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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022166666
(43)【公開日】2022-11-02
(54)【発明の名称】計量装置
(51)【国際特許分類】
   G01G 13/00 20060101AFI20221026BHJP
【FI】
G01G13/00 P
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021072028
(22)【出願日】2021-04-21
(71)【出願人】
【識別番号】000001812
【氏名又は名称】株式会社サタケ
(74)【代理人】
【識別番号】110003052
【氏名又は名称】特許業務法人勇智国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西村 和博
【テーマコード(参考)】
2F046
【Fターム(参考)】
2F046AA01
2F046BA02
2F046CA01
2F046DA06
2F046FA10
(57)【要約】
【課題】 計量装置の処理能力を向上させる。
【解決手段】 計量装置は、被計量物を貯留するための貯留槽であって、下部に開口が形成された貯留槽と、開口を開閉するための供給ゲートと、貯留槽よりも下方に設けられ、貯留槽から開口を介して供給された被計量物を貯留するための計量槽と、計量槽を支持し、計量槽内の被計量物の重量を表す重量信号を出力するように構成されたロードセルと、計量装置の動作を制御するコントローラと、を備えている。供給ゲートの開閉動作時における供給ゲートの下面の移動軌跡は、少なくとも開口の直下の領域において計量槽の内部に位置するように設定される。コントローラは、貯留槽から計量槽へ供給される被計量物の流量が所定の程度低下する時点である第1の時点を検出し、第1の時点以降に供給ゲートを閉め、その後にロードセルによる計量を行うように、計量装置の動作を制御するように構成される。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
計量装置であって、
被計量物を貯留するための貯留槽であって、下部に開口が形成された貯留槽と、
前記開口を開閉するための供給ゲートと、
前記貯留槽よりも下方に設けられ、前記貯留槽から前記開口を介して供給された前記被計量物を貯留するための計量槽と、
前記計量槽を支持し、前記計量槽内の前記被計量物の重量を表す重量信号を出力するように構成されたロードセルと、
前記計量装置の動作を制御するコントローラと
を備え、
前記供給ゲートの開閉動作時における前記供給ゲートの下面の移動軌跡は、少なくとも前記開口の直下の領域において前記計量槽の内部に位置するように設定され、
前記コントローラは、前記貯留槽から前記計量槽へ供給される前記被計量物の流量が所定の程度低下する時点である第1の時点を検出し、前記第1の時点以降に前記供給ゲートを閉め、その後に前記ロードセルによる計量を行うように、前記計量装置の前記動作を制御するように構成された
計量装置。
【請求項2】
計量装置であって、
被計量物を貯留するための貯留槽であって、下部に開口が形成された貯留槽と、
前記開口を開閉するための供給ゲートと、
前記貯留槽よりも下方に設けられ、前記貯留槽から前記開口を介して供給された前記被計量物を貯留するための計量槽と、
前記計量槽を支持し、前記計量槽内の前記被計量物の重量を表す重量信号を出力するように構成されたロードセルと、
前記計量装置の動作を制御するコントローラと
を備え、
前記供給ゲートの開閉動作時における前記供給ゲートの下面の移動軌跡は、少なくとも前記開口の直下の領域において前記計量槽の内部に位置するように設定され、
前記コントローラは、前記被計量物によって前記開口が閉塞し始める時点である第1の時点を検出し、前記第1の時点以降に前記供給ゲートを閉め、その後に前記ロードセルによる計量を行うように、前記計量装置の前記動作を制御するように構成された
計量装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の計量装置であって、
前記コントローラは、前記重量信号に基づいて前記被計量物の流量を算出するように構成されるとともに、少なくとも前記算出された流量に基づく第1の条件を満たした時点を前記第1の時点として検出するように構成された
計量装置。
【請求項4】
請求項3に記載の計量装置であって、
前記第1の条件は、前記流量が正の値であり、かつ、前記流量の変化率が負の値であり、かつ、前記変化率の絶対値が第1の閾値以上であることを含む
計量装置。
【請求項5】
請求項3または請求項4に記載の計量装置であって、
前記第1の条件は、前記重量信号が表す前記被計量物の重量が第2の閾値以上であることを含む
計量装置。
【請求項6】
請求項5に記載の計量装置であって、
前記コントローラは、第2の条件を満たしたときは、前記第1の時点が検出されていなくても、前記供給ゲートを閉め、その後に前記ロードセルによる計量を行うように構成され、
前記第2の条件は、前記重量信号に基づいて決定される現在の重量が前記第2の閾値以上であり、かつ、前記流量がゼロであることを含む
計量装置。
【請求項7】
請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の計量装置であって、
前記コントローラは、第1のモードで前記計量装置を制御可能に構成され、
前記第1のモードでは、前記コントローラは、
前記第1の時点における重量を前記重量信号に基づいて決定し、
現在の重量を前記重量信号に基づいて決定し、
前記被計量物によって前記開口が完全に閉塞する時点である第2の時点での重量として予め定められた閉塞時重量と、前記第1の時点における重量と、前記現在の重量と、に基づいて、前記開口の閉塞率を算出し、
前記供給ゲートを閉じるタイミングを前記閉塞率に基づいて決定する
計量装置。
【請求項8】
請求項7に記載の計量装置であって、
前記コントローラは、第3の条件を満たした時点を前記第2の時点として検出し、前記第2の時点以降に前記供給ゲートを閉め、その後に前記ロードセルによる計量を行う第2のモードで前記計量装置を制御可能に構成され、
前記第3の条件は、前記重量信号に基づいて算出される流量がゼロであり、かつ、前記流量の変化率が負の値であり、かつ、前記変化率の絶対値が第3の閾値以上であることを含み、
前記コントローラは、さらに、
前記第2のモードで検出した前記第2の時点における重量を前記重量信号に基づいて決定して記憶するように構成されるとともに、
前記第1のモードにおいて、前記記憶された重量を前記予め定められた閉塞時重量として使用するように構成された
計量装置。
【請求項9】
請求項7または請求項8に記載の計量装置であって、
前記コントローラは、前記閉塞率が第4の閾値に達したときに前記供給ゲートを閉じるように構成されるとともに、前記重量信号の波形の振幅に応じて前記第4の閾値を動的に設定するように構成された
計量装置。
【請求項10】
請求項1ないし請求項9のいずれか一項に記載の計量装置であって、
前記計量槽に前記被計量物が充填された状態で前記供給ゲートが閉じたときに、前記供給ゲートと、前記計量槽に貯留された前記被計量物と、の間に隙間を形成するための隙間形成手段を備える
