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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022166879
(43)【公開日】2022-11-04
(54)【発明の名称】アウトレット装置
(51)【国際特許分類】
   A61M 15/00 20060101AFI20221027BHJP
【FI】
A61M15/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021072250
(22)【出願日】2021-04-22
(71)【出願人】
【識別番号】515271847
【氏名又は名称】一般社団法人水素医療研究所
(71)【出願人】
【識別番号】514314392
【氏名又は名称】特定非営利活動法人日本老化防御医科学センター
(74)【代理人】
【識別番号】100173277
【弁理士】
【氏名又は名称】紀田 馨
(72)【発明者】
【氏名】三羽 信比古
(57)【要約】
【課題】睡眠時において、水素吸入装置で生成された水素を安全、快適かつ効率的に吸入することが持続可能となるアウトレット装置を提供する。
【解決手段】アウトレット装置1は、ボックス部3と、水平管状部21と、垂直管状部22とを備えている。水平管状部21は、ボックス部3内に設けられている。垂直管状部22は、ボックス部3内において、水平管状部21に対して水素通過方向の下流側に位置し、かつ、水平管状部21に連続して設けられている。垂直管状部22は、水素通過方向の下流側に向かうにつれて上方側に位置するように形成されている。水素吸入装置からの水素はアウトレット装置1に供給され、アウトレット装置1を介して排出される。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸入用の水素を生成し、生成した水素をカニューレから排出する水素吸入装置に接続されるアウトレット装置であって、
底面が寝具に設置される設置面として形成されるボックス部と、
前記ボックス部内に設けられ、前記水素吸入装置からの水素が通過する第1管状部と、
前記ボックス部内において、前記第1管状部に対して水素通過方向の下流側に位置し、かつ、前記第1管状部に連続して設けられ、前記第1管状部からの水素を通過させて外部に排出する第2管状部と、を備え、
前記第2管状部は、水素通過方向の下流側に向かうにつれて上方側に位置するように形成されている、アウトレット装置。
【請求項2】
前記第2管状部は、内径が均一であって、上方に向かって垂直に延びる垂直管状部を備えている、請求項1に記載のアウトレット装置。
【請求項3】
前記第2管状部は、内径が均一であって、水素通過方向の下流側に向かうにつれて、上方側かつ水平方向に対して傾斜した状態で延びる傾斜管状部を備えており、
前記傾斜管状部の延びる方向と水平方向とがなす角度が、5~75度である、請求項1又は2に記載のアウトレット装置。
【請求項4】
前記第2管状部は、水素通過方向の下流側に向かうにつれて内径が拡がる拡大管状部を備えている、請求項1~3のいずれか一項に記載のアウトレット装置。
【請求項5】
前記拡大管状部は、上方に向かって延びており、
前記拡大管状部の内周面と水平方向とがなす角度が、5~75度である、請求項4に記載のアウトレット装置。
【請求項6】
前記第2管状部の先端に接続され、前記第2管状部からの水素を通過させて外部に排出させる第3管状部をさらに備え、
前記第3管状部は、蛇腹状に形成されている、請求項1~5のいずれか一項に記載のアウトレット装置。
【請求項7】
前記ボックス部は、枕に埋設される枕一体型である、請求項1~6のいずれか一項に記載のアウトレット装置。
【請求項8】
前記ボックス部は、枕の表面上に敷くマット型である、請求項1~6のいずれか一項に記載のアウトレット装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸入用の水素を生成し、生成した水素をカニューレから排出する水素吸入装置に接続されるアウトレット装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、体内に吸入するための水素を発生させる水素吸入装置が利用されている。近年、水素を体内に吸入することで様々な効果が得られることが確認されており、水素吸入装置が注目されている。具体的には、水素を体内に吸入することで、体内の活性酸素を除去する効果等を得られることが確認されている。
【0003】
