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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022167015
(43)【公開日】2022-11-04
(54)【発明の名称】部品実装装置
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/04 20060101AFI20221027BHJP
【FI】
H05K13/04 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021072499
(22)【出願日】2021-04-22
(71)【出願人】
【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(72)【発明者】
【氏名】加藤 寛
【テーマコード(参考)】
5E353
【Fターム(参考)】
5E353EE02
5E353JJ01
5E353JJ44
5E353JJ52
5E353JJ56
5E353JJ60
5E353KK01
5E353KK11
5E353KK21
5E353QQ12
(57)【要約】
【課題】吸着ノズルを撮像して吸着位置を補正する場合に、吸着位置の補正を精度よく行うことが可能な部品実装装置を提供する。
【解決手段】この部品実装装置100は、部品Eを吸着する吸着ノズル31aを含み、基板Pに部品Eを実装する実装ヘッド31と、吸着ノズル31aを撮像する部品撮像部5と、部品撮像部5による吸着ノズル31aの撮像結果に基づいて、吸着ノズル31aによる吸着位置を補正する制御部7と、を備え、制御部7は、撮像対象の吸着ノズル31aの情報に基づいて、部品撮像部5により吸着ノズル31aを撮像する際のノズル撮像条件を変更するように構成されている。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品を吸着する吸着ノズルを含み、基板に前記部品を実装する実装ヘッドと、
前記吸着ノズルを撮像する撮像部と、
前記撮像部による前記吸着ノズルの撮像結果に基づいて、前記吸着ノズルによる吸着位置を補正する制御部と、を備え、
前記制御部は、撮像対象の前記吸着ノズルの情報に基づいて、前記撮像部により前記吸着ノズルを撮像する際のノズル撮像条件を変更するように構成されている、部品実装装置。
【請求項2】
前記ノズル撮像条件は、前記撮像部の感度の条件、前記撮像部の露光時間の条件、照明の明るさの条件、照明の種類の条件、および、解像度補正に対応する撮像の条件のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の部品実装装置。
【請求項3】
前記ノズル撮像条件は、前記撮像部の感度の条件、前記撮像部の露光時間の条件、前記照明の明るさの条件、前記照明の種類の条件、および、前記解像度補正に対応する撮像の条件のうちの複数の条件の組み合わせによって構成されている、請求項2に記載の部品実装装置。
【請求項4】
前記制御部は、撮像対象の前記吸着ノズルの種類の情報に基づいて、前記ノズル撮像条件を変更するように構成されている、請求項1~3のいずれか1項に記載の部品実装装置。
【請求項5】
前記制御部は、撮像対象の前記吸着ノズルの先端の形状の情報、撮像対象の前記吸着ノズルの先端の材質の情報、および、撮像対象の前記吸着ノズルの先端のサイズの情報のうちの少なくとも1つに基づいて、前記ノズル撮像条件を変更するように構成されている、請求項1~3のいずれか1項に記載の部品実装装置。
【請求項6】
前記制御部は、撮像対象の前記吸着ノズルの先端の形状の情報、撮像対象の前記吸着ノズルの先端の材質の情報、および、撮像対象の前記吸着ノズルの先端のサイズの情報のうちの少なくとも2つに基づいて、互いに異なる複数の前記ノズル撮像条件を取得した場合、ルールに従っていずれの前記ノズル撮像条件を採用するかを決定するように構成されている、請求項5に記載の部品実装装置。
【請求項7】
前記ノズル撮像条件は、少なくとも撮像の補正の有無の条件を含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の部品実装装置。
【請求項8】
前記ノズル撮像条件は、撮像の補正の有無の条件だけでなく、撮像の補正の強弱レベルの条件も含む、請求項7に記載の部品実装装置。
【請求項9】
前記撮像部は、前記吸着ノズルだけでなく、前記部品を撮像するように構成されており、
前記制御部は、前記ノズル撮像条件による前記吸着ノズルの撮像が完了した場合、前記ノズル撮像条件を、前記部品を撮像する部品撮像条件に変更するように構成されている、請求項1~8のいずれか1項に記載の部品実装装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、部品実装装置に関し、特に、吸着ノズルを備える部品実装装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、吸着ノズルを備える部品実装装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、吸着ノズルを含み、基板に電子部品を実装する移載ヘッドと、移載ヘッドの吸着ノズルを撮像するカメラとを備える電子部品の実装装置が開示されている。この電子部品の実装装置では、カメラによって吸着ノズルが撮像されることにより、吸着ノズルの先端部の位置ずれの補正(すなわち、吸着位置の補正)が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3726585号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載された電子部品の実装装置のように、吸着ノズルを撮像して吸着位置を補正する場合、吸着ノズルは、撮像結果において暗くなるように(映らないように)、材質が選択されたり、表面処理が行われたりされているため、撮像結果に基づいて吸着ノズルを精度よく認識することが困難な場合がある。この場合、吸着位置の補正を精度よく行うことが困難であるという問題点がある。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、吸着ノズルを撮像して吸着位置を補正する場合に、吸着位置の補正を精度よく行うことが可能な部品実装装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の一の局面による部品実装装置は、部品を吸着する吸着ノズルを含み、基板に部品を実装する実装ヘッドと、吸着ノズルを撮像する撮像部と、撮像部による吸着ノズルの撮像結果に基づいて、吸着ノズルによる吸着位置を補正する制御部と、を備え、制御部は、撮像対象の吸着ノズルの情報に基づいて、撮像部により吸着ノズルを撮像する際のノズル撮像条件を変更するように構成されている。
