(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022166667
(43)【公開日】2022-11-02
(54)【発明の名称】回転可能なトナー容器と固定されたアジテータを備えるトナーカートリッジ
(51)【国際特許分類】
G03G 15/08 20060101AFI20221026BHJP
G03G 21/16 20060101ALI20221026BHJP
【FI】
G03G15/08 341
G03G21/16 147
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021072030
(22)【出願日】2021-04-21
(71)【出願人】
【識別番号】511076424
【氏名又は名称】ヒューレット-パッカード デベロップメント カンパニー エル.ピー.
【氏名又は名称原語表記】Hewlett‐Packard Development Company, L.P.
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100130052
【弁理士】
【氏名又は名称】大阪 弘一
(74)【代理人】
【識別番号】100182006
【弁理士】
【氏名又は名称】湯本 譲司
(72)【発明者】
【氏名】田中 健二
【テーマコード(参考)】
2H077
2H171
【Fターム(参考)】
2H077AA03
2H077AB02
2H077AB05
2H077AB12
2H077AB14
2H077AC02
2H077AD06
2H171FA14
2H171GA01
2H171JA07
2H171KA22
2H171QA02
2H171QB03
2H171QB15
2H171QB32
2H171QC03
2H171QC24
2H171SA11
2H171SA14
2H171SA19
2H171SA22
2H171SA26
2H171SA31
(57)【要約】 (修正有)
【課題】画像形成装置を使用する前に、トナー容器に収容されていたトナーを解して、長手方向の中央に寄せることにより、トナーの流動性を高める。
【解決手段】トナーカートリッジは、筒状を呈し、内面に螺旋状の凸部が形成されたトナー容器と、トナー容器の軸線が延びる方向である軸線方向の一端に形成されたトナー容器の開口を覆うキャップと、トナー容器の内部において軸線方向に沿って延在しており、トナー容器の内部に収容されたトナーを撹拌するアジテータと、を備え、アジテータは、軸線方向の一方側に位置する螺旋状の第1螺旋部と、軸線方向の他方側に位置する螺旋状の第2螺旋部と、を有し、第1螺旋部の巻回方向は、第2螺旋部の巻回方向の反対方向である。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向に延びており、前記長手方向の第1端に位置する開口、及び前記第1端の反対側に位置する第2端を有するトナー容器と、
前記第1端の前記開口を覆うキャップと、
前記トナー容器の内側において前記第1端から前記第2端まで延在するアジテータと、
を備え、
前記アジテータは、
前記キャップに固定された第1螺旋部と、
前記トナー容器の前記第2端に連結された第2螺旋部と、を有する、
トナーカートリッジ。
【請求項2】
前記第1螺旋部は、前記長手方向に延在する軸を中心として第1螺旋方向に旋回している、
請求項1に記載のトナーカートリッジ。
【請求項3】
前記第2螺旋部は、前記軸を中心として、前記第1螺旋部の前記第1螺旋方向の反対方向である第2螺旋方向に旋回している、
請求項2に記載のトナーカートリッジ。
【請求項4】
トナーを収容すると共に、長手方向に延びており、前記長手方向の第1端、及び前記第1端の反対側に位置する第2端を有するトナー容器と、
前記第1端に位置する開口を覆うキャップと、
前記トナー容器の前記第1端から前記第2端まで延びると共に、前記キャップに固定されており、前記トナー容器の回転に応じてトナーを撹拌するアジテータと、
を備えるトナーカートリッジ。
【請求項5】
前記トナー容器の前記第1端に固定されており、前記キャップの雌ねじに螺合する雄ねじを有する環状部材を備える、
請求項1に記載のトナーカートリッジ。
【請求項6】
前記環状部材及び前記トナー容器は、前記雄ねじが前記雌ねじに螺合しているときには一方向に回転可能とされており、前記螺合が解除されたときに前記一方向、及び前記一方向の反対方向に回転可能となる、
請求項5に記載のトナーカートリッジ。
【請求項7】
前記雄ねじは前記環状部材の周方向に沿って前記環状部材を2周以上回るように延びており、前記雌ねじは前記キャップの周方向に沿って前記キャップを2周以上回るように延びている、
請求項5に記載のトナーカートリッジ。
【請求項8】
前記環状部材を付勢する圧縮バネを備え、
前記環状部材は、前記雌ねじに対する前記雄ねじの螺合が解除されたときに前記圧縮バネによって前記キャップから離間するように付勢される、
請求項5に記載のトナーカートリッジ。
【請求項9】
前記トナー容器は、前記キャップの内部に位置するフランジ部を有し、
前記圧縮バネは、前記フランジ部と前記環状部材との間に介在している、
請求項8に記載のトナーカートリッジ。
【請求項10】
前記キャップに連結されたリング部材を備え、
前記リング部材は、前記キャップから離間した前記環状部材が接触する接触部を有する、
請求項5に記載のトナーカートリッジ。
