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特開2022-166819EGRシステムを有する大型ターボ過給式2ストローク内燃機関
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022166819
(43)【公開日】2022-11-02
(54)【発明の名称】EGRシステムを有する大型ターボ過給式2ストローク内燃機関
(51)【国際特許分類】
   F02M 26/10 20160101AFI20221026BHJP
   F02M 26/39 20160101ALI20221026BHJP
   F02M 26/38 20160101ALI20221026BHJP
【FI】
F02M26/10
F02M26/39
F02M26/38
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022052678
(22)【出願日】2022-03-29
(31)【優先権主張番号】PA202170181
(32)【優先日】2021-04-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DK
(71)【出願人】
【識別番号】597061332
【氏名又は名称】エムエーエヌ・エナジー・ソリューションズ・フィリアル・アフ・エムエーエヌ・エナジー・ソリューションズ・エスイー・ティスクランド
(74)【代理人】
【識別番号】100127188
【弁理士】
【氏名又は名称】川守田 光紀
(72)【発明者】
【氏名】シュムッターメイア ヘルベルト
【テーマコード(参考)】
3G062
【Fターム(参考)】
3G062AA01
3G062AA02
3G062AA03
3G062AA05
3G062EA10
3G062ED09
3G062ED12
3G062FA11
3G062GA21
3G062GA24
(57)【要約】      (修正有)
【課題】大型ターボ過給式2ストローク内燃機関において、NOxと煤煙の両方の排出規制を達成するために、掃気受け内の酸素濃度を正確に制御する。
【解決手段】排気系から吸気系へ排ガスのフローを運ぶEGRシステムを備える、大型ターボ過給式多気筒2ストロークユニフロー内燃機関。EGRシステムはEGRブロワ29と電子制御EGRスロットルバルブ(32,42)を有する。EGRブロワ29を駆動するためにAC駆動モータ33が使用される。AC駆動モータは所定の一定速度で動作するように構成される。センサ27は掃気受け2内の酸素濃度を表す信号を提供し、当該信号は、電子制御EGRスロットルバルブに接続されるコントローラ50に受け取られる。コントローラは、主要な基準としての当該信号の関数として電子制御EGRスロットルバルブの位置を調整することにより、EGRシステムを通る排気のフローを制御するように構成される。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
大型ターボ過給式2ストロークユニフロー内燃機関であって、
それぞれ下端部に掃気ポートを有すると共に上端部に排気弁を有する複数のシリンダと;
前記掃気ポートを通じて前記シリンダに接続される掃気受けを有し、自身を通じて前記シリンダに掃気が導入される吸気系と;
前記排気弁を通じて前記シリンダに接続される排気受けを有し、前記シリンダ内で生成した排気が自身を通じて排出される排気系と;
前記吸気系のコンプレッサを駆動するタービンを前記排気系に有する少なくとも1つのターボ過給機と;
前記シリンダに燃料のフローを届ける燃料システムと;
前記排気系から前記吸気系に排気のフローを送るEGRシステムであって、EGRブロワと電子制御EGRスロットルバルブとを有するEGRシステムと;
前記EGRブロワを駆動するために該EGRブロワに組み合わされるAC駆動モータであって、電気スイッチによってACグリッドに直接接続され、AC周波数により決定される既定の一定速度で動作するように構成されるAC駆動モータと;
前記掃気受け内の酸素濃度を表す信号を提供するセンサと;
前記信号を受け取るようにされ、また前記電子制御EGRブロワに組み合わされるコントローラと;
を備え、前記コントローラは、前記EGRシステムを通る前記排気のフローを制御するための第1の基準として、前記信号の関数として前記電子制御EGRスロットルバルブの位置を制御することにより、前記EGRシステムを通る前記排気のフローを制御するように構成される、機関。
【請求項2】
前記コントローラは、前記EGRシステムを通る排気のフローを減少させるために電子制御EGRバルブを閉鎖方向に動かすように、また、前記EGRシステムを通る排気のフローを増加させるために電子制御EGRバルブを解放方向に動かすように、構成される、請求項1に記載の機関。
【請求項3】
