(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022167434
(43)【公開日】2022-11-04
(54)【発明の名称】固体電解コンデンサ、及び固体電解コンデンサの製造方法
(51)【国際特許分類】
H01G 9/028 20060101AFI20221027BHJP
H01G 9/00 20060101ALI20221027BHJP
H01G 9/15 20060101ALI20221027BHJP
【FI】
H01G9/028 F
H01G9/028 G
H01G9/00 290H
H01G9/15
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021073214
(22)【出願日】2021-04-23
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-10-27
(71)【出願人】
【識別番号】000134257
【氏名又は名称】株式会社トーキン
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】保科 勇輔
(72)【発明者】
【氏名】石嶋 正弥
(72)【発明者】
【氏名】朝見 忠昌
(72)【発明者】
【氏名】菅原 康久
(57)【要約】
【課題】誘電体層の絶縁劣化とESRの増加を抑制することが可能な固体電解コンデンサを提供することである。
【解決手段】本発明の一態様にかかる固体電解コンデンサ1は、弁金属からなる陽極体11と、陽極体11の上に形成された誘電体層12と、誘電体層12の上に形成された固体電解質層13と、固体電解質層13の上に形成された陰極体層16と、を備える。固体電解質層13は、単分子ドーパントがドープされた第1の導電性高分子25と、ドープ可能な官能基を持つ側鎖を複数具備した自己ドープ型導電性高分子からなる第2の導電性高分子26と、を含む第1の層21と、第1の層21の上に形成され、高分子ドーパントがドープされた第3の導電性高分子を含む第2の層22と、を備え、第1の導電性高分子25が第3の導電性高分子(第2の層22)と接触している。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
弁金属からなる陽極体と、
前記陽極体の上に形成された誘電体層と、
前記誘電体層の上に形成された固体電解質層と、
前記固体電解質層の上に形成された陰極体層と、を備え、
前記固体電解質層は、
単分子ドーパントがドープされた第1の導電性高分子と、ドープ可能な官能基を持つ側鎖を複数具備した自己ドープ型導電性高分子からなる第2の導電性高分子と、を含む第1の層と、
前記第1の層の上に形成され、高分子ドーパントがドープされた第3の導電性高分子を含む第2の層と、を備え、
前記第1の導電性高分子が前記第3の導電性高分子と接触している、
固体電解コンデンサ。
【請求項2】
前記第1の導電性高分子が前記誘電体層の表面において島状に形成されている、請求項1に記載の固体電解コンデンサ。
【請求項3】
前記第2の導電性高分子が前記第3の導電性高分子と接触している、請求項1または2に記載の固体電解コンデンサ。
【請求項4】
前記第1の導電性高分子が、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン及びそれらの誘導体からなる群から選択される少なくとも一種である、請求項1~3のいずれか一項に記載の固体電解コンデンサ。
【請求項5】
前記第2の導電性高分子が、ドープ可能な官能基を持つ側鎖を複数具備した、ポリピロール、ポリチオフェン、またはポリアニリンからなる自己ドープ型導電性高分子であり、それらから選択される少なくとも一種である、請求項1~4のいずれか一項に記載の固体電解コンデンサ。
【請求項6】
前記第3の導電性高分子が、スルホン酸基を有する高分子ドーパントがドープされた、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン及びそれらの誘導体からなる群から選択される少なくとも一種である、請求項1~5のいずれか一項に記載の固体電解コンデンサ。
【請求項7】
前記高分子ドーパントが、ポリスチレンスルホン酸及びそれらの誘導体、またはポリスチレンスルホン酸との共重合体である、請求項6に記載の固体電解コンデンサ。
【請求項8】
弁金属からなる陽極体の上に誘電体層を形成する工程と、
前記誘電体層の上に固体電解質層を形成する工程と、
前記固体電解質層の上に陰極体層を形成する工程と、を備え、
前記固体電解質層を形成する工程は、
前記誘電体層の上に化学重合を用いて第1の導電性高分子を形成した後、自己ドープ型導電性高分子からなる第2の導電性高分子を形成して第1の層を形成する工程と、
高分子ドーパントがドープされた導電性高分子を含む懸濁液を用いて、第3の導電性高分子を含む第2の層を前記第1の層の上に形成する工程と、を備え、