【請求項11】
前記トナー容器の一部が前記キャップの内部に入り込んでおり、
前記トナー容器は、前記キャップの内部に入り込んだ部分に凸部及び凹部のいずれか一方を有し、
前記環状部材は、前記一方が嵌合する前記凸部及び凹部の他方を有し、
前記トナー容器及び前記環状部材は、前記凹部への前記凸部の嵌合によって一体とされている、
請求項5に記載のトナーカートリッジ。
【請求項12】
前記キャップは、前記アジテータが固定される溝を有する、
請求項1に記載のトナーカートリッジ。
【請求項13】
前記トナー容器は、前記アジテータが挿入される穴を有し、
前記穴に挿入された前記アジテータが前記トナー容器に対して回転可能とされている、
請求項1に記載のトナーカートリッジ。
【請求項14】
前記キャップは、第1円筒部と、前記第1円筒部よりも直径が大きい第2円筒部と、前記第2円筒部よりも直径が大きく且つ前記開口が形成された第3円筒部と、を有し、
前記トナー容器の一部が前記第2円筒部及び前記第3円筒部の内部に入り込んでいる、
請求項1に記載のトナーカートリッジ。
【請求項15】
前記アジテータの螺旋の外径の最大値は、前記トナー容器の内径の最大値の1/2以上且つ7/10以下である、
請求項1に記載のトナーカートリッジ。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
印刷媒体に画像を形成する画像形成装置は、トナーを収容するトナーカートリッジと現像装置とを備える。トナーカートリッジから現像装置にトナーが供給される。トナーカートリッジは、トナーを収容するトナー容器と、トナー容器に収容されたトナーが排出される排出口とを有する。
【図面の簡単な説明】
【0002】
【
図1】本明細書に開示された種々の例を実施するために使用することができる例示的な画像形成装置の概略図である。
【
図2】例示的なトナーカートリッジを示す斜視図である。
【
図3】例示的なトナーカートリッジの分解斜視図である。
【
図4】例示的なトナーカートリッジの断面図である。
【
図6】例示的なトナーカートリッジの環状部材を示す斜視図である。
【
図7】例示的なトナーカートリッジのトナー容器、キャップ、アジテータ及び環状部材を示す断面図である。
【
図8】例示的なトナーカートリッジのトナー容器及び環状部材を拡大した斜視図である。
【
図9】例示的なトナーカートリッジのトナー容器、キャップ、アジテータ及び環状部材を示す断面図である。
【
図11】トナー容器の回転数と回転に伴うトルクとの関係を模式的に示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0003】
以下では、図面を参照しながら画像形成装置及びトナーカートリッジの例について説明する。図面の説明において同一又は相当する要素には同一の符号を付し、重複する説明を適宜省略する。図面は、理解の容易化のため、一部を簡略化又は誇張して描いている場合があり、寸法比率及び角度等は図面に記載のものに限定されない。また、図面には、必要に応じてXYZ直交座標系が示される。
【0004】
例示的な画像形成装置は、内面に螺旋状の凸部が形成された筒状のトナー容器を備える。トナー容器にはトナーが収容されており、例えば、トナー容器はトナー容器の軸線を中心として回転する。トナー容器が回転することによって収容されたトナーが内面の螺旋状の凸部によって撹拌される。トナー容器の軸線方向の一端にはキャップが取り付けられており、キャップはトナー容器の軸線方向の一端に形成された開口を覆う。
【0005】
トナー容器の内部にはトナーを撹拌するアジテータが配置されており、アジテータはトナー容器の内部においてトナー容器の軸線方向に延在している。アジテータは、トナー容器の軸線方向の一方側に位置する螺旋状の第1螺旋部とトナー容器の軸線方向の他方側に位置する螺旋状の第2螺旋部とを有する。トナー容器の内部に第1螺旋部と第2螺旋部が配置されることにより、トナー容器の回転に伴って撹拌されるトナーが第1螺旋部及び第2螺旋部に当接するので、トナーをより効果的に撹拌することが可能となる。アジテータの第1螺旋部の巻回方向は第2螺旋部の巻回方向の反対方向である。
【0006】
これにより、第1螺旋部によって撹拌されるトナーの搬送方向と第2螺旋部によって撹拌されるトナーの搬送方向とを互いに逆の方向とすることができる。従って、トナー容器の軸線方向の片側にトナーが固まっていたとしても、固まっていたトナーを解してトナーの供給不良が生じる可能性を低減させることができる。すなわち、第1螺旋部と第2螺旋部で互いに逆方向にトナーを搬送することにより、トナー容器の軸線方向の片側において固まっていたトナーをトナー容器の軸線方向の中央側に搬送することができる。
【0007】
図1は、例示的な画像形成装置1を示す概略図である。画像形成装置1は、カートリッジ区画20と、像担持体30と、露光装置40と、現像装置50と、転写装置60と、クリーニング装置70と、定着装置80と、排出装置90とを備える。画像形成装置1は排出経路7を更に備える。画像形成装置1は、排出経路7において搬送される記録媒体としての用紙5に画像を形成する。
【0008】
一例として、用紙5は、カセット3の内部において積層された状態で収容されている。用紙5は、ピックアップローラ11によってピックアップされて排出経路7において搬送される。排出経路7において搬送される用紙5は、例えば、分離ローラ12によって1枚に単離される。単離された用紙5は、レジストローラ13によって、所定のタイミングで後述の転写領域に搬送される。
