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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022167207
(43)【公開日】2022-11-04
(54)【発明の名称】電路遮断装置
(51)【国際特許分類】
   H01H 35/18 20060101AFI20221027BHJP
   H01H 33/28 20060101ALI20221027BHJP
   H01H 33/42 20060101ALI20221027BHJP
【FI】
H01H35/18 A
H01H33/28 Z
H01H33/42 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021072855
(22)【出願日】2021-04-22
(71)【出願人】
【識別番号】000124591
【氏名又は名称】河村電器産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100078721
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 喜樹
(72)【発明者】
【氏名】馬渡 弘友希
(72)【発明者】
【氏名】河合 智成
(72)【発明者】
【氏名】浅井 成実
(72)【発明者】
【氏名】平井 孝資
【テーマコード(参考)】
5G056
【Fターム(参考)】
5G056CA10
5G056CD12
5G056CE01
5G056CE07
(57)【要約】
【課題】 蓄電池、電路が浸水したら、確実に電路を遮断する電路遮断装置を提供する。
【解決手段】 電路を接続/遮断するための接点部6が、分断した電路の双方の端部に設けられた一対の固定端子2と、固定端子2間に掛け渡されて固定端子2間を電気的に導通させる可動導体3とを有し、水に浮くフロート5が直接或いは連結部材を介して可動導体3に連結されて成り、フロート5の上昇を受けて可動導体3が固定端子2から離れて、電路が遮断される。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電路を接続/遮断するための接点部が、分断した前記電路の端部に設けられた一対の固定端子と、前記固定端子間に掛け渡されて前記固定端子同士を電気的に導通させる可動導体とを有し、
水に浮くフロートが直接或いは連結部材を介して前記可動導体に連結されて成り、
前記フロートの上昇を受けて前記可動導体が前記固定端子から離れて、前記電路が遮断されることを特徴とする電路遮断装置。
【請求項2】
前記固定端子が横方向に配設される一方、前記可動導体が前記固定端子の上部に掛け渡して配置され、
更に、前記可動導体の上下動を案内するガイド部材を有し、
前記フロートが可動導体の下部に連結されて一体に形成され、前記フロートが上昇すると前記可動導体も上昇して、前記固定端子から解離することを特徴とする請求項1記載の電路遮断装置。
【請求項3】
前記ガイド部材は、解離動作した前記可動導体を、解離した位置で保持する保持手段を有し、保持された前記可動導体は、前記フロートが下降しても或いは下降可能な状態であっても、下降しないことを特徴とする請求項2記載の電路遮断装置。
【請求項4】
前記接点部は、下方のみ開放された箱体に収容され、
前記フロートの一部のみが前記箱体から下方に露出するように配置されて成ることを特徴とする請求項2又は3記載の電路遮断装置。
【請求項5】
前記固定端子が横方向に配設される一方、前記可動導体が固定端子の上部に掛け渡して配置され、
更に、前記可動導体の上下動を案内するガイド部材を有し、
前記フロートと前記可動導体とは、前記フロートが連結された第1の棒体と、前記可動導体が連結された第2の棒体との2つの棒体が折り曲げ可能に連結され、更に個々の前記棒体は回動支点を有して揺動可能に配置され、
前記フロートが上昇すると、前記可動導体が連結された前記第2の棒体の先端が上昇し、前記可動導体が前記固定端子から解離することを特徴とする請求項1記載の電路遮断装置。
【請求項6】
前記固定端子が縦方向に配設される一方、前記可動導体が双方の前記固定端子に掛け渡すように縦に配置され、
