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特開2022-167109無線通信システムの設定方法、無線通信システムおよびセンサ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022167109
(43)【公開日】2022-11-04
(54)【発明の名称】無線通信システムの設定方法、無線通信システムおよびセンサ
(51)【国際特許分類】
   H04W 84/18 20090101AFI20221027BHJP
   H04W 8/26 20090101ALI20221027BHJP
   H04W 4/38 20180101ALI20221027BHJP
【FI】
H04W84/18 110
H04W8/26 110
H04W4/38
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021072664
(22)【出願日】2021-04-22
(71)【出願人】
【識別番号】391001457
【氏名又は名称】アイリスオーヤマ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135389
【弁理士】
【氏名又は名称】臼井 尚
(74)【代理人】
【識別番号】100086380
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 稔
(74)【代理人】
【識別番号】100103078
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 達也
(74)【代理人】
【識別番号】100130650
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 泰光
(74)【代理人】
【識別番号】100168099
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 伸太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100168044
【弁理士】
【氏名又は名称】小淵 景太
(74)【代理人】
【識別番号】100200609
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 智和
(72)【発明者】
【氏名】尾形 大輔
(72)【発明者】
【氏名】稲村 公孝
(72)【発明者】
【氏名】小林 瑞樹
(72)【発明者】
【氏名】波多江 弘樹
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA34
5K067BB27
5K067DD17
5K067DD27
5K067EE02
5K067EE06
5K067EE25
5K067HH22
5K067HH23
(57)【要約】
【課題】 識別アドレスおよび動作条件を同一の設定装置を用いて設定することが可能な無線通信システムの設定方法、無線通信システムおよびセンサを提供すること。
【解決手段】 無線通信システムA1の設定方法であって、設定装置Sdを用いて複数の中継ユニットの識別アドレスを設定する第1ステップS1と、設定装置Sdを用いて中継ユニットの動作条件を決定する第2ステップS2と、複数の中継ユニットの識別アドレスと中継ユニットの動作条件とを含む設定信号を、設定装置Sdから、中継ユニットの動作を制御する制御装置Ctに転送し、複数の中継ユニットおよび制御装置Ctを含む無線通信ネットワークCn1を構築する第3ステップS3と、無線通信ネットワークCn1を介して、制御装置Ctから中継ユニットに動作条件を含む制御信号を送信する第4ステップS4と、を備える。
【選択図】 図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
設定装置を用いて、複数の中継ユニットに識別アドレスを設定する、無線通信システムの設定方法であって、
前記設定装置を用いて前記複数の中継ユニットの前記識別アドレスを設定する第1ステップと、
前記設定装置を用いて前記中継ユニットの動作条件を決定する第2ステップと、
前記複数の中継ユニットの前記識別アドレスと前記中継ユニットの前記動作条件とを含む設定信号を、前記設定装置から、前記中継ユニットの動作を制御する制御装置に転送し、前記複数の中継ユニットおよび前記制御装置を含む無線通信ネットワークを構築する第3ステップと、
前記無線通信ネットワークを介して、前記制御装置から前記中継ユニットに前記動作条件を含む制御信号を送信する第4ステップと、
を備える、無線通信システムの設定方法。
【請求項2】
前記複数の中継ユニットの少なくともいずれかは、記憶部、無線通信部を具備する無線通信モジュールおよび制御部を具備する制御モジュールと、前記記憶部、前記無線通信モジュールおよび前記制御モジュールが実装された制御基板と、を有しており、
前記第1ステップにおいては、前記無線通信モジュールによって受信した前記識別アドレスを前記記憶部に記憶させ、
前記第4ステップにおいては、
前記制御装置が、前記動作条件を設定すべき前記中継ユニットの前記識別アドレスを含む前記制御信号を送信し、
前記複数の中継ユニットは、前記制御信号に含まれる前記識別アドレスと、自ユニットの前記記憶部に記憶された前記識別アドレスとが一致する場合に、前記制御信号に含まれる前記動作条件を前記記憶部に記憶する、請求項1に記載の無線通信システムの設定方法。
【請求項3】
前記複数の中継ユニットの少なくともいずれかは、記憶部と、無線通信部および制御部を具備する無線通信モジュールと、前記記憶部および前記無線通信モジュールが実装された制御基板と、を有しており、
前記第1ステップにおいては、前記無線通信モジュールによって受信した前記識別アドレスを前記記憶部に記憶させ、
前記第4ステップにおいては、
前記制御装置が、前記動作条件を設定すべき前記中継ユニットの前記識別アドレスを含む前記制御信号を送信し、
前記複数の中継ユニットは、前記制御信号に含まれる前記識別アドレスと、自ユニットの前記記憶部に記憶された前記識別アドレスとが一致する場合に、前記制御信号に含まれる前記動作条件を前記記憶部に記憶する、請求項1に記載の無線通信システムの設定方法。
【請求項4】
各々が記憶部、無線通信部および制御部を有する複数の中継ユニットと、各々に識別アドレスが設定された前記複数の中継ユニットの動作を制御する制御装置と、を備える無線通信システムであって、
前記制御装置は、前記識別アドレスおよび動作条件を含む制御信号を前記複数の中継ユニットに送信し、
前記複数の中継ユニットは、前記制御信号に含まれる前記識別アドレスと、自ユニットの前記記憶部に記憶された前記識別アドレスとが一致する場合に、前記制御信号に含まれる前記動作条件に対応した動作を行う、無線通信システム。
【請求項5】
請求項4に記載の無線通信システムの前記複数の中継ユニットのいずれかを構成するセンサであって、
測温抵抗部、スイッチ部、通信モジュール、第1抵抗を含む第1配線部、および前記第1抵抗よりも抵抗値が小さい第2抵抗を含む第2配線部を備えており、
前記スイッチ部は、第1接点、第2接点および第3接点を有し、
前記第1配線部は、前記第1接点と前記通信モジュールとに接続されており、
前記第2配線部は、前記第2接点と前記通信モジュールとに接続されており、
前記測温抵抗部は、前記第3接点に接続されており、
前記スイッチ部は、前記第1接点と前記第3接点とを導通させる第1モードと、前記第2接点と前記第3接点とを導通させる第2モードと、を有し、
前記制御部は、前記制御信号に含まれる前記識別アドレスと、自ユニットの前記記憶部に記憶された前記識別アドレスとが一致する場合に、前記制御信号に含まれる前記動作条件に対応して前記スイッチ部を前記第1モードおよび前記第2モードのいずれかに設定する制御を行う、センサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信システムの設定方法、無線通信システムおよびセンサに関する。
