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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022167072
(43)【公開日】2022-11-04
(54)【発明の名称】発音体モジュール
(51)【国際特許分類】
   G10D 13/06 20200101AFI20221027BHJP
   G10K 3/00 20060101ALI20221027BHJP
   G10K 11/08 20060101ALI20221027BHJP
   G10D 13/08 20200101ALI20221027BHJP
【FI】
G10D13/06 100
G10K3/00
G10K11/08
G10D13/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021072606
(22)【出願日】2021-04-22
(71)【出願人】
【識別番号】717005970
【氏名又は名称】長井 啓史
(72)【発明者】
【氏名】長井 啓史
(57)【要約】
【課題】子供の手のひらに乗るような小さなサイズの打合わせ型体鳴打楽器でありながら音程感があり、かつ比較的低周波数(1000Hz程度)の音を発することができる発音体モジュールを提供する。
【解決手段】発音体モジュール1は、相互に打合わされることにより音を発する少なくとも2つの打合せ部材2a,2bを備え、打合せ部材2a,2bは代表寸法が20mmないし100mmであって、相互に打合わされる打合せ面3a、3bの対を有し、打合せ面3a、3bの対は、打合せ面3a、3bが打合わされている打合状態において相互に当接する一対の当接部4a、4bと、打合状態において外部と連通する隙間を間に規定する一対の非当接部5a、5bと、を有する。少なくとも一方の打合せ面3aには凹部6aが設けられ、凹部6a、6bの平均深さは打合せ面3aの等価直径の20%より深い。

【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
相互に打合わされることにより音を発する少なくとも2つの打合せ部材を備えた発音体モジュールであって、
前記少なくとも2つの打合せ部材は、代表寸法が20mmないし100mmであって、相互に打合わされる打合せ面の対を有し、
前記打合せ面の対は、前記打合せ面が打合わされている打合状態において相互に当接する一対の当接部と、前記打合状態において外部と連通する隙間を間に規定する一対の非当接部と、を有し、
前記打合せ面の少なくとも一方は、前記打合状態において他方の打合せ面が有する前記非当接部により、少なくともその一部面積を覆われる凹部を有し、前記凹部は前記打合せ面が打合わされていない非打合状態において開放され、
前記凹部の平均深さが前記打合せ面の等価直径の20%より深いことを特徴とする発音体モジュール。
【請求項2】
前記音はヘルムホルツ共鳴を含み、前記音の周波数スペクトルが単一のメインピークを有し、前記メインピークから500Hzより離れた周波数領域にあってかつ前記メインピークと不協和の関係にあるサブピークの音量dBは全て、前記メインピークの音量dBより3dB以上小さいことを特徴とする、請求項1に記載の発音体モジュール。
【請求項3】
前記打合わせ面の対を少なくとも2つ有し、前記少なくとも2つの対により発せられる音は、音高がそれぞれ異なり和音を構成する請求項1または2に記載の発音体モジュール。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、音を鳴らしてリズムやメロディーや更にはハーモニーを楽しむ発音体モジュールに関するものであり、具体的には、小さな子供でも演奏できる小さく単純なカスタネットのような発音体モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
打楽器には、太鼓のように張られた膜の振動によって音を発する膜鳴楽器と、膜を使わないで、楽器それ自体が振動して発音する体鳴楽器がある。体鳴楽器は人類最古の楽器の一つである。
【0003】
体鳴楽器には、木琴・鉄琴、木魚(ウッドブロック)やスリットドラムのようにバチ(マレット)や手で叩いて発音するタイプと,カスタネット、鳴子、シンバルや拍子木(クラベス)のように打合わせて発音するタイプ(相互打奏体鳴楽器)とがある。
【0004】
また、発音した音に音程感(ピッチ感)があるタイプ(木琴、鉄琴、スリットドラムやチューブラーベルなど)と音程感がないタイプ(カスタネット、拍子木、シンバルやアゴゴなど)がある。
音程感がある体鳴楽器はすべてバチで叩くタイプであり、打合わせて発音するタイプの体鳴楽器には音程感がない。
【0005】
