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特開2022-167227電動工具用電池パック、及び電動工具
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022167227
(43)【公開日】2022-11-04
(54)【発明の名称】電動工具用電池パック、及び電動工具
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/204 20210101AFI20221027BHJP
   H01M 50/213 20210101ALI20221027BHJP
   H01M 50/247 20210101ALI20221027BHJP
   H01M 50/35 20210101ALI20221027BHJP
【FI】
H01M50/204 401E
H01M50/213
H01M50/247
H01M50/35 101
H01M50/204 401F
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021072892
(22)【出願日】2021-04-22
(71)【出願人】
【識別番号】000005821
【氏名又は名称】パナソニックホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】特許業務法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西井 和彦
(72)【発明者】
【氏名】池田 昌樹
(72)【発明者】
【氏名】林 雅彦
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 隆俊
(72)【発明者】
【氏名】西川 諒
【テーマコード(参考)】
5H012
5H040
【Fターム(参考)】
5H012AA01
5H012BB08
5H012CC10
5H040AA33
5H040AA37
5H040AS19
5H040AT01
5H040AY04
5H040AY08
5H040JJ03
5H040LL06
(57)【要約】
【課題】より簡略化した構造によってハウジングの内部におけるガスの濃度を下げることができる電動工具用電池パック、及び電動工具を提供すること。
【解決手段】電動工具用電池パック1は、電池セル11と、ハウジング12と、ガス吸収材13と、側面側空間S1と、電極側空間S2と、を備える。電池セル11は、端面111a、111b及び側面112を有し、端面111a、111bに電極113が設けられている。ハウジング12は、電池セル11を収容する。ガス吸収材13は、ガスを吸収する。側面側空間S1は、側面112と、ハウジング12と、に挟まれた空間である。電極側空間S2は、電極113と、ハウジング12と、に挟まれた空間である。ガス吸収材13は、ハウジング12の内部において、側面側空間S1と、電極側空間S2に設けられた介在部材14及び前記ハウジング12に挟まれた空間と、の少なくとも一方に配置される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
端面及び側面を有し、前記端面に電極が設けられる電池セルと、
前記電池セルを収容するハウジングと、
ガスを吸収するガス吸収材と、
前記側面と、前記ハウジングと、に挟まれた空間である側面側空間と、
前記端面と、前記ハウジングと、に挟まれた空間である電極側空間と、を備え、
前記ガス吸収材は、前記ハウジングの内部において、前記側面側空間と、前記電極側空間に設けられた介在部材及び前記ハウジングに挟まれた空間と、の少なくとも一方に配置される
ことを特徴とする電動工具用電池パック。
【請求項2】
前記ガス吸収材は、前記側面側空間に配置される
ことを特徴とする請求項1に記載の電動工具用電池パック。
【請求項3】
前記ハウジングよりも耐火性が高い耐火部材を更に備え、
前記耐火部材は、前記電極側空間に配置される
ことを特徴とする請求項2に記載の電動工具用電池パック。
【請求項4】
前記側面側空間は、複数あり、
前記ガス吸収材は、前記複数の側面側空間のうち、少なくとも最も大きい空間体積を有する空間に配置される
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の電動工具用電池パック。
【請求項5】
前記介在部材は、前記ハウジングよりも耐火性が高い耐火材料で形成される
ことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の電動工具用電池パック。
【請求項6】
前記ハウジングは、前記ガスを外部へ排出するガス抜き孔を有し、
前記ガスを前記ガス抜き孔まで誘導するガス排出経路を更に備え、
前記ガス吸収材は、前記ガス排出経路に配置される
ことを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の電動工具用電池パック。
【請求項7】
前記ガス排出経路は、前記ガス吸収材が配置される箇所において、前記ガスを通過させる経路が狭くなっている絞り部を有する
ことを特徴とする請求項6に記載の電動工具用電池パック。
【請求項8】
前記ガス吸収材は、シート状となっている
ことを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の電動工具用電池パック。
【請求項9】
前記ガス吸収材は、前記ハウジングの内面との間に隙間空間を備えるように配置される
ことを特徴とする請求項8に記載の電動工具用電池パック。
【請求項10】
前記ガスは、可燃性ガスである
