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特開2022-16741超音波接合装置、超音波接合装置のチップ部材及びチップ部材の取付方法
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  • 特開-超音波接合装置、超音波接合装置のチップ部材及びチップ部材の取付方法 図1
  • 特開-超音波接合装置、超音波接合装置のチップ部材及びチップ部材の取付方法 図2
  • 特開-超音波接合装置、超音波接合装置のチップ部材及びチップ部材の取付方法 図3
  • 特開-超音波接合装置、超音波接合装置のチップ部材及びチップ部材の取付方法 図4
  • 特開-超音波接合装置、超音波接合装置のチップ部材及びチップ部材の取付方法 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022016741
(43)【公開日】2022-01-25
(54)【発明の名称】超音波接合装置、超音波接合装置のチップ部材及びチップ部材の取付方法
(51)【国際特許分類】
   B23K 20/10 20060101AFI20220118BHJP
【FI】
B23K20/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020119631
(22)【出願日】2020-07-13
(71)【出願人】
【識別番号】000227836
【氏名又は名称】日本アビオニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100069431
【弁理士】
【氏名又は名称】和田 成則
(74)【代理人】
【識別番号】100102761
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 元也
(72)【発明者】
【氏名】一松 暁登
【テーマコード(参考)】
4E167
【Fターム(参考)】
4E167AA01
4E167AA22
4E167BE04
(57)【要約】
【課題】チップ部材を超音波ホーンに対して着脱自在に装着するように構成するとともに、安定した超音波接合ができるようにした超音波接合装置、チップ部材及びチップ部材の取付方法を提供する。
【解決手段】超音波ホーン40からチップ部材410を介してワーク30の接合対象部位33に超音波振動を印加する超音波接合装置100であって、チップ部材410は、超音波ホーン40に取り付けられる根本部に超音波ホーン側に向かって順次径が小さくなる円錐台状のテーパ部412を有するとともに、テーパ部412に延設し内壁に螺子溝414が形成されたガイド部413を有し、テーパ部412及びガイド部413を超音波ホーン40の一面に形成されたチップ部材取付孔430に挿入し、超音波ホーン40の他面から螺子溝414に嵌合する螺子部材420を締め付けることによりチップ部材410を超音波ホーン40に固定する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波ホーンに取り付けられたチップ部材を介してアンビル上に載置されたワークの接合対象部位に荷重を与えるとともに前記チップ部材を介して超音波ホーンから前記接合対象部位に超音波振動を印加し、前記接合対象部位を接合する超音波接合装置であって、
前記チップ部材は、前記超音波ホーンに取り付けられる根本部に前記超音波ホーン側に向かって順次径が小さくなる円錐台状のテーパ部を有するとともに、前記テーパ部に延設し内壁に螺子溝が形成されたガイド部を有し、
前記テーパ部及びガイド部を前記超音波ホーンの一面に形成されたチップ部材取付孔に挿入し、前記超音波ホーンの他面から前記螺子溝に嵌合する螺子部材を締め付けることにより前記チップ部材を前記超音波ホーンに固定する
ことを特徴とする超音波接合装置。
【請求項2】
前記螺子溝は、
前記ガイド部から前記テーパ部の内部まで伸びて形成されていることを特徴とする請求項1に記載の超音波接合装置。
【請求項3】
前記チップ部材取付孔は、
前記超音波ホーンの一面に形成された前記テーパ部が嵌合する第1の孔部と、
前記第1の孔部に続く前記ガイド部が嵌合する第2の孔部と、
前記超音波ホーンの他面に形成された前記螺子部材が挿入され、その側面に前記螺子部材の頭部の周縁部の下端が係合する係合部が形成された第3の孔部と、
