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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022166888
(43)【公開日】2022-11-04
(54)【発明の名称】輸出手配システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/08 20120101AFI20221027BHJP
【FI】
G06Q10/08 302
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021072280
(22)【出願日】2021-04-22
(71)【出願人】
【識別番号】521174004
【氏名又は名称】株式会社RCG
(74)【代理人】
【識別番号】100216677
【弁理士】
【氏名又は名称】坂次 哲也
(72)【発明者】
【氏名】神 大輔
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC51
(57)【要約】      (修正有)
【課題】利用者が商品をコンテナの混載輸送により海外へ輸出する際のコンテナの予約および輸出手配をオンラインで行う輸出手配システムを提供する。
【解決手段】輸出手配システム1において、管理するコンテナの空き状況をコンテナ状況DB23に記録し、コンテナの空き状況を利用者端末3に出力して、利用者からのコンテナの予約の指示を受け付けて、コンテナの予約に係る内容をコンテナ予約DB24に記録する予約処理部11と、利用者から商品の輸出に係る輸出書類の作成に用いられる情報の入力を受け付けて、輸出情報DB26に記録し、利用者からコンテナの予約の指示を受け付けた輸出の手配について、コンテナ予約DB24および輸出情報DB26に記録された内容を含む情報に基づいて輸出書類を生成する輸出処理部12とを有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者によるコンテナでの混載輸送による商品の輸出の手配を支援する輸出手配システムであって、
管理するコンテナの空き状況をコンテナ状況記録部に記録し、前記コンテナの空き状況を利用者端末に出力して、利用者からのコンテナの予約の指示を受け付けて、コンテナの予約に係る内容をコンテナ予約記録部に記録する予約処理部と、
利用者から商品の輸出に係る輸出書類の作成に用いられる情報の入力を受け付けて、輸出情報記録部に記録し、利用者からコンテナの予約の指示を受け付けた輸出の手配について、前記コンテナ予約記録部および前記輸出情報記録部に記録された内容を含む情報に基づいて前記輸出書類を生成する輸出処理部と、を有する、輸出手配システム。
【請求項2】
請求項1に記載の輸出手配システムにおいて、
前記輸出処理部は、各国や各港における輸出に係る規制や制限である輸出条件の情報が登録された輸出条件記録部の内容に基づいて、利用者からコンテナの予約の指示を受け付けた輸出の手配について、輸出の可否を含む制約や制限の有無を判断する、輸出手配システム。
【請求項3】
請求項2に記載の輸出手配システムにおいて、
さらに、各国や各港における輸出に係る規制や制限の情報を記載している輸出情報提供サイトから、所定のタイミングで当該情報を取得し、前記輸出条件記録部に登録する、条件更新部を有する、輸出手配システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品の輸出手配を行う際の技術に関し、特に、コンテナでの混載輸送を取り扱う輸出手配システムに適用して有効な技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
商品等の貨物を海外へ輸出する際、一般的な海上輸送では、いわゆる20フィートコンテナや40フィートコンテナに貨物を積載して輸送するが、貨物量がコンテナ一本に満たない少量の場合、他の荷主の貨物と積み合わせてコンテナをシェアすることで空き容量を有効利用する混載輸送が行われることがある。
【0003】
例えば、少量の商品を輸出したい利用者は、従来は、通関業者や輸送業者等に個別に連絡し、商品の物量や送り先の国、発送時期などを伝えて混載便の予約や輸出の手配を依頼していた。このようなやり取りは主に人手により行われており、利用者が慣れている場合であればよいが、慣れていない利用者には敷居が高かったりスムーズに対応できなかったりという場合もあった。
【0004】
