(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022166958
(43)【公開日】2022-11-04
(54)【発明の名称】二剤混合容器
(51)【国際特許分類】
B65D 81/32 20060101AFI20221027BHJP
【FI】
B65D81/32 T
B65D81/32 Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021072416
(22)【出願日】2021-04-22
(71)【出願人】
【識別番号】391048500
【氏名又は名称】大扇産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100119725
【弁理士】
【氏名又は名称】辻本 希世士
(74)【代理人】
【識別番号】100168790
【弁理士】
【氏名又は名称】丸山 英之
(72)【発明者】
【氏名】合田 昭男
【テーマコード(参考)】
3E013
【Fターム(参考)】
3E013AC11
3E013AD33
3E013AD36
3E013AE02
3E013AF16
3E013AF17
3E013AF23
3E013BA10
(57)【要約】
【課題】各部材が別々に分離した状態ではなく一体化した状態とし、第一剤Aと第二剤Bとを簡単に混合することができる二剤混合容器を提供する。
【解決手段】容器本体1と中栓体2と外蓋体3と内蓋体4とを一体に組み合わせたものとし、前記容器本体1内には第一剤Aを収容したものとし、前記中栓体2は、開口部材5によって底部を開口自在としており、この中栓体2内には第二剤Bを収容したものとし、前記外蓋体3は、側壁の上部の内周に上内ネジ部35を形成したものとし、前記内蓋体4は、側壁の外周に前記外蓋体3の上内ネジ部35と螺合可能した外ネジ部43を形成したものとし、前記内蓋体4を捩じ込むと、この内蓋体4が上昇位置にあり、前記内蓋体4を緩めると、この内蓋体4が下降するようにし、下降時には前記開口部材5によって前記中栓体2の底部が開口されるようにした。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器本体と中栓体と外蓋体と内蓋体とを備え、容器本体内に中栓体を収容し、上端開口部に上下動自在として内蓋体を捩じ込んだ外蓋体を、容器本体の開口部に止着して、これらを一体に組み合わせたものとし、
前記容器本体内には第一剤を収容したものとし、
前記中栓体は、開口部材によって底部を開口自在としており、この中栓体内には第二剤を収容したものとし、
前記外蓋体は、側壁の上部の内周に上内ネジ部を形成したものとし、
前記内蓋体は、側壁の外周に前記外蓋体の上内ネジ部と螺合可能した外ネジ部を形成したものとし、
前記内蓋体を捩じ込むと、この内蓋体が上昇位置にあり、前記内蓋体を緩めると、この内蓋体が下降するようにし、下降時には前記開口部材によって前記中栓体の底部が開口されるようにしたことを特徴とする二剤混合容器。
【請求項2】
前記開口部材は、長筒体状または棒状に形成され、太くした下端の周囲を薄肉部を介して前記中栓体2の底部から立ち上げて、前記内蓋体の天面、またはこの天面から垂下した押圧部材に当接するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の二剤混合容器。
【請求項3】
前記開口部材は、長筒体状または棒状に形成され、太くした下端を前記中栓体の底部に形成した開口に圧入し、この中栓体の底部から立ち上げて、前記内蓋体の天面、またはこの天面から垂下した押圧部材に当接するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の二剤混合容器。
【請求項4】
前記開口部材は、円盤状とした周囲を薄肉部を介して前記中栓体の底部に取り付け、前記内蓋体の天面から垂下した押圧部材に当接するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の二剤混合容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉粒剤と液剤、または液剤と液剤とを収容しておき、使用時に両者を混合するのに適した二剤混合容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の二剤混合容器としては、例えば