更に、前記固定端子に沿った前記可動導体の上下スライド移動を案内するガイド部材を有し、
前記フロートが可動導体に連結されて一体に形成され、前記フロートが上昇すると前記可動導体も上方へスライドして、前記固定端子との電気的接続を解消することを特徴とする請求項1記載の電路遮断装置。
【請求項7】
前記固定端子が縦方向に配設される一方、前記可動導体が双方の前記固定端子に掛け渡すように縦に配置され、
更に、前記固定端子に沿った前記可動導体の上下スライド移動を案内するガイド部材を有し、
前記可動導体は、前記フロートと相対位置が変わらないように連結部材を介して前記フロートに連結され、
前記フロートが上昇すると前記可動導体も上方にスライドして、前記固定端子との電気的接続を解消することを特徴とする請求項1記載の電路遮断装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電路遮断装置に関し、特に電路が浸水するような危険な状態が発生した場合に、確実に電路を遮断して危険な状態を回避できる電路遮断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
太陽光発電装置の発電電力を蓄えたり、深夜電力を蓄えたり、非常時の電源として使用するための蓄電池が普及している。
このような蓄電池は、重量があるため低い位置に設置される場合が多い。そのため、豪雨等で浸水する場合があり、そうなると蓄電池が劣化するのは勿論、浸水する過程で電路が短絡して火災等の原因となるため、その対策が提案されている。
例えば特許文献1では、蓄電池を収容する箱体の排気口等の開口部に水膨潤性部材を配置して、浸水時には開口部を塞ぐよう作用させることで、蓄電池の浸水を防止して蓄電池自体が浸水するのを防いだ。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-131416号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1の技術は、水害の発生等で水没するような状況が発生すると、長時間に亘り浸水が継続するため、良好な防水状態を維持するのが難しかった。また、水没時は停電状態にもなるため火災の心配は無いが、水が退いて復電すると漏電等による火災も発生し易いため、水没時には電路を確実に遮断させる構造が必要であった。
【0005】
そこで、本発明はこのような問題点に鑑み、蓄電池やその電路が浸水したら、確実に電路を遮断する電路遮断装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する為に、請求項1の発明は、電路を接続/遮断するための接点部が、分断した電路の端部に設けられた一対の固定端子と、固定端子間に掛け渡されて固定端子同士を電気的に導通させる可動導体とを有し、水に浮くフロートが直接或いは連結部材を介して可動導体に連結されて成り、フロートの上昇を受けて可動導体が固定端子から離れて、電路が遮断されることを特徴とする。
この構成によれば、侵入した水によりフロートが上昇して接点部が開動作するため、水の侵入を受けた際に確実に電路を遮断でき、漏電や短絡による事故の発生を防止できる。加えて、制御回路や制御電源を必要としないため、確実に動作する構成を低コストで実現できる。
【0007】
請求項2は請求項1に記載の構成において、固定端子が横方向に配設される一方、可動導体が固定端子の上部に掛け渡して配置され、更に可動導体の上下動を案内するガイド部材を有し、フロートが可動導体の下部に連結されて一体に形成され、フロートが上昇すると可動導体も上昇して、固定端子から解離することを特徴とする。
この構成によれば、フロートは直接可動導体に連結されるため、簡易な構造で済み、安価に構成できる。
【0008】
請求項3の発明は、請求項2に記載の構成において、ガイド部材は、解離動作した可動導体を、解離した位置で保持する保持手段を有し、保持された可動導体は、フロートが下降しても或いは下降可能な状態であっても、下降しないことを特徴とする。
この構成によれば、水没等で開動作した接点部は、可動導体が保持手段に保持されるため、水没状態が解消しても復帰しない。よって、水没が終息して回路が再接続されることが無く、漏電や誤動作により発火するリスクを回避できる。
【0009】
