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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022166733
(43)【公開日】2022-11-02
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/14 20060101AFI20221026BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20221026BHJP
   G03G 15/08 20060101ALI20221026BHJP
【FI】
G03G21/14
G03G21/00 370
G03G15/08 235
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021072137
(22)【出願日】2021-04-21
(71)【出願人】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096426
【弁理士】
【氏名又は名称】川合 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100116207
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 俊明
(72)【発明者】
【氏名】星野 雅彦
【テーマコード(参考)】
2H077
2H270
【Fターム(参考)】
2H077AC04
2H077AD02
2H077AD06
2H077AD13
2H077DA18
2H077DA24
2H077GA02
2H077GA03
2H270KA19
2H270LA25
2H270LA28
2H270LA70
2H270LD01
2H270MA01
2H270MA13
2H270MB21
2H270MB22
2H270MB27
2H270MF08
2H270QA03
2H270SA11
2H270ZC03
2H270ZC04
2H270ZC08
(57)【要約】
【課題】現像剤担持体に結露が発生していても、画像品位が低下したり、像担持体の寿命が短くなったり、印刷スループットが低下したりするのを防止することができる。
【解決手段】装置本体と、像担持体、帯電部材、及び像担持体上の潜像を現像する現像剤担持体を備え、装置本体内に配設された画像形成ユニットと、帯電部材によって帯電させられた像担持体を露光して潜像を形成する露光装置と、画像形成装置の前回の使用時から今回の使用時までの経過時間が閾値時間未満であり、画像形成装置の前回の使用時と今回の使用時との温度差が閾値温度以上である場合に、露光される前の像担持体の表面電位と現像剤担持体に印加される現像電圧との電位差を小さくする電圧制御処理部Pr4とを有する。結露が発生していても、現像剤担持体から像担持体に付着させられる現像剤を多くすることができるので、画像品位を向上させることができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)装置本体と、
(b)像担持体、該像担持体を帯電させる帯電部材、及び前記像担持体に当接させて配設され、現像剤を像担持体に付着させて像担持体上の潜像を現像する現像剤担持体を備え、前記装置本体内に配設された画像形成ユニットと、
(c)前記帯電部材によって帯電させられた像担持体を露光して前記潜像を形成する露光装置と、
(d)画像形成装置の前回の使用時から今回の使用時までの経過時間が閾値時間未満であり、画像形成装置の前回の使用時と今回の使用時との温度差が閾値温度以上である場合に、露光される前の像担持体の表面電位と現像剤担持体に印加される現像電圧との電位差を小さくする電圧制御処理部とを有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記温度差は、画像形成装置の今回の使用時における装置本体内の温度と、装置本体内に配設された所定の部材の温度との温度差である請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記所定の部材は、転写ユニットのベルトである請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記温度差は、画像形成装置の今回の使用時における装置本体内の温度と前回の使用時における装置本体内の温度との温度差である請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記電圧制御処理部は、画像形成装置の前回の使用時から今回の使用時までの時間が閾値時間未満であり、画像形成装置の前回の使用時と今回の使用時との間に生じた温度差が閾値温度以上であり、画像形成装置の前回の使用時と今回の使用時との間に生じた湿度差が閾値湿度以上である場合に、前記電位差を小さくする請求項1~4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記電圧制御処理部は、前記露光装置に印加する露光電圧を補正することによって前記電位差を小さくする請求項1~5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記電圧制御処理部は、前記現像剤担持体に印加する現像電圧を補正することによって前記電位差を小さくする請求項1~5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
(a)前記各画像形成ユニットは、現像剤担持体に現像剤を供給する現像剤供給部材を備え、
(b)前記電圧制御処理部は、前記電位差が小さい場合に、前記現像剤供給部材に印加する供給電圧を補正する請求項1~7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、プリンタ、複写機、ファクシミリ装置、複合機等の画像形成装置、例えば、電子写真式のプリンタは画像形成ユニットを備え、該画像形成ユニットにおいて、帯電ローラによって一様に帯電させられた像担持体としての感光体ドラムの表面がLEDヘッドによって露光されて静電潜像が形成され、現像剤担持体としての現像ローラによって静電潜像が現像されて感光体ドラム上にトナー像が形成されるようになっている。
【0003】
前記プリンタにおいては、用紙カセットから給紙された用紙が、媒体搬送装置としての用紙搬送装置によって用紙搬送路を搬送され、感光体ドラムと転写ローラとの間においてトナー像が用紙に転写され、定着器においてトナー像が用紙に定着させられる。このようにして、用紙に画像が形成されて印刷が行われる。
【0004】
ところで、プリンタが湿度の高い環境下に置かれ、画像形成ユニット内で現像ローラに結露が発生すると、結露によって生じた水分が、感光体ドラムと現像ローラとの接触部にトナーと共に付着する。
【0005】
その場合、水分が付着した部分において感光体ドラムの表面電位が高くなるので、露光される前の感光体ドラムの表面電位と現像剤担持体に印加される現像電圧との電位差が大きくなる。
【0006】
その結果、感光体ドラムの回転の周期で画像に横白帯が発生し、画像品位が低下してしまう。
【0007】
そこで、現像ローラから感光体ドラムに流れ込む電流の値を検出し、印刷が開始される前に、前記電流の値に応じた時間感光体ドラムを回転させることによって、感光体ドラムと現像ローラとの間の水分を除去するようにしたプリンタが提供されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2015-31730号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、前記従来のプリンタにおいては、感光体ドラムが無用に回転させられるので、現像ローラとの摩擦によって感光体ドラムの表面が摩耗し、感光体ドラムの寿命が短くなったり、印刷が開始されるまでの待機時間が長くなって印刷スループットが低下したりする。
【0010】
本発明は、前記従来のプリンタの問題点を解決して、現像剤担持体に結露が発生していても、画像品位が低下したり、像担持体の寿命が短くなったり、印刷スループットが低下したりするのを防止することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
そのために、本発明の画像形成装置においては、装置本体と、像担持体、該像担持体を帯電させる帯電部材、及び前記像担持体に当接させて配設され、現像剤を像担持体に付着させて像担持体上の潜像を現像する現像剤担持体を備え、前記装置本体内に配設された画像形成ユニットと、前記帯電部材によって帯電させられた像担持体を露光して前記潜像を形成する露光装置と、画像形成装置の前回の使用時から今回の使用時までの経過時間が閾値時間未満であり、画像形成装置の前回の使用時と今回の使用時との温度差が閾値温度以上である場合に、露光される前の像担持体の表面電位と現像剤担持体に印加される現像電圧との電位差を小さくする電圧制御処理部とを有する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、画像形成装置においては、装置本体と、像担持体、像担持体を帯電させる帯電部材、及び前記像担持体に当接させて配設され、現像剤を像担持体に付着させて像担持体上の潜像を現像する現像剤担持体を備え、前記装置本体内に配設された画像形成ユニットと、前記帯電部材によって帯電させられた像担持体を露光して前記潜像を形成する露光装置と、画像形成装置の前回の使用時から今回の使用時までの経過時間が閾値時間未満であり、画像形成装置の前回の使用時と今回の使用時との温度差が閾値温度以上である場合に、露光される前の像担持体の表面電位と現像剤担持体に印加される現像電圧との電位差を小さくする電圧制御処理部とを有する。
【0013】
