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特開2022-167205移動体管理装置、移動体管理システム、及び、移動体管理方法
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  • 特開-移動体管理装置、移動体管理システム、及び、移動体管理方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022167205
(43)【公開日】2022-11-04
(54)【発明の名称】移動体管理装置、移動体管理システム、及び、移動体管理方法
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/123 20060101AFI20221027BHJP
   G08G 1/09 20060101ALI20221027BHJP
   G01C 21/34 20060101ALI20221027BHJP
   G06Q 50/30 20120101ALI20221027BHJP
【FI】
G08G1/123 A
G08G1/09 F
G01C21/34
G06Q50/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021072853
(22)【出願日】2021-04-22
(71)【出願人】
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】507308902
【氏名又は名称】ルノー エス.ア.エス.
【氏名又は名称原語表記】RENAULT S.A.S.
【住所又は居所原語表記】122-122 bis, avenue du General Leclerc, 92100 Boulogne-Billancourt, France
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】三浦 雅博
(72)【発明者】
【氏名】平林 知己
【テーマコード(参考)】
2F129
5H181
5L049
【Fターム(参考)】
2F129AA04
2F129DD20
2F129DD34
2F129DD66
2F129EE54
2F129EE84
2F129FF02
2F129FF20
2F129FF32
5H181AA06
5H181AA14
5H181AA16
5H181AA24
5H181BB04
5H181FF13
5H181MA08
5H181MA10
5H181MA13
5H181MA44
5L049CC42
(57)【要約】
【課題】公共交通機関を利用するユーザが、公共交通機関の結節点において、ユーザの利用態様に対応した移動体を利用して、シームレスな乗り継ぎが可能となる移動体管理装置等を提供すること。
【解決手段】公共交通機関が停車を予定している停車予定場所及び停車予定場所の予定到着時刻を含む運行情報を取得する運行情報取得部と、公共交通機関の利用者であって、いずれかの停車予定場所において降車を予定し、停車予定場所から乗り換えるために利用を予定している移動体の検索を実行した利用者を特定する利用者特定部と、利用者の降車の停車予定場所、及び、乗り換えるための移動体を特定し、予定到着時刻又は予定到着時刻よりも前に、停車予定場所において利用者がいずれかの移動体を利用できるように制御する制御情報を生成する制御部と、制御情報を移動体に直接的または間接的に送信する送信部と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
運行されている公共交通機関が停車を予定している停車予定場所及び前記停車予定場所の予定到着時刻を含む運行情報を取得する運行情報取得部と、
前記公共交通機関の利用者であって、いずれかの前記停車予定場所において降車を予定し、降車を予定している前記停車予定場所から乗り換えるために利用を予定している移動体の検索を実行した前記利用者を特定する利用者特定部と、
特定された前記利用者が降車を予定している前記停車予定場所、及び、前記利用者が前記停車予定場所から乗り換えるために利用を予定している移動体を特定し、前記予定到着時刻又は前記予定到着時刻よりも前に、前記停車予定場所において前記利用者がいずれかの移動体を利用できるように制御する制御情報を生成する制御部と、
前記制御情報を前記移動体に直接的または間接的に送信する送信部と、を備える移動体管理装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記予定到着時刻又は前記予定到着時刻よりも前に、前記停車予定場所において、待機している前記移動体の待機台数と、前記停車予定場所において前記利用者が利用を予定している前記移動体の利用予定台数とを比較する比較演算部を備え、
待機している前記移動体の待機台数が、前記利用予定台数よりも多い場合に、前記移動体の待機台数の中で前記利用予定台数に対応する台数の前記移動体に、前記利用者が利用している前記公共交通機関、前記予定到着時刻、及び、前記利用者が移動体を利用することを示す利用予定情報を前記制御情報として前記送信部が送信する請求項1に記載の移動体管理装置。
【請求項3】
前記予定到着時刻又は前記予定到着時刻よりも前に、前記停車予定場所において、待機している前記移動体の待機台数が、前記利用予定台数よりも少ない場合に、前記停車予定場所をサービスエリアとする空車となっている前記移動体を特定し、特定された空車となっている前記移動体の前記停車予定場所への到着時間を推定する到着時間推定部を備え、
前記特定された空車となっている前記移動体の前記停車予定場所への到着時刻が、前記予定到着時刻又は前記予定到着時刻よりも前である場合に、前記利用予定台数から前記待機台数を差し引いた差分の台数を配車可能である移動体とし、前記特定された利用者が前記停車予定場所に到着する以前に前記停車予定場所に配車されるように、前記利用者が利用している前記公共交通機関、前記予定到着時刻、及び、前記利用者が移動体を利用することを示す利用予定情報を前記制御情報として前記送信部が配車可能である移動体に送信する請求項2に記載の移動体管理装置。
【請求項4】
前記到着時間推定部は、前記停車予定場所をサービスエリアとする移動体であって、他の利用者が実車している移動体を特定し、特定された前記移動体が空車となってから前記停車予定場所への到着時刻を推定し、当該到着時刻が、前記予定到着時刻又は前記予定到着時刻よりも前である場合に、前記移動体も前記配車可能な移動体に含める請求項3に記載の移動体管理装置。
【請求項5】
前記利用者が前記公共交通機関を利用する前に、又は、前記利用者が前記公共交通機関を利用している間に、前記利用者の前記検索のリクエスト情報を取得し、前記リクエスト情報から、前記利用者が降車を予定している前記停車予定場所から乗り換えるために利用を予定している移動体の経路を探索する経路探索部と、をさらに備える請求項1から4のいずれか一項に記載の移動体管理装置。
【請求項6】
前記移動体の待機台数及び前記移動体の配車可能な台数の和が、前記利用者の利用予定の台数よりも少ない場合に、前記経路探索部によって特定された前記利用者の最終目的地が所定の範囲内にある場合に、前記利用者を前記最終目的地によってグルーピングするグルーピング部と、
前記グルーピングされた各利用者が前記停車予定場所におい利用を予定している前記移動体の総台数、および、前記利用が予定されている各移動体の収容可能人数を演算し、前記利用者が前記移動体をシェアリングすることによって前記利用者のすべてを前記移動体に収容可能か否かを演算する比較演算部と、を備え、
前記所定の範囲は、前記停車予定場所からの特定の移動体による所要時間が特定の範囲にあって、前記最終目的地の間もあらかじめ定められた範囲にある請求項5に記載の移動体管理装置。
【請求項7】
前記比較演算部は、前記グルーピングされた各利用者が利用することを希望する前記移動体をシェアリングすることによっても移動体にすべての前記利用者を収容可能ではない場合に、前記利用者が乗り継ぎを予定している前記停車予定場所を前記利用者の少なくとも一部が変更することによって、変更された前記停車予定場所において、前記少なくとも一部の利用者を当該利用者が利用することを予定している移動体に収容できるか否かを演算し、収容できる場合に停車予定場所の変更を提案する請求項6に記載の移動体管理装置。
