(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022166827
(43)【公開日】2022-11-02
(54)【発明の名称】ガンマ型フリーピストンスターリングクーラーを制御可能に運転する方法及び装置(現在の熱的条件に応じて最小入力電力または最大熱的冷却力にてフリーピストンガンマ型スターリングヒートポンプを駆動するための周波数動的調整方法)
(51)【国際特許分類】
F02G 1/043 20060101AFI20221026BHJP
F02G 1/044 20060101ALI20221026BHJP
F02G 1/045 20060101ALI20221026BHJP
【FI】
F02G1/043 B
F02G1/044 A
F02G1/045 Z
F02G1/043 F
【審査請求】有
【請求項の数】18
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022066374
(22)【出願日】2022-04-13
(31)【優先権主張番号】17/236,701
(32)【優先日】2021-04-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】512005829
【氏名又は名称】グローバル・クーリング・インク
【氏名又は名称原語表記】GlobalCooling, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100096426
【弁理士】
【氏名又は名称】川合 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100129469
【弁理士】
【氏名又は名称】池山 和生
(72)【発明者】
【氏名】デイヴィッド・エム・バーコウィッツ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】リニア電動機によって駆動するガンマ型フリーピストンスターリングクーラーにおいて、最小電力を消費する電動機の運転周波数を検出し、また最大の熱的冷却力を供給する電動機の異なる運転周波数を検出する方法を提供する。
【解決手段】運転周波数は、(1)定常温度に維持するリニア電動機28への入力の検出中、または(2)スターリングクーラー10の熱的冷却力の検出中に、運転周波数を少しずつ変化させて検出する。モード検出ルーチンは、適切な冷凍装置の運転が、最小の電力モードかあるいは最大の熱的冷却力モードかを、冷凍機の現在の熱的条件に基づいて検出する。冷凍庫12が十分に冷えている場合、スターリングクーラーのピストン18,20は、最小の消費電力周波数で駆動される。温度が高すぎるか、またはそうなりそうな場合は、スターリングクーラーのピストンは、最大の熱的冷却力を発揮する周波数で駆動される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガンマ型フリーピストンスターリングクーラーの入力電力を制御可能に変更するための、ガンマ型フリーピストンスターリングクーラーを制御可能に運転する方法において、
上記ガンマ型フリーピストンスターリングクーラーは、ディスプレーサと少なくとも2つのピストンとを有すると共に、リニア電動機によって往復駆動され、
上記電動機は、交流電圧と電流とによって所定の運転周波数において駆動され、
さらに上記方法は、
(a)制御変更可能な駆動周波数を有する交流電圧と電流とによって、上記リニア電動機を駆動する工程と、
(b)上記交流電圧と電流との駆動周波数を増加させて、上記ピストンに対して上記ディスプレーサが先行する位相角度を減少させることによって、上記リニア電動機への入力電力を減少させる工程と
を備えることを特徴とするガンマ型フリーピストンスターリングクーラーを制御可能に運転する方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、上記スターリングクーラーは、貯蔵室を有する冷凍装置に接続され、この貯蔵室から熱を汲み上げるように構成されており、
さらに上記方法は、
(a)選択した周波数範囲にわたって、上記交流電圧と電流との周波数を変化させる工程と、
(b)上記周波数範囲以内での複数の駆動周波数において、上記電動機に送られる電力を検知する工程と、
(c)定常状態の熱負荷において上記電動機への最小入力電力が検知されたときの運転周波数にて、この電動機を駆動する工程と
を経由して、定常状態での熱負荷において、上記電動機が最小入力電力を消費するときの運転周波数を検出する
ことを特徴とするガンマ型フリーピストンスターリングクーラーを制御可能に運転する方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法において、さらに、
(a)上記電動機に与えられる上記電圧と電流との運転周波数を、不連続に増加変更して、上記選択した周波数範囲にわたって複数のサンプル周波数を提供する工程と、
(b)各サンプル周波数において上記電動機への入力電力のサンプルを検知する工程と、
(c)上記電動機への検知した最小入力電力における運転周波数を記憶する工程と
を備えることを特徴とするガンマ型フリーピストンスターリングクーラーを制御可能に運転する方法。
【請求項4】
請求項3に記載の方法において、さらに、
上記電動機が最小入力電力を消費するときの周波数を検出する間、ピストンの往復振動幅を一定に維持する工程
を備えることを特徴とするガンマ型フリーピストンスターリングクーラーを制御可能に運転する方法。
【請求項5】
請求項3に記載の方法において、さらに、
(a)上記貯蔵室の温度を検知することによって、温度維持モードを定期的に検出し、この検知した温度が選択した温度の限度を超えているか、あるいは温度上昇の変化速度が、選択した温度の変化速度の限度を超えているかを計算する工程と、
(b)上記限度を超えない場合は、上記電動機への入力電圧を変化させることによって、上記冷凍機の温度を設定点温度に維持するようにピストン振幅を調節して、上記貯蔵室の温度を維持するために上記熱的冷却力を変化させる工程と
を備えることを特徴とするガンマ型フリーピストンスターリングクーラーを制御可能に運転する方法。
【請求項6】
ガンマ型フリーピストンスターリングクーラーの熱的冷却力を制御可能に変更するための、ガンマ型フリーピストンスターリングクーラーを制御可能に運転する方法において、
上記ガンマ型フリーピストンスターリングクーラーは、ディスプレーサと少なくとも2つのピストンとを有すると共に、リニア電動機によって往復駆動され、
上記電動機は、交流電圧と電流とによって所定の運転周波数において駆動され、
さらに上記方法は、
(a)制御変更可能な駆動周波数を有する交流電圧と電流とによって、上記リニア電動機を駆動する工程と、
(b)上記交流電圧と電流との駆動周波数を減少させて、上記ピストンに対して上記ディスプレーサが先行する位相角度を増加させることによって、上記リニア電動機への入力電力を増加させる工程と
を備えることを特徴とするガンマ型フリーピストンスターリングクーラーを制御可能に運転する方法。
【請求項7】
請求項6に記載の方法において、上記ガンマ型フリーピストンスターリングクーラーは、貯蔵室を有する冷凍装置に接続されて、この貯蔵室から熱を汲み出すように構成され、
さらに上記方法は、
(a)選択した周波数範囲にわたって上記交流電圧と電流との周波数を変化させる工程と、
(b)上記選択した周波数範囲以内の複数の駆動周波数において、上記スターリング機関に送られる熱的冷却力を検知する工程と、
(c)検知した最大の熱的冷却力の運転周波数において上記電動機を駆動する工程と
を経由して、上記スターリングクーラーが最大熱的冷却力で運転するときの運転周波数を検出する
ことを特徴とするガンマ型フリーピストンスターリングクーラーを制御可能に運転する方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法において、さらに、
(a)上記電動機に与えられる電圧と電流との駆動周波数を、不連続に増加変更して、上記選択した周波数範囲にわたって複数のサンプル周波数を提供する工程と、
(b)各々のサンプル周波数において上記スターリングクーラーの熱的冷却力のサンプルを検知する工程と、
(c)検知した最大の熱的冷却力サンプルの運転周波数を記憶する工程と
を備えることを特徴とするガンマ型フリーピストンスターリングクーラーを制御可能に運転する方法。
【請求項9】
請求項8に記載の方法において、さらに、
(a)上記貯蔵室の温度を検出することによって、回復モードを定期的に検出し、この検出した温度が選択した温度制限を超えているか、あるいは温度上昇の時間的変化速度が、選択した温度の変化速度の制限を超えているかを計算する工程と、
(b)上記制限を超える場合は、上記電動機への入力電圧を変化させることによって、上記ピストン振幅を最大振幅に維持する工程と
を備えることを特徴とするガンマ型フリーピストンスターリングクーラーを制御可能に運転する方法。
【請求項10】
時には温度維持モードにて、そして時には回復モードにて、ガンマ型フリーピストンスターリングクーラーを制御可能に運転する方法において、
上記スターリングクーラーは、ディスプレーサと少なくとも2つのピストンとを有すると共にリニア電動機によって駆動され、
上記電動機は、所定の運転周波数において交流電圧と電流とによって駆動され、さらに、
(a)制御変更可能な駆動周波数を有する交流電圧と電流とによって、上記リニア電動機を駆動する工程、
および
(b)上記交流電圧と電流との上記運転周波数を増加させることによって、上記ピストンに対して上記ディスプレーサが先行する位相角度を減少させて、温度維持モードで運転する上記リニア電動機への入力電力を減少させる工程、
あるいは
(c)上記交流電圧と電流との運転周波数を減少させることによって、上記ピストンに対して上記ディスプレーサが先行する位相角度を増加させて、回復モードで運転する上記スターリングクーラーの熱的冷却力を増加させる工程のいずれか
を含むことを特徴とするガンマ型フリーピストンスターリングクーラーを制御可能に運転する方法。
【請求項11】
請求項10に記載の方法において、上記ガンマ型フリーピストンスターリングクーラーは、アクセスドア付きの貯蔵室を有する冷凍装置に接続されており、
上記スターリングクーラーは、上記冷凍装置の上記貯蔵室から熱を汲み上げて排出するように構成されており、
さらに上記方法は、
(a)上記貯蔵室の温度若しくはこの貯蔵室内の温度変化の時間的速度、またはアクセスドアが開かれたことを検知する工程と、
(b)上記温度維持モードで上記スターリングクーラーを運転し、
(1)上記検知された温度が、選択した低温温度の限度よりも低いこと、
または
(2)上記検知された温度が、選択された温度変化の時間的速度の限度より遅い速度で低下すること
の少なくとも1つを検知した場合に、上記交流電圧と電流との運転周波数を増加させることによって、上記リニア電動機への入力電力を減少させる工程と、
(c)上記回復モードで上記スターリングクーラーを運転し、
(1)上記検知された温度が、高温温度の限度よりも高いこと、
(2)上記検知された温度が、選択された温度変化の時間的速度の限度を超える時間的速度で上昇すること、
または
(3)上記アクセスドアが開いていること
の少なくとも1つを検知した場合に、上記交流電圧と電流との運転周波数を減少させることによって、上記スターリングクーラーの熱的冷却力を増加させる工程と
を備えることを特徴とするガンマ型フリーピストンスターリングクーラーを制御可能に運転する方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法において、さらに、
(a)上記温度維持モードで運転する場合、上記電動機への入力電圧を変化させることによって上記ピストン振幅を調整して、上記貯蔵室の温度を設定温度に維持するために上記熱的冷却力を変化させる工程と、
(b)上記回復モードで運転する場合、上記ピストン振幅を最大振幅に維持する工程と
を備えることを特徴とするガンマ型フリーピストンスターリングクーラーを制御可能に運転する方法。
【請求項13】
上記温度維持モードおよび上記回復モードに最適な運転周波数を検出するための請求項12に記載の方法において、
さらに上記方法は、
(a)次の工程、すなわち
(1)選択した周波数範囲にわたって、上記交流電圧と電流との周波数を変化させること、
(2)上記周波数範囲以内での複数の駆動周波数において、上記電動機に送る電力を検知すること、
および
(3)上記電動機への最小入力電力が検知されたときの上記運転周波数を記憶すること
によって上記電動機が最小入力電力を消費するときの運転周波数を検出する工程と、
(b)次の工程、すなわち
(1)選択した周波数範囲にわたって、上記交流電圧と電流との周波数を変化させること、
(2)上記周波数範囲以内での複数の駆動周波数において、スターリングクーラーが提供する上記熱的冷却力を検知すること、
および
(3)検出した最大熱的冷却力の運転周波数を記憶すること
によって、上記スターリングクーラーを最大熱的冷却力にて運転するときの運転周波数を検出する工程と、
(c)上記スターリングクーラーを上記温度維持モードで運転する場合には、上記電動機への検知した最小入力電力における運転周波数にて、この電動機を駆動する工程と、
(d)上記スターリングクーラーを上記回復モードで運転する場合には、検知した最大熱的冷却力における運転周波数にて上記電動機を駆動する工程と
を含むことを特徴とするガンマ型フリーピストンスターリングクーラーを制御可能に運転する方法。
【請求項14】
請求項13に記載の方法において、さらに、
(a)上記電動機に加える上記電圧と電流との運転周波数を、不連続に増加変更して、上記選択した周波数範囲にわたって複数のサンプル周波数を提供する工程と、
(b)時には各サンプル周波数において、上記電動機への入力電力のサンプルを検知し、時には各サンプル周波数において、上記スターリングクーラーが提供する上記熱的冷却力のサンプルを検知する工程と、
(c)上記電動機への検知した最小入力電力における上記運転周波数、および検知した最大熱的冷却力における上記運転周波数を記憶する工程と
を備えることを特徴とするガンマ型フリーピストンスターリングクーラーを制御可能に運転する方法。
【請求項15】
請求項14に記載の方法において、上記選択された周波数範囲は、ガンマ型フリーピストンスターリングクーラーの機械的公称周波数を中心に±2Hz未満の範囲であり、上記不連続な増加分の幅は、0.2Hz未満である
ことを特徴とするガンマ型フリーピストンスターリングクーラーを制御可能に運転する方法。
【請求項16】
請求項15に記載の方法において、さらに、
(a)上記電動機が最小入力電力を消費する場合の運転周波数を検出する間、上記ピストンの往復振動幅を一定に維持する工程と、
(b)上記スターリングクーラーを最大熱的冷却力において運転する運転周波数を検出する間、上記ピストンの往復振動幅を最大に維持する工程と
を備えることを特徴とするガンマ型フリーピストンスターリングクーラーを制御可能に運転する方法。
【請求項17】
ディスプレーサと少なくとも2つのピストンを備えると共に、リニア電動機によって往復駆動されるように構成され、この電動機が交流電圧と電流とによって所定の運転周波数において駆動される改良されたガンマ型フリーピストンスターリングクーラーにおいて、さらに、
十分な電力、電圧および電流を供給し、上記電動機を駆動するように接続される交流電圧と電流との電源を備え、
上記電源が、制御可能な可変周波数を有する
ことを特徴とするガンマ型フリーピストンスターリングクーラー。
【請求項18】
請求項17に記載のガンマ型フリーピストンスターリングクーラーにおいて、さらに、
(a)上記スターリングクーラーが熱的に接続されて、上記貯蔵室から熱を汲み出すように構成される冷凍保管室と、
(b)上記リニア電動機に接続されて、この電動機への入力電力を検知するように構成される電力検知回路と、
(c)上記貯蔵室に熱的に接続され、この貯蔵室の温度を検知するように構成される温度センサーと、
(d)上記温度センサーと上記電力検知回路に接続され、上記電動機に加えられる交流電圧の振幅と周波数とを制御可能に変化させるように構成されるコントローラと
を備えることを特徴とするガンマ型フリーピストンスターリングクーラー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガンマ型フリーピストンスターリング機関に関し、特に超低温冷凍庫を冷却するヒートポンプとして用いるようなガンマ型フリーピストンスターリングクーラーを運転する方法及び装置に関する。本発明の目的の一つは、冷凍庫の温度が定常状態にある場合には、電力消費を最小限に抑えることによって冷凍庫のエネルギー効率を最大にすることにある。本発明の第二の目的は、冷凍庫の温度が高い場合には、熱的冷却力を最大にすることによって冷凍庫温度を設定点温度まで下げることができる速度を最大にすることにある。
【背景技術】
【0002】
スターリングサイクルフリーピストンクーラーを使用する冷凍庫は、環境に最も優れた超低温(ULT)冷凍庫であるだけでなく、最小の運転費用で最高の能力を発揮する。ULT冷凍庫は、通常、-80℃と-90℃との範囲において貯蔵室の温度を維持する。これらの冷凍庫は、ワクチンなどの生物学的サンプルを保存するために、大学、病院、製薬メーカーおよび流通業者によって使用される。
【0003】
最も簡単なフリーピストンスターリングクーラーは、冷凍庫において一般的に使用されているベータ型構成である。ベータ型構成において主要で必要な可動要素は、ピストン、ディスプレーサおよびバランサーである。ピストンとディスプレーサとは、シリンダー内で往復し、ピストンとディスプレーサとに付与されるバネ力が、機械的な共振システムを形成し、このシステムは、その共振周波数またはその近辺で運転される。ピストンの往復は、ベータ型フリーピストンスターリングクーラーを収容するケーシングの振動を引き起こす。バランサーの目的は、ケーシングから過剰な振動を取り除いて、騒音の伝送を最小限に抑えることにある。ベータ型スターリング機関は、最初に、ディスプレーサの動きがピストンに先行する好ましい位相角度を持つまで、ディスプレーサの共振周波数を調整することによって、最適に調整される。それが達成されたら、次にバランサーを調整しなければならない。バランサーは通常、減衰しないばね上質量なので、Q(蓄積エネルギー/消散エネルギー)が高くなり、よって最適な性能を得るためには非常に正確な調整を行う必要がある。この調整は多くの場合、望ましい固有振動数を中心とする狭い周波数範囲内に収める必要があり、実際的な方法で達成することは非常に困難である。現行の方式では、ケースの振動が最大許容レベル未満になるまで質量を増やしたり削ったりして、バランサーを調整する。この方法が示唆していることは、最小のケーシング振動が達成されるまで、機関の運転周波数を変更することである。しかるに、この方法には、ピストンの運動に対するディスプレーサの運動の位相関係が変化して、最小のケーシング振動時点における機関の性能を低下させてしまうという問題が付随する。したがって、バランサーの調整の必要性を排除し、また、バランサー自体の必要性を避け、それでもなお振動が受容可能な小さなレベルになることが望ましい。