【0009】
カートリッジ区画20には、例えば、トナーカートリッジ100が収容される。カートリッジ区画20は、収容されたトナーカートリッジ100のトナー容器110(
図2参照)を回転させる駆動装置を備えていてもよい。例示的なトナーカートリッジ100は円筒状を呈する。カートリッジ区画20が円筒状を呈していてもよい。
図1の例では、カートリッジ区画20は、Y方向を長手方向とする円筒形状を呈する。
【0010】
像担持体30は、静電潜像担持体又は感光体ドラムであってもよい。像担持体30は、例えば、Y方向に延在する円柱状を呈する。像担持体30の外周面には、静電潜像が形成される。像担持体30の外周面には、帯電ローラ32が像担持体30に対向するように配置されている。帯電ローラ32は、像担持体30の外周面を所定の電位に均一に帯電させる。帯電ローラ32は、像担持体30の回転に追従して回転してもよい。
【0011】
露光装置40は、帯電ローラ32によって帯電した像担持体30の外周面を、用紙5に形成する画像に応じて露光する。像担持体30の外周面のうち露光装置40によって露光された部分の電位が変化し、像担持体30の外周面に静電潜像が形成される。例示的な露光装置40は、レーザ光源から出力されるレーザ光をポリゴンミラーで反射することによって、像担持体30の外周面をレーザ光によって走査する。
【0012】
現像装置50は、トナーカートリッジ100から供給されたトナーによって像担持体30の外周面に形成された静電潜像を現像し、像担持体30の外周面にトナー像を形成する。例えば、現像装置50は、現像ローラ52、供給オーガ54、及び撹拌オーガ56を備える。
【0013】
現像ローラ52、供給オーガ54及び撹拌オーガ56は、筐体51に収容されている。撹拌オーガ56は、搬送路51aにおける現像剤を撹拌しながら現像剤を撹拌オーガ56の軸線方向(例えば、
図1の紙面に直交する方向)に沿って搬送する。撹拌オーガ56の軸線方向の一端まで搬送された現像剤は、搬送路51aに隣接する搬送路51bに入り込む。供給オーガ54は、搬送路51bにおける現像剤を供給オーガ54の軸線方向に沿って搬送する。搬送路51bにおいて搬送される現像剤は、現像ローラ52によってピックアップされる。ピックアップされた現像剤のうちのトナーは、像担持体30の静電潜像に現像される。
【0014】
転写装置60は転写ローラ62を含む。転写ローラ62は、例えば、像担持体30の軸線と平行に延びる軸線を有する。転写ローラ62の外周面と像担持体30の外周面とは互いに接触し、転写ローラ62及び像担持体30の間に転写領域(転写ニップ領域)が形成される。転写ローラ62は、像担持体30の外周面に形成されたトナー像が用紙5に転写されるように、転写領域に搬送された用紙5に電界(転写電界)を印加する。トナー像は、転写ローラ62によって、転写領域に搬送された用紙5に転写される。
【0015】
クリーニング装置70は、像担持体30に形成されたトナー像が用紙5に転写された後に、像担持体30に残存するトナー(未転写トナー)を回収する。クリーニング装置70は、例えば、ブレード71及び回収オーガ73を備える。一例として、回収オーガ73は筐体75に形成された搬送路76に収容されている。ブレード71が像担持体30の外周面に残存しているトナーを掻き取ることによって、クリーニング装置70は像担持体30からトナーを除去してトナーを回収する。ブレード71は、像担持体30の外周面に接触するように、筐体75に固定されている。
【0016】
回収オーガ73は、Y方向に沿って延びる軸線を有する。回収オーガ73は、当該軸線を中心として回転し、筐体75に収容されたトナーを当該軸線が延びる軸線方向(Y方向)に沿って搬送する。回収オーガ73は、例えば、画像形成装置1の制御部からの制御信号に基づいて回転駆動する。
【0017】
定着装置80は、加熱及び加圧を行う定着ニップ領域に用紙5を通過させることによってトナー像を用紙5に定着させる。定着装置80は、用紙5を加熱する加熱ローラ82と加熱ローラ82を加圧して回転駆動する加圧ローラ84とを備える。定着装置80の定着ニップ領域は加熱ローラ82及び加圧ローラ84の間に形成される。排出装置90は、例えば、定着装置80によってトナー像が定着された用紙5を画像形成装置1の外部に排出する排出ローラ92,94を備える。
【0018】
図2は、例示的なトナーカートリッジ100を示す斜視図である。
図2に示されるように、トナーカートリッジ100は、筒状のトナー容器110を備える。トナーカートリッジ100は、画像形成装置1の現像装置50にトナーを供給するために用いられる。例えば、トナーカートリッジ100は、カートリッジ区画20に装填される。トナーカートリッジ100は、例えば、画像形成装置1に対して取り替え可能とされている。
【0019】
図3は、例示的なトナーカートリッジ100の分解斜視図である。
図2及び
図3に示されるように、トナーカートリッジ100は、長手方向D1に沿って延びる筒状のトナー容器110と、トナー容器110の長手方向D1の一端に形成された開口111を覆うキャップ120と、トナー容器110の内部に配置されるアジテータ130とを備える。例示的なトナーカートリッジ100は、更に、キャップ120の内部に収容される圧縮バネ140と、環状部材150と、リング部材160と、インナーパドル170と、シール180と、シャッター190とを備える。