計量装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は計量装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、貯留槽に貯留された被計量物(例えば、穀類)を、その下方に配置された計量槽に供給し、ロードセルによって計量する計量装置が知られている。この種の計量装置では、貯留槽内の被計量物は、貯留槽の下部に配置された供給ゲートを開けた際に重力によって落下することによって計量槽に供給される。このような計量装置では、被計量物が計量槽内に落下するときの衝撃によって振動が発生する。この振動は、計量精度の低下を招くので、通常、振動が減衰するまで待機した後に計測が行われる。しかしながら、この待機時間(供給ゲートを閉めてから、計測を開始するまでの待機時間であり、以下、計測待機時間とも呼ぶ)が長くなると、計量の1サイクルに要する時間が長くなり、その結果、計量装置の処理能力(例えば、時間当たりの処理量)の低下を招くことになる。
【0003】
このようなことから、計測待機時間を低減できる計量装置が開発されている。例えば、下記の特許文献1が開示する計量装置は、以下の手順で計量処理を行う。まず、貯留槽に所定量(計量槽を満杯に充填可能な量)の被計量物が貯留されていることがレベル計によって検知されると、供給ゲートが開けられる。次いで、計量槽内の被計量物が満杯に充填されて、貯留槽内の被計量物と計量槽内の被計量物とが連続した状態になると、供給ゲートが閉じられる。その後、ロードセルによる計量が行われる。この計量装置では、供給ゲートの閉動作前に、計量槽内の被計量物と連続する貯留槽内の被計量物の重量によって、計量槽内の被計量物(ひいては、計量槽)が押さえつけられる。このため、貯留槽から計量槽に被計量物が供給される際に生じる計量槽の振動を早期に減衰させることができる。したがって、供給ゲートを閉じてから計量を行うまでの計測待機時間を低減できるのである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2018-141655号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の計量装置は、処理能力の向上に関して改善の余地を残している。具体的には、計測待機時間は低減できるものの、供給ゲートを閉じるタイミング(換言すれば、計量槽内の被計量物が満杯に充填されたと決定するタイミング)をタイマー制御によって決定すると、供給ゲートを開けてから閉じるまでに比較的長時間を要することになる。より詳細には、供給ゲートを開けてから閉じるまでの待機時間(以下、閉待機時間とも呼ぶ)を短く設定すると、貯留槽内の被計量物と計量槽内の被計量物とが連続する前に供給ゲートが閉じられてしまうおそれがある。そのような事象が発生すると、振動が十分に減衰せず、計量精度が悪化してしまう。あるいは、振動が減衰するまでの計測待機時間が長くなり、処理能力が低下してしまう。一方、そのような事象が発生しないようにするために、閉待機時間を、余裕を持った長い時間で設定すると、供給ゲートを閉じるタイミングが、必要以上に遅くなり、処理能力の低下を招くことになる。しかも、貯留槽から計量槽へ供給される被計量物の供給速度(以下、流量と呼ぶ)は、原料条件(例えば、原料の種類、水分、摩擦など)によって変動する。このため、あらゆる原料条件に対して適切な閉待機時間を予め設定することは困難である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、例えば、以下の形態として実現することが可能である。
【0007】
本発明の第1の形態によれば、計量装置が提供される。この計量装置は、被計量物を貯留するための貯留槽であって、下部に開口が形成された貯留槽と、開口を開閉するための供給ゲートと、貯留槽よりも下方に設けられ、貯留槽から開口を介して供給された被計量物を貯留するための計量槽と、計量槽を支持し、計量槽内の被計量物の重量を表す重量信号を出力するように構成されたロードセルと、計量装置の動作を制御するコントローラと、を備えている。供給ゲートの開閉動作時における供給ゲートの下面の移動軌跡は、少なくとも開口の直下の領域において計量槽の内部に位置するように設定される。コントローラは、貯留槽から計量槽へ供給される被計量物の流量が所定の程度低下する時点である第1の時点を検出し、第1の時点以降に供給ゲートを閉め、その後にロードセルによる計量を行うように、計量装置の動作を制御するように構成される。
【0008】
被計量物の流量が所定の程度低下する時点である「第1の時点」とは、実質的には、貯留槽内の被計量物と計量槽内の被計量物とが連続し始める時点、換言すれば、貯留槽の開口が被計量物によって部分的に閉塞し始める時点を意味している。貯留槽の開口が部分的に閉塞すると、貯留槽から計量槽内への落下可能断面積が減少し、被計量物の流量が大きく低下するからである。第1の時点の検出は、流量を監視する直接的な手法によって行われてもよい。ただし、第1の時点の検出は、貯留槽の開口付近における被計量物の堆積状況をレベル計やカメラを使用して監視することによって行われてもよい。つまり、貯留槽内の被計量物と計量槽内の被計量物とが連続し始めたことがレベル計やカメラを使用して検出された時点が、第1の時点として検出されてもよい。
【0009】
この計量装置によれば、第1の時点、すなわち、貯留槽内の被計量物と計量槽内の被計量物とが連続し始める時点を検出し、その後に供給ゲートが閉められるので、貯留槽内の被計量物と計量槽内の被計量物とが連続する前に供給ゲートが閉じられる事象の発生を抑制できる。このため、計量精度の低下を抑制できる。あるいは、計測待機時間が長くなることに起因する処理能力の低下を抑制できる。さらに、第1の時点を実際に検出するので、必要以上に長い閉待機時間を設定する必要が無い。このため、無駄な待機時間を省くことができ、処理能力を向上できる。また、第1の時点を実際に検出するので、原料条件の変化が生じても、適切なタイミングで供給ゲートを閉じることができる。
【0010】
本発明の第2の形態によれば、計量装置が提供される。この計量装置は、被計量物を貯留するための貯留槽であって、下部に開口が形成された貯留槽と、開口を開閉するための供給ゲートと、貯留槽よりも下方に設けられ、貯留槽から開口を介して供給された被計量物を貯留するための計量槽と、計量槽を支持し、計量槽内の被計量物の重量を表す重量信号を出力するように構成されたロードセルと、計量装置の動作を制御するコントローラと、を備えている。供給ゲートの開閉動作時における供給ゲートの下面の移動軌跡は、少なくとも開口の直下の領域において計量槽の内部に位置するように設定される。コントローラは、被計量物によって開口が閉塞し始める時点である第1の時点を検出し、第1の時点以降に供給ゲートを閉め、その後にロードセルによる計量を行うように、計量装置の動作を制御するように構成される。この計量装置によれば、第1の形態と同様の効果が得られる。
【0011】