【請求項8】
前記比較演算部は、前記グルーピングされた各利用者が利用することを希望する前記移動体をシェアリングすることによっても移動体にすべての前記利用者を収容可能ではない場合に、少なくとも一部の前記利用者が最終目的地に到着するまでに時間の余裕がある場合には、少なくとも一部の前記利用者の前記停車予定場所から前記余裕がある時間内で前記利用者の最終目的地の前記所定の範囲内に到着することが予定されている他の公共交通機関を提案する請求項6に記載の移動体管理装置。
【請求項9】
前記比較演算部は、前記グルーピングされた各利用者が利用することを希望する前記移動体をシェアリングすることによっても移動体にすべての前記利用者を収容可能ではない場合に、少なくとも一部の前記利用者が最終目的地に到着するまでに時間の余裕がない場合であって、少なくとも一部の前記利用者の最終目的地が前記利用者の前記停車予定場所から所定の距離にあり、天候条件が所定の条件を満たす場合に、前記利用者のためのシェアサイクルを提案する請求項6に記載の移動体管理装置。
【請求項10】
前記比較演算部は、前記グルーピングされた各利用者が利用することを希望する前記移動体をシェアリングすることによっても移動体にすべての前記利用者を収容可能ではない場合に、少なくとも一部の前記利用者が前記停車予定場所から複数の目的地を経由する場合には、前記複数の目的地を経由することを予定している前記利用者にカーシェアリングするための移動体を提案する請求項6に記載の移動体管理装置。
【請求項11】
前記比較演算部が特定した前記停車予定場所の変更、他の公共交通機関、シェアサイクル、または、カーシェアリングに関する情報を前記送信部は前記利用者が前記停車予定場所に到着する前に送信する請求項6から請求項10のいずれか一項に記載の移動体管理装置。
【請求項12】
前記利用者からの肯定応答を取得した場合に、変更または変更されていない停車予定場所のタクシー、他の公共交通機関、シェアサイクル、及び、カーシェアリングを含む移動体の少なくとも1つの手配を実行する請求項6から請求項10のいずれか一項に記載の移動体管理装置。
【請求項13】
前記利用者からの否定応答を取得した場合に、前記比較演算部は、前記利用者からの応答を集計した結果に基づいて、前記利用者が利用を希望する前記移動体を利用するまでに推定される待ち時間を演算し、前記送信部は前記利用者が前記停車予定場所に到着する前に前記推定される待ち時間を送信する請求項6から請求項10のいずれか一項に記載の移動体管理装置。
【請求項14】
請求項1から請求項13にいずれか一項に記載の移動体管理装置と、
マースサービスによって提供される少なくとも1つの移動体を含む移動体管理システム。
【請求項15】
運行されている公共交通機関が停車を予定している停車予定場所及び前記停車予定場所の予定到着時刻を含む運行情報を取得する運行情報取得ステップと、
前記公共交通機関の利用者であって、いずれかの前記停車予定場所において降車を予定し、降車を予定している前記停車予定場所から乗り換えるために利用を予定している移動体の検索を実行した前記利用者を特定する利用者特定ステップと、
特定された前記利用者が降車を予定している前記停車予定場所、及び、前記利用者が前記停車予定場所から乗り換えるために利用を予定している移動体を特定し、前記予定到着時刻又は前記予定到着時刻よりも前に、前記停車予定場所において前記利用者がいずれかの移動体を利用できるように制御する制御情報を生成する制御ステップと、
前記制御情報を前記移動体に直接的または間接的に送信する送信ステップと、を備える移動体管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザにとって必要な移動手段を事前に適切に配置する移動体管理装置、移動体管理システム、及び、移動体管理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来からタクシー等の車両の配車サービスに関して、営業地域内の過去の乗車実績情報及び公共交通機関の運行情報により、利用者の需要を予測し、車両に送信する技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-091274号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来技術では、ユーザの需要が変化した場合に、タクシーの供給を制御する構成にはなっていないために、公共交通機関で移動しているユーザは結節先で、適切な車両を利用できない場合があった。例えば、公共交通機関に遅延が発生した場合、ユーザにとって宴会等の不定期なイベントが発生した場合等に、ユーザは結節先において、車両を利用することを希望するユーザの混雑、集中、及び、待ち状態によってシームレスな乗り継ぎができない場合があった。
【0005】
本発明は、このような従来技術が有する課題に鑑みてなされたものである。そして、本発明の目的は、公共交通機関を利用するユーザが、公共交通機関の結節点において、ユーザの利用態様に対応した移動体を利用して、シームレスな乗り継ぎが可能となる移動体管理装置、及び、移動体管理システム等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の課題を解決するため、本発明の一態様に係る移動体管理装置は、公共交通機関がこれから到着する停車場所と到着時刻を公共交通機関の運行情報から取得する運行情報取得部と、当該公共交通機関に乗車している利用者を特定する利用者特定部と、利用者が降車する停車場所に当該到着時刻以前に、利用者が利用を予定しているマースサービスの移動体を配置する制御部と、移動体に手配情報を配信する送信部と、を備える。
【0007】
上述の課題を解決するため、本発明の他の態様に係る移動体管理システムは、上記移動体管理装置と、マースサービスが提供する少なくとも1つの移動体と、を備える。
【0008】
上述の課題を解決するため、本発明のその他の態様に係る移動体管理方法は、公共交通機関がこれから到着する停車場所と到着時刻を公共交通機関の運行情報から取得する運行情報取得ステップと、当該公共交通機関に乗車している利用者を特定する利用者特定ステップと、利用者が降車する停車場所に当該到着時刻以前に、利用者が利用を予定しているマースサービスの移動体を配置する制御ステップと、移動体に手配情報を配信する送信ステップ部と、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、公共交通機関を利用するユーザが、公共交通機関の結節点において、ユーザの利用態様に対応した移動体を利用して、シームレスな乗り継ぎが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、複数の実施形態に係る移動体管理装置を含む移動体管理システムの動作概要を説明するための模式図である。
図2図2は、複数の実施形態に係る移動体管理装置の構成の一例を示すブロック図である。
図3図3は、図2の移動体管理装置の構成の利用者関連情報特定部および送受信部の一例を示すブロック図である。
図4図4は、図2の移動体管理装置の構成の比較演算部およびグルーピング部の一例を示すブロック図である。
図5A図5Aは、図2に示した移動体管理装置を用いた移動体管理システムの動作の一例を示すフローチャートである。
図5B図5Bは、図2に示した移動体管理装置を用いた移動体管理システムの動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本実施形態に係わる移動体管理装置、移動体管理システム、及び、移動体管理方法の一例について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下で説明する実施形態は、包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の設置位置および接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示に限定する主旨ではない。また、以下の実施形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。さらに、図面の寸法比率は説明の都合上誇張されており、実際の比率と異なる場合がある。
