(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022016664
(43)【公開日】2022-01-21
(54)【発明の名称】エネルギー変換効率改善装置
(51)【国際特許分類】
F02M 27/04 20060101AFI20220114BHJP
【FI】
F02M27/04 F
F02M27/04 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021192081
(22)【出願日】2021-11-26
(62)【分割の表示】P 2020571571の分割
【原出願日】2020-09-30
(31)【優先権主張番号】P 2019181886
(32)【優先日】2019-10-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】519357121
【氏名又は名称】株式会社東京未来
(74)【代理人】
【識別番号】110000279
【氏名又は名称】特許業務法人ウィルフォート国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】内田 敬介
(57)【要約】
【課題】設置された機器等におけるエネルギー変換効率をさらに改善することを可能にする。
【解決手段】エネルギー変換効率改善装置1は、導線を巻回してなり、導線の両端が直流電源に接続された第一のアンテナ10と、第一のアンテナ10を構成する導線に接続され、インダクタンス素子及びキャパシタ素子を直列または並列に接続してなるLCモジュールを少なくとも一つ有するLC回路部11と、少なくとも二種類の異種材料を接合してなる接合材料部12と、導体からなり、中心軸に対して線対称に形成されかつ中心軸の一方向に向かうに従って外径が大きくなる形状に形成されたホーン部13とを有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
導線を巻回してなり、前記導線が直流電源に接続された第一のアンテナと、
前記第一のアンテナを構成する前記導線に接続され、インダクタンス素子及びキャパシタ素子を直列または並列に接続してなるLCモジュールを少なくとも一つ有するLC回路部と、
少なくとも二種類の異種材料を接合してなる接合材料部と、
導体からなり、中心軸に対して線対称に形成されかつ前記中心軸の一方向に向かうに従って外径が大きくなる形状に形成されたホーン部と
を有し、
前記第一のアンテナ、前記LC回路部、前記接合材料部及び前記ホーン部が1メートル内の近さで配置されるエネルギー変換効率改善装置。
【請求項2】
前記直流電源と前記第一のアンテナとの間に介在され、前記直流電源からの直流電圧を安定化しかつ前記直流電源からの直流電流を所定値に制限する安定化回路を有することを特徴とする請求項1に記載のエネルギー変換効率改善装置。
【請求項3】
導線を巻回してなる第二のアンテナを有し、前記第二のアンテナ、前記第一のアンテナ、前記LC回路部、前記接合材料部及び前記ホーン部が1メートル内の近さで配置される請求項1又は2のいずれか一項に記載のエネルギー変換効率改善装置。
【請求項4】
異なる粒径を有する無機物を略平板状に形成してなる板状部材を有し、前記板状部材、前記第一のアンテナ、前記LC回路部、前記接合材料部及び前記ホーン部が1メートル内の近さで配置される請求項1又は2のいずれか一項に記載のエネルギー変換効率改善装置。
【請求項5】
異なる粒径を有する無機物を略平板状に形成してなる板状部材を有し、前記板状部材、前記第二のアンテナ、前記第一のアンテナ、前記LC回路部、前記接合材料部及び前記ホーン部が1メートル内の近さで配置される請求項3に記載のエネルギー変換効率改善装置。
【請求項6】
前記板状部材は前記LC回路部及び/または前記接合材料部に設けられている請求項4又は5のいずれか一項に記載のエネルギー変換効率改善装置。
【請求項7】
前記第一のアンテナ、前記LC回路部、前記接合材料部及び前記ホーン部を少なくとも収納する筐体を有し、
前記板状部材は前記筐体の内面に設けられている請求項4又は5のいずれか一項に記載のエネルギー変換効率改善装置。
【請求項8】
前記第一のアンテナ、前記LC回路部、前記接合材料部及び前記ホーン部を少なくとも収容する筐体を有し、
前記筐体が自動車のエンジンルームに配置可能である請求項1乃至7のいずれか一項に記載のエネルギー変換効率改善装置。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか一項に記載のエネルギー変換効率改善装置と、
