(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022166705
(43)【公開日】2022-11-02
(54)【発明の名称】タイヤ
(51)【国際特許分類】
B60C 11/12 20060101AFI20221026BHJP
B60C 5/00 20060101ALI20221026BHJP
B60C 11/03 20060101ALI20221026BHJP
【FI】
B60C11/12 D
B60C5/00 H
B60C11/03 B
B60C11/03 100C
B60C11/12 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021072103
(22)【出願日】2021-04-21
(71)【出願人】
【識別番号】000183233
【氏名又は名称】住友ゴム工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104134
【弁理士】
【氏名又は名称】住友 慎太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100156225
【弁理士】
【氏名又は名称】浦 重剛
(74)【代理人】
【識別番号】100168549
【弁理士】
【氏名又は名称】苗村 潤
(74)【代理人】
【識別番号】100200403
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 幸信
(74)【代理人】
【識別番号】100206586
【弁理士】
【氏名又は名称】市田 哲
(72)【発明者】
【氏名】北谷 司
(72)【発明者】
【氏名】吉村 幸蔵
(72)【発明者】
【氏名】池田 亮太
【テーマコード(参考)】
3D131
【Fターム(参考)】
3D131BB01
3D131BC19
3D131BC44
3D131CB06
3D131EB05U
3D131EB11V
3D131EB11X
3D131EB82W
3D131EB82X
3D131EB87X
3D131EB94W
3D131EB94X
3D131EB95X
3D131EC01W
3D131EC01X
3D131EC02V
(57)【要約】 (修正有)
【課題】良好なウェット性能を維持しつつ、ノイズ性能を向上させたタイヤを提供する。
【解決手段】トレッド部2を有するタイヤである。トレッド部2は、3本以上の周方向溝3と、4つ以上の陸部4とを含む。陸部4のそれぞれには、横溝が設けられておらず、かつ、サイプのみが設けられている。陸部4は、第1ショルダー陸部11と、第1ミドル陸部13とを含む。第1ミドル陸部13には、複数の第1ミドルサイプ16が設けられている。第1ショルダー陸部11には、複数の第1ショルダーサイプ17が設けられている。複数の第1ショルダーサイプ17のタイヤ周方向の1ピッチ長さは、複数の第1ミドルサイプ16のタイヤ周方向の1ピッチ長さよりも小さい。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トレッド部を有するタイヤであって、
前記トレッド部は、第1トレッド端と第2トレッド端との間でタイヤ周方向に連続して延びる3本以上の周方向溝と、前記周方向溝に区分された4つ以上の陸部とを含み、
前記周方向溝は、最も前記第1トレッド端側に配された第1ショルダー周方向溝を含み、
前記4つ以上の陸部のそれぞれには、横溝が設けられておらず、かつ、サイプのみが設けられており、
前記陸部は、前記第1トレッド端を含む第1ショルダー陸部と、前記第1ショルダー周方向溝を介して前記第1ショルダー陸部に隣接する第1ミドル陸部とを含み、
前記第1ミドル陸部には、前記第1ミドル陸部をタイヤ軸方向に完全に横断する複数の第1ミドルサイプが設けられており、
前記第1ショルダー陸部には、前記第1ショルダー周方向溝から少なくとも前記第1トレッド端まで延びる複数の第1ショルダーサイプが設けられており、
前記複数の第1ショルダーサイプのタイヤ周方向の1ピッチ長さは、前記複数の第1ミドルサイプのタイヤ周方向の1ピッチ長さよりも小さい、
タイヤ。
【請求項2】
前記第1ショルダーサイプは、前記第1ショルダー周方向溝側から前記第1トレッド端側に向かって深さが小さくなっている、請求項1に記載のタイヤ。
【請求項3】
前記第1ショルダー陸部には、前記第1ショルダー周方向溝から延び、かつ、前記第1トレッド端に達することなく前記第1ショルダー陸部内で途切れる複数の第1途切れサイプが設けられている、請求項1又は2に記載のタイヤ。
【請求項4】
前記周方向溝は、最も前記第2トレッド端側に配された第2ショルダー周方向溝を含み、
