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特開2022-167049全固体型ECミラー、全固体型ECミラーユニット、車両用ミラー装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022167049
(43)【公開日】2022-11-04
(54)【発明の名称】全固体型ECミラー、全固体型ECミラーユニット、車両用ミラー装置
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/15 20190101AFI20221027BHJP
   B60R 1/12 20060101ALI20221027BHJP
   B60R 1/06 20060101ALI20221027BHJP
【FI】
G02F1/15 501
G02F1/15 507
B60R1/12 Z
B60R1/06 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021072558
(22)【出願日】2021-04-22
(71)【出願人】
【識別番号】000000136
【氏名又は名称】市光工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000121
【氏名又は名称】IAT弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】佐村田 吉洋
(72)【発明者】
【氏名】石毛 理
(72)【発明者】
【氏名】涌田 康治
【テーマコード(参考)】
2K101
3D053
【Fターム(参考)】
2K101AA22
2K101DA01
2K101DB05
2K101DB33
2K101DC12
2K101DC53
2K101DC54
2K101EB01
2K101EB51
2K101EB61
2K101EB71
2K101EC63
2K101EE01
2K101EF03
2K101EG05
2K101EG43
2K101EG45
2K101EG52
2K101EG54
2K101EJ21
2K101EK07
3D053FF16
3D053GG06
3D053HH40
(57)【要約】      (修正有)
【課題】小型化や軽量化することができる全固体型ECミラー、全固体型ECミラーユニット、車両用ミラー装置を提供する。
【解決手段】透明基板2と光透過性の封止基板7との間に、第1金属反射膜3、透明導電膜4、全固体型EC膜5、および、第2金属反射膜6を、積層成膜してなる全固体型ECミラー1である。第1金属反射膜3は、第1金属反射膜3の外周32が全固体型EC膜5の外周よりも透明基板2の外周22寄りに位置する外周縁部分を有する。外周縁部分には、発光表示部DPが設けられている。発光表示部DPは、光源ユニット9からの光L1を透明基板2側に透過させる。この結果、小型化や軽量化することができる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明基板と光透過性の封止基板との間に、少なくとも金属反射膜および全固体型EC膜を、積層成膜してなる全固体型ECミラーであって、
前記金属反射膜は、前記金属反射膜の外周が前記全固体型EC膜の外周よりも前記透明基板の外周寄りに位置する外周縁部分を有し、
前記外周縁部分には、発光表示部が設けられていて、
前記発光表示部は、前記封止基板側からの光を前記透明基板側に透過させる、
ことを特徴とする全固体型ECミラー。
【請求項2】
前記透明基板と前記封止基板との間には、透明導電膜が、前記金属反射膜および前記全固体型EC膜と共に積層成膜されていて、
前記金属反射膜は、第1金属反射膜と、第2金属反射膜と、から構成されていて、
前記第1金属反射膜は、前記透明基板の前記封止基板に向き合う面である裏面の外周の縁部分に、帯状に、成膜されていて、
前記透明導電膜は、前記透明基板の前記裏面および前記第1金属反射膜に、前記透明導電膜の外周形状が前記透明基板の外周形状よりも小さい外周形状で、かつ、前記第1金属反射膜とは相互に接続状態で、成膜されていて、
前記全固体型EC膜は、前記透明基板の前記裏面、前記第1金属反射膜および前記透明導電膜に、前記全固体型EC膜の外周形状が前記透明基板の外周形状よりも小さい外周形状で、成膜されていて、
前記第2金属反射膜は、前記透明基板の前記裏面、前記第1金属反射膜、前記透明導電膜および前記全固体型EC膜に、前記第2金属反射膜の外周形状が前記透明基板の外周形状よりも小さい外周形状で、かつ、前記第1金属反射膜および前記透明導電膜とは相互に非接続状態で、成膜されていて、
前記第1金属反射膜および前記透明導電膜は、作用電極を構成し、
前記第2金属反射膜は、対向電極を構成し、
前記作用電極の前記第1金属反射膜および前記透明導電膜と、前記対向電極の前記第2金属反射膜との間には、前記全固体型EC膜が介在されていて、
前記第1金属反射膜は、前記発光表示部が設けられている前記外周縁部分を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の全固体型ECミラー。
【請求項3】
第1ターミナルと第2ターミナルとを備え、
前記第1ターミナルは、前記第1金属反射膜に接続されている給電部と、前記給電部から前記透明基板の前記裏面に対して垂直方向に前記封止基板側に延長して設けられていて、外部電源に接続される接続部と、を有し、
前記第2ターミナルは、前記第2金属反射膜に接続されている給電部と、前記給電部から前記透明基板の前記裏面に対して垂直方向に前記封止基板側に延長して設けられていて、外部電源に接続される接続部と、を有する、
ことを特徴とする請求項2に記載の全固体型ECミラー。
【請求項4】
前記透明基板と前記封止基板との間には、少なくとも前記金属反射膜および前記全固体型EC膜を封止する光透過性の封止部材が、充填されていて、
前記封止部材は、任意の色に着色されていて、
前記封止部材のうち、前記発光表示部の一部分に対応する一部分は、前記封止部材の他の部分の色と異なる色に着色されている、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の全固体型ECミラー。
【請求項5】
前記透明基板と前記封止基板との間には、少なくとも前記金属反射膜および前記全固体型EC膜を封止する光透過性の封止部材が、充填されていて、
前記封止部材は、任意の色に着色されていて、
前記発光表示部の一部分には、前記封止部材の色と異なる色に着色されている光透過性のカラーフィルタが、設けられている、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の全固体型ECミラー。
【請求項6】
前記発光表示部は、前記金属反射膜の前記外周縁部分の一部分を切り欠いて設けたマークから構成されている、
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の全固体型ECミラー。
【請求項7】
前記第1金属反射膜の一部分には、内周と外周との間の幅が他の帯環状の部分の内周と外周との間の幅よりも幅広である幅広部分が、形成されていて、
前記発光表示部は、前記第1金属反射膜の前記幅広部分の前記外周縁部分の一部分を切り欠いて設けたマークから構成されている、
ことを特徴とする請求項2から5のいずれか1項に記載の全固体型ECミラー。
【請求項8】
前記の請求項1から7のいずれか1項に記載の全固体型ECミラーと、
前記全固体型ECミラーの封止基板に配置されているミラーホルダと、
前記ミラーホルダに取り付けられていて、光を前記封止基板および前記全固体型ECミラーの発光表示部を透過させて前記全固体型ECミラーの透明基板側に照射させる光源ユニットと、
を備える、
ことを特徴とする全固体型ECミラーユニット。
【請求項9】
前記光源ユニットは、
前記ミラーホルダに取り付けられている基板と、
前記基板に実装されていて、前記封止基板に向き合う発光面を有する自発光型光源と、
前記ミラーホルダに取り付けられていて、前記基板を介して前記自発光型光源に給電するコネクタと、
を備える、
ことを特徴とする請求項8に記載の全固体型ECミラーユニット。
【請求項10】
前記光源ユニットは、
前記ミラーホルダに取り付けられている基板と、
前記基板に実装されている光源と、
前記基板または前記ミラーホルダの少なくともいずれか一方に取り付けられていて、前記光源に向き合う入射面と、前記封止基板に向き合う出射面と、を有する導光部材と、
前記ミラーホルダに取り付けられていて、前記基板を介して前記光源に給電するコネクタと、
を備える、
ことを特徴とする請求項8に記載の全固体型ECミラーユニット。
【請求項11】
前記の請求項8から10のいずれか1項に記載の全固体型ECミラーユニットと、
前記全固体型ECミラーユニットが前記全固体型ECミラーユニットのミラーホルダを介して取り付けられているミラーハウジングと、
前記ミラーハウジングを車体に取り付ける取付部材と、
を備える、
ことを特徴とする車両用ミラー装置。
【請求項12】
前記全固体型ECミラーユニットの発光表示部は、BSW機能の発光表示部であって、
前記発光表示部は、前記ミラーハウジングを前記取付部材を介して前記車体に取り付けた時に、前記全固体型ECミラーユニットの金属反射膜のうち車両の外側に位置する、
ことを特徴とする請求項11に記載の車両用ミラー装置。
【請求項13】
前記全固体型ECミラーユニットの発光表示部は、信号灯機能の発光表示部であって、
前記発光表示部は、複数個設けられていて、
前記全固体型ECミラーユニットの光源ユニットは、複数個の前記発光表示部をシーケンシャルで発光させる、
ことを特徴とする請求項11に記載の車両用ミラー装置。
【請求項14】
前記全固体型ECミラーユニットは、電動ミラー面角度調整ユニットを介して、前記ミラーハウジングに取り付けられている、