【0020】
例示的なトナー容器110は、有底筒状を呈する。一例として、トナー容器110は有底円筒状を呈する。トナー容器110は、長手方向D1の一端に位置する開口111と、長手方向D1の他端に位置する底部112と、底部112から開口111に向かって延びる側部113と、側部113の底部112との反対側の端部に位置するフランジ部116とを備える。
【0021】
例えば、側部113は、側部113の外周面113bにおいて螺旋状に延びる溝113cを有する。例えば、トナー容器110の溝113cは、底部112から開口111まで延びる第1螺旋溝113dと、開口111側のみに形成された第2螺旋溝113fとを含む。この場合、トナー容器110の底部112側には第1螺旋溝113dのみが形成されており、トナー容器110の開口111側には第1螺旋溝113d及び第2螺旋溝113fが形成されている。すなわち、トナー容器110の底部112側には1条の溝113c(第1螺旋溝113d)が形成されており、トナー容器110の開口111側には2条の溝113c(第1螺旋溝113d及び第2螺旋溝113f)が形成されている。例えば、第2螺旋溝113fの位相は、第1螺旋溝113dの位相に対して180°ずれている。
【0022】
図4は、トナー容器110の径方向D2及び長手方向D1に延びる平面でトナーカートリッジ100を切断したトナーカートリッジ100の断面図である。
図3及び
図4に示されるように、溝113cが形成された部分のトナー容器110の内周側には、溝113cに対応する螺旋状の凸部114が形成されている。凸部114は、底部112から開口111まで延びる第1螺旋状突起114bと、開口111側のみに形成された第2螺旋状突起114cとを含んでいてもよい。第1螺旋状突起114bは第1螺旋溝113dに対応しており、第2螺旋状突起114cは第2螺旋溝113fに対応している。トナー容器110の開口111側において第1螺旋状突起114b及び第2螺旋状突起114cが形成される場合、トナーの搬送力を高めて、トナー容器110からより確実にトナーを排出することができる。
【0023】
底部112の内周には、例えば、アジテータ130の一端が挿入される穴112bが形成されている。穴112bに挿入されたアジテータ130はトナー容器110に対して軸線Lを中心として回転可能とされている。トナー容器110は、トナー容器110の軸線Lを中心として回転する。トナー容器110が内部にトナーを収容した状態で軸線Lを中心として回転することにより、トナー容器110の内部のトナーは凸部114に当接して撹拌されつつ開口111に向かうように搬送される。開口111まで搬送されたトナーはキャップ120を介してトナーカートリッジ100の外部の現像装置50に供給される。
【0024】
キャップ120は、例えば、長手方向D1に沿って並ぶ段差120bを有する。一例として、キャップ120は、段差120bを含む段付き円筒状を呈する。段差120bの数は、例えば、複数である。
図5は、キャップ120を拡大した斜視図である。
図4及び
図5に示されるように、例示的なキャップ120は、第1円筒部121と、第1円筒部121より直径が大きい第2円筒部122と、第2円筒部122よりも直径が大きい第3円筒部123とを有する。
【0025】
例示的なキャップ120は、第3円筒部123の長手方向D1の一端に開口124を有する。開口124の内部には、トナー容器110の長手方向D1の端部が収容される。第3円筒部123の内周面123bには雌ねじ125が形成されている。雌ねじ125は、例えば、キャップ120の周方向D3に沿ってキャップ120を2周以上回るように延びている。
【0026】
雌ねじ125は、周方向D3に沿って連続して延びていてもよいし、周方向D3において断続的に延びていてもよい。
図5では、雌ねじ125が断続的に延びる例を示している。この例では、雌ねじ125は内周面123bから突出すると共に周方向D3に延在する複数の凸部125bを備える。複数の凸部125bが周方向D3に沿って並ぶことによって雌ねじ125が構成されている。
【0027】
図3及び
図5に例示されるように、キャップ120は、リング部材160が嵌合する嵌合部126を備える。一例として、キャップ120は複数の嵌合部126を備え、複数の嵌合部126はキャップ120の周方向D3に沿って並んでいる。例示的な嵌合部126は、リング部材160が入り込む部位を形成すると共に周方向D3に沿って並ぶ一対の凸部126bと、各凸部126bに長手方向D1に沿って並ぶU字状の貫通孔126cと、貫通孔126cの内側に位置する係止部126dとを有する。
【0028】
例えば、凸部126bは第3円筒部123に形成されており、貫通孔126c及び係止部126dは第2円筒部122に形成されている。係止部126dは貫通孔126cに囲まれた部位に形成されている。係止部126dは、例えば、キャップ120の径方向に撓む弾性を有する。一例として、係止部126dは、キャップ120の径方向の内側に突出する突起126fを有し、突起126fにリング部材160が係合する。
【0029】
図3、
図4及び
