診療明細書情報が含まれる場合に、前記立替振込処理によって立て替えた診療費に対応する保険金の前記保険会社への支払い請求を生成してよい。
【0012】
上述の診療費支払管理システムにおいて、前記請求有無判定手段は、前記診療費請求情報に含まれる前記診療明細書情報の内容に基づいて前記立替振込処理によって立て替えた診療費に対応する保険金の前記保険会社への支払い請求を行うか否かを判定し、前記保険金請求処理手段は、前記診療明細書情報の内容に基づいて前記立替振込処理によって立て替えた診療費に対応する保険金の前記保険会社への支払い請求を行うと判定した場合に、前記立替振込処理によって立て替えた診療費に対応する保険金の支払い請求を生成してよい。
【0013】
上述の診療費支払管理は、前記契約者の前記契約状況情報に基づいて、保険適用契約者か保険非適用契約者かを判定する契約者判定手段と、を備え、前記保険金請求処理手段は、前記契約者が保険適用契約者である場合に、前記立替振込処理によって立て替えた診療費に対応する保険金の前記保険会社への支払い請求を生成してよい。
【0014】
上述の診療費支払管理システムにおいて、前記立替振込処理手段は、前記診療費請求情報の受信に基づいて契約者の診療費の医療機関口座への立替振込処理を行うか否かを判定してよい。
【0015】
上述の診療費支払管理システムは、前記契約者の診療費の医療機関口座への立替振込処理の結果に基づいて、前記診療費の債権譲渡に関する情報を生成する債権処理手段と、を備えてよい。
【0016】
本発明の第2の態様によれば、診療費支払管理システムは、医療機関システムからの診療費請求情報の受信に基づいて契約者の診療費の医療機関口座への立替振込処理を行う立替振込処理部と、前記診療費の前記医療機関口座への振込処理後に前記契約者の資金を管理する金融機関の専用口座から前記診療費の回収を行う診療費回収処理部と、前記診療費請求情報に診療明細書情報が含まれるか否かに基づいて前記立替振込処理によって立て替えた診療費に対応する保険金の保険会社への支払い請求を行うか否かを判定する請求有無判定部と、診療明細書情報が含まれる場合に、前記立替振込処理によって立て替えた診療費に対応する保険金の前記保険会社への支払い請求を生成する保険金請求処理部と、を備える。
【0017】
本発明の第3の態様によれば、診療費支払管理システムは、医療機関システムからの診療費請求情報の受信に基づいて契約者の診療費の医療機関口座への立替振込処理を行う立替振込処理部と、前記診療費の前記医療機関口座への振込処理後に前記契約者の資金を管理する金融機関の専用口座から前記診療費の回収を行う診療費回収処理部と、前記診療費請求情報に含まれる診療明細書情報の内容に基づいて前記立替振込処理によって立て替えた診療費に対応する保険金の支払い請求を行うか否かを判定する請求有無判定部と、診療明細書情報の内容に基づいて前記立替振込処理によって立て替えた診療費に対応する保険金の保険会社への支払い請求を行うと判定した場合に、前記立替振込処理によって立て替えた診療費に対応する保険金の前記保険会社への支払い請求を生成する保険金請求処理部と、を備える。
【0018】
本発明の第4の態様によれば、診療費支払管理システムは、医療機関システムからの診療費請求情報の受信に基づいて契約者の診療費の医療機関口座への立替振込処理を行う立替振込処理部と、前記契約者の契約状況情報に基づいて、保険適用契約者か保険非適用契約者かを判定する契約者判定部と、前記診療費の前記医療機関口座への振込処理後に前記契約者の資金を管理する金融機関の専用口座から前記診療費の回収を行う診療費回収処理部と、前記契約者が前記保険適用契約者である場合に、前記立替振込処理によって立て替えた診療費に対応する保険金の保険会社への支払い請求を生成する保険金請求処理部と、を備える。
【0019】
本発明の第5の態様によれば、診療費支払管理方法は、医療機関システムからの診療費請求情報の受信に基づいて契約者の診療費の医療機関口座への立替振込処理を行い、前記診療費の前記医療機関口座への振込処理後に前記契約者の資金を管理する金融機関の専用口座から前記診療費の回収を行い、前記契約者の前記立替振込処理に関する契約状況情報に基づいて、前記立替振込処理によって立て替えた診療費に対応する保険金の保険会社への支払い請求を行うか否かを判定する。
【0020】
本発明の第6の態様によれば、プログラムは、診療費支払管理システムのコンピュータを、医療機関システムからの診療費請求情報の受信に基づいて契約者の診療費の医療機関口座への立替振込処理を行う立替振込処理手段、前記診療費の前記医療機関口座への振込処理後に前記契約者の資金を管理する金融機関の専用口座から前記診療費の回収を行う診療費回収処理手段、前記契約者の前記立替振込処理に関する契約状況情報に基づいて、前記立替振込処理によって立て替えた診療費に対応する保険金の保険会社への支払い請求を行うか否かを判定する請求有無判定手段、として機能させる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、診療費の支払いに備える際に契約者に応じた柔軟な保険サービスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の一実施形態による診療費支払管理システムの構成を示す図である。
図2】本発明の一実施形態による診療費支払管理システムの処理概要を示す図である。
図3】本発明の一実施形態による診療費支払管理システムに含まれる各装置のハードウェア構成を示す図である。
図4】本発明の一実施形態による診療費支払管理サーバと金融機関サーバの機能ブロック図である。
図5】本発明の一実施形態による診療費支払管理システムの処理フローを示す第一の図である。
図6】本発明の一実施形態による診療費支払管理システムの処理フローを示す第二の図である。
図7】本発明の一実施形態による貸付処理の概要を示す図である。
図8】本発明の一実施形態による診療費支払管理システムの処理フローを示す第三の図である。
図9】本発明の一実施形態による診療費支払管理システムの処理フローを示す第四の図である。
図10】本発明の一実施形態による診療費支払管理システムの処理フローを示す第五の図である。
図11】本発明の一実施形態による第一管理サーバと第二管理サーバとを示す図である。
図12】本発明の一実施形態による診療費支払管理システムの処理フローを示す第六の図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の一実施形態による診療費支払管理システムを図面を参照して説明する。
図1は同実施形態による診療費支払管理システムの構成を示す図である。
図1で示すように診療費支払管理システム100は診療費支払管理サーバ1、金融機関サーバ2、医療機関サーバ3、保険会社サーバ4が通信ネットワークを介して接続される。診療費支払管理サーバ1は診療費支払管理システム100を利用して契約者である患者に主なサービスを提供する企業が運用するコンピュータである。金融機関サーバ2は金融機関が運用するコンピュータである。医療機関サーバ3は医療機関が運用するコンピュータである。保険会社サーバ4は保険会社が運用するコンピュータである。なお、診療費支払管理システム100は、少なくとも診療費支払管理サーバを備えればよい。各サーバには、ユーザが利用する端末装置が通信接続されてよい。
【0024】