この場合、画像形成装置の前回の使用時から今回の使用時までの経過時間が閾値時間未満であり、画像形成装置の前回の使用時と今回の使用時との温度差が閾値温度以上である場合に、露光される前の像担持体の表面電位と現像剤担持体に印加される現像電圧との電位差が小さくされるので、現像剤担持体に結露が発生していても、現像剤担持体から像担持体に付着させられる現像剤を多くすることができる。したがって、画像品位が低下するのを防止することができる。
【0014】
また、像担持体が無用に回転させられることがないので、像担持体の寿命が短くなったり、印刷スループットが低下したりするのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の第1の実施の形態におけるプリンタの制御ブロック図である。
図2】本発明の第1の実施の形態におけるプリンタの概念図である。
図3】本発明の第1の実施の形態における画像形成ユニットの概念図である。
図4】本発明の第1の実施の形態におけるプリンタの置かれた環境の変化、プリンタの放置等に伴う結露発生リスクについて説明するための図である。
図5】本発明の第1の実施の形態における帯電電圧補正値テーブルの例を示す図である。
図6】本発明の第1の実施の形態における用紙に形成された画像の例を示す第1の図である。
図7】本発明の第1の実施の形態における用紙に形成された画像の例を示す第2の図である。
図8】本発明の第1の実施の形態における用紙に形成された画像の評価方法及び評価結果を説明するための図である。
図9】本発明の第1の実施の形態におけるプリンタの制御装置の動作を示す第1のフローチャートである。
図10】本発明の第1の実施の形態におけるプリンタの制御装置の動作を示す第2のフローチャートである。
図11】空気中の水分量とプリンタの放置時間との関係の例を示す図である。
図12】低温状態から温度を上昇させたときの空気中の水分量の推移の例を示す図である。
図13】低湿度状態から湿度を上昇させたときの空気中の水分量の推移の例を示す図である。
図14】本発明の第2の実施の形態における供給電圧補正値テーブルの例である。
図15】本発明の第2の実施の形態における用紙に形成された画像の評価方法及び評価結果を説明するための図である。
図16】本発明の第2の実施の形態におけるプリンタの制御装置の動作を示す第1のフローチャートである。
図17】本発明の第2の実施の形態におけるプリンタの制御装置の動作を示す第2のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。この場合、画像形成装置としてのプリンタについて説明する。
【0017】
図2は本発明の第1の実施の形態におけるプリンタの概念図である。
【0018】
図において、10はプリンタであり、該プリンタ10は、画像形成装置本体部としてのプリンタ本体部Mb、該プリンタ本体部Mbに媒体としての図示されない長尺状の用紙、例えば、ラベル紙を供給するフィーダユニットFd、及び該フィーダユニットFdと前記プリンタ本体部Mbとの間に配設され、フィーダユニットFdからプリンタ本体部Mbに用紙を給紙する給紙部Spを備える。
【0019】
前記フィーダユニットFdにおいて、12は、任意のサイズ(幅及び長さ)並びに厚さの用紙を巻くことによって形成されたロール状の媒体としてのロール紙、14は、ロール紙12を回転自在に保持し、回転に伴って用紙を繰り出す繰出装置である。該繰出装置14から繰り出された用紙は、前記フィーダユニットFd、給紙部Sp及びプリンタ本体部Mbにわたって形成された媒体搬送路としての用紙搬送路Rtに沿って搬送される。
【0020】
前記給紙部Spにおいて、16は用紙搬送路Rtの下方で用紙を案内する下方案内部、17は、ヒンジhgによって下方案内部16に対して揺動自在に配設され、用紙搬送路Rtの上方で用紙を案内する上方案内部である。該上方案内部17は、給紙部Spで紙詰まりが発生したときに用紙搬送路Rtを開放するためのジャム解除カバーとして機能する。
【0021】
そして、給紙部Spには、前記下方案内部16に配設されたローラra及び上方案内部17に配設されたローラrbから成る第1の搬送部材としての搬送ローラ対m1が配設され、該搬送ローラ対m1によって搬送された用紙がプリンタ本体部Mbに送られる。
【0022】
該プリンタ本体部Mbにおいて、Csは前記プリンタ本体部Mbの筐体、Bdは、筐体Cs内に形成されたプリンタ10の本体、すなわち、装置本体、20は、装置本体Bdの下部に配設され、プリンタ10の制御装置の主要部を構成する制御基板部である。
【0023】
前記筐体Csは、前壁Wf、背壁Wr、頂壁Wt等から成り、前記前壁Wfに、フィーダユニットFdから給紙された用紙を受けるための給紙口h1が、背壁Wrに、プリンタ本体部Mbにおいて画像が形成された用紙を排出するための排出口h2が形成される。
【0024】
また、Cuは前壁Wfに隣接させて配設されたカッタユニットであり、該カッタユニットCuは、給紙口h1を介して供給された用紙を搬送する第2の搬送部材として搬送ローラ対m2、及び該搬送ローラ対m2より下流側に配設され、用紙を所定の長さにカットする回転式のカッタ23を備える。
【0025】
カッタユニットCuより下流側には第3の搬送部材としての搬送ローラ対m3が配設され、該搬送ローラ対m3より下流側には、用紙の前端を検出し、用紙への画像の書出し位置を設定するための第1の媒体検出部としての書出センサs1が配設され、該書出しセンサs1より下流側には画像形成部Q1が配設される。
【0026】
該画像形成部Q1は、用紙搬送路Rtにおける上流側から下流側にかけて配設された複数の、本実施の形態においては、イエロー、マゼンタ及びシアンの3個の画像形成ユニット21Y、21M、21C、該各画像形成ユニット21Y、21M、21Cに配設された像担持体としての感光体ドラム22、該感光体ドラム22と対向させて配設された露光装置としてのLEDヘッド24、並びに各画像形成ユニット21Y、21M、21Cの下方に配設された転写ユニットu1を備える。
【0027】
前記各LEDヘッド24は、印刷データに基づいて感光体ドラム22を露光し、感光体ドラム22の表面に選択的に光を照射し、潜像としての静電潜像を形成する。
【0028】
そして、30は、用紙搬送路Rtにおける画像形成部Q1より下流側に配設された定着装置としての定着器である。該定着器30は、第1の定着部材としての加熱ローラ31、及び第2の定着部材としての加圧ローラ32を備える。
【0029】
前記用紙搬送路Rtにおける定着器30より下流側には、背壁Wrに隣接させて排出部材としての排出ローラ対m4が配設され、該排出ローラ対m4より下流側には、用紙の後端を検出する第2の媒体検出部としての排出センサs2が配設される。
【0030】
次に、前記画像形成ユニット21Y、21M、21Cについて説明する。
【0031】
図3は本発明の第1の実施の形態における画像形成ユニットの概念図である。なお、画像形成ユニット21Y、21M、21Cは、現像剤としての後述されるトナーの色が異なるだけでいずれも同じ構造を有するので、図3においては画像形成ユニット21Yだけを図示する。
【0032】
画像形成ユニット21Y、21M、21Cは、画像形成ユニット21Y、21M、21Cの本体、すなわち、ユニット本体33、及び該各ユニット本体33に対して着脱自在に配設された現像剤収容装置としてのトナー収容装置Ctを備える。
【0033】
該トナー収容装置Ctは、各色の図示されない新品のトナーを収容する図示されない第1の現像剤収容部としてのトナー収容室、及び該トナー収容室に隣接させて配設され、廃棄現像剤としての廃トナーを収容する第2の現像剤収容部としての廃トナーボックスBxを備える。該廃トナーボックスBxが満杯になると、操作者は廃トナーボックスBxを交換するよう促される。
【0034】
本実施の形態において、前記トナーは、ポリエステル樹脂、着色剤、帯電制御剤及び離型剤によって粉砕法で形成された、平均粒径が7〔μm〕の粉砕形状を有するトナー粒子、及び該トナー粒子に添加された疎水シリカ等の外添剤から成る。
【0035】
前記ユニット本体33内には、回転自在に配設された前記感光体ドラム22、該感光体ドラム22に当接させて回転自在に配設された帯電装置としての帯電ローラ34、前記感光体ドラム22に当接させて回転自在に配設された現像剤担持体としての現像ローラ36、該現像ローラ36に当接させて回転自在に配設された現像剤供給部材としての供給ローラ38、現像ローラ36に圧接させて配設された現像剤規制部材としての現像ブレード39、感光体ドラム22に当接させて配設された第1のクリーニング部材としてのクリーニングブレード41、該クリーニングブレード41の下方において回転自在に配設され、前記廃トナーを前記廃トナーボックスBxに搬送する廃棄現像剤搬送部材としての搬送コイル43、帯電ローラ34に当接させて配設され、帯電ローラ34に付着したトナーを除去する第2のクリーニング部材としてのクリーニングローラ44等を備える。
【0036】
前記感光体ドラム22は、後述される駆動モータM1(図1)を駆動することによって矢印A方向に回転させられる。
【0037】
前記帯電ローラ34は感光体ドラム22の表面を一様に帯電させる。そのために、帯電ローラ34には、後述される第1の電圧制御部としての帯電電圧制御部Eaによって所定の帯電電圧が印加される。
【0038】
前記現像ローラ36は、金属製のシャフト、及び該シャフトの外周に配設された、ゴム硬度が70〔°〕(アスカーC)の半導電性のウレタンゴムから成る弾性体によって形成され、感光体ドラム22の表面に形成された静電潜像にトナーを付着させることによって静電潜像を現像し、可視像である各色の現像剤像としてのトナー像を形成する。そのために、現像ローラ36には、後述される第2の電圧制御部としての現像電圧制御部Ebによって所定の現像電圧が印加される。
【0039】
