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特開2022-166846ディスク記憶媒体のマルチチャネル多重化方法及び装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022166846
(43)【公開日】2022-11-02
(54)【発明の名称】ディスク記憶媒体のマルチチャネル多重化方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   G11B 7/0065 20060101AFI20221026BHJP
   G03H 1/04 20060101ALI20221026BHJP
【FI】
G11B7/0065
G03H1/04
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022069796
(22)【出願日】2022-04-21
(31)【優先権主張番号】202110431558.5
(32)【優先日】2021-04-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】521001294
【氏名又は名称】アメシスタム ストレージ テクノロジー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Amethystum Storage Technology Co.,Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100121728
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 勝守
(74)【代理人】
【識別番号】100165803
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 修平
(74)【代理人】
【識別番号】100170900
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 渉
(72)【発明者】
【氏名】フ ドォジァオ
(72)【発明者】
【氏名】リォウ イチョン
(72)【発明者】
【氏名】ティエン ジュン
【テーマコード(参考)】
2K008
5D090
【Fターム(参考)】
2K008AA04
2K008BB04
2K008BB06
2K008FF07
5D090AA01
5D090BB16
5D090CC01
5D090CC04
5D090CC14
5D090FF11
5D090GG01
5D090GG11
5D090KK12
5D090KK15
5D090LL01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ディスク記憶媒体のマルチチャネル多重化方法及び装置を提供する。
【解決手段】方法は、S1参照光及び信号光を利用し、記憶媒体のホログラフィック位置マークでホログラムを記録し、S2記憶媒体を円周方向に回転させ、全ホログラフィック位置マークにホログラムが記録されるまで、S1を繰り返し実行し、S3記憶媒体を平行移動させることにより、光ヘッドを別のトラックに切り替え、S41つのクロスチャネルの記録完了まで、S1~S3を繰り返し、S5記憶媒体の中心と光ヘッドとの相対方位角を変更し、S1~S4を繰り返し、別のクロスチャネルの記録を完了し、S6全クロスチャネルの記録完了まで、S1~S5を繰り返し、S7同じ参照光ビームを利用し、記憶媒体における任意のチャネル又は記録位置でホログラムを再生する。各クロスチャネルは、媒体に対して同じ相対方位角をなす光ヘッドが記録した全ホログラムで構成される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
参照光ビームと、入力情報を持つ信号光ビームとを利用し、記憶媒体のトラックにおける、光ヘッドに位置合わせしたホログラフィック位置マークで、露光してホログラムを記録し形成するS1と、
光ヘッドに位置合わせしたトラックにおける開始マークから、前記記憶媒体を円周方向に回転させ、回転過程において、トラックにおける全てのホログラフィック位置マークにホログラムが記録されるまで、ステップS1を繰り返し実行するS2と、
前記記憶媒体を平行移動させることにより、前記光ヘッドを別のトラックに切り替えるS3と、
1つのクロスチャネルのホログラムの記録を完了するまで、ステップS1~S3を繰り返すS4と、
前記記憶媒体の中心と光ヘッドとの相対方位角を変更し、ステップS1~S4を繰り返し、別のクロスチャネルのホログラムの記録を完了するS5と、
前記記憶媒体における全てのクロスチャネルのホログラムの記録を完了するまで、ステップS1~S5を繰り返すS6と、
同じ参照光ビームを利用し、前記記憶媒体における任意のチャネル、任意の記録位置でホログラムを再生するS7と、を含み、