を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の超音波接合装置。
【請求項4】
前記チップ部材は、
先端の断面積が根本部の断面積より小さくなるように形成されたテーパ状の先端部を
有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の超音波接合装置。
【請求項5】
超音波ホーンに取り付けられ、アンビル上に載置された接合対象部位を含むワークに当接し、該接合対象部位に荷重を与えるとともに超音波ホーンから超音波振動を印加し、前記接合対象部位を接合する超音波接合装置のチップ部材であって、
前記超音波ホーンに取り付けられる根本部に前記超音波ホーン側に向かって順次径が小さくなる円錐台状のテーパ部を有するとともに、前記テーパ部に延設し内壁に螺子溝が形成されたガイド部を有し、
前記超音波ホーンの一面に形成されたチップ部材取付孔に前記テーパ部及びガイド部を挿入し、前記超音波ホーンの他面から前記螺子溝に嵌合する螺子部材を締め付けることにより前記超音波ホーンに固定される
ことを特徴とする超音波接合装置のチップ部材。
【請求項6】
先端の断面積が前記根本部の断面積より小さくなるように形成されたテーパ状の先端部を
有することを特徴とする請求項5に記載の超音波接合装置のチップ部材。
【請求項7】
超音波ホーンに取り付けられ、アンビル上に載置された接合対象部位を含むワークに当接し、該接合対象部位に荷重を与えるとともに超音波ホーンから超音波振動を印加し、前記接合対象部位を接合する超音波接合装置のチップ部材の取付方法であって、
前記チップ部材は、前記超音波ホーンに取り付けられる根本部に前記超音波ホーン側に向かって順次径が小さくなる円錐台状のテーパ部を有するとともに、前記テーパ部に延設し内壁に螺子溝が形成されたガイド部を有し、
前記テーパ部及びガイド部を前記超音波ホーンの一面に形成されたチップ部材取付孔に挿入し、
前記超音波ホーンの他面から前記螺子溝に嵌合する螺子部材を締め付けることにより前記チップ部材を前記超音波ホーンに固定する
ことを特徴とする超音波接合装置のチップ部材の取付方法。
【請求項8】
前記螺子溝は、
前記ガイド部から前記テーパ部の内部まで伸びて形成されていることを特徴とする請求項7に記載の超音波接合装置のチップ部材の取付方法。
【請求項9】
前記チップ部材取付孔は、
前記超音波ホーンの一面に形成された前記テーパ部が嵌合する第1の孔部と、
前記第1の孔部に続く前記ガイド部が嵌合する第2の孔部と、
前記超音波ホーンの他面に形成された前記螺子部材が挿入され、その側面に前記螺子部材の頭部の周縁部の下端が係合する係合部が形成された第3の孔部と、
を有することを特徴とする請求項7又は8に記載の超音波接合装置のチップ部材の取付方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波接合装置、超音波接合装置のチップ部材及びチップ部材の取付方法に関し、詳しくは、チップ部材を超音波ホーンに対して着脱自在に装着するようにした超音波接合装置、超音波接合装置のチップ部材及びチップ部材の取付方法に関する。
【背景技術】
【0002】
チップ部材を超音波ホーンに対して着脱自在に装着するようにした超音波接合装置としては特許文献1に開示されたものが知られている。
【0003】
特許文献1に開示された「超音波接合ツール及び超音波接合ツールの取付方法」には、障害物等により共振体から接合点までの距離が長く、ツール(チップ部材)の長さを長くせざるを得ない場合や、大きな接合荷重を必要とする場合であっても超音波接合を行うことができる、ホーンへの取付および交換が容易な超音波接合ツール(チップ部材)および当該超音波接合ツール(チップ部材)の取付方法が開示されており、具体的には、その先端面6dで第2の銅板12に加圧すると共に超音波振動を印加することによって第1および第2の銅板11,12を超音波接合する超音波接合ツール(チップ部材)6を、その基端がホーン5に取り付けられた円柱形状の基体部6aと、基体部6aから下方へ延設され、基体部6aより小さな直径を有する円柱形状の先体部6bとから構成し、この基体部6aをホーン5にボルト7で固定することにより超音波接合ツール(チップ部材)6をホーン5に着脱自在に取り付けた構成が開示されている。