前記エネルギー変換効率改善装置に付随する付随装置と
を備え、
前記付随装置は、巻回されたコイルと、前記コイルの上部または下部に設けられた一方向に外径が大きくなる第二のホーン部とを有する
前記エネルギー変換効率改善装置と前記付随装置との組合せ。
【請求項10】
前記付随装置は、前記コイルと前記第二のホーン部とを収容する第二の筐体を有し、
前記第二の筐体が自動車のトランクルームに配置可能である請求項9記載の組合せ。
【請求項11】
請求項1乃至8のいずれか一項に記載のエネルギー変換効率改善装置に付随する付随装置であって、
巻回されたコイルと、
前記コイルの上部または下部に設けられた一方向に外径が大きくなる第二のホーン部と
を有する付随装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エネルギー変換効率改善装置に関する。
【背景技術】
【0002】
エネルギー変換効率改善装置の一態様として、自動車に代表される内燃機関を動力とする車両の燃費を向上させる目的でこの車両に設置される鉱石混合体が知られている(特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に開示された鉱石混合体は、車両のセンターコンソール内等に配置され、シリコン単結晶粉末、炭粉末、水晶粉末及びレアメタル単体粉末またはレアメタル化合物粉末を含むものである。特許文献1に係る鉱石混合体を車両の所定位置に配置することで、車両内のガソリン燃料、オイル等の液体を改質して燃費を向上させ、これにより車両の性能を十分に引き出すことができるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示された鉱石混合体によりもたらされる燃費改善効果よりもなお、車両の燃費改善をより高めたいという要望があった。
【0006】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたもので、設置された機器等におけるエネルギー変換効率をさらに改善することが可能なエネルギー変換効率改善装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決すべく、本発明の一つの観点に従うエネルギー変換効率改善装置は、導線を巻回してなり、導線の両端が直流電源に接続された第一のアンテナと、第一のアンテナを構成する導線に接続され、インダクタンス素子及びキャパシタ素子を直列または並列に接続してなるLCモジュールを少なくとも一つ有するLC回路部と、少なくとも二種類の異種材料を接合してなる接合材料部と、導体からなり、中心軸に対して線対称に形成されかつ中心軸の一方向に向かうに従って外径が大きくなる形状に形成されたホーン部とを有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、設置された機器等におけるエネルギー変換効率をさらに改善することが可能なエネルギー変換効率改善装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施例1に係るエネルギー変換効率改善装置の概略構成図である。
【
図2】実施例1に係るエネルギー変換効率改善装置の第一のアンテナ及びLC回路部の概略の回路構成を示す図である。
【
図3】実施例1に係るエネルギー変換効率改善装置の接合材料部を示す図である。
【
図4】実施例1に係るエネルギー変換効率改善装置のホーン部を示す断面図である。
【
図5】実施例1に係るエネルギー変換効率改善装置の板状部材の一例を示す側面図である。
【
図6】実施例1に係るエネルギー変換効率改善装置の板状部材の他の例を示す側面図である。
【
図7】実施例1に係るエネルギー変換効率改善装置の第一のアンテナの一例を示す図である。
【
図8】実施例1に係るエネルギー変換効率改善装置の第一のアンテナの他の例を示す図である。
【
図9】実施例1に係るエネルギー変換効率改善装置の第一のアンテナのまた他の例を示す図である。
【
図10】実施例1に係るエネルギー変換効率改善装置の第一のアンテナのさらに他の例を示す図である。
【
図11】実施例1に係るエネルギー変換効率改善装置の第一のアンテナのさらに他の例を示す図である。
【
図12】実施例1に係るエネルギー変換効率改善装置の第一のアンテナを構成する導線の一例を示す図である。
【