前記陸部は、前記第2トレッド端を含む第2ショルダー陸部と、前記第2ショルダー周方向溝を介して前記第2ショルダー陸部に隣接する第2ミドル陸部とを含み、
前記第2ミドル陸部には、前記第2ミドル陸部をタイヤ軸方向に完全に横断する複数の第2ミドルサイプが設けられており、
前記第2ショルダー陸部には、前記第2ショルダー周方向溝から少なくとも前記第2トレッド端まで延びる複数の第2ショルダーサイプが設けられており、
前記複数の第2ショルダーサイプのタイヤ周方向の1ピッチ長さは、前記複数の第2ミドルサイプのタイヤ周方向の1ピッチ長さよりも小さい、請求項1ないし3のいずれか1項に記載のタイヤ。
【請求項5】
前記複数の第2ショルダーサイプのタイヤ軸方向の内端は、いずれも、前記第2ミドルサイプのタイヤ軸方向の外端に対してタイヤ周方向で異なる位置に設けられている、請求項4に記載のタイヤ。
【請求項6】
前記第2ミドルサイプの最大の深さは、前記第2ショルダーサイプの最大の深さよりも小さい、請求項4又は5に記載のタイヤ。
【請求項7】
前記第2ショルダー陸部には、前記第2ショルダー周方向溝から延び、かつ、前記第2トレッド端に達することなく前記第2ショルダー陸部内で途切れる複数の第2途切れサイプが設けられている、請求項4ないし6のいずれか1項に記載のタイヤ。
【請求項8】
前記トレッド部は、車両への装着の向きが指定され、
前記第1トレッド端は、車両装着時に車両外側に位置する、請求項1ないし7のいずれか1項に記載のタイヤ。
【請求項9】
タイヤ赤道と前記第1トレッド端との間に配された前記周方向溝の溝幅の合計は、タイヤ赤道と前記第2トレッド端との間に配された前記周方向溝の溝幅の合計よりも小さい、請求項1ないし8のいずれか1項に記載のタイヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タイヤに関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、内側ミドル陸部及び外側ミドル陸部に複数のミドル横サイプが設けられた空気入りタイヤが提案されている。前記空気入りタイヤは、前記ミドル横サイプのピッチ間隔が規定されることにより、操縦安定性及びノイズ性能の向上を期待している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、車両の静粛化が進んでおり、タイヤについても、ノイズ性能のより一層の向上が求められている
【0005】
本発明は、以上のような実状に鑑み案出なされたもので、良好なウェット性能を維持しつつ、ノイズ性能を向上させたタイヤを提供することを主たる課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、トレッド部を有するタイヤであって、前記トレッド部は、第1トレッド端と第2トレッド端との間でタイヤ周方向に連続して延びる3本以上の周方向溝と、前記周方向溝に区分された4つ以上の陸部とを含み、前記周方向溝は、最も前記第1トレッド端側に配された第1ショルダー周方向溝を含み、前記4つ以上の陸部のそれぞれには、横溝が設けられておらず、かつ、サイプのみが設けられており、前記陸部は、前記第1トレッド端を含む第1ショルダー陸部と、前記第1ショルダー周方向溝を介して前記第1ショルダー陸部に隣接する第1ミドル陸部とを含み、前記第1ミドル陸部には、前記第1ミドル陸部をタイヤ軸方向に完全に横断する複数の第1ミドルサイプが設けられており、前記第1ショルダー陸部には、前記第1ショルダー周方向溝から少なくとも前記第1トレッド端まで延びる複数の第1ショルダーサイプが設けられており、前記複数の第1ショルダーサイプのタイヤ周方向の1ピッチ長さは、前記複数の第1ミドルサイプのタイヤ周方向の1ピッチ長さよりも小さい。
【0007】
本発明のタイヤにおいて、前記第1ショルダーサイプは、前記第1ショルダー周方向溝側から前記第1トレッド端側に向かって深さが小さくなっているのが望ましい。
【0008】
本発明のタイヤにおいて、前記第1ショルダー陸部には、前記第1ショルダー周方向溝から延び、かつ、前記第1トレッド端に達することなく前記第1ショルダー陸部内で途切れる複数の第1途切れサイプが設けられているのが望ましい。
【0009】
本発明のタイヤにおいて、前記周方向溝は、最も前記第2トレッド端側に配された第2ショルダー周方向溝を含み、前記陸部は、前記第2トレッド端を含む第2ショルダー陸部と、前記第2ショルダー周方向溝を介して前記第2ショルダー陸部に隣接する第2ミドル陸部とを含み、前記第2ミドル陸部には、前記第2ミドル陸部をタイヤ軸方向に完全に横断する複数の第2ミドルサイプが設けられており、前記第2ショルダー陸部には、前記第2ショルダー周方向溝から少なくとも前記第2トレッド端まで延びる複数の第2ショルダーサイプが設けられており、前記複数の第2ショルダーサイプのタイヤ周方向の1ピッチ長さは、前記複数の第2ミドルサイプのタイヤ周方向の1ピッチ長さよりも小さいのが望ましい。
