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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022167346
(43)【公開日】2022-11-04
(54)【発明の名称】エンジンの制御装置
(51)【国際特許分類】
   F02D 45/00 20060101AFI20221027BHJP
   F02D 43/00 20060101ALI20221027BHJP
   F02D 41/06 20060101ALI20221027BHJP
   F02D 41/04 20060101ALI20221027BHJP
   F02D 29/02 20060101ALI20221027BHJP
   F02D 17/00 20060101ALI20221027BHJP
   F02D 17/02 20060101ALI20221027BHJP
   F02D 21/08 20060101ALI20221027BHJP
   F02D 9/02 20060101ALI20221027BHJP
   F02M 26/05 20160101ALI20221027BHJP
   F02M 26/52 20160101ALI20221027BHJP
【FI】
F02D45/00
F02D43/00 301K
F02D43/00 301N
F02D41/06
F02D41/04
F02D29/02 321A
F02D29/02 321B
F02D29/02 321C
F02D17/00 G
F02D17/00 Q
F02D17/02 L
F02D17/02 Q
F02D21/08 301A
F02D9/02 325
F02D9/02 305M
F02M26/05
F02M26/52
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021073094
(22)【出願日】2021-04-23
(71)【出願人】
【識別番号】000003137
【氏名又は名称】マツダ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100067828
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 悦司
(74)【代理人】
【識別番号】100133916
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 興
(72)【発明者】
【氏名】山川 裕貴
(72)【発明者】
【氏名】谷村 兼次
(72)【発明者】
【氏名】菅野 宏
(72)【発明者】
【氏名】小林 徹
(72)【発明者】
【氏名】皆本 洋
【テーマコード(参考)】
3G062
3G065
3G092
3G093
3G301
3G384
【Fターム(参考)】
3G062AA01
3G062BA06
3G062CA01
3G062CA10
3G062GA01
3G062GA06
3G062GA08
3G062GA25
3G065AA01
3G065AA09
3G065CA12
3G065EA01
3G065EA06
3G065GA01
3G065GA05
3G065GA07
3G065GA10
3G065GA11
3G092AA02
3G092AB03
3G092AC03
3G092BB10
3G092CA01
3G092CB05
3G092DC01
3G092DC09
3G092FA17
3G092FA31
3G092GA01
3G092GA10
3G092HA01Z
3G092HA05Z
3G092HE01Z
3G092HE03Z
3G092HF08Z
3G092HF21Z
3G092HF25Z
3G093AA01
3G093BA20
3G093BA21
3G093BA22
3G093CA02
3G093CA09
3G093DA01
3G093DA03
3G093DA05
3G093DA06
3G093DA07
3G093DA09
3G093DB05
3G093DB15
3G093EA09
3G301HA02
3G301JA25
3G301KA01
3G301KA26
3G301KA28
3G301LA01
3G301PA01Z
3G301PA07Z
3G301PD02Z
3G301PE03Z
3G301PE08Z
3G301PF01Z
3G301PF03Z
3G384AA03
3G384AA29
3G384BA05
3G384BA27
3G384CA01
3G384CA21
3G384CA23
3G384DA13
3G384DA14
3G384FA01Z
3G384FA06Z
3G384FA08Z
3G384FA28Z
3G384FA40Z
3G384FA58Z
3G384FA71Z
3G384FA79Z
(57)【要約】
【課題】エンジンの再始動時の始動性を確保しつつNOxの生成量を抑制可能なエンジンの制御装置を提供する。
【解決手段】燃料カットを実行してから出力軸の回転が停止するまでの間に、接続部よりも下流側の吸気通路内の酸素濃度が大気の酸素濃度よりも低い所定の目標値になるようにスロットル弁の開度とEGR弁の開度とを調整する酸素濃度調整制御を実行するとともに、当該酸素濃度調整制御の実行後にスロットル弁を全閉状態に維持し、且つ、再始動条件の成立後にスロットル弁を開弁させるとともに、出力軸の回転が停止してからスロットル弁が開弁されるまでの間にEGR弁の開度を増大させる。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
気筒と、気筒での燃焼のエネルギーを受けて回転する出力軸と、気筒に導入される吸気が流通する吸気通路と、気筒から排出される排気ガスが流通する排気通路と、吸気通路と排気通路とを接続するEGR通路とを備えたエンジンに適用される制御装置であって、
前記気筒に燃料を供給するインジェクタと、
前記EGR通路に開閉可能に設けられたEGR弁と、
前記EGR通路と前記吸気通路との接続部よりも上流側の吸気通路に開閉可能に設けられたスロットル弁と、
前記インジェクタ、前記スロットル弁、および前記EGR弁を含むエンジンの各部を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、所定の自動停止条件が成立した場合に前記インジェクタによる燃料の供給を停止する燃料カットを実行する自動停止制御部と、所定の再始動条件が成立した場合に前記インジェクタによる燃料の供給を再開させる再始動制御部とを含み、
前記自動停止制御部は、前記燃料カットを実行してから前記出力軸の回転が停止するまでの間に、前記接続部よりも下流側の前記吸気通路内の酸素濃度が大気の酸素濃度よりも低い所定の目標値になるように前記スロットル弁の開度と前記EGR弁の開度とを調整する酸素濃度調整制御を実行するとともに、当該酸素濃度調整制御の実行後に前記スロットル弁を全閉状態に維持し、
前記再始動制御部は、前記再始動条件の成立後に前記スロットル弁を開弁させるとともに、前記出力軸の回転が停止してから前記スロットル弁が開弁されるまでの間に前記EGR弁の開度を増大させる、ことを特徴とするエンジンの制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載のエンジンの制御装置において、
