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特開2022-167112合成画像提示システム及びプログラム
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  • 特開-合成画像提示システム及びプログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022167112
(43)【公開日】2022-11-04
(54)【発明の名称】合成画像提示システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/06 20120101AFI20221027BHJP
【FI】
G06Q30/06 340
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021072671
(22)【出願日】2021-04-22
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-12-15
(71)【出願人】
【識別番号】520154438
【氏名又は名称】末次 功憲
(74)【代理人】
【識別番号】100178179
【弁理士】
【氏名又は名称】桐生 美津恵
(72)【発明者】
【氏名】末次 功憲
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB58
(57)【要約】
【課題】利用シーンに応じた商品購入を支援するための画像を合成して提示することができる合成画像提示システム及びプログラムを提供する。
【解決手段】合成画像提示システム1は、シーン記憶部113に記憶されている所定のシーン画像に対して所定の加工を施したシーン加工画像を生成するシーン加工画像生成部114と、ユーザの選択に応じて、商品画像と商品付随物画像とを合成して、商品が商品付随物で装飾された状態又は商品付随物に陳列された状態を表すメイン画像を生成するメイン画像生成部115と、メイン画像の背景として、シーン画像又はシーン加工画像が合成された合成画像を生成する画像合成部116と、画像合成部116により生成された合成画像をユーザに提示する合成画像提示部117と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品を表す商品画像を記憶する商品記憶手段と、
前記商品を装飾又は陳列するための商品付随物を表す商品付随物画像を記憶する商品付随物記憶手段と、
各種シーンを表すシーン画像を記憶するシーン記憶手段と、
前記シーン記憶手段に記憶されている所定のシーン画像に対して所定の加工を施したシーン加工画像を生成するシーン加工画像生成手段と、
ユーザの選択に応じて、前記商品画像と前記商品付随物画像とを合成して、前記商品が前記商品付随物で装飾された状態又は前記商品付随物に陳列された状態を表すメイン画像を生成するメイン画像生成手段と、
前記メイン画像の背景として、前記シーン画像又は前記シーン加工画像が合成された合成画像を生成する画像合成手段と、
前記画像合成手段により生成された合成画像をユーザに提示する合成画像提示手段と
を備えたことを特徴とする合成画像提示システム。
【請求項2】
前記シーン加工画像生成手段は、
ユーザにより指定された抽象化レベル及び領域に応じて、前記シーン画像の所定の領域を所定のレベルでぼかす抽象化処理を施すことにより、前記シーン加工画像を生成することを特徴とする請求項1に記載の合成画像提示システム。
【請求項3】
前記画像合成手段は、
前記ユーザの指定に応じて、前記メイン画像に所定の度合いでマッチするシーン画像を判定し、該判定されたシーン画像又は該シーン画像が前記シーン加工画像生成手段により加工されたシーン加工画像を前記メイン画像の背景として合成することを特徴とする請求項1又は2に記載の合成画像提示システム。
【請求項4】
前記合成画像提示手段により提示された、前記商品画像と、前記商品付随物画像と、前記シーン画像又は前記シーン加工画像と、の間の色彩に関する指標を評価する色彩評価手段と、
前記色彩評価手段による評価結果をユーザに提示する色彩評価提示手段と