【0010】
本発明のタイヤにおいて、前記複数の第2ショルダーサイプのタイヤ軸方向の内端は、いずれも、前記第2ミドルサイプのタイヤ軸方向の外端に対してタイヤ周方向で異なる位置に設けられているのが望ましい。
【0011】
本発明のタイヤにおいて、前記第2ミドルサイプの最大の深さは、前記第2ショルダーサイプの最大の深さよりも小さいのが望ましい。
【0012】
本発明のタイヤにおいて、前記第2ショルダー陸部には、前記第2ショルダー周方向溝から延び、かつ、前記第2トレッド端に達することなく前記第2ショルダー陸部内で途切れる複数の第2途切れサイプが設けられているのが望ましい。
【0013】
本発明のタイヤにおいて、前記トレッド部は、車両への装着の向きが指定され、前記第1トレッド端は、車両装着時に車両外側に位置する、請求項1ないし7のいずれか1項のが望ましい。
【0014】
本発明のタイヤにおいて、タイヤ赤道と前記第1トレッド端との間に配された前記周方向溝の溝幅の合計は、タイヤ赤道と前記第2トレッド端との間に配された前記周方向溝の溝幅の合計よりも小さいのが望ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明のタイヤは、上記の構成を採用したことによって、良好なウェット性能を維持しつつ、ノイズ性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の一実施形態を示すトレッド部の展開図である。
【
図4】
図1の第1ショルダー陸部及び第1ミドル陸部の拡大図である。
【
図8】
図1の第2ミドル陸部及び第2ショルダー陸部の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
図1は、本発明の一実施形態を示すタイヤ1のトレッド部2の展開図である。本実施形態のタイヤ1は、例えば、乗用車用の空気入りタイヤとして好適に使用される。但し、本発明は、このような態様に限定されるものではなく、重荷重用の空気入りタイヤや、タイヤの内部に加圧された空気が充填されない非空気式タイヤに適用されても良い。
【0018】
図1に示されるように、本発明のトレッド部2は、第1トレッド端T1と第2トレッド端T2との間でタイヤ周方向に連続して延びる3本以上の周方向溝3と、これらの周方向溝3に区分された4つ以上の陸部4とを含む。本実施形態のトレッド部2は、4本の周方向溝3と、これらに区分された5つの陸部4とで構成されている。但し、本発明はこのような態様に限定されるものではない。
【0019】
本実施形態のトレッド部2は、例えば、車両への装着の向きが指定されている。これにより、第1トレッド端T1は、車両装着時に車両外側に位置することが意図されている。第2トレッド端T2は、車両装着時に車両内側に位置することが意図されている。車両への装着の向きは、例えば、サイドウォール部(図示省略)に、文字又は記号で表示される。但し、本発明のタイヤ1は、このような態様に限定されず、車両への装着の向きが指定されないものでも良い。
【0020】
第1トレッド端T1及び第2トレッド端T2は、それぞれ、正規状態のタイヤ1に正規荷重の70%が負荷されキャンバー角0°で平面に接地したときの最もタイヤ軸方向外側の接地位置に相当する。
【0021】
「正規状態」とは、各種の規格が定められた空気入りタイヤの場合、タイヤが正規リムにリム組みされかつ正規内圧が充填され、しかも、無負荷の状態である。各種の規格が定められていないタイヤや、非空気式タイヤの場合、前記正規状態は、タイヤの使用目的に応じた標準的な使用状態であって車両に未装着かつ無負荷の状態を意味する。本明細書において、特に断りがない場合、タイヤ各部の寸法等は、前記正規状態で測定された値である。
【0022】
「正規リム」は、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めているリムであり、例えばJATMAであれば "標準リム" 、TRAであれば "Design Rim" 、ETRTOであれば"Measuring Rim" である。
【0023】
「正規内圧」は、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば "最高空気圧" 、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "INFLATION PRESSURE" である。