海上輸送の手配やコンテナの取り扱いに関連する技術について、例えば、特開2002-215813号公報(特許文献1)には、海上運送に係る種々の情報をインターネットなどの通信網を介して容易に交換することができ、ユーザがデータベースに書き込みまたは検索して容易に情報を交換することができるとともに、取引も行うことができる海上運送情報交換システムが記載されている。
【0005】
また、例えば、特開2004-178152号公報(特許文献2)には、港湾施設におけるコンテナの搬出または搬入についての予約の申し込みを行う端末から予約を受け付けたとき、コンテナを搬出または搬入する車両の乗員の移動端末に予約に係る作業内容の電子メールを送信することで、予約業務を効率化する仕組みが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002-215813号公報
【特許文献2】特開2004-178152号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
利用者が商品の輸出を手配する場合において、コンテナ一本で輸送するには少量なためコスト高となるような場合は、混載輸送を利用することになるが、混載の場合はコンテナの予約の際に商品の容量との関係でコンテナの空き状況が問題となる。
【0008】
また、輸出先の国や港によっては、例えば、所定の食料品の輸入が禁止されていたり、貨物がカートン(段ボール箱)とパレット(カートンや小型貨物を複数載せて包装したもの)が混在している場合に陸揚げを拒否されたりというように、輸出の可否にも影響し得る様々な法律上の規制や制約などがある場合がある。これにより、例えば、コンテナの予約と輸出の手配はできたが、実際に輸送してみたら陸揚げが認められなかったという事態も生じ得る。このような事態を回避するためには各国や各港の規制等の最新状況を把握しておく必要があるが、これらの規制等は内容が詳細で多岐にわたる場合や、改正や追加・変更等がなされる場合も多い。
【0009】
上述したような従来技術によれば、海上輸送の手配や港湾でのコンテナの取扱いなどについてシステム的にオンラインで対応することが可能となる。しかしながら、これらの従来技術では、コンテナが混載となる場合や、海外への輸出となる場合についての上記のような課題については特に考慮されていない。
【0010】
そこで本発明の目的は、利用者が商品をコンテナの混載輸送により海外へ輸出する際のコンテナの予約および輸出手配をオンラインで行うことを可能とする輸出手配システムを提供することにある。
ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記載および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、以下のとおりである。
【0012】
本発明の代表的な実施の形態である輸出手配システムは、利用者によるコンテナでの混載輸送による商品の輸出の手配を支援する輸出手配システムであって、管理するコンテナの空き状況をコンテナ状況記録部に記録し、前記コンテナの空き状況を利用者端末に出力して、利用者からのコンテナの予約の指示を受け付けて、コンテナの予約に係る内容をコンテナ予約記録部に記録する予約処理部と、利用者から商品の輸出に係る輸出書類の作成に用いられる情報の入力を受け付けて、輸出情報記録部に記録し、利用者からコンテナの予約の指示を受け付けた輸出の手配について、前記コンテナ予約記録部および前記輸出情報記録部に記録された内容を含む情報に基づいて前記輸出書類を生成する輸出処理部と、を有するものである。
【発明の効果】
【0013】
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、以下のとおりである。
【0014】
すなわち、本発明の代表的な実施の形態によれば、利用者が商品をコンテナの混載輸送により海外へ輸出する際のコンテナの予約および輸出手配をオンラインで行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施の形態である輸出手配システムの構成例について概要を示した図である。
図2】本発明の一実施の形態におけるコンテナの空き状況を確認して予約する際の画面の例について概要を示した図である。
図3】本発明の一実施の形態における輸出の手配に必要となる基本情報を入力する際の画面の例について概要を示した図である。
図4】本発明の一実施の形態における輸出の手配に必要となる積載貨物の情報を入力する際の画面の例について概要を示した図である。