本発明の第3の形態によれば、第1または第2の形態において、コントローラは、重量信号に基づいて被計量物の流量を算出するように構成されるとともに、少なくとも算出された流量に基づく第1の条件を満たした時点を第1の時点として検出するように構成される。この形態によれば、計量装置がもともと備えているロードセルからの出力信号を利用して第1の時点を検出できるので、第1の時点を検出するための追加的な装置(例えば、レベル計やカメラ)を必要としない。したがって、計量装置の構造を簡素化できるとともに低コスト化できる。「算出された流量に基づく」第1の条件とは、算出された流量そのものに関する条件であってもよいし、算出された流量から算出される他のパラメータに関する条件であってもよいし、それらの両方であってもよい。
【0012】
本発明の第4の形態によれば、第3の形態において、第1の条件は、流量が正の値であり、かつ、流量の変化率が負の値であり、かつ、変化率の絶対値が第1の閾値以上であることを含む。この形態によれば、第1の時点を容易かつ正確に検出できる。
【0013】
本発明の第5の形態によれば、第3または第4の形態において、第1の条件は、重量信号が表す被計量物の重量が第2の閾値以上であることを含む。貯留槽に十分な量(計量槽を満杯に充填可能な量)の被計量物が貯留されていないときに供給ゲートが開けられると、貯留槽の開口が部分的に閉塞し始める前に、流量が、急激に低下し、開口が部分的に閉塞していない状態でゼロになる事象(以下、不足事象と呼ぶ)が発生し得る。このような事象が発生すると、貯留槽の開口が部分的に閉塞していないにもかかわらず、第1の時点が検出されるおそれがある。そのような意図しない第1の時点の検出(以下、誤検出とも呼ぶ)は、貯留槽にレベル計を設け、貯留槽に所定量以上の被計量物が貯留されていることを、供給ゲートが開けられる条件の一つとすれば、抑制できる。あるいは、計量槽にレベル計を設け、計量槽内の貯留レベルが閾値以上であることを第1の条件の一つとすれば、誤検出は抑制できる。一方、本形態によれば、例えば、貯留槽の開口が部分的に閉塞し始める時点の重量を予め実験的に予測し、当該重量を第2の閾値として設定しておけば、貯留槽または計量槽にレベル計を設けなくても、誤検出を抑制できる。したがって、装置構成を簡素化できるとともに、低コスト化できる。
【0014】
本発明の第6の形態によれば、第5の形態において、コントローラは、第2の条件を満たしたときは、第1の時点が検出されていなくても、供給ゲートを閉め、その後にロードセルによる計量を行うように構成される。第2の条件は、重量信号に基づいて決定される現在の重量が第2の閾値以上であり、かつ、流量がゼロであることを含む。不足事象が発生すると、重量信号が表す被計量物の重量が第2の閾値以上であるとの第1の条件を満たさないことに起因して第1の時点を検出できない場合があり得る。そのような場合には、被計量物の断続的な供給、または、連続的な少量供給によって第2の閾値以上まで被計量物が貯留されたとしても、コントローラは、供給ゲートを閉じるタイミングを決定できない。あるいは、この種の計量装置には、通常、タイマー制御による最大待機時間が設定されているので、最大待機時間まで待ってから供給ゲートが閉じられることになる。一方、本態様によれば、被計量物の重量が第2の閾値以上になり、かつ、被計量物の供給が途絶えるか、または、貯留槽の開口が完全に閉塞した時点で、最大待機時間まで待つことなく、供給ゲートを閉じることができる。このとき、被計量物の重量は第2の閾値以上であるから、開口は少なくとも部分的に閉塞しており、第1の態様と同様の振動減衰効果が得られる。さらに、ロードセルは、時間が経過するに従って計測値が増大していく特性を有しているが、本形態によれば、最大待機時間まで待つ場合と比べて、早期に計測処理(被計量物の重量を決定する処理)を行って、正確な計測値を得ることができる。
【0015】
本発明の第7の形態によれば、第1ないし第6のいずれかの形態において、コントローラは、第1のモードで計量装置を制御可能に構成される。第1のモードでは、コントローラは、第1の時点における重量を重量信号に基づいて決定し、現在の重量を重量信号に基づいて決定し、被計量物によって開口が完全に閉塞する時点である第2の時点での重量として予め定められた閉塞時重量と、第1の時点における重量と、現在の重量と、に基づいて、開口の閉塞率を算出し、供給ゲートを閉じるタイミングを閉塞率に基づいて決定する。この形態によれば、処理能力を向上できる最適なタイミングで供給ゲートを閉じることができる。具体的には、第2の時点、すなわち、開口が完全に閉塞した時点で供給ゲートを閉めた場合、振動が大幅に減衰するので、計測待機時間を大幅に短縮できる。しかしながら、第1の時点以降は、流量が低下するので、充填効率(単位供給時間当たりの充填量)が悪くなる。このため、第2の時点で供給ゲートを閉じることは、処理能力向上の観点において最適であるとは限らない。一方、第1の時点、すなわち、開口が部分的に閉塞し始める時点で供給ゲートを閉めた場合、充填効率は良いが、振動の減衰が不十分となって計測待機時間を大幅に短縮できないおそれがある。つまり、供給ゲートを閉じるタイミングに関して、計測待機時間の短縮と充填効率とを両立できる最適点は、第1の時点と第2の時点との間に存在する場合が多い。本形態によれば、そのような最適点で、供給ゲートを閉じることができるのである。
【0016】
本発明の第8の形態によれば、第7の形態において、コントローラは、第3の条件を満たした時点を第2の時点として検出し、第2の時点以降に供給ゲートを閉め、その後にロードセルによる計量を行う第2のモードで計量装置を制御可能に構成される。第3の条件は、重量信号に基づいて算出される流量がゼロであり、かつ、流量の変化率が負の値であり、かつ、変化率の絶対値が第3の閾値以上であることを含む。コントローラは、さらに、第2のモードで検出した第2の時点における重量を重量信号に基づいて決定して記憶するように構成されるとともに、第1のモードにおいて、記憶された重量を予め定められた閉塞時重量として使用するように構成される。この形態によれば、これから計量処理しようとしている被計量物に基づいて閉塞時重量が実測されるので、当該被計量物の原料条件に応じた適切な閉塞時重量を設定できる。その結果、第7の形態による制御をより正確に行うことができる。
【0017】
本発明の第9の形態によれば、第7または第8の形態において、コントローラは、閉塞率が第4の閾値に達したときに供給ゲートを閉じるように構成されるとともに、重量信号の波形の振幅に応じて第4の閾値を動的に設定するように構成される。重量信号に重畳する振動の振幅は原料条件によって異なるので、正確な計量を行うための(あるいは、計測待機時間を最小限に留めるための)、貯留槽の開口が部分的に閉塞した状態によって振動を減衰させるべき適切な期間は、原料条件によって異なる。本形態によれば、原料条件が変動しても、上記の振動を減衰させるべき期間を過不足無く設定できる。したがって、処理能力をいっそう向上できる。
【0018】
本発明の第10の形態によれば、第1ないし第9のいずれかの形態において、計量装置は、計量槽に被計量物が充填された状態で供給ゲートが閉じたときに、供給ゲートと、計量槽に貯留された被計量物と、の間に隙間を形成するための隙間形成手段を備えている。この形態によれば、ロードセルによる計量時に、供給ゲートと計量槽内の被計量物とが接触することがないので、計量精度を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の第1実施形態による計量装置の概略構成を示す模式図である。
図2】貯留槽から計量槽への被計量物の供給が開始された直後の計量装置の状態を示す模式図である。