木琴のようにバチ(マレット)で叩いて発音する体鳴楽器は、発音体の大きさで音程(ピッチ)を調整できるので、異なる音程の発音体を、すなわち異なる大きさの発音体を複数並べてセットとして音階を作ることができ、旋律(メロディー)と和音(コード)とリズムの全てを演奏することができる。しかしながら、子供の手に乗るような小さなサイズにはできない。
【0006】
一方、子供の教育でも使われる教育用カスタネットは、貝殻のように内側に凹部を設けた直径5~8cmの2枚の板部材をゴム紐で互いに連結し、外側から手であるいは指でたたき、打合わせて発音する簡易打楽器である。
【0007】
教育用カスタネットは、たたき終わるとゴム紐の力で元の開いた状態に自然に戻るので、子供でも操作が簡易で、比較的安価に製造でき、リズムを楽しむ楽器として広く普及している。
【0008】
カスタネットはバチ(マレット)も不要で、子供の手に乗るように小さくできるが、リズムは演奏できても音程感がないので旋律(メロディー)や和音・伴奏(ハーモニー、コード)は演奏できない。
従って、音程感があり、なおかつ子供の手のひらに乗るような小さいサイズの打合わせ型体鳴打楽器は存在しないと言える。
【0009】
これに対して、打合わせ型体鳴打楽器で音色を変えることが提案されている。例えば、特許文献1~3には、音色を変えるために板部材に工夫をこらした鳴子がそれぞれ提案されている。
また、特許文献4には音量を変えるよう工夫したカスタネットが提案されている。
また、特許文献5には、発音体形状を工夫して打撃音の響きを改善したメガホンが提案されている。
また、特許文献6には、特定の周波数で気柱共鳴する応援用打楽器が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】実用新案3120446号公報
【特許文献2】実用新案3137326号公報
【特許文献3】実用新案3212449号公報
【特許文献4】実用新案3172564号公報
【特許文献5】特開平7-244488号公報
【特許文献6】特開2015-70986号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上記従来の打合わせ型体鳴打楽器は何れも、子供の手のひらに乗るような小さなサイズでは音程感のある音を鳴らせないという課題がある。特に、2000Hz以下の比較的低い音域において困難である。また、1オクターブ分の音階を構成するには周波数で倍半分高さの違う音が必要であるが、音程感のある低い音を鳴らせないので、音階を構成できないという課題がある。また、音階を構成できないのでメロディーが演奏できないし、和音も伴奏も演奏できないという課題がある。
また、子供の手のひらに乗るような小さなサイズで音程感がある打合わせ型体鳴打楽器が存在しないので、幼児の音楽教育において、リズム教育はできるがメロディーや和音・コード進行の教育はできないという課題がある。また、子供のみならず大人においても、メロディーや和音・コード進行を演奏するのにピアノやギターなどのメロディー楽器の習得は困難であるという課題がある。
【0012】
本発明は、上記問題を解消し、子供の手のひらに乗るような小さなサイズでありながら音程感があり、かつ比較的低周波数(1000Hz程度)の音を発することができる発音体モジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために、本発明の発音体モジュールは、
相互に打合わされることにより音を発する少なくとも2つの打合せ部材を備えた発音体モジュールであって、
前記少なくとも2つの打合せ部材は、代表寸法が20mmないし100mmであって、相互に打合わされる打合せ面の対を有し、
前記打合せ面の対は、前記打合せ面が打合わされている打合状態において相互に当接する一対の当接部と、前記打合状態において外部と連通する隙間を間に規定する一対の非当接部と、を有し、
前記打合せ面の少なくとも一方は、前記打合状態において他方の打合せ面が有する前記非当接部により、少なくともその一部面積を覆われる凹部を有し、前記凹部は前記打合せ面が打合わされていない非打合状態において開放され、
前記凹部の平均深さが前記打合せ面の等価直径の20%より深いことを特徴とする。
ここで代表寸法とは、相互に打合わされる2つの打合せ部材のそれぞれの最も長い外形寸法である。
【0014】
また、本発明の発音体モジュールは、前記音がヘルムホルツ共鳴を含み、前記音の周波数スペクトルが単一のメインピークを有し、前記メインピークから500Hzより離れた周波数領域にあってかつ前記メインピークと不協和の関係にあるサブピークの音量dBは全て、前記メインピークの音量dBより3dB以上小さいことを特徴とする。
【0015】
また、本発明の発音体モジュールは、前記打合わせ面の対を少なくとも2つ有し、前記少なくとも2つの対により発せられる音は、音高がそれぞれ異なり和音を構成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