【0024】
「正規荷重」は、各種の規格が定められた空気入りタイヤの場合、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている荷重であり、JATMAであれば "最大負荷能力" 、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "LOAD CAPACITY" である。また、各種の規格が定められていないタイヤの場合、「正規荷重」は、タイヤの標準装着状態において、1つのタイヤに作用する荷重を指す。前記「標準装着状態」とは、タイヤの使用目的に応じた標準的な車両にタイヤが装着され、かつ、前記車両が走行可能な状態で平坦な路面上に静止している状態を指す。
【0025】
周方向溝3は、複数の周方向溝3のうち、最も第1トレッド端T1側に配された第1ショルダー周方向溝5を含む。さらに、本実施形態の周方向溝3は、第2ショルダー周方向溝6、第1クラウン周方向溝7及び第2クラウン周方向溝8を含む。第2ショルダー周方向溝6は、複数の周方向溝3のうち、最も第2トレッド端T2側に配されている。第1クラウン周方向溝7は、第1ショルダー周方向溝5とタイヤ赤道Cとの間に配されている。第2クラウン周方向溝8は、第2ショルダー周方向溝6とタイヤ赤道Cとの間に配されている。
【0026】
タイヤ赤道Cから第1ショルダー周方向溝5又は第2ショルダー周方向溝6の溝中心線までのタイヤ軸方向の距離L1は、例えば、トレッド幅TWの20%~30%であるのが望ましい。タイヤ赤道Cから第1クラウン周方向溝7又は第2クラウン周方向溝8の溝中心線までのタイヤ軸方向の距離L2は、例えば、トレッド幅TWの5%~15%であるのが望ましい。なお、トレッド幅TWは、前記正規状態における第1トレッド端T1から第2トレッド端T2までのタイヤ軸方向の距離である。
【0027】
本実施形態の各周方向溝3は、例えば、タイヤ周方向に平行に直線状に延びている。各周方向溝3は、例えば、波状に延びるものでも良い。
【0028】
各周方向溝3の溝幅W1は、少なくとも3mm以上であるのが望ましい。また、各周方向溝3の溝幅W1は、例えば、トレッド幅TWの2.0%~8.0%であるのが望ましい。本実施形態では、第1ショルダー周方向溝5が、複数の周方向溝3のうち最も小さい溝幅を有している。これにより、タイヤ赤道Cと第1トレッド端T1との間に配された周方向溝3の溝幅の合計は、タイヤ赤道Cと第2トレッド端T2との間に配された周方向溝の溝幅の合計よりも小さい。但し、本発明は、このような態様に限定されるものではない。各周方向溝3の深さは、乗用車用の空気入りタイヤの場合、例えば、5~10mmであるのが望ましい。
【0029】
トレッド部2に区分された陸部4のそれぞれには、横溝が設けられておらず、かつ、サイプ9のみが設けられている。
図2及び
図3には、それぞれ、サイプ9の横断面図が示されている。
図2及び
図3に示されるように、本明細書において、「サイプ」とは、小さな幅を有する切れ込み要素であって、略平行に向き合う2つの内壁10wを含む本体部10において、前記2つの内壁10wの間の幅が1.5mm以下のものを指す。サイプの前記幅は、望ましくは0.5~1.5mmである。
図2に示されるように、サイプ9は、トレッド部2の外面における開口部から底部まで一定の幅で延びるものでも良い。以下、本明細書では、このような断面のサイプを非面取りサイプと呼ぶ。また、
図3に示されるように、サイプ9は、トレッド部2の外面に現れる両側のサイプエッジの一方又は両方が面取り部19で形成されても良い。以下、本明細書では、このような断面のサイプを面取りサイプと呼ぶ。面取りサイプの面取り部19は、トレッド部2の外面と前記内壁10wとに連なる傾斜面19sを含んで構成される。なお、面取りサイプの開口幅は、1.5mmを超えても良い。また、サイプ9の底部には、幅が1.5mmを超えるフラスコ底が連なっても良い。
【0030】
また、上述の横溝とは、トレッド部2に接地荷重が負荷した状態でも、溝が閉じずに水の移動経路を確保できるものを意味し、具体的には、溝壁間の距離が1.5mmよりも大きいものを意味する。なお、前記溝壁間の距離は、例えば、溝深さの中心位置で測定されるものとする。
【0031】
図1に示されるように、本発明の陸部4は、第1トレッド端T1を含む第1ショルダー陸部11と、第1ショルダー周方向溝5を介して第1ショルダー陸部11に隣接する第1ミドル陸部13とを含む。また、本実施形態の陸部4は、第2ショルダー陸部12、第2ミドル陸部14及びクラウン陸部15を含む。第2ショルダー陸部12は、第2トレッド端T2を含んでいる。第2ミドル陸部14は、第2ショルダー周方向溝6を介して第2ショルダー陸部12に隣接している。クラウン陸部15は、第1クラウン周方向溝7と第2クラウン周方向溝8との間に区分されている。