ことを特徴とする請求項11から13のいずれか1項に記載の車両用ミラー装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、全固体型ECミラーに関する。また、この発明は、全固体型ECミラーと光源ユニットとを備える全固体型ECミラーユニットに関する。さらに、この発明は、全固体型ECミラーユニットを備える車両用ミラー装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ECミラー、また、ECミラーと光源ユニットとを備えるECミラーユニット、さらに、ECミラーユニットを備える車両用ミラー装置は、従来からある(たとえば、特許文献1、特許文献2)。以下、特許文献1の電気光学ミラー、車両用バックミラーアセンブリ、および、特許文献2の車両用固体型ECミラーについて、図5(B)および図5(C)を参照して、説明する。
【0003】
なお、図5(B)に示す特許文献1の電気光学ミラー、車両用バックミラーアセンブリにおいては、特許文献1の(図3A)に付されている符号を()書きで表示する。また、図5(C)に示す特許文献2の車両用固体型ECミラーにおいては、特許文献2の(図1)に付されている符号を()書きで表示する。
【0004】
特許文献1の電気光学ミラー、車両用バックミラーアセンブリは、図5(B)に示すように、前部透明素子(112)と、後部透明素子(114)と、前部透明素子の後面(112b)に担持された透明な第1の電極(128)と、後部透明素子の前面(114a)に重畳された青色-緑色反射光を補う手段と反射材料を含む透明な第2の電極(120)と、第1の電極の外周と第2の電極の外周とに配置されたシール部材(116)と、第1の電極、第2の電極およびシール部材により規定されたチャンバ(125)に収容された液状の電気光学材料(126)と、を備え、反射材料の一部を切り欠いて、反射材料の一部に光透過性のウインドウエリア(146)すなわち発光表示部DPを設けたものである。
【0005】
特許文献1の電気光学ミラー、車両用バックミラーアセンブリは、第1の電極と第2の電極とに電圧を印加すると、液状の電気光学材料の光透過率が変化し、これにより、前部透明素子の前面(112a)側、すなわち、車両の運転者の視点側(見る側)から、前部透明素子、透明な第1の電極および液状の電気光学材料を透過して見た反射材料の反射率が変化する。
【0006】
特許文献1の電気光学ミラー、車両用バックミラーアセンブリは、光源(図示せず)から光を後部透明素子の後面に照射すると、光が、後部透明素子、青色-緑色反射光を補う手段、反射材料のウインドウエリア、液状の電気光学材料、第1の電極および前部透明素子を透過して、前部透明素子の前面から外部に出射し、これにより、前部透明素子の前面において、ウインドウエリアすなわち発光表示部DPの例えばBSW等のマークが発光表示される。
【0007】
特許文献2の車両用固体型ECミラーは、図5(C)に示すように、表側透明基板(60)と、裏側透明基板(62)と、表側透明基板の内表面(60a)に順次成膜固定された透明導電層(64)、固体EC層(66)および反射層(68)による積層膜(69)と、表側透明基板の上下両辺に装着された上側ターミナル(70)および下側ターミナル(図示せず)と、表側透明基板の内表面と裏側透明基板の内表面(62a)との間に接着され、積層膜を封止した透明接着層(72)と、を備え、透明導電層を、レーザーカッティングなどで形成された分割線(図示せず)により、上側ターミナルが接続された上側領域(64a)と下側ターミナルが接続された下側領域(図示せず)とに、分割し、積層膜に、レーザーカッティングなどで所定の警告シンボルパターンに切り欠かれた切欠パターン(73)による光透過部すなわち発光表示部DPを、形成したものである。
【0008】
特許文献2の車両用固体型ECミラーは、上側ターミナルと下側ターミナルとに電圧を印加すると、固体EC層の光透過率が変化し、これにより、表側透明基板の外表面(60b)側、すなわち、車両の運転者の視点側(見る側)から、表側透明基板、透明導電層および固体EC層を透過して見た反射層の反射率が変化する。
【0009】
特許文献2の車両用固体型ECミラーは、光を裏側透明基板の外表面(62b)に照射すると、光が、裏側透明基板、透明接着層、光透過部および表側透明基板の外表面から外部に出射し、これにより、表側透明基板の外表面において、光透過部すなわち発光表示部DPの警告シンボルパターン例えばBSW等のマークが発光表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特許第4537267号公報
【特許文献2】特開2016-35521号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ここで、かかるECミラー、ECミラーユニット、車両用ミラー装置のミラー面M(図1を参照)において、必要最低限のミラー面領域(図1中の破線にて示されている領域)Zが法規上規定されている。この法規上規定されている必要最低限のミラー面領域Z(以下、「規定領域Z」と称する)により、ミラー面Mの有効視野を確保することができ、交通安全に寄与貢献することができる。
【0012】
このため、かかるECミラー、ECミラーユニット、車両用ミラー装置において、ミラー面MにBSW等のマーク、すなわち、発光表示部DP(図1を参照)を設ける場合、規定領域Zの外側に発光表示部DPを設けなくてはならない。これにより、かかるECミラー、ECミラーユニット、車両用ミラー装置は、規定領域Zの外側に設けられている発光表示部DPを包含する広い面積(領域)のミラー面Mを有する。一方、かかるECミラー、ECミラーユニット、車両用ミラー装置は、省燃費などにより、小型化や軽量化することが求められている。
【0013】
しかしながら、特許文献1の電気光学ミラー、車両用バックミラーアセンブリは、図5(B)に示すように、チャンバ(125)に収容された液状の電気光学材料(126)が抜け漏れないように、第1の電極(128)の外周と第2の電極(120)の外周とに配置されたシール部材(116)が必要である。このため、特許文献1の電気光学ミラー、車両用バックミラーアセンブリは、シール部材(116)が配置されている第2の電極(120)の外周の反射材料とシール部材(116)の一部を切り欠いて、シール部材(116)が配置されている第2の電極(120)にウインドウエリア(146)すなわち発光表示部DPを設けることができない。この結果、特許文献1の電気光学ミラー、車両用バックミラーアセンブリは、シール部材(116)よりも内側のチャンバ(125)内に、ウインドウエリア(146)すなわち発光表示部DPを設けることしかできない。これにより、特許文献1の電気光学ミラー、車両用バックミラーアセンブリは、前部透明素子(112)の前面(112a)の面積が規定領域Zを含むミラー面Mに対してシール部材(116)分ZB大きくなり、かつ、重量が重くなる傾向にある。
【0014】
また、特許文献2の車両用固体型ECミラーは、図5(C)に示すように、積層膜(69)の固体EC層(66)に切欠パターン(73)による光透過部すなわち発光表示部DPを形成するため、固体EC層(66)の面積(領域)を、規定領域Zの外側に形成されている光透過部すなわち発光表示部DPを包含する面積(領域)に、広くする必要がある。しかも、特許文献2の車両用固体型ECミラーは、固体EC層(66)を、腐食から保護するために、表側透明基板(60)、裏側透明基板(62)および透明接着層(72)により封止する必要があるので、表側透明基板(60)の面積(領域)を、固体EC層(66)の面積(領域)よりも、広くする必要がある。このため、特許文献2の車両用固体型ECミラーは、表側透明基板(60)の外表面(60b)の面積が規定領域Zを含むミラー面Mに対して表側透明基板(60)の外周縁部の分ZC大きくなり、かつ、重量が重くなる傾向にある。
【0015】
この発明が解決しようとする課題は、小型化や軽量化することができる全固体型ECミラー、全固体型ECミラーユニット、車両用ミラー装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
この発明の全固体型ECミラーは、透明基板と光透過性の封止基板との間に、少なくとも金属反射膜および全固体型EC膜を、積層成膜してなる全固体型ECミラーであって、金属反射膜が、金属反射膜の外周が全固体型EC膜の外周よりも透明基板の外周寄りに位置する外周縁部分を有し、外周縁部分には、発光表示部が設けられていて、発光表示部が、封止基板側からの光を透明基板側に透過させる、ことを特徴とする。
【0017】
この発明の全固体型ECミラーにおいて、透明基板と封止基板との間には、透明導電膜が、金属反射膜および全固体型EC膜と共に積層成膜されていて、金属反射膜は、第1金属反射膜と、第2金属反射膜と、から構成されていて、第1金属反射膜は、透明基板の封止基板に向き合う面である裏面の外周の縁部分に、帯状に、成膜されていて、透明導電膜は、透明基板の裏面および第1金属反射膜に、透明導電膜の外周形状が透明基板の外周形状よりも小さい外周形状で、かつ、第1金属反射膜とは相互に接続状態で、成膜されていて、全固体型EC膜は、透明基板の裏面、第1金属反射膜および透明導電膜に、全固体型EC膜の外周形状が透明基板の外周形状よりも小さい外周形状で、成膜されていて、第2金属反射膜は、透明基板の裏面、第1金属反射膜、透明導電膜および全固体型EC膜に、第2金属反射膜の外周形状が透明基板の外周形状よりも小さい外周形状で、かつ、第1金属反射膜および透明導電膜とは相互に非接続状態で、成膜されていて、第1金属反射膜および透明導電膜は、作用電極を構成し、第2金属反射膜は、対向電極を構成し、作用電極の第1金属反射膜および透明導電膜と、対向電極の第2金属反射膜との間には、全固体型EC膜が介在されていて、第1金属反射膜は、発光表示部が設けられている外周縁部分を有する、ことが好ましい。
【0018】