図2は本実施形態による診療費支払管理システムの処理概要を示す図である。
本実施形態による診療費支払管理サービスは、診療費支払管理サーバ1を運用するサービス提供会社により提供される。(1)患者となりうる契約者はサービス提供会社と当該サービスの契約を行う。この契約により契約者は診療費支払管理サービスを受けることができる。(2)診療費支払管理サービスを受ける契約者は金融機関に少なくとも健康口座を開設するとともに、当該健康口座への毎月の所定の積立金額の振込を指示する。毎月の積立金額は契約者が自由に定めることができてよい。または契約者は一度に多くの積立金額が健康口座に振り込まれるように振替の指示を金融機関に行ってもよい。健康口座は診療費支払管理サービスを受けるために必要な専用の口座である。契約者は別途金融機関に普通口座を開設し、この普通口座から健康口座に積立金を振り込むようにしてもよい。この健康口座は、診療費支払管理サーバ1などの外部の装置から通知された契約者の診療費が健康口座の残高以上の高額となった場合に、その差額を金融機関が貸付けることのできる貸付機能を有する口座であってよい。
【0025】
(3)金融機関は上記契約の下、毎月、契約者の健康口座に積立金を振り込む処理を行う。当該積立金の振込元口座は健康口座を開設した契約者の当該金融機関の普通口座であってもよいし、他の金融機関の口座であってもよい。サービス提供会社は健康口座の残高が所定のサービス維持残高以上である場合に診療費支払管理サービスを提供する。金融機関は上記契約に基づいて健康口座で管理する積立金を、他の口座に適用している金利よりも高い利率を適用して、金利算出を行ってよい。
【0026】
(4)サービス提供会社は診療費支払管理サービスの提供の対価として月会費の回収指示を行う。これにより健康口座または普通口座からサービス提供会社の口座への月会費の振込を指示することができる。(5)サービス提供会社は月会費のうちの所定の金額を、契約者に代わって保険料として保険会社へ支払う指示を行う。この時、サービス会社は、複数の契約者の保険料をまとめて保険会社へ支払う為の指示を、診療費支払管理サーバ1に入力してよい。診療費支払管理サーバ1は、保険料の保険会社口座への振込を金融機関サーバ2へ行う。保険契約は保険会社とサービス提供会社との間で行う。保険契約は、契約者の診療費が所定の金額以上の高額である場合に保険会社から診療費の立替を行うサービス提供会社に支払われる保険金の契約である。サービス提供会社は保険金を見舞金として契約者に支払うサービスを行う。保険契約は、契約者と保険会社との間で直接行うものであってもよい。この場合も、サービス提供会社は、保険会社と本サービスの契約を行っている契約者の診療費が所定の金額以上の高額であることを検知した場合に、医療機関に支払う診療費の立替を行ってよい。またはサービス提供会社は、保険会社と本サービスの契約を行っている契約者の診療費が所定の金額以上でない場合でも、医療機関に支払う診療費の立替を行ってよい。
【0027】
(6)上記のような(1)による契約の後、契約者は本サービスを利用できる医療機関で受診する。(7)医療機関は受診した患者が契約者である場合、診療費の請求をサービス提供会社に対して直接行う。(8)医療機関から診療費の請求があった場合、サービス提供会社は診療費の立替のための支払い指示を行う。これによりサービス提供会社は自身の口座から医療機関の口座へ診療費を振り込み、患者となる契約者の診療費の立て替えを行うことができる。(9)サービス提供会社は後日、立て替えた診療費の回収を行う為、診療費回収指示を金融機関に行う。これにより金融機関サーバは契約者の口座からサービス提供会社の口座へ診療費を振り込む。
【0028】
(10)健康口座で管理される残高が診療費として利用されることにより当該残高が減少する。金融機関は健康口座の残高が基本残高(基本残高>サービス維持残高)を維持するよう自動的に貸付を行う。(11)診療費が所定の高額な金額以上の額である場合、サービス提供会社は所定の見舞金を支払う指示を金融機関に行う。これにより金融機関はサービス提供会社の口座から契約者の健康口座または普通口座に見舞金を振り込む。サービス提供会社が保険会社と締結する保険契約は「約定履行費用保険」である。このためサービス提供会社は、先に(保険金の受領前に)契約者の健康口座残高が減少した損失を見舞金として支払う。上述したように診療費が所定の高額な金額以上の額でない場合でも、サービス提供会社は所定の見舞金を支払う指示を金融機関に行うようにしてもよい。これにより金融機関はサービス提供会社の口座から契約者の健康口座または普通口座に見舞金を振り込む。サービス提供会社は、保険金の受領前に契約者の健康口座残高が減少した損失の全部または一部を見舞金として支払うようにしてよい。
【0029】
(12)サービス提供会社は保険会社との契約に基づいて見舞金に対応する保険金給付請求を行う。(13)保険会社は保険金給付請求に基づいて保険金給付の指示を金融機関へ行う。これにより保険会社の口座からサービス提供会社の口座へ保険金が振り込まれる。または保険会社と契約者との間の契約によっては、サービス提供会社からの保険金給付請求に基づいて、保険会社が契約者の口座に対する保険金給付の指示を金融へ行ってもよい。この場合、保険会社の口座から契約者の口座へ保険金が振り込まれる。(14)保険会社は保険金給付が完了したことをサービス提供会社へ通知する。なおサービス提供会社は、上述の建て替えのための診療費支払指示(8)を行うにあたり、立替振込処理に関する契約者の契約状況に基づいて、その診療費支払指示(8)を行うようにしてよい。またサービス提供会社は、契約者の契約状況に基づいて、立替振込処理によって立て替えた診療費に対応する保険金の保険会社への保険金給付請求(12)を行うか否かを判定するようにしてよい。例えば、サービス提供会社は、契約状況を示す情報が一般契約(通常契約)か特定契約かによって、または保険種別によって、または診療費の金額によって、保険会社への保険金給付請求を行うか否かを判定してよい。サービス提供会社は、保険金給付請求を行うと判定した場合に、保険金給付請求(12)を行うようにしてよい。
【0030】
契約者は診療費支払管理サービスを契約した場合には以上のような処理により診療費の立て替えサービスや、見舞金の給付等のサービスを受けることができる。また契約者は診療費支払管理サービスを契約すると自動的に健康口座に毎月指定した金額を積み立てることができる。契約者は将来的に診療費支払管理サービスの契約を解除することができ、この場合に健康口座に貯まった金額を自身の他の口座に振り替えて利用することができる。また健康口座の金利が他の口座の金利より高い利率で運用されるため健康口座にお金を積み立てることにより積立型の医療保険と同等以上のサービスの提供を受けることができる。またサービス提供会社は、診療費の支払いに備えるための契約者の契約状況に応じた柔軟な保険サービスを行うことができる。
【0031】
図3は診療費支払管理システムに含まれる各装置のハードウェア構成を示す図である。
この図が示すように、診療費支払管理サーバ1、金融機関サーバ2、医療機関サーバ3、保険会社サーバ4は、CPU(Central Processing Unit)101、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103、データベース104、通信モジュール105等の各ハードウェアを備えたコンピュータである。