請求項4の発明は、請求項2又は3に記載の構成において、接点部は、下方のみ開放された箱体に収容され、フロートの一部のみが箱体から下方に露出するように配置されて成ることを特徴とする。
この構成によれば、箱体が水没しても箱体の内部は空気圧で接点部まで水が達しないよう構成でき、接点部を保護できる。
【0010】
請求項5の発明は、請求項1に記載の構成において、固定端子が横方向に配設される一方、可動導体が固定端子の上部に掛け渡して配置され、更に可動導体の上下動を案内するガイド部材を有し、フロートと可動導体とは、フロートが連結された第1の棒体と、可動導体が連結された第2の棒体との2つの棒体が折り曲げ可能に連結され、更に個々の棒体は回動支点を有して揺動可能に配置され、フロートが上昇すると、可動導体が連結された第2の棒体の先端が上昇し、可動導体が固定端子から解離することを特徴とする。
この構成によれば、フロートと可動導体とが分離されているため、接点部を水没しないよう配置し易い。
【0011】
請求項6の発明は、請求項1に記載の構成において、固定端子が縦方向に配設される一方、可動導体が双方の固定端子に掛け渡すように縦に配置され、更に固定端子に沿った可動導体の上下スライド移動を案内するガイド部材を有し、フロートが可動導体に連結されて一体に形成され、フロートが上昇すると可動導体も上方へスライドして、固定端子との電気的接続を解消することを特徴とする。
この構成によれば、縦に配置された接点部に対して、フロートが上昇すると、可動導体が上方にスライドして電気的接続が解消される。よって、簡易な構造で電路を遮断できる。
【0012】
請求項7の発明は、請求項1に記載の構成において、固定端子が縦方向に配設される一方、可動導体が双方の固定端子に掛け渡すように縦に配置され、更に固定端子に沿った可動導体の上下スライド移動を案内するガイド部材を有し、可動導体は、フロートと相対位置が変わらないように連結部材を介してフロートに連結され、フロートが上昇すると可動導体も上方にスライドして、固定端子との電気的接続を解消することを特徴とする。
この構成によれば、縦に配置された接点部に対して、フロートが上昇すると、可動導体が上方にスライドして電気的接続が解消され、簡易な構造で電路を遮断できる。そして、フロートと可動導体とが分離されているため、接点部を水没しないよう配置し易い。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、侵入した水でフロートが上昇することで接点部が開動作するため、水が浸入したら確実に電路を遮断でき、漏電や短絡による事故や火災の発生を防止できる。加えて、フロートの浮力で動作するため、制御回路や制御電源を必要とせず、確実に動作する構成を低コストで実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明に係る電路遮断装置の一例を示す説明図で、(a)は側面図、(b)は正面図である。
図2図1の可動導体が上昇した状態を示し、(a)は側面図、(b)は正面図である。
図3図1の電路遮断装置を箱体に収容した説明図である。
図4】電路遮断装置の他の形態を示す正面説明図で、(a)は通電状態、(b)は遮断状態を示している。
図5】電路遮断装置の他の形態を示す説明図で、(a)は側面図、(b)は一部の正面図である。
図6図5の可動導体が上昇した状態を示す説明図で、(a)は側面図、(b)は一部の正面図である。
図7】電路遮断装置の他の形態を示す説明図で、(a)は側面図、(b)は一部の正面図である。
図8図7の可動導体が上昇した状態の説明図で、(a)は側面図、(b)は一部の正面図である。
図9】蓄電池モジュールを備えた電路に対して本発明の電路遮断装置を取り付けた説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を具体化した実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明に係る電路遮断装置の一例を示す説明図であり、(a)は側面図、(b)は正面図である。電路遮断装置1は、固定端子2、可動導体3、ガイド部材4と、フロート5とにより構成されている。固定端子2、可動導体3、ガイド部材4とで接点部6を構成している。
