(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022167071
(43)【公開日】2022-11-04
(54)【発明の名称】展開構造物
(51)【国際特許分類】
E04B 1/343 20060101AFI20221027BHJP
F16S 5/00 20060101ALI20221027BHJP
B64G 1/22 20060101ALI20221027BHJP
【FI】
E04B1/343 S
F16S5/00
B64G1/22
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021072605
(22)【出願日】2021-04-22
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 会議名:第71回国際宇宙会議-サイバースペース版(71st International Astronautical Congress(IAC)‐ The CyberSpace Edition), 開催日:令和2年10月12日~14日, 主催者:国際宇宙航行連盟(International Astronautical Federation), ウエブサイトの掲載日:令和2年10月12日, ウエブサイト:https://iac2020.vfairs.com/, 公開者:石川洋二、小田観世、田中健、石松慎太郎、井上文宏、高橋鷹山、堀井柊我, 公開された発明の内容:オリガミハウスの自動展開メカニズムに関する発明
(71)【出願人】
【識別番号】000000549
【氏名又は名称】株式会社大林組
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】一色国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】石川 洋二
(72)【発明者】
【氏名】小田 観世
(72)【発明者】
【氏名】田中 健
(72)【発明者】
【氏名】石松 慎太郎
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 彰朗
(72)【発明者】
【氏名】井上 文宏
(57)【要約】
【課題】課題は省力で折り畳み及び展開することができる展開構造物を提供することである。
【解決手段】展開構造物は、上下の半体壁ユニット300Aと、これらを連結する連結ヒンジ10と、半体壁ユニット300Aの壁幅方向両端部間に架け渡され、壁幅方向に伸縮するアクチュエータ6Aと、を備える。半体壁ユニット300Aは、壁幅方向に配列されるパネル311,312,313,312,311と、パネル311,312,313,312,311の隣り同士をヒンジ結合するとともに、壁幅方向及び壁高方向に対して斜めのヒンジ6,7と、を有する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁幅方向に配列される複数の上パネルと、前記複数の上パネルの隣り同士をヒンジ結合するとともに、壁幅方向及び壁高方向に対して斜めの複数の上ヒンジと、を有し、壁幅方向に折り畳み及び展開可能な上半体壁ユニットと、
壁幅方向に配列される複数の下パネルと、前記複数の下パネルの隣り同士をヒンジ結合するとともに、壁幅方向及び壁高方向に対して斜めの複数の下ヒンジと、を有し、壁幅方向に折り畳み及び展開可能な下半体壁ユニットと、
壁幅方向に平行であり、前記上半体壁ユニット及び前記下半体壁ユニットを壁高方向に折り畳み及び展開可能とするよう前記上半体壁ユニットと前記下半体壁ユニットとをヒンジ結合する連結ヒンジと、
前記上半体壁ユニット又は前記下半体壁ユニットの壁幅方向両端部間に架け渡され、壁幅方向に伸縮するアクチュエータと、を有する展開構造物。
【請求項2】
前記上半体壁ユニット、前記下半体壁ユニット、前記連結ヒンジ及び前記アクチュエータを複数有し、
展開状態の複数の前記上半体壁ユニットが筒状に組まれ、展開状態の複数の前記下半体壁ユニットが筒状に組まれる
請求項1に記載の展開構造物。
【請求項3】
展開状態の前記上半体壁ユニット及び前記下半体壁ユニットの壁幅方向の長さが展開状態の前記上半体壁ユニット及び前記下半体壁ユニットの壁高方向の長さよりも長い
請求項1又は2に記載の展開構造物。
【請求項4】
壁幅方向に配列される複数の上パネルと、前記複数の上パネルの隣り同士をヒンジ結合するとともに、壁幅方向及び壁高方向に対して斜めの複数の上ヒンジと、を有し、壁幅方向に折り畳み及び展開可能な上半体壁ユニットと、
壁幅方向に配列される複数の下パネルと、前記複数の下パネルの隣り同士をヒンジ結合するとともに、壁幅方向及び壁高方向に対して斜めの複数の下ヒンジと、を有し、壁幅方向に折り畳み及び展開可能な下半体壁ユニットと、