上述したように本発明の発音体モジュールは、代表寸法が20mmないし100mmで、かつ凹部の平均深さが前記打合せ面の等価直径の20%より深いので、子供の手のひらに乗るような小さなサイズでありながら従来のカスタネットに比べて低音で、音程感のある音を得ることができるという効果がある。
【0017】
また、本発明の発音体モジュールの発する音はヘルムホルツ共鳴を含み、周波数スペクトルのメインピークに対して不協和の関係にあるサブピークの音量dBが、前記メインピークの音量dBより3dB以上小さいので、ノイズ感が少ない音程感の高い音を得ることができるという効果がある。
【0018】
また、本発明の発音体モジュールは、打合わせたときに発する音の高さがそれぞれ異なる音を発音するように打合せ面の対を少なくとも2つ有するので、一つの発音体モジュールをたたく一つの動作だけで複数の音、すなわち和音を得ることができるという効果がある(和音モジュール)。
【0019】
また、それぞれ音高が異なる単音の本発明の発音体モジュールを複数組み合わせて、木琴や鍵盤楽器のように音階が鳴らせる発音体セットを構成することができるので、カスタネットのような簡便な打合わせ型体鳴打楽器でありながらメロディーを弾くことができるという効果がある。
【0020】
また、異なる和音が鳴る本発明の和音モジュールを複数用意して、コード進行や伴奏を演奏することができる。特に複数の和音モジュールを用いたコード進行演奏では、一小節の間同じ和音モジュールを鳴らすだけでよいので、メロディー演奏に比べて演奏の難易度が大きく下がるという効果がある。従って、メロディー演奏の困難さで音楽演奏を諦めていた人でも簡便に音楽演奏を楽しむことができるという効果がある。
【0021】
そして、子供の手のひらに乗るような小さなサイズで音程感がある打合わせ型体鳴打楽器を提供できるので、幼児の音楽教育において、リズム教育のみならずメロディーや和音・コード進行の教育もできるという効果がある。
【0022】
さらに、カスタネットのような簡単な構造の打楽器であるにも関わらず管楽器のような共鳴特性があるという新しい気付き、驚きを経験でき、そもそも楽器とは何かを楽しく考える効果がある。また、メロディーは演奏できないがコード進行は演奏できる和音打楽器の発明は、メロディーが主で和音やリズムは従であるという西洋音楽教育の思い込みを問い直す哲学的効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の第1の実施形態を示す発音体モジュールの外観斜視図
図2】本発明の第1の実施形態を示す発音体モジュールの断面図
図3】ヘルムホルツ共鳴モデルの概略図
図4】本発明の発音体モジュールで発生する発音周波数と凹部合計容積との関係
図5】本発明の発音体モジュールで発生する周波数スペクトルの一例
図6】本発明の第2の実施形態を示す発音体モジュールの外観斜視図
図7】本発明の第3の実施形態を示す発音体モジュールの外観斜視図
図8】本発明の第3の実施形態で音高を変化させる様子の説明図
図9】本発明の第4の実施形態を示す発音体モジュールの外観斜視図
図10】本発明の第4の実施形態を示す発音体モジュールの側面図
図11】本発明の第4の実施形態を示す発音体モジュールの断面図
図12】本発明の第5の実施形態を示す発音体モジュールの外観斜視図
図13】本発明の第6の実施形態を示す発音体セットの外観斜視図
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態に係る発音体モジュール及び発音体セットについて添付図を参照して説明する。

[第1の実施形態]
【0025】
本発明の第1の実施形態に係る発音体モジュール1を図1図2に示す。図1に示すように、発音体モジュール1は、相互に打合わされることで発音する半球状の部材(打合せ部材)2a、2bを備える。図1は打合せ部材2a、2bが打合っていない状態(以下、「非打合状態」という)での発音体モジュール1の外観斜視図である。打合せ部材2a、2bは、対となる打合せ面3a、3bを有し、打合せ面3a、3bが相互に対向するように配置されている。
【0026】
打合せ面3a、3bとは、打合せ部材2a、2bが互いに打ち合うとき、1)打ち合う瞬間までは打ち合う方向に互いに近接し、2)打合っている状態(以下、「打合状態」という)では対となる一方の打合せ面が他方の打合せ面を覆っていて、3)打合った後は打ち合う方向と逆方向に互いに離間するように動く部位全体を意味する。また、打合状態において、対となる一方の打合せ面が他方の打合せ面を必ずしも完全に覆う必要もないが、少なくとも部分的には覆っている必要がある。少なくとも部分的に覆わなければ、以下に説明するヘルムホルツ共鳴が発生しない。また、本実施形態では打合せ面3a、3bには半球状の凹部6a、6bがそれぞれ形成されている。
【0027】
