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  • 特開-折丁ガイド体 図1
  • 特開-折丁ガイド体 図2
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  • 特開-折丁ガイド体 図5
  • 特開-折丁ガイド体 図6
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022167361
(43)【公開日】2022-11-04
(54)【発明の名称】折丁ガイド体
(51)【国際特許分類】
   B65H 31/26 20060101AFI20221027BHJP
   B65H 31/02 20060101ALI20221027BHJP
【FI】
B65H31/26
B65H31/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021073112
(22)【出願日】2021-04-23
(71)【出願人】
【識別番号】305037293
【氏名又は名称】大日本法令印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001726
【氏名又は名称】特許業務法人綿貫国際特許・商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】養田 浩
(72)【発明者】
【氏名】桑原 仁
【テーマコード(参考)】
3F054
【Fターム(参考)】
3F054AA05
3F054BA02
3F054BG07
3F054DA13
(57)【要約】
【課題】搬送方向において隣接するガイド体との干渉を防ぎ、載置台のサイズを最大限活かした状態で折丁を載置台に整然と載置することが可能な丁合機の折丁ガイドを提供すること。
【解決手段】載置台30の搬送通路10に沿った2箇所で丁合機100に取り付けられた保持体110によって保持され折丁Cの両端縁に当接して折丁Cの積み重ね位置を位置決めするために用いられ、折丁Cの積み重ね方向に延びる筒部51と、少なくとも筒部51の下端部51Aから所要高さ範囲において筒部51の周方向の一部が切除された円弧部52とを有し、筒部51および円弧部52の周方向同一箇所が高さ方向に沿って折丁Cとの当接部53をなし、円弧部52の形成終端部52Cから筒部51の所要高さ範囲には、筒部51の中心軸線と同一直線上に位置し保持体110が挿抜可能な保持体挿抜部55を有する栓部材54が埋設されていることを特徴とする折丁ガイド体50である。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方向に延びる搬送通路と、前記搬送通路において折丁を搬送する搬送手段と、前記搬送通路に沿った複数箇所において前記折丁を積み重ね載置する載置台と、前記載置台に載置された前記折丁を一部ずつ抜き取り前記搬送手段に供給する折丁抜き取り手段と、を具備する丁合機に用いられ、
前記載置台の前記搬送通路に沿った2箇所で前記丁合機に取り付けられた保持体によって保持され、前記折丁の前記搬送通路の延長方向における両端縁に当接して前記折丁の積み重ね位置を位置決めするための折丁ガイド体であって、
前記折丁の積み重ね方向に延びる筒部と、少なくとも前記筒部の下端部から所要高さ範囲において前記筒部の周方向の一部が切除された円弧部とを有し、前記筒部および前記円弧部の周方向同一箇所が高さ方向に沿って前記折丁との当接部をなし、
前記円弧部の形成終端部から前記筒部の所要高さ範囲には、前記筒部の中心軸線と同一直線上に位置し前記保持体が挿抜可能な保持体挿抜部を有する栓部材が埋設されていることを特徴とする折丁ガイド体。
【請求項2】
前記下端部には前記折丁の下面を支える支え爪部がボルト留めにより取り付けられていることを特徴とする請求項1記載の折丁ガイド体。
【請求項3】
前記支え爪部のボルト留め部分が長孔に形成されていて、前記支え爪部の先端部位置が調整可能であることを特徴とする請求項2記載の折丁ガイド体。
【請求項4】
前記筒部と前記栓部材には、前記保持体挿抜部に連通する連通孔が形成されており、前記連通孔には締結部材が着脱可能に取り付けられていることを特徴とする請求項1~3のうちのいずれか一項に記載の折丁ガイド体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は折丁ガイド体に関し、より詳細には丁合機に用いられる折丁ガイド体に関する。
【背景技術】
【0002】
製本工程に用いられる丁合機は、一方向に延びる搬送通路内の搬送手段に折丁を供給する載置台が搬送通路に沿って複数箇所に配設されており、載置台に積み重ねられた折丁を折丁抜き取り手段により一部ずつ取り出し、搬送手段に順次供給する構成が知られている。このような丁合機としては、例えば図5および図6や特許文献1(実公平3-13485号公報)に示すような構成が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実公平3-13485号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図5および図6や特許文献1に示すような丁合機においては、折丁を載置する載置台の搬送通路の延長方向(以下、折丁の幅方向という)におけるガイド体の配設が調整可能であるが、搬送通路の延長方向において隣接する載置台のガイド体との干渉があるため、載置台の大きさに対して、積層させることができる折丁の幅方向寸法が制限されてしまうといった課題を有している。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで本発明においては、搬送方向において隣接するガイド体との干渉を防ぎ、載置台のサイズを最大限活かした状態で折丁を載置台に整然と載置することが可能な丁合機の折丁ガイドの提供を目的としている。