【0008】
この発明の一の局面による部品実装装置では、上記のように、制御部を、撮像対象の吸着ノズルの情報に基づいて、撮像部により吸着ノズルを撮像する際のノズル撮像条件を変更するように構成する。これにより、撮像対象の吸着ノズルに適したノズル撮像条件で吸着ノズルを撮像することができるので、固定された撮像条件では、吸着ノズルが、撮像結果において暗くなるように(映らないように)、材質が選択されたり、表面処理が行われたりされていたとしても、認識に適した吸着ノズルの撮像結果を得ることができる。その結果、撮像結果に基づいて吸着ノズルを精度よく認識することができるので、吸着ノズルを撮像して吸着位置を補正する場合に、吸着位置の補正を精度よく行うことができる。また、単に撮像条件を変更するだけで、吸着ノズルを精度よく認識することができるので、撮像部の仕様を変更する(仕様の異なる撮像部に交換する)必要がない。これにより、仕様の異なる撮像部に交換することなく、吸着位置の補正を精度よく行うことができる。
【0009】
上記一の局面による部品実装装置において、好ましくは、ノズル撮像条件は、撮像部の感度の条件、撮像部の露光時間の条件、照明の明るさの条件、照明の種類の条件、および、解像度補正に対応する撮像の条件のうちの少なくとも1つを含む。このように構成すれば、撮像部の感度の条件、撮像部の露光時間の条件、照明の明るさの条件、照明の種類の条件、および、解像度補正に対応する撮像の条件のうちの少なくとも1つを変更して撮像対象の吸着ノズルを撮像することができるので、認識に適した吸着ノズルの撮像結果を容易に得ることができる。
【0010】
この場合、好ましくは、ノズル撮像条件は、撮像部の感度の条件、撮像部の露光時間の条件、照明の明るさの条件、照明の種類の条件、および、解像度補正に対応する撮像の条件のうちの複数の条件の組み合わせによって構成されている。このように構成すれば、撮像部の感度の条件、撮像部の露光時間の条件、照明の明るさの条件、照明の種類の条件、および、解像度補正に対応する撮像の条件のうちの複数の条件の組み合わせを変更して撮像対象の吸着ノズルを撮像することができるので、認識に適した吸着ノズルの撮像結果をより容易に得ることができる。
【0011】
この場合、好ましくは、制御部は、撮像対象の吸着ノズルの種類の情報に基づいて、ノズル撮像条件を変更するように構成されている。このように構成すれば、撮像対象の吸着ノズルの種類ごとに適したノズル撮像条件で吸着ノズルを撮像することができるので、撮像対象の吸着ノズルの種類ごとに認識に適した吸着ノズルの撮像結果を容易に得ることができる。
【0012】
上記一の局面による部品実装装置において、好ましくは、制御部は、撮像対象の吸着ノズルの先端の形状の情報、撮像対象の吸着ノズルの先端の材質の情報、および、撮像対象の吸着ノズルの先端のサイズの情報のうちの少なくとも1つに基づいて、ノズル撮像条件を変更するように構成されている。このように構成すれば、撮像対象の吸着ノズルの先端の形状、撮像対象の吸着ノズルの先端の材質、および、撮像対象の吸着ノズルの先端のサイズのうちの少なくとも1つに適したノズル撮像条件で吸着ノズルを撮像することができるので、認識に適した吸着ノズルの撮像結果を容易に得ることができる。
【0013】
上記一の局面による部品実装装置において、好ましくは、制御部は、撮像対象の吸着ノズルの先端の形状の情報、撮像対象の吸着ノズルの先端の材質の情報、および、撮像対象の吸着ノズルの先端のサイズの情報のうちの少なくとも2つに基づいて、互いに異なる複数のノズル撮像条件を取得した場合、ルールに従っていずれのノズル撮像条件を採用するかを決定するように構成されている。このように構成すれば、互いに異なる複数のノズル撮像条件が取得された場合にも、撮像対象の吸着ノズルに適したノズル撮像条件に変更することができるので、撮像対象の吸着ノズルに適したノズル撮像条件で吸着ノズルを撮像することができる。
【0014】
上記一の局面による部品実装装置において、好ましくは、ノズル撮像条件は、少なくとも撮像の補正の有無の条件を含む。このように構成すれば、撮像対象の吸着ノズルに応じて撮像の補正の有無を変更することができるので、撮像対象の吸着ノズルに適したノズル撮像条件に容易に変更することができる。
【0015】
この場合、好ましくは、ノズル撮像条件は、撮像の補正の有無の条件だけでなく、撮像の補正の強弱レベルの条件も含む。このように構成すれば、撮像対象の吸着ノズルに応じて撮像の補正の有無だけでなく撮像の補正の強弱レベルも変更することができるので、撮像対象の吸着ノズルに適したノズル撮像条件に、より容易に変更することができる。
【0016】
上記一の局面による部品実装装置において、好ましくは、撮像部は、吸着ノズルだけでなく、部品を撮像するように構成されており、制御部は、ノズル撮像条件による吸着ノズルの撮像が完了した場合、ノズル撮像条件を、部品を撮像する部品撮像条件に変更するように構成されている。このように構成すれば、1つの撮像部により、吸着ノズルの撮像と部品の撮像との両方を行うことができるとともに、ノズル撮像条件によって部品の撮像が行われることがないので、部品を撮像する場合には、部品に適した部品撮像条件で部品を撮像することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、上記のように、吸着ノズルを撮像して吸着位置を補正する場合に、吸着位置の補正を精度よく行うことが可能な部品実装装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】第1実施形態による部品実装装置を示す模式的な平面図である。
図2】第1実施形態による部品実装装置の制御的な構成を示すブロック図である。
図3】第1実施形態による実装ヘッドを示す模式図である。
