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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022016715
(43)【公開日】2022-01-24
(54)【発明の名称】ガスバリア積層体及び包装袋
(51)【国際特許分類】
   B32B 27/32 20060101AFI20220117BHJP
   B32B 27/30 20060101ALI20220117BHJP
   B32B 27/12 20060101ALI20220117BHJP
   B65D 65/40 20060101ALI20220117BHJP
【FI】
B32B27/32 E
B32B27/30 102
B32B27/12
B65D65/40 D
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020118631
(22)【出願日】2020-07-09
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-10-06
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100169063
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 洋平
(74)【代理人】
【識別番号】100190931
【弁理士】
【氏名又は名称】熊谷 祥平
(72)【発明者】
【氏名】石井 里佳
(72)【発明者】
【氏名】神永 純一
(72)【発明者】
【氏名】越山 良樹
(72)【発明者】
【氏名】小島 裕美子
【テーマコード(参考)】
3E086
4F100
【Fターム(参考)】
3E086AD01
3E086BA04
3E086BA14
3E086BA15
3E086BB01
3E086BB02
3E086BB05
3E086BB51
3E086CA01
3E086CA28
3E086DA06
4F100AK03B
4F100AK03D
4F100AK21E
4F100AL07B
4F100AL07D
4F100BA05
4F100BA07
4F100BA10A
4F100BA10D
4F100DG10A
4F100EH66C
4F100EJ65B
4F100GB16
4F100JD02
4F100YY00A
4F100YY00B
4F100YY00C
4F100YY00D
4F100YY00E
(57)【要約】      (修正有)
【課題】紙の特徴である折り目保持性を有し、且つ折り曲げられた後であっても十分なガスバリア性を有するとともに、プラスチック材料の使用量削減に寄与するガスバリア積層体、及びこれを含む包装袋を提供する。
【解決手段】紙基材1と、カルボキシル基、カルボキシル基の塩、カルボン酸無水物基及びカルボン酸エステルより選ばれる少なくとも1種を有する第1のポリオレフィンを含むアンカーコート層2と、蒸着層4と、カルボキシル基、カルボキシル基の塩、カルボン酸無水物基及びカルボン酸エステルより選ばれる少なくとも1種を有する第2のポリオレフィンを含むオーバーコート層5と、をこの順で備え、紙基材とアンカーコート層との間又はアンカーコート層と蒸着層との間に、ポリビニルアルコール系樹脂を含む層3を備える、ガスバリア積層体10。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙基材と、
カルボキシル基、カルボキシル基の塩、カルボン酸無水物基及びカルボン酸エステルより選ばれる少なくとも1種を有する第1のポリオレフィンを含むアンカーコート層と、
蒸着層と、
カルボキシル基、カルボキシル基の塩、カルボン酸無水物基及びカルボン酸エステルより選ばれる少なくとも1種を有する第2のポリオレフィンを含むオーバーコート層と、
をこの順で備え、
前記紙基材と前記アンカーコート層との間又は前記アンカーコート層と前記蒸着層との間に、ポリビニルアルコール系樹脂を含む層を備える、ガスバリア積層体。
【請求項2】
前記アンカーコート層の厚みが1μm以上5μm以下である、請求項1に記載のガスバリア積層体。
【請求項3】
前記ポリビニルアルコール系樹脂を含む層の厚みが1μm以上5μm以下である、請求項1又は2に記載のガスバリア積層体。
【請求項4】
前記蒸着層の厚みが30nm以上100nm以下である、請求項1~3のいずれか一項に記載のガスバリア積層体。
【請求項5】
前記オーバーコート層の厚みが2μm以上10μm以下である、請求項1~4のいずれか一項に記載のガスバリア積層体。
【請求項6】
前記紙基材の厚みが30μm以上100μm以下であり、且つ前記紙基材の厚みがガスバリア積層体全体の厚みの70%以上である、請求項1~5のいずれか一項に記載のガスバリア積層体。
【請求項7】