前記供給ローラ38は、現像ローラ36と同じ方向に回転させられ、前記トナー収容室からユニット本体33に供給されたトナーを現像ローラ36に供給するとともに、トナーを摩擦帯電させる。そのために、供給ローラ38には、後述される第3の電圧制御部としての供給電圧制御部Ecによって所定の供給電圧が印加される。
【0040】
前記現像ブレード39は、供給ローラ38によって現像ローラ36に供給されたトナーを薄層化し、現像剤層としてのトナー層を形成する。そのために、現像ブレード39には、後述される第4の電圧制御部としての規制電圧制御部Edによって所定の規制電圧が印加される。
【0041】
前記クリーニングブレード41は、感光体ドラム22上に残留したトナー、劣化し、現像ローラ36によって感光体ドラム22に付着させられたトナー等を掻き取り、廃トナーとして除去する。
【0042】
次に、前記転写ユニットu1について説明する。
【0043】
該転写ユニットu1は、駆動ローラR1、従動ローラR2、駆動ローラR1及び従動ローラR2によって走行自在に張設され、走行に伴って用紙を搬送するベルト26、該ベルト26を介して前記各感光体ドラム22と対向させて回転自在に配設された転写部材としての転写ローラ27、前記ベルト26と対向させて配設された第3のクリーニング部材としてクリーニングブレード28等を備える。
【0044】
前記転写ローラ27は、感光体ドラム22に形成された各色のトナー像を用紙に転写する。
【0045】
そのために、転写ローラ27には、後述される第5の電圧制御部としての転写電圧制御部Eeによって所定の転写電圧が印加される。
【0046】
前記クリーニングブレード28は、ベルト26に付着したトナー等を掻き取り、除去する。
【0047】
次に、前記構成のプリンタ10の動作について説明する。
【0048】
前記フィーダユニットFdにおいて、用紙が、繰出装置14によって用紙搬送路Rtに繰り出され、給紙部Spに給紙され、搬送ローラ対m1によって搬送され、プリンタ本体部Mbに供給される。装置本体Bd内において、用紙は、搬送ローラ対m2によって搬送されてカッタユニットCuに送られ、所定のタイミングでカットされる。
【0049】
カットされた用紙は、搬送ローラ対m3によって画像形成部Q1に送られ、該画像形成部Q1においてベルト26によって搬送され、各画像形成ユニット21Y、21M、21Cの感光体ドラム22と転写ユニットu1の転写ローラ27との間を搬送される。
【0050】
各画像形成ユニット21Y、21M、21Cにおいては、感光体ドラム22の表面が、帯電ローラ34によって一様に帯電させられ、LEDヘッド24によって露光されて、感光体ドラム22上に静電潜像が形成される。
【0051】
また、各トナー収容装置Ctからユニット本体33内に供給されたトナーは、供給ローラ38の回転に伴って帯電させられながら現像ローラ36に供給され、現像ローラ36上において現像ブレード39によって薄層化され、感光体ドラム22上の前記静電潜像に静電的に付着させられて各色のトナー像を形成する。
【0052】
そして、転写ユニットu1において、各転写ローラ27に所定の転写電圧が印加されるのに伴って、各感光体ドラム22上に形成された各色のトナー像が、静電気力によって、順次重ねて用紙に転写され、用紙にカラーのトナー像が形成される。
【0053】
続いて、用紙は定着器30に送られ、該定着器30において、カラーのトナー像が、加熱ローラ31によって加熱され、加圧ローラ32によって用紙に押し付けられて定着させられて、用紙にカラーの画像が形成される。定着器30から排出された用紙は、排出ローラ対m4によって排出口h2から装置本体Bd外に排出される。
【0054】
ところで、プリンタ10が湿度の高い環境下に置かれると、画像形成ユニット21Y、21M、21C内において現像ローラ36に結露が発生することがある。その場合、結露によって生じた水分が、感光体ドラム22と現像ローラ36との接触部(ニップ部)にトナーと共に付着し転写後においても、クリーニングブレード41によって除去されず感光体ドラム22上に残留する。
【0055】
そして、水分が付着した部分において感光体ドラム22の表面電位が高くなるので、露光される前の感光体ドラム22の表面電位と現像ローラ36に印加される現像電圧との電位差が大きくなる。
【0056】
その結果、水分が付着した部分において現像ローラ36から感光体ドラム22に付着させられるトナーが少なくなり、感光体ドラム22の回転の周期で画像に横白帯が発生し、画像品位が低下してしまう。
【0057】
そこで、本実施の形態においては、プリンタ10の前回の使用時において後述される印刷処理部Pr1による印刷処理が終了し、操作者によってプリンタ10の電源がオフにされたとき(以下、「電源オフ時」という。)から、今回の使用時において操作者によってプリンタ10の電源がオンにされ、印刷処理部Pr1による印刷処理が開始されたとき(以下、「電源オン時」という。)までの経過時間であるプリンタ10の放置時間、温度、湿度等の環境の変化等に基づいて、現像ローラ36に結露が発生しているかどうかが判断され、結露が発生している場合に、帯電電圧が補正されるようになっている。
【0058】
次に、プリンタ10の制御装置について説明する。
【0059】
図1は本発明の第1の実施の形態におけるプリンタの制御ブロック図である。
【0060】
図において、10はプリンタ、PCは、有線又は無線のLAN等によってプリンタ10に接続された情報入力装置としての、かつ、上位装置としてのホストコンピュータである。
【0061】
また、50は制御部、IFは、プリンタ10とホストコンピュータPCとを接続し、ホストコンピュータPCから、印刷データ、印刷命令(制御コマンド)等から成る印刷ジョブを受信したり、プリンタ10のステータス情報をホストコンピュータPCに送信したりする通信部としてのインタフェース部、53は第1の記憶部としてのROM(Read Only Memory)、54は第2の記憶部としてのRAM(Random Access Memory)、55は、年月日及び時刻から成る日時を計時したり、経過時間を計時したりする計時装置(タイマ)、56は操作・表示部としての操作パネル、s3は、前記装置本体Bd(図2)内の温度を検出する第1の環境情報取得部としての、かつ、温度検出部としての温度センサ、s4は、装置本体Bd内の湿度を検出する第2の環境情報取得部としての、かつ、湿度検出部としての湿度センサ、s5は、前記ベルト26の温度、すなわち、ベルト温度を検出する第3の環境情報取得部としての、かつ、ベルト温度検出部としてのベルト温度センサである。
【0062】
該ベルト温度センサs5は、ベルト26の走行方向における、所定の画像形成ユニット、本実施の形態においては、画像形成ユニット21Cより下流側においてベルト26と対向させて配設され、前記温度センサs3及び湿度センサs4は画像形成ユニット21Cの近傍に配設される。
【0063】
また、図において、Eaは帯電ローラ34に帯電電圧を印加する帯電電圧制御部、Ebは現像ローラ36に現像電圧を印加する現像電圧制御部、Ecは供給ローラ38に供給電圧を印加する供給電圧制御部、Edは現像ブレード39に規制電圧を印加する規制電圧制御部、Eeは転写ローラ27に転写電圧を印加する転写電圧制御部、Dr1はLEDヘッド24を駆動するヘッドドライバ、Dr2は、感光体ドラム22を回転させる駆動モータM1を駆動するモータドライバである。
【0064】
前記駆動モータM1が駆動されると、感光体ドラム22が回転させられ、感光体ドラム22の回転に伴って帯電ローラ34が連回りで回転させられる。そして、感光体ドラム22、現像ローラ36及び供給ローラ38の一方の端部には、回転を伝達する図示されないギヤが配設され、現像ローラ36及び供給ローラ38の各ギヤと感光体ドラム22のギヤとが噛合させられる。したがって、感光体ドラム22が回転させられると、現像ローラ36及び供給ローラ38が連動して回転させられる。
【0065】
また、駆動モータM1が駆動され、感光体ドラム22が回転させられると、帯電ローラ34が感光体ドラム22の回転に従動して回転させられ、現像ローラ36、供給ローラ38等が、感光体ドラム22に連結された図示されないギヤ列を介して回転させられる。
【0066】
前記制御部50は、図示されない演算装置としてのCPU(Central Processing Unit)、入出力ポート、タイマ等を備え、プリンタ10の全体の制御を行うとともに、ROM53に記録されたプログラム(ソフトウェア)、制御データ等に基づいて各種の処理を行う。
【0067】
前記ROM53には、前記プログラムのほかに、制御部50が前記各種の処理を行うために必要な設定値、閾値等が記録されるだけでなく、後述される情報取得処理部Pr2によって取得された情報、後述される電圧制御処理部Pr4によって帯電電圧を補正するための帯電電圧補正テーブル等が記録される。
【0068】
なお、本実施の形態においては、ROM53として、書き換え可能なフラッシュROM等が使用される。
【0069】
また、前記RAM54には、前記印刷データに基づいて生成され、印刷を行うための画像データのほかに、プログラムの実行に伴って生成される各種情報が一時的に記録される。なお、前記RAM54は、前記CPUが演算を行う際にワークエリアとして機能する。さらに、RAM54には、前記情報取得処理部Pr2よって取得された情報が一時的に記録される。
【0070】
前記操作パネル56は、操作者がプリンタ10への指示を入力するためのスイッチ、キー等から成る操作部58、及びプリンタ10の状態を表示するためのLED画面等から成る表示部59を備える。なお、操作パネル56がタッチパネルによって形成されている場合、表示部59は操作部としても機能する。
【0071】
また、前記制御部50は、印刷処理部Pr1、情報取得処理部Pr2、結露判定処理部Pr3、電圧制御処理部Pr4等を備える。
【0072】
前記印刷処理部Pr1は、印刷処理を行い、ホストコンピュータPCから印刷ジョブを受信すると、印刷ジョブごとに印刷データを画像データに変換し、該画像データに基づいてLEDヘッド24を駆動して用紙に画像を形成し、印刷を行う。