水素吸入装置では、電気分解層内で水を電気分解して水素を発生させており、発生させた水素をカニューレから排出させている。ユーザは、このカニューレの先端部を鼻腔に差し込み、鼻腔から水素を体内に吸入する(例えば、下記特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2018-183527号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載の従来の水素吸入装置では、カニューレの先端部を鼻腔に直接差し込む必要があるため、ユーザによっては、カニューレの装着を不快に感じることがある。また、睡眠時に水素吸入装置を利用する場合には、カニューレがユーザの首に巻き付く危険性がある等、安全性が十分には確保されていない。
【0006】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、睡眠時において、水素吸入装置で生成された水素を安全、快適かつ効率的に吸入することが持続可能となるアウトレット装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明に係るアウトレット装置は、吸入用の水素を生成し、生成した水素をカニューレから排出する水素吸入装置に接続されるアウトレット装置である。前記アウトレット装置は、ボックス部と、第1管状部と、第2管状部とを備えている。前記ボックス部は、底面が寝具に設置される設置面として形成される。前記第1管状部は、前記ボックス部内に設けられ、前記水素吸入装置からの水素が通過する。前記第2管状部は、前記ボックス部内において、前記第1管状部に対して水素通過方向の下流側に位置し、かつ、前記第1管状部に連続して設けられ、前記第1管状部からの水素を通過させて外部に排出する。前記第2管状部は、水素通過方向の下流側に向かうにつれて上方側に位置するように形成されている。
【0008】
このような構成によれば、アウトレット装置のボックス部は、寝具に設置される。また、ボックス部には、第1管状部及び第2管状部が設けられている。水素吸入装置で生成されて排出された水素は、アウトレット装置の第1管状部に供給され、第2管状部を通過し、上方側に向かうようにして外部に排出される。水素は空気よりも軽いため適度に拡散してユーザに到達する。ユーザは、この水素を吸入する。
【0009】
そのため、ユーザは、睡眠時において、専用の部材を装着することなく、水素を効率良く吸入できる。
【0010】
その結果、睡眠時において、水素吸入装置で生成された水素を安全、快適かつ効率的に吸入することが持続可能となる。
【0011】
(2)また前記第2管状部は、垂直管状部を備えていてもよい。前記垂直管状部は、内径が均一であって、上方に向かって垂直に延びている。
【0012】
このような構成によれば、水素吸入装置から供給された水素は、垂直管状部から上方に向かうようにして外部に排出される。
【0013】
そのため、水素を効率的に拡散させてユーザに到達させることができる。
【0014】
(3)また、前記第2管状部は、傾斜管状部を備えていてもよい。前記傾斜管状部は、内径が均一であって、水素通過方向の下流側に向かうにつれて、上方側かつ水平方向に対して傾斜した状態で延びている。前記傾斜管状部の延びる方向と水平方向とがなす角度は、5~75度である。
【0015】
このような構成によれば、水素吸入装置から供給された水素は、傾斜管状部から上方に向かって斜めに排出される。
【0016】
そのため、ユーザの鼻腔入口に向けて水素を集中的に供給できる。
【0017】
(4)また、前記第2管状部は、拡大管状部を備えていてもよい。前記拡大管状部は、水素通過方向の下流側に向かうにつれて内径が拡がっている。
【0018】
このような構成によれば、水素吸入装置から供給された水素は、拡大管状部から上方に向かって拡散されながら排出される。
【0019】
そのため、広範囲にわたって水素を拡散させることができる。
【0020】
(5)また、前記拡大管状部は、上方に向かって延びていてもよい。前記拡大管状部の内周面と水平方向とがなす角度は、5~75度である。
【0021】
このような構成によれば、拡大管状部から水素を排出させることで、水素を効率的に拡散させることができる。
【0022】
(6)また、前記アウトレット装置は、第3管状部をさらに備えてもよい。前記第3管状部は、前記第2管状部の先端に接続され、前記第2管状部からの水素を通過させて外部に排出させる。前記第3管状部は、蛇腹状に形成されている。
【0023】
このような構成によれば、第3管状部の先端部が向く方向を種々に変更できる。