紙の重量が、ガスバリア積層体全体を基準として、50質量%以上である、請求項1~6のいずれか一項に記載のガスバリア積層体。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項に記載のガスバリア積層体を含む包装袋。
【請求項9】
折り曲げ部を有する、請求項8に記載の包装袋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスバリア積層体及び包装袋に関する。
【背景技術】
【0002】
食品、飲料、医薬品及び化学品等の多くの分野では、それぞれの内容物に応じた包装材が使用されている。包装材は、内容物の変質の原因となる酸素及び水蒸気等の透過防止性(ガスバリア性)が求められる。
【0003】
近年、海洋プラスチックごみ問題等に端を発する環境意識の高まりから、脱プラスチックの機運が高まっている。プラスチック材料の使用量削減の観点から、種々の分野において、プラスチック材料の代わりに、紙を使用することが検討されている。例えば下記特許文献1では、紙にバリア層を積層するガスバリア積層体が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-69783号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
紙は、折り目保持性(デッドホールド性とも称される)を有することから、加工がしやすいという特徴を有する。しかしながら、本発明者らの検討によれば、より鋭角な折り目がある包装袋(ピロー包装、三方シール包装及びガゼット包装)とする場合、バリア層にクラックが生じてガスバリア性が低下する点において、未だ改善の余地があることが判明した。
【0006】
また、資源有効利用促進法の観点から、ガスバリア積層体においてもプラスチック材料の使用量を削減することが求められている。
【0007】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、紙の特徴である折り目保持性を有し且つ折り曲げられた後であっても十分なガスバリア性を有するとともに、プラスチック材料の使用量削減に寄与するガスバリア積層体、及びこれを含む包装袋を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、紙基材と、カルボキシル基、カルボキシル基の塩、カルボン酸無水物基及びカルボン酸エステルより選ばれる少なくとも1種を有する第1のポリオレフィンを含むアンカーコート層と、蒸着層と、カルボキシル基、カルボキシル基の塩、カルボン酸無水物基及びカルボン酸エステルより選ばれる少なくとも1種を有する第2のポリオレフィンを含むオーバーコート層と、をこの順で備え、紙基材とアンカーコート層との間又はアンカーコート層と蒸着層との間に、ポリビニルアルコール系樹脂を含む層を備える、ガスバリア積層体を提供する。
【0009】
アンカーコート層の厚みは1μm以上5μm以下であってよい。
【0010】
ポリビニルアルコール系樹脂を含む層の厚みは1μm以上5μm以下であってよい。
【0011】
蒸着層の厚みは30nm以上100nm以下であってよい。
【0012】
オーバーコート層の厚みは2μm以上10μm以下であってよい。
【0013】
紙基材の厚みは30μm以上100μm以下であり、且つ紙基材の厚みはガスバリア積層体全体の厚みの70%以上であってよい。
【0014】
紙の重量は、ガスバリア積層体全体を基準として、50質量%以上であってよい。
【0015】
本発明はまた、上記本発明に係るガスバリア積層体を含む包装袋を提供する。
【0016】
上記包装袋は、折り曲げ部を有していてもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、紙の特徴である折り目保持性を有し且つ折り曲げられた後であっても十分なガスバリア性を有するとともに、プラスチック材料の使用量削減に寄与するガスバリア積層体及びこれを含む包装袋を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施形態に係るガスバリア積層体を示す模式断面図である。
図2】本発明の一実施形態に係る包装袋を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、場合により図面を参照しながら、本発明の実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
【0020】
<ガスバリア積層体>
図1は、一実施形態に係るガスバリア積層体を示す模式断面図である。一実施形態に係るガスバリア積層体10は、紙基材1と、アンカーコート層2と、ポリビニルアルコール系樹脂を含む3と、蒸着層4と、オーバーコート層5と、をこの順に備える。アンカーコート層2は、カルボキシル基、カルボキシル基の塩、カルボン酸無水物基及びカルボン酸エステルより選ばれる少なくとも1種を有する第1のポリオレフィンを含み、オーバーコート層5は、カルボキシル基、カルボキシル基の塩、カルボン酸無水物基及びカルボン酸エステルより選ばれる少なくとも1種を有する第2のポリオレフィンを含む。