図3】貯留槽から計量槽へ被計量物が供給され、貯留槽の開口が部分的に閉塞し始めた時点の計量装置の状態を示す模式図である。
図4】貯留槽から計量槽へ被計量物が供給され、貯留槽の開口が完全に閉塞した時点の計量装置の状態を示す模式図である。
図5】供給ゲートが閉じられた時点の計量装置の状態を示す模式図である。
図6】供給ゲートを開けた後の重量、流量および流量変化率の推移を示すグラフである。
図7】第1のモードでの計量処理の流れを示すフローチャートである。
図8】閉塞開始点検出処理の流れを示すフローチャートである。
図9】第2実施形態による第1のモードでの計量処理の流れを示すフローチャートである。
図10】第2実施形態による閉塞開始点検出処理の流れを示すフローチャートである。
図11】第3実施形態による第2のモードでの計量処理の流れを示すフローチャートである。
図12】閉塞完了点検出処理の流れを示すフローチャートである。
図13】第4実施形態による第2のモードでの計量処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は、本発明の第1実施形態による計量装置20の概略構成を示す模式図である。計量装置20は、本実施形態では、穀類の重量を測定する装置である。ただし、計量装置20は、任意の粒状または粉体状の物質を計量するために使用することができる。図示するように、計量装置20は、貯留槽30と供給ゲート40と計量槽50とロードセル52と排出ゲート60とレベル計70とコントローラ80とを備えている。
【0021】
貯留槽30は、その上部において供給ライン(図示せず)に接続されている。被計量物90(以下、穀物90とも呼ぶ)は、この供給ラインから連続的または間欠的に貯留槽30に供給され、貯留槽30内で一時的に貯留される。貯留槽30の容量は、後述する計量槽50の容量よりも十分に大きく(例えば、1.5倍以上に)設定されている。貯留槽30の下部には、開口31が形成されている。貯留槽30は、開口31の付近において、開口31に向けて横断面が徐々に小さくなるように形成されている。開口31の付近には、開口31を開閉するために供給ゲート40が設けられている。供給ゲート40は、本実施形態では、支点を中心に枢動するように構成されている。供給ゲート40は、任意のアクチュエータ(例えば、エアシリンダ)によって作動される。また、供給ゲート40は、その枢動方向に沿った縦断面で見て、円弧形状の下面を有している。供給ゲート40の下面には、当該下面から下方に突出するように突出部41が設けられている。より具体的には、突出部41は、供給ゲート40の下面の、供給ゲート40の閉動作時における進行方向前方端側(本実施形態では、進行方向前方端部)に設けられている。本実施形態では、供給ゲート40は、その枢動方向に沿った縦断面で見て、突出部41が設けられた箇所を除き、一定の半径を有している。
【0022】
計量槽50は、上方が開放されており、貯留槽30よりも下方に設けられている。鉛直方向に見て、貯留槽30は、計量槽50の略中央に配置されている。計量槽50は、貯留槽30から開口31を介して供給される被計量物90を一時的に貯留する。開口31は、計量槽50の内部に配置されている。この計量槽50は、ロードセル52によって支持されている。ロードセル52は、貯留槽30内の穀物90の重量を表す重量信号をコントローラ80へ出力する。
【0023】
計量槽50の下部には、排出口51が形成されている。また、排出口51の付近には、排出口51を開閉するための排出ゲート60が設けられている。計量槽50に貯留された穀物90は、計量された後、後段の設備(例えば、貯留槽、コンベアなど)に排出される。
【0024】
レベル計70は、貯留槽30の上部に配置されている。レベル計70は、貯留槽30に所定量以上の穀物90が貯留されているか否かを検出する。コントローラ80は、CPUおよびメモリを備えており、メモリに格納されたプログラムをCPUが実行することによって計量装置20の動作全体を制御する。
【0025】
計量装置20において、供給ゲート40の開閉動作時における供給ゲート40の下面の移動軌跡は、少なくとも開口31の直下の領域において計量槽50の内部に位置するように設定されている。図1では、供給ゲート40の下面の軌跡として、供給ゲート40に形成された突出部41の下面の移動軌跡35を示している。
【0026】
計量装置20を用いて計量を行う場合、まず、供給ゲート40が閉位置にある状態で、貯留槽30に穀物90が貯留される。次いで、供給ゲート40が開けられると、貯留槽30内の穀物90が重力によって計量槽50内に落下する。そして、供給ゲート40が閉じられた後、計測処理(計量槽50内の穀物90の重量を決定する処理)が行われる。計測処理が終了すると、排出ゲート60が開けられ、計量槽50内の穀物90が排出され、その後、排出ゲート60が閉じられる。計量装置20は、このようなサイクルを繰り返して、順次、計量を行う。このような計量装置20において、供給ゲート40を開けたとき、穀物90は、計量槽50の底面に衝突するので、その衝突力によって計量槽50は振動する。この振動は、ロードセル52から出力される重量信号に重畳するので、正確な計測処理を行うためには、この振動の減衰を待ってから計測処理を行う必要がある。計量装置20は、この振動を効率的に減衰させる機能を有している。以下、そのような構成について説明する。
【0027】
図2は、供給ゲート40が開かれ、貯留槽30から計量槽50への穀物90の供給が開始された直後の計量装置20の状態を示している。図2では、貯留槽30から計量槽50へ落下中の穀物90は図示を省略しており、貯留槽30に貯留中の穀物90と、計量槽50に堆積済みの穀物90と、だけを示している。貯留槽30の開口31は、鉛直方向に見て、計量槽50の中央に配置されているので、図2に示すとおり、計量槽50内では、穀物90は、開口31の直下の領域において最も高く堆積し、開口31の直下から離れるほど、堆積高さは低くなる。
【0028】
そして、穀物90の供給が進むと、計量槽50における穀物90の堆積高さが増していき、貯留槽30内の穀物90と、計量槽50内に堆積した穀物90と、が連続し始める。具体的には、図3(落下中の穀物90は図示省略)に示すように、計量槽50内の穀物90は、最も堆積高さが高い中央領域でのみ、貯留槽30内の穀物90と連続した状態になる。換言すれば、開口31は部分的に閉塞した状態になる。このように、開口31が部分的に閉塞を開始する時点を閉塞開始点とも呼ぶ。閉塞開始点に達すると、貯留槽30から計量槽50内への穀物90の落下可能断面積が減少する(より具体的には、開口31の断面積のうちの、閉塞した領域分の断面積が減少する)ので、それ以降は、開口31のうちの、閉塞していない領域のみから、穀物90が貯留槽30から計量槽50へ供給されることになる。以下では、貯留槽30内の穀物90と、計量槽50内に堆積した穀物90と、が連続した状態を連続状態とも呼ぶ。
【0029】
図3に示すように貯留槽30内の穀物90と、計量槽50内に堆積した穀物90と、が連続すると、貯留槽30内の穀物90の重量によって、計量槽50内に堆積した穀物90、ひいては、計量槽50が押さえつけられる。このため、ロードセル52から出力される重量信号に重畳する振動成分を効率的に減衰させることができる。
【0030】