【0024】
そのため、アウトレット装置からの水素の供給方向を種々に調節できる。
【0025】
(7)また、前記ボックス部は、枕に埋設される枕一体型であってもよい。
【0026】
このような構成によれば、ユーザは、アウトレット装置を気にすることなく眠ることができる。
【0027】
そのため、睡眠時において、水素を快適に吸入することが可能となる。
【0028】
(8)また、前記ボックス部は、枕の表面上に敷くマット型であってもよい。
【0029】
このような構成によれば、ユーザは、アウトレット装置を気にすることなく眠ることができる。そのため、睡眠時において、水素を快適に吸入することが可能となる。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、睡眠時において、水素吸入装置で生成された水素を安全かつ快適に吸入することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本発明の一実施形態に係るアウトレット装置が設置された状態を示した平面図である。
図2】本発明の一実施形態に係るアウトレット装置の他の設置状態を示した平面図である。
図3】本発明の第1実施形態に係るアウトレット装置の構成を示した断面図である。
図4】本発明の第2実施形態に係るアウトレット装置の構成を示した平面図であって、アウトレット装置を枕の幅方向に沿って設置した状態を示している。
図5】本発明の第2実施形態に係るアウトレット装置の構成を示した平面図であって、アウトレット装置を枕の長尺方向に沿って設置した状態を示している。
図6】本発明の第3実施形態に係るアウトレット装置の構成を示した断面図である。
図7】本発明の第4実施形態に係るアウトレット装置の構成を示した断面図である。
図8】本発明の第5実施形態に係るアウトレット装置の構成を示した断面図である。
図9】本発明の第6実施形態に係るアウトレット装置の構成を示した断面図である。
図10】本発明の第7実施形態に係るアウトレット装置の構成を示した断面図であって、ユーザの顎側と頭頂部とを結ぶ方向に沿って見た断面図である。
図11】本発明の第7実施形態に係るアウトレット装置の他の構成を示した断面図であって、ユーザの左右方向に沿って見た断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
<第1実施形態>
1.アウトレット装置の使用形態
図1は、本発明の一実施形態に係るアウトレット装置1が設置された状態を示した平面図である。
【0033】
アウトレット装置1は、水素吸入装置に接続されて用いられる。水素吸入装置は、吸入用の水素を生成し、生成した水素をカニューレ10を介してアウトレット装置1に供給する。なお、図1では、水素吸入装置に関し、水素吸入装置の本体は示されておらず、水素吸入装置のカニューレ10のみを示している。
【0034】
アウトレット装置1は、主に睡眠時において、ユーザに水素を供給する際に用いられる。アウトレット装置1は、寝具に設置される。図1では、アウトレット装置1は、枕40に隣接するように、敷布団上やベッド上(寝具上)に設置される。図1に示す状態では、1対のアウトレット装置1が枕40を挟むようにして、枕40の両脇に設置されている。具体的には、一方のアウトレット装置1は、睡眠時にユーザの顎側が位置する部分である第1部分41(枕40)の一方側(図1における右側)に隣接しており、他方のアウトレット装置1は、第1部分41(枕40)の他方側(図1における左側)に隣接している。
【0035】
各アウトレット装置1は、内部に供給管2を有している。水素吸入装置のカニューレ10の先端部は、各アウトレット装置1の供給管2の一端部に接続される。水素吸入装置から供給された水素は、供給管2の内部を通過し、供給管2の先端部から枕40(ユーザ側)に向けて供給される。このとき、水素は、ユーザに対して顎側から供給される。
【0036】
図2は、アウトレット装置1の他の設置状態を示した平面図である。図2に示すように、一対のアウトレット装置1が、睡眠時にユーザの頭頂部側が位置する部分である第2部分42(枕40)に隣接していてもよい。この場合、水素吸入装置からの水素は、ユーザに対して頭頂部側から供給される。なお、アウトレット装置1は、布団上やマット上だけでなく、枕上(枕上敷)に設置することも可能である。さらには、アウトレット装置1を布団上やマット上に設置し、そのアウトレット装置1の上に枕を敷くようにしてもよい(枕下敷でもよい)。
【0037】
2.アウトレット装置の構成
図3は、アウトレット装置1の構成を示した断面図である。