【0006】
すなわち本発明は、一方向に延びる搬送通路と、前記搬送通路において折丁を搬送する搬送手段と、前記搬送通路に沿った複数箇所において前記折丁を積み重ね載置する載置台と、前記載置台に載置された前記折丁を一部ずつ抜き取り前記搬送手段に供給する折丁抜き取り手段と、を具備する丁合機に用いられ、前記載置台の前記搬送通路に沿った2箇所で前記丁合機に取り付けられた保持体によって保持され、前記折丁の前記搬送通路の延長方向における両端縁に当接して前記折丁の積み重ね位置を位置決めするための折丁ガイド体であって、前記折丁の積み重ね方向に延びる筒部と、少なくとも前記筒部の下端部から所要高さ範囲において前記筒部の周方向の一部が切除された円弧部とを有し、前記筒部および前記円弧部の周方向同一箇所が高さ方向に沿って前記折丁との当接部をなし、前記円弧部の形成終端部から前記筒部の所要高さ範囲には、前記筒部の中心軸線と同一直線上に位置し前記保持体が挿抜可能な保持体挿抜部を有する栓部材が埋設されていることを特徴とする折丁ガイド体である。
【0007】
これにより、搬送方向において隣接するガイド体との干渉を防ぎ、載置台のサイズを最大限活かした状態で折丁を載置台に整然と載置することができる。
【0008】
また、前記下端部には前記折丁の下面を支える支え爪部がボルト留めにより取り付けられていることが好ましく、前記支え爪部のボルト留め部分が長孔に形成されていて、前記支え爪部の先端部位置が調整可能であることがより好ましい。
【0009】
これらにより、折丁抜き取り手段に対する折丁の下面高さ位置を一定にすることができ、折丁抜き取り手段による折丁の抜き取りがし易くなる。
【0010】
また、前記筒部と前記栓部材には、前記保持体挿抜部に連通する連通孔が形成されており、前記連通孔には締結部材が着脱可能に取り付けられていることが好ましい。
【0011】
これにより、折丁ガイドを保持体に確実に固定することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明における折丁ガイドの構成によれば、搬送方向において隣接するガイド体との干渉を防ぎ、載置台のサイズを最大限活かした状態で折丁を載置台に整然と載置することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本実施形態における丁合機の概略構成を示す側面図である。
図2】本実施形態における丁合機の折丁ガイド体を図6に示す載置台に装着した状態を示す正面図である。
図3図2に示した折丁ガイド体の外側面図および内側面図である。
図4】折丁ガイド体の支え爪部周辺の拡大図である。
図5】従来の丁合機の概略構造を示す斜視図である。
図6図5に示す丁合機における載置台の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本実施形態における丁合機100は、図1図5および図6に示すように、基本的構成は従来技術と同様のものを採用することができる。すなわち、一方向に延びる搬送通路10、搬送手段20、折丁Cを積み重ねて載置する載置台30および載置台30から折丁Cを一部ずつ抜き取る折丁抜き取り手段40を具備する。図1は搬送通路10および搬送手段20の延長方向に向かって丁合機100を臨んだ概略構成図である。搬送手段20は、紙面手前側から紙面奥行側方向および紙面奥行側から紙面手前側方向に循環するように搬送通路10に沿って丁合機100に掛け渡されている。折丁抜き取り手段40は、ロータリーシリンダ42と、ロータリーシリンダ42に配設されてロータリーシリンダ42の周方向に揺動可能なL字型のくわえ爪44と、を有するいわゆるロータリー型のものが用いられている。このような折丁抜き取り手段40は公知の構成であるため、ここでの詳細な説明は省略する。
【0015】
図1に示すように搬送通路10は一方向に延びていると共に搬送手段20を収容している。図1からも明らかなように本実施形態における搬送通路10は一直線状配置になっているが、いわゆる一筆書きの配列であれば一直線状配置に限定されるものではない。搬送手段20は搬送通路10に沿って搬送通路10に収容された状態で配設されており、図示しないモータにより搬送通路10の延長方向に沿って循環している。折丁Cを積み重ね載置する載置台30は搬送通路10に沿って複数箇所に配設されている。それぞれの載置台30に対応して配設され、図1内の矢印A方向に回転する折丁抜き取り手段40により載置台30に載置されている折丁Cが一部ずつ抜き取られると共に搬送手段20に供給される処理が搬送通路10に沿った複数箇所で行われ丁合が行われる。丁合がなされた複数の折丁Cは丁合機100の下流側に接続された製本工程に用いられる無線綴機(図示はせず)に送り出されて製本される。
【0016】