この発明の全固体型ECミラーにおいて、第1ターミナルと第2ターミナルとを備え、第1ターミナルは、第1金属反射膜に接続されている給電部と、給電部から透明基板の裏面に対して垂直方向に封止基板側に延長して設けられていて、外部電源に接続される接続部と、を有し、第2ターミナルは、第2金属反射膜に接続されている給電部と、給電部から透明基板の裏面に対して垂直方向に封止基板側に延長して設けられていて、外部電源に接続される接続部と、を有する、ことが好ましい。
【0019】
この発明の全固体型ECミラーにおいて、透明基板と封止基板との間には、少なくとも金属反射膜および全固体型EC膜を封止する光透過性の封止部材が、充填されていて、封止部材は、任意の色に着色されていて、封止部材のうち、発光表示部の一部分に対応する一部分は、封止部材の他の部分の色と異なる色に着色されている、ことが好ましい。
【0020】
この発明の全固体型ECミラーにおいて、透明基板と封止基板との間には、少なくとも金属反射膜および全固体型EC膜を封止する光透過性の封止部材が、充填されていて、封止部材は、任意の色に着色されていて、発光表示部の一部分には、封止部材の色と異なる色に着色されている光透過性のカラーフィルタが、設けられている、ことが好ましい。
【0021】
この発明の全固体型ECミラーにおいて、発光表示部は、金属反射膜の外周縁部分の一部分を切り欠いて設けたマークから構成されている、ことが好ましい。
【0022】
この発明の全固体型ECミラーにおいて、第1金属反射膜の一部分には、内周と外周との間の幅が他の帯環状の部分の内周と外周との間の幅よりも幅広である幅広部分が、形成されていて、発光表示部は、第1金属反射膜の幅広部分の外周縁部分の一部分を切り欠いて設けたマークから構成されている、ことが好ましい。
【0023】
この発明の全固体型ECミラーユニットは、この発明の全固体型ECミラーと、全固体型ECミラーの封止基板に配置されているミラーホルダと、ミラーホルダに取り付けられていて、光を封止基板および全固体型ECミラーの発光表示部を透過させて全固体型ECミラーの透明基板側に照射させる光源ユニットと、を備える、ことを特徴とする。
【0024】
この発明の全固体型ECミラーユニットにおいて、光源ユニットは、ミラーホルダに取り付けられている基板と、基板に実装されていて、封止基板に向き合う発光面を有する自発光型光源と、ミラーホルダに取り付けられていて、基板を介して自発光型光源に給電するコネクタと、を備える、ことが好ましい。
【0025】
この発明の全固体型ECミラーユニットにおいて、光源ユニットは、ミラーホルダに取り付けられている基板と、基板に実装されている光源と、基板またはミラーホルダの少なくともいずれか一方に取り付けられていて、光源に向き合う入射面と、封止基板に向き合う出射面と、を有する導光部材と、ミラーホルダに取り付けられていて、基板を介して光源に給電するコネクタと、を備える、ことが好ましい。
【0026】
この発明の車両用ミラー装置は、この発明の全固体型ECミラーユニットと、全固体型ECミラーユニットが全固体型ECミラーユニットのミラーホルダを介して取り付けられているミラーハウジングと、ミラーハウジングを車体に取り付ける取付部材と、を備える、ことを特徴とする。
【0027】
この発明の車両用ミラー装置において、全固体型ECミラーユニットの発光表示部は、BSW機能の発光表示部であって、発光表示部は、ミラーハウジングを取付部材を介して車体に取り付けた時に、全固体型ECミラーユニットの金属反射膜のうち車両の外側に位置する、ことが好ましい。
【0028】
この発明の車両用ミラー装置において、全固体型ECミラーユニットの発光表示部は、信号灯機能の発光表示部であって、発光表示部は、複数個設けられていて、全固体型ECミラーユニットの光源ユニットは、複数個の発光表示部をシーケンシャルで発光させる、ことが好ましい。
【0029】
この発明の車両用ミラー装置において、全固体型ECミラーユニットは、電動ミラー面角度調整ユニットを介して、ミラーハウジングに取り付けられている、ことが好ましい。
【発明の効果】
【0030】
この発明の全固体型ECミラー、全固体型ECミラーユニット、車両用ミラー装置は、小型化や軽量化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1図1は、この発明にかかる全固体型ECミラー、全固体型ECミラーユニット、車両用ミラー装置の実施形態を示す使用状態の正面図である。
図2図2は、全固体型ECミラー、全固体型ECミラーユニット、車両用ミラー装置を示す分解斜視図である。
図3図3は、発光表示部のマークおよび光源ユニットの部分を示す一部拡大縦断面図(図1におけるIII-III線一部拡大断面図)である。
図4図4は、発光表示部のマークおよび光源ユニット以外の部分を示す一部拡大縦断面図(図1におけるIV-IV線一部拡大断面図)である。
図5図5(A)は、全固体型ECミラーの発光表示部のマークの部分を示す一部拡大縦断面図(図3に対応する一部拡大縦断面図)である。図5(B)は、特許文献1の電気光学ミラーの発光表示部のウインドウエリアの部分を示す一部拡大縦断面図(図5(A)に対応する一部拡大縦断面図)である。図5(C)は、特許文献2の車両用固体型ECミラーの発光表示部の切欠パターンの部分を示す一部拡大縦断面図(図5(A)に対応する一部拡大縦断面図)である。
図6図6は、全固体型ECミラーを示す正面図である。
図7図7は、全固体型ECミラーを示す一部拡大縦断面図(図6におけるVII-VII線一部拡大断面図)である。
図8図8は、全固体型ECミラーを示す一部拡大背面図である。図8(A)は、図7におけるA矢視図である。図8(B)は、図7におけるB矢視図である。
図9図9は、全固体型ECミラーを示す背面図(図12(E)の製造工程5における全固体型ECミラーの背面図)である。
図10図10は、全固体型ECミラーを示す一部拡大縦断面図(図9におけるX-X線一部拡大断面図)である。
図11図11は、全固体型ECミラーを示す一部拡大縦断面図である。図11(A)は、図9におけるA-A線一部拡大断面図である。図11(B)は、図9におけるB-B線一部拡大断面図である。図11(C)は、図9におけるC-C線一部拡大断面図である。
図12図12は、全固体型ECミラーの製造工程を示す説明図である。図12(A)は、全固体型ECミラーの製造工程1を示す説明図である。図12(B)は、全固体型ECミラーの製造工程2を示す説明図である。図12(C)は、全固体型ECミラーの製造工程3を示す説明図である。図12(D)は、全固体型ECミラーの製造工程4を示す説明図である。図12(E)は、全固体型ECミラーの製造工程5を示す説明図である。図12(F)は、全固体型ECミラーの製造工程6を示す説明図である。図12(G)は、全固体型ECミラーの製造工程7を示す説明図である。
図13図13は、全固体型ECミラーの製造工程を示す説明図である。図13(A)は、全固体型ECミラーの製造工程8を示す説明図である。図13(B)は、全固体型ECミラーの製造工程9を示す説明図である。図13(C)は、全固体型ECミラーの製造工程10を示す説明図である。図13(D)は、全固体型ECミラーの製造工程11を示す説明図である。図13(E)は、全固体型ECミラーの製造工程12を示す説明図である。
図14図14は、全固体型ECミラーを示す概略背面図(図12(B)の製造工程2における全固体型ECミラーの概略背面図)である。
図15図15は、全固体型ECミラーを示す概略背面図(図12(C)の製造工程3における全固体型ECミラーの概略背面図)である。
図16図16は、全固体型ECミラーを示す概略背面図(図12(D)の製造工程4における全固体型ECミラーの概略背面図)である。
図17図17は、全固体型ECミラーを示す概略背面図(図12(E)の製造工程5における全固体型ECミラーの概略背面図)である。
図18図18は、光源ユニットの第1変形例を示す一部拡大縦断面図(図3に対応する一部拡大縦断面図)である。
図19図19は、光源ユニットの第2変形例を示す一部拡大縦断面図(図3に対応する一部拡大縦断面図)である。
図20図20は、車両用ミラー装置の変形例を示す正面図(図1図6に対応する正面図)である。
図21図21は、発光表示部のマークの部分を示す一部拡大正面図である。
図22図22は、全固体型ECミラーの変形例を示す一部(発光表示部のマークの部分)拡大正面図である。
図23図23は、発光表示部のマークの一部分および光源ユニットの部分を示す一部拡大縦断面図(図22におけるXXIII-XXIII線一部拡大断面図)である。
図24図24は、発光表示部のマークの他の部分および光源ユニットの部分を示す一部拡大縦断面図(図22におけるXXIV-XXIV線一部拡大断面図)である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、この発明にかかる全固体型ECミラー、全固体型ECミラーユニット、車両用ミラー装置の実施形態(実施例)の1例、光源ユニットの変形例の2例、車両用ミラー装置の変形例の1例、および、全固体型ECミラーの変形例の1例を図面に基づいて詳細に説明する。この明細書において、前、後、上、下、左、右は、この発明にかかる全固体型ECミラー、全固体型ECミラーユニット、車両用ミラー装置を車両に装備した際の前、後、上、下、左、右である。図面において、符号「F」は「前」、「B」は「後」、「U」は上、「D」は「下」、「L」は「左」、「R」は「右」である。
【0033】
また、図面は、概略図であるため、部品の一部の図示を省略し、また、ハッチングの一部を省略し、あるいは、断面の一部を省略する。たとえば、図7は、第1金属反射膜3、透明導電膜4、全固体型EC膜5および第2金属反射膜6の図示を省略して、符号のみを図示する。図8は、封止基板7および封止部材70の一部を破断省略した状態で図示する。図9図10図11は、封止基板7、封止部材70、第1ターミナル81および第2ターミナル82を省略した状態で図示する。さらに、図面は、概略図であるため、第1金属反射膜、透明導電膜、全固体型EC膜および第2金属反射膜を、実際の膜厚よりも厚い膜厚で図示する。