【0021】
[紙基材]
紙基材1としては、特に制限されるものではなく、ガスバリア積層体10が適用される包装袋の用途に応じて適宜選択すればよい。植物由来のパルプを主成分としている紙であれば特に制限はない。紙基材1の具体例として、上質紙、特殊上質紙、コート紙、アート紙、キャストコート紙、模造紙及びクラフト紙、グラシン紙が挙げられる。紙基材1の厚さは、例えば、30μm以上100μm以下であってよく、30μm以上70μm以下であってよい。また、紙基材の厚みは、ガスバリア積層体全体の厚みの70%以上であってよい。紙基材の厚みが、ガスバリア積層体全体の厚みの70%以上であれば、環境適性に優れているといえる。
【0022】
紙基材1には、少なくとも後述するアンカーコート層2と接する側にコート層を設けてあってもよい。コート層を設けることで、紙にアンカーコート層2が染み込むことを防ぐことができるほか、紙の凹凸を埋める目止めの役割を果たすこともでき、アンカーコート層を欠陥なく均一に製膜することができる。コート層には、バインダー樹脂として、例えば、スチレン・ブタジエン系、スチレン・アクリル系、エチレン・酢酸ビニル系などの各種共重合体、ポリビニルアルコール系樹脂、セルロース系樹脂、パラフィン(WAX)等を用い、填料として、例えばクレー、カオリン、炭酸カルシウム、タルク、マイカ等が含まれていてもよい。
【0023】
クレーコート層の厚みは、特に制限されるものではないが、例えば、1~10μm、又は3~8μmであってよい。
【0024】
紙の重量は、ガスバリア積層体全体を基準として、50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることが更に好ましい。紙の重量がガスバリア積層体全体を基準として、50質量%以上であれば、プラスチック材料の使用量を十分に削減することができ、ガスバリア積層体全体として紙製であるということができるとともに、リサイクル性に優れる。
【0025】
[アンカーコート層]
アンカーコート層2は、紙基材の表面上に設けられ、紙基材1と後述するポリビニルアルコール系樹脂を含む層3との間の密着性向上や、ガスバリア積層体のガスバリア性の向上のために設けられるものである。アンカーコート層2には、カルボキシル基、カルボキシル基の塩、カルボン酸無水物基及びカルボン酸エステルより選ばれる少なくとも1種を有する第1のポリオレフィンを含む。このようなアンカーコート層2は、柔軟性に優れ、屈曲後(折り曲げ後)に後述する蒸着層の割れを抑制することができるとともに、アンカーコート層とポリビニルアルコール系樹脂を含む層との密着性を向上させることができる。さらに、上述したポリオレフィンを含むことで、カルボキシル基等による緻密な膜を形成することが可能となり、水蒸気バリア性に優れるガスバリア積層体を得ることができる。
【0026】
アンカーコート層2には、上記第1のポリオレフィンのほかに他の成分を含んでいてもよい。他の成分としては、例えば、上記第1のポリオレフィン以外のポリオレフィン、シランカップリング剤、有機チタネート、ポリアクリル、ポリエステル、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリウレア、ポリアミド、ポリイミド、メラミン、フェノール等が挙げられる。
【0027】
アンカーコート層2における第1のポリオレフィンの含有量は、例えば、50質量%以上であってよく、70質量%以上であってよく、90質量%以上であってよく、100質量%であってよい。
【0028】
アンカーコート層2の厚みは、例えば、1μm以上であってよく、2μm以上であってよく、5μm以下であってよい。アンカーコート層2の厚みが1μm以上であれば、上述した紙基材の凹凸を効率的に埋めることができ、後述するポリビニルアルコール系樹脂を含む層及び蒸着層を均一に積層させることができる。また、アンカーコート層2の厚みが5μm以下であれば、コストを抑えつつ上記の各層を均一に積層させることができる。
【0029】
アンカーコート層2を設ける方法としては、紙基材上に上述したポリオレフィン及び溶媒を含む塗液を塗布し、乾燥させることで得ることができる。塗液に含まれる溶媒としては、例えば、水、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n-プロピルアルコール、n-ブチルアルコール、n-ペンチルアルコール、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、トルエン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、酢酸ブチルが挙げられる。これらの溶媒は一種を単独で用いてもよく、二種以上を併用してもよい。これらの中でも、特性の観点から、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、トルエン、酢酸エチル、メチルエチルケトン、水が好ましい。また環境の観点から、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、水が好ましい。