図5に示されるように、例示的なリング部材160は、筒状部161と、筒状部161から径方向外側に突出する突出部162とを備える。筒状部161は、キャップ120の端面120fが接触する接触部161bと、筒状部161の径方向外側を向く外周面161cと、外周面161cから接触部161bの反対側に突出する係止部161dとを有する。係止部161dは、キャップ120の係止部126dに係止する部位である。例えば、リング部材160は複数(一例として4個)の係止部161dを有し、係止部161dの数は係止部126dの数と同一である。リング部材160は、係止部161dが係止部126dに係止することによってキャップ120に固定される。
【0030】
キャップ120は、トナーを排出する排出口127を有する。排出口127は、例えば、キャップ120の底部120cに形成されている。一例として、排出口127は、第1円筒部121の内周に形成されている。例えば、排出口127は矩形状を呈する。トナー容器110において撹拌及び搬送されたトナーがキャップ120の排出口127を介してトナーカートリッジ100の外部に排出される。
【0031】
シャッター190は、例えば、排出口127の径方向D2の外側(一例として下側)に配置されている。例えば、シャッター190は、キャップ120において長手方向D1に突出する突出部120dに対してスライドすることによって排出口127を開閉する。シャッター190は、例えば、長手方向D1に沿ってスライドする。
【0032】
図3に例示されるシャッター190は、排出口127を封止する封止部191と、封止部191を長手方向D1に沿ってスライドさせるスライド部192とを有する。一例として、封止部191は板状を呈し、封止部191の長手方向に沿って一対のスライド部192が設けられる。シャッター190は、各スライド部192が突出部120dに長手方向D1に沿って移動可能に支持された状態でキャップ120に取り付けられている。
【0033】
キャップ120の底部120cには、アジテータ130の一端が固定される溝128が形成されている。溝128が形成された部分のキャップ120の外面は突出部129とされている。溝128はアジテータ130の端部の線状部131が固定される部位であり、溝128の幅は線状部131の幅と略同一である。例えば、溝128及び線状部131はキャップ120の径方向D2に沿って延在している。一例として、溝128は径方向D2に沿って延びる長円状を呈する。
【0034】
図6及び
図7に示されるように、一例としてのトナーカートリッジ100は環状部材150を備える。環状部材150にはトナー容器110が固定される。環状部材150は、例えば、初期状態(一例として、画像形成装置1の使用前、又は画像形成装置1に対するトナーカートリッジ100の交換直後等)においてキャップ120に螺合している。従って、トナー容器110及び環状部材150は、初期状態では、キャップ120に対して一方向にしか回転できないようになっている。但し、画像形成装置1の使用時(稼動時)には、トナー容器110はキャップ120に対して当該一方向の反対方向に回転する。
【0035】
例示的な環状部材150は、円環状を呈する。環状部材150は、例えば、小径部151と大径部152とを備える。大径部152は、例えば、小径部151からフランジ状に拡径している。例えば、大径部152の外周面152bには雄ねじ155が形成されている。雄ねじ155は、例えば、環状部材150の周方向D4に沿って環状部材150を2周以上回るように延びている。雄ねじ155は、周方向D4に沿って連続して延びていてもよいし、周方向D4において断続的に延びていてもよい。
図6の例では、雄ねじ155が連続的に延びる例を示している。
【0036】
前述した初期状態において、環状部材150は、雄ねじ155がキャップ120の雌ねじ125に螺合することによってキャップ120に結合されている。しかしながら、トナーカートリッジ100の使用時には、トナー容器110及び環状部材150がキャップ120に対して回転することによって雌ねじ125に対する雄ねじ155の螺合が解除されている(
図9参照)。このとき、キャップ120に対してトナー容器110及び環状部材150が軸線L回りに双方向に回転可能とされる。
【0037】
環状部材150は、例えば、キャップ120の内部においてトナー容器110に連結されている。トナー容器110は、例えば、環状部材150に嵌合する凸部及び凹部のいずれか一方を有し、環状部材150は当該一方が嵌合する凸部及び凹部の他方を有する。
図6及び
図8は、環状部材150が凹部153を有し、トナー容器110が凸部115を有する例を示している。
【0038】
この例において、凹部153は、小径部151の端面151bから窪んでいる。凸部115は、トナー容器110の外周面からトナー容器110の径方向の外側に突出しており、環状部材150の径方向の内側から凹部153に嵌まり込んでいる。これにより、環状部材150は、例えば、トナー容器110と一体化されている。凹部153及び凸部115の数は、例えば、2であるが、特に限定されない。また、環状部材150が凸部を有し、当該凸部が嵌合する凹部をトナー容器110が有していてもよい。
【0039】
図3及び
図7に示されるように、例示的なトナーカートリッジ100は、環状部材150を付勢する圧縮バネ140を備える。圧縮バネ140は、一例として、コイルバネである。しかしながら、圧縮バネ140の種類はコイルバネに限定されない。圧縮バネ140は、例えば、トナー容器110のフランジ部116と環状部材150との間に圧縮された状態で介在している。
【0040】