【0012】
また、以下の実施形態及びその変形例には、同様の構成要素が含まれている場合があり、同様の構成要素には共通の符号を付与し、重複する説明を省略する。
【0013】
(移動体管理装置、移動体管理システム、及び、移動体管理方法の概要)
実施形態に係る移動体管理装置等は、Maas(Mobility as a Service:マース)を前提に構成される装置等である。Maasとは、ICTを活用して交通をクラウド化し、公共交通か否か、またその運営主体を問わずに、自家用車以外の全ての交通手段による移動を1つのサービスとして捉え、シームレスにつなぐ新たな移動の概念である。
【0014】
例えば、マースは鉄道及びバスを含む公共交通機関、タクシー、カーシェアリング、シェアサイクルなどの移動体の選択肢を組み合わせてユーザの多様な移動ニーズに応える。また、マースは交通に関する需要データやアンメットニーズ発見の機会を交通事業者にもたらし、新しいビジネスモデルやオペレーションのあり方を提供する次世代のソリューションでもある。
【0015】
実施形態に係る移動体管理装置及び移動体管理システム等の概念を図1に示す。図1の左側に示されるのは、マースプラットフォームであり、マースサービス利用者、シェアサイクル、タクシー、電車及びバス等の公共交通機関、並びに、シェアリングカー等に関する情報が、マースプラットフォームに送信される。
【0016】
実施形態に係る移動体管理装置及び移動体管理システム等は、マースプラットフォームから、マースサービス利用者情報、交通機関運行情報、利用者が交通結節点において利用を希望するマースサービス移動体稼働情報、代替移動体稼働情報等を取得する。なお、交通結節点について、以下の説明において結節点と称する場合がある。
【0017】
実施形態に係る移動体管理装置及び移動体管理システム等は、公共交通機関を利用、又は、利用予定のマースサービス利用者を特定する。また、実施形態に係る移動体管理装置及び移動体管理システムは、マースサービス利用者が乗車する公共交通機関の各結節点における利用予定のマースサービス移動体の情報を取得する。さらに、実施形態に係る移動体管理装置及び移動体管理システム等は、マースサービス利用者が乗車又は乗車予定の公共交通機関の運行情報を取得する。
【0018】
一例として、マースサービス移動体としてタクシーを基本に需給比較演算について最初に説明する。実施形態に係る移動体管理装置及び移動体管理システム等は、各結節点において、利用者が利用を予定しているタクシーの台数と、当該結節点に待機しているタクシーの台数を比較する。利用予定タクシー台数が待機タクシー台数よりも少なければ、待機タクシーに利用予定者の到着時刻等の情報を送信する。
【0019】
利用予定タクシー台数が待機タクシー台数よりも多ければ、各結節点をサービスエリアとする他のタクシーであって、利用者が各結節点に到着する時刻に、待機していることが可能なタクシー(配車可能タクシー)の台数を推定する。その結果、利用予定タクシー台数が、待機タクシー台数及び配車可能タクシーの台数の和よりも少なければ、待機タクシー及び配車可能タクシーに利用予定者の到着時刻等の情報を送信する。
【0020】
利用予定タクシー台数が、待機タクシー台数及び配車可能タクシーの台数の和よりも多ければ、公共交通機関を利用、又は、利用予定のマースサービス利用者のグルーピングを実行する。グルーピングは利用者の最終目的地が所定の範囲内にある利用者を1つのグループ又は利用者群として分類する。所定の範囲は、利用者が最寄りの結節点からマースサービス移動体を利用した場合の移動時間の過去の所要時間によって、最終目的地を含む特定の範囲を当該所定の範囲として、システムが決定することが可能である。また、利用者の最寄りの結節点からのマースサービス移動体の移動距離によって、最終目的地を含む特定の範囲を当該所定の範囲として、システムが決定することも可能である。
【0021】
グルーピングによるタクシーの相乗りによって、利用者を待機タクシー及び配車可能タクシーによって収容可能である場合には、待機タクシー及び配車可能タクシーに利用予定者の到着時刻及び相乗りに関する情報等の情報を送信する。また、利用者にも相乗りに関する情報等の情報を送信する。
【0022】
グルーピングによるタクシーの相乗りによっても、利用者を待機タクシー及び配車可能タクシーによって収容可能ではない場合には、最終目的地の到着時刻に余裕がある利用者が当該所定の範囲にバス停を有するバスの利用が可能か否かを判定する。例えば、バスを代替サービス移動体とした場合のバスの稼働状況または運行情報を取得し、利用者が最終目的地に到着予定時刻に到着可能か否かを判定する。利用者の少なくとも一部の人がバスを利用することによって、利用者を待機タクシー及び配車可能タクシーによって収容可能であれば、当該少なくとも一部の利用者にバス利用に関する情報等の情報を送信する。また、残りの利用者にタクシーの相乗りが必要であれば、当該残りの利用者に相乗りに関する情報等の情報を送信する。さらに、待機タクシー及び配車可能タクシーに利用予定者の到着時刻及び相乗りに関する情報等の情報を送信する。
【0023】
また、グルーピングによるタクシーの相乗り及びバスの利用によっても、利用者をサービス移動体に収容できない場合には、最終目的地の到着時刻に余裕がない利用者であって最終目的地が結節点から近い場合に、シェアサイクルの可能性を判定する。例えば、シェアサイクルを代替サービス移動体とした場合のシェアサイクルの稼働状況を取得し、利用可能なシェアサイクルが存在するか否かを確認する。利用可能なシェアサイクルが存在する場合には、利用者が最終目的地に到着予定時刻に到着可能か否かを判定する。また、天候情報をマースまたは他の情報提供機関から取得し、シェアサイクルが利用可能な状態であるか否かを判定する。シェアサイクルが利用可能な利用者が存在すれば、当該利用者にシェアサイクルに関する情報を送信する。また、シェアサイクルの管理体に利用予定者の到着時刻に関する情報等の情報を送信する。
【0024】
また、グルーピングによってグルーピングされた利用者の中に、複数の目的地を持つ利用者が存在する場合には、カーシェアリングが利用可能か否かを判定する。例えば、シェアリングされる車両等の移動体を代替サービス移動体とした場合のシェアリングされる車両の稼働状況を取得し、利用者が結節点においてカーシェアリングが利用可能か否かを判定する。この場合のカーシェアリングが可能な結節点は、利用者の降車予定駅の前後であってもよい場合がある。例えば、複数の目的地の何れかに、利用者の降車予定駅とは異なる駅に近い目的地がある場合に、カーシェアリングを利用者に提案する場合があり得る。
【0025】
また、グルーピングされた利用者が降車予定の結節点の前後の結節点を実施形態に係る移動体管理装置及び移動体管理システム等が提案することも可能である。例えば、待機タクシー、配車可能タクシー、タクシーの相乗り、バス、シェアサイクル、カーシェアリングの少なくとも一つ以上の組み合わせによって、降車予定の結節点の前後の結節点において利用者を収容可能である場合に提案される構成が可能である。
【0026】
以上、説明したように、実施形態に係る移動体管理装置及び移動体管理システム等は、公共交通機関の各結節点を利用予定である利用者の希望乗り換えサービスの需要量を把握し、希望乗り換えサービスの供給可能性を推定する。また、利用者の最終目的地に基づいて、利用者をグルーピングし、以下の推定、利用者への提案を実行することも可能である。例えば、利用者の希望乗り換えサービスの相乗りによる収容可能性を推定し、利用者に提案する場合がある。また、利用者の希望乗り換えサービスの供給量が不足する場合には、バス、シェアサイクル、カーシェアリング等の代替サービス移動体の供給可能性を推定し、利用者に提案する場合がある。さらに、利用者が降車する結節点を変更し、さまざまな収容可能性を推定し、推定した結果に基づいて、利用者に乗り換えサービスを提案する場合がある。
