(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022167086
(43)【公開日】2022-11-04
(54)【発明の名称】W/O型乳化組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 8/06 20060101AFI20221027BHJP
A61K 8/894 20060101ALI20221027BHJP
A61K 8/34 20060101ALI20221027BHJP
A61Q 1/00 20060101ALI20221027BHJP
A61K 9/107 20060101ALI20221027BHJP
A61K 47/34 20170101ALI20221027BHJP
A61K 47/10 20060101ALI20221027BHJP
【FI】
A61K8/06
A61K8/894
A61K8/34
A61Q1/00
A61K9/107
A61K47/34
A61K47/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021072629
(22)【出願日】2021-04-22
(71)【出願人】
【識別番号】000113470
【氏名又は名称】ポーラ化成工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】十塚 幼子
【テーマコード(参考)】
4C076
4C083
【Fターム(参考)】
4C076AA17
4C076BB31
4C076CC18
4C076DD27
4C076DD29
4C076DD38
4C076DD45
4C076DD49
4C076DD64
4C076EE12
4C076EE23
4C076EE27
4C076EE37
4C076EE48
4C076FF16
4C083AB212
4C083AB232
4C083AB242
4C083AB432
4C083AC121
4C083AC122
4C083AC342
4C083AC352
4C083AC552
4C083AC912
4C083AD041
4C083AD042
4C083AD092
4C083AD152
4C083AD161
4C083AD162
4C083AD172
4C083AD332
4C083CC02
4C083CC05
4C083CC11
4C083CC12
4C083CC13
4C083CC14
4C083CC19
4C083DD32
4C083EE06
4C083EE07
(57)【要約】 (修正有)
【課題】化粧の仕上がりおよび使用感に優れたW/O型乳化組成物を提供する。
【解決手段】成分(A)ラウリルPEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコンおよびPEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコンから選ばれる1種または2種、成分(B)ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)メチルポリシロキサン共重合体、および成分(C)分子内に3個以上の水酸基を有するポリオール、および平均分子量が200以上1,000以下のポリエチレングリコールから選ばれる1種または2種の水酸基含有成分、を含有する、W/O型乳化組成物に関する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記成分(A)、(B)および(C)を含有する、W/O型乳化組成物。
(A)ラウリルPEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコンおよびPEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコンから選ばれる1種または2種
(B)ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)メチルポリシロキサン共重合体
(C)分子内に3個以上の水酸基を有するポリオール、および平均分子量が200以上1,000以下のポリエチレングリコールから選ばれる1種または2種の水酸基含有成分
【請求項2】
成分(A)が、ラウリルPEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコンである、請求項1に記載のW/O型乳化組成物。
【請求項3】
成分(B)が、PEG/PPG-18/18ジメチコン、PEG/PPG-19/19ジメチコン、セチルPEG/PPG-10/1ジメチコンおよびラウリルPEG/PPG-18/18メチコンから選ばれる1種または2種以上である、請求項1または2に記載のW/O型乳化組成物。
【請求項4】
成分(C)が、グリセリンである、請求項1~3のいずれか1項に記載のW/O型乳化組成物。
【請求項5】
成分(A)の含有量が、組成物全量に対して、0.1質量%~10質量%である、請求項1~4のいずれか1項に記載のW/O型乳化組成物。