各前記クロスチャネルは、記憶媒体に対して同じ相対方位角をなす光ヘッドが記録した全てのホログラムで構成されることを特徴とする、ディスク記憶媒体のマルチチャネル多重化方法。
【請求項2】
参照光は、球面波であることを特徴とする、請求項1に記載のマルチチャネル多重化方法。
【請求項3】
参照光と信号光は、軸外型構造であることを特徴とする、請求項1に記載のマルチチャネル多重化方法。
【請求項4】
記憶媒体の中心と光ヘッドとの相対方位角を変更することにより、ホログラムの格子ベクトルとその位置でのトラックの接線とがなす角度を変更することを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載の多重化方法。
【請求項5】
ホログラムの格子ベクトルとその位置でのトラックの接線とがなす角度は、記憶媒体の中心と光ヘッドとの相対方位角の変化に伴って変化することを特徴とする、請求項4に記載の多重化方法。
【請求項6】
ホログラムの格子ベクトルとその位置でのトラックの接線との角度が同じである全てのホログラムは、1つのクロスチャネルを構成し、同じ位置にある異なるクロスチャネルのホログラムの格子ベクトルの間の最小角度は、交差角であり、交差角の大きさによって、クロスチャネルは、1~1000個あり得ることを特徴とする、請求項5に記載の多重化方法。
【請求項7】
前記トラックは、記憶媒体に設けられた同心円トラックであり、各前記トラックには、少なくとも1つのセクタが区画されることを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載の多重化方法。
【請求項8】
前記トラックにおける各セクタにいずれも開始マークが設けられ、開始マーク内にトラック及びセクタの番号情報が予め設定され、前記開始マークは、ホログラムの記録/再生の開始点として、番号情報を読み取ることにより迅速にアドレス指定することに用いられ、セクタ内に、ホログラム記録位置を位置決定するホログラフィック位置マークが設けられ、
ステップS2における、記憶媒体を円周方向に回転させることは、具体的には、記憶媒体をその中心のまわりを円周方向に回転させることであることを特徴とする、請求項7に記載の多重化方法。
【請求項9】
ステップS3における、前記記憶媒体を平行移動させることにより、前記光ヘッドを別のトラックに切り替えることは、具体的には、前記記憶媒体の半径方向に沿って、記憶媒体に対して内側から外側へ、又は外側から内側へ前記記憶媒体を移動させることにより、前記光ヘッドを別のトラックに切り替えることであることを特徴とする、請求項1~3又は5~6又は8のいずれか1項に記載の多重化方法。
【請求項10】
ステップS5における、記憶媒体の中心と光ヘッドとの相対方位角を変更することは、具体的には、記憶媒体の中心を光ヘッドの円弧状軌跡に沿って平行移動させることにより、記憶媒体の中心と光ヘッドとの相対方位角の変更を実現することであることを特徴とする、請求項1~3又は5~6又は8のいずれか1項に記載の多重化方法。
【請求項11】
各クロスチャネルに対応する各トラックの間隔はいずれも異なり、対応する各トラックに記録されたホログラムの間の間隔もいずれも異なることを特徴とする、請求項1~3又は5~6又は8のいずれか1項に記載の多重化方法。
【請求項12】
記憶媒体に信号を記録/再生する、ディスク記憶媒体のマルチチャネル多重化装置であって、
記憶媒体で干渉して露光してホログラムを生成する信号光及び参照光を生成する記録機構と、
前記信号光及び前記参照光が同じトラックにおける複数の位置でホログラムを記録/再生するように、記憶媒体をその中心のまわりを回転運動するように駆動して記憶媒体を円周方向に回転させる回転機構と、
前記信号光と前記参照光が異なるトラックでホログラムの記録/再生を行うように、記憶媒体をその半径方向に平行移動するように駆動し、また、前記信号光と前記参照光が異なるクロスチャネルでホログラムを記録/再生するように、記憶媒体を直線又は円弧状に沿って平行移動するように駆動して記憶媒体の中心と光ヘッドとの相対方位角を変更する平行移動機構と、を含み、
各前記クロスチャネルは、記憶媒体に対して同じ相対方位角をなす光ヘッドが記録した全てのホログラムで構成されることを特徴とする、ディスク記憶媒体のマルチチャネル多重化装置。
【請求項13】
各トラックにおけるホログラムの記録及び再生の開始点を位置決定するアドレス指定機構と、光ヘッドの位置を位置決定する光ヘッド位置決定機構と、をさらに含むことを特徴とする、請求項12に記載の多重化装置。
【請求項14】