【背景技術】
【0002】
IPアドレスに代表される識別アドレスを付与された複数の機器間で各種の信号を送受する通信システムが広く用いられている。特許文献1には、従来の通信システムの設定方法の一例が開示されている。同文献に開示された通信システムの設定方法は、インテリジェントハブ装置を介して、複数の照明器具のIPアドレスおよび動作条件を設定する。IPアドレスの設定は、インテリジェントハブ装置に接続されたIPアドレス設定装置を用いて行われる。照明器具の動作条件である調光および調色等の条件は、インテリジェントハブ装置に接続された操作卓を用いて行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-113830号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の通信システムの設定方法では、IPアドレスを設定するためのIPアドレス設定装置と、動作条件を設定するための操作卓とを、別々に設け、それぞれから設定操作を行う必要があった。
【0005】
本発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、識別アドレスおよび動作条件を同一の設定装置を用いて設定することが可能な無線通信システムの設定方法、無線通信システムおよびセンサを提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の側面によって提供される無線通信システムの設定方法は、設定装置を用いて、複数の中継ユニットに識別アドレスを設定する、無線通信システムの設定方法であって、前記設定装置を用いて前記複数の中継ユニットの前記識別アドレスを設定する第1ステップと、前記設定装置を用いて前記中継ユニットの動作条件を決定する第2ステップと、前記複数の中継ユニットの前記識別アドレスと前記中継ユニットの前記動作条件とを含む設定信号を、前記設定装置から、前記中継ユニットの動作を制御する制御装置に転送し、前記複数の中継ユニットおよび前記制御装置を含む無線通信ネットワークを構築する第3ステップと、前記無線通信ネットワークを介して、前記制御装置から前記中継ユニットに前記動作条件を含む制御信号を送信する第4ステップと、を備える。
【0007】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記複数の中継ユニットの少なくともいずれかは、記憶部、無線通信部を具備する無線通信モジュールおよび制御部を具備する制御モジュールと、前記記憶部、前記無線通信モジュールおよび前記制御モジュールが実装された制御基板と、を有しており、前記第1ステップにおいては、前記無線通信モジュールによって受信した前記識別アドレスを前記記憶部に記憶させ、前記第4ステップにおいては、前記制御装置が、前記動作条件を設定すべき前記中継ユニットの前記識別アドレスを含む前記制御信号を送信し、前記複数の中継ユニットは、前記制御信号に含まれる前記識別アドレスと、自ユニットの前記記憶部に記憶された前記識別アドレスとが一致する場合に、前記制御信号に含まれる前記動作条件を前記記憶部に記憶する。
【0008】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記複数の中継ユニットの少なくともいずれかは、記憶部と、無線通信部および制御部を具備する無線通信モジュールと、前記記憶部および前記無線通信モジュールが実装された制御基板と、を有しており、前記第1ステップにおいては、前記無線通信モジュールによって受信した前記識別アドレスを前記記憶部に記憶させ、前記第4ステップにおいては、前記制御装置が、前記動作条件を設定すべき前記中継ユニットの前記識別アドレスを含む前記制御信号を送信し、前記複数の中継ユニットは、前記制御信号に含まれる前記識別アドレスと、自ユニットの前記記憶部に記憶された前記識別アドレスとが一致する場合に、前記制御信号に含まれる前記動作条件を前記記憶部に記憶する。
【0009】
本発明の第2の側面によって提供される無線通信システムは、各々が記憶部、無線通信部および制御部を有する複数の中継ユニットと、各々に識別アドレスが設定された前記複数の中継ユニットの動作を制御する制御装置と、を備える無線通信システムであって、前記制御装置は、前記識別アドレスおよび動作条件を含む制御信号を前記複数の中継ユニットに送信し、前記複数の中継ユニットは、前記制御信号に含まれる前記識別アドレスと、自ユニットの前記記憶部に記憶された前記識別アドレスとが一致する場合に、前記制御信号に含まれる前記動作条件に対応した動作を行う。
【0010】
本発明の第3の側面によって提供されるセンサは、本発明の第2の側面によって提供される無線通信システムの前記複数の中継ユニットのいずれかを構成するセンサであって、測温抵抗部、スイッチ部、通信モジュール、第1抵抗を含む第1配線部、および前記第1抵抗よりも抵抗値が小さい第2抵抗を含む第2配線部を備えており、前記スイッチ部は、第1接点、第2接点および第3接点を有し、前記第1配線部は、前記第1接点と前記通信モジュールとに接続されており、前記第2配線部は、前記第2接点と前記通信モジュールとに接続されており、前記測温抵抗部は、前記第3接点に接続されており、前記スイッチ部は、前記第1接点と前記第3接点とを導通させる第1モードと、前記第2接点と前記第3接点とを導通させる第2モードと、を有し、前記制御部は、前記制御信号に含まれる前記識別アドレスと、自ユニットの前記記憶部に記憶された前記識別アドレスとが一致する場合に、前記制御信号に含まれる前記動作条件に対応して前記スイッチ部を前記第1モードおよび前記第2モードのいずれかに設定する制御を行う。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、識別アドレスおよび動作条件を同一の設定装置を用いて設定することができる。
【0012】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の第1実施形態に係る無線通信システムの設定方法を実行する前の無線通信システムを示すシステム構成図である。
図2】本発明の第1実施形態に係る無線通信システムを示す配置図である。
図3】本発明の第1実施形態に係る無線通信システムの照明器具を示すブロック図である。
図4】本発明の第1実施形態に係る無線通信システムのセンサを示すブロック図である。
図5】本発明の第1実施形態に係る無線通信システムの設定装置を示すブロック図である。
図6】本発明の第1実施形態に係る無線通信システムの制御装置を示すブロック図である。
図7】本発明の第1実施形態に係る無線通信システムのセンサが設けられるショーケースの一例を示す断面図である。
図8】本発明の第1実施形態に係る無線通信システムの設定方法の一例を示すシーケンスダイアグラムである。
図9】本発明の第1実施形態に係る無線通信システムの設定方法の一例を示すシステム構成図である。
図10】本発明の第1実施形態に係る無線通信システムのセンサの測定例を示すグラフである。
図11】本発明の第1実施形態に係る無線通信システムの動作を示すフローチャートである。
図12】本発明の第1実施形態に係る無線通信システムの動作を示すシーケンスダイアグラムである。
図13】本発明の第1実施形態に係る無線通信システムの照明器具の変形例を示すブロック図である。
図14】本発明の第1実施形態に係る無線通信システムのセンサの変形例を示すブロック図である。
図15】本発明の第1実施形態に係る無線通信システムの設定方法の変形例を示すシーケンスダイアグラムである。
図16】本発明の第2実施形態に係る無線通信システムを示すシステム構成図である。
図17】本発明の第2実施形態に係る無線通信システムの動作を示すシーケンスダイアグラムである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の好ましい実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。
【0015】
<第1実施形態>