ことを特徴とする請求項1~9のいずれか1項に記載の電動工具用電池パック。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか1項に記載の電動工具用電池パックと、
前記電動工具用電池パックから供給される電力で動作する電動工具本体と、を備える
ことを特徴とする電動工具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、電動工具用電池パック、及び電動工具に関する。より詳細には、本開示は、電池セルを備えた電動工具用電池パック、及び電動工具に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、弁部を電池ケースに備えて構成された電池パックが開示されている。弁部は、二次電池セルからガスが生じた際の電池ケースの内圧が所定内圧値を超えることで開弁する。よって、弁部は、二次電池セルから万が一ガスが生じた際のそのガスを外部に逃がすことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-143507号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の電池パックは、電池ケース(ハウジング)の内部におけるガスを弁部から外部に逃がすことができる。しかし、電池ケースが弁部を備えるため、電池パックの構造が複雑になってしまうという問題がある。
【0005】
本開示の目的とするところは、より簡略化した構造によってハウジングの内部におけるガスの濃度を下げることができる電動工具用電池パック、及び電動工具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る電動工具用電池パックは、電池セルと、ハウジングと、ガス吸収材と、側面側空間と、電極側空間と、を備える。前記電池セルは、端面及び側面を有し、前記端面に電極が設けられる。前記ハウジングは、前記電池セルを収容する。前記ガス吸収材は、ガスを吸収する。前記側面側空間は、前記側面と、前記ハウジングと、に挟まれた空間である。前記電極側空間は、前記端面と、前記ハウジングと、に挟まれた空間である。前記ガス吸収材は、前記ハウジングの内部において、前記側面側空間と、前記電極側空間に設けられた介在部材及び前記ハウジングに挟まれた空間と、の少なくとも一方に配置される。
【0007】
本開示の一態様に係る電動工具は、上記の電動工具用電池パックと、電動工具本体と、を備える。前記電動工具本体は、前記電動工具用電池パックから供給される電力で動作する。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、より簡略化した構造によってハウジングの内部におけるガスの濃度を下げることができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、一実施形態の電動工具用電池パックの外観斜視図である。
図2図2は、同上の電動工具用電池パックの構成を説明する分解斜視図である。
図3図3は、同上の電動工具用電池パックにおける図1のA-A線断面図である。
図4図4は、同上の電動工具用電池パックにおける図1のB-B線断面図である。
図5図5は、同上の電動工具用電池パックにおける図1のC-C線断面図である。
図6図6は、図4の部分拡大図である。
図7図7は、同上の電動工具用電池パックにおいてガス吸収材が備える隙間空間を説明する説明図である。
図8図8は、同上の電動工具用電池パックを備えた電動工具の模式的な構成を示す構成図である。
図9図9は、同上の変形例に係る電動工具用電池パックにおける図1のA-A線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(実施形態)
以下、本開示の実施形態について説明する。下記の実施形態は、本開示の様々な実施形態の例に過ぎない。また、下記の実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更は可能である。また、下記の実施形態において説明する図1図9は、模式的な図であり、図中の各構成要素の大きさ及び厚さそれぞれの比が必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。
【0011】
(1)概要
以下に、本実施形態に係る電動工具用電池パック1(以下、電池パック1とする)の概要について、図1図2図5、及び図9を参照して説明する。
【0012】
電池パック1は、電動工具本体2に電力を供給するための蓄電装置である。電池パック1は、図2及び図5に示すように、電池セル11と、ハウジング12と、ガス吸収材13と、側面側空間S1と、電極側空間S2と、を備える。
【0013】
電池セル11は、図2に示すように、端面111及び側面112を有し、端面111に電極113が設けられている。電池セル11は、充放電可能な二次電池である。電池セル11は、例えば、リチウムイオン電池、鉛蓄電池、アルカリ蓄電池、又はニッケル水素蓄電池などである。
【0014】
ハウジング12は、電池セル11を収容する。例えば、ハウジング12は、図1に示すように、略直方体の形状を有する筐体である。ハウジング12は、例えば、合成樹脂で形成されている。
【0015】
ガス吸収材13は、ガスを吸収する。ガスは、例えば、可燃性ガスである。ガス吸収材13は、耐熱性樹脂及びガス吸収材料を含む樹脂混合物から形成される。例えば、耐熱性樹脂は、ガラス転移温度が200℃以上、特に300℃以上である非結晶樹脂である。なお、耐熱性樹脂は、ガラス転移温度が200℃以上であり、融点を持たないか融点が250℃以上である結晶性樹脂であってもよい。ガス吸収材料は、例えば、炭化水素系ガスの吸収性に優れる無機多孔質材料である。
