IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 三菱日立パワーシステムズインダストリー株式会社の特許一覧

特開2022-167359木質バイオマス燃料の乾燥装置および乾燥システム
<>
  • 特開-木質バイオマス燃料の乾燥装置および乾燥システム 図1
  • 特開-木質バイオマス燃料の乾燥装置および乾燥システム 図2
  • 特開-木質バイオマス燃料の乾燥装置および乾燥システム 図3
  • 特開-木質バイオマス燃料の乾燥装置および乾燥システム 図4
  • 特開-木質バイオマス燃料の乾燥装置および乾燥システム 図5
  • 特開-木質バイオマス燃料の乾燥装置および乾燥システム 図6
  • 特開-木質バイオマス燃料の乾燥装置および乾燥システム 図7
  • 特開-木質バイオマス燃料の乾燥装置および乾燥システム 図8
  • 特開-木質バイオマス燃料の乾燥装置および乾燥システム 図9
  • 特開-木質バイオマス燃料の乾燥装置および乾燥システム 図10
  • 特開-木質バイオマス燃料の乾燥装置および乾燥システム 図11
  • 特開-木質バイオマス燃料の乾燥装置および乾燥システム 図12
  • 特開-木質バイオマス燃料の乾燥装置および乾燥システム 図13
  • 特開-木質バイオマス燃料の乾燥装置および乾燥システム 図14
  • 特開-木質バイオマス燃料の乾燥装置および乾燥システム 図15
  • 特開-木質バイオマス燃料の乾燥装置および乾燥システム 図16
  • 特開-木質バイオマス燃料の乾燥装置および乾燥システム 図17
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022167359
(43)【公開日】2022-11-04
(54)【発明の名称】木質バイオマス燃料の乾燥装置および乾燥システム
(51)【国際特許分類】
   F26B 21/04 20060101AFI20221027BHJP
   F26B 21/10 20060101ALI20221027BHJP
   F26B 9/06 20060101ALI20221027BHJP
   F23G 5/02 20060101ALI20221027BHJP
【FI】
F26B21/04 A
F26B21/10 A
F26B9/06 Z
F23G5/02 B
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021073110
(22)【出願日】2021-04-23
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-06-22
(71)【出願人】
【識別番号】516047175
【氏名又は名称】三菱重工パワーインダストリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000785
【氏名又は名称】SSIP弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】横山 正憲
(72)【発明者】
【氏名】田中 利幸
【テーマコード(参考)】
3K065
3L113
【Fターム(参考)】
3K065AA24
3K065AB01
3K065AC17
3K065BA02
3L113AA01
3L113AB05
3L113AC16
3L113AC46
3L113AC69
3L113BA05
3L113BA36
3L113CA08
3L113CB24
3L113DA13
(57)【要約】
【課題】構造が簡単であり、容易に設置することができる木質バイオマス燃料の乾燥装置、該乾燥装置を備える乾燥システムを提供する。
【解決手段】木質バイオマス燃料を乾燥させるように構成された木質バイオマス燃料の乾燥装置であって、排ガスを導入可能な排ガス導入空間を内部に画定する本体部であって、表面パネルと、前記表面パネルと前記排ガス導入空間を介して対面する裏面パネルと、前記排ガス導入空間の周囲を囲むように、前記表面パネルと前記裏面パネルとの間に配置される外周パネルと、を含む本体部を備える。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
木質バイオマス燃料を乾燥させるように構成された木質バイオマス燃料の乾燥装置であって、
排ガスを導入可能な排ガス導入空間を内部に画定する本体部であって、
表面パネルと、
前記表面パネルと前記排ガス導入空間を介して対面する裏面パネルと、
前記排ガス導入空間の周囲を囲むように、前記表面パネルと前記裏面パネルとの間に配置される外周パネルと、
を含む本体部を備える、
木質バイオマス燃料の乾燥装置。
【請求項2】
前記表面パネルは、前記排ガス導入空間に向かって凹む複数の凹溝部であって、前記凹溝部の延在方向に交差する方向に間隔をあけて配置された複数の凹溝部を含む、
請求項1に記載の木質バイオマス燃料の乾燥装置。
【請求項3】
前記裏面パネルの外側面との間で空気を導入可能な空気導入空間を画定する断熱空間形成パネルをさらに備える、
請求項1又は2に記載の木質バイオマス燃料の乾燥装置。
【請求項4】
前記排ガス導入空間に配置され、前記空気導入空間と前記表面パネルの外側の空間とを連通するように構成された少なくとも1つの空気導入管をさらに備える、
請求項3に記載の木質バイオマス燃料の乾燥装置。
【請求項5】
前記少なくとも1つの空気導入管は、前記空気導入管の外周面から外側に突出する少なくとも1つのフィンを有する、
請求項4に記載の木質バイオマス燃料の乾燥装置。
【請求項6】
前記外周パネルは、互いに対向して配置される一対の短手パネルと、前記一対の短手パネルの延在方向と直交する方向に沿って延在する一対の長手パネルであって、互いに対向して配置される一対の長手パネルと、を含み、
前記一対の短手パネルの一方のパネルには、前記排ガスを前記排ガス導入空間に導くための排ガス導入口、および前記排ガス導入空間から前記本体部の外部に排ガスを排出するための排ガス排出口が形成された、
請求項1乃至5の何れか1項に記載の木質バイオマス燃料の乾燥装置。
【請求項7】
前記本体部は、
前記排ガス導入空間に配置されるとともに、前記長手パネルの延在方向に沿って延在する仕切り部材であって、前記排ガス導入空間を前記排ガス導入口に連通する入口側排ガス導入空間および前記排ガス排出口に連通する出口側排ガス導入空間に区画する仕切り部材を有する、
請求項6に記載の木質バイオマス燃料の乾燥装置。
【請求項8】
前記仕切り部材の一端は、前記一対の短手パネルの前記一方のパネルに接続され、
前記仕切り部材の他端は、前記一対の短手パネルの他方のパネルとの間に所定の空間を有するように配置される、
請求項7に記載の木質バイオマス燃料の乾燥装置。
【請求項9】
前記本体部は、前記木質バイオマス燃料を貯留するための木質バイオマス燃料貯留ヤードに配置された、
請求項1乃至8の何れか1項に記載の木質バイオマス燃料の乾燥装置。
【請求項10】
前記本体部は、前記表面パネルが鉛直方向に対して傾斜して配置された、
請求項9に記載の木質バイオマス燃料の乾燥装置。
【請求項11】
前記本体部は、前記表面パネルが水平方向に沿って配置された、
請求項9に記載の木質バイオマス燃料の乾燥装置。
【請求項12】
請求項1乃至11の何れか1項に記載の少なくとも1つの木質バイオマス燃料の乾燥装置と、
燃焼装置から排出される排ガスを送るための排ガス排出ラインであって、前記少なくとも1つの木質バイオマス燃料の乾燥装置が設けられた排ガス排出ラインと、を備える、
木質バイオマス燃料の乾燥システム。
【請求項13】
前記排ガス排出ラインの前記少なくとも1つの木質バイオマス燃料の乾燥装置よりも下流側に設けられた送風機をさらに備える、
請求項12に記載の木質バイオマス燃料の乾燥システム。
【請求項14】
前記排ガス排出ラインは、前記燃焼装置と煙突とを繋ぐ第1の排ガス排出ラインと、前記第1の排ガス排出ラインから分岐して、前記第1の排ガス排出ラインの分岐部よりも下流側に合流する第2の排ガス排出ラインと、を含み、
前記少なくとも1つの木質バイオマス燃料の乾燥装置は、前記第2の排ガス排出ラインに設けられた、
請求項12又は13に記載の木質バイオマス燃料の乾燥システム。
【請求項15】
前記少なくとも1つの木質バイオマス燃料の乾燥装置は、前記本体部が前記木質バイオマス燃料を貯留するための木質バイオマス燃料貯留ヤードに配置された複数の木質バイオマス燃料の乾燥装置を含む、
請求項12乃至14の何れか1項に記載の木質バイオマス燃料の乾燥システム。
【請求項16】
前記排ガス排出ラインの前記少なくとも1つの木質バイオマス燃料の乾燥装置よりも上流側における排ガスの温度を取得するように構成された排ガス温度取得装置と、
前記排ガス温度取得装置により温度が取得される箇所よりも前記排ガス排出ラインの上流側に空気を供給するための空気供給ラインと、
前記空気供給ラインを通じて前記排ガス排出ラインに供給される空気量を調整するように構成された空気量調整装置と、
前記排ガス温度取得装置が取得する排ガスの温度が設定範囲内に収まるように、前記空気量調整装置に空気量を指示する排ガス温度制御装置と、を備える、
請求項12乃至15の何れか1項に記載の木質バイオマス燃料の乾燥システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、木質バイオマス燃料を乾燥させる木質バイオマス燃料の乾燥装置、該乾燥装置を備える乾燥システムに関する。
【背景技術】
【0002】
バイオマスボイラに燃料として導入されるバイオマス燃料に含まれる水分量が大きいと、バイオマスボイラの燃焼効率が悪化するため、バイオマスボイラに導入される前にバイオマス燃料の乾燥を行うことがある。
【0003】
特許文献1には、節炭器の出口部分から燃焼排ガスと燃焼用空気との熱交換を行う空気予熱機までの区間における排ガスを抽気し、該排ガスをボイラに導入前のバイオマス燃料に直接接触させることで、バイオマス燃料を乾燥させることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4589751号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の方法では、排ガスとバイオマス燃料とを直接接触させる態様になっているために、乾燥に使用された排ガスは、粉塵と水分を含んでいる。このため、乾燥に使用された排ガスをボイラ火炉に供給するためには、排ガスから粉塵を分級する分級器や水分を凝縮させて回収する凝縮器などが必要となる。このように特許文献1に記載の方法では、バイオマス燃料を乾燥させるために、大掛かりな設備が必要となる虞がある。
【0006】
上述した事情に鑑みて、本開示の少なくとも一実施形態の目的は、構造が簡単であり、容易に設置することができる木質バイオマス燃料の乾燥装置、該乾燥装置を備える乾燥システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一実施形態にかかる木質バイオマス燃料の乾燥装置は、
木質バイオマス燃料を乾燥させるように構成された木質バイオマス燃料の乾燥装置であって、
排ガスを導入可能な排ガス導入空間を内部に画定する本体部であって、
表面パネルと、
前記表面パネルと前記排ガス導入空間を介して対面する裏面パネルと、
前記排ガス導入空間の周囲を囲むように、前記表面パネルと前記裏面パネルとの間に配置される外周パネルと、
を含む本体部を備える。
【0008】
本開示の一実施形態にかかる木質バイオマス燃料の乾燥システムは、
少なくとも1つの前記木質バイオマス燃料の乾燥装置と、