また、打合せ部材2a、2bは連結部7において、ゴム紐などの図示しない連結手段で可動的に相互に連結されている。
また、打合せ面3bには突起4が形成されている。本実施形態では、突起4は打合せ部材2bの径方向において連結部7の反対側に位置している。
【0028】
図2に、打合せ部材2a、2bの打合状態での断面図を示す。打合せ面3a、3bは、打合状態において相互に当接する一対の当接部4a、4bと、打合状態において間に隙間を規定する一対の非当接部5a、5bと、を有し、打合状態において凹部6a、6bは当該隙間を介して外部と連通する。本実施形態では、打合せ面3aは、当接部4aと非当接部5aから成り、非当接部5aには凹部6aの底面も含まれる。同様に、打合せ面3bは、当接部4bと非当接部5bから成り、非当接部5bには凹部6bの底面も含まれる。
また、凹部6a,6bは、打合状態においてそれぞれ非当接部5b,5aにより覆われ、非打合状態では開放される。
【0029】
使用者は、このように構成された発音体モジュール1を片手にのせ、他方の手で打合せ部材2aを叩くことで、音を発生させることができる。そして、打合せ部材2aから手を離せば、発音体モジュール1は連結手段によって打合状態から解放され、再び打合わせることができる状態(非打合状態)に戻る。
【0030】
ここで、図1図2に示す打合せ部材2a、2bの外形は半球状であるが打合せ部材2a、2bの外形はこれに限定されず、任意の立体形状でも良いが、子供が持ちやすいことを考慮した形状が好ましい。例えば楕円形状や角を丸めた直方体、動物キャラクターや乗り物の形状など適宜採用できる。
【0031】
本実施形態では発音体モジュール1の大きさを直径約40mmとしたがこれに限らず、代表寸法が20mmから100mm程度であれば子供が手に持ちやすいので好ましい。さらに好ましくは、40mmから70mmである。
【0032】
半球状の凹部6a、6bの大きさは、それぞれの容積が約0.3cc~60ccであるのが好ましい。更に好ましくは、約1cc~40ccである。凹部6a、6bのそれぞれの容積が約0.3ccより小さいと加工が難しくなり、約60ccより大きいと発音体モジュール1のサイズを小さくするのが難しくなるので好ましくない。
凹部6a、6bのそれぞれの容積を合わせた合計容積は、加工の難易度とサイズから約0.3cc~120ccであるのが好ましい。更に好ましくは、約10cc~40ccである
【0033】
凹部6a、6bの各々の平均深さは、凹部6a、6bを有する前記打合せ面3a、3bの等価直径の20%より深い。ここで平均深さとは、凹部容積を凹部入口面積で割った値である。また、等価直径とは、任意の打合せ面形状の代表長さを円の直径で表現する値で、4×(打合せ面の面積)÷(打合せ面の外周長さ)で計算される値である。
【0034】
本実施形態では、打合せ面3a、3bは円形であり、凹部6a、6b形状は半球状なので、等価直径は打合せ面直径となり、凹部平均深さは凹部入口円直径の1/3(約33%)である。
発明者は、凹部6a、6bの平均深さが打合せ面3a、3bの等価直径の20%より深いと、子供の手に乗るような小さいサイズでありながら、これまでにない低音で、なおかつ打合せによって発音される音の音程感が向上することを検討の結果見出した。
【0035】
加えて、凹部6a、6bが十分に深い場合、1)本体が振動する体鳴楽器であっても空間共鳴が発生することと、2)打合せたときに打合せ面3a、3bの非当接部5a、5bの間にできる隙間が凹部空間と外部との連通路を形成する結果、3)全体として実質的にヘルムホルツ共鳴が発生することを新たに見出した。
【0036】
ヘルムホルツ共鳴とは、図3に模式的に示す理論モデルにおいて、開口部を持った容器の内部にある空気がバネとしての役割を果たし、共鳴(共振)することで音を発生する現象である。内容積Vの容器(空洞)から、開口部の断面積S、首部長さLの細い管が伸びているとき、共鳴周波数は、開口部の面積Sを首部長さLと容器の内容積Vとで割った値の平方根に比例する。従って、内容積Vが大きくなると共鳴周波数は低くなり、開口部の面積Sが大きくなると共鳴周波数は高くなる。即ち、

共鳴周波数 ∝ √( S/(L・V))

である。
【0037】
凹部合計容積の異なる発音体モジュールを作成したところ、図4のようなグラフを得た。理論モデルと類似の実質的なヘルムホルツ共鳴の特徴を見出すことができる。即ち、凹部6a、6bの合計容積を大きくすると発生する音の周波数は低くなり、逆に凹部合計容積を小さくすると発生する音の周波数は高くなることが分かった。また、対向する凹部6a、6bの合計容積が同じであれば、凹部6a、6bの形が変わっても実質的なヘルムホルツ共鳴に大きな差がなく基本的に発音する音高は概略等しくなることを見出した。
【0038】