【0004】
図1は、冷凍庫の貯蔵室を冷凍するために取り付けたガンマ型フリーピストンスターリングクーラーを含む、比較的単純化された概略図である。この構成の冷凍庫は、周知技術であって、基本的な構成要素は、
図1に示すように本発明の実施の形態にも適用可能である。フリーピストンスターリング機関は、フリーピストンスターリングエンジンとも呼ばれ、ガンマ型の構成のものを含めて周知技術である。それらは機関の一つの部品に熱を加えることによってモーターとして運転させることができ、機械的な負荷を駆動するための往復出力を生み出す。またリニア電動機などの往復駆動装置によって駆動され、冷たいヘッドから周囲の大気などの暖気に熱を伝達することができる。後者の機能は、ヒートポンプとして知られている。ここで術語「スターリングクーラー」は、その冷たいヘッドからより高い温度の質量に熱をポンプまたは汲み上げることを意図して設計されたスターリング機関を指すために使用する。
【0005】
スターリングクーラー及びスターリングクーラーを使用する冷凍庫は、周知技術なので、以下の説明は要約である。
図1を参照すると、ガンマ型フリーピストンスターリングクーラー10は、冷凍庫12などの冷凍装置に搭載されて貯蔵室14を有し、冷たいヘッド15を経由して貯蔵室14から外気に熱を汲み上げるように構成されている。貯蔵室14は、この貯蔵室に保管されているサンプルの挿入および引き出し用のアクセスドア17を有する。スターリングクーラー10は、ディスプレーサ16及び2つのピストン18と20とを有する。ピストン18と20とは、対向するように配置され、ピストンが互いに反対の方向に動くため、全ての振動が理想的に打ち消される。ディスプレーサ16は、接続ロッド22によって、平坦ばね24に接続する。ケーシング26に封入された作動ガスは、ピストンにバネ力を加えるバネとしても働き、クーラー10全体が機械的に共振する。ディスプレーサの動きはバランスが取れていないが、ディスプレーサの質量は小さいため、ケーシング振動への寄与は小さく、一般的に許容できる。ピストンは、交流リニア電動機28によって対向して往復するように駆動され、ケーシング26の振動原因となる力を相互に打ち消す。電動機28は、交流電力源30によって供給される交流電圧と電流とによって、所定の運転周波数において駆動される。電力源30は、デジタル処理回路とコンピュータ部品を含む電子制御システム32によって制御される。検出された運転パラメータは、少なくとも貯蔵室の温度センサー34および他のセンサー36によって制御システム32に与えられる。従来技術による制御システムは、格納された制御アルゴリズムに従い、検出された運転パラメータの入力に基づいて電力源30の電圧振幅を制御可能に変化させる。
【0006】
図2は、ピストン18および20と、ディスプレーサ16との動きを示す位相図(phasor diagram)であり、それらの動きの位相角度を示す。ディスプレーサ16は、ピストンの動きより約45°から65°先行して往復する。ピストン18及び20は、空間的な視点では対向しているが、時間的な観点からは、互いに同相で作動している。
図2の位相図は、運動の時間域における関係を示しているので、2つのピストン18と20との動きはオーバーラップしているが、ディスプレーサ16の動きに対して、同じように遅れた位相関係にある。ケーシング26の動きは、ディスプレーサ16の動きとは反対になっている。ディスプレーサ16は、質量が小さく、機関全体の残りの部分はかなり質量が大きいので、結果として生じるケーシング運動は小さく、ほとんどの実用的な場面においては、無視できる。
【0007】
従来技術によるスターリングクーラーは、機関の機械的共振周波数またはそれに近い一定の運転周波数で運転する。スターリングクーラーによって生み出される熱を汲み上げるための熱的冷却力は、ピストン振幅の増加関数である。ピストン振幅は、交流リニア電動機28に印加される交流電圧の増加関数である。従来技術では、貯蔵室14内の温度を制御するために、リニア電動機28に印加される電圧を調節することによって熱的冷却力を調節する。本発明の実施の形態は、時には、貯蔵室14内の温度を制御するために、リニア電動機28に印加される電圧を調節する運転モードを含む。その目的のために、ネガテブフィードバックの電子制御システム32は、検出された貯蔵室の温度、及び記憶された設定点温度の入力を有する。電子制御システム32は、よく知られたネガテブフィードバック制御原理によって、設定点温度に近い温度範囲内に貯蔵室14の温度を維持するために、交流電力源30の電圧を調節することによって熱的冷却力を調節する。最大の冷却力を提供するためには、従来技術では、単一の運転周波数において、最大振幅限度でスターリングクーラーを運転する。
【0008】
フリーピストンスターリングクーラーを効率的に運転するためには、ディスプレーサの周期的な往復は、ピストンの周期的な往復より約45°~65°の角度範囲で先行させるべきである。ディスプレーサが先行する角度は、スターリングクーラーの機械的共振周波数(共振曲線のピーク)およびスターリングクーラーを運転する周波数が関係する関数である。従来技術によるスターリングクーラーは、単一の運転周波数で運転するため、ディスプレーサが先行する位相が、上記範囲内で許容可能な角度になるためには、スターリングクーラーは、単一の運転周波数で駆動したときに、許容可能な先行位相で運転できる機械的周波数に調整しなければならない。
【0009】
スターリング機関の機械的共振周波数は、各往復成分の質量と、その機械的ばねの実効ばね定数と、ばねのように振る舞う作動ガスとの関数である。時には製造された部品は、質量またはばね定数において相違し、検知されたディスプレーサの位相が選択された許容範囲内にない場合がある。部品が許容範囲にない場合、従来技術によるメーカーは、ピストンに対して許容できる位相関係を有するように、ディスプレーサを機械的に調整する。ディスプレーサはピストンの動きに対する動きを観察しながら、最適な全体的性能を得るように調整される。最適な性能とは、所定の低温を維持するために必要な最小のエネルギー入力を与える先行位相を意味する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述した調整手順では、機関を分解してディスプレーサの質量を増減し、そして再組み立てしてテスト運転を行い、ディスプレーサの先行位相を検出する必要がある。製造される各々の冷凍庫に対して、許容範囲内にある位相角度が検出されるまで、この手順を複数回も繰り返す可能性がある。したがってこの手順には、明らかにかなり大きな労働力が必要になる。この手順に掛かる費用と難しさとは、冷凍庫の製造費用を増すだけでなく、冷却器の異なる運転モードに最適となる先行位相角度に許容できるほど近いものの、未だ異なる先行位相角度を受け入れなければならない。特定のスターリングクーラーに対して、達成できる最適なエネルギー効率と達成できる最大の熱的冷却力との間の、妥協点となる運転条件を受け入れなければならない。たとえば、50°と60°の間の先行位相角度は、合理的な妥協と見なされるかもしれない。スターリングクーラーを調整して、この許容範囲内でディスプレーサの先行位相角度を得た後は、従来技術によるスターリングクーラーでは、その耐用年数の残りの期間中、ただ一つの基準運転周波数においてのみ駆動され運転される。
【0011】
しかるに、次の3つの改善を同時に達成することが望ましい。すなわち(1)過度の振動およびバランサーの必要性を排除する。(2)先に説明した方法でスターリング機関を調整する必要性を排除することにより、製造コストを削減する。(3)スターリングクーラーを、妥協に基づくモードで運転する替わりに、最大のエネルギー効率を発揮するモードと最大の熱的冷却力を発揮する別のモードとの、2つの異なる最適化された運転モードのいずれかにおいて運転する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、ガンマ型フリーピストンスターリングクーラーでULT冷凍庫を冷却すると共にリニア電動機を駆動し、このリニア電動機は、制御可能な可変周波数を有する交流電力源を用いてピストンを往復運動させる。最適な周波数の検出方法は、スターリングクーラーの熱負荷を一定に維持しながら、消費電力を最小にする電動機の運転周波数を検出する。また最適な周波数の検出方法は、スターリングクーラーの熱的冷却力を最大にする、電動機の別の異なる運転周波数も検出する。最適な周波数は、(1)冷凍庫で安定した温度を維持するために必要な入力電力を検知するか、または(2)スターリングクーラーが付与する、冷凍庫の温度を下げるための熱的冷却力を検知するそれぞれの手順において、運転周波数を少しずつ変化させる最適化アルゴリズムを適用することによって検出する。
【0013】
また本発明は、冷凍庫の適切な運転が、電力の最小化モードであるか、または熱的冷却力の最大モードであるかを検出する、モード検出ルーチンを有する。その検出は、冷凍庫の現在の熱的状態に基づく。冷凍庫の貯蔵室が十分冷えているので定常運転が適切な場合、スターリングクーラーのピストンは、電力を節約するために、検出された定常状態を維持するための消費電力が最小になる周波数で駆動される。冷凍庫の貯蔵室が暖かくなり過ぎ、または暖かくなり過ぎそうな場合には、スターリングクーラーのピストンは、冷凍庫を設定点温度まで冷却する時間を最小限にするために、検出された熱的冷却力が最大になる周波数より低めの周波数で駆動される。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、少なくとも以下の改良をもたらす。(1)かなりの量となる定常状態の電力消費を最小にする。(2)ドアを開いた後またはその他の実質的な熱の入力後の温度回復時間を最小にする。(3)製造者は、費用がかさんで時間が掛かる作業によって、個々のスターリングクーラー機関を、それぞれ調整する必要がなくなる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】ガンマ型フリーピストンスターリングクーラーで冷却される冷凍庫の形状と図表とを示す図である。
【0016】
【
図2】従来技術によるガンマ型スターリングエンジンにおけるピストンとディスプレーサとの位相の関係と動きを示す位相図である。
【0017】
【
図3】かなり簡略したレベルでの発明の実施に用いるステップを示す流れ図である。
【0018】
【
図4】
図2に類似した位相図であって、本発明によって運転するガンマ型フリーピストンスターリングクーラーにおけるピストンとディスプレーサとの位相の関係および動きを示す。
【0019】
【
図5】電動機の駆動周波数の関数として、本発明によって運転するスターリングクーラーを駆動している電動機への入力電力の変動を示すグラフである。
【0020】
【
図6】電動機の駆動周波数の関数として、本発明によって電動機で駆動されているガンマ型フリーピストンスターリングクーラーからの熱的冷却力(「lift」)の変動を示すグラフである。
【0021】
【
図7】本発明を具体化した装置とその運転方法の1例を示すブロック図である。
【0022】
【
図8】本発明による定常状態における電動機への最小入力電力モードの運転に最適な周波数を求めるルーチンの実施を示すフローチャートである。
【0023】
【
図9】本発明による最大熱的冷却力モードの運転に最適な周波数を求めるルーチンの実施を示すフローチャートである。
【0024】
図面に示される本発明の好ましい実施の形態を説明する際に、明確化のために特定の用語が使用される。しかし本発明を、選択された特定の用語に限定することを意図するものではなく、また各特定の用語が、同様の目的を達成するために同様の方法で作動するすべての技術的に同等な物を含むということを理解されるべきである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
全体像
【0026】
本発明は、製造中にスターリングクーラーを機械的に調整する必要性を排除する。従来技術においては、このような調整は、スターリングクーラーを妥協した運転モードに調整して、単一の運転周波数において運転できるように行われてきた。ベータ型スターリングクーラーは、単一の周波数でクーラーを運転する必要があった。なぜなら許容できる性能を得るためには、共振周波数のすぐ近くで運転しなければならないので、高いQ(非常に鋭い共振ピーク)を備える共振装置である振動バランサーが必要になるためであった。ガンマ型スターリングクーラーは、振動バランサーを必要としないため、運転周波数の重要性は、大幅に減少する。ガンマ型スターリングクーラーは、電動機に付与される駆動周波数を、いく分変えることができる。ガンマ型スターリングクーラーを使用すると、クーラーの電動機を、周波数可変の交流電流(AC)電力源によって、電動機への入力電力が最小になる周波数、またはスターリングクーラーの熱的冷却力が最大となる比較的低い周波数の、いずれの周波数において駆動することができる。周波数可変の(AC)電流電力源は、ときには可変周波数駆動(VFD)と呼ばれ、本質的には、電気的に変動する周波数を持つ発振回路であり、電動機を駆動するのに十分な電力を供給することができる。このような電力源は、回転電動機を駆動するために市販されている。
【0027】
振動バランサーの除去により周波数の重要性が低いため、本発明の運転は、スターリングクーラーは、(1)入力効率と冷却能力との妥協である従来技術による周波数をわずかに上回る運転周波数において駆動すると、最小入力で運転でき、(2)従来技術による周波数よりもわずかに低い運転周波数において駆動すると、最大熱的出力で運転できるという観察に基づいている。その理由は、周波数を変えると、ピストンに先行するディスプレーサの位相が変化するからである。ディスプレーサの先行する位相を変更すると、入力電力とガンマ型スターリングクーラーの熱的冷却力の双方が変化する。運転周波数およびディスプレーサが先行する位相は、最小入力電力と最大熱冷却能力とでは相違する。
図4は、位相の関係の1例を示す位相図である。本発明は、冷凍庫の熱的条件に応じて、スターリングクーラーの最小入力電力または最大熱的冷却力を検出し、そしてこの最小入力電力または最大熱的冷却力においてスターリングクーラーを運転する。
【0028】
図5および
図6は、ガンマ型フリーピストンスターリングクーラーに本発明の原理を適用したものを示すグラフであって、このスターリングクーラーは、本発明によって駆動される。
図5は、周波数の関数としての入力電力およびディスプレーサの位相の進み角度の1例を示す。また
図5は、約61.2Hzの運転周波数において、最小の入力電力を示す。
図6は、周波数の関数としての熱的冷却力およびディスプレーサの位相の進み角度の1例を示す。また
図6は、約59.8Hzの運転周波数において、最大の熱的冷却力を示す。本発明や本発明の理解とは関係はないが、周波数に対する位相のグラフは、同一条件下で得られた場合、
図5及び6において同じであろう。これらの条件には、ピストン振幅、冷たいヘッド温度、および周囲の雰囲気と熱交換する熱交換器の温度が含まれる。
図5は、市販の冷凍庫において、-80°Cの定常状態の熱的冷却力に近い約90Wの熱的冷却力において得られた。
図6は、市販の冷凍庫において、-80°C付近で最大の熱的冷却力に近い電力が生じる条件の下で得られた。しかし、最大の冷却力を生み出す最適なサンプリング周波数は、冷凍庫の温度の関数であるため、冷凍庫が冷却するにつれて最適な運転周波数は変化する。同様に、最大のピストン振幅に近い振幅における周波数に対する位相曲線は、温度が異なると相違する。しかし本発明は、最適な周波数を繰り返し検出することによって、冷凍庫の異なる温度および異なる設定点温度に対して、最大の熱的冷却力を生み出すのに最適な周波数に繰り返し適応する。
【0029】
本発明は、定常状態の温度維持モードにおいて、スターリングクーラーを運転する場合に最適な周波数を検出する方法を提供する。定常状態モードの間、つまり熱負荷が安定したときには、最大の効率を提供するために、クーラーを駆動する電動機への入力電力が最小になることが望ましい。また、本発明は、スターリングクーラーを最大の熱的冷却力モードで運転する場合に最適な周波数を検出する方法を提供する。回復モードの間におけるスターリングクーラーの熱的冷却力は、冷凍庫を設定点温度まで冷却するために必要な時間を最短にするために、最大にすることが望ましい。
【0030】
最小の消費電力を提供する最適な定常運転周波数を求める方法と、最大の熱的冷却力を提供する最適な回復運転周波数を求める方法の両方に、検出またはサンプリングルーチンが含まれ、このルーチンには、選択した周波数範囲全体において交流電圧電流の電力源30の周波数を変化させることが含まれる。最適な定常状態モードの運転周波数を求めるには、安定した冷凍温度を維持しながら、周波数範囲内で複数の駆動周波数において、電動機に送る電力が検知される。その後、電動機は、検知された電動機への入力電力が最小となる運転周波数で駆動される。最適な回復モードの運転周波数を求めるには、スターリングクーラーによって供給される熱的冷却力を、選択した周波数範囲内で複数の駆動周波数において検出し、電動機は、検知された熱的冷却力が最大になる運転周波数で駆動される。
【0031】
好ましくは、周波数範囲全体にわたる駆動周波数は、周波数の間隔が狭い離散サンプル周波数であって、それぞれ電力サンプルまたは熱的冷却力サンプルを提供する。
【0032】
最適な定常運転周波数を求める方法と、最適な回復モードの運転周波数を求める方法は、両方とも冷凍庫の製造中、完成した冷凍庫の運転寿命中、またはその両方の間に行うことができる。
【0033】
工場のフロアにおける製造中に、最適な周波数の検出が行われるときには、検出された2つの最適な周波数がコントローラのメモリーに保存される。制御ルーチンは、選択した運転モードに関連付けられて保存された周波数において、冷凍庫を運転するようにプログラムされる。最適な周波数は、設定点温度に依存するため(ディスプレーサの共振数は、膨張空間の温度によって変化するため)、冷凍庫を運転する複数の設計上の設定点温度の範囲全体において、一組の最適な周波数を検出する必要がある。保存された最適な周波数とそれらが関連する一組の設定点温度は、最適な周波数に対する冷凍庫温度の関係を示す曲線で表され、制御ファームウェアに格納され、この制御ファームウェアにより冷凍庫の現在の運転における設定点温度に適した最適な周波数に回復することができる。
【0034】