前記コントローラは、前記EGRシステムを通る排気のフローを調節する第1又は第2の基準として、バイパス管に配される電子制御シリンダバイパススロットルバルブ又はオリフィスの開度を調節することにより、前記EGRシステムを通る排気のフローを調節するように構成され、ここで前記バイパス管は、前記コンプレッサの下流で前記吸気系に接続されると共に、前記タービンの上流で前記排気系に接続される、請求項1又は2に記載の機関。
【請求項4】
前記コントローラは、前記EGRシステムを通る排気のフローを増加させるために、前記電子制御シリンダバイパススロットルバルブ又はオリフィスを閉鎖方向に動かすように、また、前記EGRシステムを通る排気のフローを減少させるために電子制御シリンダバイパススロットバルブ又はオリフィスを解放方向に動かすように、構成される、請求項3に記載の機関。
【請求項5】
前記コントローラは、前記掃気受け内の酸素濃度が酸素濃度目標値に近い状態を維持するように、前記EGRシステムを通る排気のフローを制御するように構成され、ここで前記酸素濃度目標値は好ましくは機関負荷に応じて調整される、請求項1から4のいずれかに記載の機関。
【請求項6】
前記コントローラは、前記掃気受け内の酸素濃度が酸素濃度目標値に近い状態を維持するために、前記第1のセンサからの信号を、フィードバック及び/又はフィードフォワード制御に使用するように構成され、ここで前記酸素濃度目標値は好ましくは機関負荷に応じて調整される、請求項1から5のいずれかに記載の機関。
【請求項7】
前記AC駆動モータはシンクロナス電気駆動モータ又は非同期電気駆動モータである、請求項1から6のいずれかに記載の機関。
【請求項8】
前記AC駆動モータのドライブシャフトは前記EGRブロワのドライブシャフトに直接結合している、請求項7に記載の機関。
【請求項9】
前記電子制御EGRスロットルバルブは前記EGRブロワの下流に配される、請求項1から8のいずれかに記載の機関。
【請求項10】
前記電子制御EGRスロットルバルブは前記EGRブロワの上流に配される、請求項1から8のいずれかに記載の機関。
【請求項11】
前記EGRブロワの下流に電子制御EGRスロットルバルブを備えると共に、前記EGRブロワの上流にも電子制御EGRスロットルバルブを備える、請求項1から8のいずれかに記載の機関。
【請求項12】
前記AC駆動モータは、周波数及び/又は電圧を変化させるための装置なしに前記ACグリッドに接続される、請求項1から11のいずれかに記載の機関。
【請求項13】
前記EGRブロワのレイアウトは、既定の排気バイパス弁位置及びシリンダバイパス弁位置において、前記掃気受け内で関連する酸素目標値を達成するために必要で、前記排気再循環ブロワの固定速度によりカバーされる、最も低い圧縮比及び体積流量となる動作ポイントに従い、前記コントローラは、制御された排気バイパス弁を開けることにより、全ての他の動作ポイントにおいて、酸素目標値の関数として前記EGRフローを制御するように構成される、請求項1から12のいずれかに記載の機関。
【請求項14】
前記EGRブロワのレイアウトは、補助ブロワが通常動作する範囲内にあり、1つ又は複数の補助ブロワがオフにされた状態で、前記掃気受け内で関連する酸素目標値を達成するために必要な、前記排気再循環ブロワの固定速度によりカバーされる、最も低い圧縮比及び体積流量となる動作ポイントに従い、前記コントローラは、1つ又は複数の補助ブロワをオフにすることにより、及び/又は、1つ又は複数の補助ブロワのフローを絞ることにより、上記の動作ポイント及び他の動作ポイントのために、EGRフローを酸素目標値の関数として制御するように構成される、請求項1から12のいずれかに記載の機関。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書の開示事項は、排気再循環(EGR)システムを有する大型ターボ過給式2ストローク内燃機関及び方法に関し、より詳細には、EGRシステムの動作の制御に関する。
【背景】
【0002】
大型ターボ過給式2ストローク内燃機関は、大型船舶の推進システムや、発電プラントの原動機としてしばしば用いられる。その大きさや重量、出力は、このタイプの圧縮内燃機関を他の燃焼機関からかけ離れたものとしており、このタイプの圧縮内燃機関を独特の分類に位置づけている。これらの機関は、高さが増すことがあまり問題にならないので、ピストンに側圧がかからないようにクロスヘッドを用いて構成される。典型的に、これらの機関は二元機関であり、燃料油とガス(天然ガス、石油ガス、メタノール、エタンのいずれか)で動作するように構成される。
【0003】
船舶用ディーゼル機関からの排出物は、排出物の環境への影響への意識から、規制の対象となっている。2016年に、特定の領域における船舶用ディーゼル機関からのNOx排出量を制限するティア(Tier)III規制が導入された。これは以前は国際海事機関(International Maritime Organization)によって提示されていたものである。これらの排出規制を達成するには、NOx排出量を低減する技術の使用が必要である。このような技術の1つに排気ガス再循環(EGR)がある。この技術は、数十年に亘って自動車業界の4ストローク機関に使用されてきた。