【0030】
[ポリビニルアルコール系樹脂を含む層]
ポリビニルアルコール系樹脂を含む層3は、アンカーコート層の表面上に設けられ、アンカーコート層2と後述する蒸着層4との間の密着性向上や、ガスバリア積層体のガスバリア性(特に酸素バリア性)の向上のために設けられるものである。ポリビニルアルコール系樹脂とは、例えば完全けん化のポリビニルアルコール樹脂、部分けん化のポリビニルアルコール樹脂、変性ポリビニルアルコール樹脂、エチレン-ビニルアルコール共重合樹脂等である。またポリビニルアルコール系樹脂の重合度は、300以上、1500以下が好ましい。重合度が300以上であれば、ガスバリア性積層体のバリア性や屈曲耐性が良好になり、重合度が1500以下であれば、後述するポリビニルアルコール系樹脂の塗液の粘度が低くなり、塗布性が良好になる。
【0031】
ポリビニルアルコール系樹脂を含む層2を設ける方法としては、紙基材1上に上述したポリビニルアルコール系樹脂及び溶媒を含む塗液を塗布し、乾燥させることで得ることができる。塗液に含まれる溶媒としては、例えば、水、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n-プロピルアルコール、n-ブチルアルコール、n-ペンチルアルコール、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等が挙げられ、特に水と、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等のアルコールとの混合溶媒が好ましい。また前記塗液には、界面活性剤や防腐剤、保存安定剤、シランカップリング剤、有機チタネート等の添加剤を含んでいても構わない。
【0032】
このようなポリビニルアルコール系樹脂を含む層3は、柔軟性に優れ、屈曲後(折り曲げ後)に後述する蒸着層の割れを抑制することができるとともに、蒸着層とポリビニルアルコール系樹脂を含む層との密着性を向上させることができる。
【0033】
ポリビニルアルコール系樹脂を含む層3の厚みは、例えば、1μm以上であってよく、2μm以上であってよく、5μm以下であってよい。厚みが1μm以上であれば、後述する蒸着層を均一に積層させることができる。また、厚みが5μm以下であれば、コストを抑えつつ蒸着層を均一に積層させることができる。
【0034】
[蒸着層]
蒸着層4は、金属又は無機化合物を蒸着した層である。蒸着層としては、アルミニウムを蒸着して得られたものであってもよく、酸化アルミニウム(AlO)、酸化ケイ素(SiO)等を含むものであってもよい。
【0035】
蒸着層4の厚みは、使用用途によって適宜設定すればよいが、好ましくは30nm以上、50nm以上であってよく、100nm以下、80nm以下であってよい。蒸着層4の厚みを30nm以上とすることで蒸着層4の連続性を十分なものとしやすく、100nm以下とすることでカールやクラックの発生を十分に抑制でき、十分なガスバリア性能及び可撓性を達成しやすい。
【0036】
蒸着層4は、真空成膜手段によって成膜することが、酸素ガスバリア性能や膜均一性の観点から好ましい。成膜手段には、真空蒸着法、スパッタリング法、化学的気相成長法(CVD法)などの公知の方法があるが、成膜速度が速く生産性が高いことから真空蒸着法が好ましい。また真空蒸着法の中でも、特に電子ビーム加熱による成膜手段は、成膜速度を照射面積や電子ビーム電流などで抑制しやすいことや蒸着材料への昇温降温が短時間で行えることから有効である。
【0037】
[オーバーコート層]
オーバーコート層5は、蒸着層4の表面上に、蒸着層4に接するように設けられるもので、カルボキシル基、カルボキシル基の塩、カルボン酸無水物基及びカルボン酸エステルより選ばれる少なくとも1種を有する第2のポリオレフィンを含む。
【0038】
このようなオーバーコート層5は、柔軟性に優れ、屈曲後(折り曲げ後)に蒸着層の割れを抑制することができるとともに、蒸着層との密着性に優れる。さらに、上述した第2のポリオレフィンを含むことで、水蒸気バリア性に優れるバスバリア積層体を得ることができる。また、オーバーコート層5は、上記第2のポリオレフィンを含むことで、ヒートシール層としての役割も兼ねることができるため、ヒートシール層を別途設けなくともよい。
【0039】
オーバーコート層5には、上記第2のポリオレフィンのほかに他の成分を含んでいてもよい。他の成分としては、例えば、シランカップリング剤、有機チタネート、ポリアクリル、ポリエステル、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリウレア、ポリアミド、ポリオレフィン系エマルジョン、ポリイミド、メラミン、フェノール等が挙げられる。