最適な周波数を検出する方法は、冷凍庫の通常運転寿命にわたる日々の運転の間においても、たえず実行することができる。最適な周波数を検出する方法を実行する制御ルーチンは、コントローラの制御ルーチンにプログラムされ、プロセッサを介してクロック毎に連続して、あるいは周期的に実行される。
【0035】
従来技術によるスターリングクーラーに対する、先に説明した方法による機械的な調整は不要であり、したがって冷凍庫の製造中か使用中かにかかわらず、本発明の方法によって最適な周波数を検出すれば、この機械的な調整を回避することができる。スターリングクーラーの機械的なパラメータの変動は、ピストン質量やばね定数などの機械部品の変化によるため、従来技術において調整が必要であった。部品の変化は、共振周波数など、スターリングクーラーの運転パラメータの変動を引き起こした。スターリングクーラーの運転パラメータにおけるこれらの変動は、製造された各スターリングクーラーが、すべて同じ単一の運転周波数で運転された場合に、大幅に異なる冷却特性を持ち得ることを意味する。例えばクーラーは、ある1つの運転周波数において、大幅に異なる温度冷却力と同様に、大幅に異なる性能効率または性能係数を持つことができる。本発明の方法は、各々の特定のスターリングクーラーにおいて最適な周波数を検出することによって、製造された部品のこれらの変化を補う。したがって製造された各々のスターリングクーラーは、それ自体の2つの最適な周波数の一方または他方において運転される。多くの場合、各々の冷凍庫の一組の最適な周波数は、同じ生産ラインにおいて同じ公称仕様の部品から製造された他のスターリングクーラーの最適な周波数とは異なる。
【0036】
本発明の方法には、冷凍庫の1つ以上の運転パラメータを検出し、これらの運転パラメータから、スターリングクーラーを定常状態において最小消費電力モードで運転できるか、または回復状態において最大熱的冷却力モードで運転すべきか否かを検出するモード検出方法も含まれる。好ましい運転モードが現状の運転モードと異なる場合、運転モードは、コントローラによって好ましいモードに切り替えられる。それ以外の場合は、切り替えられない。定常状態において最小入力電力モードとなる最適な周波数は、回復モードにおいて最大熱的冷却力となる最適な周波数よりも大きい。したがって、一方のモードから他方への切り替えは、電動機を駆動する交流周波数を増加または減少させる段階を含む。
【0037】
図3は、冷凍庫用のスターリングクーラー、電動機、コントローラおよび温度センサーを用いる冷凍庫の日々の運転において、本発明を実施するための基本的な手順を示す簡略化されたフローチャートである。直ぐ後の説明は、発明の基本概念の概要であって、その後で詳しい説明を続ける。
【0038】
最初のステップは、検出された冷凍庫の熱条件に対する適切な応答として、スターリングクーラーを運転すべき運転モードを検出するモード検出ルーチンである。本発明に関連する2つのモードは、定常状態における温度維持モードおよび最大熱的冷却力による回復モードである。大まかに言えば、定常状態の温度維持モードは、冷凍庫温度が設定点温度の上下に延びる選択温度範囲内にあり、冷凍庫の貯蔵室を顕著に温めることを示すか予測する事象またはデータがない場合に適している。また大まかに言えば、最大熱的冷却力モードは、冷凍庫温度が選択した温度よりも暖かい場合、または冷凍庫の貯蔵室を顕著に温めることを予測するデータが検出された場合に適している。例えば、貯蔵室扉17を開口することや、あるいは少なくとも2分間程度開口していることは、暖かい周囲の空気の突入によって冷凍庫が著しく温められることを予測する熱条件事象であり、最大熱的冷却力の回復モードを開始するために使用することができる。
【0039】
この手順が適切な運転モードを検出した後、検出されたモードに最適な周波数は、簡単な説明を上述したが、引き続きより詳細に議論する。最適な周波数は、交流電力源30の周波数を、選択した周波数範囲にわたって段階的に走査することによって見出す。周波数範囲内で検出した複数の周波数において、最適な定常周波数を見つけるために、電動機が吸収する電力が検出される。同様に、選択された周波数範囲内の複数の周波数において、最適な回復モード周波数を見つけるために、スターリングクーラーによって供給される熱的冷却力が検出される。最適な周波数が見つかった後に、電動機は、適切な運転モードに最適な周波数で駆動される。
【0040】
電動機への入力電力の検出
【0041】
本発明の方法を行うには、定常温度条件において入力電力を最小値とする周波数を見つけるために、ピストン18、20を駆動する電動機28への入力電力を複数の駆動周波数で検出することが必要である。従来技術において、電力を測定し、アナログまたはデジタル形式にて、電力の検知値を表示出力する回路及び技術に関する多数の例が提供されている。電動機の端子はアクセス可能なので、従来の電力の検知回路をそれらの端子に接続することができる。このような回路は、電圧、電流および力率を検知し、コントローラ32にデジタルまたはアナログ出力を提供する。
【0042】
熱的冷却力の検出
【0043】
また本発明の方法を行うためには、熱的冷却力の最大値をもたらす周波数を検出するため、冷凍庫から熱を排出するスターリングクーラーの熱的冷却力を、複数の駆動周波数において検出する必要がある。熱的冷却力は、熱エネルギーの伝達速度、すなわちガンマ型フリーピストンスターリングクーラーによって、熱エネルギーが冷凍庫の貯蔵室から排出されて、最終的に冷凍装置から流出する時間速度である。熱エネルギー伝達速度は、ワット若しくは1分あたりのカロリー、1時間あたりのBTU(BTU/h)、1秒あたりのジュール(1Watt=1Joule/秒)などの様々な単位で表すことができる。
【0044】
本発明の方法は、熱的冷却力が最大または最小である周波数を検出することを含むので、特定の従来単位で表現できる熱的冷却力の値それ自体を検知する必要はない。相対的な冷却力、つまり、他のサンプリングされた周波数における冷却力との対比として、各サンプル周波数における冷却力を検知するだけで済む。そのためには、熱的冷却力が増すと増加し、減ると減少するパラメータを検知するだけで済む。より数学的な用語では、熱的冷却力の増加関数であるパラメータを検知することだけが必要となる。この書類で用いられているように、熱的冷却力を検知するステップは、相対的な冷却力の検出、すなわち熱的冷却力の増加関数であるパラメータの検出を含む。
【0045】
本発明の目的の一つである熱的冷却力の検知を行う実施の形態の一例は、冷凍室内の温度変化の時間的速度を検出することである。冷凍庫のコントローラ32は、温度センサー34に接続され、複数の目的のために貯蔵室の温度を計測する。したがって、コントローラは、異なる時間に検知された2つの検知温度間の温度差を、この温度間の時間間隔で割ることにより、温度変化の時間的速度を検出することができる。その代わりにあるいは追加して、貯蔵室の壁に沿って延伸して冷たいヘッド15に熱的に接続する、冷媒含有管などの冷凍回路の部品の温度を検知することによって、同様に熱的冷却力を検出することができる。
【0046】
製造工程中に、スターリングクーラーの熱的冷却力を検知する実施の形態の一例として、スターリングクーラーの冷たいヘッド15を、熱負荷に熱的に接続し、一定の温度に維持するために熱負荷によって消費される電力を測定する方法がある。たとえば、電気抵抗ヒーターは、スターリングクーラーの冷たいヘッド15に熱的に連結することができる。その配置により、冷たいヘッド15を一定の温度で維持するためにヒーターに供給される電力は、スターリングクーラーの熱的冷却力と同じになる。したがってヒーターに供給される電力を測定することによって、熱的冷却力を直接測定することができる。
【0047】
適切な運転モードの検出
【0048】
本発明の方法を実行するには、モード検出ルーチンが必要であって、この検出ルーチンにおいて冷凍庫のコントローラは、どの運転モードが検知した冷凍庫の熱的条件に適しているかを検出する。本発明の実施の形態では、性能の妥協に基づく単一の周波数において運転するのではなく、冷凍庫の熱的条件の要求によって2つのモード間を行き来するので、適切なモードを検出しなければならない。運転には2つのモードがある。
【0049】
定常状態モードは、温度を維持するモードである。貯蔵室が過度に温められていない場合において、長期保存するための通常の運転モードである。例えば、(1)貯蔵室が、設定点温度を含む許容温度範内にある場合、あるいは(2)貯蔵室が温まる温度変化の速度が、許容範囲内にある場合には、定常状態モードが適している。定常状態モードでは、電動機への供給電圧、したがってピストンの振幅は、従来技術において実施されているのと同じ方法で、コントローラによって変調されて、設定点温度を維持する。この定常状態モードでは、スターリングクーラーの熱的冷却力の全部を要しないため、定常状態の設定点温度の維持に見合う最も低い入力電力を提供する周波数において、スターリングクーラーを運転させることが望ましい。その運転周波数において、ピストンの振幅が設定点温度を維持するように変調される。
【0050】
貯蔵室を取り囲む絶縁されたキャビネットを通して、冷凍庫の周囲環境から通常の熱入力を超える熱入力を貯蔵室が受け取っているか、または受け取ろうとしているので、最大冷却力が必要となる場合には、回復モードが適切になる。回復モードでは、最大熱的冷却力、すなわち貯蔵室から熱を運び出すための最大能力で、スターリングクーラーを運転する。定常状態モードでの運転が失敗した場合、または失敗しそうな場合には、選択した制限温度または設定点を下回る貯蔵室の温度を維持するために、回復モードが必要となる。回復モードにおいては、貯蔵室の温度をできるだけ早く設定温度に戻すために、最大の熱的冷却力でスターリングクーラーを運転させることが望ましい。
【0051】
適切な運転モードを検出する方法の1つは、貯蔵室の内部温度を検知して、保存してある制限温度と比較することである。検知した温度が、保存している制限温度よりも高い場合には、回復モードを開始する必要があり、または検知した温度が、保存している制限温度または設定点よりも低い場合には、定常状態モードを開始または継続することができる。同じことを実現するため、保存している制限温度を使用する代わりに、設定点温度と検知温度との間の選択した温度差を保存し、その後で検知温度と比較することができる。
【0052】
適切な運転モードを検出する別の方法は、貯蔵室の内部温度を一定の時間間隔で検知して、温度変化の速度を計算することである。選択した変化速度を超えて温度が上昇している場合には、回復モードを開始できる。十分早い温度上昇速度を検知した場合には、定常状態モードの運転では、貯蔵室内の設定点温度を維持できないと予測する。
【0053】
回復モードが必要かどうかを検出するさらに別の方法は、貯蔵室へのアクセスドア17が開いているか、または少なくとも選択した最小時間の間、開いていることを検知する方法である。アクセスドアは、貯蔵室14からサンプルを保存または取り出すために、ユーザによってしばしば開かれる。アクセスドアが開いて2分間開いたままの場合、設定点温度に回復するのには、1.5時間近く掛かる。アクセスドアが開いたことを検知することによって、回復モード運転を開始することは、任意であり、また回復モードの必要性を検知する温度検出方法に優先させる(論理和で)ことができる。
【0054】
適切な運転モードを検出する複数の方法を使用することが可能であり、ANDおよびOR論理ブール演算による組み合わせを含む制御ロジックによって、組み合わせることができる。
【0055】
最適な周波数の検出
【0056】
先に説明したように、本発明の方法を行うことには、スターリングクーラーを最適なモードにおいて運転できるときの運転周波数を検出するための、最適な周波数を検出するルーチンを含む。検出された最適な運転周波数の1つにおける1つのモードは、定常状態である温度維持モードである。検出された最適な運転周波数における別のモードは、最大の熱的冷却力を提供する回復モードである。これらの最適な2つの周波数を見つけるプロセスは、多くの点で類似しており、同じ検知ルーチンの多数の工程を実行する。どちらのプロセスも、選択した周波数範囲に亘って、スターリングクーラーを駆動する交流電圧電流源の周波数を変える工程を含む。どちらのプロセスも、選択された周波数範囲内にある複数の駆動周波数において、最適化されるべき運転パラメータ、すなわち電動機への入力電力またはスターリングクーラーが発揮する熱的冷却能力を検出することを含む。
【0057】
発明の方法をより詳細に説明する際には、各々の周波数において検知される検出値をサンプルと呼び、それらを検知するプロセスをサンプリングと呼ぶ。選択した周波数範囲内にある周波数は、サンプル周波数と呼ぶ。運転周波数とは、サンプリングルーチン中か否かを問わない特定の瞬間に、交流電力源30が電動機に適用する駆動周波数である。「公称周波数」という用語も使用する。クーラーの公称周波数とは、クーラーの部品、例えばピストンやディスプレーサの質量、および機械的ばねと作動ガスのばねの定数が、設計上の公称値を有するとした場合に、冷凍庫の設計時において、クーラーのおおよその最適な運転周波数として計算できる運転周波数である。もちろん製造された部品はすべて公称設計値から逸脱しているものの、実際の値が設計上の公差範囲内にある限り使用される。公称周波数は、本発明の手順またはルーチンを実施する際の出発点として使用できる。そして本発明は、実際の最適な運転周波数を検出することによって、公称値からの逸脱を補償する。「公称周波数」は、可能性があると想定される運転時点に基づいており、設計点と呼ばれることもある。この設計点は、必ず暖かい側と冷たい側の特定の温度およびピストン振幅を想定している。したがって、公称周波数は妥協値となる。従来技術では、運転周波数を変更しないため、スターリングクーラーは、設計点から外れた妥協した状態で運転される。本発明は、設計点とは異なる運転条件を補償する。
【0058】
周波数範囲にわたるサンプル周波数は、間隔を空けた別々の周波数であることが好ましい。具体的には、電動機に印加される電圧と電流の運転周波数を、少しずつ増加させて変更し、選択した周波数範囲にわたって複数のサンプル周波数を得ることによって、最適な周波数が見つかる。各サンプル周波数において、入力電力または熱的冷却力のサンプルが検出され、コントローラに格納される。そしてモード検出ルーチンまたはモード検出方法の実行結果として、最適化されるモードに応じて、コントローラ内にプログラムされたルーチンは、検出された電動機に対する最小の入力電力サンプル、または検出された最大の熱的冷却力サンプルを生じるサンプル周波数を検出して保存する。
【0059】
図5および
図6は、本発明によって運転するガンマ型スターリングクーラーの1例を示す。
図5では、約61.2Hzの運転周波数において、最小の入力電力が生じている。
図6では、運転周波数約59.8Hzにおいて、最大の熱的冷却力が生じている。公称周波数が60Hzであると仮定すると、サンプル周波数は、最大ピークと最小反転ピークの全体わたって延伸するので、共振周波数から±2Hzのサンプリング範囲で変化させることができる。この範囲には、最小電力の周波数と最大熱的冷却力の周波数の両方が含まれる。各々のサンプリング周波数間の周波数の増加分は、例えば0.2Hz、または本発明のいくつかの実施の形態については、0.1Hz若しくは0.05Hzであってもよい。例えば、
図6に示す実施の形態については、最大の熱的冷却力の周波数を見出すために、サンプルを採取(すなわち検出)できる範囲は、この範囲に最大値を含むので、共振周波数から±1Hzにすることができる。要約すると、サンプリングは、±2Hz以下の周波数範囲において、0.01Hz~0.20Hzの周波数間隔で行なうと、効果的と考えられる。
【0060】
さらに、各サンプルが検出される時間の間には時間間隔がある。サンプル間の時間間隔を選択するときに考慮すべき2つの要因は、サンプル周波数が変化した後、スターリングクーラーの温度が安定する必要性、および熱センサーが出力信号を変更して、冷凍庫温度が、異なる温度を記録できるほど十分大きな温度変化を示す必要性である。市販の温度センサーで検出できる温度変化の例としては、0.2℃と0.05℃とがある。スターリングクーラーの運転と、先に検知した温度とは十分に異なる温度との双方が安定するまでの時間が、望ましい安定化時間となる。望ましい安定化時間は、18秒と推定されるが、冷凍庫のサイズが異なる場合、有効な安定化時間は、5~30秒と推定される。
【0061】
サンプリング中、すなわち電動機が最小の入力電力を消費する周波数を検出している間、およびスターリングクーラーが最大の熱的冷却力を提供する周波数を検出している間において、ピストン振幅を一定の振幅で維持することは、必要ではないが望ましい。最適な周波数の検出ルーチンを実行する間は、ピストン振幅を、ピストンを駆動した最新の振幅に維持することが好ましい。その理由は、最適な周波数の検出ルーチンのサンプリング中に、ピストンの共振周波数と運転周波数との差が変化することによって、運転電圧とピストン振幅との関係が変化するからである。この関係の変化により、ピストン振幅が増加または減少する場合がある。これらの関係の変化により、検出されたパラメータが歪曲し、最適な周波数検出ルーチンを実行している間に、不正確で誤ったデータをもたらす結果となる。ピストン振幅が維持されない場合には、最適なディスプレーサの位相を得る方法が継続されるが、各々の周波数変化後の運転の安定化に、より時間が掛かることが起こり得る。従って、最適な周波数検出ルーチンの実施のために周波数を変更する間は、ピストン振幅を維持するのが有益である。ピストン振幅を維持するために用いることができる1つの方法としては、米国特許出願番号16/919,689に記載されている技術を使用する。この米国特許出願は、20207月2日にDavid.M.Berchowitzによって提出され、フリーピストン機関のピストン振幅回復の方法と制御システムと題されている。
【0062】
曲線の最大値と最小値とにおいて最適値を求める
【0063】
検知されたモーター入力電力データと検知された熱的冷却力データとは、サンプル周波数の関数として図示すると、
図5と
図6とに示すようにピークまたは反転ピークに沿って低下するため、従来技術において知られている最適化アルゴリズムを用いて、コントローラがピークの最大値と最小値を見つけることができる。最小の入力電力を見つける簡単な方法の1つは、サンプリングされた周波数範囲にわたって周波数を進め、先に検出された入力電力のサンプルよりも少ない場合にのみ、検出された入力電力のサンプルをサンプリング周波数に関連付けて保存することである。したがって、すべてのサンプルが検出された後に、ピークの最小値に最も近いサンプルが保存される。各々の熱的冷却力のサンプルが、先に検出されたサンプルよりも大きい場合にのみ、そのサンプリングされた周波数に関連付けて保存される点を除いて、同じ手法が最大の熱的冷却力を検出する場合にも適用される。