【0032】
図4は診療費支払管理サーバと金融機関サーバの機能ブロック図である。
診療費支払管理サーバ1は予め記憶する診療費支払管理プログラムを実行する。これにより診療費支払管理サーバ1には、制御部11、会費処理部12、保険料管理部13、立替振込処理部14、診療費回収処理部15、保険金振込処理部16、サービス維持判定部17、通知部18の各機能部が備わる。
制御部11は他の機能部を制御する。
会費処理部12はサービスの提供に必要な月会費の回収指示を行う。
保険料管理部13はサービスを提供する際に行う保険契約に関する処理を行う。
立替振込処理部14は診療費の立て替えのための振込処理等を行う。
診療費回収処理部15は診療費の回収処理を行う。
保険金振込処理部16は保険金を見舞金として契約者に支払う際の振込処理等を行う。
サービス維持判定部17は健康口座の残高がサービス維持残高か否かに基づいて診療費支払管理のサービスを停止するか否かを判定する処理を行う。
通知部18は各種通知を行う。
【0033】
金融機関サーバ2は各種処理プログラムを実行する。これにより金融機関サーバ2には、制御部21、積立処理部22、振込処理部23、残高確認部24、貸付処理部25、金利管理部26、通知部27の各機能が備わる。
制御部21は他の機能部を制御する。
積立処理部22は契約者ごとに普通口座等から健康口座へ、積立処理や一時積立金や見舞金等の入金処理を行う。健康口座への入金は毎月の積立金以外に一時積立金や見舞金、高額療養費の入金などが存在する。
振込処理部23は他の装置からの指示に基づいて振込処理を行う。
残高確認部24は契約者ごとの残高を確認する。
貸付処理部25は契約者ごとに健康口座の残高が所定の基本残高未満である場合に自動的な貸付処理を行う。
金利管理部26は他口座よりも高い健康口座の残高に対する利率を用いて当該残高の金利算出を行う。当該利率は一例としては健康口座の残高に対して適用される利率である。なお他の例においては健康口座の残高に対して高い利率を適用しなくてよい。
通知部27は所定の装置に各種通知を行う。
【0034】
なお説明の便宜上、診療費支払管理サーバ1、金融機関サーバ2、医療機関サーバ3、保険会社サーバ4は単一のサーバとして説明するが、機能ごとに異なるサーバが稼働して、それら異なるサーバが一体となって各サーバの処理を行うようにしてよい。
【0035】
図5は診療費支払管理システムの処理フローを示す第一の図である。
次に診療費支払管理システムの処理フローを順を追って説明する。
まず金融機関サーバ2は契約者に対応する口座IDに紐づけて、普通口座番号、健康口座番号、毎月の積立金額、積立の為の振込日などの情報を記憶している。そして金融機関サーバ2の積立処理部22は振込日の示す日の所定時刻に、積立金額を契約者の普通口座から健康口座に振り替える処理を行う。これにより各契約者の積立金額が契約者の健康口座に振り替えられる。
【0036】
一方、診療費支払管理サーバ1においても各契約者について契約者ID、金融機関情報、健康口座番号、契約者名、契約者住所、などの契約者情報を記憶している。診療費支払管理サーバ1の会費処理部12は当該契約者情報に基づいて、各契約者の健康口座番号、それら口座の金融機関情報、サービス提供会社の口座番号等を含む月会費回収指示情報を生成する。会費処理部12は月会費回収指示情報を金融機関サーバ2へ送信する(ステップS101)。
【0037】
なお複数の金融機関の金融機関サーバ2が診療費支払管理システム100に含まれる場合には、会費処理部12は金融機関情報に応じて対応する金融機関サーバ2に会費回収指示情報を送信する。診療費支払管理サーバ1は他の情報を金融機関サーバ2に送信する際にも同様に、契約者が利用する金融機関に基づいて異なる金融機関サーバ2に情報を送信するが、説明の便宜上その説明を省略することとする。
【0038】
金融機関サーバ2の振込処理部23は、会費回収指示情報に基づいて、その情報が示す振込元の契約者の口座番号から振込先のサービス提供会社の口座番号へ所定の会費金額を振り込む処理を行う。これによりサービス提供の対価となる毎月の会費が契約者からサービス提供会社に支払われる。
【0039】
診療費支払管理サーバ1の保険料管理部13は月会費のうちの所定金額を保険料として保険会社に支払う。この場合、保険料管理部13はサービスを維持している契約者全員に対応する合計保険料を算出する。なお契約者の契約条件の一態様であるサービスレベルに応じて毎月の会費や保険料の金額は異なってよい。例えばサービスレベルに応じて保険金の額や、その他のサービスの提供が異なってよい。本実施形態の契約条件では、契約者は自身の契約に応じて一般会員と特定会員との何れかに分類されてよい。例えば、一般会員は、外来で診察を受けた場合も入院した場合の何れの場合もサービス提供会社の提供する診療費の立替のサービスを受けることができる。また例えば、特定会員は、外来で診察を受けた場合のみサービス提供会社の提供する診療費の立替のサービスを受けることができる。一般会員と特定会員の保険料や、サービス提供を受ける場合の月会費の料金には違いがあってよい。保険料管理部13はさらに算出した合計保険料を含む保険料支払指示情報を生成する。保険料支払指示情報には振込先として保険会社口座の口座番号が、また振込元としてサービス提供会社の口座番号が含まれる。会費処理部12は保険料支払指示情報を金融機関サーバ2へ送信する(ステップS102)。金融機関サーバ2の振込処理部23は保険料支払指示情報に基づいて振込元のサービス提供会社の口座番号から、保険会社口座の口座番号への保険料の振込処理を行う。
【0040】
そして契約者が所定の医療機関で受診したとする。するとこの医療機関において医療機関サーバ3はオペレータによって入力された患者のIDが診療費支払管理サービスの契約者のIDと紐づいているかを判定する。医療機関サーバ3は患者のIDが診療費支払管理サービスの契約者のIDと紐づいている場合、診療費支払管理サービスを受けるか否かの判定入力画面をモニタに出力する。なお医療機関には、病院や薬局などが含まれてよい。契約者の支払いを病院の担当者が会計する場合、または契約者の支払いを薬局の担当者が会計する場合に、それら担当者がオペレータとなって、医療機関サーバ3に端末装置からアクセスする。医療機関サーバ3は、オペレータの操作に基づいて端末装置から患者のIDを取得し、その患者のIDが診療費支払管理サービスの契約者のIDと紐づいている場合、診療費支払管理サービスを受けるか否かの判定入力画面をモニタに出力する。
【0041】
オペレータは患者の意思を確認し当該患者が診療費支払管理サービスを受けると判断した場合、医療機関サーバ3のモニタに出力された判定入力画面を用いてサービス開始を指示する。すると医療機関サーバ3は、契約者の契約ID、診療費、医療機関ID、診療報酬明細書などを含む診療費請求情報を生成する。医療機関サーバ3は診療費請求情報を診療費支払管理サーバ1へ送信する。
【0042】