【0004】
EGRの原理は、排気の一部を機関の掃気マニフォールドに再循環し戻すことである。これは、掃気中の酸素レベルを減らし、従って燃焼中のNOxガスの形成を減らす。しかし残念なことに、掃気中の酸素ガスの減少は、燃焼効率に影響を及ぼす。掃気中の酸素レベルが余りにも低いと、好ましくない可視煙を生成する。
【0005】
4ストローク自動車用機関においで、排気側と吸気側の間には正の圧力差が存在する。すなわち、正の圧力差が排気を吸気側のフローに再循環させ、再循環のためにブロワ等を必要としない。しかし、大型ターボ過給式2ストローク内燃機関の場合、排気側と吸気側との間には負の圧力差が存在する。このため、(4ストローク自動車用機関のように)排気側と吸気側の間に単に管を設けるだけでは、給気が排気側に流れてしまう。そこで、ターボ過給式2ストローク内燃機関のEGRシステムは、排気の一部を給気に流入させるためのブロワ又はポンプを必要とする。すなわち大型ターボ過給式2ストローク内燃機関において、排気は、排気系と吸気系との間の圧力差に打ち勝つために、ブロワによって再循環させられる。
【0006】
つまり、大型ターボ過給式2ストローク内燃機関において、ブロワ又はポンプは、排気系から吸気系に排気を再循環させるために必要である。これらの巨大な機関において、このタスクを遂行するには非常に大きなブロワが必要とされる。そしてそのような大きなブロワには、排気系から吸気系に排気を向かわせるタスクを遂行するために、大きな駆動モータを必要とする。
【0007】
NOxと煤煙の両方の排出規制を達成するためには、掃気受け内の酸素濃度を正確に制御する必要がある。なぜなら、酸素濃度が低過ぎると煤煙の形成が許容限度を超えてしまい、酸素濃度が高過ぎるとNOx排出量が許容限度を超えてしまうからである。
【0008】
既知のEGR付き大型ターボ過給式2ストローク内燃機関は、EGRフローを制御して酸素濃度設定値に到達させるために、制御可能な可変速度のEGRブロワを使用してきた。
【摘要】
【0009】
本発明の目的は、上述の問題を解決するか、又は少なくとも緩和する、大型ターボ過給式2ストロークユニフロー式内燃機関を提供することである。
【0010】
上述の目的やその他の目的が、独立請求項に記載の特徴により達成される。より具体的な実装形態は、従属請求項や発明の詳細な説明、図面から明らかになるだろう。
【0011】
第1の捉え方によれば、次のような、大型ターボ過給式2ストロークユニフロー内燃機関が提供される。この機関は、
それぞれ下端部に掃気ポートを有すると共に上端部に排気弁を有する複数のシリンダと;
前記掃気ポートを通じて前記シリンダに接続される掃気受けを有し、自身を通じて前記シリンダに掃気が導入される吸気系と;
前記排気弁を通じて前記シリンダに接続される排気受けを有し、前記シリンダ内で生成した排気が自身を通じて排出される排気系と;
前記吸気系のコンプレッサを駆動するタービンを前記排気系に有する少なくとも1つのターボ過給機と;
前記シリンダに燃料のフローを届ける燃料システムと;
前記排気系から前記吸気系に排気のフローを送るEGRシステムであって、EGRブロワと電子制御EGRスロットルバルブとを有するEGRシステムと;
前記EGRブロワを駆動するために該EGRブロワに組み合わされるAC駆動モータであって、電気スイッチによってACグリッドに直接接続され、AC周波数により決定される一定速度で動作するように構成されるAC駆動モータと;
前記掃気受け内の酸素濃度を表す信号を提供するセンサと;
前記信号を受け取るようにされ、また前記電子制御EGRブロワに組み合わされるコントローラと;
を備え、前記コントローラは、前記EGRシステムを通る前記排気のフローを制御するための第1の基準として、前記信号の関数として前記電子制御EGRスロットルバルブの位置を制御することにより、前記EGRシステムを通る前記排気のフローを制御するように構成される。
【0012】
グリッドに直結されるAC駆動モータにより直接駆動され、第1の基準として電子制御EGRバルブの位置を制御することにより、EGRブロワの速度を変えることなくEGRフローを制御するように構成されるコントローラを有するEGRブロワを備える大型ターボ過給式2ストローク内燃機関を提供することにより、EGRブロワを可変速EGRブロワとするための高価な装置を要せずに、EGRフローを制御することが可能となる。ここで「高価な装置」とは、例えば、AC駆動モータとEGRブロワとの間の可変速動力伝達装置や、AC駆動モータに電力を供給する可変周波数の電気駆動装置のような、可変速の機械的又は電気的な駆動装置である。結果として得られる機関は複雑性が減少し、信頼性が高まり、価格が抑えられる。
【0013】
負荷に依存する掃気酸素濃度目標値は予め定められる。実際の酸素濃度は測定又は推定され、この測定のフィードバック制御及び/又はフィードフォワード制御により、電子制御EGRスロットルバルブを調節することにより、目標値に到達される。
【0014】