固定端子2は横方向に配設された電路を分断して、分断した双方の端部に所定の距離を設けて配置されている。可動導体3は、一対の固定端子2の上部に配置され、掛け渡すように設置されている。
【0016】
可動導体3は、両端に設けられて固定端子2に電気的に接続される接点である可動端子31と、可動端子31同士を連結する連結導体32とで構成されている。この2つの可動端子31がそれぞれの固定端子2に接続されて接点部6は閉状態となる。
連結導体32は、下部に配置されたフロート5と連結され一体化されている。フロート5は、例えば発泡樹脂で形成されて立方体形状を成している。水に対して充分な浮力を有するよう形成されている。
【0017】
ガイド部材4は、可動導体3の上下動を案内する部材であり、双方の固定端子2の左右に起立配置され、可動端子31を挟むように設置されている。このガイド部材4には、上昇した可動導体3に係止して、上昇した位置で保持する爪片41が設けられている。爪片41は、水平な上面と傾斜面から成る下面とを有し、ガイド部材4の内部に没入可能に構成され、突出方向に付勢されて配置されている。
この爪片41により、可動導体3の上昇時は爪片41が没入してスムーズに上昇動作する。一方、上昇した可動導体3は、突出した爪片41が下面に係止して、可動導体3の下降が阻止される。
【0018】
図2は可動導体3が上昇した状態を示し、(a)は側面説明図、(b)は正面説明図である。図2において、Wは侵入した水を示している。図2に示すように、水Wの侵入を受けて、フロート5が浮力で上昇すると可動導体3も上昇する。上昇した可動導体3は、爪片41の作用で降下が阻止される。
【0019】
図3は、図1の接点部6を箱体8に収容した構成を示し、可動導体3が上昇した状態を示している。箱体8は下方全体が開放されており、開放された下面からフロート5の下部を露出させて接点部6を収容している。
箱体8は、各面が水密性を有すると共に防水構造を備えており、水Wは下方から侵入しても、箱体8内部の空気圧により、箱体8の内部上方まで水Wが侵入しないよう構成されている。そのため、水Wの侵入量を僅かにでき、内部領域の殆どを防水領域としている。
【0020】
このように、侵入した水Wでフロート5が上昇し、接点部6が開動作して電路が遮断されるため、水Wの浸入を受けて確実に電路を遮断でき、漏電や短絡による事故や火災の発生を防止できる。加えて、フロート5の浮力で動作するため、制御回路や制御電源を必要とせず、確実に動作する構成を低コストで実現できる。
また、フロート5は直接可動導体3に連結されるため、簡易な構造で済み、安価に構成できる。
更に、開動作した接点部6は、ガイド部材4に設けた爪片41により可動導体3が保持されるため、水没状態が解消しても復帰しない。よって、水没が終息しても回路が再接続されることが無く、漏電や誤動作により発火するリスクを回避できる。
加えて、箱体8を備えたものは、電路遮断装置1が水没しても、箱体8の内部は空気圧で接点部6まで水Wが達しないよう構成でき、接点部6を保護できる。
【0021】
図4は、電路遮断装置1の他の形態を示す正面説明図であり、(a)は通電状態、(b)は遮断状態を示している。図4では、フロート5を可動導体から分離した構成を示している。接点部6の構成は上記図1の形態と同様であるため説明を省略し、フロート5と接点部6との連結構造を中心に説明する。
接点部6の可動導体3とフロート5とは、絶縁部材から成る棒体(連結部材)11を介して連結されている。棒体11は、フロート5に接続された第1の棒体11aと、可動導体3に接続された第2の棒体11bとが揺動可能に連結されて構成され、この2本1組の棒体11が可動導体3の前後端部にそれぞれ取り付けられている。尚、ここではフロート5を円筒形状としている。
【0022】
更に、第1の棒体11a及び第2の棒体11bは、それぞれ回動支点P1,P2を有している。第1の棒体11aの回動支点P1は、図示しない固定部材に設けられ固定されている。第2の棒体11bの回動支点P2は、ガイド部材4に設けられている。
このように配置された棒体11でフロート5と可動導体3とを連結することで、侵入した水でフロート5が上昇すると、可動導体3が上昇し、図4(b)に示すように、固定端子2から解離し、接点部6は遮断動作する。そして、フロート5と可動導体3とが分離されているため、接点部6を水没しないよう配置し易い。