診療費支払管理サーバ1は診療費請求情報を受信する(ステップS103)。すると診療費支払管理サーバ1の立替振込処理部14が診療費請求情報に含まれる診療費、契約ID、医療機関ID、診療報酬明細書データ等の情報を読み取る。立替振込処理部14は契約IDに紐づいてデータベース等に記録されているサービス維持可、不可を示す情報を読み取る。立替振込処理部14は契約IDにサービス維持可を示す情報が紐づいている場合には、診療費立替を行うと判定する。立替振込処理部14は、他の処理によって、診療費立替を行うか否かを判定してよい。例えば立替振込処理部14は、契約IDに紐づいてデータベース等に記録されている会員種別を読み取る。会員種別は、一般会員または特定会員に区別される。また立替振込処理部14は、診療報酬明細書データに含まれる診療の種別を読み取る。診療の種別には外来または入院の何れかの種別に区別される。立替振込処理部14は、会員種別が一般会員である場合には、診療の種別が外来であっても入院であっても、診療費立替を行うと判定する。立替振込処理部14は、会員種別が特定会員である場合には、診療の種別が外来である場合にのみ、診療費立替を行うと判定する。この立替振込処理部14の処理は、契約者の立替振込処理に関する契約状況情報に基づいて、立替振込処理を行うか否かを判定する処理の一例である。
【0043】
立替振込処理部14は医療機関IDに対応する医療機関口座の口座番号をデータベース等から読み取る。立替振込処理部14はサービス提供会社の口座番号と、医療機関IDに対応する医療機関口座の口座番号をデータベース等から読み取る。立替振込処理部14は少なくとも診療費と、振込元となるサービス提供会社の口座番号と、振込先となる医療機関口座の口座番号とを含む診療費支払指示情報を生成する(ステップS104)。立替振込処理部14は診療費支払指示情報を金融機関サーバ2へ送信する(ステップS105)。立替振込処理部14は契約IDに紐づいてデータベース等に記録されているサービス維持可、不可を示す情報を読み取った結果、サービス維持不可を示す情報が紐づいている場合には、診療費立替を中止すると判定する。この場合、立替振込処理部14は通知部18にサービス維持不可を通知するよう指示する。通知部18は契約IDに基づいて患者(契約者)のネットワークアドレスをデータベース等から読み取り、当該ネットワークアドレス宛にサービス維持不可の情報を通知する。これにより契約者は健康口座の残高がサービス維持残高を超える額となるような金額を振り込む。金融機関サーバ2の残高確認部24は契約者の健康口座の残高を読み取り、診療費支払管理サーバ1へ通知する。これにより診療費支払管理サーバ1のサービス維持判定部17はサービス維持可、不可を以下の図8で示す処理により行う。詳細は図8を用いて後述する。
【0044】
金融機関サーバ2は診療費支払指示情報を受信する。振込処理部23は診療費支払指示情報に含まれる振込元の口座番号と、振込先の口座番号と、振り込み金額である診療費とを用いて振込処理を行う。つまり振込処理部23はサービス提供会社の口座番号が示す口座の残高から診療費を減じ、医療機関口座の口座番号の残高に診療費を加える振込処理を行う。これにより医療機関に対する診療費の立替払いをサービス提供会社が行うことができる。なお金融機関サーバ2の金利管理部26は、普通口座などの他の口座よりも高い健康口座の残高に対する利率を用いて当該残高の金利算出を行うようにしてよい。
【0045】
診療費支払管理サーバ1の診療費回収処理部15は、前月の所定の日までに行った1カ月間の診療費支払指示に対する診療費回収指示を翌月の所定の日に行う。診療費回収処理部15は前月の所定の日までの1か月の診療費請求情報に基づいて診療費を合計する(ステップS106)。そして診療費回収処理部15は複数の診療費請求情報と診療費支払指示情報との対をデータベースに記録しており、それら情報に基づいて、対応する診療費回収指示情報を生成する(ステップS107)。診療費回収指示情報には、前月の所定の日までの1か月の診療費請求情報と診療費支払指示情報との対に基づいて、振込元となる契約IDに対応する契約者の健康口座の口座番号、振込先となるサービス提供会社の口座番号、合計の診療費とが少なくとも含まれる。診療費回収処理部15は診療費回収指示情報を金融機関サーバ2へ送信する(ステップS108)。金融機関サーバ2の振込処理部23は、診療費回収指示情報に基づいて、振込元となる契約IDに対応する契約者の健康口座の口座番号の残高から診療費を減じ、振込先となるサービス提供会社の口座番号の残高に診療費を加える振込処理を行う。これによりサービス提供会社が立て替えた診療費を当該サービス提供会社が回収することができる。金融機関サーバ2は上述の処理を各契約者について繰り返す。
【0046】
上述の処理によればサービス提供会社の提供する診療費支払管理サービスを契約した契約者は金融機関に健康口座と呼ばれる専用の口座を開設でき、この健康口座に毎月積立金を積み立てることができる。そしてこの健康口座の残高を根拠とする診療費の立替サービスを受けることができ、医療機関における会計手続時の待ち時間短縮のメリットを享受することができる。
【0047】
また健康口座に毎月積立額が振り込まれるため、医療機関で受診しない場合には健康口座の残高を、将来的に発生する可能性のある高額な医療費のために蓄積することや、サービスを解約することで他の用途に利用することができる。
【0048】
また健康口座の残高に付与される利率が他の口座より高い場合には、他の口座への預金と比較して健康口座への積立により有利なお金の運用を行うことができる。
【0049】
図6は診療費支払管理システムの処理フローを示す第二の図である。
図7は貸付処理の概要を示す図である。
金融機関サーバ2は健康口座の残高が所定の基本残高未満となるか否かを常時監視する。なお基本残高はサービス維持残高よりも大きい値である。具体的には残高確認部24は契約者の健康口座の残高を読み取る(ステップS201)。残高確認部24は契約者IDと、その契約者の健康口座の口座番号と、健康口座の残高を貸付処理部25へ出力する。貸付処理部25は健康口座の残高と、基本残高として設定されている金額とを比較する(ステップS202)。貸付処理部25は健康口座の残高が基本残高未満の場合(図7(a))にはその契約者へ自動貸付を行うと判定する(ステップS203)。貸付処理部25は健康口座の現在の残高と、健康口座の残高として推奨する基本残高との差分を示す貸付金額を算出する(ステップS204)。貸付処理部25は貸付金額と、健康口座の口座番号と、を示す貸付振込処理情報を生成する(ステップS205)。貸付処理部25は貸付振込処理情報を振込処理部23へ出力する。振込処理部23は貸付振込処理情報に含まれる健康口座の口座番号の残高に貸付金額を加え、金融機関の所定の貸付金プール口座から貸付金額を減じる貸付振込処理(図7(b))を行う(ステップS206)。なお貸付処理部25は貸付を行う場合に診療費支払管理サーバ1に貸付可否判定要求を送信して、その結果、診療費支払管理サーバ1から貸付可を示す判定結果情報を受信した場合にのみ貸付金の貸付処理を行うようにしてもよい。
【0050】
上述の処理により健康口座の残高が高額な診療費の回収によって基本残高未満となった場合には契約者は自動的な貸付サービスを享受することができる。これにより健康口座を利用した診療費の立替サービスの利用における残高不足を軽減することができる。
【0051】
図8は診療費支払管理システムの処理フローを示す第三の図である。
診療費支払管理サーバ1は、健康口座の残高がサービス維持残高か否かに基づいて契約者の診療費の医療機関口座への立替振込処理を含む診療費支払管理のサービスを停止するか否かを判定する。