前記固体電解質層を形成する際に、前記第1の導電性高分子が前記第3の導電性高分子と接触するように形成する、
固体電解コンデンサの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は固体電解コンデンサ、及び固体電解コンデンサの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子機器等の様々な分野において固体電解コンデンサが広く用いられている。特許文献1には、固体電解質として導電性高分子を用いた固体電解コンデンサに関する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1にかかる固体電解コンデンサは、固体電解質として導電性高分子が用いられている。例えば、導電性高分子は、誘電体層上に化学重合を用いて形成することができる。しかしながら、誘電体層上に化学重合を用いて導電性高分子を形成した場合は、誘電体層がダメージを受けて絶縁劣化を起こす場合がある。このように誘電体層が絶縁劣化すると絶縁破壊の原因となる。
【0005】
例えば、化学重合の回数を抑えることで誘電体層の絶縁劣化を抑制することができる。しかしながら、化学重合の回数を抑えた場合は固体電解質層の導電率が低下し、固体電解コンデンサの等価直列抵抗(ESR:Equivalent Series Resistance)が高くなるという問題がある。
【0006】
上記課題に鑑み本発明の目的は、誘電体層の絶縁劣化とESRの増加を抑制することが可能な固体電解コンデンサ、及び固体電解コンデンサの製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様にかかる固体電解コンデンサは、弁金属からなる陽極体と、前記陽極体の上に形成された誘電体層と、前記誘電体層の上に形成された固体電解質層と、前記固体電解質層の上に形成された陰極体層と、を備える。前記固体電解質層は、単分子ドーパントがドープされた第1の導電性高分子と、ドープ可能な官能基を持つ側鎖を複数具備した自己ドープ型導電性高分子からなる第2の導電性高分子と、を含む第1の層と、前記第1の層の上に形成され、高分子ドーパントがドープされた第3の導電性高分子を含む第2の層と、を備え、前記第1の導電性高分子が前記第3の導電性高分子と接触している。
【0008】
本発明の一態様にかかる固体電解コンデンサの製造方法は、弁金属からなる陽極体の上に誘電体層を形成する工程と、前記誘電体層の上に固体電解質層を形成する工程と、
前記固体電解質層の上に陰極体層を形成する工程と、を備える。前記固体電解質層を形成する工程は、前記誘電体層の上に化学重合を用いて第1の導電性高分子を形成した後、自己ドープ型導電性高分子からなる第2の導電性高分子を形成して第1の層を形成する工程と、高分子ドーパントがドープされた導電性高分子を含む懸濁液を用いて、第3の導電性高分子を含む第2の層を前記第1の層の上に形成する工程と、を備え、前記固体電解質層を形成する際に、前記第1の導電性高分子が前記第3の導電性高分子と接触するように形成する。
【発明の効果】
【0009】
本発明により、誘電体層の絶縁劣化とESRの増加を抑制することが可能な固体電解コンデンサ、及び固体電解コンデンサの製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施の形態にかかる固体電解コンデンサの断面図である。
【
図2】実施の形態にかかる固体電解コンデンサが備える固体電解質層の一例を示す断面図である。
【
図3】実施の形態にかかる固体電解コンデンサが備える固体電解質層の一例を示す断面図である。
【
図4】実施の形態にかかる固体電解コンデンサが備える固体電解質層の一例を示す断面図である。
【
図5】実施の形態にかかる固体電解コンデンサが備える固体電解質層の一例を示す断面図である。
【
図6】実施の形態にかかる固体電解コンデンサの製造方法を説明するためのフローチャートである。
【
図7】比較例にかかる固体電解コンデンサが備える固体電解質層の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、実施の形態にかかる固体電解コンデンサの断面図である。
図1に示すように、本実施の形態にかかる固体電解コンデンサ1は、陽極体11、誘電体層12、固体電解質層13、陰極層16、導電性接着剤17、陽極リード18、外装樹脂19、及びリードフレーム20a、20bを備える。
【0012】
