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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022166812
(43)【公開日】2022-11-02
(54)【発明の名称】レーザ光伝送システム
(51)【国際特許分類】
   B23K 26/073 20060101AFI20221026BHJP
   B23K 26/064 20140101ALI20221026BHJP
   B23K 26/067 20060101ALI20221026BHJP
   G02B 13/00 20060101ALI20221026BHJP
   G02B 6/42 20060101ALI20221026BHJP
【FI】
B23K26/073
B23K26/064 N
B23K26/067
B23K26/064 G
G02B13/00
G02B6/42
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022013555
(22)【出願日】2022-01-31
(31)【優先権主張番号】63/177,688
(32)【優先日】2021-04-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/362,300
(32)【優先日】2021-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】515288122
【氏名又は名称】ルーメンタム オペレーションズ エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Lumentum Operations LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100205833
【弁理士】
【氏名又は名称】宮谷 昂佑
(72)【発明者】
【氏名】マーティン エイチ メンデル
(72)【発明者】
【氏名】リチャード ディー ファウルハーバー
【テーマコード(参考)】
2H087
2H137
4E168
【Fターム(参考)】
2H087KA26
2H087RA41
2H087RA46
2H137AA13
2H137AB11
2H137BB08
2H137BB17
2H137BC12
2H137BC61
4E168DA28
4E168DA36
4E168DA39
4E168EA00
4E168EA02
4E168EA07
4E168EA14
4E168EA17
(57)【要約】      (修正有)
【課題】レーザ光伝送システム、およびレーザ光伝送システムの光束分割光学系に関する。
【解決手段】レーザ光伝送システムは、光ビーム発射装置および導波路アセンブリを含む。光ビーム発射装置は、光ビーム発射装置に入射したレーザ光を第1のレーザサブビームおよび第2のレーザサブビームに分割し、第1のレーザサブビームを導波路アセンブリにおける入射レンズの第1の領域に伝送し、第2のレーザサブビームを入射レンズの第2の領域に伝送するように構成された光束分割光学系を含む光学リレーシステムを備える。導波路アセンブリは第1のレーザサブビームおよび第2のレーザサブビームを導波路アセンブリの入射レンズから出射レンズに伝送するように構成され、第1のレーザサブビームおよび第2のレーザサブビームは導波路アセンブリから伝送され、出射レーザ光を形成する。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ光伝送システムであって、
光学リレーシステムを含む光ビーム発射装置、および
導波路アセンブリを備え、
前記光学リレーシステムは、
前記光ビーム発射装置に入射したレーザ光を第1のレーザサブビームおよび第2のレーザサブビームに分割し、
前記第1のレーザサブビームを前記導波路アセンブリにおける入射レンズの第1の領域に伝送し、
前記第2のレーザサブビームを前記導波路アセンブリにおける入射レンズの第2の領域に伝送するように構成された光束分割光学系を含み、
前記導波路アセンブリは、
前記第1のレーザサブビームおよび前記第2のレーザサブビームを前記導波路アセンブリにおける前記入射レンズから前記導波路アセンブリの出射レンズへ、前記導波路アセンブリの導波路を介して伝送するように構成され、
前記第1のレーザサブビームおよび前記第2のレーザサブビームは前記導波路アセンブリから伝送され、出射レーザ光を形成する、レーザ光伝送システム。
【請求項2】
請求項1に記載のレーザ光伝送システムにおいて、前記出射レーザ光は、
1つの出射レーザ光スパイクおよび1つもしくは複数の出射レーザ光リング、または、
2つ以上の出射レーザ光リングのいずれかを含む、レーザ光伝送システム。
【請求項3】
請求項1に記載のレーザ光伝送システムにおいて、前記光束分割光学系は、
プリズム光学系、
ウェッジ光学系、または
多面光学系のいずれかを含む、レーザ光伝送システム。
【請求項4】
請求項1に記載のレーザ光伝送システムにおいて、
前記第1の領域は、前記導波路アセンブリにおける前記入射レンズの光軸からの第1の横方向オフセットに関連し、
前記第2の領域は、前記導波路アセンブリにおける前記入射レンズの前記光軸からの第2の横方向オフセットに関連する、レーザ光伝送システム。
【請求項5】
請求項4に記載のレーザ光伝送システムにおいて、前記導波路アセンブリにおける前記入射レンズは、
該入射レンズの前記第1の領域で前記第1のレーザサブビームを受光し、該第1のレーザサブビームを第1の発射角度で前記導波路アセンブリの前記導波路のコアに伝送し、
前記入射レンズの前記第2の領域で前記第2のレーザサブビームを受光し、該第2のレーザサブビームを第2の発射角度で前記導波路アセンブリの前記コアに伝送するように構成される、レーザ光伝送システム。
【請求項6】
請求項1に記載のレーザ光伝送システムにおいて、前記光学リレーシステムは、前記光学リレーシステム内の前記レーザ光の伝送経路の一部または全体において、前記光束分割光学系の位置を調整するように構成された調整コンポーネントをさらに含む、レーザ光伝送システム。