図1図12は、本発明の第1実施形態に係る無線通信システムの設定方法、無線通信システムおよびセンサを示している。図1および図9に示すように、本実施形態の無線通信システムA1は、複数の照明器具L、複数のセンサDおよび制御装置Ctを備える無線通信ネットワークCn1と、複数の照明器具Lおよび複数のセンサDに無線通信ネットワークCn1で使用する識別アドレスを設定する設定装置Sdと、によって構成されている。無線通信システムA1は、複数の中継ユニットとしての複数の照明器具Lおよび複数のセンサDを介した無線通信を実現するシステムである。
【0016】
〔中継ユニット〕
中継ユニットは、無線通信を中継することにより、無線通信システムA1における無線通信を実現するためのユニットである。中継ユニットの具体的構成は何ら限定されず、無線通信の中継機能を備えていればよく、専用の無線中継ユニット、無線通信機能を具備する照明器具、センサ等の各種機器が挙げられる。
【0017】
〔照明器具L〕
照明器具Lは、本発明における中継ユニットの一具体例である。複数の照明器具Lは、たとえば屋内の照明に用いられ、天井、壁面、床面等の種々の箇所に設置される。また、照明器具Lは、屋外の照明に用いられる構成であってもよい。照明器具Lの具体的な形態は何ら限定されず、直管形照明や高天井照明、シーリングライト、ダウンライト、ベースライト、スポットライト等の種々の形態を適宜採用可能である。以降の説明においては、照明器具Lの一般的な構成を述べる場合に照明器具Lと称するとともに、複数の照明器具Lを区別する場合に照明器具L1、・・・照明器具Ln等の符号を適宜用いる場合がある。図1および図2における複数の照明器具L1~Lnは、それぞれの構成が同一であってもよいし、互いの一部が共通していてもよいし、互いに異なる構成、異なる形態であってもよい。以降の説明においては、特段の記載がない限り、複数の照明器具L1~Lnが同一の構成である場合を例に説明する。
【0018】
図3は、照明器具Lのブロック図である。照明器具Lは、光源部11、制御基板10、制御モジュール120、記憶部13、通信モジュール140および電源部15を備える。
【0019】
光源部11は、照明器具L1において発光機能を果たす部位であり、周囲を照らす照明用途を満足する光量を有する。光源部11の具体的構成は何ら限定されず、たとえば、基板と当該基板に列をなして搭載された複数のLEDとからなる。また、照明器具L1は、光源部11からの光を透過させる透明または半透明のカバー(図示略)を適宜有する。なお、中継ユニットとして、専用の無線中継ユニットが用いられた場合、光源部11は、周囲を照らす照明機能を発揮可能な光量を有するものではなく、たとえば動作状況を報知するインジケータとして機能する。
【0020】
制御基板10は、制御モジュール120、記憶部13および通信モジュール140が実装された基板である。制御基板10は、たとえば絶縁性材料からなる基材と、当該基材に形成された配線パターン(いずれも図示略)を有する。制御モジュール120、記憶部13および通信モジュール140は、たとえばはんだ等によって配線パターンに導通接合されており、配線パターンを介して相互に適宜導通している。
【0021】
制御モジュール120は、制御部12を有するモジュールであり、制御基板10に実装されている。制御モジュール120は、制御部12に加えて、記憶部や入出力部(いずれも図示略)を適宜有していてもよい。制御部12は、制御装置Ctからの点灯制御信号等に基づいて、照明器具Lの各部を制御するためのものである。制御部12の具体的構成は特に限定されず、たとえばCPUからなる。
【0022】
記憶部13は、制御モジュール120(制御部12)の制御に必要な情報を記憶するためのものであり、たとえば半導体メモリからなる。なお、記憶部13は、制御基板10に実装されるものに限定されず、照明器具Lの筐体に対して着脱可能に設けられるドングルに内蔵されてもよい。
【0023】
通信モジュール140は、無線通信部14を有するモジュールであり、制御基板10に実装されている。無線通信部14は、制御装置Ct、他の中継ユニット(照明器具L、センサD)および設定装置Sdと無線通信を行うための通信部であり、無線信号を送信および受信する。無線通信部14は、たとえば、UART(Universal Asynchronous Receiver Transmitter)通信によって制御部12と接続されているが、これに限定されない。
【0024】
無線通信部14の機能を例示すると、後述する設定装置Sdからの識別信号や制御装置Ctからの制御信号等を受信し、受信したデータに含まれる信号を制御部12に送信する。また、各種信号や受信したことを示すアクノリッジ信号を設定装置Sdおよび制御装置Ct等に送信する。また、照明器具Lの動作状況を示すステータス信号を制御装置Ctに送信してもよい。
【0025】
本実施形態においては、複数の照明器具Lの各々が有する固有情報が、無線通信部14に記憶されている。固有情報の具体例は特に限定されず、たとえばMAC(Media Access Control)アドレスや位置情報である。なお、固有情報は、無線通信部14の構成要素に記憶されていてもよいし、たとえば記憶部13に記憶されていてもよい。無線通信部14は、受信した信号のうち、自装置の固有情報に対する信号であると認識した場合、またはいわゆるブロードキャスト通信として全ユニットを対象に送信された場合に、当該信号を制御部12に伝達する。
【0026】
無線通信部14は、設定装置Sd、制御装置Ctおよび他の中継ユニット(照明器具L、センサD)と所定のプロトコルを用いた無線通信を行う。所定のプロトコルを用いた無線通信の通信周波数は何ら限定されず、たとえ920MHz帯、2.4GHz帯、5GHz帯等が例示される。また、所定のプロトコルの具体例は特に限定されず、たとえば、BLE(Bluetooth Low Energy)を含むBluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)などが例示される。所定のプロトコルに従った無線通信を行うために、無線通信部14には識別アドレスが設定される。
【0027】
電源部15は、光源部11、制御部12(制御モジュール120)および無線通信部14(通信モジュール140)等の動作に必要な電力を供給するためのものである。電源部15は、たとえば商用の交流100Vまたは200V電力を直流電力に変換するAC/DCコンバータとしての機能や、変圧機能等を有する。
【0028】
〔センサD〕
センサDは、本発明における中継ユニットの他の具体例である。センサDは、様々な諸量を検出するものであり、たとえば、温度センサ、湿度センサ、人感センサ、二酸化炭素濃度センサ等として機能するものである。複数のセンサDの設置箇所は何ら限定されず、天井、壁面、床面等の種々の箇所や、屋内および屋外に設置された各種機器に取り付けられ、あるいは内蔵される。以降の説明においては、センサDの一般的な構成を述べる場合にセンサDと称するとともに、複数のセンサDを区別する場合にセンサD1、・・・センサDn等の符号を適宜用いる場合がある。図1および図2における複数のセンサD1~Dnは、それぞれの構成が同一であってもよいし、互いの一部が共通していてもよいし、互いに異なる構成、異なる形態であってもよい。以降の説明においては、特段の記載がない限り、複数のセンサD1~Dnが同一の構成である場合を例に説明する。また、本実施形態においては、センサDが温度センサとして機能する場合を例に説明する。
【0029】
図4は、センサDのブロック図である。センサDは、測温抵抗部31、制御基板30、制御モジュール320、記憶部33、通信モジュール340、電源部35、スイッチ部36、第1配線37および第2配線38を備える。なお、制御基板30、制御モジュール320(制御部32)、記憶部33および通信モジュール340(無線通信部34)は、照明器具Lの制御基板10、制御モジュール120(制御部12)、記憶部13および通信モジュール140(無線通信部14)と、それぞれの基本的な構成が共通するため、適宜説明を省略する。
【0030】