【0016】
側面側空間S1は、図5に示すように、電池セル11が有する側面112と、ハウジング12と、に挟まれた空間である。電極側空間S2は、電池セル11が有する端面111と、ハウジング12と、に挟まれた空間である。
【0017】
ガス吸収材13は、ハウジング12の内部において、側面側空間S1(図5参照)と、電極側空間S2に設けられた介在部材14及びハウジング12に挟まれた空間(図9参照)と、の少なくとも一方に配置される。その結果、例えばガスが電池セル11から発生した場合、ガスは、ハウジング12の内部に設けられたガス吸収材13によって吸収される。
【0018】
電極113の発熱がガス吸収材13へ伝わりにくくするため、図9に示す介在部材14は、例えば、ハウジング12よりも耐火性が高い耐火材料で形成されている。ここでいう耐火性とは、火熱に強く、燃えにくい性質である。
【0019】
以上から、本実施形態の電池パック1は、より簡略化した構造によってハウジング12の内部におけるガスの濃度を下げることができるという利点がある。
【0020】
(2)詳細な構成
(2-1)電池パック
以下に、本実施形態に係る電池パック1の詳細について、図1図9を参照して説明する。
【0021】
電池パック1は、後述するモータ3を駆動するための電力を供給する直流電源であり、充放電可能な二次電池等を備える。電池パック1は、図2に示すように、電池セル11、ハウジング12、ガス吸収材13、側面側空間S1、及び電極側空間S2の他に、電池パック側接続部16と、セルケース17と、防火メッシュ18a、18bと、絶縁テープ191a、191bと、を備える。
【0022】
以下の説明では、ハウジング12の長手方向(図1のX方向)を前後方向と規定する。そして、ハウジング12の前後方向に対向する面において、後述するスライドボタン123が設けられていない面から見てスライドボタン123が設けられている面側を前と規定する。一方、ハウジング12の前後方向に対向する面において、スライドボタン123が設けられている面から見てスライドボタン123が設けられていない面側を後と規定する。また、ハウジング12の短手方向(図1のY方向)を左右方向と規定する。そして、後述する端面111bから見て後述する端面111a側を右と規定し、端面111aから見て端面111b側を左と規定する(図2参照)。また、ハウジング12の高さ方向(図1のZ方向)を上下方向と規定する。そして、後述する第2ハウジング122から見て後述する第1ハウジング121側を上と規定し、第1ハウジング121から見て第2ハウジング122側を下と規定する。ただし、これらの規定は、電池パック1の使用方向を規定する趣旨ではない。
【0023】
(電池セル)
本実施形態では、電池セル11は複数ある。より具体的には、電池セル11の個数は、10個である(図4参照)。複数の電池セル11は、図4に示すようにX軸方向及びZ軸方向に並列に並べられており、セルケース17の内部に格納される。
【0024】
本実施形態の電池セル11は、図2に示すように、円柱形である。電池セル11は、電池セル11の軸方向(図2のY方向)の両側に、例えば円形の端面111a、111bを有する。複数の電池セル11における一側の端面111aのそれぞれは、図3に示すように、Y方向に垂直である。同様に、複数の電池セル11における他側の端面111bのそれぞれは、Y方向に垂直である。すなわち、複数の電池セル11は、Y方向の両側にそれぞれ、Y方向に垂直である端面111a、111bを有する。
【0025】
電池セル11の端面111a、111bには、図3に示すように、電極113が設けられている。電極113は、電池セル11が、後述する電池パック側接続部16を介して、電動工具本体2と電気的に接続する部分である。電極113は、電池セル11の放電時に電流が流れ出す正極と、電池セル11の放電時に電流が流れ込む負極と、のいずれかである。より詳細に説明すると、電池セル11の端面111a、111bのうち一方に正極が設けられ、他方に負極が設けられている。なお、複数の電池セル11は、端面111aの全てに正極が配置され、端面111bの全てに負極が配置されるように並べられてもよい。又は、複数の電池セル11は、端面111aの全てに負極が配置され、端面111bの全てに正極が配置されるように並べられてもよい。また、複数の電池セル11は、複数の電池セル11の同じ側の端面111aにおいて、正極と負極とが、隣り合う端面111aごとに交互に配置されるように並べられてもよい。その結果、複数の電池セル11の同じ側の端面111bにおいて、正極と負極とが、隣り合う端面111bごとに交互に配置されるように並べられる。
【0026】
電池セル11は、電池セル11の半径方向(図2のX方向及びZ方向)に、側面112を有する。側面112は、端面111a、111b以外に電池セル11が有する面である。より詳細には、側面112は、電池セル11が有する面のうち、電極113が設けられていない面である。また、本実施形態の側面112は、Y方向において対向する端面111aと、端面111bと、のそれぞれの周縁を接続する。
【0027】
(セルケース)
セルケース17は、図2及び図4に示すように、複数の電池セル11を格納する。より詳細には、セルケース17は、セル間距離を事前に決められた設定距離に保つように、複数の電池セル11を格納する。ここでいうセル間距離は、複数の電池セル11のうち、隣り合う2つの電池セル11の間のX方向又はZ方向の距離である。その結果、複数の電池セル11のそれぞれは、セルケース17によって、隣り合う電池セル11の発熱の影響を受けにくくなる。また、設定距離は、経験的に決定され、設定距離が2.0mm以上であれば電池セル11の類焼を抑制することができる。本実施形態では、設定距離が大きくなるに伴い電池パック1のサイズも大きくなることを考慮し、設定距離を3.0mmとしている。