【0032】
図4には、第1ショルダー陸部11及び第1ミドル陸部13の拡大図が示されている。
図4に示されるように、第1ミドル陸部13には、第1ミドル陸部13をタイヤ軸方向に完全に横断する複数の第1ミドルサイプ16が設けられている。また、第1ショルダー陸部11には、第1ショルダー周方向溝5から少なくとも第1トレッド端T1まで延びる複数の第1ショルダーサイプ17が設けられている。本発明では、複数の第1ショルダーサイプ17のタイヤ周方向の1ピッチ長さP2は、複数の第1ミドルサイプ16のタイヤ周方向の1ピッチ長さP1よりも小さい。本発明では、上記の構成を採用したことによって、良好なウェット性能を維持しつつ、ノイズ性能を向上させることができる。その理由として、以下のメカニズムが推察される。
【0033】
本発明のタイヤ1は、周方向溝3が3本以上配されていることで、良好なウェット性能を維持することができる。一方、4つ以上の陸部4のそれぞれには、横溝が設けられていないため、横溝のポンピング音等が発生せず、ノイズ性能が向上する。また、本発明のタイヤ1は、陸部4のそれぞれに横溝が設けられていないことにより、転がり抵抗の低減も期待することができる。
【0034】
また、第1ショルダーサイプ17の1ピッチ長さP2が第1ミドルサイプ16の1ピッチ長さP1よりも小さいことにより、第1ショルダー陸部11の周方向剛性が緩和され、接地時の衝突音が小さくなる。とりわけ、第1ショルダー陸部11には横溝が配されておらず、ブロックが構成されていないため、第1ショルダー陸部11の接地面が路面から離れるときに、第1ショルダー陸部11が殆ど振動しない。このため、第1ショルダー陸部11が発生するノイズを確実に低減することができる。本発明では、以上のようなメカニズムにより、良好なウェット性能を維持しつつ、ノイズ性能を向上できると考えられる。
【0035】
以下、本実施形態のさらに詳細な構成が説明される。なお、以下で説明される各構成は、本実施形態の具体的態様を示すものである。したがって、本発明は、以下で説明される構成を具えないものであっても、上述の効果を発揮し得るのは言うまでもない。また、上述の特徴を具えた本発明のタイヤに、以下で説明される各構成のいずれか1つが単独で適用されても、各構成に応じた性能の向上は期待できる。さらに、以下で説明される各構成のいくつかが複合して適用された場合、各構成に応じた複合的な性能の向上が期待できる。
【0036】
本実施形態では、少なくとも、複数の第1ショルダーサイプ17のうち、任意で選ばれた互いに隣り合う2つの第1ショルダーサイプ17の1ピッチ長さP2が、前記2つの第1ショルダーサイプ17と隣り合う2つの第1ミドルサイプ16が構成する1ピッチ長さP1よりも小さい。望ましい態様では、タイヤ1周に亘る複数の第1ショルダーサイプ17の1ピッチ長さP2の平均値が、タイヤ1周に亘る複数の第1ミドルサイプ16の1ピッチ長さP1の平均値よりも小さい。このようなサイプの配置は、ノイズ性能をより確実に向上させることができる。
【0037】
ウェット性能とノイズ性能とをバランス良く高める観点から、前記1ピッチ長さP2は、例えば、前記1ピッチ長さP1の60%~90%であり、望ましくは70%~85%である。また、前記第1ピッチP1は、例えば、第1ミドル陸部13の接地面の幅W2の100%~130%である。
【0038】
第1ミドルサイプ16は、例えば、タイヤ軸方向に対して第1方向(本明細書の各図では、右下がりである。)に傾斜している。望ましい態様では、第1ミドルサイプ16のタイヤ軸方向に対する角度は、例えば、20~40°である。このような第1ミドルサイプ16は、ウェット走行時、タイヤ軸方向にも摩擦力を提供できる。
【0039】
第1ミドルサイプ16は、例えば、面取りサイプ(
図3に示す)として構成される。第1ミドルサイプ16の面取り部25は、例えば、定幅部25aと、内側拡幅部25bと、外側拡幅部25cとを含む。定幅部41aは、一定の面取り幅でサイプ長さ方向に延びている。内側拡幅部25bは、例えば、定幅部25aの第1クラウン周方向溝7側に連なっており、定幅部25aから第1クラウン周方向溝7まで面取り幅が大きくなっている。外側拡幅部25cは、例えば、定幅部25aの第1ショルダー周方向溝5側に連なっており、定幅部35aから第1ショルダー周方向溝5まで面取り幅が大きくなっている。このような面取り部25を有する第1ミドルサイプ16は、第1ミドル陸部13が接地するときの打音を小さくし、ノイズ性能をさらに高めることができる。