燃焼装置から排出される排ガスを送るための排ガス排出ラインであって、前記少なくとも1つの木質バイオマス燃料の乾燥装置が設けられた排ガス排出ラインと、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本開示の少なくとも一実施形態によれば、構造が簡単であり、容易に設置することができる木質バイオマス燃料の乾燥装置、該乾燥装置を備える乾燥システムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の一実施形態にかかる木質バイオマス燃料の乾燥装置を備える発電システムの構成を概略的に示す概略構成図である。
図2】本開示の一実施形態にかかる木質バイオマス燃料の乾燥装置を正面から視た状態を概略的に示す概略正面図である。
図3図2に示される木質バイオマス燃料の乾燥装置のA-B線矢視の断面を概略的に示す概略断面図である。
図4図2に示される木質バイオマス燃料の乾燥装置のC-D線矢視の断面を概略的に示す概略断面図である。
図5】本開示の一実施形態にかかる木質バイオマス燃料の乾燥装置の設置態様を説明するための説明図である。
図6】本開示の一実施形態にかかる木質バイオマス燃料の乾燥装置を正面から視た状態を概略的に示す概略正面図である。
図7図6に示される木質バイオマス燃料の乾燥装置のE-F線矢視の断面を概略的に示す概略断面図である。
図8図6に示される木質バイオマス燃料の乾燥装置のG-H線矢視の断面を概略的に示す概略断面図である。
図9】本開示の一実施形態にかかる木質バイオマス燃料の乾燥装置における表面パネルの形状の変形例を説明するための説明図である。
図10】本開示の一実施形態にかかる木質バイオマス燃料の乾燥装置における表面パネルの形状の変形例を説明するための説明図である。
図11】本開示の一実施形態にかかる木質バイオマス燃料の乾燥装置の設置態様を説明するための説明図である。
図12】本開示の一実施形態にかかる木質バイオマス燃料の乾燥装置の設置態様を説明するための説明図である。
図13】本開示の一実施形態にかかる木質バイオマス燃料の乾燥装置の設置態様を説明するための説明図である。
図14】本開示の一実施形態にかかる木質バイオマス燃料の乾燥システムの構成を概略的に示す概略構成図である。
図15】本開示の一実施形態にかかる木質バイオマス燃料の乾燥システムの構成を概略的に示す概略構成図である。
図16】本開示の一実施形態にかかる木質バイオマス燃料の乾燥システムの構成を概略的に示す概略構成図である。
図17】本開示の一実施形態にかかる木質バイオマス燃料の乾燥システムの構成を概略的に示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して本開示の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本開示の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
なお、同様の構成については同じ符号を付し説明を省略することがある。
【0012】
(発電システム)
図1は、本開示の一実施形態にかかる木質バイオマス燃料の乾燥装置を備える発電システムの構成を概略的に示す概略構成図である。幾つかの実施形態にかかる木質バイオマス燃料の乾燥装置1は、図1に示されるように、発電システム2に搭載される。発電システム2は、図1に示されるように、少なくとも1つの木質バイオマス燃料の乾燥装置1と、燃焼装置21と、燃焼装置21から排出される排ガスを送るための排ガス排出ライン22と、排ガスを大気中に放出する煙突23と、排ガス排出ライン22に設けられる少なくとも1つの送風機24と、排ガス排出ライン22に設けられる集塵装置25と、を備える木質バイオマス燃料としては、木質チップ、木質ペレットおよびPKS(palm kernel shell)などが挙げられる。
【0013】
燃焼装置21は、火炉211を内部に形成する本体部212を有する。燃焼装置21は、火炉211内で燃料を燃焼させることで、排ガスを生成させるように構成されている。送風機24は、排ガス排出ライン22の下流側に排ガスを送風するように構成されている。集塵装置25は、排ガスに含まれる煤塵を除去するように構成されている。燃焼装置21から排ガス排出ライン22に導かれた排ガスは、送風機24により排ガス排出ライン22の下流側(煙突23側)に送られる。集塵装置25により煤塵が除去された排ガスが煙突23から大気中に放出される。
【0014】
図示される実施形態では、図1に示されるように、発電システム2は、上記燃焼装置21としてバイオマスボイラ21Aを備えるバイオマス発電システム2Aからなる。バイオマスボイラ21Aは、火炉211内で燃焼させる燃料として木質バイオマス燃料を使用可能に構成されている。バイオマスボイラ21Aは、火炉211を内部に形成する本体部212と、火炉211に木質バイオマス燃料を導くための木質バイオマス燃料導入部213と、を有する。
【0015】
バイオマス発電システム2Aは、図1に示されるように、木質バイオマス燃料を貯留するための木質バイオマス燃料貯留ヤード26と、木質バイオマス燃料導入部213に木質バイオマス燃料を供給するように構成された木質バイオマス燃料供給コンベヤ27と、木質バイオマス燃料を貯留し、木質バイオマス燃料供給コンベヤ27に所定量ずつ木質バイオマス燃料を供給するように構成された木質バイオマス燃料供給ホッパ28と、をさらに備える。
【0016】
木質バイオマス燃料貯留ヤード26は、内部に形成された木質バイオマス燃料貯留空間261に木質バイオマス燃料を貯留可能になっている。木質バイオマス燃料供給ホッパ28は、内部に形成された内部空間281に木質バイオマス燃料を貯留可能になっている。木質バイオマス燃料貯留空間261に貯留された木質バイオマス燃料は、ホイールローダーなどの輸送機器により、木質バイオマス燃料供給ホッパ28の内部空間281に供給される。内部空間281に貯留された木質バイオマス燃料は、木質バイオマス燃料供給ホッパ28の下方に形成された内部空間281と外部空間とを連通する払出口282を介して、木質バイオマス燃料供給コンベヤ27に供給された後、木質バイオマス燃料供給コンベヤ27および木質バイオマス燃料導入部213を介して、バイオマスボイラ21Aの火炉211に供給される。
【0017】
(木質バイオマス燃料の乾燥装置)
木質バイオマス燃料の乾燥装置1は、図1に示されるように、排ガスを導入可能な排ガス導入空間31を内部に画定する本体部3を備える。本体部3には、排ガスを排ガス導入空間31に導くための排ガス導入口32と、排ガス導入空間31から本体部3の外部に排ガスを排出するための排ガス排出口33と、が形成されている。木質バイオマス燃料の乾燥装置1は、排ガス排出ライン22の集塵装置25よりも下流側に設けられる。排ガス導入口32は、排ガス排出ライン22の集塵装置25よりも下流側に接続されている。排ガス排出口33は、排ガス排出ライン22の排ガス導入口32よりも下流側に接続されている。集塵装置25により煤塵が除去された排ガスが、排ガス導入口32を介して排ガス導入空間31に導入される。排ガス導入空間31に存在する排ガスは、排ガス排出口33を介して排ガス排出ライン22の下流側に排出され、排ガス排出ライン22を通じて煙突23に導かれる。
【0018】
図2は、本開示の一実施形態にかかる木質バイオマス燃料の乾燥装置を正面から視た状態を概略的に示す概略正面図である。図3は、図2に示される木質バイオマス燃料の乾燥装置のA-B線矢視の断面を概略的に示す概略断面図である。図4は、図2に示される木質バイオマス燃料の乾燥装置のC-D線矢視の断面を概略的に示す概略断面図である。木質バイオマス燃料の乾燥装置1の本体部3は、図2図4に示されるような、表面パネル4と、裏面パネル5と、外周パネル6と、を含む。
【0019】
裏面パネル5は、表面パネル4と排ガス導入空間31を介して対面する。外周パネル6は、排ガス導入空間31の周囲を囲むように、表面パネル4と裏面パネル5との間に配置される。外周パネル6の一端は、表面パネル4に接続され、外周パネル6の他端は、裏面パネル5に接続されている。排ガス導入空間31は、表面パネル4の内側面41、裏面パネル5の内側面51および外周パネル6の内側面61により、本体部3の内部に画定されている。排ガス導入空間31は、排ガス導入口32や排ガス排出口33を除き、本体部3の外部に連通しない密閉空間になっている。
【0020】
図示される実施形態では、外周パネル6は、図2図4に示されるように、排ガス導入空間31を介して互いに対向して配置される一対の短手パネル6A、6Bと、排ガス導入空間31を介して互いに対向して配置される一対の長手パネル6C、6Dと、を含む。一対の長手パネル6C、6Dは、一対の短手パネル6A、6Bの延在方向と直交する方向に沿って延在している。表面パネル4は、一対の短手パネル6A、6Bおよび一対の長手パネル6C、6Dの夫々の一端に接続されている。裏面パネル5は、一対の短手パネル6A、6Bおよび一対の長手パネル6C、6Dの夫々の他端に接続されている。本体部3は、直方体状の外形を有する。
【0021】
以下、一対の長手パネル6C、6Dの延在方向(図2図3中左右方向)を本体部3の長手方向と定義し、一対の短手パネル6A、6Bの延在方向(図2図4中上下方向)を本体部3の短手方向と定義し、一対の長手パネル6C、6Dの延在方向および一対の短手パネル6A、6Bの延在方向(図3中上下方向、図4中左右方向)と直交する方向を本体部3の厚さ方向と定義する。
【0022】
図2図4に示される実施形態では、一対の短手パネル6A、6Bおよび一対の長手パネル6C、6Dの夫々は、排ガス導入空間31に向けて開口する溝62(62A、62B、62C、62D)を有する溝形鋼63(63A、63B、63C、63D)を含む。一対の長手パネル6C、6Dの夫々は、一対の短手パネル6A、6Bよりも長い。
【0023】
短手パネル6A(溝形鋼63A)は、図3に示されるような本体部3の短手方向に直交する断面において、本体部3の厚さ方向に沿って延在する底板部64Aと、底板部64Aの一端から本体部3の長手方向に沿って上記長手方向の一方側(短手パネル6B側、図3中右側)に向かって延在する一端側板部65Aと、底板部64Aの他端から本体部3の長手方向に沿って上記長手方向の上記一方側に向かって延在する他端側板部66Aと、を含む。溝62Aは、底板部64A、一端側板部65Aおよび他端側板部66Aの夫々の内側面により画定されている。短手パネル6A(溝形鋼63A)や短手パネル6Aに形成された溝62Aは、本体部3の短手方向に沿って延在している。
【0024】
短手パネル6B(溝形鋼63B)は、図3に示されるような本体部3の短手方向に直交する断面において、本体部3の厚さ方向に沿って延在する底板部64Bと、底板部64Bの一端から本体部3の長手方向に沿って上記長手方向の他方側(短手パネル6A側、図3中左側)に向かって延在する一端側板部65Bと、底板部64Bの他端から本体部3の長手方向に沿って上記長手方向の上記他方側に向かって延在する他端側板部66Bと、を含む。溝62Bは、底板部64B、一端側板部65Bおよび他端側板部66Bの夫々の内側面により画定されている。短手パネル6B(溝形鋼63B)や短手パネル6Bに形成された溝62Bは、本体部3の短手方向に沿って延在している。
【0025】
表面パネル4および裏面パネル5の夫々は、金属製の板状部材を含む。表面パネル4は、本体部3の長手方向および短手方向に沿ってそれぞれ延在する内側面41および外側面42を有する。裏面パネル5は、本体部3の長手方向および短手方向に沿ってそれぞれ延在する内側面51および外側面52を有する。図2図4に示される実施形態では、表面パネル4の内側面41および外側面42の夫々は、本体部3の厚さ方向に交差(図示例では、直交)する方向に沿って直線状に延在する平坦面を含む。裏面パネル5の内側面51および外側面52の夫々は、本体部3の厚さ方向に交差(図示例では、直交)する方向に沿って直線状に延在する平坦面を含む。
【0026】