前記第1の捉え方の実装形態の一例において、前記コントローラは、前記EGRシステムを通る排気のフローを減少させるために電子制御EGRバルブを閉鎖方向に動かすように、また、前記EGRシステムを通る排気のフローを増加させるために電子制御EGRバルブを解放方向に動かすように、構成される。
【0015】
前記第1の捉え方の実装形態の一例において、前記コントローラは、前記EGRシステムを通る排気のフローを調節する第1又は第2の基準として、バイパス管に配される電子制御シリンダバイパススロットルバルブ又はオリフィスの開度を調節することにより、前記EGRシステムを通る排気のフローを調節するように構成される。ここで前記バイパス管は、前記コンプレッサの下流で前記吸気系に接続されると共に、前記タービンの上流で前記排気系に接続される。
【0016】
前記第1の捉え方の実装形態の一例において、前記コントローラは、前記EGRシステムを通る排気のフローを増加させるために、前記電子制御シリンダバイパススロットルバルブ又はオリフィスを閉鎖方向に動かすように、また、前記EGRシステムを通る排気のフローを減少させるために電子制御シリンダバイパススロットバルブ又はオリフィスを解放方向に動かすように、構成される。
【0017】
前記第1の捉え方の実装形態の一例において、前記コントローラは、前記掃気受け内の酸素濃度が酸素濃度目標値に近い状態を維持するように、前記EGRシステムを通る排気のフローを制御するように構成される。
【0018】
前記第1の捉え方の実装形態の一例において、前記コントローラは、前記掃気受け内の酸素濃度が酸素濃度目標値に近い状態を維持するために、前記第1のセンサからの信号を、フィードバック及び/又はフィードフォワード制御に使用するように構成される。ここで前記酸素濃度目標値は好ましくは機関負荷に応じて調節される。
【0019】
前記第1の捉え方の実装形態の一例において、前記AC駆動モータは非同期電気モータである。
【0020】
前記第1の捉え方の実装形態の一例において、前記AC駆動モータはシンクロナス電気モータである。
【0021】
前記第1の捉え方の実装形態の一例において、前記AC駆動モータは前記EGRブロワのドライブシャフトに直接結合している。
【0022】
前記第1の捉え方の実装形態の一例において、前記電子制御EGRスロットルバルブは前記EGRブロワの下流に配される。
【0023】
前記第1の捉え方の実装形態の一例において、前記電子制御EGRスロットルバルブは前記EGRブロワの上流に配される。
【0024】
前記第1の捉え方の実装形態の一例において、前記機関は、前記EGRブロワの下流に電子制御EGRスロットルバルブを備えると共に、前記EGRブロワの上流にも電子制御EGRスロットルバルブを備える。
【0025】
前記第1の捉え方の実装形態の一例において、前記AC駆動モータは、周波数及び/又は電圧を変化させるための装置なしに前記ACグリッドに接続される。
【0026】
前記第1の捉え方の実装形態の一例において、前記EGRブロワのレイアウトは既定の排気バイパス弁位置及びシリンダバイパス弁位置において、前記掃気受け内で関連する酸素目標値を達成するために必要で、前記排気再循環ブロワの固定速度によりカバーされる、最も低い圧縮比及び体積流量となる動作ポイントに従う。前記コントローラは、制御された排気バイパス弁を開けることにより、全ての他の動作ポイントにおいて、酸素目標値の関数として前記EGRフローを制御するように構成される。
【0027】
前記第1の捉え方の実装形態の一例において、前記EGRブロワのレイアウトは、補助ブロワが通常動作する範囲内にあり、1つ又は複数の補助ブロワがオフにされた状態で、前記掃気受け内で関連する酸素目標値を達成するために必要な、前記排気再循環ブロワの固定速度によりカバーされる、最も低い圧縮比及び体積流量となる動作ポイントに従う。
【0028】
前記コントローラは、1つ又は複数の補助ブロワをオフにすることにより、及び/又は、1つ又は複数の補助ブロワのフローを絞ることにより、上記の動作ポイント及び他の動作ポイントのために、EGRフローを酸素目標値の関数として制御するように構成される。
【0029】
本発明の上述の態様及び他の態様は、以下に説明される実施形態により更に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0030】
以下、図面に示される例示的な実施形態を参照しつつ、本願発明をより詳細に説明する。
図1】ある例示的実施形態に従う大型2ストローク内燃機関を正面方向から見た概観を示す図である。
図2図1の大型2ストローク内燃機関を側面方向から見た概観を示す図である。
図3図1の大型2ストローク内燃機関の略図表現である。
図4】EGRシステムを備える2ストローク内燃機関の実施形態の略図表現である。
図5】EGRシステムを備える別の2ストローク内燃機関の実施形態の略図表現である。
図6】EGRシステムを備える更に別の2ストローク内燃機関の実施形態の略図表現である。
【詳細説明】
【0031】