【0040】
定幅部25aは、例えば、第1ミドル陸部13のタイヤ軸方向の中心位置よりも第1トレッド端T1側に位置ずれして設けられている。これにより、内側拡幅部25bのタイヤ軸方向の長さL3は、外側拡幅部25cのタイヤ軸方向の長さL4よりも大きい。具体的には、内側拡幅部25bの前記長さL3は、第1ミドル陸部13の接地面の前記幅W2の40%~60%である。外側拡幅部25cの前記長さL4は、第1ミドル陸部13の接地面の前記幅W2の25%~35%である。これにより、第1ミドル陸部13のタイヤ赤道C側に大きな面取り部が形成され、ノイズ性能がより一層向上する。
【0041】
同様の観点から、内側拡幅部25bの最大の面取り幅W3は、外側拡幅部25cの最大の面取り幅W4よりも大きいのが望ましい。具体的には、内側拡幅部25bの前記面取り幅W3は、外側拡幅部25cの前記面取り幅W4の1.3~2.0倍である。
【0042】
図5には、
図4のA-A線断面図が示されている。
図5に示されるように、内側拡幅部25bの最大の深さd1は、外側拡幅部25cの最大の深さd2よりも大きい。具体的には、内側拡幅部25bの前記深さd1は、外側拡幅部25cの前記深さd2の1.5~2.5倍である。
【0043】
第1ミドルサイプ16は、例えば、溝底が局部的に隆起した第1ミドルタイバー26を含んでいる。第1ミドルタイバー26は、例えば、第1ミドルサイプ16をタイヤ軸方向に3等分したときの中央の領域に配されている。第1ミドルタイバー26のタイヤ軸方向の長さL5は、第1ミドル陸部13の接地面のタイヤ軸方向の幅W2(
図4に示す)の30%~50%である。なお、第1ミドルタイバーのタイヤ軸方向の長さが、タイヤ半径方向で変化する場合、前記長さは、タイヤ半径方向の中心位置で測定するものとする。第1ミドル陸部13の接地面から第1ミドルタイバー26の外面までの深さd4は、第1ミドルサイプ16の最大の深さd3の50%~70%である。このような第1ミドルタイバー26は、ノイズ性能を高めつつ、転がり抵抗を低減させるのにも役立つ。
【0044】
図4に示されるように、第1ショルダーサイプ17は、例えば、非面取りサイプ(
図2に示す)として構成されている。第1ショルダーサイプ17は、例えば、タイヤ軸方向に対して第1ミドルサイプ16よりも小さい角度で配されている。第1ショルダーサイプ17のタイヤ軸方向に対する角度は、例えば、10°以下である。本実施形態の第1ショルダーサイプ17は、例えば、前記第1方向に傾斜している。
【0045】
図6には、
図4のB-B線断面図が示されている。
図6に示されるように、第1ショルダーサイプ17は、第1ショルダー周方向溝5側から第1トレッド端T1側に向かって深さが小さくなっている。本実施形態では、第1ショルダーサイプ17の深さが第1トレッド端T1側に向かって連続して小さくなっている。第1ショルダーサイプ17の第1トレッド端T1での深さd6は、例えば、第1ショルダーサイプ17の最大の深さd5の10%~70%であり、望ましくは20~65%である。このような第1ショルダーサイプ17は、第1トレッド端T1付近の剛性を高めて操縦安定性を向上させるとともに、第1ショルダー陸部11が接地するときの打音を緩和することができる。
【0046】
図4に示されるように、第1ショルダー陸部11には、複数の第1途切れサイプ18が設けられている。第1途切れサイプ18は、第1ショルダー周方向溝5から延び、かつ、第1トレッド端T1に達することなく第1ショルダー陸部11内で途切れている。本実施形態では、第1ショルダーサイプ17と第1途切れサイプ18とがタイヤ周方向に交互に設けられている。このような第1途切れサイプ18は、ウェット性能とノイズ性能とをバランス良く高めるのに役立つ。
【0047】
第1途切れサイプ18は、例えば、第1ショルダーサイプ17に沿って延びている。第1途切れサイプ18と第1ショルダーサイプ17との角度差は、例えば、5°以下であり、望ましい態様ではこれらが平行に配されている。第1途切れサイプ18のタイヤ軸方向の長さL6は、例えば、第1ショルダー陸部11の接地面の幅W5の30%~50%である。このような第1途切れサイプ18は、ウェット性能とノイズ性能とをバランス良く向上させる。
【0048】
第1途切れサイプ18は、例えば、面取りサイプ(
図3に示す)として構成されている。望ましい態様では、第1途切れサイプ18の面取り部28の面取り幅は、例えば、途切れ端18aの側から第1ショルダー周方向溝5の側に向かって連続的に大きくなっている。第1ショルダー陸部11の接地面に表れる第1ショルダーサイプ17の一方のエッジと他方のエッジとの間の角度θ1は、例えば、5~15°である。これにより、ノイズ性能がより一層向上する。