【請求項7】
請求項6に記載のレーザ光伝送システムにおいて、前記光束分割光学系は、該光束分割光学系の表面に一次元または二次元パターンで配置された複数のファセットを含む多面光学系であり、
前記調整コンポーネントは、前記レーザ光の前記伝送経路の一部または全体において、前記光束分割光学系の位置を一次元的または二次元的に調整するように構成される、レーザ光伝送システム。
【請求項8】
請求項1に記載のレーザ光伝送システムにおいて、前記光束分割光学系は、複数のファセット、および、
該複数のファセットのうちの平面ファセットを含む第1のファセット、または前記複数のファセットのうちの非平面ファセットを含む第2のファセットのうちのいずれか、
を含む多面光学系である、レーザ光伝送システム。
【請求項9】
請求項1に記載のレーザ光伝送システムにおいて、前記光束分割光学系は複数のファセットを含む多面光学系であり、
該複数のファセットは、ファセットサイズの閾値を満たすサイズをそれぞれ有する一組のファセットを含む、レーザ光伝送システム。
【請求項10】
請求項1に記載のレーザ光伝送システムにおいて、前記光束分割光学系は複数のファセットを含む多面光学系であり、
該複数のファセットのうちの1つのファセットは、
反射特性、
屈折特性、および
回析特性
のうちの少なくとも1つを含む、レーザ光伝送システム。
【請求項11】
光ビーム発射装置であって、
該光ビーム発射装置に入射したレーザ光を第1のレーザサブビームおよび第2のレーザサブビームに分割し、
前記第1のレーザサブビームを導波路アセンブリにおける入射レンズの第1の領域に伝送し、
前記第2のレーザサブビームを前記導波路アセンブリにおける前記入射レンズの第2の領域に伝送するように構成された光束分割光学系を備え、
前記第1の領域は前記導波路アセンブリにおける前記入射レンズの光軸からの第1の横方向オフセットに関連し、
前記第2の領域は前記導波路アセンブリにおける前記入射レンズの前記光軸からの第2の横方向オフセットに関連する、光ビーム発射装置。
【請求項12】
請求項11に記載の光ビーム発射装置において、前記光束分割光学系は、
プリズム光学系、
ウェッジ光学系、または
多面光学系のうちの1つを含む、光ビーム発射装置。
【請求項13】
請求項11に記載の光ビーム発射装置において、前記光束分割光学系は、
反射特性、
屈折特性、および
回析特性のうちの少なくとも1つを有する、光ビーム発射装置。
【請求項14】
請求項11に記載の光ビーム発射装置において、前記光束分割光学系は、前記レーザ光の少なくとも一部の向きを変え、該レーザ光が前記第1のレーザサブビームおよび前記第2のレーザサブビームに分割されるように構成される、光ビーム発射装置。
【請求項15】
請求項11に記載の光ビーム発射装置において、前記光ビーム発射装置内で、前記レーザ光の伝送経路の一部または全体において、前記光束分割光学系の位置を調整するように構成された調整コンポーネントをさらに含む、光ビーム発射装置。
【請求項16】
請求項15に記載の光ビーム発射装置において、
前記光束分割光学系は多面ディスク光学系の少なくとも1つの表面上に方位角に配置された複数のファセットを含む多面ディスク光学系であり、
前記光束分割光学系は、前記光ビーム発射装置における入射レンズの光軸にほぼ平行な回転軸を有し、
前記調整コンポーネントは、前記光束分割光学系の回転軸上で、前記光束分割光学系の位置を、前記レーザ光の前記伝送経路の一部または全体において、回転的に調整するように構成される、光ビーム発射装置。
【請求項17】
請求項15に記載の光ビーム発射装置において、
前記光束分割光学系は複数のファセットエッジを含む多面的な多角形光学系であり、
前記光束分割光学系は前記光ビーム発射装置における入射レンズの光軸にほぼ垂直な回転軸を有し、
前記調整コンポーネントは、前記光束分割光学系の前記回転軸上で、前記光束分割光学系の位置を、前記レーザ光の前記伝送経路の一部または全体において、回転的に調整するように構成される、光ビーム発射装置。
【請求項18】
方法であって、
光束分割光学系によって、光ビーム発射装置に入射したレーザ光を第1のレーザサブビームおよび第2のレーザサブビームに分割するステップと、
前記光束分割光学系によって、前記第1のレーザサブビームを導波路アセンブリにおける入射レンズの第1の領域に伝送するステップであって、前記第1の領域は、前記導波路アセンブリにおける前記入射レンズの光軸からの第1の横方向オフセットに関連するステップと、
前記光束分割光学系によって、前記第2のレーザサブビームを前記導波路アセンブリにおける前記入射レンズの第2の領域に伝送するステップであって、前記第2の領域は、前記導波路アセンブリにおける前記入射レンズの前記光軸からの第2の横方向オフセットに関連するステップと
を含む、方法。
【請求項19】
請求項18に記載の方法において、前記第1のレーザサブビームを前記導波路アセンブリにおける前記入射レンズの第1の領域に伝送するステップ、および前記第2のレーザサブビームを前記導波路アセンブリにおける前記入射レンズの前記第2の領域に伝送するステップによって出射レーザ光を形成し、前記出射レーザ光は前記第1のレーザサブビームと前記第2のレーザサブビームとを組み合わせたものである、方法。
【請求項20】
請求項19に記載の方法において、前記出射レーザ光は、1つの出射レーザ光スパイク、1つもしくは複数の出射レーザ光リング、または2つ以上の出射レーザ光リングのうちの1つを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、2021年4月21日に出願された「ビーム成形システム」と題された米国仮特許出願第63 / 177,688号の優先権を主張するものであり、その開示全体を、ここに参照のために取り込む。
【技術分野】
【0002】
本開示は、一般に、レーザ光伝送システム、およびレーザ光伝送システムの光束分割光学系に関する。
【背景技術】
【0003】