図1図3は、ターボ過給式大型低速2ストロークディーゼル機関を描いている。このエンジンは、クランクシャフト8及びクロスヘッド9を有する。図3は、ターボ過給式大型低速2ストロークディーゼル機関を、その吸気システム及び排気システムと共に略図により表現したものである。実施例において、機関は直列に6本のシリンダ1を有する。ターボ過給式大型低速2ストロークディーゼル機関は通常、直列に配される4から14のシリンダを有する。これらのシリンダはシリンダフレーム23に担持される。シリンダフレーム23はエンジンフレーム11に担持される。またこのような機関は、例えば、船舶の主機関や、発電所において発電機を動かすための据え付け型のエンジンとして用いられることができる。機関の全出力は、例えば、1000kWから110000kWでありうる。
【0032】
この実施例におけるエンジンは、2ストロークユニフロー式圧縮着火型機関であり、各シリンダライナ1には、その下部領域に掃気ポート18が設けられ、その頂部中央には排気弁が配される。しかし、この機関は必ずしも圧縮着火式である必要はなく、実施形態によっては火花点火式であってもよい。ここで紹介する実施形態において、機関の圧縮圧力は圧縮着火を行うために十分高い。しかし機関は、それより低い圧縮圧力で動作し、火花又は同様の手段で点火されてもよい。
【0033】
機関の吸気系は掃気受け2を備える。掃気は、掃気受け2を通じて、各シリンダ1の掃気ポート18へと導かれる。ピストン10は、シリンダライナ1中で下死点(BDC)と上死点(TDC)の間を往復し、掃気を圧縮する。燃料は、シリンダカバー22に配される燃料弁55から噴射される。燃料の噴射に続いて燃焼が生じ、排気が生成される。
【0034】
排気弁4はシリンダカバー22の中央部に配置される。中央部の排気弁の周囲には、複数の燃料弁55が配される。好ましくは、各シリンダ毎に、または使用される燃料のタイプ毎に、2つ又は3つの燃料弁55が配される。排気弁4は、コントローラ50によって制御される電気油圧式排気弁作動システム(図示されていない)によって作動する。実施形態によっては、コントローラ50は電子コントロールユニットであってもよく、例えば、1つ又は複数のマイクロプロセッサと、メモリと、コントロールユニットの動作に必要な他のハードウェアとを備える電子コンピュータであってもよい。コントローラ50は、様々なセンサに接続されると共に、機関の動作に影響を与える様々なデバイスに接続される。これらのセンサやデバイスとコントローラ50との接続は、信号線や無線接続の形でなされることができる。図を単純化するため、これらの接続形態は図示されていない。コントローラ50は、様々なコントロールユニットの組み合わせで形成されることがある。又は、単一の信号制御ユニットである場合がある。
【0035】
燃料弁55は燃料供給システムの一部である。機関が二元又は多元燃料機関である場合は、複数の燃料供給システムが存在するだろう。実施形態によっては、コントローラ50は燃料弁55の動作も制御するように構成される。
【0036】
排気弁4が開くと、排気は、シリンダ1に設けられる排気ダクトを備える排気系を通って排気受け3へと流れ、さらに第1の排気管19を通ってターボ過給システム5のタービン8へと進む。そこから排気は、第2の排気管25を通ってエコノマイザ20へ流れ、さらに出口21から大気中へと放出される。なお実施形態によっては、ターボ過給システム5は複数のターボ過給機を備える。
【0037】
ターボ過給システム5のタービン8は、シャフトを介してコンプレッサ7を駆動する。コンプレッサ9には、空気取り入れ口12を通じて外気が供給される。コンプレッサ7は、圧縮された掃気を、掃気受け2に繋がっている掃気管13へと送り込む。掃気管13の掃気は、掃気を冷却するためのインタークーラー14を通過する。
【0038】
冷却された掃気は、電気モータ17により駆動される補助ブロワ16を通る。補助ブロワ16は、ターボ過給器5のコンプレッサ7が掃気受け2のために十分な圧力を提供できない場合、すなわち機関が低負荷又は部分負荷である場合に、掃気流を圧縮する。機関の負荷が高い場合は、ターボ過給器のコンプレッサ7が、十分に圧縮された掃気を供給することができるので、補助ブロワ16は停止され、逆止め弁15によってバイパスされる。
【0039】
掃気は吸気系を通じてシリンダ1に導入される。吸気系は、掃気ポート18を介してシリンダ1に接続される掃気受け2を備える。
【0040】
シリンダで生成された排気は排気系を通じて排気される。排気系は、排気弁4を介してシリンダ1に接続される排気受け3を備える。
【0041】
図4の実施形態を参照すると、機関は排気再循環システムを装備する。排気再循環システムは、ターボ過給機5のタービン8の上流の位置からターボ過給機5のコンプレッサ7の下流の位置へと、排気システムから吸気システムへと接続される排気再循環路60を備える。このため、再循環される必要のある排気は、排気システムから吸気システムへと流れることができる。この実施形態において、既に説明した又は図示した構成や特徴と同様の構成及び特徴については、前と同じ符号を付している。