【請求項6】
成分(B)の含有量が、組成物全量に対して、0.1質量%~10質量%である、請求項1~5のいずれか1項に記載のW/O型乳化組成物。
【請求項7】
成分(C)の含有量が、組成物全量に対して、0.5質量%~15質量%である、請求項1~6のいずれか1項に記載のW/O型乳化組成物。
【請求項8】
成分(B)に対する成分(A)の質量割合((A)/(B))が、0.1~10である、請求項1~7のいずれか1項に記載のW/O型乳化組成物。
【請求項9】
成分(C)に対する成分(A)と成分(B)の合計の質量割合((A)+(B))/(C)が、0.05~20である、請求項1~8のいずれか1項に記載のW/O型乳化組成物。
【請求項10】
皮膚外用剤である、請求項1~9のいずれか1項に記載のW/O型乳化組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧料等に好適なW/O型乳化組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
W/O型乳化組成物(油中水型乳化組成物)は、連続相に油性成分が存在するため高い閉塞効果を有しており、保湿性が高い等の利点を有する。しかしながら、塗布後の肌のしっとり感等の使用感には、さらなる改善が求められている。また、粉体を配合することにより、塗布時のきしみ等が生じ、使用感が損なわれる等の問題もあった。また、肌のツヤ感のある仕上がり等も求められていた。
【0003】
特許文献1には、シリコーン油および紫外線吸収剤を組み合わせた処方により、使用感を高める試みが提案されている。しかしながら、さらに使用感に優れたW/O型乳化組成物が求められている。
【0004】
シリコーン油およびポリオールを含有する組成物は知られている(例えば、特許文献2および3)。しかしながら、特許文献2および3には、特定のシリコーン油およびポリオールの組み合わせによるW/O型乳化組成物の化粧の仕上がりや使用感の改善は記載されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2016-145157号公報
【特許文献2】特開2019-131503号公報
【特許文献3】特開2020-23487号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、化粧の仕上がりおよび使用感に優れたW/O型乳化組成物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決すべく検討を行ったところ、特定のシリコーン油およびポリオールの組み合わせによって、化粧の仕上がりおよび使用感に優れたW/O型乳化組成物とすることができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の要旨は以下に関する。
【0008】
[1] 下記成分(A)、(B)および(C)を含有する、W/O型乳化組成物。
(A)ラウリルPEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコンおよびPEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコンから選ばれる1種または2種
(B)ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)メチルポリシロキサン共重合体
(C)分子内に3個以上の水酸基を有するポリオール、および平均分子量が200以上1,000以下のポリエチレングリコールから選ばれる1種または2種の水酸基含有成分[2] 成分(A)が、ラウリルPEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコンである、[1]に記載のW/O型乳化組成物。
[3] 成分(B)が、PEG/PPG-18/18ジメチコン、PEG/PPG-19/19ジメチコン、セチルPEG/PPG-10/1ジメチコンおよびラウリルPEG/PPG-18/18メチコンから選ばれる1種または2種以上である、[1]または[2
]に記載のW/O型乳化組成物。
[4] 成分(C)が、グリセリンである、[1]~[3]のいずれかに記載のW/O型乳化組成物。
[5] 成分(A)の含有量が、組成物全量に対して、0.1質量%~10質量%である、[1]~[4]のいずれかに記載のW/O型乳化組成物。
[6] 成分(B)の含有量が、組成物全量に対して、0.1質量%~10質量%である、[1]~[5]のいずれかに記載のW/O型乳化組成物。
[7] 成分(C)の含有量が、組成物全量に対して、0.5質量%~15質量%である、[1]~[6]のいずれかに記載のW/O型乳化組成物。
[8] 成分(B)に対する成分(A)の質量割合((A)/(B))が、0.1~10である、[1]~[7]のいずれかに記載のW/O型乳化組成物。
[9] 成分(C)に対する成分(A)と成分(B)の合計の質量割合((A)+(B))/(C)が、0.05~20である、[1]~[8]のいずれかに記載のW/O型乳化組成物。