レーザによる材料加工は、高い生産性、加工の非接触性、品質の向上、ならびにレーザ光伝送ポイントの高精度化および移動性など、従来の材料加工に比べて多くの利点を有する。現在、レーザは、切断、穴あけ、溶接、ろう付け、表面アニーリング、合金化、硬化、およびその他の用途に使用されている。光ファイバは、高出力および/または高強度のレーザ光をターゲットに伝送するために頻繁に使用されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
いくつかの実装形態において、レーザ光伝送システムは、光学リレーシステムを含む光ビーム発射装置および導波路アセンブリを備え、光学リレーシステムは、光ビーム発射装置に入射したレーザ光を第1のレーザサブビームおよび第2のレーザサブビームに分割し、第1のレーザサブビームを導波路アセンブリにおける入射レンズの第1の領域に伝送し、第2のレーザサブビームを導波路アセンブリにおける入射レンズの第2の領域に伝送するように構成された光束分割光学系を含み、導波路アセンブリは、第1のレーザサブビームおよび第2のレーザサブビームを導波路アセンブリにおける入射レンズから導波路アセンブリにおける出射レンズへ、導波路アセンブリの導波路を介して伝送するように構成され、第1のレーザサブビームおよび第2のレーザサブビームは導波路アセンブリから伝送され、出射レーザ光を形成する。
【0005】
いくつかの実装形態において、光ビーム発射装置は、光ビーム発射装置に入射したレーザ光を第1のレーザサブビームおよび第2のレーザサブビームに分割し、第1のレーザサブビームを導波路アセンブリにおける入射レンズの第1の領域に伝送し、第2のレーザサブビームを導波路アセンブリにおける入射レンズの第2の領域に伝送する光束分割光学系を備え、第1の領域は導波路アセンブリにおける入射レンズの光軸からの第1の横方向オフセットに関連し、第2の領域は導波路アセンブリにおける入射レンズの光軸からの第2の横方向オフセットに関連する。
【0006】
いくつかの実装形態において、方法は、光束分割光学系によって、光ビーム発射装置に入射したレーザ光を第1のレーザサブビームおよび第2のレーザサブビームに分割するステップと、光束分割光学系によって、第1のレーザサブビームを導波路アセンブリにおける入射レンズの第1の領域に伝送するステップと、光束分割光学系によって、第2のレーザサブビームを導波路アセンブリにおける入射レンズの第2の領域に伝送するステップとを含み、第1の領域は導波路アセンブリにおける入射レンズの光軸からの第1の横方向オフセットに関連し、第2の領域は導波路アセンブリにおける入射レンズの光軸からの第2の横方向オフセットに関連する
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1A】本明細書に記載するレーザ光伝送システムに関する実装形態例の図である。
図1B】本明細書に記載するレーザ光伝送システムに関する実装形態例の図である。
図2図2A図2は、本明細書に記載する出射レーザ光の形状の例を示す図である。
図3】本明細書に記載する光束分割光学系によって形成された入射レーザ光のレーザサブビームの強度プロファイルの例を示すグラフである。
図4】本明細書に記載する光束分割光学系によって形成されたサブビームの組み合わせを含む出射レーザ光の強度プロファイルの例を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
実装形態例の詳細を添付の図面を参照して以下に説明する。異なる図面における同じ参照番号は、同じ、または類似する構成要素を示すものである。
【0009】
従来のファイバ伝送レーザ材料加工システムは、一般に、レーザ(例えばファイバレーザ)、光カプラユニット(例えば、スイッチボックスまたはシャッターボックス)、 (「伝送ファイバ」とも称される)加工ファイバ(例え強化ケーブル内、加工ファイバの1つまたは複数の端部に接続可能)、および加工ヘッドを備える。加工ヘッドは、加工ファイバ用のレセプタクル、レーザ出力光を投射する光学系、アシストガスポートなどのレーザ加工に必要な付属品を含む光学系アセンブリである。レーザ光は出射され、レーザから光カプラユニットに、(例えば、自由空間または別の光ファイバを介して)伝送される。光カプラユニットはレーザ光を加工ファイバ内に発射し、加工ファイバはレーザ光を加工ヘッドに伝送する。加工ヘッドはレーザ光をワークに投射し、加工作業を行う。
【0010】
このようなシステムは、切断、穴あけ、溶接、ろう付け、表面アニーリング、合金化、硬化、および/または他の用途を含む多くの異なる加工タイプ、多くの異なる材料、厚さ、および形状で使用される。ワークでの望ましい焦点サイズ、発散、およびビーム品質は、加工タイプおよび関連する加工パラメータによって大きく異なる可能性がある。レーザ光の様々なスポットサイズおよび/または様々な発散を生成するために、光カプラの1つまたは複数のレンズを調整して、レーザ光を加工ファイバにオフセットで入射させることができる。しかしこの場合、「スパイク」(例えば中央のピーク)または環状「リング」のいずれかの単一のビーム特性を有するスポットが生成され、特定のタイプの加工(例えば、スパイクおよび/または複数のリングの組み合わせなどの複数のビーム特性を必要とするもの)には適さない場合がある。
【0011】
本明細書に記載するいくつかの実装形態は、光ビーム発射装置、導波路アセンブリおよび/または加工ヘッドを備えるレーザ光伝送システム(ビーム形成システムとも称される)を提供する。光ビーム発射装置は、レーザ光を光ビーム発射装置に入射する入射ポートおよびレーザ光を導波路アセンブリに中継する光学リレーシステムを備えることができる。光学リレーシステムは、レーザ光を複数のレーザサブビームに分割するように構成された光束分割光学系を含むことができる。光束分割光学系は、レーザ光の少なくとも一部の向きを変えて複数のレーザサブビームを生成する、1つまたは複数の面および/または1つまたは複数のファセットを含むことができる。調整コンポーネントは光束分割光学系を移動させ、光束分割光学系がレーザ光の伝送経路の一部または全体に位置するようにし、光束分割光学系がレーザ光を複数のレーザサブビームに分割できるようにすることができる。