そして、貯留槽30から計量槽50への穀物90の供給が更に進むと、図4に示すように、開口31の断面積の全てが閉塞し(つまり、完全に閉塞し)、貯留槽30から計量槽50への穀物90の供給が止まる。このように、開口31が完全に閉塞する時点を閉塞完了点とも呼ぶ。閉塞完了点に達すると、計量槽50内に堆積した穀物90へ下向きの力を作用させる貯留槽30内の穀物90の量が増加し、振動減衰効果がさらに高まる。
【0031】
図3または図4に示す状態において、供給ゲート40が矢印A1(図5参照)の方向に枢動して、供給ゲート40が閉められると、図5に示すように、被計量物90の表面(上端部分)は、突出部41によって、供給ゲート40の進行方向前方に向けて掻き出される。その結果、供給ゲート40と、計量槽50に貯留された被計量物90と、の間には、隙間91が形成される。つまり、突出部41は隙間形成手段として機能する。突出部41によれば、計測処理時に、供給ゲート40と計量槽50内の被計量物90とが接触することがないので、計量精度を向上できる。
【0032】
ところで、閉塞完了点に達してから、供給ゲート40を閉めた場合、上述の通り振動が大幅に減衰するので、計測待機時間を大幅に短縮できる。しかしながら、閉塞開始点以降は、貯留槽30から計量槽50への穀物90の流量が低下するので、充填効率(単位供給時間当たりの充填量)が悪くなる。このため、閉塞完了点以降に供給ゲート40を閉じることは、処理能力向上の観点において最適であるとは限らない。一方、閉塞開始点で供給ゲート40を閉めた場合、流量が低下することはないので、充填効率は良い。一方で、上述の通り振動減衰効果は得られるものの、振動の減衰が不十分となるおそれがある。振動の減衰が不十分である場合には、計測待機時間を大幅に短縮できない。つまり、供給ゲート40を閉じるタイミングに関して、計測待機時間の短縮と充填効率とを両立できる(換言すれば、トータルとして処理能力が最も向上する)最適点は、閉塞開始点と閉塞完了点との間に存在することが多い。本実施形態では、計量装置20は、そのような最適点で供給ゲート40を閉じることができる構成を備えている。以下、そのような構成について説明する。
【0033】
本実施形態では、コントローラ80は、第1のモードで計量装置20の動作を制御して、穀物90の計量処理を行う。図7は、第1のモードでの計量処理の流れを示すフローチャートである。計量処理は、供給ゲート40が閉じられた状態で開始される。計量処理が開始されると、コントローラ80は、まず、貯留槽30内に所定量以上の穀物90が貯留されているか否かを判断する(ステップS110)。この判断は、レベル計70による検出結果を用いて行われる。所定量は、貯留槽30の開口31を完全に閉塞できる状態(図4参照)を実現可能となるように予め設定される。
【0034】
判断の結果、穀物90が所定量以上貯留されていない場合には、コントローラ80は、穀物90が所定量以上貯留されるまで待機する(ステップS110:NO)。一方、穀物90が所定量以上貯留されている場合には(ステップS110:YES)、コントローラ80は、供給ゲート40を開けて、貯留槽30から計量槽50への穀物90の供給を開始する(ステップS120)。
【0035】
次いで、コントローラ80は、閉塞開始点検出処理を実行する(ステップS130)。図8は、閉塞開始点検出処理の流れを示すフローチャートである。本実施形態の閉塞開始点検出処理では、ロードセル52から出力される重量信号に基づいて、閉塞開始点が検出される。具体的には、閉塞開始点は、穀物90の流量(質量流量であり、単位はkg/s)と流量の変化率(以下、流量変化率と呼ぶ。単位はkg/s)とに基づいて検出される。まず、図6を参照して、穀物90の供給に伴う重量、流量および流量変化率の推移について説明する。図6において、左側の縦軸は、重量信号に基づく重量Wを表し、右側の縦軸は、流量F(重量を時間で一階微分した値)および流量変化率A(重量を時間で二階微分した値)を示している。実際には、重量信号には、振動成分が重畳する。振動成分には、上述した穀物90の計量槽50への衝突による振動のほか、伝導ノイズ、放射ノイズといった電子機器の高周波ノイズが含まれる。ただし、図6では、単純化のために、そのような振動成分の図示を省略している(下記の時点T1から時点T2の期間は除く)。
【0036】
時点T1で穀物90の供給が開始されると、重量Wは、急激に上昇した後、急激に低下する。これは、穀物90が計量槽50に衝突する力によって、実際よりも大きな重量が検出され、やがて振動が減衰して、重量信号の強度が実際の重量に近づくことに起因している。時点T1から、重量が安定する(つまり、重量信号が実際の重量を表す)時点T2までの期間は、例えば、数十ms程度である。時点T2以降は、重量Wは、ほぼ直線的に増加する。このため、流量Fは、ほぼ一定の値で推移する(流量変化率Aはゼロ付近の値である)。そして、時点T3で、流量Fが瞬間的に低下する。この時点では、流量Fはゼロよりも大きい値をとる。流量変化率Aは、流量Fの瞬間的な低下に伴い、瞬間的に絶対値が大きな負の値をとり、また、ゼロ付近の値に戻る。この時点T3での変化は、貯留槽30の開口31が部分的に閉塞したことに起因している。このため、流量Fおよび流量変化率Aを監視することによって、時点T3を閉塞開始点P1として特定できる。
【0037】
時点T3以降は、重量Wは、時点T2から時点T3までよりも緩やかな傾きで、ほぼ直線的に増加する。つまり、流量Fは、時点T3で低下した後、ほぼ一定の値で推移する(流量変化率Aはゼロ付近の値である)。そして、時点T4では、重量Wの増加が止まる。つまり、流量Fはゼロになり、その後、ゼロのまま推移する。流量変化率Aは、重量Wの増加が止まることで、瞬間的に絶対値が大きな負の値をとり、その後、ゼロになる。この時点T4での変化は、貯留槽30の開口31が完全に閉塞したことに起因している。このため、流量Fおよび流量変化率Aを監視することによって、時点T4を閉塞完了点P2として特定できる。
【0038】
閉塞開始点検出処理では、このような原理を利用して閉塞開始点P1が検出される。そのために、コントローラ80は、上記のような挙動を示す重量W、流量Fおよび流量変化率Aを監視する。具体的には、コントローラ80は、ロードセル52から出力される重量信号を所定のサンプリング周期でサンプリングする。サンプリング周期は、求められる計量精度に応じて適宜、設定され得る。本実施形態では、サンプリング周期は1msである。本実施形態では、コントローラ80は、サンプリング周期ごとに得られるサンプリング値をローパスフィルタ処理した値(以下、処理値とも呼ぶ)を重量Wとして取得する。ただし、ノイズが大きい場合には、処理値に対して公知の任意のノイズ除去手法(例えば、デジタルフィルタ、移動平均法、最小二乗法)をさらに適用することによって、重量Wが取得されてもよい。また、コントローラ80は、直近の所定期間(高周波成分を除去可能な期間として予め定められる。例えば、20~50ms)の重量W(つまり、複数の処理値)に対して最小二乗法を適用して回帰直線を取得し、その傾きを流量Fとしてサンプリング周期ごとに取得する。また、コントローラ80は、複数の流量Fに対して最小二乗法を適用して回帰直線を取得し、その傾きを流量変化率Aとしてサンプリング周期ごとに取得する。流量変化率Aを算出するための基礎となる流量Fの数は2以上の任意の数とすることができ、例えば、重量Wの算出のための上記の直近の所定期間と同程度の期間で取得される全ての流量Fに対して最小二乗法が適用されてもよい。