例示的なトナーカートリッジ100は、インナーパドル170を備える。インナーパドル170は、例えば、筒状(一例として円筒状)を呈する。インナーパドル170は、例えば、キャップ120の内部に設けられる。例示的なインナーパドル170は、筒状部171と、筒状部171の内周面に固定されている羽根部172とを備える。
【0041】
筒状部171は、一例として、円筒状を呈する。インナーパドル170は、例えば、複数の羽根部172を備え、各羽根部172は板状を呈する。インナーパドル170は、例えば、トナー容器110と共に軸線Lを中心として回転し、インナーパドル170の回転に伴って羽根部172がトナーを撹拌する。羽根部172は、例えば、キャップ120(一例として第1円筒部121)の内部において排出口127の直上に位置する。これにより、羽根部172によって撹拌されたトナーが直ちに排出口127に入り込むので、排出口127におけるトナーの排出不良を抑制することができる。
【0042】
トナーカートリッジ100は、例えば、トナー容器110とキャップ120との間を封止するシール180を備える。シール180は、例えば、フランジ部116とキャップ120に形成された段差部120gとの間に配置されている。段差部120gは、例えば、第1円筒部121と第2円筒部122の間に形成されている。シール180は、インナーパドル170の径方向D2の外側に配置されていてもよい。
【0043】
前述したように、初期状態では、トナー容器110に連結された環状部材150の雄ねじ155がキャップ120の雌ねじ125に螺合している。従って、トナー容器110は、一方向にのみ回転可能となっている。この状態でキャップ120に対してトナー容器110を当該一方向に回転させると、雌ねじ125に対する雄ねじ155の螺合が解除される。一例として、雌ねじ125及び雄ねじ155は周方向D3に沿って2周以上回るように延びている。この場合、キャップ120に対してトナー容器110を3周回転させると雌ねじ125に対する雄ねじ155の螺合が解除される。
【0044】
図9に示されるように、キャップ120の雌ねじ125に対する雄ねじ155の螺合が解除されると、圧縮バネ140の付勢力によって環状部材150がトナー容器110(フランジ部116)から離間する方向に押し出される。圧縮バネ140の付勢力によって押し出された環状部材150は、例えば、リング部材160の接触部161bに接触する。環状部材150がトナー容器110から離間した状態において、トナー容器110は、当該一方向の反対方向に回転可能となって、画像形成装置1が使用可能状態となる。
【0045】
図10は、例示的なアジテータ130を示している。
図10に示されるように、アジテータ130は、長手方向D1の一方側に位置する第1螺旋部132と、長手方向D1の他方側に位置する第2螺旋部133と、第1螺旋部132及び第2螺旋部133を互いに接続する接続部134とを備える。
【0046】
第1螺旋部132の少なくとも一部は、例えば、キャップ120に入り込む。一例として、第1螺旋部132は、前述した線状部131を端部に有し、線状部131がキャップ120の溝128に嵌まることによってアジテータ130がキャップ120に固定される。第2螺旋部133は、例えば、トナー容器110の底部112に入り込む部位である。第2螺旋部133は、一例として、第1線状部133bと、第1線状部133bの端部から軸線Lに沿って突出する第2線状部133cとを有する。
【0047】
図4及び
図10に示されるように、第2螺旋部133は、例えば、底部112の穴112bに第2線状部133cが入り込むことによってトナー容器110に対して回転可能とされる。接続部134は、例えば、第1螺旋部132に接続される第1直線部134bと、第2螺旋部133に接続される第2直線部134cと、第1直線部134b及び第2直線部134cを互いに接続する第3直線部134dとを有する。第1螺旋部132の巻回方向は、第2螺旋部133の巻回方向の反対方向である。第1螺旋部132は、長手方向D1に延在する軸線Lを中心として第1螺旋方向R1に旋回している。第2螺旋部133は、軸線Lを中心として、第1螺旋部132の第1螺旋方向R1の反対方向である第2螺旋方向R2に旋回している。
【0048】
具体例として、線状部131側(キャップ120側)からアジテータ130を見たときに、第1螺旋部132は第1螺旋方向R1(一例として時計回り)に線状部材が巻回されて形成されており、第2螺旋部133は第2螺旋方向R2(一例として反時計回り)に線状部材が巻回されて形成されている。
【0049】
図7に例示されるように、アジテータ130の螺旋の外径の最大値M1は、トナー容器110の内径の最大値M2の1/2以上且つ7/10以下である。アジテータ130の外径の最大値M1がトナー容器110の内径の最大値M2の1/2以上であることにより、トナーを解す効果をより高めることができる。しかしながら、アジテータ130の螺旋の外径の最大値M1は、アジテータ130が凸部114に接触しない値であればよい。
【0050】
例えば、アジテータ130の螺旋の外径の最大値をM1、トナー容器110の内径の最大値をM2、凸部114の高さを高さM3としたときに、以下の式(1)を満たしてもよい。
M2-4×M3>M1>(M2-2×M3)/2 ・・・(1)
式(1)を満たす場合、トナー容器110の内部のトナーを凸部114及びアジテータ130によってより効率よく撹拌させることができる。
【0051】