【0073】
前記情報取得処理部Pr2は、情報取得処理を行い、計時装置55によって計時された日時、温度センサs3によって検出された温度、湿度センサs4によって検出された湿度、ベルト温度センサs5によって検出されたベルト温度等を取得し、ROM53に記録したり、ROM53から読み出したりする。
【0074】
前記結露判定処理部Pr3は、結露判定処理を行い、情報取得処理部Pr2によって取得された情報に基づいて、現像ローラ36に結露が発生しているかどうかを判断する。すなわち、結露判定処理部Pr3は、プリンタ10の前回の使用時における電源オフ時から今回の使用時における電源オン時までの経過時間であるプリンタ10の放置時間Gが閾値時間Gth未満であり、電源オフ時と電源オン時との後述される温度差tが閾値温度tr以上であり、同様に、電源オフ時と電源オン時との後述される湿度差hが閾値湿度hr以上である場合に、結露が発生していると判断する。
【0075】
前記電圧制御処理部Pr4は、電圧制御処理を行い、結露判定処理部Pr3によって現像ローラ36に結露が発生していると判断されると、LEDヘッド24による露光前の感光体ドラム22の表面電位と現像ローラ36に印加される現像電圧との電位差を小さくする。
【0076】
そのために、電圧制御処理部Pr4は、後述される帯電電圧補正値テーブルTb1(図5)を参照し、後述される帯電電圧Vchを補正し、補正した帯電電圧Vchを帯電ローラ34に印加する。
【0077】
次に、プリンタ10の置かれた環境の変化、プリンタ10の放置等に伴う、現像ローラ36における結露の発生の可能性、すなわち、結露発生リスクについて説明する。
【0078】
図4は本発明の第1の実施の形態におけるプリンタの置かれた環境の変化、プリンタの放置等に伴う結露発生リスクについて説明するための図である。
【0079】
図において、T1はプリンタ10の前回の使用時において前記温度センサs3(図1)によって検出された電源オフ時の温度、T2は今回の使用時において前記温度センサs3によって検出された電源オン時の温度、T3は、今回の使用時における、プリンタ10の所定の部材、本実施の形態においては、ベルト26の、前記ベルト温度センサs5によって検出された電源オン時のベルト温度、τは温度T2から温度T1を減算した温度差、tは温度T2からベルト温度T3を減算した温度差、H1は前回の使用時において前記湿度センサs4によって検出された電源オフ時の湿度、H2は今回の使用時において前記湿度センサs4によって検出された電源オフ時の湿度、hは湿度H2から湿度H1を減算した湿度差である。また、放置状態は、放置時間Gにおけるプリンタ10の状態を示す。
【0080】
電源オフ時の温度T1が低温で、プリンタ10が長時間低温で放置された後の電源オン時の温度T2及びベルト温度T3が低温である場合、温度差τ、tが小さく、プリンタ10の置かれた環境は変化していないので、結露発生リスクは低い。
【0081】
電源オフ時の温度T1が低温で、プリンタ10が長時間低温で放置された後の電源オン時の温度T2が低温で、電源オン時のベルト温度T3が高温である場合、温度差τが小さく、温度差tが大きいが、プリンタ10を放置することによって電源オン時の温度T2より電源オン時のベルト温度T3が高くなることはあり得ないので、結露発生リスクは低い。
【0082】
電源オフ時の温度T1が低温で、プリンタ10が長時間低温で放置された後の電源オン時の温度T2が高温で、電源オン時のベルト温度T3が低温である場合、温度差τ、tが大きいので、結露発生リスクは高い。
【0083】
電源オフ時の温度T1が低温で、プリンタ10が長時間低温で放置された後の電源オン時の温度T2が高温で、電源オン時のベルト温度T3が高温である場合、温度差τが大きく、温度差tが小さい。この場合、湿度差hが小さいと結露発生リスクは低く、湿度差hが大きいと、温度差tが小さくても結露発生リスクは高い。
【0084】
電源オフ時の温度T1が低温で、プリンタ10が短時間低温で放置された後の電源オン時の温度T2が高温で、電源オン時のベルト温度T3が高温である場合、温度差τが大きく、温度差tが小さい。この場合、放置時間Gが短く、プリンタ10が冷えないので、結露発生リスクは低い。
【0085】
一方、電源オフ時の温度T1が高温で、プリンタ10が長時間低温で放置された後、例えば、プリンタ10が移動させられて電源オン時の温度T2及びベルト温度T3が低温になった場合、温度差τが大きく、温度差tが小さく、プリンタ10の置かれた環境は変化していないので、結露発生リスクは低い。
【0086】
電源オフ時の温度T1が高温で、プリンタ10が長時間低温で放置された後、例えば、プリンタ10が移動させられて電源オン時の温度T2が低温になり、電源オン時のベルト温度T3が高温になった場合、温度差τ、tが大きいが、プリンタ10を放置することによって電源オン時の温度T2より電源オン時のベルト温度T3が高くなることはあり得ないので、結露発生リスクは低い。
【0087】
電源オフ時の温度T1が高温で、プリンタ10が長時間低温で放置された後、例えば、プリンタ10が移動させられて電源オン時の温度T2が高温になり、電源オン時のベルト温度T3が低温になった場合、温度差τが小さく、温度差tが大きいので、結露発生リスクは高い。
【0088】
電源オフ時の温度T1が高温で、プリンタ10が長時間低温で放置された後、例えば、プリンタ10が移動させられて電源オン時の温度T2が高温になり、電源オン時のベルト温度T3が高温になった場合、温度差τ、tが小さい。この場合、湿度差hが小さいと結露発生リスクは低く、湿度差hが大きいと温度差tが小さくても結露発生リスクは高い。
【0089】
電源オフ時の温度T1が高温で、プリンタ10が短時間低温で放置された後、例えば、プリンタ10が移動させられて電源オン時の温度T2が高温になり、電源オン時のベルト温度T3が高温になった場合、温度差τ、tが小さい。この場合、放置時間Gが短く、プリンタ10が冷えないので、結露発生リスクは低い。
【0090】
そこで、本実施の形態においては、図4における結露発生リスクが高いとされた条件において、温度差t及び湿度差hに対応させて帯電電圧を補正して低く(絶対値で小さく)することによって、露光される前の感光体ドラム22の表面電位と現像ローラ36に印加される現像電圧との電位差が小さくされるようになっている。
【0091】
図5は本発明の第1の実施の形態における帯電電圧補正値テーブルの例を示す図である。
【0092】
図において、Tb1は帯電電圧補正値テーブルであり、該帯電電圧補正値テーブルTb1においては、温度差tが、
t<6〔℃〕
6〔℃〕≦t<12〔℃〕
12〔℃〕≦t<18〔℃〕
18〔℃〕≦t<24〔℃〕
24〔℃〕≦t<30〔℃〕
30〔℃〕≦t
の範囲に分けられ、湿度差hが、
h<5〔%〕
5〔%〕≦h<15〔%〕
15〔%〕≦h<25〔%〕
25〔%〕≦h<35〔%〕
35〔%〕≦h<45〔%〕
45〔%〕≦h
の範囲に分けられ、範囲ごとに帯電電圧Vchの補正値δVが設定される。
【0093】
温度差t及び湿度差hが大きいほど結露発生リスクが高くなると想定されるので、前記補正値δVは、温度差t及び湿度差hが大きいほど大きくされる。
【0094】
なお、帯電電圧Vchは負の値を採るので、補正値δVが加算されると、帯電電圧Vchは絶対値で小さくなる。例えば、基準の帯電電圧Vchが-300〔V〕である場合、補正値δVが
δV=10〔V〕
であると、補正後の帯電電圧Vchは
Vch=-300+10
=-290〔V〕
になる。
【0095】
本実施の形態においては、帯電電圧補正値テーブルTb1において補正値δVが、温度差τ及び湿度差hに対応させてではなく、温度差t及び湿度差hに対応させて設定されているが、電源オン時のベルト温度T3が、装置本体Bd内の電源オフ時の温度T1及び電源オン時のT2と比較して、環境の変化に応じて変化するまでに時間がかかり、低温に維持される時間が長く、結露が発生しているかどうかを判断するのに適していること、及び感光体ドラム22と現像ローラ36との接触部と転写ベルト26との距離が短いことから、補正値δVが、温度差t及び湿度差hに対応させて設定されるようになっている。
【0096】
次に、結露発生リスクが高くなる温度差t及び湿度差hの範囲において、前記電圧制御処理部Pr4によって補正値δVに基づいて帯電電圧Vchを補正し、用紙に画像を形成した実施例1-1~1-32、及び帯電電圧Vchを補正しなかった比較例1-1~1-4について説明する。
〔比較例1-1〕
温度差t及び湿度差hが
6〔℃〕≦t<12〔℃〕
5〔%〕≦h<15〔%〕
の範囲である場合に、帯電電圧Vchを補正しなかった。
〔比較例1-2〕
温度差t及び湿度差hが
t<6〔℃〕
15〔%〕≦h<25〔%〕
の範囲である場合に、帯電電圧Vchを補正しなかった。
〔比較例1-3〕
温度差t及び湿度差hが
12〔℃〕≦t<18〔℃〕
h<5〔%〕
の範囲である場合に、帯電電圧Vchを補正しなかった。
〔比較例1-4〕
温度差t及び湿度差hが
12〔℃〕≦t<18〔℃〕
15〔%〕≦h<25〔%〕
の範囲である場合に、帯電電圧Vchを補正しなかった。
〔実施例1-1〕
温度差t及び湿度差hが
t<6〔℃〕
15〔%〕≦h<25〔%〕
の範囲である場合に、帯電電圧Vchを補正し、用紙に画像を形成した。
〔実施例1-2〕
温度差t及び湿度差hが
t<6〔℃〕
25〔%〕≦h<35〔%〕
の範囲である場合に、帯電電圧Vchを補正し、用紙に画像を形成した。
〔実施例1-3〕
温度差t及び湿度差hが
t<6〔℃〕
35〔%〕≦h<45〔%〕
の範囲である場合に、帯電電圧Vchを補正し、用紙に画像を形成した。
〔実施例1-4〕
温度差t及び湿度差hが
t<6〔℃〕
45〔%〕≦h
の範囲である場合に、帯電電圧Vchを補正し、用紙に画像を形成した。
〔実施例1-5〕