測温抵抗部31は、センサDの測温機能を発揮するための部位である。測温抵抗部31は、たとえば金属または金属酸化物からなる抵抗体を有する。当該抵抗体は、周囲の温度に応じて、抵抗値が変化する。すなわち、測温抵抗部31の抵抗値に基づいて、センサDが配置された環境の温度を測定することができる。本実施形態の測温抵抗部31は、センサDのその他の構成要素が収容された筐体(図示略)からケーブルを介して当該筐体の外部に設けられている。
【0031】
制御部32は、測温抵抗部31を用いた測温情報を含む測定信号を生成し、無線通信部34(通信モジュール340)から送信させる処理を行う。また、後述の制御装置Ctからの制御信号に含まれる動作条件に基づいて、測温抵抗部31を用いた測温処理の条件を適宜設定する。センサDにおける動作条件としては、たとえば測温抵抗部31を用いた測温情報を含む測定信号を送信する周期や、後述のスイッチ部36のモード設定等が挙げられる。
【0032】
スイッチ部36は、測温抵抗部31と制御モジュール320との間に電気的に介在しており、測温抵抗部31と制御モジュール320との接続状態を切り替えるものである。スイッチ部36は、第1接点361、第2接点362および第3接点363を有する。第3接点363には、測温抵抗部31が接続されている。スイッチ部36は、第1接点361と第3接点363とを導通させる第1モードと、第2接点362と第3接点363とを導通させる第2モードと、を有しており、第1モードと第2モードとを選択的に設定可能である。第1モードと第2モードとの切り替えは、たとえば制御部32(制御モジュール320)からの指令によってなされる。なお、スイッチ部36の切り替え機構は、プッシュボタン等の機械的な機構であってもよいし、リレー等の電気的な機構であってもよい。スイッチ部36の切り替え機構がプッシュボタンなどの機械的な機構の構成の場合は、物理的にモードを切り替えることが想定できる。
【0033】
第1配線37は、スイッチ部36の第1接点361と制御モジュール320(制御部32)とに接続されている。第1配線37は、第1抵抗371を含む。第2配線38は、スイッチ部36の第2接点362と制御モジュール320(制御部32)とに接続されている。第2配線38は、第2抵抗381を含む。第2抵抗381の抵抗値は、第1抵抗371の抵抗値よりも小さい。すなわち、第1抵抗371の抵抗値は、第2抵抗381の抵抗値よりも大きい。
【0034】
図2および図7に示すように、本実施形態においては、センサDは、店舗等の屋内に設置されたショーケースScに取り付けられている。
【0035】
ショーケースScは、店頭等において食品等の商品を陳列するものである。ショーケースScは、商品を保温する機能を有するものが一般的であり、冷蔵用途や冷凍用途等がある。図示された例においては、ショーケースScは、筐体80、天部81、複数の棚部82、電源部83、ケーブル84および照明灯85を有している。
【0036】
筐体80は、ショーケースScの本体部分である。筐体80は、たとえば天部81や複数の棚部82を支持するための構造部材を有する。また、筐体80は、商品を冷蔵するための冷蔵装置(図示略)を含んでいてもよい。
【0037】
天部81は、ショーケースScの最上位に設けられており、複数の棚部82を上方から覆っている。天部81の先端の下面には、照明灯85が取り付けられている。
【0038】
複数の棚部82は、商品を陳列するための部位であり、上下方向に配列されている。各棚部82の下面には、照明灯85がそれぞれ取り付けられている。
【0039】
電源部83は、センサDを動作させるための電力を供給するものである。たとえば、電源部83は、商用の交流100V電力を、センサDの点灯に適した直流24V電力に変換する。図示された例においては、電源部83は、天部81の上方に設けられているが、これは一例であり、電源部83の構成や設置位置は特に限定されない。
【0040】
センサDは、たとえば天部81の上面に配置されている。また、測温抵抗部31は、センサDの本体から延びるケーブルを介して、たとえば天部81の下方に配置されている。測温抵抗部31は、ショーケースScの冷蔵または冷凍の対象となる空間である、商品の陳列空間の温度を測定可能な位置に配置される。
【0041】
本実施形態においては、後述の設定方法が完了すると、図9に示すように、複数の照明器具Lおよび複数のセンサDと制御装置Ctとによって、メッシュネットワークである無線通信ネットワークCn1が構築される。所定のプロトコルは、たとえば複数の照明器具Lおよび複数のセンサD間で各種データの転送に用いられるため、それらのデータ転送に必要となる転送速度や、信頼性を確保した上で、メッシュネットワークを構築できるプロトコルが選択される。無線通信ネットワークCn1が構築された後は、たとえば制御装置Ctからの制御信号が無線通信ネットワークCn1を介して各照明器具Lおよび各センサDに送信される。また、制御装置Ctが、商用通信回線を利用して、無線通信ネットワークCn1外のクラウド等の外部記憶装置にデータを転送してもよい。この場合、無線通信ネットワークCn1およびこれを構成する制御装置Ctおよび複数の中継ユニットは、データのノイズ除去およびデータの生成等の処理を行うエッジコンピュータとして機能しうる。
【0042】
〔設定装置Sd〕
設定装置Sdは、無線通信システムA1における複数の中継ユニットの識別アドレスおよび動作条件の設定を行うための装置である。設定装置Sdの具体的構成は何ら限定されない。設定装置Sdの具体的構成は、何ら限定されず、たとえば、デスクトップPC、ノートPC、タブレット端末等が挙げられる。
【0043】
図5に示すように、本実施形態の設定装置Sdは、表示部51、制御部52、記憶部53、無線通信部54、電源部55および操作部58を備える。
【0044】
表示部51は、設定装置Sdの操作等に必要な情報や画像を表示するためのものである。表示部51は、たとえば液晶ディスプレイや有機ELディスプレイである。
【0045】
無線通信部54は、複数の中継ユニットおよび制御装置Ctと無線通信する機能を果たす。無線通信部54は、たとえば後述の識別信号を複数の中継ユニットに送信し、また後述の設定信号を制御装置Ctに送信する。無線通信部54は、所定のプロトコルを用いた無線通信を行うためのものである。所定のプロトコルを用いた無線通信の通信周波数は何ら限定されず、たとえ920MHz帯、2.4GHz帯、5GHz帯等が例示される。また、所定のプロトコルの具体例は特に限定されず、たとえば、BLE(Bluetooth Low Energy)を含むBluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)などが例示される。なお、無線通信部54が複数の中継ユニットおよび制御装置Ctと無線通信する際に用いるプロトコルは、無線通信システムA1が構築された後の無線通信ネットワークCn1で用いられるプロトコルと同じであることが好ましいが、異なるプロトコルであってもよい。
【0046】
制御部52は、設定装置Sdの各部を制御するためのものである。制御部52の具体的構成は特に限定されず、たとえばCPUからなる。記憶部53は、制御部52の制御に必要なプログラムや設定条件等の情報を記憶するためのものであり、たとえば半導体メモリ等からなる。
【0047】
電源部55は、表示部51、制御部52および無線通信部54等の動作に必要な電力を供給するためのものである。電源部55は、たとえば商用の交流100Vまたは200V電力を直流電力に変換するAC/DCコンバータとしての機能や、変圧機能等を有するもの、あるいは充電可能なバッテリーである。バッテリーの充電方式は、接触式の充電器を利用するものでも、非接触式の充電器を利用するものでもよい。
【0048】
操作部58は、設定装置Sdを操作するためのものである。操作部58は、たとえばキーボードおよびマウス等である。なお、表示部51がタッチパネルとして機能する場合、操作端末Teは、操作部58を備えていなくてもよい。
【0049】