[10] 皮膚外用剤である、[1]~[9]のいずれかに記載のW/O型乳化組成物。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、化粧の仕上がりおよび使用感に優れたW/O型乳化組成物を提供することができる。特に、塗布後の肌の均一なツヤ感、塗布後の肌のしっとり感、および塗布時のきしみのなさに優れたW/O型乳化組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明について説明する。
<W/O型乳化組成物>
本発明の一態様は、
下記成分(A)、(B)および(C)を含有する、W/O型乳化組成物(以下、「本発明のW/O型乳化組成物」ということがある)に関する。
(A)ラウリルPEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコンおよびPEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコンから選ばれる1種または2種
(B)ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)メチルポリシロキサン共重合体
(C)分子内に3個以上の水酸基を有するポリオール、および平均分子量が200以上1,000以下のポリエチレングリコールから選ばれる1種または2種の水酸基含有成分
【0011】
本発明者らは、W/O型乳化組成物の化粧の仕上がりおよび使用感を高める技術を求めて各種検討を行った。
その中で、本発明者らは、シリコーン分岐型ポリエーテル変性シリコーンである、ラウリルPEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコンおよびPEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコンとポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)メチルポリシロキサン共重合体との組み合わせと、ポリオールとの組み合わせにより、化粧の仕上がりおよび使用感に優れたW/O型乳化組成物の創出に成功した。このような知見に基づき、本発明を完成した。
【0012】
≪成分(A)のラウリルPEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコンおよびPEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン≫
本発明のW/O型乳化組成物において、成分(A)として、ラウリルPEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコンおよびPEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコンから選ばれる1種または2種のシリコーン分岐型ポリエーテル変性シリコーンを含む。成分(A)としては、ラウリルPEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコンが好ましい。
【0013】
このようなシリコーン分岐型ポリエーテル変性シリコーンとしては、市販のものを用いることができ、限定されないが、例えば、ラウリルPEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコンとして「KF-6038」(信越化学工業社製)等、PEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコンとして「KF-6028」(信越化学工業社製)、「KF-6028P」(信越化学工業社製)等を挙げることができる。
【0014】
本発明のW/O型乳化組成物において成分(A)の含有量は、化粧の仕上がりおよび組成物の使用感の観点から、組成物全体に対して、0.1質量%以上10質量%以下が好ましく、0.2質量%以上6質量%以下がより好ましく、0.5質量%以上5質量%以下がさらに好ましく、1質量%以上4質量%以下が特に好ましい。なお、成分(A)を2種組み合わせて用いる場合は、上記含有量は2種の合計量である。2種の配合比は、化粧の仕上がりおよび使用感等に応じて適宜調整し得る。
【0015】
≪成分(B)のポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)メチルポリシロキサン共重合体≫
本発明のW/O型乳化組成物において、成分(B)として、ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)メチルポリシロキサン共重合体を含む。ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)メチルポリシロキサン共重合体としては、直鎖または分岐鎖のいずれでもよいが、直鎖型ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)メチルポリシロキサン共重合体が好ましい。直鎖型ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)メチルポリシロキサン共重合体は、さらにアルキル変性、アルコキシル変性等された変性体でもよい。