図示される実施形態では、図3に示されるように、表面パネル4の長手方向の一端の内側面41が、短手パネル6A(溝形鋼63A)の一端側板部65Aの外側面に当接するように配置されている。表面パネル4の長手方向の一端が一端側板部65Aに溶接などにより固定されている。表面パネル4の長手方向の他端の内側面41が、短手パネル6B(溝形鋼63B)の一端側板部65Bの外側面に当接するように配置されている。表面パネル4の長手方向の他端が、一端側板部65Bに溶接などにより固定されている。
【0027】
図示される実施形態では、図3に示されるように、裏面パネル5の長手方向の一端の内側面51が、短手パネル6A(溝形鋼63A)の他端側板部66Aの外側面に当接するように配置されている。裏面パネル5の長手方向の一端が、他端側板部66Aに溶接などにより固定されている。裏面パネル5の長手方向の他端の内側面51が、短手パネル6B(溝形鋼63B)の他端側板部66Bの外側面に当接するように配置されている。裏面パネル5の長手方向の他端が、他端側板部66Bに溶接などにより固定されている。
【0028】
長手パネル6C(溝形鋼63C)は、図4に示されるような本体部3の長手方向に直交する断面において、本体部3の厚さ方向に沿って延在する底板部64Cと、底板部64Cの一端から本体部3の短手方向に沿って上記短手方向の一方側(長手パネル6D側、図4中下側)に向かって延在する一端側板部65Cと、底板部64Cの他端から本体部3の短手方向に沿って上記短手方向の上記一方側に向かって延在する他端側板部66Cと、を含む。溝62Cは、底板部64C、一端側板部65Cおよび他端側板部66Cの夫々の内側面により画定されている。長手パネル6C(溝形鋼63C)や長手パネル6Cに形成された溝62Cは、本体部3の長手方向に沿って延在している。
【0029】
長手パネル6D(溝形鋼63D)は、図4に示されるような本体部3の長手方向に直交する断面において、本体部3の厚さ方向に沿って延在する底板部64Dと、底板部64Dの一端から本体部3の短手方向に沿って上記短手方向の他方側(長手パネル6C側、図4中上側)に向かって延在する一端側板部65Dと、底板部64Dの他端から本体部3の短手方向に沿って上記短手方向の上記他方側に向かって延在する他端側板部66Dと、を含む。溝62Dは、底板部64D、一端側板部65Dおよび他端側板部66Dの夫々の内側面により画定されている。長手パネル6D(溝形鋼63D)や長手パネル6Dに形成された溝62Dは、本体部3の長手方向に沿って延在している。
【0030】
図示される実施形態では、図4に示されるように、表面パネル4の短手方向の一端の内側面41が、長手パネル6C(溝形鋼63C)の一端側板部65Cの外側面に当接するように配置されている。表面パネル4の短手方向の一端が一端側板部65Cに溶接などにより固定されている。表面パネル4の短手方向の他端の内側面41が、長手パネル6D(溝形鋼63D)の一端側板部65Dの外側面に当接するように配置されている。表面パネル4の短手方向の他端が、一端側板部65Dに溶接などにより固定されている。
【0031】
図示される実施形態では、図4に示されるように、裏面パネル5の短手方向の一端の内側面51が、長手パネル6C(溝形鋼63C)の他端側板部66Cの外側面に当接するように配置されている。裏面パネル5の短手方向の一端が、他端側板部66Cに溶接などにより固定されている。裏面パネル5の短手方向の他端の内側面51が、長手パネル6D(溝形鋼63D)の他端側板部66Dの外側面に当接するように配置されている。裏面パネル5の短手方向の他端が、他端側板部66Dに溶接などにより固定されている。
【0032】
図5は、本開示の一実施形態にかかる木質バイオマス燃料の乾燥装置の設置態様を説明するための説明図である。木質バイオマス燃料の乾燥装置1は、図1図5に示されるように、本体部3が木質バイオマス燃料貯留ヤード26の木質バイオマス燃料貯留空間261に配置される。木質バイオマス燃料貯留空間261には、木質バイオマス燃料が堆積し、堆積部S1が形成されている。
【0033】
図示される実施形態では、木質バイオマス燃料貯留ヤード26は、木質バイオマス燃料貯留空間261を形成するコンクリート壁からなる。木質バイオマス燃料貯留ヤード26は、水平方向に沿って延在する底面262と、底面262から鉛直方向に沿って上方に延在する一対の側面263、264と、底面262から鉛直方向に沿って上方に延在する後面265と、を含む。一対の側面263、264は、木質バイオマス燃料貯留空間261を挟んで対向して配置されている。後面265は、側面263の一端と側面264の一端とを繋いでいる。木質バイオマス燃料貯留空間261は、底面262と、一対の側面263、264と、後面265と、により画定されている。木質バイオマス燃料貯留空間261は、上方および前方が開放されている。木質バイオマス燃料貯留ヤード26は、木質バイオマス燃料貯留空間261の前側に前側開口266が形成され、木質バイオマス燃料貯留空間261の上側に上側開口267が形成されている。前側開口266や上側開口267を介して、ホイールローダーや搬送クレーンなどの搬送機器により、木質バイオマス燃料貯留空間261に木質バイオマス燃料が搬入されたり、木質バイオマス燃料貯留空間261から木質バイオマス燃料が搬出されたりする。また、木質バイオマス燃料貯留空間261に貯留された木質バイオマス燃料は、ホイールローダーなどにより攪拌されるようになっている。
【0034】
本体部3の表面パネル4、裏面パネル5および外周パネル6の夫々は、伝熱性を有している。木質バイオマス燃料の乾燥装置1では、本体部3を介して、排ガス導入空間31内の排ガスと、本体部3の外側の空間261A(図示例では、木質バイオマス燃料貯留空間261)内の木質バイオマス燃料や空気との間で非接触の熱交換が行われ、排ガスから上記外側の空間261A内の木質バイオマス燃料や空気に熱エネルギーが伝達される。
【0035】
具体的には、排ガス導入空間31内の排ガスと、表面パネル4との間で熱交換が行われ、排ガスから表面パネル4に熱エネルギーが伝達されることで、表面パネル4が加熱される。表面パネル4と、表面パネル4の外側の空間261B(図示例では、木質バイオマス燃料貯留空間261の表面パネル4に面する部分)内の木質バイオマス燃料や空気との間で熱交換が行われ、表面パネル4から表面パネル4の外側の空間261B内の木質バイオマス燃料や空気に熱エネルギーが伝達されることで、上記外側の空間261B内の木質バイオマス燃料や空気が加熱されて水分が除去される。これにより、木質バイオマス燃料を乾燥させることができる。
【0036】
排ガス導入空間31内で熱エネルギーが回収された排ガスは、排ガス排出口33を介して排ガス排出ライン22の下流側に排出され、排ガス排出ライン22を通じて煙突23に導かれる。
【0037】
排ガス導入口32を介して排ガス導入空間31に導入される排ガスは、集塵装置25よりも上流側において不図示の熱交換器により熱エネルギーが回収されているが、100℃以上の高温になっている。排ガス導入空間31に導入される排ガスの温度が低すぎると、木質バイオマス燃料の乾燥が不十分になる虞があるし、排ガス導入空間31に導入される排ガスの温度が高すぎると、木質バイオマス燃料が発火する可能性が高まる。或る実施形態では、排ガス導入空間31に導入される排ガスは、100℃以上200℃以下の条件を満たす。好ましくは、排ガス導入空間31に導入される排ガスは、120℃以上180℃以下の条件を満たす。さらに好ましくは、排ガス導入空間31に導入される排ガスは、140℃以上160℃以下の条件を満たす。
【0038】
幾つかの実施形態にかかる木質バイオマス燃料の乾燥装置1は、図2図4に示されるような、排ガスを導入可能な排ガス導入空間31を内部に画定する本体部3を備える。上述した本体部3は、上述した表面パネル4と、表面パネル4と排ガス導入空間31を介して対面する上述した裏面パネル5と、排ガス導入空間31の周囲を囲むように、表面パネル4と裏面パネル5との間に配置される上述した外周パネル6と、を含む。
【0039】
上記の構成によれば、本体部3を木質バイオマス燃料の存在する空間(図示例では、木質バイオマス燃料貯留空間261)に配置することで、本体部3を介して、排ガス導入空間31内の排ガスと、本体部3の外側の空間261A内の木質バイオマス燃料や空気との間で非接触の熱交換が行われ、排ガスから上記外側の空間261A内の木質バイオマス燃料や空気に熱エネルギーが伝達される。上記外側の空間261A内の木質バイオマス燃料や空気が伝達された熱エネルギーにより加熱されて水分が除去されることで、木質バイオマス燃料を乾燥させることができる。また、上記の構成によれば、木質バイオマス燃料の乾燥装置1は、表面パネル4、裏面パネル5および外周パネル6により本体部3が形成されるため、構造が簡単であり、容易に設置することができる。
【0040】
図6は、本開示の一実施形態にかかる木質バイオマス燃料の乾燥装置を正面から視た状態を概略的に示す概略正面図である。図7は、図6に示される木質バイオマス燃料の乾燥装置のE-F線矢視の断面を概略的に示す概略断面図である。図8は、図6に示される木質バイオマス燃料の乾燥装置のG-H線矢視の断面を概略的に示す概略断面図である。図9および図10の夫々は、本開示の一実施形態にかかる木質バイオマス燃料の乾燥装置における表面パネルの形状の変形例を説明するための説明図である。図9および図10の夫々には、図6に示される木質バイオマス燃料の乾燥装置のE-F線矢視の断面に相当する断面が概略的に示されている。
【0041】
幾つかの実施形態では、上述した表面パネル4は、図6図10に示されるような、排ガス導入空間31に向かって凹む複数の凹溝部43を含む。複数の凹溝部43は、凹溝部43の延在方向に交差(図示例では、直交)する方向に間隔をあけて配置されている。図示される実施形態では、図6図10に示されるように、複数の凹溝部43は、本体部3の短手方向に沿って延在している。複数の凹溝部43は、本体部3の長手方向に間隔をあけて配置されている。
【0042】
図6図8に示される実施形態では、表面パネル4は、図7に示されるような本体部3の短手方向に直交する断面において、本体部3の短手方向に沿って長手方向を有する複数の溝底部431と、複数の溝底部431の短手方向の一端から前方(裏面パネル5から離れる側)に突出する複数の第1の溝側部432と、複数の溝底部431の短手方向の他端から前方に突出する複数の第2の溝側部433と、複数の溝底部431よりも前方において、本体部3の短手方向に沿って長手方向を有する複数の突板部434と、を含む。突板部434は、第1の溝側部432と第2の溝側部433との間に配置され、第1の溝側部432の前方端と、第2の溝側部433の前方端とを繋いでいる。第1の溝側部432および第2の溝側部433の夫々は、上記断面において、前方端が後方端よりも溝底部431から本体部3の長手方向に離隔するように傾斜している。凹溝部43は、溝底部431、第1の溝側部432および第2の溝側部433により、表面パネル4の外側に形成される。
【0043】
図9に示される実施形態では、表面パネル4は、図9に示されるような本体部3の短手方向に直交する断面において、ジグザグ形状を有する。具体的には、表面パネル4は、図9に示されるような本体部3の短手方向に直交する断面において、前方端が後方端よりも本体部3の長手方向における一方側に位置するように直線状に傾斜する複数の第1の傾斜部435と、前方端が後方端よりも本体部3の長手方向における他方側に位置するように直線状に傾斜する複数の第2の傾斜部436と、を含む。第2の傾斜部436の後方端は、本体部3の長手方向における上記一方側に隣接する第1の傾斜部435の後方端に接続されている。第2の傾斜部436の前方端は、本体部3の長手方向における上記他方側に隣接する第1の傾斜部435の前方端に接続されている。凹溝部43は、第1の傾斜部435および第2の傾斜部436により、表面パネル4の外側に形成される。