温度差t及び湿度差hが
6〔℃〕≦t<12〔℃〕
15〔%〕≦h<25〔%〕
の範囲である場合に、帯電電圧Vchを補正し、用紙に画像を形成した。
〔実施例1-6〕
温度差t及び湿度差hが
6〔℃〕≦t<12〔℃〕
25〔%〕≦h<35〔%〕
の範囲である場合に、帯電電圧Vchを補正し、用紙に画像を形成した。
〔実施例1-7〕
温度差t及び湿度差hが
6〔℃〕≦t<12〔℃〕
35〔%〕≦h<45〔%〕
の範囲である場合に、帯電電圧Vchを補正し、用紙に画像を形成した。
〔実施例1-8〕
温度差t及び湿度差hが
6〔℃〕≦t<12〔℃〕
45〔%〕≦h
の範囲である場合に、帯電電圧Vchを補正し、用紙に画像を形成した。
〔実施例1-9〕
温度差t及び湿度差hが
12〔℃〕≦t<18〔℃〕
h<5〔%〕
の範囲である場合に、帯電電圧Vchを補正し、用紙に画像を形成した。
〔実施例1-10〕
温度差t及び湿度差hが
12〔℃〕≦t<18〔℃〕
5〔%〕≦h<15〔%〕
の範囲である場合に、帯電電圧Vchを補正し、用紙に画像を形成した。
〔実施例1-11〕
温度差t及び湿度差hが
12〔℃〕≦t<18〔℃〕
15[%]<h<25[%]
の範囲である場合に、帯電電圧Vchを補正し、用紙に画像を形成した。
〔実施例1-12〕
温度差t及び湿度差hが
12〔℃〕≦t<18〔℃〕
25〔%〕≦h<35〔%〕
の範囲である場合に、帯電電圧Vchを補正し、用紙に画像を形成した。
〔実施例1-13〕
温度差t及び湿度差hが
12〔℃〕≦t<18〔℃〕
35〔%〕≦h<45〔%〕
の範囲である場合に、帯電電圧Vchを補正し、用紙に画像を形成した。
〔実施例1-14〕
温度差t及び湿度差hが
12〔℃〕≦t<18〔℃〕
45〔%〕≦h
の範囲である場合に、帯電電圧Vchを補正し、用紙に画像を形成した。
〔実施例1-15〕
温度差t及び湿度差hが
18〔℃〕≦t<24〔℃〕
h<5〔%〕
の範囲である場合に、帯電電圧Vchを補正し、用紙に画像を形成した。
〔実施例1-16〕
温度差t及び湿度差hが
18〔℃〕≦t<24〔℃〕
5〔%〕≦h<15〔%〕
の範囲である場合に、帯電電圧Vchを補正し、用紙に画像を形成した。
〔実施例1-17〕
温度差t及び湿度差hが
18〔℃〕≦t<24〔℃〕
15〔%〕≦h<25〔%〕
の範囲である場合に、帯電電圧Vchを補正し、用紙に画像を形成した。
〔実施例1-18〕
温度差t及び湿度差hが
18〔℃〕≦t<24〔℃〕
25〔%〕≦h<35〔%〕
の範囲である場合に、帯電電圧Vchを補正し、用紙に画像を形成した。
〔実施例1-19〕
温度差t及び湿度差hが
18〔℃〕≦t<24〔℃〕
35〔%〕≦h<45〔%〕
の範囲である場合に、帯電電圧Vchを補正し、用紙に画像を形成した。
〔実施例1-20〕
温度差t及び湿度差hが
18〔℃〕≦t<24〔℃〕
45〔%〕≦h
の範囲である場合に、帯電電圧Vchを補正し、用紙に画像を形成した。
〔実施例1-21〕
温度差t及び湿度差hが
24〔℃〕≦t<30〔℃〕
h<5〔%〕
の範囲である場合に、帯電電圧Vchを補正し、用紙に画像を形成した。
〔実施例1-22〕
温度差t及び湿度差hが
24〔℃〕≦t<30〔℃〕
5〔%〕≦h<15〔%〕
の範囲である場合に、帯電電圧Vchを補正し、用紙に画像を形成した。
〔実施例1-23〕
温度差t及び湿度差hが
24〔℃〕≦t<30〔℃〕
15〔%〕≦h<25〔%〕
の範囲である場合に、帯電電圧Vchを補正し、用紙に画像を形成した。
〔実施例1-24〕
温度差t及び湿度差hが
24〔℃〕≦t<30〔℃〕
25〔%〕≦h<35〔%〕
の範囲である場合に、帯電電圧Vchを補正し、用紙に画像を形成した。
〔実施例1-25〕
温度差t及び湿度差hが
24〔℃〕≦t<30〔℃〕
35〔%〕≦h<45〔%〕
の範囲である場合に、帯電電圧Vchを補正し、用紙に画像を形成した。
〔実施例1-26〕
温度差t及び湿度差hが
24〔℃〕≦t<30〔℃〕
45〔%〕≦h
の範囲である場合に、帯電電圧Vchを補正し、用紙に画像を形成した。
〔実施例1-27〕
温度差t及び湿度差hが
30〔℃〕≦t
h<5〔%〕
の範囲である場合に、帯電電圧Vchを補正し、用紙に画像を形成した。
〔実施例1-28〕
温度差t及び湿度差hが
30〔℃〕≦t
5〔%〕≦h<15〔%〕
の範囲である場合に、帯電電圧Vchを補正し、用紙に画像を形成した。
〔実施例1-29〕
温度差t及び湿度差hが
30〔℃〕≦t
15〔%〕≦h<25〔%〕
の範囲である場合に、帯電電圧Vchを補正し、用紙に画像を形成した。
〔実施例1-30〕
温度差t及び湿度差hが
30〔℃〕≦t
25〔%〕≦h<35〔%〕
の範囲である場合に、帯電電圧Vchを補正し、用紙に画像を形成した。
〔実施例1-31〕
温度差t及び湿度差hが
30〔℃〕≦t
35〔%〕≦h<45〔%〕
の範囲である場合に、帯電電圧Vchを補正し、用紙に画像を形成した。
〔実施例1-32〕
温度差t及び湿度差hが
30〔℃〕≦t
45〔%〕≦h
の範囲である場合に、帯電電圧Vchを補正し、用紙に画像を形成した。
【0097】
次に、前記比較例1-1~1-4及び実施例1-1~1-32において用紙に形成された画像の評価方法及び評価結果について説明する。
【0098】
図6は本発明の第1の実施の形態における用紙に形成された画像の例を示す第1の図、図7は本発明の第1の実施の形態における用紙に形成された画像の例を示す第2の図、図8は本発明の第1の実施の形態における用紙に形成された画像の評価方法及び評価結果を説明するための図である。
【0099】
図において、Pは、幅が86〔mm〕、長さが216〔mm〕の用紙である。この場合、幅が86〔mm〕のロール紙(日本製紙社製「NIP70K」)を216〔mm〕の長さにカットすることによって用紙Pを形成し、該用紙Pに対し、10〔枚〕連続でシアンの画像を形成し、各用紙Pに形成された画像を評価方法A、Bによって評価した。なお、シアンの色の画像は他の色の画像より横白帯の発生レベルLv.が高いので、各比較例及び実施例においてシアンの画像を形成した。
【0100】
評価方法Aにおいては、用紙Pに、印刷デューティが100〔%〕のベタの画像E1を形成し、該画像E1に横白帯が形成されたかどうかを、画像見本と比べて目視で確認した。
【0101】
画像E1において、横白帯の発生レベルがLv.9以上であり、横白帯を目視で確認することができなかった場合、画像E1は良好であるとし、評価結果Aを○にした。一方、横白帯の発生レベルがLv.9未満であり、横白帯を目視で確認することができた場合、画像E1は不良であるとし、評価結果Aを×にした。
【0102】
また、評価方法Bにおいては、用紙Pに、印刷デューティが50〔%〕のハーフトーンの画像E2を形成し、該画像E2の前端Pfから63〔mm〕後方までの領域における対角線の交点Pnt1の画像濃度OD1、及び画像E2の後端Prから63〔mm〕前方までの領域における対角線の交点Pnt2の画像濃度OD2を濃度計(X-Rite社製「X-rite528」)によって検出した。
【0103】
そして、画像濃度OD1、OD2が、いずれも
OD1、OD2=0.46±0.28
であり、
0.18≦OD1(OD2)≦0.74
の範囲に収まるかどうかを判断した。
【0104】
画像濃度OD1、OD2が、前記範囲における中央よりやや下限側の
0.30≦OD1(OD2)≦0.45
の範囲である場合、画像品位が高く、画像E2は良好であるとし、評価結果Bを○にし、
0.18≦OD1(OD2)<0.30
の範囲である場合、画像E2はやや薄めであるが許容範囲であるとし、評価結果Bを△にし、
0.45<OD1(OD2)≦0.74
の範囲である場合、画像E2はやや濃いめであり、トナーの消費量が多くなるが、許容範囲であるとし、評価結果Bを△にし、
OD1(OD2)<0.18
又は、
0.74<OD1(OD2)
の範囲である場合、画像E2は不良であるとし、評価結果Bを×にした。
【0105】
そして、画像E1、E2の評価結果A、Bがいずれも○である場合、帯電電圧Vchの補正は効果があるとして総合判定を◎とし、評価結果Aが×である場合、帯電電圧Vchの補正は効果がないとして総合判定を×とし、評価結果Aが○で評価結果Bが△である場合、横白帯が発生しなかったので、帯電電圧Vchの補正は効果があるとして総合判定を〇とし、そのほかの場合、帯電電圧Vchの補正は効果がないとして総合判定を×とした。
【0106】
次に、プリンタ10の制御装置の動作について説明する。
【0107】
図9は本発明の第1の実施の形態におけるプリンタの制御装置の動作を示す第1のフローチャート、図10は本発明の第1の実施の形態におけるプリンタの制御装置の動作を示す第2のフローチャート、図11は空気中の水分量とプリンタの放置時間との関係の例を示す図、図12は低温状態から温度を上昇させたときの空気中の水分量の推移の例を示す図、図13は低湿度状態から湿度を上昇させたときの空気中の水分量の推移の例を示す図である。なお、図11において、横軸にプリンタ10(図2)の前記放置時間Gを、縦軸に空気中の水分量を採ってある。
【0108】
まず、ホストコンピュータPC(図1)から印刷ジョブが送られると、印刷処理部Pr1は、印刷処理を行い、用紙に画像を形成する。
【0109】
そして、情報取得処理部Pr2は、印刷が終了するのを待機し(ステップS1)、印刷が終了し、操作者によってプリンタ10の電源がオフにされる(ステップS2)と、電源オフ時の日時D1、温度T1及び湿度H1を、それぞれ、計時装置55、温度センサs3及び湿度センサs4から読み込み、ROM53に記録し(ステップS3)、操作者によってプリンタ10の電源がオンにされるのを待機する(ステップS4)。
【0110】
操作者によってプリンタ10の電源がオンにされると、情報取得処理部Pr2は、電源オン時の日時D2、温度T2、湿度H2及びベルト温度T3を、それぞれ、計時装置55、温度センサs3、湿度センサs4及びベルト温度センサs5から読み込む(ステップS5)。