陽極体11は多孔質の弁金属を用いて構成されている。陽極体11は、例えば、タンタル(Ta)、アルミニウム(Al)、ニオブ(Nb)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、タングステン(W)から選択される少なくとも1種、またはこれらの金属同士の合金を用いることができる。特に、陽極体11は、タンタル(Ta)、アルミニウム(Al)、及びニオブ(Nb)から選択される少なくとも1種、またはこれらの金属同士の合金を用いることが好ましい。陽極体11は、例えば、板状、箔状、または線状の弁金属、弁金属の微粒子を含む焼結体、エッチングによって拡面処理された多孔質の弁金属などを用いて形成される。
【0013】
誘電体層12は、陽極体11の表面に形成されている。例えば、誘電体層12は、陽極体11の表面を陽極酸化することで形成することができる。例えば、陽極体11の表面は多孔質であり、誘電体層12はこの多孔質の孔部にも形成される。例えば、陽極体11にタンタルを用いた場合は、陽極体11を陽極酸化することで、陽極体11の表面に酸化タンタル被膜(誘電体層12)を形成することができる。例えば、誘電体層12の厚みは、陽極酸化の電圧によって適宜調整することができる。
【0014】
固体電解質層13は、誘電体層12の上に形成されている。つまり、固体電解質層13は、誘電体層12の表面全体と接するように形成されている。固体電解質層13の詳細については後述する。
【0015】
陰極層16は、固体電解質層13の上に形成されている。陰極層16は、例えば、カーボン層と銀層とを積層することで形成することができる。なお、カーボン層および銀層は一例であり、陰極層16を構成する材料は導電性を示す材料であれば特に限定されることはない。
【0016】
上述のように、本実施の形態にかかる固体電解コンデンサ1は、陽極体11の上に、誘電体層12、固体電解質層13、陰極層16が順番に積層されている。陽極体11は陽極リード18を備えており、陽極リード18はリードフレーム20aに接続されている。例えば、陽極リード18は溶接によってリードフレーム20aに接続されている。また、陰極層16は導電性接着剤17を介してリードフレーム20bに接続されている。本実施の形態にかかる固体電解コンデンサ1は、2つのリードフレーム20a、20bの一部が外部に露出された状態で外装樹脂19により覆われている。
【0017】
次に、本実施の形態にかかる固体電解コンデンサ1が備える固体電解質層13の詳細について説明する。
図2は、本実施の形態にかかる固体電解コンデンサが備える固体電解質層の一例を示す断面図であり、
図1に示した固体電解コンデンサ1の誘電体層12および固体電解質層13付近の拡大断面図である。なお、
図2では、本発明の特徴を説明するために、固体電解質層13を構成している第1及び第2の導電性高分子25、26を模式的に表現している。
図3~
図5についても同様である。
【0018】
図2に示すように、固体電解質層13は、第1の層21と第2の層22とを備える。第1の層21は、第1の導電性高分子(CH)25と第2の導電性高分子(SD)26とを含む。第1の導電性高分子25には、単分子ドーパントがドープされた導電性高分子を用いることができる。例えば、第1の導電性高分子25として、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン及びそれらの誘導体からなる群から選択される少なくとも一種を用いることができる。
【0019】
第2の導電性高分子26には、ドープ可能な官能基を持つ側鎖を複数具備した自己ドープ型導電性高分子を用いることができる。例えば、第2の導電性高分子26として、ドープ可能な官能基を持つ側鎖を複数具備したポリピロール、ポリチオフェン、またはポリアニリンからなる自己ドープ型導電性高分子であり、それらから選択される少なくとも一種を用いることができる。
【0020】
第2の層22は、第1の層21の上に形成されている。第2の層22は、第3の導電性高分子(SL)を含む。第3の導電性高分子(以下、第3の導電性高分子22とも記載する)には、高分子ドーパントがドープされた導電性高分子を用いることができる。例えば、第3の導電性高分子22には、スルホン酸基を有する高分子ドーパントがドープされた、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン及びそれらの誘導体からなる群から選択される少なくとも一種を用いることができる。高分子ドーパントには、例えば、ポリスチレンスルホン酸及びそれらの誘導体、またはポリスチレンスルホン酸との共重合体を用いることができる。
【0021】
本実施の形態にかかる固体電解コンデンサ1では、第1の導電性高分子25が第3の導電性高分子(第2層)22と接触するように構成されている。
図2では、第1の導電性高分子25が第3の導電性高分子(第2層)22と接触するとともに、第1の層21と第2の層22との界面に空隙27が部分的に存在している構成例を示している。
【0022】