【0044】
図10に示される実施形態では、表面パネル4は、図10に示されるような本体部3の短手方向に直交する断面において、波板形状を有する。具体的には、表面パネル4は、図10に示されるような本体部3の短手方向に直交する断面において、前方端が後方端よりも本体部3の長手方向における一方側に位置するように後方(裏面パネル5側)に向かって凹状に湾曲する複数の第1の湾曲部437と、前方端が後方端よりも本体部3の長手方向における他方側に位置するように後方に向かって凹状に湾曲する複数の第2の湾曲部438と、を含む。第2の湾曲部438の後方端は、本体部3の長手方向における上記一方側に隣接する第1の湾曲部437の後方端に接続されている。第2の湾曲部438の前方端は、本体部3の長手方向における上記他方側に隣接する第1の湾曲部437の前方端に接続されている。凹溝部43は、第1の湾曲部437および第2の湾曲部438により、表面パネル4の外側に形成される。
【0045】
上記の構成によれば、複数の凹溝部43を含む表面パネル4は、複数の凹溝部43を含まない場合に比べて、表面パネル4の外側面42の表面積を大きくできるため、表面パネル4の外側の空間261B内の木質バイオマス燃料や空気と表面パネル4との接触面積を大きくできる。上記接触面積を大きくすることで、表面パネル4を介した排ガスから上記外側の空間261B内の木質バイオマス燃料や空気への熱伝達効率を向上できるため、木質バイオマス燃料の乾燥が促進される。また、複数の凹溝部43を含む表面パネル4は、複数の凹溝部43を含まない場合に比べて、表面パネル4の強度が増し、その分だけ表面パネル4の板厚を薄くできる。表面パネル4の板厚を薄くすることで、表面パネル4を介した排ガスから上記外側の空間261B内の木質バイオマス燃料や空気への熱伝達効率を向上できるため、木質バイオマス燃料の乾燥が促進される。
【0046】
幾つかの実施形態では、上述した木質バイオマス燃料の乾燥装置1は、図7図10に示されるような、裏面パネル5の外側面51との間で空気を導入可能な空気導入空間71を画定する少なくとも1つの断熱空間形成パネル7をさらに備える。図示される実施形態では、少なくとも1つの断熱空間形成パネル7は、図8に示されるように、裏面パネル5の外側面51との間で空気を導入可能な空気導入空間71を画定する第1の断熱空間形成パネル7Aと、第1の断熱空間形成パネル7Aよりも上方において、裏面パネル5の外側面51との間で空気を導入可能な空気導入空間71を画定する第2の断熱空間形成パネル7Bと、を含む。
【0047】
断熱空間形成パネル7は、裏面パネル5の外側面51と空気導入空間71を介して対面する裏板部72と、空気導入空間71の周囲を囲むように、裏面パネル5の外側面51と裏板部72との間に配置される外周板部73と、を含む。外周板部73は、裏板部72の一端に一体的に接続され、外周板部73の他端は、裏面パネル5の外側面51に溶接などにより固定されている。図示される実施形態では、外周板部73は、空気導入空間71を介して互いに対向して配置される一対の短手板部73A、73B(図7参照)と、空気導入空間71を介して互いに対向して配置される一対の長手板部73C、73D(図8参照)と、を含む。一対の長手板部73C、73Dは、一対の短手板部73A、73Bの延在方向と直交する方向に沿って延在している。一対の長手板部73C、73Dは、一対の短手板部73A、73Bよりも長い。図示例では、一対の長手板部73C、73Dは、本体部3の長手方向に沿って延在している。一対の短手板部73A、73Bは、本体部3の短手方向に沿って延在している。
【0048】
断熱空間形成パネル7には、空気導入空間71に空気を導入するための空気導入孔75が形成されている。図示例では、空気導入孔75は、短手板部73A(外周板部73)に形成されている。木質バイオマス燃料の乾燥装置1は、図7に示されるように、空気導入空間71に空気を導入するための空気導入ライン74を備える。空気導入ライン74は、送風機741と、送風機741と空気導入孔75とを接続するダクト742と、を含む。大気中の空気は、送風機741により、ダクト742や空気導入孔75を通じて、空気導入空間71に導入される。
【0049】
上記の構成によれば、空気導入空間71に空気を導入することで、裏面パネル5の外側に空気の断熱層が形成される。この空気の断熱層により、裏面パネル5から裏面パネル5の外側の空間261Cへの放熱を抑制できる。裏面パネル5の外側の空間261Cへの放熱を抑制することで、排ガス導入空間31内の排ガスの熱エネルギーを表面パネル4の外側の空間261B内の木質バイオマス燃料や空気の加熱に活用できる。
【0050】
幾つかの実施形態では、上述した木質バイオマス燃料の乾燥装置1は、図7図10に示されるように、排ガス導入空間31に配置される少なくとも1つの空気導入管8をさらに備える。空気導入管8は、空気導入空間71と表面パネル4の外側の空間261Bとを連通するように構成されている。
【0051】
空気導入管8は、排ガス導入空間31内において、本体部3の厚さ方向に沿ってそれぞれ延在する内周面81および外周面82を有する筒状に形成されている。空気導入管8には、内周面81により画定される管内空間83が形成されている。空気導入管8は、その延在方向における一方側が裏面パネル5に接続され、その管内空間83が空気導入空間71に連通している。空気導入管8は、その延在方向における他方側が表面パネル4に接続され、その管内空間83が表面パネル4の外側の空間に連通している。空気導入空間71は、空気導入孔75や管内空間83を除き、本体部3や断熱空間形成パネル7の外部に連通しない密閉空間になっている。図示される実施形態では、表面パネル4に形成された内側面41から外側面42に亘り貫通する貫通孔45に、空気導入管8の上記他方側が嵌合している。裏面パネル5に形成された内側面51から外側面52に亘り貫通する貫通孔54に、空気導入管8の上記一方側が嵌合している。
【0052】
上記の構成によれば、裏面パネル5を介して、排ガス導入空間31内の排ガスと、空気導入空間71内の空気との間で非接触の熱交換が行われ、空気導入空間71内の空気が、排ガスから伝達された熱エネルギーにより加熱される。また、空気導入管8を介して、排ガス導入空間31に存在する排ガスと、空気導入管8を流れる空気との間で非接触の熱交換が行われ、空気導入管8を流れる空気が、排ガスから伝達された熱エネルギーにより加熱される。空気導入空間71内の空気は、送風機741などにより空気導入空間71に導入されたものであるため、表面パネル4の外側の空間261B内の空気よりも高圧になっている。空気導入空間71内の空気と、表面パネル4の外側の空間261B内の空気との間の圧力差により、少なくとも1つの空気導入管8の管内空間83を通じて、空気導入空間71から表面パネル4の外側の空間261Bに排ガスにより加熱された空気が噴出される。この場合には、排ガスにより加熱された空気により、表面パネル4の外側の空間261B内の木質バイオマス燃料や空気を加熱できるため、木質バイオマス燃料の乾燥が促進される。
【0053】
なお、少なくとも1つの空気導入管8は、図7図9図10に示されるように、本体部3の長手方向に沿って間隔をあけて配置された複数の空気導入管8を含んでいてもよい。また、少なくとも1つの空気導入管8は、図8に示されるように、本体部3の短手方向に沿って間隔をあけて配置された複数の空気導入管8を含んでいてもよい。少なくとも1つの空気導入管8は、本体部3の長手方向に沿って間隔をあけて配置された複数の空気導入管8と、本体部3の短手方向に沿って間隔をあけて配置された複数の空気導入管8と、を含んでいてもよい。
【0054】
幾つかの実施形態では、図7図10に示されるように、上述した少なくとも1つの空気導入管8は、空気導入管8の外周面82から外側に突出する少なくとも1つのフィン84を有する。図示される実施形態では、フィン84は、空気導入管8の外周面82に螺旋状に巻き付けられている。
【0055】
上記の構成によれば、空気導入管8は、少なくとも1つのフィン84を有することで、排ガス導入空間31に存在する排ガスと空気導入管8との接触面積を大きくできる。上記接触面積を大きくすることで、空気導入管8を介した排ガスから空気導入管8を流れる空気への熱伝達効率を向上できるため、空気導入管8を流れる空気を効果的に加熱できる。
【0056】
なお、上述した少なくとも1つのフィン84は、図示される態様に限定されない。例えば、フィン84は、螺旋状以外の形状でもよく、少なくとも1つのフィン84は、空気導入管8の延在方向に間隔をあけて配置された複数のフィン84を含んでいてもよい。また、他の幾つかの実施形態では、上述した空気導入管8は、上述したフィン84を有していなくてもよい。
【0057】
幾つかの実施形態では、図2図6に示されるように、上述した外周パネル6は、互いに対向して配置される一対の短手パネル6A、6Bと、互いに対向して配置される一対の長手パネル6C、6Dと、を含む。一対の長手パネル6C、6Dは、一対の短手パネル6A、6Bの延在方向と直交する方向に沿って延在している。一対の短手パネル6A、6Bの一方のパネルには、排ガスを排ガス導入空間31に導くための排ガス導入口32、および排ガス導入空間31から本体部3の外部に排ガスを排出するための排ガス排出口33が形成されている。
【0058】
上記の構成によれば、木質バイオマス燃料の乾燥装置1は、本体部3の外周パネル6を一対の短手パネル6A、6Bおよび一対の長手パネル6C、6Dにより形成された四角枠状とすることで、本体部3の構造の複雑化を抑制でき、本体部3の製造コストを低減できる。これにより、木質バイオマス燃料の乾燥装置1の製造コストを低減できる。
【0059】
幾つかの実施形態では、図2図4図6図10に示されるように、上述した本体部3は、排ガス導入空間31に配置されるとともに、本体部3の長手方向(長手パネル6C、6Dの延在方向)に沿って延在する仕切り部材9を有する。仕切り部材9は、排ガス導入空間31を排ガス導入口32に連通する入口側排ガス導入空間31Aおよび排ガス排出口33に連通する出口側排ガス導入空間31Bに区画する。
【0060】
図示される実施形態では、排ガス導入口32は、排ガス排出口33よりも本体部3の短手方向における一方側(長手パネル6D側)に形成されている。仕切り部材9は、本体部3の短手方向において、排ガス導入口32よりも他方側(長手パネル6C側)、且つ排ガス排出口33よりも一方側(長手パネル6D側)に配置されている。出口側排ガス導入空間31Bは、入口側排ガス導入空間31Aよりも他方側(長手パネル6C側)に設けられる。
【0061】
図示される実施形態では、仕切り部材9は、H形鋼9Aを含む。H形鋼9Aは、図4に示されるような本体部3の長手方向に直交する断面において、本体部3の短手方向に沿って延在する第1の外側板部91と、第1の外側板部91に対して本体部3の厚さ方向に離れて配置されるとともに、本体部3の短手方向に沿って延在する第2の外側板部92と、第1の外側板部91と第2の外側板部92との間に配置されて、第1の外側板部91と第2の外側板部92とを繋ぐ連結板部93と、を含む。連結板部93は、第1の外側板部91の中央に一端が接続され、第2の外側板部92の中央に他端が接続されている。
【0062】
第1の外側板部91の外側面は、表面パネル4の内側面41に当接している。表面パネル4の第1の外側板部91に当接する箇所には、貫通孔44が形成されている。貫通孔44と第1の外側板部91の外側面とを溶接して溶接部W1を形成することで、表面パネル4に仕切り部材9を固定している。第2の外側板部92の外側面は、裏面パネル5の内側面51に当接している。裏面パネル5の第2の外側板部92に当接する箇所には、貫通孔53が形成されている。貫通孔53と第2の外側板部92の外側面とを溶接して溶接部W2を形成することで、裏面パネル5に仕切り部材9を固定している。