【0012】
いくつかの実装形態において、光束分割光学系は複数のレーザサブビームを導波路アセンブリにおける導波路入射レンズの個々の領域に伝送させることができる。各領域は導波路入射レンズの光軸からの横方向オフセットと関連させることができる。導波路入射レンズは、(導波路入射レンズのそれぞれの領域および/またはそれぞれの横方向オフセットに対応する)それぞれの発射角度の複数のレーザサブビームを導波路アセンブリの導波路のコアに伝送することができる。複数のレーザサブビームは導波路を介して、導波路アセンブリから加工ヘッドへと伝送することができ、出射レーザ光として(例えば、ターゲットに)集束させることができる。出射レーザ光は複数のレーザサブビームの組み合わせであってもよく、従って、複数のレーザサブビームに関連する個々の横方向オフセットに対応する形状を有することができる。
【0013】
このように、本明細書に記載するいくつかの実装形態は、複数のビーム特性(例えば、1つの出射レーザ光スパイクおよび1つまたは複数の出射レーザ光リングを有する出射レーザ光、または2つ以上の出射レーザ光リングを有する出射レーザ光)を含む出射レーザ光の生成を容易にする。従って、出射レーザ光は、従来の単一ビーム特性の調整技術では不可能な、切断、穴あけ、溶接、ろう付け、表面アニーリング、合金化、硬化、及び/又は複数のビーム特性を有する出射ビームを必要とするターゲットに関連する他のアプリケーションが容易に行えるように構成することができる。
【0014】
図1A図1Bは、本明細書に記載するレーザ光伝送システム102に関する実装形態例100を示す図である。レーザ光伝送システム102は、異なる出射レーザ光プロファイル(例えば、ガウス状のビーム「スパイク」および/または1つまたは複数の環状ビーム「リング」の種々の組み合わせ)の生成を可能にすることができる。図1A図1Bに示すように、レーザ光伝送システム102は、光ビーム発射装置104、導波路アセンブリ106、および/または加工ヘッド108を含むことができる。
【0015】
光ビーム発射装置104は入射ポート110および光学リレーシステム112を含むことができる。入射ポート110はレーザ光を光ビーム発射装置104に入射するように構成することができる。例えば、図1A図1Bに示すように、入射ポート110は複数の入射光(例えば、複数の非平行入射光)を含むレーザ光を入射することができる。
【0016】
光学リレーシステム112は、(例えば、入射ポート110によって光ビーム発射装置104に入射される)レーザ光を導波路アセンブリ106に中継するように構成することができる。 いくつかの実装形態において、光学リレーシステム112は第1のレンズ114(例えばコリメーティングレンズ)、第2のレンズ116(例えば集束レンズ)、調整コンポーネント118、および/または光束分割光学系120を含み得る。
【0017】
第1のレンズ114は、(例えば、図1A~1Bに示す入射光を含む)レーザ光を入射ポート110から受光し、そのレーザ光を(例えば、入射光が相互におよび/または第1のレンズ114の光軸に対して平行となるように)コリメートし、(例えば光学リレーシステム112内で)レーザ光を第2のレンズ116に伝送するように構成することができる。いくつかの実装形態において、本明細書に記載するように、レーザ光の一部または全体を、光束分割光学系120を介して第2のレンズ116に伝送することができる。
【0018】
調整コンポーネント118は、光束分割光学系120、第1のレンズ114、および/または第2のレンズ116を並進、回転、傾斜、または移動させて、光束分割光学系120が第1のレンズ114と第2のレンズ116の間のレーザ光の伝送経路の一部又は全体にくるように構成することができる。例えば、調整コンポーネント118は、レーザ光が第1のレンズ114から第2のレンズ116に伝送される際に、光束分割光学系120 の位置を調整して、光束分割光学系120の少なくとも一部がレーザ光の伝送経路内にくるように構成することができる。
【0019】
光束分割光学系120は、光束分割光学系120が伝送経路の少なくとも一部内に位置する場合、レーザ光が複数のレーザサブビーム(例えば、第1のレーザサブビーム、第2のレーザサブビーム、および/または 1つまたは複数のさらなるレーザサブビーム)に分割されるように構成してもよい。いくつかの実装形態において、光束分割光学系120はレーザ光の少なくとも一部の向きを変え、レーザ光が複数のレーザサブビームに分割されるように構成してもよい。
【0020】
例えば、光束分割光学系120が伝送経路の一部にある場合、レーザ光の第1の部分は第1のレンズ114から第2のレンズ116に(例えば光束分割光学系120に接触せずに)直接伝送し、レーザ光の第2の部分は、第1のレンズ114から第2のレンズ116に光束分割光学系120を介して間接的に伝送することができる。光束分割光学系120の1つまた複数の光学特性のため、光束分割光学系120は、レーザ光の第2の部分が光束分割光学系120に入射する際に、レーザ光の第2の部分の向きを変えることができる。よって光束分割光学系120は、(例えば、レーザ光の第2の部分の向きを変えることによって)レーザ光を(例えばレーザ光の第1の部分を含む)第1のレーザサブビーム と(例えばレーザ光の第2の部分を含む)第2のレーザサブビームとに分割することができる。
【0021】
特定の例において、図1Aに示すように、入射レーザ光の2つの下部入射光は、第1のレンズ114から第2のレンズ116へ直接伝送され、レーザ光の2つの上部入射光は、第1のレンズ114から伝送され、光束分割光学系120に入射することができる。光束分割光学系120は、2つの上部入射光のそれぞれの軌道を反射、屈折、回折、および/または変更し、それらの光線は第2レンズ116に伝送される。従って、光束分割光学系120は、(例えば、2つの上部入射光の向きを変えることによって)レーザ光を(例えば、2つの下部入射光を含む)第1のレーザサブビームと(例えば、2つの上部入射光を含む)第2のレーザサブビームとに分割させることができる。