アウトレット装置1は、上記した供給管2と、ボックス部3とを備えている。
【0038】
ボックス部3は、長尺な箱状に形成されている。ボックス部3の底面31は、設置面となっている。すなわち、アウトレット装置1を寝具上に設置する際には、ボックス部3の底面が寝具上面に接触する。ボックス部3における長尺方向の一方側(図3における右側)の側面が後面33であり、ボックス部3における長尺方向の他方側(図3における左側)の側面が前面32である。
【0039】
ボックス部3内には、供給管2が設けられている。供給管2は、ボックス部3の長尺方向に沿うようにして、ボックス部3内に設けられている。
【0040】
ボックス部3の材料としては、ガラス転移点より低い5~40℃での温度での弾性率が、1~10MPaであるものが好ましく、3~7MPaであるものがより好ましい。
【0041】
ボックス部3の材料としては、特に限定されるものではないが、ウレタンゴム(U)、シリコーンゴム(Q)・熱可塑性エラストマー樹脂、綿、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、低密度ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)樹脂、可塑剤含有軟質塩化ビニル、イソプロピレン、ポリ酢酸ビニル、天然ゴム、ゴムノキ樹脂、ラテックス、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)、ニトリルゴム(NBR)、ポリイソブチレン(ブチルゴムIIR)エチレンプロピレンゴム(EPM,EPDM)、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)、アクリルゴム(ACM)、フッ素ゴム(FKM)、エピクロルヒドリンゴム(CO,ECO)等を挙げることができる。これらは、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0042】
供給管2は、水平管状部21と、垂直管状部22とを備えている。
【0043】
水平管状部21は、均一な内径の管状の部材である。水平管状部21は、ボックス部3の内部に設けられており、ボックス部3の長尺方向に沿うようにして水平方向(図3における左右方向)に延びている。水平管状部21の一端部(図3における右側端部)は、ボックス部3の後面33を貫通して外部に露出している。水平管状部21の他端部(図3における左側端部)は、ボックス部3の前面32に近接している(ボックス部3の前面32の手前に位置している)。水平管状部21が、第1管状部の一例である。
【0044】
垂直管状部22は、均一な内径の管状の部材である。垂直管状部22は、水平管状部21の他端部(図3における左側端部)に連続しており、垂直方向に延びている。垂直管状部22の先端部(図3における上端部)は、ボックス部3の上面34を貫通して外部に露出している。垂直管状部22が、第2管状部の一例である。
【0045】
供給管2の材料としては、特に限定されるものではないが、アルミニウム、ステンレス鉄等が挙げられる。ステンレス鉄としては、特に限定されるものではないが、例えば、18‐8ステンレス鉄を挙げることができる。
【0046】
なお、アウトレット装置1において、ボックス部3内に管状の部材を設けることなく、ボックス部3内に上記した供給管2と同様の流路(穴)を形成することで、水素の供給経路が形成されるものであってもよい。
【0047】
そして、図1に示すように、水素吸入装置のカニューレ10の先端部は、アウトレット装置1の水平管状部21の一端部(図3における右側端部)に接続される。
【0048】
これにより、図3に示すように、水素吸入装置から供給される水素は、水平管状部21を通過した後、垂直管状部22を通過して、アウトレット装置1から排出される。このとき、水素は、アウトレット装置1から上方に向かって供給される。水素は空気よりも軽いため、アウトレット装置1から供給された水素は、適度に上方拡散され、ユーザの鼻腔入口近辺まで到達する。そして、その水素は、ユーザに吸入される。
【0049】
3.作用効果
(1)本実施形態によれば、アウトレット装置1は、図3に示すように、ボックス部3と、水平管状部21と、垂直管状部22とを備えている。
【0050】
水平管状部21は、ボックス部3内に設けられている。垂直管状部22は、ボックス部3内において、水平管状部21に対して水素通過方向の下流側に位置し、かつ、水平管状部21に連続して設けられている。垂直管状部22は、水素通過方向の下流側に向かうにつれて上方側に位置するように形成されている。具体的には、垂直管状部22は、水平管状部21から上方に向かって垂直に延びている。
