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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022167408
(43)【公開日】2022-11-04
(54)【発明の名称】衛生用品用ケース
(51)【国際特許分類】
   B65D 83/08 20060101AFI20221027BHJP
   A47K 10/20 20060101ALI20221027BHJP
   B65D 21/08 20060101ALI20221027BHJP
【FI】
B65D83/08 C
A47K10/20 A
B65D21/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021073181
(22)【出願日】2021-04-23
(71)【出願人】
【識別番号】500560129
【氏名又は名称】株式会社ニトリホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】矢内 靖昭
(72)【発明者】
【氏名】藤本 仁
(72)【発明者】
【氏名】古川 光明
【テーマコード(参考)】
3E014
【Fターム(参考)】
3E014LC04
(57)【要約】
【課題】 種々の厚さの衛生用品収容箱/収容袋を収容可能で、衛生用品を取り出すにつれて徐々に厚さが薄くなる収容袋に収容された衛生用品を取り出し易くすることが可能な衛生用品用ケースを提供する。
【解決手段】 衛生用品用ケースは、衛生用品を取り出す開口を有する天板と、天板に設けられ、対向する1対の側板と、天板に対向する位置に、天板に略平行に1対の側板に支持され、衛生用品を配置する着脱式の底板と、1対の側板にそれぞれ複数設けられ、天板と底板との間隔を選定可能で、底板をスライド可能に嵌合させる嵌合部とを有する。
【選択図】 図7

【特許請求の範囲】
【請求項1】
衛生用品を取り出す開口を有する天板と、
前記天板に設けられ、対向する1対の側板と、
前記天板に対向する位置に、前記天板に略平行に前記1対の側板に支持され、前記天板との間に前記衛生用品を配置する着脱式の底板と、
前記1対の側板にそれぞれ設けられ、前記天板と前記底板との間隔を選定可能で、前記底板をスライド可能に嵌合させる嵌合部と
を有する、衛生用品用ケース。
【請求項2】
前記嵌合部は、前記1対の側板にそれぞれ形成され、前記底板を選択的に嵌合する2つの凹溝として形成される、請求項1に記載の衛生用品用ケース。
【請求項3】
前記底板の端部に固定され、前記天板に対して選択的に対向する一端部及び他端部を有する前板を有し、
前記前板の前記一端部を前記天板に対して近接させ、前記他端部を前記天板に対して離間させて前記底板を前記2つの凹溝の一方に嵌合させたとき、前記凹溝の一方は、前記前板の前記他端部が前記1対の側板の底縁と協働して、前記衛生用品用ケースの底縁を形成する位置に形成され、
前記前板の前記他端部を前記天板に対して近接させ、前記一端部を前記天板に対して離間させて前記底板を前記2つの凹溝の他方に嵌合させたとき、前記凹溝の他方は、前記前板の前記一端部が前記1対の側板の底縁と協働して、前記衛生用品用ケースの底縁を形成する位置に形成される、請求項2に記載の衛生用品用ケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、衛生用品用ケースに関する。
【背景技術】
【0002】
例えばティシュペーパ、ペーパタオル、不織布マスク、使い捨て手袋などの衛生用品は、多数が紙製の収容箱やビニル(薄膜状の軟質プラスチック)製の収容袋(いわゆるソフトパック)に収容される。衛生用品が例えばティシュペーパである場合、例えばインテリアに統一感を持たせるように、収容箱/収容袋を覆うティシュケースが販売されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
衛生用品は、衛生用品自体の収容量や、1枚又は1組の厚さにより、収容箱/収容袋の厚さが異なることがある。衛生用品が収容袋に詰められている場合、衛生用品を取り出すにつれ、徐々に収容袋の厚さが薄くなり、収容袋を覆う衛生用品用ケースの開口と最上位の衛生用品との間の距離が遠くなる。
【0004】
この発明は、種々の厚さの衛生用品収容箱/収容袋を収容可能で、衛生用品を取り出すにつれて徐々に厚さが薄くなる収容袋に収容された衛生用品を取り出し易くすることが可能な衛生用品用ケースを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明による衛生用品用ケースは、衛生用品を取り出す開口を有する天板と、天板に設けられ、対向する1対の側板と、天板に対向する位置に、天板に略平行に1対の側板に支持され、衛生用品を配置する着脱式の底板と、1対の側板にそれぞれ設けられ、前記天板と前記底板との間隔を選定可能で、前記底板をスライド可能に嵌合させる嵌合部とを有する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】一実施形態に係る衛生用品用ケースの使用例を示す概略的な斜視図。