図10に示したように、粉粒剤Fとしての酸性組成物を収容した密閉袋51と、液剤Lとしての亜塩素酸塩水溶液を収容し、密閉蓋52を被せた容器本体53と、二酸化塩素ガスの放出口54を有したガス放出用蓋55とを備えたものが存在する(非特許文献1)。
【0003】
前記二剤混合容器を使用するには、
図11に示したように、容器本体53の密閉蓋52を外すと共に密閉袋51の封を切り、この密閉袋51内の酸性組成物を容器本体53の口部から注ぎ込んで、容器本体53内の亜塩素酸塩水溶液と反応させて二酸化塩素ガスを発生させ、
図12に示したように、容器本体53にガス放出用蓋55を被せ、このガス放出用蓋55の放出口54から二酸化塩素ガスを放出するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【非特許文献1】クレベリン置き型/製品情報/大幸薬品株式会社、〔令和3年3月19日検索〕、インターネット<https://www.seirogan.co.jp/products/eisei/cleverin_okigata.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記非特許文献1に記載された二剤混合容器では、密閉袋51と容器本体53とガス放出用蓋55とが別々に分離した状態となっており、嵩張ったりするので、保管や輸送するのに不便であるという課題を有していた。
【0006】
さらに、前記非特許文献1に記載された二剤混合容器では、容器本体53の密閉蓋52を外したときに、不用意等によって容器本体53を倒してしまったりすると、容器本体53内の亜塩素酸塩水溶液が零れ出てしまうという課題を有していた。
【0007】
また、前記非特許文献1に記載された二剤混合容器では、密閉袋51内の酸性組成物と容器本体53内の亜塩素酸塩水溶液と反応させるには、容器本体53の密閉蓋52を外すと共に密閉袋51の封を切り、この密閉袋51内の酸性組成物を容器本体53の口部から内部に注ぎ込むという面倒な操作が必要であり、さらに酸性組成物を容器本体53内に注ぎ込む場合に、上手く注ぎ込むことができず、容器本体53の口部から零れ落ちてしまうことがあるなどして、粉粒剤と液剤とを簡単に混合することができないという課題を有していた。
【0008】
そこで、本発明は、従来の課題を解決するものであり、各部材が別々に分離した状態ではなく一体化した状態とし、粉粒剤と液剤、または液剤と液剤との二剤を簡単に混合することができる二剤混合容器を提供することを目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の二剤混合容器は、容器本体1と中栓体2と外蓋体3と内蓋体4とを備え、容器本体1内に中栓体2を収容し、上端開口部に上下動自在として内蓋体4を捩じ込んだ外蓋体3を、容器本体1の開口部に止着して、これらを一体に組み合わせたものとしている。前記容器本体1内には第一剤Aを収容したものとしている。前記中栓体2は、開口部材5によって底部を開口自在としており、この中栓体2内には第二剤Bを収容したものとしている。前記外蓋体3は、側壁の上部の内周に上内ネジ部35を形成したものとしている。前記内蓋体4は、側壁の外周に前記外蓋体3の上内ネジ部35と螺合可能した外ネジ部43を形成したものとしている。そして、前記内蓋体4を捩じ込むと、この内蓋体4が上昇位置にあり、前記内蓋体4を緩めると、この内蓋体4が下降するようにし、下降時には前記開口部材5によって前記中栓体2の底部が開口されるようにしている。
【0010】
さらに、本発明の二剤混合容器において、前記開口部材5は、長筒体状または棒状に形成され、太くした下端の周囲を薄肉部tを介して前記中栓体2の底部から立ち上げて、前記内蓋体4の天面42、またはこの天面42から垂下した押圧部材6に当接するようにしたものとしている。
【0011】
また、本発明の二剤混合容器において、前記開口部材5は、長筒体状または棒状に形成され、太くした下端を前記中栓体2の底部に形成した開口25に圧入し、この中栓体2の底部から立ち上げて、前記内蓋体4の天面42、またはこの天面42から垂下した押圧部材6に当接するようにしたものとしている。
【0012】