をさらに備えたことを特徴とする
請求項1から3の何れか1項に記載の合成画像提示システム。
【請求項5】
コンピュータを、
商品を表す商品画像を記憶する商品記憶手段と、
前記商品を装飾又は陳列するための商品付随物を表す商品付随物画像を記憶する商品付随物記憶手段と、
各種シーンを表すシーン画像を記憶するシーン記憶手段と、
前記シーン記憶手段に記憶されている所定のシーン画像に対して所定の加工を施したシーン加工画像を生成するシーン加工画像生成手段と、
ユーザの選択に応じて、前記商品画像と前記商品付随物画像とを合成して、前記商品が前記商品付随物で装飾された状態又は前記商品付随物に陳列された状態を表すメイン画像を生成するメイン画像生成手段と、
前記メイン画像の背景として、前記シーン画像又は前記シーン加工画像が合成された合成画像を生成する画像合成手段と、
前記画像合成手段により生成された合成画像をユーザに提示する合成画像提示手段として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品画像に各種画像を合成して提示する合成画像提示システム及びプログラムに関し、より詳細には、商品画像に対してユーザが商品を購入する際に役立つ商品の付随物画像や背景となるシーン画像を合成して提示する合成画像提示システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザが実店舗やインターネット上のECサイトにおいて被服を購入する際に、当該被服を実際に試着せずに当該被服が自己の体形に合うかをチェックしたいというニーズがあった。さらには、ユーザが被服を試着した状態で様々なポーズをとっている様子を前後左右からチェックして、着こなしを確かめたいというニーズがあった。
【0003】
このようなニーズを満たすために、ユーザ端末や実店舗に設置されているディスプレイ等に、あたかもユーザが被服を着用したかのようなマネキンの3次元画像を表示する技術が存在する(例えば、特許文献1参照)。マネキンをユーザに見立てることで、ユーザは自己が被服を着用した状態を把握し、自分自身と被服とがどの程度マッチするかをチェックすることができ、被服の購入に役立てることができる。
【0004】
しかしながら、ユーザは、自分自身と被服とがどの程度マッチするかをチェックできたとしても、当該被服を着用したユーザがどのようなシーンにマッチするかをチェックすることができず、ユーザが当該被服を主に利用するシーンにマッチしない買い物をすることがあった。被服に限らず、家電等の各種商品を購入する際についても、利用シーンにマッチする商品を購入するために、ユーザは想像力を働かせる必要があった。このため、利用シーンの雰囲気だけでもチェックできるような画像を商品の背景に表示したいというニーズがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002-183542公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、利用シーンに応じた商品購入を支援するための画像を合成して提示することができる合成画像提示システム及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の合成画像提示システムは、
商品を表す商品画像を記憶する商品記憶手段と、
前記商品を装飾又は陳列するための商品付随物を表す商品付随物画像を記憶する商品付随物記憶手段と、
各種シーンを表すシーン画像を記憶するシーン記憶手段と、
前記シーン記憶手段に記憶されている所定のシーン画像に対して所定の加工を施したシーン加工画像を生成するシーン加工画像生成手段と、
ユーザの選択に応じて、前記商品画像と前記商品付随物画像とを合成して、前記商品が前記商品付随物で装飾された状態又は前記商品付随物に陳列された状態を表すメイン画像を生成するメイン画像生成手段と、
前記メイン画像の背景として、前記シーン画像又は前記シーン加工画像が合成された合成画像を生成する画像合成手段と、
前記画像合成手段により生成された合成画像をユーザに提示する合成画像提示手段と
を備えたことを特徴とする。