【0111】
続いて、結露判定処理部Pr3は、ROM53から電源オフ時の日時D1、温度T1及び湿度H1を読み出し、前記放置時間G
G=D2-D1
を算出し、放置時間Gが閾値時間Gth、本実施の形態においては、6〔時間〕未満であるかどうかによって、第1の結露発生条件が成立するかどうかを判断する(ステップS6)。
【0112】
放置時間Gが6〔時間〕未満であり、第1の結露発生条件が成立する場合、前記結露判定処理部Pr3は、前記温度差t
t=T2-T3
を算出し、温度差tが閾値温度tr、本実施の形態においては、12〔℃〕以上であるかどうかによって、第2の結露発生条件が成立するかどうかを判断する(ステップS7)。
【0113】
温度差tが12〔℃〕未満であり、第2の結露発生条件が成立しない場合、前記結露判定処理部Pr3は、前記湿度差h
h=H2-H1
を算出し、湿度差hが閾値湿度hr、本実施の形態においては、15〔%〕以上であるかどうかによって、第3の結露発生条件が成立するかどうかを判断する(ステップS8)。
【0114】
そして、温度差tが12〔℃〕以上であり、第2の結露発生条件が成立する場合、及び湿度差hが15〔%〕以上であり、第3の結露発生条件が成立する場合、電圧制御処理部Pr4は、ROM53の帯電電圧補正値テーブルTb1(図5)を参照し、温度差t及び湿度差hに対応する補正値δVを読み出し、帯電電圧Vchを、基準の帯電電圧Vchfに補正値δVを加算することによって補正する(ステップS9)。
【0115】
続いて、印刷処理部Pr1は、補正された帯電電圧Vchを帯電ローラ34に印加し、印刷を開始する(ステップS10)。
【0116】
次に、前記結露判定処理部Pr3は、印刷が開始されてから、あらかじめ設定された結露解消枚数、本実施の形態においては、10〔枚〕以上の印刷が行われたかどうかによって第1の結露解消条件が成立するかどうかを判断する(ステップS11)。印刷が開始されてから10〔枚〕以上の印刷が行われず、第1の結露解消条件が成立しない場合、結露判定処理部Pr3は、印刷が開始されてから、あらかじめ設定された結露解消時間である3〔時間〕以上が経過したかどうかによって、第2の結露解消条件が成立するかどうかを判断する(ステップS12)。
【0117】
印刷が開始されてから3〔時間〕以上が経過せず、第2の結露解消条件が成立しない場合、結露判定処理部Pr3は、再び、温度差tが12〔℃〕以上であるかどうかによって、第2の結露発生条件が成立するかどうかを判断する(ステップS7)。
【0118】
印刷が開始されてから10〔枚〕以上の印刷が行われ、第1の結露解消条件が成立しない場合、又は印刷が開始されてから3〔時間〕以上が経過し、第2の結露解消条件が成立する場合、電圧制御処理部Pr4は、帯電電圧Vchを基準の帯電電圧Vchfにし(ステップS13)、印刷処理部Pr1は帯電電圧Vcfを補正しない通常の印刷を行う(ステップS14)。
【0119】
一方、放置時間Gが6〔時間〕以上であり、第1の結露発生条件が成立しない場合、及湿度差hが15〔%〕未満であり、第3の結露発生条件が成立しない場合、結露判定処理部Pr3は現像ローラ36に結露が発生していないと判断し、印刷処理部Pr1は、帯電電圧Vchを補正することなく、通常の印刷処理を行う(ステップS14)。
【0120】
本実施の形態においては、閾値時間Gthが6〔時間〕に設定されるが、これは、図11に示される、放置時間Gと、結露によって生じた、プリンタ10の装置本体Bd内の空気中の水分量との関係から、6〔時間〕が経過すると、水分量が10〔g/cm〕以下になり、画像E1、E2(図6図7)に横白帯が発生しなかったことからそのように設定される。
【0121】
また、本実施の形態においては、閾値温度trが12〔℃〕に設定されるが、これは、図12に示される温度上昇値と水分の増加量との関係から、温度が12〔℃〕以上上昇すると、空気中に10〔g/cm〕の水分が発生し、画像品位が低下したことからそのように設定される。
【0122】
さらに、本実施の形態においては、閾値湿度hrが15〔%〕に設定されるが、これは、図13に示される湿度の上昇値と水分の増加量との関係から、温度が15〔%〕以上上昇すると、空気中に10〔g/cm〕の水分が発生し、画像品位が低下したことからそのように設定される。
【0123】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS1 情報取得処理部Pr2は印刷が終了するのを待機する。印刷が終了した場合はステップS2に進む。
ステップS2 操作者によってプリンタ10の電源がオフにされる。
ステップS3 情報取得処理部Pr2は電源オフ時の日時D1、温度T1及び湿度H1をROM53に記録する。
ステップS4 情報取得処理部Pr2は操作者によってプリンタ10の電源がオンにされるのを待機する。操作者によってプリンタ10の電源がオンにされた場合はステップS5に進む。
ステップS5 情報取得処理部Pr2は電源オン時の日時D2、温度T2、湿度H2及びベルト温度T3を読み込む。
ステップS6 結露判定処理部Pr3は放置時間Gが6〔時間〕未満であるかどうかを判断する。放置時間Gが6〔時間〕未満である場合はステップS7に進み、放置時間Gが6〔時間〕以上である場合はステップS14に進む。
ステップS7 結露判定処理部Pr3は温度差tが12〔℃〕以上であるかどうかを判断する。温度差tが12〔℃〕以上である場合はステップS9に進み、温度差tが12〔℃〕未満である場合はステップS8に進む。
ステップS8 結露判定処理部Pr3は湿度差hが15〔%〕以上であるかどうかを判断する。湿度差hが15〔%〕以上である場合はステップS9に進み、湿度差hが15〔%〕未満である場合はステップS14に進む。
ステップS9 電圧制御処理部Pr4は帯電電圧Vchを補正する。
ステップS10 印刷処理部Pr1は印刷を開始する。
ステップS11 結露判定処理部Pr3は10〔枚〕以上の印刷が行われたかどうかを判断する。10〔枚〕以上の印刷が行われた場合はステップS13に進み、10〔枚〕以上の印刷が行われなかった場合はステップS12に進む。
ステップS12 結露判定処理部Pr3は3〔時間〕以上が経過したかどうかを判断する。3〔時間〕以上が経過した場合はステップS13に進み、3〔時間〕以上が経過しなかった場合はステップS7に戻る。
ステップS13 電圧制御処理部Pr4は帯電電圧Vchを基準の帯電電圧Vchfにする。
ステップS14 印刷処理部Pr1は通常の印刷を行い、処理を終了する。
【0124】
このように、本実施の形態においては、プリンタ10の前回の使用時における電源オフ時から今回の使用時における電源オン時までの放置時間Gが閾値時間Gth未満であり、プリンタ10の前回の電源オフ時と今回の電源オン時との温度差tが閾値温度tr以上である場合に、LEDヘッド24によって露光される前の感光体ドラム22の表面電位と、現像ローラ36に印加される現像電圧との電位差が小さくされるので、現像ローラ36に結露が発生していても、現像ローラ36から感光体ドラム22に付着させられるトナーを多くすることができる。
【0125】
したがって、画像品位を向上させることができる。
【0126】
また、印刷が開始される前に、感光体ドラム22を回転させる必要がなく、感光体ドラム22が無用に回転させられることがないので、感光体ドラム22の寿命が短くなったり、印刷スループットが低下したりすることがない。
【0127】
さらに、本実施の形態においては、帯電電圧Vchを補正した状態で10〔枚〕以上の印刷が行われるか、又は3〔時間〕以上が経過した場合に、帯電電圧Vchが基準の帯電電圧Vchにされるので、帯電電圧Vchが補正されたままになることがない。
【0128】
ところで、本実施の形態においては、結露が発生していると判断された場合に帯電電圧Vchが補正されるようになっているが、温度差t及び湿度差hが大きい場合に、帯電電圧Vchの補正値δVが大きいと、LEDヘッド24によって露光される前の感光体ドラム22の表面電位と、現像ローラ36に印加される現像電圧との電位差が過剰に小さくなり、画像濃度、特に、中間調の画像濃度が過剰に高くなり、画像品位が低下することがある。
【0129】
また、通常、感光体ドラム22における非露光部の表面電位が現像ローラ36上のトナーの電位より高いので、トナーが非露光部に付着することはないが、現像ローラ36に結露が発生していると判断されて帯電電圧Vchが補正値δVに基づいて大きく補正されると、トナーが前記非露光部に付着し、地かぶりが生じてしまう。
【0130】
そこで、LEDヘッド24によって露光される前の感光体ドラム22の表面電位と、現像ローラ36に印加される現像電圧との電位差が小さい場合に、供給ローラ38に印加される供給電圧を制御し、現像ローラ36上のトナーの電位を調整するようにした本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与し、同じ構造を有することによる発明の効果については同実施の形態の効果を援用する。
【0131】
本実施の形態においては、図4に基づいて前述された結露発生リスクが高くなる場合において、画像形成装置としてのプリンタ10の電源オン時の温度T2から、電源オン時のベルト26のベルト温度T3を減算した温度差t、及び電源オン時の湿度H2から電源オフ時の湿度H1を減算した湿度差hに対応させて帯電電圧Vchを補正するとともに、供給電圧Vsbを補正するようにしている。
【0132】
そのために、本実施の形態においては、第1の記憶部としてのROM53に、帯電電圧補正値テーブルTb1(図5)だけでなく、現像剤供給部材としての供給ローラ38に印加される供給電圧Vsbを補正するための供給電圧補正値テーブルが記録される。
【0133】
図14は本発明の第2の実施の形態における供給電圧補正値テーブルの例を示す図である。
【0134】