【0039】
ここで説明を図8に戻す。図示するように、この処理では、コントローラ80は、まず、所定条件(流量Fがゼロよりも大きく、かつ、流量変化率Aが負の値であり、かつ、流量変化率Aの絶対値が第1の閾値TH1以上であること)を満たすか否かを判断する(ステップS131)。この判断は、流量Fおよび流量変化率Aが算出されるたび(すなわち、サンプリング周期ごと)に行われる。ステップS131での条件は、図6に示す上述した各パラメータの挙動から明らかなように、閉塞開始点P1で満たされる条件である。この条件は、図6に示した各パラメータの挙動を的確に反映しているので、閉塞開始点P1を容易かつ正確に検出できる。第1の閾値TH1は、ノイズによる流量Fや流量変化率Aの変動によって閉塞開始点P1が誤検出されないようにするために、実験等によって予め設定され得る。第1の閾値TH1を適切に設定することによって、流量Fが、所定の程度以上に低下したこと(貯留槽30の開口31の閉塞開始によって生じ得る程度の、ノイズによる変動よりも大きな低下)を精度良く検出できる。
【0040】
なお、閉塞開始点検出処理(ステップS130)は、供給ゲート40が開けられた後、所定期間の経過後に実行される。この所定期間は、図6に示した時点T1から時点T2までの期間よりも長くなるように、実験等によって予め設定される。こうすれば、時点T1から時点T2の初期振動によってステップS131の条件が満たされて、閉塞開始点P1が誤検出されることがない。
【0041】
判断の結果、条件を満たさなければ、貯留槽30の開口31は全く閉塞していないということであり、コントローラ80は、条件を満たすまで待機する(ステップS131:NO)。一方、条件を満たせば(ステップS131:YES)、閉塞開始点P1が検出されたということであり、コントローラ80は、閉塞開始点P1が検出された時点(図6では、時点T3)における重量Wを決定する(ステップS132)。こうして、閉塞開始点検出処理は終了となる。
【0042】
ここで、説明を図7に戻す。閉塞開始点P1を検出すると、次いで、コントローラ80は、閉塞率の算出を開始する(ステップS140)。閉塞率とは、貯留槽30の開口31がどの程度閉塞しているかを示す指標値であり、本実施形態では、現在の重量W(重量W_currentとも呼ぶ)と、閉塞開始点P1における重量W(重量W_p1とも呼ぶ)と、閉塞完了点P2における重量W(重量W_p2とも呼ぶ)と、を用いて、以下の式(1)によって算出される。
閉塞率(%)=(W_current-W_p1)/(W_p2-W_p1)×100 ・・・(1)
【0043】
閉塞率の算出において、重量W_p1には、上記ステップS132で決定された値が使用される。重量W_p2には、本実施形態では、実験等によって予め定められた値が使用される。重量W_currentは、サンプリング周期ごとに得られるので、閉塞率もサンプリング周期ごとに算出される。
【0044】
次いで、コントローラ80は、最新の閉塞率が閾値TH4以上であるか否かを判断する(ステップS150)。判断の結果、閉塞率が第4の閾値TH4未満であれば、コントローラ80は、閉塞率が閾値TH4以上になるまで待機する(ステップS150:NO)。一方、閉塞率が第4の閾値TH4以上であれば(ステップS150:YES)、コントローラ80は、供給ゲート40を閉じる(ステップS160)。第4の閾値TH4(%)は、0よりも大きく、100よりも小さい任意の値に設定され得る。本実施形態では、第4の閾値TH4は、上記の最適点で供給ゲート40が完全に閉じるように、供給ゲート40の閉動作速度を考慮して、実験等によって予め定められる。コントローラ80は、ユーザインタフェースを介してユーザから原料条件の入力を受け付けて、当該原料条件に応じて第4の閾値TH4を決定するように構成されてもよい。穀物90が計量槽50へ衝突することに起因する振動の大きさ(振幅)は、原料条件によって異なるので、上記の最適点も、原料条件によって異なる。このため、原料条件に応じて第4の閾値TH4を変更できる構成とすれば、処理能力をいっそう向上できる。
【0045】
このようにして供給ゲート40が閉じられると、コントローラ80は、計測処理を実行する(ステップS170)。この計測処理は、所定の計測待機時間の経過後に、計量槽50内の穀物90の重量を決定する処理である。重量の決定は、重量信号に基づいて、公知の任意の手法によって行われ得る。その際、ノイズ除去手法として、デジタルフィルタ、移動平均法、最小二乗法などが使用されてもよい。図示は省略するが、計測処理が完了すると、コントローラ80は、排出ゲート60を開けて、穀物90を排出した後、排出ゲート60を閉める。これによって、計量処理は終了となる。
【0046】
上述した計量装置20によれば、重量信号に基づいて閉塞開始点P1を実際に検出し、その後に供給ゲート40が閉められる。つまり、貯留槽30内の穀物90と、計量槽50内の穀物90と、が実際に連続し始めたことを検出した後に、供給ゲート40が閉められる。このため、連続状態が発生する前に供給ゲート40が閉じられて、振動が十分に減衰しないとった事象の発生を抑制できる。その結果、計量精度の低下、または、計測待機時間の長時間化を抑制できる。また、連続状態が確実に発生するように安全を見込んで必要以上に長い閉待機時間を設定する必要が無い。したがって、計量装置20の処理能力を向上できる。また、閉塞開始点P1を実際に検出するので、原料条件の変化が生じても、適切なタイミングで供給ゲート40を閉じることができる。
【0047】
さらに、計量装置20によれば、重量信号に基づいて流量Fが算出され、流量Fに基づく条件(上述のステップS131の条件)を満たした時点を、閉塞開始点P1として検出する。つまり、計量装置20がもともと備えているロードセル52からの出力信号を利用して閉塞開始点P1を検出する。このため、閉塞開始点P1を検出するための追加的な装置(例えば、レベル計やカメラ)を必要としない。したがって、計量装置20の構造を簡素化できるとともに低コスト化できる。
【0048】
さらに、計量装置20によれば、閉塞率に基づいて、供給ゲート40を閉めるタイミングが決定される。このため、閉塞開始点P1と閉塞完了点P2との間(つまり、計測待機時間の短縮と充填効率とを両立できる最適点)で供給ゲート40を閉じることができる。
【0049】
以下、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態による計量装置20は、構造的には、レベル計70を備えていない点のみが第1実施形態と異なっている。また、その点に起因して、第1のモードによる計量処理の内容が第1実施形態と異なっている。以下、第2実施形態について、図9および図10を参照して、第1実施形態と異なる点についてのみ説明する。図9および図10において、第1実施形態(図7および図8)と同一内容の処理については、第1実施形態と同一の符号を付して、詳しい説明は省略する。
【0050】
図9は、第2実施形態による第1のモードでの計量処理の流れを示すフローチャートである。第2実施形態では、計量処理は、初回の計量処理(つまり、繰り返し実行される計量サイクルのうちの初回のサイクル)以降は、計量槽50内の穀物90が排出された後、排出ゲート60が閉じられることを契機として開始される。計量処理が開始されると、コントローラ80は、まず、供給ゲート40を開けて、貯留槽30から計量槽50への穀物90の供給を開始する(ステップS120)。第2実施形態では、貯留槽30にレベル計70は設けられていないので、供給ゲート40は、貯留槽30の貯留レベルに関係なく、開けられる。