【0008】
この発明によれば、メイン画像の背景として、シーン画像又はシーン加工画像が合成された合成画像を生成してユーザに提示するため、ユーザは商品を利用するシーンをチェックすることができ、ユーザが利用シーンに応じた商品を購入するのを支援することができる。
【0009】
上記発明において、
前記シーン加工画像生成手段は、
ユーザにより指定された抽象化レベル及び領域に応じて、前記シーン画像の所定の領域を所定のレベルでぼかす抽象化処理を施すことにより、前記シーン加工画像を生成することを特徴とする。
【0010】
この発明によれば、ユーザのニーズやセキュリティ対策等に応じて、シーン画像の少なくとも一部の領域を所定のレベルでぼかすことができる。
【0011】
上記発明において、
前記画像合成手段は、
前記ユーザの指定に応じて、前記メイン画像に所定の度合いでマッチするシーン画像を判定し、該判定されたシーン画像又は該シーン画像が前記シーン加工画像生成手段により加工されたシーン加工画像を前記メイン画像の背景として合成することを特徴とする。
【0012】
この発明によれば、ユーザが所望する度合いでマッチするシーン画像又はシーン加工画像を、メイン画像の背景として合成することができ、ユーザは所望の合成画像をチェックすることができる。
【0013】
上記発明において、
前記合成画像提示手段により提示された、前記商品画像と、前記商品付随物画像と、前記シーン画像又は前記シーン加工画像と、の間の色彩に関する指標を評価する色彩評価手段と、
前記色彩評価手段による評価結果をユーザに提示する色彩評価提示手段と
をさらに備えたことを特徴とする。
【0014】
この発明によれば、ユーザは、評価結果を確認することにより、各画像が色彩的にマッチしているか否かをチェックすることができる。
【0015】
本発明のプログラムは、
コンピュータを、
商品を表す商品画像を記憶する商品記憶手段と、
前記商品を装飾又は陳列するための商品付随物を表す商品付随物画像を記憶する商品付随物記憶手段と、
各種シーンを表すシーン画像を記憶するシーン記憶手段と、
前記シーン記憶手段に記憶されている所定のシーン画像に対して所定の加工を施したシーン加工画像を生成するシーン加工画像生成手段と、
ユーザの選択に応じて、前記商品画像と前記商品付随物画像とを合成して、前記商品が前記商品付随物で装飾された状態又は前記商品付随物に陳列された状態を表すメイン画像を生成するメイン画像生成手段と、
前記メイン画像の背景として、前記シーン画像又は前記シーン加工画像が合成された合成画像を生成する画像合成手段と、
前記画像合成手段により生成された合成画像をユーザに提示する合成画像提示手段として機能させるためのプログラムである。
【0016】
本発明によれば、メイン画像の背景として、シーン画像又はシーン加工画像が合成された合成画像を生成してユーザに提示するため、ユーザは商品を利用するシーンをチェックすることができ、ユーザが利用シーンに応じた商品を購入するのを支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施形態に係る合成画像提示システムの全体構成図である。
図2】同実施形態に係る合成画像提示システムの制御ノードの機能構成図である。
図3】同実施形態に係る合成画像提示システムが行う処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る合成画像提示システム1の全体構成図である。同図に示すように、合成画像提示システム1は、ブロックチェーンネットワーク20を構成する複数のノード10を備えている。複数のノード10は、システム1全体を制御する制御ノード11と、ユーザが所持するユーザ端末13と、を含み、これらのノード10はブロックチェーンネットワーク20を介して相互に通信可能に構成されている。ユーザ端末13は、例えば、パーソナルコンピュータ、携帯情報端末等の通信端末である。
【0019】