図において、Tb2は供給電圧Vsbの供給電圧補正値テーブルであり、該供給電圧補正値テーブルTb2において、前記温度差tが、
t<6〔℃〕
6〔℃〕≦t<12〔℃〕
12〔℃〕≦t<18〔℃〕
18〔℃〕≦t<24〔℃〕
24〔℃〕≦t<30〔℃〕
30〔℃〕≦t
の範囲に分けられ、前記湿度差hが、
h<5〔%〕
5〔%〕≦h<15〔%〕
15〔%〕≦h<25〔%〕
25〔%〕≦h<35〔%〕
35〔%〕≦h<45〔%〕
45〔%〕≦h
の範囲に分けられ、範囲ごとに供給電圧Vsbの補正値ΔVが設定される。
【0135】
前記帯電電圧補正テーブルTb1においては、温度差t及び湿度差hが大きいほど帯電電圧Vchの補正値δVが大きくされるので、供給電圧補正値テーブルTb2における補正値ΔVも、温度差t及び湿度差hが大きいほど大きくされる。
【0136】
次に、結露発生リスクが高くなる温度差t及び湿度差hの範囲において、前記補正値δVに基づいて帯電電圧Vch及び供給電圧Vsbを補正し、媒体としての用紙にシアンの画像を形成した実施例2-1~2-32、並びに帯電電圧Vch及び供給電圧Vsbを補正しなかった比較例2-1~2-4について説明する。
〔比較例2-1〕
温度差t及び湿度差hが
6〔℃〕≦t<12〔℃〕
5〔%〕≦h<15〔%〕
の範囲である場合に、帯電電圧Vch及び供給電圧Vsbを補正しなかった。
〔比較例2-2〕
温度差t及び湿度差hが
t<6〔℃〕
15〔%〕≦h<25〔%〕
の範囲である場合に、帯電電圧Vch及び供給電圧Vsbを補正しなかった。
〔比較例2-3〕
温度差t及び湿度差hが
12〔℃〕≦t<18〔℃〕
h<5〔%〕
の範囲である場合に、帯電電圧Vch及び供給電圧Vsbを補正しなかった。
〔比較例2-4〕
温度差t及び湿度差hが
12〔℃〕≦t<18〔℃〕
15〔%〕≦h<25〔%〕
の範囲である場合に、帯電電圧Vch及び供給電圧Vsbを補正しなかった。
〔実施例2-1〕
温度差t及び湿度差hが
t<6〔℃〕
15〔%〕≦h<25〔%〕
の範囲である場合に、帯電電圧Vch及び供給電圧Vsbを補正し、用紙に画像を形成した。
〔実施例2-2〕
温度差t及び湿度差hが
t<6〔℃〕
25〔%〕≦h<35〔%〕
の範囲である場合に、帯電電圧Vch及び供給電圧Vsbを補正し、用紙に画像を形成した。
〔実施例2-3〕
温度差t及び湿度差hが
t<6〔℃〕
35〔%〕≦h<45〔%〕
の範囲である場合に、帯電電圧Vch及び供給電圧Vsbを補正し、用紙に画像を形成した。
〔実施例2-4〕
温度差t及び湿度差hが
t<6〔℃〕
45〔%〕≦h
の範囲である場合に、帯電電圧Vch及び供給電圧Vsbを補正し、用紙に画像を形成した。
〔実施例2-5〕
温度差t及び湿度差hが
6〔℃〕≦t<12〔℃〕
15〔%〕≦h<25〔%〕
の範囲である場合に、帯電電圧Vch及び供給電圧Vsbを補正し、用紙に画像を形成した。
〔実施例2-6〕
温度差t及び湿度差hが
6〔℃〕≦t<12〔℃〕
25〔%〕≦h<35〔%〕
の範囲である場合に、帯電電圧Vch及び供給電圧Vsbを補正し、用紙に画像を形成した。
〔実施例2-7〕
温度差t及び湿度差hが
6〔℃〕≦t<12〔℃〕
35〔%〕≦h<45〔%〕
の範囲である場合に、帯電電圧Vch及び供給電圧Vsbを補正し、用紙に画像を形成した。
〔実施例2-8〕
温度差t及び湿度差hが
6〔℃〕≦t<12〔℃〕
45〔%〕≦h
の範囲である場合に、帯電電圧Vch及び供給電圧Vsbを補正し、用紙に画像を形成した。
〔実施例2-9〕
温度差t及び湿度差hが
12〔℃〕≦t<18〔℃〕
h<5〔%〕
の範囲である場合に、帯電電圧Vch及び供給電圧Vsbを補正し、用紙に画像を形成した。
〔実施例2-10〕
温度差t及び湿度差hが
12〔℃〕≦t<18〔℃〕
5〔%〕≦h<15〔%〕
の範囲である場合に、帯電電圧Vch及び供給電圧Vsbを補正し、用紙に画像を形成した。
〔実施例2-11〕
温度差t及び湿度差hが
12〔℃〕≦t<18〔℃〕
15〔%〕≦h<25〔%〕
の範囲である場合に、帯電電圧Vch及び供給電圧Vsbを補正し、用紙に画像を形成した。
〔実施例2-12〕
温度差t及び湿度差hが
12〔℃〕≦t<18〔℃〕
25〔%〕≦h<35〔%〕
の範囲である場合に、帯電電圧Vch及び供給電圧Vsbを補正し、用紙に画像を形成した。
〔実施例2-13〕
温度差t及び湿度差hが
12〔℃〕≦t<18〔℃〕
35〔%〕≦h<45〔%〕
の範囲である場合に、帯電電圧Vch及び供給電圧Vsbを補正し、用紙に画像を形成した。
〔実施例2-14〕
温度差t及び湿度差hが
12〔℃〕≦t<18〔℃〕
45〔%〕≦h
の範囲である場合に、帯電電圧Vch及び供給電圧Vsbを補正し、用紙に画像を形成した。
〔実施例2-15〕
温度差t及び湿度差hが
18〔℃〕≦t<24〔℃〕
h<5〔%〕
の範囲である場合に、帯電電圧Vch及び供給電圧Vsbを補正し、用紙に画像を形成した。
〔実施例2-16〕
温度差t及び湿度差hが
18〔℃〕≦t<24〔℃〕
5〔%〕≦h<15〔%〕
の範囲である場合に、帯電電圧Vch及び供給電圧Vsbを補正し、用紙に画像を形成した。
〔実施例2-17〕
温度差t及び湿度差hが
18〔℃〕≦t<24〔℃〕
15〔%〕≦h<25〔%〕
の範囲である場合に、帯電電圧Vch及び供給電圧Vsbを補正し、用紙に画像を形成した。
〔実施例2-18〕
温度差t及び湿度差hが
18〔℃〕≦t<24〔℃〕
25〔%〕≦h<35〔%〕
の範囲である場合に、帯電電圧Vch及び供給電圧Vsbを補正し、用紙に画像を形成した。
〔実施例2-19〕
温度差t及び湿度差hが
18〔℃〕≦t<24〔℃〕
35〔%〕≦h<45〔%〕
の範囲である場合に、帯電電圧Vch及び供給電圧Vsbを補正し、用紙に画像を形成した。
〔実施例2-20〕
温度差t及び湿度差hが
18〔℃〕≦t<24〔℃〕
45〔%〕≦h
の範囲である場合に、帯電電圧Vch及び供給電圧Vsbを補正し、用紙に画像を形成した。
〔実施例2-21〕
温度差t及び湿度差hが
24〔℃〕≦t<30〔℃〕
h<5〔%〕
の範囲である場合に、帯電電圧Vch及び供給電圧Vsbを補正し、用紙に画像を形成した。
〔実施例2-22〕
温度差t及び湿度差hが
24〔℃〕≦t<30〔℃〕
5〔%〕≦h<15〔%〕
の範囲である場合に、帯電電圧Vch及び供給電圧Vsbを補正し、用紙に画像を形成した。
〔実施例2-23〕
温度差t及び湿度差hが
24〔℃〕≦t<30〔℃〕
15〔%〕≦h<25〔%〕
の範囲である場合に、帯電電圧Vch及び供給電圧Vsbを補正し、用紙に画像を形成した。
〔実施例2-24〕
温度差t及び湿度差hが
24〔℃〕≦t<30〔℃〕
25〔%〕≦h<35〔%〕
の範囲である場合に、帯電電圧Vch及び供給電圧Vsbを補正し、用紙に画像を形成した。
〔実施例2-25〕
温度差t及び湿度差hが
24〔℃〕≦t<30〔℃〕
35〔%〕≦h<45〔%〕
の範囲である場合に、帯電電圧Vch及び供給電圧Vsbを補正し、用紙に画像を形成した。
〔実施例2-26〕
温度差t及び湿度差hが
24〔℃〕≦t<30〔℃〕
45〔%〕≦h
の範囲である場合に、帯電電圧Vch及び供給電圧Vsbを補正し、用紙に画像を形成した。
〔実施例2-27〕
温度差t及び湿度差hが
30〔℃〕≦t
h<5〔%〕
の範囲である場合に、帯電電圧Vch及び供給電圧Vsbを補正し、用紙に画像を形成した。
〔実施例2-28〕
温度差t及び湿度差hが
30〔℃〕≦t
5〔%〕≦h<15〔%〕
の範囲である場合に、帯電電圧Vch及び供給電圧Vsbを補正し、用紙に画像を形成した。
〔実施例2-29〕
温度差t及び湿度差hが
30〔℃〕≦t
15〔%〕≦h<25〔%〕
の範囲である場合に、帯電電圧Vch及び供給電圧Vsbを補正し、用紙に画像を形成した。
〔実施例2-30〕
温度差t及び湿度差hが
30〔℃〕≦t
25〔%〕≦h<35〔%〕
の範囲である場合に、帯電電圧Vch及び供給電圧Vsbを補正し、用紙に画像を形成した。
〔実施例2-31〕
温度差t及び湿度差hが
30〔℃〕≦t
35〔%〕≦h<45〔%〕
の範囲である場合に、帯電電圧Vch及び供給電圧Vsbを補正し、用紙に画像を形成した。
〔実施例2-32〕
温度差t及び湿度差hが
30〔℃〕≦t
45〔%〕≦h
の範囲である場合に、帯電電圧Vch及び供給電圧Vsbを補正し、用紙に画像を形成した。
【0137】
次に、前記比較例2-1~2-4及び実施例2-1~2-32において用紙に形成された画像の評価方法及び評価結果について説明する。
【0138】
図15は本発明の第2の実施の形態における用紙に形成された画像の評価方法及び評価結果を説明するための図である。
【0139】
評価方法Aにおいては、前記画像E1(図6)における横白帯の発生レベルがLv.9以上であり、横白帯を目視で確認することができなかった場合、画像E1は良好でるとし、評価結果Aを○にした。一方、横白帯の発生レベルがLv.9未満であり、横白帯を目視で確認することができた場合、画像E1は不良であるとし、評価結果Aを×にした。
【0140】
また、評価方法Bにおいては、前記画像E2(図7)における交点Pnt1、Pnt1の画像濃度OD1、OD2が、いずれも
OD1、OD2=0.46±0.28
であり、
0.18≦OD1(OD2)≦0.74
の範囲に収まるかどうかを判断した。
【0141】
画像濃度OD1、OD2が、前記範囲における中央よりやや下限側の
0.30≦OD1(OD2)≦0.45
の範囲である場合、画像品位が高く、画像E2は良好であるとし、評価結果Bを○にし、
0.18≦OD1(OD2)<0.30
の範囲である場合、画像E2はやや薄めであるが許容範囲であるとし、評価結果Bを△にし、
0.45<OD1(OD2)≦0.74
の範囲である場合、画像E2はやや濃いめであり、トナーの消費量が多くなるが、許容範囲であるとし、評価結果Bを△にし、
OD1(OD2)<0.18
又は、
0.74<OD1(OD2)