図2】一実施形態に係る衛生用品用ケースの他の使用例を示す概略的な斜視図。
図3図1に示す衛生用品用ケースの概略的な上面図。
図4図3中の矢印IVに示す方向から見た衛生用品用ケースの概略的な側面図。
図5図3中の矢印Vに示す方向から見た衛生用品用ケースの概略的な側面図。
図6図3中の衛生用品用ケースのVI-VI線に沿う位置の概略的な断面図。
図7図1に示す衛生用品用ケースの本体から引き出しを引き出した状態を示す概略的な斜視図。
図8図2に示す衛生用品用ケースの本体から引き出しを引き出した状態を示す概略的な斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
実施形態は、本体12に対する引き出し14の底板52の嵌合位置(支持位置)を複数位置から選定することで、衛生用品と天板22との間隔を小さくし、衛生用品を取り出し易くする衛生用品用ケースに関する。図1及び図2に示すように、衛生用品用ケースは、前板54を有する引き出し14の底板52を本体12に対して反転させることで、本体12に対して引き出し14を嵌合させ、天板22と底板52との間隔を変更可能である。
【0008】
図1から図8を用いて、衛生用品用ケースの好ましい実施形態について説明する。ここでは、衛生用品用ケースとして、ティシュケース10の例を用いて説明する。
【0009】
ティシュケース10は、本体12と引き出し14とを有する。ティシュケース10の本体12及び引き出し14は、例えば、樹脂材、天然木をスライスした単板を合板や中密度繊維板(MDF)に貼った突板、金属材等、使用場所に応じて適宜の素材で形成される。本体12及び引き出し14は、同じ素材で形成されていてもよく、異なる素材で形成されていてもよい。
【0010】
本体12は、天板22と、対向する1対の側板24a,24bと、背板26と、幕板28とを有する。天板22、1対の側板24a,24b、背板26、及び、幕板28は、それぞれ略矩形状の平板として形成される。本体12は、一体成型されていてもよく、各部材が接着等により固定されていてもよい。
【0011】
天板22は、例えば中央にティシュペーパの取り出し口となる開口22aを有する。開口22aの形状は適宜に設定可能である。開口22aの形状は、例えば長円形、長楕円形、又は矩形である。
【0012】
1対の側板24a,24bは、同じ大きさに形成される。1対の側板24a,24bは天板22の長手方向の1対の縁部に設けられる。1対の側板24a,24bの天板22と反対側の端縁は、本体12の底縁の一部を形成する。一方の側板24aから他方の側板24bに向かう方向をティシュケース10の幅方向とし、1対の側板24a,24bの端縁(本体12の底縁)から天板22に向かう方向をティシュケース10の高さ方向とする。
【0013】
背板26は、天板22の短手方向の1対の縁部の一方、及び、1対の側板24a,24bの後述する奥行き方向の奥側の端縁(一方の端縁)に設けられる。背板26の天板22と反対側の端縁は、1対の側板24a,24bと協働して、本体12の底縁を形成する。このため、本体12は、略コ字状の底縁12aを有する。
【0014】
幕板28は、天板22の短手方向の1対の縁部の他方、及び、1対の側板24a,24bの後述する奥行き方向の手前側の端縁(他方の端縁)に設けられる。幕板28の高さは、背板26に対して低い。このため、幕板28の天板22とは反対側の端部(端縁)28a、及び、1対の側板24a,24bの他方の端縁25a,25bは、引き出し14を出し入れする、略コ字状の開口14aを形成する。幕板28から背板26に向かう方向をティシュケース10の奥行き方向とする。
幕板28の端部28aの例えば幅方向の中央には、硬磁性体29が設けられる。硬磁性体29の一例は永久磁石である。
【0015】
天板22は、例えば130mm×260mmの大きさである。1対の側板24a,24bは、例えば80mm×260mmの大きさである。背板26は、例えば80mm×130mmの大きさである。幕板28は、例えば50mm×130mmの大きさである。天板22、1対の側板24a,24b、背板26、及び、幕板28の厚さは素材や素材の剛性によるが、例えば5mm程度である。1対の側板24a,24bの端縁25a,25bの幅方向厚さは、それぞれ2mm程度である。
【0016】