【0016】
このような直鎖型ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)メチルポリシロキサン共重合体としては、市販のものを用いることができ、限定されないが、例えば、PEG/PPG-15/15ジメチコン(「5330 Fluid」;デュポン・東レ・スペシャルティ・マテリアル社製)、PEG/PPG-18/18ジメチコン(「5200」;デュポン・東レ・スペシャルティ・マテリアル社製)、PEG/PPG-19/19ジメチコン(「BY11-030」;デュポン・東レ・スペシャルティ・マテリアル社製)、PEG/PPG-20/20ジメチコン(「SH3749」;東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)、PEG/PPG-30/10ジメチコン(「BY25-339」;デュポン・東レ・スペシャルティ・マテリアル製)、PEG/PPG-20/22ブチルエーテルジメチコン(「KF-6012」;信越化学工業社製)、ラウリルPEG/PPG-18/18メチコン(「5200 Formulation Aid」;デュポン・東レ・スペシャルティ・マテリアル社製)、セチルPEG/PPG-10/1ジメチコン(「Abil EM-90」;ゴールドシュミットケミカル社)等を挙げることができる。
成分(B)としては、PEG/PPG-18/18ジメチコン、PEG/PPG-19/19ジメチコン、セチルPEG/PPG-10/1ジメチコンおよびラウリルPEG/PPG-18/18メチコンが好ましく、PEG/PPG-19/19ジメチコンおよびラウリルPEG/PPG-18/18メチコンがより好ましく、PEG/PPG-19/19ジメチコンがさらに好ましい。
ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)メチルポリシロキサン共重合体は、1種または2種以上を組み合わせて、本発明に使用し得る。
【0017】
本発明のW/O型乳化組成物において成分(B)の含有量は、化粧の仕上がりおよび組成物の使用感の観点から、組成物全体に対して、0.1質量%以上10質量%以下が好ましく、0.2質量%以上6質量%以下がより好ましく、0.5質量%以上5質量%以下がさらに好ましく、1質量%以上4質量%以下が特に好ましい。なお、成分(B)を2種以上組み合わせて用いる場合は、上記含有量は2種以上の合計量である。2種以上の配合比は、化粧の仕上がりおよび使用感等に応じて適宜調整し得る。
【0018】
また、本発明における成分(A)と成分(B)との質量比は、成分(B)に対する成分(A)の質量割合(A)/(B)として、化粧の仕上がりおよび組成物の使用感の観点から、0.1以上10以下が好ましく、0.1以上8以下が好ましく、0.2以上5以下がより好ましく、0.5以上2.5以下がさらに好ましい。
【0019】
≪成分(C)のポリオール≫
本発明のW/O型乳化組成物において、成分(C)としてポリオールを含む。ポリオールとしては、具体的には、分子内に3個以上の水酸基を有するポリオール、および平均分子量が200以上1,000以下のポリエチレングリコールから選ばれる1種または2種の水酸基含有成分である。成分(C)のポリオールとしては、市販のものを用いることができる。
分子内に3個以上の水酸基を有するポリオールとしては、例えば、3価のアルコール(例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン等);4価アルコール(例えば、1,2,6-ヘキサントリオール等のペンタエリスリトール等);5価アルコール(例えば、キシリトール等);6価アルコール(例えば、ソルビトール、マンニトール等);多価アルコール重合体(例えば、ポリ(重合度2~10程度)グリセリン等)等が挙げられる。
平均分子量が200以上1,000以下(好ましくは、600以上1,000以下)のポリエチレングリコールとしては、PEG-4(医薬部外品表示名称ポリエチレングリコール200:平均分子量200)、PEG-6(医薬部外品表示名称ポリエチレングリコール300:平均分子量300)、PEG-8(医薬部外品表示名称ポリエチレングリコール400:平均分子量400)、PEG-12(医薬部外品表示名称ポリエチレングリコール600:平均分子量600)、PEG-20(医薬部外品表示名称ポリエチレングリコール1000:平均分子量1,000)等が挙げられる。
このようなポリエチレングリコールとしては、市販のものを用いることができ、限定されないが、例えば、PEG-4(「PEG#200」;日油株式会社製)、PEG-6(「PEG#300」;日油株式会社製))、PEG-8(「PEG#400」;日油株式会社製)、PEG-12(「PEG#600」;日油株式会社製)、PEG-20(「PEG#1000」;日油株式会社製)等を挙げることができる。