【0034】
(実施形態の構成の説明)
図1から図17は、この発明にかかる全固体型ECミラー、全固体型ECミラーユニット、車両用ミラー装置の実施形態を示す。以下、この実施形態にかかる全固体型ECミラー、全固体型ECミラーユニット、車両用ミラー装置の構成について説明する。
【0035】
(車両用ミラー装置100の説明)
図1から図4において、符号100は、この実施形態にかかる車両用ミラー装置である。この実施形態にかかる車両用ミラー装置100は、この例では、車両用アウトサイドミラー装置であって、車両用のドアミラー(以下、「ドアミラー100」と称する)である。なお、この発明においては、車両用インサイドミラー装置に使用しても良い。
【0036】
ドアミラー100は、車両の左右のドア106にそれぞれ装備される。なお、図1から図4に示されているドアミラー100は、車両の右のドア106に装備されている。ドアミラー100は、この実施形態にかかる全固体型ECミラーユニット(以下、「全固体型ECミラーユニット」と称する)10と、ミラーハウジング101と、取付部材102と、を備える。
【0037】
ミラーハウジング101は、中空状の箱形形状をなしている。ミラーハウジング101の正面(すなわち、表面であって、この例では、車両に対して後側の面)側の壁部分には、開口部103が設けられている。
【0038】
ミラーハウジング101および全固体型ECミラーユニット10は、取付部材102を介して車体であるドア106に取り付けられている。取付部材102は、ベース104と、電動格納ユニット105と、を有する。
【0039】
ベース104は、ドア106に固定されている。電動格納ユニット105は、ベース104に固定されていて、かつ、ミラーハウジング101に取り付けられている。電動格納ユニット105により、ミラーハウジング101および全固体型ECミラーユニット10は、取付部材102のベース104に対して、使用(セット)位置と後方格納位置との間を電動回転する。なお、電動格納ユニット105は、必ずしも、搭載されるものではない。すなわち、電動格納ユニット105を搭載しない車両用ミラー装置もある。
【0040】
(ブラインドスポットワーニング(BSW)装置の説明)
ドアミラー100は、ブラインドスポットワーニング(BSW)装置を備える。ブラインドスポットワーニング(BSW)装置は、全固体型ECミラーユニット10に設けられている発光表示部DPおよび光源ユニット9と、制御部(図示せず)と、レーダなどのセンサ(図示せず)と、を有する。
【0041】
ブラインドスポットワーニング(BSW)装置は、車両の走行中において、車両の斜め後方であって、車両の運転者の死角に他の車両が所定の距離に近づくと、センサが接近する他の車両を検出して、制御部が光源ユニット9を発光させ、光源ユニット9の発光を介して発光表示部DPが発光して、車両の運転者に他の車両の接近を知らせる装置である。
【0042】
(全固体型ECミラーユニット10の説明)
全固体型ECミラーユニット10は、図2から図4に示すように、この実施形態にかかる全固体型ECミラー(以下、「全固体型ECミラー」と称する)1と、ミラーホルダ11と、発光表示部DPおよび光源ユニット9と、を備える。
【0043】
全固体型ECミラーユニット10は、ミラーハウジング101の開口部103に配置されている。全固体型ECミラーユニット10は、図2に示すように、電動ミラー面角度調整ユニット(パワーユニット)MUを介して、ミラーハウジング101に取り付けられている。
【0044】
電動ミラー面角度調整ユニットMUは、電動モータにより、全固体型ECミラーユニット10を、ミラーハウジング101に対して、上下軸(鉛直軸、垂直軸)V周りに左右方向に回転させ、また、左右軸(水平軸)H周りに上下方向に回転させて、全固体型ECミラーユニット10の反射面(ミラー面)Mの角度を調整する。
【0045】
(ミラーホルダ11の説明)
ミラーホルダ11は、図2から図4に示すように、全固体型ECミラー1の後記の封止基板7に配置されている。すなわち、ミラーホルダ11の正面110は、全固体型ECミラー1の封止基板7の裏面(すなわち、正面に対して反対側の背面であって、この例では、車両に対して前側の面)72に、両面接着部材12などの取付部材により取り付けられている。なお、取付部材としては、この例の両面接着部材12以外の取付部材であっても良い。
【0046】
ミラーホルダ11には、取付孔13が設けられている。ミラーホルダ11の取付孔13の中には、光源ユニット9が挿入されていて、光源ユニット9は、ミラーホルダ11に取り付けられている。
【0047】
ミラーホルダ11は、電動ミラー面角度調整ユニットMUを介して、ミラーハウジング101に取り付けられている。この結果、全固体型ECミラー1、ミラーホルダ11および光源ユニット9を備える全固体型ECミラーユニット10は、電動ミラー面角度調整ユニットMUを介して、ミラーハウジング101に取り付けられている。
【0048】
(発光表示部DPの説明)
発光表示部DPは、全固体型ECミラー1にマーク34として設けられている。マーク34は、後記する。
【0049】
(光源ユニット9の説明)
光源ユニット9は、図3に示すように、ミラーホルダ11に取り付けられていて、光L1を全固体型ECミラー1の封止基板7および発光表示部DPのマーク34を透過させて全固体型ECミラー1の後記の透明基板2側に照射させる。光源ユニット9は、図2に示すように、光源アセンブリ90と、ケーシング91と、光拡散板92と、遮光板93と、を有する。
【0050】
光源アセンブリ90は、基板900と、基板900に実装された光源901、配線(図示せず)および制御回路(図示せず)と、基板900に取り付けられているコネクタ902と、を有する。基板900は、この例では、剛性基板とフレキシブル基板との組み合わせから構成されている。なお、基板900としては、剛性基板のみから構成されているもの、または、フレキシブル基板のみから構成されているものであっても良い。光源901は、たとえば、LEDもしくはOLED(有機EL)などの自発光半導体型発光素子(半導体発光素子)タイプの光源を使用する。光源901は、配線および制御回路を介してコネクタ902に電気的に接続されている。コネクタ902は、電源側のコネクタ(図示せず)およびハーネス(図示せず)を介してドアミラー100の外部の電源に電気的に接続されている。
【0051】
ケーシング91は、正面側の壁が開口し、裏面側の壁および4つの側面側の壁が閉塞した中空形状をなす。裏面側の壁の正面には、反射面910が設けられている。反射面910は、光源901からの光を正面側の開口911側に反射させる。
【0052】
光拡散板92は、ケーシング91の開口911の縁に取り付けられていて、ケーシング91の開口911を覆っている。光拡散板92は、光源901からの直射光および反射面910からの反射光を、透過させると共に拡散させる。
【0053】
遮光板93は、窓部930を有する。遮光板93は、全固体型ECミラー1の封止基板7の裏面72とケーシング91の開口911および光拡散板92との間に介在されている。遮光板93は、光拡散板92から透過されかつ拡散された光L1を、窓部930から所定の箇所、すなわち、全固体型ECミラー1の発光表示部DPのマーク34に照射し、かつ、所定の箇所以外には遮蔽する。
【0054】
(全固体型ECミラー1の説明)
全固体型ECミラー1は、図1から図17に示すように、透明基板2と、透明基板2の裏面20側に積層成膜された第1金属反射膜3、透明導電膜4、全固体型EC膜5および第2金属反射膜6と、封止基板7と、封止部材70と、第1ターミナル81と、第2ターミナル82と、を備えるものである。
【0055】
(透明基板2の説明)
透明基板2は、この例では、ガラス板などから構成されている。透明基板2の外周22形状(外形)は、図1に示すように、ミラーハウジング101の開口部103の内周形状(内形)よりも一回り小さい。すなわち、透明基板2の外周22は、図3および図4に示すように、ミラーハウジング101の開口部103の内周よりも小さい。これにより、全固体型ECミラーユニット10を、ミラーハウジング101に対して、上下軸V周りに、また、左右軸H周りに回転させて、全固体型ECミラーユニット10のミラー面M(ミラー面)の角度を調整する時に、透明基板2の外周22がミラーハウジング101の開口部103に当たることが無い。
【0056】
透明基板2の正面21は、全固体型ECミラー1のミラー面M(ミラー面)である。全固体型ECミラー1のミラー面Mは、車両の後側であって、車両の運転者の視点EP側に向いている。透明基板2の裏面20は、透明基板2の正面21、すなわち、全固体型ECミラー1のミラー面Mに対して反対側の面である。
【0057】
透明基板2の正面21および裏面20は、図3から図5図7図10から図13に示すように、平面をなす。なお、透明基板2の正面21は、凸曲面などをなす面であっても良い。また、透明基板2の角部は、図3および図4の実線および図7中の破線にて示すように、面取りされていても良い
【0058】
(第1金属反射膜3の説明)
第1金属反射膜3は、図8から図11および図14に示すように、透明基板2の裏面20の外周22の縁部分に、帯環状に、成膜されている。この結果、第1金属反射膜3の内周31形状は、透明基板2の外周22形状よりも一回り小さく、第1金属反射膜3の外周32形状は、透明基板2の外周22形状と同等である。なお、図14中において、符号「T1」は、第1金属反射膜3の外周32および透明基板2の外周22から第1金属反射膜3の内周31までの幅である。
【0059】