【0063】
図6図10に示される実施形態では、図6に示されるように、仕切り部材9の一端94Aは、一対の短手パネル6A、6Bの一方のパネル6Aに接続され、仕切り部材9の他端95Aは、一対の短手パネル6A、6Bの他方のパネル6Bに接続されている。仕切り部材9は、表面パネル4の凹溝部43の底部(図7に示される溝底部431、図9に示される第1の傾斜部435の後方端と第2の傾斜部436の後方端との接続部、図10に示される第1の湾曲部437の後方端と第2の湾曲部438の後方端の接続部など)に固定されており、仕切り部材9と表面パネル4との間には、入口側排ガス導入空間31Aと出口側排ガス導入空間31Bとを連通する複数の排ガス通路31Dが形成されている。複数の排ガス通路31Dを通じて、入口側排ガス導入空間31Aから出口側排ガス導入空間31Bに排ガスが流れるようになっている。
【0064】
上記の構成によれば、仕切り部材9により、排ガス導入空間31を入口側排ガス導入空間31Aと出口側排ガス導入空間31Bに区画することで、排ガス導入空間31の広範囲に亘って排ガスを流通させることができる。排ガス導入空間31の広範囲に亘って排ガスを流通させることで、本体部3を介した排ガス導入空間31内の排ガスから本体部3の外側の空間261A内の木質バイオマス燃料や空気への熱伝達効率を向上できるため、木質バイオマス燃料の乾燥が促進される。
【0065】
幾つかの実施形態では、図2に示されるように、上述した仕切り部材9の一端94は、一対の短手パネル6A、6Bの一方のパネル6Aに接続され、仕切り部材9の他端95は、一対の短手パネル6A、6Bの他方のパネル6Bとの間に所定の空間(排ガス通路31C)を有するように配置される。
【0066】
一方のパネル6Aから他方のパネル6Bまでの本体部3の長手方向における長さをL1と定義し、一方のパネル6Aから仕切り部材9の他端95までの本体部3の長手方向における長さL2と定義する。本体部3は、L2≧0.6L1の条件を満たす。好ましくは、本体部3は、L2≧0.7L1の条件を満たす。さらに好ましくは、本体部3は、L2≧0.8L1の条件を満たす。
【0067】
上記の構成によれば、仕切り部材9の他端95と、一対の短手パネルの他方のパネル6Bとの間に、入口側排ガス導入空間31Aと出口側排ガス導入空間31Bとを連通する排ガス通路31Cが形成される。上記排ガス通路31Cは、上記他方のパネル6B側、すなわち、長手パネル6C、6Dの延在方向において、排ガス導入口32や排ガス排出口33が形成された上記一方のパネル6Aとは反対側に形成されている。この場合には、排ガス導入空間31内に、入口側排ガス導入空間31A、上記排ガス通路31Cおよび出口側排ガス導入空間31Bの順に排ガスを通過させる排ガス流路が形成される。これにより、排ガス導入空間31の広範囲に亘って排ガスを流通させることができる。
【0068】
なお、表面パネル4が複数の凹溝部43を含む場合には、仕切り部材9と表面パネル4との間に、入口側排ガス導入空間31Aと出口側排ガス導入空間31Bとを連通する複数の排ガス通路31Dが形成されることがある。この場合には、仕切り部材9は、本体部3の長手方向において仕切り部材9の他端95よりも一方のパネル6A側に位置する少なくとも1つの排ガス通路31Dを閉塞する閉塞部材をさらに含んでいてもよい。
【0069】
図11図13の夫々は、本開示の一実施形態にかかる木質バイオマス燃料の乾燥装置の設置態様を説明するための説明図である。
幾つかの実施形態では、上述した本体部3は、図5図11図13に示されるように、上述した木質バイオマス燃料貯留ヤード26に配置されている。上記の構成によれば、本体部3を木質バイオマス燃料貯留ヤード26に配置することは容易である。本体部3を木質バイオマス燃料貯留ヤード26に配置することで、本体部3を介して、排ガス導入空間31に存在する排ガスから木質バイオマス燃料貯留ヤード26に存在する木質バイオマス燃料や空気に熱エネルギーが伝達され、木質バイオマス燃料や空気が加熱される。これにより、木質バイオマス燃料貯留ヤード26に貯留された木質バイオマス燃料を乾燥できる。木質バイオマス燃料貯留ヤード26に貯留された木質バイオマス燃料を乾燥させることで、木質バイオマス燃料を燃料として使用する燃焼装置21(バイオマスボイラ21A)の燃料効率を向上できる。
【0070】
幾つかの実施形態では、図5図12図13に示されるように、上述した木質バイオマス燃料貯留ヤード26に配置された本体部3は、表面パネル4が鉛直方向に対して傾斜して配置されている。
【0071】
図5に示される実施形態では、本体部3は、上述した側面263に立て掛けるように配置されている。裏面パネル5や断熱空間形成パネル7の外側面が側面263に対向し、表面パネル4の外側面42が木質バイオマス燃料貯留空間261を挟んで側面264に対向している。
【0072】
図13に示される実施形態では、本体部3は、上述した側面264に立て掛けるように配置されている。裏面パネル5や断熱空間形成パネル7の外側面が側面264に対向し、表面パネル4の外側面42が木質バイオマス燃料貯留空間261を挟んで側面263に対向している。
【0073】
図12に示される実施形態では、本体部3は、上述した後面265に立て掛けるように配置されている。裏面パネル5や断熱空間形成パネル7の外側面が後面265に対向している。この場合には、ホイールローダーなどによる攪拌が行われ難い後面265側の木質バイオマス燃料を乾燥装置1により乾燥させることができる。
【0074】
上記の構成によれば、表面パネル4を鉛直方向に対して傾斜して配置することで、表面パネル4を水平方向に沿った配置とする場合に比べて、表面パネル4にかかる木質バイオマス燃料の荷重を低減できるので、その分だけ表面パネル4の板厚を薄くできる。表面パネル4の板厚を薄くすることで、表面パネル4を介した排ガスから上記外側の空間261A(図示例では、木質バイオマス燃料貯留空間261)内の木質バイオマス燃料や空気への熱伝達効率を向上できるため、木質バイオマス燃料の乾燥が促進される。なお、或る実施形態では、表面パネル4が鉛直方向に対して傾斜した状態で、本体部3が底面262上に自立可能に構成されていてもよい。
【0075】
図5図12図13に示される実施形態では、上述した本体部3は、表面パネル4が複数の凹溝部43を含み、長手パネル6Cが上面、長手パネル6Dが下面となるように配置されている。具体的には、長手パネル6Cが、一対の短手パネルよりも鉛直方向における上方に位置し、長手パネル6Dが、一対の短手パネルよりも鉛直方向における下方に位置している。上記の構成によれば、本体部3が、複数の凹溝部43の延在方向(本体部3の短手方向)が鉛直方向に沿うように配置されるので、表面パネル4上から木質バイオマス燃料を落下させ易くなっている。このため、表面パネル4上に木質バイオマス燃料が堆積することを抑制できるため、表面パネル4にかかる木質バイオマス燃料の荷重を低減できる。また、図5図12図13に示される実施形態では、上述した排ガス排出口33は、排ガス導入口32よりも鉛直方向における上方に位置している。このように排ガス導入口32と排ガス排出口33とを鉛直方向における上方に向かう排ガスの流れを阻害しないように配置することで、排ガス導入空間31に対する排ガスの流通が促進される。
【0076】
幾つかの実施形態では、図11に示されるように、上述した木質バイオマス燃料貯留ヤード26に配置された本体部3は、表面パネル4が水平方向に沿って配置されている。本体部3又は断熱空間形成パネル7が底面262上に載せられる。裏面パネル5や断熱空間形成パネル7の外側面が上述した底面262に対向している。表面パネル4の外側面42は、木質バイオマス燃料貯留空間261を挟んで上述した上側開口267に対向している。
【0077】
上記の構成によれば、表面パネル4を水平方向に沿って配置することで、表面パネル4の上側の空間内の木質バイオマス燃料や空気が、表面パネル4を介して排ガスから伝達された熱エネルギーにより加熱される。排ガスから伝達された熱エネルギーにより加熱された空気が、鉛直方向における下方から上方に移動する際に、上方に位置する木質バイオマス燃料が上記空気から伝達された熱エネルギーにより加熱される。これにより、木質バイオマス燃料貯留ヤード26の鉛直方向における広範囲に亘り、木質バイオマス燃料を乾燥させることができる。また、上記の構成によれば、表面パネル4を水平方向に沿って配置することで、木質バイオマス燃料貯留ヤード26の底面に複数の本体部3を敷設することが可能になる。この場合には、木質バイオマス燃料貯留ヤード26の水平方向における広範囲に亘り、木質バイオマス燃料を乾燥させることができる。
【0078】
幾つかの実施形態では、上述した本体部3は、輸送用機器により搬送可能な大きさに構成されている。上記輸送用機器には、一般道路などの道路を走行可能な貨物自動車(例えば、トラックやトラクターなど)、輸送船、輸送機(飛行機)などが含まれる。或る実施形態では、上述した本体部3は、貨物自動車に積載された際に、貨物自動車の積載制限を超えない大きさに構成されている。上記の構成によれば、本体部3の製造場所から設置場所(木質バイオマス燃料貯留ヤード26)までの搬送が容易になる。
【0079】
図14図17の夫々は、本開示の一実施形態にかかる木質バイオマス燃料の乾燥システムの構成を概略的に示す概略構成図である。
幾つかの実施形態にかかる木質バイオマス燃料の乾燥システム10は、図1図14図17に示されるように、上述した少なくとも1つの木質バイオマス燃料の乾燥装置1と、燃焼装置21から排出される排ガスを送るための上述した排ガス排出ライン22であって、上述した少なくとも1つの木質バイオマス燃料の乾燥装置1が設けられた排ガス排出ライン22と、を備える。
【0080】
図示される実施形態では、排ガス排出ライン22は、燃焼装置21と煙突23とを繋ぐ第1の排ガス排出ライン22Aと、第1の排ガス排出ライン22Aの分岐部221において第1の排ガス排出ライン22Aから分岐して、第1の排ガス排出ライン22Aの分岐部221よりも下流側に位置する合流部222において第1の排ガス排出ライン22Aに合流する第2の排ガス排出ライン22Bと、を含む。分岐部221は、集塵装置25よりも第1の排ガス排出ライン22Aの下流側に位置している。
【0081】
図示される実施形態では、木質バイオマス燃料の乾燥システム10は、図1図14図17に示されるように、排ガス排出ライン22に設けられる少なくとも1つの送風機24と、排ガス排出ライン22に設けられる少なくとも1つの弁29と、をさらに備える。弁29は、弁29を排ガス流路を開閉する機構部を有し、弁29を通過する排ガスの流量を調整可能に構成されている。
【0082】
図1図17に示される実施形態では、少なくとも1つの木質バイオマス燃料の乾燥装置1の本体部3が第2の排ガス排出ライン22Bに設けられる。第2の排ガス排出ライン22Bは、上述した分岐部221と本体部3の排ガス導入口32とを繋ぐ上流側バイパスライン22Cと、本体部3の排ガス排出口33と上述した合流部222とを繋ぐ下流側バイパスライン22Dと、を含む。上述した少なくとも1つの送風機24は、第1の排ガス排出ライン22Aにおける分岐部221と合流部222との間に設けられる第1の送風機24Aと、下流側バイパスライン22Dに設けられる第2の送風機24Bと、を含む。上述した少なくとも1つの弁29は、第1の排ガス排出ライン22Aにおける分岐部221と第1の送風機24Aとの間に設けられる第1の弁29Aと、上流側バイパスライン22Cに設けられる第2の弁29Bと、下流側バイパスライン22Dの第2の送風機24Bよりも上流側に設けられる第3の弁29Cと、下流側バイパスライン22Dの第2の送風機24Bよりも下流側に設けられる第4の弁29Dと、を含む。
【0083】