壁幅方向に平行であり、前記上半体壁ユニット及び前記下半体壁ユニットを壁高方向に折り畳み及び展開可能とするよう前記上半体壁ユニットと前記下半体壁ユニットとをヒンジ結合する連結ヒンジと、
前記上半体壁ユニットの壁幅方向一端部と前記下半体壁ユニットの壁幅方向他端部と間に架け渡され、壁幅方向及び壁高方向に対して斜めな方向に伸縮するアクチュエータと、を有する展開構造物。
【請求項5】
前記上半体壁ユニット、前記下半体壁ユニット、前記連結ヒンジ及び前記アクチュエータを複数有し、
展開状態の複数の前記上半体壁ユニットが筒状に組まれ、展開状態の複数の前記下半体壁ユニットが筒状に組まれる
請求項4に記載の展開構造物。
【請求項6】
展開状態の前記上半体壁ユニット及び前記下半体壁ユニットの壁幅方向の長さが展開状態の前記上半体壁ユニット及び前記下半体壁ユニットの壁高方向の長さよりも長い
請求項4又は5に記載の展開構造物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、折り畳み及び展開可能な展開構造物に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、展開状態で帯板状に成した展開構造物が開示されている。この展開構造物は、長辺方向に折り畳み及び展開可能であるとともに、短辺方向にも折り畳み及び展開可能である。このような複数の帯板状の展開構造物が筒状に組み立てられることによって、筒状の展開構造物が構築される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、展開構造物は折り畳まれた状態で宇宙、深海、極寒地域等の極限環境地まで輸送され、その地において展開されて使用される。展開構造物の展開には動力が必要であるところ、極限環境地において展開構造物に与えられる動力の荷重が小さいことが好ましいのは言うまでもない。
【0005】
そこで、本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、省力で折り畳み及び展開することができる展開構造物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題を解決するために、壁幅方向に配列される複数の上パネルと、前記複数の上パネルの隣り同士をヒンジ結合するとともに、壁幅方向及び壁高方向に対して斜めの複数の上ヒンジと、を有し、壁幅方向に折り畳み及び展開可能な上半体壁ユニットと、壁幅方向に配列される複数の下パネルと、前記複数の下パネルの隣り同士をヒンジ結合するとともに、壁幅方向及び壁高方向に対して斜めの複数の下ヒンジと、を有し、壁幅方向に折り畳み及び展開可能な下半体壁ユニットと、壁幅方向に平行であり、前記上半体壁ユニット及び前記下半体壁ユニットを壁高方向に折り畳み及び展開可能とするよう前記上半体壁ユニットと前記下半体壁ユニットとをヒンジ結合する連結ヒンジと、前記上半体壁ユニット又は前記下半体壁ユニットの壁幅方向両端部間に架け渡され、壁幅方向に伸縮するアクチュエータと、を有する展開構造物が提供される。
【0007】
アクチュエータが壁幅方向に伸縮することから、アクチュエータの出力荷重が小さくても、上下の半体壁ユニットを折り畳み、且つ展開することができる。
【0008】
また、壁幅方向に配列される複数の上パネルと、前記複数の上パネルの隣り同士をヒンジ結合するとともに、壁幅方向及び壁高方向に対して斜めの複数の上ヒンジと、を有し、壁幅方向に折り畳み及び展開可能な上半体壁ユニットと、壁幅方向に配列される複数の下パネルと、前記複数の下パネルの隣り同士をヒンジ結合するとともに、壁幅方向及び壁高方向に対して斜めの複数の下ヒンジと、を有し、壁幅方向に折り畳み及び展開可能な下半体壁ユニットと、壁幅方向に平行であり、前記上半体壁ユニット及び前記下半体壁ユニットを壁高方向に折り畳み及び展開可能とするよう前記上半体壁ユニットと前記下半体壁ユニットとをヒンジ結合する連結ヒンジと、前記上半体壁ユニットの壁幅方向一端部と前記下半体壁ユニットの壁幅方向他端部と間に架け渡され、壁幅方向及び壁高方向に対して斜めな方向に伸縮するアクチュエータと、を有する展開構造物が提供される。
【0009】
アクチュエータは伸縮により壁幅方向の分力を発生させるため、アクチュエータの出力荷重が小さくても、上下の半体壁ユニットを折り畳み、且つ展開することができる。
【発明の効果】
【0010】
省力で上下の半体壁ユニットを折り畳み、且つ展開することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図2】展開構造物が展開される様子を示した斜視図である。
【
図4】折り畳み状態の筒状展開構造物の斜視図である。
【
図5】筒状展開構造物が展開される様子を示した斜視図である。
【
図8】折り畳み状態の下の半体壁ユニットの斜視図である。
【
図9】壁ユニットが展開される様子を示した斜視図である。
【