【0028】
本実施形態のセルケース17は、図2に示すように、第1セルケース171と第2セルケース172a、172bとで構成されている。電池セル11は、1つの第1セルケース171と第2セルケース172a、172bとによって挟まれて固定される。なお、1つの第1セルケース171と第2セルケース172a、172bとは、例えば、電気絶縁性に優れた合成樹脂によって、形成される。
【0029】
第1セルケース171の形状は、図2に示すように、略角丸長方形である左面及び右面を有する直方体である。第1セルケース171の内側は空洞になっており、第1セルケース171は複数の電池セル11を格納する。より詳細に説明する。第1セルケース171の左面と右面は開口しており、第1セルケース171の内部は空洞になっている。第1セルケース171の空洞の内面は、複数の半円筒状の凹みが設けられている。その結果、第1セルケース171は、図4に示すように、複数の半円筒状の凹みに沿って複数の電池セル11を格納する。
【0030】
本実施形態の第1セルケース171の上面は、図4に示すように、第1セルケース171の内面に設けられた複数の半円筒状の凹みに沿って、複数の半円筒状の突出部175aを有する。同様に、本実施形態の第1セルケース171の下面は、第1セルケース171の内面に設けられた複数の半円筒状の凹みに沿って、複数の半円筒状の突出部175bを有する。本実施形態では、5つの突出部175aが第1セルケース171の上面においてX方向に並んでおり、5つの突出部175bが第1セルケース171の下面においてX方向に並んでいる。
【0031】
第1セルケース171は、図5に示すように、後述する基板162を保持する仕切壁部173a、173bが上面に設けられている。仕切壁部173a、173bは、上方向に突出している。その結果、仕切壁部173a、173bは、複数の電池セル11の側面112と、ハウジング12の内面と、に挟まれた空間を仕切る。また、第1セルケース171の後面は、図3又は図4に示すように、後述する第2側面空間S12と、後述するとガス抜き孔124aとを繋げる通気孔174を有する。
【0032】
第2セルケース172a、172bは、略直方体である。第2セルケース172aの上面及び下面のそれぞれは、電池セル11を収容する収容面1721を有する。収容面1721は、電池セル11の側面112に沿って湾曲している。本実施形態では、図4に示すように、5つの収容面1721が、第2セルケース172aの上面及び下面のそれぞれにおいて、X方向に並んでいる。すなわち、第2セルケース172aは、10個の収容面1721を有する。第2セルケース172aは、収容面1721のそれぞれに、1個ずつ電池セル11を収容する。すなわち、本実施形態の第2セルケース172aは、第2セルケース172aが有する10個の収容面1721において、10個の電池セル11を収容する。
【0033】
同様に、第2セルケース172bの上面及び下面のそれぞれは、収容面1721を有する(図2参照)。本実施形態では、5つの収容面1721が、第2セルケース172bの上面及び下面のそれぞれにおいて、X方向に並んでいる。すなわち、第2セルケース172bは、10個の収容面1721を有する。第2セルケース172bは、収容面1721のそれぞれに、1個ずつ電池セル11を収容する。すなわち、本実施形態の第2セルケース172bは、第2セルケース172aが有する10個の収容面1721において、10個の電池セル11を収容する。
【0034】
第2セルケース172a、172bは、セル間距離を事前に決められた設定距離に保つ。より詳細には、第2セルケース172a、172bの収容面1721は、セル間距離を事前に決められた設定距離に保つように、電池セル11を収容する。
【0035】
また、第2セルケース172a、172bは、複数の電池セル11とともに、第1セルケース171の内部に格納される。第2セルケース172aは、第1セルケース171の内部における右側に配置される。同様に、第2セルケース172bは、第1セルケース171の内部における左側に配置される。
【0036】
(ハウジング)
ハウジング12は、電池セル11を収容する。より詳細には、ハウジング12は、図3図5に示すように、セルケース17に格納された電池セル11を収容する。本実施形態のハウジング12は、図2に示すように、第1ハウジング121と、第2ハウジング122と、スライドボタン123と、ガス抜き孔124a、124bと、固定ネジ125と、を有する。ガス抜き孔124a、124bは、ガスを外部へ排出する。なお、本実施形態のガス抜き孔124a、124bの総数は2個であるが、2個に限定されない。例えば、ガス抜き孔124a、124bのいずれか一方だけでもよいし、ガス抜き孔の総数が3個以上であってもよい。
【0037】
第1ハウジング121は、図4に示すように、第1底部1211と、嵌合部1212と、第1側部1213と、を有する。第1底部1211の形状は、略長方形である。第1底部1211の厚さ方向は、上下方向に沿っている。本実施形態では、第1底部1211は、後部に、ガス抜き孔124aを有する。第1底部1211は、前部に、嵌合部1212を有する。嵌合部1212は、後述する電動工具本体2と嵌合する。その結果、電池パック1は電動工具本体2に取り付けられる。嵌合部1212は、電動工具本体2と嵌め合わせるための溝(図示なし)が設けられている。また、嵌合部1212は、中央部分に、後述する接続端子163が通る貫通孔が設けられている。第1側部1213は、第1底部1211から突出している。より詳細には、第1側部1213は、第1底部1211の周縁部から突出している。第1側部1213は、第1底部1211から下方向に突出している。