【0064】
最大値または最小値を見出すために、コントローラのコンピュータによって実行できるアルゴリズムが他にもある。先行技術によるアルゴリズムの他の例は、ニュートン・ラフソン技術であって、最大値または最小値を有する変数グラフの曲線が、最大値と最小値とにおいて傾きがゼロになるとの認識に基づいて、関数の解を見つけるための方法である。グラフの曲線を微分した関数の解は、最大値または最小値となり得る。
【0065】
最適な周波数の検出ルーチンが、一定範囲のサンプル周波数にわたって線形に進行するサンプリング手順の代わりに、従属変数(入力電力または熱的冷却力)の変化の方向を検知するルーチンを使用することができる。サンプル周波数(独立変数)を、従属変数の最大値または最小値に向かう方向に変更する。最適な周波数検出ルーチンが最小入力電力を捜している場合、各サンプルの後に、入力電力が減少する方向にサムプル周波数を変化させる。最適な周波数検出ルーチンが最大の熱的冷却力を捜している場合、各サンプルの後に、熱的冷却力が増加する方向にサンプル周波数を変化させる。増減の方向に従うことによって、周波数を互いに逆の方向に変化させたときに、電力の増加分が同じになる周波数が検出された場合が、すなわち電力が最大または最小となる周波数である。
【0066】
サンプリングが完了して最小入力電力または最大熱的冷却力における周波数が見出されると、電動機は、電力が最大または最小となる運転周波数で駆動される。より具体的には、モード検出ルーチンが、スターリングクーラーを定常モードで運転可能であることを検出した場合には、電動機は、最適な周波数検出ルーチン中に検知された電動機への最小の入力電力における周波数で駆動される。モード検出ルーチンが、スターリングクーラーを回復モードで運転する必要があることを検出した場合には、電動機は、最適な周波数検出ルーチンの間に検知された最大の熱的冷却力における周波数で駆動される。
【0067】
コントローラが運転モードを変更した後も、最適な周波数の検出ルーチンが繰り返され続けるので、現在の運転モードに最適な周波数を更新できる。その結果、冷凍庫は、現在の運転モードに最適な周波数で運転し続ける。またモード検出ルーチンは、運転モードを変更すべきことを検出するまで、繰り返し続ける。変更の必要を検出すると、コントローラは運転モードを変更し、運転手順が続行すると共に反復する。
【0068】
【0069】
図7は、本発明を実施する装置の1例を示す。ガンマ型スターリングクーラー10は、コンピュータを含むコントローラ40によって制御され、このコンピュータは、検知したデータを処理すると共に、従来技術による方法と同じように、本発明の方法を実施するデータ処理ルーチンを実行する。この従来技術による方法は、スターリングクーラー10の制御にも使用する。コントローラ40は、交流電圧と電流の電力源であるドライバー42を制御し、このドライバー42は、電動機28を駆動するために十分な電力と電圧と電流とを供給する。ドライバー42の周波数と出力電圧の両方が、コントローラ40の出力によって制御可能に変更される。
【0070】
コントローラ40は、電動機28の制御のために使用される複数の入力を受けとる。この入力の一つは、先に説明した目的のために、アクセスドア17(
図1)の開口を検知するアクセスドアのセンサー44からのものである。別の入力は、先に述べた目的のために、電動機電力のセンサー46からのものである。冷凍庫の温度センサー34は、先に述べた目的のために、その温度データをコントローラ40に適用する。
【0071】
冷凍庫の温度センサー34からの温度は、集計器48にも与えられる。また集計器48へのもう一方の入力は、設定点温度の入力50である。また集計器48の出力は、設定点温度と冷凍庫の貯蔵室14(
図1)内における検知温度との差である。この温度差は、前述したように従来技術によるフィードバック制御原理に従って、定常状態モードにおけるピストン振幅を制御するために、コントローラに適用される。また集計器48から出力される温度差は、判定ブロック52によって記号化されたモード検出ルーチンにも付与される。モード検出ルーチン52は、最適な周波数の検出ルーチンを開始する。この最適な周波数の検出ルーチンは、検出したモードに応じて、前述の回復モードにおける熱的冷却力の最大化ルーチン54、あるいは前述の電動機電力の最小化ルーチ56のいずれかである。電動機電力の最小化または熱的冷却力の最大化のために検出された最適な周波数を表すデータが、コントローラ40に送信される。
【0072】
ピストン振幅センサー58、あるいはこれと同等の、プログラムされたピストン振幅を検知するルーチンは、検知したピストン振幅を集計器60に与える。設定点としている最大許容ピストン振幅62が、検知したピストン振幅に集計され、その差がコントローラ40に付与される。この目的は、従来技術においても知られているように、ピストン振幅が、スターリングクーラーへの衝突ダメージを発生させる最大振幅を超えないようにすることにある。ピストン振幅センサー58からのピストン振幅の出力は、コントローラ40にも与えることができる。
【0073】
運転
【0074】
2つの運転モードに最適な2つの周波数が、冷凍庫の製造中に検出されてコントローラに格納され、その後検出されなければ、冷凍庫の運転は比較的簡単となる。その場合、モード検出ルーチンが連続的に繰り返されてモード変更を検出すると、コントローラは、運転周波数を、保存してある運転の切り替え先のモードの周波数に切り替える。
【0075】
しかしながら本発明によるさらに高度な実施においては、モード検出ルーチンと最適な周波数検出ルーチンとの両方が、冷凍庫の寿命を通して繰り返される。これらのルーチンは、冷凍庫を制御するための他の多くのルーチンと共に、通常の方法において繰り返される閉ループ制御によって実行される。本発明に適用される制御ルーチンの一部を説明する際には、冷凍庫が初めて配達されて暖まっている状態における閉ループの実施を検討することから始めることができる。
【0076】
冷凍庫が暖かい状態にある場合には、スターリングクーラーの設計上の公称パラメータ、例えばピストンやディスプレーサの質量、及び平坦ばねや作動ガスのばね定数などに基づいて決定した公称周波数において、運転を開始することができる。あいは製造中に冷凍庫を試験して、最大の回復冷却力モードに最適な周波数を見つけ、その周波数で運転を開始することができる。
【0077】
冷凍庫を、暖かい温度において初期運転周波数で運転すると、モード検出ルーチンは、回復モードが必要なことを検出する。その結果、最大の熱的冷却力を発揮する周波数を見つけるサンプリング処理が実行され、回復モードに最適な周波数を見つけることができる。そして冷凍庫の運転を、直近に検出された最適な回復モード周波数に変更する。冷凍庫を設定点温度まで冷却するためには、数時間、例えば6時間程度掛かる。その間にモード検出ルーチンは、連続的に繰り返され、最大の熱的冷却力を発揮する最適な周波数を見つけるための、最適な周波数検出ルーチンが続く。異なる周波数が検出される毎に、運転周波数が、その周波数に変更される。その繰り返しは、冷凍庫が設定点温度に達するか、または設定温度に近い、選択した温度以内になるまで続く。最大の熱的冷却力を発揮する最適な運転周波数は、冷凍庫の冷却につれて繰り返される処理中に、何度も変更されると思われる。
【0078】
前述した繰り返しは、モード検出ルーチンが、冷凍庫内の温度に基づいて、コントローラが運転を定常状態モードに変更する必要があることを検出するまで続く。冷凍庫が設定点温度に達したか、あるいは設定点温度からある範囲内、例えば5°C以内になったことを、モード検出ルーチンが検出した場合に、この変更を行うことができる。
【0079】
運転が定常状態の最小電力モードに変更されると、定常状態における最小入力電力を求めるサンプリングルーチンが開始される。モード検出ルーチンと、定常状態における最小入力電力を求めるサンプリングルーチンとは、引き続き繰り返される。サンプリングルーチンが異なる最適周波数を検出する毎に、運転周波数が、検出した最新の最適な運転周波数に変更され、ルーチンの繰り返しが継続する。
【0080】
直前のモード検出ルーチンおよび直前の最適な周波数の検出ルーチンの繰り返しは、モード検出ルーチンが、冷凍庫内の温度、その温度の変化速度または冷凍庫のドアの開口に基づいて、コントローラが運転を回復モードに変更する必要があることを検出するまで継続する。
【0081】
次にコントローラが回復モードに切り替わり、最大の熱的冷却力に最適な周波数を得るサンプリングと、上述したモード検出ルーチンの実行とを繰り返す運転に戻る。回復モードに入ると最初に、周波数が、検出された最新の最適な回復モードの周波数に変更される。
【0082】
図8および
図9は、定状状態における最小の電動機入力電力モードにおける最適な周波数を見つけるためのルーチン(
図8)、および最大の熱的冷却力モードにおける最適な周波数を見つけるためのルーチン(
図9)の、さらに詳細な実施例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0083】
符号の説明
【0084】
10 ガンマ型フリーピストンスターリングクーラー
【0085】
12 冷凍庫
【0086】
14 貯蔵室
【0087】
15 冷たいヘッド
【0088】
16 ディスプレーサ
【0089】
17 アクセスドア
【0090】
18および20 ピストン
【0091】
22 コネクティングロッド
【0092】
24 平坦ばね
【0093】
26 ケーシング
【0094】
28 リニア電動機
【0095】
30 交流電力源
【0096】
32 電子制御システム
【0097】
34 貯蔵室の温度センサー
【0098】
36 他のセンサー
【0099】
40 コントローラ
【0100】
42 電動機のドライバー
【0101】
44 アクセスドアのセンサー
【0102】
46 電動機電力のセンサー
【0103】
48 冷凍庫温度/設定点の集計器
【0104】
50 冷凍庫温度の設定点
【0105】
52 決定ブロック
【0106】
54 回復モードの最大化ルーチン
【0107】
56 電動機電力の最小化ルーチン
【0108】
58 ピストン振幅の検出
【0109】
60 ピストン振幅限度の集計器
【0110】
62 ピストン最大振幅の設定点
【0111】
図面に関連する詳細な説明は、主に本発明の現時点における好ましい実施の形態の説明として意図されており、本発明が構築または利用され得る唯一の形態を表すものではない。説明は、図示された実施の形態に関連して発明を実施する設計、機能、手段および方法を規定する。しかし、本発明の精神および範囲内に包含されることを意図した異なる実施の形態によって、同じまたは同等の機能および特徴を達成し、そして、次の請求項に係る発明または範囲から逸脱することなく、様々な改変を採用することができるということを理解されるべきである。
【外国語明細書】
TITLE: Method for controllably operating a gamma free piston Stirling cooler and Improved gamma free piston Stirling cooler (Dynamic Frequency Tuning For Driving A Free-Piston Gamma-Type Stirling Heat-Pump At Minimum Electrical Power Input Or Maximum Thermal Cooling Power Depending Upon Current Thermal Conditions)
BACKGROUND OF THE INVENTION
【0001】This invention relates to methods and apparatus for operating a gamma free piston Stirling machine, in particular a gamma free piston Stirling cooler, such as used as a heat pump to cool an ultra-low temperature freezer. One purpose of the invention is to maximize the energy efficiency of the freezer by minimizing electrical power consumption when that mode is appropriate for the existing temperature conditions. A second purpose of the invention is to maximize the rate at which the freezer temperature can be decreased to its set point temperature by maximizing the thermal cooling power when that mode is needed because of existing temperature conditions.
【0002】Freezers that use Stirling cycle free piston coolers are not only the most environmentally sustainable ultra-low temperature (ULT) freezers, but they are also the best performing with the lowest cost of operation. ULT freezers typically maintain their storage chamber temperature in a temperature range between minus 80oC and minus 90oC. These freezers are used by universities, hospitals and pharmaceutical manufacturers and distributors to store biologic samples, such as vaccines.
【0003】The simplest free piston Stirling cooler is a beta-type configuration that is commonly used in freezers. The principal and essential moving components of the beta configuration are a piston, a displacer, and a balancer. The piston and displacer reciprocate in cylinders and spring forces applied to the piston and displacer create a mechanically resonant system that is operated at or near its resonant frequency. The reciprocation of the piston causes vibration of the casing that contains the beta free piston Stirling cooler. The purpose of the balancer is to remove excessive vibration from the casing to minimize noise transmission. A beta-type Stirling machine is optimally tuned by first adjusting the resonance frequency of the displacer until its motions have a preferred displacement phase lead ahead of the piston. Once that is achieved, the balancer must be tuned. Since the balancer is typically an un-damped sprung mass, it has a high Q(stored energy/dissipated energy) resulting in a requirement for very precise tuning in order to obtain optimum performance. This tuning is often within a fraction of a Hertz of the desired natural frequency of oscillation which can be quite difficult to achieve in a practical manner. Current practice is to tune the balancer by adding or subtracting mass until the casing vibration is less than a maximum allowable level. A method that might suggest itself is to change the operating frequency of the machine until minimum casing vibration was achieved. The problem with this method is that it would alter the displacer motion phase relationship to the piston motion and reduce the performance of the machine at the point of minimum casing vibration. Consequently, it would be desirable to eliminate the need for tuning and also avoid the need for a balancer and yet still have an acceptably small level of vibration.