前記再始動制御部は、前記再始動条件の成立後の前記スロットル弁の開度を全開よりも閉じ側の開度にする、ことを特徴とするエンジンの制御装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のエンジンの制御装置において、
前記酸素濃度調整制御は、前記接続部よりも下流側の前記吸気通路内の酸素濃度が前記目標値まで上昇するように前記スロットル弁を開弁状態にする第1の制御と、前記酸素濃度が前記目標値まで上昇した時点で前記スロットル弁を全閉にする第2の制御とを含む、ことを特徴とするエンジンの制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気筒と、気筒での燃焼のエネルギーを受けて回転する出力軸と、気筒に導入される吸気が流通する吸気通路と、気筒から排出される排気ガスが流通する排気通路と、吸気通路と排気通路とを接続するEGR通路とを備えたエンジンに適用される制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上記制御装置の一例として、下記特許文献1のものが知られている。この特許文献1に記載のエンジンの制御装置は、吸気通路に設けられたスロットル弁と、EGR通路に設けられたEGR弁(EGRコントロールバルブ)と、スロットル弁およびEGR弁を制御するコントロールユニットを備える。エンジンを自動停止させる要求があると、コントロールユニットは、EGR弁を開きつつ気筒への燃料噴射を停止するとともに、当該噴射停止(燃料カット)によりエンジンが停止した時点でスロットル弁およびEGR弁を全閉にする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-100497号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載のエンジンの制御装置によれば、停止したエンジンを始動させる再始動時に、EGRガスを含む吸気が気筒に導入されることにより、再始動時の燃焼によるNOx生成量が抑制されるという効果が期待される。しかしながら、燃料カットが行われる直前の運転状態によっては、過度に多くのEGRガスが吸気通路内に封じ込められた状態でエンジンが停止することが想定される。このような場合、再始動時に気筒に導入される新気の割合が低くなり過ぎて、混合気の燃焼性が低下するおそれがある。また、エンジン停止後の制御によってはエンジンの再始動時にスロットル弁を通過した新気が多量に気筒に導入される可能性があり、NOx生成量の抑制効果が小さくなるおそれもある。
【0005】
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、エンジンの再始動時の始動性を確保しつつNOxの生成量を抑制可能なエンジンの制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するためのものとして、本発明は、気筒と、気筒での燃焼のエネルギーを受けて回転する出力軸と、気筒に導入される吸気が流通する吸気通路と、気筒から排出される排気ガスが流通する排気通路と、吸気通路と排気通路とを接続するEGR通路とを備えたエンジンに適用される制御装置であって、前記気筒に燃料を供給するインジェクタと、前記EGR通路に開閉可能に設けられたEGR弁と、前記EGR通路と前記吸気通路との接続部よりも上流側の吸気通路に開閉可能に設けられたスロットル弁と、前記インジェクタ、前記スロットル弁、および前記EGR弁を含むエンジンの各部を制御する制御部とを備え、前記制御部は、所定の自動停止条件が成立した場合に前記インジェクタによる燃料の供給を停止する燃料カットを実行する自動停止制御部と、所定の再始動条件が成立した場合に前記インジェクタによる燃料の供給を再開させる再始動制御部とを含み、前記自動停止制御部は、前記燃料カットを実行してから前記出力軸の回転が停止するまでの間に、前記接続部よりも下流側の前記吸気通路内の酸素濃度が大気の酸素濃度よりも低い所定の目標値になるように前記スロットル弁の開度と前記EGR弁の開度とを調整する酸素濃度調整制御を実行するとともに、当該酸素濃度調整制御の実行後に前記スロットル弁を全閉状態に維持し、前記再始動制御部は、前記再始動条件の成立後に前記スロットル弁を開弁させるとともに、前記出力軸の回転が停止してから前記スロットル弁が開弁されるまでの間に前記EGR弁の開度を増大させる、ことを特徴とするものである(請求項1)。
【0007】
本発明によれば、燃料カットが実行されてから出力軸の回転が停止するまでの間に、前記の酸素濃度調整制御が実行されることで、接続部よりも下流側の吸気通路およびこれと連通するEGR通路内の酸素濃度を大気の酸素濃度よりも低い目標値にすることができる。また、酸素濃度調整制御の実行後にスロットル弁が全閉状態に維持され、且つ、再始動条件の成立後にスロットル弁が開弁されることで、出力軸の回転が停止してから少なくとも再始動条件が成立するまでの期間、スロットル弁を通じた新気の導入を禁止して、接続部よりも下流側の吸気通路内の酸素濃度とEGR通路内の酸素濃度をほぼ目標値に維持することができる。
【0008】
しかも、出力軸の回転が停止した後にEGR弁の開度が増大され、その後、再始動条件が成立した後にスロットル弁が開弁される。そのため、再始動条件の成立に伴ってエンジンが再始動したときに、スロットル弁を通過した新気が気筒に到達するよりも前に、EGR通路内のガスを確実に気筒に導入することができ、気筒に導入されるガスを、主として接続部よりも下流側の吸気通路内のガスおよびEGR通路内のガスであって酸素濃度が目標値とされたガスで構成することができる。従って、本発明によれば、エンジンの再始動時に気筒内の酸素濃度が過度に低くあるいは高くなるのを防止でき、気筒内での混合気の燃焼が再開したときの当該混合気の燃焼性ひいてはエンジンの始動性を確保しつつNOxの生成量を少なくすることができる。また、気筒内での燃焼が再開した後において、スロットル弁を通過した新気が気筒に到達することで、燃焼再開後の気筒内に必要な酸素を導入することができる。
【0009】
前記構成において、好ましくは、前記再始動条件の成立後の前記スロットル弁の開度を全開よりも閉じ側の開度にする(請求項2)。
【0010】
この構成によれば、エンジンの再始動開始時において、スロットル弁を通じて気筒に導入される新気の量を確実に少なく抑えて、気筒内の酸素濃度の上昇およびNOxの生成量の増大を確実に抑制できる。
【0011】
前記構成において、好ましくは、前記酸素濃度調整制御は、前記接続部よりも下流側の前記吸気通路内の酸素濃度が前記目標値まで上昇するように前記スロットル弁を開弁状態にする第1の制御と、前記酸素濃度が前記目標値まで上昇した時点で前記スロットル弁を全閉にする第2の制御とを含む(請求項3)。
【0012】
この構成によれば、燃料カット後にスロットル弁が開弁状態とされることで(第1の制御)、酸素を豊富に含んだ新気をスロットル弁よりも下流側の吸気通路に流入させてスロットル弁よりも下流側の吸気通路の酸素濃度を上昇させることができる。ここで、燃料カット前は、EGR通路を通じた既燃ガスの還流が行われることにより、前記接続部よりも下流側の吸気通路内の酸素濃度は大気の酸素濃度よりも有意に低くなっている。そのため、この構成によれば、第1の制御の実施によって前記接続部よりも下流側の前記吸気通路内を目標値に向けて高めることができる。また、この酸素濃度が目標値まで上昇すると、スロットル弁が閉弁されるとともに(第2の制御)、その後、全閉状態に維持されて、スロットル弁を通じた新気の導入が停止される。そのため、この構成によれば、出力軸の回転停止後において、前記接続部よりも下流側の吸気通路内の酸素濃度およびEGR通路内の酸素濃度を確実に目標値に維持できる。