【0040】
オーバーコート層5における第2のポリオレフィンの含有量は、例えば、50質量%以上であってよく、70質量%以上であってよく、90質量%以上であってよく、100質量%であってよい。
【0041】
オーバーコート層5の厚みは、例えば、2μm以上であってよく、3μm以上であってよく、10μm以下であってよく、8μm以下であってよく、5μm以下であってよい。オーバーコート層5の厚みが2μm以上であれば、上述したヒートシール層としての役割を十分に発揮することができる。また、オーバーコート層5の厚みが10μm以下であれば、コストを抑えつつ蒸着層との密着性やバリア性を十分に発揮することができる。
【0042】
オーバーコート層5を設ける方法としては、蒸着層上に上述したポリオレフィン及び溶媒を含む塗液を塗布し、乾燥させることで得ることができる。塗液に含まれる溶媒としては、例えば、水、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n-プロピルアルコール、n-ブチルアルコール、n-ペンチルアルコール、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、トルエン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、酢酸ブチルが挙げられる。これらの溶媒は一種を単独で用いてもよく、二種以上を併用してもよい。これらの中でも、特性の観点から、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、トルエン、酢酸エチル、メチルエチルケトン、水が好ましい。また環境の観点から、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、水が好ましい。
【0043】
アンカーコート層2及びオーバーコート層5にそれぞれ含まれる第1のポリオレフィン及び第2のポリオレフィンは、それぞれ同種のものであっても異種のものであってもよいが、製造の容易性等を考慮すれば、それぞれ同種のものであることが好ましい。
【0044】
本実施形態に係るガスバリア積層体は、十分なガスバリア性を発揮することができる。本明細書においてガスバリア性とは、水蒸気透過度及び酸素透過度が十分に低いことをいう。本実施形態に係るガスバリア積層体は、40℃90%RHでの水蒸気透過度が2g/m/d以下であり、30℃70%RHでの酸素透過度が2cc/m/d/atm以下であることが好ましい。
【0045】
また、本実施形態に係るガスバリア積層体は、折り曲げられた後であっても十分なガスバリア性を発揮することができる。本実施形態に係るガスバリア積層体は、紙基材を外側として折り、その上で重さ600gのローラーを1回転がし、折り目を開いて測定した、40℃90%RHでの水蒸気透過度が3g/m/d以下であり、30℃70%RHでの酸素透過度が3cc/m/d/atm以下であることが好ましい。また、紙基材を内側にしており、その上で重さ600gのローラーを1回転がし、折り目を開いて測定した、40℃90%RHでの水蒸気透過度が3g/m/d以下であり、30℃70%RHでの酸素透過度が3cc/m/d/atm以下であることが好ましい。
【0046】
以上、本実施形態に係るガスバリア積層体の一実施形態について説明したが、本発明はこれ以外のガスバリア積層体を含んでいてもよい。例えば、上記ポリビニルアルコール系樹脂を含む層は、紙基材とアンカーコート層との間に配置されていてもよい。すなわち、ポリビニルアルコール系樹脂を含む層は、紙基材とアンカーコート層との間又はアンカーコート層と蒸着層との間に配置されていてもよい。
【0047】
<包装袋>
図2は、ガスバリア積層体10からなるガゼット袋20を示す斜視図である。ガゼット袋20の上部の開口部をシールすることで包装袋が製造される。ガゼット袋20はガスバリア積層体10が折り曲げられている箇所(折り曲げ部B1,B2)を有する。折り曲げ部B1は、最内層側からみてガスバリア積層体10が谷折りされている箇所であり、他方、折り曲げ部B2は、最内層側からみてガスバリア積層体10が山折りされている箇所である。
【0048】
包装袋は、1枚のガスバリア積層体を、オーバーコート層5が対向するように二つ折りにした後、所望の形状になるように適宜折り曲げてヒートシールすることによって袋形状としたものであってもよく、2枚のガスバリア積層体をオーバーコート層5が対向するように重ねた後、ヒートシールすることによって袋形状としたものであってもよい。
【0049】
本実施形態に係る包装袋において、ヒートシール強度は、2N以上であってよく、4N以上であってよい。なお、ヒートシール強度の上限値は特に制限されるものではないが、例えば10N以下であってよい。