設定装置Sdは、複数の中継ユニットの固有情報を保有しており、これらがたとえば記憶部53に記憶されている。設定装置Sdが保有する固有情報は、たとえば照明器具LおよびセンサDが保有するMACアドレスであってもよい。
【0050】
〔制御装置Ct〕
制御装置Ctは、複数の中継ユニットの動作制御を行うものである。制御装置Ctは、本実施形態の場合には、複数の照明器具Lの点灯制御や複数のセンサDの測定制御を行う。制御装置Ctは、複数の中継ユニットが設置されている部屋と同じ部屋に設置されていてもよいし、同じ建物の別の部屋や別のフロアに設置されていてもよいし、別の建物に設置されていてもよい。制御装置Ctと複数の中継ユニットとがある程度離れている場合、制御装置Ctと複数の中継ユニットとは、無線通信だけでなく、有線通信と無線通信とを利用して互いに通信する構成であってもよい。なお、無線通信システムA1は、少なくとも1つの制御装置Ctを備えていればよく、他の構成において複数の制御装置Ctを備えていてもよい。
【0051】
図6は、制御装置Ctのブロック図である。本実施形態においては、制御装置Ctは、表示部21、制御部22、記憶部23、無線通信部24および電源部25を備える。
【0052】
表示部21は、後述する無線通信システムA1の設定方法においては、必ずしも必要ではないが、制御装置Ctの初期設定やメンテナンス等に用いられる。表示部21は、たとえば液晶ディスプレイ等のモニタ類であり、さらにタッチパネル機能を有してもよい。また、表示部21がタッチパネルとして機能することに代えて、制御装置Ctは、たとえばキーボードやマウス等の操作デバイスを別途備えていてもよい。さらに、制御装置Ctは、前述のモニタを利用する表示部21に加えて、HDMI(登録商標)接続された外部のデジタルサイネージを備えてもよい。
【0053】
制御部22は、複数の中継ユニットの動作制御を行う主要な構成要素であり、制御装置Ctの各部を制御するためのものである。たとえば、制御部22は、対象とする中継ユニットへ制御信号を送信するように、無線通信部24に制御信号を伝達する。制御部22の具体的構成は特に限定されず、たとえばCPUからなる。記憶部23は、制御部22の制御に必要なプログラムや設定条件等の情報を記憶するためのものであり、たとえば半導体メモリやハードディスクドライブ等からなる。
【0054】
無線通信部24は、複数の中継ユニットの無線通信部14および設定装置Sdの無線通信部54と無線通信を行うためのものである。無線通信部24の周波数帯や準拠する無線通信の規格は、上述のプロトコルを用いた無線通信である。後述の設定方法が完了すると、制御装置Ctは、図9に示すように、複数の中継ユニットとともに無線通信ネットワークCn1を構成する。無線通信部24は、たとえば、制御部22から複数の中継ユニットへの制御信号を無線通信ネットワークCn1を介して送信する。なお、制御装置Ctは、無線通信部24に加えて、インターネットに接続する有線または無線の通信回路を有していてもよい。
【0055】
電源部25は、表示部21、制御部22および無線通信部24等に動作に必要な電力を供給するためのものである。電源部25は、たとえば商用の交流100Vまたは200V電力を直流電力に変換するAC/DCコンバータとしての機能や、変圧機能等を有する。
【0056】
制御装置Ctは、複数の中継ユニットの固有情報を保有しており、これらがたとえば記憶部23に記憶されている。制御装置Ctが保有する固有情報は、たとえば照明器具LおよびセンサDが保有するMACアドレスであってもよい。
【0057】
次に、無線通信システムA1の設定方法の一例について、以下に説明する。
【0058】
図1に示すように、本実施形態においては、複数の中継ユニットとしての複数の照明器具Lおよび複数のセンサDと制御装置Ctとが準備されており、設定装置Sdを用いて設定を行う。本例では、複数の照明器具L1~Lnと複数のセンサD1~Dnが準備されている。図2に示すように、複数の照明器具L1~Lnは、たとえば店舗の天井に所定の間隔で設けられている。複数のセンサD1~Dnは、店舗に設けられた複数のショーケースSc1~Scnに、個別に取り付けられている。
【0059】
〔第1ステップS1〕
図8に示すように、まず第1ステップS1を実行する。第1ステップS1では、設定装置Sdを用いて複数の中継ユニットの識別アドレスを決定する。本実施形態の第1ステップS1は、ステップS1-1~S1-3を含む。ステップS1-1では、複数の中継ユニットとしての複数の照明器具L1~Lnおよび複数のセンサD1~Dnが設置される場所である店舗等の情報を取得する。そして、たとえば設定装置Sdで実行する画像処理ソフトウエアなどを利用して、店舗の配置図を作成する。
【0060】
次いで、ステップS1-2では、設定装置Sd上に作成された配置図上に、複数の中継ユニットとしての複数の照明器具L1~Lnおよび複数のセンサD1~Dnのそれぞれを、アイコン等を用いて配置場所を決定する。たとえば、照明器具L1には、グループ番号「A」、グループ内アドレス「01」を割り当て、識別アドレスを「A-01」と決定する。これと同様に、複数の照明器具Lおよび複数のセンサDについて、グループ番号「A,B,C・・・」およびグループ内アドレス「01,02,03・・・」を適宜割り当て、各中継ユニットの識別アドレスを決定する。グループ番号およびグループ内アドレスの決定手法は、何ら限定されない。たとえば、配置図に基づいて、所定の半径内に位置するもの同士に同じグループ番号を割り当ててもよい。
【0061】
設定装置Sdは、複数の中継ユニット毎に、固有情報であるMACアドレスおよび識別アドレスを含む識別信号を生成し、各中継ユニット(照明器具LまたはセンサD)に向けて無線通信部54から送信する。
【0062】
次いで、ステップS1-3では、各中継ユニット(照明器具LまたはセンサD)において、通信モジュール140,340の無線通信部14,34が識別信号を受信し、制御モジュール120,320の制御部12,32に識別信号を転送する。識別信号を受けた制御モジュール120,320の制御部12,32は、識別アドレスを各々の記憶部13,33に記憶する。
【0063】
〔第2ステップS2〕
次に、第2ステップS2を実行する。第2ステップS2では、設定装置Sdを用いて各中継ユニットの動作条件を決定する。たとえば、設定装置Sdの表示部51に表示された配置図(たとえば、図2に示す配置図)に、各中継ユニットの識別アドレスを表示させる。次いで、各中継ユニットの配置状況等を考慮して、動作条件を決定する。たとえば、中継ユニットが照明器具Lである場合、動作条件は、光源部11の調光率、調色、所定のスケジュールに応じたON/OFF等を含む。中継ユニットがセンサDである場合、動作条件は、取り付けられたショーケースScの冷凍モード、冷蔵モード等の作業モードに対応するモードや、温度測定の周期等を含む。これらの動作条件を、複数の中継ユニット(複数の照明器具L1~Lnおよび複数のセンサD1~Dn)毎に決定する。
【0064】
〔第3ステップS3〕
次に、第3ステップS3を実行する。第3ステップS3では、無線通信ネットワークCn1を構築する。本実施形態の第3ステップS3は、ステップS3-1~S3-3を含む。ステップS3-1では、第1ステップS1(ステップS1-1~S1-3)で決定した複数の中継ユニットの識別アドレスと、第2ステップS2で決定した複数の中継ユニットの動作条件とを含む設定信号を、制御装置Ctに転送する。設定信号の転送は、Wi-Fi(登録商標)などの無線通信のほか、USBケーブルを用いた有線通信によって行ってもよい。設定信号のデータ形式としては、たとえばCSVデータ形式が挙げられる。
【0065】
次いで、ステップS3-2では、たとえば無線通信で設定信号が転送された場合、制御装置Ctの無線通信部54が、設定信号を受信する。制御部52は、設定信号に含まれる識別アドレスおよび動作条件を、複数の中継ユニット(複数の照明器具L1~Lnおよび複数のセンサD1~Dn)毎に記憶部53に記憶する。各中継ユニットの区別には、設定信号に含まれる複数の中継ユニットの固有情報(MACアドレス等)を用いる。
【0066】