図4】第1実施形態による部品撮像部を示す模式図である。
図5】第1実施形態によるノズル撮像条件について説明するための図である。
図6】第1実施形態によるノズル撮像条件の変更動作について説明するための図である。
図7】第1実施形態によるノズル撮像条件の変更処理について説明するためのフロー図である。
図8】第2実施形態による部品実装装置の制御的な構成を示すブロック図である。
図9】第2実施形態によるノズル撮像条件について説明するための第1図である。
図10】第2実施形態によるノズル撮像条件について説明するための第2図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0020】
[第1実施形態]
図1図7を参照して、本発明の第1実施形態による部品実装装置100の構成について説明する。
【0021】
(部品実装装置の構成)
部品実装装置100は、図1および図2に示すように、IC、トランジスタ、コンデンサおよび抵抗などの部品E(電子部品)を、プリント基板などの基板Pに実装する装置である。
【0022】
部品実装装置100は、基台1と、基板搬送部2と、ヘッドユニット3と、ヘッド水平移動機構部4と、部品撮像部5と、基板撮像部6と、制御部7(図2参照)と、記憶部8(図2参照)とを備えている。なお、部品撮像部5は、特許請求の範囲の「撮像部」の一例である。
【0023】
基台1は、部品実装装置100において各構成要素を配置する基礎となる台である。基台1上には、基板搬送部2、後述するレール部42および部品撮像部5が設けられている。また、基台1内には、制御部7が設けられている。また、基台1には、Y方向の両側(Y1方向側およびY2方向側)に、複数のフィーダ10が配置されている。フィーダ10は、部品Eを保持する部品供給テープにより部品Eをヘッドユニット3の後述する実装ヘッド31に供給するテープフィーダである。
【0024】
基板搬送部2は、実装前の基板Pを搬入し、基板搬送方向(X方向)に搬送し、実装後の基板Pを搬出するように構成されている。また、基板搬送部2は、搬入された基板Pを実装停止位置Paまで搬送するとともに、実装停止位置Paにおいてクランプ機構などの基板固定機構(図示せず)により固定するように構成されている。また、基板搬送部2は、一対の搬送ベルト21を含んでいる。基板搬送部2は、一対の搬送ベルト21により、基板Pの幅方向(Y方向)の両端をそれぞれ下側(Z2方向側)から支持した状態で、基板搬送方向に基板Pを搬送するように構成されている。
【0025】
ヘッドユニット3は、部品実装用のヘッドユニットである。ヘッドユニット3は、実装停止位置Paにおいて固定された基板Pに部品Eを実装するように構成されている。具体的には、ヘッドユニット3は、複数(5つ)の実装ヘッド31を含んでいる。実装ヘッド31は、部品Eを保持して基板Pに実装するように構成されている。図3に示すように、実装ヘッド31の先端には、部品Eを吸着するための吸着ノズル31aが着脱可能に構成されている。実装ヘッド31は、負圧供給部(図示せず)から供給された負圧により、吸着ノズル31aに部品Eを吸着するように構成されている。また、吸着ノズル31aは、セラミックス、金属、および、樹脂などの材料により形成されている。
【0026】
また、図1に示すように、部品実装装置100には、ノズル配置部9(ノズルチェンジャ)が設けられている。ノズル配置部9は、実装ヘッド31の先端に装着される吸着ノズル31aが配置されるように構成されている。ノズル配置部9には、部品Eの種類に応じた複数のノズルが配置されている。これにより、部品Eの種類に応じて、実装ヘッド31の先端に装着される吸着ノズル31aを適切な吸着ノズル31aに交換可能である。
【0027】
図1および図2に示すように、ヘッドユニット3は、実装ヘッド31の吸着ノズル31aを上下方向(Z方向)に移動させるZ軸モータ32(図2参照)と、実装ヘッド31の吸着ノズル31aを上下方向に延びる回転軸線回りに回転させるR軸モータ33(図2参照)とを含んでいる。実装ヘッド31は、Z軸モータ32により、所定の下降位置と、所定の上昇位置との間で、上下方向に移動可能に構成されている。また、実装ヘッド31は、部品Eを保持した状態でR軸モータ33により回転されることにより、吸着している部品Eの向きを調整可能に構成されている。
【0028】
ヘッド水平移動機構部4は、ヘッドユニット3を水平方向(X方向およびY方向)に移動させるように構成されている。ヘッド水平移動機構部4は、ヘッドユニット3を基板搬送方向(X方向)に移動可能に支持する支持部41と、支持部41を基板搬送方向と水平面内で略直交する方向(Y方向)に移動可能に支持するレール部42とを含んでいる。支持部41は、基板搬送方向に延びるボールねじ軸41aと、ボールねじ軸41aを回転させるX軸モータ41bとを有している。ヘッドユニット3には、支持部41のボールねじ軸41aと係合するボールナット(図示せず)が設けられている。ヘッドユニット3は、X軸モータ41bによりボールねじ軸41aが回転されることにより、ボールねじ軸41aと係合するボールナットとともに、支持部41に沿って基板搬送方向に移動可能に構成されている。
【0029】
レール部42は、支持部41のX方向の両端部をY方向に移動可能に支持する一対のガイドレール42aと、Y方向に延びるボールねじ軸42bと、ボールねじ軸42bを回転させるY軸モータ42cとを有している。支持部41には、レール部42のボールねじ軸42bと係合するボールナット(図示せず)が設けられている。支持部41は、Y軸モータ42cによりボールねじ軸42bが回転されることにより、ボールねじ軸42bと係合するボールナットとともに、レール部42の一対のガイドレール42aに沿ってY方向に移動可能に構成されている。
【0030】
ヘッド水平移動機構部4の支持部41およびレール部42により、ヘッドユニット3は、基台1上を水平方向に移動可能に構成されている。これにより、ヘッドユニット3の実装ヘッド31は、フィーダ10の上方に移動して、フィーダ10から供給される部品Eを吸着可能である。また、ヘッドユニット3の実装ヘッド31は、実装停止位置Paにおいて固定された基板Pの上方に移動して、吸着された部品Eを基板Pに実装可能である。
【0031】