【0022】
別の例として、光束分割光学系120がレーザ光の伝送経路(例えば伝送経路全体)にあると、レーザ光の第1の部分およびレーザ光の第2の部分はそれぞれ第1のレンズ114から第2のレンズ116に光束分割光学系120を介して間接的に伝送することができる。光束分割光学系120の1つまたは複数の光学特性のため、光束分割光学系120は、レーザ光の第1の部分およびレーザ光の第2の部分が光束分割光学系120に入射する際、レーザ光の第1の部分またはレーザ光の第2の部分の向きを変えることができる。よって、光束分割光学系120 は(例えば、レーザ光の第1の部分またはレーザ光の第2の部分の向きを変えることにより)レーザ光を(例えばレーザ光の第1の部分を含む)第1のレーザサブビームと(例えばレーザ光の第2の部分を含む)第2のレーザサブビームとに分割させることができる。
【0023】
特定の例において、図1Bに示すように、レーザ光の3つの入射光を第1のレンズ114から伝送し、光束分割光学系120に入射させることができる。光束分割光学系120は、3つの入射光のうちの一番下の入射光を反射、屈折、回折させ、および/または軌道の向きを変え、第2のレンズ116に伝送することができる。よって、光束分割光学系120は、(例えば、一番下の入射光の向きを変えることによって)レーザ光を、(例えば、3つの入射光のうちの2つの上部の入射光を含む)第1のレーザサブビームと(例えば、一番下の入射光を含む)第2のレーザサブビームとに分割させることができる。
【0024】
いくつかの実装形態において、光束分割光学系120は、プリズム光学系、ウェッジ光学系、または多面光学系とすることができる。例えば、図1Aに示すように、光束分割光学系120はプリズム光学系またはウェッジ光学系(例えば、角度の付いた前面および/または角度の付いた背面を備えた光学部品)とすることができる。別の例として、図1Bに示すように、光束分割光学系120は、(例えば、互いに平行である前部ファセットと後部ファセット、および前部ファセットと後部ファセットに対してそれぞれ角度が付けられた2つの側面ファセットを含む)多面光学系であってもよい。
【0025】
いくつかの実装形態において、光束分割光学系120は、光束分割光学系120の少なくとも1つの面(例えば、入射面及び/又は出射面)上に1次元パターン(例えば、ファセットの「列」)又は2次元パターン(例えば、ファセットの「格子」)で配置された複数のファセットを含む多面光学系とすることができる。よって、(例えば、レーザ光の様々な部分が光束分割光学系120の複数のファセットの様々なファセットに入射するように)調整コンポーネント118は、第1のレンズ114と第2のレンズ116の間のレーザ光の伝送経路内で光束分割光学系120の位置を1次元的または2次元的に調整するように構成することができる。いくつかの実装形態において、複数のファセットの中の少なくとも1つのファセットは平面のファセットを含むことができ、および/または少なくとも1つのファセットは非平面のファセット(例えば湾曲した、または一部が湾曲したファセット)を含むことができる。いくつかの実装形態において、複数のファセットは、ファセットサイズの閾値を満たす(閾値以下である)、サイズ(例えば、幅、径、または他の測定値)がそれぞれ異なる一組のファセットを含むことができる。例えば、一組のファセットはそれぞれ、光束分割光学系120をレーザ光の光拡散器またはビームホモジナイザとして機能させるのに十分に小さいサイズとすることができる。いくつかの実装形態において、複数のファセットの中の1つのファセットは、反射特性、屈折特性および/または回析特性を有し得る。
【0026】
いくつかの実装形態において、光束分割光学系120は回転調整可能な光学系を備えることができる。例えば、光束分割光学系120は、多面ディスク光学系の少なくとも1つの面上に、方位角に配置された複数のファセットを含む多面ディスク光学系を備えることができる。光束分割光学系120は、第1のレンズ114および/または第2のレンズ116の光軸にほぼ平行な(例えば、2度以内の)回転軸を有することができる。よって、調整コンポーネント118は、(例えば、光束分割光学系120の回転軸上で)光束分割光学系120の位置を(例えば、複数のファセットのうちの1つまたは複数がレーザ光の伝送経路内にくるように)回転的に調整するように構成することができる。別の例として、光束分割光学系120は、複数のファセットエッジを含む多面的な多角形光学系とすることができる。光束分割光学系120は、第1のレンズ114および/または第2のレンズ116の光軸にほぼ垂直な(例えば、2度以内の)回転軸を有することができる。よって、調整コンポーネント118は、(例えば、光束分割光学系120の回転軸上で)光束分割光学系120の位置を(例えば、複数のファセットのうちの1つまたは複数がレーザ光の伝送経路内にくるように)回転的に調整するように構成することができる。
【0027】
光ビーム発射装置104の第2のレンズ116は、レーザ光を(例えば、第1のレンズ114および/または光束分割光学系120から)受光するように構成することができる。例えば、光束分割光学系120はレーザ光を(例えば、本明細書に記載する)複数のレーザサブビームに分割し、これらの複数のレーザサブビームが第2のレンズ116に伝送され、受光されるようにすることができる。第2のレンズ116は複数のレーザサブビームが導波路アセンブリ106における導波路入射レンズ122のそれぞれの領域に集束するように構成することができる。例えば、第2のレンズ116は、複数のレーザサブビームのうちの第1のレーザサブビームを導波路入射レンズ122の第1の領域に集束させるように構成することができる。導波路入射レンズ122の第1の領域は、導波路入射レンズ122の光軸からの第1の横方向オフセットと関連させることができる。例えば、第1の横方向オフセットは、「ゼロ」の横方向のオフセット(例えば、導波路入射レンズ122の光軸からの0ミクロン(μm)のオフセット)とすることができる。別の例として、第2のレンズ116は、複数のレーザサブビームのうちの第2のレーザサブビームが導波路入射レンズ122の第2の領域に集束するように構成することができる。導波路入射レンズ122の第2の領域は、導波路アセンブリの導波路入射レンズ122の光軸から第2の横方向オフセットに関連させることができる。第2の横方向オフセットは「非ゼロ」の横方向オフセット(例えば、導波路入射レンズ122の光軸から0μmよりも大きなオフセット、例えば、導波路入射レンズ122の光軸から60μmのオフセット、90μmのオフセット、又は120μmのオフセット)とるすことができる。