本実施の形態において、第1の導電性高分子25は化学重合を用いて形成される。例えば、化学重合を用いて第1の導電性高分子25を形成した後、溶媒(水、アルコールなど)を用いて洗浄することで未反応物や酸化剤等の残渣を除去できる。洗浄後の第1の導電性高分子25は空隙が多く存在する多孔状(スポンジ状)となる。このため、第1の導電性高分子25は嵩密度が低く、この状態では第1の導電性高分子25の電気抵抗が高い状態となる。
【0023】
本実施の形態では、第1の導電性高分子25を形成した後に第2の導電性高分子26を形成している。よって、第1の導電性高分子25の空隙の一部に第2の導電性高分子26を充填することができ、第1の導電性高分子25と第2の導電性高分子26とが一体となった第1の層21を形成することができる。ここで、第2の導電性高分子26は自己ドープ型導電性高分子であるので、第1の層21全体の密度を高めることができ、第1の層21の電気抵抗を低減することができる。特に、洗浄後の第1の導電性高分子25は空隙が多く存在するので、第1の導電性高分子25の空隙に第2の導電性高分子26を容易に浸透(含浸)させることができる。
【0024】
また、本実施の形態では、第1の導電性高分子25が第3の導電性高分子(第2層)22と接触するように構成されている。例えば、第1の導電性高分子25の空隙に第2の導電性高分子26を浸透(含浸)させる際に、第2の導電性高分子26の濃度や量を調整することで、第1の層21の表面に第1の導電性高分子25を露出させることができる。この状態で、第1の層21の表面に第3の導電性高分子22を形成することで、第1の導電性高分子25と第3の導電性高分子(第2層)22と接触させることができる。
【0025】
例えば、第1の導電性高分子25の空隙に第2の導電性高分子26を浸透(含浸)させた後、溶媒(水、アルコールなど)を用いて洗浄することで、第1の層21の表面に第1の導電性高分子25を露出させることができる。この状態で、第1の層21の表面に第3の導電性高分子22を形成することで、第1の導電性高分子25と第3の導電性高分子(第2層)22と接触させることができる。
【0026】
例えば、第1の層21を形成した後に、第3の導電性高分子を含む懸濁液に浸漬させることで、第1の層21の表面に第3の導電性高分子22を形成することができる。
【0027】
また、第1の導電性高分子25を形成した後、第3の導電性高分子を含む懸濁液に浸漬させ、その後、第1の導電性高分子25の空隙に第2の導電性高分子26を注入するようにしてもよい。この場合も、第1の導電性高分子25と第3の導電性高分子(第2層)22とが接触した固体電解質層13を形成することができる。
【0028】
第1の導電性高分子25は化学重合を用いて形成されるが、誘電体層12の絶縁劣化を抑制するために、第1の導電性高分子25の量は最小限にすることが好ましい。例えば、化学重合に用いるモノマーの濃度や酸化剤の濃度、重合回数等を調整することで、第1の導電性高分子25の量を最小限にすることができる。特に、第1の導電性高分子25を形成する際の化学重合の回数を最小限(例えば、1回)にすることが好ましい。
【0029】
本実施の形態において、第1の導電性高分子25は、誘電体層12の表面において島状に形成されもよい。具体的には
図3に示すように、誘電体層12の上面(表面)を第1の導電性高分子25が島状に覆うようにしてもよい。ここで島状とは、誘電体層12上に第1の導電性高分子25が一様に形成されるのではなく、誘電体層12上に第1の導電性高分子25が不連続に形成されており、第1の導電性高分子25が誘電体層12の上面全面を覆っていない状態のことを意味している。
【0030】
図3に示す例では、島状に形成された第1の導電性高分子25の周囲を覆うように、第2の導電性高分子26が設けられている。また、
図3に示す例においても、第1の導電性高分子25の空隙に第2の導電性高分子26が含浸されている。
図3では、島状に形成された第1の導電性高分子25の周囲を覆っている第2の導電性高分子26を符号26_1、26_2で示している。また、第1の導電性高分子25の空隙に第2の導電性高分子26が含浸されている箇所を符号28_1~28_3で示している。つまり、符号28_1~28_3で示す箇所は、多孔状(スポンジ状)の第1の導電性高分子25が島状に形成されており、この多孔状(スポンジ状)の第1の導電性高分子25の空隙に第2の導電性高分子26が含浸されている状態を示している。他の図面においても同様である。
【0031】
また、本実施の形態では、第1の導電性高分子25が第3の導電性高分子(第2層)22と接触するように構成されているが、このとき、第2の導電性高分子26と第3の導電性高分子(第2層)22とが接触するように構成してもよい。
【0032】
すなわち、
図2に示した構成では、第1の層21と第2の層22との界面に空隙27が部分的に存在していたが、
図4に示すようにこの空隙27に第2の導電性高分子26を設けるようにしてもよい(空隙27に第2の導電性高分子26が設けられている箇所を符号29の破線で示す)。
【0033】
同様に、