成分(C)としては、グリセリン、ポリグリセリンが好ましく、グリセリンがより好ましい。
成分(C)のポリオールは、1種または2種以上を組み合わせて、本発明に使用し得る。
【0020】
本発明において成分(C)のポリオールの含有量は、化粧の仕上がりおよび組成物の使用感の観点から、組成物全体に対して、0.5質量%以上15質量%以下が好ましく、1質量%以上10質量%以下がより好ましく、1.5質量%以上8質量%以下がさらに好ましく、2.5質量%以上6質量%以下が特に好ましい。なお、成分(C)を2種以上組み合わせて用いる場合は、上記含有量は2種以上の合計量である。2種以上の配合比は、化粧の仕上がりおよび使用感等に応じて適宜調整し得る。
【0021】
また、本発明における成分(C)に対する成分(A)と成分(B)の合計の質量割合((A)+(B))/(C)は、化粧の仕上がりおよび組成物の使用感の観点から、0.05以上20以下が好ましく、0.1以上10以下が好ましく、0.3以上5以下がより好ましく、0.5以上2.5以下がさらに好ましい。
【0022】
≪その他の成分≫
また、本発明のW/O型乳化組成物は、その効果を損なわない限りにおいて、その他の任意成分を含有することができる。
任意成分としては、通常化粧料等に配合し得る成分であれば特に限定されず、使用できる。任意成分としては、1種または2種以上を組み合わせて、本発明に使用し得る。
【0023】
かかる成分としては、例えば、マカデミアナッツ油、アボカド油、トウモロコシ油、オリーブ油、ナタネ油、ゴマ油、ヒマシ油、サフラワー油、綿実油、ホホバ油、ヤシ油、パーム油、液状ラノリン、硬化ヤシ油、硬化油、モクロウ、硬化ヒマシ油、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、イボタロウ、ラノリン、還元ラノリン、硬質ラノリン、ホホバロウ等のオイル、ワックス類;流動パラフィン、スクワラン、プリスタン、オゾケライト、パラフィン、セレシン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素類;オレイン酸、イソステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸等の高級脂肪酸類;セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オクチルドデカノール、ミリスチルアルコール、セトステアリルアルコール等の高級アルコール等;イソノナン酸イソノニル、イソオクタン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、イソステアリン酸ヘキシルデシル、アジピン酸ジイソプロピル、セバチン酸ジ-2-エチルヘキシル、乳酸セチル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ-2-エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジ-2-ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ-2-エチルヘキサン酸グリセリン、トリ-2-エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ-2-エチルヘキサン酸ペンタンエリトリット等の合成エステル油類;ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン;オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサンシロキサン等の環状ポリシロキサン;アミノ変性ポリシロキサン、必須成分以外のポリエーテル変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等の変性ポリシロキサン等のシリコーン油等の油剤類;
【0024】
脂肪酸セッケン(ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等)、ラウリル硫酸カリウム、アルキル硫酸トリエタノールアミンエーテル等のアニオン界面活性剤類;塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、ラウリルアミンオキサイド等のカチオン界面活性剤類;イミダゾリン系両性界面活性剤(2-ココイル-2-イミダゾリニウムヒドロキサイド-1-カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等)、ベタイン系界面活性剤(アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等)、アシルメチルタウリン等の両性界面活性剤類;ソルビタン脂肪酸エステル類(ソルビタンモノステアレート、セスキオレイン酸ソルビタン等)、グリセリン脂肪酸類(モノステアリン酸グリセリン等)、プロピレングリコール脂肪酸エステル類(モノステアリン酸プロピレングリコール等)、硬化ヒマシ油誘導体、グリセリンアルキルエーテル、POEソルビタン脂肪酸エステル類(POEソルビタンモノオレエート、モノステアリン酸ポリオキエチレンソルビタン等)、POEソルビット脂肪酸エステル類(POE-ソルビットモノラウレート等)、POEグリセリン脂肪酸エステル類(POE-グリセリンモノイソステアレート等)、POE脂肪酸エステル類(ポリエチレングリコールモノオレート、POEジステアレート等)、POEアルキルエーテル類(POE2-オクチルドデシルエーテル等)、POEアルキルフェニルエーテル類(POEノニルフェニルエーテル等)、プルロニック(登録商標)型類、POE・POPアルキルエーテル類(POE・POP2-デシルテトラデシルエーテル等)、テトロニック類、POEヒマシ油・硬化ヒマシ油誘導体(POEヒマシ油、POE硬化ヒマシ油等)、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグルコシド等の非イオン界面活性剤類;必須成分以外のポリエチレングリコール、1,3-ブチレングリコール(1,3-BG)、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、イソプレングリコール、1,2-ペンタンジオール、2,4-ヘキサンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,2-オクタンジオール等の多価アルコール類;
【0025】
表面を処理されていてもよい、マイカ、タルク、カオリン、合成雲母、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、無水ケイ酸(シリカ)、酸化アルミニウム、硫酸バリウム等の粉体
類、表面を処理されていてもよい、ベンガラ、赤酸化鉄、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化コバルト、群青、紺青、酸化チタン、酸化亜鉛の無機顔料類、表面を処理されていてもよい、雲母チタン、魚燐箔、オキシ塩化ビスマス等のパール剤類、レーキ化されていてもよい赤色202号、赤色228号、赤色226号、黄色4号、青色404号、黄色5号、赤色505号、赤色230号、赤色223号、橙色201号、赤色213号、黄色204号、黄色203号、青色1号、緑色201号、紫色201号、赤色204号等の有機色素類、ポリエチレン末、ポリメタクリル酸メチル、メタクリル酸メチルクロスポリマー、ナイロン粉末、オルガノポリシロキサンエラストマー等の有機粉体類;
【0026】
パラアミノ安息香酸系紫外線吸収剤;アントラニル酸系紫外線吸収剤;サリチル酸系紫外線吸収剤;桂皮酸系紫外線吸収剤;ベンゾフェノン系紫外線吸収剤;糖系紫外線吸収剤;2-(2'-ヒドロキシ-5'-t-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、4-メトキシ-4'-t-ブチルジベンゾイルメタン等の紫外線吸収剤類;
【0027】
エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール類;ビタミンAまたはその誘導体、ビタミンB6塩酸塩、ビタミンB6トリパルミテート、ビタミンB6ジオクタノエート、ビタミンB2またはその誘導体、ビタミンB12、ビタミンB15またはその誘導体等のビタミンB類;α-トコフェロール、β-トコフェロール、γ-トコフェロール、ビタミンEアセテート等のビタミンE類、ビタミンD類、ビタミンH、パントテン酸、パンテチン、ピロロキノリンキノン等のビタミン類等;ローヤルゼリー、感光素、コレステロール誘導体等の賦活剤;ノニル酸ワレニルアミド、カプサイシン、ジンゲロン、タンニン酸等の血行促進剤;硫黄、チアントール等の抗脂漏剤;コラーゲン、ヒアルロン酸およびその塩等の水溶性高分子;水等の溶媒;トリメチルシロキシケイ酸等の被膜形成剤;香料等が挙げられる。
【0028】
その他、本発明のW/O型乳化組成物には、各種有効成分、保湿剤、pH調整剤、防腐剤、抗菌剤、酸化防止剤・酸化防止助剤等も任意に配合することができる。
【0029】
有効成分としては、美白成分、シワ改善成分、抗炎症成分、動植物由来の抽出物等が挙げられる。
【0030】
美白成分としては、一般的に化粧料に用いられているものであれば特に限定はない。例えば、4-n-ブチルレゾルシノール、アスコルビン酸グルコシド、3-О-エチルアスコルビン酸、トラネキサム酸、アルブチン、エラグ酸、コウジ酸、リノール酸、ニコチン酸アミド、5,5'-ジプロピルビフェニル-2,2'-ジオール、5'-アデニル酸二ナトリウム、トラネキサム酸セチル、4-メトキシサリチル酸カリウム塩、ハイドロキノン、パントテン酸等が挙げられる。
【0031】