【0028】
導波路アセンブリ106は、(例えば、複数のレーザサブビームを含む)レーザ光を光ビーム発射装置104から加工ヘッド108へ伝送するように構成することができる。 いくつかの実装形態において、導波路アセンブリ106は、導波路入射レンズ122、導波路124、および/または導波路出射レンズ126を含むことができる。
【0029】
導波路入射レンズ122は、(例えば、本明細書に記載する導波路入射レンズ122の各領域において、)光ビーム発射装置104の第2のレンズ116から(例えばレーザ光に含まれる)複数のレーザサブビームを受光し、複数のレーザサブビームをそれぞれの発射角度で導波路124のコア128に伝送するように構成することができる。各発射角度は、複数のレーザサブビームと関連するそれぞれの横方向のオフセットに対応させることができる。例えば、導波路入射レンズ122は、(例えば、導波路入射レンズ122の光軸に対して)小さな発射角度で、横方向オフセットに関連するサブビームを導波路124のコア128に伝送することができる、および/または (例えば、導波路入射レンズ122の光軸に対して)大きな発射角度で、関連するサブビームを導波路124のコア128に伝送することができる。
【0030】
一例において、導波路入射レンズ122は、導波路入射レンズ122の第1の領域において、(例えば、上記に記載するように)第2のレンズ116から第1のレーザサブビームを受光し、第1のレーザサブビームを第1の発射角度で導波路124のコア128に伝送することができる。第1の発射角度は導波路入射レンズ122の光軸からの第1の横方向オフセットに対応させることができる。例えば、第1の横方向のオフセットがゼロの横方向のオフセットである場合、導波路入射レンズ122は第1のレーザサブビームを、導波路入射レンズ122の光軸にほぼ平行(例えば2度以内)の第1の発射角度で伝送することができる。それに加えてまたは代替的に、導波路入射レンズ122は、導波路入射レンズ122の第2の領域において、(例えば、上記に記載するように)第2のレーザサブビームを受光し、第2のレーザサブビームを第2の発射角度で導波路124のコア128に伝送することができる。第2の発射角度は導波路入射レンズ122の光軸からの第2の横方向オフセットに対応させることができる。例えば、第2の横方向オフセットが非ゼロの横方向オフセットである場合、導波路入射レンズ122は第1のレーザサブビームを導波路入射レンズ122の光軸に平行でない(例えば2度以上の発射角度である)第2の発射角度で伝送することができる。
【0031】
いくつかの実装形態において、導波路124はコア128およびクラッド130を備えることができる。導波路124は、複数のレーザサブビームを導波路入射レンズ122から導波路出射レンズ126へ(例えばコア128を介して)伝送するように構成することができる。コア128は複数のレーザサブビームを伝送するように構成されたガラスおよび/または別の適切な材料で構成することができる。クラッド130はコア128を(例えば円周方向に)囲み、複数のレーザサブビームを(例えばコア128内に)収容するように構成することができる。
【0032】
導波路出射レンズ126は導波路124から複数のレーザサブビームを受光し、その複数のレーザサブビームをレーザ光伝送システム102の加工ヘッド108へ伝送するように構成することができる。
【0033】
加工ヘッド108は加工ヘッド入射レンズ132(例えば、コリメートレンズ)および/または加工ヘッド出射レンズ134(例えば集束レンズ)を含むことができる。加工ヘッド入射レンズ132は導波路アセンブリ106の導波路出射レンズ126から複数の レーザサブビームを受光し、(例えば、加工ヘッド108内で)複数のレーザサブビームを加工ヘッド出射レンズ134に伝送するように構成することができる。加工ヘッド出射レンズ134は複数のレーザサブビームを受光し、その複数のレーザサブビームを出射レーザ光136として(例えば、ワークなどのターゲット138に)集束させるように構成することができる。
【0034】
出射レーザ光136は光ビーム発射装置104から導波路アセンブリ106、加工ヘッド108、および/またはターゲット138へ伝送されるサブビームの組み合わせであってもよい。例えば、出射レーザ光136は本明細書に記載する第1のレーザサブビームおよび第2のレーザサブビームを含むことができる。いくつかの実装形態において、出射レーザ光136は複数のレーザサブビームと関連するそれぞれの横方向オフセットに対応する形状を有することができる。例えば、出射レーザ光136はレーザ光スパイクか、1つまたは複数の出射レーザ光リングを含むことができる。レーザ光スパイクは横方向のオフセットがゼロのレーザサブビームと関連させることができる。1つまたは複数の出射レーザ光リングはそれぞれ非ゼロの横方向オフセットで1つまたは複数のレーザサブビームと関連させることができる。図2A図2Dを参照して出射レーザ光136についてさらに説明する。
【0035】
ターゲット138はメタルワークなどのワークであってもよく、出射レーザ光136は切断、穴あけ、溶接、ろう付け、表面アニーリング、合金化、硬化、および/またはターゲット138に関連する他の用途を容易にするように構成することができる。
【0036】
上述のように、図1A図1Bは一例として提供される。他の例は図1A図1Bに関して記載したものと異なり得る。
【0037】