図12】折り畳み状態の筒状展開構造物の上の角部を示した斜視図である。
【
図13】展開状態の筒状展開構造物の上の角部を示した斜視図である。
【
図16】接続ユニットを取り外した状態の筒状展開構造物の平面図である。
【
図17】変形例の折り畳み状態の展開構造物の斜視図である。
【
図18】変形例の展開構造物が展開される様子を示した斜視図である。
【
図19】変形例の展開状態の展開構造物の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
1. 展開構造物の概要
図1は折り畳み状態の展開構造物の斜視図である。
図2は展開構造物が展開される様子を示した斜視図である。
図3は展開状態の展開構造物の斜視図である。
【0013】
この展開構造物は、折り畳まれた状態で設置場所まで輸送され、設置場所において展開される。この展開構造物は地球又は宇宙に設置される。この展開構造物が地球のように重力のある惑星又は衛星に設置される場合、以下の説明における「上方」とは「鉛直上方」のことをいうが、そうでなくてもよい。
【0014】
展開構造物は、筒状展開構造物1Aと、筒状展開構造物1Aを駆動することによって筒状展開構造物1Aの展開及び折り畳みを行う8体のアクチュエータ6Aと、を備える。ここで、4体のアクチュエータ6Aが筒状展開構造物1Aの上に設けられ、4体のアクチュエータ6Aが筒状展開構造物1Aの下に設けられており、
図1~
図3においては下のアクチュエータ6Aが筒状展開構造物1Aの背後に隠れている。
【0015】
2. 筒状展開構造物の構成要素
図4は折り畳み状態の筒状展開構造物1Aの斜視図である。
図5は筒状展開構造物1Aが展開される様子を示した斜視図である。
図6は展開状態の筒状展開構造物1Aの斜視図である。
図4~
図6はそれぞれ
図1~
図3からアクチュエータ6Aの図示を省略したものである。
【0016】
図6に示すように、展開状態の筒状展開構造物1Aの基本的及び概略的な形状が角筒状である。筒状展開構造物1Aの上に屋根が構築され、筒状展開構造物1Aの下にスラブが構築される。そのため、筒状展開構造物1Aの内側の空間が密閉される。筒状展開構造物1Aの内側の空間は居住スペースとして利用される。
【0017】
図4~
図6に示すように、筒状展開構造物1Aは、4体の壁ユニット3Aと、8体の接続ユニット4Aと、16体の第1ヒンジ5(
図12参照)とを備える。各壁ユニット3Aは、上下に互いに対称な2体の半体壁ユニット300Aと、3体の連結ヒンジ10(
図9参照)とを有する。これら上下の半体壁ユニット300Aがこれら連結ヒンジ10によって連結されることによって、壁ユニット3Aが構成される。これら壁ユニット3A及び半体壁ユニット300Aは、展開状態で矩形板型の展開構造物である。
【0018】
図7は折り畳み状態の壁ユニット3Aの斜視図である。
図8は折り畳み状態の下の半体壁ユニット300Aの斜視図である。
図9は壁ユニット3Aが展開される様子を示す斜視図である。
図10及び
図11は展開状態の壁ユニット3Aの斜視図である。
図10は後述の筒状ユニット2Aの内側から示した図であり、
図11は筒状ユニット2Aの外側から示した図である。
【0019】
図7~
図11に示すように、上下の半体壁ユニット300Aは壁幅方向に対称に設けられている。壁ユニット3A及び上下の半体壁ユニット300Aは、折り畳み及び展開可能に構成されている。
図10及び
図11に示すように、壁ユニット3Aが展開された場合、壁ユニット3Aの基本的又は概略的な形状が矩形板型である。上下の半体壁ユニット300Aについても同様である。
【0020】
展開状態の壁ユニット3Aは、長辺方向が壁幅方向になるように、短辺方向が壁高方向になるように、更に板厚方向が壁厚方向になるように設置される。
【0021】
図6に示すように、展開状態の4体の壁ユニット3Aは角筒型に組み立てられており、展開状態の上の4体の半体壁ユニット300Aも角筒状に組み立てられ、展開状態の下の4体の半体壁ユニット300Aが角筒状に組み立てられている。上の4体の半体壁ユニット300Aが組み立てられたものを筒状ユニット2Aといい、下の4体の半体壁ユニット300Aが組み立てられたものを筒状ユニット2Aという。筒状展開構造物1Aは上下の筒状ユニット2Aを組み合わせたものである。上下の筒状ユニット2Aの各角においては、その角を成した隣り合う半体壁ユニット300Aの端部がこれらの間に接続ユニット4Aを介して互いに連結されている。
【0022】
図6に示すように、展開状態の壁ユニット3A及び半体壁ユニット300Aの壁高方向は筒状ユニット2Aの軸方向に対して平行であり、展開状態の壁ユニット3A及び半体壁ユニット300Aの壁幅方向及び壁厚方向は筒状ユニット2Aの軸方向に対して垂直である。
【0023】
展開状態の半体壁ユニット300Aの表面(おもてめん)301が筒状ユニット2Aの外周面となり、展開状態の半体壁ユニット300Aの裏面302が筒状ユニット2Aの内周面となる。以下、半体壁ユニット300Aの表面301を外面301ともいい、裏面302を内面302ともいう。展開状態の半体壁ユニット300Aの側面303,304は壁幅方向における端の面である。
【0024】
図10及び
図11に示すように、上下の半体壁ユニット300Aが上下に互いに対称であるため、上下の半体壁ユニット300Aが展開された状態では、上の半体壁ユニット300Aの底面と下の半体壁ユニット300Aの頂面が互いに接触する。
【0025】
展開状態の上の半体壁ユニット300Aの頂面の壁幅方向両端部には、第1切欠309が形成され、これにより傾斜面310が展開状態の上の半体壁ユニット300Aの頂面の壁幅方向両端部に形成されている。これら傾斜面310は、上の半体壁ユニット300Aの外面301から内面302に向かって下りに傾斜する。
【0026】
展開状態の下の半体壁ユニット300Aの底面の壁幅方向両端部には、第1切欠309が形成され、これにより傾斜面310が展開状態の下の半体壁ユニット300Aの底面の壁幅方向両端部に形成されている。これら傾斜面310は下の半体壁ユニット300Aの外面301から内面302に向かって上りに傾斜する。上の半体壁ユニット300Aの傾斜面310と下の半体壁ユニット300Aの傾斜面310との間の距離は、外面301から内面302に向かって漸減する。
図10及び
図11において、下の半体壁ユニット300Aの傾斜面310の縁が図示されており、
図9においてそれら傾斜面310が隠れずに図示されている。
【0027】
図12及び
図13は、隣り合う上の半体壁ユニット300Aの間の角部を示した斜視図である。
図12は折り畳み状態を示し、
図13は展開状態を示す。
図12及び
図13に示すように、展開状態の隣り合う上の半体壁ユニット300Aの第1切欠309が一体となり、それら第1切欠309に接続ユニット4Aが設けられ、接続ユニット4Aが第1ヒンジ5によって上の半体壁ユニット300Aに連結されている。展開状態の上の半体壁ユニット300Aとそれに隣接する上の接続ユニット4Aとの干渉が、上の半体壁ユニット300Aの第1切欠309によって解消されている。隣り合う下の半体壁ユニット300Aの第1切欠309にも接続ユニット4Aが設けられている。展開状態の下の半体壁ユニット300Aとそれに隣接する下の接続ユニット4Aとの干渉が、下の半体壁ユニット300Aの第1切欠309によって解消されている。接続ユニット4A、第1ヒンジ5及びそれらの設置については後に詳述する。
【0028】
図10及び
図11に示すように、半体壁ユニット300Aの側面303には第2切欠308が形成されており、反対の側面304にも第2切欠308が形成されている。一方の第2切欠308が形成されることによって、半体壁ユニット300Aの側面303が外面301から内面302に向かって半体壁ユニット300Aの中央側へ傾斜する。他方の第2切欠308が形成されることによって、半体壁ユニット300Aの側面304が外面301から内面302に向かって半体壁ユニット300Aの中央側へ傾斜する。従って、側面303と側面304の間の距離は、外面301から内面302に向かって漸減する。
【0029】
展開状態の隣り合う半体壁ユニット300Aの互いの干渉が、一方の半体壁ユニット300Aの側面303の第2切欠308と他方の半体壁ユニット300Aの側面304の第2切欠308によって解消されている。従って、
図16に示すように、展開状態の隣り合う半体壁ユニット300Aのうち一方の半体壁ユニット300Aの側面303が他方の半体壁ユニット300Aの側面304に接触する。ここで、
図16は、展開状態の筒状展開構造物1Aから接続ユニット4Aを取り外した状態の平面図である。
【0030】
図16に示すように、展開状態の隣り合う上の半体壁ユニット300Aの外面301において、これら半体壁ユニット300Aの上の角部307が互いに近接している。展開状態の隣り合う上の半体壁ユニット300Aは、それらの外面301が角部307において90°の角度を成すように配置される。
展開状態の隣り合う下の半体壁ユニット300Aの外面301において、これら半体壁ユニット300Aの下の角部307が互いに近接している。展開状態の隣り合う下の半体壁ユニット300Aは、それらの外面301が角部307において90°の角度を成すように配置される。
【0031】
3. 壁ユニット
3-1. 上の半体壁ユニット
各壁ユニット3Aの上の半体壁ユニット300Aの構成について更に詳細に説明する。
図10及び
図11に示すように、上の半体壁ユニット300Aは中央パネル313、一対の連結パネル312、一対の端パネル311、一対の第2ヒンジ6及び一対の第3ヒンジ7を有する。上の半体壁ユニット300Aを構成する中央パネル313、連結パネル312及び端パネル311が上パネルである。また、上の半体壁ユニット300Aの第2ヒンジ6及び第3ヒンジ7が上ヒンジである。