部品撮像部5は、部品認識用のカメラである。部品撮像部5は、ヘッドユニット3の実装ヘッド31による部品Eの基板Pへの搬送中に、実装ヘッド31の吸着ノズル31aに吸着された部品Eを撮像する。部品撮像部5は、基台1の上面上に固定されており、部品Eの下側(Z2方向側)から、実装ヘッド31の吸着ノズル31aに吸着された部品Eを撮像する。部品撮像部5による部品Eの撮像結果(撮像画像)に基づいて、制御部7は、部品Eの状態(回転姿勢および実装ヘッド31に対する位置)を取得(認識)する。
【0032】
また、部品撮像部5は、吸着ノズル31aが部品Eを吸着していない状態で、吸着ノズル31aを部品Eの下側(Z2方向側)から撮像する。制御部7は、部品撮像部5による吸着ノズル31aの撮像結果に基づいて、吸着ノズル31aによる吸着位置を補正する。具体的には、制御部7は、部品撮像部5による吸着ノズル31aの撮像結果に基づいて、吸着ノズル31aの基準部(吸着ノズル31aの先端の穴など)を認識する。そして、制御部7は、認識した吸着ノズル31aの先端の基準部の位置に基づいて、吸着ノズル31aの回転中心からの位置ずれを検出する。そして、制御部7は、吸着ノズル31aの回転中心からの位置ずれに基づいて、吸着ノズル31aの吸着位置を補正する。これにより、吸着ノズル31aを含む実装ヘッド31の偏芯およびねじれなどに起因する位置ずれを補正可能である。
【0033】
また、図4に示すように、部品撮像部5は、照明部51と、撮像機構52とを含んでいる。照明部51は、部品Eおよび吸着ノズル31aを撮像する際に、部品Eおよび吸着ノズル31aに光を照射可能に構成されている。具体的には、照明部51は、メイン照明部51aと、サイド照明部51bと、同軸照明部51cとを有している。メイン照明部51aと、サイド照明部51bと、同軸照明部51cとは、複数のLED(Light Emitting Diode)を二次元的に配列した構成を有している。また、メイン照明部51aと、サイド照明部51bと、同軸照明部51cとは、配光パターンが互いに異なっている。
【0034】
メイン照明部51aは、斜め下方から部品Eおよび吸着ノズル31aに光を照射可能に構成されている。また、サイド照明部51bは、メイン照明部51aよりも上側(Z1方向側)に配置されており、概略側方から部品Eおよび吸着ノズル31aに光を照射可能に構成されている。また、同軸照明部51cは、メイン照明部51aおよびサイド照明部51bよりも下側(Z2方向側)に配置されており、ビームスプリッタ53を介して、下方から部品Eおよび吸着ノズル31aに光を照射可能に構成されている。同軸照明部51cの光は、ビームスプリッタ53で反射されてから、部品Eおよび吸着ノズル31aに照射される。また、照明部51は、部品Eおよび吸着ノズル31aに対して照射する光の明るさ(照明レベル)を複数段階(たとえば、強、中、弱の3段階)で変更可能に構成されている。
【0035】
撮像機構52は、照明部51により照らされた部品Eおよび吸着ノズル31aによって反射されてから、ビームスプリッタ53を通過した光を撮像するように構成されている。具体的には、撮像機構52は、撮像素子52aと、レンズ52bとを有している。撮像素子52aは、CMOS(Complementary MOS)イメージセンサ、および、CCD(Charge―Coupled Device)イメージセンサなどの固体撮像素子である。レンズ52bは、その光軸Oが上下方向(Z方向)に略平行となるように配置されている。レンズ52bが部品Eおよび吸着ノズル31aによって反射された光を撮像素子52aに結像させることによって、部品Eおよび吸着ノズル31aが撮像素子52aによって撮像される。
【0036】
図1および図2に示すように、基板撮像部6は、基板認識用のカメラである。基板撮像部6は、ヘッドユニット3の実装ヘッド31による基板Pへの部品Eの実装開始前に、実装停止位置Paにおいて固定された基板Pにおいて、基板Pの上面に付された位置認識マークF(フィデューシャルマーク)を撮像する。位置認識マークFは、基板Pの位置を認識するためのマークである。基板撮像部6による位置認識マークFの撮像結果に基づいて、制御部7は、実装停止位置Paにおいて固定された基板Pの正確な位置および姿勢を取得(認識)する。
【0037】
図2に示すように、制御部7は、部品実装装置100の動作を制御する制御回路である。制御部7は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、および、RAM(Random Access Memory)を含んでいる。制御部7は、基板搬送部2、フィーダ10、X軸モータ41bおよびY軸モータ42cなどを生産プログラムに従って制御することにより、ヘッドユニット3により基板Pに部品Eを実装させる制御を行うように構成されている。記憶部8は、ハードディスクドライブなどの記憶媒体であり、情報を記憶可能に構成されている。記憶部8には、後述するノズル撮像条件が登録されたデータベース8aが記憶される。制御部7は、記憶部8のデータベース8aから、ノズル撮像条件を取得する。
【0038】
(ノズル撮像制御について)
ここで、第1実施形態では、図5に示すように、制御部7は、撮像対象の吸着ノズル31aの情報に基づいて、部品撮像部5により吸着ノズル31aを撮像する際のノズル撮像条件を変更するように構成されている。また、制御部7は、変更した(決定した)ノズル撮像条件で、部品撮像部5により撮像対象の吸着ノズル31aを撮像させる制御を行うように構成されている。
【0039】
また、第1実施形態では、ノズル撮像条件は、部品撮像部5の感度の条件、部品撮像部5の露光時間の条件、照明の明るさの条件、照明の種類(配光パターン)の条件、および、解像度補正に対応する撮像の条件を含んでいる。具体的には、ノズル撮像条件は、部品撮像部5の感度の条件、部品撮像部5の露光時間の条件、照明の明るさの条件、照明の種類(配光パターン)の条件、および、解像度補正に対応する撮像の条件の5つの条件の組み合わせによって構成されている。
【0040】
部品撮像部5の感度の条件は、部品撮像部5の撮像素子52aの画像信号のゲイン(画像信号の増幅率)を変更して感度を変更するための条件である。たとえば、部品撮像部5の撮像素子52aの画像信号のゲインを高くすることによって、暗く映りやすい吸着ノズル31aを明るく撮像することが可能である。また、たとえば、部品撮像部5の撮像素子52aの画像信号のゲインを低くすることによって、ノイズを低減することが可能である。
【0041】