図5】本発明の一実施の形態における輸出の手配に必要となる積載貨物の情報を入力する際の画面の例について概要を示した図である。
図6】本発明の一実施の形態におけるコンテナの予約および輸出手配の内容を確認する画面の例について概要を示した図である。
図7】本発明の一実施の形態における輸出手配の処理の流れの例について概要を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一部には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。一方で、ある図において符号を付して説明した部位について、他の図の説明の際に再度の図示はしないが同一の符号を付して言及する場合がある。
【0017】
<概要>
本発明の一実施の形態である輸出手配システムは、商品を輸出しようとする利用者がコンテナの空き状況をオンラインで確認できるようにするとともに、空きがある場合はオンラインでコンテナの予約を可能とし、さらに入力された情報に基づいて輸出書類の作成をすることができる情報処理システムである。また、海外へ輸出する際の輸出先の国や港の規制等の情報について可能な限り最新の情報を取得して保持し、輸出しようとする商品の内容や輸送方法等に基づいて輸出の可否や制約等について事前にチェックすることを可能とする。
【0018】
なお、本実施の形態の輸出手配システムは、例えば、混載輸送に供するものも含めてコンテナを保有している通関業者や輸送業者自身が、自ら保有するコンテナを対象として運用するようなケースや、これらのコンテナ保有者から委託を受けて、もしくは提携等して仲介的に輸出手配を行う事業者が運用するようなケースなどが想定される。
【0019】
<システム構成>
図1は、本発明の一実施の形態である輸出手配システムの構成例について概要を示した図である。本実施の形態の輸出手配システム1は、例えば、PC(Personal Computer)等の情報処理端末や、サーバ機器やクラウドコンピューティングサービス上に構築された仮想サーバ等により構成され、商品を輸出しようとする利用者が使用するPCなどの情報処理端末である利用者端末3がインターネット等のネットワーク2を介して接続する構成を有する。
【0020】
輸出手配システム1は、例えば、図示しないCPU(Central Processing Unit)により、HDD(Hard Disk Drive)等の記録装置からメモリ上に展開したOS(Operating System)やDBMS(DataBase Management System)、Webサーバプログラム等のミドルウェアや、その上で稼働するソフトウェアを実行することで、コンテナによる輸出の手配に係る各種機能を実現する。そして、輸出手配システム1は、例えば、ソフトウェアにより実装された予約処理部11、輸出処理部12、および条件更新部13などの各部を有する。また、データベースやファイル等により実装された利用者マスタデータベース(DB)21、コンテナマスタDB22、コンテナ状況DB23、コンテナ予約DB24、輸出条件DB25、および輸出情報DB26などの各データストアを有する。
【0021】
予約処理部11は、例えば、利用者端末3を介した利用者からのコンテナの予約を受け付ける機能を有する。利用者のアカウント情報は、例えば、利用者マスタDB21に予め登録されているものとする。また、利用者が予約をする際の便宜のため、利用可能なコンテナの状況について照会する機能も有する。輸出手配システム1により予約が可能なコンテナの情報(例えば、コンテナのサイズ等)は、例えば、コンテナマスタDB22に予め登録されている。コンテナマスタDB22に登録されている各コンテナについての予約状況・空き状況については、例えば、コンテナ状況DB23にそれぞれ最新の情報を保持する。利用者から受け付けた予約の内容およびその成立状況等の情報については、例えば、コンテナ予約DB24に保持する。
【0022】
輸出処理部12は、例えば、輸出手配において必要となる輸出書類(インボイスやパッキングリスト)を作成するために必要となる情報について、利用者端末3を介した利用者からの入力を受け付けて輸出情報DB26に記録するとともに、輸出情報DB26に記録された情報や、コンテナ予約DB24に記録された情報、さらにコンテナマスタDB22や利用者マスタDB21に登録された情報などに基づいて、輸出書類を出力する機能を有する。輸出する商品に係るマスタ情報を保持している場合にはこれを参照してもよい。
【0023】