制御ノード11は、通信機能を有するコンピュータであり、ハードウェアとして、CPUと、RAM、ROM、ハードディスク等の記憶装置と、ブロックチェーンネットワーク20を介した通信を制御する通信インターフェースと、キーボードやディスプレイ等の入出力インターフェースと、を備えている。制御ノード11の記憶装置には、各種データ、プログラム等のソフトウェアが記憶されている。例えば、制御ノード11の記憶装置に記憶されているデータとしては、商品画像、商品付随物画像、シーン画像、シーン画像をぼかす等の加工処理が施されたシーン加工画像、ユーザの使用履歴・行動履歴、これらのデータが体系的に登録されたマッチングサービス用のデータベース等が存在する。
【0020】
また、制御ノード11の記憶装置に記憶されているプログラムとしては、商品が商品付随物で装飾された状態又は商品が商品付随物に陳列された状態を表すメイン画像を生成するためのプログラム、シーン画像を加工してシーン加工画像を生成するためのプログラム、メイン画像の背景としてシーン画像又はシーン加工画像が合成された合成画像を生成するためのプログラム等が存在する。制御ノード11のCPUが記憶装置に記憶されているソフトウェアに従って処理を実行することにより、図2に示す機能構成が制御ノード11に実現される。
【0021】
商品記憶部111は、制御ノード11の記憶装置に設けられたデータベースであり、商品を示す画像を記憶する。「商品」としては、被服を始めとして、家電、家具、乗用車等のあらゆる商品が含まれる。また、「被服」には、帽子、眼鏡、マスク、イヤホン、カバン、指輪、アクセサリー、靴、マフラー、スカーフ、手袋、ベルト、財布等、ユーザが着用する可能性があるもの全てが含まれる。
【0022】
商品付随物記憶部112は、制御ノード11の記憶装置に設けられたデータベースであり、商品を装飾又は陳列するための商品付随物を表す画像を記憶する。具体的には、「商品」が「被服」の場合には、「商品付随物」は被服を着用する「マネキン」や、被服を陳列する「ディスプレイ什器」であり、「商品」が「パーソナルコンピュータ」の場合には、「商品付随物」はパーソナルコンピュータを覆う「カバー」や、パーソナルコンピュータに貼り付ける「シール」等であり、「商品」が「自動車」の場合には、「商品付随物」が自動車を陳列する「ショールーム」や、自動車を収納する「車庫」等である。
【0023】
シーン記憶部113は、制御ノード11の記憶装置に設けられたデータベースであり、各種シーンを表すシーン画像を記憶する。ここで、シーン記憶部113には、シーン画像としてユーザーにより予め登録された情報、合成画像提示システム1の提供過程でユーザーにより任意に入力された情報、自動で読み取られた情報、他のサービス等で蓄積されたビックデータから取り込まれた情報等が記憶される。また、「シーン」には、環境、人、動物、植物、オブジェ、内装、外装、建物の内部及び外部、自然、野球場、サッカー場、山登り、海等に関連する、あらゆるシーンが含まれる。
【0024】
シーン加工画像生成部114は、ユーザの指定に応じて、或いは、予め定められたルールに従って、シーン記憶部113に記憶されているシーン画像に対して所定の加工を施したシーン加工画像を生成する。例えば、シーン加工画像生成部114は、ユーザにより指定された抽象化レベル及び指定された領域に応じて、指定されたシーン画像の指定された領域を所定のレベルでぼかす抽象化処理を施すことにより、シーン加工画像を生成する。ここで、「抽象化レベル」は、0、1、2、・・・、N(Nは整数)といったように、段階的にユーザが画面から指定できるようにするとよい。例えば、シーン画像として、東京の最新のIT会社のオフィスの画像を使用する場合には、当該画像にハッキリと色々なものが映っているとセキュリティ上問題があるため、若干抽象化して雰囲気だけがわかるようにために、抽象化レベルを3に指定することが考えられる。
【0025】
また、シーン画像全体に抽象化処理を施すのではなく、例えば、ハッキリ見せたくない領域のみを抽象化レベル2にする等、抽象化処理をする領域を部分選択することもできる。シーン画像がオフィスの画像であって、ロゴ、看板、オブジェ等にぼかしなど入れたい場合は、その部分だけを例えば抽象化レベルを4に指定することが考えられる。
【0026】
メイン画像生成部115は、ユーザの選択に応じて、商品を表す商品画像と、当該商品を装飾又は陳列する商品付随物を表す商品付随物画像と、を合成して、当該商品が当該商品付随物で装飾された状態又は当該商品が当該商品付随物に陳列された状態を表すメイン画像を生成する。