図2A図2Dは、本明細書に記載する出射レーザ光136の例示的形状200,202,204および206を示したものである。図2Aに示すように、出射レーザ光136の形状200は、出射レーザ光スパイク208および出射レーザ光リング210を含み得る。形状200は、例えば、光束分割光学系120がレーザ光を第1のレーザサブビームおよび第2のレーザサブビームに分割し、第1のレーザサブビームを導波路アセンブリ106の導波路入射レンズ122の(例えば、導波路入射レンズ122の光軸からのゼロの横方向オフセットに関連する)第1の領域に伝送し、第2のレーザサブビームを導波路入射レンズ122の(例えば、導波路入射レンズ122の光軸からの非ゼロの横方向オフセットに関連する)第2の領域に伝送した場合に形成され得る。次に、第1のレーザサブビームおよび第2のレーザサブビームはそれぞれ、(例えば、導波路アセンブリ106および/または加工ヘッド108を介して)、(例えば、ゼロの横方向オフセットで)出射レーザ光スパイク208から、そして(例えば、非ゼロの横方向オフセットで)出射レーザ光リング210からターゲット138に伝送することができる。
【0038】
図2Bに示すように、出射レーザ光136の形状202は2つの出射レーザ光リング210を含み得る。形状202は、例えば、光束分割光学系120がレーザ光を第1のレーザサブビームおよび第2のレーザサブビームに分割し、第1のレーザサブビームを導波路アセンブリ106における導波路入射レンズ122の(例えば、導波路入射レンズ122の光軸からの第1の非ゼロの横方向オフセットに関連する)第1の領域に伝送し、第2のレーザサブビームを導波路入射レンズ122の(例えば、導波路入射レンズ122の光軸からの非ゼロの横方向オフセットに関連する)第2の領域に伝送した場合に形成され得る。次に、第1のレーザサブビームおよび第2のレーザサブビームはそれぞれ、(例えば、導波路アセンブリ106および/または加工ヘッド108を介して)、(例えば、第1の非ゼロの横方向オフセットで)第1の出射レーザ光リング210から、そして(例えば、第1の非ゼロの横方向オフセットで)第2の出射レーザ光リング210からターゲット138に伝送することができる。
【0039】
図2Cに示すように、出射レーザ光136の形状206は、出射レーザ光スパイク208および2つの出射レーザ光リング210を含み得る。形状204は、例えば、光束分割光学系120がレーザ光を第1のレーザサブビーム、第2のレーザサブビームおよび第3のレーザサブビームに分割し、第1のレーザサブビームを導波路アセンブリ106の波管入射レンズ122の(例えば、導波路入射レンズ122の光軸からのゼロの横方向オフセットに関連する)第1の領域に伝送し、第2のレーザサブビームを導波路入射レンズ122の(例えば、導波路入射レンズ122の光軸から第1の非ゼロの横方向オフセットに関連する)第2の領域に伝送し、第3のレーザサブビームを導波路入射レンズ122の(例えば、導波路入射レンズ122の光軸から第2の非ゼロの横方向オフセットに関連する)第2の領域に伝送した場合に形成され得る。そして第1のレーザサブビーム、第2のレーザサブビームおよび第3のレーザサブビームは、(例えば、導波路アセンブリ106および/または加工ヘッド108を介して)それぞれ(例えばゼロの横方向オフセットで)出射レーザ光スパイク208から、(非ゼロの横方向オフセットで)第1の出射レーザ光リング210から、および(例えば、第2の非ゼロの横方向オフセットで)第2の出射レーザ光リング210からターゲット138に伝送することができる。
【0040】
図2Dに示すように、出射レーザ光136の形状206は3つの出射レーザ光リング210を含み得る。形状206は、例えば、光束分割光学系120がレーザ光を第1のレーザサブビーム、第2のレーザサブビームおよび第3のレーザサブビームに分割し、第1のレーザサブビームを導波路アセンブリ106における導波路入射レンズ122の(例えば、導波路入射レンズ122の光軸からの第1の非ゼロの横方向オフセットに関連する)第1の領域に伝送し、第2のレーザサブビームを導波路入射レンズ122の(例えば、導波路入射レンズ122の光軸からの第2の非ゼロの横方向オフセットに関連する)第2の領域に伝送し、第3のレーザサブビームを導波路入射レンズ122の(例えば、導波路入射レンズ122の光軸からの第3の非ゼロの横方向オフセットに関連する)第3の領域に伝送した場合に形成され得る。そして第1のレーザサブビーム、第2のレーザサブビームおよび第3のレーザサブビームはそれぞれ(例えば、導波路アセンブリ106および/または加工ヘッド108を介して)、(例えば第1の非ゼロの横方向オフセットで)第1の出射レーザ光リング210から、(例えば第2の非ゼロの横方向オフセットで)第2の出射レーザ光リング210から、そして(例えば第3の非ゼロの横方向オフセットで)第3の出射レーザ光リング210からターゲット138に伝送される。
【0041】
上述の図2A図2Dは例として提供する。その他の例は図2A図2Dに関して記載したものと異なり得る。
【0042】
図3は、光束分割光学系120によって形成された入射レーザ光(例えば、約45μmの半径1/e2)の4つのレーザサブビーム302~308の半径関数(例えば、レーザサブビーム中心からの距離(μm))としての強度プロファイル(例えば相対強度)の例を示すグラフ300である。4つのレーザサブビームは特定のオフセット量と関連させることができる。例えば、レーザサブビーム302はゼロオフセット、レーザサブビーム304は60μmオフセット、レーザサブビーム306は90μmオフセット、そしてレーザサブビーム308は120μmオフセットと関連させることができる。各レーザサブビームは(例えば、導波路アセンブリ106および/または加工ヘッド108を介して)ターゲットに伝送され、(例えば、出射レーザ光136の出射レーザ光スパイク208または出射レーザ光リング210を形成する)。図3に示すように、各レーザサブビームに関して、レーザサブビームに関連するオフセットの量が増えると、最大強度は減少する。これは、出射レーザ光リング210が大きくなると、ビーム出力はより広い領域に拡散されるからである。
【0043】
上述のように、図3は例として提供する。その他の例は図3に関して説明したものとは異なる。
【0044】