次いで、ステップS3-3では、複数の中継ユニットの識別アドレスを用いて、制御装置Ctが図9に示す無線通信ネットワークCn1を構築する。無線通信ネットワークCn1は、たとえば所定のプロトコルによるメッシュネットワークである。これにより、制御装置Ctと複数の中継ユニット(複数の照明器具L1~Lnおよび複数のセンサD1~Dn)は、無線通信ネットワークCn1を介したブロードキャスト通信が可能となる。なお、無線通信ネットワークCn1における無線通信は、電波干渉による信号の欠落を抑えるために、複数の周波数による送信を行うことが好ましい。たとえば、2.40GHz、2.44GHz、2.48GHzの3種類の周波数でブロードキャスト通信を順次実行する。
【0067】
〔第4ステップS4〕
次に、第4ステップS4を実行する。第4ステップS4では、無線通信ネットワークCn1を介して、制御装置Ctから複数の中継ユニットに各々の動作条件を含む制御信号を送信する。本実施形態の第4ステップS4は、ステップS4-1,S4-2を含む。ステップS4-1では、制御装置Ctの制御部22が、複数の中継ユニットの識別アドレスおよび動作条件を含む制御信号を生成する。次いで、制御部22は、無線通信部24から無線通信ネットワークCn1を介して制御信号をブロードキャスト通信によって送信する。複数の中継ユニット(複数の照明器具L1~Lnおよび複数のセンサD1~Dn)は、通信モジュール140,340の無線通信部14,34によって制御信号を受信する。制御モジュール120,320の制御部12,32は、制御信号に含まれる識別アドレスと、自ユニットの識別アドレスとを比較照合する。制御信号に含まれる識別アドレスが自ユニットの識別アドレスとは異なる場合、各中継ユニットは、次の中継ユニットに制御信号を転送する。
【0068】
次いで、ステップS4-2では、制御信号に含まれる識別アドレスが自ユニットの識別アドレスと一致した場合に、制御モジュール120,320の制御部12,32が、制御信号に含まれる動作条件を記憶部13,33に記憶する。すでに、記憶部13,33に動作条件が記憶されている場合、制御モジュール120,320の制御部12,32は、記憶部13,33の動作条件を受信した制御信号に含まれる動作条件に書き換える。
【0069】
以上の第1ステップS1~第4ステップS4を実行することにより、図9に示す無線通信ネットワークCn1の構築と、複数の中継ユニット(複数の照明器具L1~Lnおよび複数のセンサD1~Dn)の設定が完了する。
【0070】
〔第5ステップS5,第6ステップS6〕
第1ステップS1~第4ステップS4が完了すると、無線通信ネットワークCn1を用いて、たとえば第5ステップS5および第6ステップS6を実行する。第5ステップS5は、複数のセンサD1~Dnが、各々の動作条件に基づいて、ショーケースSc1~Scnの各々について測温する。そして、制御モジュール320の制御部32は、測温情報を含む測定信号を生成し、通信モジュール340の無線通信部34から、無線通信ネットワークCn1を介して測定信号を制御装置Ctに送信する。また、複数の照明器具L1~Lnは、制御信号に含まれる動作条件に基づいて、制御部12が光源部11の点灯制御を行う。点灯制御としては、調光率、調色、所定のスケジュールに応じたON/OFF等である。
【0071】
複数のセンサD1~Dnにおける第5ステップS5の一例について説明する。複数のセンサD1~Dnが受信した制御信号の動作条件は、第1モードおよび第2モードに関する情報を含んでいる。第1モードは、図4に示すセンサDのスイッチ部36が、第1接点361と第3接点363とを導通させるモードである。第2モードは、スイッチ部36が、第2接点362と第3接点363とを導通させるモードである。
【0072】
本例においては、センサDが取り付けられたショーケースScが冷凍運転状態である場合に、第1モードとして、たとえば-30℃~0℃の温度範囲を測定する冷凍モードが割り当てられている。また、ショーケースScが冷蔵運転状態である場合に、第2モードとして、たとえば0℃~30℃の温度範囲を測定する冷蔵モードが割り当てられている。
【0073】
制御モジュール320の制御部32は、通信モジュール340の無線通信部34が受信した制御信号の動作条件に基づいて、スイッチ部36を第1モードおよび第2モードのいずれかに切り替える制御を行う。第1モードおよび第2モードの切り替えは、制御信号に含まれる動作条件によっていずれかのモードを選択するように制御されてもよい。あるいは、上述のように第1モードおよび第2モードの温度範囲が、制御信号の動作条件によって設定され、測温抵抗部31を用いて計測された温度と第1モードおよび第2モードの温度範囲とを、制御モジュール320の制御部32が比較することにより、制御部32がスイッチ部36をいずれかのモードに切り替える制御であってもよい。
【0074】
動作条件として第1モードが指定されていると、制御モジュール320の制御部32は、スイッチ部36を第1モードに切り替える。これにより、制御モジュール320の制御部32は、第1配線37を介して測温抵抗部31と接続される。一方、動作条件として第2モードが指定されていると、制御モジュール320の制御部32は、スイッチ部36を第2モードに切り替える。これにより、制御モジュール320の制御部32は、第2配線38を介して測温抵抗部31と接続される。すなわち、ショーケースScが冷凍運転状態である場合に、測温抵抗部31と制御部32とは、比較的抵抗値が大きい第1抵抗371を介して接続され、ショーケースScが冷蔵運転状態である場合に、測温抵抗部31と制御部32とは、比較的抵抗値が小さい第2抵抗381を介して接続される。
【0075】
なお、スイッチ部36の第1モードおよび第2モードを、ショーケースScの運転状態、すなわちショーケースScの設定温度に応じて切り替える場合、それぞれのモードに設定される温度範囲は、任意に設定可能であり、たとえば制御装置Ctの記憶部23に記憶される。また、第1モードおよび第2モードの切り替えを、ショーケースScの運転状態に応じて切り替える態様は、スイッチ部36の切り替え態様の一例であり、これに限定されない。
【0076】
第6ステップS6では、各中継ユニットからの測定信号を制御装置Ctの無線通信部24が受信する。制御部22は、受信した測定信号に含まれる測温情報を、記憶部23に記憶する処理や、表示部21に表示する処理等を行う。第6ステップS6のより詳細な例については、後述する。
【0077】
次に、無線通信システムA1の設定方法および無線通信システムA1の作用について説明する。
【0078】
本実施形態によれば、図8を参照して説明したように、複数の中継ユニットの識別アドレスの設定と動作条件の決定とを、設定装置Sdを用いて行う。このため、識別アドレスの設定と、動作条件の設定とを、互いに異なる別の設定装置を用いる必要がない。したがって、識別アドレスおよび動作条件を同一の設定装置を用いて設定することができる。
【0079】
図3および図4に示すように、中継ユニットとしての照明器具LおよびセンサDは、制御部12,32を有する制御モジュール120,320と無線通信部14,34を有する通信モジュール140,340とを別々に備えている。これにより、無線通信による信号の送受と、識別アドレスおよび動作条件の設定とを、より容易かつスムーズに行うことができる。
【0080】
複数の中継ユニットとしての複数の照明器具Lおよび複数のセンサDは、いずれもが無線通信ネットワークCn1に属している。これにより、無線通信ネットワークCn1を介していずれかの識別アドレスを含む信号をブロードキャスト送信することにより、任意の中継ユニットに当該信号を受信させ、当該信号に含まれる情報に応じた処理を実行させることができる。このように、無線通信ネットワークCn1には、照明器具LやセンサDといった互いに異なる複数種類の機器を、混在させることが可能である。
【0081】