具体的には、「商品」が「被服」であり、「商品付随物」が「マネキン」の場合には、メイン画像として、マネキンが被服を着用した状態を表す画像を生成する。また、「商品」が「パーソナルコンピュータ」であり、「商品付随物」が「シール」の場合には、メイン画像として、パーソナルコンピュータにシールが貼り付けられた状態を表す画像を生成する。また、「商品」が「自動車」であり、「商品付随物」が「車庫」である場合には、メイン画像として、自動車が車庫に配置された状態を表す画像を生成する。
【0027】
画像合成部116は、メイン画像の背景として、シーン画像又はシーン加工画像が合成された合成画像を生成する。メイン画像に対して合成するシーン画像は、ユーザが直接選択できるようにしてもよいし、画像合成部116が予め設定されたAIやプログラムに従って、メイン画像に所定の度合いでマッチするシーン画像を判定し、当該判定されたシーン画像、又は、当該シーン画像がシーン加工画像生成部114により加工されたシーン加工画像を合成してもよい。
【0028】
ここで、シーン画像がメイン画像に対してマッチする上記「所定の度合い」(以下、「マッチング度」という)は、ユーザが事前に或いは合成画像提示システム1の利用過程において画面上で、0%から100%までの範囲で、指定することができる。
マッチ度指定の例として、商品が特定の場所で恒常的に使用される場合には、マッチ度を100%に指定することが考えられる。例えば、特定の工場で使用される作業着の場合は、マッチ度を100%に指定するのが好ましい。一方、普段着るカジュアル服については、当該服を着用したユーザは色々な場所を訪問することが想定されるので、どの環境やシーンでもある程度マッチするように、マッチ度を70%に設定するのが好ましい。
一方、イベントやお祭り等で、目立つために或いはギャップを楽しむために、敢えてマッチ度を0%や10%に指定する場合も考えられる。使用環境に全く似合わない、例えば変わったデザインのコーヒーカップを使用するために、マッチ度を0%に指定することも考えられる。
【0029】
なお、シーン記憶部113に記憶されているシーン画像そのものではなく、当該シーン画像の全体又は一部の領域をぼかす抽象化処理を施したシーン加工画像を合成したい場合には、ユーザはその旨を画面上で指定する。これにより、シーン加工画像生成部114は当該シーン画像に対して所定の加工を施したシーン加工画像を生成し、画像合成部116はメイン画像の背景として当該シーン加工画像を合成した合成画像を生成する。
【0030】
ここで、シーン記憶部113からユーザにより選択される、或いは、AI等のプログラムに従ってマッチ度等により選択されるシーン画像には、以下のようなものが存在する。
(1)被服・商品起因(被服コンセプト、組み合わせによる被服コンセプト)
あらかじめ商品メーカーや商品企画者からどのような目的やシーンに合うか等の開発コンセプトに関する情報が登録されており、状況に応じ随時当該情報は更新される。
(2)本人起因(過去、現在、未来)(行動、好み、目標等)
ユーザー本人の過去の行動パターン・履歴や現在の行動、今後どのような行動が予定されているか、今後どのような行動をしたいか希望も含め未来の行動として参照できる。時系列のデータだけでなく、恒常的な行動傾向や好み趣向も参照できる。照会時の目標なども参照できる。
(3)環境起因(居住、国、地域、季節、気温、湿度、風力、雨、あられ、雪、朝昼夜時間帯、自然光、照明等の光、動物、植物等)
ユーザーの現在の居住地やよく出張や旅行に行く場所、今後訪問する予定の場所、その時期による季節、気温・湿度・予想風力・予想天気なども参照可能である。朝昼夜などのシーンがどうマッチするかも参照できる。屋内の照明の明るさも予測して再現し、屋外では、地域の緯度や気候も参照し、自然光の角度や強さも参照し、動物や植物も環境に共存している場合、どうマッチするか参照できる、植物も環境の重要な要素なので、マッチングに影響を与えることもできる。
(4)目的起因(動きやすい、リラックス、フォーマル、ビジネス、汚れに強い、雨に強い、耐水、耐衝撃、スポーツ、勉強、交際、婚活、デート、接待、子育て、絵を描く等)