シワ改善成分としては、一般的に化粧料に用いられているものであれば特に限定はない。例えば、三フッ化イソプロピルオキソプロピルアミノカルボニルピロリジンカルボニルメチルプロピルアミノカルボニルベンゾイルアミノ酢酸ナトリウム、ニコチン酸アミド、ビタミンAまたはその誘導体(レチノール、レチナール、レチノイン酸、トレチノイン、イソトレチノイン、レチノイン酸トコフェロール、パルミチン酸レチノール、酢酸レチノール等)、ウルソール酸ベンジルエステル、ウルソール酸リン酸エステル、ベツリン酸ベンジルエステル、ベンジル酸リン酸エステルが挙げられる。
【0032】
抗炎症成分としては、クラリノン、グラブリジン、グリチルリチン酸、グリチルレチン酸、パントテニルアルコール等が挙げられ、好ましくは、グリチルリチン酸およびその塩、グリチルレチン酸アルキルおよびその塩、並びに、グリチルレチン酸およびその塩である。
【0033】
動植物由来の抽出物としては、一般的に医薬品、化粧料、食品等に用いられているものであれば特に限定はない。例えば、アケビエキス、アスナロエキス、アスパラガスエキス、アボカドエキス、アマチャエキス、アーモンドエキス、アルニカエキス、アロエエキス、アロニアエキス、アンズエキス、イチョウエキス、インドキノエキス、ウイキョウエキス、ウドエキス、エイジツエキス、エゾウコギエキス、エンメイソウエキス、オウゴンエキス、オウバクエキス、オウレンエキス、オタネニンジンエキス、オトギリソウエキス、オドリコソウエキス、オレンジエキス、カキョクエキス、カッコンエキス、カモミラエキス、カロットエキス、カワラヨモギエキス、カンゾウエキス、キウイエキス、キューカンバーエキス、グアバエキス、クジンエキス、クチナシエキス、クマザサエキス、クララエキス、クルミエキス、グレープフルーツエキス、黒米エキス、クロレラエキス、クワエキス、ケイケットウエキス、ゲットウヨウエキス、ゲンチアナエキス、ゲンノショウコエキス、紅茶エキス、ゴボウエキス、コメエキス、コメ発酵エキス、コメヌカ発酵エキス、コメ胚芽油、コケモモエキス、サルビアエキス、サボンソウエキス、ササエキス、サンザシエキス、サンシャエキス、サンショウエキス、シイタケエキス、ジオウエキス、シコンエキス、シソエキス、シナノキエキス、シモツケソウエキス、シャクヤクエキス、ショウキョウエキス、ショウブ根エキス、シラカバエキス、スギナエキス、ステビアエキス、ステビア発酵物、セイヨウキズタエキス、セイヨウサンザシエキス、セイヨウニワトコエキス、セイヨウノコギリソウエキス、セイヨウハッカエキス、セージエキス、ゼニアオイエキス、センキュウエキス、センブリエキス、ソウハクヒエキス、ダイオウエキス、ダイズエキス、タイソウエキス、タイムエキス、タンポポエキス、茶エキス、チョウジエキス、チンピエキス、甜茶エキス、トウガラシエキス、トウキエキス、トウキンセンカエキス、トウニンエキス、トウヒエキス、ドクダミエキス、トマトエキス、納豆エキス、ニンジンエキス、ニンニクエキス、ノバラエキス、ハイビスカスエキス、バクモンドウエキス、ハスエキス、パセリエキス、バーチエキス、ハマメリスエキス、ヒキオコシエキス、ヒノキエキス、ビワエキス、フキタンポポエキス、フキノトウエキス、ブクリョウエキス、ブッチャーブルームエキス、ブドウエキス、ブドウ種子エキス、ヘチマエキス、ベニバナエキス、ペパーミントエキス、ボダイジュエキス、ボタンエキス、ホップエキス、マツエキス、マヨナラエキス、マロニエエキス、ミズバショウエキス、ムクロジエキス、メリッサエキス、モズクエキス、モモエキス、ヤグルマギクエキス、ユーカリエキス、ユキノシタエキス、ユズエキス、ユリエキス、ヨクイニンエキス、ヨモギエキス、ラベンダーエキス、緑茶エキス、リンゴエキス、ルイボス茶エキス、レイシエキス、レタスエキス、レモンエキス、レンギョウエキス、レンゲソウエキス、ローズエキス、ローズマリーエキス、ローマカミツレエキス、ローヤルゼリーエキス、ワレモコウエキス等のエキスが好ましいものとして挙げられる。
【0034】
保湿剤としては、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、1,3-ブチレングリコール、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、ムコイチン硫酸、カロニン酸、アテロコラーゲン、コレステリル-12-ヒドロキシステアレート、乳酸ナトリウム、胆汁酸塩、dl-ピロリドンカルボン酸塩、短鎖可溶性コラーゲン、ジグリセリン(EO)PO付加物、イザヨイバラ抽出物、セイヨウノコギリソウ抽出物、メリロート抽出物等が挙げられる。
【0035】
pH調製剤としては、例えば、乳酸-乳酸ナトリウム、クエン酸-クエン酸ナトリウム、コハク酸-コハク酸ナトリウム等の緩衝剤等が挙げられる。
【0036】
防腐剤としては、メチルパラベン、エチルパラベン、ブチルパラベン、フェノキシエタノール等が挙げられる。
【0037】
抗菌剤としては、1,3-ブチレングリコールやパラオキシ安息香酸エステル等の合成
系の他、カプリリルグリコール、カプリル酸グリセリル、エチルヘキシルグリセリン、カプリルヒドロキサム酸等の天然抗菌物質も好ましく挙げられる。
【0038】