部品撮像部5の露光時間の条件は、部品撮像部5の撮像素子52aの露光時間を変更するための条件である。たとえば、部品撮像部5の撮像素子52aの露光時間を長くすることによって、暗く映りやすい吸着ノズル31aを明るく撮像することが可能である。
【0042】
照明の明るさの条件は、部品撮像部5の照明部51の明るさを変更するための条件である。たとえば、部品撮像部5の照明部51の明るさを高くすることによって、暗く映りやすい吸着ノズル31aを明るく撮像することが可能である。また、吸着ノズル31aは、通常は、暗くなるように材質が選択されたり、表面処理が行われたりされているが、吸着ノズル31aの中には、白い樹脂製の吸着ノズル31aおよび表面処理が行われていない金属製の吸着ノズル31aなどの比較的明るく映りやすい吸着ノズル31aも存在する。この場合、たとえば、部品撮像部5の照明部51の明るさを低くすることによって、比較的明るく映りやすい吸着ノズル31aを明るすぎない適切な明るさで撮像することが可能である。
【0043】
照明の種類(配光パターン)の条件は、部品撮像部5の照明部51の種類を変更するための条件である。具体的には、照明部51のメイン照明部51a、サイド照明部51bおよび同軸照明部51cのうちのいずれによって光を照射するかを変更するための条件である。部品撮像部5の照明部51の種類(配光パターン)を変更することによって、撮像結果の見え方(明暗の付き方)を変更することが可能である。これにより、材質および表面処理によって異なる吸着ノズル31aの表面の状態(表面の粗さなど)に適した明暗の付け方で吸着ノズル31aを撮像することが可能である。
【0044】
解像度補正に対応する撮像の条件は、解像度補正に対応する撮像の仕方を変更するための条件である。たとえば、部品撮像部5によって位置をずらしながら(たとえば半ピクセルずつずらしながら)複数回の撮像を行うとともに、複数回の撮像による複数の撮像結果を合成することによって、最終的な撮像結果の解像度を増加させる解像度補正を行う場合、解像度補正に対応する撮像の条件は、撮像タイミングおよび撮像回数を変更するための条件である。また、たとえば、ズームレンズなどの光学的に倍率を変更することができる手段を用いて、光学的な倍率を変更することによって、撮像結果の解像度を変更する解像度補正を行う場合、解像度補正に対応する撮像の条件は、光学的な倍率を変更するための条件である。解像度補正を行うことによって、撮像結果の分解能を増加させることが可能である。
【0045】
また、第1実施形態では、ノズル撮像条件は、少なくとも撮像の補正の有無の条件を含んでいる。具体的には、ノズル撮像条件は、撮像の補正の有無の条件だけでなく、撮像の補正の強弱レベルの条件も含んでいる。より具体的には、部品撮像部5の感度の条件は、部品撮像部5の感度の補正の有無の条件だけでなく、部品撮像部5の感度の補正の強弱レベルの条件も含んでいる。また、部品撮像部5の露光時間の条件は、部品撮像部5の露光時間の補正の有無の条件だけでなく、部品撮像部5の露光時間の補正の強弱レベルの条件も含んでいる。また、照明の明るさの条件は、部品撮像部5の照明部51の明るさの補正の強弱レベルの条件を含んでいる。また、解像度補正に対応する撮像の条件は、解像度補正の有無の条件を含んでいる。
【0046】
また、第1実施形態では、制御部7は、撮像対象の吸着ノズル31aの種類(タイプ)の情報に基づいて、ノズル撮像条件を変更するように構成されている。具体的には、まず、制御部7は、撮像対象の吸着ノズル31aの種類の情報を取得するように構成されている。そして、制御部7は、取得した撮像対象の吸着ノズル31aの種類の情報に基づいて、データベース8aから、取得した撮像対象の吸着ノズル31aの種類の情報に対応するノズル撮像条件を取得するように構成されている。データベース8aには、吸着ノズル31aの種類ごとに適したノズル撮像条件が予め登録されている。そして、制御部7は、取得したノズル撮像条件を、撮像対象の吸着ノズル31aの撮影時の撮像条件として設定するように構成されている。
【0047】
たとえば、図5に示す例において、制御部7が、撮像対象の吸着ノズル31aの種類の情報として「Type001」を取得したとする。この場合、制御部7は、「Type001」に対応するノズル撮像条件を取得する。すなわち、制御部7は、部品撮像部5の感度の条件として、部品撮像部5の感度の補正が有りで、かつ、通常のゲインと比較して0.8倍のゲインとする条件を取得する。また、制御部7は、部品撮像部5の露光時間の条件として、部品撮像部5の露光時間の補正が有りで、かつ、通常の露光時間と比較して+1秒の露光時間とする条件を取得する。また、制御部7は、照明の明るさの条件として、照明部51の明るさが「強」の条件を取得する。また、制御部7は、照明の種類の条件として、メイン照明部51aおよび同軸照明部51cを照明とする条件を取得する。また、制御部7は、解像度補正に対応する撮像の条件として、解像度補正が有りの条件を取得する。そして、制御部7は、取得したノズル撮像条件を、撮像対象の吸着ノズル31aの撮影時の撮像条件として設定するとともに、設定したノズル撮像条件で部品撮像部5により撮像対象の「Type001」の吸着ノズル31aを撮像させる。
【0048】
図6に示すように、制御部7は、部品撮像部5を制御する撮像制御部7aを制御することによって、ノズル撮像条件などの撮像条件を変更するように構成されている。具体的には、制御部7は、撮像制御部7aに対して撮像条件変更指令を出力するように構成されている。そして、撮像制御部7aは、制御部7からの撮像条件変更指令を部品撮像部5の規格に対応するように変換するとともに、部品撮像部5に対して変換した撮像条件変更指令を出力するように構成されている。これにより、部品撮像部5に変更後の撮像条件が設定される。
【0049】
また、第1実施形態では、制御部7は、ノズル撮像条件による吸着ノズル31aの撮像が完了した場合、ノズル撮像条件を、部品Eを撮像する部品撮像条件に変更するように構成されている。具体的には、制御部7は、部品撮像部5の感度の条件、部品撮像部5の露光時間の条件、照明の明るさの条件、照明の種類の条件、および、解像度補正に対応する撮像の条件を、部品Eを撮像する部品撮像条件に変更するように構成されている。そして、制御部7は、部品Eを基板Pに実装する動作を行う際には、変更した部品撮像条件で、部品撮像部5により吸着ノズル31aに吸着された部品Eを撮像させるように構成されている。