【発明の効果】
【0013】
以上説明したように、本発明のエンジンの制御装置によれば、NOxの生成量を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の制御装置が適用されたエンジンの好ましい実施形態を示す概略システム図である。
図2】上記エンジンの制御系統を示す機能ブロック図である。
図3】上記エンジンの自動停止・再始動時に実行される自動停止・再始動制御の前半部を示すフローチャートである。
図4】上記自動停止・再始動制御の後半部を示すフローチャートである。
図5】上記自動停止・再始動制御が実行された場合の各状態量の時間変化の一例を示すタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
<エンジンの全体構成>
図1は、本発明の制御装置が適用されたエンジンの好ましい実施形態を示す概略システム図である。本図に示されるエンジンEは、走行用の動力源として車両に搭載される4サイクルのディーゼルエンジンである。エンジンは、軽油を含有する燃料の供給を受けて駆動されるエンジン本体1と、エンジン本体1に導入される吸気が流通する吸気通路30と、エンジン本体1から排出された排気ガスが流通する排気通路40と、排気通路40を通過する排気ガスにより駆動される過給機50と、排気通路40を流通する排気ガスの一部を吸気通路30に還流させる高圧EGR装置60および低圧EGR装置70とを備える。
【0016】
エンジン本体1は、図1の紙面に直交する方向に並ぶ複数の気筒2(図1ではそのうちの一つのみを示す)を有する直列多気筒型のものである。エンジン本体1は、複数の気筒2が内部に形成されたシリンダブロック3と、各気筒2の上端開口を塞ぐようにシリンダブロック3の上面に取り付けられたシリンダヘッド4と、各気筒2にそれぞれ往復摺動可能に収容された複数のピストン5とを備える。なお、本実施形態では、シリンダブロック3からシリンダヘッド4に向かう側を上、その逆を下として扱うが、これは説明の便宜のためであって、エンジンの据付姿勢を限定する趣旨ではない。
【0017】
各気筒2のピストン5の上方には、それぞれ燃焼室6が形成されている。各燃焼室6は、シリンダヘッド4の下面と、気筒2の側周面(シリンダライナ)と、ピストン5の冠面5aとによって画成された空間である。燃焼室6には、後述するインジェクタ15からの噴射によって燃料が供給される。供給された燃料と空気との混合気が燃焼室6で燃焼され、その燃焼による膨張力で押し下げられたピストン5が上下方向に往復運動する。
【0018】
シリンダブロック3の下部(ピストン5の下方)には、エンジン本体1の出力軸であるクランク軸7が設けられている。クランク軸7は、各気筒2のピストン5とコネクティングロッド8を介して連結され、ピストン5の往復運動(上下運動)に応じて中心軸回りに回転する。
【0019】
クランク軸7は、クラッチCを介してモータMと連結されている。クラッチCは、クランク軸7とモータMとを断接可能に連結している。エンジンの始動時、クランク軸7はモータMによって強制的に回転駆動される。具体的には、エンジンの始動時、クラッチCが締結状態とされて、クラッチCによってクランク軸7とモータMとがこれらの間でトルクが伝達される状態に連結される。これにより、モータMのトルクがクランク軸7に伝達されるようになり、クランク軸7はモータMによって回転駆動されてエンジンはクランキングする。
【0020】
シリンダブロック3には、クランク角センサSN1および水温センサSN2が取り付けられている。クランク角センサSN1は、クランク軸7の回転角度であるクランク角と、クランク軸7の回転数であるエンジン回転数とを検出する。水温センサSN2は、シリンダブロック3およびシリンダヘッド4の内部を流通する冷却水の温度つまりエンジン水温を検出する。
【0021】
シリンダヘッド4には、燃焼室6と連通する吸気ポート9および排気ポート10が、それぞれ気筒2ごとに形成されている。また、シリンダヘッド4には、吸気弁11、排気弁12、およびインジェクタ15の組合せが、それぞれ気筒2ごとに装備されている。吸気弁11は、吸気ポート9の燃焼室6側の開口を開閉するバルブである。排気弁12は、排気ポート10の燃焼室6側の開口を開閉するバルブである。インジェクタ15は、燃焼室6に燃料(軽油)を噴射する噴射弁であり、例えば燃焼室6の天井面中央からピストン5の冠面5aに向かって燃料を噴射するようにシリンダヘッド4に取り付けられる。
【0022】
シリンダヘッド4には、吸気弁11を開閉駆動する動弁機構13と、排気弁12を開閉駆動する動弁機構14とが組み付けられている。これら動弁機構13,14の組合せは、例えばクランク軸7に連係された一対のカムシャフトを含み、クランク軸7の回転に連動して各気筒2の吸気弁11および排気弁12を開閉駆動する。
【0023】
吸気通路30は、各気筒2の燃焼室6に導入される吸気の流通路を形成する管状部材である。吸気通路30は、エンジン本体1に近い下流側の部分に、複数の気筒2に対応して分岐した(図1の紙面に直交する方向に並ぶ複数の分岐管を含む)吸気マニホールド30aを有している。この吸気マニホールド30aは、各気筒2の吸気ポート9と連通するようにシリンダヘッド4に接続されている。なお、吸気通路30における吸気マニホールド30a以外の部分は、当該吸気マニホールド30aに連なる共通の通路を形成する単管状の部材とされる。
【0024】
吸気通路30には、その上流側から順に、エアクリーナ31、スロットル弁32、インタークーラ33、およびサージタンク34が配置されている。エアクリーナ31は、吸気中の異物を除去するフィルターである。スロットル弁32は、吸気通路30を流通する吸気の流量を調整可能な電動式のバタフライ弁である。インタークーラ33は、過給機50(詳しくは後述するコンプレッサ51)により圧縮された吸気を冷却する熱交換器である。サージタンク34は、各気筒2に吸気を均等に配分するための空間を提供するタンクであり、吸気マニホールド30aの上流端に接続されている。
【0025】
吸気通路30には、エアフローセンサSN3および吸気圧センサSN4が配置されている。エアフローセンサSN3は、吸気通路30におけるエアクリーナ31よりも下流側の部分に配置され、当該部分を通過する吸気の流量つまり吸気流量を検出する。吸気圧センサSN4は、サージタンク34に配置され、当該サージタンク34を通過する吸気の圧力つまり吸気圧を検出する。
【0026】
排気通路40は、各気筒2の燃焼室6から排出された排気ガスの流通路を形成する管状部材である。排気通路40は、エンジン本体1に近い上流側の部分に、複数の気筒2に対応して分岐した(図1の紙面に直交する方向に並ぶ複数の分岐管を含む)排気マニホールド40aを有している。この排気マニホールド40aは、各気筒2の排気ポート10と連通するようにシリンダヘッド4に接続されている。なお、排気通路40における排気マニホールド40a以外の部分は、当該排気マニホールド40aに連なる共通の通路を形成する単管状の部材とされる。