図13】実施例1に係るエネルギー変換効率改善装置のLC回路部の構成の一例を示す回路図である。
【
図14】実施例2に係るエネルギー変換効率改善装置の概略構成図である。
【
図15】実施例2に係るエネルギー変換効率改善装置の第一、第二のアンテナ及びLC回路部の概略の回路構成を示す図である。
【
図16】実施例3に係るエネルギー変換効率改善装置の概略構成図である。
【
図17】実験例1に係るエネルギー変換効率改善装置を設置した自動車の燃費の実験データの一例を示すグラフである。
【
図18】実験例1に係るエネルギー変換効率改善装置を設置した自動車の燃費の実験データの他の例を示すグラフである。
【
図19】実験例1に係るエネルギー変換効率改善装置を設置した自動車の制動距離の実験データの一例を示すグラフである。
【
図20】実験例2に係るエネルギー変換効率改善装置を設置した自動車の室内環境音の実験データの一例を示す表である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明されている諸要素及びその組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【実施例0011】
図1は、実施例1に係るエネルギー変換効率改善装置の概略構成図である。
【0012】
本実施例に係るエネルギー変換効率改善装置1は、第一のアンテナ10、LC回路部11、接合材料部12、ホーン部13、板状部材14及び第二のアンテナ15を有し、これらが
図1に示すように、第一のアンテナ10、LC回路部11、接合材料部12、ホーン部13、板状部材14及び第二のアンテナ15の順に上下に並べられて筐体16内に収納されて構成されている。
【0013】
但し、後述するエネルギー変換効率改善効果の観点からは、これら第一のアンテナ10等が
図1に示す順に上下に並べて配置されることは必須ではなく、出願人の実験結果によれば、おおよそ1m程度の近傍にこれら第一のアンテナ10等が配置されていれば所望の効果を得ることができることが判明している。また、これら第一のアンテナ10等の配置の順序についても特段の限定はない。加えて、筐体16内にこれら第一のアンテナ10等が収納されている必要もない。
【0014】
図2は、実施例1に係るエネルギー変換効率改善装置1の第一のアンテナ10及びLC回路部11の概略の回路構成を示す図である。
【0015】
第一のアンテナ10には、図略の直流電源が接続されている。本実施例のエネルギー変換効率改善装置1が自動車の車内に配置される場合、この直流電源は車載バッテリー(直流12V)であることが好ましい。
【0016】
第一のアンテナ10と直流電源との間には、
図2に示すように直流電圧安定化・電流制限回路20が介在されている。この直流電圧安定化・電流制限回路20は、直流電源が車載バッテリーであった場合、この車載バッテリーの出力電圧が不安定になることがあり、また、後述するLC回路部11には大電流を流す必要がないことから、車載バッテリーの出力電圧を安定化し、さらに、LC回路部11への入力電流を所定値(一例としてmAオーダーの電流値)に制限する観点から設けられている。直流電圧安定化・電流制限回路20そのものは周知の回路であるから、その具体的な回路構成の説明は省略する。
【0017】
第一のアンテナ10は、
図1及び
図2に示すように、導線21を巻回して構成されている。導線21の両端21a、21bは、それぞれ直流電圧安定化・電流制限回路20を介して直流電源に接続されている。これにより、第一のアンテナ10には直流電源が供給される。
【0018】
第一のアンテナ10は、
図7に示すように、導線21を環状に巻回してなるドーナツ型であってもよく、また、
図8に示すように、中心部から外縁部に向かって導線21が大きな隙間なく巻回されたパンケーキ型であってもよく、さらには、
図9に示すように、導線21を平面視して数字8または記号∞の形状に複数回巻回したメビウス型であってもよい。また、
図10に示すように、外縁部から中心部に向かい、さらに中心部から折り返して再度外縁部に至るように導線21を巻回してなる、パンケーキ型であってもよい。そして、
図11に示すように、
図7~
図10に示す形状を組み合わせた立体的形状を有するものであってもよい。
【0019】
第一のアンテナ10を構成する導線21の材質に特段の限定はないが、一例として、エナメル被覆または塩ビ被覆された無酸素銅線が挙げられる。
図7~
図11に示す導線21は単線であるが、複数本の導線21を平行に並べたものを巻回して第一のアンテナ10を構成してもよいし、さらには