引き出し14は、本体12に対して着脱式の底板52と、引き出し14の取っ手として形成される前板54とを有する。底板52及び前板54は、同じ素材で形成されていてもよく、異なる素材で形成されていてもよい。底板52及び前板54は、略矩形の平板として形成される。引き出し14は、一体成型されていてもよく、各部材が接着等により固定されていてもよい。
【0017】
底板52は、第1の面52aと第2の面52bとを有する。底板52は、例えば250mm×126mmの大きさである。底板52の厚さは素材や素材の剛性によるが、例えば4mm程度であることが好ましい。底板52の奥行き方向の奥側端辺は、必ずしも背板26に当接する必要はない。
【0018】
前板54は、幕板28及び1対の側板24a,24bにより形成される開口14aに嵌合し、開口14aを閉塞する大きさに形成される。前板54の幅は、底板52の幅と同じか、それよりも大きいことが好ましい。前板54は、本体12に対して引き出し14を閉じたとき、図1から図4に示すように、幕板28の表面に対して略面一となることが好適な表面を有する。前板54は、例えば30mm×126mmの大きさである。前板54の厚さは素材によるが、例えば5mm程度である。
前板54の、背板26に対向する面(背面)には、底板52の端部が固定される。前板54は、天板22に対して選択的に対向(近接)する一端部62及び他端部64を有する。前板54の高さ方向の一端部62及び他端部64は、底板52の第1の面52a及び第2の面52bに略平行に形成される。図7及び図8に示す前板54の一端部62から底板52の第1の面52aまでの距離Laは、前板54の他端部64から底板52の第2の面52bまでの距離Lbよりも大きい。なお、距離Laは例えば21mmであり、距離Lbは例えば4mmである。前板54の一端部62及び他端部64は、本体12の底縁12aと協働して、選択的にティシュケース10の略面一の底縁を形成する。すなわち、前板54の一端部62を天板22に対して近接させ、他端部64を天板22に対して離間させて底板52を嵌合部84に嵌合させたとき、嵌合部(凹溝)84は、前板54の他端部64が1対の側板24a,24bの底縁12aと協働してティシュケース10の底縁を形成する位置に形成される。前板54の他端部64を天板22に対して近接させ、一端部62を天板22に対して離間させて底板52を嵌合部82に嵌合させたとき、嵌合部(凹溝)82は、前板54の一端部62が1対の側板24a,24bの底縁12aと協働してティシュケース10の底縁を形成する位置に形成される。前板54の他端部64は、底板52の第2の面52bと略面一でないことが好ましい。
前板54の一端部62及び他端部64の例えば幅方向の中央には、硬磁性体29との間に引力が作用する、それぞれ例えば鉄などの磁着部材62a,64aが設けられる。磁着部材62a,64aの一例は鉄釘の頭部である。磁着部材62a,64aは、幕板28の端部28aに設けられる硬磁性体29の引力により引かれる。磁着部材62a,64aは、硬磁性体29に対して引力を働かせる向きに配置される永久磁石であってもよい。
【0019】
1対の側板24a,24bには、それぞれ対向し、引き出し14の底板52を選択的に嵌合させる複数(ここでは2つ)の嵌合部82,84が設けられる。複数の嵌合部82,84は、側板24a,24bの高さ方向に並ぶ。ユーザは、嵌合部82,84に対して底板52を本体12の奥行き方向にスライド移動させることによって、ティッシュ箱(収容箱)/ティッシュ収容袋の収納位置と取り出し位置との間を移動可能である。
本実施形態では、嵌合部82,84の一例は、1対の側板24a,24bにそれぞれ形成され、底板52の端辺を嵌合により支持する2つの凹溝である。嵌合部82,84は、1対の側板24a,24bの他方の端縁25a,25bから幕板28に対して幕板28又は前板54の厚さ分、背板26側に引き込んだ位置から、背板26に向かって奥行き方向に沿って連続的に延設される。嵌合部82,84の長さは、底板52の長手方向の長さと同じかそれよりも長い。幕板28の端部28aと嵌合部82の天板22側の位置との間の距離、及び、1対の側板24a,24bの底縁と嵌合部84の1対の側板24a,24bの底縁側の位置との間の距離は、それぞれLbに略一致する。すなわち、幕板28の端部28aと天板22に近接する側の位置の嵌合部82との間の距離、及び、1対の側板24a,24bの底縁と幕板28に離間する嵌合部84との間の距離は、それぞれLbに略一致する。嵌合部82,84の凹溝の溝幅は例えば5mmである。
【0020】