【0004】Fig. 1 is a relatively simplified diagrammatic illustration that includes a gamma free piston Stirling cooler mounted to refrigerate the storage chamber of a freezer. Freezers of this configuration are known in the prior art and the basic components as shown in Fig. 1 are also applicable to embodiments of the invention. Free piston Stirling machines, also referred to as free piston Stirling engines, are well known in the prior art including those of the gamma configuration. They can be operated as a motor by applying heat to one component of the machine for producing a reciprocating output for driving a mechanical load. They can also be driven by a reciprocating driver, such as a linear electric motor, to transfer heat from a “cold head” to a warmer mass such as the ambient atmosphere. In the latter function they are also known as heat pumps. The term “Stirling cooler” is used to refer to a Stirling machine that is designed and intended to pump or lift heat from its cold head to a higher temperature mass.
【0005】Because Stirling coolers and freezers that use Stirling coolers are well known in the prior art, this description is a summary. Referring to Fig. 1, a gamma free piston Stirling cooler 10 is mounted in a refrigeration apparatus, such as a freezer 12, having a storage chamber 14, and configured for lifting heat from the storage chamber 14 through its cold head 15 to the ambient atmosphere. The storage chamber 14 has an access door 17 for insertion and withdrawal of samples that are stored in the storage chamber 14. The Stirling cooler 10 has a displacer 16 and two pistons 18 and 20. The pistons 18 and 20 are in an opposed arrangement which ideally cancels all vibration due to pistons’opposite directions of motion. The displacer 16 is connected by a connecting rod 22 to a planar spring 24. The working gas that is sealed in the casing 26 also acts as a spring applying a spring force to the pistons so the entire cooler 10 is mechanically resonant. Although the displacer motions are not balanced, a displacer is of low mass so its contribution to casing vibrations is small and generally acceptable. The pistons are driven in opposed reciprocation by an AC linear electric motors 28 so forces that would otherwise cause the casing 26 to vibrate are mutually canceled. The motors 28 are driven at an operating frequency by an alternating electrical voltage and current supplied by an alternating electrical power source 30. The electrical power source 30 is controlled by an electronic control system 32 which includes digital processing circuits and computer components. Sensed operating parameters are supplied to the control system 32 by at least a storage chamber temperature sensor 34 and other sensors 36. A prior art control system controllably varies the voltage amplitude of the power source 30 according to its stored control algorithm and based upon its input sensed operating parameters.
【0006】Fig. 2 is a phasor diagram that illustrates the motions of the pistons 18 and 20 and the displacer 16 and shows the relative phase between those motions. The displacer 16 reciprocates in advance of the piston motions by about 45o to 65o. The pistons 18 and 20 operate in-phase with each other from a time viewpoint although they are opposed from a spatial viewpoint. Because the phasor diagram of Fig. 2 shows the time-domain relationship of the motions, the motions of the two piston 18 and 20 are shown over-lapping but in the same lagging phase relationship to the motions of the displacer 16. The motions of the casing 26 are in opposition to the motions of the displacer 16. Since the displacer 16 is of low mass and the rest of the entire machine is of considerably more mass, the resultant casing motion is small and in most practical cases, of negligible consequence.
【0007】Prior art Stirling coolers operate at a single, constant operating frequency at or near the mechanical resonant frequency of the machine. The thermal cooling power delivered by the Stirling cooler for pumping heat is an increasing function of piston amplitude. Piston amplitude is an increasing function of the AC voltage applied to an AC linear electric motors 28. The prior art modulates thermal cooling power by modulating the voltage applied to the linear electric motors 28 for controlling the temperature in the storage chamber 14. Embodiments of the invention include a mode of operation that, at times, modulates the voltage applied to the linear electric motors 28 for controlling the temperature in the storage chamber 14. For that purpose a negative feedback control system 32 has inputs of sensed storage chamber temperature and a stored set point temperature. The control system 32 modulates thermal cooling power by modulating the voltage of the alternating electrical power source 30 in order to maintain the storage chamber 14 temperature within a range around the set point temperature according to well-known negative feedback control principles. For delivering maximum cooling power, the prior art operates the Stirling cooler at its limit of maximum amplitude at its single operating frequency.
【0008】In order for a free piston Stirling cooler to operate efficiently, the periodic reciprocation of the displacer should lead the periodic reciprocation of the pistons by an angle in the range of about 45o to 65o. The angle of the displacer lead is a function of the relationship of the operating frequency of the Stirling cooler to the mechanical resonant frequency (the peak of the resonant curve) of the Stirling cooler. Since the prior art Stirling coolers operate at a single operating frequency, in order for the displacer phase lead to be at an acceptable angle within the above range, the Stirling cooler must be tuned to a mechanical frequency that will allow it to operate at an acceptable phase lead when driven at the single operating frequency.
【0009】The mechanical resonant frequency of Stirling machines is a function of the mass of each of its reciprocating components and the effective spring constants of its mechanical springs and its working gas which behaves like a spring. Sometimes manufactured parts vary in mass or spring constant and the sensed displacer phase is not within a selected acceptable range. If the parts are not in the acceptable range, prior art manufacturers tune the displacer mechanically so it has an acceptable phase relationship to the pistons. The displacer is tuned for an optimum overall performance while observing its motions relative to the piston motions. Optimum performance means a phase lead which provides the least energy input to maintain a given cold temperature.
【0010】This process of tuning requires disassembly of the machine to add or subtract mass from the displacer and then reassembly to test its operation and sense the phase lead of its displacer. For each freezer being manufactured, this procedure may be repeated multiple times until a phase angle is detected that is within an acceptable range. Therefore this procedure is obviously rather labor intensive. The cost and difficulty of this procedure not only add to the cost of the freezer but also require that a phase lead must be accepted that is acceptably close to, but still different from, phase lead angles that would be optimum for different modes of cooler operation. An operating condition must be accepted that is a compromise between the optimum energy efficiency that could be attained and the maximum thermal cooling power that could be attained for a particular Stirling cooler. For example, a phase lead between 50oC and 60oC may be regarded as a reasonable compromise. After tuning the Stirling cooler to obtain a displacer phase lead anywhere within that range, the Stirling cooler of the prior art is then driven and operated only at its single standard operating frequency for the rest of its useful life.
【0011】It would be desirable, however, to simultaneously accomplish three improvements: (1) eliminate excessive vibration and the need for a balancer; (2) reduce manufacturing costs by eliminating the need to tune the Stirling machine in the manner previously described; and (3) operate a Stirling cooler in either of two different and optimized modes of operation, one mode for maximum energy efficiency and another mode for maximum thermal cooling power instead of accepting and operating the Stirling cooler in a mode based on a compromise.