ユーザーの目的がリラックスである場合と、ビジネスやフォーマル目的である場合とでは、選択する商品に影響を与える。例えば、被服類でもそうであるし、被服類以外の商品である湯沸ポットを購入する場合でも、リラックスシーンの場合とビジネスシーンで使用する場合とでは、マッチ度に影響を与える。リラックスの場合は選択するシーンは観光地で有名な温泉地がマッチする場合もあるし、ビジネスシーンだとスーツを着てキビキビ働く都心のオフィスのイメージがマッチする場合もある。
(5)人間関係起因(家族、友人、職場、環境による周囲の人物等)
同じ商品で同じ環境であっても誰とその商品を使用するのかによってマッチ度は影響される。たとえば、たこ焼きを購入するにしても環境も含めて誰と一緒に食べるかによってそのマッチ度は影響を受ける。小学生とたこ焼きを一緒に食べる場合には小学生が多くいる街がマッチ度が高い場合もある。海外の観光客とたこ焼きを食べる場合は大阪の観光地がマッチする可能性もある。ビジネス上の重要顧客と一緒にたこ焼きを食べる場合はビジネスシーンがマッチ度が高い場合もある。したがって、ユーザーが想定していたり予想できる人間関係のデータも含めてマッチ度に影響する因子として参照する。
(6)リアル背景だけではなく、作風等のカテゴリ別・事例別の背景
例えばカテゴリ別に浮世絵風、版画風、油絵風、特定の作家風、ピカソ風、手塚治虫風、赤塚不二夫風、などもありうる。背景・シーン・環境を合成する場合に写実的な画像やその抽象・部分的な抽象をすることもできるが、全く別の方法として、現実ベースではなくても浮世絵風の画像を合成して似合うかどうかを判定することもできる。仮想空間の世界でもその世界観とマッチするかどうかをマッチ度を楽しみながら商品購入のアシストをすることもできる。例えば、仮想空間でも版画風の世界観と合う筆記具を買いたい人がいた場合、仮の世界での合成でもユーザーの求める世界観とのマッチング度を判定でき。購買の促進をすることができる。デジタルデータ自体が商品の場合も、仮想空間のある世界観のシーン背景とマッチするかどうかを判定することもできる。例えばデジタルデータの被服類がとある世界観にマッチするかどうか、ゲームの世界、映画の世界、漫画の世界、絵画の世界、現実の世界にどうマッチするかも判定しながら購買の役にたてることができる。
【0031】
合成画像提示部117は、画像合成部116により生成された合成画像をユーザに提示する。ユーザへの提示方法としては、ユーザ端末13のディスプレイに表示する、実店舗に設置されている大型ディスプレイに表示する、VR、AR、ホログラム等の技術を用いて提示する等が考えられる。
【0032】
色彩評価部118は、合成画像提示部117により提示された、商品画像と、商品付随物画像と、シーン画像又はシーン加工画像と、の間の色彩に関する指標を評価する。
【0033】
色彩に関する指標としては、色相環、明度、彩度等が存在する。色相環を指標とする場合、補色、類似色など様々なカラースキームで評価することができる。色彩評価部118は、商品画像と、商品付随物画像と、シーン画像又はシーン加工画像と、の間の全ての色彩に関するバランスを、これらの指標に基づいて評価する。
【0034】
色彩評価提示部119は、色彩評価部118による評価結果をユーザに提示する。提示方法は、ディスプレイ表示、音声出力等の方法が考えられる。例えば、「現在の商品と背景シーンは、色相環でいう補色の関係です。」、「現在の衣服は、海辺の雰囲気と色相環でいう類似色です。」、「現在の背景シーンは、明度・彩度でいうとこのパラメーターの値です。」等の評価結果が提示されることで、ユーザは商品画像と、商品付随物画像と、シーン画像又はシーン加工画像と、とがそれぞれマッチするかどうかを判断することができる。
【0035】
次に、図3に示すフローチャートを参照して、合成画像提示システム1が行う処理手順について説明する。ここでは、シーン画像の選択方法は、ユーザによる直接選択か、又は、ユーザによるマッチ度指定による選択であるものとする。
【0036】