また、本発明の二剤混合容器において、前記開口部材5は、円盤状とした周囲を薄肉部tを介して前記中栓体2の底部に取り付け、前記内蓋体4の天面42から垂下した押圧部材6に当接するようにしたものとしている。
【発明の効果】
【0013】
本発明の二剤混合容器は、各部材が別々に分離した状態ではなく一体に組み合わせたものとしているので、嵩張ったりせず、保管や輸送するのに便利なものとなる。
【0014】
さらに、本発明の二剤混合容器は、外蓋体3に捩じ込んだ内蓋体4を緩めるという簡単な操作だけで、容器本体1に収容した第一剤Aと中栓体2に収容した第二剤Bとを簡単に混合することができるものとなり、非常に使用し易いものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の二剤混合容器の一実施形態を示す正面図である。
【
図2】
図1に示す本発明の二剤混合容器の断面図である。
【
図3】
図1に示す本発明の二剤混合容器から外蓋体と内蓋体を外した状態を示す断面図である。
【
図4】本発明の二剤混合容器の内蓋体を緩めた状態を示す正面図である。
【
図5】
図4に示す本発明の二剤混合容器の断面図である。
【
図6】
図5中の四角枠で囲んだ部分の拡大断面図である。
【
図7】本発明の二剤混合容器の他の実施形態を示す断面図である。
【
図8】本発明の二剤混合容器のさらに他の実施形態を示す断面図である。
【
図9】本発明の二剤混合容器のさらに他の実施形態を示す断面図である。
【
図10】従来の二剤混合容器の一例を示す説明図である。
【
図11】
図10に示す従来の二剤混合容器の密閉蓋を外して粉粒剤を注ぎ込んでいる状態の説明図である。
【
図12】
図11に示す粉粒剤を注ぎ込んだ従来の二剤混合容器にガス放出蓋を付けた状態の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の二剤混合容器を実施するための形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
【0017】
本発明の二剤混合容器は、
図1、2に示したように、容器本体1と中栓体2と外蓋体3と内蓋体4とを備え、容器本体1内に中栓体2を収容し、上端開口部に上下動自在として内蓋体4を捩じ込んだ外蓋体3を、容器本体1の開口部に止着して、これらを一体に組み合わせたものとしている。
【0018】
前記容器本体1は、合成樹脂で作成された有底の円筒体としており、
図2、3に示したように、開口部に外ネジ部11を形成し、後に述べる外蓋体3の側壁の内周に形成した下内ネジ部34を捩じ込んでこの外蓋体3を止着したものとしている。そして、この容器本体1内には、後に述べる第一剤Aを収容している。なお、前記容器本体1に外ネジ部11を形成せず、後に述べる外蓋体3にも内ネジ部34を形成することなく、容器本体1に外蓋体3を無理嵌めするなどして、容器本体1に外蓋体3を止着したものとしてもよい。
【0019】
前記中栓体2は、合成樹脂で作成されており、
図2、3に示したように、円筒体21の下端に倒立円錐筒体22を連結したものとしており、円筒体21の上端部に外フランジ23が形成されており、この外フランジ23を前記容器本体1の開口端に係止させることにより、容器本体1内に落ち込まないようにして、この容器本体1内に収容している。さらに、この中栓体2の外フランジ23と後に述べる外蓋体3の段部33との間にパッキンPが挟み込まれている。また、前記中栓体2は、後に述べる開口部材5によって、底部を開口自在としており、倒立円錐筒体22内に後に述べる第二剤Bを収容している。この第二剤Bは、開口部材5の周囲を取り巻くようにして、倒立円錐筒体22内に収容されている。なお、前記中栓体2の円筒体21の側壁の内周には、後に述べる内蓋体4を緩め過ぎて外蓋体3との螺合が外れないように、この内蓋体4が係止され、容器本体1内に落下しないようにした係止突起24を設けたものとしている。
【0020】
前記外蓋体3は、合成樹脂で作成されており、