前記トラックは、記憶媒体に設けられた同心円トラックであり、各前記トラックには、少なくとも1つのセクタが区画され、前記トラックにおける各セクタにいずれも開始マークが設けられ、開始マーク内にトラック及びセクタの番号情報が予め設定され、前記開始マークは、ホログラムの記録/再生の開始点として、番号情報を読み取ることにより迅速にアドレス指定することに用いられ、セクタ内に、ホログラム記録位置を位置決定するホログラフィック位置マークが設けられることを特徴とする、請求項12に記載の多重化装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホログラフィック記憶の技術分野に関し、具体的には、ディスク記憶媒体のマルチチャネル多重化方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ホログラフィック光記憶技術は、入力情報を2次元デジタルビットマップに変換して信号光にロードし、変調された信号光と参照光が光重合体記憶媒体で干渉してホログラムを形成し、記憶媒体の屈折率変化の形で保存し、それを再生することにより、入力情報の読み取りを実現できるようにするものである。記憶容量が大きく、記憶期間が長いなどの利点を有するため、大きな将来性のある保管用データ記憶方式となる。
【0003】
現在、ホログラフィック記憶記録及び再生の多重化方法は、主に、(1)角度多重化記録、(2)同軸多重化記録、(3)球面参照光シフト多重化記録、及び(4)クロス多重化記録を含む。
【0004】
方法(1)では、参照光の入射角を変更することにより、ホログラムの多重化記録を行う。このような方法では、非常に狭い角度範囲でのみブラッグ回折条件が満たされる。例えば、参照光の入射角が約0.1°変化するごとに1枚のホログラムが記録されるので、同じ位置に数百枚のホログラムを記録することができる。このような方法では、前のホログラムと重ならない別の位置に一連の新しいホログラムが新しく記録されることを確保するように媒体を移動させる必要があるため、記憶容量が制限され、また、ホログラムの信号光又は参照光が前に記録されたホログラムにより散乱されて、ホログラムの信号対雑音比が低下する。
【0005】
方法(2)では、信号光は参照光と同軸であり、参照光の位相又は振幅に対してスペックル変調を行う。ホログラムの記録過程では、各位置のホログラムが他の位置のホログラムと重ならないことを確保する必要がなく、記録された各ホログラムを前のホログラムに対してわずかな距離、例えば2次元平面内で2μm又は3μmだけ移動させてもよい。しかしながら、このような方法は、角度多重化記録と共に使用することができず、記憶容量が依然として制限され、また、信号光と参照光が互いに近接しているため、大きなクロストークが発生し、信号対雑音比が低下して、信号品質が劣化する。
【0006】
方法(3)では、球面波を参照光として利用し、媒体を一定距離移動させることにより、1枚の新しいホログラムを記録することができる。図1に示すように、ブラッグ条件によれば、信号光波数ベクトルks、参照光波数ベクトルkr及びホログラフィック格子ベクトルkgは1つのベクトル三角形を構成し、ホログラムを記録した後、媒体を一定距離移動させると、3つのベクトルは三角形を構成しなくなり、ブラッグ条件も成り立たなく、元の記録されたホログラムが再生できなくなるため、次のホログラムを記録することができる。
【0007】
方法(4)では、格子ベクトルを記憶媒体の平面に沿って回転させることにより、ホログラムのクロス多重化記録を実現する。ブラッグ回折条件の制約で、1つの円周角の範囲内で複数回のクロス記録を実行することにより、記憶容量を向上させることができる。
【0008】
ホログラムの間のクロストーク及びノイズ等の影響要因のため、従来技術における以上の4種類の多重化記録方法では、多重化記録されたホログラムの数が依然として非常に制限され、いずれも記憶媒体の多重化可能性を最大に発揮することができない。したがって、ホログラフィック光記憶の分野では、依然として、ホログラムの間のクロストーク及びノイズの影響を回避し、ホログラムの多重化数を大幅に向上させることができる方法を開発する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記従来技術の少なくとも1つの欠点を克服し、従来技術における多重化方法のホログラム多重化数が制限されるという課題を解決するために、ディスク記憶媒体のマルチチャネル多重化方法及び装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の採用する技術手段は、以下のディスク記憶媒体のマルチチャネル多重化方法及び装置を含む。
【0011】
ディスク記憶媒体のマルチチャネル多重化方法は、参照光ビームと、入力情報を持つ信号光ビームとを利用し、記憶媒体のトラックにおける、光ヘッドに位置合わせしたホログラフィック位置マークで、露光してホログラムを記録し形成するS1と、光ヘッドに位置合わせしたトラックにおける開始マークから、前記記憶媒体を円周方向に回転させ、回転過程において、トラックにおける全てのホログラフィック位置マークにホログラムが記録されるまで、ステップS1を繰り返し実行するS2と、前記記憶媒体を平行移動させることにより、前記光ヘッドを別のトラックに切り替えるS3と、1つのクロスチャネルのホログラムの記録を完了するまで、ステップS1~S3を繰り返すS4と、前記記憶媒体の中心と光ヘッドとの相対方位角を変更し、ステップS1~S4を繰り返し、別のクロスチャネルのホログラムの記録を完了するS5と、前記記憶媒体における全てのクロスチャネルのホログラムの記録を完了するまで、ステップS1~S5を繰り返すS6と、同じ参照光ビームを利用し、前記記憶媒体における任意のチャネル、任意の記録位置でホログラムを再生するS7と、を含み、各前記クロスチャネルは、記憶媒体に対して同じ相対方位角をなす光ヘッドが記録した全てのホログラムで構成される。