【0051】
水素吸入装置で生成されて排出された水素は、アウトレット装置の水平管状部21に供給され、垂直管状部22を通過して外部に排出される。水素は空気よりも軽いため、効率的に拡散させられて、ユーザに到達する。ユーザは、この水素を吸入する。
【0052】
そのため、ユーザは、睡眠時において、専用の部材を鼻腔・顔など身体に装着することなく、水素を吸入できる。
【0053】
その結果、睡眠時において、水素吸入装置で生成された水素を安全かつ快適に吸入することが持続可能となる。
【0054】
<第2実施形態>
以下では、アウトレット装置1の他の実施形態について説明する。なお、以下の説明において、第1実施形態と同様の構成については、上記と同一の参照符号を用いることにより説明を省略する。
【0055】
図4は、第2実施形態に係るアウトレット装置5の構成を示した平面図である。図4では、アウトレット装置5を枕の幅方向に沿って設置した状態を示している。アウトレット装置5の詳細な構成は、上記した第1実施形態と同様のものである。
【0056】
第2実施形態では、アウトレット装置5は、枕40との一体型として用いられる。具体的には、アウトレット装置5は、枕40に埋設されている。
【0057】
図4では、1対のアウトレット装置5が、枕40の第1部分41に埋設されている。具体的には、各ボックス部3の前面32が、第1部分41の端縁に向くようして、アウトレット装置5が枕40に埋設されている。
【0058】
また、アウトレット装置5の配置を図5のようにすることも可能である。図5では、アウトレット装置5を枕40の長尺方向に沿って設置した状態を示している。具体的には、図5では、各ボックス部3の前面32が、第1部分41の中央部に向くようして、アウトレット装置5が枕40に埋設されている。
【0059】
このように、アウトレット装置5を枕40に埋設させる一体型として形成することで、ユーザは、アウトレット装置5を気にすることなく眠ることができる。
【0060】
そのため、睡眠時において、水素を快適に効率良く吸入することが可能となる。
【0061】
<第3実施形態>
図6は、本発明の第3実施形態に係るアウトレット装置6の構成を示した断面図である。
【0062】
アウトレット装置6では、第1実施形態の構成に加えて、蛇腹管状部23をさらに備えている。
【0063】
蛇腹管状部23は、蛇腹状に形成される管状の部材である。蛇腹管状部23の材料としては、特に限定されるものではないが、ポリエチレンやポリプロピレン等を挙げることができる。蛇腹管状部23は、専用の加工機によって管状の部材を成型加工することにより形成される。蛇腹管状部23は、垂直管状部22の上端部に連続するように設けられている。蛇腹管状部23が、第3管状部の一例である。
【0064】
このように、蛇腹管状部23は、蛇腹状であるため、その先端部が向く方向を種々に変更(調節)することができる。すなわち、水素を供給する角度(水素供給角度)を種々に調節できる。
【0065】
<第4実施形態>
図7は、本発明の第4実施形態に係るアウトレット装置7の構成を示した断面図である。
【0066】
アウトレット装置7は、第1実施形態の垂直管状部22に代えて、傾斜管状部24を備えている。
【0067】
傾斜管状部24は、均一な内径の管状の部材である。傾斜管状部24は、水平管状部21の他端部(図3における左側端部)に連続しており、先端に向かうにつれて(水素通過方向の下流側に向かうにつれて)、上方側かつ水平方向に対して傾斜した状態で延びている。
【0068】
傾斜管状部24の先端部は、ボックス部3の前面32を貫通にして外部に露出している。なお、図7において2点鎖線で示すように、傾斜管状部24の先端部は、ボックス部3の上面34を貫通にして外部に露出していてもよい。
【0069】
傾斜管状部24の延びる方向と水平方向とがなす角度Aは、好ましくは、5~75度であり、より好ましくは、15~55度である。
【0070】
このように、水平管状部21と連続する部分を傾斜管状部24とすることで、水素吸入装置から供給された水素を、上方に向かって斜めに排出できる。
【0071】
そのため、ユーザに向けて水素を集中的に供給できる。
【0072】
<第5実施形態>
図8は、本発明の第5実施形態に係るアウトレット装置8の構成を示した断面図である。
【0073】
アウトレット装置8は、第1実施形態の垂直管状部22に代えて、拡大管状部25を備えている。
【0074】