【0050】
(ノズル撮像条件の変更処理)
次に、図7を参照して、第1実施形態の部品実装装置100によるノズル撮像条件の変更処理をフローチャートに基づいて説明する。なお、フローチャートの各処理は、制御部7によって行われる。また、ノズル撮像条件の変更処理は、たとえば、吸着ノズル31aを交換した場合、部品実装装置100の電源を投入した場合、および、作業者が手動で実行した場合などに行われる。
【0051】
図7に示すように、まず、ステップS1において、ノズル撮像条件がデータベース8aから取得される。ステップS1では、吸着ノズル31aの種類の情報に基づいて、データベース8aから、吸着ノズル31aの種類の情報に対応するノズル撮像条件が取得される。
【0052】
そして、ステップS2において、ステップS1において取得されたノズル撮像条件への撮像条件変更指令が撮像制御部7aを介して部品撮像部5に対して出力される。その結果、ノズル撮像条件が部品撮像部5に対して設定される。
【0053】
そして、ステップS3において、ステップS2において設定されたノズル撮像条件で、部品撮像部5による吸着ノズル31aの撮像が行われる。そして、部品撮像部5による吸着ノズル31aの撮像が完了すると、ステップS4に進む。
【0054】
そして、ステップS4において、予め決められた部品撮像条件への撮像条件変更指令が撮像制御部7aを介して部品撮像部5に対して出力される。その結果、ノズル撮像条件から部品撮像条件に撮像条件が変更されて、部品撮像条件が部品撮像部5に対して設定される。その後、ノズル撮像条件の変更処理が終了される。
【0055】
(第1実施形態の効果)
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0056】
第1実施形態では、上記のように、制御部7を、撮像対象の吸着ノズル31aの情報に基づいて、部品撮像部5により吸着ノズル31aを撮像する際のノズル撮像条件を変更するように構成する。これにより、撮像対象の吸着ノズル31aに適したノズル撮像条件で吸着ノズル31aを撮像することができるので、吸着ノズル31aが、固定された撮像条件では、撮像結果において暗くなるように(映らないように)、材質が選択されたり、表面処理が行われたりされていたとしても、認識に適した吸着ノズル31aの撮像結果を得ることができる。その結果、撮像結果に基づいて吸着ノズル31aを精度よく認識することができるので、吸着ノズル31aを撮像して吸着位置を補正する場合に、吸着位置の補正を精度よく行うことができる。また、単に撮像条件を変更するだけで、吸着ノズル31aを精度よく認識することができるので、部品撮像部5の仕様を変更する(仕様の異なる部品撮像部5に交換する)必要がない。これにより、仕様の異なる部品撮像部5に交換することなく、吸着位置の補正を精度よく行うことができる。
【0057】
また、第1実施形態では、上記のように、ノズル撮像条件は、部品撮像部5の感度の条件、部品撮像部5の露光時間の条件、照明の明るさの条件、照明の種類の条件、および、解像度補正に対応する撮像の条件を含む。これにより、部品撮像部5の感度の条件、部品撮像部5の露光時間の条件、照明の明るさの条件、照明の種類の条件、および、解像度補正に対応する撮像の条件を変更して撮像対象の吸着ノズル31aを撮像することができるので、認識に適した吸着ノズル31aの撮像結果を容易に得ることができる。
【0058】
また、第1実施形態では、上記のように、ノズル撮像条件は、部品撮像部5の感度の条件、部品撮像部5の露光時間の条件、照明の明るさの条件、照明の種類の条件、および、解像度補正に対応する撮像の条件のうちの複数の条件の組み合わせによって構成されている。これにより、部品撮像部5の感度の条件、部品撮像部5の露光時間の条件、照明の明るさの条件、照明の種類の条件、および、解像度補正に対応する撮像の条件のうちの複数の条件の組み合わせを変更して撮像対象の吸着ノズル31aを撮像することができるので、認識に適した吸着ノズル31aの撮像結果をより容易に得ることができる。
【0059】
また、第1実施形態では、上記のように、制御部7は、撮像対象の吸着ノズル31aの種類の情報に基づいて、ノズル撮像条件を変更するように構成されている。これにより、撮像対象の吸着ノズル31aの種類ごとに適したノズル撮像条件で吸着ノズル31aを撮像することができるので、撮像対象の吸着ノズル31aの種類ごとに認識に適した吸着ノズル31aの撮像結果を容易に得ることができる。
【0060】
また、第1実施形態では、上記のように、ノズル撮像条件は、少なくとも撮像の補正の有無の条件を含む。これにより、撮像対象の吸着ノズル31aに応じて撮像の補正の有無を変更することができるので、撮像対象の吸着ノズル31aに適したノズル撮像条件に容易に変更することができる。
【0061】
また、第1実施形態では、上記のように、部品撮像部5は、吸着ノズル31aだけでなく、部品Eを撮像するように構成されており、制御部7は、ノズル撮像条件による吸着ノズル31aの撮像が完了した場合、ノズル撮像条件を、部品Eを撮像する部品撮像条件に変更するように構成されている。これにより、1つの部品撮像部5により、吸着ノズル31aの撮像と部品Eの撮像との両方を行うことができるとともに、ノズル撮像条件によって部品Eの撮像が行われることがないので、部品Eを撮像する場合には、部品Eに適した部品撮像条件で部品Eを撮像することができる。
【0062】
[第2実施形態]
次に、図8図10を参照して、第2実施形態について説明する。この第2実施形態では、撮像対象の吸着ノズルの種類の情報に基づいて、ノズル撮像条件を変更する上記第1実施形態とは異なり、撮像対象の吸着ノズルの先端の形状、材質、およびサイズの情報に基づいて、ノズル撮像条件を変更する例について説明する。なお、上記第1実施形態と同一の構成については、同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0063】
(部品実装装置の構成)
本発明の第2実施形態による部品実装装置200は、図8に示すように、上記第1実施形態の制御部7に代えて、制御部207を備えている。また、第2実施形態では、制御部207は、データベース208aから、ノズル撮像条件を取得する。
【0064】