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に開示された超音波接合ツール(チップ部材)6においては、円柱形状の先体部6bよりも径の大きい基体部6aをボルト7でホーン5に取り付けているだけなので、ホーン5と超音波接合ツール(チップ部材)6との接合部分の結合が不安定になり、ツール(チップ部材)の長さを長くしたり、大きな接合荷重を必要とする場合等においては安定した超音波接合ができないという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4874445号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明は、超音波接合装置のチップ部材を超音波ホーンに対して着脱自在に装着するように構成するとともに、安定した超音波接合ができるようにした超音波接合装置、チップ部材及びチップ部材の取付方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するため、請求項1の発明は、超音波ホーンに取り付けられたチップ部材を介してアンビル上に載置されたワークの接合対象部位に荷重を与えるとともに前記チップ部材を介して超音波ホーンから前記接合対象部位に超音波振動を印加し、前記接合対象部位を接合する超音波接合装置であって、前記チップ部材は、前記超音波ホーンに取り付けられる根本部に前記超音波ホーン側に向かって順次径が小さくなる円錐台状のテーパ部を有するとともに、前記テーパ部に延設し内壁に螺子溝が形成されたガイド部を有し、前記テーパ部及びガイド部を前記超音波ホーンの一面に形成されたチップ部材取付孔に挿入し、前記超音波ホーンの他面から前記螺子溝に嵌合する螺子部材を締め付けることにより前記チップ部材を前記超音波ホーンに固定することを特徴とする。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記螺子溝は、前記ガイド部から前記テーパ部の内部まで伸びて形成されていることを特徴とする。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、前記チップ部材取付孔は、前記超音波ホーンの一面に形成された前記テーパ部が嵌合する第1の孔部と、前記第1の孔部に続く前記ガイド部が嵌合する第2の孔部と、前記超音波ホーンの他面に形成された前記螺子部材が挿入され、その側面に前記螺子部材の頭部の周縁部の下端が係合する係合部が形成された第3の孔部と、を有することを特徴とする。
【0010】
請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項の発明において、前記チップ部材は、先端の断面積が根本部の断面積より小さくなるように形成されたテーパ状の先端部を有することを特徴とする。
【0011】
請求項5の発明は、超音波ホーンに取り付けられ、アンビル上に載置された接合対象部位を含むワークに当接し、該接合対象部位に荷重を与えるとともに超音波ホーンから超音波振動を印加し、前記接合対象部位を接合する超音波接合装置のチップ部材であって、前記超音波ホーンに取り付けられる根本部に前記超音波ホーン側に向かって順次径が小さくなる円錐台状のテーパ部を有するとともに、前記テーパ部に延設し内壁に螺子溝が形成されたガイド部を有し、前記超音波ホーンの一面に形成されたチップ部材取付孔に前記テーパ部及びガイド部を挿入し、前記超音波ホーンの他面から前記螺子溝に嵌合する螺子部材を締め付けることにより前記超音波ホーンに固定されることを特徴とする。
【0012】
請求項6の発明は、請求項5の発明において、先端の断面積が前記根本部の断面積より小さくなるように形成されたテーパ状の先端部を有することを特徴とする。
【0013】
請求項7の発明は、超音波ホーンに取り付けられ、アンビル上に載置された接合対象部位を含むワークに当接し、該接合対象部位に荷重を与えるとともに超音波ホーンから超音波振動を印加し、前記接合対象部位を接合する超音波接合装置のチップ部材の取付方法であって、前記チップ部材は、前記超音波ホーンに取り付けられる根本部に前記超音波ホーン側に向かって順次径が小さくなる円錐台状のテーパ部を有するとともに、前記テーパ部に延設し内壁に螺子溝が形成されたガイド部を有し、前記テーパ部及びガイド部を前記超音波ホーンの一面に形成されたチップ部材取付孔に挿入し、前記超音波ホーンの他面から前記螺子溝に嵌合する螺子部材を締め付けることにより前記チップ部材を前記超音波ホーンに固定することを特徴とする。
【0014】
請求項8の発明は、請求項7の発明において、前記螺子溝は、前記ガイド部から前記テーパ部の内部まで伸びて形成されていることを特徴とする。