【0050】
ここでヒートシール強度は、2枚のガスバリア積層体10をポリオレフィンを含む層4が対向するように重ねて、ヒートシーラーで、120℃、0.2MPa、1秒の条件でヒートシールを行い、そこから15mm幅の短冊に切り出して、剥離速度300mm/分でT字剥離した時の最大荷重を測定したものである。
【0051】
包装袋は、内容物として、食品、医薬品等の内容物を収容することができる。特に食品において、お菓子等を収容するのに適している。本実施形態に係る包装袋は、折り曲げ部を有する形状であっても高いガスバリア性を維持することができる。
【0052】
なお、本実施形態においては、包装袋の一例としてガゼット袋を挙げたが、本実施形態に係るガスバリア積層体を使用して、例えば、ピロー袋、三方シール袋又はスタンディングパウチを作製してもよい。
【実施例0053】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
【0054】
<ガスバリア積層体の作製>
(実施例1)
紙(クレーコート紙、紙の厚み:50μm、クレーコート層の厚み:5μm)の表面上に、カルボキシル基の塩を含む塗液(商品名:ケミパールS500、三井化学製)をバーコーターで塗工し、オーブンで乾燥させ、アンカーコート層を形成させた。層の厚みは3μmであった。続いて、アンカーコート層上にけん化度98%、重合度500のポリビニルアルコール樹脂を水/IPA=8/2の溶液に固形分濃度10質量%で溶解したポリビニルアルコール樹脂を含む塗液をバーコーターで塗布し、オーブンで乾燥させ、ポリビニルアルコール樹脂を含む層を形成させた。層の厚みは1μmであった。続いて、ポリビニルアルコール樹脂を含む層上にAL蒸着を施した。AL蒸着層の厚みは50nmであった。その後、蒸着層上にカルボキシル基の塩を含む塗液(商品名:ケミパールS500、三井化学製)をバーコーターで塗工し、オーブンで乾燥させ、オーバーコート層を形成させ、ガスバリア積層体を得た。ポリオレフィンを含む層の厚みは3μmであった。ガスバリア積層体における紙の重量は、81質量%であった。
【0055】
(実施例2)
アンカーコート層の厚みを1μmとし、ポリビニルアルコール樹脂を含む層の厚みを5μmとした以外は、実施例1と同様の操作によってガスバリア積層体を得た。ガスバリア積層体における紙の重量は、78質量%であった。
【0056】
(実施例3)
アンカーコート層の厚みを5μmとした以外は、実施例1と同様の操作によってガスバリア積層体を得た。ガスバリア積層体における紙の重量は、78質量%であった。
【0057】
(実施例4)
蒸着層の厚みを30nmとした以外は、実施例1と同様の操作によってガスバリア積層体を得た。ガスバリア積層体における紙の重量は、81質量%であった。
【0058】
(実施例5)
蒸着層の厚みを100nmとした以外は、実施例1と同様の操作によってガスバリア積層体を得た。ガスバリア積層体における紙の重量は、81質量%であった。
【0059】
(実施例6)
オーバーコート層の厚みを2μmとした以外は、実施例1と同様の操作によってガスバリア積層体を得た。ガスバリア積層体における紙の重量は、82質量%であった。
【0060】
(実施例7)
オーバーコート層の厚みを10μmとした以外は、実施例1と同様の操作によってガスバリア積層体を得た。ガスバリア積層体における紙の重量は、81質量%であった。
【0061】
(実施例8)
紙(クレーコート紙、紙の厚み:30μm、クレーコート層の厚み:5μm)を用いた以外は、実施例1と同様の操作によってガスバリア積層体を得た。ガスバリア積層体における紙の重量は、81質量%であった。
【0062】
(実施例9)
紙(クレーコート紙、紙の厚み:100μm、クレーコート層の厚み:5μm)を用いた以外は、実施例1と同様の操作によってガスバリア積層体を得た。ガスバリア積層体における紙の重量は、81質量%であった。
【0063】
(実施例10)
蒸着層をシリカとし、蒸着層の厚みを30nmとした以外は、実施例1と同様の操作によってガスバリア積層体を得た。ガスバリア積層体における紙の重量は、82質量%であった。
【0064】
(実施例11)
蒸着層をアルミナとし、蒸着層の厚みを30nmとした以外は、実施例1と同様の操作によってガスバリア積層体を得た。ガスバリア積層体における紙の重量は、81質量%であった。
【0065】
(比較例1)
蒸着層を設けなかったこと以外は、実施例1と同様の操作によってガスバリア積層体を得た。ガスバリア積層体における紙の重量は、81質量%であった。
【0066】
(比較例2)