【0027】
排気通路40には、排気ガスを浄化する触媒装置41が設けられている。触媒装置41は、排気ガス中のCOおよびHCを酸化して無害化する酸化触媒42と、排気ガス中に含まれる粒子状物質を捕集するためのDPF(ディーゼル・パティキュレート・フィルタ)43とを内蔵している。
【0028】
排気通路40には、排気OセンサSN5が取り付けられている。排気OセンサSN5は、排気通路40におけるタービン52と触媒装置41との間の部分に設けられ、当該部分を通過する排気ガスに含まれる酸素の濃度つまり排気酸素濃度を検出する。
【0029】
過給機50は、吸気通路30に配置されたコンプレッサ51と、排気通路40に配置されたタービン52と、コンプレッサ51とタービン52とを連結するタービン軸53とを備える。
【0030】
タービン52は、排気通路40を流れる排気ガスのエネルギーを受けて回転する羽根車である。タービン52は、排気マニホールド40aの下流端(排気集合部)と触媒装置41との間の排気通路40に配置されている。タービン52の回転は、タービン軸53を介してコンプレッサ51に伝達される。
【0031】
コンプレッサ51は、タービン52の回転に連動して回転することにより吸気を圧縮しつつ送り出す(過給する)羽根車である。コンプレッサ51は、エアクリーナ31とスロットル弁32との間の吸気通路30に配置されている。
【0032】
高圧EGR装置60は、タービン52に流入する前の比較的圧力の高い排気ガスの一部をEGRガスとして吸気通路30に還流するための還流装置である。高圧EGR装置60は、排気通路40と吸気通路30とを接続する第1EGR通路61と、第1EGR通路61に設けられた第1EGR弁62および第1EGRクーラ63とを備える。第1EGR弁62は、第1EGR通路61を流通するEGRガスの流量を調整可能な電動式のバルブである。第1EGRクーラ63は、第1EGR通路61を流通するEGRガスを冷却する熱交換器である。なお、第1EGR通路61および第1EGR弁62は、それぞれ本発明における「EGR通路」「EGR弁」に相当する。
【0033】
第1EGR通路61の上流側(排気通路40側)の端部が排気通路40に接続される箇所を第1EGR入口部61a、第1EGR通路61の下流側(吸気通路30側)の端部が吸気通路30に接続される箇所を第1EGR出口部61bとする。この場合、第1EGR入口部61aは、排気通路40におけるタービン52と排気マニホールド40aの下流端(排気集合部)との間に位置している。また、第1EGR出口部61bは、吸気通路30におけるスロットル弁32とサージタンク34との間に位置している。言い換えると、第1EGR通路61は、タービン52よりも上流側の排気通路40と、スロットル弁32よりも下流側の吸気通路30とを互いに接続している。なお、第1EGR出口部61bは、本発明における「EGR通路と吸気通路との接続部」に相当する。
【0034】
低圧EGR装置70は、タービン52を通過した後の比較的圧力の低い排気ガスの一部をEGRガスとして吸気通路30に還流するための還流装置である。低圧EGR装置70は、排気通路40と吸気通路30とを接続する第2EGR通路71と、第2EGR通路71に設けられた第2EGR弁72および第2EGRクーラ73とを備える。第2EGR弁72は、第2EGR通路71を流通するEGRガスの流量を調整可能な電動式のバルブである。第2EGRクーラ73は、第2EGR通路71を流通するEGRガスを冷却する熱交換器である。
【0035】
第2EGR通路71の上流側(排気通路40側)の端部が排気通路40に接続される箇所を第2EGR入口部71a、第2EGR通路71の下流側(吸気通路30側)の端部が吸気通路30に接続される箇所を第2EGR出口部71bとする。この場合、第2EGR入口部71aは、排気通路40におけるタービン52および触媒装置41よりも下流側に位置している。また、第2EGR出口部71bは、吸気通路30におけるエアクリーナ31とスロットル弁32との間(より詳しくはエアクリーナ31とコンプレッサ51との間)に位置している。言い換えると、第2EGR通路71は、タービン52よりも下流側の排気通路40と、スロットル弁32よりも上流側の吸気通路30とを互いに接続している。
【0036】
<制御系統>
図2は、エンジンの制御系統を示す機能ブロック図である。本図に示されるECU100は、エンジンを統括的に制御するための装置であり、各種演算処理を行うプロセッサ(CPU)と、ROMおよびRAM等のメモリーと、各種の入出力バスとを含むマイクロコンピュータにより構成されている。
【0037】
ECU100には、エンジンの各センサによる検出情報が入力される。例えば、ECU100は、上記したクランク角センサSN1、水温センサSN2、エアフローセンサSN3、吸気圧センサSN4、および排気OセンサSN5と電気的に接続されている。ECU100には、当該各センサSN1~SN5によって検出された情報、つまりクランク角、エンジン回転数、エンジン水温、吸気流量、吸気圧、排気酸素濃度等の情報が逐次入力される。
【0038】
また、ECU100には、車両に備わる各種センサによる検出情報も入力される。本実施形態において、車両には、車速センサSN6、アクセルセンサSN7、およびブレーキセンサSN8が設けられている。車速センサSN6は、車両の走行速度である車速を検出するセンサであり、アクセルセンサSN7は、車両に備わるアクセルペダルの開度であるアクセル開度を検出するセンサであり、ブレーキセンサSN8は、車両に備わるブレーキペダルの操作(ブレーキ操作)の有無を検出するセンサである。ECU100には、当該各センサSN6~SN8による検出情報(車速、アクセル開度、およびブレーキ操作の情報)も逐次入力される。
【0039】
ECU100は、上記各センサSN1~SN8からの入力情報に基づいて種々の判定や演算等を実行しつつエンジンの各部を制御する。例えば、ECU100は、インジェクタ15、スロットル弁32、第1EGR弁62、および第2EGR弁72と電気的に接続されており、上記演算等の結果に基づいてこれらの機器にそれぞれ制御用の信号を出力する。また、ECU100は、クラッチCおよびモータMにそれぞれ制御用の信号を出力する。
【0040】
ECU100は、判定部101と、自動停止制御部102Aと、再始動制御部102Bとを機能的に有する。判定部101は、自動停止条件および再始動条件の成否等の各種判定を行う。自動停止制御部102Aは、自動停止条件の成立時にインジェクタ15、スロットル弁32、および第1EGR弁62等を制御する。自動停止制御部102Aは、例えば、自動停止条件が成立するとエンジンを停止させるためにインジェクタ15による燃料噴射(燃料供給)を停止させる燃料カットを実行する。再始動制御部102Bは、再始動条件の成立時にインジェクタ15、スロットル弁32、および第1EGR弁62等を制御する。再始動制御部102Bは、例えば、再始動条件が成立するとインジェクタ16による燃料噴射(燃料供給)を再開させる。以下では、自動停止制御部102Aと再始動制御部102Bとをまとめて自動停止・始動制御部102という。
【0041】