つまり、凹部6a、6b双方の容積、形が必ずしも同じである必要はなく、一方の凹部容積が他方の凹部容積より大きくても良い。極端な場合、凹部は一方の打合せ面にのみ設置され、他方の打合せ面には凹部がなくても良い。凹部がいずれの打合せ面にもない場合は、ヘルムホルツ共鳴が成立しにくくなり好ましくないので、少なくとも一方の打合せ面には凹部が必要である。
【0039】
また、突起4の高さを変えることでも共鳴周波数が変化することを確認した。突起4を高くすると発生する音の周波数は高くなり、逆に突起4を低くすると発生する音の周波数は低くなることが分かった。これは、凹部と外部との連通路である隙間が変わるからであるとヘルムホルツ共鳴モデルで説明できる。
【0040】
突起4の高さを変える以外にも突起4の形状、位置を変えたり、非当接部5a、5b形状を変えたり、打合せ部材2a、2bに穴を開けたりすることで、凹部と外部との連通路を変えることができ、音の高さを変えることができる。本実施形態のように突起4の頂部が丸みを帯びている場合、音質が柔らかくなる傾向があり、逆に突起4の頂部が比較的広い面積で打合せ面3aに当接する場合は音質が硬くなる傾向があるので、適宜選択することができる。しかしながら、打合せ面3aの外周全面に渡って当接する場合、すなわち非当接部5a、5bがない場合にはヘルムホルツ共鳴が発生しにくくなるので好ましくない。
【0041】
また、打合せ部材2a、2bを打合わせたときに、より音程感が増した音が発生する場合における音の周波数スペクトルの一例を図5に示す。約1000HzのところにC6の音程に相当する単一の最大ピークP(メインピーク、基音)があり、その他の領域には大きなピークがないことがわかる。このように単一のメインピークPのみで高音域に顕著なサブピーク(高次ピーク、倍音)が少ない場合は、音にノイズ感が少なくなるので、音程感が増すということが分かった。
【0042】
打合せ部材2a、2bの材質、凹部6a、6bの形状や容積、非当接部5a、5b形状、そして凹部6a、6bの内側面から発音体モジュール1の外側面までの厚み、突起4の形状などを種々調整すれば、図5のようなスペクトルを得ることができ、音程感を増すことができる。
【0043】
メインピークP以外にサブピークがある場合、それがノイズになると音程感を損なうので好ましくない。ノイズにならないサブピークとしては、メインピークPに対して協和音の関係にあるサブピークが挙げられる。
ここで、ある音と別の音が協和音の関係にあるとは、一般的に音程が同音程、完全8度、完全4度、完全5度、長3度、長6度、短7度などの音程と、それらの偶数倍の音などの倍音関係にあることを指す。それ以外は不協和である。
【0044】
木琴などでは、音程感を出すためにメインピークPに対して協和音となる2次ピーク、3次ピークを設定している事が多い。本発明でも、発音体モジュール1の材質、形状などを種々調整して、メインピークPに対して協和音となるサブピークを設定することが音程感を出すためにより好ましい。好ましいサブピークの周波数として、メインピークPに対して8度すなわち1オクターブとその偶数倍、あるいはマリンバでよく使われる4倍音、10倍音、あるいはシロホンで使われる3倍音、7倍音など協和音となる音をサブピークに設定することができる。
【0045】
また、メインピークPと不協和になるサブピーク(以下、「不協和サブピーク」という)について検討した結果、メインピークPから500Hzより離れた周波数領域に、メインピークPの音量dBとの差が3dBよりも小さい不協和サブピークを有しないことが音程感を増すために有効であることが分かった。換言すると、メインピークPから500Hz以内の周波数領域に存在する不協和サブピークはノイズになりにくく、またメインピークPから500Hzより離れた周波数領域に不協和サブピークがある場合であっても、当該不協和サブピークの音量dBが、メインピークPの音量dBより3dB以上小さい(メインピークPの音量dBとの差が3dBより大きい)とノイズ感が少ない音程感の高い音を得ることができるので好ましいことが分かった。より好ましくは、メインピークPから500Hzより離れた周波数領域に存在する全ての不協和サブピークの音量dBが、前記メインピークPの音量dBより10dB以上小さいことであり、更に好ましくは、前記メインピークPの音量dBより20dB以上小さいことである。
【0046】
音程感を高めるためには、メインピークPは尖っている方が良い。すそ野が広いメインピークPは雑音が多くなり音程感を損なうので好ましくない。好ましくはメインピークPのすそ野の幅が1500Hz以下、より好ましくは800Hz以下である。メインピークPと協和関係にあるサブピークも同様である。
【0047】