図3に示した構成では、第1の層21と第2の層22との界面に空隙27が部分的に存在していたが、
図5に示すようにこの空隙27に第2の導電性高分子26を設けるようにしてもよい(空隙27に第2の導電性高分子26が設けられている箇所を符号29の破線で示す)。このように、空隙27に第2の導電性高分子26を設けた場合は、第1の層21の密度を更に高めることができ、第1の層21の電気抵抗を更に低減することができる。
【0034】
次に、本実施の形態にかかる固体電解コンデンサの製造方法について説明する。
本実施の形態にかかる固体電解コンデンサの製造方法は、弁金属からなる陽極体の上に誘電体層を形成する工程と、誘電体層の上に固体電解質層を形成する工程と、固体電解質層の上に陰極体層を形成する工程と、を備える。固体電解質層を形成する工程は、誘電体層の上に化学重合を用いて第1の導電性高分子を形成した後、自己ドープ型導電性高分子からなる第2の導電性高分子を形成して第1の層を形成する工程と、高分子ドーパントがドープされた導電性高分子を含む懸濁液を用いて、第3の導電性高分子を含む第2の層を第1の層の上に形成する工程と、を備える。そして固体電解質層を形成する際に、第1の導電性高分子が第3の導電性高分子と接触するように形成することを特徴としている。
以下、本実施の形態にかかる固体電解コンデンサの製造方法について詳細に説明する。
【0035】
図6は、本実施の形態にかかる固体電解コンデンサの製造方法を説明するためのフローチャートである。以下では、
図1、
図2を参照しつつ、固体電解コンデンサの製造方法について説明する。
【0036】
図6に示すように、固体電解コンデンサを製造する際は、まず、陽極体11を形成する(ステップS1)。陽極体11には弁金属を用いることができる。弁金属としては、上述の材料を用いることができる。
【0037】
次に、陽極体(弁金属)11を陽極酸化して、陽極体11の表面に誘電体層12を形成する(ステップS2)。その後、誘電体層12の上に、第1の導電性高分子25と第2の導電性高分子26とを含む第1の層21を形成する(ステップS3)。
【0038】
具体的には、まず、誘電体層12の上に第1の導電性高分子25を形成する。第1の導電性高分子25には、単分子ドーパントがドープされた導電性高分子を用いることができる。例えば、第1の導電性高分子25として、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン及びそれらの誘導体からなる群から選択される少なくとも一種を用いることができる。例えば、第1の導電性高分子25は、化学重合を用いて形成することができる。
【0039】
一例を挙げると、誘電体層12が形成された陽極体11(以下、単に陽極体11とも記載する)をp-トルエンスルホン酸鉄III水溶液に浸漬した後、乾燥し水分を除去して誘電体層12上に酸化剤の結晶を作製する。次に、陽極体11を3,4-エチレンジオキシチオフェンの原液に浸漬し、酸化剤の結晶と化学重合反応させる。その後、水、アルコールによる洗浄を行い、未反応物や酸化剤の残渣を除去する。このような処理により、誘電体層12の表面上に、多孔状(スポンジ状)の第1の導電性高分子25を形成することができる。なお、上述した第1の導電性高分子25の形成方法は一例であり、本実施の形態では他の方法を用いて第1の導電性高分子25を形成してもよい。
【0040】
次に、第1の導電性高分子25が形成された誘電体層12の上に第2の導電性高分子26を形成する。第2の導電性高分子26には、ドープ可能な官能基を持つ側鎖を複数具備した自己ドープ型導電性高分子を用いることができる。例えば、第2の導電性高分子26として、ドープ可能な官能基を持つ側鎖を複数具備したポリピロール、ポリチオフェン、またはポリアニリンからなる自己ドープ型導電性高分子であり、それらから選択される少なくとも一種を用いることができる。
【0041】
一例を挙げると、第2の導電性高分子26の材料を含む溶液に第1の導電性高分子25が形成された陽極体11を浸漬し、所定の温度で所定時間、乾燥することで、第2の導電性高分子26を形成することができる。このとき、第1の導電性高分子25の空隙に第2の導電性高分子26が含浸される。例えば、第2の導電性高分子26の材料を含む溶液には、ポリエチレンジオキシチオフェン骨格に直接結合したスルホン酸基を有するポリエチレンジオキシチオフェンを含む水溶液を用いることができる。なお、上述した第2の導電性高分子26の形成方法は一例であり、本実施の形態では他の方法を用いて第2の導電性高分子26を形成してもよい。
【0042】
次に、第1の導電性高分子25と第2の導電性高分子26とを含む第1の層21の上に第3の導電性高分子を含む第2の層22を形成する(ステップS4)。このとき本実施の形態では、第1の導電性高分子25が第3の導電性高分子(第2の層22)と接触するように固体電解質層13を形成する。
【0043】