【0027】
以上の構成によれば、公共交通機関を利用するユーザが、公共交通機関の結節点において、ユーザの利用態様に対応した移動体を利用して、シームレスな乗り継ぎが可能となるように構成される移動体管理装置、及び、移動体管理システム等を提供可能となる。
【0028】
(移動体管理装置の詳細)
図2を参照して、複数の実施形態に係る移動体管理装置100の詳細構成例を説明する。移動体管理装置100は、利用者関連情報特定部110、制御部120、送受信部130、及び、記憶部140を備える。また、移動体管理装置100は、マースプラットフォームと連携し、マースサービス利用ユーザ情報、公共交通機関の運行情報、マースサービスに係わる移動体の稼働情報、マースサービスに係わる代替移動体の稼働情報等の情報を取得可能に構成される。
【0029】
マースサービス利用ユーザ情報には、マースサービスを利用する各ユーザのユーザ識別情報、ユーザ位置情報、ユーザ移動速度情報、ユーザがマースサービスの検索を実行した検索履歴情報等の情報が含まれる。また、検索履歴情報には、ユーザの最終目的地情報、ユーザの行動計画情報またはユーザの経路探索に対する経路案内情報(途中経由地情報を含む)、ユーザのサービス利用対象の移動体に関する情報が含まれる場合がある。
【0030】
公共交通機関の運行情報には、平常時の平日、および、土日祝日の各結節点における到着予定時刻情報、出発時刻情報、遅延情報、遅延した場合の各結節点における到着予定時刻情報、出発時刻情報等の情報が含まれる。公共交通機関には、電車、バス、船舶、航空機等のマースサービス利用者を含む不特定多数の人々が乗車可能な交通機関が含まれる場合がある。
【0031】
マースサービスに係わる移動体の稼働情報には、サービスステータス情報、移動体の位置情報、移動体の速度情報、移動体のサービスエリア内における渋滞情報、工事情報、イベント情報、事故情報等の情報が含まれ得る。マースサービスに係わる移動体の一例として、タクシーを例にすると、サービスステータス情報には、タクシーに利用者が乗車中であるか否か(タクシーが空車中か否か)、タクシーが送迎中であるか否か等の情報が含まれ得る。また、タクシーに利用者が乗車中である場合には、空車となることが推定される時刻情報及び位置情報が、サービスステータス情報に含まれる場合があり得る。
【0032】
マースサービスに係わる代替移動体の稼働情報には、サービスステータス情報、移動体の位置情報、移動体の速度情報、移動体のサービスエリア内における渋滞情報、工事情報、イベント情報、事故情報等の情報が含まれ得る。マースサービスに係わる代替移動体の一例として、バスを例にすると、サービスステータス情報には、バスの利用者の人数、バスの利用者が降車するバス停情報、バス停の位置情報が含まれ得る。また、代替移動体の一例として、バスを例にすると、稼働情報には、平常時の平日、および、土日祝日の各バス停における到着予定時刻情報、出発時刻情報、遅延情報、遅延した場合の各バス停における到着予定時刻情報、出発時刻情報等の情報が含まれる。また、マースサービスに係わる代替移動体には、シェアリングの対象となる、自転車、電動自転車、オートバイ、自動車等の車両が含まれ得る。さらに、前述したように、マースサービスに係わる代替移動体には、バスが含まれ得る。
【0033】
本実施形態におけるマースサービスに係わる移動体としてタクシーを想定し、マースサービスに係わる代替移動体として、バス、シェアリングの対象となる自転車、電動自転車、オートバイ、自動車等の車両を挙げているが、これに限定されなくともよい。例えば、マースサービスの利用者が結節点において、利用を予定されている移動体の数が多いものをマースサービスに係わる移動体として想定し、それ以外の移動体をマースサービスに係わる代替移動体として想定することが可能である。
【0034】
利用者関連情報特定部110は、マースサービスを利用する利用者に関連する情報をマースプラットフォーム400から取得することが可能に構成される。図3に示すように利用者関連情報特定部110には、利用者特定部111、予定降車場所特定部112、利用予定移動体特定部113が含まれ得る。また、利用者関連情報特定部110は、各ブロックにおいて特定した情報を比較演算部121に送信するようにも構成される。
【0035】
利用者特定部111は、マースプラットフォーム400から提供されるマースサービス利用ユーザ情報から、公共交通機関を現在利用している、または、利用しているユーザを特定し、ユーザ識別情報を取得することが可能である。例えば、マースサービス利用ユーザの位置情報から公共交通機関に乗車しているか、駅構内にいるか、駅に向かっているか等の情報を利用者特定部111は利用者ごとに特定することが可能である。ただし、本実施形態においては、利用者が公共交通機関に乗車しているか否かを特定し、乗車している車両ごとに、以下の処理を実施することを基本とする。
【0036】
予定降車場所特定部112は、公共交通機関に乗車している利用者が降車を予定している降車場所を公共交通機関の停車予定場所から特定することが可能に構成される。例えば、利用者が公共交通機関の乗車前または乗車中にマースサービスの検索を実行することによって、利用者が降車を予定している降車場所を公共交通機関の停車予定場所から特定することが可能になる。また、利用者が当該公共交通機関を乗車後に日常降車している、または、降車する確率が高い降車場所を公共交通機関の停車予定場所から特定することが可能になる。
【0037】
利用予定移動体特定部113は、公共交通機関に乗車している利用者が降車を予定している公共交通機関の停車予定場所から利用を予定しているマースサービスの移動体を特定することが可能に構成される。例えば、利用者が公共交通機関の乗車前または乗車中にマースサービスの検索を実行することによって、利用者が降車を予定している停車予定場所から検索したマースサービスの移動体を特定することが可能になる。また、利用者が当該公共交通機関を乗車後に日常降車している、または、降車する確率が高い公共交通機関の停車予定場所から使用する頻度が高いマースサービスの移動体を特定することが可能になる。
【0038】
利用者関連情報特定部110は、利用者特定部111が特定したサービス利用者及びサービス利用者が乗車している公共交通機関の識別情報に関する情報を比較演算部121に送信する。また、利用者関連情報特定部110は、予定降車場所特定部112が特定したサービス利用者が降車する停車予定場所に関する情報を比較演算部121に送信する。さらに、利用者関連情報特定部110は、利用予定移動体特定部113が特定したサービス利用者が停車予定場所から利用を予定しているマースサービスの移動体に関する情報を比較演算部121に送信する。
【0039】
制御部120は、CPU(Central Processing Unit)等を備えるマイクロコンピュータを用いて実現可能である。マイクロコンピュータを制御部120として機能させるためのコンピュータプログラム(移動体管理プログラム)を、マイクロコンピュータにインストールして実行する。これにより、マイクロコンピュータは、制御部120が備える複数の情報処理部として機能する。なお、本明細書では、ソフトウェアによって制御部120を実現する例を示すが、もちろん、各情報処理を実行するための専用のハードウェアを用意して、制御部120を構成することも可能である。専用のハードウェアには、実施形態に記載された機能を実行するようにアレンジされた特定用途向け集積回路(ASIC)や従来型の回路部品のような装置を含む。また、制御部120に含まれる複数の情報処理部を個別のハードウェアにより構成してもよい。更に、制御部120は、移動体管理の対象となる移動体の制御に用いる電子制御装置と兼用してもよい。
【0040】
制御部120には、比較演算部121及びグルーピング部122が含まれる。
【0041】