打合せ部材2a、2bの材質は、安定して発音する材質であれば何れでもよく、木材、竹材、プラスチック、金属、石材などから適宜選ぶことができる。木材の場合、気乾比重が0.2~1.2が好ましい。気乾比重が0.2より小さいと、音質がこもったように濁るうえ耐久性が低下し、特に当接部4a、4bが劣化しやすくなるので好ましくない。また気乾比重が1.2より大きいと響きが尖ったようになり好ましくない。より好ましくは気乾比重が0.4~1.0である。また、複数の材質を適宜組み合わせて用いることができる。また、耐久性を向上し美観を高めるため公知の各種塗装手段を用いることができる。
【0048】
連結部7は、繰り返し打合せることができればゴム紐に限らず、各種公知の連結手段を用いることができる。弾性特性がない普通の紐で連結してもよいが、ゴム紐のような弾性連結手段を用いた場合打ち合わさった後に復元力が働き、もとの打ち合わされていない状態、すなわち非打合状態に自然に戻るので好ましい。
【0049】
連結形態は、打合せ部材2a、2bが直接接触していなくても良い。磁石などを用いて打合せ部材2a、2bを非接触に連結しても良い。あるいは、打合せ部材2a、2bは必ずしも相互に連結される必要はない。この場合、例えば打合せ部材2a、2bをそれぞれ右手と左手に持って打合せても良い。
【0050】
あるいは、打合せ部材2a、2bをそれぞれ、片手の親指と中指のように対向する2本の指にはめて打合せても良い。親指以外の4本の指にそれぞれ異なる容積の打合せ部材をはめれば、指の組み合わせを変えることで高さの異なる4つの音を出すことができる。

[第2の実施形態]
【0051】
本発明の第2の実施形態に係る発音体モジュール101を図6に示す。なお、以下の各実施形態において、上述した第1の実施形態のものと実質同一の部材には同一の参照番号を付し、その説明は省略する。
図6は非打合状態での発音体モジュール101の外観斜視図を示す。発音体モジュール101は、上述の発音体モジュール1と略同一であるが、打合せ部材2aには連通孔8が形成され、連通孔8により凹部6aが外部と連通している点において発音体モジュール1と異なる。
【0052】
本実施形態では、連通孔8によって打合状態において外部と連通する開口面積が増大しているので、ヘルムホルツ共鳴の原理によって連通孔8がない場合に比べて音高が高くなる。打合せるときに指などで連通孔8を閉じたり、開いたりすることで、異なる高さの音を打ち分ける演奏が可能となる。
【0053】
本実施形態では、連通孔8は円形だがこれに限らず、凹部6aと外部とを連通していれば各種の形状、大きさにすることができる。また、本実施形態では、連通孔8は打合せ部材2aに1個のみであるがこれに限らず、打合せ部材2bにも連通孔を設けても良く、複数個の連通孔を任意の大きさ形状で打合せ部材2a、2bの任意の場所に設けても良い。

[第3の実施形態]
【0054】
本発明の第3の実施形態に係る発音体モジュール102を図7図8に示す。図7は非打合状態での発音体モジュール102の外観斜視図を示す。発音体モジュール102は、長さ約100mm、幅約25mm、厚み約20mmの打合せ部材2a、2bを有し、これら打合せ部材2a、2bは連結部7で図示しないゴム紐で相互に連結されている。打合せ部材2bの打合せ面3aには複数の突起41が間隔を開けて形成されている。複数の突起41はそれぞれ高さが異なり、図7の例では連結部7に近づくに従い高さが低くなるように設定されている。その他、打合せ部材2a、2bの打合せ面3a、3bに凹部6a、6bがそれぞれ形成されていることなどは、上記第1の実施形態と同様である。
【0055】
本実施形態の打合せ部材2a、2bは縦長で、ゴム紐で連結されているので、図8に示すように、少しひねると角度が付き、ねじれたように打ち合うことができる。そして、高さの異なる複数の突起41が形成されているので、角度にあった位置の突起41が当接部を形成し、ねじれていても打ち合うことができる。即ち、ねじれに応じて打合せ面3aに当接する突起41が決まる。ねじれ角がゼロだと連結部7から最も離れた中央の突起41が打合せ面3aに当接し、ねじれ角を大きくするとより連結部7に近い突起41が順次当接するように、突起41の高さと配置が設定されている。
【0056】
このように打合せ部材2a、2bをずらした状態で打合せると、ずらし角度に応じて発音の高さが変化することを見出した。これはヘルムホルツ共鳴モデルで説明すると、ねじれ角がゼロだと開口面積が最小で打ち合うため音高が最も低く、ねじれ角を大きくすると開口面積が大きくなるので音高が高くなっていくからと考えられる。
【0057】
本実施形態では突起41は打合せ面3bの片側(図8における右側)のみに設置されていて、反対側(図8における左側)には設置されていない。突起41を両側に設置してもよいが、片側にしか突起41がないと突起41のない側にねじって突起41のない部分同士で打合せたときに発生する音は、突起41で当接する場合と異なる拍子木のような硬い音質で発音するので、1つの発音モジュール102で2種類の音質を楽しむことができる。
【0058】