BRIEF SUMMARY OF THE INVENTION
【0012】The invention cools a ULT freezer with a gamma free-piston Stirling cooler and drives its linear electric motors, which reciprocate its pistons, with an AC power source that has a controllably variable frequency. An optimum frequency detection method detects a motor operating frequency at which the electric power consumption of the electric motor is minimized while the Stirling cooler maintains a fixed thermal load. An optimum frequency detection method also detects a different motor operating frequency at which the Stirling cooler’s output thermal cooling power in maximized. The optimum frequencies are detected by applying an optimizing algorithm that changes the operating frequency in small steps while sensing for each step (1) the power input required to maintain a steady temperature in the freezer or (2) sensing the thermal cooling power provided by the Stirling cooler to lower the temperature in the freezer.
【0013】The invention also has a mode detection routine for detecting whether the appropriate freezer operation is the electric power minimization mode or the thermal cooling power maximization mode. That detection is based upon the current thermal conditions in the freezer. When the storage chamber of the freezer is sufficiently cold so that steady state operation is appropriate, the pistons of the Stirling cooler are driven at a detected steady state minimum electric power consumption frequency for conserving electrical power. When the storage chamber of the freezer is, or is likely to become, too warm, the pistons of the Stirling cooler are driven at the detected, and lower, maximum thermal cooling power frequency to minimize the time for the freezer to cool down to its set point temperature.
【0014】The invention results in at least the following improvements: (1) the steady-state power consumption, which can be considerable, is minimized; (2) the temperature recovery rate after a door opening or other substantial heat input is minimized; and (3) the manufacturer is no longer required to tune each Stirling cooler machine individually in expensive and time-consuming operations.
BRIEF DESCRIPTION OF THE SEVERAL VIEWS OF THE DRAWINGS
【0015】Fig. 1 is a schematic and diagrammatic illustration of a freezer that is cooled by a gamma free-piston Stirling cooler.
【0016】Fig. 2 is a phasor diagram illustrating the piston and displacer phase relationship and motions in a prior art gamma Stirling engine.
【0017】Fig. 3 is a flow diagram illustrating steps used in practicing the invention at a relatively highly simplified level.
【0018】Fig. 4 is a phasor diagram similar to Fig. 2 but illustrating the piston and displacer phase relationship and motions in a gamma free-piston Stirling cooler operated according to the invention.
【0019】Fig. 5 is a graph illustrating the variation of the electric power input to the electric motors, which are driving a Stirling cooler operating according to the invention, as a function of the motor drive frequency.
【0020】Fig. 6 is a graph illustrating the variation of the thermal cooling power (“lift”) from a gamma free-piston Stirling cooler, which is being driven by electric motors according to the invention, as a function of the motor drive frequency.
【0021】Fig. 7 is a block diagram illustrating an example of an apparatus embodying the invention and its operation.
【0022】Figs. 8 is a flow chart illustrating an implementation of a routine for finding the optimum frequency for the steady state minimum motor input power mode of operation according to the invention.
【0023】Figs. 9 is a flow chart illustrating an implementation of a routine for finding the optimum frequency for the maximum thermal cooling power mode of operation according to the invention.
【0024】In describing the preferred embodiment of the invention which is illustrated in the drawings, specific terminology will be resorted to for the sake of clarity. However, it is not intended that the invention be limited to the specific term so selected and it is to be understood that each specific term includes all technical equivalents which operate in a similar manner to accomplish a similar purpose.
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
【0025】Overview
【0026】The invention eliminates the need for mechanically tuning a Stirling cooler during its manufacture. Such tuning has been done in the prior art so that the Stirling cooler can be operated at a single operating frequency by tuning it for a compromise mode of operation. Operating the cooler at a single frequency was necessary with a beta Stirling cooler because it requires a vibration balancer which is a resonant device with a high Q (very sharp resonant peak) so it must be driven very near its resonant frequency for acceptable performance. Because a gamma Stirling cooler does not require a vibration balancer, the criticality of its operating frequency is substantially reduced. The gamma Stirling cooler allows some variation in the drive frequency applied to the electric motor. The use of a gamma Stirling cooler permits the cooler’s electric motors to be driven with a variable frequency, alternating current (AC), power source at either a frequency at which the electric power input to the electric motors is minimized or at a relatively lower frequency at which the thermal cooling power of the Stirling cooler is maximized. A variable frequency, AC power source, sometimes referred to as a variable frequency drive (VFD), is essentially an oscillator circuit with an electronically variable frequency and can deliver sufficient power to drive an electric motor. Such power sources are commercially available for driving rotating electric motors.
【0027】With the frequency being less critical because of the elimination of the vibration balancer, the operation of the invention is based on the observation that the Stirling cooler (1) operates at minimum power input when driven at a slightly higher operating frequency above the prior art frequency that is a compromise between input power efficiency and cooling power and (2) operates at maximum thermal power when driven at a lower operating frequency slightly lower than the prior art frequency. The reason is that changing the frequency changes the phase lead of the displacer ahead of the pistons. Changing the phase lead of the displacer changes both the input electrical power and the thermal cooling power of the gamma Stirling cooler. The operating frequency and displacer phase lead are different for minimum electrical power input than for maximum thermal cooling power. Fig. 4 is a phasor diagram that shows an example of the phase relationships. The invention finds and then operates the Stirling cooler at the minimum electrical power input or the maximum thermal cooling power depending upon thermal conditions in the freezer.
【0028】Figs. 5 and 6 are graphs illustrating the application of the principles of the invention to a gamma free piston Stirling cooler that is driven according to the invention. Fig. 5 illustrates an example of the input electrical power and the displacer phase lead as a function of frequency. It also shows minimum input power at an operating frequency of approximately 61.2 Hz. Fig. 6 illustrates an example of the thermal cooling power and the displacer phase lead as a function of frequency. It also shows maximum thermal cooling power at an operating frequency of approximately 59.8 Hz. Although not relevant to the invention or to an understanding of the invention, the phase vs. frequency graphs would be the same in Figs. 5 and 6 if they were obtained under identical conditions. The conditions include piston amplitude, cold head temperature and the temperature of the heat exchanger to the ambient atmosphere. Figs. 5 was obtained at a thermal cooling power of around 90 Watts which is close to the steady state thermal cooling power of a commercial freezer at -80°C. Fig. 6 was obtained for a commercial freezer under conditions close to maximum thermal cooling power with the freezer near -80oC. However, the optimum sampled frequency for maximum cooling power is a function of freezer temperature so that the optimum operating frequency changes as the freezer cools down. Similarly, the phase v. frequency curve at close to maximum piston amplitude would be different at different temperatures. But the invention repeatedly adapts the optimum frequency for maximum thermal cooling power to different freezer temperatures and different set point temperatures by repeatedly detecting the optimum frequency.
【0029】The invention provides an optimum frequency detection method for detecting an operating frequency at which a Stirling cooler can be operated in a steady state temperature maintenance mode. During the steady state mode, that is, when the thermal load becomes steady, the electrical power input to the cooler’s electric motors is desirably at a minimum in order to provide maximum efficiency. The invention also provides an optimum frequency detection method for detecting an operating frequency at which a Stirling cooler can be operated in a recovery maximum thermal cooling power mode. During the recovery mode the Stirling cooler’s thermal cooling power is desirably maximized in order to minimize the time required for its freezer to be cooled down to its set point temperature.
【0030】Both the method for finding the optimum steady state operating frequency that provides minimum power consumption and the method for finding the optimum recovery operating frequency that provides maximum thermal cooling power include a sensing or sampling routine that includes varying the frequency of the alternating electrical voltage and current power source 30 across a selected frequency range. For finding the optimum steady state mode operating frequency, the electrical power delivered into the electric motors is sensed at a plurality of drive frequencies within the frequency range while maintaining steady freezer temperature. Then the electric motor is driven at an operating frequency at which the smallest sensed electrical power input to the electric motors was sensed. For finding the optimum recovery mode operating frequency, the thermal cooling power delivered by the Stirling cooler is sensed at a plurality of drive frequencies within a selected frequency range and the electric motor is then driven at the operating frequency of the largest sensed thermal cooling power.
【0031】Preferably, the drive frequencies across the frequency ranges are closely spaced discrete sampled frequencies each providing an electrical power sample or thermal cooling power sample.
【0032】Both the method for finding the optimum steady state operating frequency and the method for finding the optimum recovery mode operating frequency can be performed during the manufacture of the freezer, during the operating life of a completed freezer or during both.
【0033】When detecting the optimum frequencies is performed during manufacture on the factory floor, the two detected optimum frequencies are stored in the controller memory. The control routines are programmed to operate the freezer at the stored frequency that is associated with a selected mode of operation. Because the optimum frequencies would depend on the set-point temperature (because the displacer resonance changes with expansion space temperature), a set of optimum frequencies would need to be detected over the range of set-point temperatures for which the freezer was designed to be operated. Stored optimum frequencies and their associated set-point temperatures, which represent a freezer temperature vs. optimum frequency curve, is stored in the control firmware from which the optimum frequency can be recovered that is appropriate for current operational set point temperature of the freezer.
【0034】The methods for detecting the optimum frequencies can also be performed dynamically during the day to day operation of the freezer in its normal use over its lifetime. Control routines that perform the methods for detecting the optimum frequencies are programmed into the controller’s control routines and run continuously as clocked through the processor or run periodically.
【0035】Prior art mechanical tuning of the Stirling cooler in the manner described above is unnecessary and therefore can be avoided by detecting the optimum frequencies according to the methods of the invention, whether the methods are performed during manufacture or dynamically during use of the freezer. Prior art tuning was necessary because variations in the mechanical parameters of the Stirling cooler are the result of variations in the mechanical parts, such as piston mass and spring constants. Variations in the parts caused variations in the operating parameters of the Stirling cooler, such as its resonant frequency. Those variations in the operating parameters of the Stirling cooler mean that each Stirling cooler that is manufactured can have cooling properties that are significantly different when all are operated at the same single operating frequency. For example, the coolers can have very different efficiencies or coefficients of performance as well as significantly different thermal cooling powers at the one operating frequency. The methods of the invention compensate for those variations in the manufactured parts by detecting the optimum frequencies for each particular Stirling cooler. Each manufactured Stirling cooler then operates in the alternative at one or the other of its own two optimum frequencies. Often the set of optimum frequencies for each freezer differ from the optimum frequencies of other Stirling coolers that were manufactured in the same production line from component parts with the same nominal specifications.
【0036】The methods of the invention also include mode detection methods for sensing one or more operating parameters of the freezer and detecting from the sensed parameter(s) whether the Stirling cooler can be operated in the steady state minimum power consumption mode or should be operated in a recovery maximum thermal cooling power mode. If the currently preferable operating mode is different from the current operating mode, then the operating mode is switched by the controller to the preferable mode. Otherwise it is not. The optimum frequency for the steady state minimum power input mode is greater than the optimum frequency for the maximum thermal cooling power recovery mode. Therefore, switching from one mode to the other includes the step of either increasing or decreasing the AC frequency of the electric motor drive.
【0037】Fig. 3 is a simplified flow chart illustrating the basic steps for practicing the invention in the day to day operation of a freezer using the freezer’s Stirling cooler, electric motors, controller and temperature sensors. The immediately following description is an overview of the principal concepts of the invention and is followed by a more detailed explanation.
【0038】A first step is a mode detection routine that detects the operating mode in which the Stirling cooler should be operated as an appropriate response to sensed thermal conditions of the freezer. The two modes that are associated with the invention are a steady state, temperature maintenance mode and a maximum thermal cooling power recovery mode. In general terms, the steady state, temperature maintenance mode is appropriate if the freezer temperature is within a selected temperature range that extends above and below the set point temperature and there is no other sensed event or data that indicates or predicts a significant warming of the freezer storage chamber. Also in general terms, the maximum thermal cooling power mode is appropriate if the freezer temperature is warmer than a selected temperature or data is sensed that predicts a significant warming of the freezer storage chamber. For example, the opening of the storage chamber door 17, or its opening for at least a time period such as two minutes, is a thermal condition event because it predicts a significant warming of the freezer by an inrush of warm ambient air and can be used to initiate the maximum thermal cooling power recovery mode.
【0039】After the process detects the appropriate operating mode, the optimum frequency for the detected mode is found in the manner briefly described above and subsequently discussed in more detail. The optimum frequency is found by incrementally sweeping the frequency of the alternating electrical power source 30 across a selected frequency range. At multiple sensing frequencies within the frequency range, the electrical power absorbed by the electric motor is sensed to find the optimum steady state frequency. Similarly, at frequencies within the selected frequency range, the thermal cooling power supplied by the Stirling cooler is sensed for finding the optimum recovery mode frequency. After the optimum frequency is found, the electric motor is driven at the optimum frequency for the appropriate operating mode.
【0040】Sensing Power Input To The Electric Motor
【0041】Performing a method of the invention requires that the electrical power input to the electric motors 28, which drive pistons 18 and 20, be sensed at multiple drive frequencies in order to find the frequency that results in a minimum value of electrical power input at the steady-state temperature condition. The prior art gives numerous examples of circuits and techniques for measuring electrical power and providing an output representing the sensed value of power in analog or digital form. Because the motor terminals are accessible, a conventional power sensing circuit can be connected to those terminals. Such a circuit senses voltage, current and power factor and provides a digital or analog output to the controller 32.
【0042】Sensing Thermal Cooling Power
【0043】Performing a method of the invention also requires that the thermal cooling power applied by the Stirling cooler for transferring heat out of the freezer be sensed at multiple drive frequencies in order to find the frequency that results in a maximum value of thermal cooling power. Thermal cooling power is the heat energy transfer rate; that is, the time rate at which thermal energy is transferred out of the freezer storage cabinet and eventually away from the refrigeration apparatus by the gamma free piston Stirling cooler. It can be represented in various units such as Watts, calories per minute, BTU per hour (BTU/h), Joules per second, (1 Watt = 1 Joule per second).
【0044】Because a method of the invention includes detecting a frequency at which the thermal cooling power is a maximum or minimum, it is not necessary to sense a valueof the thermal cooling power that could be expressed in some particular conventional units. It is only necessary to sense the relative cooling power; that is, the cooling power at each sampled frequency relative to the cooling power at the other sampled frequencies. To do that, it is only necessary to sense a parameter that increases when thermal cooling power increases and decreases when thermal power decreases. In more mathematical terminology, it is only necessary to sense a parameter that is an increasing function of thermal cooling power. As used in this document, the step of sensing thermal cooling power includes sensing relative cooling power; that is, sensing a parameter that is an increasing function of thermal cooling power.