【0052】
具体的にはまず金融機関サーバ2は契約者の健康口座の残高がサービス維持残高未満となるか否かを常時監視する。なお図7で示すようにサービス維持残高は基本残高よりも小さい金額である。具体的には残高確認部24は契約者の健康口座の残高を読み取る。残高確認部24は契約者IDと、その契約者の健康口座の口座番号と、健康口座の残高を積立処理部22へ出力する。積立処理部22は健康口座の残高と、サービス維持残高として設定されている金額とを比較する。積立処理部22は、健康口座の残高がサービス維持残高未満の場合には診療費支払管理サーバ1へサービス維持判定情報を送信する。サービス維持判定情報には契約者IDとその契約者の健康口座の残高とが含まれる。
【0053】
診療費支払管理サーバ1のサービス維持判定部17はサービス維持判定情報を取得する(ステップS301)。サービス維持判定部17はサービス維持判定情報に含まれる契約者IDと健康口座の残高とに基づいて、健康口座の残高がサービス維持残高未満の場合にはサービス維持不可と判定する(ステップS302)。なおサービス維持不可の判定は診療費支払管理サーバ1ではなく金融機関サーバ2が行うようにしてもよい。この場合、金融機関サーバ2の通知部27はサービス維持不可を診療費支払管理サーバ1へ通知する。診療費支払管理サーバ1のサービス維持判定部17はサービス維持不可の情報を契約者IDに紐づけてデータベース等へ登録する(ステップS303)。これにより、当該契約者についての診療費請求情報の受信に基づく診療費立替サービスの停止等を行う。
【0054】
図9は診療費支払管理システムの処理フローを示す第四の図である。
診療費支払管理サーバ1は、契約者に対するサービスが維持されている場合であって診療費請求情報の示す金額が所定金額を超えた場合に、健康口座から回収したサービスの会費の一部の保険料の保険会社への支払いに基づく当該保険会社からの保険金額の振込処理を、診療費請求情報の示す金額が所定金額を超えた契約者の健康口座に対して行う。以下当該処理について説明する。
【0055】
診療費支払管理サーバ1の保険金振込処理部16は上述の処理において医療機関サーバ3から受信した診療費請求情報を診療費立替処理の完了した立替振込処理部14から取得する。保険金振込処理部16は診療費請求情報に含まれる診療費を読み取る(ステップS401)。保険金振込処理部16は診療費が所定の高額金額以上を示すかを判定する(ステップS402)。保険金振込処理部16は診療費が所定の高額金額以上である場合、当該診療費請求情報に基づいて特定できる健康口座への見舞金の振込と、保険金給付請求とを行うと判定する(ステップS403)。
【0056】
この場合、診療費支払管理サーバ1の保険金振込処理部16は診療費請求情報に含まれる診療費が所定の高額金額以上であれば当該所定の高額金額を見舞金として決定する。また保険金振込処理部16は診療費請求情報に含まれる診療費が所定の高額金額未満であれば診療費を見舞金として決定する。保険金振込処理部16は決定した見舞金の金額を示す見舞金支払情報を生成する。見舞金支払指示情報にはさらに契約者IDに基づいて特定した振込先の健康口座の口座番号、振込元のサービス提供会社の口座番号などの情報が含まれる。保険金振込処理部16は見舞金支払指示情報を金融機関サーバ2へ送信する(ステップS404)。
【0057】
金融機関サーバ2の振込処理部23は見舞金支払指示情報を受信する。振込処理部23は見舞金支払指示情報に基づいて、振込元のサービス提供会社の口座番号の残高から見舞金を減じ、振込先の健康口座の口座番号の残高に見舞金の額を加える。これにより振込処理部23はサービス提供会社からの見舞金の契約者への支払いを行うことができる。
【0058】
そして保険金振込処理部16は見舞金の支払いに応じた保険金給付請求処理を開始する。保険金給付請求は、サービス提供会社と保険会社との間の保険契約に基づいて行われるものである。保険契約は所定の高額金額以上の診療費が発生した場合に保険事故として扱う契約である。保険金振込処理部16は保険金給付請求情報を生成する(ステップS405)。保険金振込処理部16は保険金給付請求情報を保険会社サーバ4へ送信する(ステップS406)。保険金給付請求情報には診療費、契約者ID、契約者が受信した医療機関ID、サービス提供会社の口座番号などが含まれている。
【0059】
保険会社サーバ4は保険金給付請求情報を受信する。保険会社サーバ4は保険金給付請求情報に基づいて所定の審査処理を行う。保険会社サーバ4は審査処理が完了し保険金給付を決定した場合、保険金給付指示情報を生成する。保険金給付指示情報には保険金、振込元の保険会社口座の口座番号、振込先のサービス提供会社の口座番号などを含む。保険会社サーバ4は、生成した保険金給付指示情報を金融機関サーバ2へ送信する。金融機関サーバ2の振込処理部23は保険金給付指示情報を取得する。金融機関サーバ2の振込処理部23は保険金指示情報に基づいて、保険会社口座の口座番号の残高から保険金額を減じ、サービス提供会社の口座番号に保険金額を加える。これにより保険会社からサービス提供会社への保険金の支払いが完了する。金融機関サーバ2は、支払が完了すると、保険会社サーバ4へ支払完了を通知する。保険会社サーバ4は保険金給付指示情報の送信が完了し、支払完了の通知を受けると、保険金給付通知情報を生成する。当該保険金給付通知情報には、保険金給付請求情報に含まれていた診療費、契約者IDなどの情報が含まれる。保険会社サーバ4は保険金給付通知情報を診療費支払管理サーバ1へ送信する。
【0060】
診療費支払管理サーバ1は保険金給付通知情報を受信する(ステップS407)。診療費支払管理サーバ1の保険金振込処理部16は保険金給付通知情報の受信に基づいて、保険金振込確認処理を行う(ステップS408)。保険金振込確認処理はサービス提供会社の口座番号に、保険金給付通知情報に含まれる保険金に対応する金額の振込が存在するか否かの判定である。
【0061】
以上の処理により診療費支払管理サービスを契約した契約者は診療費が高額であった場合に、自動的に見舞金の支払いを受けるサービスを享受することができる。なお診療費支払管理サーバ1は契約者の契約レベルに応じて、診療費が高額であった場合の高額療養費の請求手続処理を自動で行うようにしてもよい。高額療養費は例えば公的な機関である全国健康保険協会などが給付する給付金である。例えば診療費支払管理サーバ1は契約者の情報、医療費、医療機関の情報等に基づいて、所定のフォーマットデータの必要な記入項目に、契約者の情報、医療費、医療機関の情報等を書き込んだ高額療養費請求書文書を生成する。診療費支払管理サーバ1はこの高額療養費請求書文書の情報を所定の装置へ送信、または出力する処理を行う。例えば、診療費支払管理サーバ1はこの高額療養費請求書文書を印刷装置に出力して印刷されるようにしてもよい。高額療養費請求書文書は高額療養費請求窓口に送付する。これにより契約者は契約レベルに応じて、診療費が高額である場合の高額療養費請求書文書の作成や送付の労力なく、公的な高額療養費の給付を受けることができる。
【0062】
人はそれぞれ将来の自身の健康状態については予測困難である。このため将来大病を患った場合の医療費の備えとし医療保険に加入することが多い。しかしながら上述の診療費支払管理システムによれば医療保険に加入することなく自己資金の毎月の健康口座への積み立てにより将来の医療費の支払いに備えることができる。医療保険は掛け金の掛け捨てである場合が多く掛け金の多くが自身に還流することが無いが、上述の診療費支払管理システムにより健康口座の残高を手元に残し老後の様々な必要資金に利用することができる。
