(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022166792
(43)【公開日】2022-11-02
(54)【発明の名称】乳酸菌付着飼料用籾米の微粉砕の長期保存とコストダウン
(51)【国際特許分類】
A23K 10/30 20160101AFI20221026BHJP
A23K 10/12 20160101ALI20221026BHJP
A23K 10/18 20160101ALI20221026BHJP
A23K 30/20 20160101ALI20221026BHJP
A23K 40/10 20160101ALI20221026BHJP
【FI】
A23K10/30
A23K10/12
A23K10/18
A23K30/20
A23K40/10
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2021096199
(22)【出願日】2021-04-21
(71)【出願人】
【識別番号】500344286
【氏名又は名称】金田 陽太郎
(72)【発明者】
【氏名】金田 陽太郎
【テーマコード(参考)】
2B150
【Fターム(参考)】
2B150AA02
2B150AA03
2B150AA05
2B150AB20
2B150AC05
2B150AD04
2B150AE02
2B150AE25
2B150BA01
2B150BB01
2B150BD06
2B150BE01
2B150CE12
2B150EA05
2B150EB03
2B150EE10
(57)【要約】
【課題】一般的に飼料用玄米を家畜に与えている量は約30%です。籾殻にも栄養分が少し含まれているがガラス繊維のため鶏以外は食べない。牛は荒く破砕すれば可能だが豚には与えられていない。又長期保存するためには専用の倉庫が必要となるため外国産のトウモロコシ飼料と価格が同程度か高くなるので畜産農家はあまり利用したがらない。籾米ごと微粉砕にすると籾殻も利用できるが籾殻が多く入ると繊維質が多いので栄養的に劣り家畜の成長が遅れるので使われていないのが現状です。
【解決手段】乳酸菌は玄米よりも繊維の多いので籾殻が発酵しやすい。さらに微粉砕した籾殻であればより発酵が進み乳酸菌が付着した籾殻は養分的にも優れたエサとなる。微粉砕した乳酸菌付着籾米を乾燥させ、ホールクロップサイレージにすると露天での保存が可能になり、倉庫代がかからないので大幅なコストダウンになる。それが今回の方法です。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンバインで刈り取った籾米(飼料米)をビニールの内袋入りのコンテナバック(フレコン)にコンバインから直接入れる。乳酸菌の水溶液を籾米1t当たり約10Lかけてから吸引機又は掃除機で空気を抜く。内袋、コンテナバックを紐で縛り嫌気性状態にして積み重ねて約1~2か月間置き乳酸発酵を促進させる。
【請求項2】
乳酸発酵が終わった飼料米を付着している乳酸菌を殺さないように乾燥機で低温風乾燥する。水分量を10%から15%以内まで乾燥させる。
【請求項3】
コストダウン1,乾燥させた乳酸菌付き籾米を粉砕機に入れ、微粉砕にする。籾殻はガラス質繊維のため微粉砕にすることで牛、豚、も消化できる飼料米になる。鶏は粉砕しなくても消化できるが微粉砕することで多く与えることができる。籾殻分20%が増量になり、エサ代がコストダウンとなる。
【請求項4】
コストダウン2,長期保存及びコスト減のため微粉砕した飼料米をもう一度ビニールの内袋入りのコンテナバック(フレコン)入れてからホールクロップサイレージにする機械でビニールをグルグル巻きにして空気を抜き、丸い形のホールクロップにして露天保管をする。倉庫代が必要なくなるのでコストダウンとなる。鳥,ネズミに穴を開けられないような対策をすることで2年から3年は保管することができる。
【請求項5】