【0038】
第2ハウジング122は、図4に示すように、第2底部1221と、第2側部1222と、を有する。第2底部1221の形状は、略長方形である。第2底部1221の厚さ方向は、上下方向に沿っている。第2側部1222は、第2底部1221から突出している。より詳細には、第2側部1222は、第2底部1221の周縁部から突出している。第2側部1222は、第2底部1221から上方向に突出している。第2側部1222は、第1側部1213と接合する。本実施形態では、第2側部1222は、前方に、ガス抜き孔124bを有する。
【0039】
スライドボタン123は、第1側部1213及び第2側部1222の少なくとも一方に配置される。例えば、スライドボタン123は、図1に示すように、第1側部1213の前方に配置される。スライドボタン123が操作されることで、電池パック1と、後述する電動工具本体2と、の嵌合が解除される。その結果、電池パック1を電動工具本体2から外すことが可能になる。
【0040】
固定ネジ125は、第1ハウジング121及び第2ハウジング122を固定する。より詳細には、固定ネジ125は、第1側部1213及び第2側部1222が互いに接合した状態を保つように、第1ハウジング121及び第2ハウジング122を固定する。本実施形態の固定ネジ125は4本であるが(図3参照)、4本に限定されない。
【0041】
電池パック1は、図5に示すように、ハウジング12と複数の電池セル11の側面112とに挟まれた空間である側面側空間S1、及びハウジング12と複数の電池セル11の端面111とに挟まれた空間である電極側空間S2を備える。
【0042】
側面側空間S1は、複数の電池セル11の側面112と、ハウジング12の内面と、に挟まれた空間である。側面側空間S1は、複数ある。より詳細には、側面側空間S1は、図4に示すように、第1側面側空間S11と、第2側面側空間S12と、第3側面側空間S13と、第4側面側空間S14と、で構成される。
【0043】
第1側面側空間S11は、複数の側面側空間S1のうち、複数の電池セル11の上方に配置される空間である。より具体的には、電池セル11は第1セルケース171によって格納されているため、第1側面側空間S11は、第1セルケース171の上面と、第1ハウジング121と、に挟まれた空間である。本実施形態の電池パック1は、第1側面側空間S11として、仕切壁部173a、173bを境にして仕切られた3つの第1側面側空間S11a、S11b、S11cを備える。そのため、第1側面側空間S11a、S11b、S11cのそれぞれは、第2側面側空間S12より、空間体積が小さい。より詳細に説明する。第1側面側空間S11aは、第1セルケース171において仕切壁部173aより左側に位置する部分と、第1ハウジング121の第1底部1211と、仕切壁部173aと、に囲まれた空間である。同様に、第1側面側空間S11bは、第1セルケース171において仕切壁部173bより右側に位置する部分と、第1ハウジング121第1底部1211と、仕切壁部173bと、に囲まれた空間である。第1側面側空間S11cは、第1セルケース171において仕切壁部173a及び仕切壁部173bの間に位置する中央部分と、第1ハウジング121の嵌合部1212と、仕切壁部173aと、仕切壁部173bと、に囲まれた空間である。
【0044】
第2側面側空間S12は、複数の側面側空間S1のうち、複数の電池セル11の下方に配置される空間である。より具体的には、電池セル11は第1セルケース171によって格納されているため、図5に示すように、第2側面側空間S12は、第1セルケース171の下面と、第2ハウジング122と、に挟まれた空間である。
【0045】
第3側面空間S13は、複数の側面側空間S1のうち、複数の電池セル11の前方に配置される空間である。より具体的には、電池セル11は第1セルケース171によって格納されているため、図3及び図4に示すように、第3側面空間S13は、第1セルケース171の前面と、第1ハウジング121及び第2ハウジング122と、に挟まれた空間である。
【0046】
第4側面空間S14は、複数の側面側空間S1のうち、複数の電池セル11の後方に配置される空間である。より具体的に説明する。電池セル11は、第1セルケース171によって格納され、第1セルケース171は通気孔174を有している。そのため、図3及び図4に示すように、第4側面空間S14は、第1セルケース171の後面と、第1ハウジング121及び第2ハウジング122と、に挟まれ、通気孔174が配置される空間である。
【0047】
本実施形態の電極側空間S2は、端面111a及び端面111bのいずれか一方と、ハウジング12の内面と、に挟まれた空間である。より詳細に説明する。電極側空間S2は、図5に示すように、第1電極側空間S21と、第2電極側空間S22と、で構成されている。第1電極側空間S21は、電極113が設けられた複数の端面111aと、第1ハウジング121又は第2ハウジング122と、に挟まれた空間である。同様に、第2電極側空間S22は、電極113が設けられた複数の端面111bと、第1ハウジング121又は第2ハウジング122と、に挟まれた空間である。
【0048】
(ガス吸収材)