第3の導電性高分子には、高分子ドーパントがドープされた導電性高分子を用いることができる。例えば、第3の導電性高分子22には、スルホン酸基を有する高分子ドーパントがドープされた、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン及びそれらの誘導体からなる群から選択される少なくとも一種を用いることができる。高分子ドーパントには、例えば、ポリスチレンスルホン酸及びそれらの誘導体、またはポリスチレンスルホン酸との共重合体を用いることができる。
【0044】
一例を挙げると、第3の導電性高分子を含む懸濁液に、上述の第1の層21が形成された陽極体11を浸漬した後、所定の温度で所定時間、乾燥することで、第1の層21の上に第3の導電性高分子を含む第2の層22を形成することができる。
なお、上述した第2の層22の形成方法は一例であり、本実施の形態では他の方法を用いて第2の層22を形成してもよい。
【0045】
第2の層22を形成した後、陰極層16を形成する(ステップS5)。陰極層16は、例えば、カーボン層と銀層とを積層することで形成することができる。
【0046】
次に、リードフレーム(電極)20a、20bを形成する(ステップS6)。具体的には、溶接を用いて、陽極リード18にリードフレーム20aを接続する。また、導電性接着剤17を用いて、陰極層16にリードフレーム20bを接続する。
【0047】
その後、外装樹脂19を形成する(ステップS7)。このとき、2つのリードフレーム20a、20bの一部が外部に露出するように外装樹脂19を形成する。外装樹脂19に使用する樹脂は特に制限はないが、熱硬化性エポキシ樹脂や、液状樹脂を硬化させる方法などを用いることができる。
【0048】
以上で説明した固体電解コンデンサの製造方法を用いることで、本実施の形態にかかる固体電解コンデンサを製造することができる。
【0049】
背景技術で説明したように、固体電解コンデンサでは固体電解質として導電性高分子が広く用いられている。例えば、導電性高分子は、誘電体層上に化学重合を用いて形成することができる。しかしながら、誘電体層上に化学重合を用いて導電性高分子を形成した場合は、誘電体層がダメージを受けて絶縁劣化を起こす場合がある。このように誘電体層が絶縁劣化すると絶縁破壊の原因となる。
【0050】
例えば、化学重合の回数を抑えることで誘電体層の絶縁劣化を抑制することができる。しかしながら、化学重合の回数を抑えた場合は固体電解質層の導電率が低下し、固体電解コンデンサの等価直列抵抗(ESR)が高くなるという問題があった。
【0051】
本実施の形態では、第1の層21と第2の層22とを用いて固体電解質層13を形成している。そして、単分子ドーパントがドープされた第1の導電性高分子25と、ドープ可能な官能基を持つ側鎖を複数具備した自己ドープ型導電性高分子からなる第2の導電性高分子26と、を用いて第1の層21を形成している。また、高分子ドーパントがドープされた第3の導電性高分子を用いて第2の層22を形成している。このとき、第1の導電性高分子25が第3の導電性高分子(第2の層22)と接触するようにしている。
【0052】
このような構成とすることで、化学重合で形成される第1の導電性高分子25(単分子ドーパントがドープされた導電性高分子)の量を最小限にしつつ、不足した固体電解質を自己ドープ型導電性高分子からなる第2の導電性高分子26で補うことができる。したがって、誘電体層12の絶縁劣化を抑制しつつ、固体電解質層13の導電率の低下を抑制できる。また、本実施の形態では、第1の導電性高分子25が第3の導電性高分子(第2の層22)と接触するようにしているので、第1の層21と第2の層22との間で界面剥離が起きることを抑制できる。したがって、固体電解コンデンサのESRの増加を抑制することができる。よって、誘電体層の絶縁劣化とESRの増加を抑制することが可能な固体電解コンデンサ、及び固体電解コンデンサの製造方法を提供することができる。
【0053】
図7は、比較例にかかる固体電解コンデンサが備える固体電解質層の断面図である。
図7に示す比較例では、誘電体層112の上に化学重合を用いて導電性高分子層125を形成した後、導電性高分子層125を覆うように自己ドープ型導電性高分子層126を形成して第1の層121を形成している。その後、第1の層121の上に、高分子ドーパントがドープされた導電性高分子を用いて第2の層122を形成している。第2の層122は、導電性高分子の懸濁液を用いて形成される。第1の層121と第2の層122は固体電解質層113を構成している。
【0054】
図7に示す比較例では、自己ドープ型導電性高分子層126の表面全体が第2の層122(高分子ドーパントがドープされた導電性高分子)と接触している。このような構成では、自己ドープ型導電性高分子層126と第2の層122との界面において界面剥離が起きるため、製品の初期のESRや耐熱試験後のESRが高くなることを本願発明者らは見いだした。