酸化防止剤としては、例えば、トコフェロール類、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸エステル類等が挙げられる。酸化防止助剤としては、例えば、リン酸、クエン酸、アスコルビン酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、ケファリン、ヘキサメタフォスフェイト、フィチン酸、エチレンジアミン四酢酸等が挙げられる。
【0039】
なお、これらの任意成分は、本発明における任意の工程またはその前後で添加することができる。
【0040】
本発明のW/O型乳化組成物の製造方法は、上記必須の構成成分を有する以外は、常法の乳化法に基づき、製造可能である。例えば、油相成分を加熱溶解させ、粉体成分を添加、分散させ、加熱溶解させた水相成分を、油相に添加し、攪拌しながら乳化してW/O型乳化組成物を得る。
【0041】
≪皮膚外用剤≫
本発明のW/O型乳化組成物は、例えば、皮膚外用剤、医薬、医薬部外品を含む化粧料等の態様として用いられ得る。特に好ましいのは化粧料である。剤形は、W/O型乳化剤形であれば特段の限定はなく、例えば、液状、乳液状、ペースト状、クリーム状、ジェル状等の剤形が挙げられ、液状、乳液状等とすることが好ましい。
【0042】
本発明の化粧料の種類は、特に限定されず、W/O型乳化剤型が利用される公知の化粧料に広く利用することができる。具体的な化粧料としては、化粧下地、ファンデーション、アイシャドウ、アイライナー、口紅等のメイクアップ化粧料、日焼止め乳液、日焼止めクリーム等の日焼止め化粧料が挙げられる。
【0043】
本発明のW/O型乳化組成物を用いる以外、皮膚外用剤、医薬、医薬部外品を含む化粧料の製造は、従来公知の製造方法を用いて行うことができる。
【実施例0044】
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の例示であり、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
【0045】
表1に示す処方で、実施例および比較例のW/O型乳化組成物をそれぞれ調製し、評価した。具体的には、以下のようにして行った。油相成分を70℃に加熱して溶解させ、粉体成分を添加、分散させた。同じく70℃にて加熱溶解させた水相成分を、油相に添加し、ホモミキサーで攪拌しながら乳化して目的のW/O型乳化組成物を得た。
【0046】
実施例および比較例のW/O型乳化組成物について、調製した各試料を専門評価者に使用してもらい、使用試験を行った。結果を表1に示す。
【0047】
なお、判定基準は以下のとおりである。
1)塗布後の肌の均一なツヤ感
10名の専門評価者が、スポンジを用いて各W/O型乳化化粧料を、顔に0.16g塗布し、塗布直後の顔の均一なツヤ感について下記の5段階で目視評価した。結果を10名の合計点で示した。なお、均一なツヤ感とは、顔が全体的にツヤがあり、顔が全体的に明るく見えることを示す。
5;ツヤがかなり均一に見える。
4;ツヤが均一に見える。
3;ツヤがやや均一に見える。
2;ツヤがあまり均一に見えない。
1;ツヤが明らかに均一に見えない。
【0048】
2)塗布後の肌のしっとり感
10名の専門評価者が、スポンジを用いて各W/O型乳化化粧料を、顔に0.16g塗布し、塗布直後の顔のしっとり感を下記の5段階で官能評価した。結果を10名の合計点で示した。
5;しっとり感がかなりある。
4;しっとり感がある。
3;しっとり感があまりない。
2;しっとり感がほとんどない。
1;しっとり感が全くない。
【0049】
3)塗布時のきしみのなさ
専門評価者10人がW/O型化粧料を肌に塗布時のきしみのなさ以下の5段階で評価した。なお、表中の評価結果は、専門評価者10人の合計点で示した。
5;塗布時にきしみを全く感じない。
4;塗布時にきしみをほとんど感じない。
3;塗布時にきしみが少しある。
2;塗布時にきしみを感じる。
1;塗布時にきしみを非常に感じる。
【0050】
【0051】
成分(A)、成分(B)および成分(C)を含有する実施例のW/O型乳化組成物は、塗布後の肌の均一なツヤ感、塗布後の肌のしっとり感、および塗布時のきしみのなさの化粧の仕上がりおよび使用感に優れることが分かった。
一方、成分(A)を含まない比較例1、成分(B)を含まない比較例2、成分(C)を含まない比較例3、成分(A)の代わりにシリコーン分岐型ポリグリセリン変性シリコー
ンを含有する比較例4、成分(B)の代わりにポリオキシエチレンメチルポリシロキサン共重合体を含有する比較例5、成分(C)の代わりに分子量50,000以上のポリエチレングリコールを含有する比較例6は、化粧の仕上がりおよび使用感が不十分であった。
また、成分(A)としてはラウリルPEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコンがより好ましく、成分(B)としてはPEG/PPG-19/19ジメチコンがより好ましく、成分(C)としてはグリセリンがより好ましく、成分(A)/(B)の質量比としては0.5~2.5がより好ましく、成分((A)+(B))/(C)の質量比としては0.5~2.5がより好ましいことが分かった。