図2、3に示したように、下円筒体31の上部に、この下円筒体31よりも径が小さい上円筒体32を段部33を介して連結したものとしている。下円筒体31の側壁の内周には前記下内ネジ部34を形成したものとしており、前記容器本体1の外ネジ部11に捩じ込んでこの容器本体1に止着したものとしている。なお、先に述べたように、前記外蓋体3を容器本体1に無理嵌めするなどして、外蓋体3を容器本体1に止着したものとしてもよい。上円筒体32の側壁の内周には後に述べる内蓋体4の側壁の外周に形成した外ネジ43と螺合可能とした上内ネジ部35を形成したものとし、この外蓋体3の上端開口部に上下動自在として前記内蓋体4を捩じ込んだり、緩めたりするものとしている。さらに、前記上内ネジ部35には、ネジ突条の一部を切り取って、後に述べる内蓋体4に形成したガス抜き通路7に連通する通気溝(図示せず)を形成している。
【0021】
前記内蓋体4は、合成樹脂で作成されており、
図2、3に示したように、円筒体41の上端に天面42を有し、この天面42から垂下するようにして、前記中栓体2に設けた開口部材5に当接して、この開口部材5を押し下げる押圧部材6を設けている。なお、前記押圧部材6は、必要に応じて設ければよく、この押圧部材6を設けることなく、前記内蓋体4の天面42に開口部材5が直接当たるようにして、この開口部材5を押し下げるようにしてもよい。円筒体41の側壁の略上半部の外周には、前記ガス抜き通路7が形成されている。円筒体41の側壁の略下半部の外周には、前記外蓋体3の内ネジ部35と螺合可能とした外ネジ部43を形成したものとしている。そして、
図1、2に示したように、円筒体41を捩じ込み方向に回して内蓋体4を捩じ込むと、この内蓋体4が上昇位置にあり、
図4、5に示したように、円筒体41を緩め方向に回して内蓋体4を緩めると、この内蓋体4が下降するようにしており、下降時には前記開口部材5によって前記中栓体2の底部が開口されるようにしている。さらに、前記内蓋体4の円筒体41の下端に外フランジ44を形成し、この外フランジ44と前記外蓋体3の段部33との間に前記パッキンPが挟み込まれている。なお、このパッキンPは、ニトリルゴム、フッ素ゴム、フッ素樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレン樹脂などの耐薬品性や耐老化性等に優れた材料からなるものが選択され、円形のリング状体としている。
【0022】
前記開口部材5は、
図1~6に示したものでは、長筒体状または棒状に形成され、太くした下端の周囲を薄肉部tを介して前記中栓体2の倒立円錐筒体22の底部から立ち上げて、前記内蓋体4の押圧部材6に当接するようにしたものとしているが、
図7に示したように、長筒体状または棒状に形成され、太くした下端を前記中栓体2の倒立円錐筒体22の底部に形成した開口25に圧入し、この底部から立ち上げて、前記内蓋体4の押圧部材6に当接するようにしたものとしてもよい。さらに、前記開口部材5は、
図8に示したように、長筒体状または棒状に形成され、太くした下端の周囲を薄肉部tを介するなどして前記中栓体2の倒立円錐筒体22の底部から立ち上げて、前記内蓋体4の天面42に当接するようにしたものとしてもよい。また、前記開口部材5は、図示していないが、長筒体状または棒状に形成され、太くした下端を前記中栓体2の倒立円錐筒体22の底部に形成した開口25に圧入し、この底部から立ち上げて、前記内蓋体4の天面42に当接するようにしたものとしてもよい。さらに、
図9に示したように、円盤状とした周囲を薄肉部tを介して前記中栓体2の倒立円錐筒体22の底部に取り付け、前記内蓋体4の押圧部材6に当接するようにしたものとすることができる。
【0023】
前記押圧部材6は、
図1~6に示したものでは、前記開口部材5より太い棒状に形成されており、下端に挿入穴61を形成しており、前記開口部材5を押し下げるとき、この挿入穴61に開口部材5の上端が入り込んで位置ずれしないようにしている。なお、前記押圧部材6は、先に述べたように、必要に応じて設ければよく、前記開口部材5を
図8に示したようなものにした場合には不要である。また、前記押圧部材6は、
図9に示したものでは、前記開口部材5の円盤と同径の丸棒状に形成しているが、この円盤より小径の丸棒状に形成したものとしてもよい。
【0024】
前記ガス抜き通路7は、前記内蓋体4が下降すると、前記外蓋体3の上内ネジ部35に形成した通気溝(図示せず)に連通するようにしており、図示したように前記内蓋体4の側壁の略上半部の外周に多数形成した略V字状の縦溝のような、上方に向かって徐々に広くなるような形状にするのが好ましい。このように前記ガス抜き通路7を上方に向かって徐々に広くなるような形状にすると、前記内蓋体4の下降の度合いによってガス抜き通路7の幅が変わるので、ガス抜き通路7から容器外に放出されるガス体の放出量を調節することができる。