本実施形態のエンジンは、自動的に停止・再始動が可能に構成されている。つまり、ECU100は、所定の条件下でエンジンを自動的に停止させ、また、自動的に再始動させる機能を有する。上記の自動停止条件は、エンジンの自動的な停止を許可する条件のことであり、上記の再始動条件は、自動停止条件に伴うエンジンの自動停止後におけるエンジンの自動的な再始動を許可する条件のことである。自動停止条件および再始動条件は、車両の形式等によって種々の条件が設定され得る。
【0042】
例えば、走行用の動力源が実質的にエンジンのみである車両(いわゆるエンジン車)では、(i)車両が実質的に停止していること、(ii)アクセルペダルがオフ状態であること、(iii)プレーキペダルがオン状態であること(踏み込まれていること)、を含む複数の条件が全て揃った場合に、自動停止条件が成立し得る。また、この車両では、自自動停止条件の成立後にエンジンが自動停止された後において、(i)車両が実質的に停止していること、(ii)アクセルペダル開度が0より大きいこと(踏み込まれていること)、(iii)プレーキペダルがオフ状態であること(踏み込まれていないこと)、を含む複数の条件が全て揃った場合に、再始動条件が成立し得る。この場合、ECU100(判定部101)は、車速センサSN6、アクセルセンサSN7、およびブレーキセンサSN8から入力される情報等に基づいて自動停止条件の成否および再始動条件の成否を判定する。
【0043】
一方、走行用の動力源としてモータMが併用される車両、すなわちモータMのみによるEV走行が可能ないわゆるハイブリッド車両では、車両の走行中であってもエンジンの駆動力が不要になる場合があり、このような状況が生じたときに自動停止条件が成立し得る。この場合、ECU100は、車速センサSN6により検出される車速や、アクセルセンサSN7により検出されるアクセル開度等から、エンジンおよびモータMを含む駆動源の目標トルクを算出し、算出した目標トルクを含む各種条件からエンジン出力(走行に寄与する正の出力トルク)が必要か否かを判定する。そして、エンジン出力が不要と判定された場合に、自動停止条件が成立したと判定する。また、この車両では、自動停止条件の成立後にエンジンが自動停止された状態でエンジン出力が必要と判定された場合に再始動条件が成立したと判定する。
【0044】
<自動停止・再始動制御>
次に、稼働中のエンジンを自動的に停止させ、その後再始動させるときにECU100によって実施される自動停止・再始動制御の詳細について説明する。図3および図4は、当該自動停止・再始動制御の具体的手順を示すフローチャートである。ここで、自動停止・再始動制御には、第1EGR出口部61bよりも下流側の吸気通路30に存在する吸気中の酸素濃度を調整する制御が含まれており、以下では、この調整の対象となる酸素濃度、つまり第1EGR出口部61bよりも下流側の吸気通路30に存在する吸気中の酸素濃度のことを、「最終吸気酸素濃度」という。
【0045】
図3のフローチャートによる制御がスタートすると、ECU100(判定部101)は、まず、自動停止条件が成立したか否かを判定する(ステップS1)。
【0046】
ステップS1でYESと判定されて自動停止条件が成立したことが確認されると、ECU100(自動停止・始動制御部102)は、各気筒2のインジェクタ15からの燃料噴射を停止する燃料カットを実行する(ステップS2)。燃料カットが実行されると、各気筒2での燃焼が停止されることにより、エンジン回転数は徐々に低下する。
【0047】
ここで、自動停止条件が成立する直前のエンジンの負荷は高くない。この状態において、エンジンは、第1EGR弁62および第2EGR弁72の少なくとも一方が開いた状態で運転される。すなわち、自動停止条件が成立する前提として、エンジンは、排気通路40から吸気通路30に排気ガスを還流させるEGRの実行中にあり、しかもそのEGR率(吸気中に占めるEGRガスの割合)は比較的高い。このため、自動停止条件が成立するとき、吸気通路30内の酸素濃度は、少なくともエンジン本体1の近傍(詳しくは第1EGR出口部61bよりも下流側の部分)において大気中の酸素濃度に対し有意に低下しており、その値は後述するステップS5で用いられる酸素濃度の目標値Dxよりも低くなっている。
【0048】
次いで、ECU100(自動停止・始動制御部102)は、スロットル弁32の開度を停止用スロットル開度にするとともに、第1EGR弁62の開度を停止用EGR開度にする(ステップS3)。停止用スロットル開度および停止用EGR開度は、いずれも全閉(0%)でも全開(100%)でもない開度つまり中間開度である。これら停止用開度は予め設定されてECU100に記憶されている。本実施形態では、停止用スロットル開度および停止用EGR開度は略同一の値(例えば30%程度)に設定されている。なお、第2EGR弁72の開度は適宜の値に設定し得るが、例えばスロットル弁32および第1EGR弁62とは別に定められた特定の中間開度に設定することができる。
【0049】
スロットル弁32が開弁状態にあることで、吸気通路30には新気が導入される。また、第1EGR弁62は開弁しているものの、燃料カット後は気筒2内での燃焼が停止されることでEGRガスの酸素濃度は上昇していく。これより吸気通路30内の酸素濃度および第1EGR通路61内の酸素濃度は上昇していく。また、気筒2内での燃焼が停止されることで気筒2に導入されるガスと気筒2から導出されるガスの成分とはほぼ同等となり、第1EGR出口部61bよりも下流側の吸気通路30内の酸素濃度、つまり、最終吸気酸素濃度と第1EGR通路61内の酸素濃度とは同等になっていく。
【0050】
次いで、ECU100(自動停止・始動制御部102)は、スロットル弁32および第1EGR弁62の各開度がエンジン回転数と連動して変化するように各弁32,62を制御する(ステップS4)。具体的に、ECU100は、スロットル弁32および第1EGR弁62が開弁状態に維持される範囲で、エンジン回転数が漸減するのに応じてスロットル弁32および第1EGR弁62の各開度をそれぞれ漸減させる。本実施形態では、スロットル弁32および第1EGR弁62の各開度は、略同一の値に維持されつつ漸減される。
【0051】
次いで、ECU100(判定部101)は、最終吸気酸素濃度の推定値が所定の目標値Dx以上になったか否かを判定する(ステップS5)。目標値Dxは、予め設定されてECU100に記憶されている。目標値Dxは、大気の酸素濃度、つまり吸気が全て新気で占められた場合の吸気酸素濃度よりは小さい値に設定されている。また、目標値Dxは、燃料カットが実施されたときにとり得る最終吸気酸素濃度よりも大きい値に設定されており、ステップS5では、最終吸気酸素濃度の推定が目標値Dxまで上昇したか否かが判定されることになる。
【0052】
ECU100は、スロットル弁32および第1EGR弁62の各開度をエンジン回転数に応じてそれぞれ漸減させる制御(ステップS4)を継続しつつ、ステップS5の判定がYESになるのを待つ。そして、ECU100(自動停止・始動制御部102)は、ステップS5でYESと判定されて最終吸気酸素濃度が目標値Dxまで上昇したことが確認されると、スロットル弁32を全閉にする(ステップS6)。
【0053】
次いで、ECU100(自動停止・始動制御部102)は、吸気圧が所定の基準圧力Px(図5(f)参照)を下回らないように第1EGR弁62の開度を調整する(ステップS7)。基準圧力Pxは、吸気圧センサSN4により検出されるサージタンク34内の圧力つまり吸気圧の基準値であって、大気圧をやや下回るような弱い負圧に相当する圧力である。