本実施形態では打合せ部材2a、2bの形状は縦長であるが、これに限らず、ずらすことで当接部の位置を変えることができれば各種の形状を用いることができる。また、突起41の高さと配置もこれに限らず、様々な高さと配置を適宜選択することができる。
なお、上記実施形態では、打合状態において凹部全体が非当接部により覆われるが、凹部は必ずしも打合状態において非当接部により全体的に覆われる必要はなく、図8(b)~図8(d)に示す様に、凹部の少なくとも一部が打合状態において非当接部に覆われる形態であれば良い。

[第4の実施形態]
【0059】
本発明の第4の実施形態に係る発音体モジュール103を図9図11に示す。図9は非打合状態での発音体モジュール103の外観斜視図を示す。図10は非打合状態での発音体モジュール103の側面図を示す。図10は非打合状態での発音体モジュール103の断面図を示す。
【0060】
図9に示す様に、発音体モジュール103は、打合せ部材21a~21dを重ねて得られる、全体で外径約60mmの球形の発音体モジュールである。また、図10に示すように、打合せ部材21aは打合せ面31aを有し、打合せ部材21bは打合せ面31b、31cを有し、打合せ面21cは打合せ面31d、31eを有し、打合せ部材21dは打合せ面31fを有する。そして、打合せ部材21a~21dは、打合せ面31aと打合せ面31bが相互に対向し、打合せ面31cと打合せ面31dが相互に対向し、打合せ面31eと打合せ面31fが相互に対向するように組み合わされている。
【0061】
打合せ面31b、31d、31fにはそれぞれ突起41a、41b、41cが形成されている。また、打合せ部材21a、21b、21c、21dは連結部71a、71b、71cで図示しないゴム紐で連結されている。
【0062】
図11の断面図に示すように、打合せ面31a、31b、31c、31d、31e、31fには、凹部61a、61b、61c、61d、61e、61fがそれぞれ形成されている。凹部61aと凹部61bの対、凹部61cと凹部61dの対、凹部61eと凹部61fの対で構成される容積はそれぞれ異なるので、それぞれが異なる音高のヘルムホルツ共鳴を生じる。個々の凹部の対は上記第1の実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0063】
本実施形態の発音体モジュール103では、凹部61c、61dの対で構成される合計容積が最も大きく、次に凹部61e、61fの対で構成される合計容積が次に大きく、凹部61a、61bの対で構成される合計容積が最も小さくなるように形状と寸法が設定されている。従って、ヘルムホルツ共鳴の原理によって凹部61c、61dの対で発生する音高が最も低く、次に凹部61e、61fの対で発生する音高が次に高く、凹部61a、61bの対で発生する音高が最も高い。
【0064】
本実施形態の発音体モジュール103は、カスタネットを演奏するような単純な動作で複数の音を発音する事ができ、凹部61a~61fの形状を適切に調整すれば和音を鳴らすことができる。本実施形態では音高は、低い方から約1400Hz、約1760Hz、約2100Hzとなり、F6(ファ),A6(ラ),C7(ド)の和音を構成している。
【0065】
異なる和音が鳴る発音体モジュール103を複数用意すれば、曲の和音進行にあわせて対応する発音体モジュール103を演奏でき、伴奏のような演奏を楽しむことができる。和音を伴奏のように演奏する場合、例えば1小節内の和音の変化はメロディーに比べてはるかに少ないので、メロディー演奏が難しい小さな子供でも演奏がしやすくなる。
【0066】
本実施形態では、外形を直径約60mmの球状としたが、この程度の大きさであれば、小さな子供が手のひらに持って演奏するのに好適である。しかしながら大きさや形状はこれに限らず、凹部61a~61fを設定できれば適宜任意の外形、大きさとすることができる。例えば、直径約72mmの球形であれば、約1050Hz、約1320Hz、約1570Hzすなわち、C6(ド)、E6(ミ),G6(ソ)の和音を構成できる。
【0067】
また、本実施形態の発音体モジュール103では、打合せ部材の数は4枚であるが、打合せ部材の枚数を変えて異なる高さで発音する音の数を適宜変えることもできる。また、外形は音の高さに影響しにくいので、任意の立体形状を選ぶことができる。例えば、子供が好む動物などのキャラクター造形を用いることができる。
【0068】
本実施形態では、打合せ部材21a、21b、21c、21dは連結部71a、71b、71cで図示しないゴム紐で連結されているので、打合せ部材21a、21b、21c、21dを同時に打ち鳴らすこともできるし、ばらけたように鳴らす(アルペジオ)こともできる。実際の演奏では、一つの発音体モジュール103で、同時に鳴らす締まった音とばらけた音を交互に鳴らし分けることができ、リズム感やビート感をより強調することができる。

[第5の実施形態]
【0069】