比較演算部121は、サービス利用者が降車する停車予定場所において、サービス利用者が検索した、または、利用が予定されるサービス移動体を供給できるか否かを推定演算する。例えば、利用が予定されるサービス移動体がタクシーである場合を中心に以下に説明する。図4に示すように比較演算部121には、利用移動体候補抽出部121a、到着時間推定部121b、利用移動体判定部121c、及び、需給推定部121dが含まれ得る。また、比較演算部121は、利用が予定されるサービス移動体が、サービス利用者の需要を満たすことができないと演算した場合には、比較演算部121が取得した情報をグルーピング部122に送信するようにも構成される。
【0042】
利用移動体候補抽出部121aは、サービス利用者が降車する停車予定場所における、サービス利用者が検索した、または、利用が予定されるサービス移動体であるタクシーの待機台数をマースプラットフォーム400から取得する。また、停車予定場所においてタクシーを利用予定の利用者の人数又は各利用者のタクシー要求台数を利用者関連情報特定部110から取得する。待機台数が利用者の要求台数を上回る場合には、後述する需給推定部121dからサービス利用者が降車する停車予定場所において待機しているタクシー又はタクシー指令所にサービス利用者に関する情報等の情報を送信部131から送信する。需給推定部121dから送信される情報には、サービス利用者が利用する公共交通機関の停車予定場所への到着予定時刻に関する情報が含まれ得る。待機台数が利用者の要求台数を下回る場合には、利用移動体候補抽出部121aは停車予定場所をサービスエリアとする他のタクシーであって空車または空車が見込まれるタクシー候補を抽出する。利用移動体候補抽出部121aは、当該下回る台数に関する情報、及び、空車または空車が見込まれるタクシー候補に関する情報を到着時間推定部121bに送信する。空車または空車が見込まれるタクシー候補は、利用移動体候補抽出部121aがマースプラットフォーム400のサービス移動体稼働情報から抽出することが可能である。
【0043】
到着時間推定部121bは、公共交通機関の運行情報、及び、サービス移動体稼働情報から、サービス利用者が降車する停車予定場所に公共交通機関及び空車または空車が見込まれるタクシー候補が到着する時刻を推定する。当該タクシー候補が到着する時刻が公共交通機関の到着時刻以前である場合には、到着時間推定部121bは、当該下回る台数の当該タクシー候補に関する情報を利用移動体判定部121cに送信する。
【0044】
利用移動体判定部121cは、到着時間推定部121bから受信した当該タクシー候補に関する情報から、利用者が利用する移動体を判定する。例えば、サービス利用者が降車する停車予定場所に最も早く到着する可能性がある当該タクシー候補から予定到着時刻順にタクシーを選定することが可能である。また、当該タクシー候補の走行場所または停車場所から停車予定場所に向かう方向に渋滞情報、工事情報がある場合には、当該タクシー候補を割り当てないように構成されることも可能である。また、当該タクシー候補の運転手の過去の配車実績から、予定時刻に遅れる傾向がある運転手のタクシーを割り当てないように構成されることも可能である。
【0045】
利用移動体判定部121cは、上述したように、到着時間推定部121bから受信した当該タクシー候補に関する情報から、利用者が利用可能なタクシーに関する情報を需給推定部121dに送信する。
【0046】
需給推定部121dは、サービス利用者が降車する停車予定場所のサービス利用者の要求台数が、当該停車予定場所の待機タクシー台数および当該停車予定場所に配車可能な配車可能台数の和よりも多い場合には、不足情報をグルーピング部122に送信する。また、需給推定部121dは、利用者の停車予定場所の待機タクシー台数および当該停車予定場所に配車可能な配車可能台数の和が、サービス利用者の要求台数よりも多い場合には、送信部131から配車タクシー等に利用者に関連する情報を送信する。利用者に関連する情報には、利用者の識別情報、利用者の停車予定場所への到着予定時刻情報等の情報が含まれ得る。
【0047】
グルーピング部122は、マースプラットフォーム400からマースサービスを利用する利用者に関連する情報等の情報を取得し、利用者をグルーピングし、グルーピングされた利用者群ごとに、移動体の代替利用案を提示することが可能に構成される。図4に示すようにグルーピング部122には、経路探索部122a、サービス利用者グルーピング部122b、グルーピング需給推定部122c、降車場所変更推定部122d、代替モーダル判定部122eが含まれ得る。
【0048】
経路探索部122aは、マースサービスの利用者がマースサービスによって経路探索を実施した場合の利用者識別情報、降車場所情報、利用移動体情報、経由地情報、最終目的地情報等の情報を経路探索情報として取得する。経路探索部122aは、取得した情報をサービス利用者グルーピング部122bに送信する。
【0049】
サービス利用者グルーピング部122bは、マースサービスの利用者の最終目的地が所定の範囲内にある利用者を1つのグループまたは利用者群としてグルーピングを実行する。所定の範囲は、利用者の公共交通機関の降車場所から最終目的地までの移動体の所要時間が特定の範囲にあって、最終目的地間の距離または移動時間が他の特定の範囲にある利用者によって分類することが可能である。当該特定の範囲および当該他の特定の範囲は、移動体管理システムによって任意の値に設定することが可能である。
【0050】
グルーピング需給推定部122cは、最終目的地によってグルーピングした各グループの利用者の人数をサービス利用者グルーピング部122bから受信する。また、グループの利用者が利用を予定しているタクシーの台数をサービス利用者グルーピング部122bから受信する。各結節点において、待機または配車可能なタクシーの台数から、利用者が相乗りをした場合に、グループの利用者の全員がタクシーに乗車可能か否かを判定する。タクシーの種類によっても、一台のタクシーに乗車可能な利用者の人数が異なるため、グルーピング需給推定部122cは、タクシーの種類も取得する。グループの利用者の全員がタクシーに乗車可能である場合には、降車場所変更推定部122d及び代替モーダル判定部122eを実行しない場合もある。
【0051】
降車場所変更推定部122dは、グループが降車場所を変更した場合に、変更した降車場所における待機または配車可能なタクシーの台数から、利用者が相乗り等をした場合に、グループの利用者の全員がタクシーに乗車可能か否かを判定する。グループの利用者の全員がタクシーに乗車可能である場合には、代替モーダル判定部122eを実行しない場合もある。
【0052】
代替モーダル判定部122eは、グルーピングした利用予定者の中で最終目的地に到着するまでに時間に余裕がある利用者に乗り合いバスを提案する場合がある。また、目的地を複数有する利用者にカーシェアリングを提案する場合がある。さらに、結節点の近くに最終目的地がある利用者であって、サイクリング可能な天候である場合には、当該利用者にシェアサイクルを提案する場合がある。なお、乗り合いバスの乗車場、カーシェアリングの提供場所、シェアサイクルの提供場所は、公共交通機関の相互に異なる停車予定場所であってもよい。
【0053】
送受信部130は、マースサービスの要求の受付情報、配車情報等について送受信する機能を有している。送受信部130は、送信部131と受信部132と、を備える。
【0054】
送信部131は、マースサービスの移動体または移動体を管理する他のシステムに、利用者が利用予定であることを示す情報、利用者が降車する停車予定場所、停車予定場所への予定到着時刻、利用者が利用している公共交通機関の情報等の情報を送信する。また、利用者の氏名情報、一度に乗車する利用者の人数等の情報が送信情報に含まれてもよい場合がある。
【0055】
また、送信部131は、利用者が検索したマースサービスに対する結果情報を利用者に送信する。なお、利用者へのマースサービスに対する結果情報の送信は、利用者が利用している公共交通機関の利用者が降車予定である停車予定場所に到着する前に送信されることが必要である。
【0056】
受信部132は、マースプラットフォームから、マースサービス利用者情報、交通機関運行情報、利用者が交通結節点において利用を希望するマースサービス移動体稼働情報、代替移動体稼働情報等を取得する。また、受信部132は、利用者がマースサービスに対する検索を実施した場合の情報を受信する。受信された情報は、図2においては、マースプラットフォーム400から、各ブロックが受信するように記載されている。