第1金属反射膜3の一部分、この例では、下辺の中央部分には、第1金属反射膜3が成膜されていない切欠部分30が、設けられている(図8(B)および図11(C)を参照)。切欠部分30は、帯環状の第1金属反射膜3の一部分を切り欠いて、形成されている。また、図9図10および図14に示すように、第1金属反射膜3の一部分、この例では、車両の外側となる右側上部分には、内周31と外周32との間の幅が他の帯環状の部分の内周31と外周32との間の幅T1よりも幅広である幅広部分33が、形成されている。第1金属反射膜3は、この例では、アルミ膜から構成されている。
【0060】
第1金属反射膜3は、図8から図11に示すように、第1金属反射膜3の外周32が全固体型EC膜5の後記の外周51よりも透明基板2の外周22寄りに位置する外周縁部分35を有する。図9および図10に示すように、第1金属反射膜3の幅広部分33の外周縁部分35には、発光表示部DPが設けられている。発光表示部DPは、第1金属反射膜3の幅広部分33の外周縁部分35の一部分を切り欠いて設けたマーク34から構成されている。マーク34は、この例では、エッチングやブラストなどにより施されている。マーク34は、封止基板7側からの光L1を透明基板2側に透過させる機能を有する。なお、マーク34の意匠は、特に、限定しない。
【0061】
(透明導電膜4の説明)
透明導電膜4は、図8から図11および図15に示すように、透明基板2の裏面20および第1金属反射膜3に、透明基板2の形状よりも一回り小さい形状に、かつ、第1金属反射膜3の内周縁と透明導電膜4の外周縁とが相互に接続された状態で、成膜されている。すなわち、透明導電膜4は、透明基板2のうち第1金属反射膜3の内周31から内側の部分(第1金属反射膜3が成膜されていない部分)、および、第1金属反射膜3のうち少なくとも内周31の縁部分に、成膜されている。この結果、透明導電膜4の外周41形状は、透明基板2の外周22形状および第1金属反射膜3の外周32形状よりも一回り小さく、かつ、第1金属反射膜3の内周31形状よりも一回り大きい。なお、図15中において、符号「T3」は、透明基板2の外周22から透明導電膜4の外周41までの幅である。
【0062】
透明導電膜4の外周41縁のうち第1金属反射膜3の切欠部分30に対応する一部分には、透明導電膜4が成膜されていない凹部40が、設けられている(図8(B)および図11(C)を参照)。また、図15に示すように、透明導電膜4のうち第1金属反射膜3の幅広部分に対応する一部分の右側上部分の外周41は、他の部分よりも内側に凹んで形成されている。この結果、透明導電膜4の右側上部分の外周41と透明基板2の右側上部分の外周22との間の幅が、透明導電膜4の他の部分の外周41と透明基板2の他の部分の外周22との間の幅T3よりも幅広に形成されている。
【0063】
透明導電膜4は、この例では、ITOなどから構成されている。凹部40の周方向の幅T4は、第1金属反射膜3の切欠部分30の周方向の幅T2よりも大きい。この結果、図8(B)および図9に示すように、第1金属反射膜3の切欠部分30の周方向の両端(左右両端)が、透明導電膜4の凹部40の周方向の両端(左右両端)から、突出している。なお、図15においては、第1金属反射膜3の図示を省略する。
【0064】
(全固体型EC膜5の説明)
全固体型EC膜5は、図8から図11および図16に示すように、透明基板2の裏面20、第1金属反射膜3および透明導電膜4に、透明基板2の形状よりも一回り小さい形状に、成膜されている。すなわち、全固体型EC膜5は、透明基板2のうち切欠部分30と凹部40、第1金属反射膜3のうち切欠部分30の周方向の両端、および、透明導電膜4に、成膜されている。この結果、全固体型EC膜5の外周51形状は、透明導電膜4の外周41形状と同等であって、透明基板2の外周22形状および第1金属反射膜3の外周32形状よりも一回り小さく、かつ、第1金属反射膜3の内周31形状よりも一回り大きい。なお、図16中において、符号「T5」は、透明基板2の外周22から全固体型EC膜5の外周51までの幅であって、透明基板2の外周22から透明導電膜4の外周41までの幅T3と、同幅寸法である。
【0065】
全固体型EC膜5の外周51縁の一部分、この例では、上辺の中央部分には、全固体型EC膜5が成膜されていない凹部50が、設けられている(図8(A)および図11(A)を参照)。全固体型EC膜5の凹部50と、第1金属反射膜3の切欠部分30および透明導電膜4の凹部40とは、透明基板2の上下両辺において、相互に、向き合っている。また、図16に示すように、全固体型EC膜5のうち第1金属反射膜3の幅広部分に対応する一部分の右側上部分の外周51は、透明導電膜4の右側上部分の外周41と同様に、他の部分よりも内側に凹んで形成されている)。この結果、全固体型EC膜5の右側上部分の外周51と透明基板2の右側上部分の外周22との間の幅が、全固体型EC膜5の他の部分の外周51と透明基板2の他の部分の外周22との間の幅T5よりも幅広に形成されている。
【0066】
全固体型EC膜5は、この例では、酸化発色層、固体電解質層および還元発色層の3層を順次積層した全固体積層膜で構成されている。
酸化発色層は、この例では、IrSnOx x =1~2)などである。
固体電解質層は、この例では、TaOx x =2~2.5)などである。
還元発色層は、この例では、WOなどである。
【0067】
また、凹部50における全固体型EC膜5の外周51から透明基板2の外周22までの幅T6は、全固体型EC膜5の外周51から透明基板2の外周22までの幅T5よりも大きい。この結果、凹部50の外周51は、全固体型EC膜5の外周51よりも内側に凹んでいる。なお、図16においては、第1金属反射膜3および透明導電膜4の図示を省略する。
【0068】
(第2金属反射膜6の説明)
第2金属反射膜6は、図8から図11および図17に示すように、透明基板2の裏面20、第1金属反射膜3、透明導電膜4および全固体型EC膜5に、透明基板2、透明導電膜4および全固体型EC膜5の形状よりも一回り小さい形状に、成膜されている。この結果、第2金属反射膜6の外周62形状は、透明基板2の外周22形状、第1金属反射膜3の外周32形状、透明導電膜4の外周41形状および全固体型EC膜5の外周51形状よりも一回り小さく、かつ、第1金属反射膜3の内周31形状よりも一回り大きい。なお、図17中において、符号「T8」は、透明基板2の外周22から第2金属反射膜6の外周62までの幅であって、透明基板2の外周22から透明導電膜4の外周41までの幅T3
および透明基板2の外周22から全固体型EC膜5の外周51までの幅T5よりも大きい。
【0069】
第2金属反射膜6の外周62縁のうち第1金属反射膜3の切欠部分30および透明導電膜4の凹部40に対応する一部分には、第2金属反射膜6が成膜されている凸部60が、設けられている(図8(B)および図11(C)を参照)。第2金属反射膜6の外周62縁のうち全固体型EC膜5の凹部50に対応する一部分には、第2金属反射膜6が成膜されていない凹部61が、設けられている(図8(A)および図11(A)を参照)。
【0070】
また、図17に示すように、第2金属反射膜6のうち第1金属反射膜3の幅広部分に対応する一部分の右側上部分の外周62は、透明導電膜4の右側上部分の外周41および全固体型EC膜5の右側上部分の外周51と同様に、他の部分よりも内側に凹んで形成されている。この結果、第2金属反射膜6の右側上部分の外周62と透明基板2の右側上部分の外周22との間の幅が、第2金属反射膜6の他の部分の外周62と透明基板2の他の部分の外周22との間の幅T8よりも幅広に形成されている。
【0071】
第2金属反射膜6は、この例では、アルミ膜から構成されている。また、凸部60の周方向の幅T9は、切欠部分30の周方向の幅T2よりも小さい。この結果、図8(B)および図9に示すように、凸部60の周方向の両端(左右両端)は、切欠部分30の周方向の両端(左右両端)から、内側に位置する。
【0072】
さらに、凹部61における第2金属反射膜6の外周62から透明基板2の外周22までの幅T10は、第2金属反射膜6の外周62から透明基板2の外周22までの幅T8、および、全固体型EC膜5の凹部50の外周縁から透明基板2の外周縁までの幅T6、よりも大きい。この結果、凹部61の外周62は、第2金属反射膜6の外周62、および、全固体型EC膜5の凹部50の外周51、よりも内側に凹んでいる。
【0073】
さらにまた、凹部61の周方向の幅T11は、全固体型EC膜5の凹部50の周方向の幅T7よりも小さい。この結果、凹部61の周方向の両端(左右両端)は、全固体型EC膜5の凹部50の周方向の両端(左右両端)から内側に位置する。なお、図17においては、第1金属反射膜3、透明導電膜4および全固体型EC膜5の図示を省略する。
【0074】
(第1金属反射膜3および第2金属反射膜6の説明)
第1金属反射膜3の内周縁と透明導電膜4の外周縁とは、前記の通り、相互に接続されている。この第1金属反射膜3および透明導電膜4の一部分は、作用電極を構成する。第2金属反射膜6は、対向電極を構成する。作用電極の第1金属反射膜3および透明導電膜4と、対向電極の第2金属反射膜6との間には、全固体型EC膜5が介在されている。この結果、第1金属反射膜3および透明導電膜4と第2金属反射膜6とは、全固体型EC膜5を介して絶縁状態ある。
【0075】
第1金属反射膜3は、全固体型ECミラー1の外側のミラーを構成する。第2金属反射膜6は、全固体型ECミラー1の内側のミラーを構成する。外側のミラーの第1金属反射膜3の内周31部分と、内側のミラーの第2金属反射膜6の外周62部分とは、非接続状態であり、かつ、透明基板2から見て隙間が無く前後に重なっている。
【0076】
外側のミラーの第1金属反射膜3の内周31部分と、内側のミラーの第2金属反射膜6の外周62部分とは、第2金属反射膜6の凹部61において、重なり幅R1で重なっている(図8(A)および図11(A)参照)。また、外側のミラーの第1金属反射膜3の内周31部分と、内側のミラーの第2金属反射膜6の外周62部分とは、第1金属反射膜3の切欠部分30と第2金属反射膜6の凸部60および凹部61以外において、重なり幅R2で重なっている(図8(A)、図8(B)および図11(B)参照)。
【0077】
(封止基板7および封止部材70の説明)