【0012】
本発明に係るディスク記憶媒体のマルチチャネル多重化方法は、記憶媒体における円周方向のシフト多重化を実現するだけでなく、クロスシフト多重化も実現する。各クロスチャネルは、記憶媒体に対して同じ相対方位角をなす光ヘッドが記録したホログラムで構成され、即ち、各クロスチャネルに記録されたホログラムがそれぞれ、記憶媒体に対して異なる相対方位角をなす光ヘッドにより記録されることになる。そのため、異なるクロスチャネルに記録されたホログラムは、位置が重なっても、互いにクロストークが発生せず、したがって、ホログラムの多重化記録数を大幅に向上させ、ホログラムの信号対雑音比も向上させる。
【0013】
さらに、記憶媒体の中心と光ヘッドとの相対方位角を変更することにより、ホログラムの格子ベクトルとその位置でのトラックの接線とがなす角度を変更する。
【0014】
光ヘッドと記憶媒体の中心との相対方位角が変更する場合、ホログラムの格子ベクトルとその位置でのトラックの接線とがなす角度も同時に変更し、即ち、異なるクロスチャネルのホログラムの格子ベクトル方向が異なることを説明するため、異なるクロスチャネルのホログラムは、位置が重なっても、格子ベクトルの方向が異なるため、クロストークが発生せず、記憶媒体の記憶量が増加し、記録されたホログラムの信号対雑音比が高いという効果を達成する。
【0015】
同じ位置にある異なるクロスチャネルのホログラムの格子ベクトルの間の最小角度は、交差角であり、交差角の大きさによって、クロスチャネルは、1つ~1000個あり得る。
【0016】
さらに、前記参照光は、球面波である。
【0017】
さらに、参照光と信号光は、軸外型構造であり、軸外型構造は、同軸型構造において参照光と信号光が互いに近接していことによるシフト多重化時のクロストーク問題を回避する。
【0018】
さらに、前記トラックは、記憶媒体に設けられた同心円トラックであり、各前記トラックには、少なくとも1つのセクタが区画される。セクタは、トラックを複数の部分に分けて、データの高速ランダムアクセスを容易にする。
【0019】
さらに、前記トラックにおける各セクタにいずれも開始マークが設けられ、開始マーク内にトラック及びセクタの番号情報が予め設定され、前記開始マークは、ホログラムの記録/再生の開始点として、番号情報を読み取ることにより迅速にアドレス指定することに用いられ、セクタ内に、ホログラム記録位置を位置決定するホログラフィック位置マークが設けられ、ステップS2における、記憶媒体を円周方向に回転させることは、具体的には、記憶媒体をその中心のまわりを円周方向に回転させることである。
【0020】
さらに、ステップS3における、前記記憶媒体を平行移動させることにより、前記光ヘッドを別のトラックに切り替えることは、具体的には、前記記憶媒体の半径方向に沿って、記憶媒体に対して内側から外側へ、又は外側から内側へ前記記憶媒体を移動させることにより、前記光ヘッドを別のトラックに切り替えることである。
【0021】
さらに、ステップS5における、記憶媒体の中心と光ヘッドとの相対方位角を変更することは、具体的には、記憶媒体の中心を光ヘッドの円弧状軌跡に沿って平行移動させることにより、記憶媒体の中心と光ヘッドとの相対方位角の変更を実現することである。
【0022】
さらに、各クロスチャネルに対応する各トラックの間隔はいずれも異なり、対応する各トラックに記録されたホログラムの間の間隔もいずれも異なる。
【0023】
記憶媒体に信号を記録/再生する、ディスク記憶媒体のマルチチャネル多重化装置は、信号光及び参照光を生成する記録機構であって、前記信号光と前記参照光が記憶媒体で干渉し、露光してホログラムを生成する記録機構と、前記信号光及び前記参照光が同じトラックにおける複数の位置でホログラムを記録/再生するように、記憶媒体をその中心のまわりを回転運動するように駆動して記憶媒体を円周方向に回転させる回転機構と、前記信号光と前記参照光が異なるトラックでホログラムの記録/再生を行うように、記憶媒体をその半径方向に平行移動するように駆動し、また、前記信号光と前記参照光が異なるクロスチャネルでホログラムを記録/再生するように、記憶媒体を直線又は円弧状に沿って平行移動するように駆動して記憶媒体の中心と光ヘッドとの相対方位角を変更する平行移動機構と、を含み、各前記クロスチャネルは、記憶媒体に対して同じ相対方位角をなす光ヘッドが記録した全てのホログラムで構成される。