【0051】
次いで、コントローラ80は、閉塞開始点検出処理を実行する(ステップS230)。図10は、第2実施形態による閉塞開始点検出処理の流れを示すフローチャートである。この処理では、コントローラ80は、まず、所定条件(流量Fがゼロよりも大きく、かつ、流量変化率Aが負の値であり、かつ、流量変化率Aの絶対値が第1の閾値TH1以上であり、かつ、重量が第2の閾値TH2以上であること)を満たすか否かを判断する(ステップS231)。ステップS231では、第1実施形態のステップS131(図8参照)と比べて、重量が第2の閾値TH2以上であるとの条件(以下、重量条件とも呼ぶ)が追加されている。第2の閾値TH2は、貯留槽30の開口31が部分的に閉塞し始める時点の想定重量として、実験等によって予め定められる。ステップS231での条件は、閉塞開始点P1(図6参照)が満たす条件である。
【0052】
本実施形態では、レベル計70が設けられていないので、供給ゲート40を開けたときに連続状態が必ず生じるとは限らない。このため、連続状態が生じているか否かを確実に判断するために、ステップS231での条件に重量条件が付加されている。貯留槽30に十分な量の穀物90が貯留されていないときに供給ゲート40が開けられると、貯留槽30の開口31が部分的に閉塞し始める前に、流量が急激に低下してゼロになる不足事象が発生し得る。ステップS131の所定条件では、このときの流量の急激な低下によって、閉塞開始点P1が誤検出される恐れがある。しかしながら、ステップS231では、重量条件が付加されているので、そのような誤検出を抑制できる。
【0053】
判断の結果、ステップS231の条件を満たしていれば(ステップS231:YES)、閉塞開始点P1が検出されたということであり、コントローラ80は、閉塞開始点P1が検出された時点における重量Wを決定し(ステップS132)、閉塞開始点検出処理を終了して、処理をステップS140(図9参照)に進める。その後の処理は、第1実施形態と同じである。
【0054】
一方、ステップS231の条件を満たしていなければ(ステップS231:NO)、コントローラ80は、所定条件(重量が第2の閾値TH2以上であり、かつ、流量がゼロであること)を満たすか否かを判断する(ステップS233)。判断の結果、所定条件を満たさなければ(ステップS233:NO)、コントローラ80は、処理をステップS231に戻す。一方、所定条件を満たしていれば(ステップS233:YES)、コントローラ80は、処理をステップS160(図9参照)に進めて、供給ゲート40を閉じる。
【0055】
例えば、計量装置20の前工程に、間欠運転を行う装置やレベル計による運転のオン/オフ制御がなされる装置(例えば、選別装置)が設置されている場合には、不足事象が発生しても、その後、貯留槽30への穀物90の供給が再開され、連続状態が実現される可能性がある。しかしながら、そのようにして連続状態が実現される場合には、閉塞開始点P1が検出されず、コントローラ80が供給ゲート40を閉じるタイミングの判断をできない事象が発生し得る。そのような場合には、タイマー制御によるタイムアウト(最大待機時間の経過)後に、供給ゲート40が閉じられることになる。一方、ステップS233によれば、タイマー制御によるタイムアウトを待つことなく、連続状態で(つまり、閉塞開始点P1以降に)供給ゲート40を閉じることができる。ロードセルは、時間が経過するに従って計測値が増大していく特性を有しているが、ステップS233によれば、タイムアウト後に供給ゲート40を閉じる構成と比べて、早期に計測処理(図9のS170)を行って、正確な計測値を得ることができる。
【0056】
上述した第2実施形態によれば、貯留槽30にレベル計70を設けなくても、閉塞開始点P1の誤検出を抑制して、閉塞開始点P1を正確に検出できる。また、連続状態の検出用にレベル計やカメラを計量槽50に設ける必要も無い。したがって、装置構成を簡素化できるとともに、低コスト化できる。
【0057】
以下、本発明の第3実施形態について説明する。第3実施形態による計量装置20は、構造的には、第1実施形態と同一である。ただし、コントローラ80が第2のモードでの計量処理を実施可能である点が第1実施形態と異なっている。以下、第3実施形態について、図11および図12を参照して、第1実施形態と異なる点についてのみ説明する。図11において、第1実施形態(図7)と同一内容の処理については、第1実施形態と同一の符号を付して、詳しい説明は省略する。
【0058】
本実施形態では、第2モードでの計量処理は、初回の計量処理でのみ実施され、2回目以降の計量処理では、上述の第1のモードでの計量処理が実行される。ただし、第2モードでの計量処理は、定期的に(例えば、所定回数の計量サイクルが実行されるたびに)実行されてもよい。第2モードは、第1実施形態では閉塞率の算出に使用するために実験等によって予め定められていた閉塞完了点P2での重量を実際に計測するための処理である。
【0059】
図11は、第2のモードでの計量処理の流れを示すフローチャートである。第2モードでの計量処理が開始されると、コントローラ80は、まず、ステップS110,S120を実行する。ステップS120によって供給ゲート40を開けると、コントローラ80は、次いで、閉塞終了点検出処理を実行する(ステップS310)。
【0060】
図12は、閉塞終了点検出処理の流れを示すフローチャートである。この処理では閉塞完了点P2が実際に検出される。具体的には、コントローラ80は、まず、所定条件(流量Fがゼロであり、かつ、流量変化率Aが負の値であり、かつ、流量変化率Aの絶対値が第3の閾値TH3以上であること)を満たすか否かを判断する(ステップS311)。この判断は、流量Fおよび流量変化率Aが算出されるたび(すなわち、サンプリング周期ごと)に行われる。ステップS311の条件は、図6に示す上述した各パラメータの挙動から明らかなように、閉塞完了点P2で満たされる条件である。この条件は、図6に示した各パラメータの挙動を的確に反映しているので、閉塞完了点P2を容易かつ正確に検出できる。
【0061】
判断の結果、条件を満たさなければ、貯留槽30の開口31は完全には閉塞していないということであり、コントローラ80は、条件を満たすまで待機する(ステップS311:NO)。一方、条件を満たせば(ステップS311:YES)、閉塞完了点P2が検出されたということであり、コントローラ80は、閉塞完了点P2が検出された時点(図6では、時点T4)における重量W(W_p2)を決定し、不揮発性メモリに記憶する(ステップS312)。こうして、閉塞完了点検出処理は終了となる。
【0062】
ここで説明を図11に戻す。閉塞完了点P2を検出すると、次いで、コントローラ80は、供給ゲート40を閉じて(ステップS160)、計測処理を実行する(ステップS170)。このようにして第2のモードでの計量処理が実行され、重量W_p2が記憶されると、以降、コントローラ80は、上述した第1のモードでの計量処理を繰り返し実行する。その際、コントローラ80は、閉塞率の算出(図7のステップS140)において、ステップS312で記憶した重量W_p2を使用する。