図14に示される実施形態では、第2の送風機24Bが、下流側バイパスライン22Dではなく、上流側バイパスライン22Cの第2の弁29Bよりも下流側に設けられる点と、弁29が第4の弁29Dを含まない点において、図1に示される実施形態と異なっている。
【0084】
図15に示される実施形態では、上述した少なくとも1つの送風機24は、第1の送風機24Aおよび第2の送風機24Bを含まず、第1の排ガス排出ライン22Aにおける合流部222よりも下流側に設けられる点と、弁29が第4の弁29Dを含まない点において、図1に示される実施形態と異なっている。本実施形態では、第1の排ガス排出ライン22Aおよび第2の排ガス排出ライン22Bにおいて送風機24Cを共有設備とすることで、送風機の数を低減している。
【0085】
図16に示される実施形態では、上述した少なくとも1つの木質バイオマス燃料の乾燥装置1の本体部3が、第1の排ガス排出ライン22Aにおける分岐部221と第1の弁29Aとの間に設けられる点と、第2の弁29Bが第1の排ガス排出ライン22Aにおける分岐部221と本体部3との間に設けられる点において、図1に示される実施形態と異なっている。本実施形態では、木質バイオマス燃料の乾燥装置1が故障したとしても煙突23に排ガスを送れるように第2の排ガス排出ライン22Bが設けられている。
【0086】
上記の構成によれば、少なくとも1つの木質バイオマス燃料の乾燥装置1を排ガス排出ライン22に設けることで、燃焼装置21から排出された排ガスを排ガス導入空間31に導入できるとともに、排ガス導入空間31で排熱が回収された排ガスを排ガス排出ライン22の下流側に送ることができる。なお、図示される実施形態では、木質バイオマス燃料の乾燥装置1は、木質バイオマス燃料を燃料とする燃焼装置21から排ガスを導く排ガス排出ライン22に設けられているが、上記燃焼装置21以外の燃焼装置から排ガスを導く排ガス排出ラインに設けてもよい。すなわち、木質バイオマス燃料の乾燥装置1で利用する排ガスは、木質バイオマス燃料以外の燃料を燃焼させることで生じた排ガスであってもよい。
【0087】
幾つかの実施形態では、図1図15図16図17に示されるように、上述した木質バイオマス燃料の乾燥システム10は、排ガス排出ライン22の少なくとも1つの木質バイオマス燃料の乾燥装置1よりも下流側に設けられた送風機24(24A、24B又は24C)を備える。
【0088】
上記の構成によれば、排ガス導入空間31内の排ガスが、下流側に設けられた送風機24に吸引されて強制的に本体部3の外部に排出されるため、排ガス導入空間31が負圧になる。排ガス導入空間31を負圧にすることで、排ガス導入空間31内の排ガスが、排ガス排出口33を介さずに本体部3の外部に漏洩すること、すなわち、排ガス排出ライン22の系外に漏洩することを抑制できる。なお、幾つかの実施形態では、図14に示されるように、木質バイオマス燃料の乾燥装置1よりも上流側に送風機24を設けてもよい。
【0089】
幾つかの実施形態では、図1図14図15図17に示されるように、上述した木質バイオマス燃料の乾燥システム10の排ガス排出ライン22は、第1の排ガス排出ライン22Aと、第2の排ガス排出ライン22Bと、を含み、少なくとも1つの木質バイオマス燃料の乾燥装置1は、第2の排ガス排出ライン22Bに設けられた。
【0090】
上記の構成によれば、木質バイオマス燃料の乾燥装置1を第2の排ガス排出ライン22Bに設けることで、燃焼装置21から煙突23に送られる排ガスのうち、木質バイオマス燃料の乾燥装置1が必要とする量の排ガスを木質バイオマス燃料の乾燥装置1に導入することができる。この場合には、燃焼装置21から煙突23に送られる排ガスの全量を木質バイオマス燃料の乾燥装置1に導入する場合に比べて、木質バイオマス燃料の乾燥装置1に排ガスを流通させるための動力を少なくできる。また、上記の構成によれば、仮に木質バイオマス燃料の乾燥装置1が故障しても第1の排ガス排出ライン22Aを通じて排ガスを木質バイオマス燃料の乾燥装置1よりも下流側に送ることができるため、木質バイオマス燃料の乾燥システム10の信頼性を確保できる。
【0091】
上記の構成によれば、第2の排ガス排出ライン22Bは、第1の排ガス排出ライン22Aよりも自由度が高い。このため、仮に木質バイオマス燃料貯留ヤード26が第1の排ガス排出ライン22Aの近傍に配置されてなくても、第2の排ガス排出ライン22Bを木質バイオマス燃料貯留ヤード26まで到達させることができ、木質バイオマス燃料貯留ヤード26内に配置された本体部3に第2の排ガス排出ライン22Bのダクトなどを接続可能である。また、上記の構成によれば、既存の発電システム2に、第2の排ガス排出ライン22Bや、第2の排ガス排出ライン22Bに設けられた木質バイオマス燃料の乾燥装置1を追設することで、発電システム2に木質バイオマス燃料の乾燥システム10を搭載することが可能である。
【0092】
幾つかの実施形態では、図17に示されるように、上述した木質バイオマス燃料の乾燥システム10は、排ガス排出ライン22の木質バイオマス燃料の乾燥装置1よりも上流側における排ガスの温度を取得するように構成された排ガス温度取得装置101と、排ガス温度取得装置101により温度が取得される箇所よりも排ガス排出ライン22の上流側に空気を供給するための空気供給ライン102と、空気供給ライン102を通じて排ガス排出ライン22に供給される空気量を調整するように構成された空気量調整装置103と、排ガス温度取得装置101が取得する排ガスの温度が設定範囲内に収まるように、空気量調整装置103に空気量を指示する排ガス温度制御装置104と、を備える。
【0093】
図示される実施形態では、排ガス温度取得装置101は、上流側バイパスライン22Cを流れる排ガスの温度を測定する温度センサを含む。空気供給ライン102は、上流側バイパスライン22Cにおける弁29Bと温度センサによる測定部との間に位置する接続部223に一端側が接続されたダクト105と、ダクト105の他端側に接続された送風機106と、を含む。空気量調整装置103は、ダクト105に設けられる制御弁を含む。なお、上流側バイパスライン22Cが負圧になる場合には、送風機106が不要であり、ダクト105の他端側が大気に開放されていてもよい。この場合には、送風機106を設けなくてもダクト105の他端側から空気を吸い込むことができるため、送風機106を駆動させるための動力が不要になる。
【0094】
図示される実施形態では、排ガス温度制御装置104は、木質バイオマス燃料の乾燥装置1に導入される排ガスの温度を調整するための電子制御ユニットであり、図示しないCPU(プロセッサ)や、ROMやRAMといったメモリ、外部記憶装置などの記憶装置、I/Oインターフェース、通信インターフェースなどからなるマイクロコンピュータとして構成されていてもよい。そして、例えば上記メモリの主記憶装置にロードされたプログラムの命令に従ってCPUが動作(例えばデータの演算など)することで、後述する空気量指示部108を実現する。
【0095】
排ガス温度制御装置104は、排ガス温度の設定範囲(上限閾値、下限閾値)が記憶されたデータベース部107と、データベース部107に記憶された排ガス温度の設定範囲と、排ガス温度取得装置101が取得した温度とに基づいて、空気量調整装置103に空気量を指示する空気量指示部108と、を含む。空気量調整装置(調整弁)103は、排ガス温度制御装置104の空気量指示部108から送られる信号により電気的に制御され、該信号に応じて、駆動や停止するように構成されている。
【0096】
或る実施形態では、空気量指示部108は、排ガス温度取得装置101が取得した温度が上記下限閾値に満たないときに、空気量調整装置(調整弁)103を閉じるように空気量調整装置に指示する。また、空気量指示部108は、排ガス温度取得装置101が取得した温度が上記上限閾値を超えたときに、空気量調整装置(調整弁)103を開くように空気量調整装置に指示する。
【0097】
上記の構成によれば、排ガス温度取得装置101により、木質バイオマス燃料の乾燥装置1に導入される排ガスの温度を監視できる。空気供給ライン102を通じて排ガス排出ライン22に排ガスよりも低温の空気を導入することで、木質バイオマス燃料の乾燥装置1に導入される排ガスの温度を低下させることができる。空気量調整装置103が、排ガス温度制御装置104の指示に応じて、空気供給ライン102を通じて排ガス排出ライン22に供給される空気量を調整することで、木質バイオマス燃料の乾燥装置1に導入される排ガスの温度を調整できるため、木質バイオマス燃料の乾燥装置1の乾燥性能を確保するとともに、高温の排ガスに曝されて木質バイオマス燃料が出火することを抑制できる。
【0098】
幾つかの実施形態では、図11図13に示されるように、上述した木質バイオマス燃料の乾燥システム10の少なくとも1つの木質バイオマス燃料の乾燥装置1は、本体部3が木質バイオマス燃料貯留ヤード26に配置された複数の木質バイオマス燃料の乾燥装置1を含む。
【0099】
図11に示される実施形態では、各々の表面パネル4が水平方向に沿って配置された複数の本体部3が、木質バイオマス燃料貯留ヤード26に配置されている。図13に示される実施形態では、各々の表面パネル4が鉛直方向に対して傾斜して配置された複数の本体部3が、木質バイオマス燃料貯留ヤード26に配置されている。なお、他の実施形態では、表面パネル4が水平方向に沿って配置された本体部3と、表面パネル4が鉛直方向に対して傾斜して配置された本体部3とが木質バイオマス燃料貯留ヤード26に配置されていてもよい。
【0100】
上記の構成によれば、複数の木質バイオマス燃料の乾燥装置1の本体部3を木質バイオマス燃料貯留ヤード26に配置することで、木質バイオマス燃料貯留ヤード26における広範囲に亘り、木質バイオマス燃料を乾燥させることができる。これにより、一つの木質バイオマス燃料の乾燥装置1の本体部3を木質バイオマス燃料貯留ヤード26に配置する場合に比べて、木質バイオマス燃料貯留ヤード26に貯留された木質バイオマス燃料の乾燥が促進される。
【0101】
本開示は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
【0102】
上述した幾つかの実施形態に記載の内容は、例えば以下のように把握されるものである。
【0103】
1)本開示の少なくとも一実施形態にかかる木質バイオマス燃料の乾燥装置(1)は、
木質バイオマス燃料を乾燥させるように構成された木質バイオマス燃料の乾燥装置(1)であって、
排ガスを導入可能な排ガス導入空間(31)を内部に画定する本体部(3)であって、
表面パネル(4)と、
前記表面パネル(4)と前記排ガス導入空間(31)を介して対面する裏面パネル(5)と、
前記排ガス導入空間(31)の周囲を囲むように、前記表面パネル(4)と前記裏面パネル(5)との間に配置される外周パネル(6)と、
を含む本体部(3)を備える。
【0104】
上記1)の構成によれば、本体部(3)を木質バイオマス燃料の存在する空間に配置することで、本体部(3)を介して、排ガス導入空間(31)内の排ガスと、本体部(3)の外側の空間内の木質バイオマス燃料や空気との間で非接触の熱交換が行われ、排ガスから上記外側の空間内の木質バイオマス燃料や空気に熱エネルギーが伝達される。上記外側の空間内の木質バイオマス燃料や空気が伝達された熱エネルギーにより加熱されて水分が除去されることで、木質バイオマス燃料を乾燥させることができる。また、上記1)の構成によれば、木質バイオマス燃料の乾燥装置(1)は、表面パネル(4)、裏面パネル(5)および外周パネル(6)により本体部(3)が形成されるため、構造が簡単であり、容易に設置することができる。
【0105】
2)幾つかの実施形態では、上記1)に記載の木質バイオマス燃料の乾燥装置(1)であって、
前記表面パネル(4)は、前記排ガス導入空間(31)に向かって凹む複数の凹溝部(43)であって、前記凹溝部(43)の延在方向に交差する方向に間隔をあけて配置された複数の凹溝部(43)を含む。