【0023】
図5,6は、電路遮断装置1の他の形態を示す説明図であり、接点部6を縦に配置した構成を示している。図5は通電状態、図6は遮断状態を示し、双方とも(a)は側面図、(b)は上部に配置した一方のガイド部材4周囲の正面図である。
図示するように、縦に配置された固定端子2に対して、可動導体3も固定端子2に密着するように縦に配置され、両固定端子2の間に掛け渡されている。そして、固定端子2の左右に設けられたガイド部材4により、可動導体3の上下のスライド移動が案内され、フロート5の作用で可動導体3が上方にスライドするよう構成されている。
【0024】
フロート5は可動導体3の周囲を覆うように配置され、可動導体3に連結され一体化されている。また可動導体3が上方にスライドできるよう取り付けられている。
この場合、図示するように双方の固定端子2に合わせて配置した2つのガイド部材4のうち、上方に配置された一方に爪片41を配置して、上方にスライドして下方の固定端子2から可動導体3が解離した状態を保持して下降しないよう構成されている。
【0025】
このように、縦に配置された接点部6に対して、フロート5が上昇すると、可動導体3が上方にスライドして少なくとも一方の固定端子2と解離して電気的な接続が解消する。よって、簡易な構造で電路を遮断できる。
尚、この形態の場合、電気的な接続が解消する前に接点部6の一部が水没するが、水没するような大規模災害では、商用電源等の停電が発生するため、水没による漏電の問題より復電時の通電火災の防止が重要となる。そのため、このような構成として十分有効である。
【0026】
図7,8は、電路遮断装置1の他の形態を示す説明図で、接点部6を縦に配置した構成を示している。図7は通電状態、図8は遮断状態を示し、双方とも(a)は側面図、(b)は上部に配置した一方のガイド部材4周囲の正面図である。図示するように、固定端子2及び可動導体3は、上記図5の形態と同様に縦に配置され、フロート5の作用で可動導体3は上方にスライド移動するよう構成されている。
フロート5と可動導体3とは、連結棒(連結部材)13を介して連結されている。連結棒13は両者に堅牢に連結され、両者の相対位置が変化しないよう構成されている。
尚、連結棒13は、合成樹脂等の絶縁部材で作製しても良いし、金属製であっても良い。
【0027】
このように、縦に配置された接点部6に対して、フロート5が上昇すると、可動導体3が上昇して少なくとも一方の接点が解離する。よって、簡易な構造で電路を遮断できる。
そして、フロート5と可動導体3とが分離されるため、接点部6を水没しないよう配置し易い。
【0028】
図9は、蓄電池モジュール15を備えた電路L1に対して本発明の電路遮断装置1を取り付けた説明図である。図9では、商用電源16から負荷17に至る電路L1に、直列接続された複数の蓄電池モジュール15が接続された構成を示している。尚、18は商用電源16を直流に変換する入力変換器、19は蓄電池モジュール15の電圧を昇圧する出力変換器である。そして、個々の蓄電池モジュール15に電路遮断装置1が取り付けられ、商用電源16にも電路L1から遮断されるよう電路遮断装置1が配置されている。
電路遮断装置1の場合、制御電源が必要ないため、このように、個々の蓄電池モジュール15に電路遮断装置1を取り付けることで、停電状態にあっても直列接続されている蓄電池モジュール15を個々に分離することができ、非常時に高電圧の発生を防止できる。よって、水没しても高圧電圧の発生を防止でき、水没による被害を最小限に留めることができる。
【0029】
尚、上記形態では、可動導体3を可動端子31と連結導体32とで構成しているが、全体を導電体として1つの棒体で形成しても良い。
また、フロート5の形状は、立方体形状、或いは円筒形状としているが、球体等他の形状であっても良い。
【符号の説明】
【0030】
1・・電路遮断装置、2・・固定端子、3・・可動導体、4・・ガイド部材、5・・フロート、6・・接点部、8・・箱体(ケース)、11・・棒体、11a・・第1の棒体、11b・・第2の棒体、13・・連結棒、41・・爪片、P1,P2・・回動支点、W・・水。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9