【0042】
排気再循環システムは、再循環した排気を処理するように構成される廃棄再循環ユニット61を備える。機関100へのダメージを防ぐため、再循環に用いられる排気は通常、吸気系に入ることを許される前にクリーンにされる必要がある。このため排気再循環ユニット61は、通常、水を用いるウェットスクラバーを備える。図4において、水の流入及び流出が水平方向の矢印で描かれている。ウォーターミストキャッチャー63は、ウェットスクラバーで用いられた水を除去する。このため、排気再循環ユニット61には比較的きれいな水が供給され、比較的汚れた水が排気再循環ユニット61から排出される。
【0043】
排気系から吸気系に再循環ガスが流れるように強制するために、排気再循環ブロワ29が設けられる。排気再循環ブロワ29が必要な理由は、大型2ストローク内燃機関の排気系は通常吸気系の給気圧より低いためである。
【0044】
排気再循環ブロア29はAC駆動モータ33によって駆動される。実施形態によっては、AC駆動モータ33はEGRブロワ29に直接接続され、EGRブロワ29を駆動する。AC駆動モータ33は、電気スイッチ35によってACグリッドに直接接続される。ここでACグリッドは、例えば、大型2ストローク内燃機関100が搭載される外洋船舶のAC電気グリッドや、大型2ストローク内燃機関100が装備されるビルや他の施設のAC電気グリッドであることができる。
【0045】
AC駆動モータ33は、電気グリッドからのAC電力が供給されると、AC周波数で定められる一定の速度で動作するように構成される。EGRブロワ29はAC駆動モータ33に機械的に直接接続されているので、EGRブロワ29もまた、所定の一定速度で動作するように構成される。
【0046】
実施形態によっては、AC駆動モータ33のドライブシャフトはEGRブロワ29のドライブシャフトに直接結合している。AC駆動モータ33は、一定の周波数のAC電力が供給されるとき、所定の一定速度で動作するように構成される。
【0047】
AC駆動モータ33の回転速度は、AC駆動モータ33に供給されるAC電力の周波数で決まる。実施形態によっては、グリッドのAC電力は一定の周波数を有し、従ってAC駆動モータ33の回転速度は一定になる。
【0048】
実施形態によっては、AC駆動モータ33は非同期モータである。すなわち定常状態において、出力軸の回転は、供給された電流の交流サイクルの整数より少し下である。
【0049】
実施形態によっては、AC駆動モータ33はシンクロナスモータ(同期モータ)である。すなわち定常状態において、出力軸の回転は、供給された電流の周波数に同期している。回転周期は交流サイクルの整数に完全に等しい。
【0050】
このため、可変メカニカルドライブや電気的可変ドライブは存在しない。例えば、AC駆動モータ33とEGRブロワ29の間の可変速メカニカルトランスミッションや、AC駆動モータ33のための電源供給システム内の可変周波数電気ドライブ(Variable Frequency electric Drive,VFD)は存在しない。グリッドからAC駆動モータ33に供給される電流の周波数及び/又は電圧を変化させるための装置は不要である。
【0051】
実施形態によっては、AC駆動モータ33のためのAC電力は、グリッドに電源供給する発電機を有する機関100によって駆動される発電機によって生成される。実施形態によっては、このAC電力は、(図示されない)グリッドに電源供給する補助エンジンにより生成される。例えば発電機のセットにより生成される。実施形態によっては、このAC電力は、グリッドに接続された他のソースによって供給される。
【0052】
図4の実施形態においては、EGRブロワ29はEGRユニット61の下流に描かれている。しかし実施形態によっては、EGRブロワ29はEGRユニット61の上流に配されてもよい。
【0053】
電子制御EGRスロットルバルブ32はEGRブロワ29の下流においてEGR経路60に配される。調節可能なEGRスロットルバルブ32は好ましくはバルブを開放するために電動化される。またEGRスロットルバルブ32はコントローラ50に接続され、それによってコントローラ50はEGRスロットルバルブ32の位置を命令信号を通じて制御し、それによって、EGR経路60を流れる再循環排ガスに適用するEGRスロットルバルブ32開度の制御を命令することができる。従ってコントローラ50は、命令信号を通じて、EGRスロットルバルブ32のスロットル効果を増加させたり減少させたりすることができる。
【0054】
コントローラ50は、機関100の動作状況(例えば機関負荷、機関速度、周囲温度、掃気圧等)に関して知らせを受けるべく、様々なセンサに接続されるコントローラ50は、掃気受け2内の酸素濃度を表す信号を提供するセンサから信号を受けるようにされている。
【0055】
コントローラ50は、EGRシステムを通る排気のフローを制御するための第1の基準として、前記信号の関数として電子制御EGRスロットルバルブ32の位置を制御することにより、EGRシステムを通る排気のフローを制御するように構成される。