まず、制御ノード11のメイン画像生成部115は、商品画像と商品付随物画像とを合成して、メイン画像を生成する(ステップS1)。具体的には、例えば、「商品」が「被服」であり、「商品付随物」が「マネキン」である場合には、ユーザは、ユーザ端末13を操作して、自己の体形に近いマネキンと、ユーザが購入を検討している被服とを選択する。これにより、メイン画像生成部115は、ユーザにより選択された被服の画像を商品記憶部111から読みだし、ユーザにより選択されたマネキンの画像を商品付随物記憶部112から読み出し、マネキンが被服を着用した状態の3次元形状を表すメイン画像を作成する。
【0037】
次に、ユーザがユーザ端末13を操作して、シーン記憶部113に記憶されている各種のシーン画像の中から、所定のシーン画像を選択し(ステップS2:Yes)、当該所定のシーン画像の所定の加工を指定した場合には(ステップS3:Yes)、制御ノード11のシーン加工画像生成部114は、選択されたシーン画像をシーン記憶部113から読み出し、当該シーン画像に対して、ユーザにより指定された部分を指定された態様で加工する処理を行い、シーン加工画像を生成する(ステップS4)。
一方、ユーザによるシーン画像の選択がなかった場合(ステップS2:No)、制御ノード11はマッチ度の指定があったか否かを判定する(ステップS5)。マッチ度の指定があった場合(ステップS5:Yes)、ステップS1で生成されたメイン画像に対して、ユーザにより指定されたマッチ度でマッチするシーン画像をシーン記憶部113の中から判定する(ステップS6)。ユーザによるシーン画像の選択もマッチ度の指定もなかった場合には(ステップS2:No、ステップS5:No)、ステップS2に戻る。
【0038】
次に、制御ノード11の画像合成部116は、メイン画像の背景としてシーン画像又はシーン加工画像が合成されたシーン合成画像を生成する(ステップS7)。具体的には、ユーザによるシーン画像の指定とシーン画像の加工指定があった場合、ステップS4で生成されたシーン加工画像をメイン画像に合成する。一方、ユーザによるシーン画像の指定があり、シーン画像の加工指定がなかった場合、シーン画像をメイン画像に合成する。一方、ユーザによるシーン画像の指定がなく、マッチ度の指定があった場合、ステップS6においてユーザ指定のマッチ度でメイン画像にマッチすると判定されたシーン画像をメイン画像に合成する。
【0039】
次に、制御ノード11の合成画像提示部117は、ステップS7において画像合成部116により生成された合成画像をユーザに提示する(ステップS8)。なお、ユーザによるシーン画像の選択もマッチ度の指定もなかった場合には、メイン画像にシーン画像を合成せずに、メイン画像のみをユーザに提示してもよい。
【0040】
以上、説明したように、メイン画像の背景として、シーン画像又はシーン加工画像を合成してユーザに提示することができるため、ユーザは商品を利用するシーンをチェックすることができ、利用シーンに応じた商品を購入するのを支援することができる。例えば、「商品」が「被服」であり、「商品付随物」が「マネキン」である場合には、ユーザが実際に被服を試着したり、当該被服の利用シーンを実体験しなくても、被服がユーザに似合うか、被服が利用シーンにマッチするか等をチェックすることとができ、ユーザによる被服の購入に役立てることができる。
【0041】
なお、上述した実施形態は一例に過ぎず、本発明は特許請求の範囲に記載の発明の要旨を変更しない範囲内で、種々変形して実施することができる。
【0042】
例えば、「商品」と「商品付随物」との組み合わせは、上述した実施形態に限定されることはなく、商取引、プライベート含む商取引以外、レンタル、リース等のあらゆる分野での様々な組み合わせが考えらえる。例えば、商品が「扇風機」である場合、ユーザが扇風機を購入しようとする際に、扇風機にどのように装飾をするのか、どのような背景やシーンがその扇風機にマッチするかを判断することができる。また、「商品」が「自動車」の場合、ユーザが購入しようとする自動車をよく見せるための陳列用ディスプレイに対してどような背景シーンがマッチするかを判定することができる。
【0043】
また、シーン画像に対する加工は、所定のレベルでぼかす抽象化処理のみに限定されることはなく、例えば、画像の上に特定の模様や図柄を表示する等、その他の任意の加工処理を行うことができる。