【0045】An example of a particular implementation of sensing thermal cooling power for purposes of the invention is sensing the time rate of temperature change in the freezer cabinet. The freezer’s controller 32 is connected to a temperature sensor 34 and monitors storage chamber temperature for multiple purposes. Consequently, the controller can detect the time rate of temperature change by dividing the temperature difference between two sensed temperatures, which were sensed at different times, by the time interval between them. Alternatively or additionally, thermal cooling power can similarly be detected by sensing the temperature of components of the refrigeration circuitry, such as refrigerant-containing tubes that extend along the walls of the storage chamber and are thermally connected to the cold head 15.
【0046】An example of an implementation of sensing thermal cooling power of a Stirling cooler during the manufacturing process is to thermally connect the cold head 15 of the Stirling cooler to a heat load and measure the power consumed by the heat load in order to maintain a constant temperature. For example, an electrically powered resistance heater can be thermally coupled to the Stirling cooler’s cold head. With that arrangement the electrical power supplied to the heater in order to maintain the cold head 15 at a constant temperature equals the thermal cooling power of the Stirling cooler. Therefore a direct measurement of the thermal cooling power can be made by measuring electrical power supplied to the heater.
【0047】Detecting The Appropriate Mode Of Operation
【0048】Performing a method of the invention requires a mode detection routine in which the freezer’s controller detects which mode of operation is appropriate for sensed thermal conditions of the freezer. The appropriate mode must be detected because embodiments of the invention do not operate at a single frequency based on a performance compromise but instead switch back and forth between two modes as dictated by thermal conditions of the freezer. There are two modes of operation.
【0049】The steady state mode is a temperature maintenance mode. It is the normal mode of operation for long term storage when the storage chamber has notbeen subjected excessive warming. For example, the steady state mode is appropriate if (1) the storage chamber is within a temperature tolerance range that includes a set point temperature OR (2) a warming rate of change of the storage chamber temperature is less than a temperature rate of change limit or both. In the steady state mode the applied motor voltage, and therefore the piston amplitudes, are modulated by the controller in the same manner as practiced in the prior art to maintain a set point temperature. In this steady state mode the full thermal cooling power of the Stirling cooler is not needed so it is desirable to operate the Stirling cooler at the frequency that provides the lowest power input commensurate with maintaining the steady state set point temperature. At that operating frequency the piston amplitude is modulated to maintain the set point temperature.
【0050】The recovery mode is appropriate when maximum cooling power is needed because the storage chamber has been or is about to be subjected to heat input that exceeds the normal heat input from the freezer’s ambient environment through the insulated cabinet that surrounds the storage chamber. The recovery mode operates the Stirling cooler at its maximum thermal cooling power; that is, at its maximum capacity for transferring heat out of the storage chamber. The recovery mode is needed if operation in the steady state mode has failed, or is likely to fail, to maintain the temperature in the storage chamber below a selected temperature limit or set point. In the recovery mode it is desirable to operate the Stirling cooler at its maximum thermal cooling power in order to return the storage chamber temperature to the set point temperature as quickly as possible.
【0051】One way to detect which mode of operation is appropriate is to sense the internal temperature of the storage chamber and compare the sensed temperature to a stored temperature limit. The recovery mode should be initiated or continued if the sensed temperature is warmer than the stored temperature limit and the steady state mode can be initiated or continued if the sensed temperature is cooler than the stored temperature limit or set point. To accomplish the same thing, instead of using a stored temperature limit, a selected temperature differential between the set-point temperature and the sensed temperature can be stored and subsequently compared to a sensed temperature.
【0052】Another way to detect which mode of operation is appropriate is to sense the internal temperature of the storage chamber at spaced time intervals and compute the time rate of change of temperature. If the temperature is warming at a time rate of change that is more than a selected rate of change, then the recovery mode can be initiated. Sensing a sufficiently high rate of temperature increase could predict that operation in the steady state mode will be unable to maintain the set point temperature in the storage chamber.
【0053】Yet another way to detect whether the recovery mode is needed is to sense that the access door 17 to the storage chamber has been opened or has been opened for at least some selected minimum time interval. The access door is opened from time to time by users in order to store or retrieve samples from the storage chamber 14. If an access door is opened and remains open for two minutes, it can take a freezer nearly 1.5 hours to recover to its set point temperature. Initiating recovery mode operation by sensing that the access door was opened is optional and can override (be ORed with) the temperature sensing manner of detecting the need for the recovery mode.
【0054】Multiple ways of detecting the appropriate operating mode can be used and can be combined by control logic that includes combining them by AND and OR logical Boolean operations.
【0055】Detecting The Optimum Frequencies
【0056】As previously described, performing a method of the invention includes an optimum frequency detection routine for detecting operating frequencies at which a Stirling cooler can be operated in an optimum mode. One mode at one detected optimum operating frequency is a steady state, temperature maintenance mode. The other mode at a different detected optimum operating frequency is a recovery mode that provides maximum thermal cooling power. The processes for finding the two optimum frequencies are similar in many respects and perform many of the same sensing routine steps. Both processes include varying, across a selected frequency range, the frequency of the alternating electrical voltage and current power source that drives the Stirling cooler. Both processes include sensing, at a plurality of drive frequencies within the selected frequency range, the operating parameter that is to be optimized; namely, the power input to the electric motors or the thermal cooling power delivered by the Stirling cooler.
【0057】In describing the method of the invention in more detail, the sensed values that are sensed at each frequency are referred to as samples and the process of sensing them is referred to as sampling. The frequencies within the selected frequency range are referred to as the sampled frequencies. The operating frequency is the drive frequency applied to the electric motors by the AC power source 30 at a particular instant of time whether during a sampling routine or not. The term “nominal frequency” is also used. The nominal frequency of a cooler is an operating frequency that can be calculated during the design of the freezer as an approximate optimum operating frequency for the cooler if the cooler’s parts had their designed nominal values, such as piston and displacer mass and spring constants of mechanical springs and working gas. Of course all manufactured parts depart from their nominal design values but are used so long as their actual values are within a design tolerance range. The nominal frequency may be used as a starting point in practicing processes or routines of the invention. The invention then compensates for departures from nominal values by detecting the actual optimum operating frequency. The “nominal frequency” is based on an assumed likely operating point, sometimes called the “design point”. This design point necessarily assumes particular warm and cold side temperatures and piston amplitude. The nominal frequency is therefore a compromise. In Prior Art, the operating frequency is not changed and so the Stirling cooler operates in a compromised condition at off-design conditions. The invention compensates for operating conditions that are different from the design point.
【0058】Preferably, the sampled frequencies across the frequency ranges are spaced discrete frequencies. More specifically, an optimum frequency is found by varying the operating frequency of the electrical voltage and current applied to the electric motors in small discrete frequency increments to provide a plurality of sampled frequencies across the selected frequency range. At each of the sampled frequencies a sample of electrical power input or thermal cooling power is sensed and stored in the controller. Then, depending upon which mode is being optimized as a result of the mode detection routine or method, programmed routines in the controller detect and store the sampled frequency associated with the smallest sensed electrical power input to the electric motors or the sampled frequency associated with the largest sensed thermal cooling power sample.
【0059】Fig. 5 and Fig. 6 illustrate an example of a gamma Stirling cooler operated according to the invention. In Fig. 5 there is a minimum input electric power at an operating frequency of approximately 61.2 Hz. In Fig. 6 there is a maximum thermal cooling power at an operating frequency of approximately 59.8 Hz. Assuming that the nominal frequency is 60 Hz, the sampled frequency can be varied over a sampling range of ± 2 Hz from the resonant frequency because that range will extend across the entirety of the maximum peak and the minimum inverted peak. That range includes both the frequency of minimum electric power and the frequency of maximum thermal cooling power. The discrete frequency increments between the sampled frequencies may, for example, be 0.2 Hz or, for some embodiments of the invention, 0.1 Hz or even 0.05 Hz. For example, for the embodiment illustrated in the figures, in order to find the frequency of the maximum thermal cooling power, the range over which samples can be taken (i.e. sensed) can be ± 1 Hz from the resonant frequency because that includes the maximum. In summary, it is believed that sampling will be effective if conducted over a frequency range of no more than ± 2 Hz and in frequency intervals of 0.01 Hz to 0.20 Hz.
【0060】Additionally, there will be a time interval between the times at which each sample is sensed. Two factors that should be considered in choosing the time between samples are the need for the Stirling cooler temperature to stabilize after a change in the sampled frequency and the need for the freezer temperature to exhibit a large enough temperature change that the thermal sensors will change their output signal to register a different temperature. Examples of temperature changes that can be sensed by commercially available temperature sensors are 0.2oC and 0.05 oC. A stabilization time that allows both the Stirling cooler’s operation to stabilize and to stabilize at a temperature that is different enough from the previously sensed temperature will be the desired stabilization time. An estimate of a desirable stabilization time is 18 seconds although, for freezers of different sizes, an effective estimated stabilization time would be between 5 and 30 seconds.
【0061】It is desirable, although not necessary, to maintain the piston amplitude at a constant amplitude while sampling; that is while detecting the frequency at which the electric motor consumes a minimum electrical input power and while detecting the frequency at which the Stirling cooler provides its maximum thermal cooling power. Preferably, while performing the optimum frequency detection routine, the piston amplitude is maintained at the most recent amplitude at which the pistons were driven. The reason is that, during the sampling of the optimum frequency detection routine, the relationship between operating voltage and piston amplitude will change due to the changing differences between the resonant frequency of the pistons and the operating frequency. This changed relationship may result in the piston amplitude increasing or decreasing. These changes may distort the sensed parameters and result in inaccurate and misinterpreted data while performing the optimum frequency detection routine. If piston amplitude is not maintained, the method to obtain optimum displacer phase will still work but it can take longer to stabilize the operating point after each frequency change. Therefore, it will be beneficial to maintain the piston amplitude during the frequency changes made for practicing the optimum frequency detection routines. One method that can be used to maintain the piston amplitude is by using the technology disclosed in U.S. Patent application number 16/919,689 filed July 2, 2020 by David M. Berchowitz and entitled Method For and Control System With Piston Amplitude Recovery for Free-Piston Machines.
【0062】Finding The Optimum At The Maximum And Minimum Of The Curve
【0063】Because the sensed motor input power data and the sensed thermal cooling power data fall along a peak or inverted peak as illustrated in Figs. 5 and 6 when plotted as a function of the sampled frequencies, the maximum and minimum of the peak can be found by the controller using optimizing algorithms that are known in the prior art. One simple manner of finding the minimum electric power input is, as the frequency progresses over the sampled frequency range, saving each sensed power sample in association with its sampled frequency only if it is less than a previously sensed sample. Consequently, after all samples have been sensed, the sample nearest the minimum of the peak will be saved. The same technique applies to finding the maximum thermal cooling power except that each sample of thermal cooling power is saved in association with its sampled frequency only if it is morethan a previously sensed sample.
【0064】There are other algorithms that can be performed by the computer of the controller to find a maximum or minimum. Another example of a prior art algorithm is the Newton-Raphson technique which is a method for finding a root based on recognizing that a curve of a graph of a variable that has a maximum or minimum has a slope of zero at the maximum and minimum. The roots of the derivative of the curve of the graph would then be the maximum or minimum.
【0065】Instead of the sampling process of the optimum frequency detection routine progressing linearly across a range of sampled frequencies, routines can be used that sense the direction of change of the dependent variable (electric power input or thermal cooling power). The sampled frequency (independent variable) is then changed in a direction toward a maximum or minimum of the dependent variable. If the optimum frequency detection routine is searching for the minimum input electric power, the sampled frequency is changed after each sample in a direction that results in a reduced electric power input. If the optimum frequency detection routine is searching for the maximum thermal cooling power, the sampled frequency is changed after each sample in a direction that results in an increased thermal cooling power. By following the direction of increase or decrease, when the frequency is detected at which the increase is the same in opposite directions of frequency change, that is the frequency of the maximum or minimum.
【0066】After the sampling is completed and the frequency at the minimum or maximum is found, the electric motors are driven at the operating frequency of the maximum or minimum. More specifically, if the mode detection routine detects that the Stirling cooler can be operated in the steady state mode, the electric motors are driven at the frequency at which the smallest sensed electrical power input to the electric motor was sensed during the optimum frequency detection routine. If the mode detection routine detects that the Stirling cooler should be operated in the recovery mode, the electric motors are driven at the frequency at which the largest sensed thermal cooling power was sensed during the optimum frequency detection routine.
【0067】After the controller changes the operating mode, the optimum frequency detection routine continues to be repeated so the optimum frequency for the currently existing operating mode can be updated. Consequently, the freezer continues to operate at its optimum frequency for the current operating mode. The mode detection routine also continues to be repeated until it detects that the operating mode should be changed. Upon detecting the need for a change, the controller changes the operating mode and the process continues and repeats.
【0068】Fig. 7 - Example of System
【0069】Fig. 7 illustrates an example of an apparatus embodying the invention. The gamma Stirling cooler 10 is controlled by a controller 40 that includes a computer for processing sensed data and for running data processing routines that execute the methods of the invention as well as prior art methods that are also used to control the Stirling cooler 10. The controller 40 controls the driver 42 which is a source of alternating electrical voltage and current providing sufficient power, voltage and current for driving the electric motors 28. Both the frequency and the amplitude of the output voltage of the driver 42 are controllably variable by the output of the controller 40.
【0070】The controller 40 receives multiple inputs that are used for controlling the electric motors 28. One of its inputs is from an access door sensor 44 that senses the opening of the access door 17 (Fig. 1) for the purpose previously described. Another of its inputs is a motor electric power sensor 46 for the purpose previously described. A freezer temperature sensor 34 applies its temperature data to the controller 40 for the purposes previously described.
【0071】The temperature from the temperature sensor 34 is also applied to a summing junction 48. The other input to the summing junction 48 is the set point temperature input 50. The output of the summing junction 48 is the difference between the set point temperature and the sensed temperature in the freezer’s storage chamber 14 (Fig. 1). That temperature difference is applied to the controller for controlling the piston amplitude in the steady state mode according to prior art feedback control principles as previously described. The temperature difference from the summing junction 48 is also applied to a mode detection routine symbolized by the decision block 52. The mode detection routine 52 initiates an optimum frequency detection routine which, depending on the mode that is detected, is either the previously described recovery mode thermal cooling power maximization routine 54 or the previously described electric motor power minimization routine 56. Data representing the detected optimum frequency for either motor power minimization or thermal cooling power maximization is transmitted to the controller 40.
【0072】 A piston amplitude sensor 58, or an equivalent programmed piston amplitude sensing routine, applies the sensed piston amplitude to a summing junction 60. A set-point maximum allowable piston amplitude is summed with the sensed piston amplitude and the difference is applied to the controller 40. The purpose, as also known in the prior art, is to prevent the piston amplitude from exceeding a selected maximum amplitude beyond which collision damage to the Stirling cooler would occur. The piston amplitude output from the piston amplitude sensor 58 may also be applied to the controller 40.