透明基板2の裏面20側には、封止基板7が配置されている。封止基板7は、この例では、透明基板2と同様にガラス板などから構成されている。封止基板7は、透明基板2の形状よりも一回り小さい形状をなしている。また、封止基板7の角部は、透明基板2の角部と同様に、図3および図4の実線および図7中の破線にて示すように、面取りされていても良い。
【0078】
透明基板2の裏面20と封止基板7の正面73との間には、封止部材70が充填されている。封止部材70は、第1金属反射膜3、透明導電膜4、全固体型EC膜5、第2金属反射膜6、第1ターミナル81の一部分、および、第2ターミナル82の一部分を封止する。これにより、透明基板2、第1金属反射膜3、透明導電膜4、全固体型EC膜5、第2金属反射膜6、封止基板7、封止部材70、第1ターミナル81および第2ターミナル82が一体構造となり、全固体型ECミラー1が構成される。封止部材70は、この例では、エポキシ樹脂である。
【0079】
(スペーサ71の説明)
なお、図13(B)(C)(D)(E)に示すように、透明基板2の裏面20と封止基板7の正面73との間には、スペーサ71が、介在される場合がある。スペーサ71は、透明基板2と封止基板7との間の隙間を保持する。スペーサ71は、樹脂部材などの絶縁部材から構成されている。
【0080】
スペーサ71は、たとえば、図9中の二点鎖線の楕円にて示す2箇所に配置される。2個のスペーサ71は、全固体型ECミラー1の左右方向に配置されている。この結果、2個のスペーサ71と第1ターミナル81と第2ターミナル82は、全固体型ECミラー1の左右上下にほぼ等間隔で配置されている。
【0081】
(第1ターミナル81、第2ターミナル82の説明)
第1金属反射膜3のうち全固体型EC膜5の凹部50および第2金属反射膜6の凹部61に対応する一部分(ターミナル接続部分、電極接続部分)には、第1ターミナル81が導電性ペースト(導電性接着剤、半田)80を介して接続されている(図7および図8(A)参照)。第2金属反射膜6の凸部60(ターミナル接続部分、電極接続部分)には、第2ターミナル82が同じく導電性ペースト80を介して接続されている(図7および図8(B)参照)。第1ターミナル81と第2ターミナル82は、全固体型ECミラー1の上下方向に配置されている。
【0082】
第1ターミナル81、第2ターミナル82は、この例では、導電性部材(洋白など)から構成されている。
【0083】
第1ターミナル81、第2ターミナル82は、図7および図8に示すように、側面から見て、水平部分と垂直部分とからなるL字形状をなす。第1ターミナル81、第2ターミナル82は、水平部分の接続部83と垂直部分の給電部84とから構成されている。給電部84の幅は、接続部83の幅よりも広い。すなわち、給電部84の両側が、接続部83の両側から外側に突出している。
【0084】
接続部83は、駆動回路など(図示せず)を介して外部電源(図示せず)に接続される。給電部84は、第1ターミナル81側の作用電極(第1金属反射膜3および透明導電膜4)と第2ターミナル82側の対向電極(第2金属反射膜6)とに、それぞれ、接続されていて、作用電極と対向電極とに、それぞれ、外部電源からの電圧を印加(給電)する。すなわち、給電部84は、作用電極と対向電極とに、それぞれ、電気を供給して電流を流す。
【0085】
第1ターミナル81の一部分および第2ターミナル82の一部分は、封止部材70により封止されていて、スペーサ71と同様に、透明基板2と封止基板7との間の隙間を保持する保持部を構成する。
【0086】
保持部は、第1当接部86と、第2当接部87と、連結部88と、から構成されている。第1当接部86は、上側の第1当接部86と下側の第1当接部86との2点で、透明基板2の裏面20に当接する。第2当接部87は、上側の第1当接部86と下側の第1当接部86との間の1箇所で、封止基板7の正面73に当接する。連結部88は、上側の第1当接部86および下側の第1当接部86と第2当接部87とを相互に連結する。
【0087】
保持部の第1当接部86、第2当接部87および連結部88は、透明基板2と封止基板7との間の隙間を保持する。なお、第1当接部86は、保持部と給電部84との双方を兼用する。保持部(垂直部分の給電部84)は、透明基板2の裏面20および封止基板7の正面73に対して平行な方向に、かつ、透明基板2の外周22および封止基板7の外周に沿って長尺形状をなす。長尺形状の保持部(垂直部分の給電部84)は、透明基板2と封止基板7との向き合う方向に弾性を有する。
【0088】
(全固体型ECミラー1の製造工程の説明)
以下、全固体型ECミラー1の製造工程について、図12および図13を参照して説明する。全固体型ECミラー1の製造工程は、前工程の成膜工程と、後工程のモジュール工程と、からなる。
【0089】
製造工程1は、透明基板2をクリーニングする(図12(A)を参照)。特に、透明基板2の裏面20および正面21をクリーニングする。
【0090】
製造工程2は、透明基板2の裏面20の外周に、アルミ膜から構成されている第1金属反射膜3を、成膜する(図12(B)を参照)。この時、第1金属反射膜3の一部分には、切欠部分30が設けられている。また、第1金属反射膜3の幅広部分には、発光表示部DPのマーク34が設けられている。
【0091】
製造工程3は、透明基板2の裏面20および第1金属反射膜3に透明導電膜4を成膜する(図12(C)を参照)。この時、透明導電膜4の外周縁の一部分には、凹部40が設けられている。
【0092】
製造工程4は、透明基板2の裏面20、第1金属反射膜3および透明導電膜4に全固体型EC膜5を成膜する(図12(D)を参照)。この時、全固体型EC膜5の外周縁の一部分には、凹部50が設けられている。
【0093】
製造工程5は、透明基板2の裏面20、第1金属反射膜3、透明導電膜4および全固体型EC膜5に第2金属反射膜6を成膜する(図12(E)を参照)。この時、第2金属反射膜6の外周縁の一部分には、凸部60と凹部61とがそれぞれ設けられている。
【0094】
製造工程1から製造工程5は、前工程の成膜工程である。
【0095】
製造工程6は、成膜工程が完了した第1金属反射膜3と第2金属反射膜6の凸部60とに、導電性ペースト80を、それぞれ、塗布する(図12(F)を参照)。
【0096】
製造工程7は、第1金属反射膜3の導電性ペースト80に第1ターミナル81の給電部84を、また、第2金属反射膜6の凸部60の導電性ペースト80に第2ターミナル82の給電部84を、それぞれ、設置(載置)する(図12(G)を参照)。
【0097】
製造工程8は、封止基板7をクリーニングする(図13(A)を参照)。特に、封止基板7の裏面72および正面73をクリーニングする。
【0098】
製造工程9は、封止基板7の正面73にスペーサ71を設置(載置)する(図13(B)を参照)。
【0099】
製造工程10は、封止基板7の正面73に封止部材70を塗布する(図13(C)を参照)。
【0100】
製造工程8から製造工程10は、製造工程1から製造工程7と平行に行っても良い。
【0101】
製造工程11は、製造工程7において製造された透明基板2、第1金属反射膜3、透明導電膜4、全固体型EC膜5、第2金属反射膜6、導電性ペースト80、第1ターミナル81および第2ターミナル82に、製造工程10において製造された封止基板7、封止部材70およびスペーサ71を、上下逆さにして、重ね合わせる(図13(D)を参照)。
【0102】
製造工程12は、製造工程7において製造された透明基板2、第1金属反射膜3、透明導電膜4、全固体型EC膜5、第2金属反射膜6、導電性ペースト80、第1ターミナル81および第2ターミナル82と、製造工程10において製造された封止基板7、封止部材70およびスペーサ71とを、封止部材70の高温硬化により、一体にする(図13(E)を参照)。この時、第1金属反射膜3、透明導電膜4、全固体型EC膜5、第2金属反射膜6、第1ターミナル81の一部分、および、第2ターミナル82の一部分は、封止部材70により封止されている。また、透明基板2と封止基板7との間の隙間は、第1ターミナル81のおよび第2ターミナル82により、保持されている。
【0103】
この製造工程1から製造工程12までの工程により、全固体型ECミラー1が製造される。
【0104】
(実施形態の作用の説明)
この実施形態にかかる全固体型ECミラー1、全固体型ECミラーユニット10、車両用ミラー装置100は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。
【0105】
全固体型ECミラー1(全固体型ECミラーユニット10)のミラー面Mは、車両の後側の情報を運転者側に反射させる。運転者は、全固体型ECミラー1のミラー面Mで反射された車両の後側の情報を視認する。
【0106】
この時、全固体型ECミラー1のミラー面Mは、第1金属反射膜3の外側のミラー面Mと、第2金属反射膜6の内側のミラー面Mとにより、全固体型ECミラー1の全面がミラー面Mとなる。
【0107】
第1ターミナル81および第2ターミナル82を介して、作用電極(第1金属反射膜3および透明導電膜4)と対向電極(第2金属反射膜6)とに、それぞれ、電圧を印加(給電)する。
【0108】
すると、全固体型EC膜5の光透過率が変化する。これにより、透明基板2の正面21側、すなわち、車両の運転者の視点EP側から、透明基板2、透明導電膜4および全固体型EC膜5を透過して見た第2金属反射膜6の反射率が変化する。
【0109】
昼モードの高反射率のミラー面Mと、夜モードの低反射率の反射面とMが得られる。この時、反射率が変化するのは、全固体型ECミラー1のミラー面Mのうち、第2金属反射膜6に対応する内側のミラー面Mである。外側のミラー面Mの反射率は、変化しない。
【0110】
また、車両の走行中において、車両の斜め後方の運転者の死角に他の車両が所定の距離に近づくと、ブラインドスポットワーニング(BSW)装置のセンサが接近する他の車両を検出して、制御部が光源ユニット9の光源901を発光させる。