【0044】
また、合成画像提示システム1の通信方式は、上述した実施形態におけるブロックチェーンネットワーク20に限定されることはなく、例えば、P2P(ピアツーピア)やクライアント・サーバー通信であってもよいし、分散ストーレージ型ブロックチェーンを使用した通信であってもよいし、これらを組み合わせた通信方式であってもよい。
【0045】
また、上述した実施形態では、合成画像提示システム1は複数のノード10で構成されているとして説明したが、合成画像提示システム1の装置構成はこれに限定されることはない。例えば、合成画像提示システム1は1つの装置で構成されていてもよいし、クライアント・サーバシステムで構成されていてもよい。合成画像提示システム1が1つの装置で構成されている場合には、当該装置はインターネット等の通信網に接続してないスタンドアロンの装置であってもよい。
【符号の説明】
【0046】
1 合成画像提示システム
10 ノード
11 制御ノード
111 商品記憶部
112 商品付随物記憶部
113 シーン記憶部
114 シーン加工画像生成部
115 メイン画像生成部
116 画像合成部
117 合成画像提示部
118 色彩評価部
13 ユーザ端末
20 ブロックチェーンネットワーク
図1
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2021-09-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品を表す商品画像を記憶する商品記憶手段と、
前記商品を装飾又は陳列するための商品付随物を表す商品付随物画像を記憶する商品付随物記憶手段と、
各種シーンを表すシーン画像を記憶するシーン記憶手段と、
前記シーン記憶手段に記憶されている所定のシーン画像に対して所定の加工を施したシーン加工画像を生成するシーン加工画像生成手段と、
ユーザの選択に応じて、前記商品画像と前記商品付随物画像とを合成して、前記商品が前記商品付随物で装飾された状態又は前記商品付随物に陳列された状態を表すメイン画像を生成するメイン画像生成手段と、
前記メイン画像の背景として、前記シーン画像又は前記シーン加工画像が合成された合成画像を生成する画像合成手段と、
前記画像合成手段により生成された合成画像をユーザに提示する合成画像提示手段と
を備え
前記シーン加工画像生成手段は、
ユーザにより指定された抽象化レベル及び領域に応じて、前記シーン画像の所定の領域を所定のレベルでぼかす抽象化処理を施すことにより、前記シーン加工画像を生成することを特徴とする合成画像提示システム。
【請求項2】
前記合成画像提示手段により提示された、前記商品画像と、前記商品付随物画像と、前記シーン画像又は前記シーン加工画像と、の間の色彩に関する指標を評価する色彩評価手段と、
前記色彩評価手段による評価結果をユーザに提示する色彩評価提示手段と
をさらに備えたことを特徴とする
請求項1に記載の合成画像提示システム。
【請求項3】
コンピュータを、
商品を表す商品画像を記憶する商品記憶手段と、
前記商品を装飾又は陳列するための商品付随物を表す商品付随物画像を記憶する商品付随物記憶手段と、
各種シーンを表すシーン画像を記憶するシーン記憶手段と、
前記シーン記憶手段に記憶されている所定のシーン画像に対して所定の加工を施したシーン加工画像を生成するシーン加工画像生成手段と、
ユーザの選択に応じて、前記商品画像と前記商品付随物画像とを合成して、前記商品が前記商品付随物で装飾された状態又は前記商品付随物に陳列された状態を表すメイン画像を生成するメイン画像生成手段と、
前記メイン画像の背景として、前記シーン画像又は前記シーン加工画像が合成された合成画像を生成する画像合成手段と、
前記画像合成手段により生成された合成画像をユーザに提示する合成画像提示手段として機能させるためのプログラムであって、
前記シーン加工画像生成手段は、
ユーザにより指定された抽象化レベル及び領域に応じて、前記シーン画像の所定の領域を所定のレベルでぼかす抽象化処理を施すことにより、前記シーン加工画像を生成することを特徴とするプログラム