【0032】
一方の端パネル311、一方の連結パネル312、中央パネル313、他方の連結パネル312及び他方の端パネル311がこれらの順に半体壁ユニット300Aの壁幅方向に配列されている。一方の端パネル311が一方の第2ヒンジ6によって一方の連結パネル312にヒンジ結合されている。一方の連結パネル312が一方の第3ヒンジ7によって中央パネル313にヒンジ結合されている。中央パネル313が他方の第3ヒンジ7によって他方の連結パネル312にヒンジ結合されている。他方の連結パネル312が他方の第2ヒンジ6によって他方の端パネル311にヒンジ結合されている。一対の第2ヒンジ6及び一対の第3ヒンジ7は、例えばシート状の可撓性ヒンジ又はヒンジ金具である。
【0033】
一方の端パネル311の側端面、つまり半体壁ユニット300Aの側面303には、第2切欠308が形成されている。一方の端パネル311の上面の側部には、第1切欠309が形成されている。
【0034】
図10に示すように、一方の端パネル311の内面の一方の連結パネル312寄り部分には、直角二等辺三角形状の段状の凹部317aが形成されている。一方の連結パネル312の内面の一方の端パネル311寄り部分には、直角二等辺三角形状の段状の凹部317bが形成されている。凹部317aの縁部が直角二等辺三角形の底辺に相当し、凹部317bの縁部も直角二等辺三角形の底辺に相当するところ、これら縁部が一方の第2ヒンジ6によって互いにヒンジ結合されている。一方の第2ヒンジ6のヒンジ軸は、展開状態の半体壁ユニット300Aの壁幅方向及び壁高方向の何れに対しても45°に傾斜する。つまり、一方の第2ヒンジ6のヒンジ軸は、展開状態の半体壁ユニット300Aの中央に向かって上りに傾斜する。また、一方の第2ヒンジ6のヒンジ軸は、端パネル311及び連結パネル312の内側の面に沿っている。
【0035】
凹部317aが形成された部分における一方の端パネル311の壁厚は、それよりも側方の部分における一方の端パネル311の壁厚の2分の1である。凹部317bが形成された部分における一方の連結パネル312の壁厚は、一方の連結パネル312の中央部の壁厚の2分の1である。凹部317bが形成された部分における一方の連結パネル312の壁厚と、凹部317aが形成された部分における一方の端パネル311の壁厚とは、互いに等しい。
【0036】
図9に示すように一方の端パネル311が一方の連結パネル312に対して相対的に一方の第2ヒンジ6を軸にして筒状ユニット2Aの内側へ転回されると、一方の端パネル311及び一方の連結パネル312が一方の第2ヒンジ6において谷折りとなるよう折り畳まれる。そうすると、
図7に示すように凹部317aが形成された部分は凹部317bが形成された部分に積み重ねられる。つまり、折り畳み状態の一方の端パネル311及び一方の連結パネル312の相互の干渉が凹部317a,317bによって回避される。
【0037】
逆に、一方の端パネル311が一方の連結パネル312に対して相対的に一方の第2ヒンジ6を軸にして筒状ユニット2Aの外側へ転回されると、一方の端パネル311及び一方の連結パネル312が展開される。そうすると、
図10及び
図11に示すように一方の端パネル311の凹部317aが形成された部分と一方の連結パネル312の凹部317bが形成された部分とは、正方形板状に成すように合体する。また、凹部317aと凹部317bが一体となった切欠317が半体壁ユニット300Aの内面302に形成される。
【0038】
一方の端パネル311と他方の端パネル311は中央パネル313の中心線に関して壁幅方向に互いに対称である。一方の第2ヒンジ6と他方の第2ヒンジ6は中央パネル313の中心線に関して壁幅方向に互いに対称である。従って、一方の端パネル311及び連結パネル312が一方の第2ヒンジ6において折り畳まれ及び展開されるのと同様にして、他方の端パネル311及び連結パネル312が他方の第2ヒンジ6において折り畳まれ及び展開される。
【0039】
図11に示すように、一方の連結パネル312の外面の一方の中央パネル313寄り部分には、直角二等辺三角形状の段状の凹部318aが形成されている。一方、中央パネル313は二等辺三角形板状に形成されている。凹部318aの縁部が直角二等辺三角形の底辺に相当し、中央パネル313の外面の縁部が直角二等辺三角形の等辺に相当するところ、これら縁部が一方の第3ヒンジ7によって互いにヒンジ結合されている。一方の第3ヒンジ7のヒンジ軸は、展開状態の半体壁ユニット300Aの壁幅方向及び壁高方向の何れに対しても45°に傾斜する。つまり、一方の第3ヒンジ7のヒンジ軸は、展開状態の半体壁ユニット300Aの中央に向かって上りに傾斜する。また、一方の第3ヒンジ7のヒンジ軸は、中央パネル313及び一方の連結パネル312の外面に沿っている。
【0040】