ガス吸収材13は、上述した通り、ハウジング12の内部において、側面側空間S1と、電極側空間S2に設けられた介在部材14及びハウジング12に挟まれた空間と、の少なくとも一方に配置される。本実施形態では、ガス吸収材13は、側面側空間S1に配置される。より詳細には、ガス吸収材13は、複数の側面側空間S1のうち、少なくとも最も大きい空間体積を有する空間に配置される。小さい空間体積を有する空間よりも大きい空間体積を有する空間には、より多くのガスが存在する。そのため、大きい空間体積を有する空間に配置されたガス吸収材は、ガスを効率よく吸収することができる。本実施形態において、複数の側面側空間S1のうち最も大きい空間体積を有する空間は、第2側面側空間S12である。
【0049】
電池パック1は、ガスをガス抜き孔124a、124bまで誘導するガス排出経路R1を更に有する。ガス吸収材13はガス排出経路R1に配置される。本実施形態では、ガスが電池セル11の内部で発生し、電池セル11の外部に漏れだした場合、ガスはガス排出経路R1である側面側空間S1及び電極側空間S2を通り、ガス抜き孔124a、124bから外部へ排出される。そのため、本実施形態のガス吸収材13は、ガス排出経路R1である側面側空間S1及び電極側空間S2のうち側面側空間S1に配置される。より詳細には、本実施形態のガス吸収材13は、図4に示すように、側面側空間S12に配置される。なお、ガス吸収材13は、ガス排出経路R1である側面側空間S1及び電極側空間S2のうち電極側空間S2に配置されていてもよい。
【0050】
ガス排出経路R1は、ガス吸収材13が配置される箇所において、ガスを通過させる経路が狭くなっている絞り部R11を有する。より詳細には、図6に示すように、本実施形態のガス排出経路R1は、第1セルケース171の下面が有する半円筒状の突出部175bと、第2ハウジング122の第2底部1221と、によって複数の絞り部R11が形成される。絞り部R11では、ガス排出経路R1の他の部分と比較して、ガスがガス吸収材13に対して高圧で押付けられる。この結果、絞り部R11に配置されたガス吸収材13は、ガス排出経路R1の他の部分に配置されたガス吸収材13よりもガスを多く吸収する。
【0051】
本実施形態のガス吸収材13は、シート状になっている。図7に示すように、ガス吸収材13は、ハウジング12の内面との間に隙間空間S3を備えるように、固定部193によってハウジング12の内面に配置される。隙間空間S3によって、シート状になっているガス吸収材13の裏面からもガスを吸収することができるため、効率よくガスを吸収することが可能である。固定部193は、例えば、両面テープである。
【0052】
(耐火部材)
電池パック1は、ハウジング12よりも耐火性が高い耐火部材15a、15bを更に備える。耐火部材15a、15bは、電極側空間S2に配置される。また、本実施形態の耐火部材15a、15bの形状は、略角丸長方形である。耐火部材15a、15bは、図3に示すように、複数の電池セル11の電極113の近くに配置される。より詳細には、耐火部材15aは、複数の電池セル11の端面111aと、第1側部1213及び第2側部1222と、の間に配置される。耐火部材15bは、複数の電池セル11の端面111bと、第1側部1213及び第2側部1222と、の間に配置される。耐火部材15a、15bは、電極113の発熱を、電池パック1が備える部材であるハウジング12及びガス吸収材13等へ伝わりにくくする。また、耐火部材15a、15bは、例えば、シリカ繊維で形成されている。なお、耐火部材15a、15bは、ステンレス鋼やアルミナなどの耐火性の高い金属であってもよい。
【0053】
(電池パック側接続部)
電池パック側接続部16は、電動工具本体2の本体側接続部21と電気的に着脱可能に接続し、電動工具本体2へ電力の供給を行う。電池パック側接続部16は、図2に示すように、板金161a、161bと、基板162と、複数の接続端子163と、を有する。基板162は、複数の接続端子163を実装するための基板162である。本実施形態の基板162は、仕切壁部173a、173bによって支えられている。複数の接続端子163はそれぞれ、本体側接続部21が有する複数の端子と電気的に着脱可能に接続する部分である。複数の接続端子163は、電源端子163aを含む。電源端子163aは、板金161a、161bを介して複数の電池セル11の電極113と電気的に接続されており、複数の電池セル11に充電された電力を出力する端子である。
【0054】
(防火メッシュ)
防火メッシュ18a、18bは、複数の金属メッシュシート材と、複数の繊維シート材と、を有する。金属シート材は、例えば、ステンレス鋼材で形成されている。繊維シート材は、例えば、セラミック繊維シート、又は、アルミナシートである。
【0055】
本実施形態では、防火メッシュ18aは、ガス抜き孔124aの内面に配置される。より詳細には、図4に示すように、防火メッシュ18aは、ガス抜き孔124aの電池セル11側の面に配置される。防火メッシュ18bは、ガス抜き孔124bの内面に配置される。より詳細には、防火メッシュ18bは、ガス抜き孔124bの電池セル11側の面に配置される。防火メッシュ18a、18bは、炎の通過を抑制する機能を有する。また、本実施形態の防火メッシュ18a、18bの総数は2個であるが、2個に限定されない。例えば、防火メッシュ18a、18bのどちらか一方だけでもよいし、防火メッシュの総数が3個以上であってもよい。
【0056】
(絶縁テープ)