【0111】
すると、光源901からの光は、光源901からの直射光、また、反射面910からの反射光として、光拡散板92を拡散しながら透過する。光拡散板92から拡散しながら透過した光L1は、遮光板93の窓部930から所定の箇所、すなわち、全固体型ECミラー1の発光表示部DPのマーク34に照射されて、マーク34の部分を透過し、かつ、マーク34以外の部分では遮られる。
【0112】
マーク34の部分を透過した光L1が、車両の運転者の視点EPに入り、これにより、運転者に他の車両が接近していることを知らせることができる。
【0113】
(実施形態の効果の説明)
この実施形態にかかる全固体型ECミラー1、全固体型ECミラーユニット10、車両用ミラー装置100(以下、「この実施形態にかかる全固体型ECミラーシステム」と称する)は、以上のごとき構成、作用からなり、以下、その効果について説明する。
【0114】
この実施形態にかかる全固体型ECミラーシステムは、透明基板2と封止基板7との間に全固体型EC膜5を積層製膜してなるものであるから、液状の電気光学材料(126)を使用した前記の特許文献1の電気光学ミラーのシール部材(116)が不要となる。この結果、この実施形態にかかる全固体型ECミラーシステムは、図5(A)(B)に示すように、透明基板2の正面21の面積が規定領域Zを含むミラー面Mに対してほぼ同等になり、前記の特許文献1の電気光学ミラーのシール部材(116)分ZB小さくなり、かつ、重量が軽くなる傾向にある。これにより、この実施形態にかかる全固体型ECミラーシステムは、小型化や軽量化することができる。
【0115】
この実施形態にかかる全固体型ECミラーシステムは、全固体型EC膜5の外周51よりも外側に位置する第1金属反射膜3の外周縁部分35に発光表示部DPを設けたものであるから、全固体型EC膜5の面積を、固体EC層(66)に切欠パターン(73)を形成した前記の特許文献2の固体EC層(66)の面積よりも、狭くすることができる。この結果、この実施形態にかかる全固体型ECミラーシステムは、図5(A)(C)に示すように、透明基板2の正面21の面積が、前記の特許文献2の車両用固体型ECミラーの表側透明基板(60)の外周縁部の分ZC小さくなり、かつ、重量が軽くなる傾向にある。これにより、この実施形態にかかる全固体型ECミラーシステムは、小型化や軽量化することができる。
【0116】
この実施形態にかかる全固体型ECミラーシステムは、全固体型EC膜5を使用するものであるから、液状の電気光学材料(126)を使用する前記の特許文献1の電気光学ミラーのような、液状の電気光学材料(126)と光透過性のウインドウエリア(146)に設ける青色-緑色反射光を補う手段とのマッチングを考慮する必要が無く、使用する全固体型EC膜5の材料の選択の自由度が増し、製造が容易となり、製造コストを安価にすることができる。
【0117】
この実施形態にかかる全固体型ECミラーシステムは、全固体型EC膜5の外周51よりも外側に位置する第1金属反射膜3の外周縁部分35に発光表示部DPを設けたものであるから、固体EC層(66)に切欠パターン(73)すなわち発光表示部DPを形成した前記の特許文献2と比較して、発光表示部DPを容易形成することができ、製造歩留まりが向上して、製造コストを安価にすることができる。
【0118】
この実施形態にかかる全固体型ECミラーシステムは、透明基板2と封止基板7との間に、第1金属反射膜3、透明導電膜4、全固体型EC膜5および第2金属反射膜6を、積層成膜し、第1金属反射膜3および透明導電膜4により作用電極を構成し、かつ、第2金属反射膜6により対向電極を構成したものである。この結果、この実施形態にかかる全固体型ECミラーシステムは、透明導電層(64)をレーザーカッティングなどで形成された分割線により分割して、上側ターミナル(70)が接続された上側領域(64a)の電極と下側ターミナルが接続された下側領域の電極とを構成してなるものであって、上側領域(64a)の電極と下側領域の電極との間にリーク電流が流れる場合がある前記の特許文献2の車両用固体型ECミラーと比較して、リーク電流を防止できる。
【0119】
この実施形態にかかる全固体型ECミラーシステムは、第1ターミナル81と第2ターミナル82とを備え、第1ターミナル81が、第1金属反射膜3に接続されている給電部84と、給電部84から透明基板2の裏面20に対して垂直方向に封止基板7側に延長して設けられていて、外部電源に接続される接続部83と、を有し、第2ターミナル82が、第2金属反射膜6に接続されている給電部84と、給電部84から透明基板2の裏面20に対して垂直方向に封止基板7側に延長して設けられていて、外部電源に接続される接続部83と、を有する、ものである。この結果、この実施形態にかかる全固体型ECミラーシステムは、車両の運転者の視点EPからミラー面Mを見た時に、透明基板2の裏面20に位置する第1ターミナル81および第2ターミナル82が、透明基板2により覆い隠されていて、車両の運転者の視点EPから見えない、ものであるから、透明基板2の正面21全面がミラー面Mとなり、外観上の見栄えが向上(改善)される。
【0120】
この実施形態にかかる全固体型ECミラーシステムは、第1ターミナル81および第2ターミナル82が車両の運転者の視点EPから見えない、ものであるから、第1ターミナル81および第2ターミナル82を覆い隠すベゼル、例えば、前記の特許文献2の車両用固体型ECミラーにおけるベゼル、すなわち、表側透明基板(60)の上下両辺に装着された上側ターミナル(70)および下側ターミナルを目隠しするためのベゼル(特許文献2の図2に示すミラーホルダー(16))が、不要となる、ものである。この結果、この実施形態にかかる全固体型ECミラーシステムは、図5(A)(C)に示すように、透明基板2の正面21全面が、規定領域Zを含むミラー面Mとなり、前記の特許文献2の車両用固体型ECミラーのベゼル分ZC1小さくなり、かつ、重量が重くなる傾向にある。これにより、この実施形態にかかる全固体型ECミラーシステムは、小型化や軽量化することができる。
【0121】
この実施形態にかかる全固体型ECミラーシステムは、発光表示部DPが、第1金属反射膜3の外周縁部分35の一部分を切り欠いて設けたマーク34から構成されているものであるから、発光表示部DPのマーク34が明確に発光表示される。
【0122】
この実施形態にかかる全固体型ECミラーシステムは、第1金属反射膜3の一部分に、内周31と外周32との間の幅が他の帯環状の部分の内周31と外周32との間の幅T1よりも幅広である幅広部分33を、形成し、幅広部分33に発光表示部DPのマーク34を設けたものであるから、発光表示部DPのマーク34の意匠(デザイン)の自由度を幅広部分33の広さに応じて広げることができる。
【0123】
この実施形態にかかるドアミラー100は、全固体型ECミラーユニット10の発光表示部DPが、BSW機能の発光表示部DPであって、この発光表示部DPが、ミラーハウジング101を取付部材102を介して車体に取り付けた時に、全固体型ECミラーユニット10の第1金属反射膜3のうち車両の外側に位置する、ものである。この結果、この実施形態にかかるドアミラー100は、発光表示部DPが規定領域Zに対して車両の外側に位置するので、規定領域Zの視野を確保することができ、かつ、発光表示部DPを視認することができる。
【0124】
この実施形態にかかるドアミラー100は、全固体型ECミラーユニット10が電動ミラー面角度調整ユニットMUを介してミラーハウジング101に取り付けられているものである。この結果、この実施形態にかかるドアミラー100は、全固体型ECミラーユニット10のミラー面を、ドライバーの視線に合わせて調整することができ、交通安全に貢献することができる。
【0125】
(第1変形例の光源ユニット9Aの構成、作用、効果の説明)
以下、第1変形例の光源ユニット9Aについて図18を参照して説明する。図18は、光源ユニットの第1変形例を示す一部拡大縦断面図である。図中、図1図17と同符号は、同一物を示す。
【0126】
光源ユニット9Aは、基板900Aと、光源901Aと、コネクタ902Aと、を備える。第1変形例の光源ユニット9Aは、前記の光源ユニット9の光源アセンブリ90に対応する。すなわち、光源ユニット9Aは、前記の光源ユニット9のケーシング91、光拡散板92および遮光板93を省略したものであって、その分、小型化が可能である。
【0127】
基板900Aは、前記の光源ユニット9の基板900と同様の構成をなす。基板900Aは、ミラーホルダ11に取り付けられている。
【0128】
光源901Aは、LEDもしくはOLED(有機EL)などの自発光半導体型発光素子(半導体発光素子)すなわち自発光型光源であって、発光面903Aを有する。光源901Aは、基板900Aに実装されている。光源901Aは、基板900Aの配線および制御回路を介してコネクタ902Aに電気的に接続されている。発光面903Aは、封止基板7の裏面72に向き合う。
【0129】
コネクタ902Aは、ミラーホルダ11の取付開口111に挿通され、かつ、ミラーホルダ11に取り付けられている。コネクタ902Aは、電源側のコネクタ(図示せず)およびハーネス(図示せず)を介してドアミラー100の外部の電源に電気的に接続されている。コネクタ902Aは、基板900Aを介して光源901Aに給電する。
【0130】
光源901Aに給電すると、発光面903Aが発光し、発光面903Aからの光L1が封止基板7、封止部材70、発光表示部DP、マーク34および透明基板2を透過して、車両の運転者の視点EPに入る。
【0131】
第1変形例の光源ユニット9Aは、以上のごとき構成からなるので、前記の光源ユニット9と同様の作用効果を達成することができる。特に、第1変形例の光源ユニット9Aは、前記の光源ユニット9と比較して、小型化することができるので、光源ユニット9Aのレイアウトの自由度が向上される。
【0132】
(第2変形例の光源ユニット9Bの構成、作用、効果の説明)