【0024】
さらに、装置は、各トラックにおけるホログラムの記録及び再生の開始点を位置決定するアドレス指定機構と、光ヘッドの位置を位置決定する光ヘッド位置決定機構と、をさらに含む。
【0025】
さらに、前記トラックは、記憶媒体に設けられた同心円トラックであり、各前記トラックには、少なくとも1つのセクタが区画され、前記トラックにおける各セクタにいずれも開始マークが設けられ、開始マーク内にトラック及びセクタの番号情報が予め設定され、前記開始マークは、ホログラムの記録/再生の開始点として、番号情報を読み取ることにより迅速にアドレス指定することに用いられ、セクタ内に、ホログラム記録位置を位置決定するホログラフィック位置マークが設けられる。
【発明の効果】
【0026】
従来技術に比べて、本発明の有益な効果は、以下のとおりである。本発明に係るディスク記憶媒体のマルチチャネル多重化方法は、記憶媒体の円周方向の回転シフト多重化及びクロスシフト多重化の2種類の多重化方法と組み合わせることにより、同じクロスチャネルの各ホログラムは、位置が重ならず、互いにクロストークが発生しないとともに、異なるクロスチャネルのホログラムは、位置が重なっても、互いにクロストークが発生しないようにし、記憶媒体のホログラムの記憶量を大幅に向上させ、ホログラムの信号対雑音比を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1図1は、球面波シフト多重化記録方法の原理を示す概略図である。
図2図2は、実施例に係るディスク記憶媒体でのクロスシフト多重化の概略図(Θ=0°及びΘ=180°)である。
図3図3は、実施例に係るディスク記憶媒体でのクロスシフト多重化の概略図(Θ=60°及びΘ=120°)である。
図4図4は、実施例に係るディスク記憶媒体でのクロスシフト多重化の概略図(Θ=240°及びΘ=300°)である。
図5図5は、実施例に係るディスク記憶媒体で異なるクロスチャネルを記録/読み取る時の光ヘッドの位置の概略図(Θ=0°及びΘ=240°)である。
図6図6は、実施例に係るディスク記憶媒体のマルチチャネル多重化記録装置の構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明の図面は、例示的な説明のみに用いられるが、本発明を限定するものとして理解されない。以下の実施例をよりよく説明するために、図面のいくつかの部材は、省略、拡大又は縮小されてもよく、実際の製品のサイズを表すものではなく、図面におけるいくつかの周知の構造及びその説明が省略されてもよいことは、当業者であれば理解できる。
【0029】
本実施例に係るディスク記憶媒体のマルチチャネル多重化方法は、S1~S7を含む。
【0030】
S1において、参照光ビームと、入力情報を持つ信号光ビームとを利用し、記憶媒体のトラックにおける、光ヘッドに位置合わせしたホログラフィック位置マークで、露光してホログラムを形成する。
【0031】
具体的には、参照光は、球面波であり、参照光と信号光は、軸外型構造であり、軸外型構造は、同軸型構造において参照光と信号光が互いに近接していことによるシフト多重化時のクロストーク問題を回避する。ステップS1において、記憶媒体は、参照光と信号光が干渉した後に形成されたホログラフィック記憶情報、即ちホログラムを記録する媒体であり、本実施例において、本実施例に係る方法に最も適しているのは、ディスク記憶媒体であり、例えば円形ホログラフィック光ディスクである。光ヘッドは、参照光及び信号光を発する部材である。トラックは、記憶媒体における、ホログラム記録位置を位置決定するレールであり、具体的には、記憶媒体がディスク記憶媒体である場合、トラックは、一般的に同心円トラックであり、具体的に円形グルーブ又はランドであり、各トラックの間に一定の間隔を有する。好ましくは、各トラックには、少なくとも1つのセクタが区画され、各セクタにいずれも開始マークが設けられ、開始マーク内にトラック及びセクタの番号情報が予め設定され、開始マークは、ホログラムの記録/再生の開始点として、番号情報を読み取ることにより迅速にアドレス指定することに用いられ、セクタ内に、ホログラム記録位置を位置決定するホログラフィック位置マークが設けられ、ステップS1において、各ホログラフィック位置マークは、各ホログラムを記録する/読み取る位置である。
【0032】
S2において、光ヘッドに位置合わせしたトラックにおける開始マークから、記憶媒体を円周方向に回転させ、回転過程において、トラックにおける全てのホログラフィック位置マークにホログラムが記録されるまで、ステップS1を繰り返し実行する。
【0033】