図12の(a)に示すように、一本の導線21を中央部で折り返したものを巻回して第一のアンテナ10を構成してもよい。加えて、
図12の(b)に示すように、
図12の(a)に示すものを撚った撚線状の導線21を巻回して第一のアンテナ10を構成してもよい。
【0020】
図2に戻って、LC回路部11は、第一のアンテナ10を構成する導線21の一端21b及び直流電圧安定化・電流制限回路20にそれぞれ接続されている。このLC回路部11は、コイル等のインダクタンス素子L1及びコンデンサ等のキャパシタ素子C1を直列に接続してなるLCモジュール22a、またはコイル等のインダクタンス素子L2及びコンデンサ等のキャパシタ素子C2を並列に接続してなるLCモジュール22bの少なくともいずれか一方を有する。好ましくは、これらLCモジュール22a、22bが共通の基板(図略)に搭載されてLC回路部11が構成されている。
【0021】
インダクタンス素子L1、L2であるコイルとしては、ボビンタイプ、トロイダルタイプ等のものが周知であるが、どのような大きさ、形状、形式のコイルであっても適用が可能である。どのような大きさ等のコイルを採用するかは、エネルギー変換効率改善装置1が適用される自動車等の対象物に応じて適宜決定すればよい。コイルが空芯または有芯であるかも同様に対象物に応じて適宜決定すればよい。コイルを構成する導線についても、第一のアンテナ10の導線と同様に単線または複数線のいずれも適用可能である。
【0022】
なお、LC回路部11に供給される電流が直流電圧安定化・電流制限回路20によって制限されている関係から、インダクタンス素子L1、L2のインダクタンス値は、一例として50mH~100mH、あるいはそれ以下の数値であればよい。
【0023】
キャパシタ素子C1、C2であるコンデンサについてもその種類に特段の制限はない。また、LC回路部11に供給される電流が直流電圧安定化・電流制限回路20によって制限されている関係から、キャパシタ素子C1、C2のキャパシタンス値は、一例として50μF~100μF、あるいはそれ以下の数値であればよい。
【0024】
LC回路部11は複数のLCモジュール22a、22bを有していてもよい。
図2に示す例では、LC回路部11は複数のLCモジュール22a、22b、より詳細にはLCモジュール22a及びLCモジュール22bを一つずつ有し、これらLCモジュール22a、22bが並列に接続されてLC回路部11を構成している。
【0025】
このようにLC回路部11が複数のLCモジュール22a、22bを有する場合、各々のLCモジュール22a、22bの共振周波数
【数1】
(但し、Lはインダクタンス素子のインダクタンス値、Cはキャパシタ素子のキャパシタンス値)
が異なることが好ましい。
【0026】
LC回路部11を構成するLCモジュール22a、22bの個数には特段の制限はない。
図13の(a)~(d)に示すように、複数のLCモジュール22a、22bを直列または並列に接続してLC回路部11を構成してもよい。
【0027】
図3は、実施例1に係るエネルギー変換効率改善装置1の接合材料部12を示す図である。
【0028】
図3に示すように、接合材料部12は、少なくとも二種類の異種材料を接合して構成されている。
図3に示す例では、ある物質からなる第一の板材23の図中上面及び下面に、それぞれ第一の板材23を構成する物質と異なる物質からなる第二の板材24を貼り合わせて構成されている。
【0029】
接合材料部12を構成する第一及び第二の板材23、24の材質は、好ましくは貴金属であるが、一般的な遷移金属元素である金属であっても、貴金属単体を材料としたものと同様の効果を演出できる。一例として、アルミ、銅、鉄、亜鉛、チタン、ニッケルなどの金属である。また、これら貴金属及び金属の合金(例えばステンレス)であってもよい。出願人の実験結果によれば、車両の内燃機関の燃焼特性の改善のためには、第一及び第二の板材23、24としてアルミニウムと銅、亜鉛、チタン、ニッケルとの組み合わせが有効であることが判明している。
【0030】
貴金属及び金属以外にも、第一及び第二の板材23、24として鉱石及び有機物質を使用することも可能である。上述した例以外に、第一及び第二の板材23、24として用いうる金属及び貴金属の例としては、酸化アルミニウム、リン銅、ジュラルミン、真鍮、酸化マグネシューム、ブリキ(スズ)、鉛、銀、金、プラチナ等が挙げられ、鉱石の例としては花崗岩、玄武岩、トルマリン鉱石、セラミックス等が挙げられ、有機物質の例としてはポリプロピレン、プラスチック、塩ビ等が挙げられる。