凹部318aが形成された部分における一方の連結パネル312の壁厚は、一方の連結パネル312の中央部の壁厚の2分の1である。また、凹部318aが形成された部分における一方の連結パネル312の壁厚は、中央パネル313の壁厚に等しい。
【0041】
図9に示すように一方の連結パネル312が中央パネル313に対して相対的に一方の第3ヒンジ7を軸にして筒状ユニット2Aの外側へ転回されると、一方の連結パネル312及び中央パネル313が一方の第3ヒンジ7において谷折りとなるよう折り畳まれる。そうすると、
図7に示すように凹部318aが形成された部分は中央パネル313の半分に積み重ねられる。
【0042】
逆に、一方の連結パネル312が中央パネル313に対して相対的に一方の第3ヒンジ7を軸にして筒状ユニット2Aの内側へ転回されると、一方の連結パネル312及び一方の中央パネル313が展開される。そうすると、
図10及び
図11に示すように一方の連結パネル312の凹部318aが形成された部分と中央パネル313の半分とは正方形板状に成すように合体する。
【0043】
中央パネル313が二等辺三角形板状に成しているため、中央パネル313はその中心線に関して壁幅方向に対称である。一方の連結パネル312と他方の連結パネル312は中央パネル313の中心線に関して壁幅方向に互いに対称である。一方の第3ヒンジ7と他方の第3ヒンジ7は中央パネル313の中心線に関して壁幅方向に互いに対称である。一方の連結パネル312及び中央パネル313が一方の第3ヒンジ7において折り畳まれ及び展開されるのと同様にして、他方の連結パネル312及び中央パネル313が他方の第3ヒンジ7において折り畳まれ、且つ展開される。
【0044】
3-2. 下の半体壁ユニット
下の半体壁ユニット300Aは上の半体壁ユニット300Aに対して上下対称に設けられている。下の半体壁ユニット300Aを構成する中央パネル313、連結パネル312及び端パネル311が下パネルである。また、下の半体壁ユニット300Aを第2ヒンジ6及び第3ヒンジ7が下ヒンジである。
【0045】
3-3. 上下の半体壁ユニットの連結
図10に示すように、各壁ユニット3Aでは、上下の半体壁ユニット300Aが3体の連結ヒンジ10によって連結される。具体的には、上の中央パネル313の内面の下縁がそれに沿った連結ヒンジ10によって下の中央パネル313の内面の上縁に連結され、上の一方の端パネル311の内面の下縁がそれに沿った連結ヒンジ10によって下の一方の端パネル311の内面の上縁に連結され、上の他方の端パネル311の内面の下縁がそれに沿った連結ヒンジ10によって下の他方の端パネル311の内面の上縁に連結されている。
【0046】
これら連結ヒンジ10のヒンジ軸は、展開状態の上下の半体壁ユニット300Aの壁幅方向に対して平行である。また、これら連結ヒンジ10のヒンジ軸は、展開状態の上下の半体壁ユニット300Aの内面302に沿っている。
【0047】
図9に示すように、上の一方の端パネル311が下の一方の端パネル311に対して相対的に連結ヒンジ10を軸にして筒状ユニット2Aの内側へ転回されると、これら一方の端パネル311が連結ヒンジ10において谷折りとなるよう折り畳まれる。そうすると、
図7に示すように上下の一方の端パネル311が伏せるとともに、積み重ねられる。
同様にして、上下の他方の端パネル311も連結ヒンジ10において谷折りとなるよう折り畳まれ、これら他方の端パネル311が伏せるとともに積み重ねられる。
【0048】
逆に、上の一方の端パネル311が下の一方の端パネル311に対して相対的に連結ヒンジ10を軸にして筒状ユニット2Aの外側へ転回されると、これら一方の端パネル311が展開される。そうすると、
図10及び
図11に示すように、これら上下の一方の端パネル311が起立するとともに合体する。
同様にして、上下の他方の端パネル311も折り畳まれ、これら他方の端パネル311が起立するとともに合体する。
【0049】
図9に示すように、上の中央パネル313が下の中央パネル313に対して相対的に連結ヒンジ10を軸にして筒状ユニット2Aの外側へ転回されると、これら中央パネル313が連結ヒンジ10において谷折りとなるよう折り畳まれる。そうすると、
図7に示すように上下の中央パネル313が伏せるとともに積み重ねられる。
【0050】
逆に、上の中央パネル313が下の中央パネル313に対して相対的に連結ヒンジ10を軸にして筒状ユニット2Aの内側へ転回されると、上下の中央パネル313が展開される。そうすると、
図10及び
図11に示すように、これら上下の中央パネル313が起立するとともに正方形板状に合体する。
【0051】
4. 接続ユニット
図4~
図6に示すように、上の4体の接続ユニット4Aが上の筒状ユニット2Aの4つの角にそれぞれ設けられている。下の4体の接続ユニット4Aが下の筒状ユニット2Aの4つの角にそれぞれ設けられている。筒状展開構造物1Aの各角において、2つの接続ユニット4Aが上下に互いに対称となるように設けられている。