【0057】
送信部131及び受信部132は、いわゆる移動体通信により、情報を無線にて外部の電子装置へ送信することができる。または、無線LAN、ブルートゥース(Bluetooth)(登録商標)の少なくとも1つの近距離無線通信規格に基づく無線通信を行ってもよい。あるいは、送信部131及び受信部132は、ケーブル(例えば、USBケーブル、光ケーブル)で接続して外部と通信を行っても構わない。
【0058】
また、送信部131及び受信部132における通信先は、例えば、クラウド上に配置されたコンピュータ、ユーザが携帯する携帯電話機、PHS電話機、スマートフォン、携帯情報端末等のユーザ使用電子装置であってもよい。
【0059】
サービス移動体200は、上述したように、タクシー、バス、シェアサイクル、シェアカー、シェア電動自転車、シェア電動バイク、ハイヤー、乗り合いバス等の移動体を含むことが可能である。
【0060】
サービス利用者300は、マースサービスを利用するユーザを想定している。
【0061】
記憶部140は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体である。例えば、記憶部140は、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)であり得る。また、記憶部140は、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスク等であり得る。記憶部140は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)等と呼ばれてもよい。記憶部140は、本開示の一実施の形態に係る自律移動を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール等を保存することができる。
【0062】
上記構成によれば、公共交通機関を利用するユーザが、公共交通機関の結節点において、ユーザの利用態様に対応した移動体を利用して、シームレスな乗り継ぎが可能となる。
【0063】
(移動体管理装置及び移動体管理システムの動作例)
次に、図5A及び図5Bを参照して、図2に示した移動体管理装置100及び移動体管理システム1000の基本動作の概要の一例についてフローチャートを用いて説明する。なお、以下のフローチャートでは、マースサービスの利用者が結節点において移動体としてタクシーを指定して検索を実施した場合を中心に説明する。しかし、前述したように、マースサービスの移動体はタクシーには限定されず、さまざまな乗り物が含まれることが可能である。
【0064】
ステップS501において、移動体管理装置100は、マースユーザがマースサービスへアクセスし、マースサービスの移動体の検索を実施した利用者の検索情報を取得する。検索情報には、マースサービスの検索を実施した利用者の識別情報、位置情報、移動情報、降車を予定している停車予定場所、停車予定場所からの目的地情報、目的地への到着希望時間情報等の情報が含まれることが可能である。次に、移動体管理装置100は、ステップS502に進む。
【0065】
ステップS502において、移動体管理装置100は、運行中の公共交通機関の運行情報、及び、マースサービスの利用者の位置情報及び移動情報等の情報から当該公共交通機関に乗車しているマースサービスの利用者を特定する。次に、移動体管理装置100は、ステップS503に進む。
【0066】
ステップS503において、移動体管理装置100は、ステップS502において特定された利用者の降車場所である結節点(公共交通機関の停車予定場所)を特定し、各結節点における利用者を特定する。次に、移動体管理装置100は、ステップS504に進む。
【0067】
ステップS504において、移動体管理装置100は、ステップS503において特定された利用者の降車場所である結節点において、利用者が利用予定のサービス車としての移動体の種類(移動体がタクシーの場合を想定)を特定する。すなわち、各結節先においてサービス車としてのタクシーを利用する予定の利用者を特定する。次に、移動体管理装置100は、ステップS505に進む。
【0068】
ステップS505において、移動体管理装置100は、各結節先において待機しているサービス車としてのタクシーの待機台数を取得する。次に、移動体管理装置100は、ステップS506に進む。
【0069】
ステップS506において、移動体管理装置100は、結節先ごとに、タクシーの待機台数とタクシーを利用予定の利用者の人数を比較する。タクシーの待機台数がタクシーを利用予定の利用者の人数よりも多い場合(ステップS506:YES)には、移動体管理装置100はステップS501に戻り、他の列車等に対して、上記ステップを繰り返す。また、ステップS501に戻る前に、タクシーを利用予定の利用者がいるという情報、利用者の予定到着時刻を含む情報を結節点において待機しているタクシーに直接またはタクシーを管理する他のシステムを経由して間接的に通知することも可能である。また、タクシーの待機台数がタクシーを利用予定の利用者の人数よりも少ない場合(ステップS506:NO)には、移動体管理装置100はステップS507及びステップS509に進む。
【0070】
ステップS507において、移動体管理装置100は、結節先ごとに、各結節点をサービスエリアとするタクシーの稼働情報を取得する。稼働情報には、上記で説明した様々な情報が含まれ得る。次に、移動体管理装置100は、ステップS508に進む。
【0071】
ステップS508において、移動体管理装置100は、結節先ごとに、各結節点をサービスエリアとするタクシーの当該結節点への到着予定時刻を推定する。当該タクシーには空車となっているタクシーと他の利用者が実車しているタクシーが含まれ得る。他の利用者が実車しているタクシーは、他の利用者が乗車している状態から降車し、当該結節点へ到着するまでの到着予定時刻を推定することが可能に構成される。
【0072】
ステップS509において、移動体管理装置100は、特定された利用者が乗車している公共交通機関の運行情報を取得する。次に、移動体管理装置100は、ステップS510に進む。
【0073】
ステップS510において、移動体管理装置100は、特定された利用者が乗車している公共交通機関の予定停車場所への予定到着時刻を抽出する。次に、移動体管理装置100は、ステップS511に進む。
【0074】
ステップS511において、移動体管理装置100は、結節点ごとに、特定された利用者が乗車している公共交通機関の予定到着時刻までに、結節点に到着可能なサービス車としてのタクシーを特定する。なお、特定された利用者が乗車している公共交通機関の予定到着時刻までに、結節点に到着可能なタクシーの台数が、結節点でタクシーを利用予定の人数よりも多い場合には、ステップS501に戻ってもよい。なお、ステップS501に戻る前にタクシーを利用予定の利用者がいるという情報、利用者の予定到着時刻を含む情報を予定到着時刻までに、結節点に到着可能なタクシーに直接またはタクシーを管理する他のシステムを経由して間接的に通知することも可能である。次に、移動体管理装置100は、ステップS512に進む。
【0075】
ステップS512において、移動体管理装置100は、公共交通機関に乗車していることが特定された利用者の目的地情報を取得する。そして、上述したように利用者の最終目的地情報によって、利用者をグルーピング化し、利用者を利用者の最終目的地が近接するグループに分類する。次に、移動体管理装置100は、ステップS513に進む。
【0076】
ステップS513において、移動体管理装置100は、各結節点において、待機および配車可能なタクシーの台数と、結節点における利用者が必要とするタクシーの台数を特定する。次に、移動体管理装置100は、ステップS514に進む。
【0077】