本発明の第5の実施形態に係る発音体ジュール104を図12に示す。図12は非打合状態での発音体モジュール104の外観斜視図である。発音体モジュール104は、短い円柱状の打合せ部材21a~21eから構成されている。
打合せ部材21aは連結部71aによって親指に装着可能とされている。同様に打合せ部材21b~21eは図示しない連結部によって人差指、中指、薬指、小指にそれぞれ装着可能とされている。
上述した発音体モジュール1と同様に、打合せ部材21a~21eはそれぞれ打合せ面31a~31eを有し、それぞれの打合せ面31a~31eには凹部が設けられている。そして、親指に装着された打合せ部材21aの打合せ面31aを、他の指に装着された打合せ部材21b~21eの打合せ面31b~31eと打合せることができる。打合せ面31aには突起41が形成されている。
【0070】
本実施形態では、打合せ面31b~31eにはそれぞれ異なる容積の凹部が設けられていることから、打合せ部材21aと打合せ部材21b、打合せ部材21aと打合せ部材21c、打合せ部材21aと21d、打合せ部材21aと21eのように組み合わせを変えることで凹部の合計容積が変わり、異なる4つの音高を得ることができる。従って、両手では8つの音を出すことができるので、例えばド、レ、ミ、ファ、ソ、ラ、シ、ドのように1オクターブの音階を作ることができる。

[第6の実施形態]
【0071】
本発明の第6の実施形態に係る発音体セット1001を図13に示す。図13は非打合状態での発音体セット1001の外観斜視図を示す。発音体セット1001は、8個の発音体モジュール105a~105hから構成されている。発音体モジュール105a~105hはそれぞれ個別の独立したモジュールだが、バラバラにならないように各々が音響的に独立した態様で図示しない台座に設置されている。
【0072】
発音体モジュール105a~105hは各々、上述した発音体モジュール1と実質同一の構成を有する。
【0073】
発音体モジュール105a~105hはそれぞれ異なる音高で発音する発音体モジュールである。即ち、それぞれの発音体モジュール105a~105hが有する凹部対は、それぞれ異なる合計容積を有する。本実施形態の発音体セット1001では、凹部対の合計容積は、発音体モジュール105aから105hの順に小さくなっており、従って発音体モジュール105aから105hの順に音高が高くなっていく。このことを用いて、凹部対の合計容積を調整し、発音体セット1001が音階を有するように構成すことができる。例えばよく使われるCメジャー(ト長調)8音階だと、発音体モジュール105a~105hにそれぞれド、レ、ミ、ファ、ソ、ラ、シ、ドを割り当てることができる。発音体モジュールの数や音高を適宜選定することによって、その他にも各種の任意の音階を構成することができる。
【0074】
音階が構成されているので、カスタネットを演奏するようなかんたんな動作でメロディーを演奏することができる。あるいは、同時に複数の発音体モジュールを演奏して和音を鳴らすこともできる。木琴のようにバチ(マレット)を使わないので、同時に鳴らせる音数やタイミングの自由度が広くなる。個々の発音体モジュールは子供の手のひらに乗る小さなサイズにできるので、例えば幅を約25mmにすると鍵盤楽器のように発音体モジュールのそれぞれを指一本で演奏することができる。メロディーを演奏することはもちろん、素早いアルペジオ演奏で打楽器としてリズムを刻むこともできる。
【0075】
上述したように、本実施形態では、それぞれの発音体モジュール105a~105hは音響的に独立している。音響的に独立しているとは、それぞれの発音体モジュール105a~105hの振動や共鳴が互いに干渉を生じないということである。音響的に独立させる方法として、例えばそれぞれの発音体モジュール105a~105hの間に隙間を設けるとか、それぞれの発音体モジュール105a~105hや台座をスポンジなどの緩衝材を挟んで離間するとか公知の手段を用いることができる。
音響的に独立していれば、一つの打合せ動作で同時に複数の打合せが発生するように複数の発音体モジュールを連結して一体化させても良い。例えば、ドミソの3和音を発音するために対応する3個の発音体モジュールを横に連結して一体化しても良い。

【符号の説明】
【0076】
1、101、102、103、104、105a~105h 発音体モジュール
1001 発音体セット
2a、2b、21a、21b、21c、21d、21e 打合せ部材
3a、3b、31a、31b、31c、31d、31e、31f 打合せ面
4、41、41a、41b、41c 突起
4a、4b 当接部
5a、5b 非当接部
6a、6b、61a、61b、61c、61d、61e、61f 凹部
7、71a、71b、71c 連結部
8 連通孔
P メインピーク


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13