紙(クレーコート紙、紙の厚み:50μm、クレーコート層の厚み:5μm)の表面上に、アミドアルキッド樹脂を含む塗液をバーコーターで塗工し、オーブンで乾燥させ、アミドアルキッド樹脂を含む層を形成させた。層の厚みは4μmであった。続いて、この層上にAL蒸着を施した。AL蒸着層の厚みは50nmであった。その後、AL蒸着層上にポリビニルアルコール樹脂及びTEOSを含む塗液をバーコーターで塗布し、オーブンで乾燥させ、ポリビニルアルコール樹脂及びTEOSを含む層を形成させた。層の厚みは0.4μmであった。その後、カルボキシル基の塩を含む溶液(商品名:ケミパールS500、三井化学製)をバーコーターで塗工し、オーブンで乾燥させ、ポリオレフィンを含む層を形成させ、ガスバリア積層体を得た。ポリオレフィンを含む層の厚みは3μmであった。ガスバリア積層体における紙の重量は、80質量%であった。
【0067】
(比較例3)
紙(クレーコート紙、紙の厚み:50μm、クレーコート層の厚み:5μm)の表面上に、カルボキシル基の塩を含む塗液(商品名:ケミパールS500、三井化学製)をバーコーターで塗工し、オーブンで乾燥させ、ポリオレフィンを含む層を形成させた。層の厚みは3μmであった。続いて、ポリオレフィンを含む層上にAL蒸着を施した。AL蒸着層の厚みは50nmであった。その後、蒸着層上にカルボキシル基の塩を含む塗液(商品名:ケミパールS500、三井化学製)をバーコーターで塗工し、オーブンで乾燥させ、ポリオレフィンを含む層を形成させ、ガスバリア積層体を得た。ポリオレフィンを含む層の厚みは3μmであった。ガスバリア積層体における紙の重量は、82質量%であった。
【0068】
(比較例4)
紙(クレーコート紙、紙の厚み:50μm、クレーコート層の厚み:5μm)の表面上に、酢酸ビニル系ポリオレフィン樹脂を含む塗液をバーコーターで塗工し、オーブンで乾燥させ、酢酸ビニル系ポリオレフィン樹脂を含む層を形成させた。層の厚みは3μmであった。続いて、酢酸ビニル系ポリオレフィン樹脂を含む層上にAL蒸着を施した。AL蒸着層の厚みは50nmであった。その後、蒸着層上にカルボキシル基の塩を含む塗液(商品名:ケミパールS500、三井化学製)をバーコーターで塗工し、オーブンで乾燥させ、ポリオレフィンを含む層を形成させ、ガスバリア積層体を得た。ポリオレフィンを含む層の厚みは3μmであった。ガスバリア積層体における紙の重量は、82質量%であった。
【0069】
(比較例5)
酢酸ビニル系ポリオレフィン樹脂を含む塗液に代えて、ウレタン硬化型アクリル樹脂を含む塗液を用いた以外は、比較例4と同様の操作によりガスバリア積層体を得た。ガスバリア積層体における紙の重量は、82質量%であった。
【0070】
(比較例6)
紙(クレーコート紙、紙の厚み:50μm、クレーコート層の厚み:5μm)の表面上に、カルボキシル基の塩を含む塗液(商品名:ケミパールS500、三井化学製)をバーコーターで塗工し、オーブンで乾燥させ、アンカーコート層を形成させた。層の厚みは3μmであった。続いて、アンカーコート層上にAL蒸着を施した。AL蒸着層の厚みは50nmであった。その後、AL蒸着層上にポリビニルアルコール樹脂を含む塗液をバーコーターで塗布し、オーブンで乾燥させ、ポリビニルアルコール樹脂を含む層を形成させた。層の厚みは1μmであった。その後、カルボキシル基の塩を含む溶液(商品名:ケミパールS500、三井化学製)をバーコーターで塗工し、オーブンで乾燥させ、オーバーコート層を形成させ、ガスバリア積層体を得た。オーバーコート層の厚みは3μmであった。ガスバリア積層体における紙の重量は、81質量%であった。
【0071】
(比較例7)
ポリビニルアルコール樹脂を含む塗液をバーコーターで塗布し、オーブンで乾燥させ、ポリビニルアルコール樹脂を含む層を形成させるのに代えて、ポリビニルアルコール樹脂及びTEOSを含む塗液をバーコーターで塗布し、オーブンで乾燥させ、ポリビニルアルコール樹脂及びTEOSを含む層を形成させた以外は、比較例6と同様の操作によってガスバリア積層体を得た。この層の厚みは1μmであった。
【0072】
(比較例8)
アンカーコート層を設けなかったこと以外は、実施例1と同様の操作によってガスバリア積層体を得た。ガスバリア積層体における紙の重量は、82質量%であった。
【0073】
(比較例9)
アンカーコート層として、酢酸ビニル系ポリオレフィン樹脂を含む塗液をバーコーターで塗工し、オーブンで乾燥させ、酢酸ビニル系ポリオレフィン樹脂を含む層を形成させた以外は、実施例1と同様の操作によってガスバリア積層体を得た。ガスバリア積層体における紙の重量は、82質量%であった。
【0074】
(比較例10)
紙(クレーコート紙、紙の厚み:50μm、クレーコート層の厚み:5μm)の表面上に、カルボキシル基の塩を含む塗液(商品名:ケミパールS500、三井化学製)をバーコーターで塗工し、オーブンで乾燥させ、アンカーコート層を形成させた。層の厚みは3μmであった。続いて、アンカーコート層上にバリアウレタン樹脂(商品名:バリアスター、三井化学製)を含む塗液をバーコーターで塗布し、オーブンで乾燥させ、バリアウレタン樹脂を含む層を形成させた。層の厚みは1μmであった。続いて、バリアウレタン樹脂を含む層上にAL蒸着を施した。AL蒸着層の厚みは50nmであった。その後、蒸着層上にカルボキシル基の塩を含む塗液(商品名:ケミパールS500、三井化学製)をバーコーターで塗工し、オーブンで乾燥させ、オーバーコート層を形成させ、ガスバリア積層体を得た。ポリオレフィンを含む層の厚みは3μmであった。ガスバリア積層体における紙の重量は、82質量%であった。