また、輸出処理部12は、入力されたコンテナの予約情報を含む輸出手配に係る情報の内容に基づいて、輸出の可否、すなわち、輸出先の国や港の規制や制限等に抵触するか否かを事前に判定する機能を有する。輸出ができない、もしくは何らかの制約や制限を受ける場合については、予約に際して警告等を通知するようにしてもよいし、予約を確定させずに仮予約とし、一定期間キャンセルを受け付けられるようにしてもよい。輸出先の国や港の規制や制限等の情報については、例えば、輸出条件DB25にそれぞれの国や港の最新の情報を保持する。輸出条件DB25に登録されていない国や港については、例えば、過去の輸出不可の事例を教師データとして学習した図示しないAI(Artificial Intelligence)エンジンにより、規制や制限等がされる可能性を推測・判断してもよい。
【0024】
条件更新部13は、例えば、輸出先の国や港の規制や制限等の情報を、外部の輸出情報提供サイト4から取得して、もしくは輸出手配システム1の管理者等による手動での入力を受け付けて、輸出条件DB25に登録する機能を有する。輸出情報提供サイト4は、各国や各港の規制や制限等の情報を記載しているWebサイトであり、例えば、日本貿易振興機構(JETRO(登録商標))のWebサイト(https://www.jetro.go.jp)などとすることができる。各国の貿易関連のWebサイトを指定するようにしてもよい。条件更新部13は、例えば、これらの輸出情報提供サイト4に対して夜間などのタイミングで定期的にクローリングおよびスクレイピングを行って各国や各港の規制や制限等の情報を取得する。なお、Webサイトのクローリングやスクレイピングの機能については、適当なソフトウェアやツールを適宜使用することができる。また、各国や各港の規制や制限等の情報を取得する手段はクローリングやスクレイピングに限られない。輸出情報提供サイト4がAPI(Application Programming Interface)を有している場合にはAPIを呼び出すことで連携して情報を取得することも可能である。
【0025】
<画面の例>
以下では、利用者がオンラインでコンテナの予約を行って商品の輸出手配を行う際に利用者端末3に表示される画面の例について説明する。図2は、本発明の一実施の形態におけるコンテナの空き状況を確認して予約する際の画面の例について概要を示した図である。ここでは、「コンテナ予約一覧」、「コンテナ状況・予約」および「輸出書類作成」のタブやメニューがある中で「コンテナ状況・予約」のタブやメニューを選択した場合の画面例を示しており、「予約可能コンテナ一覧」欄において、本システムを運用する事業者自身や、これと提携する事業者等が確保しているコンテナのうち、予約が可能なコンテナ、すなわち空きがあるコンテナの情報をコンテナ状況DB23およびコンテナマスタDB22から取得して一覧として表示している状況を示している。
【0026】
一覧では、各コンテナにつき、輸出国の情報や、ETD(Estimated Time of Departure、出発予定日)、ETA(Estimated Time of Arrival、到着予定日)、国内の指定倉庫への納品日、20フィート・40フィートなどのコンテナサイズ、常温・冷蔵・冷凍などのコンテナの温度帯、および現在のコンテナの空き状況(空き容量)などの情報を表示する。利用者が予約を希望するコンテナについて右端の「予約」ボタンを選択することで、当該コンテナによる輸出の手配に必要となる基本情報を入力する画面に遷移する。
【0027】
図3は、本発明の一実施の形態における輸出の手配に必要となる基本情報を入力する際の画面の例について概要を示した図である。ここでは、「コンテナ詳細」欄において、上述した図2の画面例のコンテナの一覧表示から利用者が選択したコンテナ(図3の例では「No.1」の輸出先が「シンガポール」のコンテナ)の情報を表示するとともに、「基本情報入力」欄において、出荷人や荷受人の情報など、輸出の手配に必要となるインボイスやパッキングリストなどの輸出書類の内容に係る基本情報の入力を受け付ける。
【0028】
基本情報には、出荷人や荷受人の住所等の情報に加えて、例えば、貨物の数や重量、容量、貨物の内容、FOB(Free On Board、本船渡し条件)やCIF(Cost, Insurance and Freight、運賃保険料込条件)などの貿易取引条件などが含まれる。当該画面において直接入力するのに替えて、後述する積載貨物の情報を入力する画面において入力された内容を反映させるようにしてもよい。
【0029】