ここで、第2実施形態では、図9に示すように、制御部207は、撮像対象の吸着ノズル31aの情報に基づいて、部品撮像部5により吸着ノズル31aを撮像する際のノズル撮像条件を変更するように構成されている。また、制御部207は、変更した(決定した)ノズル撮像条件で、部品撮像部5により撮像対象の吸着ノズル31aを撮像させる制御を行うように構成されている。
【0065】
具体的には、第2実施形態では、制御部207は、撮像対象の吸着ノズル31aの先端の形状の情報、撮像対象の吸着ノズル31aの先端の材質の情報、および、撮像対象の吸着ノズル31aの先端のサイズの情報に基づいて、ノズル撮像条件を変更するように構成されている。吸着ノズル31aの先端の形状の情報は、たとえば、吸着ノズル31aの先端の穴の情報(丸孔およびOリングなど)を含んでいる。また、吸着ノズル31aの先端の材質の情報は、セラミックス、樹脂、および、金属などの材質の情報を含んでいる。また、吸着ノズル31aの先端の材質の情報では、材質が同じであっても、表面の研磨条件などに違いがあるものは区別されている(セラミックス01、セラミックス02など)。また、吸着ノズル31aの先端のサイズの情報は、たとえば、吸着ノズル31aの先端の直径の情報を含んでいる。
【0066】
まず、制御部207は、撮像対象の吸着ノズル31aの先端の形状の情報、撮像対象の吸着ノズル31aの先端の材質の情報、および、撮像対象の吸着ノズル31aの先端のサイズの情報を取得するように構成されている。そして、制御部207は、撮像対象の吸着ノズル31aの先端の形状の情報、撮像対象の吸着ノズル31aの先端の材質の情報、および、撮像対象の吸着ノズル31aの先端のサイズの情報に基づいて、データベース208aから、撮像対象の吸着ノズル31aの先端の形状の情報、撮像対象の吸着ノズル31aの先端の材質の情報、および、撮像対象の吸着ノズル31aの先端のサイズの情報に対応するノズル撮像条件を取得するように構成されている。データベース208aには、撮像対象の吸着ノズル31aの先端の形状、撮像対象の吸着ノズル31aの先端の材質、および、撮像対象の吸着ノズル31aの先端のサイズごとに適したノズル撮像条件が予め登録されている。そして、制御部207は、取得したノズル撮像条件を、撮像対象の吸着ノズル31aの撮影時の撮像条件として設定するように構成されている。
【0067】
また、図10に示すように、第2実施形態では、制御部207は、撮像対象の吸着ノズル31aの先端の形状の情報、撮像対象の吸着ノズル31aの先端の材質の情報、および、撮像対象の吸着ノズル31aの先端のサイズの情報に基づいて、互いに異なる複数のノズル撮像条件を取得した場合、ルールに従っていずれのノズル撮像条件を採用するかを決定するように構成されている。ルールは、特に限られないが、たとえば、複数の露光時間の条件が互いに異なる場合に、複数の露光時間の条件のうちの露光時間の長い条件を採用するというルールであり得る。また、たとえば、ルールは、複数の照明の種類の条件が互いに異なる場合に、複数の照明の種類の条件のうちの照明の種類が多い条件を採用するというルールであり得る。ルールは、実験などによって予め決定されている。
【0068】
たとえば、図10に示す例において、制御部207が、撮像対象の吸着ノズル31aの形状の情報として「丸孔01」を取得し、撮像対象の吸着ノズル31aの材質の情報として「セラミックス01」を取得し、撮像対象の吸着ノズル31aのサイズの情報として「0.3≦Φ0.5mm」を取得したとする。この場合、制御部207は、「丸孔01」、「セラミックス01」および「0.3≦Φ0.5mm」に対応するノズル撮像条件を取得する。
【0069】
すなわち、制御部207は、「丸孔01」に対応するように、照明の種類の条件として、メイン照明部51aおよび同軸照明部51cを照明とする条件を取得する。
【0070】
また、制御部207は、「セラミックス01」に対応するように、部品撮像部5の露光時間の条件として、部品撮像部5の露光時間の補正が無しの条件を取得し、照明の明るさの条件として、照明部51の明るさが「強」の条件を取得し、照明の種類の条件として、同軸照明部51cを照明とする条件を取得する。
【0071】
また、制御部207は、「0.3≦Φ0.5mm」に対応するように、部品撮像部5の感度の条件として、部品撮像部5の感度の補正が有りで、かつ、通常のゲインと比較して0.8倍のゲインとする条件を取得し、部品撮像部5の露光時間の条件として、部品撮像部5の露光時間の補正が有りで、かつ、通常の露光時間と比較して+3秒の露光時間とする条件を取得し、照明の明るさの条件として、照明部51の明るさが「強」の条件を取得し、照明の種類の条件として、メイン照明部51aおよび同軸照明部51cを照明とする条件を取得し、解像度補正に対応する撮像の条件として、解像度補正が有りの条件を取得する。
【0072】
この場合、吸着ノズル31aの先端の材質の情報に基づいて取得した露光時間の条件(補正無しの条件)と、吸着ノズル31aの先端のサイズの情報に基づいて取得した露光時間の条件(補正有りの条件)とが互いに異なる(互いに衝突する)ため、制御部207は、ルールに従っていずれの露光時間の条件を採用するかを決定する。たとえば、制御部207は、複数の露光時間の条件のうちの露光時間の長い条件を採用するというルールに従って、吸着ノズル31aの先端のサイズの情報に基づいて取得した、部品撮像部5の露光時間の補正が有りで、かつ、通常の露光時間と比較して+3秒の露光時間とする条件を、露光時間の条件として採用することを決定する。
【0073】
また、吸着ノズル31aの先端の形状の情報に基づいて取得した照明の種類の条件および吸着ノズル31aの先端のサイズの情報に基づいて取得した照明の種類の条件(メイン+同軸照明)と、吸着ノズル31aの先端の材質の情報に基づいて取得した照明の種類の条件(同軸照明)とが互いに異なる(互いに衝突する)ため、制御部207は、ルールに従っていずれの照明の種類の条件を採用するかを決定する。たとえば、制御部207は、複数の照明の種類の条件のうちの照明の種類が多い条件を採用するというルールに従って、吸着ノズル31aの先端の形状の情報および吸着ノズル31aの先端のサイズの情報に基づいて取得した、メイン照明部51aおよび同軸照明部51cを照明とする条件を、照明の種類の条件として採用することを決定する。
【0074】