【0056】
コントローラ50は好ましくは、掃気受け2内の酸素濃度が所定の酸素濃度目標値に近い状態を維持することを目的として、EGRシステムを通る排気のフローを制御するように構成される。実施形態によっては、酸素濃度目標値は機関負荷の関数である。または、温度や湿度、掃気受け内の掃気圧、シリンダ圧力、平均有効圧力(mean effective pressure)、機関が運転されている地理的位置に適用される排出規制のような他の運転条件の関数である。
【0057】
コントローラ50は、掃気受け2内の酸素濃度が所定の酸素濃度目標値に近い状態を維持するように、センサ27からの信号をフィードバック制御に使用し、実施形態によってはフィードフォワード制御と組み合わせて使用するように構成される。
【0058】
コントローラ50は、EGRシステムを通る排気のフローを減少させるために電子制御EGRバルブ32を閉鎖方向に動かすように(絞り効果を増すように)、また、EGRシステムを通る排気のフローを増加させるために電子制御EGRバルブ32を解放方向に動かすように(絞り効果を減少させるように)、構成される。
【0059】
実施形態によっては、機関100はシリンダバイパス47を備える。シリンダバイパス47は、吸気系におけるコンプレッサ7の下流と排気系におけるタービン8の上流とを接続する。シリンダバイパス管47は、電子制御シリンダバイパススロットルバルブ42及び/又は電子制御オリフィス49を備える。 コントローラ50は、EGRシステムを通る排気のフローを制御するための第1の基準として、電子制御シリンダバイパススロットルバルブ42又はオリフィス49の開度を制御することにより、EGRシステムを通る排気のフローを制御するように構成される。
【0060】
コントローラ50は、EGRシステムを通る排気のフローを増加させるために、電子制御シリンダバイパススロットルバルブ42又はオリフィス49を閉鎖方向に動かすように、また、EGRシステムを通る排気のフローを減少させるために電子制御シリンダバイパススロットバルブ42又はオリフィス49を解放方向に動かすように、構成される。
【0061】
この実施形態の実装形態の一例では、機関は、コントローラ50により制御される電子制御排気バイパススロットルバルブ41を有する排気バイパスを備える。
【0062】
機関100及びコントローラ50は、次のシナリオに従ってEGRフローを制御するように構成される。
【0063】
・ EGRブロワのレイアウトは、電子制御EGRスロットルバルブ32が開いた状態において、掃気受け2における関連する酸素(O)目標値を達成するために必要であり、EGRブロワ29の所定の動作速度においてEGRブロワ29によりカバーされる、最も高い圧力比及び体積流量となる動作ポイントに従う。その他の機関動作ポイントにおいて、EGRフローは、酸素(O)目標値の関数としてコントローラ50により制御される。この制御は、EGR経路60において適切なフローを達成するために、電子制御EGRスロットルバルブ32を閉じ、適切な圧力比でEGRブロワ29を動作させることにより行われる。
【0064】
このシナリオにおいて、コントローラ50は次の最適化ストラテジに従って動作するように構成される。機関の性能に従って、電子制御シリンダバイパススロットルバルブ42またはオリフィス49を、許容される程度に開ける。これは、最も高い圧力比及び体積流量における動作ポイントを下げ、EGR変動を減少させ、従ってスロットルロスを低減するためである。
【0065】
・ EGRブロワのレイアウトは、電子制御EGRスロットルバルブ32が開いた状態において、掃気受け2における関連する酸素(O)目標値を達成するために必要であり、EGRブロワ29の所定の動作速度においてEGRブロワ29によりカバーされ、電子制御シリンダバイパススロットルバルブ42またはオリフィス49が閉じた状態で、最も低い圧力比及び体積流量となる動作ポイントに従う。その他の機関動作ポイントにおいて、EGRフローは、酸素(O)目標値の関数としてコントローラ50により制御される。この制御は、EGR経路60において適切なフローを達成するために、電子制御EGRスロットルバルブ42又はオリフィス49を開け、適切な圧力比でEGRブロワ29を動作させることにより行われる。このシナリオにおいて、コントローラ50は次の最適化ストラテジに従って動作するように構成される。
【0066】
機関の性能に従って、電子制御シリンダバイパススロットルバルブ42またはオリフィス49を、許容可能な程度に開ける。そして、許容可能な程度を超えてしまった場合、EGRスロットルバルブ32を用いる。
【0067】
図5は、図4の実施形態に似た機関の実施形態を示す。この実施形態において、既に説明した又は図示した構成や特徴と同様の構成及び特徴については、前と同じ符号を付している。しかし、この実施形態において、EGR流路60内でEGRフローを絞るバルブはEGRブロワ29の上流に配される。またセンサ27は、掃気受け2の上流であるが、吸気系において再循環排ガスがタービン7から届く空気とミックスされる位置の下流に配される。