【0055】
この点を考慮して本願発明では、単分子ドーパントがドープされた第1の導電性高分子25が第3の導電性高分子(第2の層22)と接触するようにしている。このような構成とすることで、第1の層21と第2の層22との間で界面剥離が起きることを抑制できる。つまり、第1の導電性高分子25はスポンジ状の構造であるため表面に凹凸がある構造である。この凹凸のある第1の導電性高分子25と第3の導電性高分子22とを接触させると、第3の導電性高分子22が第1の導電性高分子25の隙間内まで入り込む。これにより第1の導電性高分子25と第3の導電性高分子22の密着性が向上し、第1の層21と第2の層22との間での界面剥離を抑制できる。したがって、固体電解コンデンサの初期のESRや耐熱試験後のESRが高くなることを抑制することができる。
【実施例0056】
以下、本発明を実施例に基づき更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0057】
<実施例1>
実施例1にかかるサンプルを以下の方法(
図6参照)を用いて作製した。
まず、比電荷が23000μFV/gのタンタル粉末を用いてタンタル焼結体を作製した。具体的には、まず、陽極リード(タンタルワイヤー)が埋め込まれたタンタル粉末をプレス成形した。その後、この成形体を1500℃で焼結して、タンタル焼結体(陽極体)を作製した。
【0058】
次に、所定のアルミニウム製ホルダーに陽極体を溶接した。そして、陽極体を液温60℃の0.05wt%リン酸水溶液中に浸漬し、70Vの電圧を10時間印加して陽極酸化し、誘電体層(Ta2O5)を形成した。
【0059】
次に、誘電体層が形成された陽極体(以下、単に陽極体とも記載する)を、30wt%のp-トルエンスルホン酸鉄III水溶液に浸漬した後、乾燥し水分を除去して誘電体層上に酸化剤の結晶を作製した。そして、この陽極体を3,4-エチレンジオキシチオフェンの原液に浸漬し、酸化剤の結晶と化学重合反応させた。その後、水、アルコールによる洗浄を行い、未反応物や酸化剤の残渣を除去した。このような処理により、誘電体層の表面上に、多孔状(スポンジ状)の第1の導電性高分子(CH)を形成した。
【0060】
次に、第2の導電性高分子(SD)の材料を含む溶液に第1の導電性高分子(CH)が形成された陽極体を浸漬し、120℃で15分間乾燥することで、第2の導電性高分子(SD)を形成した。第2の導電性高分子(SD)の材料を含む溶液には、ポリエチレンジオキシチオフェン骨格に直接結合したスルホン酸基を有するポリエチレンジオキシチオフェンを1wt%含む水溶液を用いた。このとき、第1の導電性高分子(CH)の空隙に第2の導電性高分子(SD)がしみこむように形成した。
【0061】
次に、第3の導電性高分子(SL)を含む懸濁液に、第1及び第2の導電性高分子が形成された陽極体を浸漬した後、120℃で15分間乾燥して、第1及び第2の導電性高分子(第1の層)の上に第3の導電性高分子(第2の層)を形成した。第3の導電性高分子には、ポリスチレンスルホン酸がドープされたポリエチレンジオキシチオフェンの水分散液を用いた。
【0062】
次に、有機溶媒にカーボン粒子とバインダ樹脂を分散させた溶液に、第3の導電性高分子(第2の層)を形成した後の陽極体を浸漬した。そして、陽極体を溶液から引き上げた後、加熱して溶媒を除去してカーボン層を形成した。続いて、有機溶媒に銀粒子とバインダ樹脂を分散させた銀ペーストに陽極体を浸漬した。そして、陽極体を溶液から引き上げた後、加熱して溶媒を除去して銀層を形成した。このようにして、固体電解質層の上にカーボン層と銀層を形成した。なお、バインダ樹脂は熱硬化性、熱可塑性の何れかを適宜選択することができる。
【0063】
銀層を形成した後、陽極リードを陽極リードフレームに溶接した。また、導電性接着剤を用いて、銀層と陰極リードフレームを固定した。その後、外装樹脂を用いて封止を行い固体電解コンデンサを作製した。
【0064】
<実施例2>
実施例2では、下記の方法を用いて第2の導電性高分子(SD)を作製した。
すなわち、第2の導電性高分子(SD)の材料を含む溶液に第1の導電性高分子(CH)が形成された陽極体を浸漬し、120℃で15分間乾燥することで、第2の導電性高分子(SD)を形成した。第2の導電性高分子(SD)の材料を含む溶液には、ポリエチレンジオキシチオフェン骨格に直接結合したスルホン酸基を有するポリエチレンジオキシチオフェンを2wt%含む水溶液を用いた。このとき、第1の導電性高分子(CH)の空隙に第2の導電性高分子(SD)がしみこむように形成した。
【0065】
その後、水とエタノールでそれぞれ15分間洗浄し、第1の導電性高分子(CH)の表面上に形成された余分な第2の導電性高分子(SD)を除去した。
これ以外は、実施例1の製造方法と同様である。
【0066】
<実施例3>