図4に示すように、センサDのスイッチ部36は、第1モードおよび第2モードを有する。上述の例においては、ショーケースScが冷凍運転状態である場合に、測温抵抗部31と制御部32とは、比較的抵抗値が大きい第1抵抗371を介して接続され、ショーケースScが冷蔵運転状態である場合に、測温抵抗部31と制御部32とは、抵抗値が小さい第2抵抗381を介して接続される。これにより、冷蔵運転よりも庫内温度が低い温度に設定される冷凍運転の測定を測温抵抗部31が行う場合に、より抵抗が大きい第1抵抗371が接続される。したがって、測温抵抗部31と制御部32との接続経路の抵抗負荷を増大させ、電力消費量を抑制しつつ、温度測定を適切に行うことができる。
【0082】
図10図12は、第5ステップS5および第6ステップS6を含む計測処理の具体例を示している。なお、以降の図において、上記実施形態と同一または類似の要素には、上記実施形態と同一の符号を付しており、その説明を適宜省略する。
【0083】
図10は、センサD(たとえばセンサD1)が取り付けられたショーケースSc(たとえばショーケースSc1)の庫内における測定温度の履歴を示しており、横軸が時間t、縦軸が測定温度Tである。本例のショーケースScは、通常運転と霜取り運転との複数の運転モードを有する。また、ショーケースScは、庫内温度について、下限の注意温度Ta1、上限の注意温度Ta2、下限の警告温度Tw1、上限の警告温度Tw2、および霜取りの警告温度Tw3を有する。それぞれの設定温度の一例を上げると、下限の注意温度Ta1が-1℃、上限の注意温度Ta2が5℃、下限の警告温度Tw1が-4℃、上限の警告温度Tw2が8℃、および霜取りの警告温度Tw3が15℃に設定される。
【0084】
通常運転は、冷蔵運転または冷凍運転等である。通常運転が鮮魚等の生鮮食料品を冷蔵する冷蔵運転である場合、ショーケースScの庫内温度は、下限の注意温度Ta1と上限の注意温度Ta2との間に維持される。霜取り運転は、通常運転を継続した際に、庫内に意図せず付着した霜を除去する運転である。霜取り運転の場合、庫内温度は、上限の注意温度Ta2より高く、たとえば上限の警告温度Tw2付近に設定される。ただし、霜取り運転であっても、庫内温度は、霜取りの警告温度Tw3よりも低い温度に設定される。
【0085】
上述のステップS4-1で各センサDに送信される制御信号には、スイッチ部36の第1モードおよび第2モードに関する情報と、センサDが測温する周期とが含まれている。本例においては、第1モードとして、図10の下限の注意温度Ta1から上限の注意温度Ta2までの第1温度範囲Tr1を割り当て、第2モードとして、上限の注意温度Ta2から霜取りの警告温度Tw3までの第2温度範囲Tr2を割り当ててもよいし、他の異なる範囲に設定されていてもよい。また、センサDが測温する周期としては、第1周期Pr1と第2周期Pr2とが用意されている。第1周期Pr1は、通常運転で用いられる周期である。第2周期Pr2は、霜取り運転のある条件下で用いられる周期であり、第1周期Pr1よりも短く、たとえば第1周期Pr1の10分の1程度である。
【0086】
図10の時刻t1以前では、ショーケースScが通常運転を行っている。この期間は、図11および図12に示すように、第5ステップS5が実行され、センサDから測定信号が制御装置Ctに送信される。
【0087】
次に、本例の第6ステップS6について説明する。本例の第6ステップS6は、ステップS6-1~S6-4を含む。ステップS6-1では、制御装置Ctの制御部22が、あるセンサDの測定温度が、第1温度範囲Tr1であるかを判断する。測定温度が第1温度範囲Tr1内である場合(ステップS6-1:Yes)、制御部22は、当該センサDが取り付けられたショーケースScは、正常であると判断し、測定を継続させる(ステップS6-2)。時刻t1以前においては、ステップS6-1とステップS6-2とが繰り返される。
【0088】
測定温度が、第1温度範囲Tr1外である場合(ステップS6-1:No)、制御装置Ctの制御部22は、測定温度が第2温度範囲Tr2であるかを判断する(ステップS6-3)。測定温度が第2温度範囲Tr2外である場合(ステップS6-3:No)、対象のショーケースScが故障と判断し、アラート表示する(ステップS7-3)。測定温度が第2温度範囲Tr2内である場合(ステップS6-3:Yes)、制御装置Ctの制御部22は、当該センサDの測定周期を第1周期Pr1から第2周期Pr2に変更するように制御信号を送信する(ステップS6-4)。図10に示す例においては、時刻t1に対象のショーケースScが通常運転から霜取り運転に移行している。このため、庫内温度が上昇し、時刻t11には、上限の注意温度Ta2を超え、第1温度範囲Tr1外となり、第2温度範囲Tr2内となっている。このため、時刻t12における測定温度を対象とした判断では、ステップS6-1:No、ステップS6-3:Yesと判断され、ステップS6-4が実行される。これにより、時刻T12以降は、当該センサDの測定周期が第2周期Pr2に設定され、より頻繁に測定信号の送信が行われる(ステップS7-1)。
【0089】
ステップS7-1に続いて、ステップS7-2を実行する。ステップS7-2では、センサD1の測定対象であるショーケースSc1が、霜取り運転であるかを判断する。ショーケースSc1が霜取り運転を行っている場合、庫内温度は、上限の警告温度Tw2付近に設定され、霜取りの警告温度Tw3よりも低い温度に設定される。このため、時刻t12において上限の警告温度Tw2未満であったセンサD1の測定温度が、測定を継続した結果(ステップS7-1を継続した結果)、上限の警告温度Tw2を超える。このまま、測定温度の上昇が継続し、たとえば霜取りの警告温度Tw3を超えると、図10の故障例Ft1の履歴であると判断し、アラート表示する(ステップS7-3)。あるいは、所定の時間(測定回数)の間、測定温度の上昇が継続した場合や、霜取りの警告温度Tw3に到達しないものの上限の警告温度Tw2を超えた状態が継続した場合、図10の故障例Ft1の履歴であると判断し(ステップS7-2:No)、アラート表示する(ステップS7-3)。
【0090】
一方、ステップS7-1の継続によって得られた測定温度が、所定の測定回数を超える前に、上限の警告温度Tw2を下回り、さらに上限の警告温度Tw2を再び超えた場合には、制御部22は、庫内温度が上限の警告温度Tw2付近に維持されており、ショーケースSc1が霜取り運転であると判断する(ステップS7-2:Yes)。そして、図10においては、時刻t15に、ショーケースSc1が霜取り運転であるとの判断から、制御装置Ctの制御部22は、センサD1の測定周期を第2周期Pr2から第1周期Pr1に復帰させる制御信号を送信する(ステップS7-4)。これにより、時刻t15以降は、センサD1が、第1周期Pr1で測定を継続する。この後は、たとえば、図10の時刻t2において、ショーケースSc1が霜取り運転を終了し、通常運転(冷蔵運転)に復帰する。これにより、庫内温度は、時刻t21において上限の注意温度Ta2となり、これ以降は、第1温度範囲Tr1内となる。そして、センサD1は、時刻t1以前と同様に、第1周期Pr1での測定を継続する。
【0091】
本例によっても、識別アドレスおよび動作条件を同一の設定装置を用いて設定することができる。また、本例によれば、たとえば、図10に示す温度履歴が、すでに店舗等に設置され使用されているショーケースScの温度履歴であって、霜取り運転のタイミングが、無線通信システムA1(制御装置Ct等)にとって不明な場合であっても、図11および図12に示す測定温度を用いた判断処理により、通常運転、霜取り運転、および故障のいずれであるかを適切に判断することができる。
【0092】
また、複数のセンサDによる測定温度に基づいて、複数のショーケースScの所定期間における庫内温度グラフが得られる。これにより、たとえば、店舗に併設された事務所内のユーザが、庫内温度の管理を、より的確かつ網羅的に行うことができる。また、故障例Ft1,Ft2のような事例が生じた場合には、アラート表示によってより速やかに故障を把握することができる。なお、制御装置Ctは、アラード表示に加えて、またはアラート表示に代えて、ユーザの携帯端末にアラート情報を送信する構成であってもよい。
【0093】