【0063】
上述した第3実施形態によれば、閉塞完了点P2における重量W_p2が実測されるので、穀物90の原料条件に応じて、正確な閉塞率を算出できる。したがって、第1のモードにおいて、供給ゲート40を閉じるタイミングをより精度良く(つまり、上述の最適点に近づくように)決定することができる。
【0064】
以下、本発明の第4実施形態について説明する。第4実施形態による計量装置20は、構造的には、第2実施形態と同一である。つまり、貯留槽30には、レベル計70が設置されていない。また、第4実施形態は、コントローラ80が第2のモードでの計量処理を実施可能である点が第2実施形態と異なっている。以下、第4実施形態について、図13を参照して、上述の他の実施形態と異なる点についてのみ説明する。図13において、第1実施形態(図7)および第3実施形態(図11)と同一内容の処理については、第1実施形態および第3実施形態と同一の符号を付して、詳しい説明は省略する。
【0065】
図13は、第4実施形態による第2のモードでの計量処理の流れを示すフローチャートである。第2モードでの計量処理が開始されると、コントローラ80は、まず、供給ゲート40を開け(ステップS120)、閉塞開始点検出処理を実行して、閉塞開始点P1を検出する(ステップS230)。次いで、コントローラ80は、次いで、閉塞終了点検出処理を実行し、閉塞完了点P2を検出して、重量W_p2を記憶する(ステップS310)。次いで、コントローラ80は、供給ゲート40を閉じて(ステップS160)、計測処理を実行する(ステップS170)。以降、コントローラ80は、上述した第2実施形態による第1のモードでの計量処理を繰り返し実行する。その際、コントローラ80は、閉塞率の算出(図9のステップS140)において、ステップS310で記憶した重量W_p2を使用する。
【0066】
第3実施形態では、貯留槽30に所定量以上の穀物90が貯留されている場合に限り、供給ゲート40が開けられるので、閉塞完了点P2が検出されることが確実であり、そのため、ステップS230(閉塞開始点検出処理)は省略される。一方、本実施形態では、上述の不足事象による閉塞完了点P2の誤検出が発生し得るので、ステップS310(閉塞完了点検出処理)の前にステップS230(閉塞開始点検出処理)が設定され、誤検出を防いでいる。代替実施形態では、ステップS230(閉塞開始点検出処理)が省略され、その代わりに、ステップS311(図12参照)において、図10のステップS231と同様の重量条件が付加されてもよい。
【0067】
上述した第4実施形態によれば、閉塞完了点P2における重量W_p2が実測されるので、第3実施形態と同様の効果が得られる。
【0068】
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、上記した発明の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその均等物が含まれる。また、上述した課題の少なくとも一部を解決できる範囲、または、効果の少なくとも一部を奏する範囲において、特許請求の範囲および明細書に記載された各構成要素の任意の組み合わせ、または、任意の省略が可能である。
【0069】
例えば、上述したフローチャートは、一例に過ぎず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、フローチャートを構成する各処理は、処理順序の変更や、等価な処理への変更が可能である。
【0070】
さらに、コントローラ80は、ステップS150(図7および図9参照)で使用する第4の閾値TH4を、重量信号の波形の振幅(つまり、振動成分の振幅)に応じて動的に設定してもよい。具体的には、振幅が大きいほど第4の閾値TH4が大きくなるように(つまり、閉塞完了点P2により近いタイミングで供給ゲート40が閉じられるように)、第4の閾値TH4が設定されてもよい。この場合、第4の閾値TH4は、段階的に予め定められた複数の数値のいずれかに設定されてもよいし、関数を用いて、振幅に応じて第4の閾値TH4が線形的に変化するように設定されてもよい。第4の閾値TH4を動的に設定する基礎となる振幅は、閉塞開始点P1以前の重量信号から検出されてもよいし、閉塞開始点P1と閉塞完了点P2との間の重量信号から検出されてもよい。この構成によれば、原料条件(つまり、振動の大きさ)が変動しても、正確な計量を行うため(あるいは、計測待機時間を最小限に留めるための)に必要な振動減衰期間を過不足無く設定できる。したがって、計量装置20の処理能力をいっそう向上できる。
【0071】
さらに、閉塞率の算出は省略されてもよい。この場合、コントローラ80は、閉塞開始点P1が検出されてから所定時間の経過後に、供給ゲート40を閉じてもよい。この場合、所定時間は、供給ゲート40を閉じるタイミングが、閉塞開始点P1と閉塞完了点P2との間になるように、実験等で予め定められてもよい。あるいは、コントローラ80は、閉塞開始点P1が検出された時点で供給ゲート40を閉じてもよい。あるいは、コントローラ80は、閉塞完了点P2が検出された時点で供給ゲート40を閉めてもよい。
【0072】
さらに、第1実施形態のステップS131(図8参照)において、閉塞開始点P1は、少なくとも流量Fに基づく任意の条件で検出され得る。例えば、流量Fの大きさのみに基づいて閉塞開始点P1が検出されてもよい。つまり、流量Fが所定値以上であることのみを所定条件としてステップS131が実行されてもよい。
【0073】
さらに、閉塞開始点P1および/または閉塞完了点P2は、重量信号に基づいて検出されることに限らず、計量槽50内に追加的に設置されたレベル計またはカメラによって検出されてもよい。
【0074】
さらに、供給ゲート40を閉じた際に供給ゲート40と、計量槽50内の穀物90と、の間に隙間91を形成するための隙間形成手段は、突出部41に限らず、公知の任意の態様で実現可能である。例えば、供給ゲートは、支点を中心に枢動するように構成され、供給ゲートの下面の、枢動方向に沿った縦断面は、円弧形状であってもよい。この場合、円弧形状は、供給ゲートの閉動作時の進行方向前方側の半径が後方側の半径よりも大きくなるように設定されてもよい。この場合、供給ゲートが閉動作を行うときに、供給ゲートの進行方向前方側の部分によって被計量物が掻き出されるので、半径の差分に応じた隙間が形成される。つまり、供給ゲートの円弧形状が隙間形成手段として機能してもよい。あるいは、供給ゲートの閉動作時における進行方向前方端に下方に向けて突出する突出部が形成されたスライド式の供給ゲートが使用されてもよい。この場合、供給ゲートが閉動作を行うときに、突出部によって被計量物が掻き出されるので、突出部の高さに応じた隙間が形成される。あるいは、隙間形成手段は、供給ゲート40を閉じた後に供給ゲート40の下面に沿ってエアを吹き込む手段であってもよい。
【符号の説明】
【0075】
20...計量装置
30...貯留槽
31...開口
35...移動軌跡
40...供給ゲート
41...突出部
50...計量槽
51...排出口
52...ロードセル
60...排出ゲート
70...レベル計
80...コントローラ
90...被計量物(穀物)
91...隙間
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