【0106】
上記2)の構成によれば、複数の凹溝部(43)を含む表面パネル(4)は、複数の凹溝部(43)を含まない場合に比べて、表面パネル(4)の外側面の表面積を大きくできるため、表面パネル(4)の外側の空間内の木質バイオマス燃料や空気と表面パネル(4)との接触面積を大きくできる。上記接触面積を大きくすることで、表面パネル(4)を介した排ガスから上記外側の空間内の木質バイオマス燃料や空気への熱伝達効率を向上できるため、木質バイオマス燃料の乾燥が促進される。また、複数の凹溝部を含む表面パネル(4)は、複数の凹溝部を含まない場合に比べて、表面パネル(4)の強度が増し、その分だけ表面パネル(4)の板厚を薄くできる。表面パネル(4)の板厚を薄くすることで、表面パネル(4)を介した排ガスから上記外側の空間内の木質バイオマス燃料や空気への熱伝達効率を向上できるため、木質バイオマス燃料の乾燥が促進される。
【0107】
3)幾つかの実施形態では、上記1)又は2)に記載の木質バイオマス燃料の乾燥装置(1)であって、
前記裏面パネル(5)の外側面との間で空気を導入可能な空気導入空間(71)を画定する断熱空間形成パネル(7)をさらに備える。
【0108】
上記3)の構成によれば、空気導入空間(71)に空気を導入することで、裏面パネル(5)の外側に空気の断熱層が形成される。この空気の断熱層により、裏面パネル(5)から裏面パネル(5)の外側の空間への放熱を抑制できる。裏面パネル(5)の外側の空間への放熱を抑制することで、排ガス導入空間(31)内の排ガスの熱エネルギーを表面パネル(4)の外側の空間内の木質バイオマス燃料や空気の加熱に活用できる。
【0109】
4)幾つかの実施形態では、上記3)に記載の木質バイオマス燃料の乾燥装置(1)であって、
前記排ガス導入空間(31)に配置され、前記空気導入空間(71)と前記表面パネル(4)の外側の空間とを連通するように構成された少なくとも1つの空気導入管(8)をさらに備える。
【0110】
上記4)の構成によれば、裏面パネル(5)を介して、排ガス導入空間(31)内の排ガスと、空気導入空間(71)内の空気との間で非接触の熱交換が行われ、空気導入空間(71)内の空気が、排ガスから伝達された熱エネルギーにより加熱される。また、空気導入管(8)を介して、排ガス導入空間(31)に存在する排ガスと、空気導入管(8)を流れる空気との間で非接触の熱交換が行われ、空気導入管(8)を流れる空気が、排ガスから伝達された熱エネルギーにより加熱される。空気導入空間(71)内の空気は、送風機などにより空気導入空間(71)に導入されたものであるため、表面パネル(4)の外側の空間内の空気よりも高圧になっている。空気導入空間(71)内の空気と、表面パネル(4)の外側の空間内の空気との間の圧力差により、少なくとも1つの空気導入管(8)を通じて、空気導入空間(71)から表面パネル(4)の外側の空間に排ガスにより加熱された空気が噴出される。この場合には、排ガスにより加熱された空気により、表面パネル(4)の外側の空間内の木質バイオマス燃料や空気を加熱できるため、木質バイオマス燃料の乾燥が促進される。
【0111】
5)幾つかの実施形態では、上記4)に記載の木質バイオマス燃料の乾燥装置(1)であって、
前記少なくとも1つの空気導入管(8)は、前記空気導入管(8)の外周面から外側に突出する少なくとも1つのフィン(84)を有する。
【0112】
上記5)の構成によれば、空気導入管(8)は、少なくとも1つのフィン(84)を有することで、排ガス導入空間(31)に存在する排ガスと空気導入管(8)との接触面積を大きくできる。上記接触面積を大きくすることで、空気導入管(8)を介した排ガスから空気導入管(8)を流れる空気への熱伝達効率を向上できるため、空気導入管(8)を流れる空気を効果的に加熱できる。
【0113】
6)幾つかの実施形態では、上記1)から上記4)までの何れかに記載の木質バイオマス燃料の乾燥装置(1)であって、
前記外周パネル(6)は、互いに対向して配置される一対の短手パネル(6A、6B)と、前記一対の短手パネル(6A、6B)の延在方向と直交する方向に沿って延在する一対の長手パネル(6C、6D)であって、互いに対向して配置される一対の長手パネル(6C、6D)と、を含み、
前記一対の短手パネル(6A、6B)の一方のパネル(6A)には、前記排ガスを前記排ガス導入空間(31)に導くための排ガス導入口(32)、および前記排ガス導入空間(31)から前記本体部(3)の外部に排ガスを排出するための排ガス排出口(32)が形成された。
【0114】
上記6)の構成によれば、木質バイオマス燃料の乾燥装置(1)は、本体部(3)の外周パネル(6)を一対の短手パネル(6A、6B)および一対の長手パネル(6C、6D)により形成された四角枠状とすることで、本体部(3)の構造の複雑化を抑制でき、本体部(3)の製造コストを低減できる。これにより、木質バイオマス燃料の乾燥装置(1)の製造コストを低減できる。
【0115】
7)幾つかの実施形態では、上記6)に記載の木質バイオマス燃料の乾燥装置(1)であって、
前記本体部(3)は、
前記排ガス導入空間(31)に配置されるとともに、前記長手パネル(6C、6D)の延在方向に沿って延在する仕切り部材(9)であって、前記排ガス導入空間(31)を前記排ガス導入口(32)に連通する入口側排ガス導入空間(31A)および前記排ガス排出口(33)に連通する出口側排ガス導入空間(31B)に区画する仕切り部材(9)を有する。
【0116】
上記7)の構成によれば、仕切り部材(9)により、排ガス導入空間(31)を入口側排ガス導入空間(31A)と出口側排ガス導入空間(31B)に区画することで、排ガス導入空間(31)の広範囲に亘って排ガスを流通させることができる。排ガス導入空間(31)の広範囲に亘って排ガスを流通させることで、本体部(3)を介した排ガス導入空間(31)内の排ガスから本体部(3)の外側の空間内の木質バイオマス燃料や空気への熱伝達効率を向上できるため、木質バイオマス燃料の乾燥が促進される。
【0117】
8)幾つかの実施形態では、上記7)に記載の木質バイオマス燃料の乾燥装置(1)であって、
前記仕切り部材(9)の一端は、前記一対の短手パネルの前記一方のパネル(6A)に接続され、
前記仕切り部材(9)の他端は、前記一対の短手パネルの他方のパネル(6B)との間に所定の空間を有するように配置される。
【0118】
上記8)の構成によれば、仕切り部材(9)の他端と、一対の短手パネルの他方のパネル(6B)との間に、入口側排ガス導入空間(31A)と出口側排ガス導入空間(31B)とを連通する排ガス通路が形成される。上記排ガス通路は、上記他方のパネル(6B)側、すなわち、長手パネル(6C、6D)の延在方向において、排ガス導入口(32)や排ガス排出口(33)が形成された上記一方のパネル(6A)とは反対側に形成されている。この場合には、排ガス導入空間(31)内に、入口側排ガス導入空間(31A)、上記排ガス流路および出口側排ガス導入空間(31B)の順に排ガスを通過させる排ガス流路が形成される。これにより、排ガス導入空間(31)の広範囲に亘って排ガスを流通させることができる。
【0119】
9)幾つかの実施形態では、上記1)から上記8)までの何れかに記載の木質バイオマス燃料の乾燥装置(1)であって、
前記本体部(3)は、前記木質バイオマス燃料を貯留するための木質バイオマス燃料貯留ヤード(26)に配置された。
【0120】
上記9)の構成によれば、本体部(3)を木質バイオマス燃料貯留ヤード(26)に配置することは容易である。本体部(3)を木質バイオマス燃料貯留ヤード(26)に配置することで、本体部(3)を介して、排ガス導入空間(31)に存在する排ガスから木質バイオマス燃料貯留ヤード(26)に存在する木質バイオマス燃料や空気に熱エネルギーが伝達され、木質バイオマス燃料や空気が加熱される。これにより、木質バイオマス燃料貯留ヤード(26)に貯留された木質バイオマス燃料を乾燥できる。木質バイオマス燃料貯留ヤード(26)に貯留された木質バイオマス燃料を乾燥させることで、木質バイオマス燃料を燃料として使用する燃焼装置の燃料効率を向上できる。
【0121】
10)幾つかの実施形態では、上記9)に記載の木質バイオマス燃料の乾燥装置(1)であって、
前記本体部(3)は、前記表面パネル(4)が鉛直方向に対して傾斜して配置された。
【0122】
上記10)の構成によれば、表面パネル(4)を鉛直方向に対して傾斜して配置することで、表面パネル(4)を水平方向に沿った配置する場合に比べて、表面パネル(4)にかかる木質バイオマス燃料の荷重を低減できるので、その分だけ表面パネル(4)の板厚を薄くできる。表面パネル(4)の板厚を薄くすることで、表面パネル(4)を介した排ガスから上記外側の空間内の木質バイオマス燃料や空気への熱伝達効率を向上できるため、木質バイオマス燃料の乾燥が促進される。
【0123】
11)幾つかの実施形態では、上記9)に記載の木質バイオマス燃料の乾燥装置(1)であって、
前記本体部(3)は、前記表面パネル(4)が水平方向に沿って配置された。
【0124】
上記11)の構成によれば、表面パネル(4)を水平方向に沿って配置することで、表面パネル(4)の上側の空間内の木質バイオマス燃料や空気が、表面パネル(4)を介して排ガスから伝達された熱エネルギーにより加熱される。排ガスから伝達された熱エネルギーにより加熱された空気が、鉛直方向における下方から上方に移動する際に、上方に位置する木質バイオマス燃料が上記空気から伝達された熱エネルギーにより加熱される。これにより、木質バイオマス燃料貯留ヤード(26)の鉛直方向における広範囲に亘り、木質バイオマス燃料を乾燥させることができる。また、上記11)の構成によれば、表面パネル(4)を水平方向に沿って配置することで、木質バイオマス燃料貯留ヤード(26)の底面に複数の本体部(3)を敷設することが可能になる。この場合には、木質バイオマス燃料貯留ヤード(26)の水平方向における広範囲に亘り、木質バイオマス燃料を乾燥させることができる。
【0125】
12)本開示の少なくとも一実施形態にかかる木質バイオマス燃料の乾燥システム(10)は、
上記1)から上記8)までの何れかに記載の少なくとも1つの木質バイオマス燃料の乾燥装置(1)と、
燃焼装置(21)から排出される排ガスを送るための排ガス排出ライン(22)であって、前記少なくとも1つの木質バイオマス燃料の乾燥装置(1)が設けられた排ガス排出ライン(22)と、を備える。
【0126】
上記12)の構成によれば、少なくとも1つの木質バイオマス燃料の乾燥装置(1)を排ガス排出ライン(22)に設けることで、燃焼装置(21)から排出された排ガスを排ガス導入空間(31)に導入できるとともに、排ガス導入空間(31)で排熱が回収された排ガスを排ガス排出ライン(22)の下流側に送ることができる。
【0127】
13)幾つかの実施形態では、上記12)に記載の木質バイオマス燃料の乾燥システム(10)であって、
前記排ガス排出ライン(22)の前記少なくとも1つの木質バイオマス燃料の乾燥装置(1)よりも下流側に設けられた送風機(24)をさらに備える。
【0128】
上記13)の構成によれば、排ガス導入空間(31)内の排ガスが、下流側に設けられた送風機(24)に吸引されて強制的に本体部(3)の外部に排出されるため、排ガス導入空間(31)が負圧になる。排ガス導入空間(31)を負圧にすることで、排ガス導入空間(31)内の排ガスが、排ガス排出口33を介さずに本体部(3)の外部に漏洩すること、すなわち、排ガス排出ライン22の系外に漏洩することを抑制できる。
【0129】
14)幾つかの実施形態では、上記12)又は上記13)に記載の木質バイオマス燃料の乾燥システム(10)であって、
前記排ガス排出ライン(22)は、前記燃焼装置(21)と煙突(23)とを繋ぐ第1の排ガス排出ライン(22A)と、前記第1の排ガス排出ライン(22A)から分岐して、前記第1の排ガス排出ラインの分岐部(221)よりも下流側に合流する第2の排ガス排出ライン(22B)と、を含み、