図4および図5は、本発明の一実施の形態における輸出の手配に必要となる積載貨物の情報を入力する際の画面の例について概要を示した図である。これらの画面は、上述の図3の例に示した基本情報入力の画面の後続の画面であり、「積載貨物情報入力」欄において、「コンテナ詳細」欄に表示されたコンテナ、すなわち利用者が予約のために選択したコンテナに積載して輸出する貨物の詳細情報の入力を受け付ける。図5の例に示した「積載貨物情報入力」欄の表は、図4の例に示した同表を右側にスクロールさせたものを示している。
【0030】
積載貨物の情報には、例えば、カートン(段ボール箱)の番号、JAN(Japanese Article Number)コード、貨物の内容、パッケージあたりの重量、カートン内のケース数、カートン数、積載料金(カートンあたり/総額)、積載容積(カートンあたり/合計)、重量(カートンあたり/合計)、原産地、カートンのサイズ(幅、奥行き、高さ)などの情報が含まれる。積載料金の情報や、積載容積の情報は、入力されたカートンの数やサイズの情報に基づいて計算した値を自動的に設定するようにしてもよい。なお、図中の例ではカートン(段ボール箱)により輸出するものとしているが、カートンや小型貨物を複数載せて包装したパレットにより輸出するものであってもよい。この場合、例えば、積載する貨物がカートンかパレットかを利用者に指定させ、積載料金や容積その他の計算等の際にこれを考慮する形で反映させるようにしてもよい。
【0031】
図3図5の画面例から利用者が基本情報や積載貨物情報を入力し、図4図5の画面例の下部の「確認」ボタンを選択すると、指定されたコンテナの予約および輸出手配の内容を確認する画面に遷移する。
【0032】
図6は、本発明の一実施の形態におけるコンテナの予約および輸出手配の内容を確認する画面の例について概要を示した図である。ここでは、「積載貨物情報確認」欄において積載貨物情報の要約を表示し、「積載金額確認」欄において積載金額総額の情報および予約時の最終注意事項などを表示する。利用者が表示内容を確認した上で「予約」ボタンを選択すると、コンテナの予約に係る情報をコンテナ予約DB24に記録するとともに、輸出手配に係る情報を輸出情報DB26に記録する。このとき、輸出処理部12により、輸出条件DB25に登録されている各国や各港の輸出条件に基づいて、輸出が可能か否か、すなわち、輸出先の国や港の規制や制限等に抵触するか否かを事前に判定する。
【0033】
<処理の流れ>
図7は、本発明の一実施の形態における輸出手配の処理の流れの例について概要を示したフローチャートである。輸出手配処理を開始すると、まず、予約処理部11により、予約可能なコンテナをコンテナ状況DB23から抽出してその内容を図2の例に示したような一覧表示等の画面により利用者端末3に表示する(S01)。そして、利用者から予約対象のコンテナの選択を受け付けると(S02)、図3の例に示したような画面により輸出手配のための基本情報の入力を受け付け(S03)、さらに図4図5の例に示したような画面により積載貨物の情報の入力を受け付ける(S04)。
【0034】
積載貨物の情報が入力されると、その内容に基づいて積載容量や積載料金を計算して基本情報および積載貨物の情報に反映させる(S05)。計算した積載容量が、ステップS02で選択されたコンテナの空き容量より小さいか否かを判定し(S06)、小さくない場合(ステップS06でNo)は、コンテナの空き容量不足により予約不可であるとして、ステップS02に戻り、予約するコンテナの選択から改めて処理を行う。
【0035】
なお、コンテナの空き容量につき、例えば、実際の空き容量の80%を利用可能な空き容量の上限とするなど、余裕を持たせるようにしてもよい。特に、積載する貨物がカートンではなくパレットの場合は、パレットを重ねて積載することができないことから、積載したパレットの上部は貨物を積載できないデッドスペースとなることを考慮して利用可能な空き容量の上限を設定するようにしてもよい。
【0036】
一方、計算した積載容量がコンテナの空き容量より小さい場合(ステップS06でYes)は、図6の例に示したような確認画面により利用者から予約の指示がされたか否かを判定し(S07)、予約の指示がされない場合(ステップS07でNo)は、対象のコンテナに対する予約を行わないものとして、ステップS02に戻り、予約するコンテナの選択から改めて処理を行う(もしくは輸出手配処理を終了してもよい)。
【0037】
予約の指示がされた場合(ステップS07でYes)は、入力されたコンテナの予約を含む輸出手配の内容に基づいて、コンテナ状況DB23やコンテナ予約DB24、および輸出情報DB26に仮予約として登録する(S08)。仮予約により、対象のコンテナについては積載容量分の空き容量を引当済みとして、他の利用者が予約できないようにしてもよい。