【0049】
図7には、
図4のC-C線断面図が示されている。
図7に示されるように、第1途切れサイプ18は、第1ショルダー周方向溝5側に配された第1部分33と、途切れ端18a側に配され、かつ、第1部分33よりも小さい深さの第2部分34とを含む。第2部分34の深さd8は、例えば、第1部分33の深さd7の60%~75%である。これにより、転がり抵抗を抑制しつつ、優れたノイズ性能が発揮される。
【0050】
図8には、第2ミドル陸部14及び第2ショルダー陸部12の拡大図が示されている。
図8に示されるように、第2ミドル陸部14には、第2ミドル陸部14をタイヤ軸方向に完全に横断する複数の第2ミドルサイプ21が設けられている。また、第2ショルダー陸部12には、第2ショルダー周方向溝6から少なくとも第2トレッド端T2まで延びる複数の第2ショルダーサイプ22が設けられている。
【0051】
本実施形態では、複数の第2ショルダーサイプ22のタイヤ周方向の1ピッチ長さP4は、複数の第2ミドルサイプ21のタイヤ周方向の1ピッチ長さP3よりも小さいのが望ましい。このようなサイプの配置は、上述のメカニズムによってウェット性能及びノイズ性能をより一層高めることができる。
【0052】
本実施形態では、少なくとも、複数の第2ショルダーサイプ22のうち、任意で選ばれた互いに隣り合う2つの第2ショルダーサイプ22の1ピッチ長さP4が、前記2つの第2ショルダーサイプ22と隣り合う2つの第2ミドルサイプ21が構成する1ピッチ長さP3よりも小さい。望ましい態様では、タイヤ1周に亘る複数の第2ショルダーサイプ22の1ピッチ長さP4の平均値が、タイヤ1周に亘る複数の第1ミドルサイプ16の1ピッチ長さP3の平均値よりも小さい。このようなサイプの配置は、ノイズ性能をより確実に向上させることができる。
【0053】
ウェット性能とノイズ性能とをバランス良く高める観点から、前記1ピッチ長さP4は、例えば、前記1ピッチ長さP3の70%~95%であり、望ましくは80%~90%である。
【0054】
複数の第2ショルダーサイプ22のタイヤ軸方向の内端22iは、いずれも、第2ミドルサイプ21のタイヤ軸方向の外端21oに対してタイヤ周方向で異なる位置に設けられているのが望ましい。また、第2ミドルサイプ21と第2ショルダーサイプ22とがタイヤ軸方向で隣接している場合、第2ショルダーサイプ22の内端22iと第2ミドルサイプ21の外端21oとのタイヤ周方向の距離は、例えば、1.0~3.0mmであり、望ましくは1.5~2.5mmである。これにより、各サイプのピッチ音が重複するのを防ぐことができる。
【0055】
第2ミドルサイプ21は、例えば、タイヤ軸方向に対して前記第1方向とは逆向きの第2方向(本明細書の各図では、右上がりである。第2ミドルサイプ21のタイヤ軸方向に対する角度は、例えば、20~40°である。このような第2ミドルサイプ21は、ウェット走行時、タイヤ軸方向にも摩擦力を提供できる。
【0056】
第2ミドルサイプ21は、例えば、面取りサイプ(
図3に示す)として構成される。第2ミドルサイプ21の面取り部35は、例えば、定幅部35aと、定幅部35aよりも第2クラウン周方向溝8側の内側拡幅部35bと、定幅部35aよりも第2ショルダー周方向溝6側の外側拡幅部35cとを含む。これらには、上述の第1ミドルサイプ16の面取り部25の定幅部25a、内側拡幅部25b及び外側拡幅部25c(
図4に示す)の構成を適用することができ、ここでの説明は省略される。
【0057】
また、第2ミドルサイプ21は、その長さ方向に沿った断面において、上述の第1ミドルサイプ16の構成(
図5に示す)を適用することができる。
【0058】
望ましい態様では、第2ミドルサイプ21の最大の深さは、第2ショルダーサイプ22の最大の深さよりも小さいのが望ましい。これにより、第2ミドル陸部14の剛性が維持されるため、操縦安定性が向上し、かつ、転がり抵抗が小さくなる。
【0059】
第2ショルダーサイプ22には、上述の第1ショルダーサイプ17の構成を適用することができ、ここでの説明は省略される。
【0060】
本実施形態の第2ショルダー陸部12には、複数の第2途切れサイプ23が設けられている。第2途切れサイプ23は、例えば、非面取りサイプ(
図2に示す)として構成される。第2途切れサイプ23は、第2ショルダー周方向溝6から延び、かつ、第2トレッド端T2に達することなく第2ショルダー陸部12内で途切れている。また、本実施形態では、第2ショルダーサイプ22と第2途切れサイプ23とがタイヤ周方向に交互に配されている。このような第2途切れサイプ23は、ウェット性能及びノイズ性能を高めるのに役立つ。