コストダウン3,一般の配合飼料にも粉末の乳酸菌が入っていますが上記の場合は微粉砕籾殻に乳酸菌が付着していることにより、栄養価のある食物繊維として多く与えることができる。現在家畜には玄米で与えられておりますが約30%が限界とされております。この乳酸菌付き飼料米では50%から70%の給餌が可能で肉質や卵がグレードアップいたします(給餌済)。この乳酸菌付き飼料米は現在の配合飼料価格より約50%安くなるので給餌が増えた分コストダウンとなる。以上の関連した5項目を特許として請求範囲といたします。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本特許は飼料用として利用されていない籾殻の利用です。籾殻はガラス質繊維なので破砕する機械の刃は摩耗が激しく、石臼で摺ると繊維は破壊されるが大量生産ができないので採算が合わないのが現状です。あるメーカーが瀬戸物や卵の殻をチェーンで叩く機械を発明したので籾殻付き飼料米の微粉砕が可能になりました。(当方でも粉砕して実証済)そこで籾米に乳酸菌を付着させ発酵させてから乳酸菌を殺さないように低温風乾燥し微粉砕にします。保存用として内袋入りコンテナバックに再度入れ、ホールクロップに巻いて保管します。
【背景技術】
【0002】
普通はコンバインで刈り取った籾米(飼料米)をコンテナバック(フレコン)に入れ乾燥場まで運んで乾燥します。今回のやり方はビニールの内袋入りのコンテナバック(フレコン)にコンバインから直接入れる。乳酸菌の水溶液を籾米1t当たり約10Lかけるが籾米の水分が多い時は粉末の乳酸菌をコンバインからの投入に併せて粉末乳酸菌をかける。その後吸引機又は掃除機で空気を抜く。内袋、コンテナバックを紐で縛り嫌気性状態にする。紐は発酵した時の空気が抜けるようにビニール紐で縛る。保管場所に積み重ねて約1~2か月間置き乳酸発酵を促進させる。雪中貯蔵でも可能(実証済)
【0003】
乳酸発酵が終わった飼料米を付着している乳酸菌を殺さないように乾燥機で低温風乾燥する。水分量を10%から15%以内まで乾燥させる。
【0004】
コストダウン1,乾燥させた乳酸菌付着籾米をチェーン式破砕機に入れ、微粉砕にするが籾殻はガラス質繊維のため刃を使う粉砕機では刃の摩耗が激しいので微粉砕する機械はない、石臼式粉砕機ですれば微粉砕になるが大量生産できないので使用できない。今回はメーカーが瀬戸物や卵殻を粉砕するためにチェーン式破砕機を発明したので当方でお願いして乾燥した籾米を粉砕していただいたら見事に籾も微粉砕になりましたのでそのチェーン式破砕機を使用いたします。これにより籾米には約20%の籾殻が着いているのでこれがエサとして活用できるのでコストダウンになる。
【0005】
コストダウン2,長期保存及びコスト減のため微粉砕した乾燥飼料米をもう一度ビニールの内袋入りのコンテナバック(フレコン)入れてから口を軽く縛りホールクロップサイレージにする機械でビニールをグルグル巻きにして空気を抜き、丸い形のホールクロップにして露天保管をする。倉庫代が必要なくなるのでコストダウンとなる。鳥,ネズミに穴を開けられないような対策をすることで2年から3年は保管することができる。雪中貯蔵でも外部から水分が入らないので可能。尚、鶏用として直接乳酸菌付着籾米を給餌用としては[0002]での乾燥前の乳酸菌付着籾米をビニール袋入りのコンテナバックに入れた後ホールクロップサイレージにして保存する。今回生の籾米と乾燥後の微粉砕を家畜の給餌方法で2種類のホールクロップサイレージを作ることができるのを特許としての申請です。
【0006】
コストダウン3,一般の配合飼料にも粉末の乳酸菌が入っていますが上記の場合は微粉砕籾殻に乳酸菌が付着していることにより、栄養価のある食物繊維として多く与えることができる。現在家畜には玄米で与えられておりますが約30%が限界とされております。この乳酸菌付き飼料米では50%から70%の給餌が可能で肉質や卵がグレードアップいたします(給餌済)。この乳酸菌付き飼料米は現在の配合飼料価格より約50%安くなるので給餌が増えた分コストダウンとなる。
【0007】
家畜用飼料として籾殻を活用することでコストダウンをすること。乳酸菌を利用した家畜の肉質をよくする飼料米をホールクロップにすることでコストダウン及び抗生物質を使用しない付加価値の高い飼料ができることが特色です。現在卵鶏と比内地鶏の去勢鶏には70%の発酵飼料米を給餌しております。卵は日本食品分析センターの結果オレイン酸が普通の鶏の6倍も多くなっていました。去勢鶏の肉質は秋田北鷹高校の研究結果では不飽和脂肪酸のアラキドン酸が増えていました。豚も以前飼育していた豚には最大玄米を70%給餌しました。その結果脂嫌いの女性にも好評でした。乳酸菌を用いることで不飽和脂肪酸やグルタミン酸、イノシン酸が増え特殊な豚肉になり飼育する農家にとっても外国産に負けない豚ができることが今回の特許申請の理由です。