前記少なくとも1つの木質バイオマス燃料の乾燥装置(1)は、前記第2の排ガス排出ライン(22B)に設けられた。
【0130】
上記14)の構成によれば、木質バイオマス燃料の乾燥装置(1)を第2の排ガス排出ライン(22B)に設けることで、燃焼装置(21)から煙突(23)に送られる排ガスのうち、木質バイオマス燃料の乾燥装置(1)が必要とする量の排ガスを木質バイオマス燃料の乾燥装置(1)に導入することができる。この場合には、燃焼装置(21)から煙突(23)に送られる排ガスの全量を木質バイオマス燃料の乾燥装置(1)に導入する場合に比べて、木質バイオマス燃料の乾燥装置(1)に排ガスを流通させるための動力を少なくできる。また、上記14)の構成によれば、仮に木質バイオマス燃料の乾燥装置(1)が故障しても第1の排ガス排出ライン(22A)を通じて排ガスを木質バイオマス燃料の乾燥装置(1)よりも下流側に送ることができるため、木質バイオマス燃料の乾燥システム(10)の信頼性を確保できる。
【0131】
15)幾つかの実施形態では、上記12)から上記14)までの何れかに記載の木質バイオマス燃料の乾燥システム(10)であって、
前記少なくとも1つの木質バイオマス燃料の乾燥装置(1)は、前記本体部(3)が前記木質バイオマス燃料を貯留するための木質バイオマス燃料貯留ヤード(26)に配置された複数の木質バイオマス燃料の乾燥装置(1)を含む。
【0132】
上記15)の構成によれば、複数の木質バイオマス燃料の乾燥装置(1)の本体部(3)を木質バイオマス燃料貯留ヤード(26)に配置することで、木質バイオマス燃料貯留ヤード(26)における広範囲に亘り、木質バイオマス燃料を乾燥させることができる。これにより、一つの木質バイオマス燃料の乾燥装置(1)の本体部(3)を木質バイオマス燃料貯留ヤード(26)に配置する場合に比べて、木質バイオマス燃料貯留ヤード(26)に貯留された木質バイオマス燃料の乾燥が促進される。
【0133】
16)幾つかの実施形態では、上記12)から上記15)までの何れかに記載の木質バイオマス燃料の乾燥システム(10)であって、
前記排ガス排出ライン(22)の前記少なくとも1つの木質バイオマス燃料の乾燥装置(1)よりも上流側における排ガスの温度を取得するように構成された排ガス温度取得装置(101)と、
前記排ガス温度取得装置により温度が取得される箇所よりも前記排ガス排出ライン(22)の上流側に空気を供給するための空気供給ライン(102)と、
前記空気供給ラインを通じて前記排ガス排出ラインに供給される空気量を調整するように構成された空気量調整装置(103)と、
前記排ガス温度取得装置(101)が取得する排ガスの温度が設定範囲内に収まるように、前記空気量調整装置(103)に空気量を指示する排ガス温度制御装置(104)と、を備える。
【0134】
上記16)の構成によれば、排ガス温度取得装置(101)により、木質バイオマス燃料の乾燥装置に導入される排ガスの温度を監視できる。空気供給ライン(102)を通じて排ガス排出ライン(22)に排ガスよりも低温の空気を導入することで、木質バイオマス燃料の乾燥装置(1)に導入される排ガスの温度を低下させることができる。空気量調整装置(103)が、排ガス温度制御装置(104)の指示に応じて、空気供給ライン(102)を通じて排ガス排出ライン(22)に供給される空気量を調整することで、木質バイオマス燃料の乾燥装置(1)に導入される排ガスの温度を調整できるため、木質バイオマス燃料の乾燥装置(1)の乾燥性能を確保するとともに、高温の排ガスに曝されて木質バイオマス燃料が出火することを抑制できる。
【符号の説明】
【0135】
1 木質バイオマス燃料の乾燥装置
2 発電システム
2A バイオマス発電システム
3 本体部
4 表面パネル
5 裏面パネル
6 外周パネル
6A、6B 短手パネル
6C、6D 長手パネル
7、7A、7B 断熱空間形成パネル
8 空気導入管
9 仕切り部材
10 乾燥システム
21 燃焼装置
21A バイオマスボイラ
22 排ガス排出ライン
22A 第1の排ガス排出ライン
22B 第2の排ガス排出ライン
22C 上流側バイパスライン
22D 下流側バイパスライン
23 煙突
24 送風機
25 集塵装置
26 木質バイオマス燃料貯留ヤード
27 木質バイオマス燃料供給コンベヤ
28 木質バイオマス燃料供給ホッパ
29 弁
31 排ガス導入空間
31A 入口側排ガス導入空間
31B 出口側排ガス導入空間
31C、31D 排ガス通路
41、51、61 内側面
42、51、52 外側面
43 凹溝部
62 溝
63 溝形鋼
71 空気導入空間
72 裏板部
73 外周板部
74 空気導入ライン
75 空気導入孔
81 内周面
82 外周面
83 管内空間
84 フィン
91 第1の外側板部
92 第2の外側板部
93 連結板部
101 排ガス温度取得装置
102 空気供給ライン
103 空気量調整装置
104 排ガス温度制御装置
211 火炉
212 本体部
213 木質バイオマス燃料導入部
261 木質バイオマス燃料貯留空間
281 内部空間
282 払出口

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
【手続補正書】
【提出日】2022-02-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
木質バイオマス燃料を乾燥させるように構成された木質バイオマス燃料の乾燥装置であって、
排ガスを導入可能な排ガス導入空間を内部に画定する本体部であって、
表面パネルと、
前記表面パネルと前記排ガス導入空間を介して対面する裏面パネルと、
前記排ガス導入空間の周囲を囲むように、前記表面パネルと前記裏面パネルとの間に配置される外周パネルと、
を含む本体部を備えるとともに、
前記裏面パネルの外側面との間で空気を導入可能な空気導入空間を画定する断熱空間形成パネルをさらに備える、
木質バイオマス燃料の乾燥装置。
【請求項2】
前記表面パネルは、前記排ガス導入空間に向かって凹む複数の凹溝部であって、前記凹溝部の延在方向に交差する方向に間隔をあけて配置された複数の凹溝部を含む、
請求項1に記載の木質バイオマス燃料の乾燥装置。
【請求項3】
前記排ガス導入空間に配置され、前記空気導入空間と前記表面パネルの外側の空間とを連通するように構成された少なくとも1つの空気導入管をさらに備える、
請求項1又は2に記載の木質バイオマス燃料の乾燥装置。
【請求項4】
前記少なくとも1つの空気導入管は、前記空気導入管の外周面から外側に突出する少なくとも1つのフィンを有する、
請求項に記載の木質バイオマス燃料の乾燥装置。
【請求項5】
木質バイオマス燃料を乾燥させるように構成された木質バイオマス燃料の乾燥装置であって、
排ガスを導入可能な排ガス導入空間を内部に画定する本体部であって、
表面パネルと、
前記表面パネルと前記排ガス導入空間を介して対面する裏面パネルと、
前記排ガス導入空間の周囲を囲むように、前記表面パネルと前記裏面パネルとの間に配置される外周パネルと、
を含む本体部を備えるとともに、
前記外周パネルは、互いに対向して配置される一対の短手パネルと、前記一対の短手パネルの延在方向と直交する方向に沿って延在する一対の長手パネルであって、互いに対向して配置される一対の長手パネルと、を含み、
前記一対の短手パネルの一方のパネルには、前記排ガスを前記排ガス導入空間に導くための排ガス導入口、および前記排ガス導入空間から前記本体部の外部に排ガスを排出するための排ガス排出口が形成された
質バイオマス燃料の乾燥装置。
【請求項6】
前記本体部は、
前記排ガス導入空間に配置されるとともに、前記長手パネルの延在方向に沿って延在する仕切り部材であって、前記排ガス導入空間を前記排ガス導入口に連通する入口側排ガス導入空間および前記排ガス排出口に連通する出口側排ガス導入空間に区画する仕切り部材を有する、
請求項に記載の木質バイオマス燃料の乾燥装置。
【請求項7】
前記仕切り部材の一端は、前記一対の短手パネルの前記一方のパネルに接続され、
前記仕切り部材の他端は、前記一対の短手パネルの他方のパネルとの間に所定の空間を有するように配置される、
請求項に記載の木質バイオマス燃料の乾燥装置。
【請求項8】
前記本体部は、前記木質バイオマス燃料を貯留するための木質バイオマス燃料貯留ヤードに配置された、
請求項1乃至の何れか1項に記載の木質バイオマス燃料の乾燥装置。
【請求項9】
木質バイオマス燃料を乾燥させるように構成された木質バイオマス燃料の乾燥装置であって、
排ガスを導入可能な排ガス導入空間を内部に画定する本体部であって、
表面パネルと、
前記表面パネルと前記排ガス導入空間を介して対面する裏面パネルと、
前記排ガス導入空間の周囲を囲むように、前記表面パネルと前記裏面パネルとの間に配置される外周パネルと、
を含む本体部を備えるとともに、
前記本体部は、前記木質バイオマス燃料を貯留するための木質バイオマス燃料貯留ヤードに配置され、
前記本体部は、前記表面パネルが鉛直方向に対して傾斜して配置された
質バイオマス燃料の乾燥装置。
【請求項10】
前記本体部は、前記表面パネルが水平方向に沿って配置された、
請求項に記載の木質バイオマス燃料の乾燥装置。
【請求項11】
請求項1乃至10の何れか1項に記載の少なくとも1つの木質バイオマス燃料の乾燥装置と、
燃焼装置から排出される排ガスを送るための排ガス排出ラインであって、前記少なくとも1つの木質バイオマス燃料の乾燥装置が設けられた排ガス排出ラインと、を備える、
木質バイオマス燃料の乾燥システム。
【請求項12】
前記排ガス排出ラインの前記少なくとも1つの木質バイオマス燃料の乾燥装置よりも下流側に設けられた送風機をさらに備える、
請求項11に記載の木質バイオマス燃料の乾燥システム。
【請求項13】
前記排ガス排出ラインは、前記燃焼装置と煙突とを繋ぐ第1の排ガス排出ラインと、前記第1の排ガス排出ラインから分岐して、前記第1の排ガス排出ラインの分岐部よりも下流側に合流する第2の排ガス排出ラインと、を含み、
前記少なくとも1つの木質バイオマス燃料の乾燥装置は、前記第2の排ガス排出ラインに設けられた、
請求項11又は12に記載の木質バイオマス燃料の乾燥システム。
【請求項14】
前記少なくとも1つの木質バイオマス燃料の乾燥装置は、前記本体部が前記木質バイオマス燃料を貯留するための木質バイオマス燃料貯留ヤードに配置された複数の木質バイオマス燃料の乾燥装置を含む、
請求項11乃至13の何れか1項に記載の木質バイオマス燃料の乾燥システム。
【請求項15】
木質バイオマス燃料を乾燥させるように構成された木質バイオマス燃料の乾燥装置であって、
排ガスを導入可能な排ガス導入空間を内部に画定する本体部であって、
表面パネルと、
前記表面パネルと前記排ガス導入空間を介して対面する裏面パネルと、
前記排ガス導入空間の周囲を囲むように、前記表面パネルと前記裏面パネルとの間に配置される外周パネルと、
を含む本体部を備える木質バイオマス燃料の乾燥装置と、
燃焼装置から排出される排ガスを送るための排ガス排出ラインであって、前記少なくとも1つの木質バイオマス燃料の乾燥装置が設けられた排ガス排出ラインと、
前記排ガス排出ラインの前記少なくとも1つの木質バイオマス燃料の乾燥装置よりも上流側における排ガスの温度を取得するように構成された排ガス温度取得装置と、
前記排ガス温度取得装置により温度が取得される箇所よりも前記排ガス排出ラインの上流側に空気を供給するための空気供給ラインと、
前記空気供給ラインを通じて前記排ガス排出ラインに供給される空気量を調整するように構成された空気量調整装置と、
前記排ガス温度取得装置が取得する排ガスの温度が設定範囲内に収まるように、前記空気量調整装置に空気量を指示する排ガス温度制御装置と、を備える
質バイオマス燃料の乾燥システム。