以下、第2変形例の光源ユニット9Bについて図19を参照して説明する。図19は、光源ユニットの第2変形例を示す一部拡大縦断面図である。図中、図1図18と同符号は、同一物を示す。
【0133】
光源ユニット9Bは、基板900Bと、光源901Bと、コネクタ902Bと、導光部材904Bと、を備える。第2変形例の光源ユニット9Bは、第1変形例の光源ユニット9Aと同様に、前記の光源ユニット9の光源アセンブリ90に対応する。すなわち、光源ユニット9Bは、前記の光源ユニット9のケーシング91、光拡散板92および遮光板93を省略したものであって、その分、小型化が可能である。
【0134】
基板900Bは、前記の光源ユニット9の基板900と同様の構成をなす。基板900Bは、ミラーホルダ11に取り付けられている。
【0135】
光源901Bは、LEDもしくはOLED(有機EL)などの自発光半導体型発光素子(半導体発光素子)であって、発光面903Bを有する。光源901Bは、基板900Bに実装されている。光源901Bは、基板900Bの配線および制御回路を介してコネクタ902Bに電気的に接続されている。発光面903Bは、封止基板7とミラーホルダ11との間の空間に向き合う。
【0136】
コネクタ902Bは、ミラーホルダ11の取付開口111に挿通され、かつ、ミラーホルダ11に取り付けられている。コネクタ902Bは、電源側のコネクタ(図示せず)およびハーネス(図示せず)を介してドアミラー100の外部の電源に電気的に接続されている。コネクタ902Bは、基板900Bを介して光源901Bに給電する。
【0137】
導光部材904Bは、基板900Bまたはミラーホルダ11の少なくともいずれか一方に取り付けられている。導光部材904Bは、光源901Bの発光面903Bに向き合う入射面905Bと、封止基板7の裏面72に向き合う出射面906Bと、を有する。
【0138】
光源901Bに給電すると、発光面903Bが発光し、発光面903Bからの光が入射面905Bから導光部材904B中に入射し、その入射光が導光部材904B中を導かれながら出射面906Bから出射する。その出射した光L1が封止基板7、封止部材70、発光表示部DP、マーク34および透明基板2を透過して、車両の運転者の視点EPに入る。
【0139】
第2変形例の光源ユニット9Bは、以上のごとき構成からなるので、前記の第1変形例の光源ユニット9Aおよび前記の光源ユニット9と同様の作用効果を達成することができる。特に、第2変形例の光源ユニット9Bは、前記の第1変形例の光源ユニット9Aと同様に、前記の光源ユニット9と比較して、小型化することができるので、光源ユニット9Aのレイアウトの自由度が向上される。
【0140】
(変形例のドアミラー100Aの構成、作用、効果の説明)
以下、変形例のドアミラー100Aについて図20および図21を参照して説明する。図20は、車両用ミラー装置の変形例を示す正面図である。図21は、発光表示部のマークの部分を示す一部拡大正面図である。図中、図1図19と同符号は、同一物を示す。
【0141】
前記のドアミラー100において、全固体型ECミラーユニット10の発光表示部DPは、BSW機能の発光表示部DPである。発光表示部DPは、ドアミラー100を車両に装備した時に、すなわち、ミラーハウジング101を取付部材102を介して車体のドア106に取り付けた時に、全固体型ECミラーユニット10の第1金属反射膜3のうち車両の外側に位置するものである。
【0142】
これに対して、変形例のドアミラー100Aにおいて、全固体型ECミラーユニット10Aの発光表示部DPAは、信号灯機能の発光表示部DPAである。発光表示部DPは、複数個、この例では、9個の小円形状のマーク34Aとして設けられている。9個の小円形状のマーク34Aは、この例では、全固体型ECミラーユニット10Aの第1金属反射膜3(前記の外周縁部分35)のうち車両の下側から外側にかけての角部に設けられている。
【0143】
全固体型ECミラーユニット10Aの光源ユニット(図示せず)は、複数個(9個の小円形状のマーク34A)の発光表示部DPAをシーケンシャルで、すなわち、図21中の実線矢印方向であって、反時計方向に順次発光させる。
【0144】
変形例のドアミラー100Aは、以上のごとき構成からなるので、前記のドアミラー100と同様の作用効果を達成することができる。特に、変形例のドアミラー100Aは、前記のドアミラー100の発光表示部DPがBSW機能を作用するのに対して、発光表示部DPAが信号灯機能を作用することができる。
【0145】
(変形例の全固体型ECミラー1Aの構成、作用、効果の説明)
以下、変形例の全固体型ECミラー1Aについて図22から図24を参照して説明する。図22は、全固体型ECミラーの変形例を示す一部(発光表示部のマークの部分)拡大正面図である。図23は、発光表示部のマークの一部分および光源ユニットの部分を示す一部拡大縦断面図(図22におけるXXIII-XXIII線一部拡大断面図)である。図24は、発光表示部のマークの他の部分および光源ユニットの部分を示す一部拡大縦断面図(図22におけるXXIV-XXIV線一部拡大断面図)である。図中、図1図21と同符号は、同一物を示す。
【0146】
変形例の全固体型ECミラー1Aは、前記の全固体型ECミラー1と同様に、透明基板2と封止基板7との間に、第1金属反射膜3、透明導電膜4、全固体型EC膜5および第2金属反射膜6を封止する光透過性の封止部材70A、70Bを、充填してなるものである。
【0147】
封止部材70A、70Bは、任意の色に着色されている。この封止部材70A、70Bのうち、発光表示部DPのマーク34の一部分(図22および図23中、太い実線にて示す一部分)に対応する一部分70Aは、封止部材の他の部分70Bの色と異なる色に着色されている。例えば、封止部材の一部分70Aは、グリーンに着色されていて、封止部材の他の部分70Bは、アンバーに着色されている。
【0148】
または、封止部材は、任意の色(例えば、アンバー)に着色されている。一方、発光表示部DPのマーク34の一部分(図22および図23中、太い実線にて示す一部分)には、封止部材の色(例えば、アンバー)と異なる色(例えば、グリーン)に着色されている光透過性のカラーフィルタ(図示せず)が、設けられている。
【0149】
変形例の全固体型ECミラー1Aは、以上のごとき構成からなるので、前記の全固体型ECミラー1と同様の作用効果を達成することができる。特に、変形例の全固体型ECミラー1Aは、前記の全固体型ECミラー1の発光表示部DPのマーク34が単色で発光表示されるのに対して、発光表示部DPのマーク34が二色で発光表示されるので、発光表示部DPの発光表示機能効果が向上される。
【0150】
なお、この変形例では、発光表示部DPのマーク34の発光表示が二色であるが、三色以上であっても良い。
【0151】
(実施形態、変形例以外の例の説明)
なお、前記の実施形態、変形例にかかる全固体型ECミラー1、1A、全固体型ECミラーユニット10、10A、車両用ミラー装置(ドアミラー)100、100Aは、車両用アウトサイドミラー装置について説明するものである。しかしながら、この発明においては、前記の通り、車両用インサイドミラー装置に使用しても良い。また、この発明においては、車両用のミラー装置以外のミラー装置にも使用することができる。
【0152】
また、この発明は、前記の実施形態、変形例により限定されるものではない。さらに、前記の変形例においては、封止部材70A、70Bを任意の色に着色したものであり、また、封止部材の色と異なる色に着色されているカラーフィルタを追加したものである。しかしながら、この発明においては、必ずしも、封止部材70A、70Bを着色させたり、あるいは、カラーフィルタを追加したりする必要はない。ただし、発光表示部DP、DPAを、光源901、901A、901Bからの光の色と異なる色に発色させる場合に、封止部材70A、70Bを任意の色に着色したり、あるいは、カラーフィルタを追加したりすることができる。
【符号の説明】
【0153】
1、1A 全固体型ECミラー
10、10A 全固体型ECミラーユニット
11 ミラーホルダ
110 正面
111 取付開口
12 両面接着部材
13 取付孔
100、100A ドアミラー(車両用ミラー装置)
101 ミラーハウジング
102 取付部材
103 開口部
104 ベース
105 電動格納ユニット
106 ドア(車体)
2 透明基板
20 裏面
21 正面
22 外周
3 第1金属反射膜
30 切欠部分
31 内周
32 外周
33 幅広部分
34、34A マーク
35 外周縁部分
4 透明導電膜
40 凹部
41 外周
5 全固体型EC膜
50 凹部
51 外周
6 第2金属反射膜
60 凸部
61 凹部
62 外周
7 封止基板
70 封止部材
71 スペーサ
72 裏面
73 正面
80 導電性ペースト(導電性接着剤、半田)
81 第1ターミナル
82 第2ターミナル
83 接続部
84 給電部
86 第1当接部
87 第2当接部
88 連結部
9、9A、9B 光源ユニット
90 光源アセンブリ
900 基板
901、901A、901B 光源
902、902A、902B コネクタ
903A、903B 発光面
904B 導光部材
905B 入射面
906B 出射面
91 ケーシング
910 反射面
911 開口
92 光拡散板
93 遮光板
930 窓部
B 後
D 下
DP、DPA 発光表示部
EP 視点
F 前
H 左右軸
L 左
L1 光
M ミラー面
MU 電動ミラー面角度調整ユニット(パワーユニット)
R 右
R1 重なり幅
R2 重なり幅
T1 幅
T2 幅
T3 幅
T4 幅
T5 幅
T6 幅
T7 幅
T8 幅
T9 幅
T10 幅
T11 幅
U 上
V 上下軸
Z 規定領域
ZB シール部材(116)分
ZC 外周縁部の分
ZC1 ベゼル分
図1
図2
図3
図4
図5
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