【0063】
つまり上述の診療費支払管理システムによれば、一般の家庭の生活費口座と医療費支払い口座を明確に分け、掛け捨ての医療保険掛金と同額程度の金額を毎月積み立てることにより、医療保険がカバーしない日々の医療費の支払いも含み且つ万一医療費が高額の場合には、保険や借入機能が付いた医療費支払の専用口座(健康口座)を設けることにより、生涯に渡り医療費の不安が解消される技術を提供することができる。
【0064】
図10は診療費支払管理システムの処理フローを示す第五の図である。
診療費支払管理サーバ1は、契約者に対するサービスが維持されている場合であって、医療機関サーバ3から診療費請求情報を受信した場合に、健康口座から回収したサービスの会費の一部の保険料の保険会社への支払いに基づく当該保険会社からの保険金額の振込処理(給付請求)を行う。以下当該処理について説明する。
【0065】
診療費支払管理サーバ1の保険金振込処理部16は上述の処理において医療機関サーバ3から受信した診療費請求情報を診療費立替処理の完了した立替振込処理部14から取得する(ステップS501)。保険金振込処理部16は取得した診療費請求情報に基づいて、保険金の保険会社への給付請求(支払い請求)を行うか否かを判定する(ステップS502)。具体的には、保険金振込処理部16は、診療費請求情報に含まれる契約IDと診療報酬明細書データとを読み取る。保険金振込処理部16は、契約IDに紐づいてデータベース等に記録されている会員種別を読み取る。会員種別は、一般会員または特定会員に区別される。また立替振込処理部14は、診療報酬明細書データに含まれる診療の種別を読み取る。診療の種別には外来または入院の何れかの種別に区別される。保険金振込処理部16は、会員種別が一般会員である場合には、診療の種別が外来であっても入院であっても、保険会社への保険金給付請求を行うと判定する。立替振込処理部14は、会員種別が特定会員である場合には、診療の種別が外来である場合にのみ、保険金給付請求を行うと判定する。この保険金振込処理部16の処理は、契約者の立替振込処理に関する契約状況情報に基づいて、立替振込処理によって立て替えた診療費に対応する保険金の保険会社への支払い請求を行うか否かを判定する処理の一態様である。
【0066】
保険金振込処理部16は、保険金給付請求を行うと判定すると、診療費請求情報に含まれる診療費を読み取る(ステップS503)。保険金振込処理部16は診療費が所定の高額金額以上を示すかを判定する(ステップS504)。保険金振込処理部16は診療費が所定の高額金額以上である場合、当該診療費請求情報に基づいて特定できる健康口座への見舞金の振込と、保険金給付請求とを行うと判定する(ステップS505)。なお、保険金振込処理部16は診療費が発生していれば、その診療費が所定の高額金額以上でない場合でも、見舞金の振込と保険金給付請求とを、または保険金給付請求のみを、行うと判定してもよい。
【0067】
この場合、診療費支払管理サーバ1の保険金振込処理部16は診療費請求情報に含まれる診療費が所定の高額金額以上であれば当該所定の高額金額を見舞金として決定する。また保険金振込処理部16は診療費請求情報に含まれる診療費が所定の高額金額未満であれば診療費を見舞金として決定する。保険金振込処理部16は決定した見舞金の金額を示す見舞金支払情報を生成する。見舞金支払指示情報にはさらに契約者IDに基づいて特定した振込先の健康口座の口座番号、振込元のサービス提供会社の口座番号などの情報が含まれる。保険金振込処理部16は見舞金支払指示情報を金融機関サーバ2へ送信する(ステップS506)。
【0068】
金融機関サーバ2の振込処理部23は見舞金支払指示情報を受信する。振込処理部23は見舞金支払指示情報に基づいて、振込元のサービス提供会社の口座番号の残高から見舞金を減じ、振込先の健康口座の口座番号の残高に見舞金の額を加える。これにより振込処理部23はサービス提供会社からの見舞金の契約者への支払いを行うことができる。
【0069】
そして保険金振込処理部16は見舞金の支払いに応じた保険金給付請求処理を開始する。なお診療費支払管理サーバ1は、上述の見舞金支払指示を行わなくてもよい。この場合、保険金振込処理部16は、診療費に応じた保険金給付請求処理を開始する。保険金給付請求は、サービス提供会社と保険会社との間の保険契約に基づいて行われるものである。保険契約は所定の高額金額以上の診療費が発生した場合に保険事故として扱う契約である。保険契約は診療費が発生した場合にその一部または全部を保険事故として扱う契約であってもよい。保険金振込処理部16は保険金給付請求情報を生成する(ステップS507)。保険金振込処理部16は保険金給付請求情報を保険会社サーバ4へ送信する(ステップS508)。保険金給付請求情報には診療費、契約者ID、契約者が受信した医療機関ID、サービス提供会社の口座番号または契約者の口座番号などが含まれている。
【0070】
保険会社サーバ4は保険金給付請求情報を受信する。保険会社サーバ4は保険金給付請求情報に基づいて所定の審査処理を行う。保険会社サーバ4は審査処理が完了し保険金給付を決定した場合、保険金給付指示情報を生成する。保険金給付指示情報には保険金、振込元の保険会社口座の口座番号、振込先のサービス提供会社の口座番号または契約者の口座番号などを含む。保険会社サーバ4は、生成した保険金給付指示情報を金融機関サーバ2へ送信する。金融機関サーバ2の振込処理部23は保険金給付指示情報を取得する。振込処理部23は保険金指示情報に基づいて、振込元の口座番号と振込先の口座番号とを取得する。振込処理部23は、振込先の口座番号がサービス提供会社の口座番号である場合、保険会社口座の口座番号の残高から保険金額を減じ、サービス提供会社の口座番号に保険金額を加える。これにより保険会社からサービス提供会社への保険金の支払いが完了する。または、振込処理部23は、保険金指示情報に基づいて取得した振込先の口座番号が契約者の口座番号である場合、保険会社口座の口座番号の残高から保険金額を減じ、契約者の口座番号に保険金額を加える。これにより保険会社から契約者への保険金の支払いが完了する。金融機関サーバ2は、支払が完了すると、保険会社サーバ4へ支払完了を通知する。保険会社サーバ4は保険金給付指示情報の送信が完了し、支払完了の通知を受けると、保険金給付通知情報を生成する。当該保険金給付通知情報には、保険金給付請求情報に含まれていた診療費、契約者IDなどの情報が含まれる。保険会社サーバ4は保険金給付通知情報を診療費支払管理サーバ1へ送信する。
【0071】
診療費支払管理サーバ1は保険金給付通知情報を受信する(ステップS509)。診療費支払管理サーバ1の保険金振込処理部16は保険金給付通知情報の受信に基づいて、保険金振込確認処理を行う(ステップS510)。保険金振込確認処理はサービス提供会社の口座番号に、保険金給付通知情報に含まれる保険金に対応する金額の振込が存在するか否かの判定である。
【0072】