【0025】
なお、本発明の二剤混合容器を二酸化塩素ガスを発生させるものとする場合には、前記第一剤Aを亜塩素酸塩水溶液の液剤とし、前記第二剤Bを酸性組成物の粉粒剤としているが、殺虫成分、消臭成分、芳香成分などを発生させるものとしたり、単に二剤を混合させるものとすることもでき、このような場合には前記第一剤Aと第二剤Bをこれらに応じた液剤や粉粒剤にするのは言うまでもない。
【0026】
本発明の二剤混合容器は、以上に述べたように構成されているので、次のようにして使用される。
【0027】
先ず、本発明の二剤混合容器は、
図1、2に示した状態では、内蓋体4を捩じ込んだ外蓋体3を容器本体1の開口部に捩じ込んで止着しており、中栓体2の外フランジ23と外蓋体3の段部33との間、および内蓋体4の外フランジ44と外蓋体3の段部33との間にパッキンPが挟み込まれているので、容器本体1内は密閉されている。したがって、本発明の二剤混合容器は、保管や輸送中に容器本体1が傾いたり倒れたりしても、第一剤Aや第二剤Bが零れたり漏れ出るようなことはない。
【0028】
そこで、
図1、2に示した状態から、前記外蓋体3に捩じ込んだ内蓋体4を、手指で緩め方向に回して徐々に緩めていく。すると、
図4に示したように、前記内蓋体4が下降するので、この内蓋体4の押圧部材6も下降し、この押圧部材6に当接している中栓体2の開口部材5も下降することになる。
【0029】
そして、前記開口部材5が下降すると、開口部材5の太くした下端周囲の薄肉部tが破断され、この開口断部材5が中栓体2の底部から離れて、
図5に示したように、容器本体1の液剤とした第一剤Aの中に落ち込む。なお、
図7に示した二剤混合容器では、この
図7に示した状態から、前記開口部材5が下降すると、開口部材5の太くした下端が中栓体2の底部に形成した開口25から抜け、
図5に示したものと同様に容器本体1の液剤とした第一剤Aの中に落ち込む。さらに、
図8に示した二剤混合容器では、この
図8に示した状態から、前記開口部材5が下降すると、開口部材5の太くした下端周囲の薄肉部tが破断され、この開口断部材5が中栓体2の底部から離れて、
図5に示したものと同様に容器本体1の液剤とした第一剤Aの中に落ち込む。
図9に示した二剤混合容器では、この
図9に示した状態から、前記開口部材5が下降すると、中栓体2の底部との薄肉部tが破断され、図示していないが容器本体1の液剤とした第一剤Aの中に落ち込む。
【0030】
前記開口部材5が容器本体1の第一剤Aの中に落ち込むと、中栓体2の底部に穴が開き、この穴から中栓体2に収容された粉粒剤とした第二剤Bも容器本体1の液剤とした第一剤Aの中に落ち込み、第一剤Aと第二剤Bとが混合する。この場合、粉粒剤とした第二剤Bは、前記中栓体2の倒立円錐筒体22がロート状になっているので、一度にではなく徐々に容器本体1の液剤とした第一剤Aの中に落ち込み、粉粒剤が液剤に徐々に溶け込んでいくので、混合し易いものとなる。
【0031】
また、本発明の二剤混合容器では、前記内蓋体4が下降すると、内蓋体4の外フランジ44がパッキンPから離れ、この外フランジ44とパッキンPの間に隙間Sが生じ、この隙間Sが外蓋体3に形成した通気溝(図示せず)に連通する。さらに、前記内蓋体4の下降によって、この内蓋体4に形成されたガス抜き通路7も下降して、このガス抜き通路7が前記外蓋体3に形成した通気溝に連通することになる。したがって、前記隙間Sとガス抜き通路7が連通されることになり、第一剤Aと第二剤Bが混合してガスが発生するような場合は、このガスはガス抜き通路7から容器外に放出されることになる。
【0032】
本発明の二剤混合容器は、以上に述べたように構成されており、先にも述べたように各部材が別々に分離した状態ではなく一体に組み合わせたものとしているので、嵩張ったりすることはない。
【0033】
さらに、本発明の二剤混合容器は、外蓋体3に捩じ込んだ内蓋体4を緩めるという簡単な操作だけで、容器本体1に収容した第一剤Aと中栓体2に収容した第二剤Bとを簡単に混合することができるものとなる。
【符号の説明】
【0034】
1 容器本体
2 中栓体
3 外蓋体
4 内蓋体
5 開口部材
6 押圧部材
25 開口
35 上内ネジ部
42 天面
43 外ネジ部
A 第一剤
B 第二剤
t 薄肉部