ステップS2において、光ヘッドに位置合わせしたトラックにおける開始マークから、記憶媒体を円周方向に回転させ、回転過程において、ホログラフィック位置マークにより提供された信号で記録機構をトリガして、ステップS1を繰り返し実行してホログラムを記録し、2枚のホログラムの間の最小距離は、互いにクロストークが発生しないことを保証すべきであり、好ましくは、該最小距離の値の範囲は1~10μmである。以上から分かるように、ステップS2は、記憶媒体の1つのトラックにおいて、円周方向のシフト多重化記録を行ってホログラムを記録し、トラックにおける全てのホログラフィック位置マークにホログラムが記録されるまで継続することである。
【0034】
S3において、記憶媒体を平行移動させることにより、光ヘッドを別のトラックに切り替える。
【0035】
具体的には、別のトラックが光ヘッドに位置合わせするように、記憶媒体を、記憶媒体の半径方向に沿って、光ディスクに対して内側から外側へ、又は外側から内側への方向に平行移動させ、移動過程において、光ヘッドの相対移動方向が常に記憶媒体の半径方向に沿うことを保証する。
【0036】
S4において、1つのクロスチャネルのホログラムの記録を完了するまで、ステップS1~S3を繰り返す。
【0037】
S5において、記憶媒体の中心と光ヘッドとの相対方位角を変更し、ステップS1~S4を繰り返し、別のクロスチャネルのホログラムの記録を完了する。
【0038】
S6において、記憶媒体における全てのクロスチャネルのホログラムの記録を完了するまで、ステップS1~S5を繰り返す。
【0039】
具体的には、ステップS4及びステップS5におけるクロスチャネルは、記憶媒体の中心と同じ相対方位角をなす光ヘッドが記憶媒体に記録した全てのホログラムを指し、これらのホログラムは、記憶媒体の複数のトラックに分布している。ステップS4において、1つのクロスチャネルのホログラムの記録を完了した後、ステップS5を実行して、記憶媒体の中心と光ヘッドとの相対方位角を変更する。相対方位角の変更は、具体的に、光ヘッドの位置を固定し、記憶媒体の中心が光ヘッドの円弧状軌跡に沿って平行移動するように記憶媒体を移動させることにより実現してもよい。それにより、光ヘッドと記憶媒体の中心との結ぶ線と垂直方向とがなす角度を変更する。記憶媒体の中心と光ヘッドとの相対方位角を変更した後、前のクロスチャネルを最後に記録したトラックからホログラムを改めて記録し、このクロスチャネルのホログラムの記録が完了するまで継続する。ステップS6において、全てのクロスチャネルのホログラムの記録を完了するまで、S1~S5を繰り返す。
【0040】
具体的には、ステップS5において、記憶媒体の中心と光ヘッドとの相対方位角が変更されると同時に、光ヘッドの入射面である格子ベクトルの方向と光ヘッドの位置でのトラック接線軸の正の半軸とがなす角度も変更され、記憶媒体に記録されたホログラムの格子ベクトル方向も変更され、したがって、異なるクロスチャネルのホログラムは、位置が重なっても、ホログラムの格子ベクトルの方向が異なるため、互いにクロストークが発生するという問題がない。クロスチャネルの数n=[360°/Θ]であり、ここで、Θは、クロストークのない2つのホログラムの格子ベクトルの間の最小角度であり、[360°/Θ]は、360°/Θの整数に丸めることを表す。本実施例におけるΘは、好ましくは10°であり、ステップS5において、記憶媒体の中心と光ヘッドとの相対方位角は毎回10°変更することにより、光ヘッドの記憶媒体の中心に対する相対方位角は、順に0°、10°、20°…340°、350°であり、それにより、記憶媒体において36回のクロス多重化を実現し、即ち36個のクロスチャネルを有する。
【0041】
図2に示すように、クロスチャネルAを例として、記憶媒体を移動させることにより、その中心と光ヘッドとの結ぶ線と垂直方向(即ち、図2におけるy軸)とがなす角度は0°になり、即ち、ホログラムの格子ベクトルの方向と光ヘッドの位置でのトラック接線軸の正の半軸とがなす角度(以下、格子ベクトル角度と略称する)は0°になる。各トラックのトラック信号により、光ヘッドを第1のトラック(即ち、記憶媒体に最も近いトラック)に位置決定し、記憶媒体を回転させ、光ヘッドがトラックにおけるセクタの開始マークを識別し、光ディスクを続いて回転させ、光ヘッドが開始マーク後の各ホログラフィック位置マークに位置合わせた時に、ステップS1~S2を実行して、記憶媒体の円周方向のシフト多重化を行う。ステップS3~S4を実行して記憶媒体を平行移動させることにより、光ヘッドが記憶媒体に対して半径方向に沿って別のトラックに移動して記録し、全てのトラックに格子ベクトル角度が0°のホログラムが記録されるまで継続する。クロスチャネルAのホログラムの格子ベクトルの方向は、トラックの反時計回り方向(即ち、トラック接線軸の正方向)に沿う。このとき、ステップS5を実行して、記憶媒体を移動させ、その中心と光ヘッドとの結ぶ線と垂直方向(即ち、図2におけるy軸)とがなす角が180°になると、クロスチャネルBにおけるホログラムの記録を開始する。図2に示すように、クロスチャネルBで得られたホログラムの格子ベクトルの方向は、トラックの時計回り方向(即ち、トラック接線軸の正方向との角度が180°である)に沿う。以上から分かるように、クロスチャネルAとクロスチャネルBに記録されたホログラムは、格子ベクトルの方向が逆であるため、同じ位置に互いに重なっても、互いにクロストークが発生しない。