【0015】
請求項9の発明は、請求項7又は8の発明において、前記チップ部材取付孔は、前記超音波ホーンの一面に形成された前記テーパ部が嵌合する第1の孔部と、前記第1の孔部に続く前記ガイド部が嵌合する第2の孔部と、前記超音波ホーンの他面に形成された前記螺子部材が挿入され、その側面に前記螺子部材の頭部の周縁部の下端が係合する係合部が形成された第3の孔部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、超音波ホーンに取り付けられたチップ部材を介してアンビル上に載置されたワークの接合対象部位に荷重を与えるとともに前記チップ部材を介して超音波ホーンから前記接合対象部位に超音波振動を印加し、前記接合対象部位を接合する超音波接合装置であって、前記チップ部材は、前記超音波ホーンに取り付けられる根本部に前記超音波ホーン側に向かって順次径が小さくなる円錐台状のテーパ部を有するとともに、前記テーパ部に延設し内壁に螺子溝が形成されたガイド部を有し、前記テーパ部及びガイド部を前記超音波ホーンの一面に形成されたチップ部材取付孔に挿入し、前記超音波ホーンの他面から前記螺子溝に嵌合する螺子部材を締め付けることにより前記チップ部材を前記超音波ホーンに固定するように構成したので、超音波接合装置のチップ部材を超音波ホーンに対して着脱自在に装着できるとともに、超音波ホーンとチップ部材との拘束力を高くすることができ、これによりチップ部材の先端を有効に発振させて安定した超音波接合ができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、本発明に係る超音波接合装置の一実施例の概略を示す側面図である。
図2図2は、図1に示した超音波接合装置の正面図である。
図3図3は、図1に示した超音波接合装置で用いるチップ部材の一例を示す図である。
図4図4は、図3に示したチップ部材を超音波ホーンに取り付ける取付構造の一例を説明する図である。
図5図5は、図3に示したチップ部材を超音波ホーンに取り付けた状態を示す一部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を実施するための実施例について、添付した図面を参照しながら詳細に説明する。
【0019】
図1は、本発明に係る超音波接合装置の一実施例の概略を示す側面図であり、図2は、図1に示した超音波接合装置の正面図である。
【0020】
図1及び図2において、本発明に係る実施例1の超音波接合装置100は、台座10に固定されたアンビル20上に接合対象部位33を含むワーク30を載置し、このワーク30の接合対象部位33に加圧装置70から荷重を与えるとともに、超音波ホーン(以下、単にホーンという)40の先端に取り付けられたチップ部材410から超音波振動を印加することにより、ワーク30の接合対象部位33、すなわち、ワーク31とワーク32とが接する面でワーク31とワーク32とを接合するものである。
【0021】
ホーン40は、コーン50を介して超音波振動子(以下、単に振動子という)60に接続され、振動子60は、図示しない超音波発振機によりその超音波振動が制御される。ここで、ワーク30の接合対象部位33に対してホーン40の先端から印加される超音波振動は、接合対象部位33に対して平行な横方向Xの振動である。この横方向Xの超音波振動を用いた超音波接合は、例えば、金属同士の接合、プラスチック溶着接合、特に、薄いプラスチックシートやフィルムの溶着接合等に適している。
【0022】
ホーン40、コーン50、振動子60を含む部分は、コーン50に取り付けられた超音波振動子ホルダ(以下、単に振動子ホルダという)61により保持され、加圧装置70からワーク30への加圧は、この振動子ホルダ61を介して行われる。
【0023】
ここで、振動子ホルダ61は、コーン50上であって、振動子60の固有振動による振幅が最小となる部分に取り付けられる。
【0024】
図3は、図1に示した超音波接合装置で用いるチップ部材の一例を示す側面図(図3(A))及び正面図(図3(B))である。
【0025】
この実施例で用いるチップ部材410は、図3(A)に示すように、ホーン40側から延びるチップ部411と、このチップ部411のホーン40に取り付けられる根本部にホーン40側に向かって順次径が小さくなる円錐台状のテーパ部412を有するとともに、テーパ部412に延設し内壁に螺子溝414が形成されたガイド部413とを有する。