【0052】
各接続ユニット4Aは、その両側に連結される半体壁ユニット300Aの角部307が互いに近接した状態でこれら半体壁ユニット300Aが折り畳み状態と展開状態とに変形自在となるように、これら半体壁ユニット300Aを連結する。
【0053】
4-1. 上の接続ユニット
図14は、
図12に示すI-I線に沿った断面図である。
図15は、
図13に示すII-II線に沿った断面図である。
【0054】
図12~
図15に示すように、上の接続ユニット4Aは頂面401、一対の外面402、一対の端面403及び一対の内面404を備える。これら面401~404は上の接続ユニット4Aの表面(ひょうめん)となる。
【0055】
頂面401はL字型に成している。接続ユニット4Aは、その頂面401が筒状ユニット2Aの軸方向に対して直交するように、且つ、頂面401を成すL字の外角が両側の半体壁ユニット300Aの角部307に近接するように配置される。
【0056】
一対の外面402は、それぞれ頂面401の一対の外エッジT1から頂面401に対して斜めに垂下する。これら外面402は下に向かって内側へ傾斜する。これら外面402は互いに交差する。外面402は台形型に成している。外面402の傾斜によって、接続ユニット4Aの外面402の外側が第3切欠405のように切り欠かれるように形成されている。
【0057】
一対の内面404は、それぞれ頂面401の一対の内エッジT2から頂面401に対して垂直に垂下して、それぞれ一対の外面402に交差する。これら内面404も互いに交差する。内面404は正方形又は長方形に成している。
【0058】
一対の端面403は、それぞれ頂面401の一対の内エッジT2から頂面401に対して垂直に垂下して、それぞれ一対の外面402及び一対の内面404に交差する。端面403は直角三角形に成している。
【0059】
接続ユニット4Aの両側の端パネル311がそれぞれ第1ヒンジ5によって接続ユニット4Aにヒンジ結合されている。具体的には、接続ユニット4Aの頂面401の一方の外エッジT1が一方の第1ヒンジ5によって一方の端パネル311の外面の上縁(この上縁は端パネル311の外面と傾斜面310の境界となる。)にヒンジ結合され、他方の外エッジT1が他方の第1ヒンジ5によって他方の端パネル311の外面の上縁にヒンジ結合されている。第1ヒンジ5のヒンジ軸は頂面401の外エッジT1及び端パネル311の外面の上縁に沿っている。第1ヒンジ5は、例えばシート状の可撓性ヒンジ又はヒンジ金具である。
【0060】
4-2. 下の接続ユニット
下の接続ユニット4Aは上の接続ユニット4Aに対して上下対称に設けられている。上の接続ユニット4Aの両側の上の端パネル311がそれぞれ上の第1ヒンジ5によって上の接続ユニット4Aにヒンジ結合されているのと同様に、下の接続ユニット4Aの両側の下の端パネル311がそれぞれ下の第1ヒンジ5によって下の接続ユニット4Aにヒンジ結合されている。
【0061】
4-3. 展開及び折り畳み
図12及び
図14に示すように、上の端パネル311が上の接続ユニット4Aに対して相対的に上の第1ヒンジ5を軸にして筒状ユニット2Aの外側へ転回され、下の端パネル311が下の接続ユニット4Aに対して相対的に下の第1ヒンジ5を軸にして筒状ユニット2Aの外側へ転回される。この際、上の端パネル311が下の端パネル311に対して相対的に連結ヒンジ10を軸にして筒状ユニット2Aの内側へ転回される。そのため、
図4に示すように上下の接続ユニット4Aが積み重ねられ、
図4及び
図8に示すように上下の端パネル11が伏せるとともに積み重ねられる。また、
図12及び
図14に示すように、上下の接続ユニット4Aがそれぞれ上下の端パネル311の第1切欠309から抜け、上下の接続ユニット4Aの外面402がそれぞれ上下の端パネル311の傾斜面310から離間する。
【0062】
逆に、
図13及び
図15に示すように、第1ヒンジ5が谷折りされ、上の端パネル311が上の接続ユニット4Aに対して相対的に上の第1ヒンジ5を軸にして筒状ユニット2Aの内側へ転回され、下の端パネル311が下の接続ユニット4Aに対して相対的に下の第1ヒンジ5を軸にして筒状ユニット2Aの内側へ転回される。この際、上の端パネル311が下の端パネル311に対して相対的に連結ヒンジ10を軸にして筒状ユニット2Aの外側へ転回される。そのため、
図6に示すように上下の接続ユニット4Aが互いに離間し、
図6、
図10及び
図11に示すように上下の端パネル311が起立するとともに合体する。また、
図13及び
図15に示すように、上下の接続ユニット4Aがそれぞれ上下の端パネル311の第1切欠309に収まり、上下の接続ユニット4Aの外面402がそれぞれ上下の端パネル311の傾斜面310に接触する。また、上下の接続ユニット4Aと上下の端パネル311との干渉が第3切欠405によって解消されている。