【0061】
第2途切れサイプ23は、例えば、タイヤ軸方向に対して前記第2方向に傾斜している。第2途切れサイプ23と第2ショルダーサイプ22との角度差は、例えば、5°以下である。また、第2途切れサイプ23のタイヤ軸方向の長さL7は、例えば、第2ショルダー陸部12の接地面のタイヤ軸方向の幅W6の80%~95%である。このような第2途切れサイプ23は、第2トレッド端T2付近の偏摩耗を抑制しつつ、ウェット性能を高めることができる。
【0062】
図9には、クラウン陸部15の拡大図が示されている。
図9に示されるように、クラウン陸部15には、複数の第1クラウンサイプ31及び複数の第2クラウンサイプ32が設けられている。第1クラウンサイプ31及び第2クラウンサイプ32は、例えば、非面取りサイプ(
図2に示す)として構成される。第1クラウンサイプ31は、例えば、第1クラウン周方向溝7から延び、かつ、クラウン陸部15内で途切れている。第2クラウンサイプ32は、例えば、第2クラウン周方向溝8から延び、かつ、クラウン陸部15内で途切れている。このような第1クラウンサイプ31及び第2クラウンサイプ32は、転がり抵抗を低減し、かつ、ノイズ性能を高めることができる。
【0063】
上述の効果を確実に発揮させるために、第1クラウンサイプ31及び第2クラウンサイプ32は、それぞれ、クラウン陸部15のタイヤ軸方向の中心位置を横断しておらず、かつ、タイヤ赤道Cを横断していない。第1クラウンサイプ51又は第2クラウンサイプ52のタイヤ軸方向の長さL8は、例えば、クラウン陸部15の接地面のタイヤ軸方向の幅W7の15%~30%である。
【0064】
第1クラウンサイプ31及び第2クラウンサイプ32は、例えば、タイヤ軸方向に対して前記第1方向に傾斜している。第1クラウンサイプ31又は第2クラウンサイプ32のタイヤ軸方向に対する角度は、例えば、20~40°である。これにより、クラウン陸部15の偏摩耗が抑制される。
【0065】
本実施形態では、各陸部において、上述のサイプの他には、サイプが設けられていない。これにより、上述の各種の性能がバランス良く発揮される。但し、本発明は、このような態様に限定されるものではない。
【0066】
以上、本発明の一実施形態のタイヤが詳細に説明されたが、本発明は、上記の具体的な実施形態に限定されることなく、種々の態様に変更して実施され得る。
【実施例0067】
図1の基本パターンを有するサイズ235/55R19のタイヤが表1の仕様に基づき試作された。なお、各実施例のタイヤの間において、第1ミドルサイプの1ピッチ長さP1は共通している。同様に、各実施例のタイヤの間において、第2ミドルサイプの1ピッチ長さP3は共通している。
【0068】
また、比較例として、第1ショルダーサイプの1ピッチ長さP2と第1ミドルサイプの1ピッチ長さP1とが同一であり、かつ、第2ショルダーサイプの1ピッチ長さP4と第2ミドルサイプの1ピッチ長さP3とが同一であるタイヤが試作された。なお、比較例のタイヤは、上述の事項を除き、
図1で示されるものと実質的に同じパターンを有している。また、比較例の第1ミドルサイプの1ピッチ長さP1及び第2ミドルサイプの1ピッチ長さP2は、各実施例と共通している。
【0069】
また、ノイズ性能を比較するための基準となるタイヤ(基準タイヤ)として、トレッド部の各陸部の幅が
図1に示されるものと同一であり、かつ、各陸部には溝及びサイプが設けられていないタイヤが試作された。
【0070】
各テストタイヤのウェット性能及びノイズ性能がテストされた。各テストタイヤの共通仕様やテスト方法は、以下の通りである。
装着リム:19×7.5J
タイヤ内圧:前輪230kPa、後輪210kPa
テスト車両:排気量2000cc、四輪駆動車
タイヤ装着位置:全輪
【0071】
<ウェット性能>
上記テスト車両でウェット路面を走行したときのウェット性能が、運転者の官能により評価された。結果は、比較例の前記ウェット性能を100とする評点であり、数値が大きい程、ウェット性能が優れていることを示す。
【0072】
<ノイズ性能>
上記テスト車両で70km/hの速度でドライ路面を走行したときの車外騒音の最大の音圧が測定された。結果は、前記基準タイヤの前記音圧との差である音圧減少量が、比較例の前記音圧減少量を100とする指数で示されている。この指数が大きい程、前記ノイズの最大の音圧が小さく、優れたノイズ性能を発揮していることを示す。
テストの結果が表1に示される。
【0073】
【0074】
テストの結果、実施例のタイヤは、良好なウェット性能を維持しつつ、ノイズ性能を向上させていることが確認できた。