【0075】
<水蒸気透過度の測定>
実施例及び比較例に係るガスバリア積層体の水蒸気透過度をMOCON法で測定した。測定条件は、温度40℃、相対湿度90%とした。600gのローラーを300mm/分の速さで転がしながら、ガスバリア積層体に折り目を付け、開いた後のガスバリア積層体の水蒸気透過度も同様に測定した。なお、表1~表6における「内折り」は、紙基材側からみてガスバリア積層体を山折りした後のガスバリア積層体を意味し、「外折り」は、紙基材側からみてガスバリア積層体を谷折りした後のガスバリア積層体を示す。表1~表6に結果を単位[g/m・day]で表記した。
【0076】
<酸素透過度の測定>
実施例及び比較例に係るガスバリア積層体の酸素透過度をJIS K7126、B法(等圧法)により測定した。測定装置は、Nodern Control社製 OXTRAN 2/20を用い、温度30℃、相対湿度70%で測定した。表1~表6に結果を単位[cc/m/d/atm]で示す。
【0077】
<ヒートシール強度の測定>
2枚のガスバリア性積層体を、ポリオレフィンを含む層が対向するように重ねて、ヒートシーラーで、120℃、0.2MPa、1秒の条件でヒートシールを行い、そこから15mm幅の短冊に切り出して、剥離速度300mm/分でT字剥離した時の最大荷重を測定した。表1~表5に結果を単位[N/15mm]で示す。
【0078】
【表1】
【0079】
【表2】
【0080】
【表3】
【0081】
【表4】
【0082】
【表5】
【0083】
【表6】
【符号の説明】
【0084】
1…紙基材、2…アンカーコート層、3…ポリビニルアルコール系樹脂を含む層、4…蒸着層、5…オーバーコート層、10…ガスバリア積層体、20…ガゼット袋、B1,B2…折り曲げ部。
図1
図2
【手続補正書】
【提出日】2021-05-31
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙基材と、
ルボキシル基の塩を有する第1のポリオレフィンを含むアンカーコート層と、
蒸着層と、
ルボキシル基の塩を有する第2のポリオレフィンを含むオーバーコート層と、
をこの順で直接積層し、
前記アンカーコート層と前記蒸着層との間にポリビニルアルコール系樹脂を含む層を備える、ガスバリア積層体。
【請求項2】
前記アンカーコート層の厚みが1μm以上5μm以下である、請求項1に記載のガスバリア積層体。
【請求項3】
前記ポリビニルアルコール系樹脂を含む層の厚みが1μm以上5μm以下である、請求項1又は2に記載のガスバリア積層体。
【請求項4】
前記蒸着層の厚みが30nm以上100nm以下である、請求項1~3のいずれか一項に記載のガスバリア積層体。
【請求項5】
前記オーバーコート層の厚みが2μm以上10μm以下である、請求項1~4のいずれか一項に記載のガスバリア積層体。
【請求項6】
前記紙基材の厚みが30μm以上100μm以下であり、且つ前記紙基材の厚みがガスバリア積層体全体の厚みの70%以上である、請求項1~5のいずれか一項に記載のガスバリア積層体。
【請求項7】
紙の重量が、ガスバリア積層体全体を基準として、50質量%以上である、請求項1~6のいずれか一項に記載のガスバリア積層体。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項に記載のガスバリア積層体を含む包装袋。
【請求項9】
折り曲げ部を有する、請求項8に記載の包装袋。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0066
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0066】
(比較例2)
紙(クレーコート紙、紙の厚み:50μm、クレーコート層の厚み:5μm)の表面上に、アクリルアルキド樹脂を含む塗液をバーコーターで塗工し、オーブンで乾燥させ、アクリルアルキド樹脂を含む層を形成させた。層の厚みは4μmであった。続いて、この層上にAL蒸着を施した。AL蒸着層の厚みは50nmであった。その後、AL蒸着層上にポリビニルアルコール樹脂及びTEOSを含む塗液をバーコーターで塗布し、オーブンで乾燥させ、ポリビニルアルコール樹脂及びTEOSを含む層を形成させた。層の厚みは0.4μmであった。その後、カルボキシル基の塩を含む溶液(商品名:ケミパールS500、三井化学製)をバーコーターで塗工し、オーブンで乾燥させ、ポリオレフィンを含む層を形成させ、ガスバリア積層体を得た。ポリオレフィンを含む層の厚みは3μmであった。ガスバリア積層体における紙の重量は、80質量%であった。