拡大管状部25は、先端に向かうにつれて(水素通過方向の下流側に向かうにつれて)内径が拡がる形状を有した管状の部材である。具体的には、拡大管状部25は、上方に向かって拡がる形状を有しており、上方側の内径が大きく、下方側の内径が小さくなるように形成されている。拡大管状部25の下端部は、水平管状部21の他端部(図3における左側端部)に連続している。
【0075】
拡大管状部25の先端部(上端部)は、ボックス部3の上面34を貫通して外部に露出している。
【0076】
拡大管状部25の内周面と水平方向とがなす角度Bは、好ましくは、5~75度であり、より好ましくは、15~55度である。
【0077】
このように、水平管状部21と連続する部分を拡大管状部25とすることで、水素吸入装置から供給された水素を、上方に向かって拡散させながら排出できる。
【0078】
そのため、広範囲にわたって水素を拡散させることができる。
なお、拡大管状部25の延びる方向を水平方向に対して斜めとなるように構成してもよい。
【0079】
<第6実施形態>
図9は、本発明の第6実施形態に係るアウトレット装置9の構成を示した断面図である。
【0080】
アウトレット装置9では、水平管状部21に対して、傾斜管状部26、垂直管状部27及び拡大管状部28が連続している。傾斜管状部26は、図7の傾斜管状部24と同様の構成である。垂直管状部27は、図3の垂直管状部22と同様の構成である。拡大管状部28は、図8の拡大管状部25と同様の構成である。
【0081】
アウトレット装置9では、水平管状部21の中央部に傾斜管状部26及び垂直管状部27が連続しており、水平管状部21の先端部に拡大管状部28が連続している。傾斜管状部26の先端部、垂直管状部27の先端部、及び、拡大管状部28の先端部(上端部)のそれぞれは、ボックス部3の上面34を貫通して外部に露出している。
【0082】
このように、水平管状部21に複数種類の形状の管状部材を連続させることで、水素を効率的にユーザに到達させることができる。
【0083】
<第7実施形態>
図10は、本発明の第7実施形態に係るアウトレット装置11の構成を示した断面図であって、ユーザの顎側と頭頂部とを結ぶ方向に沿って見た断面図である。
【0084】
第7実施形態では、アウトレット装置11は、枕40の表面上(上面)に敷くマット型として用いられる。
【0085】
アウトレット装置11は、第2実施形態(図4及び図5)のアウトレット装置5と比較して、枕40の表面上(上面)に敷かれている(敷設されている)点、及び、ボックス部の大きさが異なっている。
【0086】
図10に示すように、アウトレット装置11のボックス部4は、平面視における大きさが枕40の大きさと同程度(同様)のマット状(マット型)に形成されており、枕40の表面上に敷かれている。ボックス部4の内部には、供給管2が設けられている。供給管2は、ユーザの顎側と頭頂部とを結ぶ方向に沿って設けられている。また、図10では図示しないが、供給管2における水素通過方向下流側端部は、上記実施形態と同様に、水素通過方向の下流側に向かうにつれて上方側に位置するように形成されている。
【0087】
このように、アウトレット装置11を枕40の表面上に敷くマット型とすることで、ユーザは、アウトレット装置11を気にすることなく眠ることができる。そのため、睡眠時において、水素を快適に吸入することが可能となる。
【0088】
なお、図11に示すように、アウトレット装置11において、供給管2をユーザの左右方向に沿って設けてもよい。この場合も、供給管2における水素通過方向下流側端部は、水素通過方向の下流側に向かうにつれて上方側に位置するように形成されている。
【実施例0089】
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
【0090】
1.実施例及び比較例
<実験例1>
上記実施形態で説明したアウトレット装置を、図1に示すように、枕の両脇に設置した。また、そのアウトレット装置に水素吸入装置のカニューレを接続した。水素吸入装置としては、リタエアー(株式会社WCJ製)を用いた。枕としては、縦40cm、横65cm、厚さ9cmの枕を使用した。
【0091】
水素吸入装置では、水素を100~160ml/分で発生させ、水素濃度3%として、ガスの吐出量を5333ml/分としてアウトレット装置に供給した。
【0092】
そして、事前に30分間の安静を保った後に正面仰向けに寝かせた72歳の女性被験者について、1回につき平均445mlの呼吸量(呼吸器生理学の専門用語でいう「1回換気量」)で毎分17回の呼吸数の状態で、枕の上方の領域であって、布団(ベッド)表面から鼻腔入口付近に相当する約17cmの高さの領域の水素ガス濃度を計測した。また、アウトレット装置からの水素の供給角度を種々に変更して計測した。