【0068】
この実施形態において、機関100及びコントローラ50は、次のシナリオに従ってEGRフローを制御するように構成される。
【0069】
EGRブロワのレイアウトは、電子制御EGRスロットルバルブ43が開いた状態において、掃気受け2における関連する酸素(O)目標値を達成するために必要であり、EGRブロワ29の所定の動作速度においてEGRブロワ29によりカバーされる、最も高い圧力比及び体積流量となる動作ポイントに従う。その他の機関動作ポイントにおいて、EGRフローは、酸素(O)目標値の関数としてコントローラ50により制御される。この制御は、EGR経路60において適切なフローを達成するために、電子制御EGRスロットルバルブ43を閉じ、適切な圧力比でEGRブロワ29を動作させることにより行われる。
【0070】
このシナリオにおいて、コントローラ50は次の最適化ストラテジに従って動作するように構成される。機関の性能に従って、電子制御シリンダバイパススロットルバルブ42またはオリフィス49を、許容される程度に開ける。これは、最も高い圧力比及び体積流量における動作ポイントを下げ、EGR変動を減少させ、従ってスロットルロスを低減するためである。
【0071】
この実施形態において、EGRブロワのレイアウトは、既定の排気バイパス弁41の位置及びシリンダバイパス弁42の位置において、掃気受け内で関連するO目標値を達成するために必要で、排気再循環ブロワ29の固定速度によりカバーされる、最も低い圧縮比及び体積流量となる動作ポイントに従う。コントローラ50は、全ての他の動作ポイントにおいて、制御された排気バイパス弁41を開け、正しいEGRフローを達成するための正しい圧力比でEGRブロワ29を動作させることにより、EGRフローをO目標値の関数として制御するように構成される。緊急時にEGR流路60を閉鎖するための逆止弁がEGR流路60内に設けられる(図示されていない)。コントローラ50はシリンダバイパス弁42をエンジン性能の関数として制御するように構成される。また、IMOのNoxサイクル許容限度内で適用可能なEGR変動を低減するために、他の基準を用いるように構成される。
【0072】
この実施形態において、EGRブロワのレイアウトは、1つ又は複数の補助ブロワが着られた状態で、掃気受け内で関連するO目標値を達成するために必要であり、排気再循環ブロワ29の固定速度によりカバーされる、最も低い圧縮比及び体積流量となる動作ポイントに従う。コントローラ50は、他の動作ポイントにおいて、1つ又は複数の補助ブロワを霧、1つ又は複数の補助ブロワを通るフローを絞り、EGRブロワ29を、EGR流路60内で適切なフローを達成するための適切な圧縮比に近い値でEGRブロワ29を動作させることにより、EGRフローをO目標値の関数として制御するように構成される。コントローラ50は、掃気圧を維持するために補助ブロワ16を1つも要しない負荷範囲において特に、EGRブロワ29を適切な圧縮比で正しく動作させるための追加の基準を用いるように構成されてもよい。
【0073】
(図示しない)この実施形態において、機関100は、EGRブロワ29の下流に電子制御EGRスロットルバルブ32を備えると共に、EGRブロワ29の上流にも電子制御EGRスロットルバルブ43を備える。
【0074】
図6は、図4の実施形態に似た機関の別の実施形態を示す。この実施形態において、既に説明した又は図示した構成や特徴と同様の構成及び特徴については、前と同じ符号を付している。しかし、この実施形態において、再循環される排気はターボ過給システム5のタービン8の低圧側から採取され、ターボ過給システム5のコンプレッサ7の低圧側で吸気系に加えられる。従ってこの実施形態は、ターボ過給システム5の低圧側の排気再循環と共に動作する。一方、図4,5の実施形態は、ターボ過給システム5の高圧側の排気再循環と共に動作する。
【0075】
いくつかの実施形態と共に方法及び機関を説明してきた。しかし、本願の明細書や図面、特許請求の範囲を検討すれば、当業者は、特許請求の範囲に記載される発明を実施するにおいて、説明された実施形態に加えて多くのバリエーションが存在することを理解し、また具現化することができるであろう。特許請求の範囲に記載される「備える」「有する」「含む」との語句は、記載されていない要素やステップが存在することを排除しない。特許請求の範囲において記載される要素の数が複数であると明示されていなくとも、当該要素が複数存在することを除外しない。特許請求の範囲に記載されるいくつかの要素の機能は、単一のコントローラやプロセッサ、その他のユニットによって遂行されてもよい。いくつかの事項が別々の従属請求項に記載されていても、これらを組み合わせて実施することを排除するものではなく、組み合わせて実施して利益を得ることができる。特許請求の範囲で使用されている符号は発明の範囲を限定するものと解釈されてはならない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【外国語明細書】