したがって、制御部207は、部品撮像部5の感度の補正が有りで、かつ、通常のゲインと比較して0.8倍のゲインとする条件を部品撮像部5の感度の条件とし、部品撮像部5の露光時間の補正が有りで、かつ、通常の露光時間と比較して+3秒の露光時間とする条件を部品撮像部5の露光時間の条件とし、照明部51の明るさが「強」の条件を照明の明るさの条件とし、メイン照明部51aおよび同軸照明部51cを照明とする条件を照明の種類の条件とし、解像度補正が有りの条件を解像度補正に対応する撮像の条件とした撮像条件を、最終的なノズル撮像条件として取得する。
【0075】
そして、制御部7は、取得したノズル撮像条件を、撮像対象の吸着ノズル31aの撮影時の撮像条件として設定するとともに、設定したノズル撮像条件で部品撮像部5により撮像対象の「丸孔01」でかつ「セラミックス01」でかつ「0.3≦Φ0.5mm」の吸着ノズル31aを撮像させる。
【0076】
なお、第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0077】
(第2実施形態の効果)
第2実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0078】
第2実施形態では、上記のように、制御部207を、撮像対象の吸着ノズル31aの情報に基づいて、部品撮像部5により吸着ノズル31aを撮像する際のノズル撮像条件を変更するように構成する。これにより、上記第1実施形態と同様に、吸着ノズル31aを撮像して吸着位置を補正する場合に、吸着位置の補正を精度よく行うことができるとともに、部品撮像部5の仕様を変更せずとも、吸着位置の補正を精度よく行うことができる。
【0079】
また、第2実施形態では、上記のように、制御部207は、撮像対象の吸着ノズル31aの先端の形状の情報、撮像対象の吸着ノズル31aの先端の材質の情報、および、撮像対象の吸着ノズル31aの先端のサイズの情報に基づいて、ノズル撮像条件を変更するように構成されている。これにより、撮像対象の吸着ノズル31aの先端の形状、撮像対象の吸着ノズル31aの先端の材質、および、撮像対象の吸着ノズル31aの先端のサイズに適したノズル撮像条件で吸着ノズル31aを撮像することができるので、認識に適した吸着ノズル31aの撮像結果を容易に得ることができる。
【0080】
また、第2実施形態では、上記のように、制御部207は、撮像対象の吸着ノズル31aの先端の形状の情報、撮像対象の吸着ノズル31aの先端の材質の情報、および、撮像対象の吸着ノズル31aの先端のサイズの情報に基づいて、互いに異なる複数のノズル撮像条件を取得した場合、ルールに従っていずれのノズル撮像条件を採用するかを決定するように構成されている。これにより、互いに異なる複数のノズル撮像条件が取得された場合にも、撮像対象の吸着ノズル31aに適したノズル撮像条件に変更することができるので、撮像対象の吸着ノズル31aに適したノズル撮像条件で吸着ノズル31aを撮像することができる。
【0081】
なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0082】
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更(変形例)が含まれる。
【0083】
たとえば、上記第1および第2実施形態では、ノズル撮像条件が、撮像部の感度の条件、撮像部の露光時間の条件、照明の明るさの条件、照明の種類の条件、および、解像度補正に対応する撮像の条件を含んでいる例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、ノズル撮像条件が、撮像部の感度の条件、撮像部の露光時間の条件、照明の明るさの条件、照明の種類の条件、および、解像度補正に対応する撮像の条件の全部を含んでいなくてもよい。また、ノズル撮像条件が、撮像部の感度の条件、撮像部の露光時間の条件、照明の明るさの条件、照明の種類の条件、および、解像度補正に対応する撮像の条件以外の条件を含んでいてもよい。
【0084】
また、上記第1および第2実施形態では、ノズル撮像条件が、撮像の補正の有無だけでなく、撮像の補正の強弱レベルも含んでいる例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、ノズル撮像条件が、撮像の補正の有無のみを含んでいてもよい。
【0085】
また、上記第1および第2実施形態では、ノズル撮像条件による吸着ノズルの撮像が完了した場合、ノズル撮像条件を、部品撮像条件に変更する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、ノズル撮像条件が部品撮像条件と同じ条件である場合、ノズル撮像条件を、部品撮像条件に変更しなくてもよい。
【0086】
また、上記第1および第2実施形態では、制御部が撮像制御部を制御することによってノズル撮像条件を変更する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、制御部が直接ノズル撮像条件を変更してもよい。
【0087】
また、上記第2実施形態では、撮像対象の吸着ノズルの先端の形状の情報、撮像対象の吸着ノズルの先端の材質の情報、および、撮像対象の吸着ノズルの先端のサイズの情報に基づいて、ノズル撮像条件を変更する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、撮像対象の吸着ノズルの先端の形状の情報、撮像対象の吸着ノズルの先端の材質の情報、および、撮像対象の吸着ノズルの先端のサイズの情報のうちのいずれか1つまたは2つに基づいて、ノズル撮像条件を変更してもよい。
【0088】
また、上記第1実施形態では、説明の便宜上、制御部の処理動作を処理フローに沿って順番に処理を行うフロー駆動型のフローチャートを用いて説明したが、本発明はこれに限られない。本発明では、制御部の処理動作を、イベント単位で処理を実行するイベント駆動型(イベントドリブン型)の処理により行ってもよい。この場合、完全なイベント駆動型で行ってもよいし、イベント駆動およびフロー駆動を組み合わせて行ってもよい。
【符号の説明】
【0089】
5 部品撮像部
7、207 制御部
31 実装ヘッド
31a 吸着ノズル
100、200 部品実装装置
E 部品
P 基板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10