【0042】
図3及び4に示すように、クロスチャネルA又はクロスチャネルBにおける記録を完了した後、光ヘッドと記憶媒体の中心との結ぶ線と垂直方向(即ち、図3及び4におけるy軸)とがなす角度が60°になるように記憶媒体を移動させ、ステップS1~S4を実行することにより、クロスチャネルCにおけるホログラムの記録を完了し、クロスチャネルCにおけるホログラムの格子ベクトル角度は60°である。このように類推し、光ヘッドと記憶媒体の中心との結ぶ線と垂直方向(即ち、図3及び4におけるy軸)とがなす角度が120°、240°又は300°になるようにステップS5を実行し、クロスチャネルD、E又はFにおけるホログラムの記録を完了し、クロスチャネルD、E又はFにおけるホログラムの格子ベクトル角度は、120°、240°又は300°である。図2~4を参照し、クロスチャネルAからクロスチャネルFまでの6つのクロスチャネルに記録されたホログラムは、格子ベクトルの方向が互いに重ならないため、同じ位置に位置してもクロストークが発生しない。
【0043】
それとともに、各クロスチャネルのホログラムの格子ベクトル角度がいずれも異なるため、各クロスチャネルの各トラックでのシフト多重化ステップサイズが異なり、各クロスチャネルのホログラムの位置する各トラックの、半径方向にそった間隔も異なる。したがって、異なるクロスチャネルを異なるトラックに記録することができ、各クロスチャネルのホログラムの、半径方向に沿った間隔が最小で、クロストークが発生しないことを保証することができる。図5に示すように、クロスチャネルA及びクロスチャネルEを例として、クロスチャネルAとクロスチャネルEは、半径方向に沿った多重化間隔距離が異なるため、占有するトラックが異なる。図5は、2つのクロスチャネルが異なるトラックを占有している状況を模式的に示す。まず、全てのクロスチャネルは、0番目のトラックを共用し、他のトラックは、各クロスチャネルの半径方向での多重化間隔の違いに応じて最適に設定され、例えば、3番目のトラックは、クロスチャネルAのホログラムが記録された1つのトラックであり、2番目及び4番目のトラックは、クロスチャネルEのホログラムが記録された2つのトラックである。
【0044】
S7において、同じ参照光ビームを利用し、記憶媒体における任意の記録位置でホログラムを再生する。
【0045】
ステップS7において、まず、光ヘッドが各クロスチャネルの対応する角度位置に移動するように記憶媒体を移動させ、各トラックが提供した位置決定マーク信号により、該クロスチャネルに位置決定し、記憶媒体を回転させて、光ヘッドをトラックの開始マークに位置決定してアドレス情報を読み取り、それに伴って、同じ参照光ビームを利用してホログラムを読み取り、円周方向の回転多重化記録によるホログラムについて、記憶媒体を移動させることにより、各シフト位置でホログラムを再生することができ、クロスシフト多重化記録によるホログラムについて、記憶媒体の中心と光ヘッドとの相対方位角を変更することにより、ホログラムを再生することができる。
【0046】
以上から分かるように、本実施例に係る方法では、ステップS1~S2において、ホログラムのシフト多重化記録を実現し、ステップS5~S6において、記憶媒体の複数のトラックでホログラムのクロスシフト多重化記録を行い、異なるクロスチャネルに記録されたホログラムは、格子ベクトルの方向が異なるため、位置が重なっても、クロストークが発生せず、ステップS2におけるホログラムのシフト多重化記録と組み合わせると、記憶媒体の記憶量を大幅に向上させ、ホログラムの信号対雑音比を向上させることにより、ステップS7において再生されるホログラムの有用な情報を正確に読み取ることができる。
【0047】
上記ディスク記憶媒体のマルチチャネル多重化方法と同じ思想に基づいて、本実施例に係る記憶媒体に信号を記録/再生する、ディスク記憶媒体のマルチチャネル多重化装置は、図6に示すように、記録機構、回転機構、光ヘッド位置決定機構、アドレス指定機構及び平行移動機構を含む。
【0048】
記録機構は、信号光及び参照光を生成し、信号光と参照光は、記憶媒体で干渉してホログラムを生成する。具体的には、参照光は、球面波であり、参照光と信号光は、軸外型構造である。
【0049】
回転機構は、信号光及び参照光が同じトラックにおける複数の位置でホログラムを記録/再生するように、記憶媒体をその中心のまわりを回転運動するように駆動して円周方向に回転させる。
【0050】
具体的には、回転機構は、記憶媒体の毎回シフトする最小距離を、記録機構が各シフト位置に記録したホログラムの間にクロストークが発生しないように制御すべきであり、好ましくは、該最小距離の値の範囲は、1~10μmである。上記トラックは、一般的に同心円トラックであり、具体的に円形グルーブ又はランドであり、各トラックの間に一定の間隔を有する。