【0031】
出願人の実験結果によれば、貴金属や宝石類などの鉱石を利用することで大きな効果を得られることが判明している。一方で、工業的生産を行う観点から希少金属類を材料に採用することは現実問題として困難であり、たとえ使用したとしても費用対効果が大幅に低下する。さらに、天然鉱石を使用した場合、産地により大幅に構成物質の割合が異なってしまうため、複数ロットのブレンドが必要となり、製品性能を一定の高さに保つことが難しくなる。従って、工業的生産を行う観点から安定的に供給可能な材料を選定することが好ましい。
【0032】
図4は、実施例1に係るエネルギー変換効率改善装置1のホーン部13を示す断面図である。
【0033】
図4に示すように、ホーン部13は、中心軸Cに対して線対称に形成されかつ中心軸Cの一方向に向かうに従って外径が大きくなる形状に形成されている。
【0034】
より詳細には、
図4の(a)に示すように、導体からなり、ホーン部13は、断面形状が台形であって内部が中空に形成され、上下面にそれぞれ開口を有する形状に形成されている。すなわち、ホーン部13は錐体からその上部にある錐体を取り除いた、いわば錐台状に形成されており、かつ、内部が中空に形成され、上下面にそれぞれ開口を有する形状に形成されている。ホーン部13を形成する錐台は、底面及び上面がそれぞれ多角形に形成された角錐台状に形成されてもよく、あるいは、底面及び上面がそれぞれ円形に形成された円錐台状に形成されてもよい。製作の容易性の観点からは、ホーン部13は円錐台状に形成されることが好ましい。
【0035】
あるいは、
図4の(b)に示すように、ホーン部13は錐台状であって中実に形成されてもよい。
【0036】
あるいは、ホーン部13は、上面及び底面が多角形または円形に形成され、円形であればその半径が漸次増加するもののその増加率が一定でない、あるいは多角形であればその辺が漸次増加するもののその増加率が一定でない形状に形成されてもよい。
【0037】
加えて、ホーン部13は、半球状または球欠(断面形状が弓形である立体)状に形成されてもよい。
【0038】
さらに、ホーン部13は、これら錐台、半球等が上下方向に多段に積層された形状であってもよい。
【0039】
ホーン部13を形成する部材は任意であるが、部材の調達性と加工性とを考慮すると、アルミニウムまたは銅が好適である。
【0040】
図5は、実施例1に係るエネルギー変換効率改善装置1の板状部材14の一例を示す側面図である。
【0041】
板状部材14は、異なる粒径を有する無機物を略平板状に形成してなるものである。板状部材14を形成する無機物の粒径は、好ましくは複数の粒径範囲を有する。粒径範囲としては、一例として2~5mm程度、0.1mm程度、数十μm程度が挙げられる。
【0042】
無機物は一例として酸化ケイ素を中心とした天然鉱石及び炭素(炭など)である。これ以外の無機物としては貴金属や水晶などの宝石が挙げられるが、調達性と加工性との観点からは水晶が好ましい。
【0043】
これ以外の無機物として、レアメタルとして、バナジウム、ガリウム、ゲルマニウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、インジウム、アンチモン、テルル、ハフニウム、タンタル、タングステン、レニウム、ビスマスからなる群の中から一以上のレアメタル単体粉末または一以上のレアメタル化合物粉末を含んでもよい。さらに、レアアースとして、スカンジウム、プラセオジウム、サマリウムの群の中から一以上のレアアース単体粉末又は一以上のレアアース化合物粉末を含んでもよい。
【0044】
このように、板状部材14は複数種類の無機物を含んでもよい。
【0045】
異なる粒径を有する無機物粒体または粉体は混合され、
図6の(a)、(b)に示すように樹脂により少なくともその一部の空隙が充填されて固化され、略平板状に形成されて板状部材14が形成される。あるいは、粘土等により少なくともその一部の空隙が充填された後に高温処理され、セラミックスとして一体化されて略平板状に形成されて板状部材14が形成される。
【0046】
なお、板状部材14における「略平板状」において、板厚に特段の限定はなく、いわゆる薄膜状、フィルム状の無機物集合体もここにいう「略平板状の板状部材14」に含まれる。
【0047】