図4に示されるように、軸線Lに対するアジテータ130(第2螺旋部133)の螺旋の傾斜角度θは、例えば、軸線Lに対する凸部114の螺旋の傾斜角度と同一である。第1螺旋部132の長手方向D1の長さ、及び第2螺旋部133の長手方向D1の長さは、一例として、アジテータ130の長手方向D1の長さの1/3程度である。アジテータ130(第1螺旋部132)は、キャップ120に入り込む部分に螺旋の外径が他の部分よりも小さい小径部130bを有していてもよい。凸部114は、キャップ120に入り込む部分に内径が他の凸部114の内径よりも小さい小径部114dを含んでいてもよい。アジテータ130の小径部130bとトナー容器110の凸部114の小径部114dとは、径方向D2に沿って互いに対向している。
【0052】
以上、例示的な画像形成装置1及びトナーカートリッジ100は、内面に螺旋状の凸部114が形成されたトナー容器110と、トナー容器110の長手方向D1の第1端110cに形成されたトナー容器110の開口111を覆うキャップ120と、を備える。トナー容器110は、長手方向D1の一端である第1端110cと、長手方向D1の他端である第2端110dとを有する。
【0053】
例えば、トナーカートリッジ100は、トナー容器110の内部に収容されたトナーを撹拌する。アジテータ130は、長手方向D1の一方側に位置する螺旋状の第1螺旋部132と、長手方向D1の他方側に位置する第2螺旋部133とを有し、第1螺旋部132の巻回方向は第2螺旋部133の巻回方向の反対方向である。
【0054】
従って、トナー容器110がキャップ120に対して一方向に回転したときに、第1螺旋部132ではトナーが第2螺旋部133に向かって搬送され、第2螺旋部133ではトナーが第1螺旋部132に向かって搬送される。すなわち、第1螺旋部132及び第2螺旋部133がトナー容器110の内部のトナーをトナー容器110の長手方向D1の中央側に搬送する。よって、例えば未使用のトナーカートリッジ100を長期間保管していて、トナー容器110の内部のトナーが偏った位置で固まっていたとしても、偏った位置で固まっているトナーをアジテータ130が解す。そして、アジテータ130によってトナー容器110の中央側にトナーを寄せてトナーの流動性を高めることができる。
【0055】
具体例として、底部112を下方に向けてトナーカートリッジ100を保管していたときには底部112側にトナーが固まることがある。この場合、トナーカートリッジ100を使用する前にトナー容器110が一方向に回転することにより、底部112側で固まっていたトナーが第2螺旋部133によって解されながらキャップ120側に搬送される。従って、解されたトナーを長手方向D1の中央側に寄せてトナーの流動性を高めることができる。
【0056】
別の例として、キャップ120を下方に向けてトナーカートリッジ100を保管していたときにはキャップ120側にトナーが固まりうる。この場合、トナーカートリッジ100を使用する前にトナー容器110が一方向に回転することにより、キャップ120側で固まっていたトナーが第1螺旋部132によって解されながらトナー容器110の底部112側に搬送される。従って、解されたトナーを長手方向D1の中央側に寄せてトナーの流動性を高めることができる。
【0057】
更に別の例として、トナーカートリッジ100を横にして(トナー容器110が水平方向に延びるようにして)保管していたときにはトナー容器110の径方向D2の下側にトナーが固まりうる。この場合も、トナーカートリッジ100を使用する前にトナー容器110が一方向に回転することにより、径方向D2の下側で固まっていたトナーがアジテータ130に撹拌されて解される。そして、長手方向D1の端部に位置するトナーが第1螺旋部132及び第2螺旋部133によって長手方向D1の中央側に寄せられてトナーの流動性を高めることができる。
【0058】
以上のように、画像形成装置1にトナーカートリッジ100に装着して画像形成装置1を使用する前(稼動前)にトナー容器110が一方向に回転することにより、トナー容器110に収容されたトナーを解して長手方向D1の中央に寄せることができる。従って、たとえトナーが固まっていたとしても使用前にトナーを解してトナーの流動性が高い状態とすることができる。その結果、トナーカートリッジ100から現像装置50へのトナーの供給を効率よく行ってトナーの供給不良が生じることを抑制することができる。
【0059】
図7及び
図9に例示されるように、トナーカートリッジ100は、キャップ120の内部においてトナー容器110に連結されており、外周面152bに雄ねじ155を有する環状部材150を備えてもよい。キャップ120は、雄ねじ155に螺合する雌ねじ125を有してもよい。環状部材150及びトナー容器110は、雄ねじ155が雌ねじ125に螺合しているときには一方向に回転可能とされていてもよい。そして、環状部材150及びトナー容器110は、当該螺合が解除されたときに当該一方向、及び当該一方向の反対方向に回転可能となってもよい。
【0060】
この場合、例えば、トナーカートリッジ100の使用前にトナー容器110が環状部材150を介してキャップ120に連結されており、トナー容器110はキャップ120に対して一方向にのみ回転可能とされている。従って、トナーカートリッジ100の使用前にトナー容器110を当該一方向に回転させてトナーを解してトナーの流動性を高めることができる。よって、トナーの流動性が高い状態でトナーカートリッジ100の使用を開始することができる。
【0061】