図4は、光束分割光学系120によって形成された2つのレーザサブビーム(例えば、ゼロオフセットに関連するサブビーム302および90μmオフセットに関連するサブビーム306)の組み合わせを含む、4つの出射レーザ光402~408の半径関数(例えばレーザ光中心からの距離(μm))としての強度プロファイル(例えば相対強度)の例を示すグラフ400である。例えば、出射レーザ光402はサブビーム302の75%およびサブビーム306の25%の混合比で構成され、出射レーザ光404はサブビーム302の55%およびサブビーム306の50%の混合比で構成され、出射レーザ光406はサブビーム302の25%およびサブビーム306の75%の混合比で構成され、出射レーザ光408はサブビーム302の10%およびサブビーム306の90%の混合比で構成することができる。図4に示すように、各出射レーザ光の強度プロファイルは「台(pedestal)」に似ており、第1のピークは出射レーザ光スパイク208に関連し、第2のピークは出射レーザ光リング210に関連する。例えば、出射レーザ光402に関連する強度プロファイルは、各出射レーザ光404~408よりも高い強度を有する出射レーザ光スパイク208を含む。
【0045】
他の強度プロファイルは、他の混合比、他のオフセット値、および/または(例えば、2つのレーザサブビームよりも大きい)付加的なレーザサブビームを使って形成することができる。例えば、図4にさらに示すように、出射レーザ光408は、出射レーザ光スパイク208および出射レーザ光リング210(例えば、出射レーザ光スパイク208と出射レーザ光リング210との間の強度の窪み(dip)を有する)にほぼ等しい強度を提供することができる。出射レーザ光408は比較的平らなトッププロファイル出射レーザ光として機能することができる。より均一で平らなトップが望ましい場合、光束分割光学系120は(例えば、出射レーザ光スパイク208と出射レーザ光リング210の間の窪みを埋めるように)出射レーザ光408に含まれ得る第3のサブビームを生成するように構成することができる。
【0046】
上述の様に、図4は例として提供する。その他の例は図4に関して記載したものとは異なる。
【0047】
前述の開示は、例示および説明を提供するものであるが、それらは全てを網羅しようとするものでもなければ、本実装形態を開示された正確な形式に限定しようとするものでもない。修正および変更は上述の開示を踏まえて行うことができ、また、実装形態の実践から取得することもできる。さらに、前述の開示が1つまたは複数の実装形態を組み合わせることができない理由を明示的に提供しない限り、本明細書に記載する任意の実装形態を組み合わせることができる。
【0048】
本明細書で使用される、「閾値を満たす」とは、文脈に応じて、値が閾値より大きいこと、閾値以上であること、閾値未満であること、閾値と等しいこと、閾値と等しくないこと、などを意味する。
【0049】
特徴の特定の組み合わせが特許請求の範囲に記載されている、または明細書に開示されているとしても、これらの組み合わせは種々の実装形態の開示を制限することを意図するものではない。実際、これらの特徴の多くは、特許請求の範囲に具体的に記載されていない、および/または明細書に開示されていない方法で組み合わせることができる。以下に列挙する各従属請求項は、直接的に1つの請求項のみに従属し得るが、種々の実装態様の開示は、クレームセット内の他の全ての請求項と組み合わせた各従属請求項を含む。本明細書で使用される項目の列挙の「少なくとも1つ」に言及する語句は、1つの要素を含むそれらの項目の任意の組み合わせを指している。例えば、「a,b,cのうちの少なくとも1つ」は、a,b,c,a-b,a-c,b-c,およびa-b-cならびに複数の同じ項目との任意の組み合わせをカバーすることが意図されている。
【0050】
本明細書で使用される要素、行為、または命令は、明示的に記載されていない限り、重要または必須であると解釈されるべきではない。また、本明細書で使用される場合、冠詞「a」および「an」は、1つまたは複数の項目を含むことが意図されており、「1つまたは複数(one or more)」と交換可能に使用することができる。また、本明細書で使用される場合、冠詞「the」は、冠詞「the」に関連して参照される1つまたは複数の項目を含むことが意図されており、「1つまたは複数(one or more)」と交換可能に使用することができる。さらに、本明細書で使用される「セット(set)」という用語は、1つまたは複数の項目(例えば、関連する項目、関連しない項目、または関連する項目と関連しない項目の組み合わせ)を含むことが意図されており、「1つまたは複数(one or more)」と交換可能に使用することができる。 1つのみの項目が意図されている場合、「1つのみ(only one)」または同様の言葉が使用される。また、本明細書で使用される、「有する(「has」,「have」,「having」)などの用語は、オープンエンドの用語が意図されている。また、「~に基づく(based on)」という表現は、特に断りのない限り、「少なくとも部分的に~に基づく」という意味であることが意図されている。また、本明細書で使用される用語「または(or)」は、一連の中で使用される場合、包括的であることが意図されており、特段の断りのない場合(例えば、「いずれか」または「いずれか一方のみ」と組み合わせて使用される場合)、「および/または」と交換可能に使用することができる。さらに本書では,説明の便宜上、ある要素や特徴と他の要素との関係を表すために,「下(below)」、「下部(lower)」、「上(above)」、「上部(upper)」などの空間的に相対的な用語を用いることがある。空間的に相対的な用語は、図に描かれている方向に加えて、使用時または操作時における装置、デバイス、および/または要素の種々の方向を含むことが意図されている。また、装置は他の方向(90度または他の方向に回転させた状態)でも使用可能であり、本書で使用される空間的な相対的記述子も同様に解釈することができる。
図1A
図1B
図2
図3
図4
【外国語明細書】