【0038】
そして、輸出処理部12により、輸出が可能か否か、すなわち、輸出先の国や港の規制や制限等に抵触するか否かを判定する(S09)。規制や制限等に該当せず、輸出が可能な場合(ステップS09でYes)は、仮予約として登録されているコンテナの予約を含む輸出手配の内容を本予約とし(S10)、利用者からの指示に応じて、登録されている本予約の内容(コンテナ予約DB24および輸出情報DB26の内容)に基づいて、インボイスやパッキングリストなどの輸出書類を出力して(S11)、輸出手配処理を終了する。
【0039】
一方、輸出先の国や港の規制や制限等に抵触し、輸出ができない、もしくは輸出に際して何らかの制限や制約がある場合(ステップS09でNo)は、仮予約として登録されているコンテナの予約を含む輸出手配の内容について、一定期間(例えば、1週間等)キャンセルを受け付ける(S12)。仮予約により積載容量分の空き容量が引当済みとなったコンテナについて、キャンセルを許容すると処理や対応が煩雑となるため、このように、原則としてキャンセルはできないものとしつつ、一定期間に限りキャンセルを可能とするようにしてもよい。キャンセルがされた場合(ステップS13でYes)は、仮予約をキャンセルして(S14)、輸出手配処理を終了する。キャンセルがされなかった場合(ステップS13でNo)は、ステップS10に進んで仮予約を本予約とする(S10)。
【0040】
なお、上記の例では、いったん仮予約として登録した上で(ステップS08)、輸出可否を判断し(ステップS09)、輸出不可等の場合は一定期間キャンセルを受け付ける(ステップS12)ものとしているが、仮予約という形をとらずに、その時点で予約の成立・不成立を決定するようにしてもよい。すなわち、予約の指示があった時点(ステップS07でYes)で輸出可否を判断し、輸出不可等と判断された場合には利用者端末3に警告を通知して予約を進めるか否かを利用者に判断させる、もしくは予約不成立とする一方で、輸出可能な場合にはそのまま本予約として確定させるようにしてもよい。
【0041】
以上に説明したように、本発明の一実施の形態である輸出手配システム1によれば、商品を輸出しようとする利用者がコンテナの空き状況をオンラインで確認できるとともに、空きがある場合はオンラインでコンテナを予約することが可能となり、さらに入力された情報に基づいて輸出書類の作成が可能となる。また、海外へ輸出する際の各国や各港の規制等の情報について可能な限り最新の情報を取得して保持し、輸出しようとする商品の内容や輸送方法等に基づいて輸出の可否や制約等について事前にチェックすることが可能となる。
【0042】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。また、上記の実施の形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、上記の実施の形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【0043】
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部または全部を、例えば、集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリやハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、またはICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
【0044】
また、上記の各図において、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、必ずしも実装上の全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際にはほとんど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明はコンテナでの混載輸送を取り扱う輸出手配システムに利用可能である。
【符号の説明】
【0046】
1…輸出手配システム、2…ネットワーク、3…利用者端末、4…輸出情報提供サイト、
11…予約処理部、12…輸出処理部、13…条件更新部、
21…利用者マスタDB、22…コンテナマスタDB、23…コンテナ状況DB、24…コンテナ予約DB、25…輸出条件DB、26…輸出情報DB
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7