上述のステップS502の処理において、保険金の保険会社への保険金給付請求(支払い請求)を行うと判定した場合、診療費支払管理サーバ1は、診療明細書情報を用いて保険金給付請求を行うか、あるいは、医療機関による診断書を用いて保険金給付請求を行うかの請求方法を判定するようにしてもよい。この場合、保険金振込処理部16は、医療機関サーバ3から取得した診療費請求情報に含まれる診療明細書情報(レセプト)を取得する。保険金振込処理部16は、診療明細書情報に記載の病気の種別、患者の種別(入院患者か、外来患者かなど)を読み取る。保険金振込処理部16は、診療明細書情報に記載の病気の種別、患者の種別の少なくとも一方に基づいて、診療明細書情報を用いて保険金給付請求を行うか、あるいは、医療機関による診断書を用いて保険金給付請求を行うかの請求方法を判定する。例えば、保険金振込処理部16は、特定の病気である場合には、診断書を用いて保険金給付請求を行うと判定してよい。または保険金振込処理部16は、特定の病気である場合には、診療明細書情報を用いて保険金給付請求を行うと判定してよい。または保険金振込処理部16は、特定の病気である場合には、診療明細書情報と診断書の両方を用いて保険金給付請求を行うと判定してよい。保険金振込処理部16は、さらに患者の種別(入院患者か、外来患者かなど)に基づいて、医療機関による診断書を用いて保険金給付請求を行うか、診療明細書情報を用いて保険金給付請求を行うか、診療明細書情報と診断書の両方を用いて保険金給付請求を行うかを判定してよい。
【0073】
保険金振込処理部16は、医療機関による診断書を用いて保険金給付請求を行うか、診療明細書情報を用いて保険金給付請求を行うか、診療明細書情報と診断書の両方を用いて保険金給付請求を行うかなどの請求方法に基づいて、保険金給付請求情報を生成する(ステップS405)。例えば、保険金振込処理部16は、診療明細書情報や診断書に記載の所定の項目の情報を読み取り、その項目の数値や情報の有無を、保険金算出式に入力し、その結果得られた保険金の額を含む保険旧請求情報を生成してよい。そして、保険金振込処理部16は保険金給付請求情報を保険会社サーバ4へ送信する。この処理は、診断費支払管理サーバ1が、支払い請求を行うと判定した場合に、請求方法の判定結果に応じた方法で、立替振込処理によって立て替えた診療費に対応する保険金の保険会社への支払い請求を生成する処理の一態様である。
【0074】
また上述の処理は、診断費支払管理サーバ1が、診療費請求情報に診療明細書情報が含まれるか否かに基づいて立替振込処理によって立て替えた診療費に対応する保険金の保険会社への支払い請求を行うか否かを判定し、診療明細書情報が含まれる場合に、当該保険金の保険会社への支払い請求を生成する処理の一態様である。
また上述の処理は、診断費支払管理サーバ1が、診療費請求情報に含まれる診療明細書情報の内容に基づいて立替振込処理によって立て替えた診療費に対応する保険金の保険会社への支払い請求を行うか否かを判定し、診療明細書情報の内容に基づいて当該保険金の保険会社への支払い請求を行うと判定した場合に、立替振込処理によって立て替えた診療費に対応する保険金の支払い請求を生成する処理の一態様である。
【0075】
上述の処理において、診断費支払管理サーバ1(契約者判定手段)は、契約者の契約状況情報に基づいて、契約者が保険適用契約者か保険非適用契約者かを判定するようにしてもよい。そしてこの場合、診断費支払管理サーバ1は、契約者が保険適用契約者である場合に、立替振込処理によって立て替えた診療費に対応する保険金の保険会社への支払い請求を生成するようにしてもよい。
【0076】
以上の処理により診療費支払管理サービスを契約した契約者は診療費が発生した場合に、自動的に見舞金の支払いを受けるサービスを享受することができる。また上述の処理によれば、契約者の立替振込処理に関する契約状況情報に基づいて、立替振込処理や、保険金給付請求を行うか否かを判定するので、契約者の契約状況に基づいて、契約者が煩わしいと感じる医療機関での支払や、保険金請求の労力を軽減し、柔軟な保険サービスを提供することができる。
【0077】
図11は診療費支払管理システムを構成する第一管理サーバと第二管理サーバとを示す図である。
図12は診療費支払管理システムの処理フローを示す第六の図である。
ここで、診療費支払管理サーバ1は、第一管理サーバ5(債権処理手段)と第二管理サーバ6(債権処理手段)などの複数のサーバ装置によって構成されてよい。そして第一管理サーバ5を、診療費支払管理サービスを担う第一の会社が、また第二管理サーバ6を、診療費支払管理サービスを担う第一の会社が運営するようにしてよい。そして第一管理サーバ5が、診療費請求情報に含まれる診療明細書情報の管理を行い、第二管理サーバ6が契約者の情報の管理と保険会社への保険金給付請求を行うようにしてよい。そして、第一管理サーバ5が少なくとも立替振込処理部14の機能を備え、第二管理サーバ6が少なくとも保険金振込処理部16の機能を備えてよい。
【0078】
そして第一管理サーバ5を管理する第一の会社が医療機関との間で診療費(または医療費)の立替払い契約を行う。第一管理サーバ5を管理する第一の会社が立替振込処理によって診療費の立替を行う。この診療費の立替による契約者への診療費の債権は、第一の会社から第二の会社に譲渡され、その立替による診療費は債権の譲渡に伴って第二の会社から第一の会社に譲渡される。そして第二の会社が運営する第二管理サーバ6は、保険金給付請求を保険会社サーバに行うようにしてよい。また第二の会社が運営する第二管理サーバ6が、債券の譲渡に伴い、契約者の口座から自身の会社の口座への診療費回収指示を金融機関サーバ2へ送信するようにしてよい。
【0079】
このような場合、第一管理サーバ5と第二管理サーバ6との間では債権譲渡の処理が行われる。一例として、第一管理サーバ5が、立替振込の完了を検知する(ステップS701)。第一管理サーバ5は立替振込の完了を検知した場合、債権譲渡情報を生成する(ステップS702)。この債権譲渡情報には、契約者ID、契約者名、立替金額、診療費、保険契約番号、などの情報が含まれてよい。そして第一管理サーバ5は、債権譲渡情報を含む債権譲渡契約書を出力する。例えば、この出力は、所定のデータ形式のフォーマットで債権譲渡情報に含まれる情報が記述された文書情報を生成し所定の記憶部に記憶する処理であってよい。または第一管理サーバ5は、債券譲渡契約書の書面を印刷するようにしてもよい。
【0080】
第一管理サーバ5は債権譲渡情報を第二管理サーバ6へ送信する(ステップS703)。これにより、第一の会社から第二の会社へ債権譲渡契約書に関する債権譲渡情報が送信される。第二管理サーバ6は債権譲渡情報に基づいて、債権譲渡承認画面を、通信ネットワークを介して接続された第二の会社内の端末装置61へ送信する(ステップS704)。この債権譲渡承認画面は、第一の会社から第二の会社への債権譲渡の承認を管理者が行う為のウェブページである。つまり第二管理サーバ6はウェブサーバ機能を備え、端末装置61からの通信接続に基づいて、債権譲渡承認画面のウェブページを端末装置へ送信する。
【0081】