素材が例えば突板である場合、1対の側板24a,24bの開口14aを形成する端部(端縁)は、側板24a,24bの外周面側から内周面側に向かうにつれて背板26側にずれる傾斜面として形成されていることが好ましい。素材が例えば突板である場合、前板54の幅方向の端部は、前板54の表面側から背面側に向かうにつれて、前板54の中央側にずれる傾斜面として形成される。そして、側板24a,24bの端部及び前板54の端部は嵌合可能であることが好ましい。この場合、前板54の表面側の幅方向寸法は例えば126mmであり、背面側の幅方向寸法は120mmである。
【0021】
本実施形態に係るティシュケース10の作用について説明する。
【0022】
ティシュケース10に入れる紙製のティシュ箱(収容箱)は、ティシュペーパの収容量(積層量)や、1枚又は1組の厚さ等により、箱の厚さが異なることがある。例えば、通常タイプのティシュ箱B1は、高さ方向65mm、奥行き方向235mm、幅方向118mm程度である。薄型タイプのティシュ箱B2は、高さ方向46mm、奥行き方向225mm、幅方向115mm程度である。ユーザは、ティシュ箱B1,B2の厚さに応じて引き出し14の底板52を嵌合させる位置を複数の嵌合部82,84から選択可能である。底板52がいずれかの嵌合部82,84に嵌合されるとき、底板52は、天板22に略平行で、天板22との間にティシュ箱B1,B2を配置する。
【0023】
ティシュケース10にティシュ箱B1を収納する場合、天板22にティシュ箱B1の天面を支持させた状態で、図1及び図7に示すように、第2の嵌合部84に底板52を嵌合させて、本体12に対して引き出し14を押し込む。ティシュ箱B1は、ティシュケース10の底板52の第1の面52aに支持される。図1に示すように、本体12に対して引き出し14を閉じた状態において、図7に示す硬磁性体29と磁着部材62aとの間に引力が働く。このため、本体12に対して引き出し14が仮止めされ、本体12に対して引き出し14が意図せず動くことが防止される。ティシュ箱B1を入れ替える場合、ユーザは、前板54の底縁である他端部64と底板52の第2の面52bとに指をかけて、硬磁性体29と磁着部材62aとの間の引力に抗して、本体12に対して引き出し14を開く。前板54の他端部64と底板52の第2の面52bとの間の段差のため、ユーザは本体12に対して引き出し14を容易に引き出すことができる。
【0024】
ティシュケース10にティシュ箱B2を収納する場合、天板22にティシュ箱B2の天面を支持させた状態で、図2及び図8に示すように、第1の嵌合部82に底板52を嵌合させて、本体12に対して引き出し14を押し込む。ティシュ箱B2は、ティシュケース10の底板52の第2の面52bに支持される。図2に示すように、本体12に対して引き出し14を閉じた状態において、図8に示す硬磁性体29と磁着部材64aとの間に引力が働く。このため、本体12に対して引き出し14が仮止めされ、本体12に対して引き出し14が意図せず動くことが防止される。底板52の第2の面52bに支持させ、第1の嵌合部82に底板52を嵌合させたときには、ティシュ箱B2を底板52の第1の面52aに支持させ、第2の嵌合部84に底板52を嵌合させるときよりも、ティシュ箱B2の天面がティシュケース10の天板22に近づく。このため、最上位のティシュペーパと開口22aとの距離を小さくすることができ、ティシュペーパを取り出し易くし、ティシュペーパがティシュケース10内に滞留することを防止する。ティシュ箱B2を入れ替える場合、ユーザは、前板54の底縁である一端部62と底板52の第1の面52aとの位置に指をかけて、硬磁性体29と磁着部材64aとの間の引力に抗して、本体12に対して引き出し14を開く。前板54の一端部62と底板52の第1の面52aとの間の段差のため、ユーザは本体12に対して引き出し14を容易に引き出すことができる。
【0025】
このように、本実施形態に係るティシュケース10は、少なくとも厚さが異なる2種類のティシュ箱B1,B2を収容可能である。また、本体12に対して引き出し14の底板52を2つの向きのいずれに使用しても、前板54の底縁と底板52との間の段差により、本体12に対して引き出し14を容易に挿脱することができる。
【0026】
ティシュペーパが例えばビニル(薄膜状の軟質プラスチック)製の収容袋に詰められている場合、収容袋の厚さによるが、天板22に収容袋の天面を支持させた状態で、図1及び図7に示すように、第2の嵌合部84に底板52を嵌合させて、本体12に対して引き出し14を押し込む。このため、収容袋は、ティシュケース10の底板52の第1の面52aに支持される。収容袋に収容されたティシュペーパを1部ずつ取り出すにつれ、徐々に収容袋の厚さが薄くなる。このため、収容袋の場合、ティシュペーパが残り少なくなると、ティシュケース10の開口22aと最上位のティシュペーパとの間の距離が遠くなり、ティシュペーパが取り出し難くなる可能性がある。