それぞれの載置台30には折丁Cがページ方向に積み重ねられた状態で載置されている。載置台30に載置された折丁Cは、搬送通路10に沿った2箇所に配設された折丁ガイド体50によって折丁Cの幅方向両端縁が位置決めされている。また、本実施形態においては、折丁Cの幅方向両端縁に直交する端縁のうち搬送通路10の側の端縁に当接する前方折丁ガイド60と、前方折丁ガイド60が当接する端縁と対向する端縁に当接する後方折丁ガイド体70と、が配設されている。前方折丁ガイド体60は、搬送通路10の延長方向にスライド移動可能である。また、後方折丁ガイド体70は、載置台30から搬送通路10に延びるレールRLに沿ってスライド移動可能なホルダHDに保持されており、固定用ハンドルKH(図5および図6参照)により後方折丁ガイド体70を所望の位置で位置決め固定することができる。すなわち本実施形態における折丁Cは、4つの外周端縁のそれぞれにおいて載置台30における積み重ね位置が位置決めされている。これにより折丁抜き取り手段40による載置台30からの折丁Cの抜き取り処理精度が高められている。
【0017】
本実施形態における折丁ガイド体50は、図2および図3に示すように、載置台30の搬送通路10に沿った2箇所(折丁Cの幅方向両端縁の位置)で丁合機100に取り付けられた保持体110によって保持されている。より詳細には、折丁Cの積み重ね方向に延びる筒部51と、筒部51の下端部51Aから所要高さ範囲において筒部51の周方向の一部が切除された円弧部52とを備え、筒部51と円弧部52の周方向同一箇所が高さ方向に沿って折丁Cとの当接部53をなしている。また、円弧部52の下端部51Aにおける所要高さ範囲には、円弧部52の両端部どうしを結ぶ弦の位置に平板52Aが取り付けられており、円弧部52および平板52Aには同じ高さ位置に後述する支え爪部58のボルト留め部分としての貫通孔52Bが形成されている。
【0018】
また、円弧部52の形成終端部52Cから筒部51の所要高さ範囲には栓部材54が埋設されている。栓部材54には筒部51の中心軸線と同一直線上の位置に保持体110のピン111が挿抜可能な保持体挿抜部55が形成されている。ここで、ピン111はピン保持部112において高さ方向にスライド可能になっている。本実施形態における保持体挿抜部55は貫通孔によって形成されているが、凹穴によって形成することもできる。そして本実施形態における折丁ガイド体50の栓部材54の埋設範囲には、筒部51の外周面から保持体挿抜部55に連通する連通孔56が形成されており、連通孔56の内周面にはねじ山(図示はせず)が刻設されている。連通孔56に螺合し連通孔56に着脱可能な締結部材57を連通孔56に螺入させることにより、保持体挿抜部55に挿入させた保持体110のピン111に対して折丁ガイド体50を固定することができる。
【0019】
さらに、図3および図4に示すように本実施形態における折丁ガイド体50の下端部51Aには、載置台30に載置された最下面の折丁Cの下面を所定の高さ位置となるように支える支え爪部58が取り付けられている。支え爪部58は、アーム58Aとアーム58Aの先端部に形成された湾曲爪58Bを有している。アーム58Aの基部(折丁ガイド体50への取付部)にはアーム58Aの長手方向に沿った長孔58Cが形成されている。湾曲爪58Bはアーム58Aの先端部からアーム58Aの内側下方に向けて湾曲する円弧状をなしており、載置台30に載置された折丁Cのうちの最下位置における折丁Cの下面を保持し、折丁抜き取り手段40による載置台30からの折丁Cの抜き取り処理をし易くしている。
【0020】
支え爪部58は、長孔58Cにおける折丁ガイド体50へのボルト留めの位置を調整することで、筒部51の下端部51Aに対する湾曲爪58Bの先端部位置を折丁抜き取り手段40による折丁Cの抜き取り処理がし易くなる位置に適宜調整することができる。また、図2および図3に示すように、支え爪部58を折丁ガイド体50に取り付けする際に低頭ボルトBを用いることが好ましい。これにより、既存折丁ガイド体50´のように支え爪部58の位置決め手段としてレバーLV(図2図5および図6参照)を用いた形態に対して、隣接する載置台30における折丁ガイド体50における支え爪部58の位置決め手段どうしの干渉を防ぐことができる。すなわち載置台30の搬送通路10の延長方向(載置台30の幅方向)において載置台30の幅寸法を最大限に活かした状態で折丁ガイド体50を配設することができる。
【0021】
このように本実施形態における折丁ガイド体50を既存の丁合機100に取り付けられている既存折丁ガイド体50´(図5および図6参照)と交換することで、同じ丁合機100であっても丁合処理が可能な折丁Cの幅寸法を拡大させることができる。よって丁合機100の有効利用が可能になり製本コスト低減に大きく寄与する。
【0022】
以上の本発明にかかる丁合機100の折丁ガイド体50について説明をしたが本発明の技術的範囲は以上の実施形態に限定されるものではない。また、以上に説明した本実施形態の構成に対し、明細書中に記載されている変形例や、他の公知の構成を適宜組み合わせた形態を採用することもできる。
【符号の説明】
【0023】
10 搬送通路
20 搬送手段
30 載置台
40 折丁抜き取り手段
42 ロータリーシリンダ
44 くわえ爪
50 折丁ガイド体
51 筒部
51A 下端部
52 円弧部
52A 平板
52B 貫通孔
52C 形成終端部
53 当接部
54 栓部材
55 保持体挿抜部
56 連通孔
57 締結部材
58 支え爪部
58A アーム
58B 湾曲爪
58C 長孔
60 前方折丁ガイド体
70 後方折丁ガイド体
100 丁合機
110 保持体
111 ピン
112 ピン保持部
50´ 既存折丁ガイド体
RL レール
HD ホルダ
KH 固定用ハンドル
LV レバー
B 低頭ボルト
図1
図2
図3
図4
図5
図6