【0051】
具体的には、光ヘッド位置決定機構は、光ヘッドの位置を位置決定し、アドレス指定機構は、各トラックにおけるホログラムの記録及び再生の開始点を位置決定する。好ましくは、各トラックには、少なくとも1つのセクタが区画され、各セクタに開始マークが設けられ、開始マーク内にトラック及びセクタの番号情報が予め設定され、開始マークは、ホログラムの記録/再生の開始点として、番号情報を読み取ることにより迅速にアドレス指定することに用いられ、セクタ内に、ホログラム記録位置を位置決定するホログラフィック位置マークが設けられる。したがって、アドレス指定機構がトラックの開始マーク及びホログラフィック位置マークの位置を検出することにより、記録機構は、ホログラフィック位置マークでホログラムを記録する。
【0052】
平行移動機構は、信号光と参照光が異なるトラックでホログラムの記録/再生を行うように、記憶媒体をその半径方向に平行移動するように駆動し、また、信号光と参照光が異なるクロスチャネルでホログラムの記録/再生を完了するように、記憶媒体を直線又は円弧に沿って平行移動するように駆動して記憶媒体の中心と光ヘッドとの相対方位角を変更する。
【0053】
具体的には、各クロスチャネルは、記憶媒体に対して同じ相対方位角をなす光ヘッドが記録した全てのホログラムで構成される。
【0054】
平行移動機構は、記憶媒体をその半径方向に平行移動するように駆動し、平行移動方向は、記憶媒体の半径方向に沿って、光ディスクに対して内側から外側へ、又は外側から内側へ移動し、移動過程において、光ヘッドの相対移動方向が常に記憶媒体の半径方向に沿うことを保証することにより、光ヘッドは、異なるトラックでホログラムの記録/読み取りを行うことができる。
【0055】
平行移動機構は、さらに、相対方位角を変更し、具体的には、光ヘッドの位置を固定し、記憶媒体の中心が光ヘッドの円弧状軌跡に沿って平行移動するように記憶媒体を移動させることにより実現し、それにより、光ヘッドと記憶媒体の中心との結ぶ線と垂直方向とがなす角度を変更する。記憶媒体の中心と光ヘッドとの相対方位角を変更した後、記録機構は、前のクロスチャネルを最後に記録したトラックからホログラムを改めて記録し、このクロスチャネルのホログラムの記録が完了するまで継続し、このように類似する。
【0056】
具体的には、平行移動機構は、記憶媒体の中心と光ヘッドとの相対方位角を変更すると同時に、光ヘッドの入射面である格子ベクトルの方向と光ヘッドの位置でのトラック接線軸の正の半軸とがなす角度も変更するため、記録機構が記録したホログラムの格子ベクトル方向も変更し、したがって、異なるクロスチャネルのホログラムは、位置が重なっても、ホログラムの格子ベクトルの方向が異なるため、互いにクロストークが発生するという問題を引き起こさない。クロスチャネルの数n=[360°/Θ]であり、ここで、Θは、クロストークのない2つのホログラムの格子ベクトルの間の最小角度であり、[360°/Θ]は、360°/Θの整数に丸めることを表す。本実施例におけるΘは、好ましくは10°であり、ステップS5において、記憶媒体の中心と光ヘッドとの相対方位角は毎回10°変更することにより、光ヘッドの記憶媒体の中心に対する相対方位角は、順に0°、10°、20°…340°、350°であり、それにより、記憶媒体において36回のクロス多重化を実現し、即ち36個のクロスチャネルを有する。6個のクロスチャネルの記録と各クロスチャネルの切り替えは、図2~6及び上記マルチチャネル多重化方法の説明を参照し、ここでは説明を省略する。
【0057】
該ディスク記憶媒体のマルチチャネル多重化装置は、読み取り装置をさらに含み、上記記録機構により生成された参照光は、さらに、記憶媒体の任意の位置で、予め記録されたホログラムを再生するが、読み取り装置は、記録機構の参照光により再生されたホログラムにおける情報を受信し、読み取る。
【0058】
以上から分かるように、本実施例に係るマルチチャネル多重化装置は、主に回転機構により、ホログラムのシフト多重化記録を実現し、主に平行移動機構により、記憶媒体の複数のトラックでホログラムのクロスシフト多重化記録を行い、異なるクロスチャネルに記録されたホログラムは、格子ベクトルの方向が異なるため、位置が重なっても、クロストークが発生せず、記憶媒体の記憶量が大幅に向上し、ホログラムの信号対雑音比が向上することにより、読み取り装置が記録機構により再生されたホログラムの有用な情報を正確に読み取ることができる。
【0059】
明らかに、本発明の上記実施例は、本発明の技術手段を明確に説明するための例に過ぎず、本発明の具体的な実施形態を限定するためのものではない。本発明の特許請求の範囲の精神及び原則の範囲内で行われたいかなる修正、同等の代替、改良などは、本発明の特許請求の範囲の保護の範囲に含まれるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6