絶縁テープ191a、191bは、隣り合う電池セル11が電気的に接続することを防止する部材である。絶縁テープ191a、191bは、絶縁性を有する材料で形成されている。絶縁テープ191a、191bの形状は、例えば、略角丸長方形である。絶縁テープ191aは、電池セル11の電極113と、板金161aと、が電気的に接続するための複数の接続孔1911(図2では10個)を有する。同様に、絶縁テープ191bは、電池セル11の電極113と、板金161bと、が電気的に接続するための複数の接続孔1911を有する。本実施形態では、図3に示すように、端面111aに設けられている電極113が、接続孔1911を通り、板金161aと電気的に接続できるように、絶縁テープ191aは、電池セル11の端面111aと、板金161aと、の間に挟持される。同様に、端面111bに設けられている電極113が、接続孔1911を通り、板金161bと電気的に接続できるように、絶縁テープ191bは、電池セル11の端面111bと、板金161bと、の間に挟持される。
【0057】
(2-2)電動工具
以下に、実施形態に係る電池パック1を備えた電動工具10の詳細な構成について、図8を参照して説明する。
【0058】
電動工具10は、図8に示すように、電池パック1と、電動工具本体2と、備える。電動工具本体2は、電池パック1から供給される電力で動作する。電動工具本体2は、モータ3と、駆動伝達部4と、出力軸部5と、チャック6と、先端工具7と、トリガ8と、制御部9と、本体側接続部21と、を有している。
【0059】
モータ3は、先端工具7を駆動する駆動源である。電池パック1は、電動工具本体2に着脱可能に取り付けられる。電池パック1は、電動工具本体2に取り付けられた状態で、電動工具本体2に設けられた本体側接続部21に電気的に接続される。電池パック1は、本体側接続部21を介して電動工具本体2に電力を供給する。
【0060】
駆動伝達部4は、モータ3の出力(駆動力)を減速して出力軸部5に出力する。出力軸部5は、駆動伝達部4から出力された駆動力で駆動(例えば回転)される部分である。チャック6は、出力軸部5に固定されており、先端工具7が着脱自在に取り付けられる部分である。先端工具7(ビットとも言う)は、ドライバ、ソケット又はドリル等、用途に応じた形に形成されている。各種の先端工具7のうち用途に応じた先端工具7が、チャック6に取り付けられて用いられる。
【0061】
トリガ8は、モータ3の回転速度を操作するための操作部である。トリガ8でモータ3のオン又はオフが切替可能である。また、トリガ8の操作量で、出力軸部5の単位時間当たりの回転速度、つまりモータ3の回転速度が調整可能である。制御部9は、トリガ8に入力された操作に応じて、モータ3を駆動又は停止させ、また、モータ3の回転速度を制御する。
【0062】
(3)変形例
上述の実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。上述の実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。以下の変形例は、適宜組み合わせて実現されていてもよい。
【0063】
本実施形態では、ガス吸収材13が側面側空間S1に配置され、耐火部材15a、15bが電極側空間S2に配置されている。しかし、ガス吸収材13が、側面側空間S1に配置されておらず、電極側空間S2に設けられた介在部材14と、ハウジング12と、に挟まれた空間に配置されていてもよい。すなわち、ガス吸収材13は、端面111及びハウジング12との間に設けられた介在部材14と、ハウジング12の内面と、に挟まれた空間に配置されていてもよい。
【0064】
より具体的には、図9に示すように、介在部材14は、複数の端面111aと、第1側部1213又は第2側部1222と、の間に配置される。ガス吸収材13は、介在部材14と、第1側部1213又は第2側部1222と、に挟まれた空間に配置される。同様に、介在部材14は、複数の端面111bと、第1側部1213又は第2側部1222と、の間に配置される。ガス吸収材13は、介在部材14と、第1側部1213又は第2側部1222と、に挟まれた空間に配置される。この結果、ガス吸収材13が、電極113に直接接触する位置に配置されることを防止する。なお、介在部材14は、ハウジング12よりも耐火性が高い耐火材料で形成されている。介在部材14は、例えば、シリカ繊維で形成されていてもよく、ステンレス鋼などの耐火性の高い金属で形成されていてもよい。
【0065】
なお、ガス吸収材13は、側面側空間S1と、電極側空間S2に設けられた介在部材14及びハウジング12に挟まれた空間と、の両方に配置されていてもよい。
【0066】
また、本実施形態の電池セル11は10個であるが、電池セル11の個数は限定されない。なお、第2セルケース172aは、電池セル11の個数と同じの個数の収容面1721を有する。例えば、電池セル11の個数が8個である場合、第2セルケース172aは、8個の収容面1721を有する。
【0067】
また、本実施形態の電池セル11は円柱形であるが、電池セル11の形状は直方体であってもよい。この場合、電池セル11は、例えば、矩形の端面を有する。なお、電池セル11の形状はピン型であってもよい。
【0068】
また、本実施形態の電池セル11は、電極113が設けられる面として、2つ端面111を有する。しかし、電池セル11は、電極113が設けられる面として、少なくとも1つ以上の端面111を有していればよい。例えば、電極113である正極及び負極の両方が端面111aに設けられ、電極113が端面111bに設けられなくてもよい。この場合、端面111bに電極113が設けられないため、電極113の発熱を伝わりにくくする耐火部材15b及び介在部材14は、第1電極側空間S21のみに配置され、第2電極空間S21には配置されなくてもよい。
【0069】
同様に、正極と負極の両方が端面111bに設けられ、電極113が端面111aに設けられなくてもよい。この場合、電極113が端面111aに設けられないため、電極113の発熱を伝わりにくくする耐火部材15a及び介在部材14は、第2電極空間S21のみに配置され、第1電極側空間S21には配置されなくてもよい。