【0073】Operation
【0074】If the two optimum frequencies for the two modes of operation were detected during the manufacture of the freezer, stored in the controller and not subsequently detected, the operation of the freezer is relatively simple. In that event the mode detection routine is continuously repeated and, when a change of mode is detected, the controller switches the operating frequency to the stored operating frequency for the mode to which operation should be switched.
【0075】However, in a more advanced implementation of the invention, both the mode detection routine and the optimum frequency detection routine are repeated throughout the life of the freezer. Those routines, along with the many other routines for controlling the freezer, are performed in a closed loop which is repeated in the usual manner. In describing the part of the control routines that are applicable to the invention we may begin by considering entry into the closed loop when a freezer is initially delivered and in a warmed state.
【0076】With the freezer in a warm state, operation may begin at a nominal frequency determined from the designed nominal parameters of the Stirling cooler, such as piston and displacer mass and the spring constants of the planar spring and the working gas. Alternatively, the freezer can be tested during manufacture to find the optimum frequency for the recovery maximum cooling power mode and operation initiated at that frequency.
【0077】With the freezer at a warm temperature and operating at the initial frequency of operation, the mode detection routine will detect that the recovery mode is needed. Consequently, the sampling process for finding the frequency of maximum thermal cooling power is run to find an optimum frequency for the recovery mode. Freezer operation is then changed to the most recently detected optimum recovery mode frequency. The cooling of the freezer to its set point temperature can take several hours, for example six hours. During that time the mode detection routine will be continuously repeated followed by the optimum frequency detection routine for finding the optimum frequency for maximum thermal cooling power. Each time a different frequency is detected, the operating frequency is changed to it. That repetition continues until the freezer reaches, or is within a selected temperature near, the set point temperature. It is expected that the optimum operating frequency for maximum thermal cooling power will change many times during that repetitive process as the freezer cools down.
【0078】The preceding repetition continues until the mode detection routine, based on temperature in the freezer, detects that the controller should change operation to the steady state mode. The change may be made when the mode detecting routine detects that the freezer has reached the set point temperature or is within some range of it such as within 5 oC of the set point temperature.
【0079】When operation is changed to the steady state minimum power mode, the sampling routine for finding the steady state minimum input electric power is initiated. The mode detection routine and the sampling routine for finding the steady state minimum input electric power are then continuously repeated. Whenever that sampling routine detects a different optimum frequency, the operating frequency is changed to the most currently detected optimum operating frequency and the routine repetition is continued.
【0080】The immediately preceding repetition of the mode detection routine and the optimum frequency detection routine continues until the mode detection routine, based on temperature in the freezer or the rate of change of that temperature or the freezer door is opened, detects that the controller should change operation to the recovery mode.
【0081】The controller then changes to the recovery mode and operation returns to repeated sampling to obtain the optimum frequency for maximum thermal cooling power and running the mode detection routine as described above. Upon initial entry into the recovery mode, the frequency is initially changed to the most recently detected optimum recovery mode frequency.
【0082】Figs. 8 and 9 are flow charts illustrating examples of more detailed implementations of the routines for finding the optimum frequencies for the steady state minimum motor input power mode (Fig. 8) and for finding the optimum maximum thermal cooling power mode (Fig. 9).
【0083】TABLE OF REFERENCE NUMBERS
【0084】10 gamma free piston Stirling cooler
【0085】12 freezer
【0086】14 storage chamber
【0087】15 cold head
【0088】16 displacer
【0089】17 access door
【0090】18 and 20 pistons
【0091】22 connecting rod
【0092】24 planar spring
【0093】26 casing
【0094】28 linear electric motors
【0095】30 alternating electrical power source
【0096】32 electronic control system
【0097】34 storage chamber temperature sensor
【0098】36 other sensors.
【0099】40 controller
【0100】42 electric motor driver
【0101】44 access door sensor
【0102】46 motor power sensor
【0103】48 summing junction for freezer temperature/set-point
【0104】50 freezer temperature set-point
【0105】52 decision block
【0106】54 recovery mode maximization routine
【0107】56 electric motor power minimization routine
【0108】58 piston amplitude sensing
【0109】60 summing junction for piston amplitude limiting
【0110】62 maximum piston amplitude set-point
【0111】This detailed description in connection with the drawings is intended principally as a description of the presently preferred embodiments of the invention, and is not intended to represent the only form in which the present invention may be constructed or utilized. The description sets forth the designs, functions, means, and methods of implementing the invention in connection with the illustrated embodiments. It is to be understood, however, that the same or equivalent functions and features may be accomplished by different embodiments that are also intended to be encompassed within the spirit and scope of the invention and that various modifications may be adopted without departing from the invention or scope of the following claims.
1. A method for controllably operating a gamma free piston Stirling cooler for controllably varying input electrical power of the gamma free piston Stirling cooler having a displacer and at least two pistons and is driven in reciprocation by linear electric motors, the motors being driven by an alternating electrical voltage and current at an operating frequency, the method comprising:
(a) driving the linear electric motors by an alternating electrical voltage and current that has a controllably variable drive frequency; and
(b) decreasing input electrical power to the linear electric motors by increasing the operating frequency of the alternating electrical voltage and current to thereby decrease the displacer’s phase lead ahead of the pistons.
2. The method according to claim 1 wherein the Stirling cooler is connected in a refrigeration apparatus having a storage chamber and configured for lifting heat from the storage chamber, the method further comprising detecting an operating frequency at which the electric motors consume a minimum electrical input power at steady state thermal load by:
(a) varying the frequency of the alternating electrical voltage and current across a selected frequency range;
(b) sensing the electrical power delivered into the electric motor at a plurality of drive frequencies within the frequency range; and
(c) driving the electric motors at an operating frequency at which the smallest sensed electrical power input to the electric motor was sensed at a steady state thermal load.
3. The method according to claim 2 and further comprising:
(a) varying the operating frequency of the electrical voltage and current applied to the electric motor in discrete frequency increments to provide a plurality of sampled frequencies across the selected frequency range;
(b) sensing samples of electrical power input to the electric motor at each sampled frequency; and
(c) storing the operating frequency of the smallest sensed electrical power input to the electric motor.
4. The method according to claim 3 and further comprising maintaining a constant piston amplitude of reciprocation while detecting the frequency at which the electric motor consumes a minimum electrical input power.
5. The method according to claim 3 and further comprising:
(a) periodically detecting a temperature maintenance mode by sensing the temperature in the storage chamber and computing whether the sensed temperature is above a selected temperature limit or whether a time rate of change of an increase in temperature exceeds a selected temperature change rate limit; and
(b) if the limit is not exceeded, modulating piston amplitude to maintain the freezer temperature at a set point temperature by varying the voltage input to the electric motor to vary the thermal cooling power for maintaining the temperature of the storage chamber.
6. A method for controllably operating a gamma free piston Stirling cooler for controllably varying the thermal cooling power of the gamma free piston Stirling cooler having a displacer and at least two pistons and driven in reciprocation by linear electric motors, the motors being driven by an alternating electrical voltage and current at an operating frequency, the method comprising:
(a) driving the linear electric motors by an alternating electrical voltage and current that has a controllably variable drive frequency; and
(b) increasing the thermal cooling power of the Stirling cooler by decreasing the operating frequency of the alternating electrical voltage and current to thereby increase the displacer’s phase lead ahead of the pistons.
7. The method according to claim 6 wherein the gamma free piston Stirling cooler is connected in a refrigeration apparatus having a storage chamber and configured for lifting heat out from the storage chamber, the method further comprising detecting an operating frequency at which the Stirling cooler operates at its maximum thermal cooling power by:
(a) varying the frequency of the alternating electrical voltage and current across a selected frequency range;
(b) sensing the thermal cooling power delivered into the Stirling machine at a plurality of drive frequencies within the selected frequency range; and
(c) driving the electric motor at the operating frequency of the largest sensed thermal cooling power.
8. The method according to claim 7 and further comprising:
(a) varying the frequency of the electrical voltage and current applied to the electric motors in discrete frequency increments to provide a plurality of sampled frequencies across the selected frequency range;
(b) sensing samples of thermal cooling power of the Stirling cooler at each sampled frequency; and
(c) storing the operating frequency of the largest sensed thermal cooling power sample.
9. The method according to claim 8 and further comprising:
(a) periodically detecting a recovery mode by sensing the temperature in the storage chamber and computing whether the sensed temperature is above a selected temperature limit or whether a time rate of change of an increase in temperature exceeds a selected temperature change rate limit; and
(b) if the limit is exceeded, maintaining the piston amplitude at a maximum amplitude by varying the voltage input to the electric motor.
10. A method for controllably operating a gamma free piston Stirling cooler at times in a temperature maintenance mode and at times in a recovery mode, the Stirling cooler having a displacer and at least two pistons and driven in reciprocation by linear electric motors, the motors being driven by an alternating electrical voltage and current at an operating frequency, the method comprising:
(a) driving the linear electric motors by an alternating electrical voltage and current that has a controllably variable drive frequency;
(b) decreasing input electrical power to the linear electric motor to operate in a temperature maintenance mode by increasing the operating frequency of the alternating electrical voltage and current to thereby decrease the displacer’s phase lead ahead of the pistons; OR
(c) increasing the thermal cooling power of the Stirling cooler to operate in a recovery mode by decreasing the operating frequency of the alternating electrical voltage and current to thereby increase the displacer’s phase lead ahead of the pistons.
11. The method according to claim 10 wherein the gamma free piston Stirling cooler is connected in a refrigeration apparatus having a storage chamber with an access door, the Stirling cooler configured for lifting heat out from the storage chamber of the refrigeration apparatus, the method further comprising:
(a) sensing the temperature in the storage chamber or the time rate of change of the temperature in the storage chamber or that the access door was opened; and
(b) operating the Stirling cooler in the temperature maintenance mode and decreasing input electrical power to the linear electric motor by increasing the operating frequency of the alternating electrical voltage and current when at least one of the following is sensed,
(1) the sensed temperature is colder than a selected cold temperature limit; or
(2) the sensed temperature decreased at a time rate of change less than a selected time rate of change limit;
OR
(c) operating the Stirling cooler in a recovery mode and increasing the thermal cooling power of the Stirling cooler by decreasing the operating frequency of the alternating electrical voltage and current when at least one of the following is sensed,
(1) the sensed temperature is warmer than a selected warm temperature limit; or
(2) the sensed temperature increased at a time rate of change beyond a selected time rate of change limit or
(3) the access door has been opened.
12. The method according to claim 11 and further comprising:
(a) when operating in the temperature maintenance mode, modulating piston amplitude by varying the voltage input to the electric motors to vary the thermal cooling power to maintain the storage chamber temperature at a set point temperature; and
(b) when operating in the recovery mode, maintaining the piston amplitude at a maximum amplitude.
13. The method according to claim 12 for detecting optimum operating frequencies for the temperature maintenance mode and for the recovery mode, the method further comprising:
(a) detecting an operating frequency at which the electric motors consume a minimum electrical input power by:
(1) varying the frequency of the alternating electrical voltage and current across a selected frequency range;
(2) sensing the electrical power delivered into the electric motors at a plurality of drive frequencies within the frequency range; and
(3) storing the operating frequency at which the smallest sensed electrical power input to the electric motors was sensed; and
(b) detecting an operating frequency at which the Stirling cooler operates at its maximum thermal cooling power by:
(1) varying the frequency of the alternating electrical voltage and current across a selected frequency range;
(2) sensing the thermal cooling power delivered by the Stirling cooler at a plurality of drive frequencies within the selected frequency range; and
(3) storing the operating frequency of the largest sensed thermal cooling power; and
(c) when operating the Stirling cooler in the temperature maintenance mode, driving the electric motors at the operating frequency of the smallest sensed electrical power input to the electric motors; and
(d) when operating the Stirling cooler in the recovery mode, driving the electric motors at the operating frequency of the largest sensed thermal cooling power
14. The method according to claim 13 and further comprising:
(a) varying the operating frequency of the electrical voltage and current applied to the electric motor in discrete frequency increments to provide a plurality of sampled frequencies across the selected frequency range;
(b) at times sensing samples of electrical power input to the electric motor at each sampled frequency and at times sensing samples of the thermal cooling power delivered by the Stirling cooler at each sampled frequency; and
(c) storing the operating frequency of the smallest sensed electrical power input to the electric motor and storing the operating frequency of the largest sensed thermal cooling power.
15. The method according to claim 14 wherein the selected frequency range is less than ± 2 Hz around a mechanical nominal frequency of the gamma free piston Stirling cooler and the discrete increments are less than 0.2 Hz.
16. The method according to claim 13 and further comprising
(a) maintaining a constant piston amplitude of reciprocation while detecting an operating frequency at which the electric motor consumes a minimum electrical input power; and
(b) maintaining the amplitude of reciprocation of the pistons at a maximum amplitude while detecting an operating frequency at which the Stirling cooler operates at its maximum thermal cooling power.
17. An improved gamma free piston Stirling cooler having a displacer and at least two pistons and configured for being driven in reciprocation by linear electric motors, the motors being driven by an alternating electrical voltage and current at an operating frequency, the improvement comprising:
a source of alternating electrical voltage and current providing sufficient power, voltage and current and connected in a configuration for driving the electric motor, the source having a controllably variable frequency.
18. The improved gamma free piston Stirling cooler according to claim 17 and further comprising:
(a) a freezer storage chamber to which the Stirling cooler is thermally connected and is configured for lifting heat out from the storage chamber;
(b) an electrical power sensing circuit connected to the linear electric motor and configured to sense the electrical power input to the electric motor;
(c) a temperature sensor thermally connected to the storage chamber and configured for sensing the temperature in the storage chamber; and
(d) a controller connected to the temperature sensor and the electrical power sensing circuit and configured to controllably vary voltage amplitude and frequency of the alternating electrical voltage applied to the electric motor.
In a gamma free-piston Stirling cooler driven by linear electric motors, a motor operating frequency for consuming minimum electric power is detected and a different motor operating frequency that delivers maximum thermal cooling power is detected. The frequencies are detected by varying the operating frequency in small steps while sensing (1) the motor power input to maintain a steady temperature or (2) the thermal cooling power of the Stirling cooler. A mode detection routine detects whether the appropriate freezer operation is the electric power minimization mode or the thermal cooling power maximization mode based upon the current thermal conditions in the freezer. When the freezer is sufficiently cold, the pistons of the Stirling cooler are driven at the minimum electric power consumption frequency. When the temperature is, or is likely to become, too warm, the pistons of the Stirling cooler are driven at the maximum thermal cooling power frequency.