【0093】
水素ガスの計測装置としては、ガスクロマトグラフ装置(HYDlyzer mBA-31;株式会社タイヨウ製)、又は、接触燃焼式可燃性ガス検知器(XP-3110;新コスモス電機株式会社製)を用いた。いずれの計測装置でも、同等の値を示した。水素ガスの濃度測定は、両者の測定装置の検量線に有意差がなかったので、ガスクロマトグラフ装置2回および可燃性ガス検知器3回の計測値の合計5回実施し、その平均値を測定値として用いた。
【0094】
また、従来品(比較例)として、汎用されている鼻腔差込挿入式カニューレをアウトレット装置が設置される位置と同一の位置に配置し、同様にして水素ガス濃度を計測した。
【0095】
測定結果を表1に示す。
【0096】
なお、表1において、アウトレット装置種別のBは、図6に示すアウトレット装置6(蛇腹管状部23を備えるアウトレット装置)を表し、アウトレット装置種別のCは、図7に示す実線の傾斜管状部24を備えるアウトレット装置7を表し、アウトレット装置種別のDは、図7に示す2点鎖線の傾斜管状部24を備えるアウトレット装置7を表している。
【0097】
また、水素供給角度は、アウトレット装置から供給される水素の供給方向と水平方向とがなす角度(図7の角度A)を表している。
【0098】
【表1】
【0099】
<実験例2>
実験例1と同様の条件で、アウトレット装置を図2に示す位置に設置し、水素ガス濃度を測定した。
【0100】
測定結果を表2に示す。
【0101】
【表2】
【0102】
<実験例3>
実験例1と同様の条件で、アウトレット装置を図4に示す位置に設置し、水素ガス濃度を測定した。
【0103】
測定結果を表3に示す。
【0104】
なお、表3において、アウトレット装置種別のAは、図3に示すアウトレット装置1(垂直管状部22を備えるアウトレット装置)を表し、アウトレット装置種別のEは、図8に示すアウトレット装置8(拡大管状部25を備えるアウトレット装置)を表し、アウトレット装置種別のFは、図9に示すアウトレット装置9(傾斜管状部26、垂直管状部27及び拡大管状部28を備えるアウトレット装置)を表している。
【0105】
また、水素供給角度は、アウトレット装置から供給される水素の供給方向と水平方向とがなす角度(図7の角度A、及び、図8の角度B)を表している。
【0106】
また、設置方法における枕下敷は、枕の下にアウトレット装置を設置した状態を表しており、設置方法における枕上敷は、枕の上にアウトレット装置を設置した状態を表しており、設置方法における枕一体化は、枕にアウトレット装置を埋設した状態(枕一体型のアウトレット装置)を表している。なお、表中において、設置方法が枕上敷となる場合は、マット型(図10)のアウトレット装置を設置した状態を表している。また、この場合、表中のアウトレット装置種別は、供給管の先端部の形状を表している。
【0107】
【表3】
【0108】
<実験例4>
実験例1と同様の条件で、アウトレット装置を図5に示す位置に設置し、水素ガス濃度を測定した。なお、表中において、設置方法が枕上敷となる場合は、マット型(図11)のアウトレット装置を設置した状態を表している。また、この場合、表中のアウトレット装置種別は、供給管の先端部の形状を表している。
【0109】
測定結果を表4に示す。
【0110】
【表4】
【0111】
2.考察
表1~表4から、アウトレット装置を用いて水素を供給した場合には、ユーザの鼻腔入口に相当する位置において顕著に高い水素ガス濃度が測定されることが分かる。一方で、アウトレット装置を用いない従来品(水素ガス吸入装置のカニューレ)を同様の位置に単独で設置した場合には、ユーザの鼻腔入口に相当する位置における水素ガス濃度が低くなることが分かる。
【0112】
また、水素の供給角度が15~55度の場合に、特に水素ガス濃度が高くなる点が認められた。
【符号の説明】
【0113】
1 アウトレット装置
2 供給管
3 ボックス部
5 アウトレット装置
6 アウトレット装置
7 アウトレット装置
8 アウトレット装置
9 アウトレット装置
10 カニューレ
11 アウトレット装置
21 水平管状部
22 垂直管状部
23 蛇腹管状部
24 傾斜管状部
25 拡大管状部
26 傾斜管状部
27 垂直管状部
28 拡大管状部
40 枕
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11