ステップS514において、移動体管理装置100は、待機および配車可能なタクシーによって、各結節点において、利用者の全員がタクシーに相乗りできる場合には、利用するタクシーを特定する。タクシーを相乗りで利用する利用者何人いるかという情報、利用者の予定到着時刻を含む情報を予定到着時刻までに結節点に到着可能なタクシーに直接またはタクシーを管理する他のシステムを経由して間接的に通知する。移動体管理装置100は、待機および配車可能なタクシーによって、各結節点において、利用者の全員がタクシーに相乗りできない場合には、移動体管理装置100は、ステップS515に進む。
【0078】
ステップS515において、移動体管理装置100は、利用者の少なくとも一部が相乗りバス、シェアリングカー、シェアリングサイクル等の他のサービス移動体が利用可能か否かを判断し、利用可能なサービス移動体等に利用予定情報を送信する。また、利用者の同意が得られた段階で、移動体管理装置100は、利用可能なサービス移動体等に利用情報を送信する。
【0079】
ステップS516において、移動体管理装置100は、ステップS515において特定したサービス移動体の情報を利用者に通信する。
【0080】
上記動作によれば、公共交通機関を利用するユーザが、公共交通機関の結節点において、ユーザの利用態様に対応した移動体を利用して、シームレスな乗り継ぎが可能となる。
【0081】
(変形例)
上記実施形態における説明では、1人に1台のタクシーを供給できない場合に、利用者のグルーピングを実行する形態について説明してきたが、本実施形態は上記構成に限定されるわけではない。例えば、公共交通機関に乗車している利用者の最終目的地から最初にグルーピングを実行し、最初にグループごとに相乗りによってタクシーを利用できるか否かを判定してもよい。そして、その後、各種の代替サービス移動体を検討する構成とすることも可能である。このような構成によれば、次々と結節点に到着する公共交通機関に対して効率よくタクシーを配車することが可能になる場合がある。
【0082】
(実施形態による特徴及び効果)
以下に、本実施形態に係わる移動体管理装置100および移動体管理システム1000の特徴及び効果について記載する。
【0083】
本開示の第1の態様に係わる移動体管理装置100は、運行されている公共交通機関が停車を予定している停車予定場所及び停車予定場所の予定到着時刻を含む運行情報を取得する運行情報取得部を備えることが好ましい。なお、運行情報取得部は受信部132が運行情報取得機能を実行することによって実現されてもよい。また、移動体管理装置100は、公共交通機関の停車予定場所において降車を予定し、降車を予定している停車予定場所から乗り換えるために利用を予定している移動体の検索を実行した利用者を特定する利用者特定部111を備えることが好ましい。さらに、移動体管理装置100は以下の処理を実行する制御部120を備えることが好ましい。制御部120は、特定された利用者の停車予定場所、及び、停車予定場所から乗り換えるための移動体を特定し、予定到着時刻又は予定到着時刻よりも前に、停車予定場所において利用者が移動体を利用できるように制御する制御情報を生成することが好ましい。さらに、移動体管理装置100は、制御情報を移動体に直接的または間接的に送信する送信部131を備えることが好ましい。
【0084】
上記構成によれば、公共交通機関を利用するユーザが、公共交通機関の結節点において、ユーザの利用態様に対応した移動体を利用して、シームレスな乗り継ぎが可能となる。
【0085】
本開示の第2の態様に係わる移動体管理装置100の制御部120は、停車予定場所で予定到着時刻以前に待機している移動体の待機台数と、停車予定場所で利用者が予定している移動体の利用予定台数とを比較する比較演算部121を備えることが好ましい。移動体管理装置100は、移動体の待機台数が利用予定台数よりも多い場合に、待機台数の中から利用予定台数に対応する移動体に、以下の情報を制御情報として送信部131から送信することが好ましい。制御情報は、利用者が利用する公共交通機関、予定到着時刻、及び、利用者が移動体を利用する利用予定情報を含むことが好ましい。
【0086】
上記構成によれば、公共交通機関を利用するユーザが、公共交通機関の結節点において、ユーザの利用態様に対応した移動体を結節点で待機している移動体から抽出することによって、シームレスな乗り継ぎを可能とすることが可能な場合がある。
【0087】
本開示の第3の態様に係わる移動体管理装置100は、予定到着時刻又は予定到着時刻よりも前に、停車予定場所において待機している移動体の待機台数が、利用予定台数よりも少ない場合に到着時間推定部121bを備えることが好ましい。到着時間推定部121bは、停車予定場所をサービスエリアとする空車となっている移動体を特定し、特定された空車となっている移動体の停車予定場所への到着時間を推定することが好ましい。また、到着時間推定部121bは、特定された空車となっている移動体の停車予定場所への到着時刻が、予定到着時刻以前である場合に、利用予定台数から待機台数を差し引いた差分の台数を配車可能である移動体とすることが好ましい。送信部131は、停車予定場所に配車されるように、利用者が利用している公共交通機関、予定到着時刻、及び、利用者が移動体を利用することを示す利用予定情報を制御情報として配車可能である移動体に送信することが好ましい。
【0088】
上記構成によれば、公共交通機関を利用するユーザが、公共交通機関の結節点において、ユーザの利用態様に対応した移動体を、結節点をサービスエリアとする空車の移動体を含めて利用して、シームレスな乗り継ぎを可能とすることが可能な場合がある。
【0089】
本開示の第4の態様に係わる移動体管理装置100の到着時間推定部121bは、停車予定場所をサービスエリアとする移動体であって、他の利用者が実車している移動体を特定し、以下の機能を実行することが好ましい。すなわち、到着時間推定部121bは、特定された移動体が空車となってから停車予定場所への到着時刻を推定し、当該到着時刻が、予定到着時刻以前である場合に、移動体も配車可能な移動体に含めることが好ましい。
【0090】
上記構成によれば、公共交通機関を利用するユーザが、公共交通機関の結節点において、ユーザの利用態様に対応した移動体を、結節点をサービスエリアとする空車または実車中の移動体を含めて利用し、シームレスな乗り継ぎを可能とする場合がある。
【0091】
本開示の第5の態様に係わる移動体管理装置100は、利用者の停車予定場所から乗り換えるために利用を予定している移動体の経路を探索する経路探索部122aを備えることが好ましい。経路探索部122aは、利用者が公共交通機関を利用する前、又は、公共交通機関を利用している間に、利用者の検索のリクエスト情報を取得し、リクエスト情報から経路を探索することが好ましい。
【0092】
上記構成によれば、公共交通機関を利用するユーザが、移動体を利用して移動する経由目的地及び最終目的地を探索することが可能になる。また、マースサービスの利用者であるユーザが過去に検索したリクエスト情報によって、ユーザが通常利用する停車予定場所、及び、移動体の種類を含めた情報を取得することも可能になる。その結果、ユーザの位置情報や移動速度情報等から、利用公共交通機関を特定した場合に、ユーザが通常利用する停車予定場所、及び、移動体の種類を利用することも可能である場合がある。
【0093】
本開示の第6の態様に係わる移動体管理装置100は、利用者を最終目的地によってグルーピングするグルーピング部122を備えることが好ましい。グルーピング部122は、移動体の待機台数及び移動体の配車可能な台数の和が、利用者の利用予定の台数よりも少ない場合に、経路探索部によって特定された利用者の最終目的地が所定の範囲内にある場合にグルーピングすることが好ましい。移動体管理装置100は、利用者のすべてを移動体に収容可能か否かを演算する比較演算部121を備えることが好ましい。比較演算部121は、グルーピングされた各利用者が停車予定場所において利用を予定している移動体の総台数、および、利用が予定されている各移動体の収容可能人数を演算することが好ましい。さらに、利用者が移動体をシェアリングすることによって利用者のすべてを移動体に収容可能か否かを演算することが好ましい。当該所定の範囲は、停車予定場所からの特定の移動体による所要時間が特定の範囲にあって、最終目的地の間もあらかじめ定められた範囲にあることが好ましい。当該特定の範囲、当該あらかじめ定められた範囲はシステムが任意の値に設定することが可能である。