雄ねじ155は環状部材150の周方向に沿って環状部材150を2周以上回るように延びており、雌ねじ125はキャップ120の周方向に沿ってキャップ120を2周以上回るように延びていてもよい。
図11は、トナー容器110の内部にトナーが収容された状態でアジテータ130が軸線Lを中心として回転したときにおける回転数と負荷トルクとの関係のグラフを示している。
【0062】
図11の測定では、トナーカートリッジ100の内部のトナーを振動試験機によって締め固めた状態とし、その後、アジテータ130を回転させてアジテータ130に付与される負荷トルクを測定した。
図11に示されるように、トナーカートリッジ100のトナーが固まった状態においてアジテータ130が回転すると、1回目の回転と比較して2回目の回転で負荷トルクを半分以下とすることができ、トナーの流動性を高める観点では2回目の回転で良好な結果を得られることが分かった。
【0063】
従って、前述したように、雄ねじ155及び雌ねじ125が2周以上回るように延びている場合、3回転目で雌ねじ125に対する雄ねじ155の螺合を解除できるので、螺合が解除されるまでトナー容器110を一方向のみに強制的に回転させることができる。よって、例えば画像形成装置1にトナーカートリッジ100が装着される前に強制的にトナーを撹拌してトナーの流動性を高めることができるので、トナーカートリッジ100からのトナーの排出を効率よく行うことができる。
【0064】
図7及び
図9に示されるように、トナーカートリッジ100は、環状部材150を付勢する圧縮バネ140を備えていてもよい。環状部材150は、雌ねじ125に対する雄ねじ155の螺合が解除されたときに圧縮バネ140によってキャップ120から離間するように付勢されてもよい。この場合、雌ねじ125に対する雄ねじ155の螺合が解除されたときに、キャップ120から環状部材150及びトナー容器110を圧縮バネ140によって速やかに離脱させることができる。
【0065】
トナー容器110は、キャップ120の内部に位置するフランジ部116を有してもよい。圧縮バネ140は、フランジ部116と環状部材150との間に介在していてもよい。この場合、トナー容器110のフランジ部116を圧縮バネ140を当てる場所として有効利用することができる。
【0066】
トナーカートリッジ100は、キャップ120に連結されたリング部材160を備えていてもよい。リング部材160は、キャップ120から離間した環状部材150が接触する接触部161bを有してもよい。この場合、キャップ120に連結されたリング部材160の接触部161bにキャップ120から離脱した環状部材150を接触させることができる。
【0067】
トナー容器110の一部がキャップ120の内部に入り込んでいてもよい。
図8に示されるように、トナー容器110は、キャップ120の内部に入り込んだ部分に凸部115を有し、環状部材150は凸部115が嵌合する凹部153を有してもよい。トナー容器110及び環状部材150は、凹部153への凸部115の嵌合によって一体とされていてもよい。
【0068】
図4に示されるように、キャップ120は、アジテータ130の第1螺旋部132が固定される溝128を有してもよい。トナー容器110は、アジテータ130の第2螺旋部133が挿入される穴112bを有し、穴112bに挿入された第2螺旋部133がトナー容器110に対して回転可能とされていてもよい。この場合、アジテータ130は、キャップ120に固定されると共にトナー容器110に対して回転可能とされている。従って、アジテータ130に対してトナー容器110が回転することによってトナーを撹拌することができる。
【0069】
キャップ120は、トナー容器110に収容されているトナーを排出する排出口127を有してもよい。トナーカートリッジ100は、排出口127を開閉するシャッター190を更に備えてもよい。トナーカートリッジ100は、キャップ120の内部に配置されており、トナー容器110に収容されたトナーを撹拌するインナーパドル170を更に備えてもよい。
【0070】
キャップ120は、第1円筒部121と、第1円筒部121よりも直径が大きい第2円筒部122と、第2円筒部122よりも直径が大きく且つ開口124が形成された第3円筒部123と、を有してもよい。トナー容器110の一部が第2円筒部122及び第3円筒部123の内部に入り込んでいてもよい。この場合、キャップ120を段付き円筒状として、キャップ120の内部の領域をトナーカートリッジ100の各部品が配置される領域として有効利用することができる。
【0071】
図7に示されるように、アジテータ130の螺旋の外径の最大値M1は、トナー容器110の内径の最大値M2の1/2以上且つ7/10以下であってもよい。この場合、トナー容器110の凸部114へのアジテータ130の接触を回避すると共に、トナー容器110の内部のトナーをより効果的に撹拌することができる。
【0072】
以上、本明細書において画像形成装置及びトナーカートリッジの種々の例について説明した。しかしながら、本明細書に記載の全ての側面、利点、及び特徴は、必ずしも、いずれかひとつの特定の例、実施形態又は実施例により達成される又は含まれるわけではないと理解されるべきである。実際、本明細書において様々な例を記載し示したが、他の例についても配置、及び詳細を変更することができることは明らかである。ここに請求される保護主題の精神、及び範囲に包含される全ての変更、及び変形が請求される。