図2及び図8に示すように、第1の嵌合部82に底板52を嵌合させ、収容袋を、ティシュケース10の底板52の第2の面52bに支持させる。ティシュケース10の開口22aと最上位のティシュペーパとの間の距離が近づく。このため、最上位のティシュペーパと開口22aとの距離を小さくすることができ、ティシュペーパを取り出し易くし、ティシュペーパがティシュケース10内に滞留することを防止する。
収容袋に収容されたティシュペーパを取り出すにつれ、収容袋の厚さがさらに薄くなる。ティシュケース10の開口22aと最上位のティシュペーパとの間の距離が遠くなり、ティシュペーパが取り出し難くなる可能性がある。このとき、例えば底板52の第1の面52aに新たな収容袋を支持させるように、使いかけの収容袋を新たな収容袋に重ねて配置する。そして、図1及び図7に示すように、第2の嵌合部84に底板52を嵌合させる。使いかけの収容袋に詰めたティシュペーパをティシュケース10の天板22に近づける。このため、ティシュペーパを取り出し易くし、ティシュペーパがティシュケース10内に滞留することを防止するとともに、ティシュペーパを詰めた新たな収容袋をティシュケース10内にストックすることができる。
【0027】
ティシュ箱B1,B2の大きさによっては、収容袋の例と同様に、複数を重ねて新たなティシュ箱をティシュケース10内にストックしてもよい。収容袋とティシュ箱とを重ねてティシュケース10内にストックしてもよい。
ティシュペーパは、ティシュ箱B1,B2又は収容袋から取り出して、ティシュケース10に直接収納してもよい。
【0028】
本実施形態に係るティシュケース10では、天板22の例えば短手方向の1対の縁部に1対の側板24a,24bが設けられ、天板22の例えば長手方向の1対の縁部の一方に背板26が設けられ、他方に幕板28が設けられることも好ましい。この場合、本体12に対するティシュ箱B1,B2の出し入れのとき、図1から図8に示す例に比べて、底板52を動かす距離を短くすることができる。
【0029】
本実施形態では、嵌合部82,84は、側板24a,24bの高さ方向に並ぶ2つの凹溝として説明した。嵌合部82,84は、凹溝のほか、側板24a,24bの奥行き方向に延設され、高さ方向に並ぶ3つの凸部により、底板52を嵌合させる2つの凹部(溝)を形成してもよい。これら凸部は奥行き方向に不連続に形成されていてもよい。
本実施形態では、引き出し14として前板54を有する例について説明した。前板54は必ずしも必要というわけではない。この場合、嵌合部82,84は高さ方向に2つに限らず、3つ以上が並んでいてもよい。
【0030】
以上説明したように、本実施形態によれば、種々の厚さのティシュペーパ収容箱/収容袋を収容可能で、ティシュペーパを取り出すにつれて徐々に厚さが薄くなる収容袋に収容されたティシュペーパを取り出し易くすることが可能なティシュケース10を提供することができる。
【0031】
紙製の収容箱やビニル製の収容袋等には、ティシュペーパのほか、ペーパタオル、不織布製の使い捨てマスク、使い捨て手袋などの衛生用品が入れられる。ユーザは、収容箱の天面の開口、ビニル製の収容袋の例えばミシン目による開口から、ティシュペーパと同様に、ペーパタオル、使い捨てマスク、使い捨て手袋などの衛生用品を取り出して使用する。本体12が複数の嵌合部82,84を有し、底板52を嵌合部82,84に選択的に配置する構成の衛生用品用ケース10は、本体12及び引き出し14が衛生用品、又は、衛生用品用の収容箱/収容袋に合わせて形成される。収容箱/収容袋には、衛生用品が積層されて収容されていてもよく、バラバラに入れられていてもよい。
【0032】
したがって、本実施形態によれば、種々の厚さの衛生用品用収容箱/収容袋を収容可能で、衛生用品を取り出すにつれて徐々に厚さが薄くなる収容袋に収容された衛生用品を取り出し易くすることが可能な衛生用品用ケース10を提供することができる。
【0033】
[付記]
(1)衛生用品ケースは、天板及び1対の側板に設けられる幕板を有する。幕板の天板とは反対側の端部と、2つの凹溝の幕板に近接する一方との距離は、1対の側板の天板とは反対側の底縁と、2つの溝の幕板に離間する他方との距離と略同じである。
(2)幕板の端部には、硬磁性体が設けられる。前板の一端部及び他端部には、それぞれ、硬磁性体との間に引力が働く磁着部材又は硬磁性体との間に引力が働く硬磁性体が設けられる。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。
【符号の説明】
【0034】
10…ティシュケース、12…本体、14…引き出し、22…天板、24a,24b…側板、26…背板、28…幕板、52…底板、54…前板、82,84…嵌合部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8