実施例3では、下記の方法を用いて第1の導電性高分子(CH)を作製した。
すなわち、誘電体層が形成された陽極体を、10wt%に希釈したp-トルエンスルホン酸鉄III水溶液に浸漬した後、乾燥し水分を除去して誘電体層上に酸化剤の結晶を作製した。そして、この陽極体を3,4-エチレンジオキシチオフェンの原液に浸漬し、酸化剤の結晶と化学重合反応させた。その後、水、アルコールによる洗浄を行い、未反応物や酸化剤の残渣を除去した。このような処理により、誘電体層の表面上に、多孔状(スポンジ状)の第1の導電性高分子(CH)を島状に形成した。
これ以外は、実施例1の製造方法と同様である。
【0067】
<実施例4>
実施例4では、下記の方法を用いて第2の導電性高分子(SD)、第3の導電性高分子(SL)を作製した。
【0068】
すなわち、第3の導電性高分子(SL)を含む懸濁液に、第1の導電性高分子(CH)が形成された陽極体を浸漬した。このとき、陽極リード(タンタルワイヤー)が埋め込まれた面に懸濁液が接触しないように陽極体を浸漬した。その後、120℃で15分間乾燥して、第1の導電性高分子(CH)の上に第3の導電性高分子(SD)を形成した。
【0069】
その後、陽極リードが埋め込まれた面(つまり、第1の導電性高分子(CH)上を第3の導電性高分子(SL)が覆っていない面)に、第2の導電性高分子(SD)の材料を含む溶液をシリンジを用いて1μL注入し、120℃で15分間乾燥させた。これにより、第2の導電性高分子(SD)が第1の導電性高分子(CH)の空隙全体に行き渡るように、かつ第2の導電性高分子(SD)が第3の導電性高分子(SL)と接触するように、第2の導電性高分子(SD)を形成した。第2の導電性高分子(SD)の材料を含む溶液には、ポリエチレンジオキシチオフェン骨格に直接結合したスルホン酸基を有するポリエチレンジオキシチオフェンを2wt%含む水溶液を用いた。
これ以外は、実施例2の製造方法と同様である。
【0070】
<比較例1>
比較例1として、第1の導電性高分子(CH)が第3の導電性高分子(SL)と接触していない固体電解質層を有する固体電解コンデンサを作製した(
図7の構成に対応)。具体的には、第2の導電性高分子(SD)の材料を含む溶液に浸漬する回数を増やして、第1の導電性高分子(CH)全体を第2の導電性高分子(SD)が覆うように、第2の導電性高分子(SD)を形成した。なお、第2の導電性高分子(SD)が第1の導電性高分子(CH)全体を覆っている状態は、電子顕微鏡を用いて確認した。これ以外は、実施例1の製造方法と同様である。
【0071】
<サンプルの評価>
上述のようにして作製した実施例1~4、比較例1にかかる固体電解コンデンサのESRを下記の手順で測定した。
【0072】
まず、常温環境下で、4端子測定用のLCRメータを用いて、周波数100kHzにおける初期のESRを測定した。次に、耐熱試験として、各々のサンプルを105℃の温度下にて定格電圧を1000時間印加した。その後、上記と同様の方法を用いてESRを測定した。結果を表1に示す。なお、表1の初期ESRでは、実施例1の初期ESRの値を1としている。例えば、実施例2の初期ESRは1.02であり、これは実施例2の初期ESRの値が実施例1の初期ESRの値の1.02倍であることを示している。実施例3、4、比較例1の初期ESRの値についても同様である。また、表1の耐熱試験後のESRの変化率は、初期ESRからの変化率(=耐熱試験後のESR値/初期ESR値)を示している。
【0073】
【0074】
表1に示すように、実施例1~4では比較例1に対して、初期ESR及び耐熱試験後のESR変化率が抑えられた結果となった。第1の導電性高分子(CH)はスポンジ状の構造であるため表面に凹凸がある構造である。この凹凸のある第1の導電性高分子(CH)と第3の導電性高分子(SL)とを接触させると、第3の導電性高分子(SL)が第1の導電性高分子(CH)の隙間内まで入り込む。これにより第1の導電性高分子(CH)と第3の導電性高分子(SL)の密着性が向上し、第1の層と第2の層との間での界面剥離を抑制できたためと考えられる。
【0075】
また、実施例4では耐熱試験後のESRの変化率が良好であった。この理由は、第2の導電性高分子(SD)を形成する前に、第1の導電性高分子(CH)と第3の導電性高分子(SL)を接触させることで、これらの接触面積を大きくすることができたためと考えられる。また、第1の導電性高分子(CH)と第3の導電性高分子(SL)の接触だけではなく、第2の導電性高分子(SD)と第3の導電性高分子(SL)が接触するため、固体電解質層において導電経路が広く取れるようになったため、初期ESRの値も低減したと考えられる。
【0076】
以上、本発明を上記実施形態に即して説明したが、本発明は上記実施の形態の構成にのみ限定されるものではなく、本願特許請求の範囲の請求項の発明の範囲内で当業者であればなし得る各種変形、修正、組み合わせを含むことは勿論である。