図13図15は、照明器具LおよびセンサDの構成の変形例を示している。本変形例の照明器具LおよびセンサDは、制御基板10に通信モジュール140,340および記憶部13,33が実装されており、上述の制御モジュール120,320を備えていない。通信モジュール140,340には、制御部12,32と無線通信部14,34とが内蔵されている。
【0094】
本変形例の場合、図15に示す制御は、たとえばステップS1-3において、無線通信部14,34が受信した識別信号の識別アドレスを、同じ通信モジュール140、340に内蔵された制御部12,32が記憶部13,33に記憶させる。また、ステップS4-2において、無線通信部14,34が受信した制御信号に自ユニットの識別アドレスが含まれる場合、同じ通信モジュール140,340に内蔵された制御部12,32が動作信号を記憶部13,33に記憶させる。
【0095】
本変形例によっても、識別アドレスおよび動作条件を同一の設定装置を用いて設定することができる。また、本変形例によれば、通信モジュール140,340が、制御部12
,32と無線通信部14,34とを内蔵するため、識別アドレスの設定と動作条件の設定とに用いるモジュール構成をより簡素化することができる。
【0096】
図16および図17は、本発明の第2実施形態に係る無線通信システムを示している。本実施形態の無線通信システムA2は、計時ユニットTkを備えている。また、無線通信システムA2は、外部記憶装置Esを備えている。
【0097】
計時ユニットTkは、制御装置Ctおよび複数の中継ユニットとともに、無線通信ネットワークCn1を構成している。計時ユニットTkは、たとえばFM電波を受信することにより、標準時等の正確な時刻情報を保有している。計時ユニットTkは、時刻情報を含む時刻信号を無線通信ネットワークCn1を介して送信する。
【0098】
外部記憶装置Esは、無線通信ネットワークCn1の外部に設置されており、たとえばサーバ、商用クラウド等である。外部記憶装置Esと制御装置Ctとの通信は、たとえば商用インターネット回線や専用回線等が利用される。外部記憶装置Esは、無線通信システムA2を構成する複数の照明器具Lや複数のセンサDが設置された店舗等の特定空間から離れた場所において、外部使用者が随時アクセス可能とされている。制御装置Ctは、たとえば収集した測定データを外部記憶装置Esに保存してもよい。外部使用者は、外部記憶装置Esに保存された滞在人数等の情報をそのまま、または任意に加工して、種々に利用可能である。たとえば、外部使用者は、これらのデータをデジタルサイネージなどの電光掲示板、大型スクリーン(いずれも図示略)、移動端末に表示してもよい。
【0099】
図17は、無線通信システムA2の動作例を示している。ステップS11では、計時ユニットTkが、無線通信ネットワークCn1を介して複数の中継ユニット(複数の照明器具L1~Lnおよび複数のセンサD1~Dn)に時刻信号を送信する。各中継ユニットでは、時刻信号に含まれる時刻情報に基づいて、自ユニットの時刻合わせ処理を行う。この時刻合わせ処理は、すべての中継ユニットで実行してもよいし、一部の中継ユニットで実行してもよい。以降の説明においては、複数の照明器具Lにおいて時刻合わせ処理が実行され、複数のセンサDでは実行されない場合を例に説明する。
【0100】
次いで、センサD1が、たとえば第1周期Pr1で測定した測定データM1(たとえば、測定温度5℃)を含む測定信号Sm1を送信する(ステップS12-1)。測定信号Sm1を受信した照明器具Lnは、測定信号Sm1にタイムスタンプ(たとえば8:00)を付与し、無線通信ネットワークCn1を介して測定信号Sm1を転送する(ステップS13)。測定信号Sm1を受信した照明器具L1は、無線通信ネットワークCn1を介して測定信号Sm1を制御装置Ctに転送する(ステップS14-1)。
【0101】
照明器具L1から測定信号Sm1を受信した制御装置Ctは、照明器具L1以外の中継ユニットから送信される送信データのデータ量を確認し、測定データの格納処理を行うかを判断する(ステップS15-1)。当該データ量が所定量を超えている場合、照明器具L1からの測定信号Sm1のデータ受信を禁止する(ステップS15-2)。ステップS15-2を受けて、照明器具L1では、一定の時間間隔(たとえば20sec毎)で測定信号Sm1の転送を繰り返す(ステップS15-3)。
【0102】
また、センサDnは、たとえば第2周期Pr2で測定した測定データMn(たとえば測定温度4℃)を含む測定信号Smnを送信する(ステップS12-2)。測定信号Sm1を受信した照明器具Lnは、測定信号Smnにタイムスタンプ(たとえば8:20)を付与し、無線通信ネットワークCn1を介して測定信号Smnを転送する(ステップS16)。測定信号Smnを受信した照明器具L1は、無線通信ネットワークCn1を介して測定信号Smnを制御装置Ctに転送する(ステップS14-2)。
【0103】
照明器具L1から測定信号Sm1を受信した制御装置Ctは、照明器具L1以外の中継ユニットから送信される送信データのデータ量を確認し、測定データの格納処理を行うかを判断する(ステップS15-3)。当該データ量が所定量を超えていない場合、照明器具L1からの測定信号Sm1(測定時刻8:00、測定温度5℃)と測定信号Smn(測定時刻8:20、測定温度4℃)とを受信する(ステップS15-4)。
【0104】
本実施形態によっても、識別アドレスおよび動作条件を同一の設定装置を用いて設定することができる。また、複数のセンサDの個数が多数である場合には、大量のデータ送受が発生する。これらのデータ送受は、非同期で転送されるため、データ量の増大に伴って、通信トラフィックが逼迫し、データ欠損やノイズ発生が懸念される。本実施形態によれば、データ送受のピーク時のデータ量を低減することが可能であり、データ量の平準化を図ることが可能である。これにより、データ欠損やノイズ発生を抑制することができる。また、測定信号に、タイムスタンプが含まれていることにより、制御装置Ctでのデータ受信を意図的に禁止し、制御装置Ctによる測定信号の受信を遅らせたとしても、測定信号に含まれる測定データが、いずれの時刻に測定されたデータであるかを的確に把握することができる。
【0105】
本発明に係る無線通信システムの設定方法、無線通信システムおよびセンサは、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係る無線通信システムの設定方法、無線通信システムおよびセンサの具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
【符号の説明】
【0106】
A1,A2 :無線通信システム
10 :制御基板
11 :光源部
12 :制御部
13 :記憶部
14 :無線通信部
15 :電源部
21 :表示部
22 :制御部
23 :記憶部
24 :無線通信部
25 :電源部
30 :制御基板
31 :測温抵抗部
32 :制御部
33 :記憶部
34 :無線通信部
35 :電源部
36 :スイッチ部
37 :第1配線
38 :第2配線
51 :表示部
52 :制御部
53 :記憶部
54 :無線通信部
55 :電源部
58 :操作部
80 :筐体
81 :天部
82 :棚部
83 :電源部
84 :ケーブル
85 :照明灯
120 :制御モジュール
140 :通信モジュール
320 :制御モジュール
340 :通信モジュール
361 :第1接点
362 :第2接点
363 :第3接点
371 :第1抵抗
381 :第2抵抗
Cn1 :無線通信ネットワーク
Ct :制御装置
D :センサ
Es :外部記憶装置
L :照明器具
M1,Mn :測定データ
Pr1 :第1周期
Pr2 :第2周期
Sc:ショーケース
Sd :設定装置
Sm1,Smn:測定信号
T :測定温度
T12 :時刻
Ta1,Ta2:注意温度
Te :操作端末
Tk :計時ユニット
Tr1 :第1温度範囲
Tr2 :第2温度範囲
Tw1,Tw2,Tw3:警告温度
t :時間
t1,t11,t12,t15,t2,t21:時刻
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17