の範囲である場合、画像E2は不良であるとし、評価結果Bを×にした。
【0142】
そして、画像E1、E2の評価結果A、Bがいずれも○である場合、帯電電圧Vch及び供給電圧Vsbの補正は効果があるとして総合判定を◎とし、評価結果Aが×である場合、帯電電圧Vch及び供給電圧Vsbの補正は効果がないとして総合判定を×とし、評価結果Aが○であり、評価結果Bが△である場合、横白帯が発生しなかったので、帯電電圧Vch及び供給電圧Vsbの補正は効果があるとして総合判定を〇とし、そのほかの場合、帯電電圧Vch及び供給電圧Vsbの補正は効果がないとして総合判定を×とした。
【0143】
次に、プリンタ10の制御装置の動作について説明する。
【0144】
図16は本発明の第2の実施の形態におけるプリンタの制御装置の動作を示す第1のフローチャート、図17は本発明の第2の実施の形態におけるプリンタの制御装置の動作を示す第2のフローチャートである。
【0145】
まず、上位装置としてのホストコンピュータPC(図1)から印刷ジョブが送られると、印刷処理部Pr1は印刷処理を行い、用紙に画像を形成する。
【0146】
そして、情報取得処理部Pr2は、印刷が終了するのを待機し(ステップS21)、操作者によってプリンタ10の電源がオフにされる(ステップS22)と、電源オフ時の日時D1、温度T1及び湿度H1を読み込み、ROM53に記録し(ステップS23)、操作者によってプリンタ10の電源がオンにされるのを待機する(ステップS24)。
【0147】
操作者によってプリンタ10の電源がオンにされると、情報取得処理部Pr2は、電源オン時の日時D2、温度T2、湿度H2及びベルト温度T3を読み込む(ステップS25)。
【0148】
続いて、結露判定処理部Pr3は、ROM53から電源オフ時の日時D1、温度T1及び湿度H1を読み出し、プリンタ10の放置時間Gを算出し、該放置時間Gが閾値時間Gth、本実施の形態においては、6〔時間〕未満であるかどうかによって、第1の結露発生条件が成立するかどうかを判断する(ステップS26)。
【0149】
放置時間Gが6〔時間〕未満であり、第1の結露発生条件が成立する場合、前記結露判定処理部Pr3は、温度差tを算出し、該温度差tが閾値温度tr、本実施の形態においては、12〔℃〕以上であるかどうかによって、第2の結露発生条件が成立するかどうかを判断する(ステップS27)。
【0150】
温度差tが12〔℃〕未満であり、第2の結露発生条件が成立しない場合、前記結露判定処理部Pr3は、湿度差hを算出し、該湿度差hが閾値湿度hr、本実施の形態においては、15〔%〕以上であるかどうかによって、第3の結露発生条件が成立するかどうかを判断する(ステップS28)。
【0151】
そして、温度差tが12〔℃〕以上であり、第2の結露発生条件が成立する場合、及び湿度差hが15〔%〕以上であり、第3の結露発生条件が成立する場合、電圧制御処理部Pr4は、ROM53の帯電電圧補正テーブルTb1及び供給電圧補正テーブルTb2を参照し、温度差t及び湿度差hに対応する補正値δV、ΔVを読み出し、帯電電圧Vchを、基準の帯電電圧Vchに補正値δVを加算することによって補正し、供給電圧Vsbを、基準の供給電圧Vsbに補正値ΔVを加算することによって補正する(ステップS29)。
【0152】
続いて、印刷処理部Pr1は、補正された帯電電圧Vchを帯電装置としての帯電ローラ34に印加し、補正された供給電圧Vsbを供給ローラ38に印加し、印刷を開始する(ステップS30)。
【0153】
次に、結露判定処理部Pr3は、印刷が開始されてから、あらかじめ設定された結露解消枚数、本実施の形態においては、10〔枚〕以上の印刷が行われたかどうかによって第1の結露解消条件が成立するかどうかを判断する(ステップS31)。印刷が開始されてから10〔枚〕以上の印刷が行われず、第1の結露解消条件が成立しない場合、結露判定処理部Pr3は、印刷が開始されてから、あらかじめ設定された結露解消時間である3〔時間〕以上が経過したかどうかによって、第2の結露解消条件が成立するかどうかを判断する(ステップS32)。
【0154】
印刷が開始されてから3〔時間〕以上が経過せず、第2の結露解消条件が成立しない場合、結露判定処理部Pr3は、再び、温度差tが12〔℃〕以上であるかどうかによって、第2の結露発生条件が成立するかどうかを判断する(ステップS27)。
【0155】
印刷が開始されてから10〔枚〕以上の印刷が行われ、第1の結露解消条件が成立する場合、又は印刷が開始されてから3〔時間〕以上が経過し、第2の結露解消条件が成立する場合、電圧制御処理部Pr4は、帯電電圧Vchを基準の帯電電圧Vchにし、供給電圧Vsbを基準の供給電圧Vsbfにし(ステップS33)、印刷処理部Pr1は帯電電圧Vch及び供給電圧Vsbを補正しない通常の印刷を行う(ステップS34)。
【0156】
一方、放置時間Gが6〔時間〕以上であり、第1の結露発生条件が成立しない場合、及湿度差hが15〔%〕未満であり、第3の結露発生条件が成立しない場合、結露判定処理部Pr3は結露が発生していないと判断し、印刷処理部Pr1は、帯電電圧Vchを補正することなく、通常の印刷処理を行う(ステップS34)。
【0157】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS21 情報取得処理部Pr2は印刷が終了するのを待機する。印刷が終了した場合はステップS22に進む。
ステップS22 操作者によってプリンタ10の電源がオフにされる。
ステップS23 情報取得処理部Pr2は電源オフ時の日時D1、温度T1及び湿度H1をROM53に記録する。
ステップS24 操作者によってプリンタ10の電源がオンにされるのを待機する。操作者によってプリンタ10の電源がオンにされた場合はステップS25に進む。
ステップS25 情報取得処理部Pr2は電源オン時の日時D2、温度T2、湿度H2及びベルト温度T3を読み込む。
ステップS26 結露判定処理部Pr3は放置時間Gが6〔時間〕未満であるかどうかを判断する。放置時間Gが6〔時間〕未満である場合はステップS27に進み、放置時間Gが6〔時間〕以上である場合はステップS34に進む。
ステップS27 結露判定処理部Pr3は温度差tが12〔℃〕以上であるかどうかを判断する。温度差tが12〔℃〕以上である場合はステップS29に進み、温度差tが12〔℃〕未満である場合はステップS28に進む。
ステップS28 結露判定処理部Pr3は湿度差hが15〔%〕以上であるかどうかを判断する。湿度差hが15〔%〕以上である場合はステップS29に進み、湿度差hが15〔%〕未満である場合はステップS34に進む。
ステップS29 電圧制御処理部Pr4は帯電電圧Vch及び供給電圧Vsbを補正する。
ステップS30 印刷処理部Pr1は印刷を開始する。
ステップS31 結露判定処理部Pr3は10〔枚〕以上の印刷が行われたかどうかを判断する。10〔枚〕以上の印刷が行われた場合はステップS33に進み、10〔枚〕以上の印刷が行われなかった場合はステップS32に進む。
ステップS32 結露判定処理部Pr3は印刷が開始されてから3〔時間〕以上が経過したかどうかを判断する。印刷が開始されてから3〔時間〕以上が経過した場合はステップS33に進み、印刷が開始されてから3〔時間〕以上が経過しなかった場合はステップS27に戻る。
ステップS33 電圧制御処理部Pr4は帯電電圧Vchを基準の帯電電圧Vchfにし、供給電圧Vsbを基準の供給電圧Vsbfにする。
ステップS34 印刷処理部Pr1は通常の印刷を行い、処理を終了する。
【0158】
このように、本実施の形態においては、帯電電圧Vch及び供給電圧Vsbの補正が同時に行われるので、露光される前の感光体ドラム22の表面電位と現像ローラ36に印加される現像電圧との電位差が過剰に小さくなるのが防止されるので、画像濃度、特に、中間調の画像濃度が過剰に高くなることがなく、画像品位を向上させることができる。また、結露が発生するのを防止するための温度差t及び湿度差hの範囲を広くすることができ、電圧制御処理部Pr4による電圧制御処理を円滑に行うことができる。
【0159】
前記各実施の形態においては、温度差として電源オン時の温度T2から電源オン時のベルト温度T3を減算することによって算出された温度差tが使用されるようになっているが、温度差として、電源オン時の温度T2から電源オフ時の温度T1を減算することによって算出された温度差τを使用することもできる。
【0160】
そして、前記各実施の形態においては、露光される前の感光体ドラム22の表面電位と現像ローラ36に印加される現像電圧との電位差を小さくするために帯電電圧Vchが補正されるようになっているが、現像ローラ36に印加される現像電圧を、例えば、-200〔V〕から-220〔V〕へと補正することもできる。
【0161】
また、前記各実施の形態においては、プリンタ10にイエロー、マゼンタ及びシアンの画像形成ユニット21Y、21M、21Cが配設され、3色のトナーによって画像が形成されるようになっているが、ブラック、ホワイト及び透明の画像形成ユニットを配設し、多色のトナーによる画像を形成することもできる。
【0162】
さらに、各実施の形態においては、媒体として長尺状の用紙が使用されるようになっているが、各種の用紙サイズのカット紙を使用することができる。
【0163】
前記各実施の形態においては、プリンタ10について説明したが、本発明を複写機、ファクシミリ装置、複合機等の画像形成装置に適用することができる。
【0164】
なお、本発明は前記各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【符号の説明】
【0165】
10 プリンタ
21Y、21M、21C 画像形成ユニット
24 LEDヘッド
34 帯電ローラ
36 現像ローラ
Bd 装置本体
Pr4 電圧制御処理部
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