【0070】
また、本実施形態の電池セル11は、電池セル11の軸方向(図2のY方向)の両側に、電極113が設けられる面として、端面111を有している。しかし、電池セル11が、電極113が設けられる面を有する方向は、限定されない。例えば、電池セル11は、電池セル11の半径方向(図2のXZ平面に沿う方向)に、電極113が設けられる面を有していてもよい。
【0071】
(まとめ)
以上述べたように、第1の態様に係る電池パック(1)は、電池セル(11)と、ハウジング(12)と、ガス吸収材(13)と、側面側空間(S1)と、電極側空間(S2)と、を備える。電池セル(11)は、端面(111)及び側面(112)を有し、端面(111)に電極(113)が設けられる。ハウジング(12)は、電池セル(11)を収容する。ガス吸収材(13)は、ガスを吸収する。側面側空間(S1)は、側面(112)と、ハウジング(12)と、に挟まれた空間である。電極側空間(S2)は、端面(111)と、ハウジング(12)と、に挟まれた空間である。ガス吸収材(13)は、ハウジング(12)の内部において、側面側空間(S1)と、電極側空間(S2)に設けられた介在部材(14)及びハウジング(12)に挟まれた空間と、の少なくとも一方に配置される。
【0072】
この態様によれば、より簡略化した構造によってハウジング(12)の内部におけるガスの濃度を下げることができる、という利点がある。
【0073】
第2の態様に係る電池パック(1)では、第1の態様において、ガス吸収材(13)は、側面側空間(S1)に配置される。
【0074】
この態様によれば、側面側空間(S1)におけるガスの濃度を下げることができる、という利点がある。
【0075】
第3の態様に係る電池パック(1)は、第2の態様において、ハウジング(12)よりも耐火性が高い耐火部材(15a、15b)を更に備える。耐火部材(15a、15b)は、電極側空間(S2)に配置される。
【0076】
この態様によれば、ハウジング(12)が電極(113)に直接接触することを防止できる、という利点がある。
【0077】
第4の態様に係る電池パック(1)では、第1~第3のいずれかの態様において、側面側空間(S1)は、複数ある。ガス吸収材(13)は、複数の側面側空間(S1)のうち、少なくとも最も大きい空間体積を有する空間に配置される。
【0078】
この態様によれば、ハウジング(12)の内部におけるガスの濃度を効率よく下げることができる、という利点がある。
【0079】
第5の態様に係る電池パック(1)では、第1~第4のいずれかの態様において、介在部材(14)は、ハウジング(12)よりも耐火性が高い耐火材料で形成される。
【0080】
この態様によれば、ガス吸収材(13)が電極(113)に直接接触する位置に配置されることを防止できる、という利点がある。
【0081】
第6の態様に係る電池パック(1)では、第1~第5のいずれかの態様において、ハウジング(12)は、ガスを外部へ排出するガス抜き孔(124a、124b)を有する。第6の態様に係る電池パック(1)は、ガスをガス抜き孔(124a、124b)まで誘導するガス排出経路(R1)を更に備える。ガス吸収材(13)は、ガス排出経路(R1)に配置される。
【0082】
この態様によれば、ガス吸収材(13)が、ガス排出経路(R1)を通るガスを効率よく吸収できる、という利点がある。
【0083】
第7の態様に係る電池パック(1)は、第6の態様において、ガス排出経路(R1)は、ガス吸収材(13)が配置される箇所において、ガスを通過させる経路が狭くなっている絞り部(R11)を有する。
【0084】
この態様によれば、ガス吸収材(13)が、ガス排出経路(R1)を通るガスを効率よく吸収できる、という利点がある。
【0085】
第8の態様に係る電池パック(1)は、第1~第7のいずれかの態様において、ガス吸収材(13)は、シート状となっている。
【0086】
この態様によれば、ガス吸収材(13)をハウジング(12)の内部の任意の位置に配置することができる、という利点がある。
【0087】
第9の態様に係る電池パック(1)は、第8の態様において、ガス吸収材(13)は、ハウジング(12)の内面との間に隙間空間(S3)を備えるように配置される。
【0088】
この態様によれば、ガス吸収材(13)の裏面からもガスを吸収できるため、効率よくガスを吸収できる、という利点がある。
【0089】
第10の態様に係る電池パック(1)は、第1~第9のいずれかの態様において、ガスは、可燃性ガスである。
【0090】
この態様によれば、可燃性ガスを電池パック(1)の外部へ可燃性ガスの濃度を下げて排出することができる、という利点がある。
【0091】
第11の態様に係る電動工具(10)は、第1~第10のいずれかの態様の電池パック(1)と、電動工具本体(2)と、を備える。電動工具本体(2)は、電池パック(1)から供給される電力で動作する。
【0092】
この態様によれば、電池パック(1)の上記の効果を有する電動工具(10)を提供できる、という利点がある。
【符号の説明】
【0093】
10 電動工具
1 電動工具用電池パック
11 電池セル
111 端面
112 側面
113 電極
12 ハウジング
124a、124b ガス抜き孔
13 ガス吸収材
14 介在部材
15a、15b 耐火部材
2 電動工具本体
S1 側面側空間
S2 電極側空間
S3 隙間空間
R1 ガス排出経路
R11 絞り部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9