管理者は端末装置61に表示された債権譲渡承認画面のウェブページにおいて承認ボタンの押下操作を行う。承認ボタンの押下操作に基づいて端末装置61は、所定の債権譲渡情報に対応する債権譲渡契約についての承認情報を第二管理サーバ6へ送信する。第二管理サーバ6は承認情報を受信する(ステップS705)。第二管理サーバ6は、承認情報を第一管理サーバ5へ送信する(ステップS706)。この承認情報には、承認された債権譲渡契約を特定する識別子などの情報が含まれる。第一管理サーバ5は、承認された債権譲渡契約に対応する債権譲渡情報を、債権譲渡管理対象として、データベースに記録する処理を行う(ステップS707)。第一管理サーバ5は、債権譲渡契約の承認に基づいて、第二の会社の口座から第一の会社の口座へ債権譲渡の譲渡金額(診療費)の支払指示を生成する(ステップS708)。第一管理サーバ5は、その債権譲渡対価支払指示を金融機関サーバ2へ送信する(ステップS709)。債権譲渡対価支払指示には、譲渡金額(診療費)、振込元である第二の会社の口座番号、振込先である第一の会社の口座番号などが含まれる。金融機関サーバ2は、債権譲渡対価支払指示の情報に基づいて、振込元である第二の会社の口座番号が示す口座から、振込先である第一の会社の口座番号の口座へ譲渡金額(診療費)を移動する処理を行う。
【0082】
以上のような第一管理サーバ5と第二管理サーバ6との処理によれば、診療明細書情報の管理と、保険金給付請求の処理とを分離して管理することができる。
【0083】
なお上述の各サーバは内部に、コンピュータシステムを有している。そして、各サーバに上述した各処理を行わせるためのプログラムは、当該サーバのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをサーバのコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
【0084】
また、上記プログラムは、前述した各処理部の機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【符号の説明】
【0085】
100・・・診療費支払管理システム
1・・・診療費支払管理サーバ(サービス提供会社コンピュータシステム)
2・・・金融機関サーバ(金融機関コンピュータシステム)
3・・・医療機関サーバ(医療機関コンピュータシステム)
4・・・保険会社サーバ(保険会社コンピュータシステム)
11,21・・・制御部
12・・・会費処理部
13・・・保険料管理部
14・・・立替振込処理部(立替振込処理手段)
15・・・診療費回収処理部(診療費回収処理手段)
16・・・保険金振込処理部(請求有無判定手段、保険金請求処理手段、請求方法判定手段)
17・・・サービス維持判定部
18,27・・・通知部
22・・・積立処理部
23・・・振込処理部
24・・・残高確認部
25・・・貸付処理部
26・・・金利管理部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【手続補正書】
【提出日】2022-09-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療機関システムからの診療費請求情報の受信に基づいて契約者の診療費の医療機関口座への立替振込処理を行う立替振込処理手段と、
前記診療費の前記医療機関口座への振込処理後に前記契約者の資金を管理する金融機関の専用口座から前記診療費の回収を行う診療費回収処理手段と、
前記契約者の前記立替振込処理に関する契約状況情報における会員種別を判定し、前記会員種別に応じて前記立替振込処理によって立て替えた異なる態様の診療費に対応する保険金の保険会社への支払い請求を行うか否かを判定する請求有無判定手段と、
を備える診療費支払管理システム。
【請求項2】
前記支払い請求を行うと判定した場合、前記立替振込処理によって立て替えた診療費に対応する保険金の前記保険会社への支払い請求を生成する保険金請求処理手段と、
を備える請求項1に記載の診療費支払管理システム。
【請求項3】
前記請求を行うと判定した場合、診療明細書情報を用いて前記請求を行うか、あるいは、医療機関による診断書を用いて前記請求を行うかの請求方法を判定する請求方法判定手段と、
を備える請求項2に記載の診療費支払管理システム。
【請求項4】
前記保険金請求処理手段は、前記支払い請求を行うと判定した場合、前記請求方法の判定結果に応じた方法で、前記立替振込処理によって立て替えた診療費に対応する保険金の前記保険会社への支払い請求を生成する保険金請求処理手段と、
を備える請求項3に記載の診療費支払管理システム。
【請求項5】
前記請求有無判定手段は、前記診療費請求情報に前記診療明細書情報が含まれるか否かに基づいて前記立替振込処理によって立て替えた診療費に対応する保険金の前記保険会社への支払い請求を行うか否かを判定し、
前記保険金請求処理手段は、前記診療明細書情報が含まれる場合に、前記立替振込処理によって立て替えた診療費に対応する保険金の前記保険会社への支払い請求を生成する
請求項4に記載の診療費支払管理システム。
【請求項6】
前記請求有無判定手段は、前記診療費請求情報に含まれる前記診療明細書情報の内容に基づいて前記立替振込処理によって立て替えた診療費に対応する保険金の前記保険会社への支払い請求を行うか否かを判定し、
前記保険金請求処理手段は、前記診療明細書情報の内容に基づいて前記立替振込処理によって立て替えた診療費に対応する保険金の前記保険会社への支払い請求を行うと判定した場合に、前記立替振込処理によって立て替えた診療費に対応する保険金の支払い請求を生成する
請求項4に記載の診療費支払管理システム。
【請求項7】
前記契約者の前記契約状況情報に基づいて、保険適用契約者か保険非適用契約者かを判定する契約者判定手段と、を備え、
前記保険金請求処理手段は、前記契約者が保険適用契約者である場合に、前記立替振込処理によって立て替えた診療費に対応する保険金の前記保険会社への支払い請求を生成する
請求項4から請求項6の何れか一項に記載の診療費支払管理システム。
【請求項8】
前記立替振込処理手段は、前記診療費請求情報の受信に基づいて契約者の診療費の医療機関口座への立替振込処理を行うか否かを判定する
請求項1から請求項7の何れか一項に記載の診療費支払管理システム。
【請求項9】
前記契約者の診療費の医療機関口座への立替振込処理の結果に基づいて、前記診療費の債権譲渡に関する情報を生成する債権処理手段と、
を備える請求項1から請求項8の何れか一項に記載の診療費支払管理システム。
【請求項10】
医療機関システムからの診療費請求情報の受信に基づいて契約者の診療費の医療機関口座への立替振込処理を行い、
前記診療費の前記医療機関口座への振込処理後に前記契約者の資金を管理する金融機関の専用口座から前記診療費の回収を行い、
前記契約者の前記立替振込処理に関する契約状況情報における会員種別を判定し、前記会員種別に応じて前記立替振込処理によって立て替えた異なる態様の診療費に対応する保険金の保険会社への支払い請求を行うか否かを判定する
診療費支払管理方法。
【請求項11】
診療費支払管理システムのコンピュータを、
医療機関システムからの診療費請求情報の受信に基づいて契約者の診療費の医療機関口座への立替振込処理を行う立替振込処理手段、
前記診療費の前記医療機関口座への振込処理後に前記契約者の資金を管理する金融機関の専用口座から前記診療費の回収を行う診療費回収処理手段、
前記契約者の前記立替振込処理に関する契約状況情報における会員種別を判定し、前記会員種別に応じて前記立替振込処理によって立て替えた異なる態様の診療費に対応する保険金の保険会社への支払い請求を行うか否かを判定する請求有無判定手段、
として機能させるプログラム。