また、板状部材14の形成方法も任意であり、無機物粒体または粉体が混合されて型に入れられて固化される方法、樹脂をバインダーとした混練体を形成し、これを筐体16の内面、LC回路部11を構成する基板の一面、あるいは接合材料部12の一面に塗布して板状部材14を形成してもよい。さらに、複数の板状部材14を重畳してこれらを一体の板状部材14としてもよい。
【0048】
第二のアンテナ15は、第一のアンテナ10と同様に、導線を巻回して構成されている。第二のアンテナ15の形状は第一のアンテナ10で列挙したものから適宜選択されればよい。
【0049】
本実施例のエネルギー変換効率改善装置1は、一例として、このエネルギー変換効率改善装置1が設置された自動車の内燃機関の燃費をさらに向上させ、また、制動距離をさらに短縮させる効果を有する。つまり、本実施例のエネルギー変換効率改善装置1は、このエネルギー変換効率改善装置1の近傍におけるエネルギー変換の効率をさらに改善させることができる。かかる効果については、後述する実験例により詳細に示す。
本実施例のエネルギー変換効率改善装置1は、上述の実施例1と同様に、第一のアンテナ10、LC回路部11、接合材料部12、ホーン部13及び第二のアンテナ15を有する。
LC回路部11及び第一のアンテナ10は一枚の基板30上に形成されている。第一のアンテナ10の上には、例えばアルミニウム製の円筒状のガイドチューブ31が配置され、このガイドチューブ31の内部にホーン部13が設けられている。
また、LC回路部11には、LC回路部11を構成する導線に、この導線の材質と異なる材質からなる電流触媒33が挿入されている。電流触媒33は、その材質によりエネルギー変換効率改善装置1の性質を変化させる。電流触媒33は、一例としてアルミニウム、マグネシューム、チタン等を含む合金、または導電性セラミックスからなる。上述のように、電流触媒33の材質によりエネルギー変換効率改善装置1の性質が変化するので、複数の電流触媒33を用意しておき、図略のスイッチ(含むリレー素子)によりいずれかの電流触媒33を切り替えて通電させてもよい。
電流触媒33と第一のアンテナ10との間には、ダイオードアレイ34及びフューズ35が挿入されている。ダイオードアレイ34は少なくとも一つのダイオードからなり、電流触媒33の材質によりその個数が定められる。なお、ダイオードアレイ34に代えてトランジスタを設けてもよい。この場合、トランジスタのベース端子を第二のアンテナ15に接続し、エミッタ端子及びコレクタ端子をLC回路部11の導線に接続する。
LC回路部11には、汎用バッテリー安定化回路36が電源として接続されている。但し、上述の実施例1のように車載バッテリーがLC回路部11に接続されてもよく、この場合、汎用バッテリー安定化回路36は不要である。車載バッテリーはLC回路部11に直接接続されてもよく、あるいは、実施例1に示す直流電圧安定化・電流制限回路20が介在されてもよい。
汎用バッテリー安定化回路36は、直流電源37と、この直流電源37に並列に接続されたダイオード38a、38b及びこのダイオード38a、38b間に介在されたコンデンサ39とを有する。ダイオード38a、38bは直流電源37に対して逆方向に接続されている。従って、これらダイオード38a、38b及びコンデンサ39に電流は殆ど流れないが、本発明者の実験結果によれば、電池により直流電源37を構成したとき、この電池の減りが遅くなっている。
汎用バッテリー安定化回路36とLCモジュール22bとの間にはパイロットランプとしての発光ダイオード41が挿入されている。この発光ダイオード41は、点灯したときの明度が適切なものになるように順方向電圧VFが選択されている。本発明者の実験結果によれば、点灯していることが確認できる程度の明度であることが好ましい。
本実施例における第二のアンテナ15は、多角形に形成された一対の金属板42、43に挟まれて一体に形成されている。金属板42、43は、その形状及び材質によりエネルギー変換効率改善装置1の性質が変化するので、エネルギー変換効率改善装置1が配置される装置に応じて適宜形状、材質を選定することが好ましい。金属板42、43は、一例としてアルミニウム、銅などから形成される。形状も、多角形、さらには正多角形など、適宜選択されうる。
一方の金属板42は、インダクタンス素子44(キャパシタ素子でもよい)を介して、それぞれ順方向に接続されたダイオード45a、45bの間に接続され、このダイオード45a、45bがLC回路部11の導線に接続されることで、第二のアンテナ15はLC回路部11に電気的に接続されている。また、ダイオード45a、45bにはキャパシタ素子46が並列に接続されている。