【0054】
ここで、上記ステップS6でのスロットル弁32の閉弁により、新たな吸気の導入が基本的に停止されるので、この状態で吸気圧を弱い負圧に留めるには、第1EGR弁62の開度を増大させて第1EGR通路61を通じたEGRガスの還流を促進する必要がある。そこで、ステップS7において、ECU100は、第1EGR弁62を開方向に駆動する。具体的に、ECU100は、第1EGR弁62の基本開度をエンジン回転数からマップ等を参照しつつ決定するとともに、決定した基本開度を、吸気圧センサSN4による検出圧力を用いて補正することにより、第1EGR弁62の目標開度を算出する。ステップS7では、このように算出される目標開度に従って第1EGR弁62の開度が制御される。
【0055】
次いで、判定部101は、エンジン回転数が所定の基準回転数Nx未満まで低下したか否かを判定する(ステップS8)。この判定は、クランク角センサSN1の検出値に基づいて行われる。基準回転数Nxは、ステップS2の燃料カット時のエンジン回転数よりも小さい値であって、今後の吸気圧の負圧化を適切なレベルに調整し得るような値に予め設定されてECU100に記憶されている。具体的に、基準回転数Nxは、後述するステップS9以降に大きく負圧化する吸気圧の最小値Py(図5(f)参照)が所定の目標範囲Zに収まるような値に設定される。なお、目標範囲Zは、例えば50kPaを含むように設定することができ、基準回転数Nxは、例えば700~800rpm程度に設定することができる。
【0056】
ECU100は、第1EGR弁62の開度調整(ステップS7)を継続しつつ、ステップS8の判定がYESになるのを待つ。そして、ECU100(自動停止・始動制御部102)は、ステップS8でYESと判定されてエンジン回転数が基準回転数Nx未満になったことが確認されると、第1EGR弁62を全閉にする(ステップS9)。ここで、スロットル弁32はステップS10の制御を経て既に全閉状態にある。このため、当該ステップS9以降は、スロットル弁32と第1EGR弁62との双方が全閉状態とされる。これにより、ステップS9以降、吸気圧の負圧化は進行する。
【0057】
次いで、ECU100(判定部101)は、エンジンが完全停止したか否かを判定する(ステップS10)。ECU100は、クランク角センサSN1により検出されるエンジン回転数が実質的にゼロまで低下するとエンジンが完全停止したと判定する。
【0058】
ECU100は、第1EGR弁62およびスロットル弁32の双方を全閉状態に維持しつつ、ステップS10の判定がYESになるのを待つ。そして、ECU100(自動停止・始動制御部102)は、ステップS10でYESと判定されてエンジンが完全停止したことが確認されると、第1EGR弁62を開き、第1EGR弁62の開度を所定の始動用EGR開度にする(ステップS11)。このときスロットル弁32の開操作は行われず、スロットル弁32は全閉状態に維持されたまま第1EGR弁62が開弁される。上記の始動用EGR開度は、中間開度であり、予め設定されてECU100に記憶されている。始動用EGR開度は、例えば、50%程度に設定される。なお、ステップS11は、エンジンが完全停止してから所定時間後に実施されてもよいが、本実施形態では、ステップS10の判定がYESとなった直後に実施される。
【0059】
次いで、ECU100(判定部101)は、再始動条件が成立したか否かを判定する(ステップS12)。ECU100は、スロットル弁32を全閉状態に、且つ、第1EGR弁62の開度を始動用EGR開度に維持した状態で、ステップS12の判定がYESになるのを待つ。そして、ECU100(自動停止・始動制御部102)は、ステップS12でYESと判定されて再始動条件が成立したことが確認されると、エンジンを始動させるための始動制御を開始する(ステップS13)。具体的には、ECU100は、クラッチCを開放状態(クランク軸7(エンジンE)とモータMとの間でトルクが伝達されない状態)から締結状態(クラッチCを介してクランク軸7(エンジンE)とモータMとの間でトルクが伝達される状態)に切り替える。また、ECU100は、モータMが停止している場合はモータMを駆動する。これにより、エンジンはクランキングを開始してエンジンの再始動が開始される。そして、クランキングが開始してエンジン回転数が所定の回転数以上になると、ECU100(自動停止・始動制御部102)は、インジェクタ15からの各気筒2の燃焼室6への燃料噴射を再開させる。
【0060】
ステップS13が開始される、つまり、始動制御が開始されると、ECU100(自動停止・始動制御部102)は、スロットル弁32を開き、スロットル弁32の開度を始動用スロットル開度にする(ステップS14)。始動用スロットル開度は、中間開度であり、予め設定されてECU100に記憶されている。始動用スロットル開度は、例えば、30%程度であって始動用EGR開度よりも小さい開度に設定される。
【0061】
上記のステップS14、つまり、スロットル弁32の開弁は、始動制御の開始とほぼ同時に行われる。本実施形態では、ECU100からクラッチCに対して開放状態から締結状態に切り替えるための指令が出されるのとほぼ同時にスロットル弁32が開かれる。
【0062】
次いで、ECU100(判定部101)は、エンジンの始動が完了したか否かを判定する(ステップS15)。具体的に、ECU100は、クランク角センサSN1により検出されたエンジン回転数が所定の判定回転数以上になるとエンジンの始動が完了したと判定する。
【0063】
ECU100は、始動制御を継続しつつ、ステップS15の判定がYESになるのを待つ。そして、ECU100は、ステップS15でYESと判定されてエンジンの始動が完了したことが確認されると、通常運転(自動停止条件成立後の運転および再始動条件成立からエンジンの始動が完了するまでの運転以外の運転)の制御に移行する。例えば、ECU100は、アクセル開度等に基づいてエンジンに要求されるトルクを算出し、当該トルクが実現されるように、また、当該トルクとエンジン回転数等に対応したEGR率が実現されるように、インジェクタ15、第1EGR弁62およびスロットル弁32を制御する。
【0064】
<自動停止・再始動制御による各部の動作例>
図5は、自動停止・再始動制御が実行された場合の各状態量の時間変化の一例を示すタイムチャートであり、(a)は自動停止条件の成否を示すフラグ、(b)は再始動条件の成否を示すフラグ、(c)はクラッチCの状態、(d)はインジェクタ15からの燃料噴射の要否を示すフラグ、(e)はエンジン回転数、(f)は吸気圧(サージタンク34内の圧力)、(g)はスロットル弁32の開度、(h)は第1EGR弁62の開度、チャート(i)は最終吸気酸素濃度(サージタンク34内の吸気酸素濃度)の時間変化を、それぞれ示している。
【0065】
図5では、自動停止条件が成立した時点をt1としている。自動停止条件が成立すると、燃料カットが実行される。さらに、燃料カットの直後に、スロットル弁32の開度が停止用スロットル開度α%とされるとともに、第1EGR弁62の開度が停止用EGR開度α%とされる。図5の例では、時点t1以前のスロットル弁32の開度が停止用スロットル開度α%よりも小さいことで時点t1直後、スロットル弁32の開度は増大される。一方、時点t1以前の第1EGR弁62の開度が停止用EGR開度α%よりも大きいことで、時点t1直後、第1EGR弁62の開度は低減される。