【0094】
上記構成によれば、公共交通機関を利用するユーザの最終目的地が近接するユーザをグループ化することによって、利用する移動体をグループでシェアリングさせることも可能になり、移動体を効率的に利用させることも可能になる場合がある。
【0095】
本開示の第7の態様に係わる移動体管理装置100の比較演算部121は、グルーピングされた各利用者が利用することを希望する移動体をシェアリングすることによっても移動体にすべての利用者を収容可能ではない場合に以下の処理を実行可能である。すなわち、比較演算部121は、乗り継ぎを予定している停車予定場所を利用者の少なくとも一部が変更することによって、利用者が利用することを予定している移動体に収容できるか否かを演算し、収容できる場合に提案することが好ましい。
【0096】
上記構成によれば、公共交通機関の利用者が、公共交通機関の結節点を変更して、所望の検索した移動体に各個人が一人ずつ乗車または乗り合いして乗車できる場合がある場合には、降車する結節点を変更し、シームレスな乗り継ぎが可能となる場合がある。
【0097】
本開示の第8の態様に係わる移動体管理装置100の比較演算部121は、グルーピングされた各利用者が利用することを希望する移動体をシェアリングすることによっても移動体にすべての利用者を収容可能ではない場合に以下の処理を実行可能である。すなわち、比較演算部121は、少なくとも一部の利用者が最終目的地に到着するまでに時間の余裕がある場合には以下の処理を実行することが好ましい。すなわち、比較演算部121は、少なくとも一部の利用者の停車予定場所から余裕がある時間内で利用者の最終目的地の所定の範囲内に到着することが予定されている他の公共交通機関を提案することが好ましい。
【0098】
上記構成によれば、公共交通機関を利用するユーザが、公共交通機関の結節点において、タクシー等の移動体が混雑している場合に、目的地に時間内に到着可能な乗り合いバス等を提案することによって、シームレスな乗り継ぎが可能となる場合がある。
【0099】
本開示の第9の態様に係わる移動体管理装置100の比較演算部121は、グルーピングされた各利用者が利用することを希望する移動体をシェアリングすることによっても移動体にすべての利用者を収容可能ではない場合に以下の処理を実行可能である。すなわち、比較演算部121は、少なくとも一部の利用者が最終目的地の到着時間に余裕がないが、当該利用者の最終目的地が停車予定場所の近傍であり、天候の所定の条件がサイクリング可能な条件の場合に、利用者にシェアサイクルを提案することが好ましい。すなわち、天候条件がサイクリング可能な場合に、利用者にシェアサイクルを提案することが好ましい。
【0100】
上記構成によれば、公共交通機関を利用するユーザが、公共交通機関の結節点において、タクシーや乗り合いバスを利用できない場合であっても、シェアサイクルを提案し、ユーザがシームレスな乗り継ぎが可能となる場合がある。
【0101】
本開示の第10の態様に係わる移動体管理装置100の比較演算部121は、グルーピングされた各利用者が利用することを希望する移動体をシェアリングすることによっても移動体にすべての利用者を収容可能ではない場合に以下の処理を実行可能である。すなわち、比較演算部121は、少なくとも一部の利用者が停車予定場所から複数の目的地を経由する場合には、複数の目的地を経由することを予定している利用者にカーシェアリングするための移動体を提案することが好ましい。
【0102】
上記構成によれば、複数の目的地を経由することを予定しているユーザにはカーシェアリングを提案し、他のユーザは当初の予定通りタクシー等の移動体を利用して、シームレスな乗り継ぎが可能となる場合がある。
【0103】
本開示の第11の態様に係わる移動体管理装置100は、比較演算部121が特定した停車予定場所の変更、他の公共交通機関、シェアサイクル、または、カーシェアリングに関する情報を送信部から利用者が停車予定場所に到着する前に送信することが好ましい。
【0104】
上記構成によれば、公共交通機関を利用するユーザは、ユーザが降車する前に、ユーザが利用可能である待機可能な移動体、または、ユーザが降車するべき結節点の変更を認知することが可能になる。
【0105】
本開示の第12の態様に係わる移動体管理装置100は、利用者からの肯定応答を取得した場合に、変更または変更されていない停車予定場所のタクシー、他の公共交通機関、シェアサイクル及びカーシェアリングを含む移動体の手配を実行することが好ましい。
【0106】
上記構成によれば、公共交通機関を利用するユーザから移動体の調整結果に対する肯定応答を取得してから、移動体の手配を実行するので、ユーザは公共交通機関の結節点において、シームレスな乗り継ぎが可能となる。
【0107】
本開示の第13の態様に係わる移動体管理装置100の比較演算部121は、利用者からの否定応答を取得した場合に、以下の処理を実行することが好ましい。すなわち、比較演算部121は、利用者からの応答を集計した結果に基づいて、利用者が利用を希望する移動体を利用するまでに推定される待ち時間を演算し、送信部は利用者が停車予定場所に到着する前に推定される待ち時間を送信することが好ましい。
【0108】
上記構成によれば、公共交通機関を利用するユーザが、提案された代替移動体を使用したくない場合に、当初、利用を希望した移動体の降車予定の公共交通機関の結節点における推定待ち時間を確認することが可能となる。
【0109】
本開示の第14の態様に係わる移動体管理システム1000は、本開示の第1の態様から第13の態様のいずれかの移動体管理装置100と、マースサービスによって提供される少なくとも1つの移動体を含むことが好ましい。
【0110】
上記構成によれば、公共交通機関を利用するユーザが、公共交通機関の結節点において、ユーザの利用態様に対応した移動体を利用して、シームレスな乗り継ぎが可能となる。
【0111】
本開示の第15の態様に係わる移動体管理方法は、運行されている公共交通機関が停車を予定している停車予定場所及び停車予定場所の予定到着時刻を含む運行情報を取得する運行情報取得ステップを備えることが好ましい。また、移動体管理方法は、公共交通機関の停車予定場所において降車を予定し、降車を予定している停車予定場所から乗り換えるために利用を予定している移動体の検索を実行した利用者を特定する利用者特定ステップを備えることが好ましい。さらに、移動体管理方法は以下の処理を実行する制御ステップを備えることが好ましい。制御ステップは、特定された利用者の停車予定場所、及び、停車予定場所から乗り換えるための移動体を特定し、予定到着時刻又は予定到着時刻よりも前に、停車予定場所において利用者が移動体を利用できるように制御する制御情報を生成することが好ましい。さらに、移動体管理方法は、制御情報を移動体に直接的または間接的に送信する送信ステップを備えることが好ましい。
【0112】
上記構成によれば、公共交通機関を利用するユーザが、公共交通機関の結節点において、ユーザの利用態様に対応した移動体を利用して、シームレスな乗り継ぎが可能となる。
「異なる」と同様に解釈されてもよい。
【0113】
以上、本開示について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示が本開示中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本開示は、請求の範囲の記載により定まる本開示の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本開示の記載は、例示説明を目的とするものであり、本開示に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【符号の説明】
【0114】
100 移動体管理装置
111 利用者特定部
120 制御部
121 比較演算部
122a 経路探索部
131 送信部
132 受信部
1000 移動体管理システム
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B