【0063】
5. アクチュエータ
図1~
図3に示すように、上の各半体壁ユニット300Aの上側において、アクチュエータ6Aが上の半体壁ユニット300Aの両側の接続ユニット4Aの間に架け渡されるように設けられ、アクチュエータ6Aの両端がそれぞれユニバーサルジョイント7Aによって接続ユニット4Aに連結されている。下の各半体壁ユニット300Aの下側において、アクチュエータ6Aが下の半体壁ユニット300Aの両側の接続ユニット4Aの間に架け渡されるように設けられ、アクチュエータ6Aの両端がそれぞれユニバーサルジョイント7Aによって接続ユニット4Aに連結されている。
【0064】
これらアクチュエータ6Aは例えば油圧シリンダ、空圧シリンダ、電磁シリンダ又は電磁ソレノイドである。アクチュエータ6Aは展開状態の壁ユニット3Aの長辺に沿っており、長辺方向に伸縮する。
【0065】
これらアクチュエータ6Aが同時に伸長すると、何れの壁ユニット3Aも矩形板状に展開され、筒状展開構造物1Aも筒状に展開される。具体的には、上下の半体壁ユニット300Aには壁幅方向の引張荷重が作用するため、上下の半体壁ユニット300Aが壁幅方向に展開される。上下の第2ヒンジ6及び第3ヒンジ7が壁幅方向及び壁高方向に対して斜めであるため、上下の半体壁ユニット300Aが壁幅方向に展開されることにより、上下の半体壁ユニット300Aが壁高方向にも展開される。
【0066】
逆に、これらアクチュエータ6Aが同時に収縮すると、何れの壁ユニット3Aも折り畳まれ、筒状展開構造物1Aも折り畳まれる。具体的には、上下の半体壁ユニット300Aには壁幅方向の圧縮荷重が作用するため、上下の半体壁ユニット300Aが壁幅方向に折り畳まれる。上下の第2ヒンジ6及び第3ヒンジ7が壁幅方向及び壁高方向に対して斜めであるため、上下の半体壁ユニット300Aが壁幅方向に折り畳まれることにより、上下の半体壁ユニット300Aが壁高方向にも折り畳まれる。
【0067】
6. 有利な効果
アクチュエータ6Aが壁幅方向に伸縮することから、アクチュエータ6Aの出力荷重が小さくても、筒状展開構造物1A、壁ユニット3A及び上下の半体壁ユニット300Aを折り畳み、且つ展開することができる。これは、展開状態の壁ユニット3A及び上下の半体壁ユニット300Aが壁幅方向を長辺とした矩形板状の展開構造物であるため、アクチュエータ6Aのストロークが長く、アクチュエータ6Aが単位変位当たりに半体壁ユニット300Aから受ける抵抗力が小さいためである。
【0068】
アクチュエータ6Aが壁幅方向に収縮することによって、筒状展開構造物1A及び壁ユニット3Aをそれぞれ
図4及び
図7のように完全に折り畳むことができる。
【0069】
7. 変形例1
図17~
図19に示すように、アクチュエータ6Aが上の半体壁ユニット300Aの片側の接続ユニット4Aと下の半体壁ユニット300Aの反対の片側との間に斜めに架け渡されるように設けられてもよい。アクチュエータ6Aの一端がそれぞれユニバーサルジョイント7Aによって上の半体壁ユニット300Aの片側の接続ユニット4Aに連結され、アクチュエータ6Aの他端がユニバーサルジョイント7Aによって下の半体壁ユニット300Aの反対の片側の接続ユニット4Aに連結されている。
【0070】
これらアクチュエータ6Aが同時に伸長すると、何れの壁ユニット3Aも矩形板状に展開され、筒状展開構造物1Aも筒状に展開される。逆に、これらアクチュエータ6Aが同時に収縮すると、何れの壁ユニット3Aも折り畳まれ、筒状展開構造物1Aも折り畳まれる。
【0071】
以上のようにアクチュエータ6Aが設置されていても、アクチュエータ6Aは壁幅方向の分力を発生させるため、アクチュエータ6Aの出力荷重が小さくても、筒状展開構造物1A、壁ユニット3A及び上下の半体壁ユニット300Aを折り畳み、且つ展開することができる。
【0072】
8. 変形例2
以上の説明では、展開状態の筒状展開構造物1Aが四角形筒状である。それに対して、特開2020-60230号公報に記載されたような四角形以外の多角形の筒状であってもよい。
以上の説明では、展開状態の半体壁ユニット300Aが5つのパネルを壁幅方向に連結したものである。それに対して、特開2020-60230号公報に記載されているように、更に多くのパネルを壁幅方向に連結したものでもよい。
以上の説明では、1段の壁ユニット3Aが壁高方向に配置されている。それに対して、特開2020-60230号公報に記載されたように、複数段の壁ユニット3Aが壁高方向に配列されて、隣り合う段の壁ユニット3Aがヒンジによってヒンジ結合されていてもよい。
【符号の説明】
【0073】
1A…筒状展開構造物
3A…壁ユニット
6…第2ヒンジ
6A…アクチュエータ
7…第3ヒンジ
10…連結ヒンジ
300A…半体壁ユニット
311…端パネル
312…連結パネル
313…中央パネル