【0026】
ここで、ガイド部413の内壁に形成される螺子溝414は、ガイド部413からテーパ部412の内部まで伸びて形成されている
チップ部411は、先端の断面積が根本部の断面積より小さくなるように形成されたテーパ状の先端部415を有する。ここで、チップ部411の先端部415の先端の形状は、直線状の接合対象部位33に対応するために、2方向のみにテーパ面を形成して直線状に形成されているが、円形状の接合対象部位に対応するために、全方向にテーパ面を形成して円状に形成するようにしてもよい。
【0027】
また、チップ部411のテーパ状の先端部415の長さL1は、図3に示したチップ部材410においては、チップ部411の全体の長さLの1/5程度としたが、このチップ部411の全体の長さL及びテーパ状の先端部415の長さL1は任意に設定できる。ただし、この超音波接合装置100において、チップ部411の全体の長さL及びテーパ状の先端部415の長さL1により、チップ部材410の先端部415の先端の超音波振動は変化するので、上記チップ部411の全体の長さL及びテーパ状の先端部415の長さL1は、接合するワーク30の形状、材質等に応じて適宜設定するのが好ましい。
【0028】
図4は、図3に示したチップ部材を超音波ホーンに取り付ける取付構造の一例を説明する図である。
【0029】
図4において、図3に示したチップ部材410をホーン40に取り付けるホーン40の先端部には、ホーン40の下面に形成されたチップ部材410のテーパ部412が嵌合する第1の孔部431、第1の孔部431に続くチップ部材410のガイド部413が嵌合する第2の孔部342、ホーン40の上面に形成された螺子部材420が挿入され、その側面に螺子部材420の頭部422の周縁部の下端が係合する係合部が形成された第3の孔部433を有するチップ部材取付孔430が穿設されている。
【0030】
ここで、図3に示したチップ部材410をホーン40に取り付ける場合は、チップ部材410のテーパ部412及びガイド部413をホーン40の下方側からチップ部材取付孔430の第1の孔部431及び第2の孔部342に挿入するとともに、螺子部材420をホーン40の上方側からチップ部材取付孔430の第3の孔部433に挿入し、螺子部材420をホーン40の上方側から締め付ける。
【0031】
螺子部材420は、螺子部421と頭部422とを有し、螺子部材420に締め付けにより、螺子部材420の頭部422の周縁部の下端がチップ部材取付孔430の第3の孔部433の内面の係合部に係合する。上記構成によると、チップ部材410は、図5に示すように、ホーン40の先端に強固に取り付けられる。
【0032】
すなわち、螺子部材420の締め付けにより、チップ部材410のテーパ部412の外面は、チップ部材取付孔430の第1の孔部431の内面に当接し、このとき、ガイド部413は、チップ部材取付孔430の第2の孔部432に嵌合しているので、ホーン40の先端に対するチップ部材410の取り付けを安定して行うことができる。
【0033】
ここで、チップ部材取付孔430にガイド部413を設けない構成を考えると、螺子部材420の締め付けによりチップ部材410がホーン40に対して傾いて取り付けられることがあり、このような構成では、ホーン40の先端に対するチップ部材410の取り付けを安定して行うことができない。
【0034】
また、上記構成によると、ホーン40の先端に対するチップ部材410の取り付けを螺子部材420の締め付けによって行っているので、ワークの形状、材質等に応じてチップ部材410の取り換えが容易になり、最適な状態での超音波接合が可能になる。
【0035】
以上が本発明の一実施例の説明であるが、本発明は上述の実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内であれば、当業者の通常の創作能力によって多くの変形が可能である。例えば、超音波接合装置だけでなく、溶断や切断などの超音波加工機にも同様に適用できる。
【符号の説明】
【0036】
10…台座
20…アンビル
30…ワーク
40…ホーン
50…コーン
60…振動子
61…振動子ホルダ
70…加圧装置
100…超音波接合装置
410…チップ部材
411…チップ部
412…テーパ部
413…ガイド部
414…螺子溝
415…先端部
420…螺子部材
421…螺子部
422…頭部
430…チップ部材取付孔
431…第1の孔部
432…第2の孔部
433…第3の孔部
図1
図2
図3
図4
図5