【0066】
燃料カットの実行に伴って時点t2からエンジン回転数は実質的に低下し始める。これを受けて、時点t2以降、スロットル弁32および第1EGR弁62の各開度はそれぞれ停止用開度から徐々に低減される。
【0067】
上記のように、燃料カットが実行され且つスロットル弁32が開弁状態にあることで、時点t1以降、最終吸気酸素濃度は徐々に上昇していく。そして、時点t3にて最終吸気酸素濃度は目標値Dxまで上昇する。
【0068】
時点t3にて最終吸気酸素濃度が目標値Dxまで上昇すると、その直後に、スロットル弁32の開度が0%まで低減されてスロットル弁32は全閉にされる。スロットル弁32が全閉にされることにより、吸気通路30内への新気の流入は停止する。これより、時点t3付近において最終吸気酸素濃度の上昇は実質的に停止し、時点t3以降、最終吸気酸素濃度は目標値Dxの近傍に維持される。上記のように、燃料カット後は、最終吸気酸素濃度と第1EGR通路61内の酸素濃度とは同等となる。これより、時点t3以降、第1EGR通路61内の酸素濃度も目標値Dxの近傍に維持される。
【0069】
また、時点t3の直後、第1EGR弁62の開度は、吸気圧が基準圧力Pxを下回らないように調整されることで増大され、これにより、吸気圧は基準圧力Pxを下回らない値に維持される。
【0070】
時点t3後の時点t4において、エンジン回転数が基準回転数Nxまで低下すると、第1EGR弁62の開度は0%まで低減される。当該制御により、第1EGR弁62およびスロットル弁32の双方が全閉状態とされる。
【0071】
第1EGR弁62およびスロットル弁32の双方が全閉状態とされることで、時点t4以降、吸気圧は急激に低下していき、時点t3からしばらく後に吸気圧は最小値Pyとなるく。ここで、上記のように、基準回転数Nxは、吸気圧の最小値Pyが所定の目標範囲Zに収まるような値に設定されており、時点t3からしばらく後して実現される吸気圧の最小値Pyは目標範囲Zに収まる。
【0072】
時点t4から遅れた時点t5において、エンジン回転数はゼロまで低下し、エンジンは完全停止に至る。すると、第1EGR弁62は開弁されて、その開度は0%から始動用EGR開度β%まで増大される。図5の例では、始動用EGR開度β%は、上記した停止用EGR開度α%よりも大きい開度に設定される。
【0073】
第1EGR弁62が開弁すると、第1EGR通路61から吸気通路30内にガスが流入する。これにより、吸気圧は大気圧付近まで増大する。一方、スロットル弁32が閉弁されていることで、吸気通路30への新気の流入は停止された状態に維持される。また、上記のひょうに、第1EGR通路61内の酸素濃度は目標値Dx近傍の値となっている。そのため、最終吸気酸素濃度は時点t5以降も目標値Dx近傍の値に維持される。
【0074】
図5の例では、時点t5からしばらくした時点t6にて再始動条件が成立する。これを受けて、時点t6から遅れた時点t7にてクラッチCは締結状態に切り替えられる(OFFからONに切り替えられる)。時点t7にてクラッチCが締結状態に切り替えられることで、モータMからエンジン(クランク軸7)にトルクが伝達されるようになる。これより、時点t7直後からエンジンのクランキングが開始されてエンジン回転数は増大していく。なお、上記のように、時点t6にてモータMが停止しているときは時点t7にてモータMの駆動が開始される。
【0075】
また、時点t7にてつまりクラッチCが締結状態に切り替えられるのとほぼ同じタイミングで、スロットル弁32は開弁されて、その開度が0%から始動用スロットル開度γ%まで増大される。図5の例では、始動用スロットル開度γ%は、停止用スロットル開度α%よりも大きい開度に設定される。
【0076】
ここで、時点t7にてスロットル弁32が開弁することで、スロットル弁32よりも下流側の吸気通路30への新気の導入が許可される。しかし、スロットル弁32には駆動遅れがあり、且つ、スロットル弁32とサージタンク34との間には距離があるので、すぐには、新気はサージタンクに到達しない。また、エンジンがクランキングを開始すると気筒2側に向かう吸気の流れが生じるが、第1EGR通路61と吸気通路30の接続部(第1EGR出口部)61bの方がスロットル弁32よりもサージタンク34に近い位置に配設されていることで、エンジンがクランキングを開始してもしばらくの間は、スロットル弁32よりも上流側の吸気つまり新気よりも第1EGR通路61内のガスの方が優先的にサージタンク34に導入される。そして、上記のように、第1EGR通路61内の酸素濃度は最終吸気酸素濃度とほぼ同等の目標値Dx近傍の値になっている。これより、時点t7にてスロットル弁32が開弁されてもサージタンク34内の酸素濃度は上昇せず、この酸素濃度つまり最終吸気酸素濃度は目標値Dx近傍の値に維持される。
【0077】
時点t7にてエンジンがクランキングを開始すると、それから遅れた時点t8にてインジェクタ15からの燃料噴射が再開される。このとき、気筒2にはサージタンク34内の吸気が導入されている。そして、上記のように、サージタンク34内の酸素濃度は目標値Dx近傍の値とされている。これより、インジェクタ15から噴射された燃料は、酸素濃度が目標値Dxの雰囲気下で燃焼することになる。
【0078】
ここで、時点t7からしばらくするとスロットル弁32を通過した新気がサージタンク34に到達する。しかし、気筒2内での混合気の燃焼が再開することでEGRガスの酸素濃度は低下する。そのため、当該EGRガスと新気との混合によって、サージタンク34内の酸素濃度の上昇は抑制され、時点t8以降もサージタンク34内の酸素濃度つまり最終吸気酸素濃度ひいては気筒2内の酸素濃度は目標値Dxに近い値とされる。
【0079】
時刻t8からしばらく後の時刻t9にて、エンジン回転数は判定回転数Ny以上となる。これより、エンジンの制御は通常制御に切り替えられ、スロットル弁32、第1EGR弁62の開度は、アクセル開度等に対応した開度とされる。図5の例では、時刻t9後、スロットル弁32の開度は始動用スロットル開度γ%よりも大きい開度とされ、第1EGR弁62の開度は始動用EGR弁開度β%よりも小さい開度とされる。
【0080】
なお、以上説明した図5の動作例において、時点t1から時点t3までの間にスロットル弁32および第1EGR弁62を共に開弁状態にする制御は、本発明における「第1の制御」に相当し、時点t3でスロットル弁32を全閉にする制御は、「第2の制御」に相当し、これら第1の制御と第2の制御とを含む制御が「酸素濃度調整制御」に相当する。
【0081】
<作用効果>
以上説明したとおり、上記実施形態では、自動停止条件の成立に応じて、インジェクタ15からの燃料噴射を停止する燃料カット(図3のステップS3)が実行されるとともに、当該燃料カットからエンジンの完全停止までの間に、第1EGR出口部61bよりも下流側の吸気通路30内の酸素濃度である最終吸気酸素濃度が大気の酸素濃度よりも低い目標値Dxになるようにスロットル弁32と第1EGR弁62とが制御されるとともに、その後、再始動条件が成立するまでの間、スロットル弁32が全閉に維持される。そして、エンジンの完全停止後、まず、第1EGR弁62が開弁されてその開度が0%から始動用EGR開度まで増大され、次に、再始動条件の成立後においてスロットル弁32が開弁される。そのため、上記実施形態によれば、エンジンの再始動時に、混合気の燃焼性ひいてはエンジンの始動性を確保しつつNOxの生成量を抑制できる。また、混合気の燃焼が再開した後において、気筒2内に新気を導入して気筒2内の酸素濃度が過度に低くなるのを防止でき、燃焼性を確保することができる。
【0082】
具体的には、最終吸気酸素濃度が目標値Dxになった後、再始動条件が成立するまでの間、スロットル弁32が全閉状態に維持されることで、この間のスロットル弁32を介した吸気通路30への新気の流入が停止される。これより、再始動条件が成立するまでの間、最終吸気酸素濃度つまり第1EGR出口部61bよりも下流側の吸気通路30およびこれと連通する第1EGR通路61内の酸素濃度を目標値Dx近傍に維持できる。そして、第1EGR弁62が開弁されてから後の再始動条件の成立後にスロットル弁32が開弁されることで、エンジンの再始動開始時に、上記のように、スロットル弁32よりも上流側の吸気つまり新気よりも第1EGR通路61内のガスの方を優先的にサージタンク34に導入できる。これより、気筒2内での混合気の燃焼が再開されるときの当該気筒2内のガスを、主として、吸気通路30のうちスロットル弁32よりも下流側の部分およびこの部分と連通する第1EGR通路61内に滞留していたガスであって、酸素濃度が目標値Dxに維持されたガスで構成することができる。従って、エンジンの再始動時において、混合気を、その酸素濃度が適切な濃度とされた状態で燃焼させることができ、混合気の燃焼性を確保しつつNOxの発生を抑制することができる。
【0083】
特に、目標値Dxは大気の酸素濃度よりも低い濃度とされている。そのため、NOxの発生を確実に抑制できる。また、上記実施形態では、目標値Dxが、燃料カットが実施されたときにとり得る最終吸気酸素濃度よりも高い値に設定されている。そのため、混合気の燃焼が再開したときに酸素が不足するのを確実に防止でき、その燃焼性を確実に良好にできる。
【0084】
また、再始動条件の成立後にスロットル弁32が開弁されることで、混合気の燃焼が再開した後にスロットル弁32を通過した新気を気筒2内に導入することができる。従って、気筒2内で混合気を安定して燃焼させることができる。ここで、上記実施形態では、再始動条件の成立後においても第1EGR62は開弁状態に維持される。そのため、上記のように、混合気の燃焼が再開することで酸素濃度が低下したEGRガスとスロットル弁32を通過した新気とを混合させつつ気筒2に導入することができる。従って、混合気の燃焼が再開した後も気筒2内の酸素濃度が過度に低くあるいは高くなるのを防止できる。
【0085】
また、上記実施形態では、再始動条件成立後に実現されるスロットル弁32の開度が、始動用開度であって全開よりも閉じ側の開度とされる。そのため、エンジンの再始動時にスロットル弁32を通じて多量の新気が気筒2に導入されるのをより確実に防止でき、気筒2内の酸素濃度ひいてはNOxの生成量を確実に低くできる。
【0086】
また、上記実施形態では、最終吸気酸素濃度が目標値Dxに達したときにスロットル弁32が閉弁される一方で、第1EGR弁62の開度は増大方向に制御される。そして、その後、エンジン回転数が基準回転数Nx未満になった時点で第1EGR弁62が閉弁される。そのため、第1EGR弁62の閉弁からエンジンの完全停止までの間に吸気圧が過度な負圧になるのを防止することができる。例えば、上記のように、吸気圧の最小値Pyが過度に小さくなるのを防止でき、当該最小値Pyが目標範囲Zに収まる確率を高めることができる。仮に吸気圧の最小値Pyが目標範囲Zを下回った場合、つまり吸気圧が過度に強い負圧まで低下した場合には、エンジン回転数の低下スピードが過度に速くなる結果、エンジンが完全停止したときに生じるショック(急停止の反動により車体に伝わるショック)が増大し易くなり、乗員が違和感を覚えるおそれがある。これに対し、本実施形態では、第1EGR弁62の閉時期が相対的に遅く(スロットル弁32の閉時期よりも遅く)されるので、吸気圧の低下量を適切な範囲に収めることができ、エンジン停止時のショックを軽減することができる。また、エンジンによっては、各気筒2のピストン5の停止位置を再始動に有利な位置に調整する停止位置制御が行われることがある。このようなエンジンにおいて、本実施形態のように第1EGR弁62の閉弁を相対的に遅らせる制御を採用した場合には、エンジン回転数の低下スピードを適切な範囲に調整できるので、上記したピストン5の停止位置制御の精度が低下するのを防止でき、エンジンの再始動性を向上させることができる。
【0087】
<変形例>
上記実施形態では、エンジンの再始動時において、クラッチCに対して締結状態に切り替える指令を出すのと同時にスロットル弁32を開弁させる場合を説明したが、スロットル弁32を開弁させるタイミングはこれに限らない。つまり、上記実施形態では、始動制御の開始タイミングをクラッチCに対して指令を出すタイミングとした場合を説明したが、始動制御の開始タイミングとして他のタイミング、例えば、エンジンのクランキングが開始するタイミングや、再始動条件が成立するタイミングを採用してもよい。
【0088】
また、上記実施形態では、エンジンの完全停止直後に第1EGR弁62を開弁させた場合を説明したが、エンジンの完全停止後に第1EGR弁62を開弁するタイミングは、エンジンの完全停止から、つまり、クランク軸7の回転が停止してから、始動制御が開始されるまでの間であればよく、このタイミングはエンジンの完全停止直後に限られない。
【0089】
また、上記実施形態では、第1EGR出口部61bよりも下流側の吸気通路30に存在する吸気中の酸素濃度である最終吸気酸素濃度を演算により推定し、推定した最終吸気酸素濃度が目標値Dxまで上昇した時点でスロットル弁32を全閉にしたが、最終吸気酸素濃度をセンサにより直接検出するようにしてもよい。例えば、酸素濃度を検出可能なセンサをサージタンク34に取り付け、当該センサにより最終吸気酸素濃度を検出してもよい。
【0090】
上記実施形態では、タービン52よりも上流側の排気通路40とスロットル弁32よりも下流側の吸気通路30とを互いに接続する第1EGR通路61を含む高圧EGR装置60に加えて、タービン52よりも下流側の排気通路40とスロットル弁32よりも上流側の吸気通路30とを互いに接続する第2EGR通路71を含む低圧EGR装置70をエンジンに設けたが、低圧EGR装置70は必須ではなく、省略してもよい。
【0091】
上記実施形態では、軽油を含有する燃料を圧着着火により燃焼させるディーゼルエンジンに本発明を適用した例について説明したが、本発明を適用可能なエンジンは、排気通路から吸気通路に排気ガスを還流するEGR操作が可能なエンジンであればよく、ディーゼルエンジン以外のエンジンに本発明を適用してもよい。例えば、ガソリンを含有する燃料を火花点火により燃焼させることが可能でかつEGR装置を備えたガソリンエンジンに本発明を適用することも可能である。
【符号の説明】
【0092】
1 :エンジン本体
2 :気筒
7 :クランク軸(出力軸)
15 :インジェクタ
30 :吸気通路
32 :スロットル弁
40 :排気通路
61 :第1EGR通路(EGR通路)
61b :第1EGR出口部(EGR通路と吸気通路との接続部)
62 :第1EGR弁(EGR弁)
102A :自動停止制御部
102B :再始動制御部
図1
図2
図3
図4
図5